説明

ポジ型感光性樹脂組成物

【課題】複雑な工程を行うことなく、簡単に製造することができ、かつレジストパターン形成において露光後の加熱が必要なく、優れた性能を有するポジ型感光性樹脂組成物を得る。
【解決手段】(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)α−アミノ置換型アセトフェノン誘導体である光ラジカル発生剤を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物、この組成物を用いたレジストパターンの形成方法、及びこの組成物を用いた導体パターンの形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なポジ型感光性樹脂組成物に関し、アルカリ可溶性樹脂と光ラジカル発生剤とを組合せたポジ型感光性樹脂組成物及び該組成物を用いたレジストパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、露光技術を利用したレジスト材料は、電子デバイスのパターン回路形成や印刷等のリソグラフィ技術として利用されており、これらにポジ型感光性樹脂組成物が使用されている。
【0003】
ポジ型感光性樹脂組成物としては、例えば、イオン形成基を有するアクリル樹脂などの基体樹脂にキノンジアジドスルホン酸類をスルホン酸エステル結合を介して基体樹脂に結合させた樹脂を主成分とする組成物(特許文献1参照);イオン形成基を有するアクリル樹脂などの基体樹脂にヒドロキシルアミンとキノンジアジドスルホン酸とをウレタン結合及びスルホンイミド結合を介して結合させた樹脂を主成分とする組成物(特許文献2参照);水溶性ないしは水分散性のアクリル樹脂、ヒドロキシスチレン単位を有する樹脂及びキノンジアジドスルホン酸とポリヒドロキシベンゾフェノンのスルホンエステル化物を混合して得られる組成物を中和、水分散化したレジスト組成物(特許文献3参照);一分子中にカルボキシル基とヒドロキシフェニル基を有する重合体(a)、一分子中に2個以上のビニルエーテル基を含有する化合物(b)、及び活性エネルギー照射により酸を発生する化合物(c)を必須成分として含有するポジ型感光性組成物(特許文献4参照)などが提案されている。
【0004】
しかしながら、上記した従来の組成物においては下記の如き問題があり、その解決が望まれている。
【0005】
即ち、感光性基をスルホン酸エステル基を介して導入した樹脂系(特許文献1、3参照)においては、樹脂中のフェノール性水酸基等の水酸基とスルホン酸ハライドとを脱ハロゲン化水素反応によりスルホン酸エステル化することによってキノンジアジド基を導入する必要がある。この反応は高分子反応であり、感光性基を定量的に導入するのが困難である。また反応後副成するハロゲン酸塩を除去、精製するのが難しく、製造に長時間を要し、収率が悪いなど工業的に利用するには好ましくない。
【0006】
また、副成物を生成する高分子反応を避けるために、ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとヒドロキシアミン類とを反応させスルホンアミド結合で結合した後、さらにトルエンジイソシアネートのようなジイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート残基を有する感光性基を有する中間体を水酸基を有する樹脂と反応せしめて導入する方法(特許文献2参照)は、高分子反応における収率が高く、精製工程が不要である点では好ましいが、中間体を得るまでの工程が複雑で、長時間を要するという問題がある。
【0007】
特許文献1〜3のポジ型感光性樹脂組成物については、感光性樹脂組成物を塗布して形成された膜において、現像液に不溶性のジアゾキノン残基が、露光により光化学反応が起こり現像液に可溶化するとともに、露光後の焼付けにより、未露光部のジアゾキノン基を架橋させ耐現像液性を向上させるものである。特許文献1〜3の組成物においては、未露光部の耐現像性を得るためには、ジアゾキノンの感光基濃度を上げることが必要であり、また、露光後に焼付けする工程が必要となり、焼付けによる回路板などの寸法安定性などが問題となる。
【0008】
また、特許文献4においては、ポジ型感光性樹脂組成物を塗布して形成された膜を加熱すると、カルボキシル基及び/又はヒドロキシフェニル基とビニルエーテル基との付加反応により架橋して溶剤やアルカリ現像液に対して不溶性になるが、露光により照射部において光酸発生化合物から酸を発生し、酸の触媒作用により架橋構造が切断されて照射部が溶剤やアルカリ現像液に対し、再び可溶性になるものである。特許文献4においては、光酸発生化合物から発生した酸の触媒作用を利用したものであり、反応促進のための加熱処理工程が必要であり、焼付けによる回路板などの寸法安定性などが問題となる。
また、いずれの場合も、得られるレジストパターンは架橋膜になるため剥離は膨潤剥離となり、スルーホール、ビアホール等の微細凹部に微細な剥離片が残留する問題がある。
【0009】
【特許文献1】特開昭61‐206293号公報
【特許文献2】特開平1−121375号公報
【特許文献3】特開平7−133449号公報
【特許文献4】特開平8−94827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、複雑な工程を行うことなく、簡単に製造することができ、かつレジストパターン形成において露光後の加熱が必要なく、優れた性能を有するポジ型感光性樹脂組成物を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明者らは、従来の上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、α−アミノ置換型アセトフェノン誘導体である光ラジカル発生剤を使用することによって、複雑な工程を行うことなく、簡単に製造することができ、かつレジストパターン形成において露光後の加熱が必要なく、優れた性能を有するポジ型感光性樹脂組成物を得ることができることを見出し本発明を完成するに至った。
【0012】
かくして、本発明に従えば、
「1.(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)α−アミノ置換型アセトフェノン誘導体である光ラジカル発生剤を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
【0013】
2.アルカリ可溶性樹脂(A)が、カルボキシル基を0.5〜3.5モル/kg樹脂含有する数平均分子量3,000〜100,000の重合体である上記項1記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【0014】
3.光ラジカル発生剤(B)が、α−アミノ置換型アセトフェノン誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物である上記項1又は2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【0015】
4.アルカリ可溶性樹脂(A)が塩基性化合物で中和され、水性媒体に溶解または分散され、ポジ型感光性樹脂組成物が水性化されてなることを特徴とする上記項1〜3記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【0016】
5.(a)支持体の表面に、上記項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗装し、ポジ型感光性被膜を形成する工程;
(b)該ポジ型感光性被膜を選択的に露光する工程;及び
(c)アルカリ性現像液で露光部の被膜を除去してパターンを形成する工程;
からなることを特徴とするレジストパターンの形成方法。
【0017】
6.前記工程(a)において、支持体として電導性被膜を有する基板または金属を用い、ポジ型感光性樹脂組成物として上記項4記載の水性化されてなるポジ型感光性樹脂組成物を用い、電着塗装してポジ型感光性被膜を形成することを特徴とする上記項5記載のレジストパターンの形成方法。
【0018】
7.(a')電導性被膜または金属である支持体の表面に、上記項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗装し、ポジ型感光性被膜を形成する工程;
(b)該ポジ型感光性被膜を選択的に露光する工程;
(c)アルカリ性現像液で露光部の被膜を除去してパターンを形成する工程;
(d)露出した電導性被膜または金属をエッチングにより除去する工程;及び
(e)パターン上の感光性被膜を除去する工程からなることを特徴とする導体パターンの形成方法。
【0019】
8.前記工程(a')において、ポジ型感光性樹脂組成物として上記項4記載の水性化されてなるポジ型感光性樹脂組成物を用い、電着塗装してポジ型感光性被膜を形成することを特徴とする上記項7記載の導体パターンの形成方法。」が提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)及び(B)成分を混合することにより優れた性能を有するポジ型感光性樹脂組成物を複雑な工程を行うことなく、簡単に製造することができる。
【0021】
また、本発明のパターン形成方法によれば、露光後の加熱が必要ないので、加熱によるレジストのフローがなく、基板の寸法安定性の問題もない。銅厚が厚い回路基板に於いても形成される導体回路の形状、スルーホール内の銅メッキを何等損なうこと無くエッチングパターンを得ることができる。また、エッチング後のレジスト膜の除去も、膜が非架橋系であり、強アルカリ水溶液に溶解するため、容易に除去可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の電着レジスト組成物及びそれを用いたパターンの形成方法についてさらに詳細に説明する。
【0023】
アルカリ可溶性樹脂(A)
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における(A)成分であるアルカリ可溶性樹脂は、一分子中に少なくとも1つのカルボキシル基を含む皮膜形成性の重合体であり、例えば、カルボキシル基を含有する重合性不飽和単量体の単独重合体、該カルボキシル基含有単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体、分子鎖中又は分子末端にカルボキシル基を有するポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系などの樹脂等が挙げられる。
【0024】
上記単独重合体又は共重合体において、カルボキシル基を含有する重合性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等が挙げられ、また、これらカルボキシル基含有単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1〜12のアルキルエステル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸の炭素数2〜6のヒドロキシアルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等のビニル芳香族化合物;酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン等が挙げられ、これら単量体は、2種以上組合せて共重合して使用したり、異なる組成の樹脂を二種類以上混合して使用することができる。
前記ポリエステル系樹脂としては、多塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物を挙げることができる。多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。両成分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知の方法によって行うことができる。
ポリエステル系樹脂における酸価を増大させる必要がある場合には、多塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化した後、得られた樹脂中の水酸基に、無水トリメリット酸などの多塩基酸を後付加させることによって酸基を導入する方法を用いることができる。
【0025】
前記ポリウレタン系樹脂は、実質的に遊離のイソシアネート基を有さず、酸基を有するものであり、例えば、ポリイソシアネート化合物、1分子中に1個以上の水酸基と1個以上の酸基を有するヒドロキシ酸化合物及び必要に応じて1分子中に1個以上の水酸基を含有する化合物をそれ自体公知の方法で反応させることによって得ることができる。
【0026】
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族系ジイソシアネート化合物として、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート等;脂環式系ジイソシアネート化合物として、例えばイソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等;芳香族ジイソシアネート化合物として、例えば、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、 4,4′−トルイジンジイソシアネ−ト、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)等;その他のポリイソシアネート類として、例えばトリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネートなどの3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ポリアルキレングリコール、トリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオ−ルなどのポリオールの水酸基に対してイソシアネート基が過剰量となる量のポリイソシアネート化合物を反応させてなる付加物;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などのビューレットタイプ付加物;イソシアヌル環タイプ付加物などが挙げられる。これらのうち、特にイソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が好ましい。
【0027】
上記ヒドロキシ酸化合物としては、例えばジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、酒石酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸、パラヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、リンゴ酸、乳酸、ヒドロキシ酢酸、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸等が挙げられる。また、必要に応じて使用できる1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量6000以下)、ポリプロピレングリコール(分子量6000以下)、テトラメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピヴァリン酸ネオペンチルグリコールエステル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ポリカプロラクトン、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールA及び水添ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物などのグリコール類;ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートなどのポリエステルジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニットなどの3価以上のアルコール類及び上記グリコール類及び/又は3価以上のアルコールにε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加させたポリラクトンポリオール類などが挙げられる。これらのものは1種もしくは2種以上混合して使用することができる。
【0028】
これらの中でも、ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、トリメチロールプロパンなどが好適である。また、必要に応じて1分子中に1個の水酸基を含有する化合物、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等を単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
【0029】
前記ポリアミド系樹脂としては、テトラカルボン酸とジアミンを反応させて得られたものであり、一般にテトラカルボン酸二無水物とジアミンを極性溶媒中で反応することによって得られる。このポリアミド酸は加熱あるいは化学処理によりポリイミドに変換できるものである。また、アルカリ水溶液に対する溶解性を調整するために、カルボキシル基の一部をエステル化あるいはイミド化することもできる。さらに、フェノール性水酸基を酸無水物成分やジアミン成分に導入することもできる。
これらのアルカリ可溶性樹脂は、1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。
上記アルカリ可溶性樹脂(A)は、数平均分子量は一般に約1,000〜約200,000、特に約3,000〜約30,000の範囲内の数平均分子量を有していることが好ましく、アルカリ可溶性の官能基としてカルボキシル基を用いる場合、カルボキシル基の含有量は、重合体1kgあたり一般に0.5〜5.0当量、好ましくは0.5〜3.5当量、特に0.7〜2.5当量の範囲内にあることがアルカリ現像液に対する露光部の溶解性に基く現像性及び未露光部の耐現像液性、レジスト組成物の貯蔵安定性などの観点から適している。
本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー(株)社製、「HLC8120GPC」)で測定した数平均分子量をポリスチレンの数平均分子量を基準にして換算した値である。カラムは、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
また、アルカリ可溶性樹脂(A)は、塗膜の非粘着性の点から、そのガラス転移温度(Tg)が0℃以上、特に10〜80℃の範囲内にあることが好適である。本明細書において、ガラス転移温度は、80℃で20分間乾燥させた厚さ約5μmのガラス板上の塗膜を針入法(熱機械的分析装置EXSTAR TMA/SS6100、セイコーインスツル(株)社製)により、昇温速度5℃/分にて測定するものとする。
【0030】
光ラジカル発生剤(B)
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における(B)成分である光ラジカル発生剤は、α−アミノ置換型アセトフェノン誘導体であり、例えば、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4'−モルフォリノブチロフェノン等が挙げられる。これらの光ラジカル発生剤は、1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。これらのうち、特に2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンが、溶解性、感度の点から好適である。
光ラジカル発生剤(B)の配合量は、アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部に対し、2.5〜20質量部、好ましくは5〜15質量部の範囲が適当である。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、上記アルカリ可溶性樹脂(A)及び光ラジカル発生剤(B)からなっていてもよいが、塗布のし易さの面から、通常、溶媒を含有する。本発明組成物は、有機溶剤型感光性樹脂組成物、水性感光性樹脂組成物のいずれの形態であってもよい。すなわち、本発明組成物は、有機溶剤に溶解ないしは分散されたものであっても、水性媒体に溶解ないしは分散されたものであってもよい。
上記有機溶剤は、アルカリ可溶性樹脂(A)及び光ラジカル発生剤(B)を溶解ないしは分散できるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール類;(ジ)エチレングリコール、(ジ)プロピレングリコール等のグリコールとメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等とのモノエーテル類;前記グリコール類と前記アルコール類とのジエーテル;メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の親水性有機溶剤、或いはヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール等の高級アルコール類;前記グリコール類とヘキサノール、オクタノール、フェノールとのモノエーテル;前記グリコール類とヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ベンジルアルコールとのジエーテル;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソフオロン等のケトン類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素等の疎水性有機溶剤が挙げられる。
【0031】
上記水性媒体は、水、又は水を50質量%以上含有する水と有機溶剤との混合物である。水と混合される有機溶剤としては、上記有機溶剤のうち水と混和性を有するものが好適に使用でき、通常、親水性有機溶剤が用いられるが、疎水性溶剤も一部使用することができる。上記水性媒体中にアルカリ可溶性樹脂(A)及び光ラジカル発生剤(B)を溶解ないしは分散するためには、通常、アルカリ可溶性樹脂(A)は塩基で中和される。塩基としては、広い範囲から選ぶことができ、例えば、トリエチルアミン、モノエタノール、ジエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、ジメチルアミノエタノール、モルホリン等のアミン類;アンモニア、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。中和の程度は、通常、混合物中に存在するカルボキシル基の25〜100%、特に35〜95%が中和される程度が好ましい。
【0032】
水性媒体に溶解ないしは分散する方法としては、例えば、(A)、(B)成分の混合中和物を水中に分散させる方法;該混合中和物に水を加えて分散させる方法;(A)、(B)成分の混合物を中和用の塩基を含む水中に加えて分散させる方法;混合物に塩基を含む水を加えて分散させる方法などを挙げることができる。
【0033】
本発明組成物は、前記アルカリ可溶性樹脂(A)、光ラジカル発生剤(B)を必須成分として含有するものであり、さらに形成されるレジスト膜に可撓性や非粘着性、基材への密着性等を付与するため、フタル酸エステル等の可塑剤、錯化剤;前記アルカリ可溶性樹脂(A)以外のポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等をレジスト組成物の感光性を低下させない範囲で含有することができる。
【0034】
さらに、本発明組成物には、必要に応じて、染料、顔料等の着色剤;流動性調節剤、可塑剤等を添加してもよい。
【0035】
レジストパターン及び導体パターンの形成方法
本発明のレジストパターンの形成方法は、下記(a)、(b)及び(c)工程を有する。
(a)支持体の表面に、上記本発明のポジ型感光性樹脂組成物を塗装し、ポジ型感光性被膜を形成する工程;
(b)該ポジ型感光性被膜を選択的に露光する工程;及び
(c)アルカリ性現像液で露光部の被膜を除去してパターンを形成する工程。
【0036】
工程(a)
工程(a)において、本発明組成物が液状レジストである場合には、支持体(例えば、アルミニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、鉄などの金属またはそれらを成分とした合金のシート又はこれらの金属で表面処理したプリント基板、プラスチック、ガラス又はシリコーンウエハー、カーボンなど)上に、スプレー塗装、静電塗装、浸漬塗装、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スピンコート法、シルクスクリーン印刷、ディッピング塗装又は電着塗装などの手段により塗布し、必要に応じてセッテングした後、乾燥することによりポジ型感光性被膜(レジスト層)を形成することができる。上記乾燥によってレジスト中の溶剤などを蒸発させる。電着塗装する場合には、支持体として、電導性被膜を有する基板または金属を用いる。
【0037】
上記電着塗装に用いる電着塗料は、例えば浴濃度(固形分濃度)3〜25質量%、特に5〜15質量%の範囲に調整した、水性の感光性樹脂組成物をアニオン電着塗料として使用することができる。電着塗料は、例えば、次のようにして被塗物である導体表面に塗装することができる。即ち、まず、浴濃度を上記の範囲に調整し、浴温度を15℃〜40℃、好ましくは25℃〜35℃に管理する。次いで、このように管理された電着塗装浴に、塗装される基材(導体)を陽極とし、浸漬、3〜7A/m2の直流電流を通電する。通電時間は30秒〜2分が好ましく、この時間で所望する膜厚が得らるように、浴濃度、浴温度、電流値を調整するのが好ましい。得られる膜厚は乾燥膜厚で、一般に1〜30μm、特に3〜10μmの範囲が好ましい。電着塗装後、電着浴から被塗物を引き上げ、水洗した後、電着塗膜中に含まれる水分等を熱風等で乾燥、除去する。
【0038】
レジスト層の膜厚は、特に限定されるものではなく用途に応じて適宜設定すればよいが、通常、乾燥膜厚で1〜30μm、特に3〜10μmの範囲であることが好ましい。レジスト層上にカバーコート層を形成しない場合には、乾燥後はレジスト表面を非粘着性にするように行うことが好ましい。
このレジスト層上には、レジスト膜をゴミや傷から保護するため、必要に応じてカバーコート層を形成してもよい。
【0039】
工程(b)
工程(b)において、レジスト層に選択的に露光する方法としては、レジスト層上にパターン状のフォトマスクを設置し、フォトマスクを介して紫外線などの活性光線を照射する方法や、レーザー走査により紫外線などの活性光線を直接描画する方法などにより行うことができる。活性光線の照射量は、通常50〜2000mJ/cm、好ましくは100〜1000mJ/cmの範囲内が好ましい。また、活性光線の光源としては、従来から使用されているもので、光ラジカル発生剤の感光波長を照射できるもの、例えば、超高圧、高圧、中圧、低圧の水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等の各光源により得られる光源やこれらの各種レーザー等が使用できる。
【0040】
レジスト層の選択的に露光された部分は、α−アミノ置換型アセトフェノン誘導体である光ラジカル発生剤が分解し、立体障害が少なく、より低分子量のアミン化合物を生成し、このアミン化合物によってアルカリ可溶性樹脂の中和及び親水化が起こるものと本発明者らは推定している。これまで、光ラジカル発生剤がポジ型感光性レジストの感光剤として働くことは全く知られていなかったものである。
【0041】
工程(c)
工程(c)において、現像液としてはアルカリ性現像液が使用される。アルカリ性現像液としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、アンモニア、苛性ソーダ、苛性カリ、メタ珪酸ソーダ、メタ珪酸カリ、炭酸ソーダ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の水性液が挙げられる。
【0042】
上記アルカリ物質の濃度は、通常0.1〜10重量%の範囲が好ましい。該現像処理条件は、使用するレジスト膜の種類に応じて現像液温度10〜60℃程度、好ましくは25〜35℃程度で現像時間15秒〜300秒程度、好ましくは30秒〜90秒間程度スプレー吹き付けや浸漬などの現像処理を行なうことにより露光部のレジストを除去してレジストパターンの形成を行なうことができる。現像後のレジスト膜は、水洗後、熱風等により乾燥され、基材上に目的とするレジストパターンが形成される。
【0043】
本発明の導体パターンの形成方法においては、上記工程(a)に換えて工程(a')を行い、上記工程(b)及び(c)に引続き、下記工程(d)及び(e)を行う。工程(a')は、工程(a)において、支持体として電導性被膜を有する基板または金属を用いる以外、工程(a)と同様の工程である。
【0044】
工程(d)
工程(d)において、前記工程(c)の現像によって露出した電導性被膜または金属をエッチングにより除去する。エッチングに用いるエッチング液としては、レジスト膜を溶解せず、電導性被膜または金属を溶解できる液体であれば使用でき、例えば、露出した電導性被膜または金属が銅である場合には、塩化第二銅などの酸性エッチング液や、塩基性のアンモニア系エッチング液により露出した部分の導電性皮膜または金属を除去することができる。
【0045】
工程(e)
工程(e)は、上記工程(d)の後、レジスト膜を除去して導体パターンを得る工程である。残存レジスト膜の除去は、例えば、アルカリ又は酸の水溶液や各種有機溶剤を使用することができる。
これらの工程を経ることによって、導体パターンを形成することができる。
【実施例】
【0046】
次に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明は下記した実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例に記載の「部」及び「%」は質量基準である。
【0047】
製造例1
メタアクリル酸 130部
メタアクリル酸メチル 770部
n−ブチルアクリレート 100部
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 50部
よりなる混合物を115℃に加熱し撹拌しているメトキシプロパノール667部中に4時間を要して滴下した後、その温度に更に2時間保って固形分約60%の重合体溶液A−1を得た。得られた重合体は、カルボキシル基1.44モル/kgを有していた。
【0048】
製造例2
メタアクリル酸 188部
メタアクリル酸メチル 265部
n−ブチルアクリレート 290部
スチレン 257部
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 20部
よりなる混合物を115℃に加熱し撹拌しているメトキシプロパノール818部中に4時間を要して滴下した後、その温度に更に2時間保って固形分55%の重合体溶液A−2を得た。得られた重合体は、カルボキシル基2.14モル/kgを有していた。
実施例1
167部の固形分60%の重合体溶液A−1と2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン10部との混合物をメトキシプロパノール100部に溶解しレジスト液を得た。得られたレジスト液を、ガラスエポキシ板に銅厚18μmの銅箔を積層した基板にバーコーターで塗装し、80℃で10分乾燥させ膜厚約5μmのレジスト膜を得た。この基板に日立化成工業(株)製21段ステップタブレット及び50μmラインス/ペースのパターンを有するフォトマスクを介し、超高圧水銀灯でレジスト膜上に、6000J/m((株)オーク製作所製VU350)露光した後、30℃の濃度1.0%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像しレジストパターンを得た。得られたレジストパターンを50℃の塩化第2銅系エッチング液を使用し、レジスト膜未塗装の基板上の銅箔が完全に溶解する時間の1.3倍の時間にてエッチングを行い、得られた基板を50℃の濃度2.5%水酸化ナトリウム水溶液に60秒間浸漬し、未露光部のレジスト膜を除去して銅回路パターンを得た。
【0049】
実施例2
167部の固形分60%の重合体溶液A−1と2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン10部との混合物をメトキシプロパノール100部に溶解しレジスト液を得た以外は実施例1と同様の操作を行い回路パターンを得た。
【0050】
実施例3
182部の固形分55%の重合体溶液A−2と2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン15部の混合物をメトキシプロパノール78部に溶解しレジスト液を得た以外は実施例1と同様の操作を行い回路パターンを得た。
【0051】
実施例2及び3において、基板に塗布、乾燥後のレジスト膜の膜厚は、後記表1に示すとおりであった。
【0052】
実施例4
182部の固形分55%の重合体溶液A−2、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン15部、N−メチルジエタノールアミン5.4部、酢酸n−ブチル35部及び1,2,3−ベンゾトリアゾール1部の混合物に、攪拌しながら脱イオン水913部を徐々に加え、固形分約10%の水分散液を得た。この水分散液を25℃に調整し、ガラスエポキシ板に銅厚18μmの銅箔を積層した基板を入れ陽極とし、対極との間に電流密度5A/mの直流電流を、乾燥膜厚での厚さが約4μmになるまで通電した後、浴より引き出して水洗し、次いで80℃で10分間乾燥してレジストパターンを得た以外は実施例1と全く同様の操作を行い回路パターンを得た。
【0053】
試験方法
上記実施例1〜4における、レジストの膜厚、現像後のレジストの状態、残存レジスト膜除去後の回路板の状態などについての各種試験結果を下記表1に示す。各試験方法は以下のとおりである。
【0054】
膜厚:基板に塗布、乾燥後のレジストの膜厚をISOSCOPE MP3((株)フィッシャー・インストルメンツ)で測定した。
【0055】
現像時間:露光後のレジスト膜が1%−30℃の炭酸ナトリウム水溶液の現像液に完全に溶解するまでに要した時間の2倍の時間を現像時間とした。
【0056】
ステップタブレット段数:ステップタブレットパターン露光部を上記現像条件で現像後、完全に溶解した段数を記載した。
【0057】
画像形成性:50μmのライン/スペースのマスクパターン露光部を、上記現像条件で現像後、形成されたレジストパターンの線幅を顕微鏡で計測した。
【0058】
耐エッチング性:レジストパターン形成後の基板をエッチングして得た銅回路
パターンの、断線の有無を評価した。
【0059】
剥離性:エッチング後の未露光部にレジスト膜を有する基板を2.5%−50℃の水酸化ナトリウム水溶液の剥離液に浸漬し、該レジスト膜の溶解・剥離性を評価した。
【0060】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)α−アミノ置換型アセトフェノン誘導体である光ラジカル発生剤を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項2】
アルカリ可溶性樹脂(A)が、カルボキシル基を0.5〜3.5モル/kg樹脂含有する数平均分子量3,000〜100,000の重合体である請求項1記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項3】
光ラジカル発生剤(B)が、α−アミノ置換型アセトフェノン誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1又は2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項4】
アルカリ可溶性樹脂(A)が塩基性化合物で中和され、水性媒体に溶解または分散され、ポジ型感光性樹脂組成物が水性化されてなることを特徴とする請求項1〜3記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項5】
(a)支持体の表面に、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗装し、ポジ型感光性被膜を形成する工程;
(b)該ポジ型感光性被膜を選択的に露光する工程;及び
(c)アルカリ性現像液で露光部の被膜を除去してパターンを形成する工程;
からなることを特徴とするレジストパターンの形成方法。
【請求項6】
前記工程(a)において、支持体として電導性被膜を有する基板または金属を用い、ポジ型感光性樹脂組成物として請求項4記載の水性化されてなるポジ型感光性樹脂組成物を用い、電着塗装してポジ型感光性被膜を形成することを特徴とする請求項5記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項7】
(a')電導性被膜を有する基板または金属である支持体の表面に、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗装し、ポジ型感光性被膜を形成する工程;
(b)該ポジ型感光性被膜を選択的に露光する工程;及び
(c)アルカリ性現像液で露光部の被膜を除去してパターンを形成する工程;
(d)露出した電導性被膜または金属をエッチングにより除去する工程;及び
(e)パターン上の感光性被膜を除去する工程からなることを特徴とする導体パターンの形成方法。
【請求項8】
前記工程(a')において、ポジ型感光性樹脂組成物として請求項4記載の水性化されてなるポジ型感光性樹脂組成物を用い、電着塗装してポジ型感光性被膜を形成することを特徴とする請求項7記載の導体パターンの形成方法。

【公開番号】特開2007−298758(P2007−298758A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−126846(P2006−126846)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】