プラズマ発生装置およびこれを用いたワーク処理装置
プラズマ発生装置であって、マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、前記マイクロ波を伝搬させる導波管と、前記導波管にマイクロ波の伝搬方向に相互に間隔を開けて取付けられ、前記マイクロ波を受信し、そのマイクロ波のエネルギーに基づきプラズマ化したガスを生成して放出する複数のプラズマ発生ノズルと、前記プラズマ発生ノズルの一部または全部に対応して、前記マイクロ波の伝搬方向に所定距離だけ離間した後段位置において前記導波管にそれぞれ配置される複数のスタブとを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板等の被処理ワークなどに対してプラズマを照射することで、前記ワークの表面の清浄化や改質などを図ることが可能なプラズマ発生装置およびこれを用いたワーク処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば半導体基板等の被処理ワークに対してプラズマを照射し、その表面の有機汚染物の除去、表面改質、エッチング、薄膜形成または薄膜除去等を行うワーク処理装置が知られている。たとえば特許文献1には、同心状の内側導電体と外側導電体とを有するプラズマ発生ノズルを使用し、内外導電体間に高周波のパルス電界を印加することで、アーク放電ではなく、グロー放電を生じさせてプラズマを発生させるプラズマ処理装置が開示されている。この装置では、ガス供給源からの処理ガスを両導電体間で旋回させながらノズルの基端側から遊端側へ向かわせることで高密度なプラズマを生成し、前記遊端側から被処理ワークに放射することで、常圧下で高密度なプラズマを得ている。
【特許文献1】特開2003−197397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来技術では、単体のプラズマ発生ノズルの使用が示されているだけである。このため、大面積のワークや複数の被処理ワークを纏めて処理するにあたって、複数のプラズマ発生ノズルで、種々の形状のワークに、どのようにすれば均一なプラズマ照射を実現できるかを想到し得ない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、複数の被処理ワークや大面積の被処理ワークに対して、均一なプラズマ照射を行うことができるプラズマ発生装置およびこれを用いたワーク処理装置を提供することにある。
【0005】
この目的を達成する本発明の一局面に係るプラズマ発生装置は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、前記マイクロ波を伝搬させる導波管と、前記導波管にマイクロ波の伝搬方向に相互に間隔を開けて取付けられ、前記マイクロ波を受信し、そのマイクロ波のエネルギーに基づきプラズマ化したガスを生成して放出する複数のプラズマ発生ノズルと、前記プラズマ発生ノズルの一部または全部に対応して、前記マイクロ波の伝搬方向に所定距離だけ離間した後段位置において前記導波管にそれぞれ配置される複数のスタブとを含む。
【0006】
また、本発明の他の局面に係るワーク処理装置は、ワークにプラズマを照射して所定の処理を施与するものであって、上記の構成を有するプラズマ発生装置と、前記プラズマ発生装置によるプラズマ化したガスの照射方向と交差する面上で、前記ワークとプラズマ発生装置とを相対的に移動させる移動機構とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明の一実施形態に係るワーク処理装置Sの全体構成を示す斜視図である。このワーク処理装置Sは、プラズマを発生し、被処理物となるワークWに前記プラズマを照射するプラズマ発生ユニットPU(プラズマ発生装置)と、ワークWを前記プラズマの照射領域を経由する所定のルートで搬送する搬送機構Cとから構成されている。
【0008】
図2は、図1とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットPUの斜視図、図3は一部透視側面図である。なお、図1〜図3において、X−X方向を前後方向、Y−Y方向を左右方向、Z−Z方向を上下方向というものとし、−X方向を前方向、+X方向を後方向、−Yを左方向、+Y方向を右方向、−Z方向を下方向、+Z方向を上方向として説明する。
【0009】
プラズマ発生ユニットPUは、マイクロ波を利用し、常温常圧でのプラズマ発生が可能なユニットである。プラズマ発生ユニットPUは、大略的に、マイクロ波を伝搬させる導波管10、この導波管10の一端側(左側)に配置され所定波長のマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置20、導波管10に設けられたプラズマ発生部30、導波管10の他端側(右側)に配置されマイクロ波を吸収するダミーロード40、導波管10に放出されたマイクロ波のうち反射マイクロ波がマイクロ波発生装置20に戻らないよう分離するサーキュレータ50、サーキュレータ50で分離された反射マイクロ波を吸収するダミーロード60、及び導波管10とプラズマ発生ノズル31とのインピーダンス整合を図るスタブチューナ70を備えて構成されている。
【0010】
搬送機構Cは、図略の駆動機構により回転駆動される搬送ローラ80を含んで構成されている。本実施形態では、平板状のワークWが搬送機構Cにより搬送される例を示している。
【0011】
導波管10は、アルミニウム等の非磁性金属から成り、断面矩形の長尺管状を呈し、マイクロ波発生装置20により発生されたマイクロ波をプラズマ発生部30へ向けて、その長手方向に伝搬させるものである。導波管10は、分割された複数の導波管ピースが互いのフランジ部同士で連結された連結体で構成されており、一端側から順に、マイクロ波発生装置20が搭載される第1導波管ピース11、スタブチューナ70が組付けられる第2導波管ピース12およびプラズマ発生部30が設けられている第3導波管ピース13が連結されて成る。なお、第1導波管ピース11と第2導波管ピース12との間にはサーキュレータ50が介在され、第3導波管ピース13の他端側にはダミーロード40が連結されている。
【0012】
また、第1導波管ピース11、第2導波管ピース12および第3導波管ピース13は、それぞれ金属平板からなる上面板、下面板13Bおよび2枚の側面板を用いて角筒状に組立てられ、その両端にフランジ板が取付けられて構成されている。なお、このような平板の組み立てによらず、押出し成形や板状部材の折り曲げ加工等により形成された矩形導波管ピースもしくは非分割型の導波管を用いるようにしてもよい。また、断面矩形の導波管に限らず、たとえば断面楕円の導波管を用いることも可能である。さらに、非磁性金属に限らず、導波作用を有する各種の部材で導波管を構成することができる。
【0013】
マイクロ波発生装置20は、たとえば2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロン等のマイクロ波発生源を具備する装置本体部21と、装置本体部21で発生されたマイクロ波を導波管10の内部へ放出するマイクロ波送信アンテナ22とを備えて構成されている。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、たとえば1W〜3kWのマイクロ波エネルギーを出力できる連続可変型のマイクロ波発生装置20が好適に用いられる。
【0014】
図3に示すように、マイクロ波発生装置20は、装置本体部21からマイクロ波送信アンテナ22が突設された形態のものであり、第1導波管ピース11に載置される態様で固定されている。詳しくは、装置本体部21が第1導波管ピース11の上面板11Uに載置され、マイクロ波送信アンテナ22が上面板11Uに穿設された貫通孔111を通して第1導波管ピース11内部の導波空間110に突出する態様で固定されている。このように構成されることで、マイクロ波送信アンテナ22から放出された、たとえば2.45GHzのマイクロ波は、導波管10により、その一端側(左側)から他端側(右側)に向けて伝搬される。
【0015】
プラズマ発生部30は、第3導波管ピース13の下面板13B(処理対象のワークWとの対向面)に、左右方向へ一列に整列して突出するように配列された8個のプラズマ発生ノズル31−1〜31−8(総称するときは、以下参照符号31で示す)を含む。さらに、プラズマ発生部30は、第3導波管ピース13の上面板13Uにおいて、各プラズマ発生ノズル31−1〜31−8に対応してマイクロ波搬送方向の後段にそれぞれ配置されたスタブチューナユニット37−1〜37−8(総称するときは、以下参照符号37で示す)と、該第3導波管ピース13の出口付近に設けられるスタブチューナユニット37−0とを具備している。
【0016】
プラズマ発生部30の幅員、つまり8個のプラズマ発生ノズル31の左右方向の配列幅は、平板状ワークWの搬送方向と直交する幅方向のサイズtと略合致する幅員とされている。これにより、ワークWを搬送ローラ80で搬送しながら、ワークWの全表面(下面板13Bと対向する面)に対してプラズマ処理が行えるようになっている。
【0017】
図4で示すように、8個のプラズマ発生ノズル31は、導波管10の軸線でありマイクロ波の伝搬方向に沿った第1直線L1上に配列され、その配列間隔は、導波管10内を伝搬されるマイクロ波の波長λGに応じて定められる。たとえば、波長λGの1/2ピッチや1/4ピッチで配列されることが望ましく、2.45GHzのマイクロ波を用いる場合は、λG=230mmであるので、115mm(λG/2)ピッチ、或いは57.5mm(λG/4)ピッチで配列される。
【0018】
各スタブチューナユニット37は、前記第1直線L1からオフセットした第1直線L1とは平行な第2直線L2上に配列されている。各スタブチューナユニット37は、各プラズマ発生ノズル31に各々対応してマイクロ波の伝搬方向の後段位置に設けられ、プラズマ発生ノズル31と同様に波長λGの1/2ピッチや1/4ピッチで、第2直線L2上に配列される。この結果、各スタブチューナユニット37は、各プラズマ発生ノズル31の配列ピッチの1/2だけ後段にシフトした態様、すなわち前記波長λGの1/4ピッチや1/8ピッチだけ後段にシフトした態様で配列されることとなる。
【0019】
第1直線L1と第2直線L2とのオフセット量は、例えば、プラズマ発生ノズル31やスタブチューナユニット37の配列ピッチの1/4、すなわち前記波長λGの1/8ピッチや1/16ピッチとすることができる。
【0020】
図4では、プラズマ発生ノズル31およびスタブチューナユニット37の配列ピッチがλG/4とされている例を示している。したがって、スタブチューナユニット37のプラズマ発生ノズル31に対するずれ量はλG/8である。また、図4では、第1直線L1と第2直線L2とのオフセット量がλG/16とされている例を示している。
【0021】
スタブチューナユニット37−0は、第3導波管ピース13の出口付近に配置され、何れのプラズマ発生ノズル31−1〜31−8においても取込まれなかったマイクロ波を反射するために設けられている。スタブチューナユニット37−0は、第1直線L1上において、最終段のプラズマ発生ノズル31−8から各プラズマ発生ノズル31の配列ピッチ(したがって、前記図4の例ではλG/4)だけ後方に設けられている。
【0022】
なお、プラズマ発生ノズル31の個数をnとするとき、マイクロ波発生装置20側から数えてn−1番目のプラズマ発生ノズル(図1〜図3の例ではプラズマ発生ノズル31−7)は、取込まれるマイクロ波エネルギーが、各プラズマ発生ノズル31の中で、最も小さくなる可能性が高い。これは、n−1番目のプラズマ発生ノズルよりも前段側のプラズマ発生ノズル31−1〜31−n−1でマイクロ波エネルギーが順次取込まれていること、並びに、最後段のプラズマ発生ノズル31−nでは反射用のスタブチューナユニット37−0によって反射マイクロ波が最も強く与えられていることに起因する。
【0023】
このため、上記n−1番目のプラズマ発生ノズルを基準に、後述するようにしてエネルギー調整を行う場合には、このn−1番目のプラズマ発生ノズルに関しては、対応するスタブチューナユニット37−n−1(図1〜図3のプラズマ発生ノズル31−7)の設置を省くようにしてもよい。
【0024】
図5は、2つのプラズマ発生ノズル31を拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズル31は分解図として描いている)、図6は、図5のVI−VI線側断面図である。プラズマ発生ノズル31は、中心導電体32(内側導電体)、ノズル本体33(外側導電体)、ノズルホルダ34、シール部材35および保護管36を含んで構成されている。
【0025】
中心導電体32は、銅、アルミ、真鍮などの良導電性の金属から構成され、φ1〜5mm程度の棒状部材から成る。中心導電体32は、その上端部321の側が第3導波管ピース13の下面板13Bを貫通して導波空間130に所定長さだけ突出(この突出部分を受信手段である受信アンテナ部320という)する一方で、下端部322がノズル本体33の下端縁331と略面一になるように、上下方向に配置されている。この中心導電体32には、受信アンテナ部320が導波管10内を伝搬するマイクロ波を受信することで、マイクロ波エネルギー(マイクロ波電力)が与えられるようになっている。当該中心導電体32は、長さ方向略中間部において、シール部材35により保持されている。
【0026】
ノズル本体33は、良導電性の金属から構成され、中心導電体32を収納する筒状空間332を有する筒状体である。また、ノズルホルダ34も良導電性の金属から構成され、ノズル本体33を保持する比較的大径の下部保持空間341と、シール部材35を保持する比較的小径の上部保持空間342とを有する筒状体である。一方、シール部材35は、テフロン(登録商標)等の耐熱性樹脂材料やセラミック等の絶縁性部材から成り、前記中心導電体32を固定的に保持する保持孔351をその中心軸上に備える筒状体から成る。
【0027】
ノズル本体33は、上方から順に、ノズルホルダ34の下部保持空間341に嵌合される上側胴部33Uと、後述するガスシールリング37を保持するための環状凹部33Sと、環状に突設されたフランジ部33Fと、ノズルホルダ34から突出する下側胴部33Bとを具備している。また、上側胴部33Uには、所定の処理ガスを前記筒状空間332へ供給させるための連通孔333が穿孔されている。
【0028】
このノズル本体33は、中心導電体32の周囲に配置された外部導電体として機能するもので、中心導電体32は所定の環状空間H(絶縁間隔)が周囲に確保された状態で筒状空間332の中心軸上に挿通されている。ノズル本体33は、上側胴部33Uの外周部がノズルホルダ34の下部保持空間341の内周壁と接触し、またフランジ部33Fの上端面がノズルホルダ34の下端縁343と接触するようにノズルホルダ34に嵌合されている。なお、ノズル本体33は、たとえばプランジャやセットビス等を用いて、ノズルホルダ34に対して着脱自在な固定構造で装着されることが望ましい。
【0029】
ノズルホルダ34は、第3導波管ピース13の下面板13Bに穿孔された貫通孔131に密嵌合される上側胴部34U(上部保持空間342の位置に略対応する)と、下面板13Bから下方向に延出する下側胴部34B(下部保持空間341の位置に略対応する)とを備えている。下側胴部34Bの外周には、処理ガスを前記環状空間Hに供給するためのガス供給孔344が穿孔されている。
【0030】
図示は省略しているが、このガス供給孔344には、所定の処理ガスを供給するガス供給管の終端部が接続するための管継手等が取り付けられる。かかるガス供給孔344と、ノズル本体33の連通孔333とは、ノズル本体33がノズルホルダ34への定位置嵌合された場合に互いに連通状態となるように、各々位置設定されている。なお、ガス供給孔344と連通孔333との突き合わせ部からのガス漏洩を抑止するために、ノズル本体33とノズルホルダ34との間にはガスシールリング337が介在されている。
【0031】
これらガス供給孔344および連通孔333は、周方向に等間隔に複数穿孔されていてもよく、また中心へ向けて半径方向に穿孔されるのではなく、上掲の特開2003−197397号公報のように、処理ガスを旋回させるように、前記筒状空間332の外周面の接線方向に穿孔されてもよい。また、ガス供給孔344および連通孔333は、中心導電体32に対して垂直ではなく、処理ガスの流れを良くするために、上端部321側から下端部322側へ斜めに穿設されてもよい。
【0032】
シール部材35は、その下端縁352がノズル本体33の上端縁334と当接し、その上端縁353がノズルホルダ34の上端係止部345と当接する態様で、ノズルホルダ34の上部保持空間342に保持されている。すなわち、上部保持空間342に中心導電体32を支持した状態のシール部材35が嵌合され、ノズル本体33の上端縁334でその下端縁352が押圧されるようにして組付けられているものである。
【0033】
保護管36は、所定長さの透明な石英ガラスパイプ等から成り、ノズル本体33の筒状空間332の内径に略等しい外径を有する。この保護管36は、ノズル本体33の下端縁331での異常放電(アーキング)を防止して、後述するプルームPを正常に放射させる機能を有しており、その一部がノズル本体33の下端縁331から突出するように、前記筒状空間332に内挿されている。なお、保護管36は、その先端部が下端縁331と一致するように、或いは下端縁331よりも内側へ入り込むように、その全体が筒状空間332に収納されていてもよい。
【0034】
プラズマ発生ノズル31は上記のように構成されている結果、ノズル本体33、ノズルホルダ34および第3導波管ピース13(導波管10)は導通状態(同電位)とされている一方で、中心導電体32は絶縁性のシール部材35で支持されていることから、これらの部材とは電気的に絶縁されている。したがって、図7に示すように、導波管10がアース電位とされた状態で、中心導電体32の受信アンテナ部320でマイクロ波が受信され中心導電体32にマイクロ波電力が給電されると、その下端部322およびノズル本体33の下端縁331の近傍に電界集中部が形成されるようになる。
【0035】
かかる状態で、ガス供給孔344から、たとえば酸素ガスや空気のような酸素系の処理ガスが環状空間Hへ供給されると、前記マイクロ波電力により処理ガスが励起されて中心導電体32の下端部322付近においてプラズマ(電離気体)が発生する。このプラズマは、電子温度が数万度であるものの、ガス温度は外界温度に近い反応性プラズマ(中性分子が示すガス温度に比較して、電子が示す電子温度が極めて高い状態のプラズマ)であって、常圧下で発生するプラズマである。
【0036】
このようにしてプラズマ化された処理ガスは、ガス供給孔344から与えられるガス流によりプルームPとしてノズル本体33の下端縁331から放射される。このプルームPにはラジカルが含まれ、たとえば処理ガスとして酸素系ガスを使用すると酸素ラジカルが生成されることとなり、有機物の分解・除去作用、レジスト除去作用等を有するプルームPとすることができる。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、プラズマ発生ノズル31が複数個配列されていることから、左右方向に延びるライン状のプルームPを発生させることが可能となる。
【0037】
因みに、処理ガスとしてアルゴンガスのような不活性ガスや窒素ガスを用いれば、各種基板の表面クリーニングや表面改質を行うことができる。また、フッ素を含有する化合物ガスを用いれば基板表面を撥水性表面に改質することができ、親水基を含む化合物ガスを用いることで基板表面を親水性表面に改質することができる。さらに、金属元素を含む化合物ガスを用いれば、基板上に金属薄膜層を形成することができる。
【0038】
各プラズマ発生ノズル31には、その先端に取り付けられた保護管36に臨んで、光ファイバ38の一端381が取付けられている。この光ファイバ38の一端381は、ノズル本体33の下端縁331に取付けられる支持部材391によって、その端面3811が保護管36の外周面361に密着するように支持されている。一端381は、フェルールなどで適宜先端処理された上で、支持部材391の挿通孔3911内に挿通され、ビス392などで固定される。
【0039】
支持部材391は、取付け部材393およびビス394などによって、ノズル本体33の下端縁331に固着されている。光ファイバ38は、ガス供給孔344に接続される後述するガス供給管922などと干渉しないように適宜引回され、線材止め具395によって第3導波管ピース13の下面板13Bに取付けられている。
【0040】
ダミーロード40,60は、上述の反射マイクロ波を吸収して熱に変換する水冷型(空冷型でも良い)の電波吸収体である。これらのダミーロード40,60には、冷却水を内部に流通させるための冷却水流通口41,61が設けられており、反射マイクロ波を熱変換することにより発生した熱が前記冷却水に熱交換されるようになっている。なお、導波管10の終端は、このようなダミーロード40によって無反射終端とされている。
【0041】
サーキュレータ50は、たとえばフェライト柱を内蔵する導波管型の3ポートサーキュレータからなり、一旦はプラズマ発生部30へ向けて伝搬されたマイクロ波のうち、プラズマ発生部30で電力消費されずに戻って来た反射マイクロ波を、マイクロ波発生装置20に戻さずダミーロード60へ向かわせるものである。このようなサーキュレータ50を配置することで、マイクロ波発生装置20が反射マイクロ波によって過熱状態となることが防止される。
【0042】
スタブチューナ70は、導波管10とプラズマ発生ノズル31とのインピーダンス整合を図るためのもので、第2導波管ピース12の上面板12Uに所定間隔を置いて直列配置された3つのスタブチューナユニット70A〜70Cを備えている。図8は、スタブチューナ70の設置状況を示す透視側面図である。図示するように、3つのスタブチューナユニット70A〜70Cは同一構造を備えており、第2導波管ピース12の導波空間120に突出するスタブ71と、該スタブ71に直結された操作棒72と、スタブ71を上下方向に出没動作させるための移動機構73と、これら機構を保持する外套74とから構成されている。
【0043】
スタブチューナユニット70A〜70Cに各々備えられているスタブ71は、その導波空間120への突出長が各操作棒72により独立して調整可能とされている。これらスタブ71の突出長は、たとえばマイクロ波電力パワーをモニタしつつ、中心導電体32による消費電力が最大となるポイント(反射マイクロ波が最小になるポイント)を探索することで決定される。
【0044】
各スタブチューナユニット37−0〜37−8は、このスタブチューナユニット70A〜70Cと基本的に同一構造に構成されている。但し、スタブチューナユニット37−1〜37−8は、ステッピングモータによって各スタブの第3導波管ピース13内への突出長が電気的に調整可能とされている。
【0045】
搬送機構Cは、所定の搬送路に沿って配置された複数の搬送ローラ80を備え、図略の駆動機構により搬送ローラ80が駆動されることで、処理対象となるワークWを、前記プラズマ発生部30を経由して搬送させるものである。ここで、処理対象となるワークWとしては、プラズマディスプレイパネルや半導体基板のような平型基板、電子部品が実装された回路基板等を例示することができる。また、平型形状でないパーツや組部品等も処理対象とすることができ、この場合は搬送ローラに代えてベルトコンベア等を採用すればよい。
【0046】
次に、本実施形態に係るワーク処理装置Sの電気的構成について説明する。図9は、ワーク処理装置Sの制御系を示すブロック図である。この制御系は、CPU(中央演算処理装置)901およびその周辺回路等を含む全体制御部90、出力インタフェイスや駆動回路等から成るマイクロ波出力制御部91、ガス流量制御部92、搬送制御部93、スタブ制御部94を含む。これらに加え、ワーク処理装置Sは、表示部や操作パネル等を含み全体制御部90に対して所定の操作信号を与える操作部95、入力インタフェイスやアナログ/デジタル変換器等から成るセンサ入力部97,98、センサ971、駆動モータ931および流量制御弁923を備える。
【0047】
マイクロ波出力制御部91は、マイクロ波発生装置20から出力されるマイクロ波のON−OFF制御、出力強度制御を行うもので、前記2.45GHzのパルス信号を生成してマイクロ波発生装置20の装置本体部21によるマイクロ波発生の動作制御を行う。
【0048】
ガス流量制御部92は、プラズマ発生部30の各プラズマ発生ノズル31へ供給する処理ガスの流量制御を行うものである。具体的には、ガスボンベ等の処理ガス供給源921と各プラズマ発生ノズル31との間を接続するガス供給管922に設けられた流量制御弁923の開閉制御乃至は開度調整を行う。
【0049】
搬送制御部93は、搬送ローラ80を回転駆動させる駆動モータ931の動作制御を行うもので、ワークWの搬送開始/停止、および搬送速度の制御等を行うものである。
【0050】
スタブ制御部94は、各スタブチューナユニット37−1〜37−8に付設されているステッピングモータに駆動信号を与えることで、各ユニットのスタブの、第3導波管ピース13内への突出長をそれぞれ制御する。
【0051】
全体制御部90は、当該ワーク処理装置Sの全体的な動作制御を司るもので、操作部95から与えられる操作信号に応じて、センサ入力部97から入力される速度センサ971によるワークWの搬送速度、センサ入力部98から入力される各プラズマ発生ノズル31におけるプラズマの点灯状態(プルームから発せられる光)の測定結果等をモニタし、上記マイクロ波出力制御部91、ガス流量制御部92、搬送制御部93およびスタブ制御部94を、所定のシーケンスに基づいて動作制御する。
【0052】
具体的には、CPU901は、メモリ902に予め格納されている制御プログラムに基づいて、搬送制御部93を介して駆動モータ931を定速回転させてワークWをプラズマ発生部30へ導き、ガス流量制御部92を介して流量制御弁923に所定流量の処理ガスを各プラズマ発生ノズル31へ供給させつつ、マイクロ波出力制御部91を介してマイクロ波発生装置20に所定強度のマイクロ波を発生させる。これによって、各プラズマ発生ノズル31ではプラズマ(プルームP)が発生し、ワークWを搬送しながらその表面にプルームPを放射させることができる。こうして、複数のワークWを連続的に処理することができる。
【0053】
このとき、CPU901は、複数のプラズマ発生ノズル31のそれぞれに対して設けられる光ファイバ38によって検出されるプラズマ点灯状態をモニタする。全体制御部90が備えるメモリ903には、メーカ側で予め測定されて格納されている所望のプルームの大きさや形状を得ることができる輝度値が格納されている。CPU901は、前記輝度値を読出し、その輝度値となるように、RAM902に格納されている制御プログラムに基づいて、各スタブチューナユニット37−1〜37−8におけるスタブの突出長をそれぞれ制御する。これにより、各プラズマ発生ノズルの消費エネルギー、すなわち発生するプルームPの大きさは均一にされ、ユニフォーミティを得ることができる。
【0054】
センサ入力部98には、光ファイバ38の他端382が接続される。センサ入力部98は、プラズマ発生ノズル31から離間して配置され、かつシールド筐体981によって覆われており、検出された前記輝度値をデジタル信号で前記全体制御部90へ与える。
【0055】
センサ入力部98は、各光ファイバ38の他端382が接続され、プルームPの輝度に対応した電圧または電流の少なくとも一方をそれぞれ出力するフォトダイオードなどの光電変換エレメント982と、光電変換エレメント982で得られた電圧または電流の少なくとも一方を時分割で選択するマルチプレクサ983と、マルチプレクサ983からの出力をアナログ/デジタル変換するアナログ/デジタル変換器984とを備える。
【0056】
このように構成されたワーク処理装置Sの動作を説明する。先ず、導波管10の各プラズマ発生ノズル31−1〜31−8が配列される第1直線L1上において、最後段のプラズマ発生ノズル31−8の後段側にマイクロ波の反射部材となるスタブチューナユニット37−0を設けられている。これにより、マイクロ波発生装置20からの距離が遠くなる程弱くなるマイクロ波の鏡像を作成して、後段側のプラズマ発生ノズル31−8,31−7,・・・におけるマイクロ波の強度低下を抑えることができる。
【0057】
次に、第1直線L1からオフセットした第2直線L2上で、各プラズマ発生ノズル31−1〜31−8の後段側に、各ノズルに対応させてスタブチューナユニット37−1〜37−8が設けられている。それぞれのユニットにおけるスタブの突出長を、光ファイバ38を介して検知されたプルームPの大きさに対応して制御することで、そのスタブが位置するプラズマ発生ノズル間の相互干渉の割合を調整することができる。このようにして、スタブチューナユニット37−0〜37−8を用いた簡易な構成で、各プラズマ発生ノズルの消費エネルギー、すなわち発生するプルームPの大きさを均一にし、ユニフォーミティを得ることができる。
【0058】
なお、各プラズマ発生ノズル31−1〜31−8は、スタブチューナユニット37−0〜37−8が設けられていない場合には、たとえば伝搬されてきたマイクロ波の20%を受信し、残りの80%を通過させる。また、スタブチューナユニット37−0は、たとえば伝搬されてきたマイクロ波の100%を反射し、各スタブチューナユニット37−1〜37−8〜37−8は、スタブを最大限突出させると、たとえばマイクロ波搬送方向の前段側へ60%を反射し、後段側へ40%を通過させる。
【0059】
しかしながら、スタブチューナユニット37−0〜37−8のプラズマ発生ノズル31−1〜31−8に対する影響は、単純に反射率や受信率だけでは説明できず、マイクロ波の入射波と反射波との位相の影響を大きく受け、また各プラズマ発生ノズル31−1〜31−8自身の受電効率や反射率、ならびに各部の配置位置の影響も受ける。このため、各スタブチューナユニット37−0〜37−8をどのような態様で配置し、スタブの突出量をどれだけにするかなどは、装置特性や経験値などに応じて適宜定められる。
【0060】
本実施形態では、スタブチューナユニット37−1〜37−8のスタブの導波管10内への突出長を電動で調整可能とし、各プラズマ発生ノズル31−1〜31−8におけるプラズマの点灯状態を光ファイバ38で検知し、CPU901が、その検知結果に応答して、対応するプラズマ発生ノズル31−1〜31−8の後段側のスタブチューナユニット37−1〜37−8におけるスタブの突出長をフィードバック制御する構成としている。このため、各プラズマ発生ノズル31−1〜31−8の消費エネルギー、すなわち発生するプルームPの大きさを、自動的に均一にすることができる。また、プラズマが点灯したかどうかや、不用意に消灯していないかも検出することができる。
【0061】
さらに、マイクロ波発生装置20から発生されたマイクロ波を、各々のプラズマ発生ノズル31が備える中心導電体32で受信させ、そのマイクロ波のエネルギーに基づきそれぞれのプラズマ発生ノズル31からプラズマ化されたガスを放出させている。このため、マイクロ波が保有するエネルギーの各プラズマ発生ノズル31への伝達系を簡素化することができる。したがって、装置構成のシンプル化、コストダウン等を図ることができる。
【0062】
また、複数のプラズマ発生ノズル31が一列に整列配置されて成るプラズマ発生部30が、平板状のワークWの搬送方向と直交する幅方向のサイズtに略合致した幅員を有している。従って、当該ワークWを、搬送機構Cにより一度だけプラズマ発生部30を通過させるだけで、その全面の処理を完了させることができ、平板状のワークに対するプラズマ処理効率を格段に向上させることができる。また、搬送されて来るワークWに対して同じタイミングでプラズマ化されたガスを放射できるようになり、均質的な表面処理等を行うことができる。
【0063】
以上、本発明の一実施形態に係るワーク処理装置Sについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば下記の実施形態を取ることができる。
(1)上記実施形態では、プラズマ発生ノズル31及びスタブチューナユニット37を、所定間隔を置いた平行な第1直線L1及び第2直線L2上に並ぶように、導波管10(第3導波管ピース13)に対して配列させる例を示した。これに代えて、プラズマ発生ノズル31とスタブチューナユニット37とが一つの直線上に並ぶように、導波管10へ取り付けるようにしても良い。
【0064】
図10は、上記のようなプラズマ発生ノズル及びスタブチューナユニットの配列の変形実施形態を示す図である。ここでは、導波管10−1の長手方向中心線に相当し、マイクロ波の伝搬方向に沿った第3直線L3上に、プラズマ発生ノズル31−11、31−12、31−13、31−14が所定間隔を置いて配列されている。さらに、同じく第3直線L3上であって、各ノズルのマイクロ波伝搬方向後段位置に、それぞれスタブチューナユニット37−11、37−12、37−13、37−14が配列されている。
【0065】
なお、この変形実施形態でも図4で説明した場合と同様に、プラズマ発生ノズル及びスタブチューナユニットの配列ピッチは、それぞれマイクロ波の波長λGの1/2ピッチや1/4ピッチとすることが望ましい。また、各プラズマ発生ノズルと各スタブチューナユニットとの間隔は、波長λGの1/4ピッチや1/8ピッチとすることができる。
【0066】
このような変形実施形態においても、スタブチューナユニット37−11・・・が備える各スタブの、導波管10−1内への突出長を調整することで、プラズマ発生ノズル31−11・・・のパワー調整を行うことができる。また、この変形実施形態では、プラズマ発生ノズル及びスタブチューナユニットが一つの第3直線L3上に配列されるので、導波管10−1に対するノズル及びスタブ取り付け用の孔開け加工が行い易くなり、生産性を向上させることができる利点がある。
(2)このほか、プラズマ発生ノズル31を導波管10(第3導波管ピース13)に対して並列的に、又は千鳥状に、あるいはランダムに複数個配置し、各プラズマ発生ノズル31の周辺の最適な位置にスタブチューナユニット37を各々配置するようにしても良い。
【0067】
図11(A)、11(B)は、プラズマ発生ノズル及びスタブチューナユニットの配列の他の変形実施形態を示す図であり、プラズマ発生ノズル31がマイクロ波の伝搬方向に沿った第4直線L4と、第5直線L5上にそれぞれ配列して取付けられ、スタブチューナユニット31が、プラズマ発生ノズル31の各々に対応して、マイクロ波の伝搬方向後段位置に配置されている例を示している。
【0068】
詳しくは図11(A)では、導波管10−2の第4直線L4上にプラズマ発生ノズル31−21、31−22、31−23が所定間隔を置いて配列され、同じく第4直線L4上であって、各ノズルのマイクロ波伝搬方向後段位置に、それぞれスタブチューナユニット37−21、37−22、37−23が配列されている。同様に、第5直線L5上にプラズマ発生ノズル31−31、31−32、31−33と、スタブチューナユニット37−31、37−32、37−33が配列されている。
【0069】
第4直線L4上のプラズマ発生ノズル31−21、31−22、31−23の配列ピッチと、第5直線L5上のプラズマ発生ノズル31−31、31−32、31−33の配列ピッチは同じであるが、前者に対して後者が1/2ピッチだけ後段にシフトして配列されている。これにより、導波管10−2に対してプラズマ発生ノズルは、上面視で千鳥状に配列されている。なお、導波管10−2の終端は、マイクロ波電力パワーの調整を容易とするために無反射終端42とされている。
【0070】
一方、図11(B)では、導波管10−2’の第4直線L4上のプラズマ発生ノズル31−21、31−22、31−23と、第5直線L5上のプラズマ発生ノズル31−31、31−32、31−33とが並列配置されている例を示している。すなわち、各ノズルが各々2個ずつ、またこれに対応してスタブチューナユニットも2個ずつ、マイクロ波伝搬方向と直交する方向に横並びして配列されている例を示している。
【0071】
図12は、プラズマ発生ノズル及びスタブチューナユニットの配列のさらに他の変形実施形態を示す図である。ここでは、導波管10−3に対してプラズマ発生ノズル31−41、31−42、31−43、31−44がランダムに配置され、これら各ノズルの周辺の最適な後段位置に、スタブチューナユニット37−41、37−42、37−43、37−44が各々配置されている例を示している。
【0072】
以上、図11(A)、11(B)、図12に示した変形実施形態によれば、プラズマ発生ノズルの配置の自由度を高くすることができる利点がある。なお、これら変形実施形態では、導波管の終端からのマイクロ波の反射があるとパワー調整が難しい場合があるので、ダミーロードのような無反射終端42を設けることが特に望ましい。
(3)上記実施形態では、移動機構としてワークWを搬送する搬送機構Cが用いられ、その搬送機構Cとしては搬送ローラ80の上面にワークWを載置して搬送する形態を例示した。この他に、たとえば上下の搬送ローラ間にワークWをニップさせて搬送させる形態、搬送ローラを用いず所定のバスケット等にワークを収納し前記バスケット等をラインコンベア等で搬送させる形態、或いはロボットハンド等でワークWを把持してプラズマ発生部30へ搬送させる形態であってもよい。或いは、移動機構として、プラズマ発生ノズル31側を移動させる構成としてもよい。すなわち、ワークWとプラズマ発生ノズル31とは、プラズマ照射方向(Z方向)とは交差する面(X,Y面)上で相対的に移動すればよい。
(4)上記実施形態では、マイクロ波発生源として2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロンを例示した。マグネトロン以外の各種高周波電源も使用可能であり、また2.45GHzとは異なる波長のマイクロ波を用いるようにしてもよい。
(5)導波管10内におけるマイクロ波電力を測定するために、パワーメータを導波管10の適所に設置することが望ましい。たとえば、マイクロ波発生装置20のマイクロ波送信アンテナ22から放出されたマイクロ波電力に対する反射マイクロ波電力の比を知見するために、サーキュレータ50と第2導波管ピース12との間に、パワーメータを内蔵する導波管を介在させるようにすることができる。
【0073】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0074】
本発明の一局面に係るプラズマ発生装置は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、前記マイクロ波を伝搬させる導波管と、前記導波管にマイクロ波の伝搬方向に相互に間隔を開けて取付けられ、前記マイクロ波を受信し、そのマイクロ波のエネルギーに基づきプラズマ化したガスを生成して放出する複数のプラズマ発生ノズルと、前記プラズマ発生ノズルの一部または全部に対応して、前記マイクロ波の伝搬方向に所定距離だけ離間した後段位置において前記導波管にそれぞれ配置される複数のスタブとを含む。
【0075】
また、本発明の他の局面に係るワーク処理装置は、ワークにプラズマを照射して所定の処理を施与するものであって、上記の構成を有するプラズマ発生装置と、前記プラズマ発生装置によるプラズマ化したガスの照射方向と交差する面上で、前記ワークとプラズマ発生装置とを相対的に移動させる移動機構とを含む。
【0076】
上記の構成によれば、複数のプラズマ発生ノズルの一部または全部に対応して、マイクロ波伝搬方向の後段位置にスタブが設けられているので、スタブの導波管内への突出量を調整することで、各プラズマ発生ノズルの消費エネルギー、すなわち発生するプルームの大きさを調整することができる。従って、例えば各プラズマ発生ノズルの出力パワーを均一にすることが可能となる。従って、当該プラズマ発生装置をワーク処理装置に適用した場合、ワークの均質な処理が行えるようになる。
【0077】
上記構成において、前記プラズマ発生ノズルが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿った第1直線上に配列して取付けられ、前記スタブが、前記第1直線からオフセットした前記第1直線とは平行な第2直線上に配列して取付けられていることが望ましい。
【0078】
この場合、前記第1直線上において、最後段のプラズマ発生ノズルの後段位置に配置されるマイクロ波の反射部材を備えることが望ましい。これによれば、反射部材がマイクロ波発生部からの距離が遠くなる程弱くなるマイクロ波の鏡像を作成して、後段側のプラズマ発生ノズルにおけるマイクロ波の強度低下を抑えることができる。
【0079】
また、前記マイクロ波の波長をλGとするとき、前記各プラズマ発生ノズルおよびスタブはそれぞれλG/4ピッチで配列され、スタブのプラズマ発生ノズルに対する前記マイクロ波の伝搬方向に対するずれ量はλG/8であり、前記第2直線は前記第1直線からλG/16だけオフセットした直線であることが望ましい。この構成によれば、容易に各プラズマ発生ノズルの消費エネルギー、すなわち発生するプルームの大きさを均一にすることができる。
【0080】
上記構成において、前記プラズマ発生ノズル及び前記スタブが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿った第3直線上に配列して取付けられている構成とすることができる。この構成によれば、導波管に対するプラズマ発生ノズル及びスタブ取り付け用の孔開け加工が行い易くなり、生産性を向上させることができる。
【0081】
また、上記構成において、前記プラズマ発生ノズルが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿って非直線的に取付けられ、前記スタブが、前記プラズマ発生ノズルの各々に対応して、前記マイクロ波の伝搬方向後段位置に配置されている構成とすることができる。
【0082】
或いは、前記プラズマ発生ノズルが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿った複数の直線上にそれぞれ配列して取付けられ、前記スタブが、前記プラズマ発生ノズルの各々に対応して、前記マイクロ波の伝搬方向後段位置に配置されている構成とすることができる。
【0083】
これらの構成によれば、導波管に対するプラズマ発生ノズルの配置の自由度を高くすることができる。
【0084】
この場合、導波管の終端からのマイクロ波の反射を抑止してパワー調整を容易とするために、導波管のマイクロ波伝搬方向の終端が無反射終端とされていることが望ましい。
【0085】
上記構成において、前記各スタブは、導波管内への突出長が調整可能とされていることが望ましい。
【0086】
上記構成において、前記各スタブの、導波管内への突出長を電動で調整する調整機構と、前記各プラズマ発生ノズルに設けられ、プラズマの点灯状態を検知する光センサと、前記光センサの検知結果に応答して、前記スタブの突出長を制御する制御部とをさらに備えることが望ましい。
【0087】
この構成によれば、制御部が各光センサの検知結果に応答して、対応するプラズマ発生ノズルの後段側のスタブの前記突出長をフィードバック制御することができる。従って、各プラズマ発生ノズルの消費エネルギー、すなわち発生するプルームの大きさを、自動的に均一にすることができる。また、プラズマが点灯したかどうかや、不用意に消灯していないかも検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明に係るワーク処理装置およびプラズマ発生装置は、半導体ウェハ等の半導体基板に対するエッチング処理装置や成膜装置、プラズマディスプレイパネル等のガラス基板や
プリント基板の清浄化処理装置、医療機器等に対する滅菌処理装置、タンパク質の分解装置等に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施形態に係るワーク処理装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットの斜視図である。
【図3】ワーク処理装置の一部透視側面図である。
【図4】導波管へのプラズマ発生ノズルおよびスタブチューナユニットの配列状態を説明するための模式的な平面図である。
【図5】2つのプラズマ発生ノズルを拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズルは分解図として描いている)である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】プラズマ発生ノズルにおけるプラズマの発生状態を説明するための透視側面図である。
【図8】スタブチューナの設置状況を示す透視側面図である。
【図9】ワーク処理装置の制御系を示すブロック図である。
【図10】導波管へのプラズマ発生ノズルおよびスタブチューナユニットの配列状態の他の実施形態を説明するための模式的平面図である。
【図11】導波管へのプラズマ発生ノズルおよびスタブチューナユニットの配列状態の他の実施形態を説明するための模式的平面図である。
【図12】導波管へのプラズマ発生ノズルおよびスタブチューナユニットの配列状態の他の実施形態を説明するための模式的平面図である。
【符号の説明】
【0090】
10 導波管
20 マイクロ波発生装置(マイクロ波発生部)
30 プラズマ発生部
31 プラズマ発生ノズル
32 中心導電体
33 ノズル本体
34 ノズルホルダ
40 スライディングショート
50 サーキュレータ
60 ダミーロード
70 スタブチューナ
S ワーク処理装置
PU プラズマ発生ユニット(プラズマ発生装置)
C 搬送手段
W ワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板等の被処理ワークなどに対してプラズマを照射することで、前記ワークの表面の清浄化や改質などを図ることが可能なプラズマ発生装置およびこれを用いたワーク処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば半導体基板等の被処理ワークに対してプラズマを照射し、その表面の有機汚染物の除去、表面改質、エッチング、薄膜形成または薄膜除去等を行うワーク処理装置が知られている。たとえば特許文献1には、同心状の内側導電体と外側導電体とを有するプラズマ発生ノズルを使用し、内外導電体間に高周波のパルス電界を印加することで、アーク放電ではなく、グロー放電を生じさせてプラズマを発生させるプラズマ処理装置が開示されている。この装置では、ガス供給源からの処理ガスを両導電体間で旋回させながらノズルの基端側から遊端側へ向かわせることで高密度なプラズマを生成し、前記遊端側から被処理ワークに放射することで、常圧下で高密度なプラズマを得ている。
【特許文献1】特開2003−197397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来技術では、単体のプラズマ発生ノズルの使用が示されているだけである。このため、大面積のワークや複数の被処理ワークを纏めて処理するにあたって、複数のプラズマ発生ノズルで、種々の形状のワークに、どのようにすれば均一なプラズマ照射を実現できるかを想到し得ない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、複数の被処理ワークや大面積の被処理ワークに対して、均一なプラズマ照射を行うことができるプラズマ発生装置およびこれを用いたワーク処理装置を提供することにある。
【0005】
この目的を達成する本発明の一局面に係るプラズマ発生装置は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、前記マイクロ波を伝搬させる導波管と、前記導波管にマイクロ波の伝搬方向に相互に間隔を開けて取付けられ、前記マイクロ波を受信し、そのマイクロ波のエネルギーに基づきプラズマ化したガスを生成して放出する複数のプラズマ発生ノズルと、前記プラズマ発生ノズルの一部または全部に対応して、前記マイクロ波の伝搬方向に所定距離だけ離間した後段位置において前記導波管にそれぞれ配置される複数のスタブとを含む。
【0006】
また、本発明の他の局面に係るワーク処理装置は、ワークにプラズマを照射して所定の処理を施与するものであって、上記の構成を有するプラズマ発生装置と、前記プラズマ発生装置によるプラズマ化したガスの照射方向と交差する面上で、前記ワークとプラズマ発生装置とを相対的に移動させる移動機構とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明の一実施形態に係るワーク処理装置Sの全体構成を示す斜視図である。このワーク処理装置Sは、プラズマを発生し、被処理物となるワークWに前記プラズマを照射するプラズマ発生ユニットPU(プラズマ発生装置)と、ワークWを前記プラズマの照射領域を経由する所定のルートで搬送する搬送機構Cとから構成されている。
【0008】
図2は、図1とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットPUの斜視図、図3は一部透視側面図である。なお、図1〜図3において、X−X方向を前後方向、Y−Y方向を左右方向、Z−Z方向を上下方向というものとし、−X方向を前方向、+X方向を後方向、−Yを左方向、+Y方向を右方向、−Z方向を下方向、+Z方向を上方向として説明する。
【0009】
プラズマ発生ユニットPUは、マイクロ波を利用し、常温常圧でのプラズマ発生が可能なユニットである。プラズマ発生ユニットPUは、大略的に、マイクロ波を伝搬させる導波管10、この導波管10の一端側(左側)に配置され所定波長のマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置20、導波管10に設けられたプラズマ発生部30、導波管10の他端側(右側)に配置されマイクロ波を吸収するダミーロード40、導波管10に放出されたマイクロ波のうち反射マイクロ波がマイクロ波発生装置20に戻らないよう分離するサーキュレータ50、サーキュレータ50で分離された反射マイクロ波を吸収するダミーロード60、及び導波管10とプラズマ発生ノズル31とのインピーダンス整合を図るスタブチューナ70を備えて構成されている。
【0010】
搬送機構Cは、図略の駆動機構により回転駆動される搬送ローラ80を含んで構成されている。本実施形態では、平板状のワークWが搬送機構Cにより搬送される例を示している。
【0011】
導波管10は、アルミニウム等の非磁性金属から成り、断面矩形の長尺管状を呈し、マイクロ波発生装置20により発生されたマイクロ波をプラズマ発生部30へ向けて、その長手方向に伝搬させるものである。導波管10は、分割された複数の導波管ピースが互いのフランジ部同士で連結された連結体で構成されており、一端側から順に、マイクロ波発生装置20が搭載される第1導波管ピース11、スタブチューナ70が組付けられる第2導波管ピース12およびプラズマ発生部30が設けられている第3導波管ピース13が連結されて成る。なお、第1導波管ピース11と第2導波管ピース12との間にはサーキュレータ50が介在され、第3導波管ピース13の他端側にはダミーロード40が連結されている。
【0012】
また、第1導波管ピース11、第2導波管ピース12および第3導波管ピース13は、それぞれ金属平板からなる上面板、下面板13Bおよび2枚の側面板を用いて角筒状に組立てられ、その両端にフランジ板が取付けられて構成されている。なお、このような平板の組み立てによらず、押出し成形や板状部材の折り曲げ加工等により形成された矩形導波管ピースもしくは非分割型の導波管を用いるようにしてもよい。また、断面矩形の導波管に限らず、たとえば断面楕円の導波管を用いることも可能である。さらに、非磁性金属に限らず、導波作用を有する各種の部材で導波管を構成することができる。
【0013】
マイクロ波発生装置20は、たとえば2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロン等のマイクロ波発生源を具備する装置本体部21と、装置本体部21で発生されたマイクロ波を導波管10の内部へ放出するマイクロ波送信アンテナ22とを備えて構成されている。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、たとえば1W〜3kWのマイクロ波エネルギーを出力できる連続可変型のマイクロ波発生装置20が好適に用いられる。
【0014】
図3に示すように、マイクロ波発生装置20は、装置本体部21からマイクロ波送信アンテナ22が突設された形態のものであり、第1導波管ピース11に載置される態様で固定されている。詳しくは、装置本体部21が第1導波管ピース11の上面板11Uに載置され、マイクロ波送信アンテナ22が上面板11Uに穿設された貫通孔111を通して第1導波管ピース11内部の導波空間110に突出する態様で固定されている。このように構成されることで、マイクロ波送信アンテナ22から放出された、たとえば2.45GHzのマイクロ波は、導波管10により、その一端側(左側)から他端側(右側)に向けて伝搬される。
【0015】
プラズマ発生部30は、第3導波管ピース13の下面板13B(処理対象のワークWとの対向面)に、左右方向へ一列に整列して突出するように配列された8個のプラズマ発生ノズル31−1〜31−8(総称するときは、以下参照符号31で示す)を含む。さらに、プラズマ発生部30は、第3導波管ピース13の上面板13Uにおいて、各プラズマ発生ノズル31−1〜31−8に対応してマイクロ波搬送方向の後段にそれぞれ配置されたスタブチューナユニット37−1〜37−8(総称するときは、以下参照符号37で示す)と、該第3導波管ピース13の出口付近に設けられるスタブチューナユニット37−0とを具備している。
【0016】
プラズマ発生部30の幅員、つまり8個のプラズマ発生ノズル31の左右方向の配列幅は、平板状ワークWの搬送方向と直交する幅方向のサイズtと略合致する幅員とされている。これにより、ワークWを搬送ローラ80で搬送しながら、ワークWの全表面(下面板13Bと対向する面)に対してプラズマ処理が行えるようになっている。
【0017】
図4で示すように、8個のプラズマ発生ノズル31は、導波管10の軸線でありマイクロ波の伝搬方向に沿った第1直線L1上に配列され、その配列間隔は、導波管10内を伝搬されるマイクロ波の波長λGに応じて定められる。たとえば、波長λGの1/2ピッチや1/4ピッチで配列されることが望ましく、2.45GHzのマイクロ波を用いる場合は、λG=230mmであるので、115mm(λG/2)ピッチ、或いは57.5mm(λG/4)ピッチで配列される。
【0018】
各スタブチューナユニット37は、前記第1直線L1からオフセットした第1直線L1とは平行な第2直線L2上に配列されている。各スタブチューナユニット37は、各プラズマ発生ノズル31に各々対応してマイクロ波の伝搬方向の後段位置に設けられ、プラズマ発生ノズル31と同様に波長λGの1/2ピッチや1/4ピッチで、第2直線L2上に配列される。この結果、各スタブチューナユニット37は、各プラズマ発生ノズル31の配列ピッチの1/2だけ後段にシフトした態様、すなわち前記波長λGの1/4ピッチや1/8ピッチだけ後段にシフトした態様で配列されることとなる。
【0019】
第1直線L1と第2直線L2とのオフセット量は、例えば、プラズマ発生ノズル31やスタブチューナユニット37の配列ピッチの1/4、すなわち前記波長λGの1/8ピッチや1/16ピッチとすることができる。
【0020】
図4では、プラズマ発生ノズル31およびスタブチューナユニット37の配列ピッチがλG/4とされている例を示している。したがって、スタブチューナユニット37のプラズマ発生ノズル31に対するずれ量はλG/8である。また、図4では、第1直線L1と第2直線L2とのオフセット量がλG/16とされている例を示している。
【0021】
スタブチューナユニット37−0は、第3導波管ピース13の出口付近に配置され、何れのプラズマ発生ノズル31−1〜31−8においても取込まれなかったマイクロ波を反射するために設けられている。スタブチューナユニット37−0は、第1直線L1上において、最終段のプラズマ発生ノズル31−8から各プラズマ発生ノズル31の配列ピッチ(したがって、前記図4の例ではλG/4)だけ後方に設けられている。
【0022】
なお、プラズマ発生ノズル31の個数をnとするとき、マイクロ波発生装置20側から数えてn−1番目のプラズマ発生ノズル(図1〜図3の例ではプラズマ発生ノズル31−7)は、取込まれるマイクロ波エネルギーが、各プラズマ発生ノズル31の中で、最も小さくなる可能性が高い。これは、n−1番目のプラズマ発生ノズルよりも前段側のプラズマ発生ノズル31−1〜31−n−1でマイクロ波エネルギーが順次取込まれていること、並びに、最後段のプラズマ発生ノズル31−nでは反射用のスタブチューナユニット37−0によって反射マイクロ波が最も強く与えられていることに起因する。
【0023】
このため、上記n−1番目のプラズマ発生ノズルを基準に、後述するようにしてエネルギー調整を行う場合には、このn−1番目のプラズマ発生ノズルに関しては、対応するスタブチューナユニット37−n−1(図1〜図3のプラズマ発生ノズル31−7)の設置を省くようにしてもよい。
【0024】
図5は、2つのプラズマ発生ノズル31を拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズル31は分解図として描いている)、図6は、図5のVI−VI線側断面図である。プラズマ発生ノズル31は、中心導電体32(内側導電体)、ノズル本体33(外側導電体)、ノズルホルダ34、シール部材35および保護管36を含んで構成されている。
【0025】
中心導電体32は、銅、アルミ、真鍮などの良導電性の金属から構成され、φ1〜5mm程度の棒状部材から成る。中心導電体32は、その上端部321の側が第3導波管ピース13の下面板13Bを貫通して導波空間130に所定長さだけ突出(この突出部分を受信手段である受信アンテナ部320という)する一方で、下端部322がノズル本体33の下端縁331と略面一になるように、上下方向に配置されている。この中心導電体32には、受信アンテナ部320が導波管10内を伝搬するマイクロ波を受信することで、マイクロ波エネルギー(マイクロ波電力)が与えられるようになっている。当該中心導電体32は、長さ方向略中間部において、シール部材35により保持されている。
【0026】
ノズル本体33は、良導電性の金属から構成され、中心導電体32を収納する筒状空間332を有する筒状体である。また、ノズルホルダ34も良導電性の金属から構成され、ノズル本体33を保持する比較的大径の下部保持空間341と、シール部材35を保持する比較的小径の上部保持空間342とを有する筒状体である。一方、シール部材35は、テフロン(登録商標)等の耐熱性樹脂材料やセラミック等の絶縁性部材から成り、前記中心導電体32を固定的に保持する保持孔351をその中心軸上に備える筒状体から成る。
【0027】
ノズル本体33は、上方から順に、ノズルホルダ34の下部保持空間341に嵌合される上側胴部33Uと、後述するガスシールリング37を保持するための環状凹部33Sと、環状に突設されたフランジ部33Fと、ノズルホルダ34から突出する下側胴部33Bとを具備している。また、上側胴部33Uには、所定の処理ガスを前記筒状空間332へ供給させるための連通孔333が穿孔されている。
【0028】
このノズル本体33は、中心導電体32の周囲に配置された外部導電体として機能するもので、中心導電体32は所定の環状空間H(絶縁間隔)が周囲に確保された状態で筒状空間332の中心軸上に挿通されている。ノズル本体33は、上側胴部33Uの外周部がノズルホルダ34の下部保持空間341の内周壁と接触し、またフランジ部33Fの上端面がノズルホルダ34の下端縁343と接触するようにノズルホルダ34に嵌合されている。なお、ノズル本体33は、たとえばプランジャやセットビス等を用いて、ノズルホルダ34に対して着脱自在な固定構造で装着されることが望ましい。
【0029】
ノズルホルダ34は、第3導波管ピース13の下面板13Bに穿孔された貫通孔131に密嵌合される上側胴部34U(上部保持空間342の位置に略対応する)と、下面板13Bから下方向に延出する下側胴部34B(下部保持空間341の位置に略対応する)とを備えている。下側胴部34Bの外周には、処理ガスを前記環状空間Hに供給するためのガス供給孔344が穿孔されている。
【0030】
図示は省略しているが、このガス供給孔344には、所定の処理ガスを供給するガス供給管の終端部が接続するための管継手等が取り付けられる。かかるガス供給孔344と、ノズル本体33の連通孔333とは、ノズル本体33がノズルホルダ34への定位置嵌合された場合に互いに連通状態となるように、各々位置設定されている。なお、ガス供給孔344と連通孔333との突き合わせ部からのガス漏洩を抑止するために、ノズル本体33とノズルホルダ34との間にはガスシールリング337が介在されている。
【0031】
これらガス供給孔344および連通孔333は、周方向に等間隔に複数穿孔されていてもよく、また中心へ向けて半径方向に穿孔されるのではなく、上掲の特開2003−197397号公報のように、処理ガスを旋回させるように、前記筒状空間332の外周面の接線方向に穿孔されてもよい。また、ガス供給孔344および連通孔333は、中心導電体32に対して垂直ではなく、処理ガスの流れを良くするために、上端部321側から下端部322側へ斜めに穿設されてもよい。
【0032】
シール部材35は、その下端縁352がノズル本体33の上端縁334と当接し、その上端縁353がノズルホルダ34の上端係止部345と当接する態様で、ノズルホルダ34の上部保持空間342に保持されている。すなわち、上部保持空間342に中心導電体32を支持した状態のシール部材35が嵌合され、ノズル本体33の上端縁334でその下端縁352が押圧されるようにして組付けられているものである。
【0033】
保護管36は、所定長さの透明な石英ガラスパイプ等から成り、ノズル本体33の筒状空間332の内径に略等しい外径を有する。この保護管36は、ノズル本体33の下端縁331での異常放電(アーキング)を防止して、後述するプルームPを正常に放射させる機能を有しており、その一部がノズル本体33の下端縁331から突出するように、前記筒状空間332に内挿されている。なお、保護管36は、その先端部が下端縁331と一致するように、或いは下端縁331よりも内側へ入り込むように、その全体が筒状空間332に収納されていてもよい。
【0034】
プラズマ発生ノズル31は上記のように構成されている結果、ノズル本体33、ノズルホルダ34および第3導波管ピース13(導波管10)は導通状態(同電位)とされている一方で、中心導電体32は絶縁性のシール部材35で支持されていることから、これらの部材とは電気的に絶縁されている。したがって、図7に示すように、導波管10がアース電位とされた状態で、中心導電体32の受信アンテナ部320でマイクロ波が受信され中心導電体32にマイクロ波電力が給電されると、その下端部322およびノズル本体33の下端縁331の近傍に電界集中部が形成されるようになる。
【0035】
かかる状態で、ガス供給孔344から、たとえば酸素ガスや空気のような酸素系の処理ガスが環状空間Hへ供給されると、前記マイクロ波電力により処理ガスが励起されて中心導電体32の下端部322付近においてプラズマ(電離気体)が発生する。このプラズマは、電子温度が数万度であるものの、ガス温度は外界温度に近い反応性プラズマ(中性分子が示すガス温度に比較して、電子が示す電子温度が極めて高い状態のプラズマ)であって、常圧下で発生するプラズマである。
【0036】
このようにしてプラズマ化された処理ガスは、ガス供給孔344から与えられるガス流によりプルームPとしてノズル本体33の下端縁331から放射される。このプルームPにはラジカルが含まれ、たとえば処理ガスとして酸素系ガスを使用すると酸素ラジカルが生成されることとなり、有機物の分解・除去作用、レジスト除去作用等を有するプルームPとすることができる。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、プラズマ発生ノズル31が複数個配列されていることから、左右方向に延びるライン状のプルームPを発生させることが可能となる。
【0037】
因みに、処理ガスとしてアルゴンガスのような不活性ガスや窒素ガスを用いれば、各種基板の表面クリーニングや表面改質を行うことができる。また、フッ素を含有する化合物ガスを用いれば基板表面を撥水性表面に改質することができ、親水基を含む化合物ガスを用いることで基板表面を親水性表面に改質することができる。さらに、金属元素を含む化合物ガスを用いれば、基板上に金属薄膜層を形成することができる。
【0038】
各プラズマ発生ノズル31には、その先端に取り付けられた保護管36に臨んで、光ファイバ38の一端381が取付けられている。この光ファイバ38の一端381は、ノズル本体33の下端縁331に取付けられる支持部材391によって、その端面3811が保護管36の外周面361に密着するように支持されている。一端381は、フェルールなどで適宜先端処理された上で、支持部材391の挿通孔3911内に挿通され、ビス392などで固定される。
【0039】
支持部材391は、取付け部材393およびビス394などによって、ノズル本体33の下端縁331に固着されている。光ファイバ38は、ガス供給孔344に接続される後述するガス供給管922などと干渉しないように適宜引回され、線材止め具395によって第3導波管ピース13の下面板13Bに取付けられている。
【0040】
ダミーロード40,60は、上述の反射マイクロ波を吸収して熱に変換する水冷型(空冷型でも良い)の電波吸収体である。これらのダミーロード40,60には、冷却水を内部に流通させるための冷却水流通口41,61が設けられており、反射マイクロ波を熱変換することにより発生した熱が前記冷却水に熱交換されるようになっている。なお、導波管10の終端は、このようなダミーロード40によって無反射終端とされている。
【0041】
サーキュレータ50は、たとえばフェライト柱を内蔵する導波管型の3ポートサーキュレータからなり、一旦はプラズマ発生部30へ向けて伝搬されたマイクロ波のうち、プラズマ発生部30で電力消費されずに戻って来た反射マイクロ波を、マイクロ波発生装置20に戻さずダミーロード60へ向かわせるものである。このようなサーキュレータ50を配置することで、マイクロ波発生装置20が反射マイクロ波によって過熱状態となることが防止される。
【0042】
スタブチューナ70は、導波管10とプラズマ発生ノズル31とのインピーダンス整合を図るためのもので、第2導波管ピース12の上面板12Uに所定間隔を置いて直列配置された3つのスタブチューナユニット70A〜70Cを備えている。図8は、スタブチューナ70の設置状況を示す透視側面図である。図示するように、3つのスタブチューナユニット70A〜70Cは同一構造を備えており、第2導波管ピース12の導波空間120に突出するスタブ71と、該スタブ71に直結された操作棒72と、スタブ71を上下方向に出没動作させるための移動機構73と、これら機構を保持する外套74とから構成されている。
【0043】
スタブチューナユニット70A〜70Cに各々備えられているスタブ71は、その導波空間120への突出長が各操作棒72により独立して調整可能とされている。これらスタブ71の突出長は、たとえばマイクロ波電力パワーをモニタしつつ、中心導電体32による消費電力が最大となるポイント(反射マイクロ波が最小になるポイント)を探索することで決定される。
【0044】
各スタブチューナユニット37−0〜37−8は、このスタブチューナユニット70A〜70Cと基本的に同一構造に構成されている。但し、スタブチューナユニット37−1〜37−8は、ステッピングモータによって各スタブの第3導波管ピース13内への突出長が電気的に調整可能とされている。
【0045】
搬送機構Cは、所定の搬送路に沿って配置された複数の搬送ローラ80を備え、図略の駆動機構により搬送ローラ80が駆動されることで、処理対象となるワークWを、前記プラズマ発生部30を経由して搬送させるものである。ここで、処理対象となるワークWとしては、プラズマディスプレイパネルや半導体基板のような平型基板、電子部品が実装された回路基板等を例示することができる。また、平型形状でないパーツや組部品等も処理対象とすることができ、この場合は搬送ローラに代えてベルトコンベア等を採用すればよい。
【0046】
次に、本実施形態に係るワーク処理装置Sの電気的構成について説明する。図9は、ワーク処理装置Sの制御系を示すブロック図である。この制御系は、CPU(中央演算処理装置)901およびその周辺回路等を含む全体制御部90、出力インタフェイスや駆動回路等から成るマイクロ波出力制御部91、ガス流量制御部92、搬送制御部93、スタブ制御部94を含む。これらに加え、ワーク処理装置Sは、表示部や操作パネル等を含み全体制御部90に対して所定の操作信号を与える操作部95、入力インタフェイスやアナログ/デジタル変換器等から成るセンサ入力部97,98、センサ971、駆動モータ931および流量制御弁923を備える。
【0047】
マイクロ波出力制御部91は、マイクロ波発生装置20から出力されるマイクロ波のON−OFF制御、出力強度制御を行うもので、前記2.45GHzのパルス信号を生成してマイクロ波発生装置20の装置本体部21によるマイクロ波発生の動作制御を行う。
【0048】
ガス流量制御部92は、プラズマ発生部30の各プラズマ発生ノズル31へ供給する処理ガスの流量制御を行うものである。具体的には、ガスボンベ等の処理ガス供給源921と各プラズマ発生ノズル31との間を接続するガス供給管922に設けられた流量制御弁923の開閉制御乃至は開度調整を行う。
【0049】
搬送制御部93は、搬送ローラ80を回転駆動させる駆動モータ931の動作制御を行うもので、ワークWの搬送開始/停止、および搬送速度の制御等を行うものである。
【0050】
スタブ制御部94は、各スタブチューナユニット37−1〜37−8に付設されているステッピングモータに駆動信号を与えることで、各ユニットのスタブの、第3導波管ピース13内への突出長をそれぞれ制御する。
【0051】
全体制御部90は、当該ワーク処理装置Sの全体的な動作制御を司るもので、操作部95から与えられる操作信号に応じて、センサ入力部97から入力される速度センサ971によるワークWの搬送速度、センサ入力部98から入力される各プラズマ発生ノズル31におけるプラズマの点灯状態(プルームから発せられる光)の測定結果等をモニタし、上記マイクロ波出力制御部91、ガス流量制御部92、搬送制御部93およびスタブ制御部94を、所定のシーケンスに基づいて動作制御する。
【0052】
具体的には、CPU901は、メモリ902に予め格納されている制御プログラムに基づいて、搬送制御部93を介して駆動モータ931を定速回転させてワークWをプラズマ発生部30へ導き、ガス流量制御部92を介して流量制御弁923に所定流量の処理ガスを各プラズマ発生ノズル31へ供給させつつ、マイクロ波出力制御部91を介してマイクロ波発生装置20に所定強度のマイクロ波を発生させる。これによって、各プラズマ発生ノズル31ではプラズマ(プルームP)が発生し、ワークWを搬送しながらその表面にプルームPを放射させることができる。こうして、複数のワークWを連続的に処理することができる。
【0053】
このとき、CPU901は、複数のプラズマ発生ノズル31のそれぞれに対して設けられる光ファイバ38によって検出されるプラズマ点灯状態をモニタする。全体制御部90が備えるメモリ903には、メーカ側で予め測定されて格納されている所望のプルームの大きさや形状を得ることができる輝度値が格納されている。CPU901は、前記輝度値を読出し、その輝度値となるように、RAM902に格納されている制御プログラムに基づいて、各スタブチューナユニット37−1〜37−8におけるスタブの突出長をそれぞれ制御する。これにより、各プラズマ発生ノズルの消費エネルギー、すなわち発生するプルームPの大きさは均一にされ、ユニフォーミティを得ることができる。
【0054】
センサ入力部98には、光ファイバ38の他端382が接続される。センサ入力部98は、プラズマ発生ノズル31から離間して配置され、かつシールド筐体981によって覆われており、検出された前記輝度値をデジタル信号で前記全体制御部90へ与える。
【0055】
センサ入力部98は、各光ファイバ38の他端382が接続され、プルームPの輝度に対応した電圧または電流の少なくとも一方をそれぞれ出力するフォトダイオードなどの光電変換エレメント982と、光電変換エレメント982で得られた電圧または電流の少なくとも一方を時分割で選択するマルチプレクサ983と、マルチプレクサ983からの出力をアナログ/デジタル変換するアナログ/デジタル変換器984とを備える。
【0056】
このように構成されたワーク処理装置Sの動作を説明する。先ず、導波管10の各プラズマ発生ノズル31−1〜31−8が配列される第1直線L1上において、最後段のプラズマ発生ノズル31−8の後段側にマイクロ波の反射部材となるスタブチューナユニット37−0を設けられている。これにより、マイクロ波発生装置20からの距離が遠くなる程弱くなるマイクロ波の鏡像を作成して、後段側のプラズマ発生ノズル31−8,31−7,・・・におけるマイクロ波の強度低下を抑えることができる。
【0057】
次に、第1直線L1からオフセットした第2直線L2上で、各プラズマ発生ノズル31−1〜31−8の後段側に、各ノズルに対応させてスタブチューナユニット37−1〜37−8が設けられている。それぞれのユニットにおけるスタブの突出長を、光ファイバ38を介して検知されたプルームPの大きさに対応して制御することで、そのスタブが位置するプラズマ発生ノズル間の相互干渉の割合を調整することができる。このようにして、スタブチューナユニット37−0〜37−8を用いた簡易な構成で、各プラズマ発生ノズルの消費エネルギー、すなわち発生するプルームPの大きさを均一にし、ユニフォーミティを得ることができる。
【0058】
なお、各プラズマ発生ノズル31−1〜31−8は、スタブチューナユニット37−0〜37−8が設けられていない場合には、たとえば伝搬されてきたマイクロ波の20%を受信し、残りの80%を通過させる。また、スタブチューナユニット37−0は、たとえば伝搬されてきたマイクロ波の100%を反射し、各スタブチューナユニット37−1〜37−8〜37−8は、スタブを最大限突出させると、たとえばマイクロ波搬送方向の前段側へ60%を反射し、後段側へ40%を通過させる。
【0059】
しかしながら、スタブチューナユニット37−0〜37−8のプラズマ発生ノズル31−1〜31−8に対する影響は、単純に反射率や受信率だけでは説明できず、マイクロ波の入射波と反射波との位相の影響を大きく受け、また各プラズマ発生ノズル31−1〜31−8自身の受電効率や反射率、ならびに各部の配置位置の影響も受ける。このため、各スタブチューナユニット37−0〜37−8をどのような態様で配置し、スタブの突出量をどれだけにするかなどは、装置特性や経験値などに応じて適宜定められる。
【0060】
本実施形態では、スタブチューナユニット37−1〜37−8のスタブの導波管10内への突出長を電動で調整可能とし、各プラズマ発生ノズル31−1〜31−8におけるプラズマの点灯状態を光ファイバ38で検知し、CPU901が、その検知結果に応答して、対応するプラズマ発生ノズル31−1〜31−8の後段側のスタブチューナユニット37−1〜37−8におけるスタブの突出長をフィードバック制御する構成としている。このため、各プラズマ発生ノズル31−1〜31−8の消費エネルギー、すなわち発生するプルームPの大きさを、自動的に均一にすることができる。また、プラズマが点灯したかどうかや、不用意に消灯していないかも検出することができる。
【0061】
さらに、マイクロ波発生装置20から発生されたマイクロ波を、各々のプラズマ発生ノズル31が備える中心導電体32で受信させ、そのマイクロ波のエネルギーに基づきそれぞれのプラズマ発生ノズル31からプラズマ化されたガスを放出させている。このため、マイクロ波が保有するエネルギーの各プラズマ発生ノズル31への伝達系を簡素化することができる。したがって、装置構成のシンプル化、コストダウン等を図ることができる。
【0062】
また、複数のプラズマ発生ノズル31が一列に整列配置されて成るプラズマ発生部30が、平板状のワークWの搬送方向と直交する幅方向のサイズtに略合致した幅員を有している。従って、当該ワークWを、搬送機構Cにより一度だけプラズマ発生部30を通過させるだけで、その全面の処理を完了させることができ、平板状のワークに対するプラズマ処理効率を格段に向上させることができる。また、搬送されて来るワークWに対して同じタイミングでプラズマ化されたガスを放射できるようになり、均質的な表面処理等を行うことができる。
【0063】
以上、本発明の一実施形態に係るワーク処理装置Sについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば下記の実施形態を取ることができる。
(1)上記実施形態では、プラズマ発生ノズル31及びスタブチューナユニット37を、所定間隔を置いた平行な第1直線L1及び第2直線L2上に並ぶように、導波管10(第3導波管ピース13)に対して配列させる例を示した。これに代えて、プラズマ発生ノズル31とスタブチューナユニット37とが一つの直線上に並ぶように、導波管10へ取り付けるようにしても良い。
【0064】
図10は、上記のようなプラズマ発生ノズル及びスタブチューナユニットの配列の変形実施形態を示す図である。ここでは、導波管10−1の長手方向中心線に相当し、マイクロ波の伝搬方向に沿った第3直線L3上に、プラズマ発生ノズル31−11、31−12、31−13、31−14が所定間隔を置いて配列されている。さらに、同じく第3直線L3上であって、各ノズルのマイクロ波伝搬方向後段位置に、それぞれスタブチューナユニット37−11、37−12、37−13、37−14が配列されている。
【0065】
なお、この変形実施形態でも図4で説明した場合と同様に、プラズマ発生ノズル及びスタブチューナユニットの配列ピッチは、それぞれマイクロ波の波長λGの1/2ピッチや1/4ピッチとすることが望ましい。また、各プラズマ発生ノズルと各スタブチューナユニットとの間隔は、波長λGの1/4ピッチや1/8ピッチとすることができる。
【0066】
このような変形実施形態においても、スタブチューナユニット37−11・・・が備える各スタブの、導波管10−1内への突出長を調整することで、プラズマ発生ノズル31−11・・・のパワー調整を行うことができる。また、この変形実施形態では、プラズマ発生ノズル及びスタブチューナユニットが一つの第3直線L3上に配列されるので、導波管10−1に対するノズル及びスタブ取り付け用の孔開け加工が行い易くなり、生産性を向上させることができる利点がある。
(2)このほか、プラズマ発生ノズル31を導波管10(第3導波管ピース13)に対して並列的に、又は千鳥状に、あるいはランダムに複数個配置し、各プラズマ発生ノズル31の周辺の最適な位置にスタブチューナユニット37を各々配置するようにしても良い。
【0067】
図11(A)、11(B)は、プラズマ発生ノズル及びスタブチューナユニットの配列の他の変形実施形態を示す図であり、プラズマ発生ノズル31がマイクロ波の伝搬方向に沿った第4直線L4と、第5直線L5上にそれぞれ配列して取付けられ、スタブチューナユニット31が、プラズマ発生ノズル31の各々に対応して、マイクロ波の伝搬方向後段位置に配置されている例を示している。
【0068】
詳しくは図11(A)では、導波管10−2の第4直線L4上にプラズマ発生ノズル31−21、31−22、31−23が所定間隔を置いて配列され、同じく第4直線L4上であって、各ノズルのマイクロ波伝搬方向後段位置に、それぞれスタブチューナユニット37−21、37−22、37−23が配列されている。同様に、第5直線L5上にプラズマ発生ノズル31−31、31−32、31−33と、スタブチューナユニット37−31、37−32、37−33が配列されている。
【0069】
第4直線L4上のプラズマ発生ノズル31−21、31−22、31−23の配列ピッチと、第5直線L5上のプラズマ発生ノズル31−31、31−32、31−33の配列ピッチは同じであるが、前者に対して後者が1/2ピッチだけ後段にシフトして配列されている。これにより、導波管10−2に対してプラズマ発生ノズルは、上面視で千鳥状に配列されている。なお、導波管10−2の終端は、マイクロ波電力パワーの調整を容易とするために無反射終端42とされている。
【0070】
一方、図11(B)では、導波管10−2’の第4直線L4上のプラズマ発生ノズル31−21、31−22、31−23と、第5直線L5上のプラズマ発生ノズル31−31、31−32、31−33とが並列配置されている例を示している。すなわち、各ノズルが各々2個ずつ、またこれに対応してスタブチューナユニットも2個ずつ、マイクロ波伝搬方向と直交する方向に横並びして配列されている例を示している。
【0071】
図12は、プラズマ発生ノズル及びスタブチューナユニットの配列のさらに他の変形実施形態を示す図である。ここでは、導波管10−3に対してプラズマ発生ノズル31−41、31−42、31−43、31−44がランダムに配置され、これら各ノズルの周辺の最適な後段位置に、スタブチューナユニット37−41、37−42、37−43、37−44が各々配置されている例を示している。
【0072】
以上、図11(A)、11(B)、図12に示した変形実施形態によれば、プラズマ発生ノズルの配置の自由度を高くすることができる利点がある。なお、これら変形実施形態では、導波管の終端からのマイクロ波の反射があるとパワー調整が難しい場合があるので、ダミーロードのような無反射終端42を設けることが特に望ましい。
(3)上記実施形態では、移動機構としてワークWを搬送する搬送機構Cが用いられ、その搬送機構Cとしては搬送ローラ80の上面にワークWを載置して搬送する形態を例示した。この他に、たとえば上下の搬送ローラ間にワークWをニップさせて搬送させる形態、搬送ローラを用いず所定のバスケット等にワークを収納し前記バスケット等をラインコンベア等で搬送させる形態、或いはロボットハンド等でワークWを把持してプラズマ発生部30へ搬送させる形態であってもよい。或いは、移動機構として、プラズマ発生ノズル31側を移動させる構成としてもよい。すなわち、ワークWとプラズマ発生ノズル31とは、プラズマ照射方向(Z方向)とは交差する面(X,Y面)上で相対的に移動すればよい。
(4)上記実施形態では、マイクロ波発生源として2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロンを例示した。マグネトロン以外の各種高周波電源も使用可能であり、また2.45GHzとは異なる波長のマイクロ波を用いるようにしてもよい。
(5)導波管10内におけるマイクロ波電力を測定するために、パワーメータを導波管10の適所に設置することが望ましい。たとえば、マイクロ波発生装置20のマイクロ波送信アンテナ22から放出されたマイクロ波電力に対する反射マイクロ波電力の比を知見するために、サーキュレータ50と第2導波管ピース12との間に、パワーメータを内蔵する導波管を介在させるようにすることができる。
【0073】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0074】
本発明の一局面に係るプラズマ発生装置は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、前記マイクロ波を伝搬させる導波管と、前記導波管にマイクロ波の伝搬方向に相互に間隔を開けて取付けられ、前記マイクロ波を受信し、そのマイクロ波のエネルギーに基づきプラズマ化したガスを生成して放出する複数のプラズマ発生ノズルと、前記プラズマ発生ノズルの一部または全部に対応して、前記マイクロ波の伝搬方向に所定距離だけ離間した後段位置において前記導波管にそれぞれ配置される複数のスタブとを含む。
【0075】
また、本発明の他の局面に係るワーク処理装置は、ワークにプラズマを照射して所定の処理を施与するものであって、上記の構成を有するプラズマ発生装置と、前記プラズマ発生装置によるプラズマ化したガスの照射方向と交差する面上で、前記ワークとプラズマ発生装置とを相対的に移動させる移動機構とを含む。
【0076】
上記の構成によれば、複数のプラズマ発生ノズルの一部または全部に対応して、マイクロ波伝搬方向の後段位置にスタブが設けられているので、スタブの導波管内への突出量を調整することで、各プラズマ発生ノズルの消費エネルギー、すなわち発生するプルームの大きさを調整することができる。従って、例えば各プラズマ発生ノズルの出力パワーを均一にすることが可能となる。従って、当該プラズマ発生装置をワーク処理装置に適用した場合、ワークの均質な処理が行えるようになる。
【0077】
上記構成において、前記プラズマ発生ノズルが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿った第1直線上に配列して取付けられ、前記スタブが、前記第1直線からオフセットした前記第1直線とは平行な第2直線上に配列して取付けられていることが望ましい。
【0078】
この場合、前記第1直線上において、最後段のプラズマ発生ノズルの後段位置に配置されるマイクロ波の反射部材を備えることが望ましい。これによれば、反射部材がマイクロ波発生部からの距離が遠くなる程弱くなるマイクロ波の鏡像を作成して、後段側のプラズマ発生ノズルにおけるマイクロ波の強度低下を抑えることができる。
【0079】
また、前記マイクロ波の波長をλGとするとき、前記各プラズマ発生ノズルおよびスタブはそれぞれλG/4ピッチで配列され、スタブのプラズマ発生ノズルに対する前記マイクロ波の伝搬方向に対するずれ量はλG/8であり、前記第2直線は前記第1直線からλG/16だけオフセットした直線であることが望ましい。この構成によれば、容易に各プラズマ発生ノズルの消費エネルギー、すなわち発生するプルームの大きさを均一にすることができる。
【0080】
上記構成において、前記プラズマ発生ノズル及び前記スタブが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿った第3直線上に配列して取付けられている構成とすることができる。この構成によれば、導波管に対するプラズマ発生ノズル及びスタブ取り付け用の孔開け加工が行い易くなり、生産性を向上させることができる。
【0081】
また、上記構成において、前記プラズマ発生ノズルが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿って非直線的に取付けられ、前記スタブが、前記プラズマ発生ノズルの各々に対応して、前記マイクロ波の伝搬方向後段位置に配置されている構成とすることができる。
【0082】
或いは、前記プラズマ発生ノズルが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿った複数の直線上にそれぞれ配列して取付けられ、前記スタブが、前記プラズマ発生ノズルの各々に対応して、前記マイクロ波の伝搬方向後段位置に配置されている構成とすることができる。
【0083】
これらの構成によれば、導波管に対するプラズマ発生ノズルの配置の自由度を高くすることができる。
【0084】
この場合、導波管の終端からのマイクロ波の反射を抑止してパワー調整を容易とするために、導波管のマイクロ波伝搬方向の終端が無反射終端とされていることが望ましい。
【0085】
上記構成において、前記各スタブは、導波管内への突出長が調整可能とされていることが望ましい。
【0086】
上記構成において、前記各スタブの、導波管内への突出長を電動で調整する調整機構と、前記各プラズマ発生ノズルに設けられ、プラズマの点灯状態を検知する光センサと、前記光センサの検知結果に応答して、前記スタブの突出長を制御する制御部とをさらに備えることが望ましい。
【0087】
この構成によれば、制御部が各光センサの検知結果に応答して、対応するプラズマ発生ノズルの後段側のスタブの前記突出長をフィードバック制御することができる。従って、各プラズマ発生ノズルの消費エネルギー、すなわち発生するプルームの大きさを、自動的に均一にすることができる。また、プラズマが点灯したかどうかや、不用意に消灯していないかも検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明に係るワーク処理装置およびプラズマ発生装置は、半導体ウェハ等の半導体基板に対するエッチング処理装置や成膜装置、プラズマディスプレイパネル等のガラス基板や
プリント基板の清浄化処理装置、医療機器等に対する滅菌処理装置、タンパク質の分解装置等に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施形態に係るワーク処理装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットの斜視図である。
【図3】ワーク処理装置の一部透視側面図である。
【図4】導波管へのプラズマ発生ノズルおよびスタブチューナユニットの配列状態を説明するための模式的な平面図である。
【図5】2つのプラズマ発生ノズルを拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズルは分解図として描いている)である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】プラズマ発生ノズルにおけるプラズマの発生状態を説明するための透視側面図である。
【図8】スタブチューナの設置状況を示す透視側面図である。
【図9】ワーク処理装置の制御系を示すブロック図である。
【図10】導波管へのプラズマ発生ノズルおよびスタブチューナユニットの配列状態の他の実施形態を説明するための模式的平面図である。
【図11】導波管へのプラズマ発生ノズルおよびスタブチューナユニットの配列状態の他の実施形態を説明するための模式的平面図である。
【図12】導波管へのプラズマ発生ノズルおよびスタブチューナユニットの配列状態の他の実施形態を説明するための模式的平面図である。
【符号の説明】
【0090】
10 導波管
20 マイクロ波発生装置(マイクロ波発生部)
30 プラズマ発生部
31 プラズマ発生ノズル
32 中心導電体
33 ノズル本体
34 ノズルホルダ
40 スライディングショート
50 サーキュレータ
60 ダミーロード
70 スタブチューナ
S ワーク処理装置
PU プラズマ発生ユニット(プラズマ発生装置)
C 搬送手段
W ワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、
前記マイクロ波を伝搬させる導波管と、
前記導波管にマイクロ波の伝搬方向に相互に間隔を開けて取付けられ、前記マイクロ波を受信し、そのマイクロ波のエネルギーに基づきプラズマ化したガスを生成して放出する複数のプラズマ発生ノズルと、
前記プラズマ発生ノズルの一部または全部に対応して、前記マイクロ波の伝搬方向に所定距離だけ離間した後段位置において前記導波管にそれぞれ配置される複数のスタブと、
を備えることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプラズマ発生装置において、
前記プラズマ発生ノズルが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿った第1直線上に配列して取付けられ、
前記スタブが、前記第1直線からオフセットした前記第1直線とは平行な第2直線上に配列して取付けられていることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項3】
請求項2に記載のプラズマ発生装置において、
前記第1直線上において、最後段のプラズマ発生ノズルの後段位置に配置されるマイクロ波の反射部材をさらに備えることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項4】
請求項2に記載のプラズマ発生装置において、
前記マイクロ波の波長をλGとするとき、前記各プラズマ発生ノズルおよびスタブはそれぞれλG/4ピッチで配列され、
スタブのプラズマ発生ノズルに対する前記マイクロ波の伝搬方向に対するずれ量はλG/8であり、
前記第2直線は前記第1直線からλG/16だけオフセットした直線であることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項5】
請求項1に記載のプラズマ発生装置において、
前記プラズマ発生ノズル及び前記スタブが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿った第3直線上に配列して取付けられていることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項6】
請求項1に記載のプラズマ発生装置において、
前記プラズマ発生ノズルが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿って非直線的に取付けられ、前記スタブが、前記プラズマ発生ノズルの各々に対応して、前記マイクロ波の伝搬方向後段位置に配置されていることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項7】
請求項1に記載のプラズマ発生装置において、
前記プラズマ発生ノズルが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿った複数の直線上にそれぞれ配列して取付けられ、
前記スタブが、前記プラズマ発生ノズルの各々に対応して、前記マイクロ波の伝搬方向後段位置に配置されていることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のプラズマ発生装置において、
前記導波管のマイクロ波伝搬方向の終端が、無反射終端とされていることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項9】
請求項1に記載のプラズマ発生装置において、
前記各スタブは、導波管内への突出長が調整可能とされていることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項10】
請求項1に記載のプラズマ発生装置において、
前記各スタブの、導波管内への突出長を電動で調整する調整機構と、
前記各プラズマ発生ノズルに設けられ、プラズマの点灯状態を検知する光センサと、
前記光センサの検知結果に応答して、前記スタブの突出長を制御する制御部と、
をさらに備えることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項11】
ワークにプラズマを照射して所定の処理を施与するワーク処理装置であって、
請求項1〜10のいずれか1項に記載のプラズマ発生装置と、
前記プラズマ発生装置によるプラズマ化したガスの照射方向と交差する面上で、前記ワークとプラズマ発生装置とを相対的に移動させる移動機構と、
を備えることを特徴とするワーク処理装置。
【請求項1】
マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、
前記マイクロ波を伝搬させる導波管と、
前記導波管にマイクロ波の伝搬方向に相互に間隔を開けて取付けられ、前記マイクロ波を受信し、そのマイクロ波のエネルギーに基づきプラズマ化したガスを生成して放出する複数のプラズマ発生ノズルと、
前記プラズマ発生ノズルの一部または全部に対応して、前記マイクロ波の伝搬方向に所定距離だけ離間した後段位置において前記導波管にそれぞれ配置される複数のスタブと、
を備えることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプラズマ発生装置において、
前記プラズマ発生ノズルが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿った第1直線上に配列して取付けられ、
前記スタブが、前記第1直線からオフセットした前記第1直線とは平行な第2直線上に配列して取付けられていることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項3】
請求項2に記載のプラズマ発生装置において、
前記第1直線上において、最後段のプラズマ発生ノズルの後段位置に配置されるマイクロ波の反射部材をさらに備えることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項4】
請求項2に記載のプラズマ発生装置において、
前記マイクロ波の波長をλGとするとき、前記各プラズマ発生ノズルおよびスタブはそれぞれλG/4ピッチで配列され、
スタブのプラズマ発生ノズルに対する前記マイクロ波の伝搬方向に対するずれ量はλG/8であり、
前記第2直線は前記第1直線からλG/16だけオフセットした直線であることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項5】
請求項1に記載のプラズマ発生装置において、
前記プラズマ発生ノズル及び前記スタブが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿った第3直線上に配列して取付けられていることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項6】
請求項1に記載のプラズマ発生装置において、
前記プラズマ発生ノズルが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿って非直線的に取付けられ、前記スタブが、前記プラズマ発生ノズルの各々に対応して、前記マイクロ波の伝搬方向後段位置に配置されていることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項7】
請求項1に記載のプラズマ発生装置において、
前記プラズマ発生ノズルが、前記マイクロ波の伝搬方向に沿った複数の直線上にそれぞれ配列して取付けられ、
前記スタブが、前記プラズマ発生ノズルの各々に対応して、前記マイクロ波の伝搬方向後段位置に配置されていることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のプラズマ発生装置において、
前記導波管のマイクロ波伝搬方向の終端が、無反射終端とされていることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項9】
請求項1に記載のプラズマ発生装置において、
前記各スタブは、導波管内への突出長が調整可能とされていることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項10】
請求項1に記載のプラズマ発生装置において、
前記各スタブの、導波管内への突出長を電動で調整する調整機構と、
前記各プラズマ発生ノズルに設けられ、プラズマの点灯状態を検知する光センサと、
前記光センサの検知結果に応答して、前記スタブの突出長を制御する制御部と、
をさらに備えることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項11】
ワークにプラズマを照射して所定の処理を施与するワーク処理装置であって、
請求項1〜10のいずれか1項に記載のプラズマ発生装置と、
前記プラズマ発生装置によるプラズマ化したガスの照射方向と交差する面上で、前記ワークとプラズマ発生装置とを相対的に移動させる移動機構と、
を備えることを特徴とするワーク処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2010−500702(P2010−500702A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503764(P2009−503764)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【国際出願番号】PCT/JP2007/068212
【国際公開番号】WO2008/032856
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【出願人】(507005816)アマランテ テクノロジーズ,インク. (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【国際出願番号】PCT/JP2007/068212
【国際公開番号】WO2008/032856
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【出願人】(507005816)アマランテ テクノロジーズ,インク. (3)
【Fターム(参考)】
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