説明

マニュアルモード付き無段変速装置

【課題】部品点数を増やすことなく、マニュアルモード時の変速比を素早く可変設定するマニュアル有段変速処理と、変速比を任意に設定するマニュアルリニア変速処理とを自在に選択できるようにする。
【解決手段】セレクトレバー43をサブゲート44b側へ移動させてマニュアルモードスイッチ37をONすると、現在の変速比εが固定変速比ε1として固定される(S4)。そしてアップシフトスイッチ35a或いはダウンシフトスイッチ35bのON時間Tcが短押し判定時間Toよりも短い場合はマニュアル有段処理が実行され(S10)、又ON時間Tcが短押し判定時間Toを越えたときはマニュアルリニア変速処理が実行される(S9)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マニュアルモード時の変速比制御として有段変速処理とリニア変速とを有し、両変速処理を、シフト操作手段からの操作信号の継続時間に応じて任意に選択できるようにしたマニュアルモード付き無段変速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルト式やトロイダル式に代表される無段変速機は、スロットル開度、車速及びエンジン回転速度などの運転状態に基づいて、最適な変速比を無段階に設定することができる。しかし、登坂路走行時や加速時に大きな駆動トルクを得ようとした場合、或いは、降坂路走行時に強いエンジンブレーキを効かせようとしても、変速パターンが運転領域毎に予め設定されているため、それ以外の変速比を設定することができず、駆動トルク不足や減速不足といった不快感を運転者に与えてしまう問題がある。
【0003】
そのため、最近では、運転者が変速比を任意に設定できるようにしたマニュアルモードを併設する無段変速機が提案されている。例えば特許文献1(特開平9−317866号公報)には、無段変速機の変速比を複数段に固定し、運転者がダウンシフトスイッチをONする毎に変速段がダウンシフトされ、又、アップシフトスイッチをオンする毎に変速段がアップシフトされる技術が開示されている。
【0004】
又、特許文献2(特開2004-360848号公報)には、ダウンシフトスイッチ、或いはアップシフトスイッチをONすると、そのON時間に比例して変速比をリニア変化させる技術が開示されている。
【特許文献1】特開平9−317866号公報
【特許文献2】特開2004-360848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した特許文献1に開示されているように、変速比を固定段と見なして制御する技術では、運転者のシフトスイッチ(ダウンシフトスイッチ、或いはアップシフトスイッチ)の操作に対する無段変速機の変速応答性は良いが、各変速段の変速比が予め固定されているため、シフトダウン時においては、運転者に過度な減速感を与えたり、或いは不十分な減速感を与えたりしてまう可能性がある。
【0006】
これに対し、特許文献2に開示されている技術では、シフトスイッチ(ダウンシフトスイッチ、アップシフトスイッチ)のON時間に比例して変速比が変化するため、運転者の好みに応じた変速比を任意に設定することができる。しかし、変速比をリニアに変化させるので、所望の変速比に達するまでに時間がかかり、登坂路走行時或いは降坂路走行時において素早い変速操作を行うことができず、応答遅れによる違和感を運転者に与えてしまう問題がある。
【0007】
この対策として、固定変速段用シフトスイッチとリニア変速用シフトスイッチとを各々設け、運転者が必要に応じて使い分けることができるようにすることも考えられるが、運転席の周囲に固定変速段用シフトスイッチとリニア変速用シフトスイッチとを別個に設けることは、操作が煩雑となり使い勝手が悪くなる。更に、同一の機能を有するシフトスイッチを2組み備える必要があるため、部品点数の増加により製品コストが高くなる問題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、部品点数を増やすことなく、マニュアルモード時の変速比を素早く可変設定することができるばかりでなく、当該変速比を任意に設定することができて、操作性が良く、しかも製品のコストアップを抑制することのできるマニュアルモード付き無段変速装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため本発明は、マニュアルモード時の無段変速機の変速比を外部操作により選択するシフト操作手段と、前記シフト操作手段からの操作信号に基づいて前記無段変速機の変速比を設定する変速制御手段とを有するマニュアルモード付き無段変速装置において、前記変速制御手段は、マニュアルモード時の前記シフト操作手段からの操作信号の継続時間を計時する操作信号計時手段と、前記操作信号計時手段で計時した前記操作信号の継続時間と短押し判定時間とを比較する操作信号継続時間判定手段と、前記操作信号継続時間判定手段で計時した前記操作信号の継続時間が該短押し判定時間よりも短いと判定した場合は、前記無段変速機の変速比が予め設定した複数の変速段に固定されている有段変速処理を実行する有段変速処理手段と、前記操作信号の継続時間が前記短押し判定時間よりも長いと判定した場合は該継続時間に応じて前記無段変速機の変速比が連続的に変化されるリニア変速処理を実行するリニア変速処理手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、マニュアルモード時において、シフト操作手段からの操作信号の継続時間が短押し判定時間よりも短い場合は有段変速処理が実行され、長い場合はリニア変速処理が実行されるので、有段変速処理とリニア変速処理とを1つのシフト操作手段の操作により選択し、或いは切換えることができる。その結果、シフト操作手段の部品点数を増やすことなく、製品のコストアップを抑制することができ、又、有段変速処理を選択した場合はマニュアルモード時の変速比を素早く可変設定することができ、リニア変速処理を選択した場合は当該変速比を任意に設定することができて操作性が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1にマニュアルモード付き無段変速装置の概略構成図を示す。
【0012】
同図の符号1はエンジンで、このエンジン1の出力軸が電磁クラッチ或いはトルクコンバータ等の発進クラッチ2を介して無段変速機3に設けた前後進切換装置4に連設されている。又、この前後進切換装置4が無段変速機3のプライマリプーリ5aを軸支するプーリ入力軸5bに連設され、このプーリ入力軸5bと平行に配設されているプーリ出力軸5cにセカンダリプーリ5dが軸着され、この両プーリ5a,5dに駆動ベルト5eが巻装されている。更に、プーリ出力軸5cが終減速装置6の減速歯車群6aを介してデファレンシャル装置6bに連設され、このデファレンシャル装置6bに前輪或いは後輪の駆動輪7aを軸着する駆動軸7が連設されている。
【0013】
無段変速機3はベルト式であり、プライマリプーリ5aに設けたプライマリ油圧室5fに供給されるプライマリ圧によりプーリ溝幅が設定され、又、セカンダリプーリ5dに設けたセカンダリ油圧室5gに供給されるセカンダリ圧により、セカンダリプーリ5dに対しトルク伝達に必要な張力を付与する。プライマリ圧、及びセカンダリ圧は、後述する変速制御手段としてのトランスミッション制御装置(TCU)21においてエンジン運転状態に基づいて設定され、無段変速機3に設けた両プーリ5a,5dの溝幅を反比例状態に設定して所望の変速比を得る。尚、無段変速機はトロイダル式であっても良い。
【0014】
TCU21はマイクロコンピュータを主体に構成されており、周知のCPU、ROM、RAM等を有し、CPUは、ROMに格納されている制御プログラムに従い無段変速機3の変速比を設定する。
【0015】
このTCU21の入力側に、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ31、スロットル弁(図示せず)の開度(スロットル開度)θを検出するスロットル開度センサ32、無段変速機3のプライマリプーリ5aの回転数(プライマリ回転数)Npを検出するプライマリプーリ回転数センサ33、セカンダリプーリ5dの回転数(セカンダリ回転数)Nsを検出するセカンダリプーリ回転数センサ34、無段変速機3の変速比を外部操作により選択するシフト操作手段であるシフトスイッチ群35を構成するアップシフトスイッチ35a及びダウンシフトスイッチ35b、同じく無段変速機3の変速比を外部操作により選択するシフト操作手段であるテンポラリシフトスイッチ群36を構成するテンポラリアップシフトスイッチ36a及びテンポラリダウンシフトスイッチ36b、マニュアルモードスイッチ37等が接続されている。
【0016】
又、TCU21の出力側に、無段変速機3の油圧を制御する変速制御用アクチュエータ15を構成する、ライン圧制御用ソレノイド弁15aとプライマリ圧制御用ソレノイド弁15bとが接続されている。
【0017】
一方、図2に示すように、車室内のセンタコンソールに設けたセレクト操作部41のレンジエスカッション42には、セレクトゲート44が開口されており、このセレクトゲート44からセレクトレバー43が突出されている。セレクトゲート44は、メインゲート44aと、このメインゲート44aと平行に形成されたサブゲート44bと両ゲート44a,44bを、メインゲート44aのドライブ(D)レンジで連通するスルーゲート44cとで構成されている。尚、メインゲート44aには、Dレンジ以外にニュートラル(N)レンジ、リバース(R)レンジ、パーキング(P)レンジの4ポジションが設定されている。この各レンジはセレクトレバー43の移動により選択することができる。
【0018】
上述したマニュアルモードスイッチ37は、スルーゲート44cに配設されている。このマニュアルモードスイッチ37は、シーソスイッチ、或いはスライドスイッチであり、セレクトレバー43がメインゲート44aからサブゲート44bへ移動するとON信号が継続的に出力され、サブゲート44bからメインゲート44aへ移動するとOFF信号が継続的に出力される。
【0019】
又、サブゲート44bの前端のアップシフト(+)位置にアップシフトスイッチ35aが配設され、後端のダウンシフト(−)位置にダウンシフトスイッチ35bが配設されている。この両シフトスイッチ35a,35bは常開スイッチであり、運転者が外部操作によりセレクトレバー43を介して押圧したときにのみON信号が出力される。
【0020】
運転者がセレクトレバー43をメインゲート44a内で移動させると、図示しないインヒビタスイッチ(図示せず)からセレクトレバー43のセットされているレンジに応じたレンジ信号がTCU21へ出力される。
【0021】
一方、このメインゲート44aにあるセレクトレバー43をスルーゲート44cを通過させてサブゲート44bへ移動させると、その過程でマニュアルモードスイッチ37がONされ、その状態が継続される。又、サブゲート44bに臨まされたセレクトレバー43は、アップシフト(+)位置とダウンシフト(−)位置との間の中立位置で弾性支持された状態となる。この状態で、運転者がセレクトレバー43をアップシフト(+)位置に移動させると、アップシフトスイッチ35aがONし、TCU21へON信号(操作信号)が出力される。又、運転者がセレクトレバー43をダウンシフト(−)位置へ移動させると、ダウンシフトスイッチ35bがONされ、TCU21へON信号(操作信号)が出力される。そして、運転者がセレクトレバー43に対する押圧力を解除すると、このセレクトレバー43は中立位置へ戻され、セレクトレバー43により押圧されていたシフトスイッチ35a或いは35bから出力される信号が反転されてOFF信号が出力される。
【0022】
又、図3に示すように、上述したテンポラリアップシフトスイッチ36aとテンポラリダウンシフトスイッチ36bは、ステアリングハンドル46の左右に延出するスポーク部46aに各々配設されている。この両シフトスイッチ36a,36bは常開スイッチであり、運転者が外部操作によりシフトスイッチ36a或いは36bをONしている間のみTCU21へON信号(操作信号)が出力され、押圧力を解除すると信号が反転されてOFF信号が出力される。
【0023】
次に、無段変速機3の油圧回路について説明する。図1の符号11はエンジン駆動式、或いは電動式オイルポンプで、このオイルポンプ11の吐出口がライン圧油路12を介してライン圧制御弁13に連通されている。更に、このライン圧制御弁13がライン圧油路12を介して無段変速機3のセカンダリプーリ5dに設けたセカンダリ油圧室5g、プライマリ圧制御弁14、及び変速制御用アクチュエータ15を構成するライン圧制御用ソレノイド弁15aとプライマリ圧制御用ソレノイド弁15bとにオリフィス16を介して連通されている。
【0024】
ライン圧制御用ソレノイド弁15a及びプライマリ圧制御用ソレノイド弁15bがTCU21から出力されるデューティ比等のプライマリプーリ駆動信号にて制御動作され、ライン圧制御用ソレノイド弁15aから油路17を経てライン圧制御弁13にライン動作圧を供給し、又、プライマリ圧制御用ソレノイド弁15bからプライマリ圧制御弁14へ油路18を経てプライマリ圧を供給する。
【0025】
ライン圧制御弁13ではライン動作圧により変速比ε、エンジントルクTに基づくライン圧Psを設定する。又、プライマリ圧制御弁14では元圧であるライン圧Psとプライマリ圧との圧力の釣り合いにより、プライマリ圧制御弁14上流のライン圧油路12と無段変速機3のプライマリプーリ5aに設けたプライマリ油圧室5fに連通する油路19とを接続する給油位置と、油路12,19を遮断すると共に該油路19をドレーンする排油位置とを切換動作することで、プライマリ油圧室5fに供給する油圧を制御して変速制御を行う。
【0026】
TCU21は、マニュアルモードスイッチ37からOFF信号が出力されているときは、自動変速モードを実行し、又、ON信号が出力されているときはマニュアルモードを実行する。
【0027】
TCU21で自動変速モードが実行されると、先ずインヒビタスイッチ(図示せず)からの信号を読込み、セレクトレバー43がDレンジにセットされているか否かが調べられ、Dレンジにセットされている場合は、自動変速モードが実行される。一方、TCU21でマニュアルモードが実行されると、シフトスイッチ群35,36からのON信号(操作信号)が受信可能となり、各シフトスイッチ群35(36)を構成する各シフトスイッチ35a、35b(36a,36b)のON時間(操作信号の継続時間)に応じて、短押しの場合は有段変速モードが実行され、長押しの場合はリニア変速モードが実行される。
【0028】
このTCU21で実行される無段変速機3に対する変速制御は、具体的には、図4〜図6に示すフローチャートに従って処理される。
【0029】
イグニッションスイッチをONすると、先ず、図4に示す変速モード設定ルーチンが設定演算周期毎に実行され、先ず、ステップS1でマニュアルモードスイッチ37の出力信号を読込み、マニュアルモードスイッチ37がONか否かを調べる。
【0030】
上述したように、このマニュアルモードスイッチ37はセレクトレバー43をメインゲート44a側からスルーゲート44cを通過させてサブゲート44b側へ移動させる際にON動作される。
【0031】
そして、マニュアルモードスイッチ37がOFFのときは、セレクトレバー43がメインゲート44aにあるため、ステップS2へ進み、自動変速モードを実行してルーチンを抜ける。自動変速モードでは、インヒビタスイッチ(図示せず)からの信号を読込み、セレクトレバー43のセットされているレンジ位置を調べ、Dレンジにセットされているときは、図7(a)に示す変速マップに従い、車両の走行状態に応じてプライマリ回転数Npと車速Vとの関係が実線で囲まれる変速領域内で、スロットル開度センサ32で検出したスロットル開度θで決まる最適値となるよう変速比ε(ε=Np/Ns)が設定される。
【0032】
一方、マニュアルモードスイッチ37がONと判定されたときは、ステップS3へ進み、ステップS3以下でマニュアルモードを実行する。すなわち、先ずステップS3では、現在設定されている変速比εを読込み、ステップS4で、当該変速比εで、固定変速比ε1を設定する(ε1←ε)。
【0033】
次いで、ステップS5へ進み、シフトスイッチ群35(36)を構成するアップシフトスイッチ35a(36a)とダウンシフトスイッチ35b(36b)の出力信号を読込み、何れかのスイッチからON信号が出力されている否かを調べる。そして、何れのスイッチからもON信号が出力されていないとき、すなわち、全てのシフトスイッチからOFF信号が出力されているときは、ステップS1へ戻る。又、何れかのスイッチからON信号が出力されたときは、ステップS6へ進み、ON時間を示す、操作信号計時手段としてのカウンタタイマのカウント値Tcをインクリメントし(Tc←Tc+1)、ON信号の継続時間を計時する。
【0034】
その後、ステップS7へ進み、タイマカウンタのカウント値(ON時間)Tcと短押し判定値(判定時間)To(例えば、0.5〜1.0[sec]に相当する値)とを比較する。そして、カウント値Tcが短押し判定値To以内のときはステップS8へ進む。又、Tc≧Toのとき、すなわち短押し判定値Toを越えてもタイマカウンタのカウント値Tcがインクリメントされているときは、長押しと判定し、ステップS9へ分岐する。尚、このステップS7での処理が、本発明の操作信号継続時間判定手段に対応している。
【0035】
そして、ステップS8へ進むと、ステップS5でONと判定したスイッチがOFFされたか否かを調べ、ON状態が継続されているときは、ステップS6へ戻り、カウンタタイマのカウント値Tcをインクリメントする。又、ステップS8において、上述したステップS5でONと判定したスイッチがOFFされたと判定したとき、短押しと判定し、ステップS10へ進み、マニュアル有段変速処理を実行してステップS12へ進む。このステップS10での処理が、本発明の有段変速処理手段に対応している。尚、このマニュアル有段変速処理については後述する。
【0036】
又、ステップS7からステップS9へ進むと、マニュアルリニア変速処理が開始される。尚、このマニュアルリニア変速処理については後述する。又、このステップS9での処理が、本発明のリニア変速処理手段に対応している。
【0037】
そして、ステップS9からステップS11へ進むと、ステップS5でONと判定したスイッチがOFFされたか否かを調べ、ON状態が継続しているときは、ステップS9を繰り返し実行する。その後、ステップS5でONと判定したスイッチがOFFされた場合、ステップS12へ進む。
【0038】
その後、ステップS10或いはステップS11からステップS12へ進むと、カウンタタイマのカウント値Tcをクリアして(Tc←0)、ステップS1へ戻る。
【0039】
このように、本実施形態では、運転者がマニュアル有段変速とマニュアルリニア変速との何れを選択したかは、マニュアル有段変速とマニュアルリニア変速との切換用スイッチのスイッチ操作に基づいて判定しているのではなく、シフトスイッチ群35(36)を構成するアップシフトスイッチ35a(36a)とダウンシフトスイッチ35b(36b)のOFFタイミングに基づいて判定している。そのため、例えば、短押しによりマニュアル有段変速モードを選択して、アップシフト或いはダウンシフトを行った際に、変速不足感、或いは減速不足感がある場合は、当該シフトスイッチを長押しすることで、短押し判定値(時間)Toが経過した後は、自動的にマニュアルリニア変速処理が開始されるため、運転者は、シフトスイッチを押し直すことなく、自己の好みに応じた変速比を設定することができる。
【0040】
ところで、シフトスイッチを一度ONさせた後、OFFすると、プログラムはステップS1を経てステップS4へ進み、現在の変速比εが固定変速比ε1として固定され(ε1←ε)、ステップS5でシフトスイッチがONされるまで待機状態となる。従って、マニュアルモードスイッチ37がONされている状態では、シフトスイッチを、一度ONした後のOFFタイミングにより、マニュアル有段変速処理とマニュアルリニア変速処理とを任意に切換えることができる。そのため、例えばシフトスイッチを、短押ししてマニュアル有段変速処理を実行した後、加速不足を感じた場合は、再度シフトスイッチを押し続けることで変速比を微調整することができる。つまり、本実施形態では、シフトスイッチをONしたタイミングでは変速比が設定されず、OFFしたタイミングまでのON時間Tcに基づいてマニュアル有段変速処理とマニュアルリニア変速処理とを切換えるようにしているので、運転者がマニュアルリニア変速処理を行いたい場合には、シフトスイッチを押し続けることでマニュアル有段変速処理を経ることなく、マニュアルリニア変速処理へ移行することができる。一方、前述した特許文献2(特開2004-360848号公報)に開示されている技術では、ON操作に伴って変速比が所定量変更される場合、変速比を微調整したい場合であっても、マニュアル有段変速処理に相当する変速比変化量の大きな変速処理を経なければ、変速比を微調整することができるマニュアルリニア変速処理へ移行することができない。
【0041】
次に、ステップS10で実行されるマニュアル有段変速処理について説明する。このマニュアル有段変速処理は、図5に示すマニュアル有段変速処理サブルーチンで実行される。
【0042】
このサブルーチンでは、先ず、ステップS21で、記憶手段に記憶されている有段変速用シフトパターンを読込み、ステップS22へ進む。図7(b)に有段変速用シフトパターンを示す。このシフトパターンは、通常のM/T(マニュアルミッション)車の変速比(ギヤ比)と同様、変速比が予め設定した変速段毎に固定された、1速から7速までの7変速段に設定されている。
【0043】
ステップS22へ進むと、図2のステップS4で設定した固定変速比ε1と、有段変速用シフトパターンで設定されている各変速段の変速比とを比較し、最も近い変速比の固定変速段Aを特定する。この固定変速段Aの特定は、例えば有段変速用シフトパターンに設定されている各変速段の変速比に基づき固定変速比ε1を変速段に換算する(例えば、3.2速、3.6速、4.1速)。そして、換算した変速段を四捨五入して、実際の変速段(例えば、3速、4速、4速)に適合させる。
【0044】
次いで、ステップS23へ進み、アップシフトスイッチ35a或いは36aがONか否かを調べ、ONのときはステップS24へ進み、OFFのときはダウンシフトスイッチ35b或いは36bがONされているため、ステップS25へ進む。
【0045】
ステップS24へ進むと、固定変速段Aを一段アップシフトさせて(A←A+1)、ステップS26へ進む。又、ステップS25へ進むと、固定変速段Aを一段ダウンシフトさせて(A←A−1)、ステップS26へ進む。従って、マニュアル有段変速処理サブルーチンでは、アップシフトスイッチ35a或いは36a、又はダウンシフトスイッチ35b或いは36bをONさせる毎に、変速段がアップシフト或いはダウンシフトされる。
【0046】
そして、ステップS26へ進むと、ステップS24或いはステップS25で設定した固定変速段Aに対応する目標変速比isを、有段変速用シフトパターンに基づいて設定し、ステップS27で、目標変速比isに対応するプライマリプーリ駆動信号をプライマリ圧制御用ソレノイド弁15bに出力して、ルーチンを抜ける。尚、目標変速比isには、上限値と下限値とが設定されており、上限値は1速の変速比に相当する値であり、下限値は7速の変速比に相当する値である。
【0047】
プライマリ圧制御用ソレノイド弁15bは、TCU21から出力されるプライマリプーリ駆動信号に応じて動作し、このプライマリ圧制御用ソレノイド弁15bからプライマリ圧制御弁14へプライマリ圧を供給する。プライマリ圧制御弁14はブライマリ圧にてプライマリ油圧室5fに供給する油圧を制御し、両プーリ5a,5dの溝幅を反比例状態に設定して、変速比εを目標変速比isに到達させる。
【0048】
次に、ステップS9で実行されるマニュアルリニア変速処理について説明する。図6に示すマニュアルリニア変速処理サブルーチンでは、先ず、ステップS31で、目標変速比isを固定変速比ε1で設定し(is←ε1)、続く、ステップS32でアップシフトスイッチ35a或いは36aがONか否かを調べ、ONのときはステップS33へ進み、OFFのときはダウンシフトスイッチ35b或いは36bがONされているため、ステップS34へ進む。
【0049】
ステップS33へ進むと、目標変速比isから、予め設定されている変速勾配に基づいて設定された演算周期毎のアップシフト変化量dαを減算して(is←is−dα)、ステップS35へ進む。又、ステップS34へ進むと、目標変速比isに、予め設定されている変速勾配に基づいて設定された演算周期毎のダウンシフト変化量dβを加算して(is←is+dβ)、ステップS35へ進む。尚、本実施形態では、アップシフト時の変速勾配をダウンシフト時の変速勾配よりも大きく設定されている(dα>dβ)。但し、アップシフト時の変速勾配とダウンシフト時の変速勾配とを等しくしても良く(dα=dβ)、或いはシフトスイッチのON時間の経過と共に変速勾配の変化率を可変設定(例えば、大きく変化)させるようにしても良い。
【0050】
ステップS35では、目標変速比isに対応するプライマリプーリ駆動信号をプライマリ圧制御用ソレノイド弁15bに出力して、ルーチンを抜ける。尚、目標変速比isは、図7(a)に示す変速マップの実線で囲まれた変速領域でのみ設定される。
【0051】
その結果、マニュアルリニア変速処理では、シフトスイッチ35a,35b或いは36a,36bのON時間に比例して変速比が連続的に変化される。
【0052】
プライマリ圧制御用ソレノイド弁15bは、TCU21から出力されるプライマリプーリ駆動信号に応じて動作し、このプライマリ圧制御用ソレノイド弁15bからプライマリ圧制御弁14へプライマリ圧を供給する。プライマリ圧制御弁14はブライマリ圧にてプライマリ油圧室5fに供給する油圧を制御し、両プーリ5a,5dの溝幅を反比例状態に設定して、変速比εを目標変速比isに到達させる。
【0053】
このように、本実施形態では、セレクトレバー43をスルーゲート44cを通りサブゲート44b側へ移動させるとマニュアルモードスイッチ37がONして、変速モードが自動変速モードからマニュアルモードへ切換えられて、現在の変速比εが固定される。その後、セレクトレバー43の操作によりアップシフトスイッチ35a、又は、ダウンシフトスイッチ35bをONすると、そのON時間Tcが短押し判定値(判定時間)Toよりも短い場合は、マニュアル有段変速処理が実行され、又、ON時間Tcが短押し判定値(判定時間)Toよりも長い場合は、マニュアルリニア変速処理が開始される。
【0054】
又、セレクトレバー43がメインゲート44a側に位置して、マニュアルモードスイッチがOFFのときに、ステアリングハンドル46に設けられているテンポラリアップシフトスイッチ36a、又は、テンポラリダウンシフトスイッチ36bをONした場合には、テンポラリアップシフトスイッチ36a又はテンポラリダウンシフトスイッチ36bをONすることでマニュアルモードスイッチ37がONされた場合と同様に、変速モードが自動変速モードからマニュアルモードへ切換えられて、現在の変速比εが固定される。つまり、テンポラリアップシフトスイッチ36a、及び、テンポラリダウンシフトスイッチ36bは自動変速モードとマニュアル変速モードとを切り換えるマニュアルモードスイッチとしての機能も兼ね備えている。
【0055】
その後、テンポラリアップシフトスイッチ36a又はテンポラリダウンシフトスイッチ36bのON時間Tcが短押し判定値(判定時間)Toよりも短い場合は、マニュアル有段変速処理が実行され、又、ON時間Tcが短押し判定値(判定時間)Toよりも長い場合は、マニュアルリニア変速処理が開始される。なお、テンポラリアップシフトスイッチ36a、又は、テンポラリダウンシフトスイッチ36bを操作して自動変速モードからマニュアル変速モードに移行した場合、所定の解除条件(例えば、所定時間テンポラリアップシフトスイッチ36a、又は、テンポラリダウンシフトスイッチ36bの操作がない)が成立すると、自動変速モードへ自動的に復帰する。
【0056】
一方、セレクトレバー43がサブゲート44b側に位置して、マニュアルモードスイッチがONのときに、ステアリングハンドル46に設けられているテンポラリアップシフトスイッチ36a、又は、テンポラリダウンシフトスイッチ36bをONした場合には、上述したマニュアルモードスイッチ37がONのときに、アップシフトスイッチ35a、又は、或いはダウンシフトスイッチ35bをONした場合と同様に、テンポラリアップシフトスイッチ36a、又は、テンポラリダウンシフトスイッチ36bのON時間Tcが短押し判定値(判定時間)Toよりも短い場合は、マニュアル有段変速処理が実行され、又、テンポラリアップシフトスイッチ36a、又は、テンポラリダウンシフトスイッチ36bのON時間Tcが短押し判定値(判定時間)Toよりも長い場合は、マニュアルリニア変速処理が開始される。
【0057】
その結果、1つのアップシフトスイッチ35a,36a、或いはダウンシフトスイッチ35b,36bのONした後のOFFタイミングを変えるだけで、マニュアル有段変速とマニュアルリニア変速とを自在に選択することができ操作性が良く、多様化するユーザのニーズによりきめの細かい対応を図ることができる。
【0058】
又、1つのシフトスイッチの操作で、マニュアル有段変速処理とマニュアルリニア変速処理との何れかを選択し、或いは切換えることができるため、スイッチの部品点数を増やすことなく、製品コストの高騰を抑制することができる。更に、マニュアル有段変速を選択した場合は、シフトスイッチをONさせる毎に変速段(変速比)を素早く可変設定することができ、又、マニュアルリニア変速を選択した場合は、シフトスイッチのON時間に応じて変速比を任意に設定することができるので、操作性がよい。
【0059】
尚、本実施形態では、シフトスイッチをONしてから短押し判定値(判定時間)Toを経過後のシフトスイッチのON状態の継続時間に基づいて変速比を設定しているが、シフトスイッチをONしてからのON状態の継続時間に基づいて変速比を設定しても良い。つまり、マニュアルリニア変速処理における変速比の設定方法は任意である。
【0060】
更に、シフトスイッチ35a,35b、或いは36a,36bの短押しによりマニュアル有段変速処理を選択した場合、まず最初に現在の変速比εから最も近い固定変速段を特定し、特定した固定変速段を基準として、アップシフトスイッチ35a或いは36aがONされているときは、1段シフトアップし、又、ダウンシフトスイッチ35b,36bがONされているときは、1段ダウンシフトするようにしたので、変速不足感、或いは過剰な変速感を運転者に与えることがなく、運転者の意思に即した変速操作を実現することができる。
【0061】
次に、図8に示すタイミングチャートを参照して、上述した変速モード制御ルーチン、マニュアル有段変速処理サブルーチン、及びマニュアルリニア変速処理サブルーチンで実行される変速制御例について説明する。尚、変速操作は、サブゲート44bに備えられているアップシフトスイッチ35aとダウンシフトスイッチ35bとをセレクトレバー43を操作して行うものとする。
【0062】
セレクトレバー43をメインゲート44aからサブゲート44b側へ移動させてマニュアルモードスイッチ37をONさせると(経過時間t0)、変速比εが固定変速比ε1として設定される(ε1←ε)。
【0063】
次いで、セレクトレバー43を操作してアップシフトスイッチ35aをONさせると(経過時間t1)、カウンタタイマによる計時が開始される。そして、アップシフトスイッチ35aをOFFすると(経過時間t2)、そのときのON時間Tcが予め設定した短押し判定時間Toよりも短いため(Tc<To)、アップシフトスイッチ35aのOFFタイミングでマニュアル有段変速処理が開始される。
【0064】
すると、先ず、有段変速用シフトパターンに設定されている各変速段の変速比に基づき固定変速比ε1を変速段に換算する(図においては、2.2速)。そして、換算した変速段を四捨五入して、実際の変速段(図においては、2速)を最も近い固定変速段Aとして特定する。そして、この固定変速段Aから1段アップシフト(図においては、3速にセット)する。
【0065】
その後、アップシフトスイッチ35aを再びONさせると、再度、カウンタタイマによる計時が開始され、ON時間Tcが短押し判定時間Toを越えたとき(経過時間t4)、マニュアルリニア変速処理が開始され、変速比εがアップシフト時の変速勾配に沿って減少(増速)される。そして、アップシフトスイッチ35aがOFFされると(経過時間t5)、そのときの変速比εで固定変速比ε1が設定されて(ε1←ε)、変速比が固定される。
【0066】
その後、ダウンシフトスイッチ35bをONすると(経過時間t6)、カウンタタイマによる計時が開始され、ON時間Tcが短押し判定時間Toを越えたとき(経過時間t7)、マニュアルリニア変速処理が開始され、変速比εがダウンシフト時の変速勾配に沿って増加(減速)される。そして、ダウンシフトスイッチ35bがOFFされると(経過時間t8)、そのときの変速比εで固定変速比ε1が設定されて(ε1←ε)、変速比が固定される。
【0067】
その後、ダウンシフトスイッチ35bをONし、そのON時間Tcが短押し判定時間Toよりも短い場合、ダウンシフトステップS35bのOFFタイミングでマニュアル有段変速処理が開始され、先ず、有段変速用シフトパターンに設定されている各変速段の変速比に基づき固定変速比ε1を変速段に換算する(図においては、3.8速)。そして、換算した変速段を四捨五入して、実際の変速段(図においては、4速)を最も近い固定変速段Aとして特定する。そして、この固定変速段Aから1段ダウンシフト(図においては、3速にセット)する。
【0068】
その後、ダウンシフトスイッチ35bを短押しする都度に、そのOFFタイミングに合わせて(経過時間t9,t10,t11)、変速段がダウンシフトされる。
【0069】
尚、本発明は、上述した実施形態に限るものではなく、例えばシフトスイッチの短押しによりマニュアル有段変速処理が開始されて、変速段がアップシフト、或いはダウンシフトされた場合、このアップシフト、或いはダウンシフトが完了するまで、次の変速操作を受け付けないようにしても良い。
【0070】
又、シフトスイッチ群35を構成するアップシフトスイッチ35a及びダウンシフトスイッチ35bと、テンポラリシフトスイッチ群36を構成するテンポラリアップシフトスイッチ36a及びテンポラリダウンシフトスイッチ36bの両方を備えた例を示したが、シフトスイッチ群35またはテンポラリシフトスイッチ群36のいずれか一方のみを備えたものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】マニュアルモード付き無段変速装置の概略構成図
【図2】センタコンソールに設けたセレクト操作部の斜視図
【図3】ステアリングハンドル周辺の斜視図
【図4】変速モード設定ルーチンを示すフローチャート
【図5】マニュアル有段変速処理ルーチンを示すフローチャート
【図6】マニュアルリニア変速処理を示すフローチャート
【図7】(a)は自動変速モード時に読込む変速マップの概念図、(b)はマニュアル有段変速処理が実行される際に読込む有段変速用シフトパターンの概念図
【図8】マニュアルモード実行時の変速制御例を示すタイミングチャートであり、(a)は変速比の変化を示すタイミングチャート、(b)はアップシフトスイッチのON/OFFを示すタイミングチャート、(c)はダウンシフトスイッチのON/OFFを示すタイミングチャート、(d)はマニュアルモードスイッチのON/OFFを示すタイミングチャート
【符号の説明】
【0072】
3…無段変速機
35…シフトスイッチ群、
35a…アップシフトスイッチ、
35b…ダウンシフトスイッチ、
36…テンポラリシフトスイッチ群、
36a…テンポラリアップシフトスイッチ、
36b…テンポラリダウンシフトスイッチ、
37…マニュアルモードスイッチ、
41…セレクト操作部、
43…セレクトレバー、
44…セレクトゲート、
44a…メインゲート、
44b…サブゲート、
44c…スルーゲート、
ε…変速比、
ε1…固定変速比、
A…固定変速段、
Tc…カウント値(ON時間)、
To…短押し判定値(短押し判定時間)、
dα…アップシフト変化量、
dβ…ダウンシフト変化量、
is…目標変速比

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マニュアルモード時の無段変速機の変速比を外部操作により選択するシフト操作手段と、前記シフト操作手段からの操作信号に基づいて前記無段変速機の変速比を設定する変速制御手段とを有するマニュアルモード付き無段変速装置において、
前記変速制御手段は、
マニュアルモード時の前記シフト操作手段からの操作信号の継続時間を計時する操作信号計時手段と、
前記操作信号計時手段で計時した前記操作信号の継続時間と短押し判定時間とを比較する操作信号継続時間判定手段と、
前記操作信号継続時間判定手段で計時した前記操作信号の継続時間が該短押し判定時間よりも短いと判定した場合は、前記無段変速機の変速比が予め設定した複数の変速段に固定されている有段変速処理を実行する有段変速処理手段と、
前記操作信号の継続時間が前記短押し判定時間よりも長いと判定した場合は該継続時間に応じて前記無段変速機の変速比が連続的に変化されるリニア変速処理を実行するリニア変速処理手段とを
備えることを特徴とするマニュアルモード付き無段変速装置。
【請求項2】
前記リニア変速処理手段は、前記操作信号計時手段が前記操作信号の継続時間を計時開始してから前記短押し判定時間経過後の前記操作信号の継続時間に基づいて前記リニア変速処理を実行する
ことを特徴とする請求項1記載のマニュアルモード付き無段変速装置。
【請求項3】
前記有段変速処理手段では、前記シフト操作手段からの操作信号が反転したときから前記有段変速処理が開始される
ことを特徴とする請求項1または2記載のマニュアルモード付き無段変速装置。
【請求項4】
前記有段変速処理手段では、前記有段変速処理を開始するときの変速比に基づき、該変速比が前記複数の変速段の中から最も近い変速段を特定し、特定した該変速段を基準として前記シフト操作手段からの操作信号に従いアップシフト或いはダウンシフトする
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のマニュアルモード付き無段変速装置。
【請求項5】
前記リニア変速処理手段では、前記操作信号の継続時間が前記短押し判定時間に達したときから前記リニア変速処理が開始される
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のマニュアルモード付き無段変速装置。
【請求項6】
前記リニア変速処理手段では、アップシフト時とダウンシフト時とで異なる変速勾配が設定されている
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のマニュアルモード付き無段変速装置。
【請求項7】
前記リニア変速処理手段では、前記操作信号の継続時間の経過と共に変速勾配の変化率が可変される
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のマニュアルモード付き無段変速装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−190633(P2008−190633A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−26038(P2007−26038)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】