説明

ベルト駆動装置及びこれを用いる画像形成装置

【課題】安価で耐久性の高いベルトマーク検知システムが可能な画像形成装置と、これに用いる転写装置を提供することを可能にするものである。
【解決手段】透過光センサ203、204と、光を透過するベルト201と、少なくとも一つ以上のローラで回転駆動するベルト駆動装置を持つ画像形成装置において、ベルト201端部にベルト蛇行防止用のガイド202を持ち、そのガイド202は光をベルトの201表面から裏面方向もしくは裏面から表面方向に透過しないことを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間転写ベルト、直接転写ベルト、感光体の像担持体等、又は記録部材を搬送する搬送ベルトのベルト搬送に用いるベルト駆動装置及びこのベルト駆動装置を用いる複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真方式のカラー画像を形成することが可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像形成の代表的な方法は、複数の感光体上に形成される色の異なるトナー画像を直接転写紙に重ねながら転写させる直接転写方式と、複数の感光体上に形成される色の異なるトナー画像を中間転写体に重ねながら転写させ、しかる後に転写紙に一括して転写させる中間転写方式がある。複数の感光体を転写紙または中間転写体に対向させ並べて配置することから、タンデム方式と呼ばれ、感光体毎にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対して静電潜像の形成、現像などの電子写真プロセスを実行させ、直接転写方式では走行中の転写紙上に、中間転写方式においては走行中の中間転写体上に転写する。
これらの各方式を用いたタンデム方式のカラー画像形成装置では、直接転写方式にあっては、転写紙を支持しながら走行する無端ベルトを、中間転写方式にあっては、感光体から画像を受け取り担持する無端ベルトを採用するのが一般的である。そして4個の感光体を含む作像ユニットをベルトの一走行辺に並べて設置する。
【0003】
上記タンデム方式のカラー画像形成装置では、各色のトナー画像を精度よく重ねることが色ズレの発生を防止するうえで重要である。また、色ズレ防止は、上記直接転写システムだけでなく、間接転写システムにも重要である。
これらのシステムの色ズレ防止手段として、ベルトの速度ムラをエンコーダで検知し、これを駆動モータにフィードバックし、ベルト速度ムラを低減させる方法がある。また、予めベルトの一周の速度ムラをエンコーダ等で記憶しておき、前記速度ムラを低減させる様駆動モータを制御する方法がある。
【0004】
しかし、ベルト一周ムラの検知時では、ベルトのどの部分から検知を始めるか、一定の場所を決めねばならず(以下この部位をベルトのホームポジションという)、ホームポジション検知方法は以下の方法が一般的である。例えば、特許文献1に記載の方法では、転写ベルトのベルト本体の内周面に、周方向に沿って連続的にリブを形成し、リブの一部に切欠部を設け、この切欠部を、発光部と受光部とを有するTOP検知センサによって検知することで、転写ベルトの外周面に複数色のトナー像を一次転写して重ねる際の基準となるTOP信号を発するようにしたものである。
またさらに、他の方法としては、銀マークを取り付けてその反射を検知する、あるいはベルトに穴を開けて、そこの光透過を読み取る、等の方法もある。
【特許文献1】特開平10−171267号公報
【特許文献2】特開平11−160928号公報
【特許文献3】特開2002−055533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、リブを高くしなければならない(特許文献1では3mm以上)という不具合がある。また、銀マークを取り付けてその反射を検知する方法においては、銀マークがはがれるという不具合があり、またベルトに穴を開けるという方法では、ベルトの強度が落ちるという不具合がある。
【0006】
そこで本発明は、上記事情に鑑み、これらの不具合を解消し、安価で耐久性の高いマーク検知システムが可能なベルト駆動装置、及び、これを用いる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。
1.本発明のベルト駆動装置は、透過光センサと、光を透過するベルトと、少なくとも一つ以上のローラで回転駆動するベルト駆動装置であって、ベルト端部にベルト蛇行防止用のガイドを持ち、そのガイドは光をベルトの表面から裏面方向もしくは裏面から表面方向に透過しないことを特徴とする。
2.また、本発明のベルト駆動装置は、1.に記載の発明において、ガイドの周方向の繋ぎ目近傍に、隙間があることを特徴とする。
3.また、本発明のベルト駆動装置は、透過型センサと、光を透過するベルトと、少なくとも一つ以上のローラで回転駆動するベルト駆動装置であって、ベルト端部にベルト補強材を持ち、そのベルト補強材は光をベルトの表面から裏面方向もしくは裏面から表面方向に透過しないことを特徴とする。
4.また、本発明のベルト駆動装置は、3.に記載の発明において、前記ベルト補強材は、周方向の繋ぎ目近傍に隙間があることを特徴とする。
5.また、本発明のベルト駆動装置は、1.ないし4.のいずれかに記載の発明において、
ベルト材質がPVDFであることを特徴とする。
6.また、本発明のベルト駆動装置は、1.ないし5.のいずれかに記載の発明において、
前記ガイドもしくは補強材が、黒色であることを特徴とする。
7.また、本発明のベルト駆動装置は、1.ないし6.のいずれかに記載の発明において、
透過型センサの検知信号は、ベルトのホームポジション検知に使用することを特徴とする。
8.また、本発明のベルト駆動装置は、1.ないし7.のいずれかに記載の発明において、
前記ガイド及び補強材は、ベルト両端部にあり、それらの隙間もベルト両端部にあることを特徴とする。
【0008】
9.また、本発明のベルト駆動装置は、1.ないし8.のいずれかに記載の発明において、
前記ベルト駆動装置は、ベルトが中間転写ベルト又は直接転写ベルトであることを特徴とする。
10.また、本発明のベルト駆動装置は、1.ないし8.のいずれかに記載の発明において、ベルトが感光体であることを特徴とする。
11.また、本発明のベルト駆動装置は、1.ないし8.のいずれかに記載の発明において、ベルトが、記録部材を搬送するベルトに用いられることを特徴とする。
【0009】
12.また、本発明の画像形成装置は、潜像を担持する感光体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナ−を供給・可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、像担持体上の未転写の残留トナ−をクリ−ニングするクリ−ニング装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備える画像形成装置であって、転写装置に、中間又は直接転写ベルトに1.ないし8.に記載のベルト駆動装置を用いることを特徴とする。
13.また、本発明の画像形成装置は、潜像を担持する感光体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナ−を供給・可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、像担持体上の未転写の残留トナ−をクリ−ニングするクリ−ニング装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備える画像形成装置であって、感光体に1.ないし8.に記載のベルト駆動装置を用いることを特徴とする。
14.また、本発明の画像形成装置は、潜像を担持する感光体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナ−を供給・可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、像担持体上の未転写の残留トナ−をクリ−ニングするクリ−ニング装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備える画像形成装置であって、記録部材の搬送のベルトに1.ないし8.に記載のベルト駆動装置を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上記載したように、上記解決するための手段により、安価で耐久性の高いベルトマークを検知システムが可能なベルト駆動装置を提供することを可能にするものである。
また、さらに、本発明では、安価で耐久性の高いベルトマークを検知システムが可能な画像形成装置を提供することを可能にするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を、画像形成装置である電子写真方式の直接転写方式によるカラーレーザプリンタ(以下「レーザプリンタ」という)に適用した一つの実施形態について図1、図2で説明する。
図1は、本実施形態に係るレーザプリンタの概略構成図である。このレーザプリンタは、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成部1Y、1M、1C、1K(以下、各符号の添字Y、M、C、Kは、それぞれイエロー、マゼンダ、シアン、黒用の部材であることを示す)が、転写紙100の移動方向(図中の矢印Aに沿ってベルト60が走行する方向)における上流側から順に配置されている。このトナー像形成部1Y、1M、1C、1Kはそれぞれ、像担持体としての感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kと、現像ユニットとを備えている。また、各トナー像形成部1Y、1M、1C、1Kの配置は、各感光体ドラムの回転軸が平行になるように且つ転写紙移動方向に所定のピッチで配列するように、設定されている。
【0012】
本レーザプリンタは、上記トナー像形成部1Y、1M、1C、1Kのほか、光書込ユニット2、給紙カセット3及び4、レジストローラ対5、転写紙100を担持して各トナー像形成部の転写位置を通過するように搬送する転写搬送部材としての転写搬送ベルト60を有するベルト駆動装置としての転写ユニット6、ベルト定着方式の定着ユニット7、排紙トレイ8等を備えている。また、手差しトレイMF、トナー補給容器TCを備え、図示していない廃トナーボトル、両面・反転ユニット、電源ユニットなども二点鎖線で示したスペースSの中に備えている。
上記光書込ユニット2は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kの表面にレーザ光を走査しながら照射する。
【0013】
図2は、上記転写ユニット6の概略構成を示す拡大図である。この転写ユニット6で使用した転写搬送ベルト60は、体積抵抗率が10〜1011Ωcmである高抵抗の無端状単層ベルトであり、その材質はPVDF(ポリフッ化ビニリデン)である。この転写搬送ベルト60は、各トナー像形成部の感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kに接触対向する各転写位置を通過するように、支持ローラ61〜68(66)に掛け回されている。
これらの支持ローラのうち、転写紙移動方向上流側の入口ローラ61には、電源80aから所定電圧が印加された静電吸着ローラ80が対向するように転写搬送ベルト60の外周面に配置されている。この2つのローラ61、65の間を通過した転写紙100は転写搬送ベルト60上に静電吸着される。
ローラ63は転写搬送ベルト60を摩擦駆動する駆動ローラであり、図示しない駆動源に接続されていて矢印方向に回転する。
【0014】
各転写位置において転写電界を形成する転写電界形成手段として、感光体ドラムに対向する位置には、転写搬送ベルト60の裏面に接触するように、転写バイアス印加部材67Y、67M、67C、67Kを設けている。これらはスポンジ等を外周に設けたバイアスローラであり、各転写バイアス電源9Y、9M、9C、9Kからローラ心金に転写バイアスが印加される。この印加された転写バイアスの作用により、転写搬送ベルト60に転写電荷が付与され、各転写位置において該転写搬送ベルト60と感光体ドラム表面との間に所定強度の転写電界が形成される。また上記転写が行なわれる領域での転写紙と感光体の接触を適切に保ち、最良の転写ニップを得るために、バックアップローラ68を備えている。
【0015】
上記転写バイアス印加部材67Y、67M、67Cとその近傍に配置されるバックアップローラ68は、回転可能に揺動ブラケット93に一体的に保持され、回動軸94を中心として回動が可能である。この回動は、カム軸97に固定されたカム96が矢印の方向に回動することで時計方向に回動する。
上記入り口ローラ61と吸着ローラ80は一体的に、入り口ローラブラケット90に支持され、軸91を回動中心として、図2の状態から時計方向に回動可能である。揺動ブラケット93に設けた穴95と、入り口ローラブラケット90に固植されたピン92が係合しており、前記揺動ブラケット93の回動と連動して回動する。これらのブラケット90、93の時計方向の回動により、バイアス印加部材67Y、67M、67Cとその近傍に配置されるバックアップローラ68は感光体11Y,11M,11Cから離され、入り口ローラ61と吸着ローラ80も下方に移動する。ブラックのみの画像の形成時に、感光体11Y,11M,11Cと転写搬送ベルト60の接触を避けることが可能となっている。
【0016】
一方、転写バイアス印加部材67Kとその隣のバックアップローラ68は出口ブラケット98に回転可能に支持され、出口ローラ62と同軸の軸99を中心として回動可能にしてある。転写ユニット6を本体に対し着脱する際に、図示していないハンドルの操作により時計方向に回動させ、ブラック画像形成用の感光体11Kから、転写バイアス印加部材67Kとその隣のバックアップローラ68を離間させるようにしてある。
駆動ローラ63に巻きつけられた転写搬送ベルト60の外周面には、ブラシローラとクリーニングブレードから構成されたクリーニング装置85が接触するように配置されている。このクリーニング装置85により転写搬送ベルト60上に付着したトナー等の異物が除去される。
転写搬送ベルト60の走行方向で駆動ローラ63より下流に、転写搬送ベルトの外周面を押し込む方向にローラ64を設け、駆動ローラ83(63)への巻きつけ角を確保している。ローラ64より更に下流の転写搬送ベルト60のループ内に、押圧部材(ばね)69でベルトにテンションを与えるテンションローラ65を備えている。
【0017】
先に示した図1中の一点鎖線は、転写紙100の搬送経路を示している。給紙カセット3、4あるいは手差しトレイから給送された転写紙100は、図示しない搬送ガイドにガイドされながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ対5が設けられている一時停止位置に送られる。このレジストローラ対5により所定のタイミングで送出された転写紙100は、転写搬送ベルト60に担持され、各トナー像形成部1Y、1M、1C、1Kに向けて搬送され、各転写ニップを通過する。
各トナー像形成部1Y、1M、1C、1Kの感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上で現像された各トナー像は、それぞれ各転写ニップで転写紙100に重ね合わされ、上記転写電界やニップ圧の作用を受けて転写紙100上に転写される。この重ね合わせの転写により、転写紙100上にはフルカラートナー像が形成される。
トナー像転写後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kの表面がクリーニング装置によりクリーニングされ、更に除電されて次の静電潜像の形成に備えられる。
【0018】
一方、フルカラートナー像が形成された転写紙100は、定着ユニット7でこのフルカラートナー像が定着された後、切換ガイドGの回動姿勢に対応して、第1の排紙方向Bまたは第2の排紙方向Cに向かう。第1の排紙方向Bから排紙トレイ8上に排出される場合、画像面が下となった、いわゆるフェースダウンの状態でスタックされる。一方第2の排紙方向Cに排出される場合には、図示していない別の後処理装置(ソータ、綴じ装置など)に向け搬送させるとか、スイッチバック部を経て両面プリントのために再度レジストローラ対5に搬送される。
【0019】
以下に、本発明を、上述の転写搬送ベルト60上に感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kが複数並べて配設されるタンデム式のプリンタにおける転写ユニット6に適用した実施例を示すが、本発明が適用可能なプリンタ及びベルト駆動装置はこの構成に限るものではない。複数のローラに張架された無端状ベルトを、そのローラのうちの少なくとも1以上のローラで回転駆動するベルト駆動装置を有するプリンタであれば、そのベルト駆動装置のいずれにも適用可能なものである。
【0020】
図3は、本発明の特徴部であるベルトマーク検知の構成図を示すものである。
本実施形態においては、透明ベルト201として、転写搬送ベルト60(図1、2参照)を適用することとしている。
透明ベルト201の内側には、ベルト蛇行防止用のガイド202が備えられている。なお、この蛇行防止用ガイド202は、黒色とすることが好ましい。
図5は、図3のA−A方向での断面拡大図を示すものである。ベルト蛇行防止用ガイド202は、透明ベルト201の内側両端部を縁取るように備えられており、さらにこれらベルト蛇行防止用ガイド202には、周方向の繋ぎ目近傍に隙間205が備えられている。なお、このベルト蛇行防止用ガイド202には、光を透過しない部材を用いる必要がある。
またさらに、透過型センサなる発光素子203及び受光素子204が、透明ベルト201の内側及び外側に、片方の蛇行防止用ガイド202を挟んで対向するように備えられている。
【0021】
図4は、図3の状態から透明ベルト201が回転した状態を示すものである。透明ベルト201の回転に伴い、内側に一体に備えられたベルト蛇行防止用のガイド202も回転して、隙間205の位置が移動した状態となっている。
図3においては、隙間205が、発光素子203及び受光素子204が対向している場所に位置しているが、図4では隙間205がこの位置からずれた場所に位置しており、発光素子203の受光素子204への光が遮断された状態となっている。即ち、この状態において、ベルト蛇行防止用ガイド202は、透過型センサの発光素子203の受光素子204への光の遮断部の役割を担っている。なお、ベルト蛇行防止用ガイド203には、この機能をより向上させるため、光を特に吸収する黒色を用いることが好ましい。
図4の状態からさらに透明ベルト201が回転して図3の状態となった時、再び発光素子203の光が透過され、受光素子204に感知され得る。即ちこの状態において、隙間205は、透過型センサの発光素子203の受光素子204への光透過部の役割を担うものである。
なお、本実施形態においては、転写搬送ベルト60が光透過性を有するPVDFで構成されているため、図4の状態において、透過型センサの発光素子203の受光素子204への光が透過される構造を実現しているが、これを他の光透過性を有する材質のもので構成することも可能である。
【0022】
本発明は、この一連の動作をベルト一周のスタート位置の決定に利用し、透過型センサの検知信号をベルトのホームポジション検知に使用したものである。即ち、センサの発光素子203の光が透過され、受光素子204に感知された場所を、ベルトのホームポジションとする。
なお、本実施形態においては、この検知動作に使用する透明ベルト201に転写搬送ベルト60を適用することとしたが、転写装置として中間転写ベルトを備えている装置や、あるいは像担持体に感光体ベルト等を備えた画像形成装置においては、これらを透明ベルト201に適用することも可能である。またさらに、透明ベルト201に、紙を搬送するベルトを適用することとしてもよい。
また、本実施形態においては透明ベルトの内側両端部にベルト蛇行防止用のガイドを備えることとしたが、これをベルト補強材として、同様の構成とすることも可能である。
【0023】
本発明は、上記の様にスタート位置を定めることにより、種々の制御の始まりを合わせることを可能としたものである。例えば、上記検知動作に使用したベルトと紙搬送のスタートのタイミング合わせや、あるいは上記検知動作に中間転写ベルトを使用した場合は、中間転写ベルトの色を合わせ、ベルト一周のムラを検知する場合などである。
【0024】
なお、ベルト蛇行防止用ガイド又はベルト補強材は、ベルトの両端部に備えることとすることが好ましい。このような構造にすることにより、透過型センサが設けられていない方の側にベルト蛇行防止用ガイドあるいはベルト補強材を取り付けてしまうというミスを防ぎ、取り付け工程でのスピードを上げ、またコストを下げることができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態に係るレーザプリンタの概略構成図である。
【図2】図2は、上記転写ユニット6の概略構成を示す拡大図である。
【図3】本発明の特徴部であるベルトマーク検知の構成図を示すものである。
【図4】図3の状態から、透明ベルト201が回転した状態を示すものである。
【図5】図3のA−A方向での断面拡大図を示すものである。
【符号の説明】
【0026】
1Y、1M、1C、1K トナー像形成部
2 光書込みユニット
3、4 給紙カセット
5 レジストローラ対
6 転写ユニット
7 定着ユニット
8 排紙トレイ
9Y、9M、9C、9K 転写バイアス電源
11Y、11M、11C、11K 感光体ドラム
60 転写搬送ベルト
61〜68 支持ローラ
67Y、67M、67C、67K 転写バイアス印加部材
68 バックアップローラ
69 押圧部材(ばね)
80 静電吸着ローラ
80a 電源
85 クリーニング装置
90 入り口ローラブラケット
91 軸
92 ピン
93 揺動ブラケット
94 回動軸
95 穴
96 カム
97 カム軸
98 出口ブラケット
99 軸
100 転写紙
A ベルト走行方向
B 第一の排紙方向
C 第二の排紙方向
S スペース
MF 手差しトレイ
G 切り換えガイド
201 透明ベルト
202 ガイド及び補強部材
203 発光素子
204 受光素子
205 202の隙間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過光センサと、光を透過するベルトと、少なくとも一つ以上のローラで回転駆動するベルト駆動装置において、
前記ベルト駆動装置は、ベルト端部にベルト蛇行防止用のガイドを持ち、そのガイドは光をベルトの表面から裏面方向もしくは裏面から表面方向に透過しない
ことを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載のベルト駆動装置において、
前記ベルト駆動装置は、ガイドの周方向の繋ぎ目近傍に、隙間がある
ことを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項3】
透過型センサと、光を透過するベルトと、少なくとも一つ以上のローラで回転駆動するベルト駆動装置において、
前記ベルト駆動装置は、ベルト端部にベルト補強材を持ち、そのベルト補強材は光をベルトの表面から裏面方向もしくは裏面から表面方向に透過しない
ことを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項4】
請求項3に記載のベルト駆動装置において、
前記ベルト補強材は、周方向の繋ぎ目近傍に隙間がある
ことを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のベルト駆動装置において、
前記ベルト駆動装置は、ベルト材質がPVDFである
ことを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のベルト駆動装置において、
前記ガイドもしくは補強材は、黒色である
ことを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載のベルト駆動装置において、
透過型センサの検知信号は、ベルトのホームポジション検知に使用する
ことを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載のベルト駆動装置において、
前記ガイド及び補強材は、ベルト両端部にあり、それらの隙間もベルト両端部にある
ことを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載のベルト駆動装置において、
前記ベルト駆動装置は、ベルトが中間転写ベルト又は直接転写ベルトである
ことを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれかに記載のベルト駆動装置において、
前記ベルト駆動装置は、ベルトが感光体である
ことを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項11】
請求項1ないし8のいずれかに記載のベルト駆動装置において、
前記ベルト駆動装置は、ベルトが、記録部材を搬送するベルトに用いられる
ことを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項12】
潜像を担持する感光体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナ−を供給・可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、像担持体上の未転写の残留トナ−をクリ−ニングするクリ−ニング装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、転写装置に、中間又は直接転写ベルトに請求項1ないし8に記載のベルト駆動装置を用いる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
潜像を担持する感光体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナ−を供給・可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、像担持体上の未転写の残留トナ−をクリ−ニングするクリ−ニング装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、感光体に請求項1ないし8に記載のベルト駆動装置を用いる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
潜像を担持する感光体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナ−を供給・可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、像担持体上の未転写の残留トナ−をクリ−ニングするクリ−ニング装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、記録部材の搬送のベルトに請求項1ないし8に記載のベルト駆動装置を用いる
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−18182(P2006−18182A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198333(P2004−198333)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】