説明

ポータブルナビゲーション装置

処理手段と、グラフィック表示装置と、メモリと、前記メモリに格納された地図データと、ユーザ入力手段と、1つ以上の無線信号を受信する信号受信手段とを具備するポータブルナビゲーション装置(PND)であって、無線信号によって、プロセッサは、PNDの現在の場所を判定できると共に、ユーザ入力と関連して所望の目的地情報を判定でき、且つルート計算機能及びその後に続くナビゲーション機能を実行でき、それらの機能はPNDにインストールされたソフトウェアにより実行されるPNDが開示される。PNDは、サードパーティ装置又はサードパーティシステムに物理的に接続可能なコネクタを更に具備する。本発明によれば、PNDは、上記物理的接続を介して、車両コントローラエリアネットワークとの通信を確立することによりコントローラエリアネットワーク上の1つのノードとなるように構成され且つコントローラエリアネットワーク上の他のノードと通信可能となり、ノードの各々は、コントローラエリアネットワーク全体に配信され且つPNDにより受信される1つ以上の信号により表現される機能性を有することを特徴とする。本発明は更に、PNDは、PNDと1つ以上のノードとの通信を可能にする第1のソフトウェア翻訳層と、他のノードのうち1つ以上のノードと有効に通信し且つそれらの機能性を利用するようにそれらのノードの機能性に特定された1つ以上のルーチンを含む第2のソフトウェアルーチン層とを含むことを特徴とする。サードパーティ装置の例には、ハンズフリー通信モジュール、ゲートウェイノード及び車両ステレオシステム、エンジン管理システム、シート位置調整装置、多機能ハンドル、ダッシュボードディスプレイ及びコンソールディスプレイ、一体型ナビゲーションシステムなどが含まれる。本発明により、PNDは、コントローラエリアネットワークからの情報を受信して解釈し、そのネットワークのノードを形成する1つ以上の装置から、PNDに表示するため又はPNDの動作を改善するための情報を検索するか、もしくはコントローラエリアネットワークのノードを形成する装置のうち1つ以上の装置を制御させるか又はその状態を変化させることができる。コントローラエリアネットワークのノードとして音声認識システムが設けられている場合、PNDの音声制御も可能であり、更に、車両内部のコントローラエリアネットワークにカーステレオが接続されている場合、PNDにより発行された音声命令をカーステレオを通して再生できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポータブルナビゲーション装置に関し、特に、自動車のシステムとインタフェースできるポータブルナビゲーション装置を定義する。
【0002】
ポータブルナビゲーション装置(「PND」)は、衛星信号(例えばGPS又はGalileo)から導出される場所データ及び装置において実行されるルート発見アルゴリズムに基づいてルート誘導を実行する装置である。PNDは車両に容易に着脱可能である。従って、PNDは、車両の工場内組み立ての一部として設置され且つ車両内部の固定取り付けシステムであるとみなされる埋め込み型ナビゲーション装置とは異なる。
【背景技術】
【0003】
車内ナビゲーション用として、TomTom International B.V.のGOTM装置及びONETM装置などのポータブルナビゲーション装置はますます普及している。これに対し、埋め込み型車両ナビゲーションシステムのマーケットシェアは全体として減少している。その理由はいくつかある。第1に、埋め込み型車載ナビゲーションシステムは、エンドユーザにとってポータブルナビゲーション装置と比較して著しく高価である。第2に、一般に埋め込み型ナビゲーションシステムは最新の技術を含まない。すなわち、自動車のような極めて複雑な製品を設計する場合、自動車の売り出しに至るまで、車載ナビゲーションシステムの設計は通常3年間は凍結されなければならない。これは、車両に埋め込まれるシステムに対して実行される必要がある複雑な組み込み及び試験を実施するのに十分な時間と、自動車の製造組み立てラインをセットアップする長い準備期間とを要するためである。従って、発売後5年を経て、高価な自動車に少なくとも8年、場合によってはそれ以上に旧式な埋め込み型ナビゲーションシステムが提供される場合もある。一方、ポータブルナビゲーション装置は少なくとも毎年グレードアップされ、ニューモデルは、GPSチップセットの感度向上、地図の改訂、プロセッサの処理速度アップ並びにリアルタイム交通データなどの機能性の向上を含む場合がある。更に、ポータブルナビゲーション装置は一般に埋め込み型ナビゲーションシステムよりはるかに安価である。
【0004】
従来、ポータブルナビゲーション装置は、一般に、埋め込み型工場取り付けカーステレオのように工場で車内に設置された機器又はシステムとインタフェースする能力を備えていなかった。1つの限られた例外は、アフターサービスとして車両のダッシュボードの背後に取り付けられる(すなわち工場で取り付けられるのではない)BluetoothTMインタフェースボックスにTomTom GOを無線接続できることである。インタフェースボックスは、熟練した取り付け技術者によりカーステレオに有線接続される。これを実現するインタフェース製品の1つはTomTom Car ConnectTMである。2006年末に発売され、従って必ずしも関連する従来技術であるとは言えないTomTom Car Connectシステムは、PNDをインタフェースボックスに無線接続可能ではあるが、インタフェースボックス自体をプロの手で車両のダッシュボードの背後に取り付ける必要があった。しかし、一般ユーザの多くはGOポータブルナビゲーション装置のために専用インタフェースボックスをプロの手で車両のダッシュボードの背後に取り付ける手間又は費用を望まないため、この方法の採用は極めて限定されると思われる。
【0005】
別の解決策はToyota Aygoにおいて使用されている。この自動車では、GOドックをインタフェースボックスに永久的に配線する必要があった。インタフェースボックス自体は車両のラジオ/スピーカに配線される。これは工場内組み立ての一部として実行された。そのため、ユーザは、必要に応じてGOをドックに簡単に装着できた。しかし、この場合にも、専用インタフェースボックスを取り付けるのに相当の費用と手間がかかる。ポータブルナビゲーション装置の永久取り付けドックに適応するようにダッシュボードを構成する必要もある。
【0006】
しかし、移動電話をハンズフリーモードで使用できるようにするために、カーステレオに接続された無線インタフェースを提供することは周知である。ParrotTM Bluetoothハンズフリー車両キットはよく知られた例である。しかし、TomTom Car ConnectTM装置の場合と同様に、それらのキットも慎重に取り付ける必要があるので、その魅力は限定される。
【0007】
車内で使用するための無線通信システムを開示する国際公開第00/72463号パンフレット(特許文献1)を参照すると、この無線通信システムにより、ノート型パソコン、携帯電話及びページャは、オンボードナビゲーションシステムなどの車内の工場取り付けサブシステムと狭域無線ネットワークを介して通信可能である。しかし、本文献は、ポータブルナビゲーション装置と工場取り付けサブシステムとの通信を可能にすることを全く説明していない。国際公開第2005/024781号パンフレット(特許文献2)についても同じことが言える。本文献は、移動電話などの種々の無線使用可能装置を音声認識エンジンに接続することを説明する。しかし、GPS装置を音声認識エンジンに接続することは説明されるが、GPS装置が任意の種類の無線インタフェースも有しているとは説明されない。また、その装置は埋め込み型ナビゲーション装置であり、ポータブルナビゲーション装置ではないと考えるのが妥当である。
【0008】
更に、米国特許出願公開第2006/0140210号明細書(特許文献3)が参照され得る。本文献は、携帯電話、車庫ドア開放装置などの装置を車内データバスに無線接続可能であり、従って、CDプレーヤ、多機能ハンドルなどのそのデータバスに接続された工場取り付けアイテムに無線接続可能である自動車用データバスを説明する。本文献は、外部GPS受信機をデータバスに接続可能であることを示唆するが、GPS受信機が接続できるデータバス上の既存の装置の1つはナビゲーションシステムであると付け加えている。従って、この開示は、データバスを介して工場取り付け埋め込み型ナビゲーションシステムを外部GPS受信機に接続することによりナビゲーションシステムの性能を向上できることを意図しているように思われる。この場合にも、本文献は、ポータブルナビゲーション装置を自動車の工場取り付けシステムにインタフェースすることには触れていない。
【0009】
米国特許出願公開第2002/0140548号明細書(特許文献4)には、車内無線ネットワークが記載される。GPSナビゲーションシステムはポータブルナビゲーション装置ではなく、トランクに組み込まれた埋め込み型装置である。米国特許出願公開第2004/0133319号明細書(特許文献5)は、ナビゲーション機能を持たないポータブルデジタルアシスタントを車内のシステムとインタフェースするために使用する方法を説明するが、この場合にもポータブルナビゲーション装置との関連は記載されない。米国特許出願公開第2003/0212485号明細書(特許文献6)も、ポータブルナビゲーション装置のような自動ルート誘導システムとは明示して区別されるポータブル計算装置を車両のシステムとインタフェースできることに触れている。国際公開第00/74019号パンフレット(特許文献7)において、PDAは埋め込み型ナビゲーションシステムにリンクされる。
【0010】
米国特許出願公開第2003/0114980号明細書(特許文献8)は、車内又は車両の通信範囲内のリモートアプリケーションのために自動車の電子装置に無線インタフェースする方法及びシステムを開示する。リモートアプリケーションは、自動車のナビゲーションルートを提供又は改善するために自動車のモーションセンサデータを使用するナビゲーションシステムであってもよい。別の実施形態において、リモートアプリケーションは、ハンドヘルドコンピュータで実行され且つ診断手順において自動車のシステムを評価する診断ソフトウェアである。本文献は、ゲートウェイノードに接続された車両バスに接続された車両センサと、ゲートウェイノードと無線通信し且つ車両測位システムに接続された車内プロセッサとを含む車両をナビゲートするシステムを更に説明する。センサは値を測定し、ネットワークプロトコルを使用してその値をゲートウェイノードへ車両バスを介して送信する。そこで、ゲートウェイノードは、無線通信プロトコルを使用して値をプロセッサへ無線送信する。プロセッサは測位装置から初期位置を受信し、以前の位置、初期位置及びセンサ値を使用して現在の位置を計算する。2つの異なるプロトコルとネットワーク独立中間プロトコルとを含んでもよいプロトコル変換装置が開示される。本文献の発明の一実施形態において、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)作業グループ(IEEE 802.15)により作成された新規の世界規格であるBluetoothは、コントローラエリアネットワーク(CAN)を介する車内電子装置への無線インタフェースを提供する。CANは、ISO 11898(高速アプリケーション用)及びISO 11519(低速アプリケーション用)に記載される国際規格である。ナビゲーションシステム又はハンドヘルドコンピュータで実行されるナビゲーションソフトウェアなどのリモートアプリケーションは、車内又は車両の通信範囲内のホストを介してこのインタフェースに接続可能である。
【0011】
更に、米国特許出願第09/687,181号明細書は、車両バス上のデータ及び電子制御ユニット(ECU)のメモリ内のデータに対して無線リンクを介して狭域無線アクセスを実行するシステムを説明する。本願は、ゲートウェイノード及びBluetoothハードウェアセットと通信する車両バス上のCAN(コントローラエリアネットワーク)プロトコルにインタフェースすることを説明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第00/72463号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2005/024781号パンフレット
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0140210号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2002/0140548号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2004/0133319号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2003/0212485号明細書
【特許文献7】国際公開第00/74019号パンフレット
【特許文献8】米国特許出願第2003/0114980号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は添付の請求の範囲に記載される通りである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、車両のデータ転送ネットワーク及びデータ転送ネットワークを介して通信してもよい装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
自動車の中で使用できるポータブルナビゲーション装置の一実現例を参照して本発明を説明する。PNDの実現例は次のような多くの重要な特徴を含む。
・PNDは、工場で自動車に設置され且つ車両の工場取り付けサブシステムの間でデータを送信するデータバスとインタフェースするように構成される。
・PNDは、工場で自動車に設置されたデータバスとの間でデータを交換するように構成され、装置はデータバスを介して自動的に情報が送出され且つその情報は装置によりルート誘導において使用される。
・PNDは、工場で自動車に設置されたデータバスと通信し且つハンズフリー呼び出しを可能にする対話型音声認識サブシステムとインタフェースするように構成され、音声認識サブシステムはユーザからの音声ナビゲーション命令を処理する。
・PNDは、音声誘導命令を生成し且つそれらの命令を符号化したデータを規格に基づくオープンオーディオストリーミングプロトコルによって工場設置車両データバスを介して、工場で自動車に取り付けられた通信モジュール/サブシステムへ送出し、それにより、同様に工場で自動車に取り付けられたスピーカから音声案内を出力できるように構成される。
・PNDは、工場設置データバスと通信する自動車の工場取り付け埋め込みサブシステムの機能を所定のユーザが使用することによりユーザ自身を独自に識別する場合、そのユーザに対して自動的にカスタマイズされるように構成される。
・PNDは、車両の工場設置データバスと接続し且つ同様にデータバスに接続された工場取り付けサブシステムからの情報をユーザが選択、制御又は受信及び/又は表示することを可能にする制御要素又はメニュー項目を表示するように動作可能なタッチスクリーンを提供するように構成される。
【0016】
本発明の実施形態の一例が図1に示される。図1のシステムは車両内部にあるか又は車両に設置される。車両は自動車、バン、トラック、バイク、バス又は大型バス、移動住宅、RV車、戦車、装甲車、オフロードカー、船舶、ボート又は他の任意の種類の周知の自動車であってもよい。図1において、ポータブルナビゲーション装置11は、単純なケーブルのような物理的接続を介してネットワークデータバス12に接続される。接続17は、車両コントローラエリアネットワークの1つのノードになることによってネットワークデータバス12との間でポータブルナビゲーション装置11がデータを送受信できるような接続であってもよい。装置13、14及び15も無線接続を介してデータバス12に接続され、コントローラエリアネットワークの全体における他のノードを形成する。装置16、100、101、104及び105は、例えば電気接続であってもよい非無線接続を介してデータバス12に接続される。18は無線接続の一例である。19は非無線接続の一例である。装置13、14及び15の例は、それぞれ車庫ドア開放装置、セキュリティゲート開閉装置及びインターネットへの接続を可能にする装置である。装置16、100、101、104及び105の例は、それぞれフォグランプ、オンボードコンピュータ、車両のオーディオスピーカシステム、音声認識インタフェース及びシステム、並びに燃料タンクの燃料レベルセンサである。ネットワークバス12の一例はCANバスであり、装置13、14、15、16、100、101、104、105は、前記バス12の制御下のサブシステム又はノードと総称される。本発明の実施形態の他の多くの例が当業者には明らかであろう。図1は、ポータブルナビゲーション装置11とは別に、他の3つの装置13、14及び15がネットワークデータバス12に無線接続され且つ他の5つの装置16、100、101、104及び105が非無線接続を介してネットワークデータバス12に接続されることを示すが、無線接続又は非無線接続を介して任意の数の装置がネットワークデータバス12に接続されてもよいことは当業者には理解されるであろう。
【0017】
本発明によれば、PND11にオペレーティングソフトウェア、第1ソフトウェア翻訳レイヤ11A、および、1つまたは複数のルーチン11B,11C,11Dを有する第2ソフトウェアルーチンレイヤが提供される。1つまたは複数のルーチン11B,11C,11Dは、他のノードまたはデバイス13,14,15,16,100,101,104,105の1つまたは複数の機能に特化されており、それらと効率的に通信しそれらの機能を利用できるようになっている。翻訳ソフトウェアレイヤはPNDに提供され、コントローラエリアネットワークまたはそこに提供されている種々の装置の独自の信号を、PNDオペレーティングソフトウェアやそれらと相互に作用する1つまたは複数のルーチン11B,11C,11Dに独自のあるいはそれらが認識可能な信号に変換する。従って、レイヤ11Aは、PNDと車両のデータバス、コントローラエリアネットワークおよびそれらのノードとの間に有効な双方向通信を生成するために、ソフトウエアおよび/または、PNDと車両コントローラエリアネットワークとの間のハードウェアゲートウェイとして動作する。
【0018】
更に、コントローラエリアネットワーク(CAN)はバス12及びバス12に接続された種々のノードの双方を含む。図1において、ネットワークのトポロジーはスター型トポロジーであるが、他のトポロジーも可能である。特に、リング型、メッシュ型、ツリー型、ライン型又は完全接続型のトポロジーが可能であり、本発明の範囲内に含まれる。
【0019】
図1に示される本発明の一実施形態により実現できる効果の一例を示す。図1に示されるシステムが搭載された車両の運転者がセキュリティゲートにより保護された自宅に近づいている。ポータブルナビゲーション装置11は車両の位置及び経路を認識し、目的地のセキュリティゲートにまもなく到着すると判定する。ポータブルナビゲーション装置11は、バス12を介してセキュリティゲート開閉装置14にセキュリティゲートを開放することを命令する。車両の位置及び経路に基づき、セキュリティゲートを通過したことをポータブルナビゲーション装置11が認識した場合、ポータブルナビゲーション装置11は、バス12を介してセキュリティゲート開閉装置14にセキュリティゲートを閉鎖することを命令する。次に、ポータブルナビゲーション装置11は、バス12を介して車庫ドア開放装置13に車庫のドアを開放することを命令する。尚、これらの開閉動作は、運転者が口頭命令を発することなく又はボタンを押すことなく実行される。車両の運転者の中には、このような煩わしい行為が少なくなることを好都合であると考える者もいるだろう。運転者の自宅の入口にあるセキュリティゲートの場所などの地図上の特定の場所から定義された距離の中に車両が到達した場合に関連データパケットを関連する装置に送信させることができるポータブルナビゲーション装置11のメニューを使用して、上記の機能は事前にセットアップされている。
【0020】
図1に示される本発明の一実施形態の別の例は、図1に示されるシステムが搭載されている車両の中にいる運転者の例である。車両は移動中であり、行程の中で霧によって視界が悪い区域にまもなく入ろうとしている。そこで車両のフォグランプが点灯すれば、安全性は向上すると考えられる。ポータブルナビゲーション装置11は、運転者にとって危険なほど霧が深いのはその地域のどの領域であるのかに関するデータを求めて装置15を介してインターネットを適宜探索する。そのようなデータは、例えば気象庁から入手できる。ポータブルナビゲーション装置11が既知の車両の位置及び所期の行程に基づいて、霧が出ると予報されている領域に車両が進入する少し前に、ポータブルナビゲーション装置11はバス12を介してフォグランプ16を点灯する。霧が出ると予報されている領域から車両が出たすぐ後に、ポータブルナビゲーション装置11はバス12を介してフォグランプ16を消灯する。ポータブルナビゲーション装置11が既知の情報と関連して使用されるインターネットから入手可能な情報に基づいてポータブルナビゲーション装置11が実行する決定の結果としてフォグランプを点灯させるための接続が実現される車両の数が増すほど、通行の安全性の向上により大きく寄与することになるであろう。そのような接続機能は、例えばフォグランプを使用しないことによって、警戒レベルの低い運転者又は安全保持の意識が低い運転者が交通事故を引き起こす危険性を低下するという利点を有する。これにより、例えば、濃霧という気象条件の中の混雑した道路における車両の玉突き事故を回避できるという利点が得られるであろう。これは、そのような大事故によって迷惑をこうむると思われる人々にも好都合であろう。
【0021】
図1に示される本発明の一実施形態の更なる例は、図1に示されるシステムが搭載されている車両の中にいる運転者の例である。車両は移動中であるが、現在、間近で起こった交通事故などによって交通渋滞が起こったばかりである場所を通過する行程の途中にある。渋滞が最近起こった場所に関するデータを求めて、ポータブルナビゲーション装置11は装置15を介してインターネットを適宜探索する。あるいは、他の何らかのメカニズムを使用して(例えば、装置自体が内部GPRSチップセット又はGSMチップセットなどの通信機能を有してもよい)、交通データが装置へ送出されてもよい。装置はローカルピコネットを介して手近な移動電話に接続し、移動電話がリモート交通データサーバに接続してもよい。いずれにしても、そのようなデータは、例えば加入申し込みによってインターネットデータ提供サービスから入手可能である。そのようなデータは、例えば出発前に行程を計画する際にも使用可能である。ポータブルナビゲーション装置11によりわかる車両の位置及び所期の行程に基づいて、ポータブルナビゲーション装置11は、新たな状況の下での最適なルートを探索する。最適なルートが当初計画されたルートとは異なる場合、ポータブルナビゲーション装置11は、ポータブルナビゲーション装置11の画面及び/又は車両のスピーカ101を通して、当初の計画ルートが現時点では最適のルートではなくなったことを運転者に忠告し、新たな状況の下で最適である新たなルートに切り替える許可を要求する。運転者は、ポータブルナビゲーション装置11のタッチスクリーンを使用することにより又は音声認識インタフェース及びシステム104により処理される口頭コマンドを発することにより、その要求を受け入れるか又は拒絶してもよい。ポータブルナビゲーション装置11が既知の情報と関連して使用されるインターネットから入手できる情報に基づいてポータブルナビゲーション装置11により新たなルートの選択肢が提示された後に車両の運転者が実行する決定の結果として、先に選択された車両ルートの変更を可能にするための接続が実現された場合、車両の運転者は運転時間の短縮という利点を得られるであろう。
【0022】
図1に示される本発明の一実施形態の更なる例は、図1に示されるシステムが搭載されている車両の中にいる運転者の例である。出発に先立って、危険が存在するか否かを知るために、車両の外の気温が測定される。ポータブルナビゲーション装置11は、車両の温度計から又はインターネット15への接続を可能にする装置からネットワークデータバス12を介して気温データを入手してもよい。例えば、気温が氷点より低いか又はそれに近い場合、ポータブルナビゲーション装置11は、走行中に道路上で凍結部分に遭遇する確率が低下するという理由により安全性が高いと考えられるルートを選択するオプションを運転者に提示してもよい。あるいは、気温データに基づいて、ポータブルナビゲーション装置11は、運転時間が長くなると推定されることを運転者に報告してもよい。これは、道路に凍結部分がある場合、運転速度を落とすことが望ましいためである。あるいは、インターネット15への接続を可能にする装置を介するなどして、車両の位置で測定された気温データがポータブルナビゲーション装置11によりネットワークデータバス12を介してサーバに報告されてもよい。
【0023】
図1に示される本発明の一実施形態の更なる例は次の通りである。ポータブルナビゲーション装置11とネットワークバス12との間のインタフェースは、BluetoothTMリンクなどの狭域無線リンク17である。インタフェースをセットアップする動作又はインタフェースを遮断する動作のようなポータブルナビゲーション装置11とネットワークバス12との間のインタフェースの動作は、ユーザにより制御されてもよい。ユーザは、ポータブルナビゲーション装置の画面上に示されるメニュー項目と対話することによりインタフェースを制御してもよい。ネットワークバス12に接続された1つ以上の装置、例えば可聴音楽再生のためのスピーカを含むハイファイサブシステム又はステレオサブシステムなどに配信する目的で音声をストリーミングするために、インタフェースは改良型音声配信プロファイル(A2DP)を使用してもよい。尚、そのような再生はPND11によりデジタル形態で実現される。ストリーミングされる音声は、MP3ファイルの形態であってもよく、あるいは他の何らかの周知のフォーマットであってもよい。ネットワークバス12はコントローラエリアネットワーク(CAN)バスであってもよい。車両の運転者はポータブルナビゲーション装置11を使用して行程の目的地を選択し、ポータブルナビゲーション装置11は、その行程の計画ルートを生成する。行程の進捗状況に基づいて、ポータブルナビゲーション装置11は音声ナビゲーション命令を送出し、音声ナビゲーション命令はデータパケットの形態でネットワークバス12へ送信される。車両のダッシュボードにそれらの命令を表示するために、ネットワークバス12はそれらの命令を供給してもよい。そこで、ネットワークバス12は命令を車載スピーカ101に供給する。本発明の利点は、その後、運転者がポータブルナビゲーション装置11の画面を見る必要なく、必要に応じて車両の左折又は右折などのナビゲーション行動を実行できることである。道路上の交通量が多い場合などの状況では、画面を見て考えるという行為は不都合であろう。
【0024】
図1に示される本発明の一実施形態の更なる例は次の通りである。「前方の道路封鎖中。代替ルートを探せ」などのユーザからの音声ナビゲーション命令は、オンボード音声認識インタフェース及びシステム104により処理される。オンボード音声認識インタフェース及びシステム104は、ポータブルナビゲーション装置11により実行される機能に関連しているとして、このコマンドを認識する。そこで、音声認識インタフェース及びシステム104は、要求されるタスクを実行するための命令をポータブルナビゲーション装置11へネットワークバス12を介して送出する。音声認識インタフェース及びシステム104へ適切な口頭命令を発行することによって、ポータブルナビゲーション装置11の任意の利用可能な機能をユーザがアクセスしてもよいことは当業者により理解されるであろう。例えば、ポータブルナビゲーション装置11の機能は、格納された画像のスライドショーを実行すること、画面のモードをナビゲーションモードに切り替えること、口頭命令の認識を無効化すること、口頭命令の認識を有効化すること、車載スピーカ101を介して送出されるナビゲーション命令を無効化すること、車載スピーカ101を介して送出されるナビゲーション命令を有効化すること、装置の昼間モードを起動すること、装置の夜間モードを起動すること、地図にズームインすること、地図からズームアウトすること、車両の付近の関心地点を示すこと、車両の付近の関心地点を示さないこと、ハンズフリー電話呼び出しを実行すること又はポータブルナビゲーション装置11の任意の周知の機能を含んでもよい。ビデオモードの場合、ビデオデータをデータ記憶媒体に格納するため又は車両の表示画面に表示するために、ポータブルナビゲーション装置11はビデオデータをネットワークバス12にストリーミングしてもよい。ポータブルナビゲーション装置11は、インターネット接続PCとドッキングするように構成されてもよい(TomTomHomeTMサービスはこれを可能にする)。その場合、PCから装置11へ動画を容易に転送できる。そこで、装置11を車両に搭載した場合、車載エンターテインメントシステム(運転者及び同乗者全員に対応する表示画面を有する)に種々の動画を容易に流すことができる。この方式により、DVDを購入し、車載エンターテインメントシステムにそのDVDをロードする必要なく、動画を車内で視聴できる。動画(及び他の任意の種類のビデオコンテンツ;これを総称して「動画」と呼ぶ)のインターネット配信が一般的になるにつれ、既に自宅のPCにダウンロードされている動画を車両の中で利用できることは非常に重要であろう。しかし、今日の最新型の車両であっても、インターネットから動画を直接ダウンロードすることは不可能であり、それを可能にする埋め込み型システムを自動車が装備するようになるまでに長い年月を要するであろう。しかし、本実現例によれば、PND自体が、自宅のPCにダウンロードされた動画を現世代の車載エンターテインメントシステムで放映するためのキャリア及びメカニズムとなる。同様に、ポータブル記憶媒体に動画が配信される場合、埋め込み型システムを改善するより、その媒体を読み取り且つコンテンツをストリーミングするようにPNDを改善するほうがはるかに速く且つ容易である。
【0025】
ポータブルナビゲーション装置11と音声認識インタフェース及びシステム104との対話を成功させるために、ポータブルナビゲーション装置11に対するコマンドを識別するように音声認識インタフェース及びシステム104がプログラムされなければならないことは当業者には認識されるであろう。車両の製造工程中、ポータブルナビゲーション装置11に対する口頭コマンドを識別するように音声認識インタフェース及びシステム104がプログラムされてもよい。あるいは、ポータブルナビゲーション装置11と音声認識インタフェース及びシステム104が初めて通信する場合に、何らかのデータフォーマットで表現されるコマンドセット及び各コマンドに対応する音声署名をポータブルナビゲーション装置11から音声認識インタフェース及びシステム104にダウンロードさせることができるソフトウェアを音声認識インタフェース及びシステム104が有してもよい。ポータブルナビゲーション装置11が追加機能によってアップグレードされる場合、機能アップグレードが実行されたことをポータブルナビゲーション装置11が音声認識インタフェース及びシステム104に報知した時点で、ポータブルナビゲーション装置11から音声認識インタフェース及びシステム104にコマンドセット及びそれぞれ対応する音声署名の全て又は追加のコマンドセット及びそれぞれ対応する音声署名がダウンロードされる。更に別の方法によれば、ポータブルナビゲーション装置11によりポータブルナビゲーション装置11の型番が音声認識インタフェース及びシステム104へ送信された後、又は何らかのデータエントリポイントにおけるデータエントリによりポータブルナビゲーション装置11の型番が音声認識インタフェース及びシステム104に供給された後、音声認識インタフェース及びシステム104は、何らかのデータフォーマットで表現されるコマンドセット及びそれぞれ対応する音声署名を含むデータをインターネットのサイトから装置15を使用し、ネットワークバス12を介してダウンロードするか又はネットワークバス12を介してローカルエリアネットワークからダウンロードしてもよい。その場合、データ送信方法は、インターネットサイト又はローカルエリアネットワークにポータブルナビゲーション装置11の型番を供給した後に無線で実行されるか、又はUSBコネクタ、ファイアワイヤコネクタ又は他の任意の所望のインタフェースを介するなどの非無線方式で実行される。インターネットサイトのデータ又はローカルエリアネットワークのデータは、ポータブルナビゲーション装置11のメーカーにより維持されるか、音声認識インタフェース及びシステム104のメーカーにより維持されるか、又は双方のメーカーの協力により維持されてもよい。
【0026】
図1に示される本発明の一実施形態の更なる例は次の通りである。燃料タンクセンサ105からネットワークデータバス12を介して取得されるデータに基づいて、車両の燃料残量はオンボードコンピュータ100により計算される。車両の燃料残量に関するデータは、オンボードコンピュータ100からポータブルナビゲーション装置11によりネットワークデータバス12を介してアクセスされる。選択された行程に基づいて、ポータブルナビゲーション装置11は、その行程を完了するために要求される燃料の量を計算する。そのような計算を実行するに際して考慮に入れられてもよい要素は、行程中の道路又は航路における予測走行速度、所期の行程の時刻及び曜日などの要素に基づく行程の道路又は航路における混雑の度合、オンボードコンピュータ100により供給される要素であってもよく又は消費燃料及び走行距離に関する最近のデータから求められてもよい車両の燃料効率、並びに路面が濡れている又は乾燥していると思われる場合又は航路の水面が荒れている又は凪いでいると思われる場合などの予測路面条件又は予測航路条件などを含む。燃料を蓄積する燃料タンクの量の予測割合が行程の終点で何らかのあらかじめ選択された量を例えば20%下回る場合、警告メッセージがポータブルナビゲーション装置11のディスプレイに表示されるか又は車両のスピーカ101を介して告知されてもよい。そのようなメッセージは「行程の終点で残っている燃料の予測量は11%です」のようなものであってもよい。タンクに入っている燃料が行程には不十分であると予測される場合、警告メッセージがポータブルナビゲーション装置11のディスプレイに表示されるか又は車両のスピーカ101を介して告知されてもよい。そのようなメッセージは「残っている燃料は行程距離の57%を走行した時点で尽きると予測されます」のようなものであってもよい。行程の出発地点に最も近いガソリンスタンドを通る修正ルート、当初の計画ルートから可能な限り外れずに燃料を補給できる修正ルート、燃料が尽きずに当初の計画ルートに沿って可能な限り遠くまで進んだ後に燃料を補給できるルート又はルート変更なしなどの一連のオプションがポータブルナビゲーション装置11により提供されることが可能である。それらのオプションはポータブルナビゲーション装置11のディスプレイに表示され且つ/又は車両のスピーカ101を介して告知されることが可能である。ポータブルナビゲーション装置11のタッチスクリーンを介して又は車両の音声認識インタフェース及びシステム104により処理される口頭コマンドにより、好適な選択肢を選択できる。選択肢が選択された後、選択された選択肢は、ポータブルナビゲーション装置11のディスプレイに短時間表示され且つ/又は車両のスピーカ101を介して告知されることにより確認されてもよい。上記の方法を更に単純にした一実施形態は、行程中に燃料を蓄積する燃料タンクの燃料の量が20%などの何らかのあらかじめ選択された量を下回った場合に運転者に警告し、最寄りのガソリンスタンドに到着するための修正行程ルートを選択する機会を運転者に与えるというものであろう。本発明の本実施形態により得られる利点は、車両の寿命の間にガソリンスタンドに立ち寄らなければならない回数を減らすか又は最小限にし、それにより、浪費される時間を短縮できるか、あるいは車両の寿命の間にガソリンスタンドまで走行する距離を短縮するか又は最小限にし、それにより、ガソリンスタンドまで走行する際に消耗される燃料を減少できることである。
【0027】
図1に示される本発明の一実施形態の更なる例は次の通りである。特に、燃料タンクセンサ105などの車内センサからネットワークデータバス12を介して取得されるデータに基づいて、車両の性能に関する性能指標がオンボードコンピュータ100により計算される。そのような性能指標は、例えば車両の燃料効率、エンジン温度、油圧変化率、毎分エンジン回転数、車両のバッテリから流れる電流、車両バッテリ電圧又は水位に関連してもよいであろう。オンボードコンピュータ100により計算される車両の性能に関するいずれかの性能指標が許容値の範囲から外れるか又は許容値の範囲から外れた速度で変化している場合、ポータブルナビゲーション装置11のディスプレイの表示又は車両のスピーカ101を介する告知などにより警告が与えられてもよい。行程の出発地点に最も近い自動車サービスステーションを通る修正ルート、当初の計画ルートから可能な限り外れずに自動車サービスステーションに立ち寄ることができる修正ルート、性能指標の外挿値が重大な問題を引き起こす原因となる範囲に入る前に当初の計画ルートを可能な限り遠くまで進んだ上で自動車サービスステーションに立ち寄ることができるルート、又はルート変更なしなどの一連のオプションがポータブルナビゲーション装置11により提供されることが可能であろう。オプションは、ポータブルナビゲーション装置11のディスプレイの表示及び/又は車両のスピーカ101を介する告知により提供されることが可能であろう。ポータブルナビゲーション11のタッチスクリーンを介して又は車両の音声認識インタフェース及びシステム104により処理される口頭コマンドを介して、好適なオプションを選択できるであろう。オプションが選択された後、選択されたオプションは、ポータブルナビゲーション装置11のディスプレイに短時間表示され且つ/又は車両のスピーカ101を介して告知されることにより確認されてもよい。本発明の本実施形態の利点は、車両の問題が更に重大な状況に陥る前に、自動車サービスステーション又は車両のユーザにより問題を修正できることである。
【0028】
図1に示される本発明の一実施形態の更なる例は次の通りである。ポータブルナビゲーション装置11が全地球測位システムから信号を受信できない場合、ポータブルナビゲーション装置11は、ネットワークデータバス12を介してアクセスされる車両の速度データ及び方向データを使用することによって車両の位置を推定することが可能であってもよい。方向データは、例えばジャイロスコープ又はコンパスからアクセス可能である。
【0029】
図1に示される本発明の一実施形態の更なる例は次の通りである。ポータブルナビゲーション装置11は、車内で使用するために車外からオーディオデータファイル又はビデオデータファイルなどのデータファイルをインポートするために使用されてもよい。ポータブルナビゲーション装置11は車両から取り外され、自宅環境などの別の環境へ運ばれてもよい。自宅環境において、ポータブルナビゲーション装置11は、無線接続又は非無線接続を介してオーディオデータファイル又はビデオデータファイルなどのいくつかのファイルを受信してもよい。ポータブルナビゲーション装置11が車両に戻された後、例えば車内で好みの音楽を再生するため又は車内の画面で動画を放映するために、それらのオーディオデータファイル又はビデオデータファイルが使用されてもよい。それらのファイルはネットワークデータバス12を介してストリーミングされてもよい。
【0030】
図1に示される本発明の一実施形態の更なる例は次の通りである。ネットワークデータバス12及びインターネット接続15を介するか又は移動通信接続を介するなどの方法により、法的権限を有する国家組織がポータブルナビゲーション装置11とインタフェースしてもよい。ポータブルナビゲーション装置11から取得されたデータを使用することにより車両の位置を判定した上で、法的権限を有する国家組織は多様な行動をとってもよい。例えば、車両が濃霧レベルの高い領域の中にある場合、法的権限を有する国家組織は、ネットワークデータバス12へ適切なコマンドを発行することにより、車両のフォグランプを点灯してもよい。ポータブルナビゲーション装置11から取得された一連の位置読み取りデータを使用し且つ時計を参照することにより車両の速度を計算した上で、車両が制限速度を超えた場合、法的権限を有する国家組織はスピード違反チケットを発行してもよい。ネットワークデータバス12から取得されたデータから車体番号などの車両独自の識別署名を取得し、車両の位置に関してポータブルナビゲーション装置11から取得されたデータを使用し且つ時計を参照することにより、法的権限を有する国家組織は、車両が進んだ道のりに基づいて、車両と関連する銀行口座から引き落とすなどの方法で通行料金徴収システムを稼動させてもよい。
【0031】
図1に示される本発明の一実施形態の更なる例は次の通りである。ポータブルナビゲーション装置11のように工場を出た後にインストールされた品目を含む車両の電子システムのアップグレードがポータブルナビゲーション装置11のアップグレードによって実現される場合、電子システムのアップグレードを車両の電子システムの他の何らかの部分のアップグレードとしてではなく全体として実行するほうが実用的であろう。例えば、ネットワークデータバス12を介して利用可能なデータの利用改善を含めたポータブルナビゲーション装置11の機能性の追加は、新たなソフトウェアにより生成されてもよい。そのようなソフトウェアは、ネットワークデータバス12とインタフェースする装置によりポータブルナビゲーション装置11にインストールされるか、あるいはネットワークデータバス12とインタフェースするローカルエリアネットワーク又はインターネットサイトからインストールされることが可能であろう。そのようなアップグレードが可能であれば、ポータブルナビゲーション装置11のメーカーは、ポータブルナビゲーション装置11の製品発売前に製品の全てのソフトウェアを書き込んだ上で発売する必要はなく、車両の電子システムの機能性を向上できる将来のソフトウェアアップグレードを見越してポータブルナビゲーション装置11を発売できるので、アップグレード機能はメーカーにとって好都合であるといえよう。
【0032】
図1に示される本発明の一実施形態の更なる例は次の通りである。ユーザが車両の使用者である場合、車両内部の種々の装置は、独自のユーザ番号又は独自のユーザ名により示される定義済みユーザプロファイルに関して格納されたパラメータに従って構成されてもよい。例えば、車両ユーザプロファイル「Fred」は、運転席のシートがペダルへの最接近距離から10cmの位置に設定されること、シートの背もたれは垂直線からフロントガラスの方向とは逆の方向に10°の角度で傾斜していること、シートの座面は水平線からペダルに向かって5°の角度で傾斜していること、ラジオは音量レベル7でFM周波数89.0MHzに設定されること、及び車内の全ての空気放出開口部に対して少なくとも0ではない空気流量で気流温度は20℃に設定されることを含んでもよい。例えば、車両ユーザプロファイル「Fred」は、車内データエントリ及びデータ記録システムを使用して構成されていてもよく、あるいはポータブルナビゲーション装置11におけるデータエントリにより構成されていてもよい。後者の場合、ポータブルナビゲーション装置11は、ネットワークデータバス12を介して車両データエントリ及び記録システムをアクセス可能である。ユーザがポータブルナビゲーション装置11の使用者である場合、ポータブルナビゲーション装置11のユーザは、独自のユーザ番号又は独自のユーザ名により示されるユーザプロファイルに従ってポータブルナビゲーション装置11を構成可能であってもよい。例えばポータブルナビゲーション装置の画面の好みの輝度レベル、高速道路以外の道路を含むルートと比較した場合に優先される高速道路を含むルート、無料道路を含むルートと比較した場合に優先される有料道路を含むルート、地図表示の好みのズームレベル、好みの地図色方式、好みの命令音声、好みの目的地群及び好みのウェルカムメッセージなどのパラメータをポータブルナビゲーション装置11のユーザプロファイルにユーザが記録できてもよい。ポータブルナビゲーション装置11のユーザプロファイルを利用して、ユーザは車両内部の種々の装置に要求される設定を示す1組のパラメータを入力してもよく、その場合、ポータブルナビゲーション装置11はネットワークデータバス12を介して車両データエントリ及び記録システムをアクセス可能である。あるいは、ポータブルナビゲーション装置11のユーザプロファイルを利用して、ユーザは、ポータブルナビゲーション装置11のユーザプロファイルと関連して使用される車両のユーザプロファイルを選択してもよく、その場合、ポータブルナビゲーション装置11はネットワークデータバス12を介して車両データエントリ及び記録システムをアクセス可能である。例えば、ポータブルナビゲーション装置11のユーザプロファイル「Fred」は、車内装置設定に関して車両ユーザプロファイル「Fred」を含むようにセットアップされてもよい。ユーザが車両及びポータブルナビゲーション装置11の使用者である場合に独自のユーザ番号又は独自のユーザ名により示される定義済みユーザプロファイルに関して格納されるパラメータに従って車両及びポータブルナビゲーション装置11の構成を記録する特に好適な方法は次の通りである。ユーザは、車両のパラメータ及びポータブルナビゲーション装置11のパラメータを好適な状態に設定する。これは、例えば運転席のシートを好みの位置に調整すること、車両のミラーを好みの位置に調整すること、制限速度が高速である道路に車両が進入した場合に車両のスポーツモードを選択すること、ラジオを好みの局に合わせること、オーディオシステム101を好みの音量に設定すること及びポータブルナビゲーション装置11を好みの地図色方式に設定することを含んでもよいであろう。次に、ユーザは、タッチスクリーンを使用するか又は車両の音声認識インタフェース及びシステム104を介するなどの方法により、新たなユーザプロファイル又は更新されたユーザプロファイルを記録するための機能であるポータブルナビゲーション装置11の機能を選択する。この機能を実行するためには、個人識別番号を入力するか又は他の何らかのセキュリティ手順を通過する必要が合ってもよい。車内、車上又はキーフォブのボタンを押すなどの他の何らかの方法により、この機能を選択することも可能であろう。ユーザにより定義されたユーザプロファイル名又はユーザプロファイル番号の下で、ポータブルナビゲーション装置11は内部パラメータ及び車両のパラメータを記録する。車両のパラメータは、オンボードコンピュータ100に格納された装置パラメータ設定データをアクセスすることにより、又はネットワークデータバス12に接続された種々の装置のパラメータ設定を判定するためにそれらの装置に問い合わせることにより、ネットワークデータバス12を介して判定される。所定のユーザがポータブルナビゲーション装置11のタッチスクリーン上のメニュー項目を利用するなどの方法によりユーザプロファイルを選択する場合、ポータブルナビゲーション装置11及び車両の定義済みユーザプロファイルは、ポータブルナビゲーション装置11及び車両のパラメータを事前設定値に調整できるようにするために使用されてもよい。あるいは、ポータブルナビゲーション装置11及び車両の好適な内部パラメータがオンボードコンピュータ100に格納されてもよい。車両の適切なボタンを押すなどの方法により定義済みユーザ名又は定義済みユーザ番号が選択されると、オンボードコンピュータ100は、ネットワークデータバス12を介して命令を送出することにより、車両及びポータブルナビゲーション装置11の要求されたパラメータをセットアップする。特定のプロファイルの編集は、そのプロファイルが車両のユーザにより選択された後に初めて実行されるのが好ましい。必要に応じてユーザプロファイルを削除できるようにするのが好ましい。ある一定の未使用期間を経て車両が始動された場合、最も近い時点で利用されたユーザプロファイルが車両により自動的に選択されるのが好ましい。
【0033】
図1に示される本発明の一実施形態の更なる例は次の通りである。ポータブルナビゲーション装置11は、装置のメモリに電話番号を格納できるメニューオプションを有する。ポータブルナビゲーション装置11は、ポータブルナビゲーション装置11のメモリに格納された電話番号又は呼び出し前に入力された電話番号の呼び出しをユーザが開始できる別のメニューオプションを有する。ユーザとポータブルナビゲーション装置11との対話は、例えばタッチスクリーンを介して又は車両の音声認識インタフェース及びシステム104を介して実行されてもよい。発呼するためにユーザがポータブルナビゲーション装置11のオプションを選択し、電話番号を指定した場合、ポータブルナビゲーション装置11は、ネットワークデバイス12を介して、ネットワークデータバス12に接続された移動電話機能を有する装置と通信する。移動電話機能を有する装置が電話番号をダイヤルした後、ポータブルナビゲーション装置11がその事実をユーザに報知できるように、この結果に対する通信がポータブルナビゲーション装置11へ送出される。着呼された場合、ポータブルナビゲーション装置11がその事実をユーザに報知できるように、この結果に対する通信がポータブルナビゲーション装置11へ送出される。電話の相手方の音声が車両のオーディオシステム101を介して送信されることにより、通話は進行してもよい。運転者の音声は車両の音声認識インタフェース及びシステム104により記録され、移動電話機能を有する装置を介して相手方へ送信される。例えば運転者がポータブルナビゲーション装置11のタッチスクリーンの関連するメニュー項目に触れることにより、通話は終了されてもよい。着呼の場合、「着信」などのメッセージがポータブルナビゲーション装置11のタッチスクリーンに表示され且つ/又は車両のオーディオシステム101を介して告知されてもよい。例えば運転者がポータブルナビゲーション装置11のタッチスクリーンの関連するメニュー項目に触れることにより、着呼は受け入れ又は拒否されてもよい。着呼が運転者により受け入れられた場合、その後、例えば運転者がポータブルナビゲーション装置11のタッチスクリーンの関連するメニュー項目に触れることにより、通話が終了されてもよい。
【0034】
本発明の他の実施形態により、ネットワークバス上にないポータブルナビゲーション装置と、全てネットワークデータバス上にあるか全てネットワークデータバス上にないか、あるいは一部がネットワークデータバス上にあり且つ他の残りの装置はネットワークデータバス上にない1つ以上の一連の他の装置との接続を可能にするネットワークデータバスとの間で情報パケットの送受信が可能になる。1組のワイヤ又はケーブルなどの1組の電気導体又は1つ以上の光ファイバにより、あるいはデータ送信媒体を介して装置とデータバスとの間で情報パケットを送受信できるように1組のデータ送信媒体により装置がネットワークデータバスに接続される場合、その装置はネットワークデータバス上にあると定義される。
【0035】
電波、マイクロ波、赤外線波、紫外線波又は可視放射のような電磁波の送受信を含むなどの何らかの方法により装置とデータバスとの間で情報パケットを送受信できるが、装置とデータバスとが電気的に又は光ファイバを介して、あるいは他の任意の非無線データ送信媒体を介して接続されていない場合、装置はデータバスに接続されるが、データバス上にはないと定義される。ポータブルナビゲーション装置とネットワークデータバスとの通信を可能にするために、ハンズフリーモジュールなどの仲介通信装置が存在してもよい。
【0036】
ネットワークバス上にあってもなくてもよいがネットワークデータバスに接続されてもよい装置は、ハンズフリーモジュール、ハンズフリー電話モジュール、音声認識インタフェース及びシステム、携帯電話、車庫ドア開放装置、レーダー検出器、デジタル音楽プレーヤ、警報システム、ステレオ、ポータブルコンピュータ、ポータブルデジタルアシスタント、デジタルカメラ、ビデオカメラ、インターネットへの接続を可能にする装置、コンパクトディスクプレーヤ、セキュリティゲート開閉装置又は他の任意の電子装置を含むが、それらに限定されない。ネットワークデータバス上にあってもよい装置は、多重情報表示ボタン、メニュー画面、多機能ハンドルボタン、駐車距離制御装置、ラジオ、デジタル音楽システム、デジタルサウンドプロセッサ、電子計器制御装置、ランプ制御モジュール、電話、一体型液晶ディスプレイ、オンボードコンピュータ、オンボードコンピュータテキストバー、車外ランプ、車内ランプ、ワイパー、シート位置調整システム、シート位置記録メモリシステム、速度計、走行距離記録計、車両のアクティブサスペンションシステム、エンジン毎分回転数カウンタ、手動ブレーキセンサ、車両旋回指示器ランプ制御システム、ハンドル又はハンドルバーを含んでもよい車両旋回システム、油圧センサ、1つ以上のフォグランプ、ドア開閉機構、荷物スペース開閉機構、ウィンドウ開閉機構、気流調整システム、空調装置、温度計及び車内に当初から取り付けられているか又は製造後に車内に取り付けられてもよい他の任意の装置を含む。
【0037】
ポータブルナビゲーション装置は、自動車の車内、あるいはオートバイ又は自転車の場合のハンドルなどの車両の他の何らかの部分に固着されるが、必要に応じて容易に取り外しできるように構成されてもよい。開示内容が参考として本明細書に取り入れられている国際公開第2005/088254号パンフレットに記載されるように、ポータブルナビゲーション装置はハンドヘルド一体型ユニットであってもよい。
【0038】
ポータブルナビゲーション装置は接触感知画面を含んでもよい。ポータブルナビゲーション装置は、ネットワークデータバスの通信プロトコルに適合するデータパケットを送受信してもよい。あるいは、ポータブルナビゲーション装置は、ポータブルナビゲーション装置とネットワークデータバスとの間の適切な仲介装置、例えばHFM102を介してデータパケットを送受信してもよく、前記仲介装置は、ネットワークデータバスの通信プロトコルからポータブルナビゲーション装置の通信プロトコルにデータを変換すると共に、ポータブルナビゲーション装置の通信プロトコルからネットワークデータバスの通信プロトコルにデータを変換する。ネットワークデータバス上にはないが、ネットワークデータバスに接続されるか、あるいはネットワークデータバスと直接又は間接的に通信する装置は、いずれも、異なる通信プロトコル規格の間で変換を実行するために適切な仲介装置を利用してよい。異なる通信プロトコル規格の間で変換を実行する場合、異なる通信プロトコル規格の間で変換を実行するために、仲介装置はマイクロプロセッサを利用してもよい。変換はリアルタイムで実行されてもよいし、あるいはほぼリアルタイムで実行されてもよい。
【0039】
車両が単一のデータバスを有するのではなく、データバス間のデータ流れを可能にするために互いに接続された複数のデータバスを有してもよいことは当業者には理解されるであろう。しかし、車両が互いに接続された複数のデータバスを有する場合、本発明の便宜上、一般にデータバスは単一のデータバスであると考えることができる。本明細書において使用される場合の用語「データバス」は、1つ以上のデータバスを含む。車両データバスは、通信プロトコルと、データパケットが送信される物理層とを具備する。既存の車両データバスは、特にコントローラエリアネットワーク(CAN)バス、SAE J1850バス、MOSTバス、バイトフライト、OBDII、FlexRay、D2B、SMARTwireX、IDB‐1394、IEBus、Intellibus、LINバスを含む。
【0040】
装置がデータバスに接続されているが、データバス上にはない場合、無線送受信などの何らかの方法により、装置とデータバスとの間で情報パケットが送受信されてもよい。無線送受信規格の一例はBluetoothTMである。
【0041】
ポータブルナビゲーション装置とネットワークデータバスとの間で音声データがストリーミングされる場合、音声データはMP3オーディオファイル又は任意の周知のフォーマットのオーディオファイルの形態でストリーミングされてもよい。
【0042】
車両が音声認識インタフェース及びシステムを含む場合、車両の任意の場所、例えばダッシュボード又はハンドルにマイクロホンなどの音波を受信する装置が装着されてもよいこと、あるいはヘッドホンセットなどの装置に音波受信装置が装着されてもよいことが当業者には理解されるであろう。同様に、車両の運転者又は同乗者へ音波が送信される場合、車両のスピーカを介して、又は例えばヘッドホンセットの一部を形成するイヤホンを介して音波の送信が実現されてもよいことは当業者には理解されるであろう。車両内部の多くのシステムがコントローラエリアネットワークの一部を形成するか、又はコントローラエリアネットワークと通信してもよい。その例には、車両マンマシンインタフェース(MMI)システム、カーラジオ、CD又はDVDプレーヤ、車両の換気システム又は空調システム、車両診断装置、保守システム又はエラー報告システム、車両トリップコンピュータ、車線外れ警告システム、駐車距離制御システム、クルージング制御システム、サスペンションモード制御システム、中央ロッキングシステム、シートプリセットシステム、ミラー位置調整システム、車両ギヤボックス、エンジン管理システムなどがある。PNDの動作、PNDの計算機能又はナビゲーション機能を向上するために又はPNDの動作に関してユーザに更に多くの情報を提供する単純な手段を単に提供するために、それらのシステムと対話し且つそれらのシステムを制御するように又はそれらのシステムから関連情報を受信するように、PNDが、それらのシステム特有の1つ以上のルーチンを含んでもよいことは言うまでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理手段と、グラフィック表示装置と、メモリと前記メモリに格納された地図データと、ユーザ入力手段と、1つ以上の無線信号を受信する信号受信手段とを具備するPNDであり、前記プロセッサは、前記無線信号によって、前記PNDの現在の場所を判定できると共にユーザ入力と関連して所望の目的地情報を判定でき、且つルート計算機能及びそれに続くナビゲーション機能を実行でき、前記場所判定機能、前記ルート計算機能及び前記ナビゲーション機能は、前記PNDにインストールされたソフトウェアにより実行され、前記PNDは、サードパーティ装置又はサードパーティシステムへの物理接続を可能にする1つ以上のコネクタを更に具備するPNDであって、
前記PNDは、前記物理接続を介して車両コントローラエリアネットワークとの通信を確立することにより前記コントローラエリアネットワーク上の1つのノードとなるように構成され且つ前記コントローラエリアネットワーク上の他のノードと通信可能であり、前記ノードの各々は、前記コントローラエリアネットワーク全体に配信され且つ前記PNDにより受信される1つ以上の信号により表現される機能性を有することを特徴とし、前記PNDは、PNDと1つ以上のノードとの通信を可能にする第1のソフトウェア翻訳層と、前記他のノードのうち1つ以上のノードと有効に通信し且つそれらの機能性を利用するようにそれらのノードの機能性に特定された1つ以上のルーチンを含む第2のソフトウェアルーチン層とを含むことを更に特徴とするPND。
【請求項2】
前記ルーチンのうち1つは車両燃料レベル測定ルーチンである請求項1に記載のPND。
【請求項3】
前記車両に残っている燃料に基づいて修正計算ルートを提供するために、前記PNDの前記ルート計算機能は前記車両燃料レベル測定ルーチンと対話する請求項2に記載のPND。
【請求項4】
1つのルーチンは、前記コントローラエリアネットワーク上の1つのノードであるハンズフリーモジュールHFMに特定されたルーチンであり、前記HFMにより認識され且つ処理される特定ナビゲーション向けユーザ発話コマンドを表現する信号を受信し且つ前記信号に対して動作を実行すると共に、前記PNDから前記HFMへ音声データを送信するために、前記ルーチンは前記HFMと有効に通信する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のPND。
【請求項5】
前記PNDにより前記HFMへ送信される前記音声データは、前記PNDにより生成される音声ナビゲーション命令であり、且つ前記HFMは、前記HFMが適切な音声信号を出力できる1つ以上の車内スピーカにより前記音声ナビゲーション命令を可聴放送させる請求項4に記載のPND。
【請求項6】
1つのルーチンは、前記コントローラエリアネットワーク上の1つのノードである音声再生システムに特定されたルーチンであり、前記音声再生システムを介して音声を再生するように前記PNDから前記音声再生システムへ音声データを送信させるために、前記ルーチンは前記音声再生システムと有効に通信する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のPND。
【請求項7】
前記無線通信を介する前記音声データの送信は、A2DPストリーミングプロトコルによって実現される請求項6記載のPND。
【請求項8】
前記無線通信は狭域無線リンクである請求項1乃至7のいずれか1項に記載のPND。
【請求項9】
1つのルーチンは、前記コントローラエリアネットワーク上の1つのノードであり且つ特定PND向け口頭命令を認識し、前記命令を前記コントローラエリアネットワークを介して配信される信号に変換することが可能な音声認識エンジンに特定されたルーチンであり、前記ルーチンは前記信号を特定PND向け命令として認識し、解釈し且つ前記PNDの現在の動作を変更させる請求項1乃至8のいずれか1項に記載のPND。
【請求項10】
前記ルーチンは、
・スライドショーモードの開始
・現在ビューのナビゲーションモード画面への変更
・音声案内消音
・音声案内再開
・昼間モード起動
・夜間モード起動
・地図にズームイン
・地図のズームアウト
・あらかじめ選択された関心地点POIを表示
・POI隠蔽
のコマンドのうち1つ以上のコマンドを表現する信号を解釈することが可能である請求項9に記載のポータブルナビゲーション装置。
【請求項11】
1つのルーチンは、前記コントローラエリアネットワーク上の1つのノードであるビデオ表示装置に特定されたルーチンであり、前記ルーチンは、前記PNDの前記メモリの中に現存するビデオコンテンツのストリーミングを有効化する請求項1乃至10のいずれか1項に記載のPND。
【請求項12】
前記ユーザ入力手段は、接触感知型である前記グラフィック表示手段において実現される請求項1乃至11のいずれか1項に記載のPND。
【請求項13】
前記コントローラエリアネットワーク又は前記コントローラエリアネットワーク上のノードとの通信の確立、及び前記ノードに特定された前記1つ以上のルーチンの有効化は、前記タッチスクリーンに示されるメニュー項目とユーザが対話することにより実現される請求項12に記載のポータブルナビゲーション装置。
【請求項14】
前記PND内部のソフトウェアルーチンは、前記コントローラエリアネットワーク上の1つのノードである管理システムからの信号を受信し、前記ルーチンは、車両の動作及び/又はユーザによる車両の制御を表現する1つ以上のパラメータを定期的に格納させるか又はスナップショット格納させる請求項1乃至13のいずれか1項に記載のPND。
【請求項15】
前記管理システムは車両のエンジン管理システムであり且つ前記ルーチンにより格納される前記1つ以上のパラメータはエンジン動作特性である請求項14に記載のPND。
【請求項16】
前記ルーチンは、前記車両を独自に識別するデータを格納する請求項14又は15に記載のPND。
【請求項17】
前記ルーチンは、通行料金徴収、有料道路出入り又は渋滞ゾーン出入りのために格納されたデータを無線送信させる請求項16に記載のPND。
【請求項18】
1つのルーチンは、一体となって前記コントローラエリアネットワークを構成する前記ノードのうち1つのノードのオペレーティングソフトウェアをアップグレードすることが可能である請求項1乃至17のいずれか1項に記載のPND。
【請求項19】
前記1つ以上のルーチンは、前記ノードのうち1つ以上のノードの前記機能性を利用し且つ前記1つ以上のノードから情報を受信し、前記PNDの前記ルート計算機能を向上するために、前記情報は前記ルート計算機能に供給される請求項1乃至18のいずれか1項に記載のPND。
【請求項20】
前記情報は可能な新たな目的地に関連する請求項19に記載のPND。
【請求項21】
前記目的地は前記PNDに格納されたPOI(関心地点)である請求項20に記載のPND。
【請求項22】
前記情報は前記車両の保守要求に関する請求項19乃至21のいずれか1項に記載のPND。
【請求項23】
前記情報はエンジン警告に関する請求項19乃至22のいずれか1項に記載のPND。
【請求項24】
前記情報はエンジン診断情報に関する請求項19乃至23のいずれか1項に記載のPND。
【請求項25】
前記情報はジャイロ/速度パルス情報に関する請求項19乃至24のいずれか1項に記載のPND。
【請求項26】
前記ジャイロ/速度パルスデータは、前記PNDの前記ルート計算機能及び/又は前記ナビゲーション機能の一部として提供される推測航法ソフトウェアルーチンにおいて使用される請求項25に記載のPND。
【請求項27】
前記情報は外気又は道路の温度に関する請求項19乃至26のいずれか1項に記載のPND。
【請求項28】
前記情報は、前記車両が大きな故障を有するという情報であり且つ前記PND内部において提供される1つのルーチンは、車庫に向かうようなルート変更が適切であることを視覚及び/又は聴覚によりユーザに通告する請求項19乃至27のいずれか1項に記載のPND。
【請求項29】
前記情報は、前記外気の温度が定義された閾値を下回るという情報であり且つ前記PNDは、
・走行速度を落とすことを考慮に入れた走行時間の推定値の再計算;
・凍結している可能性のある道路を回避するためのルートの再計算;
・リモートサーバへの周囲温度の無線送信
を実行させるためのルーチンを含む請求項19乃至28のいずれか1項に記載のPND。
【請求項30】
前記PNDが自宅の場所から所定の距離内に入った時点を判定するために前記PNDの前記ルート計算機能及び前記ナビゲーション機能と対話する1つのルーチンが提供され、前記車両内部の前記コントローラエリアネットワーク上の1つのノードである遠隔制御装置を動作させ、それにより、前記自宅の場所に配置された適切な機器を動作させるために前記機器に対して無線信号を送出するために、前記ルーチンは前記無線通信を介して前記遠隔制御装置と通信する請求項1乃至29のいずれか1項に記載のPND。
【請求項31】
前記PNDの前記ルート計算機能及び前記ナビゲーション機能と対話し、前記コントローラエリアネットワーク上の1つのノードであり且つインターネットから情報を検索するように前記インターネットに接続可能である装置と更に対話する1つのルーチンが提供される請求項1乃至29のいずれか1項に記載のPND。
【請求項32】
前記インターネットから取得される情報は交通渋滞情報であり、ルート再計算又は代替ルートのナビゲーションをオプションで実行させるために、前記ルーチンは前記ルート計算機能及び前記ナビゲーションと対話する請求項31に記載のポータブルナビゲーション装置。
【請求項33】
1つ以上の特定ユーザ向け設定を格納でき且つ前記コントローラエリアネットワーク上の1つのノードであるモジュールと対話するために、ユーザプロファイルルーチンが前記PNDにおいて提供され、前記対話は、前記PND及び前記車両ユーザ設定モジュールのうち一方に格納された特定のユーザプロファイルが選択されることにより、前記PND及び前記ユーザ設定モジュールの双方のプロファイルに格納された種々の設定のうち1つ以上の設定が適用されるような対話である請求項1乃至32のいずれか1項に記載のPND。
【請求項34】
前記車両の前記ユーザ設定モジュールのプロファイルにおける1つの設定は、シート位置記憶機能である請求項33に記載のPND。
【請求項35】
前記モジュールは、特定のユーザを識別可能な生体認証ユーザ識別機能である請求項33に記載のPND。
【請求項36】
前記モジュールはキー認識モジュール又はキーフォブ認識モジュールである請求項33に記載のPND。
【請求項37】
前記モジュールはコード入力モジュールである請求項33に記載のポータブルナビゲーション装置。
【請求項38】
前記PNDに格納されたプロファイルにおけるユーザ設定のうち1つは、特定の地図色方式を定義する請求項33記載のPND。
【請求項39】
前記PNDに格納されたプロファイルにおけるユーザ設定のうち1つは、特定のナビゲーション案内音声を定義する請求項33に記載のPND。
【請求項40】
前記PNDに格納されたプロファイルにおけるユーザ設定のうち1つは、特定のウェルカムメッセージを定義する請求項33に記載のPND。
【請求項41】
前記PNDに格納されたプロファイルにおけるユーザ設定のうち1つは、特定の好みのユーザ定義済目的地群を定義する請求項33に記載のPND。
【請求項42】
始動時、最後に起動されたユーザプロファイルが前記PNDにより自動的にロードされる請求項33に記載のPND。

【図1】
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【公表番号】特表2010−505098(P2010−505098A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529610(P2009−529610)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008422
【国際公開番号】WO2008/037472
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】