説明

モータ、およびそれを備える車両

【課題】モータ本体部および巻線切替器を従来よりも効率良く冷却することが可能なモータ提供する。
【解決手段】本発明に係るモータは、モータ本体部(6)と、当該モータ本体部の巻線を切り替える巻線切替器(5)と、を備えたモータ(4)であって、モータ本体部は、第1冷却液路が内部に形成されたモータ筐体と、モータ筐体の内面に固定され、巻線を有する固定子と、を含み、巻線切替器は、モータ筐体の外面に設けられ、第2冷却液路が内部に形成された巻線切替筐体と、巻線切替筐体の外面に設けられ、巻線の切り替えに用いられる発熱部品と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ、およびそれを備える車両に関し、より特定的には、モータ本体部と巻線切替器とを有するモータ、およびそれを備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータ本体部と、モータ本体部の巻線を切り替える巻線切替器とを有するモータに関し、巻線切替器をモータ本体部の外周面に設けた構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図13は、上記構造をもつ従来のモータと駆動装置とを示す図である。駆動装置91は、モータケーブル93と信号線94を介してモータ92と接続される。モータ92は、モータ本体部921および巻線切替器922を備える。駆動装置91は、モータ本体部921を駆動させるとともに、モータ本体部921の駆動状況に応じた制御信号を、信号線94を介して巻線切替器922に出力する。巻線切替器922は、モータ本体部921の外周面に設けられ、モータ本体部921の巻線を制御信号に応じて切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭64−37364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のようなモータ本体部と巻線切替器を有するモータでは、モータ本体部および巻線切替器がともに発熱するため、これらを効率良く冷却することが望まれる。しかしながら、上記従来のモータでは、モータ本体部および巻線切替器を自然空冷により冷却しているに過ぎず、これらを効率良く冷却することができなかった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、モータ本体部および巻線切替器を従来よりも効率良く冷却することが可能なモータ、およびそれを備えた車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、本発明に係るモータは、モータ本体部と、当該モータ本体部の巻線を切り替える巻線切替器と、を備えたモータであって、モータ本体部は、第1冷却液路が内部に形成されたモータ筐体と、モータ筐体の内面に固定され、巻線を有する固定子と、を含み、巻線切替器は、モータ筐体の外面に設けられ、第2冷却液路が内部に形成された巻線切替筐体と、巻線切替筐体の外面に設けられ、巻線の切り替えに用いられる発熱部品と、を含む。
【0008】
好ましくは、巻線切替筐体は、第2冷却液路のモータ筐体側に存在する第1外面と、第2冷却液路のモータ筐体側とは反対側に存在する第2外面と、を有し、発熱部品は、第1外面および第2外面それぞれに設けられるとよい。
【0009】
また好ましくは、巻線切替器は、発熱部品以外の他の部品も含んでおり、発熱部品および他の部品の全ては、第2冷却液路のモータ筐体側とは反対側に存在する外面に設けられるとよい。
【0010】
また好ましくは、第1冷却液路の一方端は、モータの外部と接するモータ筐体の外面に設けられ、第2冷却液路の一方端は、モータの外部と接する巻線切替筐体の外面に設けられ、第1冷却液路の他方端と第2冷却液路の他方端は結合されるとよい。
【0011】
この場合において、第1冷却液路の他方端は、巻線切替筐体と接するモータ筐体の外面に設けられ、第2冷却液路の他方端は、モータ筐体と接する巻線切替筐体の外面であって第1冷却液路の他方端と結合する位置に設けられてもよい。
【0012】
または、冷却液は、第2冷却液路の一方端から流入し、第1冷却液路の一方端から流出してもよいし、冷却液は、第1冷却液路の一方端から流入し、第2冷却液路の一方端から流出してもよい。
【0013】
また好ましくは、第2冷却液路は、巻線切替筐体の内部において分岐しており、第2冷却液路の第1端および第2端は、モータの外部と接する巻線切替筐体の外面に設けられ、第2冷却液路の第3端は、モータ筐体と接する巻線切替筐体の外面に設けられ、第1冷却液路の一方端は、巻線切替筐体と接するモータ筐体の外面であって第2冷却液路の第3端と結合する位置に設けられ、第1冷却液路の他方端は、モータの外部と接するモータ筐体の外面に設けられるとよい。
【0014】
また好ましくは、第1冷却液路は、モータ筐体の内部において分岐しており、第1冷却液路の第1端および第2端は、モータの外部と接するモータ筐体の外面に設けられ、第1冷却液路の第3端は、巻線切替筐体と接するモータ筐体の外面に設けられ、第2冷却液路の一方端は、モータの外部と接する巻線切替筐体の外面に設けられ、第2冷却液路の他方端は、モータ筐体と接する巻線切替筐体の外面であって第1冷却液路の第3端と結合する位置に設けられるとよい。
【0015】
また好ましくは、第1冷却液路の一方端および他方端は、モータの外部と接するモータ筐体の外面に設けられ、第2冷却液路の一方端および他方端は、モータの外部と接する巻線切替筐体の外面に設けられるとよい。
【0016】
また好ましくは、巻線切替筐体は、モータ筐体の反負荷側の外面に設けられるとよい。
【0017】
また、本発明に係るモータは、巻線、および当該巻線を冷却するための第1冷却液路を有するモータ本体部と、巻線の切り替えに用いられる発熱部品、および当該発熱部品を冷却するための第2冷却液路を有し、モータ本体部の外面に設けられる巻線切替器と、を備えていてもよい。
【0018】
また、本発明は、車両に向けられており、本発明に係る車両は、巻線、および巻線を冷却するための第1冷却液路を有するモータ本体部と、巻線の切り替えに用いられる発熱部品、および発熱部品を冷却するための第2冷却液路を有し、モータ本体部の外面に設けられる巻線切替器と、を備える、モータと、巻線切替器の切り替えを制御し、かつ、巻線に駆動電圧を与える、第3冷却液路が形成された駆動装置と、第1〜第3冷却液路を流れる冷却液を冷却する冷却装置と、を備える。
【0019】
好ましくは、冷却装置が冷却した冷却液は、第3冷却液路を経由して第1冷却液路および第2冷却液路を流れた後、再び冷却装置に流入するとよい。
【0020】
また好ましくは、冷却装置が冷却した冷却液の一部は、第1冷却液路および第2冷却液路を流れた後、再び冷却装置に流入し、冷却装置が冷却した冷却液の他部は、第3冷却液路を流れた後、再び冷却装置に流入するとよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、モータ本体部および巻線切替器を従来よりも効率良く冷却することが可能なモータ、およびそれを備えた車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1に係る冷却システムの一例を示した図
【図2】本発明の実施例1に係るモータの斜視図
【図3】本発明の実施例1に係るモータが備える巻線切替器5の分解斜視図
【図4】本発明の実施例1に係るモータの正面図
【図5】本発明の実施例1に係るモータの断面図
【図6】本発明の実施例2に係るモータの断面図
【図7】本発明の実施例3に係る冷却システムの一例を示した図
【図8】本発明の実施例3に係るモータの断面図
【図9】本発明の実施例4に係るモータの断面図
【図10】本発明の実施例5に係るモータの断面図
【図11】本発明の実施例6に係る冷却システムの一例を示した図
【図12】本発明の実施例6に係る冷却システムの他例を示した図
【図13】従来のモータと駆動装置とを示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0024】
まず、図1を参照して、本発明の実施例1に係る冷却システムの一例を説明する。図1は、本発明の実施例1に係る冷却システムの一例を示した図である。
【0025】
図1において、冷却システムは、車両に搭載されており、ラジエター1、ポンプ2、インバータ3、およびモータ4により構成される。モータ4は、巻線切替器5およびモータ本体部6を備える。モータ本体部6は、巻線と、当該巻線を冷却するための第1冷却液路とを有する。巻線切替器5は、モータ本体部6の巻線の切り替えに用いられるバイポーラトランジスタやIGBTのような半導体スイッチング素子などの発熱部品と、当該発熱部品を冷却するための第2冷却液路とを有する。巻線切替器5は、モータ本体部6の反負荷側の外面に設けられる。インバータ3は、モータ4の駆動状況に応じて巻線切替器5の切り替えを制御するとともに、モータ本体部6の巻線に駆動電圧を与える、第3冷却液路を有する駆動装置である。モータ本体部6の巻線の回路構成、巻線切替器5の回路構成、インバータ3の制御方法としては、例えば、特開2003−111492号公報に開示されるものを利用するとし、ここでは詳細な説明は省略する。ラジエター1は、水などの冷却液Cを冷却する冷却装置である。ポンプ2は、冷却液Cに圧力を与え、冷却液Cを冷却システム内で循環させる装置である。
【0026】
図1において、ラジエター1で冷却された冷却液Cは、ポンプ2を介してインバータ3の第3冷却液路を流れ、インバータ3の発熱部品を冷却する。第3冷却液路を流れた冷却液Cは、巻線切替器5の第2冷却液路を流れ、発熱部品を冷却する。第2冷却液路を流れた冷却液Cは、モータ本体部6の第1冷却液路を流れ、巻線を冷却する。第1冷却液路を流れた冷却液Cは、再びラジエター1に流入し、ラジエター1で冷却される。ラジエター1で冷却された冷却液Cは、再びポンプ2を介してインバータ3の第3冷却液路を流れる。このような経路で冷却液Cは冷却システム内を循環し、発熱部品や巻線を冷却している。
【0027】
次に、図2〜図5を参照して、本実施例に係るモータ4の具体的な構成を説明する。図2は、本実施例に係るモータ4の斜視図である。図2のOは、シャフト619の回転軸を示している。図3は、本実施例に係るモータ4が備える巻線切替器5の分解斜視図である。図4は、本実施例に係るモータ4の正面図である。図5は、本実施例に係るモータ4を図4の線AOBで切断し、その断面を図4の矢印から見たときの断面図である。
【0028】
図2〜図5において、モータ4は、モータ本体部4および巻線切替器5を備える。モータ本体部6は、フレーム611、配管部材613および614、固定子615、回転子616、軸受617および618、シャフト619、レゾルバ620、反負荷側ブラケット621、モータケーブル622を備える。
【0029】
フレーム611の形状は、負荷側の開放端が閉じられた略円筒状である。フレーム611の反負荷側には、反負荷側ブラケット621が設けられる。フレーム611と反負荷側ブラケット621とによってモータ筐体が構成される。フレーム611の内部には、第1冷却液路612が形成されている。図2に示すように、第1冷却液路612は、フレーム611の外周にわたってジグザグ状に形成されている。図2および図5に示すように、第1冷却液路612の一方端と他方端はモータ4の外部と接するフレーム611の外面に設けられる。第1冷却液路612の一方端には配管部材613が設けられ、第1冷却液路612の他方端には配管部材614が設けられる。配管部材613には、図1に示したラジエター1と接続されたホース72が設けられる。配管部材614には、後述する巻線切替器5の第2冷却液路57と接続されたホース73が設けられる。
【0030】
固定子615は、例えば特開2003−111492号公報に開示される回路構成をもつ巻線615aを有する。巻線615aは固定子615の固定子コアに設けられる。固定子615は、フレーム611の内面に固定される。回転子616の形状は、略円筒状である。回転子616の外周側は固定子615に囲まれ、回転子616の内周はシャフト619の外周に設けられる。回転子616は、巻線615aで発生した磁界により回転する。シャフト619は、軸受617および618により、フレーム611と反負荷側ブラケット621に対し回転可能に支持される。シャフト619の反負荷側にはレゾルバ620が設けられている。モータケーブル622は、図2および図4に示すように3本設けられ、一方端が巻線615aと接続され、他方端が図1に示したインバータ3と接続される。
【0031】
図2〜図5において、巻線切替器5は、モータ本体部6の反負荷側の外面に設けられ、第1筐体部材51、第2筐体部材52、配管部材53および54、発熱部品55、カバー56、信号線用端子58を備える。
【0032】
第2筐体部材52は、反負荷側ブラケット621の反負荷側に設けられる。第1筐体部材51は、第2筐体部材52の反負荷側に設けられる。第1筐体部材51と第2筐体部材52とによって巻線切替筐体が構成される。図3に示すように、第1筐体部材51の負荷側の面51cには、第1内面凹部51aが形成される。第1内面凹部51aの内壁には配管部材53および54に伸びる穴51dが形成されている。図3には示していないが、第2筐体部材52の反負荷側の面52cにも、第1内面凹部51aと同形状の第2内面凹部52aが形成される。このような第1内面凹部51a、穴51d、第2内面凹部52aによって、図5に示すように、第1筐体部材51と第2筐体部材52が組み合わされてなる巻線切替筐体の内部に、第2冷却液路57が形成される。なお、図5では、図3に示した壁51eの断面、および壁51eに対応する第2筐体部材52側の壁の断面については、説明を分かりやすくするため、図示を省略している。図3および図5に示すように、第2冷却液路57の一方端と他方端はモータ4の外部と接する第1筐体部材51の外面に設けられる。第2冷却液路57の一方端には配管部材53が設けられ、第2冷却液路57の他方端には配管部材54が設けられる。配管部材53には、図1に示したインバータ3の第3冷却液路と接続されるホース71が設けられる。配管部材54には、モータ本体部6の第1冷却液路612の他方端と接続されたホース73が設けられる。
【0033】
図3および図5に示すように、第1筐体部材51の反負荷側の面には、第1外面凹部51bが形成され、第2筐体部材52の負荷側の面には、第2外面凹部52bが形成される。第1外面凹部51bと第2外面凹部52bそれぞれには、巻線615aの切り替えに用いられるバイポーラトランジスタやIGBTのような半導体スイッチング素子などの発熱部品55が密着されている。第1筐体部材51の反負荷側の面には、第1外面凹部51bを覆うカバー56が設けられる。また、第1筐体部材51には、インバータ3からの制御信号を入力するための信号線端子58が設けられる。
【0034】
次に、図5を参照して、以上のように構成されたモータ4内での冷却液Cの流れを説明する。インバータ3の第3冷却液路を流れた冷却液Cは、ホース71および配管部材53を介して巻線切替器5の第2冷却液路57を流れる。これにより、発熱部品55が冷却され、さらには、巻線切替器5内の雰囲気温度も低く抑えられる。第2冷却液路57を流れた冷却液Cは、配管部材54、ホース73、配管部材614を介してモータ本体部6の第1冷却液路612を流れる。これにより、巻線615aがフレーム611を介して冷却される。第1冷却液路612を流れた冷却液Cは、配管部材613およびホース72を介してラジエター1に流出する。
【0035】
以上のように、本実施例では、モータ本体部6および巻線切替器5を冷却液Cにより冷却している。このため、モータ本体部6および巻線切替器5を従来よりも効率良く冷却することができる。
【0036】
また、本実施例では、巻線切替器5がモータ本体部6の反負荷側の外面に設けられている。モータ本体部6の負荷側は、車両のシャーシなどに取り付けられることが多い。このため、巻線切替器5をモータ本体部6の反負荷側の外面に設けることで、カバー56を開けて巻線切替器5の保守点検を行うことが容易になる。
【0037】
また、本実施例では、冷却液Cは、巻線切替器5の第2冷却液路57を流れた後、モータ本体部6の第1冷却液路612を流れる。一般的に、モータ本体部6の巻線615aの最高温度は、巻線切替器5の発熱部品55の最高温度よりも高い。このため、冷却液Cを第2冷却液路57に先に流すことで、冷却液Cを第1冷却液路612に先に流す場合に比べて、冷却液Cの温度上昇を低く抑えることができる。その結果、巻線切替器5の発熱部品55をより効率良く冷却することができる。
【0038】
なお、上述では、巻線切替器5をモータ本体部6の反負荷側の外面に設けていたが、これに限定されない。巻線切替器5を、モータ本体部6の負荷側の外面、またはモータ本体部6の外周面に設けてもよい。
【0039】
また、上述では、モータ筐体はフレーム611と反負荷側ブラケット621とによって構成されるとしたが、これに限定されない。例えば、フレーム611と反負荷側ブラケット621とが一体になった筐体をモータ筐体としてもよい。また例えば、フレーム611の形状を負荷側が開放された略円筒状とし、フレーム611の負荷側に負荷側ブラケットをさらに設ける。そして、この負荷側ブラケット、フレーム611、および反負荷側ブラケット621によって、モータ筐体を構成してもよい。
【0040】
また、上述では、冷却液Cは、巻線切替器5の第2冷却液路57に流れた後、モータ本体部6の第1冷却液路612を流れていたが、これに限定されない。巻線615aの温度が巻線切替器5の発熱部品の温度よりも高くならない範囲でモータ本体部6を使用する場合には、冷却液Cを第1冷却液路612に先に流してもよい。これにより、モータ本体部6の巻線615aをより効率良く冷却することができる。
【実施例2】
【0041】
図6を参照して、本発明の実施例2に係るモータの構成を説明する。図6は、本発明の実施例2に係るモータの断面図である。図6のOは、シャフト619の回転軸を示している。図6では、図5に示した実施例1と同じ構成部品については同じ符号を付している。本実施例に係る冷却システムは、図1に示した実施例1に係る冷却システムと同様であり、ここでは説明を省略する。本実施例に係るモータは、実施例1に係るモータ4に対し、巻線切替器5の発熱部品55およびその他の構成部品の全てを第2冷却液路57の反モータ本体部6側のみに設けた点、巻線切替器5の第2冷却液路57の他方端をモータ本体部6の第1冷却液路612の他方端に直接結合した点で異なる。以下、異なる点を中心に説明する。
【0042】
図6において、本実施例に係るモータ4aは、巻線切替器5aおよびモータ本体部6aを備える。モータ本体部6aは、フレーム611、配管部材613、固定子615、回転子616、軸受617および618、シャフト619、レゾルバ620、反負荷側ブラケット621、モータケーブル622を備える。
【0043】
反負荷側ブラケット621には、穴621aが形成される。穴621aは、フレーム611の内部に形成された第1冷却液路612の一部を構成している。第1冷却液路612の一方端は、モータ4aの外部と接するフレーム611の外面に設けられる。第1冷却液路612の一方端には、配管部材613が設けられ、配管部材613には、図1に示したラジエター1と接続されたホース72が設けられる。第1冷却液路612の他方端は、巻線切替器5aと接する反負荷側ブラケット621の外面に設けられ、後述する巻線切替器5aの第2冷却液路57の他方端と直接結合される。
【0044】
図6において、巻線切替器5aは、モータ本体部6aの反負荷側の外面に設けられ、第1筐体部材51、第2筐体部材521、配管部材53、発熱部品55、カバー56、信号線用端子58を備える。
【0045】
第2筐体部材521は、穴521aを有する板状部材であり、反負荷側ブラケット621の反負荷側に設けられる。第1筐体部材51は、第2筐体部材521の反負荷側に設けられる。第1筐体部材51と第2筐体部材521とによって巻線切替筐体が構成される。第1筐体部材51の負荷側の面には、第1内面凹部51aが形成される。第1内面凹部51aの内壁には、配管部材53に伸びる穴51dと、第2筐体部材521の穴521aに伸びる穴51fとが形成される。このような第1内面凹部51a、穴51d、穴51f、穴521aによって、第1筐体部材51と第2筐体部材521が組み合わされてなる巻線切替筐体の内部に、第2冷却液路57が形成される。第2冷却液路57の一方端は、モータ4aの外部と接する第1筐体部材51の外面に設けられる。第2冷却液路57の一方端には、配管部材53が設けられ、配管部材53には、図1に示したインバータ3の第3冷却液路と接続されるホース71が設けられる。第2冷却液路57の他方端は、モータ本体部6の反負荷側ブラケット621と接する第2筐体部材521の外面に設けられ、モータ本体部6aの第1冷却液路612の他方端と直接結合される。第1筐体部材51の第1外面凹部51bには、発熱部品55、およびその他の巻線切替器5aの構成部品全てが密着されている。
【0046】
次に、図6を参照して、以上のように構成されたモータ4a内での冷却液Cの流れを説明する。インバータ3の第3冷却液路を流れた冷却液Cは、ホース71および配管部材53を介して巻線切替器5aの第2冷却液路57を流れる。これにより、発熱部品55が冷却され、さらには、巻線切替器5a内の雰囲気温度も低く抑えられる。第2冷却液路57を流れた冷却液Cは、ホースや配管部材を介さずに、モータ本体部6の第1冷却液路612を流れる。これにより、巻線615aがフレーム611を介して冷却される。第1冷却液路612を流れた冷却液Cは、配管部材613およびホース72を介してラジエター1に流出する。
【0047】
以上のように、本実施例では、巻線切替器5aの発熱部品55およびその他の構成部品の全てが第2冷却液路57の反モータ本体部6a側に設けられる。このため、モータ本体部6aから巻線切替器5aの構成部品へ伝わる熱が第2冷却液路57に遮断されることになり、巻線切替器5aの構成部品が受けるモータ本体部6aからの熱の影響を緩和させることができる。さらには、第2筐体部材521の構造を実施例1における第2筐体部材52よりも簡易にでき、巻線切替器5aの小型化を図ることができる。
【0048】
また、本実施例では、巻線切替器5aの第2冷却液路57の他方端をモータ本体部6の第1冷却液路612の他方端に直接結合している。このため、実施例1で示した配管部材614および54、ホース73の削減が可能となり、原価低減や軽量化を図ることができる。
【0049】
なお、上述では、巻線切替器5aの発熱部品55およびその他の構成部品の全てを第2冷却液路57の反モータ本体部6a側に設けた構造、および、巻線切替器5aの第2冷却液路57の他方端をモータ本体部6aの第1冷却液路612の他方端に直接結合した構造をともに適用していたが、いずれか一方の構造のみ適用してもよい。
【実施例3】
【0050】
図7を参照して、本発明の実施例3に係る冷却システムの一例を説明する。図7は、本発明の実施例3に係る冷却システムの一例を示した図である。図7では、図1に示した実施例1と同じ構成部品については同じ符号を付している。本実施例に係る冷却システムは、実施例1に係る冷却システムに対し、冷却液Cを巻線切替器5とモータ本体部6に並列に流す点で異なる。以下、異なる点を中心に説明する。
【0051】
図7において、冷却システムは、車両に搭載されており、ラジエター1、ポンプ2、インバータ3、およびモータ4bにより構成される。モータ4bは、巻線切替器5bおよびモータ本体部6bを備える。モータ本体部6bは、巻線と、当該巻線を冷却するための第1冷却液路とを有する。巻線切替器5bは、モータ本体部6bの巻線の切り替えに用いられる発熱部品と、当該発熱部品を冷却するための第2冷却液路とを有する。巻線切替器5bは、モータ本体部6bの反負荷側の外面に設けられる。モータ本体部6bの巻線の回路構成、巻線切替器5bの回路構成、インバータ3の制御方法としては、例えば、特開2003−111492号公報に開示されるものを利用するとし、ここでは詳細な説明は省略する。
【0052】
図7において、ラジエター1で冷却された冷却液Cは、ポンプ2を介してインバータ3の第3冷却液路を流れ、インバータ3の発熱部品を冷却する。第3冷却液路を流れた冷却液Cは、巻線切替器5bの第2冷却液路とモータ本体部6bの第1冷却液路とを並列に流れ、巻線切替器5bの発熱部品、モータ本体部6bの巻線をそれぞれ冷却する。第1冷却液路および第2冷却液路を流れた冷却液Cは、再びラジエター1に流入し、ラジエター1で冷却される。ラジエター1で冷却された冷却液Cは、再びポンプ2を介してインバータ3の第3冷却液路を流れる。このような経路で冷却液Cは冷却システム内を循環し、発熱部品や巻線を冷却している。
【0053】
次に、図8を参照して、本実施例に係るモータ4bの具体的な構成を説明する。図8は、本実施例に係るモータ4bの断面図である。図8のOは、シャフト619の回転軸を示している。図8では、図5に示した実施例1と同じ構成部品については同じ符号を付している。本実施例に係るモータ4bは、実施例1に係るモータ4に対し、巻線切替器5の内部において第2冷却液路57を分岐させ、分岐させた第2冷却液路57とモータ本体部6の第1冷却液路612とを結合させた点で異なる。以下、異なる点を中心に説明する。
【0054】
図8において、モータ本体部6bは、フレーム611、配管部材614、固定子615、回転子616、軸受617および618、シャフト619、レゾルバ620、反負荷側ブラケット621、モータケーブル622を備える。
【0055】
反負荷側ブラケット621には、穴621bが形成される。穴621bは、フレーム611の内部に形成された第1冷却液路612の一部を構成している。第1冷却液路612の一方端は、巻線切替器5bと接する反負荷側ブラケット621の外面に設けられ、後述する巻線切替器5bの第2冷却液路57の分岐端と結合される。第1冷却液路612の他方端は、モータ4bの外部と接するフレーム611の外面に設けられる。第1冷却液路612の他方端には、配管部材614が設けられ、配管部材614には、図7に示したラジエター1と接続されたホース75が設けられる。
【0056】
図8において、巻線切替器5bは、モータ本体部6bの反負荷側の外面に設けられ、第1筐体部材51、第2筐体部材52、配管部材53および54、発熱部品55、カバー56、信号線用端子58を備える。
【0057】
第2筐体部材52には、モータ本体部6bの第1冷却液路612の一方端と結合する穴52gが形成されている。第1内面凹部51aの内壁には、配管部材53および54に伸びる穴51dが形成されている。配管部材53に伸びる穴51dには、さらに分岐部51gが形成されている。分岐部51gによって穴51dから分岐した分岐端は、第2筐体部材52の穴52gに結合される。このような第1内面凹部51a、穴51d、穴52g、第2内面凹部52aによって、第1筐体部材51と第2筐体部材52が組み合わされてなる巻線切替筐体の内部に、分岐部51gで分岐された第2冷却液路57が形成される。第2冷却液路57の一方端である第1端と、他方端である第2端は、モータ4bの外部と接する第1筐体部材51の外面に設けられる。第2冷却液路57の第1端には配管部材53が設けられ、第2冷却液路57の第2端には配管部材54が設けられる。配管部材53には、図7に示したインバータ3の第3冷却液路と接続されるホース71が設けられる。配管部材54には、図7に示したラジエター1と接続されたホース74が設けられる。分岐部51gによって分岐した分岐端である第2冷却液路57の第3端は、反負荷側ブラケット621の外面と接する第2筐体部材52の外面に設けられ、第1冷却液路612の一方端と結合される。
【0058】
次に、図8を参照して、以上のように構成されたモータ4b内での冷却液Cの流れを説明する。インバータ3の第3冷却液路を流れた冷却液Cは、ホース71および配管部材53を介して巻線切替器5bの第2冷却液路57を流れると同時に、モータ本体部6bの第1冷却液路612にも流れる。これにより、巻線切替器5bの発熱部品55、モータ本体部6bの巻線615aが冷却される。第2冷却液路57を流れた冷却液Cは、配管部材54およびホース74を介してラジエター1に流出する。第1冷却液路612を流れた冷却液Cは、配管部材614およびホース75を介してラジエター1に流出する。
【0059】
以上のように、本実施例では、冷却液Cを巻線切替器5bとモータ本体部6bに並列に流している。このため、実施例1のように巻線切替器5bによる冷却液Cの温度上昇がモータ本体部6bに影響を与えることなく、モータ本体部6bによる冷却液Cの温度上昇も巻線切替器5bに影響を与えることがない。その結果、モータ本体部6bおよび巻線切替器5bをより効率良く冷却することができる。
【0060】
また、本実施例では、巻線切替器5bの内部において第2冷却液路57を分岐させ、分岐させた第2冷却液路57とモータ本体部6bの第1冷却液路612とを結合させている。このため、実施例1で示した配管部材613が削減が可能となり、原価低減や軽量化を図ることができる。
【0061】
なお、上述では、冷却液Cがホース71から流入し、ホース74および75から流出していたが、これに限定されない。冷却液Cは、ホース74および75から流入し、ホース71から流出してもよい。この場合、ホース74および75は、図7に示したインバータ3の第3冷却液路と接続され、ホース71は、ラジエター1と接続される。
【0062】
また、上述では、実施例1と同様、巻線切替器5bの発熱部品55が第1外面凹部51bと第2外面凹部52bそれぞれに設けられていたが、これに限定されない。実施例2のように、巻線切替器5bの発熱部品55およびその他の構成部品の全てを第2冷却液路57の反モータ本体部6b側のみに(第1外面凹部51bのみに)設けた構造を、本実施例に係るモータ4bに適用してもよい。
【実施例4】
【0063】
図9を参照して、本発明の実施例4に係るモータの構成を説明する。図9は、実施例4に係るモータの断面図である。図9のOは、シャフト619の回転軸を示している。図9では、図1に示した実施例1と同じ構成部品については同じ符号を付している。本実施例に係る冷却システムは、図7に示した実施例3に係る冷却システムと同様、冷却液Cを巻線切替器とモータ本体部に並列に流すものであり、ここでは説明を省略する。本実施例に係るモータは、実施例1に係るモータ4に対し、モータ本体部6の内部において第1冷却液路612を分岐させ、分岐させた第1冷却液路612と巻線切替器5の第2冷却液路57とを結合させた点で異なる。以下、異なる点を中心に説明する。
【0064】
図9において、モータ4cは、巻線切替器5cおよびモータ本体部6cを備える。モータ本体部6cは、フレーム611、配管部材613および614、固定子615、回転子616、軸受617および618、シャフト619、レゾルバ620、反負荷側ブラケット621、モータケーブル622を備える。
【0065】
第1冷却液路612の一方端である第1端、他方端である第2端は、モータ4cの外部と接するフレーム611の外面に設けられる。第1冷却液路612の第1端には、配管部材613が設けられ、配管部材613には、図7に示したインバータ3の第3冷却液路と接続されたホース72が設けられる。第1冷却液路612の第2端には、配管部材614が設けられ、配管部材614には、図7に示したラジエター1と接続されたホース75が設けられる。第1冷却液路612には、フレーム611の内部において分岐部611aが形成される。分岐部611aによって分岐した分岐端は、反負荷側ブラケット621に形成された穴621cと結合される。穴621cは、第1冷却液路612の一部を構成し、分岐部611aによって分岐した第1冷却液路612の分岐端である第3端は、第2筐体部材52の外面と接する反負荷側ブラケット621の外面に設けられる。
【0066】
図9において、巻線切替器5cは、モータ本体部6cの反負荷側の外面に設けられ、第1筐体部材51、第2筐体部材52、配管部材53、発熱部品55、カバー56、信号線用端子58を備える。
【0067】
第2筐体部材52には、モータ本体部6cの第1冷却液路612の第3端と結合する穴52hが形成されている。第1内面凹部51aの内壁には、配管部材53に伸びる穴51dと、第2筐体部材52の穴52hに伸びる穴51hが形成されている。このような第1内面凹部51a、穴51d、穴51h、穴52h、第2内面凹部52aによって、第1筐体部材51と第2筐体部材52が組み合わされてなる巻線切替筐体の内部に、第2冷却液路57が形成される。第2冷却液路57の一方端は、モータ4cの外部と接する第1筐体部材51の外面に設けられる。第2冷却液路57の一方端には、配管部材53が設けられ、配管部材53には、図7に示したインバータ3の第3冷却液路と接続されるホース71が設けられる。第2冷却液路57の他方端は、反負荷側ブラケット621の外面と接する第2筐体部材52の外面に設けられ、第1冷却液路612の第3端と結合される。
【0068】
次に、図9を参照して、以上のように構成されたモータ4c内での冷却液Cの流れを説明する。インバータ3の第3冷却液路を流れた冷却液Cは、ホース71および配管部材53を介して巻線切替器5cの第2冷却液路57を流れると同時に、ホース72および配管部材613を介してモータ本体部6cの第1冷却液路612にも流れる。これにより、巻線切替器5cの発熱部品55、モータ本体部6cの巻線615aが冷却される。第2冷却液路57を流れた冷却液Cと第1冷却液路612を流れた冷却液Cは、配管部材614およびホース75を介してラジエター1に流出する。
【0069】
以上のように、本実施例では、冷却液Cを巻線切替器5cとモータ本体部6cに並列に流している。このため、実施例1のように巻線切替器5cによる冷却液Cの温度上昇がモータ本体部6cに影響を与えることなく、モータ本体部6cによる冷却液Cの温度上昇も巻線切替器5cに影響を与えることがない。その結果、モータ本体部6cおよび巻線切替器5cをより効率良く冷却することができる。
【0070】
また、本実施例では、モータ本体部6cの内部において第1冷却液路612を分岐させ、分岐させた第1冷却液路612と巻線切替器5cの第2冷却液路57とを結合させている。このため、実施例1で示した配管部材54の削減が可能となり、原価低減や軽量化を図ることができる。
【0071】
なお、上述では、冷却液Cがホース71およびホース72から流入し、ホース75から流出していたが、これに限定されない。冷却液Cは、ホース75から流入し、ホース71およびホース72から流出してもよい。この場合、ホース75は、図7に示したインバータ3の第3冷却液路と接続され、ホース71および72は、ラジエター1と接続される。
【0072】
また、上述では、実施例1と同様、巻線切替器5cの発熱部品55が第1外面凹部51bと第2外面凹部52bそれぞれに設けられていたが、これに限定されない。実施例2のように、巻線切替器5cの発熱部品55およびその他の構成部品の全てを第2冷却液路57の反モータ本体部6c側のみに(第1外面凹部51bのみに)設けた構造を、本実施例に係るモータ4cに適用してもよい。
【実施例5】
【0073】
図10を参照して、本発明の実施例5に係るモータの構成を説明する。図10は、実施例5に係るモータの断面図である。図10のOは、シャフト619の回転軸を示している。図10では、図1に示した実施例1と同じ構成部品については同じ符号を付している。本実施例に係る冷却システムは、図7に示した実施例3に係る冷却システムと同様、冷却液Cを巻線切替器とモータ本体部に並列に流すものであり、ここでは説明を省略する。本実施例に係るモータは、実施例1に係るモータ4に対し、モータ本体部6の第1冷却液路612の他方端と巻線切替器5の第2冷却液路57の他方端とを結合させない点で異なる。以下、異なる点を中心に説明する。
【0074】
図10において、モータ4dは、巻線切替器5dおよびモータ本体部6dを備える。モータ本体部6dは、フレーム611、配管部材613および614、固定子615、回転子616、軸受617および618、シャフト619、レゾルバ620、反負荷側ブラケット621、モータケーブル622を備える。
【0075】
第1冷却液路612の一方端と他方端は、モータ4dの外部と接するフレーム611の外面に設けられる。第1冷却液路612の一方端には配管部材613が設けられ、第1冷却液路612の他方端には配管部材614が設けられる。配管部材613には、図7に示したインバータ3の第3冷却液路と接続されたホース72が設けられ、配管部材614には、図7に示したラジエター1と接続されたホース75が設けられる。
【0076】
図10において、巻線切替器5dは、モータ本体部6dの反負荷側の外面に設けられ、第1筐体部材51、第2筐体部材52、配管部材53および54、発熱部品55、カバー56、信号線用端子58を備える。
【0077】
第2冷却液路57の一方端と他方端は、モータ4dの外部と接する第1筐体部材51の外面に設けられる。第2冷却液路57の一方端には配管部材53が設けられ、他方端には配管部材54が設けられる。配管部材53には、図7に示したインバータ3の第3冷却液路と接続されるホース71が設けられ、配管部材54には、図7に示したラジエター1と接続されたホース74が設けられる。
【0078】
次に、図10を参照して、以上のように構成されたモータ4dでの冷却液Cの流れを説明する。インバータ3の第3冷却液路を流れた冷却液Cは、ホース71および配管部材53を介して巻線切替器5dの第2冷却液路57を流れると同時に、ホース72および配管部材613を介してモータ本体部6dの第1冷却液路612にも流れる。これにより、巻線切替器5dの発熱部品55、モータ本体部6dの巻線615aが冷却される。第2冷却液路57を流れた冷却液Cは、配管部材54およびホース74を介してラジエター1に流出する。第1冷却液路612を流れた冷却液Cは、配管部材614およびホース75を介してラジエター1に流出する。
【0079】
以上のように、本実施例では、冷却液Cを巻線切替器5dとモータ本体部6dに並列に流している。このため、実施例1のように巻線切替器5dによる冷却液Cの温度上昇がモータ本体部6dに影響を与えることなく、モータ本体部6dによる冷却液Cの温度上昇も巻線切替器5dに影響を与えることがない。その結果、モータ本体部6dおよび巻線切替器5dをより効率良く冷却することができる。
【0080】
なお、上述では、冷却液Cがホース71およびホース72から流入し、ホース74および75から流出していたが、これに限定されない。冷却液Cは、ホース74および75から流入し、ホース71およびホース72から流出してもよい。この場合、ホース74および75は、図7に示したインバータ3の第3冷却液路と接続され、ホース71および72は、ラジエター1と接続される。
【0081】
また、上述では、実施例1と同様、巻線切替器5dの発熱部品55が第1外面凹部51bと第2外面凹部52bそれぞれに設けられていたが、これに限定されない。実施例2のように、巻線切替器5dの発熱部品55およびその他の構成部品の全てを第2冷却液路57の反モータ本体部6d側のみに(第1外面凹部51bのみに)設けた構造を、本実施例に係るモータ4dに適用してもよい。
【実施例6】
【0082】
図11を参照して、本発明の実施例6に係る冷却システムの一例を説明する。図11は、本発明の実施例6に係る冷却システムの一例を示した図である。図11では、図1に示した実施例1と同じ構成部品については同じ符号を付している。本実施例に係る冷却システムは、実施例1に係る冷却システムに対し、インバータ3に流れる冷却液Cとモータ4に流れる冷却液Cとを別々にラジエター1で冷却する点で異なる。以下、異なる点を中心に説明する。
【0083】
図11において、冷却システムは、車両に搭載されており、ラジエター1、ポンプ2および8、インバータ3、およびモータ4により構成される。モータ4は、例えば実施例1に係るモータであり、巻線切替器5およびモータ本体部6を備える。
【0084】
図11において、ラジエター1で冷却された冷却液Cの一部は、ポンプ2を介して巻線切替器5の第2冷却液路とモータ本体部6の第1冷却液路とを流れ、巻線切替器5の発熱部品、モータ本体部6の巻線をそれぞれ冷却する。第1冷却液路および第2冷却液路を流れた冷却液Cは、再びラジエター1に流入し、ラジエター1で冷却される。ラジエター1で冷却された冷却液Cの一部は、再びポンプ2を介してインバータ3の第3冷却液路を流れる。ラジエター1で冷却された冷却液Cの他部は、ポンプ8を介してインバータ3の第3冷却液路を流れ、インバータ3の発熱部品を冷却する。第3冷却液路を流れた冷却液Cは、再びラジエター1に流入し、ラジエター1で冷却される。ラジエター1で冷却された冷却液Cの他部は、再びポンプ8を介してインバータ3の第3冷却液路を流れる。このような経路で冷却液Cは冷却システム内を循環し、発熱部品や巻線を冷却している。
【0085】
以上のように、本実施例では、インバータ3に流れる冷却液Cとモータ4に流れる冷却液Cとを別々にラジエター1で冷却している。このため、巻線切替器5およびモータ本体部6に流れる冷却液Cに対し、インバータ3による冷却液Cの温度上昇の影響を与えずに済む。その結果、巻線切替器5およびモータ本体部6をより効率良く冷却することができる。
【0086】
なお、上述では、モータとして実施例1に係るモータ4を用いた場合、つまり、第1冷却液路612と第2冷却液路57とが直列的に結合された場合について説明したが、これに限定されない。図12に示すように、実施例3に係るモータ4bなどの第1冷却液路612と第2冷却液路57とが並列的に結合された場合であってもよい。図12は、実施例6に係る冷却システムの他例を示す図である。
【0087】
以上、本発明の実施の形態について説明した。ただし、いわゆる当業者であればこの実施形態から適宜変更が可能であることは言うまでも無く、このような変更が施された場合でも、本発明の技術的範囲に含まれることも付言しておく。
【符号の説明】
【0088】
1 ラジエター
2、8 ポンプ
3 インバータ
4、4a〜4d、92 モータ
5、5a〜5d、922 巻線切替器
6、6a〜6d、921 モータ本体部
611 フレーム
612 第1冷却液路
53、54、613、614 配管部材
615 固定子
615a 巻線
616 回転子
617、618 軸受
619 シャフト
620 レゾルバ
621 反負荷側ブラケット
622、93 モータケーブル
51 第1筐体部材
52、521 第2筐体部材
55 発熱部品
56 カバー
57 第2冷却液路
58 信号線用端子
71〜75 ホース
91 駆動装置
94 信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ本体部と、当該モータ本体部の巻線を切り替える巻線切替器と、を備えたモータであって、
前記モータ本体部は、
第1冷却液路が内部に形成されたモータ筐体と、
前記モータ筐体の内面に固定され、前記巻線を有する固定子と、を含み、
前記巻線切替器は、
前記モータ筐体の外面に設けられ、第2冷却液路が内部に形成された巻線切替筐体と、
前記巻線切替筐体の外面に設けられ、前記巻線の切り替えに用いられる発熱部品と、を含む、モータ。
【請求項2】
前記巻線切替筐体は、前記第2冷却液路の前記モータ筐体側に存在する第1外面と、前記第2冷却液路の前記モータ筐体側とは反対側に存在する第2外面と、を有し、
前記発熱部品は、前記第1外面および前記第2外面それぞれに設けられることを特徴とする、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記巻線切替器は、前記発熱部品以外の他の部品も含んでおり、
前記発熱部品および前記他の部品の全ては、前記第2冷却液路の前記モータ筐体側とは反対側に存在する外面に設けられることを特徴とする、請求項1に記載のモータ。
【請求項4】
前記第1冷却液路の一方端は、前記モータの外部と接する前記モータ筐体の外面に設けられ、
前記第2冷却液路の一方端は、前記モータの外部と接する前記巻線切替筐体の外面に設けられ、
前記第1冷却液路の他方端と前記第2冷却液路の他方端は結合されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項5】
前記第1冷却液路の他方端は、前記巻線切替筐体と接する前記モータ筐体の外面に設けられ、
前記第2冷却液路の他方端は、前記モータ筐体と接する前記巻線切替筐体の外面であって前記第1冷却液路の他方端と結合する位置に設けられることを特徴とする、請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
冷却液は、前記第2冷却液路の一方端から流入し、前記第1冷却液路の一方端から流出することを特徴とする、請求項4または5に記載のモータ。
【請求項7】
冷却液は、前記第1冷却液路の一方端から流入し、前記第2冷却液路の一方端から流出することを特徴とする、請求項4または5に記載のモータ。
【請求項8】
前記第2冷却液路は、前記巻線切替筐体の内部において分岐しており、
前記第2冷却液路の第1端および第2端は、前記モータの外部と接する前記巻線切替筐体の外面に設けられ、
前記第2冷却液路の第3端は、前記モータ筐体と接する前記巻線切替筐体の外面に設けられ、
前記第1冷却液路の一方端は、前記巻線切替筐体と接する前記モータ筐体の外面であって前記第2冷却液路の第3端と結合する位置に設けられ、
前記第1冷却液路の他方端は、前記モータの外部と接する前記モータ筐体の外面に設けられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項9】
前記第1冷却液路は、前記モータ筐体の内部において分岐しており、
前記第1冷却液路の第1端および第2端は、前記モータの外部と接する前記モータ筐体の外面に設けられ、
前記第1冷却液路の第3端は、前記巻線切替筐体と接する前記モータ筐体の外面に設けられ、
前記第2冷却液路の一方端は、前記モータの外部と接する前記巻線切替筐体の外面に設けられ、
前記第2冷却液路の他方端は、前記モータ筐体と接する前記巻線切替筐体の外面であって前記第1冷却液路の第3端と結合する位置に設けられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項10】
前記第1冷却液路の一方端および他方端は、前記モータの外部と接する前記モータ筐体の外面に設けられ、
前記第2冷却液路の一方端および他方端は、前記モータの外部と接する前記巻線切替筐体の外面に設けられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項11】
前記巻線切替筐体は、前記モータ筐体の反負荷側の外面に設けられることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項12】
巻線、および当該巻線を冷却するための第1冷却液路を有するモータ本体部と、
前記巻線の切り替えに用いられる発熱部品、および当該発熱部品を冷却するための第2冷却液路を有し、前記モータ本体部の外面に設けられる巻線切替器と、を備える、モータ。
【請求項13】
巻線、および前記巻線を冷却するための第1冷却液路を有するモータ本体部と、前記巻線の切り替えに用いられる発熱部品、および前記発熱部品を冷却するための第2冷却液路を有し、前記モータ本体部の外面に設けられる巻線切替器と、を備える、モータと、
前記巻線切替器の切り替えを制御し、かつ、前記巻線に駆動電圧を与える、第3冷却液路が形成された駆動装置と、
前記第1〜第3冷却液路を流れる冷却液を冷却する冷却装置と、を備える、車両。
【請求項14】
前記冷却装置が冷却した冷却液は、前記第3冷却液路を経由して前記第1冷却液路および前記第2冷却液路を流れた後、再び前記冷却装置に流入することを特徴とする、請求項13に記載の車両。
【請求項15】
前記冷却装置が冷却した冷却液の一部は、前記第1冷却液路および前記第2冷却液路を流れた後、再び前記冷却装置に流入し、
前記冷却装置が冷却した冷却液の他部は、前記第3冷却液路を流れた後、再び前記冷却装置に流入することを特徴とする、請求項13に記載の車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−147253(P2011−147253A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5413(P2010−5413)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】