説明

メンブレンスイッチ

【課題】曲げ方向の外力に対して耐久性の高いメンブレンスイッチ1を提供する。
【解決手段】主面に回路12が形成され、回路12と導電性接着剤15を介して電気的に接続される電子部品10が実装される第1シート11と、第1シート11の主面に積層され、電子部品10が実装される領域を切り欠いて形成された第1開口部130を有するスペーサ13と、このスペーサ13を介在させて第1シート11に対向して積層されるとともに、電子部品10が実装される領域を切り欠いて形成された第2開口部140を有する第2シート14と、第1開口部130及び第2開口部140の内側に実装された電子部品10に外接するように設けられた補強樹脂部材16と、を備え、スペーサ13の第1開口部130の端面131の少なくとも一部は、第2開口部140の端面141よりも電子部品側10に位置させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品が実装されたメンブレンスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光素子が実装されたメンブレンスイッチに関し、スペーサの切欠部により形成された空間に取り付けられた発光素子を樹脂で封止する構造が知られている(特許文献1)。また、チップ部品の装着構造に関し、封止剤で覆うことによりチップ部品をメンブレンシートに固着する構造が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−101737号公報
【特許文献2】特開平6−69636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電子部品が実装されたメンブレンスイッチは、曲げ方向の外力に対して耐久性が低いという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、曲げ方向の外力に対して耐久性の高いメンブレンスイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、主面に回路が形成され、前記回路と導電性接着剤を介して電気的に接続される電子部品が実装される第1シートと、前記第1シートの主面に積層され、前記電子部品が実装される領域を切り欠いて形成された第1開口部を有するスペーサと、前記スペーサを介在させて前記第1シートに対向して積層されるとともに、前記電子部品が実装される領域を切り欠いて形成された第2開口部を有する第2シートと、前記第1開口部及び前記第2開口部の内側に実装された前記電子部品に外接するように設けられた補強樹脂部材と、を備え、前記スペーサの第1開口部の端面の少なくとも一部を、前記第2開口部の端面よりも前記電子部品側に位置させることにより、上記課題を解決する。
【0007】
また、第2の発明は、主面に回路が形成され、前記回路と導電性接着剤を介して電気的に接続される電子部品が実装される第1シートと、前記回路の少なくとも一部を覆うように積層され、前記電子部品が実装される領域を除去して形成された第1開口部を有するレジスト層と、前記レジスト層に積層され、前記電子部品が実装される領域を切り欠いて形成された第2開口部を有するスペーサと、前記スペーサを介在させて前記第1シートに対向して積層されるとともに、前記電子部品が実装される領域を切り欠いて形成された第3開口部を有する上部シートと、前記第1開口部乃至第3開口部の内側に実装された前記電子部品に外接するように設けられた補強樹脂部材とを備え、前記レジスト層の第1開口部の端面の少なくとも一部を、前記第2開口部の端面よりも前記電子部品側に位置させることにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0008】
第1の発明によれば、電子部品が実装される第1シートに積層されるスペーサの第1開口部の端面の少なくとも一部を、第2開口部の端面よりも電子部品側に位置するようにしたので、作用する応力が分散され、曲げ方向の外力に対して耐久性の高いメンブレンスイッチを提供することができる。
また、第2の発明によれば、電子部品が実装される第1シートに積層されるレジスト層の第1開口部の端面の少なくとも一部を、第2開口部の端面よりも電子部品側に位置するようにしたので、作用する応力が分散され、曲げ方向の外力に対して耐久性の高いメンブレンスイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】第1実施形態に係るメンブレンスイッチ1の第1の例を示す平面図である。
【図1B】図1AのIB-IB線に沿う断面図である。
【図2A】第1実施形態に係る他のメンブレンスイッチ1の第2の例を示す平面図である。具体的に、第1開口部130の形状が円形であるメンブレンスイッチ1を示す。
【図2B】図2AのIIB-IIB線に沿う断面図である。
【図3A】第1実施形態に係る他のメンブレンスイッチ1の第3の例を示す平面図である。具体的に、補強樹脂部材16が第1開口部130の全面に設けられたメンブレンスイッチ1を示す。
【図3B】図3AのIIIB-IIIB線に沿う断面図である。
【図4A】第1実施形態に係る他のメンブレンスイッチ1の第4の例を示す平面図である。具体的に、補強樹脂部材16が第2シート14の第2開口部140の端面141の少なくとも一部と接するメンブレンスイッチ1を示す。
【図4B】図4AのIVB-IVB線に沿う断面図である。
【図5A】第1実施形態に係る他のメンブレンスイッチ1の第5の例を示す平面図である。具体的に、図4A及び図4Bに示す例において、補強樹脂部材16が、第1開口部130の全面に設けられたメンブレンスイッチ1を示す。
【図5B】図5AのVB-VB線に沿う断面図である。
【図6A】第2実施形態に係るメンブレンスイッチ1の第1の例を示す平面図である。具体的に、第2シート14の第3開口部250とスペーサ13の第2開口部240とが同じ形状であるメンブレンスイッチ1´を示す。
【図6B】図6AのVIB-VIB線に沿う断面図である。
【図7A】第2実施形態に係るメンブレンスイッチ1の第2の例を示す平面図である。具体的に、第2シート14の第3開口部250とスペーサ13の第2開口部240とが異なる形状であるメンブレンスイッチ1´を示す。
【図7B】図7AのVIIB-VIIB線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、キーボードなどのメンブレンスイッチに用いられるメンブレンスイッチ1を例に説明する。
【0011】
《第1実施形態》
図1Aは、本発明の第1実施形態に係るメンブレンスイッチ1の第1の例を示す平面図、図1Bは、図1AのIB-IB線に沿う断面図である。
【0012】
図1A及び図1Bに示すように、本実施形態のメンブレンスイッチ1は、主面に回路12が形成され、回路12と導電性接着剤15を介して電気的に接続される電子部品10が実装される第1シート11と、第1シート11の主面に積層され、電子部品10が実装される領域を切り欠いて形成された第1開口部130を有するスペーサ13と、スペーサ13を介在させて第1シート11に対向して積層されるとともに、電子部品10が実装される領域を切り欠いて形成された第2開口部140を有する第2シート14とを備えている。
【0013】
本実施形態における第1シート11は、厚さが10μm〜250μmの薄い絶縁材料であり、その主面に導電性の回路12が形成されるとともに、LED(Light Emitting Diode)、抵抗、ダイオード(Diode)その他の電子部品が実装される。
【0014】
第1シート11に形成される回路12は、金属フィラーを含む導電性ペーストを用い直接回路を描くアクティブ法や、金属箔を用いるエッチング加工法などにより形成される。本実施形態では、銀ペーストやカーボンペーストをスクリーン印刷などで第1シート11にパターニングすることにより回路12を形成する。形成された回路12は、金属フィラーを含む導電性接着剤15を介して電子部品10と電気的に接続される。
【0015】
電子部品10が実装される第1シート11の主面、すなわち回路12が形成された面には、電子部品10が実装される領域を切り欠いて形成された第1開口部130を有する絶縁性のスペーサ13が積層される。スペーサ13は、厚さが10μm〜250μmの薄い絶縁材料である。
【0016】
この第1開口部130の形状は特に限定されない。つまり、図1A及び図1Bに示すように、第1開口部130の形状を矩形としてもよいし、円形としてもよい。図2A及び図2Bは、スペーサ13の第1開口部130の形状を円形とするメンブレンスイッチ1の第2の例を示す。
【0017】
このスペーサ13を介在させた状態で第1シート11に対向して、電子部品10が実装される領域を切り欠いて形成された第2開口部140を有する第2シート14が積層される。第2シート14は、厚さが10μm〜250μmの薄い絶縁材料である。第2シート14には、回路12と同様の手法により、回路が形成される。
【0018】
第1シート11、スペーサ13、及び第2シート14は、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(polyimide)などの可撓性を有する樹脂製シートからなる。
【0019】
上述したスペーサ13の第1開口部130の開口領域と第2シート14の第2開口部140の開口領域とは、電子部品10の実装位置を含む。つまり、図1A及び図1Bに示すように、電子部品10は第1開口部130の端面131及び第2開口部140の端面141の内側に実装される。
【0020】
さらに、図1A及び図1Bに示すように、本実施形態では、スペーサ13の第1開口部130の端面131の少なくとも一部を、第2開口部140の端面141よりも電子部品10側に位置させる。
【0021】
ここで、第1開口部130の端面131とは、この第1開口部130の開口縁の沿うとともに、スペーサ13の厚さ方向に延在する面である。同様に、第2開口部140の端面141とは、この第2開口部140の開口縁の沿うとともに、第2シート14の厚さ方向に延在する面である。
【0022】
このように、スペーサ13の第1開口部130の端面131の少なくとも一部が、第2開口部140の端面141よりも電子部品10側に位置するので、図1A及び図1Bに示すように、電子部品10近傍の領域Aに、第1シート11の主面と、スペーサ13の端面131と、この端面131に連なるスペーサ13の上面132により、断面視において、段差が形成される。つまり、本実施形態のメンブレンスイッチ1は、第1シート11の主面と高さの異なるスペーサ13の上面132が、端面131により連なる段状の構造を備える。
【0023】
また、他の観点によれば、同図に示すように、スペーサ13に形成された第1開口部130は、第2シート14に形成された第2開口部140の内側に位置する。
【0024】
さらに異なる観点によれば、同図に示すように、本実施形態の第1開口部130の面積は、第2開口部140の面積よりも小さい。
【0025】
本実施形態のメンブレンスイッチ1は、第1開口部130の開口縁に段差構造を備えるので、曲げ方向の外力によって生じる応力を分散させることにより、第1開口部130と補強樹脂部材160との界面に集中するのを防止し、曲げ方向の外力に対する耐久性を向上させることができる。
本実施形態のメンブレンスイッチ1は、この段差構造により、補強樹脂部材16が他の部材と接する境界において、応力が集中する不連続点を分散させたことにより、耐久性を向上させる。
その結果、材料の選択範囲を広げることができる。すなわち、従来は、曲げ方向の外力に耐える性能を有する材料を使用しなければならず、材料の選択範囲が限定されていたが、本実施形態のメンブレンスイッチ1は曲げ方向の外力に対する耐久性が高いため材料の選択範囲が限定されない。
【0026】
本実施形態のメンブレンスイッチ1は、第1開口部130及び第2開口部140の内側に実装された電子部品10に外接するように設けられた補強樹脂部材16を備える。この補強樹脂部材16は、実装される電子部品10と回路12との電気的な接触が経時的に確保されるように、電子部品10の固定部分を補強し、電子部品10の固定状態を維持させる機能を有する。特に限定されないが、補強樹脂部材16としては、絶縁性の熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂などを用いることができる。
【0027】
また、図1A及び図1Bに示すように、本実施形態では、補強樹脂部材16を、電子部品10と導電性接着剤15との接触部分、導電性接着剤15と回路12との接触部分、及び導電性接着剤15の外面を覆うように形成することが好ましい。この場合において、補強樹脂部材16は、第1シート11の一部を覆わない。
このように、補強樹脂部材16が必要最低限の接触部分のみを覆い、補強樹脂部材16の充填面積乃至充填体積を小さくすることにより、補強用樹脂部材16とこれに接するスペーサ13の第1開口部130の開口縁との界面にかかる力を小さくすることができるので、曲げ方向の外力に対する耐久性を向上させることができる。
【0028】
さらに、本実施形態では、補強樹脂部材16を、回路12の露出領域を覆うように設けることが好ましい。これにより、銀回路その他の導電性回路の腐食を防止することができ、耐環境性を向上させることができる。
【0029】
たとえば、第3の例として図3A及び図3Bに示すメンブレンスイッチ1のように、第1開口部130の全体を補強樹脂部材16で覆うようにしてもよい。
【0030】
さらにまた、本実施形態では、補強樹脂部材16を、図1A及びB〜図3A及びBに示すように、スペーサ13の上面132の少なくとも一部と接するように設けることが好ましい。
【0031】
言い換えると、補強樹脂部材16が、スペーサ13の端面131の少なくとも一部と、この端面131に連なるスペーサ13の上面132の少なくとも一部によって形成される段差を覆うように、補強樹脂部材16を設けることが好ましい。
【0032】
このように、補強樹脂部材16が第1シート11の主面と、スペーサ13の端面131と、この端面131に連なるスペーサ13の上面132とに接するようにすることにより、補強樹脂部材16は異なる方向に延在する複数の面において補強面(接着面)が形成される。
このため、図1Bに示すような曲げ方向の外力(例えば矢印F1乃至F3方向の外力)を受けた場合に生じる応力を、分散させることができるため、曲げ方向の外力に対する耐久性を向上させることができる。
【0033】
さらに、第4の例として図4A及び図4Bに示すメンブレンスイッチ1や、第5の例として図5A及び図5Bに示すメンブレンスイッチ1のように、補強樹脂部材16は、スペーサ13の上面132に連なる第2シート14の第2開口部140の端面141の少なくとも一部と接するようにしてもよい。
ちなみに、図4A及び図4Bに示すメンブレンスイッチ1は、補強樹脂部材16が電子部品10と導電性接着剤15との接触部分、導電性接着剤15と回路12との接触部分、及び導電性接着剤15の外面を覆い、第1開口部130の一部を覆っていない態様を示し、図5A及び図5Bに示すメンブレンスイッチ1は、補強樹脂部材16が第1開口部130の全面を覆う態様を示す。
【0034】
続いて、上述したメンブレンスイッチ1の製造方法の一形態を説明する。
【0035】
まず、第1シート11として、75μmのポリエチレンテレフタレートのシートを準備する。第1シート11の厚さや材質は、適用すべき対象や目的に応じて選択することができる。
【0036】
この第1シート11に、スクリーン印刷法などにより銀ペーストを印刷して回路12を形成する。このとき、シート間の接着用の糊も印刷する。なお、糊が作業の妨げにならないように、印刷された糊をセパレータで被覆する。
【0037】
また、スペーサ13として、50μmのポリエチレンテレフタレートのシートを準備する。スペーサ13の厚さや材質は、適用すべき対象や目的に応じて選択することができる。
【0038】
このスペーサ13の電子部品10を実装する位置に約φ3mmの円形の第1開口部130を形成する。上述したとおり、第1開口部130の形状及び大きさは、第2シート14の第2開口部140の形状及び大きさとの関係に基づいて決定する。
【0039】
さらに、第2シート14として、75μmのポリエチレンテレフタレートのシートを準備する。第2シート14の厚さや材質は、適用すべき対象や目的に応じて選択することができる。
【0040】
この第2シート14の電子部品10を実装する位置に、φ3mmの円形よりも大きい形状の開口部140を形成する。
【0041】
なお、第2開口部140の形状及び大きさは特に限定されず、少なくとも一部において、スペーサ13の第1開口部130の端面131の位置が、第2シート14の第2開口部140の端面141の位置よりも電子部品10側となるような形状及び大きさであればよい。
【0042】
必要に応じて、第2シート14に、スクリーン印刷法などにより銀ペーストを印刷して回路を形成する。このとき、シート間の接着用の糊も印刷する。なお、糊が作業の妨げにならないように、印刷された糊をセパレータで被覆する。
【0043】
続いて、準備した第1シート11と、スペーサ13と、第2シート14の3枚のシートを貼り合わせる。
【0044】
次に、第1開口部130の内側の所定の位置に、LED(電子部品)10を実装する。さらに、ディスペンサーを用いて、LED10に外接するように補強用樹脂を充填する。そして、充填した樹脂を熱硬化させ、補強樹脂部材16を形成する。
【0045】
本実施形態では、少なくとも、実装された電子部品10と導電性接着剤15との接触部分、導電性接着剤15と回路12との接触部分、及び導電性接着剤15の外面を覆う補強樹脂部材16を形成する。
【0046】
また、本実施形態のメンブレンスイッチの実装態様は特に限定されず、本実施形態のメンブレンスイッチ1の第2シート14に、さらに、接点用スペーサ、及び接点用上部シートを積層し、接点を備える5層のメンブレンスイッチを構成してもよい。
【0047】
なお、本実施形態では、1枚の第1シート11と、1枚のスペーサ13と、1枚の第2シート14と、1つの電子部品10から、1つのメンブレンスイッチ1を得る手法を説明したが、1枚の第1シート11と、1枚のスペーサ13と、1枚の第2シート14と、複数の電子部品10から複数のメンブレンスイッチ1を製造してもよい。
【0048】
《第2実施形態》
図6Aは、本発明の他の実施の形態に係るメンブレンスイッチ1´の第1の例を示す平面図、図6Bは、図6AのVIB-VIB線に沿う断面図である。第2実施形態のメンブレンスイッチ1´の基本的な構成は、図1A及びB〜図5A及びBに基づいて説明した第1実施形態のメンブレンスイッチ1の基本的な構成と共通する。重複した説明を避けるため、共通する点については先の説明を援用し、ここでは異なる点を中心に説明する。
【0049】
第2実施形態に係るメンブレンスイッチ1´は、主面に回路12が形成され、回路12と導電性接着剤15を介して電気的に接続される電子部品10が実装される第1シート11と、回路12の少なくとも一部を覆うように積層され、電子部品10が実装される領域を除去して形成された第1開口部230を有するレジスト層23と、レジスト層23に積層され、電子部品10が実装される領域を切り欠いて形成された第2開口部240を有するスペーサ13と、レジスト層23とスペーサ13を介在させて第1シート11に対向して積層されるとともに、電子部品10が実装される領域を切り欠いて形成された第3開口部250を有する第2シート14と、第1開口部230、第2開口部240、及び第3開口部250の内側に実装された電子部品10に外接するように設けられた補強樹脂部材16と、を備え、レジスト層23の第1開口部230の端面231の少なくとも一部は、第2開口部240の端面241よりも電子部品10側に位置することを特徴とする。
【0050】
つまり、第2実施形態に係るメンブレンスイッチ1´は、第1シート11の主面側にレジスト層23を備え、レジスト層23の第1開口部230の端面231の少なくとも一部が、第2開口部240の端面241よりも電子部品10側に位置する点を特徴とする。
【0051】
レジスト層23は、第1シート11の主面に形成された回路12を保護する機能を有し、第1実施形態のスペーサ13と同様に、電子部品10が実装される領域を除去して形成された第1開口部230を有する。
【0052】
レジスト層23の形成手法は特に限定されず、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂をベースにした液状のカバーコートインクを用いてスクリーン印刷により形成することができる。
【0053】
また、レジスト層23の形成時においては、電子部品10が実装される領域を除去することにより、第1開口部230を形成する。
【0054】
なお、第2開口部240を有するスペーサ13の作成方法、及び第3開口部250を有する第2シート14の作成方法は、第1実施形態のそれと共通する。
【0055】
さらに、本実施形態のメンブレンスイッチ1´は、図6A及び図6Bに示すように、第1開口部230の端面231に連なるレジスト層23の上面232の少なくとも一部と接することを特徴とする。
【0056】
ここで、第1開口部230の端面231とは、この第1開口部230の開口縁の沿うとともに、レジスト層23の厚さ方向に延在する面である。同様に、第2開口部240の端面241とは、この第2開口部240の開口縁の沿うとともに、スペーサ13の厚さ方向に延在する面である。同じく、第3開口部250の端面251とは、この第2開口部250の開口縁の沿うとともに、第2シート14の厚さ方向に延在する面である。
【0057】
このように、レジスト層23の第1開口部230の端面231の少なくとも一部が、第2開口部240の端面241よりも電子部品10側に位置するので、図6A及び図6Bに示すように、電子部品10近傍の領域Aに、第1シート11の主面と、レジスト層23の端面231と、この端面231に連なるレジスト層23の上面232により、断面視において段差が形成される。つまり、第1シート11の主面と高さの異なるレジスト層23の上面232が、端面231により連なる段状の構造が形成される。
【0058】
他の観点によれば、同図に示すように、レジスト層23に形成された第1開口部230は、スペーサ13に形成された第2開口部240の内側、つまり電子部品10側に位置する。
【0059】
さらに、異なる観点によれば、同図に示すように、本実施形態の第1開口部230の面積は、第2開口部240の面積よりも小さい。
【0060】
また、本実施形態のメンブレンスイッチ1´は、第1実施形態のそれと同様に、第1開口部230及び第2開口部240の内側に実装された電子部品10に外接するように補強樹脂部材16を備える。
【0061】
本実施形態においては、図6A及び図6Bに示すように、補強樹脂部材16を、レジスト層23の第1開口部230の端面231に連なるレジスト層23の上面232の少なくとも一部と接するように設けることが好ましい。
【0062】
言い換えると、補強樹脂部材16が、レジスト層23の端面231の少なくとも一部と、この端面231に連なるレジスト層23の上面232の少なくとも一部によって形成される段差を覆うように、補強樹脂部材16を設けることが好ましい。
【0063】
このように、補強樹脂部材16が第1シート11の主面と、レジスト層23の端面231と、この端面231に連なるレジスト層23の上面232とに接するようにすることにより、補強樹脂部材16は異なる方向に延在する複数の面において補強面(接着面)が形成される。このため、図6Bに示すような曲げ方向の外力(例えば矢印F1乃至F3方向の外力)を受けた場合に生じる応力を分散させることができ、曲げ方向の外力に対する耐久性を向上させることができる。
【0064】
また、図7A及び図7Bに示す、第2実施形態の第2の例に係るメンブレンスイッチ1´のように、スペーサ13の第2開口部240と第2シート14の第3開口部250とを異なる形状としてもよい。本実施形態では、スペーサ13の第2開口部240の端面241の少なくとも一部は、第2シート14の第3開口部250の端面251よりも電子部品10側に位置させる。
【0065】
これにより、レジスト層23の第1開口部230に加えて、スペーサ13の第2開口部240の縁側にも段差を設けることができ、曲げ方向の外力を受けた場合に生じる応力を、さらに分散させることができるため、曲げ方向の外力に対する耐久性を向上させることができる。
特に、第1シート11以上にフレキシブルなレジスト層23を設けることにより、補強樹脂部材16にかかる曲げ応力をより分散することができる。
【0066】
≪実施例≫
次に、第1実施形態及び第2実施形態に係る実施例1〜9について説明する。
【0067】
実施例1〜9のメンブレンスイッチを作成するため、以下の材料を準備した。
【0068】
まず、第1シート11、スペーサ13及び第2シート14として、帝人デュポンフィルム社製のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムHS、厚さ100μmを準備した。
【0069】
また、実施例6〜9に係るメンブレンスイッチのレジスト層23を形成するため、株式会社アサヒ化学研究所のCR−18G−KT1を準備した。
【0070】
また、回路12を形成するため、銀フィラーを含む導電性ペーストである東洋紡績株式会社製DX−351H−30を準備した。
【0071】
また、導電性接着剤15として、スリーボンド株式会社製の銀フィラー含有接着剤3302Bを準備した。
【0072】
また、補強樹脂部材16を形成する樹脂として、東亜合成株式会社製のXTS−10を準備した。
【0073】
さらに、電子部品10として、ローム株式会社製の緑色発光サーフェイスマウントチップLED:SML−412MW、寸法L:1.6mm、W:0.8mm、H:0.4mmを準備した。
【0074】
実施例1〜9のメンブレンスイッチを、以下の方法により作成した。
【0075】
(1)まず、第1シート11に回路12を形成した。本実施例では、第1シート11に導電性ペーストをスクリーン印刷し、回路12を形成した。このときの回路膜厚は10μmであった。また、スクリーン印刷後、導電性ペーストを乾燥させた。
【0076】
(2)次に、第2シート14、スペーサ13、及びレジスト層23に、各開口部を形成した。レジスト層23、第2シート14及びスペーサ13の各開口部は、金型を用いる打ち抜き法により形成する。レジスト層23については、回路12が形成された第1シート11にスクリーン印刷によりレジスト材料を印刷し、乾燥させてレジスト層23を形成した後に、レジスト層23の少なくとも一部、第1シート11の少なくとも一部に接着剤を印刷し、セパレータを貼り合わせて、金型を用いて第1開口部230を形成した。
【0077】
(2−1)実施例1〜4に係るメンブレンスイッチにおいては、第2シート14の電子部品10が実装される実装部分に対応する位置にφ3mmの略円形の第2開口部140を形成し、スペーサ13の電子部品10の実装部分に対応する位置に2.3mm×1.4mmの略長方形の第1開口部130を形成した。
(2−2)実施例5に係るメンブレンスイッチにおいては、第2シート14の電子部品10が実装される実装部分に対応する位置にφ5mmの略円形の第2開口部140を形成し、スペーサ13の電子部品10の実装部分に対応する位置にφ3mmの略円形の第1開口部130を形成した。
(2−3)実施例6に係るメンブレンスイッチにおいては、第2シート14の電子部品10が実装される実装部分に対応する位置にφ3mm略円形の第3開口部250を形成し、スペーサ13の電子部品10の実装部分に対応する位置に第3開口部250と同じ形状・大きさの第2開口部240を形成し、レジスト層23の電子部品10の実装部分に対応する位置に、2.3×1.4mmの長方形の第1開口部230を形成した。
(2−4)実施例7〜9に係るメンブレンスイッチにおいては、第2シート14の電子部品10が実装される実装部分に対応する位置にφ4mmの略円形の第3開口部250を形成し、スペーサ13の電子部品10の実装部分に対応する位置にφ3mmの略円形の第2開口部240を形成し、レジスト層23の電子部品10の実装部分に対応する位置に、2.3×1.4mmの長方形の第1開口部230を形成した。
【0078】
(3)実施例1〜5に係るメンブレンスイッチにおいては、スペーサ13を介在させて、第1シート11及び第2シート14を貼り合わせた。また、実施例6〜9に係るメンブレンスイッチにおいては、レジスト層23及びスペーサ13を介在させて、第1シート11及び第2シート14を貼り合わせた。
【0079】
(4)次に、ディスペンサーを用いて、導電性接着剤15を電子部品10の実装部分に塗布した。
【0080】
(5)続いて、電子部品10の電極が電導性接着剤15に接するように、つまり、通電が確保できるように、電子部品10を実装した。その後、導電性接着剤15を硬化させた。
【0081】
(6)最後に、ディスペンサーを用いて補強用樹脂を第1開口部130に充填し、補強樹脂部材16を設けた。
なお、実施例1及び2に係るメンブレンスイッチにおいては、補強用樹脂を、第1開口部130の全面に充填する。つまり、第1開口部130に補強用樹脂が充填されていない非充填部分は無い。
他方、実施例3〜9に係るメンブレンスイッチにおいては、補強用樹脂を、導電性接着剤15と電子部品10との接触部分、導電性接着剤15と回路12との接触部分、及び導電性接着剤15の外面を覆う部分のみに補強用樹脂を充填し、これらの部分にのみ補強樹脂部材16を設ける。つまり、開口部の全面に充填するのではなく、所定の部分にのみ充填し、補強用樹脂が充填されていない非充填部分を形成する。
【0082】
(7)形成した補強樹脂部材16を熱硬化、紫外線硬化などの適切な手法により、硬化させた。
【0083】
実施例1〜9の各特徴点は下掲の表1に示した。
【0084】
次に、比較例1及び比較例2に係るメンブレンスイッチについて説明する。
実施例1〜9と比較例1及び2に係るメンブレンスイッチは、以下の点で相違し、その他は、実施例1〜9と同じ材料を用い、同じ手法により作成した。
【0085】
第1の相違点として、比較例1及び比較例2の第1シート11に対応する下部シートに形成された開口部の形状及び大きさと、スペーサ13に対応する下部シートに積層されたシートに形成された開口部の形状及び大きさは同一であり、開口部の縁において段差は形成されていない。
【0086】
また、第2の相違点として、比較例1に係るメンブレンスイッチにおいては、電子部品を補強するための樹脂を、下部シートの開口部の全面に充填した。他方、比較例2に係るメンブレンスイッチにおいては、電子部品を補強するための樹脂を下部シートの開口部の全面に充填せず、充填がされていない非充填部分を残した。
【0087】
比較例1及び2の構成上の特徴点を、下掲の表1に示す。
【0088】
以上のように作成された実施例1〜9のメンブレンスイッチ並びに比較例1及び2のメンブレンスイッチについて、以下の手法により(A)曲げ試験と(B)耐熱試験を実施し、その結果を評価した。
【0089】
(A)曲げ試験
まず、上記の材料及び手法により作成された実施例1〜9に係るメンブレンスイッチの被測定サンプルと、上記の材料及び手法により作成された比較例1〜2に係るメンブレンスイッチの被測定サンプルを準備した(サンプル数N=10)。
【0090】
次に、実施例1〜9のメンブレンスイッチ並びに比較例1及び2のメンブレンスイッチについて、低圧電流発生電源(株式会社アドバンテスト製 R6142)を用いて、電流0.3mAを通電させ、LED10の点灯を確認した。
【0091】
次に、LED10を点灯させた状態で、直径φ15mmの円柱にLED10の実装部を沿わせ、そのときのLED10の点灯又は不点灯、及び補強用の樹脂部分(実施例1〜9における補強樹脂部材16)の破壊の有無を確認した。
【0092】
続けて、円柱の直径をφ15mmから1mmずつ小さくし、そのときのLED10の点灯又は不点灯、及び補強用の樹脂部分(実施例1〜9における補強樹脂部材16)の破壊の有無を確認した。この確認試験を、LED10の不点灯及び補強用の樹脂部分の破壊の双方が発生するまで実行した。
【0093】
ちなみに、LEDの点灯又は不点灯は試験者の目視により行った。また、樹脂部分の破壊の有無は、試験者がルーペを用いて目視で行い、幅0.2mm以上の亀裂が確認された場合は破壊があったと判定した。
【0094】
続いて、各試験の評価を行った。メンブレンスイッチが破壊したとき又はメンブレンスイッチが不点灯であった場合に、LED10の実装部が当てられていた円柱の直径を記録した。例えば、LED10の実装部を10mmの円柱に沿わせても破壊が確認されなかったが、LED10の実装部を9mmの円柱に沿わせたときに破壊が確認された場合は、その試験結果を9mmとした。各試験の結果の平均を下掲の表1に示す。
【0095】
この曲げ試験において、破壊又は不点灯が発生したときの試験に用いられていた円柱の直径が小さいほど、曲げの外力に対して耐久性があると評価できる。つまり、試験結果の値が小さいほど曲げの外力に対して耐久性が高いと評価できる。
【0096】
本実施例では、破壊又は不点灯が発生したときの試験に用いられていた円柱の直径が、5mm以下である場合は「良好」と評価した。
【0097】
(B)耐熱試験
続いて、耐熱試験について説明する。上述した曲げ試験を、85℃の恒温状態を経てから行った。具体的に、上述の材料及び手法により準備したサンプル(サンプル数N=10)を、85℃の恒温槽に投入し、240時間、500時間経過後に、上記(A)曲げ試験を行った。
【0098】
試験方法及び試験結果の求め方は、曲げ試験と共通する。各試験の結果を下掲の表1に示す。
【0099】
本実施例では、80℃の恒温状態で240H経過後の曲げ試験において、破壊又は不点灯が発生したときの試験に用いられていた円柱の直径が5mm以下である場合は「良好」と評価した。同様に、80℃の恒温状態で500H経過後の曲げ試験においては、破壊又は不点灯が発生したときの試験に用いられていた円柱の直径が9mm以下である場合は「良好」と評価した。
【0100】
【表1】

【0101】
表1に示す結果によれば、LED10の実装領域に段差が形成された実施例1〜9のメンブレンスイッチの曲げ試験(0(H))の評価は、すべて「良好」であった。
また、LED10の実装領域に段差が形成された実施例1〜9のメンブレンスイッチの耐熱試験(80℃×240(H))の評価は、すべて「良好」であった。
さらに、ED10の実装領域に段差が形成された実施例1〜9のメンブレンスイッチの耐熱試験(80℃×500(H))の評価は、すべて「良好」であった。
【0102】
これに対し、LED10の実装領域に段差が形成されていない比較例1のメンブレンスイッチの曲げ試験(0(H))の点灯試験の評価は「良好でない」であった。
また、比較例1のメンブレンスイッチの耐熱試験(80℃×240(H))の破壊試験の評価は「良好でない」であった。
さらに、比較例1のメンブレンスイッチの耐熱試験(80℃×240(H))の破壊試験及び点灯試験の評価はいずれも「良好でない」であった。
【0103】
加えて、LED10の実装領域に段差が形成されていない比較例2のメンブレンスイッチの耐熱試験(80℃×500(H))の破壊試験の評価は「良好でない」であった。
また、比較例2のメンブレンスイッチの耐熱試験(80℃×240(H))の破壊試験の評価は「良好でない」であった。
さらに、比較例2のメンブレンスイッチの耐熱試験(80℃×500(H))の破壊試験及び点灯試験の評価はいずれも「良好でない」であった。
【0104】
以上のように、LED10の実装領域に段差が形成された実施例1〜9のメンブレンスイッチは、本実施例のような段差が形成されていない比較例1〜2のメンブレンスイッチよりも、曲げ試験及び耐熱試験において良好な結果を示した。
特に、耐熱試験において、実施例1〜9のメンブレンスイッチは、比較例1及び2よりも高温環境に長時間晒された後に印加された曲げ方向の外力に対する耐久性を維持し、高い耐熱性を示した。
【0105】
なお、スペーサ13の第1開口部130の形状を略円形状にした実施例5は、他の実施例1〜4と同様に、比較例1及び2のメンブレンスイッチよりも曲げ方向の外力に対して良好な耐久性を示すとともに、良好な耐熱性を示した。
【0106】
また、表1に示す結果によれば、補強樹脂部材16が第1開口部130の全面に充填されておらず、非充填部分がある実施例3〜5は、特に、メンブレンスイッチの耐熱試験(80℃×500(H))において、LED10が実装される開口部の全面に樹脂が充填された比較例1よりも良好な結果を示した。
【0107】
同様に、表1に示す結果によれば、補強樹脂部材16がレジスト層23の第1開口部230の全面に充填されておらず、非充填部分がある実施例6〜9は、特に、メンブレンスイッチの耐熱試験(80℃×500(H))において、LED10が実装される開口部の全面に樹脂が充填された比較例1よりも良好な結果を示した。
【0108】
また、表1に示す結果によれば、補強樹脂部材16がスペーサ13の第1開口部130の端面131に連なるスペーサ13の上面132の少なくとも一部と接する実施例2、4のメンブレンスイッチは、曲げ試験及び耐熱試験のすべての評価項目において、補強用の樹脂が上部シートの主面の高さまで充填された比較例1及び2のメンブレンスイッチよりも良好な結果を示した。
【0109】
同様に、表1に示す結果によれば、補強樹脂部材16がレジスト層23の第1開口部230の端面231に連なるレジスト層23の上面232の少なくとも一部と接する実施例6、7のメンブレンスイッチは、特に、メンブレンスイッチの耐熱試験(80℃×500(H))において、補強用の樹脂が上部シートの主面の高さまで充填された比較例2のメンブレンスイッチよりも良好な結果を示した。
【0110】
一般に、フレキシブルなメンブレンスイッチが曲げられた場合、補強樹脂部材16と電子部品10が実装される開口部の端部に応力が集中し、補強樹脂部材16との境界面で破壊が起こり、これに伴って第1シート11から回路12が剥離し、断線が起こるが、本実施例1〜9のメンブレンスイッチは、開口部の端部に作用する応力を分散することができるので、曲げ方向の外力に対して良好な耐久性を示すとともに、良好な耐熱性を示すことが確認できた。
【0111】
以上のように、上記実施例及び第1及び第2実施形態に係るメンブレンスイッチ1,1´は、曲げ方向の外力に対して良好な耐久性を示すので、量産時に製品を扱う場面において、オペレータの作業により与えられる力、又は製品組み立て時に与えられる力の影響を低減させることができる。
また、上記実施例及び第1及び第2実施形態に係るメンブレンスイッチ1,1´は、曲げ方向の外力に対して良好な耐久性を示すので、平坦でない面に実装されるスイッチや、曲率を有する面に実装されるスイッチとして有用である。例えば、ノート型のパソコンの端部などの製品のカーブ部分に実装されるスイッチとして有用である。
【0112】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0113】
1…メンブレンスイッチ
10…電子部品
11…第1シート
12…回路
13…スペーサ
23…レジスト層
130,230…第1開口部
131,230…第1開口部の端面
14…第2シート
140,240…第2開口部
141,241…第2開口部の端面
250…第3開口部
251…第3開口部の端面
15…導電性接着剤
16…補強樹脂部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面に回路が形成され、前記回路と導電性接着剤を介して電気的に接続される電子部品が実装される第1シートと、
前記第1シートの主面に積層され、前記電子部品が実装される領域を切り欠いて形成された第1開口部を有するスペーサと、
前記スペーサを介在させて前記第1シートに対向して積層されるとともに、前記電子部品が実装される領域を切り欠いて形成された第2開口部を有する第2シートと、
前記第1開口部及び前記第2開口部の内側に実装された前記電子部品に外接するように設けられた補強樹脂部材と、を備え、
前記スペーサの第1開口部の端面の少なくとも一部は、前記第2開口部の端面よりも前記電子部品側に位置することを特徴とするメンブレンスイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載のメンブレンスイッチにおいて、
前記補強樹脂部材は、前記電子部品と前記導電性接着剤との接触部分、前記導電性接着剤と前記回路との接触部分、及び導電性接着剤の外面を覆うように形成されたことを特徴とするメンブレンスイッチ。
【請求項3】
請求項2に記載のメンブレンスイッチにおいて、
前記補強樹脂部材は、さらに、前記回路の露出領域を覆うことを特徴とするメンブレンスイッチ。
【請求項4】
前記請求項1〜3の何れか一項に記載のメンブレンスイッチにおいて、
前記補強樹脂部材は、前記スペーサの第1開口部の端面に連なる前記スペーサの上面の少なくとも一部と接することを特徴とするメンブレンスイッチ。
【請求項5】
前記請求項4に記載のメンブレンスイッチにおいて、
前記補強樹脂部材は、前記第2シートの第2開口部の端面の少なくとも一部と接することを特徴とするメンブレンスイッチ。
【請求項6】
主面に回路が形成され、前記回路と導電性接着剤を介して電気的に接続される電子部品が実装される第1シートと、
前記回路の少なくとも一部を覆うように積層され、前記電子部品が実装される領域を除去して形成された第1開口部を有するレジスト層と、
前記レジスト層に積層され、前記電子部品が実装される領域を切り欠いて形成された第2開口部を有するスペーサと、
前記レジスト層及び前記スペーサを介在させて前記第1シートに対向して積層されるとともに、前記電子部品が実装される領域を切り欠いて形成された第3開口部を有する上部シートと、
前記第1開口部乃至第3開口部の内側に実装された前記電子部品に外接するように設けられた補強樹脂部材と、を備え、
前記レジスト層の第1開口部の端面の少なくとも一部は、前記第2開口部の端面よりも前記電子部品側に位置することを特徴とするメンブレンスイッチ。
【請求項7】
前記請求項6に記載のメンブレンスイッチにおいて、
前記補強樹脂部材は、前記第1開口部の端面に連なる前記レジスト層の上面の少なくとも一部と接することを特徴とするメンブレンスイッチ。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のメンブレンスイッチにおいて、
前記スペーサの第2開口部の端面の少なくとも一部は、前記第3開口部の端面よりも前記電子部品側に位置することを特徴とするメンブレンスイッチ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2011−9340(P2011−9340A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149625(P2009−149625)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】