説明

ポリカーボネート及び又はポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物

本発明は、新規のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物、その生成方法、その用法、その生成のための前駆体および前駆体を含有する反応性組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物、その生成方法、その用法、その生成のための前駆体および前駆体を含有する反応性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
第四級アンモニウム構造を含むシロキサンブロック共重合体が広く知られている。これらは、一方で、シロキサン/第四級アンモニウム単位の種類のジブロック共重合体であり得る(ドイツ特許出願公開第3340708号(特許文献1)、欧州特許出願公開第282720号(特許文献2)、米国特許第6240929号(特許文献3)、米国特許第6730766号(特許文献4))。他方、シロキサン/第四級アンモニウム単位/ポリエーテルブロックの組み合わせに基づくトリブロック共重合体が開発されてきた(国際公開第02/10256号(特許文献5)、国際公開第02/10257号(特許文献6)、国際公開第02/10259号(特許文献7)、国際公開第2004/090007号(特許文献8)、国際公開第03/078504号(特許文献9)、国際公開第2004/041912号(特許文献10)、国際公開第2004/042136号(特許文献11))。これらトリブロック共重合体の最も重要な利点は、それらの構造が柔軟に、具体的な生産要件に合うように幅広い範囲内で変えられることである。
【0003】
さらに、末端にアミノ基を有するシロキサンと炭化水素系ジイソシアネートを反応させて、尿素基を含有するジブロック共重合体とすることが知られている。類似ウレタン誘導体が同様に記載されている(米国特許公開公報第2004/087752号(特許文献12))。
【0004】
英国特許出願公開第1128642号(特許文献13)は尿素およびウレタン基を含有する第四級アンモニウム化合物を開示する。アミノ基またはヒドロキシル基を末端に有するシロキサンとジイソシアネートとの反応により、イソシアネートを末端に有する中間段階に至り、その後、例えば第一級および第三級のジアミンまたはトリアミンと反応し、その後、第三級アミノ基が四級化される。例えば、オリゴエチレングリコールを鎖長剤として用いることができるが、これはイソシアネート基を消費することになり、その後、イソシアネート基は第一級および第三級のジアミンとの反応にはもはや利用できない。結果的には、導かれる第四級アミノ基の量が低下する。このように、この解決方法の欠点は、具体的な生産要件に合うように幅広い範囲内で構造を柔軟に変えることができないことである。
【0005】
さらに、カーボネート官能化シロキサンと第一級および第二級アミノ基またはヒドロキシル基を含有する炭化水素とを反応させて、シリコンまたは対応するウレタン基を含有するエステルとすることが知られている(米国特許第5672338号(特許文献14)、米国特許第5686547号(特許文献15)、ドイツ特許出願公開第19505892号(特許文献16))。
【0006】
同様に、ウレタン基を含有するシロキサンで修飾されたジ第四級化合物の合成のために、連結基として非対称に置換されたカーボネートを使うことが提案されている(国際公開第2005/058863号(特許文献17))。
【0007】
最後に、シロキサン単位を含むポリウレタンブロック共重合体の合成の際、アミノ塩単位を組み込み、これらの非対称に置換されたカーボネート「連結基」を使用することが記載されている(C.Novi、A.Mourran、H.Keul、M.Moller、「Macromol.Chem.Phys.」2006年、207号、273〜286頁(非特許文献1))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第3340708号
【特許文献2】欧州特許出願公開第282720号
【特許文献3】米国特許第6240929号
【特許文献4】米国特許第6730766号
【特許文献5】国際公開第02/10256号
【特許文献6】国際公開第02/10257号
【特許文献7】国際公開第02/10259号
【特許文献8】国際公開第2004/090007号
【特許文献9】国際公開第03/078504号
【特許文献10】国際公開第2004/041912号
【特許文献11】国際公開第2004/042136号
【特許文献12】米国特許公開公報第2004/087752号
【特許文献13】英国特許出願公開第1128642号
【特許文献14】米国特許第5672338号
【特許文献15】米国特許第5686547号
【特許文献16】ドイツ特許出願公開第19505892号
【特許文献17】国際公開第2005/058863号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】C.Novi、A.Mourran、H.Keul、M.Moller、「Macromol.Chem.Phys.」2006年、207号、273〜286頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
これらの化合物の欠点は、アミン塩の形態でしかペーハー感受性電荷を有さないことであり、持続性の低下という結果になる。
【0011】
したがって、本発明の目的は、一方で、具体的な生産要件に合うように幅広い範囲内で構造を柔軟に変えることができ、また、他方では、必須製品特性がウレタン基によるドナー−アクセプタ相互作用より影響される、第四級アンモニウム基およびシロキサン単位を含むポリウレタンブロック共重合体を含むシロキサンブロック共重合体を発見することである。別の目的は、適切なシロキサン含有前駆体を発見することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、安定な前駆体から反応して、使用時に意図される方法で所望のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を提供する、新規のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を提供する。新規のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は容易に、確実に、意図される方法で生成でき、新規の興味深い特性を有する。
【0013】
本発明は、式(1)の少なくとも1つの構成要素を含む新規のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物に関する。
【0014】
【化1】

(1)
【0015】
式中、YおよびYはそれぞれ独立に−O−、−S−および−NR−から選ばれ、
式中、Rは水素または40までの炭素原子を有する、−O−、−C(O)−、−NH−および−NRから選ばれる1以上の基を含んでもよい、直鎖、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族炭化水素基であり、Rは上記で定義される通りであり、
STおよびSTはそれぞれ独立に、1,000個までの炭素原子を有し、二価から二価以上、好ましくは四価の直鎖、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族、置換または非置換の炭化水素基から選ばれ、−O−、−C(O)−、−NH−、−NR
【0016】
【化2】


および2〜1,000個のシリコン原子を有するポリ有機シロキサン単位から選ばれる1以上の基、を含み、
式中、Rは40個までの炭素原子を有する、−O−、−C(O)−、−NH−から選ばれる1以上の基を含んでもよい、直鎖、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族炭化水素基であり、
は100個までの炭素原子を有する、−O−、−C(O)−、−NH−から選ばれる1以上の基を含んでもよい、直鎖、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族炭化水素基であり、また、基STおよび/またはST内に環状構造を形成する二価の基であり、
または、STとSTの近くのYの一方か両方、および/または、STとSTの近くのYの一方か両方は、それぞれの場合、窒素含有複素環式基を形成することができ、
式中、複数のST基が存在する場合は、これらは同一であっても異なっていてもよく、複数のST基が存在する場合は、これらは同一であっても異なっていてもよく、
STは、適宜、1〜12個の炭素原子を有する置換、二価、直鎖、環状または分岐状の、飽和または不飽和の炭化水素基であり、
STは、適宜、1〜12個の炭素原子を有する置換、二価、直鎖、環状または分岐状の、飽和または不飽和の炭化水素基であり、
ただし、基STおよび/またはSTの少なくとも1つは、ポリ有機シロキサン基または酸添加化合物および/またはそれらの塩を含む。
【0017】
本発明では、用語「酸添加化合物」は、分子中での塩基性基、特に、例えば、無機酸または有機酸と反応して適宜存在するアミノ基をプロトン化することにより得られる、特に塩様化合物を意味する。
【0018】
本発明による化合物の塩は、特に、第四級アンモニウム基を含む化合物の形成から得られ、特に第四級アンモニウム基として次の基
【0019】
【化3】


を含む。
【0020】
STとSTの近くのYの一方か両方、および/または、STとSTの近くのYの一方か両方が、それぞれ、窒素含有複素環式基を形成することができる場合の例としては、特に環状ジアミン(例えば、ピペラジン)の使用による場合であり、構成要素−Y−ST−Y−(ここで、Y=YまたはY、およびST=STまたはST)は、例えば以下のような構造を有することとなる。
【0021】
【化4】

【0022】
この変形には、複素環式構造がY基を1つだけ含有する場合も含まれる。その結果、−Y−ST−Y−は例えば下記構造、すなわちピペリジン誘導体を有する。
【0023】
【化5】

【0024】
STとSTの炭化水素基の置換基は、好ましくは、ヒドロキシル基、ハロゲン基(例えば、フッ素または塩素)およびシアノ基からなる群より選ばれる1つ以上の置換基、好ましくは1〜3の置換基である。
本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物中に必須のポリ有機シロキサン構成要素は、好ましくは下記式(2)を有する。
【0025】
【化6】

(2)
式中、Rは、20個までの炭素原子を有する、直鎖、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族炭化水素基であり、sは1〜999である。
【0026】
好ましくは、Rは、C〜C20、好ましくはC〜Cの、直鎖、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族炭化水素基であり、特に好ましくはメチル基およびフェニル基である。sは、好ましくは1〜199、特に1〜99である。
特に好ましい場合において、シロキサン単位は下記構造を有する。
【0027】
【化7】


式中、sは上述の通りである。
【0028】
本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物において、STおよびSTはそれぞれ−CH−であり、その結果、式(I)は下記式(3)構造をとる。
【0029】
【化8】

(3)

式中、Y、Y、STおよびSTは上記で定義される通りである。
【0030】
本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の好適な実施形態において、STおよびSTはそれぞれ二価基であり、その結果、直鎖状ポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物が形成される。このような本発明の直鎖状ポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、水媒体中での良好な混和性または分散性が求められる用途において使用されるのが好ましい。そのような用途としては、特に、布地用柔軟剤として、特に洗剤、繊維製品ケア組成物、繊維製品仕上げ組成物、熱可塑性プラスチック用変性剤としての使用が含まれる。
【0031】
しかし、STまたはSTの少なくとも1つの基が三価以上、好ましくは四価であり、その結果、直鎖の繰り返し構造を有する分岐構造が式(1)の構成要素から形成される、分岐状ポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物も本発明に含まれる。このような本発明の分岐状構成要素を含むポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、熱硬化性塗料またはエラストマーが本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物から生成される用途において特に必要とされる。
【0032】
本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、平均して、式(1)の構成要素を好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ含む。
【0033】
本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、平均して、式(2)のポリ有機シロキサン構成要素を少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ含む。
【0034】
さらに、本発明の好ましいポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、式(3)の繰り返し単位を好ましくは少なくとも1つ、より好ましくは少なくとも2つ、さらにより好ましくは少なくとも3つ含む。
【0035】
【化9】

(3)
式中、Y、Y、STおよびSTは上記で定義される通りである。
【0036】
本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物中の、式(1)または(3)で表される繰り返し単位の数は、開始化合物の化学量論の選択を通して、それ自体が周知である方法で、広い範囲内で制御されることが可能である。
【0037】
基YおよびYの意味によっては、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の例として、ポリウレタン化合物、例えば(STおよびSTを−CH−として)、
【0038】
【化10】

(4)
(式中、Rは好ましくはHおよび他の変数は上記で定義された通りである。)
ポリカーボネート化合物、例えば(STおよびSTを−CH−として)、
【0039】
【化11】


(5)
または、
【0040】
【化12】


(6)
(式中、R、STおよびSTは上記で定義された通りである)を含む。
【0041】
本発明では、Yが−NR−であり、Rは上記で定義された通りであり、好ましくは水素であるポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物が好ましい。
本発明では、YおよびYが−NR−であり、Rは上記で定義された通りであり、好ましくは水素であるポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物がさらに好ましい。
本発明では、YおよびYが−NH−であるポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物が特に好ましい。
【0042】
本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物のさらに好適な実施形態において、これらのポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、アミノ基、プロトン化アミノ基および/または第四級アンモニウム基を含む。特に水性組成物中で使用するのに有利な親水性を付与するのに特に役立つ第四級アンモニウム基の存在が特に好ましい。本発明の化合物では、アミノ基は特に末端基であってもよい。
【0043】
本発明では、基STおよびSTが同一であり、どの場合も二価である直鎖ポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物が好ましい。
本発明の好ましい実施形態では、基STおよびSTは、どの場合も二価で同一であり、YおよびYも同一である。例えば、式(7)の化合物、
【0044】
【化13】


(7)
が得られ、これは式(8)で表される繰り返し単位に簡略化される。
【0045】
【化14】

(8)
式中、本発明によれば、少なくとも1つの基STはポリ有機シロキサン基を含まなければならない。
しかし、同様に好ましい本発明の実施例では、ポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の基STおよびSTは異なる(ST≠ST)。このことにより、基STおよびSTを選択することで、より柔軟に特性を制御することが可能となる。
【0046】
本発明のさらに好ましい実施形態では、ポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、下記式(9)で表される基STを少なくとも1つ含む。
【0047】
【化15】

(9)
式中、sは上記で定義される通りであり、rは1〜12、好ましくは1または3である。
【0048】
本発明のさらに好ましい実施形態では、ポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、下記式(10)で表される第四級基を有するSTを少なくとも1つ含む。
−ST−N(R−ST−N(R−ST− (10)
式中、Rは上記で定義される通りであり、
STは2〜100個の炭素原子を有する、−O−、−C(O)−、−NH−、−NRにより置換されてもよい、直鎖、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族、置換または非置換炭化水素基であり、Rは上記で定義される通りであり、
STは2〜100個の炭素原子を有する、−O−、−C(O)−、−NH−、−NR、および、2〜200のシリコン原子を有するポリ有機シロキサン単位により置換されてもよい、直鎖、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族、置換または非置換炭化水素基であり、式中Rは上記で定義される通りである。
【0049】
STとSTに対する炭化水素基の置換基は、好ましくは、ヒドロキシル基、ハロゲン基(例えば、フッ素または塩素)およびシアノ基からなる群より選ばれる1つ以上の置換基、好ましくは1つから3つの置換基である。この場合、ヒドロキシル基が、特にSTとして、特に好ましい。
【0050】
したがって、下記の繰り返し単位で表されるポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物が、本発明の好ましい実施形態を示す。
【0051】
【化16】


(11)
【0052】
式中、ST、ST、ST、RおよびRは上記で定義される通りであり、Aは有機または有機アニオンである。ただし、基ST、ST、STの少なくとも1つはポリ有機シロキサン単位を含む。特に、炭化水素基STは、二官能性であるかまたは高い官能性を有する、第一級および第二級のアミンまたはアルコールから直接由来する構造である。
【0053】
特に好ましい二官能性構造のSTは、15個までの炭素原子を有する二価の直鎖炭化水素基、例えば、15個までの炭素原子を有する二価のヘキサメチレン環状炭化水素基、例えば、ビスシクロヘキシルメタン構造に基づくもの、
【0054】
【化17】


または、ピペラジンまたは市販のビス第二級アミン(例えば、Jefflink(R)754(Huntsman Corp.)の15個までの炭素原子を有する二価の分岐状炭化水素基、例えば、メチルシクロヘキシルまたはイソホロン構造に基づくもの、
【0055】
【化18】

15個までの炭素原子を有する二価の芳香族炭化水素基、例えば2,4−トルイル、2,6−トルイル、ビスフェニルメタンおよびナフチレン構造に基づくもの、である。
【0056】
【化19】

【0057】
さらに、炭化水素基STを形成するための高い官能性を有する第一級および第二級のアミンまたはアルコールを使用することも、本発明の範囲内である。一例として、N(CHCHNHが挙げられる。
【0058】
さらに、基STとなるポリアミンまたはポリオールの例としては、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、トルエンジアミン、シクロヘキサンジアミン、エチレンジアミンおよびそのオリゴマー、トリメチロールプロパン、グリコール、グリセロール、ペンタエリスリトール、糖類、または、ポリアミンまたはポリオールのポリアルコキシル化誘導体である。
【0059】
別の好ましい実施形態では、炭化水素基STは、第一級および第二級のアミノ官能化プレポリマーまたはヒドロキシ官能化プレポリマー由来のより複雑な構造であって、同様に高い官能性を有することが出来る。
例としては、
・第一級または第二級のアミノ末端ポリエーテルまたはヒドロキシ末端ポリエーテル、好ましくは、エチレンオキシド系ポリエーテルおよびプロピレンオキシド系ポリエーテル、例えば、Jeffamine(R)型、例えば、EDおよびTシリーズ(Huntsman Corp.)の第一級および第二級のアミノ末端ポリエーテル、
・NHまたはOHを末端に有するポリアミド、
・NHまたはOHを末端に有するポリ尿素である。
【0060】
本発明でのシロキサンブロックのSTへの導入は、好ましくは、α,ω−第一級または第二級アミノ官能化ポリ有機シロキサンを介して行なわれる。
対応するα,ω−第一級または第二級アミノアルキル末端ポリ有機シロキサンの生成は先行技術である(「Silicone, Chemie und Technologie」、Vulkan Verlag Essen 1989年、85〜90頁)。
【0061】
さらに、炭化水素基STを形成するために、第一級または第二級のアミン基を有する、高い官能性のポリ有機シロキサンを使用することは、本発明の範囲内である。同様に、これらの櫛型および選択的にα,ω−アミノ官能化シロキサンは、先行技術から周知である。
【0062】
本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、式(12)の化合物
【0063】
【化20】


(12)
{式中、ST=STまたはST(上記で定義される通り)であり、Y=YまたはY(上記で定義される通り)であり、STまたはSTは上記で定義される通りである}と、
下記式の化合物
【0064】
【化21】


(式中、ST=STまたはSTであり、Yは上記で定義される通りである。ただし、基STおよび/またはSTの少なくとも1つはポリ有機シロキサン基を含む)とを反応させる方法により生成されるのが好ましい。
【0065】
方法の好適な変形では、Y=NRであり、式中Rは上記で定義される通りで、好ましくは水素であり、STおよびSTはそれぞれ−CH−である。
【0066】
さらに、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、下記式の化合物
【0067】
【化22】


(13)
(式中、ST、ST、YおよびSTは上述の通りである)と、下記式の化合物
HY−ST−NR
(式中、ST、YおよびRは上記で定義された通りである)と、を反応させる方法により生成されるのが好ましい。
【0068】
上記の方法の変形において、好ましくはSTおよびSTはそれぞれ−CH−であり、YおよびYはそれぞれ独立に−NR−であり、ここでRは上記で定義される通り、好ましくは水素であり、下記式の化合物と反応させる方法により生成されるのが好ましい。
Q−ST4V−Q
【0069】
本発明のさらなる実施形態では、ポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、下記式(10)で表される、第四級基を有するSTを少なくとも1つ含む。
−ST−N(R−ST−N(R−ST− (10)
式中、ST、STおよびRは上記で定義された通りである。
式中、Qはアミノ基をアルキル化することができる基であり、ST4Vは四級化反応後のQ由来の分子部分とともに、基STを形成する。
ただし、ST、STおよび/またはSTの少なくとも1つは二価または二価以上のポリ有機シロキサン基を含む。ST4’=ST4Vまたは、例えば、反応後のハロアルキル基のような、反応後適宜変形される基ST4Vである。
【0070】
アミノ基の四級化、または、アミノ基のアルキル化をすることができる基Qは、好ましくはエポキシ基およびハロアルキル基から選ばれる。以下の例は、基ST4Vを示す。
【0071】
【化23】



このように、STは、アルキル化基Qの反応後のST4’またはST4V、例えばハロアルキル基またはエポキシ基から生じる分子部分から形成される。
【0072】
このように、この方法により好適に生成されるポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、好ましくは、式(10)で表される基を少なくとも1つ含有する化合物である。
−ST−N(R−ST−N(R−ST− (10)
式中、ST、STおよびRは上記で定義された通りである。
式(12)の化合物の生成に関し、
【0073】
【化24】


(12)
(式中、Y、ST、STおよびSTは上述の通り)
【0074】
本発明の1つの実施形態では、第一段階で、上記HY−ST−YHで扱われるアミノまたはヒドロキシル基を末端に有するST開始物質(式中、YおよびSTは上記で定義された通り)は、下記構造の炭酸フェニルエステルと反応する。
【0075】
【化25】


例えば、
【0076】
【化26】


および
【0077】
【化27】


(例えば、国際公開第2005/058863号参照)。

【0078】
本発明の別の実施形態によれば、過剰量のCOClで、ST基となるアミノまたはヒドロキシル基を末端に有する開始物質を対応するクロロギ酸誘導体に変えることができ、その後、
【0079】
【化28】


と反応し、好ましくは、
【0080】
【化29】


と反応し、カーボネートを末端に有する中間物質とする。
本発明のさらなる実施形態によれば、まずカーボネート前駆体
【0081】
【化30】


好ましくは、
【0082】
【化31】


を過剰量のCOClで、クロロギ酸誘導体に変え、最終的にST基、特にSTになるアミノまたはヒドロキシル基を末端に有する開始物質と反応し、カーボネートを末端に有する中間物質とする。
【0083】
この反応概念の利点は、離脱基としてのフェノールを回避できることである。
このような反応の結果、ST基、特にSTを含有する環状カーボネートを末端に有する中間物質が形成される。
このような中間物質は、ST基、特にSTを含有する適切な相手と反応することができる。このような反応相手は、2つの反応性アミノ単位またはヒドロキシル単位を有する物質である。この場合、反応性アミノ基が特に好ましい。というのは、反応性アミノ基は環状カーボネートに対して比較的高い反応性を有するが、ヒドロキシル基は低い反応性しか有しないからである。
【0084】
好ましい実施形態では、ここでの構造は、第一級および第三級または第二級および第三級ジアミノ構造(例えばN,N−ジメチルプロピレンジアミン)である。このようなジアミノ構造を使用する前提条件は、多官能性、特に二官能性四級化剤を同時に使用することである。というのは、そうでなければ、鎖形成が行なわれないからである。次式(10)
−ST−N(R−ST−N(R−ST− (10)
で表されるST構成要素はこのように形成される。
例えば、N−メチルピペラジンを使用すると、環状ST、特にST構造が形成される可能性がある。
第一級および第二級ジアミンも使用できる。
鎖形成後、残っているアミノ基は適宜アルキル化されてもよい。
【0085】
分岐状化合物を生産するための、より高い官能性を有するアミノ構造の例は、N,N,N,N−テトラメチルジプロピレントリアミン(Jeffcat ZR50B Huntsman)、N,N,N,N−テトラメチルジエチレントリアミンである。
下記の化合物
【0086】
【化32】


と、アミノ官能性またはヒドロキシ官能性ST前駆体との反応は、室温から160度、好ましくは140度の範囲で行なわれるのが好ましい。反応時間は数分から数時間である。この場合、ST単位を形成するアミノ官能性前駆体は一般にヒドロキシ官能性ST前駆体よりもよく反応する。
【0087】
反応時間、反応温度、達成される変換は、特に、ST単位を形成する前駆体におけるアミノ基のタイプに依存する。一般に、第一級アミノ基は第二級アミノ基より容易に反応する。
鎖形成を伴う重合を可能にするために、四級化化合物がSTおよびSTを含有するポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の生成に必要である。好適な実施形態では、STを含有する相手は、炭化水素系α,ω−エポキシおよび/またはハロゲン官能性物質である。
【0088】
炭化水素系エポキシド誘導体は好ましくは、
・炭化水素ジエポキシド(例えば、ビニルシクロヘキサンジエポキシド)、
・エピクロロヒドリン、
・エポキシ末端ポリエーテル、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド系ポリエーテル(例えば、グリシジル末端ポリエーテル)、
・エポキシ末端ポリエステル、
・エポキシ末端ポリカーボネート、である。
ハロゲン官能性炭化水素誘導体(好ましくは塩化物および臭化物)は、好ましくは、
・炭化水素ジハロゲン化物、
・ハロゲン末端ポリエーテル、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド系ポリエーテル、
・炭化水素ジオールとポリエーテルとのハロカルボン酸エステル、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド系ポリエーテル、特に、炭化水素ジオールとポリエーテルとのクロロ酢酸エステル、クロロプロピオン酸エステルおよびクロロブタン酸エステル、である。
【0089】
同様に、アルコキシ基と二官能性酸とのエステルを、対応するグリシジル、ハロゲンまたはハロカルボン酸エステル誘導体に変え、本発明に従って用いることは、本発明の範囲内である。これらは、例えばコハク酸に由来する。
特に好ましいクロロカルボン酸の合成は、周知の方法(「Organikum, Organisch−Chemisches Grundpraktikum」17版、 VEB Deutscher Verlag der Wissenschaften, Berlin 1988年、402−408頁)で、ジオール成分と対応するハロカルボン酸無水物またはハロカルボン酸塩化物とを反応させて行なわれる。
【0090】
さらなる実施形態では、炭化水素基STは、α,ω−ヒドロキシ官能化プレポリマー由来の、より複雑なα,ω−エポキシまたはハロゲン末端構造である。
これらのα,ω−ヒドロキシ官能化プレポリマーは、
・ジオールとジイソシアネート、
・OH末端ポリエーテル、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド系ポリエーテルとジイソシアネート、
・OH末端ポリエステル、
・OH末端ポリカーボネートの反応物、であるのが好ましい。
好適な実施形態では、これらのα,ω−ヒドロキシ官能化プレポリマーは、対応するα,ω−ハロカルボン酸エステル、特にクロロ酢酸エステル、クロロプロピオン酸エステルおよびクロロブタン酸エステルに変換される。
【0091】
本発明でのシロキサンブロックのSTへの導入は、
・α,ω−エポキシ末端シロキサン、好ましくはα,ω−グリシジルおよびエポキシシクロヘキシル末端シロキサン、
・α,ω−ハロアルキル末端シロキサン、好ましくはα,ω−クロロプロプルおよびクロロプロペニル末端シロキサン、
・α,ω−ハロカルボン酸エステル末端シロキサン、好ましくは、クロロ酢酸、クロロプロピオン酸およびクロロブタン酸のエステル、
・α,ω−ハロカルボン酸エステル末端ポリエーテルシロキサン、好ましくは、クロロ酢酸、クロロプロピオン酸およびクロロブタン酸のエステル、を介して行なわれるのが好ましい。
【0092】
STに入るα,ω−エポキシ末端シロキサンおよびα,ω−ハロアルキル末端シロキサンの生成は先行技術に記載されている(「Silicone, Chemie und Technologie」Vulkan Verlag Essen 1989年、85〜90頁および120頁)。
α,ω−ハロカルボン酸エステル末端シロキサンは、国際公開第02/10256号の実施例1の工程と同様に生成され得る。ここでは、SiH−シロキサンがオレフィンまたはアセチレン様に、不飽和のアルコールのハロカルボン酸エステルと反応する。
【0093】
α,ω−ハロカルボン酸エステル末端ポリエステルシロキサンは、国際公開第02/10257号の実施例1の工程と同様に生成され得る。ここでは、SiH−シロキサンがオレフィンまたはアセチレン様に不飽和のポリエーテルのハロカルボン酸エステルと反応する。あるいは、ポリエーテルシロキサンをハロカルボン酸または無水物またはその酸塩化物と反応させることもできる(米国特許第5153294号、米国特許第5166297号)。
【0094】
特に好ましい場合、ST単位中のシロキサン単位は下記構造を有する。
【0095】
【化33】


式中、Sは上述の通りである。
【0096】
さらなる実施形態において、シロキサンブロックのST構造への導入は、α,ω−エポキシまたはハロゲン官能化シロキサンプレポリマー(対応するα,ω−ヒドロキシアルキルまたはα,ω−ヒドロキシポリエーテル末端シロキサンプレポリマーから得るのが好ましい)を介して行なわれる。
【0097】
これらのOH末端シロキサン含有プレポリマーは、
・α,ω−ヒドロキシアルキル末端シロキサンとジイソシアネート、
・α,ω−ポリエーテル末端シロキサンとジイソシアネートと、を反応させて生成するのが好ましい。
その後、エポキシおよびハロゲン誘導体に変換される。無水物や酸塩化物などでのエステル化によって得られるα,ω−ハロカルボン酸官能化シロキサンプレポリマーが好適な実施形態を示す。
【0098】
さらに、基ST2を形成するための高い官能性を有する炭化水素系またはシロキサン系物質を使用することも、本発明の範囲内である。これらの材料は、上記で扱われたエポキシまたはハロゲン機能を2つ以上含む。
高い官能性を有する炭化水素系物質の例としては、グリセロール、ペンタエリスロール、ソルビトールのグリシジルまたはクロロ酢酸エステル誘導体、それらのエトキシレートおよび/またはプロポキシレートである。同様に、高い官能性を有するアルコキシル基と酸とのエステルを、対応するグリシジルまたはクロロ酢酸エステル誘導体に変え、本発明に従って用いることは、本発明の範囲内である。これらは、例えばトリメリット酸またはピロメリット酸に由来する。
【0099】
α,ω−および/または櫛型エポキシまたはハロゲン(好ましくはハロカルボン酸エステル)置換との高い官能性を有する適切なシロキサン系物質は、例えばヒドロキシ官能性前駆体から得られる。ヒドロキシ官能性前駆体は、対応するSiHシロキサンにアリルアルコール、ブチンジオールおよびアリルアルコールまたはブチンジオールとアルコキシ基とのエステルを添加することにより得られる。あるいは、例えば、不飽和エポキシまたはハロカルボン酸エステル官能性前駆体が、対応するSiHシロキサンに添加できる。
高い官能性を有する炭化水素系またはシロキサン系物質の官能性は2以上であることが必須の特徴である。
【0100】
さらに、末端基STを形成するために単官能基の炭化水素系またはシロキサン系物質を使用することも、本発明の範囲内である。これらの材料は上記で扱われたエポキシまたはハロゲン官能性の1つを含むことが好ましい。
単官能基の炭化水素系物質の例は、アルカノール(例えば、エタノール、2−プロパノール、ドデカノールおよびオクタデカノール)、アルケノール(例えば、アリルアルコール、ヘキサノールおよびオレイルアルコール)、およびアルキノール(例えば、プロピノール)のグリシジルまたはクロロ酢酸エステル誘導体、および、上述の単官能基アルコールのアルコキシレート(特に、エトキシレートおよび/またはプロポキシレート)である。同様に、脂肪酸アルコキシレートを対応するグリシジル、ハロゲンまたはクロロ酢酸エステル誘導体に変え、本発明に従って用いることも、本発明の範囲内である。
【0101】
エポキシまたはハロゲン、好ましくはハロカルボン酸エステル置換を有する適切な単官能基シロキサン系物質が、例えば国際公開第02/10256号から公知である。それらは、対応するSiHシロキサンに添加できる、例えば不飽和エポキシまたはハロカルボン酸エステル官能性前駆体から得られる。
形成されたポリマーの分子量を調整し、また、高い官能性を有するST前駆体との連携に適切な場合、ポリマー鎖の分岐度を制御するために、それらの性質によって、これらの単官能基の炭化水素系またはシロキサン系ST前駆体が添加される。
【0102】
エポキシ含有物質がST導入に使われる場合、先行技術から知られる方法で、酸が化学量論量添加される。酸性アニオンは、ハロゲン化物、特に塩化物のような無機アニオン、および、カルボキシレート、特にC−C18カルボキシレート、アルキルポリエーテルカルボキシレート、アルキルサルフェイト、特にメトサルフェイト、サルフェイト、特にアルキルサルフォネートおよびアルキルアリールサルフォネート、さらに特にトルイルサルフォネートのような有機アニオンである。
全反応順序または個々の部分の工程を溶媒のない場合またはある場合で行なうことは本発明の範囲内である。好ましい溶媒は、メトキシプロピルアセテート、ブチルアセテートおよびトルエンのような通常のラッカー溶媒である。
記載された全反応順序の結果、四級化試薬を使うと、ST〜STを含む構成要素STの少なくとも1つに、ポリ有機シロキサンを有する四級化されたポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物が得られる。
【0103】
本発明はさらに、塗料、表面改良剤、エラストマー、熱硬化性樹脂、接着剤、金属およびプラスチック表面用下塗剤、ポリマー添加剤、洗剤添加剤、レオロジー剤、化粧品、および繊維改良剤の生成のための、本発明によるポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の用法に関する。
【0104】
毛髪用化粧品製剤において、この状況下では、本発明によるポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、いわゆるコンディショニング剤(「コンディショナー」)の機能を特に発揮する。つまり、毛髪の特性(柔らかさ、輝き、張り、櫛通りの良さ)に特に好ましい影響を及ぼす。また、本発明によるポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物が、他の従来のコンディショニング剤(例えば、国際公開第99/009939号に記載されるように、例えばαオレフィン、フッ素化油、フッ素化ワックス、フッ素化ゴム、少なくとも10個の炭素原子を有するカルボン酸エステル、カチオン性ポリマー、製剤媒体に不溶性または溶性であるシリコン、鉱油、植物油、動物油またはそれらの混合物)と特に組み合わされて使用されることも可能である。
【0105】
好ましくは、本発明はさらに、硬表面、例えば、ガラス、セラミック、タイル、コンクリート、および、車体および船体等の金属部品等の塗料または表面改良剤の生成のための、本発明によるポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の用法に関する。
好ましくは、本発明はさらに、シリコンエラストマーを他の基材(例えば、鋼鉄、アルミニウム、ガラスおよびプラスチック、例えば、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィドおよびポリテレフタレートなどのポリエステル)と接着させる下塗剤の生成のための、本発明によるポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の用法に関する。
【0106】
本発明のさらに好適な実施形態において、これらは、熱可塑性プラスチック、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレートおよびポリカーボネートのための変性剤の生成のための、本発明によるポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の用法に関する。
【0107】
本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物のさらに好適な実施形態において、これらは、低温衝撃改質剤の生成のための、本発明によるポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の用法に関する。
【0108】
本明細書中、上記で使用される表現「の生成のための」は、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物が上記の用法のためにそれ自体が使用される場合も含む。すなわち、例えば、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物自体を直接低温衝撃改質剤として使用できる。しかし、低温衝撃改質剤はまた、例えばマスターバッチの混合、配合または製造によって、事前に適切に供給される。
【0109】
さらに、ポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、接着剤や封止剤の構成物質として、熱可塑性プラスチックエラストマー、例えば、ケーブル・シース、ホース、シールおよびキーボードマット用の基材、および、選択的気体透過性膜のような膜用の基材として使用されるのが好ましい。本発明の共重合体の使用にはさらに 防汚およびノンスティック塗料のような塗料、繊維相溶性塗料、防火塗料および生体適合性のある材料を含む。
これらは、樹脂改質またはビチューメン改質のために、化粧品、ボディケア組成物、ラッカー添加剤、洗剤中の補助物質、消泡製剤および繊維加工用塗料組成物として働く。
【0110】
さらなる用途としては、電子部品用梱包材料、絶縁または遮蔽材料、凝縮水が形成される隙間(飛行機、機体、船、自動車)へのシーリング材、投光照明スクリーン(内部)防曇塗料、住居、自動車または医療機器用窓枠、研磨、洗浄またはケア組成物用添加剤、ボディケア組成物用添加剤、木材、紙、段ボール用コーティング剤、型取り外し剤、医療使用時の生体適合性のある材料(例えばコンタクトレンズ)、織物繊維または織物布地用コーティング剤、天然物質(例えば皮や毛皮)用コーティング剤、膜用材料、および感光システム(例えば、リトグラフプロセス)、光学データ保護または光学データ送信用素材が含まれる。
【0111】
さらに、本発明の好適な実施形態では、これは、エラストマーに過酸化的にまたはヒドロキシル化(白金触媒)によって架橋されてもよいシリコンゴム用混合成分である粘度調整剤、静電気防止剤の生成のための、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の使用に関する。これは表面特性の改質、気体、液体等の拡散の改良、またはシリコンエラストマー、織物繊維の洗濯前・中・後の処理用柔軟剤、天然(毛髪、綿繊維)および合成繊維(ポリエステル繊維およびポリアミド繊維)および混合繊維の改質剤、織物仕上剤、洗剤や洗浄組成物のような洗剤含有製剤の膨張特性を改質することとなる。
【0112】
さらに、本発明は、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を含有する新規の洗剤製剤、化粧品製剤および繊維処理製剤に関する。
【0113】
このように、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、固体または液体洗剤製剤では全製剤量中約0.1〜10重量%の量で存在し、化粧品製剤および繊維処理用製剤(例えば、洗濯前・中・後の織物ケア組成物)では全製剤量中約0.1〜50重量%の量で存在することが可能である。
【0114】
好ましくは、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、ガラス、セラミック、タイル、プラスチック表面、金属表面、ラッカー表面のような硬表面、具体的には船体および車体、具体的には、自動車の機械洗浄のための乾燥機用製剤の処理および仕上げに、好ましくはシリコンエラストマーを他の基材(鋼鉄、アルミニウム、ガラス、エポキシ樹脂またはポリアミド)と接着させるために添加剤または下塗剤として、また、過酸化架橋および白金触媒架橋による炭化水素系ポリマーおよびシリコン系エラストマーのための、例えば、低温衝撃改質剤および極性改質剤のような改質剤として使用されることが可能である。
【0115】
さらに、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、天然および合成繊維、例えば、綿、ウールおよびポリエステル合成繊維およびポリアミド合成繊維、具体的には織布として、繊維処理、特にアニオン、非イオン性、カチオン性界面活性剤を含有する洗剤製剤での繊維処理用の特定組成で使用される。ここで、本発明の化合物は、洗剤に直接組み込まれるか、または別に洗浄過程中または洗浄過程終了後に加えられ、柔軟性、改善された弾性および低下したしわになりやすさが処理された基材に与えられ、一方では許容範囲の親水性を維持する。
【0116】
同様に、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、別の柔軟剤系(特にカチオン性界面活性剤系)の構成要素として働き、繊維および織物の洗濯後は、アイロンがけ補助剤および繊維のしわ予防またはしわのばし剤として働く。
さらに、繊維の仕上げに使用される。具体的には、織物、紙、木材の形態の、例えば綿、羊毛、およびポリエステルおよびポリアミド合成繊維の最初の仕上げおよび処理に使用される。
上述されるように、さらに毛髪および肌の処理のための化粧品系に有利に用いられる。
【0117】
本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の特に好適な使用分野は、また、特に化粧品製剤のベースとしての、水性、溶液、混合物、乳液およびマイクロエマルションである。

本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、液体、クリームまたはペーストの形態で、純物質、溶液、混合物、乳液およびマイクロエマルションとして使用され、各種粘度を有する本発明の適切な化粧品製剤の生成のための開始物質として使用される。
【0118】
例えば、硬基材または柔基材のような基材の処理のための、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の製剤生成方法は、例えば、以下の工程を含む。
a)本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物で溶液、混合物または乳液の形態の予混合物の生成、
b)予混合物a)を用いさらに混合物の生成、および、状況によりさらに界面活性剤、補助剤および他の添加物の添加、または、
c)工程a)およびb)の組み合わせ、ここでは構成要素の混合は攪拌機、溶解機、混練機、ポンプ、混合スクリュー、混合ノズルおよび低圧および高圧乳化機器を用いて行なわれる。
【0119】
これらの方法は、上述されるように、適切な容器、機器または混合機器中の任意の形態の攪拌機のような、当該技術分野で公知の機械や機器(Ullmann’s Enzyklopadie)を用いて実現される。
【0120】
全ての構成要素を直接混合することも可能である。しかし、予混合物で生成するのが、より速くより良く分散するので好ましい。また、各種物質群が他の方法では適切に他と混合、乳化、分散されない、または、高額な費用をかけた場合のみ混合、乳化、分散可能であるので、予混合物の生成は、部分的に必須である。適切な予混合物または中間混合物とは、好ましくは溶液、ペースト、クリームまたは乳液または分散液の他の形態での混合物のことである。化粧品製剤で平均粒径10〜200nmのマイクロエマルションの生成および使用が特に好ましい。
【0121】
本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を含有する製剤は、例えば、ヘアトリートメントのようないろいろな形態に製造される。本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、ケラチン含有基材(例えば、人間および動物の毛髪または肌)の処理のための化粧品製剤として、アルコール溶液またはポリアルコール溶液として、または乳液として、使用されるのが好ましい。原材料、使用される補助物質および生成過程の混合方法に応じて、透明、濁った、および白濁した製剤が得られる。
【0122】
アルコール溶液およびポリアルコール溶液、および、水、油状物質および従来のシリコン(とりわけ、ポリジメチルシロキサン)とのそれらの混合液、溶媒および/または油状物質および/またはシリコンの二成分および三成分混合物が、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を含有する溶液および混合物の生成に適する。ここで特に好ましい溶媒は、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールおよびエチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコールおよびそのエーテル、プロピレングリコールおよびプロピレングリコールエーテル、ポリプロピレングリコールおよびそのエーテルおよびグリセロールおよびそれらの混合物である。特に好ましい油状物質は、鉱油産物および植物、動物、合成起源の油およびそれらの混合物である。特に好ましいシリコンは、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物と違い、例えば、環状および直鎖状ポリジメチルシロキサンおよびその混合物、例えば、INCIによれば、25度で0.65〜60,000,000mPa.sの範囲の粘度を有するシクロメチコン、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、ジメチコンおよび25度で10〜60,000,000mPa.sの範囲の粘度を有するジメチコノールである。
【0123】
本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を含有する好ましい溶液および混合物は、組成物全量に対し、以下の組成(重量%)を有する。
【0124】
溶液または混合物
0.1〜99.9% 本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物。
0.1〜99.9% 溶媒および/または油および/またはシリコンおよび/または水。
【0125】
本発明のポリカーボネート及び又はポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の乳液の組成:
【0126】
乳液の生成のために、一般には、水および非イオン性、カチオン性および両性の界面活性剤および界面活性剤混合物が用いられる。乳液はさらに、無機および有機酸、ベースおよび緩衝剤、塩、増粘剤、「キサンタンガム」などのエマルション安定剤、防腐剤、泡安定剤、消泡剤およびアルコール(エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテルおよびグリセロールおよびその混合物)などの溶媒のような補助物質を含んでもよい。
【0127】
乳液で使用される本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物は、乳液生成において乳化剤として働く。
化粧品製剤の生成に好ましく使用される乳液は、例えば、全組成物量に対して以下の構成要素(重量%)を含む。
10〜50% 本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物
1〜35% 界面活性剤
0〜10% 補助物質
0〜20% 溶媒
100%になるまで満たされた水
【0128】
化粧品製剤、織物および他の繊維基材の仕上げ、または硬表面の塗料用のマイクロエマルション:
透明な化粧品製剤の生成できるかもしれないことに加えて、簡単な加工技術(「コールドプレス」)で水性製剤に組み込む利点を付加的に提供することから、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を高活性量含むマイクロエマルションを生成するのが特に好ましい。本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を上述の溶液および混合物としてマイクロエマルションの生成に使用可能である。全組成物量に対する乳液中の本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の好ましい活性量は、5〜60重量%であり、特に好ましいのは10〜50重量%である。
【0129】
特に好ましいマイクロエマルションは、マイクロエマルションの総量に対して以下の構成(重量%)を含むが、本発明を限定するものではない。
20〜80% 本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物
0〜35% 界面活性剤
0〜10% 補助物質
0〜20% 溶媒
100%になるまで満たされた水
【0130】
本発明は、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を用いて生成された溶液、混合物または乳液の、化粧品製剤への使用も提供する。
これらの化粧品製剤は事前に生成された溶液または乳液を用いて生成されるが、個々の構成要素から直接作られてもよい。
【0131】
化粧品製剤
化粧品製剤の例として、以下が挙げられる。
いわゆる「リンスオフ」製品、例えば、「2イン1」シャンプー、「ボディウォッシュ」および洗髪中および洗髪後またはカラリング後のヘアトリートメント用のヘアリンス、または、ブリーチ、カールまたはストレートにする前のヘアトリートメント、および、いわゆる「リーブイン」製品、例えば、ヘアトリートメント、ケアクリーム、整髪クレーム、ヘアジェル、ヘアスタイリング製品、ヘアセット組成物、ヘアスプレイ、ポンプスプレイ、ブローウェーブ組成物およびブロードライセット組成物である。さらに、製剤は洗髪に対するカラー耐性に応じて3タイプ、すなわち、パーマネント、セミパーマネントおよび一時的なヘアカラリング組成物に分類されるヘアカラリング組成物を含む。ここでの用語「ヘア」は、ケラチン含有繊維を全て含むが、特に、人間の毛髪である。ヘアカラリング組成物は、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物に加えて、例えば、従来のシリコン、界面活性剤、補助物質およびカラリング剤を含有する。これらの各成分は、単独か、またはさらなる成分を組み合わせて使用される。また、各成分は、ボリューム、櫛通りの良さおよび輝きを増やす働きをし、色付けされたケラチン含有基材(例えば、人間、動物の毛髪)のカラーが洗い出されるのを減らす働きをする、製剤の付加機能を表す。さらに、各成分は、ポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を含有する。
【0132】
化粧品製剤との関連で述べられる略語は、INCI(The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association Washington DC)で説明されている。
【0133】
本発明のポリカーボネート及び又はポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物に加えて、ここで含まれるシリコンの例としては、以下が挙げられる。
(1)0.65〜200,000,000mPa.s(25度)の粘度を有する環状、直鎖および分岐ポリジメチルシロキサンおよびその混合物、例えば、オクタオルガノシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカオルガノシクロペンタシロキサンおよびドデカオルガノシクロヘキサシロキサン、ここで有機基は好ましくはメチル基を示す。例えば、Momentive Performance Materials社、以前のGE Bayer Silicones社のSF1173、SF1202、SF1217、SF1204およびSF1258、(2)ジメチコン、例えば、Baysilone Mオイル(M3〜M2,000,000)、GE Bayer Silicones/Momentive Performance Materials社からのSE30、SF1214、SF1236、SF1276およびCF1251、(3)およびジメチコノール、例えば、ベイシロン、GE Bayer Silicones/Momentive Performance Materials社からのSiOH末端「ガム」、およびDow Corning社からDC1501およびDC1503のようなジメチコノールである。
【0134】
本発明のポリカーボネート及び又はポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の乳液と、非イオン性、アニオン性、カチオン性乳液(例えば、GE Bayer Silicones/Momentive Performance Materials社からのSM2169、SM2785、SM555、SM2167およびSM2112)の形態での上述のポリジメチルシロキサンとの組み合わせ、および/または本発明のポリカーボネート及び又はポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を有する上述のポリジメチルシロキサンの混合液および溶液の使用が特に好ましい。それは、現在までに公知のアミノ官能性シリコンの文献に広く記載されているヘアケア製品の特徴はこれらの組み合わせに由来するからである(国際公開第99/44565号、国際公開第99/44567号、国際公開第99/49836号、国際公開第99/53889号、国際公開第97/12594号、米国特許第6,028,031号、欧州特許出願公開第0811371号、国際公開第98/18443号、国際公開第98/43599号および米国特許第2002−0182161号)。
固体シリコン、いわゆるMQ樹脂(例えばGE Bayer Silicones/Momentive Performance Materials社のSR 1000)および、上記のシリコンおよび脂肪族溶媒(例えばイソドデカン)などの溶媒溶液も同様に適切である。
【0135】
アルキル、アリル、アリルアルキル、フェニル、フルオロアルキル等の有機官能性シリコンおよびポリエーテルで修飾されたシリコン、例えば、GE Bayer Silicones/Momentive Performance Materials社からのSF1632、SF1642、SF1555、Baysilone CF1301、Baysilone PK 20、FF157、SF1188A、SF1288およびSF1388も同様に適切である。
【0136】
界面活性剤
化粧品製剤の成分としての界面活性剤は以下の文献に記載される。A.Domsch:Die kosmetischen Praparate, Verlag fur Chem.Industrie、第4版、1992年、in Kosmetikjahrbuch 1995年、Verlag fur chemische Industrie, 1995年、および、H. Stache, Tensidtaschenbuch、第2版、Carl Hanser Verlag、1981年。
【0137】
アニオン性界面活性剤
以下のアニオン性界面活性剤は、製剤の構成要素として適切であり、例示されるが、これらに限定されない。
アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルカリル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アシルイセチオン酸、アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、メチルタウリドおよびタウリド、サルコシド、スルホコハク酸塩、タンパク質脂肪酸凝縮物、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩である。ここでは、遊離酸およびアルカリ金属塩およびマグネシウム、アンモニウムおよびそれらのモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩が使用できる。
アルキル基およびアシル基は通常8〜18の炭素原子を含有し、不飽和であってもよい。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩およびアルキルエーテルリン酸塩は、1〜10のエチレンオキシド単位またはプロピレンオキシド単位またはエチレンオキシド単位およびプロピレンオキシド単位の組み合わせを含有することができる。
【0138】
両性界面活性剤:
以下の両性界面活性剤は、製剤の構成要素として適切であり、例示されるが、これらに限定されない。
アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、スルホベタイン、酢酸および二酢酸、イミダゾリン、プロピオネートおよびアルキルアミンオキシドである。
ここでは、アルキル基およびアシル基は通常8〜19の炭素原子を含有する。
【0139】
非イオン性界面活性剤
以下の非イオン性界面活性剤は、製剤の構成要素として適切であり、例示されるが、これらに限定されない。
アルキルエトキシレート、アリルエトキシレート、エトキシレート化エステル、ポリグリコールアミド、ポリソルベート、グリセロール脂肪酸エトキシレート、アルキルフェノールポリグリコールエーテルおよびアルキルグリコシドのような糖界面活性剤である。
【0140】
カチオン性界面活性剤
カチオン性界面活性剤は、純カチオン性界面活性剤とカチオン性ポリマーに分類される。
【0141】
純カチオン性界面活性剤
以下の非イオン性界面活性剤は、製剤の構成要素として適切であり、例示されるが、これらに限定されない。
モノアルキルquat、ジアルキルquat、トリアルキルquat、テトラアルキルquat、ベンジルアンモニウム塩、ピリジン塩、アルカノールアンモニウム塩、イミダゾリン塩、オキサゾリン塩、チアゾリン塩、アミンオキシド塩およびスルホン塩、ここで「quat」は少なくとも1つの第四級アンモニウム基の存在を示唆する。
【0142】
カチオン性ポリマー
特に「2イン1」シャンプーに関し、純カチオン性界面活性剤に加えて、カチオン性に変性されたポリマーも使用される。これらのポリマーは、米国特許第5,977,038号および国際公開第01−41720A1号に包括的に記載されている。カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン性タンパク質誘導体、ヒドロキシアルキルセルローズエーテルおよびカチオン性グア誘導体がここでは好ましい。グアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドのCTFA名を有するカチオン性グア誘導体が特に好ましい。これらの型は、商標名コスメディアグアC261(ヘンケル社)、ダイアガムP5070(ダイアモルト社)およびローディア社からのジャガーC型およびジャガーEXCELで得られる。
【0143】
補助物質
特に化粧品製剤の成分としての補助物質は以下に記載される。A.Domsch,Die kosmetischen Praparate, Verlag fur Chem.および、Industrie、第4版、1992年;およびKosmetikjahrbuch、1995年、Verlag fur Chemische Industrie、1995年。
以下の補助物質は、製剤の構成要素として適切であり、例示されるが、これらに限定されない。
【0144】
無機および有機酸、塩基および緩衝剤、塩、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテルおよびグリセロールなどのアルコール、増粘剤、キサンタンガムなどのエマルション安定剤、給油剤、防腐剤、泡安定剤、消泡剤、グリコールジステアリン酸、二酸化チタン、コラーゲン加水分解物、ケラチン加水分解物、シルク加水分解物などの真珠光沢剤および乳白剤、亜鉛ピリチオン、サリチル酸、二硫化セレン、硫黄およびタール調合液などのふけ防止活性化合物、ポリマー乳化剤、ビタミン、染料、UVフィルター、ベントナイト、香油、香料、スタイリングポリマー、保湿剤、植物抽出液およびさらに天然原材料または天然と同一の原材料。
ケラチン含有物質(例えば、人間および動物の毛髪)のケアおよび処理のために化粧品製剤に油溶性および水溶性UVフィルターまたはUVフィルターの組み合わせを加えることによって、染料の劣化およびそのため色の付いたケラチン含有物質の紫外線による漂白および色あせを確実に減少させるまたは完全に防げることが知られている。
【0145】
ヘアカラリング組成物成分
ヘアカラリング組成物の染料および他の成分は以下に記載される。A.Domsch,Die kosmetischen Praparate, Verlag fur Chem.Industrie、第4版、1992年。染料は以下に記載される。化粧品についての法律(化粧品法)、Bundesgesetzblatt、1997年、第1部、第3章、2412ページおよび付属書3、およびヨーロッパコミュニティ(EC)指令76/68/ECC、付属書IV。
【0146】
以下では、ヘアカラリング組成物がパーマネント、セミパーマネントおよび一時的なヘアカラリング組成物に分類される。
【0147】
パーマネントヘアカラリング組成
ヘアを数回(10回以上)洗髪しても洗い流されないパーマネント染料が、過酸化水素による酸化条件下の染料前駆体間の化学反応によって形成される。対応する成分の混合物が結果的に得られる色を決定する。前駆体は、酸化ベース(展開液)とカップリング成分(変性剤)に分類される。
【0148】
酸化ベース
以下の酸化ベースが、製剤の構成要素として適切であり、例示されるが、これらに限定されない。
m−およびp−フェニレンジアミン(ジアミノベンゼン)、そのN−置換誘導体および塩、o−フェニレンジアミンのN−置換誘導体、o−、m−およびp−トルイレンジアミン(メチルジアミノベンゼン)、そのN−置換誘導体および塩、p−アミノジフェニルアミンおよびその塩酸塩および硫酸塩、o−、m−およびp−アミノフェノールおよびその塩酸塩、2,4−ジアミノイソサルフェイト(4−メトキシ−m−フェニレンジアミンサルフェイト)、o−クロロ−p−フェニレンジアミンサルフェイト、(2,4−ジニトロ−6−アミノフェノール)ピクラミン酸および2,4−ジニトロ−1−ナフトールスルホン酸およびそのナトリウム塩である。
【0149】
カップリング成分
以下のカップリング成分は、製剤の構成要素として適切であり、例示されるが、これらに限定されない。
ヒドロキノン(1,4−ジヒドロキシベンゼン)、レゾルシノール(1,3−ジヒドロキシベンゼン)、ピロカテコール(1,2−ジヒドロキシベンゼン)、α−ナフトール(1−ヒドロキシナフタレン)、ピロガロール(1,2,3−トリヒドロキシベンゼン)および2,6−ジアミノピリジン。
【0150】
酸化ベースおよびカップリング成分は、従来は界面活性剤と共に水中油型エマルションに組み込まれるが、単なる溶液またはシャンプーも製剤として知られている。さらに、製剤は、前駆体を安定させるために酸化防止剤、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、アスコルビン酸またはチオグリコール酸を含有し、アンモニアのようなアルカリ物質でpHが8と12の間(好ましくは9と11の間)になるように調整される。界面活性剤としての湿潤剤、重金属用錯化剤、アンモニア臭を隠す香料、ヘアの感触の向上およびヘアの保護のためのコンディショナー、および、エタノール、エチレングリコール、グリセロールまたはベンジルアルコールのような溶媒がさらに添加される。
【0151】
パーマネントヘアカラリング組成物は、通常、上述のカラー溶液、クリームまたはシャンプーと展開溶液とを含む2成分系として提供される。ここでの展開溶液は過酸化水素を6〜12%含み、カラー成分を含有する製剤の構成要素が適宜添加されてもよい。しかし、ここで過酸化溶液は完全に安定化されなければならない。
【0152】
セミパーマネントヘアカラリング組成
セミパーマネントカラリングは、シャンプーで6〜10回洗髪してもカラリングを維持するように開発された。本来、ニトロ、アゾおよびアントラキノン染料の群に属する、いわゆる直吸収染料がここでは使用される。これらの染料は毛髪に浸透するのに充分小さい。通常使用される製剤は、溶液、クリーム、シャンプーまたはエアゾール泡である。この組成物は、パーマネントヘアカラリングとしてのカラー成分を含有する製剤に相当する。
【0153】
一時的ヘアカラリング組成
セミパーマネントヘアカラリング組成物と対照的に、一時的カラリング(ティントとも呼ばれる)は、ヘアに浸透することができない大き目の染料分子を含有する。一時的カラリングは、シャンプーで1〜6回洗髪してもカラリングを維持するように開発された。ここでは、アゾおよび塩基性染料およびアジンおよびチアジン誘導体が通常使用される。セミパーマネントおよびパーマネントヘアカラリング組成物について述べられたことはこの製剤の組成に適用される。ヘアカラリング組成物の染料および他の成分は以下に記載される。A.Domsch,Die kosmetischen Praparate, Verlag fur Chem.インダストリ(Industrie)第4版、1992年。染料は以下に記載される。化粧品についての法律(化粧品法)、ブンデスゲセツブラット(Bundesgesetzblatt)1997年、第1部、第3章、2412ページおよび付属書3、およびヨーロッパコミュニティ(EC)指令76/68/ECC、付属書IV。
【0154】
機能的に活性な化合物がそれぞれ個別の化合物または数種の化合物の混合物とされる以下の処方は、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を含有する混合物を、化粧品製剤で使用することに対して特に有利であることが分かったが、本発明を限定するものではない。
【0155】
ヘアケアおよびコンディショニングのための、本発明による通常のシャンプー製剤は、製剤総量に対して以下の構成(重量%)を含むが、本発明を限定するものではない。
【0156】
0.01〜10% 本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物
2〜15% アニオン性界面活性剤
0〜10% 両性界面活性剤
0〜15% 非イオン性界面活性剤
0〜10% カチオン性界面活性剤
0〜10% シリコンコンディショニング剤(コアジュバント)
0〜10% 補助物質
100%になるまで満たされた水

【0157】
特定のシャンプー製剤は以下の構成(重量%)を含むが、本発明を限定するものではない。
0.1〜12% 本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物
1〜35% ラウリル硫酸ナトリウムまたはアンモニウム、またはラウレス硫酸ナトリウムまたはアンモニウム(20〜30%)
1〜6% ココアミドプロピルベタイン(25〜35%)
0〜3% グアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド
0〜5% ポリクオタニウム−10
0〜12% シリコンコンディショニング剤(コアジュバント)
0.01〜1% 二ナトリウムEDTA
0.01〜1% フェノキシエチノール(および)メチルパラベン(および)ブチルパラベン(および)エチルパラベン(および)プロピルパラベン
0〜1% 香水(香料)
0〜1% 染料
0〜1% クエン酸
0〜2% 塩化ナトリウム
100%になるまで満たされた水
【0158】
ヘアケアおよびコンディショニングのための、本発明による通常のヘアリンスは、以下の構成(重量%)を含むが、本発明を限定するものではない。
0.1〜15% 本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物
0〜10% 両性界面活性剤
0.1〜15% 非イオン性界面活性剤
0〜10% カチオン性界面活性剤
0〜15% シリコンコンディショニング剤(コアジュバント)
0〜20% 補助物質
100%になるまで満たされた水
【0159】
特定のヘアリンス組成物は以下の構成(重量%)を含むが、本発明を限定するものではない。
0.5〜15% 本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物(非イオン性乳化剤による、水中での強度43.5%の乳液として)
0〜15% シリコンコンディショニング剤(コアジュバント)
0〜10% 塩化セトリモニウム(25〜35%)
0〜3% グアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド
1〜10% セテアリルアルコール
0〜10% グリセロール
0.01〜1% フェノキシエチノール(および)メチルパラベン(および)ブチルパラベン(および)エチルパラベン(および)プロピルパラベン
0〜1% 香水(香料)
0〜1% 染料
0〜1% クエン酸
100%になるまで満たされた水
【0160】
ヘアケアおよびコンディショニングのための、本発明による通常のヘアケアトリートメントは、以下の構成(重量%)を含むが、本発明を限定するものではない。
0.4〜20% 本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物
0.1〜15% 非イオン性界面活性剤
0〜10% カチオン性界面活性剤
0〜20% シリコンコンディショニング剤(コアジュバント)
0〜20% 補助物質
100%になるまで満たされた水
【0161】
特定のヘアケアトリートメントは以下の構成(重量%)を含むが、本発明を限定するものではない。
1〜20% 本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物(非イオン性乳化剤による、水中での強度43.5%の乳液として)
0.5〜10% ステアリルアルコール(および)ステアレス−7(および)ステアレス−10
0〜20% シリコンコンディショニング剤(コアジュバント)
0〜10% 塩化セトリモニウム(25〜35%)
0〜3% グアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド
0〜5% ジメチコン
0〜5% パラフィン油
1〜10% ステアリルアルコール
0〜10% グリセロール
0.01〜1% フェノキシエチノール(および)メチルパラベン(および)ブチルパラベン(および)エチルパラベン(および)プロピルパラベン
0〜1% 香水(香料)
0〜1% 染料
0〜1% クエン酸
0〜2% 塩化ナトリウム
100%になるまで満たされた水
【0162】
極めて特定のヘアケアトリートメントは以下の構成(重量%)を含むが、本発明を限定するものではない。
2〜5% 本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物(非イオン性乳化剤による、水中での強度43.5%の乳液として)
0〜5% シリコンコンディショニング剤(コアジュバント)
0〜2% 塩化セトリモニウム(25〜35%)
0.5〜5% グリセロール
0.25〜2.5% プロピレングリコール
0.05〜0.2% 香水
0.1〜0.5% ポリソルベート20
100%になるまで満たされた水
【0163】
一時的、セミパーマネントまたはパーネントヘアカラリング、ヘアケアおよびコンディショニング用の、本発明による通常の染料含有製剤は、以下の構成(重量%)を含むが、本発明を限定するものではない。
0.1〜10% 本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物
1〜10% 所望のヘアカラーによるヘア染料前駆体または染料
0〜15% アニオン性界面活性剤
0〜10% 両性界面活性剤
0.1〜10% 非イオン性界面活性剤
0〜10% カチオン性界面活性剤
0〜1% 亜硫酸ナトリウム
0〜5% 緩衝剤
0〜10% シリコンコンディショニング剤(コアジュバント)
0〜10% 補助物質
100%まで 水
【0164】
パーマネントヘアカラリングのための、本発明による特定のカラークリームは、以下の構成(重量%)を含むが、本発明を限定するものではない。
0.1〜10% 本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物(非イオン性乳化剤による、水中での強度20%の乳液として)
1〜5% 所望のヘアカラーによるヘア染料前駆体または染料
2〜15% アニオン性界面活性剤
0〜10% 両性界面活性剤
0.1〜10% 非イオン性界面活性剤
0〜10% カチオン性界面活性剤
0.1〜1% 亜硫酸ナトリウム
0.1〜5% pH=8〜12の緩衝剤
0〜10% シリコンコンディショニング剤(コアジュバント)
0〜10% 補助物質
100%まで 水
【0165】
パーマネントヘアカラリングのための、本発明による特定のカラー溶液は、以下の構成(重量%)を含むが、本発明を限定するものではない。
0.1〜10% 本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物(非イオン性乳化剤による、水中での強度20%の乳液として)
1〜5% 所望のヘアカラーによるヘア染料前駆体または染料
0.1〜1% 亜硫酸ナトリウム
5〜15% プロピレングリコール
5〜15% アンモニア(28%)
10〜30% オレイン酸
5〜15% イソプロパノール
10〜30% アルカノールアミド
0〜10% シリコンコンディショニング剤(コアジュバント)
100%まで 水
【0166】
パーマネントヘアカラリングのための、本発明による通常の展開剤製剤は、以下の構成(重量%)を含むが、本発明を限定するものではない。
0.1〜10% 本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物
10〜30% 過酸化水素(30%)
0〜15% アニオン性界面活性剤
0〜10% 両性界面活性剤
0〜10% 非イオン性界面活性剤
0〜10% カチオン性界面活性剤
0〜5% pH=2〜6の緩衝剤または酸
0〜10% シリコンコンディショニング剤(コアジュバント)
0〜10% 補助物質
100%まで 水
【0167】
パーマネントヘアカラリングのための、本発明による特定の展開剤クリームは、以下の構成(重量%)を含むが、本発明を限定するものではない。
0.1〜5% 本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物(非イオン性乳化剤による、水中での強度20%の乳液として)
10〜30% 過酸化水素(30%)
0〜5% シリコンコンディショニング剤(コアジュバント)
1〜10% セテアリルアルコール
0.5〜5% トリデセス−2−カルボキサミド MEA
0.5〜5% セテアレス−30
0.5〜5% グリセロール
0.05〜2% ペンテト酸5ナトリウム(ジエチレントリアミン5ナトリウム−5酢酸)
0.05〜2% スズ酸ナトリウム
0.05〜2% ピロリン酸4ナトリウム
100%まで 水
【0168】
本発明による溶液または混合物は、化粧品製剤の生成、例えば、色付けされた物質または色付けされることになっている物質のトリートメント、コンディショニング、洗浄および/またはケアのために好ましいことが発見された。
すなわち、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を少なくとも1つ含有する製剤は、繊維状または平面状基材の洗浄、ケアおよびコンディショニングに特に用いられる。これらが色付けされる場合は、それらのカラー印象はかなり維持されるはずである。
【0169】
さらに、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を少なくとも1つ含有する製剤は、ケラチン含有物質の洗浄、ケアおよびトリートメントおよびコンディショニングに役立つ。というのは、羊毛用、ワックス用、および/または、ボリュームおよび/または櫛通りの良さおよび/または輝きを増やすため、および/または、例えば人間および動物の毛髪のような色付けされるケラチン含有物質から、または、同時に色付けされるはずのケラチン含有物質から色が流れ出るのを減らすための洗浄組成物として適しているからである。
【0170】
さらに、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を少なくとも1つ含有する製剤は、カラリングの作業前、作業中、作業後、ケラチン含有繊維または毛髪の洗浄、ケアおよびトリートメントのために特に使用されることができる。というのは、これらで生成されたヘアカラリング組成物は、柔らかさの向上、および/または、塗れた状態および乾いた状態でのコーミング力の減少、および/または、輝きの増加、および/または、ヘアボリュームの増加、および/または、薄く色付けされたまたは色付けされたヘアから染料を洗い流すことを減少に、同時に導くからである。
【0171】
柔軟剤製剤
形態に関し、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を不透明柔軟剤分散液または柔軟剤乳液または透明マイクロエマルションまたは溶液に組み入れることが、一方で可能である。
このような不透明または透明製剤用の通常成分は、
・柔軟剤として、第四級アンモニウム化合物、好ましくは、アルカン酸エステル単位を含有する第四級アンモニウム化合物、
・製剤の溶解度および透明性を向上させるための有機溶媒、好ましくは、一価アルコールおよび多価アルコール、例えばエタノール、2−プロパノール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、へキシレングリコール、ジプロピレングリコール、エステルおよびグリコールとオリゴグリコールのエーテル、例えば、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレンモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジアセテート、
・柔軟剤成分の可溶性を向上させるための、長鎖炭化水素のジオールおよび高級アルコール、例えば、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、
・乳液安定化またはマイクロエマルション生成のための非イオン性界面活性剤、好ましくは、C〜C40の分岐または非分岐アルコールのアルコキシレートおよびアルキレンオキシドの脂肪酸エステル、
・香水、
・粘度調整剤、
・染料
・防腐剤、である。
記載された追加の機能性成分および好ましい代表的なものは、例えば米国特許第6376455号から公知である。
【0172】
他方、本発明のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を洗濯物消臭剤系の固体担体に適用し、その後、消臭されるべき、または、柔らかくされるべき織物と洗濯物乾燥機中で接触させることが可能である担体の洗濯物消臭剤系およびそれらの機能性成分は、例えば、米国特許第4824582号、米国特許第4808086号、米国特許第476850号、米国特許第4749596号および米国特許第3686025号から公知である。
このような担体の洗濯物消臭剤系の通常成分は、
・コンディショニング剤として、脂肪族アミンまたはそのアニオン性界面活性剤との錯体、
・柔軟剤として、第四級アンモニウム化合物、好ましくは、アルカン酸エステル単位を含有する第四級アンモニウム化合物
・非イオン性柔軟剤、例えば、ソルビタンエステル、脂肪アルコールアルコキシレートを基にしたもの
・「防汚剤」、例えば、セルローズエーテル、グアガム、テレフタル酸ブロック共重合体を基にしたものである。
【0173】
担体材料は、洗濯物消臭剤製剤を十分吸収できるキャパシティのあるスポンジ状、または多孔シート状材料である。「織物」および「非織物」材料が用いられる。材料は天然または合成ポリマー、例えば、羊毛、綿、サイザル麻、麻、セルロースエステル、ポリビニル化合物、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタンおよびポリエステルに基づく。
【0174】
さらに、本発明は、少なくとも1つの式(10)の化合物
【0175】
【化34】


(10)
{式中、STはSTまたはST(上記で定義される通り)であり、YはYまたはY(上記で定義される通り)であり、STまたはSTは上記で定義される通りである}と、
少なくとも1つの下記式の化合物
H−Y−ST−Y−H
{式中、STはSTまたはST(上記で定義される通り)であり、Yは上記で定義される通りである}とを含む反応性組成物に関する。
ただし、基STの少なくとも1つはポリ有機シロキサン基を含む。
【0176】
本発明の反応性組成物の好適な実施形態では、Y=NRであり、式中Rは上記で定義される通りで、好ましくは水素であり、STおよびSTはそれぞれ−CH−である。
さらに、本発明は、少なくとも1つの式(13)の化合物
【0177】
【化35】


(13)
(式中、ST、ST、YおよびSTは上述の通りである)と、
少なくとも1つの下記式の化合物
HY−ST−NR
(式中、ST、YおよびRは上記で定義された通りである)と、
少なくとも1つの下記式の化合物
Q−ST4V−Q
(式中、Qはアミノ基をアルキル化することができる基であり、ST4Vは四級化反応後のQ由来の分子部分とともに、基STを形成する)とを含む。
ただし、基ST、STおよび/またはSTの少なくとも1つはポリ有機シロキサン基を含む。
【0178】
上述の反応性組成物において、STおよびSTはそれぞれ−CH−であり、YおよびYはそれぞれ独立に−NR−であり、ここでRは上記で定義される通りであり、好ましくは水素である。
【0179】
さらに、本発明は、上述の反応性組成物を硬化させることにより得られる硬化組成物に関する。この工程において、コーティングおよびエラストマー成形品が特に形成される。
【0180】
上述の硬化組成物は、特に、熱および/または触媒添加によって硬化されることができる。この場合、反応性組成物は、特に1C(1成分)組成物として用いられる。より好ましくはないが、2C(2成分)組成物としても用いられる。
【0181】
さらに、本発明は、式(12)の新規化合物
【0182】
【化36】


(12)
{式中、STはSTまたはST(上記で定義される通り)であり、YはYまたはY(上記で定義される通り)であり、STまたはSTは上記で定義される通りである}に関する。
ただし、基STは少なくとも1つのポリ有機シロキサン基を含み、反応性組成物にて使用されてもよい。
【0183】
上記化合物において、STは好ましくはST(上記で定義される通り)であり、STおよびSTはそれぞれ−CH−であり、Yは好ましくはYであり、好ましくはNRであり、ここでRは上記で定義される通り、好ましくは水素である。
【0184】
STが特に三価基または四価基であるより高機能化された化合物を使用することによって、ポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の分岐/架橋が起こる。例えば、硬度および弾性のような各種使用パラメータは、特にこの手段で設定可能である。
本発明は、さらに以下の実施例により示される。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0185】
下記構造のフェノールエステル5.2g(0.022モル)と、
【0186】
【化37】


下記構造のアミノシロキサン49gと、
【0187】
【化38】


1−ブタノール15gを、窒素雰囲気下のフラスコ内で混合させた。
混合物は120度で9時間加熱され、反応中にフェノールが分離し、下記式の化合物を含有する反応混合物ができる。
【0188】
【化39】


その後、HNCHCHCHN(CH2.04g(0.02モル)を加え、その混合物をさらに120度で9時間加熱した。
最後に、下記構造のエステル2.59g(0.01モル)
【0189】
【化40】


を滴下し、混合物をさらに120度で18時間攪拌した。
【0190】
反応の結果、分離された生産物として、フェノールに加えて下記構造要素を含むポリマーが得られた。
【0191】
【化41】





式中、ST
【0192】
【化42】


ST
【0193】
【化43】


ST=CHCHCH
である。
【実施例2】
【0194】
下記構造のカーボネート
【0195】
【化44】


式中、a+c=3.6およびb=9、を末端に有するポリアルキレンオキシド誘導体7.36g(8.04モル)と、
下記構造
【0196】
【化45】


から生成されたCOClおよびJeffamin ED600(Huntsman Corp)と、
NCHCHCHN(CH1.69g(16.1モル)および
プロピレングリコールモノメチルエーテルとを、まず窒素雰囲気下のフラスコに入れ、混合物を116度から118度で15時間、攪拌しながら加熱した。
その後、下記構造
【0197】
【化46】


のエポキシシロキサン50g(8.04ミリモル)、脱イオン水1gおよび酢酸0.97g(16.1ミリモル)の混合物を加えた。これらの総混合物を116度から120度で10時間加熱した。
【0198】
反応の結果、下記構造要素を含むポリマーが得られた。
【0199】
【化47】






式中、
Ac=CHCOO
ST
【0200】
【化48】


a+c=3.6およびb=9、
ST
【0201】
【化49】


ST=CHCHCHである。
【0202】
実施例1および実施例2によるポリマーは、0.5〜3%の量で、アニオン性および/または非イオン性界面活性剤系の粉末および液状洗剤に組み込まれ、洗濯される繊維材料に対して特に柔軟作用を及ぼす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)の少なくとも1つの構成要素を含むポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、
【化1】

(1)
式中、YおよびYはそれぞれ独立に−O−、−S−および−NR−から選ばれ、
は水素または40個までの炭素原子を有する、−O−、−C(O)−、−NH−および−NR−から選ばれる1以上の基を含んでもよい、直鎖、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族炭化水素基であり、Rは上記で定義される通りであり、
STおよびSTは、それぞれ独立に、1,000個までの炭素原子を有し、−O−、−C(O)−、−NH−、−NR
【化2】


および2〜1,000個のシリコン原子を有するポリ有機シロキサン単位から選ばれる1以上の基を含んでもよい、二価から二価以上の直鎖、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族、置換または非置換の炭化水素基から選ばれ、
式中、Rは40個までの炭素原子を有する、−O−、−C(O)−、−NH−から選ばれる1以上の基を含んでもよい、直鎖、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族炭化水素基であり、
は100個までの炭素原子を有する、−O−、−C(O)−、−NH−から選ばれる1以上の基を含んでもよい、直鎖、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族炭化水素基であり、
また、基STおよび/またはST内に環状構造を形成する二価の基であり、
または、STとSTの近くのYの一方か両方、および/または、STとSTの近くのYの一方か両方は、それぞれの場合、窒素含有複素環式基を形成することができ、
式中、複数のST基が存在する場合は、これらは同一であっても異なっていてもよく、複数のST基が存在する場合は、これらは同一であっても異なっていてもよく、
STは、適宜、1〜12個の炭素原子を有する置換、二価、直鎖、環状または分岐状の、飽和または不飽和の炭化水素基であり、
STは、適宜、1〜12個の炭素原子を有する置換された、二価、直鎖、環状または分岐状の、飽和または不飽和の炭化水素基であり、
ただし、基ST、および/またはSTの少なくとも1つはポリ有機シロキサン基、酸添加化合物および/またはそれらの塩を含む、ことを特徴とするポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物。
【請求項2】
ポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、STおよびSTはそれぞれ−CH−であり、その結果、式(I)は下記構造をとり、
【化3】


式中、Y、Y、STおよびSTは上記で定義される通りであることを特徴とするポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の直鎖ポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、STおよびSTはどの場合も二価の基であることを特徴とする化合物。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の分岐ポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、基STまたはSTの少なくとも1つは三価または四価であることを特徴とする化合物。
【請求項5】
少なくとも1つの式(2)のポリ有機シロキサン構成要素を含む、請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、
【化4】

(2)
式中、Rは、20個までの炭素原子を有する、直鎖、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族炭化水素基であり、sは1〜999であることを特徴とするポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物。
【請求項6】
少なくとも2つの前記式(1)のポリ有機シロキサン構成要素を含むことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物。
【請求項7】
少なくとも2つの前記式(2)のポリ有機シロキサン構成要素を含むことを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物。
【請求項8】
少なくとも2つの前記式(1)の繰り返し単位を含むことを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、
=−NR−であり、Rは上記で定義される通りであることを特徴とする化合物。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、
およびYが−NR−であり、Rは上記で定義される通りであることを特徴とする化合物。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、
およびYが−NH−であることを特徴とする化合物。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、
アミノ基、プロトン化アミノ基および/または第4アンモニウム基を含むことを特徴とする化合物。
【請求項13】
請求項1または12に記載の直鎖ポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、
ST=STであり、前記STおよび前記STはどの場合も二価であることを特徴とする化合物。
【請求項14】
請求項1から請求項12のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、
ST≠STであることを特徴とする化合物。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、
STは次式であることを特徴とする化合物。
【化5】


(式中、sは上記で定義される通りであり、rは1〜12である。)
【請求項16】
請求項1から請求項12のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、
STは下記式で表される基であり、
−ST−N(R−ST−N(R−ST
式中、Rは上記で定義される通りであり、
STは2〜100の炭素原子を有する、−O−、−C(O)−、−NH−、−NRにより置換されてもよい、直鎖、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族、置換または非置換炭化水素基であり、
は上記で定義される通りであり、
STは2〜100の炭素原子を有する、−O−、−C(O)−、−NH−、−NRにより置換され、および、2〜200のシリコン原子を有するポリ有機シロキサン単位により置換されてもよい、直鎖、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族、置換または非置換炭化水素基であり、
式中Rは上記で定義される通りであることを特徴とするポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物。
下記式のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、
【化6】


式中、ST、ST、ST、RおよびRは上記で定義された通りであり、
は有機または有機アニオンであり、
ただし、基ST、STおよびSTの少なくとも1つはポリ有機シロキサン単位を含むことを特徴とする請求項1から請求項12および請求項14から請求項16いずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物。
【請求項17】
請求項1から請求項17のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、
STは、15個までの炭素原子を有する二価の直鎖炭化水素基、例えば、ヘキサメチレンと、
15個までの炭素原子を有する二価の単環または多環炭化水素基、例えば、
【化7】


と、
15個までの炭素原子を有する二価の芳香族炭化水素基、例えば、下記式で表される2,4−トルイル、2,6−トルイル、ビスフェニルメタンおよびナフチレン構造に基づくものと、
【化8】


二価または二価以上の基であって、例えば、
・第一級または第二級アミノ末端ポリエーテル、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド系ポリエーテル、
・NHを末端に有するポリアミド、
・NHを末端に有するポリエステル、および
・NHを末端に有するポリ尿素などの第一級および第二級アミノ官能化プレポリマーに由来する基とからなる群から選ばれることを特徴とする化合物。
【請求項18】
請求項1から請求項12および請求項14から請求項18のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物であって、
STはポリアルキルエノキシ基を含む基を表し、STはポリ有機シロキサン基を含むことを特徴とする化合物。
【請求項19】
請求項1から請求項19のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の生成方法であって、
下記式で表される化合物
【化9】


{式中、ST=STまたはST(上記で定義される通り)であり、Y=YまたはY(上記で定義される通り)であり、STまたはSTは上記で定義される通りである}と、
下記式の化合物
【化10】


(式中、STはSTまたはSTであり、およびYは上記で定義される通りであり、基STおよび/またはSTの少なくとも1つはポリ有機シロキサン基を含む)とを反応させることを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項20に記載の方法であって、
Y=NRであり、式中Rは上記で定義される通りで、好ましくは水素であり、STおよびSTはそれぞれ−CH−であることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項1から1〜請求項19のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の生成方法であって、
下記式で表される化合物
【化11】


(式中、ST、ST、YおよびSTは上述の通り)と、
下記式の化合物、
HY−ST−NR
(式中、ST、YおよびRは上記で定義された通り)と
下記式の化合物、
Q−ST4V−Q
(式中、Qはアミノ基をアルキル化することができる基であり、ST4Vは四級化反応後のQ由来の分子部分とともに、基STを形成するもの)と、を反応させることを含み、
基ST、STおよび/またはSTの少なくとも1つはポリ有機シロキサン基を含むことを特徴とする生成方法。
【請求項22】
請求項22に記載の方法であって、
STおよびSTはそれぞれ−CH−であり、YおよびYはそれぞれ独立に−NR−であり、式中、Rは上記で定義される通りであり、好ましくは水素であることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22または請求項23に記載の方法であって、
Qはエポキシ基およびハロアルキル基から選ばれることを特徴とする方法。
【請求項24】
塗料、表面改良剤、エラストマー、熱硬化性樹脂、接着剤、金属およびプラスチック表面用下塗剤、ポリマー添加剤、洗剤添加剤、レオロジー剤、化粧品、および繊維改良剤の生成のための、請求項1から請求項19のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物の用法。
【請求項25】
請求項25に記載の用法であって、
硬表面、例えば、ガラス、セラミック、タイル、コンクリート、および、車体および船体等の金属部品等の硬表面の塗料または表面改良剤を生成するためであることを特徴とする用法。
【請求項26】
請求項25に記載の用法であって、
シリコンエラストマーを他の基材(例えば、鋼鉄、アルミニウム、ガラス、および、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィドおよびポリテレフタレートなどのポリエステル等のプラスチック)と接着させる下塗剤の生成のためであることを特徴とする用法。
【請求項27】
請求項25に記載の用法であって、
熱可塑性プラスチック、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレートおよびポリカーボネートのための変性剤の生成のためであることを特徴とする用法。
【請求項28】
低温衝撃改質剤の生成のための、請求項28に記載の用法。
【請求項29】
請求項25に記載の用法であって、
エラストマーに過酸化的にまたはヒドロキシル化(白金触媒)によって架橋されてもよいシリコンゴム用混合成分としての粘度調整剤、静電気防止剤、防曇塗料の生成のための、および、織物繊維の洗濯前・中・後の処理用織物繊維柔軟剤、毛、綿繊維などの天然繊維およびポリエステル繊維およびポリアミド繊維などの合成繊維および混合繊維の改質剤、織物仕上剤、洗剤や洗浄組成物のような洗剤含有製剤の生成のためであることを特徴とする用法。
【請求項30】
請求項1から請求項19のいずれか1つに記載のポリカーボネートおよび/またはポリウレタンのポリ有機シロキサン化合物を少なくとも1つ含む洗剤製剤、化粧品製剤および繊維処理用製剤。
【請求項31】
少なくとも1つの下記式の化合物
【化12】


{式中、STはSTまたはST(上記で定義される通り)であり、YはYまたはY(上記で定義される通り)であり、STまたはSTは上記で定義される通りである}と、
少なくとも1つの下記式の化合物
H−Y−ST−Y−H
{式中、STはSTまたはST(上記で定義される通り)であり、Yは上記で定義される通りである}と、を含み、
基STの少なくとも1つはポリ有機シロキサン基を含むことを特徴とする反応性組成物。
【請求項32】
請求項32に記載の反応性組成物であって、
Y=NR(式中Rは上記で定義される通りで、好ましくは水素であり、STおよびSTはそれぞれ−CH−である)ことを特徴とする反応性組成物。
【請求項33】
少なくとも1つの下記式の化合物
【化13】


(式中、ST、ST、YおよびSTは上述の通りである)と、
少なくとも1つの下記式の化合物
HY−ST−NR
(式中、ST、YおよびRは上記で定義された通りである)と、
少なくとも1つの下記式の化合物
Q−ST4V−Q
(式中、Qはアミノ基をアルキル化することができる基であり、ST4Vは四級化反応後のQ由来の分子部分とともに、基STを形成する)と、を含み、
基ST、STおよび/またはSTの少なくとも1つはポリ有機シロキサン基を含むことを特徴とする反応性組成物。
【請求項34】
請求項32に記載の反応性組成物であって、
STおよびSTはそれぞれ−CH−であり、YおよびYはそれぞれ独立に−NR−であり、式中、Rは上記で定義される通りであり、好ましくは水素であることを特徴とする反応性組成物。
【請求項35】
請求項32から請求項35のいずれか1つに記載の反応性組成物を硬化させることによって得られる硬化組成物。
【請求項36】
コーティングおよびエラストマーから選ばれる、請求項36に記載の硬化組成物。
【請求項37】
下記式の化合物であって、
【化14】


STはSTまたはST(上記で定義される通り)であり、YはYまたはY(上記で定義される通り)であり、STまたはSTは上記で定義される通りであり、
基STは少なくとも1つのポリ有機シロキサン基を含むことを特徴とする化合物。
【請求項38】
請求項38に記載の化合物であって、
STはST(上記で定義される通り)であり、STおよびSTはそれぞれ−CH−であり、Y=Yであり、NRであり、Rは上記で定義される通り、好ましくは水素であることを特徴とする化合物。

【公表番号】特表2010−529217(P2010−529217A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508841(P2010−508841)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【国際出願番号】PCT/EP2008/056260
【国際公開番号】WO2008/142109
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(599092697)モーメンテイブ・パーフオーマンス・マテリアルズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (9)
【氏名又は名称原語表記】Momentive Performance Materials GmbH
【Fターム(参考)】