説明

プリント回路基板のメッキ層形成方法およびこれから製造されたプリント回路基板

【課題】プリント回路基板に要求される半田付け性およびワイヤボンディング性を満足させることが可能なプリント回路基板のメッキ層形成方法を提供する。
【解決手段】半導体表面実装のためのワイヤボンディング部12、13および外部部品との接続のための半田付け部を含み、一定の回路パターンが形成されたプリント回路基板を用意する段階と、プリント回路基板のワイヤボンディング部12、13および半田付け部を除いた部分にフォトソルダレジスト層14を形成する段階と、ワイヤボンディング部12、13および半田付け部に無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層15を形成する段階と、パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層15上に、水溶性金化合物を含む置換型浸漬金メッキ液を接触させて無電解金または金合金メッキ層16を形成する段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板のメッキ層形成方法およびこれから製造されたプリント回路基板に関する。より具体的には、本発明は、プリント回路基板の銅露出部位に無電解置換メッキによってパラジウムまたはパラジウム合金をメッキしてパラジウムまたはパラジウム合金メッキ層を形成し、その上に無電解置換メッキによって金メッキまたは金合金メッキ層を形成して、半導体パッケージングにおいて高信頼度を有するプリント回路基板のメッキ層を形成する方法およびこれから製造されたプリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
リジッド、フレキシブルまたはリジッド・フレキシブルプリント回路基板は、半導体部品をワイヤボンディングにより実装するランド、及びICチップやRAMなどの素子を半田付けにより実装するランドを有する。これと関連し、図1にはプリント回路基板の代表的モデル、BGA、マルチチップモジュール(以下、MCMという)、及びカメラモジュールの平面写真が示されている。図1に示されているように、ワイヤボンディング工程が必要なランド(銅箔露出部位)2、3(以下、ワイヤボンディングランドという)および半田付け工程が必要なランド(銅箔露出部位)(以下、半田付けランドという)(図示せず)は、銅材質からなることが典型的である。ところが、このように外部に露出された銅層は、時間経過に伴って酸化したり腐食したりして、半田付けあるいはワイヤボンディング特性を損なう可能性がある。したがって、半田付けおよびワイヤボンディング特性を維持するためには、露出された銅層上に電気ニッケルメッキまたは無電解ニッケルメッキを施して腐食性雰囲気から、長期的な貯蔵条件の下でも銅を保護する。また、ニッケルメッキ層は、銅と、後にメッキされる金との間の界面膜としての役割をして相互拡散を防止する。その後、電気金メッキまたは無電解金メッキを0.5μm程度で実施して、容易にワイヤボンディングを行うことができるような特性を提供している。
【0003】
一般に、上述したようなメッキ工程は当業界において広く知られているが、例えば特許文献1は、フォトソルダレジスト(PSR)を用いて金メッキしようとする銅露出部位に無電解ニッケル層を形成した後、1つ以上の水溶性金化合物、1つ以上の伝導性塩、1つ以上の還元剤および水を含むメッキ液を用いてプリント回路基板を製造する方法を開示している。
【0004】
また、特許文献2は、無電解ニッケルメッキの後、金−銀合金メッキ液を用いて、金(Au)および銀(Ag)からなる合金メッキ層を提供する方法を開示している。また、特許文献3は、金メッキしようとする銅部位上に非晶質の第1無電解ニッケル皮膜を形成し、その上に結晶質の第2無電解ニッケル皮膜を形成し、さらにその上に置換反応を主反応とする無電解金メッキ膜を形成する方法を開示している。その他にも、特許文献4および特許文献5は、銅層上にニッケル−金メッキ層を形成する改良技術を開示している。
【0005】
プリント回路基板において、ニッケルまたはニッケル合金メッキの後、厚金メッキを施す理由は、次のとおりである。
【0006】
ニッケルまたはニッケル合金メッキの後、薄金メッキ(フラッシュ金メッキ、通常0.1μm以下)を施す場合には、ワイヤボンディング性に劣り、基準値に達しなくなる。よって、ワイヤボンディング性を満足させるために、金メッキ層の厚さをさらに厚くしなければならないが、通常0.5μm以上の金厚さになると、5gf以上の力になって、満足すべきワイヤボンディング値を得ることができる。
【0007】
これと関連し、従来から知られているプリント回路基板の概略的な金メッキ工程の具体例が図2に示されている。
【0008】
図2を参照すると、まず、当業界において広く知られている方法によって、基板1上に、パターン化された回路(図示せず)および銅箔露出部位2、3を形成した後、金メッキされるべき部分を除いた残りの部分にフォトソルダレジスト層4を形成する。CSP(図示せず)、BGA、又はカメラモジュールプリント回路基板の銅箔露出部位2上に電解ニッケルメッキ液を用いて5μm内外の電解ニッケルメッキ層5を形成した後、電解金メッキを施して0.5μm以上の金メッキ層7を形成する。この場合、電解メッキを用いるため、通電が必要なリード線がなければならず、このようなリード線は、アンテナ作用があって、半導体組立の後にノイズ現象を引き起こす。よって、最近、電気メッキの後にエッチングによってリード線を除去する場合もあるが、この場合には完璧に除去することが難しい。
【0009】
一方、MCMプリント回路基板の場合、リード線がないため、銅箔露出部位3上に無電解ニッケルメッキ液を用いて85℃で20分間処理し、約5μm内外の厚さを有し且つリン(P)が5〜9重量%の含量で含有されたニッケル−リンからなるニッケル合金メッキ層6を形成した後、クエン酸を主成分とする薄金メッキ液(1次金メッキ)およびチオ硫酸ソーダおよび亜硫酸ナトリウムを還元剤とする厚金メッキ液(2次金メッキ)を施すことにより、0.5μm以上の金メッキ層8を得る。金メッキを1次、2次にわたって施す理由は、2次金メッキ液の場合に銅汚染によってメッキ液の寿命が著しく減少するから、1次メッキを緩衝として2次金メッキ液を保護するためである。
【0010】
このように1次、2次にわたって0.5μm以上の厚さを得るために、85℃で約100分間程度の処理時間が必要である。また、液の寿命があまり短くて生産コストがさらにかかるという欠点がある。
【0011】
一方、最近、携帯用機器の小型化と多機能化に伴って使用が急増しているリジッド・フレキシブル、あるいはフレキシブルプリント回路基板において、屈曲および捩りなど苛酷な製造工程が導入されているが、上述した無電解ニッケルメッキおよび無電解金メッキ層を導入したプリント回路基板の場合、ニッケル−リン合金固有の高い硬度と熱処理による組織変態によって屈曲亀裂が生じて、フレキシブルプリント回路基板には使用できないという致命的な問題点がある。
【0012】
また、高密度プリント回路基板は、低電流、高周波用として主に用いられるので、電気伝導度特性に優れなければならないが、リンを含有したニッケル−リン合金メッキ層は、リンの含量に応じて約50〜80Ω/cmの抵抗を有し、3〜6μmのメッキ厚さを有するので、電流が表面に沿って流れる「表皮効果」のせいで、低電流、高周波用材料として不適である。
【特許文献1】韓国特許公開第2000−53621号明細書
【特許文献2】韓国特許公開第2003−0080547号明細書
【特許文献3】特開平7−7243公報
【特許文献4】米国特許第5,235,139号明細書
【特許文献5】米国特許第6,733,823号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
このため、本発明では、かかる従来の技術の問題点を解決するために広範囲な研究を重ねたところ、非常に薄いパラジウムまたはパラジウム合金メッキ層と、その上に非常に薄い金メッキまたは金合金メッキ層とによっても厚金メッキを代替することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
そこで、本発明の目的は、プリント回路基板に要求される半田付け性およびワイヤボンディング性を満足させることが可能なプリント回路基板のメッキ層形成方法およびこれから製造されたプリント回路基板を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、既存のプリント回路基板の屈曲亀裂などの技術的問題点を解決すると同時に、コストダウンおよび生産性を大幅増大させることが可能なプリント回路基板のメッキ層形成方法およびこれから製造されたプリント回路基板を提供することにある。
【0016】
本発明の別の目的は、リード線なしに無電解メッキ工程によってメッキ層が形成されて高密度及び高信頼性を有するプリント回路基板のメッキ層形成方法およびこれから製造されたプリント回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的および他の目的を達成するための本発明に係るプリント回路基板のメッキ層形成方法は、(a)半導体表面実装のためのワイヤボンディング部および外部部品との接続のための半田付け部を含み、一定の回路パターンが形成されたプリント回路基板を用意する段階と、(b)プリント回路基板のワイヤボンディング部および半田付け部を除いた部分にフォトソルダレジスト層を形成する段階と、(c)ワイヤボンディング部および半田付け部に無電解メッキによるパラジウムメッキ層またはパラジウム合金メッキ層を形成する段階と、(d)パラジウムメッキ層またはパラジウム合金メッキ層上に水溶性金化合物を含む置換型浸漬金メッキ液を接触させて無電解メッキによる金メッキ層または金合金メッキ層を形成する段階とを含むことを特徴とする。
【0018】
ここで、パラジウム合金メッキ層は、パラジウム(Pd)91〜99.9重量%、およびリン(P)またはホウ素(B)0.1〜9.0重量%からなることが好ましい。
【0019】
金合金メッキ層は、金(Au)99〜99.99重量%、およびタリウム(Tl)、セレニウム(Se)、またはこれらの組み合わせ物0.01〜1.0重量%からなることが好ましい。
【0020】
パラジウムメッキ層またはパラジウム合金メッキ層の厚さは、0.05〜2.0μmであることが好ましい。
【0021】
金メッキ層または金合金メッキ層の厚さは、0.01〜0.25μmであることが好ましい。
【0022】
一方、(c)段階は、60〜80℃の温度で1分〜30分間行われることが好ましい。
【0023】
(d)段階は、70〜90℃の温度で1分〜30分間行われることが好ましい。
【0024】
プリント回路基板は、リジッド、フレキシブルまたはリジッド・フレキシブルプリント回路基板を用いることができる。
【0025】
目的およびその他の目的を達成するための本発明に係るプリント回路基板は、半導体表面実装のためのワイヤボンディング部および外部部品との接続のための半田付け部を含み、一定の回路パターンが形成されたプリント回路基板において、ワイヤボンディング部および半田付け部は、銅層または銅合金層、銅層または銅合金層上に形成された無電解メッキによるパラジウムメッキ層またはパラジウム合金メッキ層、パラジウムメッキ層またはパラジウム合金メッキ層上に形成された無電解メッキによる金メッキ層または金合金メッキ層とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、リジッド、フレキシブルまたはリジッド・フレキシブルプリント回路基板の銅層上に純粋なパラジウムまたはパラジウム−リンまたはパラジウム−ホウ素からなる無電解メッキによるパラジウム層またはパラジウム合金メッキ層を形成し、無電解メッキによるパラジウムメッキ層またはパラジウム合金メッキ層上に無電解浸漬メッキ法による金メッキ層または金合金メッキ層を形成してプリント回路基板のメッキ層を形成する。
【0027】
これにより、外部の腐食性雰囲気からパラジウムメッキ層またはパラジウム合金メッキ層を保護し、半田付け性とワイヤボンディング性に優れて半導体とのパッケージ信頼性を向上させる。
【0028】
全てのメッキ層は、無電解メッキまたは浸漬メッキによって行われるので、BGA、CSP、カメラモジュールなどのリード線を通常のメッキでは必要とするプリント回路基板の場合でも、リード線が不要であり、これによるエッチング工程を省略することができて工程が単純になるという利点がある。また、回路密度を大幅高めることができて高密度のBGA、CSPまたはカメラモジュールの製作が可能である。
【0029】
MCM、カメラモジュールのようにリード線の必要のないリジッド、フレキシブルまたはリジッド・フレキシブルプリント回路基板も、パラジウムメッキ後の金メッキの際に薄い厚さでもワイヤボンディング性の保障を受けることができ、工程時間が大幅短縮されてコストダウンおよび生産性を大幅増大させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に添付図面を参照しながら、本発明をより具体的に説明する。
【0031】
前述したように、本発明によれば、プリント回路基板の銅(Cu)または銅合金により露出された半田付け部及びワイヤボンディング部に、パラジウム(Pd)又はパラジウム合金からなるメッキ層を形成し、金(Au)または金(Au)合金からなるメッキ層を無電解置換メッキによって析出させ、電気メッキのための別途のリード線なしにメッキ層を形成することにより、単純且つ経済的な工程によって高密度及び高信頼度を有するBGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チップスケールパッケージ)、またはカメラモジュールなどのリジッド、フレキシブルまたはリジッド・フレキシブルプリント回路基板を提供する。
【0032】
本発明の一具体例に係るプリント回路基板のメッキ層形成方法が図3に示されている。
【0033】
本発明のメッキ層形成方法によれば、まず、リジッド、フレキシブルまたはリジッド・フレキシブル基板11上に、一定の回路パターン(図示せず)、半導体実装のためのワイヤボンディング部12、13、および外部部品との接続のための半田付け部(図示せず)を形成するが、これらの工程は、当業界において広く知られているフォトリソグラフィによって行うことが典型的である。
【0034】
その後、フォトソルダレジスト(PSR)を基板11に塗布してフォトソルダレジスト層14を形成するが、フォトソルダレジスト層14は、後述するメッキに対するレジストの役割をする。フォトソルダレジスト層14形成にドライフィルムを適用し、露光及び現像を経て、ワイヤボンディング部12、13および半田付け部(図示せず)上のフォトソルダレジスト層部位のみを選択的に剥離する。
【0035】
上記の工程の完了後には、ワイヤボンディング部12、13および半田付け部(図示せず)が外部に露出されるから、その上に無電解パラジウムメッキによるパラジウムまたはパラジウム合金メッキ層15を形成する。このような導電層であるワイヤボンディング部12、13上に無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層15を形成するための方法は、次のとおりである。
【0036】
一例として、次亜リン酸ソーダを還元剤として銅上にパラジウムがメッキされる原理は、次のとおりである。
【0037】

PO+HO→HPO+H+e ・・・(反応式1)

Pd2++2e→Pd ・・・(反応式2)

他の一例として、ジメチルアミンボラン(DMAB)を還元剤として銅上に無電解パラジウムがメッキされる原理は、下記反応式3および4に示したとおりである。
【0038】

(CHNHBH+4OH→(CHNH+BO+3/2H+2HO+3e ・・・(反応式3)

Pd2++2e→Pd ・・・(反応式4)

反応式1〜4に示した原理によって、銅層上にパラジウム(Pd)が析出される。
【0039】
本発明によれば、メッキ液に含有された還元剤の種類によって、純粋パラジウムがメッキされるか、あるいはパラジウム合金(パラジウム−リン、パラジウム−ホウ素)層がメッキされるかが決定される。代表的な無電解パラジウムメッキ液の一例としては、硫酸パラジウム(PdSO)をパラジウム供給源とし、次亜リン酸ソーダまたはジメチルアミンボランを還元剤とし、乳酸を錯化剤とし、琥珀酸を緩衝剤とした酸性無電解パラジウムメッキ液(YOOIL,INC.製のPAGODA−Palladium)などを挙げることができるが、特にこれに限定されるものではない。無電解パラジウムメッキ液のpHは4.5〜5.5であることが、より緻密な組織を得ることができて好ましい。
【0040】
パラジウムまたはパラジウム合金メッキは、約60〜80℃の温度で1分〜30分間行い、0.05〜2.0μmのパラジウムまたはパラジウム合金メッキ層の厚さを得る。この際、メッキ温度が60℃未満であり或いはメッキ時間が1分より短い場合、メッキ層が非常に薄くて、プリント回路基板に要求される半田付け性およびワイヤボンディング性を満足させないという欠点があり、メッキ温度が80℃を超過し或いはメッキ時間が30分を超過する場合、メッキ層は厚くなるが組織の硬度により屈曲性が弱化するおそれがある。この条件では、メッキ厚さの増加速度は大きくなく、要求される半田付け性及びワイヤボンディング性等の特性を満足させる効果が微々であって非経済的である。
【0041】
上述した本発明の無電解パラジウムメッキによって形成される無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層15は、好ましくは91〜99.9重量%のパラジウム(Pd)と0.1〜9.0重量%のリン(P)またはホウ素(B)からなる合金層である。
【0042】
パラジウム合金メッキ層15がパラジウム−リン合金層からなる場合、好ましくはリン(P)の含量は5〜9重量%であることがよい。リン含量が5重量%未満であれば、半田付け性は良くなるが、耐食性およびワイヤボンディング性は低下し、リン含量が9重量%超過であれば、耐食性とワイヤボンディング性は向上するが、半田付け性は低下する。
【0043】
パラジウム合金メッキ層15がパラジウム−ホウ素合金層からなる場合、好ましくはホウ素(B)の含量は0.5〜5重量%であることが良い。ホウ素の含量が0.5重量%未満であれば、半田付け性は良くなるが、耐食性は低下し、ホウ素の含量が5重量%超過であれば、硬度の増加によって材料が脆弱になり半田付け性が低下するという欠点がある。
【0044】
その後、半田付け性およびワイヤボンディング性を与えるために、無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層15上に、水溶性金化合物を含む置換型浸漬金メッキ液を接触させて無電解金または金合金メッキ層16を形成する。このようなメッキ層16の形成方法は、次のとおりである。
【0045】
パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層15上に金または金合金メッキ層16を形成する方法は、下記反応式5に示したようなイオン化傾向による置換反応によって成り立つ。
【0046】

Pd(固体)+Au(液体)→Au(固体)+Pd(液体) ・・・(反応式5)

この反応によって金または金合金メッキ層16が形成される。
【0047】
本発明で使用される好ましい無電解金メッキ液の一例は、金供給源としてシアン化金カリ、キレート剤としてニトリロ酢酸ソーダ、錯化剤としてクエン酸を主成分とする無電解金メッキ液(YOOIL,INC.製のPAGODA−Gold)などを挙げることができるが、特にこれに限定されるものではない。無電解金メッキ液のpHは4〜7であることが好ましい。
【0048】
このメッキは、70〜90℃の温度で1分〜30分間行い、0.01〜0.25μmの金または金合金メッキ層16の厚さを得る。この際、メッキ温度が70℃未満であり或いはメッキ時間が1分より短い場合、均一な外観を得ることが難しく、メッキ温度が90℃を超過し或いはメッキ時間が30分を超過する場合、フォトソルダレジストインクが浮き上がり易く、金または金合金メッキ層が脆弱になるという欠点がある。
【0049】
特に、上述した無電解金メッキによって形成される金合金メッキ層16の場合、金(Au)99〜99.99重量%と、セレニウム(Se)、タリウム(Tl)の少なくとも1種0.01〜1重量%とを含んでなることが好ましい。
【0050】
純粋な金メッキのみでも半田付け性およびワイヤボンディング性には優れるが、金合金メッキ層の形成に使用されるタリウム(Tl)および/またはセレニウム(Se)は、アンダーポテンシャル析出として作用してメッキ速度を加速化させるという利点を持っており、析出された組織は、粒状組織になってワイヤボンディング性に適する。
【0051】
前述した方法によって形成される本発明のプリント回路基板のメッキ層の積層構造の好適な一例を図4A及び図4Bにそれぞれ示した。
【0052】
図4Aおよび図4Bを参照すると、本発明のプリント回路基板は、ワイヤボンディング部および半田付け部の形成のために露出された銅箔100上に、それぞれパラジウムまたはパラジウム合金からなる無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層200が形成され、無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層の上部にそれぞれ金メッキ層300または金合金メッキ層301が形成されて順次積層された構造を持つ。
【0053】
無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層200上に形成される金メッキ層300または金合金メッキ層301は、半田付け性とワイヤボンディング性に非常に優れる。これは、半田付けの際に濡れ性に優れて優秀な実装特性を発現させることができる。
【0054】
無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層200は、銅および銅合金が外部メッキ層に拡散することを防止して半田付け及びワイヤボンディングの際に支持台の役割をする。この際、無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層200の厚さは、0.05〜2.0μm、より好ましくは0.1〜0.3μmであることがよい。無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層200の厚さが0.05μm未満の場合には、銅および銅合金の耐食性に問題が発生し、無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層200の厚さが2.0μm超過の場合には、応力の増加により脆弱になる。
【0055】
無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層200上にメッキされる金メッキ層300または金合金メッキ層301の厚さは、0.01〜0.25μmであることがよい。金メッキ層300または金合金メッキ層301の厚さが0.01μm未満の場合には、無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層の腐食を防止することが難しく、金メッキ層300または金合金メッキ層301の厚さが0.25μm超過の場合には、超過した厚さによる品質の向上は僅かであり、非経済的で組織が脆弱になるという欠点がある。
【0056】
上述したように下から銅または銅合金層、無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層、および無電解金メッキまたは金合金メッキ層が順次積層されて形成された本発明のプリント回路基板は、次の利点がある。
【0057】
1)BGA、CSP、カメラモジュールなどのプリント回路基板の場合、リード線のないBGA、CSP、カメラモジュールの生産が可能であってノイズを根本的に無くすことができ、リード線分だけ回路を増やすことができて高密度のリジッド、フレキシブルまたはリジッド・フレキシブルプリント回路基板の製作が可能である。
【0058】
2)別途のリード線除去工程(例えば、エッチバック)が不要であって工程が単純化される。
【0059】
3)厚金メッキ(0.5μm)を0.1μm程度の薄金メッキに代替することができて60%以上のコストダウンを図ることができる。
【0060】
4)MCM、カメラモジュールなどへの適用の際に工程時間が既存の製造工程に比べて60%以上短縮される。
【0061】
5)全ての工程において電源が不要である。
【0062】
前述したように、本発明に係るプリント回路基板のメッキ層形成方法は、高密度および高信頼性を有するプリント回路基板が要求する半田付け性およびワイヤボンディング性を提供すると同時に工程が単純になるという利点がある。また、CSP、BGAまたはカメラモジュールプリント回路基板の場合、リード線のないプリント回路基板を単純な工程で製造することができてリード線によるノイズ現象を根本的に遮断することができ、これにより回路が既存より多い高密度のBGA、CSP、カメラモジュールを製造することができる。しかも、MCM、カメラモジュールプリント回路基板の場合、非常に短い時間内に工程を行い、金の厚さを現在の1/3程度に薄くすることができるため、コストダウンの面で相当改善した工程である。
【0063】
また、パラジウムは、硬度が高く、延展性が良好であり、耐食性が優れてコネクタと基板間の使用に適した金属であって、薄い金属厚さでも要求特性を満足させることができて工程時間を大幅短縮させることができるため、従来の無電解ニッケルおよび無電解金がメッキされたプリント回路基板の表面実装技術に対して頻繁に発生する半田弾きによるブラックパッド問題を完璧に解決することができる。
【0064】
それだけでなく、最近、機能は段々複雑になり大きさは小さくなる携帯電話など携帯用機器に広く用いられているリジッド・フレキシブルおよびフレキシブルプリント回路基板の製造の際に発生する致命的な屈曲亀裂を防止することができる。特に、本発明のメッキ層形成方法は、全種類のプリント回路基板に適用可能である。
【0065】
本発明は、下記の実施例によってより明確に理解できる。下記の実施例は、本発明を例示する目的のものに過ぎず、発明の領域を制限するものではない。
【0066】
下記の実施例では、銅材質のワイヤボンディング部と半田ボールの半田付け部を除いた部分に、フォトソルダレジスト層(大洋インキ社製のAS−303)が塗布されたプリント回路基板(サイズ400×505mm、厚さ0.2±0.02mm、銅層厚さ10〜30μm)を45℃で3分間脱脂(YOOIL,INC.製のSAC161を使用)し、銅層の酸化物を除去する目的で0.5〜1.0μmエッチング(YOOIL,INC.製のSE520Lを使用)した。次いで、パラジウム溶液(YOOIL,INC.製のCATA855を使用)で銅層を触媒処理した後、水洗し、5%硫酸溶液で酸洗を行った後、水洗する。その後、次のように無電解パラジウムメッキおよび金メッキまたは金合金メッキを順次施した。後述するように無電解メッキを施した後、メッキ層の親水性を強化するために、トリアゾール系統の物質が含まれた薬品(YOOIL,INC.製のPOST PAGODA)を用いて後処理を行い、水洗し、乾燥させた。
【0067】
(実施例1)
上記のように前処理を済ませたプリント回路基板の銅層上に、パラジウム:リンが96.7:3.3(重量%)の含量で含まれたパラジウム−リン合金メッキ層を0.2μmの厚さに形成し、その後、厚さ0.05μmの金メッキ層をパラジウム−リン合金メッキ層上に形成した。
【0068】
(実施例2)
パラジウム−リンの代わりにパラジウム−ホウ素が99.3:0.7(重量%)の含量で含まれたパラジウム−ホウ素合金メッキ層を形成した以外は、実施例1と同様にしてメッキ層を形成した。
【0069】
(実施例3)
パラジウム合金ではなく純粋なパラジウムメッキ層を形成した以外は、実施例1と同様にしてメッキ層を形成した。
【0070】
(実施例4)
金メッキ厚さが0.15μmである以外は、実施例1と同様にしてメッキ層を形成した。
【0071】
(実施例5)
金メッキ厚さが0.25μmである以外は、実施例1と同様にしてメッキ層を形成した。
【0072】
(実施例6)
上記のように前処理を済ませたプリント回路基板の銅層上に、パラジウム:リンが96.7:3.3(重量%)の含量で含まれたパラジウム−リン合金メッキ層を0.4μmの厚さに形成し、その後、金メッキ厚さ0.1μmのメッキ層をパラジウム−リン合金メッキ層上に形成した。
【0073】
(実施例7)
パラジウム−リン合金メッキ層の厚さが0.9μmである以外は、実施例5と同様にしてメッキ層を形成した。
【0074】
(実施例8)
金(Au)とタリウム(Tl)がそれぞれ99.98重量%と0.02重量%で含まれた金合金メッキ層の厚さが0.15μmである以外は、実施例1と同様にしてメッキ層を形成した。
【0075】
(比較例1)
上記のように前処理を済ませたプリント回路基板を触媒処理した後、無電解ニッケルメッキによって、ニッケル:リンが91.3:8.7(重量%)の含量で含まれたニッケル−リン合金メッキ層を5μmの厚さに形成した後、無電解置換金メッキによって金メッキ層を0.1μmの厚さに形成した。
【0076】
(比較例2)
上記のように前処理を済ませたプリント回路基板を、置換反応によってスズメッキ層を1.2μmの厚さに形成し、触媒処理した後、無電解金メッキによって厚さ0.05μmの金メッキ層を形成した。
【0077】
メッキ層を形成する方法と条件は、次のとおりである。
【0078】
無電解パラジウムメッキによる純粋パラジウムメッキ層、パラジウム−リン合金メッキ層またはパラジウム−ホウ素合金メッキ層を得るために、下記表1a、1bおよび1cのような組成の溶液によって温度70℃でメッキを施した。
【0079】
銅層上にパラジウムメッキが施される原理は、前述したとおりである。本発明に含まれる範囲の厚さを得るためには、約1分〜30分のメッキ時間が必要である。
【表1a】

【表1b】

【表1c】

上記のような組成のメッキ液でメッキして、パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層の時間による厚さ変化を表2のとおりに得た。
【表2】

【0080】
形成された無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層上に無電解金メッキまたは金合金メッキ層を形成するために、下記表3のような組成のメッキ液を使用した。
【表3】

【0081】
上記のような組成のメッキ液で温度85℃、pH4.5〜5.0(硫酸でpH調整)の範囲内でメッキして、金メッキまたは金合金メッキ層の時間による厚さ変化を下記表4のとおりに得た。
【表4】

【0082】
無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層上に金メッキまたは金合金メッキ層が形成される方法は、前述したとおりである。発明に含まれた厚さを得るためには、約1分〜30分のメッキ時間が必要である。
【0083】
上記のような方法と条件でメッキ層を形成した後、水洗し、80℃で15分間乾燥させた後、下記のような条件および方法によって半田付け性、ワイヤボンディング性を測定した。実施例に係る半田付け性、ワイヤボンディング性、屈曲性、ウィスカーの観察結果およびイオンマイグレーションなどの特性評価結果を表6に示した。
【0084】
<半田付け性>
半田付け性は、半田ボールせん断テストと半田広がり性テストを行った。
【0085】
1)半田ボールせん断テスト
※条件:
ボンディングテスト機:DAGE4000
位置:5μm
せん断速度:200μm/sec
ボールサイズ:0.35mmΦ(Alpha Metal Co.)
ボール材質:Sn/Ag/Cu(96.5/3/0.5)重量%
フラックス(RMA型):EF−9301(Alpha Metal Co.)
リフロー機:KOKI
リフロー条件:250℃(ピーク温度)
※評価方法:
半田パッド部と半田ボールの接続強度を測定するためのもので、上記のような条件で半田バンプが形成された試片をテーブルに固定し、一定の荷重とせん断高さを設定してボールせん断試験を行うと、スタイラスがバンプを押して破壊が発生するが、そのときの値を測定すればよい。
【0086】
※評価基準:
ボールせん断強度が200gfを超過すると、異常がないものとする。
【0087】
2)半田ボール広がり性テスト
※条件:
半田ボールサイズ:0.35mmΦ(Alpha Metal Co.)
ボール材質:Sn/Ag/Cu(96.5/3/0.5)重量%
フラックス(RMA型):EF−9301(Alpha Metal Co.)
リフロー機:KOKI
リフロー条件:250℃(ピーク温度)
※評価方法:
半田パッド部フラックス処理の後、0.35mmΦのボールを置き、リフロー機通過の後に半田ボールのサイズを測定する。半田ボールが多く広がれば広がるほど、すなわちボールサイズが大きくなるほど半田付け性に優れる。
【0088】
※評価基準:
リフロー後の最初の半田ボール粒子サイズの3倍以上(すなわち、1.05mmΦ以上)であれば、半田付け性に異常がないものとする。
【0089】
<ワイヤボンディング性>
ボンディングワイヤとボンディング部の接着力を検査する方法である。ワイヤボンディングテスト機としてK&S1484を使用し、温度175℃で1時間熱エージングした後、下記表5のようにボンディング条件を与えた。
【表5】

【0090】
ワイヤボンディングの後、ボンディングが剥がれるまでの最小および平均力(単位:gf)を測定し、最小スペックが3以上で平均力が5以上であれば、良好である。
【0091】
<イオンマイグレーション>
※評価方法:
IPC9201で規定している形態のテスト試料を製作して無電解パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層と無電解金メッキ層を形成した後、試片をイオンマイグレーション測定装備である表面絶縁抵抗(SIR)測定装置の恒温恒湿機槽内に入れて高温、高湿、耐圧実験環境を与え、500時間の間、表面抵抗率の変化を測定した。この試験は、相対湿度85%、温度85℃、電圧10Vの直流電圧を与える条件で行った。この際、使用された水は、抵抗率10〜18MΩ/cmのものを使用した。
【0092】
※評価基準:
メッキ層にイオンマイグレーションが生ずると、表面抵抗率が低下し、テスト試料の表面抵抗率が1×10Ω以下に落ちると、マイグレーションが発生したものと判定して不良とする。
【0093】
<屈曲性>
※評価方法:
折曲半径(R)=2.0mm
試片の幅:1cm
錘の重さ:100g
折曲角度:180°
RPM=25
試料数:10pcs.
※評価基準:
上記の評価方法によって10回以上折り曲げた後、試片の表面に屈曲亀裂が発生しないものを合格とする。
【0094】
<ウィスカーテスト>
※評価方法:
1000時間、常温放置の後、顕微鏡でウィスカーの生成有無および長さを観察。
【0095】
※評価基準:
常温放置1000時間経過の後、ウィスカーが25μm以上の長さに成長すると、不良と判定する。
【表6】

【0096】
上記特性評価の結果から分かるように、パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層上に金または金合金メッキ層を形成した試片の場合、全ての要求特性を満足させており、既存のメッキ工程である無電解ニッケル/無電解金メッキは屈曲亀裂において不良を示し、浸漬スズメッキはウィスカーの発生において不良を示した。
【0097】
(実施例9)
実施例1および実施例8から得られたプリント回路基板を対象として次の信頼性評価を行った。
【0098】
<メッキ厚さの測定>
パラジウムまたはパラジウム合金メッキと金メッキまたは金合金メッキされた製品が要求仕様に適した厚さを持っているか否かを確認するために、メッキ厚さ測定機(CMI社製のCMI900)を用いてパラジウムまたはパラジウム合金メッキ層の厚さと金メッキまたは金合金メッキ層の厚さを測定した。
【0099】
<有孔度テスト>
硝酸に、メッキ処理されたBGAプリント回路基板を浸漬させて肉眼上でパラジウムまたはパラジウム合金メッキ層と金メッキまたは金合金メッキ層の組織が腐食して気孔が発生するか否かを確認した。
【0100】
<耐熱性テスト>
リフローを用いて下記表7に記載の温度条件で3回通過させた後、パラジウムまたはパラジウムおよび金メッキ層の熱による表面色相の変化有無を確認し、接着テープを用いてパラジウムまたはパラジウム合金メッキ層と金メッキまたは金合金メッキ層の分離有無を確認(テープピールテスト)した。
【0101】
<密着性テスト>
リフローを用いて下記表7に記載の温度条件で3回通過させた後、アルミニウムワイヤを半田付け部位に半田付けした後、一定の力で引っ張ったとき、パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層と金メッキまたは金合金メッキ層が分離されるか否かと、半田と金メッキまたは金合金メッキ層が分離されるか否かを確認した。
【表7】

【0102】
テスト結果に鑑みて、本発明の実施例に係る合金メッキ層が前述した項目と関連して要求される物性を全て満足させることが分かる。
【0103】
上述したように、本発明によれば、電気メッキを施すための別途のリード線が不要なので、回路密度をさらに高めたBGA、CSP、カメラモジュールなどが表面実装されるリジッドプリント回路基板と、半田付けとワイヤボンディングとが同時に適用されるBGA、CSP、カメラモジュールなどが実装されるリジッド・フレキシブル、フレキシブルプリント回路基板の製作が可能である。
【0104】
また、エッチングによって不要なリード線を除去しなければならないエッチバック工程を省略して作業を単純化させることができる。
【0105】
しかも、厚金メッキのみで可能であったワイヤボンディングを、薄いパラジウムまたはパラジウム合金メッキ層上に金メッキまたは金合金メッキ層で構成されたメッキに代替することができるため、大幅なコストダウン及び生産性の向上が可能である。
【0106】
それだけでなく、パラジウムは、硬度が高く、延展性が良好であり、耐食性が優れるため、コネクタと基板の間の使用に適した金属であり、薄いメッキ厚さでもプリント回路基板の要求特性を満足させることができて工程時間を大幅短縮させることができるため、従来の無電解ニッケルメッキおよび無電解金メッキ工程を代替することができるから、無電解ニッケルおよび無電解金がメッキされたプリント回路基板の実装の際に頻繁に発生するブラックパッド問題を完璧に解決することができる。
【0107】
特に、最近、機能は段々複雑になり大きさは小さくなっている携帯電話など携帯用機器に広く用いられているリジッド・フレキシブル及びフレキシブルプリント回路基板の製造の際に発生する致命的な屈曲亀裂を防止することができる。
【0108】
何よりも、本発明のメッキ層形成方法は、全種類のプリント回路基板に適用できるという利点がある。
【0109】
以上、本発明を具体的な実施例によって詳細に説明したが、これら実施例は本発明を具体的に説明するためのものに過ぎない。本発明に係るプリント回路基板のメッキ層形成方法およびこれから製造されたプリント回路基板は、これらの実施例に限定されるものではなく、当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内において種々変更または改良を加え得ることは勿論である。したがって、本発明の真正な技術的保護範囲は、特許請求の範囲によって定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】ストリップ型のプリント回路基板の構造を概略的に示す平面写真である。
【図2】従来のプリント回路基板のメッキ工程を概略的に示す図である。
【図3】本発明の一具体例によるプリント回路基板のメッキ層形成方法を概略的に示す図である。
【図4A】本発明のプリント回路基板の一具体例に係るメッキ層の積層構造を示す図である。
【図4B】本発明のプリント回路基板の他の具体例に係るメッキ層の積層構造を示す図である。
【符号の説明】
【0111】
1、11 基板
2、3 銅箔露出部位
12、13 ワイヤボンディング部
4、14 フォトソルダレジスト層
5 ニッケルメッキ層
6 ニッケル合金メッキ層
7、8 金メッキ層
15 パラジウムまたはパラジウム合金メッキ層
16 金または金合金メッキ層
100 銅箔
200 パラジウム又はパラジウム合金メッキ層
300 金メッキ層
301 金合金メッキ層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)半導体表面実装のためのワイヤボンディング部および外部部品との接続のための半田付け部を含み、一定の回路パターンが形成されたプリント回路基板を用意する段階と、
(b)前記プリント回路基板の前記ワイヤボンディング部および前記半田付け部を除いた部分にフォトソルダレジスト層を形成する段階と、
(c)前記ワイヤボンディング部および前記半田付け部に無電解メッキによるパラジウムメッキ層またはパラジウム合金メッキ層を形成する段階と、
(d)前記パラジウムメッキ層または前記パラジウム合金メッキ層上に、水溶性金化合物を含む置換型浸漬金メッキ液を接触させて無電解メッキによる金メッキ層または金合金メッキ層を形成する段階とを含むことを特徴とする、プリント回路基板のメッキ層形成方法。
【請求項2】
前記パラジウム合金メッキ層は、パラジウム(Pd)91〜99.9重量%、およびリン(P)またはホウ素(B)0.1〜9.0重量%からなることを特徴とする、請求項1に記載のプリント回路基板のメッキ層形成方法。
【請求項3】
前記金合金メッキ層は、金(Au)99〜99.99重量%、およびタリウム(Tl)、セレニウム(Se)またはこれらの組み合わせ物0.01〜1.0重量%からなることを特徴とする、請求項1に記載のプリント回路基板のメッキ層形成方法。
【請求項4】
前記パラジウムメッキ層または前記パラジウム合金メッキ層の厚さは、0.05〜2.0μmであることを特徴とする、請求項1に記載のプリント回路基板のメッキ層形成方法。
【請求項5】
前記金メッキ層または前記金合金メッキ層の厚さは、0.01〜0.25μmであることを特徴とする、請求項1に記載のプリント回路基板のメッキ層形成方法。
【請求項6】
前記(c)段階は、60〜80℃の温度で1分〜30分間行われることを特徴とする、請求項1に記載のプリント回路基板のメッキ層形成方法。
【請求項7】
前記(d)段階は、70〜90℃の温度で1分〜30分間行われることを特徴とする、請求項1に記載のプリント回路基板のメッキ層形成方法。
【請求項8】
前記プリント回路基板は、リジッド、フレキシブルまたはリジッド・フレキシブルプリント回路基板であることを特徴とする、請求項1に記載のプリント回路基板のメッキ層形成方法。
【請求項9】
半導体表面実装のためのワイヤボンディング部および外部部品との接続のための半田付け部を含み、一定の回路パターンが形成されたプリント回路基板において、
前記ワイヤボンディング部および前記半田付け部は、
銅層または銅合金層と、
前記銅層または前記銅合金層上に形成された無電解メッキによるパラジウムメッキ層またはパラジウム合金メッキ層と、
前記パラジウムメッキ層または前記パラジウム合金メッキ層上に形成された無電解メッキによる金メッキ層または金合金メッキ層とを含むことを特徴とする、プリント回路基板。
【請求項10】
前記パラジウム合金メッキ層は、パラジウム(Pd)91〜99.9重量%、およびリン(P)またはホウ素(B)0.1〜9.0重量%からなることを特徴とする、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記金合金メッキ層は、金(Au)99〜99.99重量%、およびタリウム(Tl)、セレニウム(Se)またはこれらの組み合わせ物0.01〜1.0重量%からなることを特徴とする、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記パラジウムメッキ層または前記パラジウム合金メッキ層の厚さは、0.05〜2.0μmであることを特徴とする、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
前記金メッキ層または前記金合金メッキ層の厚さは、0.01〜0.25μmであることを特徴とする、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
前記プリント回路基板は、リジッド、フレキシブルまたはリジッド・フレキシブルプリント回路基板であることを特徴とする、請求項9に記載のプリント回路基板。

【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図1】
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【公開番号】特開2007−123883(P2007−123883A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−287889(P2006−287889)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【出願人】(506355682)ワイエムティ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】