説明

プロセスカートリッジ、現像カートリッジおよび画像形成装置

【課題】 再利用に適した現像カートリッジ、およびこれを備える画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 現像カートリッジ28において、リブ311を覆うフィルム部材311aを粘着両面テープにより離脱可能に貼り付ける。これにより、現像カートリッジが用紙搬送経路の一部を構成した場合においても、用紙により摩擦されるフィルム部材311aを離脱することができる。そのため、現像カートリッジをリサイクルしたとしても、フィルム部材311aを取り替えるのみで再利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの電子写真方式を採用した画像形成装置、その画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジ、およびプロセスカートリッジを構成する現像カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタなどの電子写真方式を採用した画像形成装置においては、感光体カートリッジと、その感光体カートリッジに着脱自在に装着される現像カートリッジとを備えるプロセスカートリッジを備えるものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このようなプロセスカートリッジによれば、感光体カートリッジと現像カートリッジとが別体となっているため、現像剤がなくなっても感光体カートリッジが故障しない限り現像カートリッジのみを新品に交換すれば使用し続けることができ、まだ使用できる感光体を廃棄することなく、環境に対する負荷を少なくすることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2000−267547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、環境問題の観点から、さらにトナーが無くなった現像カートリッジに対して再度トナーを充填しカートリッジを再利用したいという要望が高まっている。
【0006】
しかしながら、現像カートリッジは、プロセスカートリッジの内部に形成された用紙搬送経路の一部を構成するものがあり、その場合には用紙の通過により現像カートリッジの一部が磨耗する可能性がある。このように磨耗した現像カートリッジに対し再度トナーを充填して再利用した場合には、通過する用紙がその磨耗部分において引っかかったり予期しない方向に搬送されてしまったりする可能性があり、画像形成に問題が生じる場合がある。
【0007】
本願発明は、上記の問題に鑑み、再利用に適した現像カートリッジ等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る現像カートリッジは、搬送されるシート材に画像を形成する画像形成装置に用いられる現像カートリッジであって、現像剤を収容する現像剤収容室が形成された第1筐体と、第1筐体に配され、シート材がその搬送方向下流側に向けて搬送されるようにガイドするガイド部材とを備え、ガイド部材は、シート材と当接するところが第1筐体と別部材から構成されている。
【0009】
これによれば、用紙が当たって磨耗しやすいガイド部材が第1筐体と別部材から構成されているので、それを取り外せばガイド部材のみを新しいものに交換することができる。そのため、現像カートリッジを再利用する場合には、ガイド部材のみを新しいものに交換しさえすれば現像カートリッジを再利用したとしてもガイド部材の磨耗によって生じるジャム等の発生を抑制することができる。
【0010】
特に、ガイド部材を離脱可能に固定しておけば、その取り外しが行いやすくなる。
【0011】
なお、ガイド部材を第1筐体よりも硬質であり、耐磨耗性に優れた素材から構成すれば、ガイド部材の磨耗が少なくその交換が不要となり、取り外したガイド部材の廃棄をしなくてもよいので、より環境に対する負荷を低減することができる。
【0012】
また、本発明に係る現像カートリッジは、第1筐体には、現像剤収容室に対するシート材の搬送方向下流側に当該現像剤収容室と連通して配され、現像剤収容室から供給される現像剤を担持する現像剤担持体が配される現像室が形成されており、ガイド部材は、現像室よりも現像剤担持体側に配されているようにしている。
【0013】
通常、現像剤担持体は感光体と近接されて使用されるため、上記のように構成することによりシート材にトナー像を転写するためのトナー像が形成された感光体に確実に搬送できるようにガイドすることができる。
【0014】
具体的には、第1筐体が、現像室を画成する壁部を有し、ガイド部材が、壁部の外壁における現像室と対向する位置に設けられている。また、第1筐体が、現像剤収容室および現像室が形成されるとともに現像剤収容室の上部が開口された下フレームと、下フレームの開口に被装される上フレームとを備え、ガイド部材が、壁部において下フレームに形成されるとともに現像室の底面を画成する下壁部に設けられている。
【0015】
このように構成されているので、ガイド部材を感光体により近く配することができる。したがって、シート材を確実に感光体側に搬送できるようガイドすることができる。
【0016】
また、ガイド部材としては、下壁部に立設された複数のリブと、複数のリブを覆うフィルム部材とを有するものを用いることができる。
【0017】
このようにフィルム部材を用いれば、通常販売されている今までの現像カートリッジのリブ形状を残したままその上にフィルム部材を貼ることのみにより再利用可能な現像カートリッジを提供することができる。
【0018】
ここで、ガイド部材の形状をシート材の搬送方向に沿って延び、現像室から現像剤収容室に近づくにつれてその高さが低くなるようにすることにより、ガイド部材は、相対的に小さな厚みを有する現像室側から相対的に大きな厚みを有する現像剤収容室側に近づくにつれて、その高さが低くなるように形成されている。そのため、現像カートリッジをその天面を水平にして装着本体に装着したときに、ガイド部材の記録媒体との接触面を略水平に配置することができる。その結果、記録媒体を良好に案内することができる。
【0019】
また、ガイド部材の導電性を第1筐体の素材と異なる導電性としたり、第1筐体の素材よりも優れているようなものを用いることにより、予め転写前における用紙の電位を調整し、転写動作を安定化させることができる。
【0020】
また、ガイド部材を、粘着両面テープにより第1筐体に離脱自在に固定すれば、現像カートリッジを再利用する際にガイド部材を容易に取り外すことができる。
【0021】
また、本発明に係るプロセスカートリッジは、シート材に画像を形成する画像形成装置に用いられるプロセスカーリッジであって、現像剤を収容する現像剤収容室が形成された第1筐体と、第1筐体に配され、シート材がその搬送方向下流側に向けて搬送されるようにガイドするガイド部材とを有し、ガイド部材のシート材と当接するところが第1筐体と別体に構成される現像カートリッジと、現像カートリッジが着脱可能な第2筐体と、第2筐体に配置され、現像剤担持体から供給される現像剤により現像される静電潜像が形成される感光体と、第2筐体に形成され、現像剤収容室に対向配置される現像剤収容室対向部と、第2筐体のガイド部材と対向する位置に間隙をあけて設けられ、シート材をガイド部材側へ給入させるシート材給入口が形成された底壁部とを有する感光体カートリッジとを備えることを特徴とする。
【0022】
これによれば、プロセスカートリッジにおいても上記現像カートリッジと同様、プロセスカートリッジを再利用する場合には、現像カートリッジのガイド部材のみを新しいものに交換しさえすれば再利用したとしてもガイド部材の磨耗によって生じるジャム等の発生を抑制することができるので、再利用に適している。
【0023】
また、プロセスカートリッジにおいては、感光体カートリッジが、第2筐体において感光体と対向して配される転写手段を備え、転写手段が、感光体との間にシート材給入口から給入されたシート材を通過させることにより、感光体に現像された現像剤をシート材に転写させている。
【0024】
ここで、転写されたシート材は、第2筐体に形成されたシート材排出口から排出される。
【0025】
このような現像カートリッジまたはプロセスカートリッジを画像形成装置に備えることによって、現像カートリッジを再利用したとしても用紙のジャム等の問題が発生することを抑制できる。
【発明の効果】
【0026】
本願発明によれば、用紙が当たって磨耗しやすいガイド部材の用紙と当接するところが筐体と別部材から構成されているので、例えばガイド部材を新しいものに交換したり、ガイド部材を対磨耗性に優れた素材から構成したりすることができる。そのため、現像カートリッジを再利用する場合には、ガイド部材の磨耗によって生じるジャム等の発生を抑制することができる。したがって、再利用に適した現像カートリッジ等を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係る画像形成装置をレーザプリンタに適用した一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0028】
[第1の実施の形態]
(1)レーザプリンタの全体構成
図1および図2は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。このレーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に、記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
【0029】
この本体ケーシング2において、一方側の側壁には、プロセスカートリッジ20を着脱するための着脱開口部6が形成されており、その着脱開口部6を開閉するためのフロントカバー7が設けられている。
【0030】
このフロントカバー7は、その下端部に挿通された図示しないカバー軸に回動自在に支持されており、そのカバー軸を支点として開閉させることができる。
【0031】
また、フロントカバー7の内面には、異なった機種に用いられるプロセスカートリッジ20の装着による故障を防止するために、異機種装着防止用の突部としての2つのリブ351が、幅方向において互いに対向配置されて、本体ケーシング2の内方に向けて突設されている。そして、プロセスカートリッジ20には、凹部352が形成されている。本体ケーシング2にプロセスカートリッジ20を装着して、フロントカバー7を閉じると、各リブ351がプロセスカートリッジ20の各凹部352に嵌り込み、図1に示すように、フロントカバー7によって着脱開口部6が閉鎖される。この状態から、フロントカバー7を開くと(傾倒させると)、図2に示すように、プロセスカートリッジ20の各凹部352から各リブ351が離脱して、着脱開口部6が開放され、この着脱開口部6を介して、プロセスカートリッジ20を本体ケーシング2に対して着脱させることができる。一方、このレーザプリンタ1と異なる機種に用いられるプロセスカートリッジを本体ケーシング2に装着して、フロントカバー7を閉じたときには、各リブ351がプロセスカートリッジに干渉し、フロントカバー7を完全に閉じることができないので、そのようなプロセスカートリッジの装着を防止することができる。
【0032】
なお、以下では、このレーザプリンタ1およびプロセスカートリッジ20において、フロントカバー7が設けられる側(プロセスカートリッジ20の装着方向上流側)を「前側」とし、その反対側(プロセスカートリッジ20の装着方向下流側)を「後側」とする。
【0033】
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ9と、給紙トレイ9の前端部の上方に設けられる給紙ローラ10および分離パッド11と、給紙ローラ10の後側に設けられるピックアップローラ12と、給紙ローラ10の前側下方において対向配置されるピンチローラ13と、給紙ローラ10の後側上方に設けられる上下1対のレジストローラ14とを備えている。
【0034】
給紙トレイ9の内部には、用紙3を積層状に載置可能な用紙押圧板15が設けられている。この用紙押圧板15は、後端部において揺動可能に支持されることによって、前端部が上下方向に移動可能にされている。
【0035】
また、給紙トレイ9の前端部には、用紙押圧板15の前端部を上方に持ち上げるためのレバー17が設けられている。このレバー17は、用紙押圧板15の前側から下側へ回り込むように断面略L字状に形成されており、その上端部が、給紙トレイ9の前端部に設けられたレバー軸18に取り付けられ、その後端部が、用紙押圧板15の下面の前端部に当接している。これによって、レバー軸18に図中時計回りの回転駆動力が入力されると、レバー17がレバー軸18を支点として回転し、レバー17の後端部が用紙押圧板15の前端部を持ち上げる。
【0036】
用紙押圧板15の前端部が持ち上げられると、用紙押圧板15上の最上位にある用紙3は、ピックアップローラ12に押圧され、そのピックアップローラ12の回転によって、給紙ローラ10と分離パッド11との間に向けて搬送開始される。
【0037】
一方、給紙トレイ9を本体ケーシング2から離脱させると、用紙押圧板15は、その自重によって、前端部が下方に移動し、給紙トレイ9の底面に沿った状態になる。この状態で、用紙押圧板15上に用紙3を積層状に載置することができる。
【0038】
ピックアップローラ12によって給紙ローラ10と分離パッド11との間に向けて送り出された用紙3は、給紙ローラ10の回転によって、給紙ローラ10と分離パッド11との間に挟まれたときに、確実に1枚ごとに捌かれて給紙される。給紙された用紙3は、給紙ローラ10とピンチローラ13との間を通り、レジストローラ14に搬送される。
【0039】
レジストローラ14は、上側および下側の1対のローラから構成され、用紙3を、レジスト後に、画像形成部5の転写位置(感光ドラム92と転写ローラ94との間であって、感光ドラム92上のトナー像を用紙3に転写する位置)に搬送する。
【0040】
画像形成部5は、スキャナ部19、プロセスカートリッジ20、定着部21などを備えている。
【0041】
スキャナ部19は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ光源、回転駆動されるポリゴンミラー22、fθレンズ23、反射鏡24、レンズ25および反射鏡26などを備えている。レーザ光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、破線で示すように、ポリゴンミラー22で偏向されて、fθレンズ23を通過した後、反射鏡24によって光路が折り返され、さらにレンズ25を通過した後、反射鏡26によってさらに光路が下方に屈曲されることにより、プロセスカートリッジ20の感光ドラム92の表面上に照射される。
【0042】
プロセスカートリッジ20は、スキャナ部19の下方において、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着されている(図2参照)。このプロセスカートリッジ20は、ドラムカートリッジ27(図9参照)と、ドラムカートリッジ27に対して着脱自在に装着される現像カートリッジ28(図3参照)とを備えている。
【0043】
また、プロセスカートリッジ20は、本体ケーシング2に装着された状態では、ドラム本体124の軸方向左側端部に連結され、ギヤ開口部196から露出しているドラム駆動ギヤ191(ともに図11参照)に、本体ケーシング2内に設けられ、図示しないモータからの回転駆動力が入力されるドラムギヤが噛合して、ドラム駆動ギヤ191にモータからの回転駆動力が入力され、感光ドラム92が回転される。
【0044】
そして、このようにして本体ケーシング2に装着されたプロセスカートリッジ20では、図1に示すように、まず、現像カートリッジ28のトナー収容室30に収容されているトナーがアジテータ46によって攪拌され、トナー放出口58から現像室36に向けて放出される。
【0045】
トナー放出口58から現像室36へ放出されたトナーは、供給ローラ31の回転により、現像ローラ32に供給され、このとき、供給ローラ31と、現像バイアスが印加されている現像ローラ32との間で正に摩擦帯電される。
【0046】
現像ローラ32の表面に供給されたトナーは、現像ローラ32の回転に伴なって、層厚規制ブレード33の圧接部67(図3参照)と現像ローラ32との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ32の表面に担持される。
【0047】
一方、スコロトロン型帯電器93(図1参照)は、グリッド電圧および放電電圧の印加によりコロナ放電を発生させて、感光ドラム92の表面を一様に正帯電させている。感光ドラム92の表面は、感光ドラム92の回転に伴なって、スコロトロン型帯電器93により一様に正帯電された後、スキャナ部19からのレーザビームの高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0048】
さらに感光ドラム92が回転すると、次いで、現像ローラ32の表面に担持されかつ正帯電されているトナーが、現像ローラ32の回転により、感光ドラム92に対向して接触するときに、感光ドラム92の表面に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム92の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム92の静電潜像は、可視像化され、感光ドラム92の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
【0049】
ここで、用紙3は、入紙口332を通過して、用紙搬送経路を構成するフィルム部材331aにガイドされながら感光ドラム92と転写ローラ94との間に搬送されてくる。
【0050】
その後、さらに感光ドラム92が回転し、転写ローラ94と対向すると、感光ドラム92の表面に担持されたトナー像は、レジストローラ14によって搬送されてきた用紙3が、感光ドラム92と転写ローラ94との間の転写位置を通過する間に、転写ローラ94に印加されている転写バイアスによって、用紙3に転写される。トナー像が転写された用紙3は、その用紙搬送方向下流側の定着部21に搬送される。
【0051】
ここで、さらに感光ドラム92が回転し、クリーニングブラシ95と対向すると、転写後に感光ドラム92の表面に付着する用紙3からの紙粉が、クリーニングブラシ95に印加されているクリーニングバイアスによって吸引されながら、ブラシによって絡め取られる。なお、転写後に感光ドラム92の表面に残存する転写残トナーは、現像ローラ32に回収される。
【0052】
定着部21は、プロセスカートリッジ20の後側に設けられ、定着フレーム182と、その定着フレーム182内に、加熱ローラ183および加圧ローラ184とを備えている。
【0053】
加熱ローラ183は、金属素管と、その金属素管内に設けられるハロゲンランプとを備え、図示しないモータからの駆動力の入力により回転駆動される。
【0054】
加圧ローラ184は、加熱ローラ183の下方において、加熱ローラ183を押圧するように対向配置されている。この加圧ローラ184は、金属製のローラ軸と、そのローラ軸の周りを被覆するゴム材料からなるローラとを備え、加熱ローラ183の回転駆動に従って従動される。
【0055】
定着部21では、転写位置において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ183と加圧ローラ184との間を通過する間に熱定着させる。トナーが定着した用紙3は、本体ケーシング2の上面に向かって上下方向に延びた排紙パス185に搬送される。排紙パス185に搬送された用紙3は、その上側に設けられる排紙ローラ186によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ187上に排紙される。
【0056】
(2)プロセスカートリッジの構成
図3は、プロセスカートリッジ20の側断面図である。
【0057】
図3に示すプロセスカートリッジ20は、現像カートリッジ28のみを把持して、その現像カートリッジ28をドラムカートリッジ27に対して着脱させることができ、現像カートリッジ28がドラムカートリッジ27に装着された状態で、ドラムカートリッジ27と現像カートリッジ28とを一緒に把持して、これらを本体ケーシング2(図1参照)に対して着脱させることができるようになっている。
(2−1)現像カートリッジの構成
図4は、現像カートリッジ28の側断面図であり、図5は、図4に示す現像カートリッジ28の正面側(前側)左斜め上方から見た斜視図であり、図6は、その現像カートリッジ28のフィルム部材311aを取り外し正面側右斜め下方から見た斜視図であり、図7は、図6の現像カートリッジ28にフィルム部材311aを貼付した状態の斜視図である。また、図8は、図4に示す現像カートリッジ28の背面側(後側)左斜め上方から見た斜視図である。
【0058】
現像カートリッジ28は、図3、4に示すように、プロセス部材としての供給ローラ31、現像剤担持体としての現像ローラ32、アジテータ46および層厚規制ブレード33を収容する第1筐体としての現像側筐体29を備えている。
【0059】
現像側筐体29は、たとえば、ポリスチレンなどの樹脂材料からなり、後側が開口されるボックス状をなしている。この現像側筐体29は、下フレーム34および上フレーム35からなり、現像剤収容部としてのトナー収容室30、現像室36および第1延長部としての上側延長部37を備えている。
【0060】
下フレーム34は、幅方向に間隔を隔てて対向配置される左側壁38および右側壁39(図5,6参照)と、それら左側壁38および右側壁39の間を連結し、上下に配置される下壁40および上壁41と、上壁41の前端縁に設けられる第1壁部としての上側前壁42(図5,6参照)とを一体的に備えている。
【0061】
下壁40は、前後方向および幅方向に延びる板状をなし、後側から前側に向かって上方に傾斜し、現像室36を画成するための後側下壁部43と、その後側下壁部43の前端縁に連続し、アジテータ46の回転軌道に沿う断面略弓形状の前側下壁部44とを一体的に備えている。この下壁40は、図5に示す左側壁38および右側壁39の間に挟持されるように設けられている。
【0062】
後側下壁部43の後端部には、図8に示すように、背面視略L字状のストッパ341が幅方向両端に設けられている。これらストッパ341は、現像カートリッジ28がドラムカートリッジ27に装着されるときに、ドラムカートリッジ27に設けられた各軸受支持部144(図9参照)に当接し、現像カートリッジ28のそれ以上の後方への移動を規制する。現像カートリッジ28は、そのストッパ341の軸受支持部144への当接と、押圧部材151(図9参照)による後方への押圧とによって、ドラムカートリッジ27に対して前後方向において位置決めされる。
【0063】
現像カートリッジ28の前後方向、すなわち用紙が搬送方向される方向において、現像側筐体29の中央C(図4参照)よりも現像ローラ32側であって、現像室36と対向する位置に配された後側下壁部43の下面には、図6に示すように、用紙をその搬送方向下流側に導くガイド部材として機能する複数のリブ311とフィルム部材311aが設けられている。複数のリブ311は、幅方向に互いに間隔を隔てて並列配置され、フィルム部材311aは、図3、4、7に示すようにその各リブ311を覆うように配されている。各リブ311は、後側から前側に近づくにつれて、その高さが低くなるように形成されており、現像カートリッジ28をその天面を水平にして本体ケーシング2に装着したときに、フィルム部材311aを介してリブ311の用紙3との接触面が略水平に配置される。
【0064】
フィルム部材311aは、図6に示すようにポリエチレンテレフタレートからなる用紙3よりも幅広なフィルムであり、リブ311との接触面すなわちリブ311の端部311bに沿うように屈曲されている。このフィルム部材311aは、図6中の矢印にて示すようにリブ311の用紙搬送方向上流側および下流側に設けられた接着部311c、311dに粘着両面テープにより図7に示すように固定される。このフィルム部材311aにおける接着面と反対側の面が用紙3を案内する機能を有する。
【0065】
図3、4に示すように前側下壁部44の最深部には、現像カートリッジ28をドラムカートリッジ27に対して位置決めするための位置決め部84が形成されている。この位置決め部84は、ドラムカートリッジ27の突起部118(図9)が当接して位置決めできるように、下方に向かって凸状に形成され、図6に示すように、幅方向において互いに間隔を隔てて2つ設けられている。
【0066】
また、図3、4に示すように後側下壁部43と前側下壁部44との境界には、上方に向かって断面略三角形状に突出する下側仕切部55が幅方向に沿って形成されている。
【0067】
上壁41は、図5に示すように、左側壁38および右側壁39の対向間隔よりも幅広の平板状をなし、左側壁38および右側壁39の上端縁間に架設されている。この上壁41におけるトナー収容室30に対応する位置には、図3、4に示すように、上フレーム35が被装される平面視略矩形状の上面開口部49が形成されている。
【0068】
上壁41の後端部には、下方に向かって突出するブレード支持部57が幅方向に沿って形成されている。
【0069】
また、上壁41における上面開口部49の前端部には、下壁40の前端縁が連結されており、上壁41は、その連結部より前側が、さらに前方に向かって延長され、前後方向および幅方向に沿って延びる第1延長部の上壁としての上壁延長部50とされている。この上壁延長部50の上面は、平面形状(外観上、実質的に凹凸のない平坦形状)に形成されている。
【0070】
上側前壁42は、図5および図6に示すように、板状をなし、上壁延長部50の前端縁から下方に向かって略直角方向に屈曲するように形成されている。この上側前壁42は、現像側筐体29の厚さ方向(上下方向)途中まで延び、その前面が平面形状(外観上、実質的に凹凸のない平坦形状)に形成されている。
【0071】
また、この上側前壁42の幅方向両端部には、下方に向かってさらに突出する正面視略細長矩形状の第1壁部突出部および連結部分としての突出板51が、上側前壁42と一体的に形成されている。各突出板51の前面は、平面形状(外観上、実質的に凹凸のない平坦形状)に形成され、上側前壁42の前面と面一に形成されている。これによって、各突出板51を含む上側前壁42は、正面視略コ字状の平面形状(外観上、実質的に凹凸のない平坦形状)として形成される。また、各突出板51には、左側壁延長部52および右側壁延長部53が、直交方向において連結されている。
【0072】
左側壁38および右側壁39は、上下方向に延びる板状をなし、その上端縁において上壁41が架設され、その下方において下壁40を挟んで、現像ローラ32の軸方向において、それぞれの内面が互いに対向するように配置されている。
【0073】
左側壁38および右側壁39は、それぞれの後端縁が、下壁40の後側下壁部43の後端縁および上壁41の後端縁まで延び、また、それぞれの前端縁が、上側前壁42まで延び、各突出板51に連結されている。左側壁38および右側壁39における前後方向途中には、前側下壁部44が連結されており、その連結部より前方に向かって延長され、前後方向における連結部から上側前壁42までの間が、それぞれ、1対の第1側壁としての左側壁延長部52および右側壁延長部53とされている。
【0074】
左側壁38には、図5に示すように、ギヤカバー77が設けられている。このギヤカバー77の内側には、現像ローラ32、供給ローラ31およびアジテータ46に対して機械的な駆動力を入力するための駆動入力手段としてのギヤ機構部45が設けられている。
【0075】
また、左側壁38には、この現像カートリッジ28が新品であるか否かを検出するための新品検出器301が入力ギヤ68の前側に配置されている。新品検出器301は、ギヤカバー77に形成された側面視略円弧状のレバー突出孔から幅方向外方(左側)に突出する新品検出レバー302を備えている。この新品検出レバー302は、現像カートリッジ28が新品の状態では、レバー突出孔の一端部(前側端部)に位置し、現像カートリッジ28が初めて使用されたときに、レバー突出孔の一端部から他端部に移動されるようになっている。したがって、新品検出器301は、新品検出レバー302の位置に基づいて、現像カートリッジ28が新品であるか旧品(使用履歴のある品)であるかを検出することができる。
【0076】
右側壁39には、図3に示すように、トナー収容室30にトナーを供給するための現像剤供給口としてのトナー供給口47が設けられている。このトナー供給口47は、右側壁39におけるトナー収容室30に対応する位置に、右側壁39の厚さ方向を貫通する円形状に形成されている。なお、このトナー供給口47には、トナー収容室30からトナー供給口47を介してトナーが漏れることを防止するためのキャップ48が設けられている。このキャップ48は、トナー供給口47よりもやや大きい円形状をなし、トナー供給口47を塞いでいる。
【0077】
また、図5および図6に示すように、左側壁延長部52の左側外面の後方下部および右側壁延長部53の右側外面の後方下部には、被作用部および被係止部としての円筒状の現像側ボス79が、それぞれ幅方向外方へ向かって突出するように設けられている。
【0078】
さらにまた、左側壁38および右側壁39の後端部において、現像ローラ軸64の両側軸端部が突出するように設けられている。そして、供給ローラ軸62の左側軸端部および現像ローラ32の左側軸端部には、共通の導電部材としてのカラー部材83が装着されている。このカラー部材83は、導電性の樹脂材料からなり、供給ローラ軸62の左側軸端部および現像ローラ32の左側軸端部の両方を被覆し、かつ、これらと摺動自在に接続され、これらを電気的に接続して、供給ローラ31と現像ローラ32とを同電位に保持している。カラー部材83における現像ローラ32の左側軸端部を被覆している部分が、本体側の現像ローラ接点(不図示)が接触する現像電極としての現像ローラ電極76として機能する。
【0079】
上フレーム35は、図5に示すように、略矩形平板状をなし、図3に示すように、下フレーム34の上面開口部49を塞ぎ、下フレーム34に被装するように設けられている。この上フレーム35には、その下面に幅方向に互いに間隔を隔てて複数のリブ54が並列配置されている。また、その下面には、下壁40の下側仕切部55に対向して、下方に向かって突出する上側仕切板56が幅方向に沿って形成されている。上側仕切板56と下側仕切部55とは、上下方向において間隔が隔てられており、その隙間がトナー放出口58として形成されている。
【0080】
そして、この現像側筐体29では、トナー放出口58を介して現像室36がトナー収容室30の用紙搬送方向下流側にトナー収容室30と連通して配され、上側仕切板56および下側仕切部55より後方の内部空間が現像室36として画成され、上側仕切板56および下側仕切部55より前方の内部空間がトナー収容室30として画成され、これら現像室36およびトナー収容室30が下フレーム34に設けられるように形成されている。さらに、この現像側筐体29では、トナー収容室30から前側に延設され、上壁延長部50、突出板51を含む上側前壁42、左側壁延長部52および右側壁延長部53により画成された上側延長部37が、下フレーム34に設けられるように形成されている。
【0081】
また、上壁延長部50には、図5および図6に示すように、現像側把持部201が設けられている。この現像側把持部201は、第1切欠部としての上側切欠部202と、この上側切欠部202に設けられる現像側取っ手203とを備えている。
【0082】
上側切欠部202は、上壁延長部50の幅方向中央部において、平面視において上壁延長部50の前端部が幅方向に沿って略矩形状に切り欠かれ、また、正面視において上側前壁42の上端部が幅方向に沿って略矩形状に切り欠かれるように、これら上壁延長部50および上側前壁42を連続して切り欠くように形成されている。この上側切欠部202の幅方向両端部には、切欠部側壁204が、上壁延長部50および上側前壁42に直交するように形成されている。
【0083】
現像側取っ手203は、両切欠部側壁204間に架設されるように、上側切欠部202の幅方向にわたって設けられている。この現像側取っ手203は、杆状をなし、その断面形状が下方(現像側筐体29の厚み方向)に向かって窪む略凹状に形成されており、両切欠部側壁204の前端縁間を連結するように設けられた前壁部205と、この前壁部205の下端縁から後方へ延びる底壁部206と、底壁部206の後端縁から上方に向けて延び、前壁部205と前後方向に対向する後壁部207とを備えている。
【0084】
また、現像側取っ手203の幅方向中央部には、指掛部208が、前壁部205から後壁部207へ向けて膨出するように形成されている。具体的には、指掛部208は、前後方向に延びる鉛直面で切断したときの断面形状が略三角形状をなし、水平面で切断したときの断面形状が後側ほど幅狭になる略台形状をなす空間を有するように形成されている。
【0085】
(2−2)ドラムカートリッジの構成
図9は、図3に示すドラムカートリッジ27の正面側(前側)左斜め上方から見た斜視図であり、図10は、そのドラムカートリッジ27を正面側右斜め下方から見た斜視図であり、図11は、そのドラムカートリッジ27を背面側(後側)左斜め下方から見た斜視図である。
【0086】
ドラムカートリッジ27は、図3および図9に示すように、第2筐体としてのドラム側筐体91を備えている。また、ドラムカートリッジ27は、そのドラム側筐体91内に、プロセス部材としての感光体である感光ドラム92と、帯電手段であるスコロトロン型帯電器93と、転写手段である転写ローラ94と、クリーニング手段であるクリーニングブラシ95とを備えている。
【0087】
ドラム側筐体91は、たとえば、ポリスチレンなどの樹脂材料からなり、図9に示すように、幅方向に間隔を隔てて対向配置される左側壁96および右側壁97、底壁98、第2壁部としての下側前壁99ならびに後上壁100から一体的に形成され、ドラム収容部102、現像剤収容部対向部としての現像カートリッジ収容部103および第2延長部としての下側延長部104を備えている。
【0088】
左側壁96および右側壁97は、感光ドラム92の軸方向において、それぞれの内面が互いに対向するように配置されており、側面視略船首形状の後側壁部105と、側面視略矩形状の前側壁部106と、側面視略矩形状の第2側壁としての延長側壁部107とが、後側から前側に向かって順次連続して形成されている。
【0089】
図12は、ドラムカートリッジ27の左側面図である。
【0090】
左側壁96の後側壁部105は、図12に示すように、前側壁部106と幅方向において面一で形成される第1壁108と、第1壁108の下方において、第1壁108よりも幅方向内側に配置される第2壁109と、第1壁108と第2壁109とを連結する第3壁110と、第1壁108の上方において、第1壁108よりも幅方向内側に配置される第4壁111と、第1壁108と第4壁111とを連結する第5壁112と、第2壁109の後方かつ第4壁111の下方において、第2壁109および第4壁111よりも幅方向内側に配置される第6壁113と、第2壁109および第4壁111と第6壁113とを連結する第7壁114とを一体的に備えている。
【0091】
第1壁108は、幅方向最外側に配置され、前側壁部106から後側壁部105の上下方向中央部に延びるように形成されている。
【0092】
第2壁109は、下方に向かって突出する側面視略直角三角形状をなし、第1壁108と平行に延びるように形成され、後側壁部105の下端部に配置されている。
【0093】
第3壁110は、第1壁108の下端縁と第2壁109の上端縁とを連結し、これら第1壁108および第2壁109に対して直交方向に延びるように形成されている。
【0094】
第2壁109と第3壁110とに跨って、正断面略L字状に切り欠かれることによって、正面視および側面視において略矩形状の転写電極開口部142が形成されている。この転写電極開口部142には、転写電極137が幅方向外方に突出するように設けられている。
【0095】
転写電極137は、導電性の樹脂材料からなり、図11に示すように、転写電極開口部142から幅方向外方に突出する電極当接部252と、この電極当接部252の上端部から幅方向外方(左側)に延びる逃げ防止部251とを一体的に備える、断面略L字状に形成されている。そして、左側壁96の幅方向内側には、転写電極137の逃げ防止部251に上方から当接する当接部材(図示せず)が備えられており、この当接部材の逃げ防止部251への当接によって、本体側の転写接点(不図示)に転写電極137が当接したときに、転写電極137が上方へ逃げることが防止されている。
【0096】
また、転写電極開口部142の後側には、第2壁109から幅方向外方に突出し、転写電極開口部142の後端縁に沿って上下に延びる接点進入防止リブ209が設けられている。
【0097】
第4壁111は、図12に示すように、前後方向に延びる平面視略矩形状をなし、第1壁108と平行に延びるように形成され、後側壁部105の上端部に配置されている。また、第4壁111は、幅方向において第1壁108と第2壁109との間に配置されている。この第4壁111には、前端部にワイヤ電極131が配置され、後端部にグリッド電極132が配置されている。
【0098】
第5壁112は、第1壁108の上端縁と第4壁111の下端縁とを連結し、これら第1壁108および第4壁111に対して直交方向に延びるように形成されている。
【0099】
第6壁113は、平面視略菱形状をなし、第1壁108と平行に延びるように形成され、幅方向最内側において、後側壁部105の後端部に配置されている。この第6壁113には、その後端部にクリーニング電極148が配置されている。
【0100】
第7壁114は、第2壁109および第4壁111の後端縁と、第6壁113の前端縁とを連結し、これら第2壁109および第4壁111と第6壁113とに対して直交方向に延びるように形成されている。
【0101】
また、第5壁112の前側には、図9に示すように、左側壁96の突出壁117の上端部を挟持する左挟持部210が形成されている。この左挟持部210は、第4壁111の前下角部から幅方向外方に延び、突出壁117の上端面に上方から対向する平面視略三角形状の対向板211と、対向板211の下面からそれぞれ垂下し、突出壁117を挟んで幅方向に対向する左挟持板212および右挟持板213とを一体的に備えている。
【0102】
なお、第3壁110と第5壁112との間には、これらの対向方向に沿って、ドラム駆動ギヤ191を露出させるためのギヤ開口部196が形成されている。
【0103】
また、第1壁108から、導電性の金属からなるドラム軸125の左側軸端部が突出しており、その左側軸端部は、本体側のアース接点(不図示)が接触する感光体電極としてのアース電極127として機能する。
【0104】
図13は、ドラムカートリッジ27の右側面図である。
右側壁97の後側壁部105は、図13に示すように、左側壁96の後側壁部105と同様に形成される、前側壁部106と幅方向において面一で形成される第1壁108と、第1壁108の下方において、第1壁108よりも幅方向内側に配置される第2壁109と、第1壁108と第2壁109とを連結する第3壁110とを一体的に備えている。
【0105】
左側壁96および右側壁97の各前側壁部106は、図9、図12および図13に示すように、現像カートリッジ28の着脱時に、現像ローラ軸64の軸端部を案内するためのローラ軸案内部115と、このローラ軸案内部115の後端に連続して設けられ、ローラ軸案内部115に案内される現像ローラ軸64の軸端部を受け入れる規制部材としてのローラ軸受入部116とを備えている。
【0106】
ローラ軸案内部115は、前側壁部106の上端縁として形成され、前側壁部106の前後方向途中から、前方から後方に向かって、斜め下方に延びた後、略水平方向の平坦状に延びるように形成されている。
【0107】
ローラ軸受入部116は、ローラ軸案内部115の後側に連続し、ローラ軸案内部115の後端部よりも上方に突出した突出壁117に、その突出壁117の前端縁から側面視略矩形状に切り欠くことによって形成されており、その下端縁が、ローラ軸案内部115の後端縁に連続している。
【0108】
左側壁96および右側壁97の各延長側壁部107は、左側壁96および右側壁97の各前側壁部106と幅方向において面一で、連続して形成されている。
【0109】
底壁98は、図9に示すように、左側壁96および右側壁97の下端縁を前後方向にわたって連結するように設けられ、図3および図9に示すように、断面略V字状に窪む後側底壁部193と、略平板状に形成される第2底壁としての前側底壁部194と、幅方向中央部が切り欠かれた略矩形平板状に形成される第1底壁としての延長底壁部195とが、後側から前側に向かって順次連続して形成されている。
【0110】
後側底壁部193には、図11に示すように、感光ドラム92と転写ローラ94との間を通過する用紙3(図1参照)を排出するための背面視略矩形状の排紙口222が形成されている。排紙口222は、たとえば、A4サイズの用紙3が通過可能なように、その用紙3の幅よりも少し幅広に形成されている。
【0111】
また、後側底壁部193には、排紙口222の上端縁から前方に延びるブラシ支持板223が幅方向にわたって一体的に形成されている。このブラシ支持板223の前端部には、図3に示すように、クリーニングブラシ95を支持するためのブラシ支持部123が幅方向にわたって設けられている。また、ブラシ支持板223の下面には、複数本(この実施形態では4本)の接触防止リブ224が、幅方向に互いに間隔を隔てて、用紙3の搬送方向(前後方向)に沿って延びるように形成されている。さらに、ブラシ支持板223の下面両端部には、背面視および底面視において略三角形状の接触防止部225が形成されている。
【0112】
また、ブラシ支持板223の下面中央部には、略矩形状のフィルム部材226が配置されている。このフィルム部材226は、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂材料を用いて、ピックアップローラ12の軸方向長さよりも少し広い幅に形成され、ブラシ支持板223の前端縁から前方(感光ドラム92側)へ僅かに突出するように配置されている。
【0113】
フィルム部材226は、粘着両面テープによってブラシ支持板223の下面中央部に貼着されており、その粘着両面テープは、フィルム部材226の前端縁(感光ドラム92に近接配置される端縁)まで設けられている。すなわち、フィルム部材226のブラシ支持板223の前端縁から突出した部分にも、粘着両面テープが配置されている。
【0114】
また、底壁98における後側底壁部193と前側底壁部194との境界部付近には、図3に示すように、前側に向かって下方に傾斜しフィルム部材311aと間隙をあけるよう配された傾斜板部331が形成されている。
【0115】
この傾斜板部331と前側底壁部194との間には、段差が形成されており、その段差部分において、用紙3をドラムカートリッジ27内に導き入れるための入紙口332が形成され上記間隙を外部と連通させている。
【0116】
さらにまた、傾斜板部331の後端部には、図9に示すように、幅方向において中央の所定幅の領域を挟む左右両側に、入紙口332から進入する用紙3の先端が感光ドラム92の周面に当接するように案内する用紙案内フィルム333が貼着されている。この用紙案内フィルム333が設けられていることによって、入紙口332からドラムカートリッジ27内に進入する用紙3は、用紙案内フィルム333に沿って進み、その先端が感光ドラム92の周面に当接する。そして、用紙3の先端は、感光ドラム92の回転につられて、感光ドラム92と転写ローラ94との間に導かれる。このように、用紙3が感光ドラム92に当接した後に、感光ドラム92と転写ローラ94との間に導かれることにより、用紙3と感光ドラム92との間でのリークを防止することができる。
【0117】
下側前壁99は、延長底壁部195の前端縁から上方に向かって直角方向に屈曲するように形成されている。この下側前壁99は、略矩形平板状をなし、幅方向両端部が、左側壁96および右側壁97と、直角方向に屈曲するようにして、連続して形成されている。この下側前壁99は、現像カートリッジ28がドラムカートリッジ27に装着された状態で、図13に示すように、上下方向において上側前壁42と対向し、下側前壁99の前面が、上側前壁42の前面と面一となる平面形状(外観上、実質的に凹凸のない平坦形状)に形成されている。
【0118】
また、この下側前壁99には、図9に示すように、下側切欠部235よりも幅方向両外方であって両端部の近傍において、上側前壁42から突出する各突出板51を受け入れるための受入部120が形成されている。
【0119】
各受入部120は、下側前壁99の上端縁から下方に向かって、正面視において略細長矩形状で前方に向けて膨出するように形成されている。これによって、現像カートリッジ28がドラムカートリッジ27に装着された状態では、図14に示すように、各突出板51が各受入部120に受け入れられる。
【0120】
後上壁100は、図3に示すように、前方から後方に向かって下方に向けてやや傾斜する板状をなし、左側壁96および右側壁97の各後側壁部105の上端縁を、前後方向にわたって連結するように設けられている。この後上壁100は、その後端縁が、底壁98の後側底壁部193の後端縁と幅方向にわたって連結されている。
【0121】
また、この後上壁100には、その前部に、幅方向に延びる平面視略矩形状のレーザ入射窓121が開口されている。また、後上壁100には、その後部斜め上方に、スコロトロン型帯電器93を支持するための帯電支持部122が形成されている。
【0122】
さらに、後上壁100には、図9に示すように、右側壁97の突出壁117の上端部を挟持する右挟持部214が一体的に形成されている。この右挟持部214は、後上壁100の右前端角部から幅方向外方にやや張り出して、前方へ延び、突出壁117の上端面に上方から対向する平面視略矩形状の対向板215と、対向板215の下面からそれぞれ垂下し、突出壁117を挟んで幅方向に対向する左挟持板216および右挟持板217とを一体的に備えている。
【0123】
そして、このドラム側筐体91では、図3および図9に示すように、左側壁96および右側壁97の各後側壁部105と、後上壁100と、その後上壁100に上下方向に対向する底壁98の後側底壁部193とで、ドラム収容部102が画成されている。これによって、ドラム収容部102は、ドラム側筐体91の後部において、前方が開放される空間として形成されている。
【0124】
左側壁96および右側壁97の各前側壁部106と、各前側壁部106に幅方向において連続する底壁98の前側底壁部194とで、現像カートリッジ収容部103が形成されている。これによって、現像カートリッジ収容部103は、ドラム側筐体91の前後方向途中部において、上方が開放され、後方がドラム収容部102に連通する空間として形成されている。
【0125】
また、左側壁96および右側壁97の延長側壁部107と、各延長側壁部107に幅方向において連続する底壁98の延長底壁部195と、下側前壁99とで、下側延長部104が画成されている。
【0126】
この下側延長部104には、ドラム側把持部234が設けられている。ドラム側把持部234は、下側切欠部235と、この下側切欠部235に設けられる持ち上げ部としてのドラム側取っ手236とを備えている。
【0127】
下側切欠部235は、下側延長部104の幅方向中央部において、平面視において延長底壁部195の前端部が幅方向に沿って略矩形状に切り欠かれ、また、正面視において下側前壁99の上端部が幅方向に沿って略矩形状に切り欠かれるように、これら延長底壁部195および下側前壁99を連続して切り欠くように形成されている。この下側切欠部235は、上壁延長部50に形成された上側切欠部202よりも少し幅狭に形成されている。
【0128】
ドラム側取っ手236は、下側切欠部235の幅方向両端縁から略鉛直上方に延びる左右1対の支持部としての側支持部237と、下側切欠部235の後端縁から前側に少し傾斜して上方に延びる後支持部238と、これら側支持部237および後支持部238の上端間に架設された平面視略矩形状の天面部239とを一体的に備えている。
【0129】
後支持部238には、図10に示すように、矩形状の開口240が形成されている。これによって、下側延長部104は、ドラム側筐体91の後部において、現像カートリッジ収容部103から後側に延設され、その現像カートリッジ収容部103に開口240を介して連通し、ドラム側取っ手236によって区画される正面視略矩形状の開口部を有する空間として形成されている。
【0130】
また、天面部239には、後側の略半分の部分が相対的に高く、前側の略半分の部分が相対的に低くなるように段差261が形成されている。
【0131】
また、ドラム側取っ手236は、図14に示すように、現像カートリッジ28がドラムカートリッジ27に装着された状態で、上側切欠部202内に嵌り込み、天面部239が現像側取っ手203に対して微小な間隔を隔てて上下に対向配置される。そして、天面部239には、現像側取っ手203に形成されている指掛部208と対向する部分に、図9に示すように、略半円形状の切欠部241が形成されている。
【0132】
現像カートリッジ収容部103には、現像カートリッジ28の各位置決め部84に当接される突起部118と、用紙3を案内するための第2ガイド部としての後側リブ162とが設けられている。
【0133】
突起部118は、図9に示すように、前側底壁部194の前後方向途中において、幅方向において互いに間隔を隔てて2つ設けられている。各突起部118は、ドラムカートリッジ27に装着される現像カートリッジ28の各位置決め部84と対向配置され、上方に向かって断面半円状に突出するように形成されている。
【0134】
後側リブ162は、図10に示すように、前側底壁部194の裏面(底面)から下方に向かって突出され、その後部に、幅方向において互いに間隔を隔てて配置され、前後方向に延びる複数の第1後側リブ163と、その第1後側リブ163に対して前側に配置され、幅方向において互いに間隔(第1後側リブ163よりも幅広の間隔)を隔てて配置され、前後方向に延びる複数の第2後側リブ164とを備えている。
【0135】
また、この現像カートリッジ収容部103には、図9に示すように、左側壁96および右側壁97において、現像カートリッジ28の各トナー検知窓85と幅方向において対向する位置に、トナーエンプティセンサ(図示せず)の光を通過させるためのトナー通過窓101が設けられている。
【0136】
また、下側延長部104は、図9に示すように、現像カートリッジ収容部103に装着される現像カートリッジ28の現像ローラ32を、感光ドラム92に向けて押圧するための押圧部149と、現像カートリッジ収容部103に装着される現像カートリッジ28のドラムカートリッジ27に対する装着状態をロックするロック手段としてのロックレバー153と、本体ケーシング2に対してドラムカートリッジ27を位置決めするための位置決め部としてのドラム側ボス150とを備えている。
【0137】
また、下側延長部104には、図10に示すように、用紙3を感光ドラム92に向けて搬送するための、上側のレジストローラ14と、用紙3を案内するための第1ガイド部としての複数本の前側リブ165とが設けられている。
【0138】
上側のレジストローラ14は、底壁98の延長底壁部195の下面(裏面)において、第2後側リブ164の前側に、幅方向に沿って回転自在に設けられている。この上側のレジストローラ14は、ドラムカートリッジ27が本体ケーシング2に装着された状態で、下側のレジストローラ14と上下方向において対向配置される(図1参照)。
【0139】
各前側リブ165は、底壁98の延長底壁部195の下面において、上側のレジストローラ14の前側であって、下側前壁99から切り欠かれる下側切欠部119との対向部分(すなわち、幅方向中央部)を含む幅方向全体にわたって設けられている。この前側リブ165は、たとえば、ポリアセタール樹脂などの、現像側筐体29およびドラム側筐体91よりも硬質の樹脂材料から、ドラム側筐体91とは別途形成されており、用紙3との接触で磨耗したときに、交換できるようにされている。より具体的には、複数本の前側リブ165は、幅方向に互いに間隔(第2後側リブ164よりも幅広の間隔)を隔てて、前後方向に延びるように配置され、幅方向に延びる複数本の連結部材227で連結されることにより一体化されて、延長底壁部195の下面に取り付けられている。
【0140】
これによって、上側のレジストローラ14は、前後方向において、前側リブ165と後側リブ162との間に配置される。
【0141】
(2−3)プロセスカートリッジについて
図14は、プロセスカートリッジ20の正面側左斜め上方から見た斜視図であり、図15は、プロセスカートリッジ20の正面側左斜め下方から見た斜視図である。
【0142】
現像カートリッジ28がドラムカートリッジ27に装着された状態では、図14に示すように、現像カートリッジ28のトナー収容室30と、ドラムカートリッジ27の現像カートリッジ収容部103とが上下方向において対向配置される。
【0143】
ここで図15に示すように、用紙3をプロセスカートリッジ20内に導き入れるため、入紙口332がドラムカートリッジ27の傾斜板部331と前側底壁部194との間に形成されている。傾斜板部331と対向する現像カートリッジ28にはフィルム部材311aが貼付されており、その表面が入紙口332から進入してくる用紙3を下流側の感光ドラム92側へ搬送するようにガイドする。
【0144】
このように現像カートリッジ28の一部であるフィルム部材311aが感光体カートリッジの用紙搬送経路の一部を構成する場合においては、用紙3との摩擦によりフィルム部材が磨耗する恐れがある。ここで、現像カートリッジ28においてトナーがなくなり、これにトナーを最充填して再利用しようとする場合、フィルム部材311aは、用紙3の通過により磨耗がさらに進み表面に凹凸ができることがある。その場合、用紙3がフィルム部材311aの凹凸に引っかかりジャムが生じたり予期しない方向に搬送されたりする恐れが生じる。
【0145】
しかしながら、フィルム部材311aは、下フレーム34とは別部材から構成されているのでトナーの最充填時において交換することができる。これにより現像カートリッジ28の再利用時における用紙3の引っかかり等の発生を抑制することができる。
【0146】
また、フィルム部材311aは、現像側筐体29の中央よりも現像ローラ32側に配されており、その先端が感光ドラム92側に近接して延びているため、入紙口332から進入する用紙3を感光ドラム92側へ確実にガイドすることができるとともに、入紙口から感光ドラム92側までに継ぎ目がないので、スムースに用紙を搬送することができる。
【0147】
さらに、フィルム部材311aの素材を下フレーム34の素材と異ならせることにより、用紙3の転写時における電位を予め調整することも可能となる。具体的には、樹脂からなる下フレーム34よりも導電性に優れ自己放電性を有する導電性フィルム等を用いることにより、転写前の用紙が高抵抗値を有し帯電していた場合にそれを除電することができる。このように予め転写前における用紙3の電位を調整することができるので、転写動作を安定化させることができる。反対に下フレーム34よりも導電性に劣り帯電性が高いフィルムを用いた場合には、転写前の低抵抗値を有する用紙に対して転写前に予めその用紙の電位を調整することもできる。
【0148】
また、フィルム部材311aが下フレーム34と別体となっているので、その素材をポリアセタール樹脂などの現像側筐体29よりも硬質であり耐磨耗性に優れた素材から構成すれば、再利用前においても引っかかり等の発生をさらに抑制することができる。さらに耐磨耗性がすぐれているので、フィルム部材311aを交換することなく現像カートリッジ28をそのまま再利用できる。
【0149】
また、図14および図15に示すように、現像カートリッジ28の上側延長部37と、ドラムカートリッジ27の下側延長部104とが上下方向において対向配置される。より具体的には、上側延長部37の上壁延長部50と、下側延長部104の延長底壁部195とが、上下方向に間隔を隔てて対向配置される。
【0150】
そして、現像カートリッジ28の上側前壁42から突出する各突出板51が、ドラムカートリッジ27の下側前壁99に形成されている各受入部120に受け入れられる。
【0151】
また、ドラムカートリッジ27のドラム側取っ手236が、現像カートリッジ28の上側延長部37に形成されている上側切欠部202内に嵌り込み、そのドラム側取っ手236の天面部239が、上壁延長部50に設けられている現像側取っ手203に対して微小な間隔を隔てて上下に対向配置される。そして、天面部239に形成されている切欠部241が、現像側取っ手203に形成されている指掛部208と対向する。そのため、現像カートリッジ28がドラムカートリッジ27に装着された状態で、現像側取っ手203の指掛部208およびこれに対向するドラム側取っ手236の切欠部241以外の部分において、現像側取っ手203とドラム側取っ手236とを一緒に把持することができ、本体ケーシング2(図1参照)に対して、ドラムカートリッジ27と現像カートリッジ28との一体的な着脱を確実に達成することができる。言い換えれば、本体ケーシング2に対して、ドラムカートリッジ27と現像カートリッジ28とを一体的に装着するときに、ドラムカートリッジ27から現像カートリッジ28が離脱したり、本体ケーシング2からドラムカートリッジ27と現像カートリッジ28とを一体的に離脱させるときに、誤って、現像カートリッジ28のみが離脱されることを防止することができる。
【0152】
しかも、現像カートリッジ28の上壁延長部50に設けられている現像側取っ手203に対して、ドラム側取っ手236の天面部239が対向配置されるので、容易に、その天面部239と現像側取っ手203とを一緒に把持することができる。そのため、本体ケーシング2に対するドラムカートリッジ27と現像カートリッジ28との一体的な着脱をより確実に達成することができる。
【0153】
さらに、1対の側支持部237と天面部239とによって囲まれる空間は、後支持部238に形成された開口240を介して現像カートリッジ収容部103に連通されているので、天面部239と現像側取っ手203とを一緒に把持するときに、指を、その1対の側支持部237と天面部239とによって囲まれる空間から、開口240を介して、現像カートリッジ収容部103に装着された現像カートリッジ28の前側下壁部44に当接する位置まで入れることができる。そのため、天面部239と現像側取っ手203との把持を一層容易にすることができる。その結果、本体ケーシング2に対するドラムカートリッジ27と現像カートリッジ28との一体的な着脱を一層確実に達成することができる。
【0154】
さらにまた、天面部239には、後側の略半分の部分が相対的に高く、前側の略半分の部分が相対的に低くなるように段差261が形成されているので、天面部239と現像側取っ手203とを一緒に把持するときに、その段差261に指を掛けることができる。そのため、天面部239と現像側取っ手203との把持をより一層容易にすることができ、本体ケーシング2に対するドラムカートリッジ27と現像カートリッジ28との一体的な着脱をより一層確実に達成することができる。
【0155】
また、このプロセスカートリッジ20では、切欠部241を介して、現像側取っ手203の指掛部208に指を掛けて、現像側取っ手203のみを把持することができ、現像カートリッジ28をドラムカートリッジ27に対して着脱させることができる。
【0156】
また、このドラムカートリッジ27では、左挟持部210および右挟持部214が形成され、これら左挟持部210および右挟持部214によって、それぞれ左側壁96および右側壁97の突出壁117が挟持されている。そのため、左側壁96および右側壁97が幅方向に傾いたり、撓んだりすることを防止することができる。その結果、ドラムカートリッジ27の剛性を増すことができ、ドラムカートリッジ27(プロセスカートリッジ20)の本体ケーシング2に対する確実な装着を達成することができる。
【0157】
さらに、ドラムカートリッジ27の底壁98の延長底壁部195の下面には、複数本の連結部材227で連結されることにより一体化された複数本の前側リブ165が、1対の側支持部237の下端間に掛け渡すように配置されている。そのため、用紙3を感光ドラム92に向けて確実に案内することができながら、1対の側支持部237(ドラム側取っ手236)の強度(剛性)を高めることができる。
【0158】
さらに、排紙口222の上端縁から前方に延びるブラシ支持板223の下面に接触防止リブ224が設けられているので、用紙3に転写されたトナー像がブラシ支持板223の下面に接触することを防止でき、ブラシ支持板223の下面がトナーで汚れたり、用紙3に転写されたトナー像の品質が劣化したりすることを防止することができる。
【0159】
また、ブラシ支持板223の下面両端部には、背面視および底面視において略三角形状の接触防止部225が形成されているので、排紙口222から排出される用紙3は、その幅方向両端部が接触防止部225に接触しつつ排紙される。そのため、用紙3の幅方向中央部がブラシ支持板223側に持ち上がることを防止することができ、用紙3に転写されたトナー像がブラシ支持板223および接触防止リブ224に接触することを防止することができる。その結果、ブラシ支持板223の下面がトナーで汚れたり、用紙3に転写されたトナー像の品質が劣化したりすることを確実に防止することができる。
【0160】
また、ブラシ支持板223の下面中央部には、略矩形状のフィルム部材226が配置され、このフィルム部材226がブラシ支持板223の前端縁から前方(感光ドラム92側)へ僅かに突出するように配置されているので、フィルム部材226によって、クリーニングブラシ95によって感光ドラム92の表面から掻き取られた紙粉を受け取ることができる。そして、フィルム部材226のブラシ支持板223の前端縁から突出した部分にも、粘着両面テープが配置されているので、受け取った紙粉を粘着両面テープの粘着面に粘着させることができ、紙粉がフィルム部材226上から脱落することを防止することができる。
【0161】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る画像形成装置をレーザプリンタに適用した第2の実施の形態について説明する。上記第1の実施の形態においては、現像カートリッジ28における用紙搬送経路の一部を構成するガイド部材としてリブ311およびフィルム部材311aを用いていたが、本第2の実施の形態においては、フィルム部材311aの代わりにフィルム部材とリブを一体化したガイド部材311eを用いるようにしている。なお、本実施の形態に係るレーザプリンタは、現像カートリッジ28bのガイド部材311e、リブ311が異なるのみであるので、上記した各部に対応する部分については同一の参照符号を付しその他の構成については説明を省略する。
【0162】
図16は、現像カートリッジ28bの正面側右斜め下方から見た斜視図である。
【0163】
同図に示すように、後側下壁部43の下面には、一対のリブ311が、幅方向に互いに用紙通過幅を超える間隔を隔てて配置されている。
【0164】
各リブ311の間における後側下壁部43には、リブ311と同じ断面形状を有し、搬送される用紙よりも幅広なガイド部材311eが図中の矢印にて示すようにリブ311の用紙搬送方向上流側および下流側に設けられた接着部311f、311gに粘着両面テープにより固定されている。
【0165】
図17は、プロセスカートリッジ20bの側断面図である。
【0166】
同図に示すように、ガイド部材311eは、後側から前側に近づくにつれて、その高さが低くなるように形成されており、現像カートリッジ28をその天面を水平にして本体ケーシング2に装着したときに、ガイド部材311eの用紙との接触面が略水平に配置される。このガイド部材311eにより、入紙口332から進入する用紙3を感光ドラム92側へガイドすることができる。
【0167】
このように、フィルム部材の代わりにリブとフィルムが一体化した形状を有するガイド部材311eを設けることによっても第1の実施の形態と同様、ガイド部材311eを交換することができる。したがって、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0168】
さらに、第1の実施の形態と同様、ガイド部材の素材に樹脂からなる下フレーム34よりも導電性に優れた導電性プラスチック等を用いることにより、予め転写前における用紙の電位を調整し、転写動作を安定化させることもできる。ガイド部材311eが下フレーム34と別体となっているので、その素材を下フレーム34よりも耐磨耗性に優れた素材から構成すれば、引っかかり等の発生をさらに抑制することができる。
【0169】
(変形例)
上記各実施の形態においては、フィルム部材311a、ガイド部材311eの表面が平滑であったが、用紙との接触面積を減らすため、その表面に複数突起を設けたり、梨地加工を施したり、リブを設けてもよい。また、摩擦を少なくするために鏡面加工を施してもよい。
【0170】
また、上記各実施の形態においては、フィルム部材311a、ガイド部材311eが用紙の幅よりも広く形成されていたが、用紙の幅よりも狭くても用紙が当たる部分がフィルム部材となれば特に問題は生じない。さらには、用紙の幅よりも狭いものを複数並列して配置すればさらにリブ311の磨耗を防ぐことができる。なお、上記第2の実施の形態においては、リブ311を幅方向両端部に設けていたが、特に設けなくとも本願発明と同様の効果を得ることができる。
【0171】
また、第2の実施の形態における上記ガイド部材311e表面に第1の実施の形態のフィルム部材311aを貼り付けてから第2の実施の形態における後側下壁部43に貼り付けるようにしてもよいし、第2の実施の形態に係る後側下壁部43に対して、リブ311を介することなくフィルム部材311aを接着部311f,311gにおいて両面粘着テープにより固定してもよい。
【0172】
ここで、フィルム部材311aの形状としてはリブ311の形状と同じものが好ましいが、図18に示すように単に接着部311f,311gとの間において平板状のフィルム部材311hを外方に向けてアーチ状に膨らむように撓ませて固定してもよい。
【0173】
また、上記各実施の形態においては、フィルム部材311a、ガイド部材311eを離脱できるように粘着両面テープを用いて取り付けていたが、図19に示すように両端のリブ311に対向して突出する一対の爪311jを設け、その爪311jと爪311jの間にフィルム部材311aやガイド部材311eを幅方向から挟み込むようにしてもよい。この場合、図19における後ろ側から見た拡大図に示すように爪311jがガイド部材を下方から支えるとともに後ろ側から離脱可能に固定することができる。またネジ止めにより固定してもよい。
【0174】
また、上記各実施の形態においては、現像カートリッジが感光体カートリッジに装着されるプロセスカートリッジについて説明したが、各カートリッジが一体となったプロセスカートリッジにおいても本発明を適用することができる。
【0175】
また、上記各実施の形態においては、フィルム部材311a、ガイド部材311eの素材として導電性プラスチックを用いていたが、導電性の高い金属箔等をアースして用いてもよい。
【0176】
なお、上記の各実施形態における各構成要素については、必要に応じて、それらを組み合わせて実施可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図であって、フロントカバーを閉じた状態を示す。
【図2】図1に示すレーザプリンタの要部側断面図であって、フロントカバーを開いた状態を示す。
【図3】プロセスカートリッジの側断面図である。
【図4】現像カートリッジの要部側断面図である。
【図5】現像カートリッジの正面側左斜め上方から見た斜視図である。
【図6】現像カートリッジの正面側右斜め下方から見た斜視図である。
【図7】現像カートリッジの正面側右斜め下方から見た斜視図である。
【図8】現像カートリッジの背面側左斜め上方から見た斜視図である。
【図9】ドラムカートリッジの正面側左斜め上方から見た斜視図である。
【図10】ドラムカートリッジを正面側右斜め下方から見た斜視図である。
【図11】ドラムカートリッジを背面側左斜め下方から見た斜視図である。
【図12】ドラムカートリッジの左側面図である。
【図13】ドラムカートリッジの右側面図である。
【図14】プロセスカートリッジの正面側左斜め上方から見た斜視図である。
【図15】プロセスカートリッジの正面側左斜め下方から見た斜視図である。
【図16】第2の実施の形態に係る現像カートリッジを正面側左斜め上方から見た斜視図である。
【図17】第2の実施の形態に係るプロセスカートリッジの断面図である。
【図18】変形例に係る現像カートリッジの正面側右斜め下方から見た斜視図である。
【図19】変形例に係る現像カートリッジの正面側右斜め下方から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0178】
1 レーザプリンタ
3 用紙
14 レジストローラ
20,20b プロセスカートリッジ
27 ドラムカートリッジ
28,28b 現像カートリッジ
29 現像側筐体
30 トナー収容室
32 現像ローラ
34 下フレーム
35 上フレーム
36 現像室
42 上側前壁
43 後側下壁部
44 前側下壁部
47 トナー供給口
48 キャップ
50 上壁延長部
54 リブ
91 ドラム側筐体
92 感光ドラム
102 ドラム収容部
103 現像カートリッジ収容部
311 リブ
311a フィルム部材
311b リブ端部
311c,311d 接着部
311e ガイド部材
311f,311g 接着部
332 入紙口



【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されるシート材に画像を形成する画像形成装置に用いられる現像カートリッジであって、
現像剤を収容する現像剤収容室が形成された第1筐体と、
前記第1筐体に配され、シート材がその搬送方向下流側に向けて搬送されるようにガイドするガイド部材と
を備え、
前記ガイド部材は、シート材と当接するところが前記第1筐体と別部材から構成されている
ことを特徴とする現像カートリッジ。
【請求項2】
前記ガイド部材は、第1筐体に対して離脱可能に固定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項3】
前記第1筐体には、前記現像剤収容室に対するシート材の搬送方向下流側に当該現像剤収容室と連通して配され、現像剤収容室から供給される現像剤を担持する現像剤担持体が配される現像室が形成されており、
前記ガイド部材は、前記現像室よりも現像剤担持体側に配されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の現像カートリッジ。
【請求項4】
前記第1筐体は、前記現像室を画成する壁部を有し、
前記ガイド部材は、前記壁部の外壁における前記現像室と対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の現像カートリッジ。
【請求項5】
前記第1筐体は、前記現像剤収容室および現像室が形成されるとともに現像剤収容室の上部が開口された下フレームと、前記下フレームの開口に被装される上フレームとを備え、
前記ガイド部材は、前記壁部において前記下フレームに形成されるとともに前記現像室の底面を画成する下壁部に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の現像カートリッジ。
【請求項6】
前記ガイド部材は、
前記下壁部に立設された複数のリブと、
前記複数のリブを覆うフィルム部材とを有する
ことを特徴とする請求項5に記載の現像カートリッジ。
【請求項7】
前記ガイド部材は、前記シート材の搬送方向に沿って延び、前記現像室から前記現像剤収容室に近づくにつれてその高さが低くなるように形成されていることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の現像カートリッジ。
【請求項8】
前記ガイド部材は、前記第1筐体の素材と異なる導電性を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の現像カートリッジ。
【請求項9】
前記ガイド部材は、前記第1筐体の素材よりも導電性に優れていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の現像カートリッジ。
【請求項10】
前記ガイド部材は、粘着両面テープにより前記第1筐体に離脱自在に固定されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の現像カートリッジ。
【請求項11】
シート材に画像を形成する画像形成装置に用いられるプロセスカーリッジであって、
現像剤を収容する現像剤収容室が形成された第1筐体と、前記第1筐体に配され、シート材がその搬送方向下流側に向けて搬送されるようにガイドするガイド部材とを有し、前記ガイド部材のシート材と当接するところが前記第1筐体と別体に構成される現像カートリッジと、
前記現像カートリッジが着脱可能な第2筐体と、前記第2筐体に配置され、前記現像剤担持体から供給される現像剤により現像される静電潜像が形成される感光体と、前記第2筐体に形成され、前記現像剤収容室に対向配置される現像剤収容室対向部と、前記第2筐体の前記ガイド部材と対向する位置に間隙をあけて設けられ、シート材をガイド部材側へ給入させるシート材給入口が形成された底壁部とを有する感光体カートリッジと、
を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項12】
前記感光体カートリッジは、前記第2筐体において感光体と対向して配される転写手段を備え、
前記転写手段は、前記感光体との間にシート材給入口から給入されたシート材を通過させることにより、感光体に現像された現像剤をシート材に転写する
ことを特徴とする請求項11に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項13】
前記第2筐体には、前記転写されたシート材を排出するシート材排出口が形成されていることを特徴とする請求項12に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項14】
請求項1〜10のいずれかに記載の現像カートリッジまたは請求項11〜13のいずれかに記載のプロセスカートリッジを備えることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−184401(P2006−184401A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−375936(P2004−375936)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】