説明

モジュール

【課題】本発明は部品を内蔵するモジュールにおいて、背の高い内蔵部品によってモジュールの高さが決定付けられ、モジュールの高さが厚くなるのを防止することを目的とする。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、基板22の下面側に接続された中継基板23と、この中継基板23の下面側に設けられた接続ランド24と、基板22の上面に装着された電子部品3と、電子部品3を覆う金属製のカバー25とを備え、基板22には貫通孔27を設けるとともに、中継基板23には貫通孔27を塞ぐように設けられた遮蔽部23aを設け、この遮蔽部23aの上面側には電子部品3の高さよりも高い電子部品4が貫通孔27を貫通するように配置されるものであり、これにより背の高い電子部品4の天面は基板22の厚み分低くなる。従って、その分カバー25と基板22との間の寸法を小さくでき、低背化が実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型のモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
以下、従来のモジュール1について図面を用いて説明する。図3は、従来のモジュールの断面図である。図3において、従来のモジュール1における基板2の両面には、電子部品3や電子部品4が接続される導体パターンが形成される。これらの導体パターンと電子部品3、電子部品4との間は、はんだによって接続されている。また、基板2の表側と裏側の導体パターン同士は、スルーホールによって接続されている。
【0003】
なお基板2の裏面には、基板2の外周に沿って中継基板5が装着され、この中継基板5の下面に接続ランド6が形成される。そして、この基板2の表側の電子部品3、電子部品4を覆うように金属製のカバー7が装着される。
【0004】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2001−156222号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらこのような従来のモジュール1において、カバー7の内面と基板2の上面との間の距離は、電子部品4の高さより高くしてある。つまり、電子部品3とカバー7との間には無駄な隙間を有することとなり、その結果モジュール1の高さは背の高い電子部品4の高さより決定付けられてしまうこととなる。従って、1個でも背の高い電子部品4が存在すると、モジュール1の高さが高くなるという課題を有していた。
【0006】
そこで本発明は、この問題を解決したもので、薄型のモジュールを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために本発明のモジュールにおいて、基板の貫通孔はこの基板の裏側に装着された中継基板の遮蔽部で塞がれている。そしてこの遮蔽部には第2の電子部品が装着されている。
【0008】
これによって、第2の電子部品は貫通孔を貫通して配置されることとなり、背の高い第2の電子部品の天面は基板の厚み分低くなるので、その分カバーと基板との間の寸法を小さくできる。従って、第1の電子部品とカバーとの間の無駄な空間が小さくなり、薄型のモジュールを実現できるものである。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明によれば、基板と、この基板の下面側に接続された中継基板と、この中継基板の下面側に設けられた接続ランドと、前記基板の上面に装着された第1の電子部品と、この第1の電子部品を覆う金属製のカバーとを備え、前記基板には貫通孔を設けるとともに、前記中継基板には前記貫通孔を塞ぐように設けられた遮蔽部を設け、この遮蔽部の上面側には前記第1の電子部品の高さよりも高い第2の電子部品が装着され、前記第2の電子部品は前記孔を貫通する位置に配置されるモジュールであり、これにより背の高い第2の電子部品の天面は基板の厚み分低くなるので、その分カバーと基板との間の寸法を小さくできる。従って、第1の電子部品とカバーとの間の無駄な空間が小さくなり、薄型のモジュールを実現できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態におけるモジュール21の断面図である。図1において、図3と同じものは同じ番号を用いてその説明は簡略化している。
【0011】
基板22の両面には、電子部品3が装着される装着パターンが形成され、この装着パターンと電子部品3との間は、はんだによって接続されている。この基板22の下面には「ロの字」型の中継基板23が装着されている。これによって、基板22の下面側の電子部品3は、中継基板23で囲まれる。
【0012】
中継基板23の下面には、モジュール21とをマザー基板へと接続するための接続ランド24が形成されている。なお、本実施の形態において、中継基板23と基板22との間もはんだによって接続される。
【0013】
金属製のカバー25は、電子部品3を覆うように基板22の表側から装着される。ここで、基板22と中継基板23の外周側面には切り欠き26が形成される。そしてこの切り欠き26に対し、カバー25の側面25aから延在して設けられた脚25bが挿入されて、はんだ付けされる。
【0014】
ここで、基板22には貫通孔27が設けられ、この貫通孔27の下側は中継基板23に設けられた遮蔽部23aによって塞がれている。そしてこの遮蔽部23aの上面に背の高い電子部品4が装着され、電子部品4は基板22を貫通し、電子部品4の天面が基板22の上面より突出した状態となる。
【0015】
以上の構成により、電子部品4は遮蔽部23aに装着されるので、基板22から突出する高さは、基板22の厚み分だけ低くなる。これにより、カバー25の内面と基板22の上面との間の距離を小さくでき、従って、電子部品3とカバー25との間の無駄な空間を小さくでき、薄型のモジュール21を実現できる。
【0016】
ここで遮蔽部23aは、「ロの字」型の中継基板23において孔23bの内方へ突出する形で設けられている。従って、この突出寸法が大きいと、基板22の下面において電子部品3を装着できる領域が小さくなってしまうこととなる。従って、貫通孔27は中継基板23にかかるような状態で設けると良い。本実施の形態において中継基板23は、基板22の外周に沿って設けられているので、貫通孔27は基板22の外周に近い場所に形成する。このようにすれば遮蔽部23aが小さくなり、基板22の下面における電子部品3の装着領域を広くできる。なお、本実施の形態では、貫通孔27としたが、これは切り欠き状としても良い。この場合、さらに遮蔽部23aの大きさが小さくできるので、基板22の下面において電子部品3を実装できない領域がさらに小さくなる。
【0017】
また、本実施の形態において貫通孔27には、電子部品4のみを装着したが、これは複数の電子部品を装着しても良い。
【0018】
さらにまた、遮蔽部23aの下面には接続ランド24aを形成する。そしてこの接続ランド24aをマザー基板と接続することで、モジュール21とマザー基板との間の接続強度を大きくできる。なお、本実施の形態において電子部品4は、水晶発振子である。そして接続ランド24aをグランド端子としている。これによって、水晶発振子の信号が外部や基板22の裏面に形成された回路に飛び込んだりしにくくなる。
【0019】
次に本実施の形態におけるモジュール21の製造方法について、図面を用いて説明する。図2は、本実施の形態におけるモジュール21の製造フローチャートである。図2において、図1と同じものには同じ番号を用いて、その説明は簡略化している。
【0020】
最初に中継基板23の製造方法について説明する。はんだ塗布工程51では、複数の中継基板23が連結された状態で、クリーム状のはんだ52を電子部品4が装着される所定位置に印刷する工程である。実装工程53では、はんだ塗布工程51の後で、中継基板23に対して電子部品4を装着する。
【0021】
リフロー工程54では、実装工程53の後ではんだ52を溶かし、電子部品4が中継基板23へ接続する工程である。そして分割工程55では、このようにして電子部品4が接続された状態で個片へ分割し、中継基板23が完成する。
【0022】
一方基板22は、はんだ塗布工程61において複数の基板22が連結された状態で、クリーム状のはんだ60が塗布される。このはんだ塗布工程61では、はんだ塗布工程51と同様にメタルマスクによってはんだ60が塗布される。
【0023】
実装工程62は、はんだ塗布工程61の後で、基板22の上面側に電子部品3を実装する。そしてこの実装工程62の後で、リフロー工程63が行われ、はんだ60が溶融し、基板22の上面において電子部品3が接続される。
【0024】
カバー装着工程64は、リフロー工程63の後で基板22の表側よりカバー25の脚25bを切り欠き26へ装着する。このとき、後の工程において、このカバー25は下向きに搬送されるので、脚25bは基板22に圧入状態で保持されている。
【0025】
はんだ塗布工程65では、カバー装着工程64の後で、基板22の下面側へクリーム状のはんだ60が印刷される。このとき、基板22の下面において電子部品3が装着される箇所と、中継基板23の接続部、および脚25bが接続される切り欠き26とにはんだ60が塗布される。
【0026】
装着工程66では、はんだ塗布工程65の後で、基板22の下面の所定位置へ電子部品3や中継基板23を装着し、その後のリフロー工程67で、はんだ60を溶かして、基板22と中継基板23や電子部品3を接続する。そして、このようにして組み立てられたモジュール21は、分割工程68にて各個片に分割されて完成する。
【0027】
ここで、リフロー工程67では電子部品4が下を向く方向で加熱される。そこで、はんだ52の融点は、はんだ60の融点よりも高い物を用いている。これにより、比較的大きく、かつ背も高く、重量の大きな電子部品4はリフロー工程67において落下することがない。
【0028】
なお本実施の形態では、中継基板23を予め分割し、基板22へ装着したが、これは連結状態で装着しても良い。この場合、中継基板23は基板22を同時に切断される。このようにすると、中継基板23は基板22と一体となって分割されるので、中継基板23の幅を小さくしても、中継基板23に割れなどが生じ難くできる。従って、中継基板23の幅を小さくでき、モジュール21を小型化できる。なお、中継基板23を分割線サイズよりも大きくすることでも同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明にかかるモジュールは、モジュールが薄型化できるという効果を有し、特に携帯機器に搭載されるモジュールとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施の形態におけるモジュールの断面図
【図2】同、製造フローチャート
【図3】従来のモジュールの断面図
【符号の説明】
【0031】
3 電子部品
4 電子部品
22 基板
23 中継基板
23a 遮蔽部
24 接続ランド
25 カバー
27 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、この基板の下面側に接続された中継基板と、この中継基板の下面側に設けられた接続ランドと、前記基板の上面に装着された第1の電子部品と、この第1の電子部品を覆う金属製のカバーとを備え、前記基板には貫通孔を設けるとともに、前記中継基板には前記貫通孔を塞ぐように設けられた遮蔽部を設け、この遮蔽部の上面側には前記第1の電子部品の高さよりも高い第2の電子部品が装着され、前記第2の電子部品は前記孔を貫通する位置に配置されるモジュール。
【請求項2】
遮蔽部の下面には、接続ランドが形成された請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
遮蔽部の下面に形成された接続ランドはグランド端子とした請求項2に記載のモジュール。
【請求項4】
第2の電子部品と遮蔽部との間を接続するはんだの融点は、第1の電子部品と基板とを接続するはんだの融点より高くした請求項1に記載のモジュール。
【請求項5】
第2の電子部品と遮蔽部との間を接続するはんだの融点は、中継基板と基板とを接続するはんだの融点より高くした請求項1に記載のモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−166485(P2008−166485A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354278(P2006−354278)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】