ユーザ側装置
【課題】ユーザに関するユーザ情報を管理する情報通信システムに用いられるユーザ側装置において、ユーザ情報を記憶し、ユーザ情報ごとに公開する施設または公開しない施設を設定可能なユーザ側装置を提供する。
【解決手段】ユーザ側装置10は、ユーザに関するユーザ情報を管理する情報通信システム1を、ユーザが立ち寄りうる複数の施設それぞれに設けられた施設側装置20と、施設側装置にユーザ情報を報知可能な情報報知部250とともに構成し、施設側装置20それぞれとの間で通信可能に構成されている。ユーザ側装置10は、項目別に区分けされユーザ情報それぞれと、施設の種別ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す識別情報とを関連付けて記憶する記憶部120を備える。情報報知部250は、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設の種別ごとに識別情報が公開を示すユーザ情報について報知する。
【解決手段】ユーザ側装置10は、ユーザに関するユーザ情報を管理する情報通信システム1を、ユーザが立ち寄りうる複数の施設それぞれに設けられた施設側装置20と、施設側装置にユーザ情報を報知可能な情報報知部250とともに構成し、施設側装置20それぞれとの間で通信可能に構成されている。ユーザ側装置10は、項目別に区分けされユーザ情報それぞれと、施設の種別ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す識別情報とを関連付けて記憶する記憶部120を備える。情報報知部250は、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設の種別ごとに識別情報が公開を示すユーザ情報について報知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに関するユーザ情報を管理する情報通信システムに用いられるユーザ側装置に関し、特に、ユーザ情報を記憶し、ユーザ情報ごとに公開相手を設定可能なユーザ側装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両からの情報に基づいて地上側のセンターで故障内容の解析や応急処理を判断し、その結果を車両と整備工場(ディーラ)に送信する、といったシステムが提案されている(特許文献1参照)。また、特定の店舗(ディーラ)から個々のユーザに応じたサービスの提供を可能とする情報通信システムが提案されている(特許文献2参照)。この情報通信システムでは、車両と、ユーザが携帯するユーザ端末と、ディーラに設置される顧客情報用コンピュータとが、近距離無線通信可能に構成されている。このような構成により、ディーラでは、ユーザが来店した際に、ユーザの車両に蓄積された情報を無線通信により取得してその情報に応じたサービスを提供したり、車両やユーザ端末に各種情報を送信したりすることが可能となる。
【0003】
しかし、上述した情報通信システムは、ユーザに関連する情報を特定の施設(ディーラ)でのみ利用するものであり、複数の施設において有効に利用することについては考慮されていない。
【0004】
そこで、ユーザが複数の施設を利用する態様において、施設を利用するユーザと利用される施設との組み合わせに特化した情報を出力することのできる情報通信システムが考えられる。
【特許文献1】特開2002−109690号公報(第3頁)
【特許文献2】特開2006−4180号公報(第3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した情報通信システムは、ユーザに関連するユーザ情報を複数の施設で利用するものであり、施設によっては公開不要なユーザ情報を公開する可能性がある。一方、公開するユーザ情報を全ての施設に必要な最小限のユーザ情報だけに絞った場合には、施設によってはその施設に必要なユーザ情報を取得できない可能性がある。
【0006】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ユーザに関するユーザ情報を管理する情報通信システムに用いられるユーザ側装置において、ユーザ情報を記憶し、ユーザ情報ごとに公開する施設または公開しない施設を設定可能なユーザ側装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した問題点を解決するためになされた本発明のユーザ側装置(10:なお、この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄において説明した構成要素を括弧内に示すが、この記載によって特許請求の範囲を限定することを意味するものではない。)は、ユーザに関するユーザ情報を管理する情報通信システム(1)を、ユーザが立ち寄りうる複数の施設それぞれに設けられた施設側装置(20)と、施設側装置にユーザ情報を所定の条件に応じて出力可能な情報出力装置(250)とともに構成し、施設側装置それぞれとの間で通信可能に構成されている。そして、ユーザ情報は項目別に区分けされ、ユーザ側装置は、ユーザ情報それぞれと、施設の種別ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す施設識別情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶手段(120)を備え、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設識別情報が公開を示すユーザ情報については所定の条件を満たすとする。
【0008】
このように構成されたユーザ側装置によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、ユーザ側装置のユーザ情報記憶手段が、ユーザ情報それぞれと、施設の種別ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す施設識別情報とを関連付けて記憶する。一例を挙げると、ユーザ情報については、(イ)例えば姓名、住所、生年月日などのユーザを識別可能な「個人識別情報」や、(ロ)例えば個人の趣味、家族構成などのユーザが秘匿したいような「個人秘匿情報」、(ハ)例えば車両のエンジンオイルの残量、ウォッシャー液の残量などの車両の状態を示す「車両情報」、(ニ)例えば車両に同乗している同乗者の姓名、住所、生年月日などの同乗者を識別可能な「同乗者識別情報」、(ホ)例えばいつどの飲食店に入って、なにを注文したかなどのユーザについて登録された「個人登録情報」、(ヘ)例えば個人のよく聴く音楽の曲名、ジャンルなどの「個人音楽情報」、(ト)例えば血液型、既往症などのユーザの「生態情報」などの項目別に区分けされる。また、施設の種別については、(チ)例えば車両を保守点検する「整備工場(ディーラ)」や、(リ)例えば自動車の部品を販売する「カー用品店」、(ヌ)例えばサービスエリアのレストランなどの「飲食店」、(ル)例えばデパートやスーパーなどの「大型店舗」、(ヲ)例えばホテルや旅館などの「宿泊施設」、(ワ)例えば内科や整形外科などの「病院」、(カ)例えば音楽CDや映像DVDの「販売店」などがある。そして、ユーザ側装置のユーザ情報記憶手段が、例えば(イ)「個人識別情報」と、(チ)「整備工場」、(ヌ)「飲食店」、(ヲ)「宿泊施設」及び(ワ)「病院」に公開を示す施設識別情報とを関連付けて記憶する。また、ユーザ側装置のユーザ情報記憶手段が、例えば(イ)「個人識別情報」と、「カー用品店」、(ル)「大型店舗」及び(カ)「販売店」に非公開を示す施設識別情報とを関連付けて記憶する。さらに、(ロ)「個人秘匿情報」など他のユーザ情報についても、ユーザ側装置のユーザ情報記憶手段が、それらのユーザ情報と、例えば上述のように施設の種別ごとに公開または非公開のいずれか一方を示す施設識別情報とを関連付けて記憶するといった具合である。
【0009】
このようにすれば、施設の種別ごとに公開必要なユーザ情報または公開不要なユーザ情報に区分けしておくことができる。
また、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設識別情報が公開を示すユーザ情報については所定の条件を満たすとするので、情報出力装置は、施設側装置に、ユーザ情報のうち、公開を示す施設識別情報に関連するユーザ情報を出力できる。一例を挙げると、上述の例において、情報出力装置は、例えば(チ)「整備工場」に設けられた施設側装置に、(チ)「整備工場」に公開を示す施設識別情報に関連する例えば(イ)「個人識別情報」を出力できるといった具合である。このようにすれば、情報出力装置が施設側装置にユーザ情報を出力する際には、その施設に公開を示す施設識別情報に関連するユーザ情報だけを出力できる。したがって、情報出力装置が施設側装置にユーザ情報を出力する際には、その施設に公開不要なユーザ情報を公開せず、その施設に公開必要なユーザ情報を公開できる。
【0010】
なお、ユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、施設の種別ごとに公開または非公開を示す施設識別情報を入力可能であるとよい。具体的には、請求項2に記載のように、ユーザ側装置は、ユーザ情報それぞれに対して施設識別情報を入力可能な識別情報入力手段(150)と、ユーザ情報それぞれと識別情報入力手段により入力された施設識別情報とを関連付けてユーザ情報記憶手段に記憶させる識別情報登録手段(110)とを備えるとよい。
【0011】
このように構成されたユーザ側装置によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、識別情報入力手段がユーザ情報それぞれに対して、施設識別情報を入力可能である。一例を挙げると、識別情報入力手段が、施設の種別ごとにユーザ側からの施設識別情報を例えば識別情報入力手段の有する操作パネルに配置されたキーの押下によって受け付け、施設の種別ごとに受け付けたユーザ側からの施設識別情報を入力するといった具合である。このようにすれば、ユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、施設の種別ごとに公開または非公開を示す施設識別情報を入力できる。そして、識別情報登録手段がユーザ情報それぞれと識別情報入力手段により入力された施設識別情報とを関連付けてユーザ情報記憶手段に記憶させる。このようにすれば、ユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、施設の種別ごとに入力した公開または非公開を示す施設識別情報をユーザ情報記憶装置に記憶できる。したがって、ユーザ側がユーザ情報それぞれに対して、公開する施設または公開しない施設を設定できる。
【0012】
なお、ユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、同行者ごとに公開または非公開を示す同行者識別情報を入力可能であるとよい。具体的には、請求項3に記載のように、識別情報入力手段は、ユーザ情報それぞれに対してユーザと同行する他のユーザごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す同行者識別情報を入力可能であり、ユーザ情報のうち、前記同行者識別情報が非公開を示すユーザ情報については所定の条件を満たさないとするとよい。
【0013】
このように構成されたユーザ側装置によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち
識別情報入力手段がユーザ情報それぞれに対して、ユーザと同行する他のユーザごとに同行者識別情報を入力可能である。一例を挙げると、識別情報入力手段が、ユーザと同行する他のユーザごとにユーザ側からの同行者識別情報を例えば識別情報入力手段の有する操作パネルに配置されたキーの押下によって受け付け、ユーザと同行する他のユーザごとに受け付けたユーザ側からの同行者識別情報を入力するといった具合である。このようにすれば、ユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、ユーザと同行する他のユーザごとに公開または非公開を示す同行者識別情報を入力できる。そして、ユーザ情報のうち、前記他のユーザごとに同行者識別情報が非公開を示すユーザ情報については所定の条件を満たさないとする。一例を挙げると、ユーザと同行する他のユーザとが親しい間柄の場合には、例えばユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、公開を示す同行者識別情報を入力しておく。すると、情報出力装置が施設側装置にユーザ情報を出力する際には、その施設に公開を示す同行者識別情報に関連するユーザ情報を出力する。一方、ユーザと同行する他のユーザとが親しい間柄でない場合には、例えばユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、非公開を示す同行者識別情報を入力する。すると、情報出力装置が施設側装置にユーザ情報を出力する際には、その施設に公開を示す同行者識別情報に関連するユーザ情報であっても、出力しないといった具合である。このようにすれば、ユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、ユーザと同行するユーザごとに公開するか、公開しないかを設定できる。したがって、情報出力装置が施設側装置にユーザ情報を出力する際には、その施設に公開可能なユーザ情報であっても、同行するユーザに応じて公開しないように設定できる。
【0014】
なお、ユーザ側からユーザ情報の公開または非公開を選択可能であるとよい。具体的には、請求項4に記載のように、ユーザ側装置は、ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設識別情報が公開を示すユーザ情報に対して、公開または非公開のいずれか一方を示す選択情報を入力可能な選択情報入力手段(150)を備え、選択情報が公開を示す場合には、対応するユーザ情報が所定の条件を満たすとみなし、選択情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報が所定の条件を満たさないとするとよい。
【0015】
このように構成されたユーザ側装置によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、選択情報入力手段が、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設識別情報が公開を示すユーザ情報に対して、公開または非公開のいずれか一方を示す選択情報を入力可能である。一例を挙げると、選択情報入力手段が、ユーザ側からの選択情報を例えば選択情報入力手段の有する操作パネルに配置されたキーの押下によって受け付け、受け付けたユーザ側からの選択情報を入力するといった具合である。このようにすれば、ユーザ側から、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設識別情報が公開を示すユーザ情報に対して、公開または非公開のいずれか一方を示す選択情報を入力できる。
【0016】
また、選択情報が公開を示す場合には、対応するユーザ情報が所定の条件を満たすとするので、情報出力装置は、施設側装置に、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設識別情報が公開を示すユーザ情報を出力し、選択情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報が所定の条件を満たさないとするので、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設識別情報が公開を示すユーザ情報を出力しない。このようにすれば、ユーザ側からユーザ情報を公開するか、または公開しないかを選択できる。したがって、ユーザ側からユーザ情報の公開または非公開を選択できる。
【0017】
なお、施設側から、公開不要なユーザ情報を公開しないように設定可能であるとよい。具体的には、請求項5に記載のように、施設側装置は、ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設識別情報が公開を示すユーザ情報それぞれに対して、公開または非公開のいずれか一方を示す指定情報を入力可能な指定情報入力手段(240)を備え、指定情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報が所定の条件を満たさないとするとよい。
【0018】
このように構成されたユーザ側装置によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、指定情報入力手段が、ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設識別情報が公開を示すユーザ情報それぞれに対して、公開または非公開のいずれか一方を示す指定情報を入力可能である。一例を挙げると、指定情報入力手段が、施設側からの指定情報を例えば指定情報入力手段の有する操作パネルに配置されたキーの押下によって受け付け、受け付けた施設側からの指定情報を入力するといった具合である。このようにすれば、施設側から、その施設に公開不要なユーザ情報を公開しないように設定できる。なお、その施設に公開不要なユーザ情報としては、次のようなユーザ情報が考えられる。一例を挙げると、上述の例において、例えば複数のユーザが同時に(ヌ)「飲食店」に入店した場合には、(ヌ)「飲食店」に公開を示す施設識別情報と関連付けられた例えば(イ)「個人識別情報」が考えられる。複数のユーザが同時に(ヌ)「飲食店」に入店した場合には、(ヌ)「飲食店」側は複数のユーザが互いに知り合いか否かが分からない。そして、例えば複数のユーザが互いに知り合いでなく、(ヌ)「飲食店」側が出力された例えば(イ)「個人識別情報」から、そのユーザの姓名を知り、その姓名を告げた場合には、その姓名を告げられたユーザの姓名が知り合いでない他人に知れ渡ることになる。すると、その姓名を告げられたユーザに不快感を与えることも有り得るからである。そこで、(ヌ)「飲食店」に出力可能なユーザ情報であっても、例えば(イ)「個人識別情報」を公開しないように設定できれば、このような問題の発生を防ぐことができる。
【0019】
また、指定情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報が所定の条件を満たさないとするので、情報出力装置は、施設装置側に、ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設識別情報が公開を示すユーザ情報から、非公開を示す指定情報に対応するユーザ情報を出力しない。このようにすれば、情報出力装置は、その施設側装置に出力可能なユーザ情報であっても、施設側から公開しないように設定したユーザ情報を出力しない。したがって、施設側が、その施設側装置に出力可能なユーザ情報であっても、公開不要なユーザ情報を公開しないように設定できる。
【0020】
なお、車両の緊急事態が発生した際に、車両の緊急事態の緊急度に応じて、非公開のユーザ情報を公開するように設定可能とするとよい。具体的には、請求項6に記載のように、ユーザ側装置は、車両の緊急事態の情報を取得する緊急事態情報取得手段(110)と、前記緊急事態の情報から緊急度を判定する緊急度判定手段(110)とを備える。そして、識別情報入力手段は、ユーザ情報それぞれに対して、緊急度ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す緊急度識別情報を入力可能であり、ユーザ情報のうち、緊急度判定手段によって判定された緊急度に応じて前記緊急度識別情報が公開を示すユーザ情報については所定の条件を満たすとするとよい。
【0021】
このように構成されたユーザ側装置においては、次のような作用効果を奏する。すなわち、緊急事態情報取得手段が、車両の緊急事態の情報を取得する。すると、緊急度判定手段が、前記緊急事態の情報から緊急度を判定する。一例を挙げると、上述の例において、例えばユーザ側装置の緊急事態情報取得手段が、車両のドライバ席のエアバックが開くなどの緊急事態の情報を取得する。すると、緊急度判定手段が、前記緊急事態の情報から緊急度を判定するといった具合である。そして、識別情報入力手段は、ユーザ情報それぞれに対して、緊急度ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す緊急度識別情報を入力可能であり、ユーザ情報のうち、緊急度判定手段によって判定された緊急度に応じて前記緊急度識別情報が公開を示すユーザ情報については所定の条件を満たすとする。一例を挙げると、識別情報入力手段が、ユーザ側からの緊急度識別情報を例えば識別情報入力手段の有する操作パネルに配置されたキーの押下によって受け付け、受け付けたユーザ側からの緊急度識別情報を入力するといった具合である。このようにすれば、ユーザ側から、緊急度ごとに緊急度識別情報を入力可能である。そして、車両の緊急事態が発生した際に、車両の緊急事態の緊急度に応じて、ユーザ情報のうち、非公開のユーザ情報を公開するように設定できる。したがって、人命に係るような車両の緊急事態が発生した際に、ユーザを救命するために必要なユーザ情報を公開するように設定できる。
【0022】
また、車両の緊急事態が発生した際に、車両の緊急事態をユーザ側装置が報知するとよい。具体的には、請求項7に記載のように、ユーザ側装置は、緊急事態を報知可能な報知手段(160,170)と、緊急事態情報取得手段が前記緊急事態の情報を取得した際には、報知手段によって緊急事態を報知させる報知制御手段(110)とを備えるとよい。
【0023】
このように構成されたユーザ側装置においては、次のような作用効果を奏する。すなわち、ユーザ側装置の報知手段が、緊急事態を報知可能である。そして、ユーザ側装置の報知制御手段が、緊急事態情報取得手段が緊急事態の情報を取得した際には、報知手段によって緊急事態を報知させる。一例を挙げると、例えば報知手段の有する表示画面が、車両の緊急事態を報知できるように、緊急事態の画像を表示する。また、例えば報知手段の有するブザーが、車両の緊急事態を報知できるように、警報音を発する。そして、緊急事態情報取得手段が例えば車両のドライバ席のエアバックが開くなどの緊急事態の情報を取得した際には、報知制御手段が例えば報知手段の有するブザーによって車両の緊急事態を報知させるように、警報音を発せさせ、例えば報知手段の有する表示画面によって車両の緊急事態の画像を表示するといった具合である。このようにすれば、車両の緊急事態が発生した際に、ユーザ側装置が車両の緊急事態を報知する。すると、例えば救急隊が、その車両の乗員を救助する際に、その報知によってユーザ側装置を容易に発見することができる。したがって、人命に係るような車両の緊急事態が発生した際に、ユーザを救命するために必要なユーザ情報を公開可能なユーザ側装置を容易に発見することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
[情報通信システム1の全体構成の説明]
まず、ユーザに関するユーザ情報を管理する情報通信システム1の全体構成について説明する。図1は情報通信システム1の全体構成を示すブロック図である。
【0025】
情報通信システム1は、図1に示すように、ユーザ側装置10、施設側装置20、及び車両側装置30などを備えている。以下、ユーザ側装置10、施設側装置20、車両側装置30の順に説明する。
【0026】
[ユーザ側装置10の構成の説明]
ユーザ側装置10の構成を説明する。図2(a)は記憶部120に設けられたメモリ領域を示す説明図であり、図2(b)はユーザ個人情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、図2(c)はユーザ秘匿情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、図2(d)はユーザ車両情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図である。図3(a)はユーザ同乗者情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、図3(b)はユーザ登録情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、図3(c)はユーザ音楽情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、図3(d)はユーザ生体情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図である。図4(a)はユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報のデータ構造を示す説明図であり、図4(b)はユーザ情報に関連する同行者ごとの識別情報のデータ構造を示す説明図であり、図4(c)はユーザ情報に関連する緊急度ごとのデータ構造を示す説明図である。
【0027】
ユーザ側装置10は、図1に示すように、ユーザ側装置10全体の動作を制御する制御部110、ユーザに関するユーザ情報などの各種情報を記憶する記憶部120、施設側装置20及び車両側装置30それぞれとの間で通信するための通信部140、ユーザ側から各種情報を入力するための入力部150、ユーザ情報などの各種情報を報知する情報報知部160、及び車両50の緊急事態を報知するための緊急報知部170を備えている。なお、ユーザ側装置10は、本実施形態では、車両50のエンジンキーと一体に構成されている。
【0028】
このうち記憶部120には、図2(a)に示すように、ユーザ個人情報及び関連情報を記憶するユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121、ユーザ秘匿情報及び関連情報を記憶するユーザ秘匿情報及び関連情報のメモリ領域122、ユーザ車両情報及び関連情報を記憶するユーザ車両情報及び関連情報のメモリ領域123、ユーザ同乗者情報及び関連情報を記憶するユーザ同乗者情報及び関連情報のメモリ領域124、ユーザ登録情報及び関連情報を記憶するユーザ登録情報及び関連情報のメモリ領域125、ユーザ音楽情報及び関連情報を記憶するユーザ音楽情報及び関連情報のメモリ領域126、ユーザ生体情報及び関連情報を記憶するユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127、ユーザ識別情報を記憶するユーザ識別情報のメモリ領域128などが設けられている。なお、ユーザ識別情報とは、ユーザを識別する情報であり、例えばユーザごとに設定されたユーザ識別番号である。以下、ユーザ個人情報及び関連情報、ユーザ秘匿情報及び関連情報、ユーザ車両情報及び関連情報、ユーザ同乗者情報及び関連情報、ユーザ登録情報及び関連情報、ユーザ音楽情報及び関連情報、ユーザ生体情報及び関連情報の順に説明する。
【0029】
(イ)ユーザ個人情報及び関連情報
ユーザ個人情報とは、ユーザの姓、名、住所、生年月日などユーザ個人の情報である。また、関連情報とは、ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報、及びユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報である。
【0030】
ユーザ個人情報及び関連情報のデータ構造は、図2(b)に示すように、ユーザ個人情報、ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報、ユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報を示すデータで構成される。ユーザ個人情報のデータ構造は、ユーザの姓、名、住所、生年月日などを示すデータで構成される。
【0031】
ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報とは、ユーザ個人情報に関連する施設ごとに公開または非公開のいずれか一方を示す情報である。ここで、施設とは、(チ)例えば車両を保守点検する「整備工場(ディーラ)」や、(リ)例えば自動車の部品を販売する「カー用品店」、(ヌ)例えばサービスエリアのレストランなどの「飲食店」、(ル)例えばデパートやスーパーなどの「大型店舗」、(ヲ)例えばホテルや旅館などの「宿泊施設」、(ワ)例えば内科や整形外科などの「病院」、(カ)例えば音楽CDや映像DVDの「販売店」などの種類別に区分けされた施設などである。また、公開を示す識別情報として例えば数値「1」を設定し、非公開を示す識別情報として例えば数値「0」を設定する。すると、ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報のデータ構造は、図4(a)に示すように、ユーザ個人情報に関連する(チ)「整備工場」に例えば公開の数値「1」と、(リ)「カー用品店」に例えば非公開の数値「0」と、(ヌ)「飲食店」〜(ワ)「病院」に公開の数値「1」または非公開の数値「0」と、(カ)「販売店」に例えば非公開の数値「0」を示すデータで構成される。なお、他のユーザ情報においても、他のユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報のデータ構造は、図4(a)に示すように、他のユーザ情報に関連する(チ)「整備工場」〜(カ)「販売店」それぞれに公開の数値「1」または非公開の数値「0」を示すデータで構成される。
【0032】
ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報とは、ユーザ個人情報に関連するユーザと同行する同行者ごとに公開または非公開のいずれか一方を示す情報である。ここで、同行者とは、(ヨ)例えば親しい間柄の「甲さん」、(タ)例えば親しい間柄ではない「乙さん」などである。すると、ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報のデータ構造は、図4(b)に示すように、ユーザ個人情報に関連する(ヨ)「甲さん」に例えば公開の数値「1」と、(タ)「乙さん」に例えば非公開の数値「1」を示すデータで構成される。なお、他のユーザ情報においても、他のユーザ情報に関連する同行者ごとの識別情報のデータ構造は、図4(b)に示すように、他のユーザ情報に関連する(ヨ)「甲さん」、(タ)「乙さん」それぞれに公開の数値「1」または非公開の数値「0」を示すデータで構成される。
【0033】
ユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報とは、ユーザ個人情報に関連する車両の緊急事態の緊急度ごとに公開または非公開のいずれか一方を示す情報である。ここで、車両の緊急事態とは、(オ)例えば車両のドライバ席のエアバックが開く事態(以下、(オ)の事態とも称する。)、(ク)例えば助手席のサイドエアバックが開く事態(以下、(ク)の事態とも称する。)、(ヤ)例えばアンチ-ロックブレーキシステムが作動する事態(以下、(ヤ)の事態とも称する。)などである。そして、車両の緊急事態の緊急性に応じて緊急度を設定する。上述した(オ)の事態では緊急性が高いので、その高い緊急度として例えば「A」を設定し、上述した(ク)の事態では緊急性が、(オ)より低いので、その緊急度として例えば「B」を設定し、上述した(ヤ)の事態では緊急性が、(ク)より低いので、その緊急度として例えば「C」を設定する。すると、ユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報のデータ構造は、図4(c)に示すように、ユーザ個人情報に関連する(レ)「緊急度A」に例えば公開の数値「1」と、(ソ)「緊急度B」に例えば非公開の数値「1」と、(ツ)「緊急度C」に例えば非公開の数値「0」を示すデータで構成される。なお、他のユーザ情報においても、他のユーザ情報に関連する緊急度ごとの識別情報のデータ構造は、図4(b)に示すように、他のユーザ情報に関連する(レ)「緊急度A」〜(ツ)「緊急度C」それぞれに公開の数値「1」または非公開の数値「0」を示すデータで構成される。
【0034】
(ロ)ユーザ秘匿情報及び関連情報
ユーザ秘匿情報とは、ユーザの趣味、家族構成などユーザが秘匿する情報である。また関連情報とは、ユーザ秘匿情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報、及びユーザ秘匿情報に関連する緊急度識別情報である。
【0035】
ユーザ秘匿情報及び関連情報のデータ構造は、図2(c)に示すように、ユーザ秘匿情報、ユーザ秘匿情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報、ユーザ秘匿情報に関連する緊急度識別情報を示すデータで構成される。ユーザ秘匿情報のデータ構造は、ユーザの趣味、家族構成などを示すデータで構成される。
【0036】
(ハ)ユーザ車両情報及び関連情報
ユーザ車両情報は、ユーザが運転する車両50のエンジンオイルの残量、ウォッシャー液の残量、ドアロックの状態などユーザ車両の情報である。関連情報とは、ユーザ車両情報に関連する施設ごとの識別情報、及びユーザ車両情報に関連する緊急度識別情報である。
【0037】
ユーザ車両情報及び関連情報のデータ構造は、図2(d)に示すように、ユーザ車両情報、ユーザ車両情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ車両情報に関連する緊急度識別情報を示すデータで構成される。ユーザ車両情報のデータ構造は、ユーザが運転する車両50のエンジンオイルの残量、ウォッシャー液の残量、ドアロックの状態などを示すデータで構成される。
【0038】
(ニ)ユーザ同乗者情報及び関連情報
ユーザ同乗者情報は、ユーザが運転する車両50に同乗している同乗者の姓名、住所、生年月日など同乗者個人の情報である。関連情報とは、ユーザ同乗者情報に関連する施設ごとの識別情報、及びユーザ同乗者情報に関連する緊急度識別情報である。
【0039】
ユーザ同乗者情報及び関連情報のデータ構造は、図3(a)に示すように、ユーザ同乗者情報、ユーザ同乗者情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ同乗者情報に関連する緊急度識別情報を示すデータで構成される。ユーザ同乗者情報のデータ構造は、同乗者の一人である同乗者(1)の姓、同乗者(1)の名、同乗者(1)の住所、同乗者(1)の生年月日などを示すデータで構成される。
【0040】
(ホ)ユーザ登録情報及び関連情報
ユーザ登録情報は、ユーザがいつどの飲食店に入って、なにを注文したかなどユーザに関して登録された情報である。関連情報とは、ユーザ登録情報に関連する施設ごとの識別情報、及びユーザ登録情報に関連する緊急度識別情報である。
【0041】
ユーザ登録情報及び関連情報のデータ構造は、図3(b)に示すように、ユーザ登録情報、ユーザ登録情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ登録情報に関連する緊急度識別情報を示すデータで構成される。また、ユーザ登録情報のデータ構造は、ユーザが入った飲食店の一つである飲食店(1)の店名、飲食店(1)に入店した日時、飲食店(1)で注文した内容などを示すデータで構成される。
【0042】
(ヘ)ユーザ音楽情報及び関連情報
ユーザ音楽情報は、ユーザがよく聴く音楽の曲名、ジャンルなどユーザが好む音楽の情報である。関連情報とは、ユーザ音楽情報に関連する施設ごとの識別情報、及びユーザ音楽情報に関連する緊急度識別情報である。
【0043】
ユーザ音楽情報及び関連情報のデータ構造は、図3(c)に示すように、ユーザ音楽情報、ユーザ音楽情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ音楽情報に関連する緊急度識別情報を示すデータで構成される。また、ユーザ音楽情報のデータ構造は、ユーザがよく聴く音楽の一つである音楽(1)の曲名、音楽(1)を聞いた日時などを示すデータで構成される。
【0044】
(ト)ユーザ生体情報及び関連情報
ユーザ生体情報は、ユーザの血液型、薬物アレルギー、既往症などユーザの生体情報である。関連情報とは、ユーザ生体情報に関連する施設ごとの識別情報、及びユーザ生体情報に関連する緊急度識別情報である。ユーザ生体情報及び関連情報のデータ構造は、図3(d)に示すように、ユーザ生体情報、ユーザ生体情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ生体情報に関連する緊急度識別情報を示すデータで構成される。また、ユーザ生体情報のデータ構造は、ユーザの血液型、薬物アレルギー、既往症などを示すデータで構成される。
【0045】
なお、記憶部120が「ユーザ情報記憶手段」に相当し、入力部150が「識別情報入力手段」、及び「選択情報入力手段」に相当する。また、制御部110が「識別情報登録手段」、「緊急事態情報取得手段」、「緊急度判定手段」、及び「報知制御手段」に相当する。さらに、情報報知部160、及び緊急報知部170が「報知手段」に相当する。
【0046】
[施設側装置20の構成の説明]
施設側装置20の構成を説明する。図5(a)は記憶部220に設けられたメモリ領域を示す説明図であり、図5(b)はユーザ情報に関連する来訪者数ごとの識別情報のデータ構造を示す説明図である。
【0047】
施設側装置20は、図1に示すように、施設側装置20全体の動作を制御する制御部210、ユーザに関するユーザ情報などの各種情報を記憶する記憶部220、ユーザ側装置10との間で通信するための通信部230、ユーザ側から各種情報を入力するための入力部240、及びユーザ情報などの各種情報を報知する情報報知部250を備えている。
【0048】
このうち記憶部220には、図5(a)に示すように、ユーザ個人情報に対する関連情報を記憶するユーザ個人情報に対する関連情報のメモリ領域221、ユーザ秘匿情報に対する関連情報を記憶するユーザ秘匿情報に対する関連情報のメモリ領域222、ユーザ車両情報に対する関連情報を記憶するユーザ車両情報に対する関連情報のメモリ領域223、ユーザ同乗者情報に対する関連情報を記憶するユーザ同乗者情報に対する関連情報のメモリ領域224、ユーザ登録情報に対する関連情報を記憶するユーザ登録情報に対する関連情報のメモリ領域225、ユーザ音楽情報に対する関連情報を記憶するユーザ音楽情報に対する関連情報のメモリ領域226、ユーザ生体情報に対する関連情報を記憶するユーザ生体情報に対する関連情報のメモリ領域227、施設識別情報を記憶する施設識別情報のメモリ領域228、ユーザ側装置10から受信したユーザ情報などを記憶するユーザ情報のメモリ領域229などが設けられている。なお、施設識別情報とは、施設の種別を示す情報であり、例えば施設の種別ごとに設定された施設種別記号である。一例を挙げると、例えば(チ)「整備工場(ディーラ)」を示す施設識別情報として例えば記号「チ」が設定される。また、(リ)「カー用品店」、(ヌ)「飲食店」、(ル)「大型店舗」、(ヲ)「宿泊施設」、(ワ)「病院」、及び(カ)「販売店」それぞれを示す施設識別情報として、例えば記号「リ」、「ヌ」、「ル」、「ヲ」、「ワ」、及び「カ」それぞれが設定される。
【0049】
また、ユーザ個人情報に関連する関連情報とは、ユーザ個人情報に関連する来訪者数ごとに公開または非公開のいずれか一方を示す情報である。ここで、来訪者数とは、その施設に来訪している(ネ)「一人」、(ナ)「複数人」などである。すると、ユーザ個人情報に関連する来訪者数ごとの識別情報のデータ構造は、図5(b)に示すように、ユーザ個人情報に関連する(ネ)「一人」に例えば公開の数値「1」と、(ナ)「複数人」例えば非公開の数値「1」を示すデータで構成される。なお、他のユーザ情報においても、他のユーザ情報に関連する来訪者数ごとの識別情報のデータ構造は、図5(b)に示すように、他のユーザ情報に関連する(ネ)「一人」、(ナ)「複数人」それぞれに公開の数値「1」または非公開の数値「0」を示すデータで構成される。
【0050】
なお、情報報知部250が「情報出力装置」に相当し、施設側装置20の入力部240が「指定情報入力手段」に相当する。
[車両側装置30の構成の説明]
車両側装置30の構成を説明する。車両側装置30は、図1に示すように、車両側装置30全体の動作を制御する制御部310、ユーザ車両の情報などの各種情報を記憶する記憶部320、ユーザ側装置10との間で通信するための通信部330を備えている。
【0051】
このうち制御部310は、車両50におけるエンジンを制御するエンジン制御装置510、車両50の緊急事態を検出する緊急事態検出装置520などと通信可能に接続されている。
【0052】
[ユーザ情報及び関連情報の入力処理の説明]
ユーザ側装置10の制御部110が実行する後述する「ユーザ車両情報」を除いたユーザ情報及び関連情報を入力する「ユーザ情報及び関連情報の入力処理」の手順を図6のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、ユーザ側装置10が起動されている場合に実行される。
【0053】
まず、本処理が起動されると、入力部150から「情報入力」を受け付けたか否かを判断する(S105)。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示された「情報入力」が選択されることによって、選択された情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「情報入力」を受け付けていないと判断した場合には(S105:NO)、「情報入力」を受け付けるまで待機し、「情報入力」を受け付けたと判断した場合には(S105:YES)、S110の処理へ移行する。
【0054】
S110の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ情報」か否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示された「ユーザ情報」、「施設ごとの識別情報」、「同行者ごとの識別情報」、及び「緊急度ごとの識別情報」のうちから一つの情報が選択されることによって、選択された情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ情報」であると判断した場合には(S110:YES)、S120の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ情報」でないと判断した場合には(S110:NO)、S130の処理へ移行する。
【0055】
S120の処理においては、後述する[ユーザ情報の入力処理]を実行する。S120の処理が終了したらS105の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
S130の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「施設ごとの識別情報」か否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「施設ごとの識別情報」であると判断した場合には(S130:YES)、S140へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「施設ごとの識別情報」でないと判断した場合には(S130:NO)、S150の処理へ移行する。
【0056】
S140の処理においては、後述する[ユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報の入力処理]を実行する。S140の処理が終了したらS105の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0057】
S150の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「同行者ごとの識別情報」か否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「同行者ごとの識別情報」であると判断した場合には(S150:YES)、S160へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「同行者ごとの識別情報」でないと判断した場合には(S150:NO)、S170の処理へ移行する。
【0058】
S160の処理においては、後述する[ユーザ情報に関連する同行者ごとの識別情報の入力処理]を実行する。S160の処理が終了したらS105の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0059】
S170の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「緊急度ごとの識別情報」か否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「緊急度ごとの識別情報」であると判断した場合には(S170:YES)、S180へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「緊急度ごとの識別情報」でないと判断した場合には(S170:NO)、S105の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0060】
S180の処理においては、後述する[ユーザ情報に関連する緊急度ごとの識別情報の入力処理]を実行する。S180の処理が終了したらS105の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0061】
[ユーザ情報の入力処理の説明]
ユーザ側装置10の制御部110が実行する後述する「ユーザ車両情報」を除いたユーザ情報を入力する「ユーザ情報の入力処理」の手順を図7のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、上述したユーザ情報及び関連情報の入力処理を実行中にS120の処理へ移行した際に実行される。
【0062】
まず、本処理が起動されると、入力部150から受け付けた指示がユーザ個人情報か否かを判断する(S210)。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示された「ユーザ個人情報」、「ユーザ秘匿情報」、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」のうちから一つのユーザ情報が選択されることによって、選択されたユーザ情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」であると判断した場合には(S210:YES)、S212の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」でないと判断した場合には(S210:NO)、S216の処理へ移行する。
【0063】
S212の処理においては、入力部150から「ユーザ個人情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザの姓、名、住所、生年月日などの入力案内画面にしたがって操作されることによって、それらの「ユーザ個人情報」が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ個人情報」を受け付けていないと判断した場合には(S212:NO)、入力部150から「ユーザ個人情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ個人情報」を受け付けたと判断した場合には(S212:YES)、S214の処理へ移行する。
【0064】
S214の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ個人情及び関連情報のメモリ領域121に、先に受け付けたユーザ個人情報を記憶する。S214の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0065】
S216の処理〜S220の処理においては、上述したS210の処理〜S214の処理と同様の処理を実行する。すなわち、S216の処理においては、入力部150から受け付けた指示がユーザ秘匿情報か否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であると判断した場合には(S216:YES)、S218の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」でないと判断した場合には(S216:NO)、S222の処理へ移行する。
【0066】
S218の処理においては、入力部150から「ユーザ秘匿情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザの趣味、家族構成などの入力案内画面にしたがって操作されることによって、それらの「ユーザ秘匿情報」が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ秘匿情報」を受け付けていないと判断した場合には(S218:NO)、入力部150から「ユーザ秘匿情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ秘匿情報」を受け付けたと判断した場合には(S218:YES)、S220の処理へ移行する。
【0067】
S220の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ秘匿情報及び関連情報のメモリ領域122に、先に受け付けたユーザ秘匿情報を記憶する。S220の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0068】
S222の処理においては、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」についても、上述したS216の処理〜S220の処理と同様の処理を実行する。S222の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0069】
[ユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報の入力処理の説明]
ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報の入力処理」の手順を図8のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、上述したユーザ情報及び関連情報の入力処理を実行中にS140の処理へ移行した際に実行される。
【0070】
まず、本処理が起動されると、入力部150から受け付けた指示がユーザ個人情報か否かを判断する(S310)。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示された「ユーザ個人情報」、「ユーザ秘匿情報」、「ユーザ車両情報」、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」のうちから一つのユーザ情報が選択されることによって、選択されたユーザ情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」であると判断した場合には(S310:YES)、S312の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」でないと判断した場合には(S310:NO)、S316の処理へ移行する。
【0071】
S312の処理においては、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ個人情報に関連する施設ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S312:NO)、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S312:YES)、S314の処理へ移行する。
【0072】
S314の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121に、先に受け付けた施設ごとの識別情報を記憶する。S314の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0073】
S316の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であるか否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であると判断した場合には(S316:YES)、S318の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」でないと判断した場合には(S316:NO)、S322の処理へ移行する。
【0074】
S318の処理においては、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ秘匿情報に関連する施設ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S318:NO)、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S318:YES)、S320の処理へ移行する。
【0075】
S320の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ秘匿情報及び関連情報のメモリ領域122に、先に受け付けた施設ごとの識別情報を記憶する。S320の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0076】
S322処理〜S326の処理においては、上述したS316の処理〜S320の処理と同様の処理を実行する。すなわち、S322の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であるか否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であると判断した場合には(S322:YES)、S324の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」でないと判断した場合には(S322:NO)、S328の処理へ移行する。
【0077】
S324の処理においては、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ同乗者情報に関連する施設ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S324:NO)、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S324:YES)、S326の処理へ移行する。
【0078】
S326の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ車両情報及び関連情報のメモリ領域123に、先に受け付けた施設ごとの識別情報を記憶する。S326の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0079】
S328の処理においては、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」についても、上述したS322の処理〜S326の処理と同様の処理を実行する。S328の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0080】
[ユーザ情報に関連する同行者ごとの識別情報の入力処理の説明]
ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報に関連する同行者ごとの識別情報の入力処理」の手順を図9のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、上述したユーザ情報及び関連情報の入力処理を実行中にS160の処理へ移行した際に実行される。
【0081】
まず、本処理が起動されると、入力部150から受け付けた指示がユーザ個人情報か否かを判断する(S410)。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示された「ユーザ個人情報」、「ユーザ秘匿情報」、「ユーザ車両情報」、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」のうちから一つのユーザ情報が選択されることによって、選択されたユーザ情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」であると判断した場合には(S410:YES)、S412の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」でないと判断した場合には(S410:NO)、S416の処理へ移行する。
【0082】
S412の処理においては、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ個人情報に関連する同行者ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S412:NO)、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S412:YES)、S414の処理へ移行する。
【0083】
S414の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121に、先に受け付けた同行者ごとの識別情報を記憶する。S414の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0084】
S416の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であるか否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であると判断した場合には(S416:YES)、S418の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」でないと判断した場合には(S416:NO)、S422の処理へ移行する。
【0085】
S418の処理においては、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ秘匿情報に関連する同行者ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S418:NO)、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S418:YES)、S420の処理へ移行する。
【0086】
S420の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ秘匿情報及び関連情報のメモリ領域122に、先に受け付けた同行者ごとの識別情報を記憶する。S420の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0087】
S422処理〜S426の処理においては、上述したS416の処理〜S420の処理と同様の処理を実行する。すなわち、S422の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であるか否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であると判断した場合には(S422:YES)、S424の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」でないと判断した場合には(S422:NO)、S428の処理へ移行する。
【0088】
S424の処理においては、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ同乗者情報に関連する同行者ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S424:NO)、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S424:YES)、S426の処理へ移行する。
【0089】
S426の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ車両情報及び関連情報のメモリ領域123に、先に受け付けた同行者ごとの識別情報を記憶する。S426の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0090】
S428の処理においては、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」についても、上述したS422の処理〜S426の処理と同様の処理を実行する。S428の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0091】
[ユーザ情報に関連する緊急度ごとの識別情報の入力処理の説明]
ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報に関連する緊急度ごとの識別情報の入力処理」の手順を図10のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、上述したユーザ情報及び関連情報の入力処理を実行中にS180の処理へ移行した際に実行される。
【0092】
まず、本処理が起動されると、入力部150から受け付けた指示がユーザ個人情報か否かを判断する(S510)。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示された「ユーザ個人情報」、「ユーザ秘匿情報」、「ユーザ車両情報」、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」のうちから一つのユーザ情報が選択されることによって、選択されたユーザ情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」であると判断した場合には(S510:YES)、S512の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」でないと判断した場合には(S510:NO)、S516の処理へ移行する。
【0093】
S512の処理においては、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ個人情報に関連する緊急度ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S512:NO)、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S512:YES)、S514の処理へ移行する。
【0094】
S514の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121に、先に受け付けた緊急度ごとの識別情報を記憶する。S514の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0095】
S516の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であるか否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であると判断した場合には(S516:YES)、S518の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」でないと判断した場合には(S516:NO)、S522の処理へ移行する。
【0096】
S518の処理においては、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ秘匿情報に関連する緊急度ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S518:NO)、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S518:YES)、S520の処理へ移行する。
【0097】
S520の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ秘匿情報及び関連情報のメモリ領域122に、先に受け付けた緊急度ごとの識別情報を記憶する。S520の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0098】
S522処理〜S526の処理においては、上述したS516の処理〜S520の処理と同様の処理を実行する。すなわち、S522の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であるか否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であると判断した場合には(S522:YES)、S524の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」でないと判断した場合には(S522:NO)、S528の処理へ移行する。
【0099】
S524の処理においては、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ同乗者情報に関連する緊急度ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S524:NO)、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S524:YES)、S526の処理へ移行する。
【0100】
S526の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ車両情報及び関連情報のメモリ領域123に、先に受け付けた緊急度ごとの識別情報を記憶する。S526の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0101】
S528の処理においては、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」についても、上述したS522の処理〜S526の処理と同様の処理を実行する。S528の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0102】
[ユーザ情報に関連する来訪者数ごとの識別情報の入力処理の説明]
施設側装置20の制御部210が実行する「ユーザ情報に関連する来訪者数ごとの識別情報の入力処理」の手順を図11のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、施設側装置20が起動されている場合に実行される。
【0103】
まず、本処理が起動されると、入力部240から「情報入力」を受け付けたか否かを判断する(S605)。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部250に表示された「情報入力」が選択されることによって、選択された情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部240から入力される。そして、入力部2400から「情報入力」を受け付けていないと判断した場合には(S605:NO)、「情報入力」を受け付けるまで待機し、「情報入力」を受け付けたと判断した場合には(S605:YES)、S610の処理へ移行する。
【0104】
S610の処理においては、入力部240から受け付けた指示がユーザ個人情報か否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部250に表示された「ユーザ個人情報」、「ユーザ秘匿情報」、「ユーザ車両情報」、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」のうちから一つのユーザ情報が選択されることによって、選択されたユーザ情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部240から入力される。そして、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」であると判断した場合には(S610:YES)、S612の処理へ移行する。一方、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」でないと判断した場合には(S610:NO)、S616の処理へ移行する。
【0105】
S612の処理においては、入力部240から「ユーザ個人情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報放置部250に表示されたユーザ個人情報に関連する来訪者数ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部240から入力される。そして、入力部240から「ユーザ個人情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S612:NO)、入力部240から「ユーザ個人情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部240から「ユーザ個人情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S612:YES)、S614の処理へ移行する。
【0106】
S614の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121に、先に受け付けた来訪者数ごとの識別情報を記憶する。S614の処理が終了したらS605の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0107】
S616の処理においては、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であるか否かを判断する。そして、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であると判断した場合には(S616:YES)、S618の処理へ移行する。一方、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」でないと判断した場合には(S616:NO)、S622の処理へ移行する。
【0108】
S618の処理においては、入力部240から「ユーザ秘匿情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報放置部250に表示されたユーザ秘匿情報に関連する来訪者数ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部240から入力される。そして、入力部240から「ユーザ秘匿情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S618:NO)、入力部240から「ユーザ秘匿情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部240から「ユーザ秘匿情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S618:YES)、S620の処理へ移行する。
【0109】
S620の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ秘匿情報及び関連情報のメモリ領域122に、先に受け付けた来訪者数ごとの識別情報を記憶する。S620の処理が終了したらS605の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0110】
S622処理〜S626の処理においては、上述したS616の処理〜S620の処理と同様の処理を実行する。すなわち、S622の処理においては、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であるか否かを判断する。そして、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であると判断した場合には(S622:YES)、S624の処理へ移行する。一方、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」でないと判断した場合には(S622:NO)、S628の処理へ移行する。
【0111】
S624の処理においては、入力部240から「ユーザ車両情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報放置部250に表示されたユーザ同乗者情報に関連する来訪者数ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部240から入力される。そして、入力部240から「ユーザ車両情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S624:NO)、入力部240から「ユーザ車両情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部240から「ユーザ車両情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S624:YES)、S626の処理へ移行する。
【0112】
S626の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ車両情報及び関連情報のメモリ領域123に、先に受け付けた来訪者数ごとの識別情報を記憶する。S626の処理が終了したらS605の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0113】
S628の処理においては、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」についても、上述したS622の処理〜S626の処理と同様の処理を実行する。S628の処理が終了したらS605の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0114】
[ユーザ車両情報の送信処理の説明]
車両側装置30の制御部310が実行する「ユーザ車両情報の送信処理」の手順を図12(a)のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、車両50の起動(イグニッションキーON)に伴って車両側装置30が起動した以降、繰り返し実行される。
【0115】
まず、本処理が起動されると、ユーザの降車を検出したか否かを判断する(S710)。具体的には、エンジン制御装置510からエンジンの停止が通知され、その後、一定時間(例えば、10秒)内にエンジンの始動が通知されなかったことをもって、ユーザの降車が検出されたと判断する。そして、ユーザの降車を検出していないと判断した場合には(S710:NO)、ユーザの降車を検出するまで待機し、ユーザの降車を検出したと判断した場合には(S710:YES)、S720の処理へ移行する。
【0116】
S720の処理においては、この時点における車両50のユーザ車両情報を生成する。具体的には、車両側装置30からエンジン制御装置510に対して情報(ユーザが運転する車両50のエンジンオイルの残量、ウォッシャー液の残量、ドアロックの状態など)を要求し、この要求を受けたエンジン制御装置510から通知される情報を検出した後に、これらの情報に基づいてユーザ車両情報を生成する。S720の処理が終了したらS730の処理へ移行する。
【0117】
S730の処理においては、S720の処理において生成されたユーザ車両情報を通信部330を介してユーザ側装置10に送信する。S730の処理が終了したらS710の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0118】
[緊急事態の送信処理の説明]
車両側装置30の制御部310が実行する「緊急事態の送信処理」の手順を図12(b)のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、車両50の起動(イグニッションキーON)に伴って車両側装置30が起動した以降、繰り返し実行される。
【0119】
まず、本処理が起動されると、車両50の緊急事態を検出したか否かを判断する(S760)。具体的には、緊急事態検出装置520から上述した(オ)例えば車両のドライバ席のエアバックが開く事態、(ク)例えば助手席のサイドエアバックが開く事態、(ヤ)例えばアンチ-ロックブレーキシステムが作動する事態などの車両50の緊急事態を検出したか否かを判断する。そして、車両50の緊急事態を検出していないと判断した場合には(S760:NO)、車両50の緊急事態を検出するまで待機し、車両50の緊急事態を検出したと判断した場合には(S760:YES)、S770の処理へ移行する。
【0120】
S770の処理においては、車両50の緊急事態情報を生成する。具体的には、車両側装置30から緊急事態検出装置520に対して情報(上述した(オ)の事態、(ク)の事態、(ヤ)の事態など)を要求し、この要求を受けた緊急事態検出装置520から通知される情報を検出した後に、これらの情報に基づいて緊急事態情報が生成される。S770の処理が終了したらS780の処理へ移行する。
【0121】
S780の処理においては、S770の処理において生成された緊急事態情報を通信部330を介してユーザ側装置10に送信する。S780の処理が終了したらS760の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0122】
[ユーザ情報の送信処理の説明]
ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報の送信処理」の手順を図13のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、ユーザ側装置10が起動されている場合に実行される。
【0123】
まず、本処理が起動されると、通信部140を介してデータを受信したか否かを判断する(S810)。そして、データを受信していないと判断した場合には(S810:NO)、データを受信するまで待機し、データを受信したと判断した場合には(S810:YES)、S812の処理へ移行する。
【0124】
S812の処理においては、受信したデータがユーザ情報の送信要求を示すデータか否かを判断する。具体的には、後述する[ユーザ情報の報知処理の説明]欄のS910の処理において施設側装置20から送信されたユーザ情報の送信要求、及び施設識別情報を示すデータか否かを判断する。なお、ユーザ側装置10は、施設側装置20との間で近距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、無線LAN、ZIGBEE(登録商標)など)可能に構成されており、施設側装置20附近の通信エリア内においてだけ、その施設側装置20と通信が可能な通信状態になる。換言すれば、ユーザが施設へ訪れることにより、そのユーザが携帯するユーザ側装置10とその施設に設置された施設側装置20とが通信状態となる。そして、受信したデータがユーザ情報の送信要求を示すデータであると判断した場合には(S812:YES)、S814の処理へ移行する。一方、受信したデータがユーザ情報の送信要求を示すデータではないと判断した場合には(S818:NO)、S820の処理へ移行する
S814の処理においては、入力部150からユーザ情報に対して「非公開」の選択情報を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ情報の「公開」または「非公開」のうち、「非公開」が選択されることによって、選択された「非公開」の選択情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150からユーザ情報に対して「非公開」の選択情報を受け付けたと判断した場合には(S814:YES)、S810の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。一方、入力部150からユーザ情報に対して「非公開」の選択情報を受け付けていないと判断した場合には(S814:YES)、S816の処理へ移行する。
【0125】
S816の処理においては、ユーザ情報、同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を抽出する。具体的には、次にようにしてユーザ情報、同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を抽出する。
【0126】
ユーザ情報は、ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121〜ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127(図2(a)参照)に記憶されている施設ごとの識別情報(図4(a)参照)における受信した施設識別情報による種別の施設に公開を示す識別情報、例えば数値「1」と関連するユーザ情報である。このユーザ情報を、ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121〜ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127から抽出する。
【0127】
同行者ごとの識別情報は、ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121〜ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127(図2(a)参照)に記憶されている同行者ごとの識別情報(図4(b)参照)における上述の抽出されたユーザ情報と関連する同行者ごとの識別情報である。この同行者ごとの識別情報を、ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121〜ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127から抽出し、上述の抽出されたユーザ情報それぞれに付加する。
【0128】
ユーザ識別情報は、ユーザ識別情報のメモリ領域128(図2(a)参照)に記憶されているユーザ識別情報である。このユーザ識別情報を、ユーザ識別情報のメモリ領域128から抽出する。S816の処理が終了したらS818の処理へ移行する。
【0129】
S818の処理においては、ユーザ情報、同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を送信する。具体的には、S816の処理において抽出したユーザ情報、このユーザ情報それぞれに付加した同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を通信部140を介して施設側装置20へ送信する。S818の処理が終了したらS810の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0130】
S820の処理においては、受信したデータがユーザ車両情報を示すデータか否かを判断する。具体的には、上述した[ユーザ車両情報の送信処理の説明]欄のS730の処理において車両側装置30から送信されたユーザ車両情報か否かを判断する。そして、受信したデータがユーザ車両情報を示すデータであると判断した場合には(S820:YES)、S822の処理へ移行する。一方、受信したデータがユーザ車両情報を示すデータではないと判断した場合には(S820:NO)、S824の処理へ移行する。
【0131】
S822の処理においては、ユーザ車両情報及び関連情報のメモリ領域123(図2(a)参照)に受信したユーザ車両情報を記憶する。S822の処理が終了したらS810処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0132】
S824の処理においては、受信したデータが車両50の緊急事態情報を示すデータか否かを判断する。具体的には、上述した[緊急事態の送信処理の説明]欄のS780の処理において車両側装置30から送信された車両50の緊急事態情報を示すデータか否かを判断する。そして、受信したデータが車両50の緊急事態情報を示すデータであると判断した場合には(S824:YES)、S826の処理へ移行する。一方、受信したデータが車両50の緊急事態情報を示すデータではないと判断した場合には(S824:NO)、本処理を終了する。
【0133】
S826の処理においては、緊急事態情報から緊急度を判定する。具体的には、車両側装置30から送信された車両50に関する上述した(オ)例えば車両のドライバ席のエアバックが開く事態、(ク)例えば助手席のサイドエアバックが開く事態、(ヤ)例えばアンチ-ロックブレーキシステムが作動する事態などの車両50の緊急事態の緊急性に応じて緊急度を判定する。例えば上述の(オ)の事態では緊急度「A」と判定し、上述の(ク)の事態では緊急度「B」と判定し、上述の(ヤ)の事態では緊急度「C」と判定する。S826の処理が終了したらS828の処理へ移行する。
【0134】
S828の処理においては、ユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報を更新する。具体的には、ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121〜ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127(図2(a)参照)に記憶されている緊急度ごとの識別情報(図4(c)参照)における上述の判定された緊急度に公開を示す識別情報、例えば数値「1」と関連するユーザ情報を選定し、この選定されたユーザ情報と関連する施設ごとの識別情報(図4(a)参照)における施設に非公開を示す識別情報、例えば数値「0」を、公開を示す識別情報、例えば数値「1」に更新する。一例を挙げると、上述の判定において緊急度「A」と判定された場合には、ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121〜ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127(図2(a)参照)に記憶されている緊急度ごとの識別情報(図4(c)参照)における緊急度「A」に公開を示す識別情報、例えば数値「1」と関連するユーザ情報として、「ユーザ個人情報」〜「ユーザ生体情報」が選定される。そして、この選定された「ユーザ個人情報」〜「ユーザ生体情報」に関連する施設ごとの識別情報(図4(a)参照)における施設に非公開を示す識別情報、例えば数値「0」を、公開を示す識別情報、例えば数値「1」に更新する。例えば「ユーザ生体情報」に関連する(チ)「整備工場」に非公開を示す識別情報の数値「0」を、公開を示す識別情報の数値「1」に更新するといった具合である。S828の処理が終了したらS830の処理へ移行する。
【0135】
S830の処理においては、緊急事態情報の報知情報を生成する。具体的には、S826の処理において判定された緊急度に応じて、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示するための報知情報を生成する。一例を挙げると、(オ)例えば車両のドライバ席のエアバックが開く事態で、緊急度「A」と判定した場合には、例えば「至急、救急車を呼んで下さい!」などの液晶画面で表示するための報知情報を生成する。また、ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121〜ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127(図2(a)参照)に記憶されている緊急度ごとの識別情報(図4(c)参照)における緊急度「A」に公開を示す識別情報、例えば数値「1」と関連するユーザ情報として、「ユーザ個人情報」〜「ユーザ生体情報」を抽出する。ぞして、これらのユーザ情報に基づいて、液晶画面で表示するための報知情報を生成する。例えば「ユーザ生体情報」に基づいて、例えば「ユーザの血液型」、「薬物アレルギー」、「既往症」などを、液晶画面で表示するための報知情報を生成するといった具合である。S830の処理が終了したらS832の処理へ移行する。
【0136】
S832の処理においては、緊急事態情報の報知画像を表示する。具体的には、S830の処理において生成した緊急事態情報の報知画像を、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示する。S832の処理が終了するとS834の処理へ移行する。
【0137】
S834の処理においては、緊急事態情報の報知音を発する。具体的には、例えばブザーなどの緊急報知部170によって緊急事態をユーザ側装置10の周囲にブザー音を発せさせる。S834の処理が終了したらS810の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0138】
[ユーザ情報の報知処理の説明]
施設側装置20の制御部210が実行する「ユーザ情報の報知処理」の手順を図14のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、施設側装置20が起動されている場合に実行される。
【0139】
まず、本処理が起動されると、ユーザ情報の送信要求を通信部230を介してユーザ側装置10へ送信する(S910)。具体的には、ユーザ情報の送信要求、及び施設識別情報を通信部140を介してユーザ側装置10へ送信する。S910の処理が終了するとS912の処理へ移行する。
【0140】
S912の処理においては、ユーザ情報を受信したか否かを判断する。具体的には、上述した[ユーザ情報の送信処理の説明]欄のS818の処理においてユーザ側装置10から送信されたユーザ情報、このユーザ情報それぞれに付加した同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を通信部230を介して受信したか否かを判断する。そして、ユーザ情報を受信したと判断した場合には(S912:YES)、S914の処理へ移行する。一方、ユーザ情報を受信していないと判断した場合には(S912:NO)、S910の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0141】
S914の処理においては、ユーザ情報を記憶する。具体的には、受信したユーザ情報、このユーザ情報それぞれに付加した同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を、ユーザ情報のメモリ領域229に記憶する。なお、このユーザ情報のメモリ領域229には、施設側装置20と通信状態になっているユーザ側装置10から受信したユーザ情報、このユーザ情報それぞれに付加した同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を、ユーザ識別情報ごとに記憶する。すなわち、施設側装置20と通信状態になっているユーザ側装置10が施設側装置20と通信が不可能な非通信状態になると、そのユーザ側装置10のユーザ情報、このユーザ情報それぞれに付加した同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を、ユーザ情報のメモリ領域229から削除する。S914の処理が終了するとS916の処理へ移行する。
【0142】
S916の処理においては、来訪者数ごとの識別情報があるか否かを判断する。具体的には、ユーザ個人情報に対する関連情報のメモリ領域221〜ユーザ生体情報に対する関連情報のメモリ領域227(図5(a)参照)に来訪者ごとの識別情報(図5(b)参照)が記憶されているか否かを判断する。そして、来訪者数ごとの識別情報があると判断した場合には(S916:YES)、S918の処理へ移行する。一方、来訪者数ごとの識別情報がないと判断した場合には(S916:NO)、S920の処理へ移行する。
【0143】
S918の処理においては、来訪者数ごとの識別情報に関連するユーザ情報を削除する。具体的には、ユーザ情報のメモリ領域229に記憶されているユーザ識別情報に基づいて施設側装置20と通信状態になっている来訪者が携帯するユーザ側装置10の数量を計数する。つまり、ユーザ情報のメモリ領域229に記憶されているユーザ識別情報のうち異なるユーザ識別情報の数量を計数することによって来訪者数を計数する。そして、ユーザ個人情報に対する関連情報のメモリ領域221〜ユーザ生体情報に対する関連情報のメモリ領域227(図5(a)参照)に記憶されている来訪者ごとの識別情報(図5(b)参照)における上述の計数された来訪者数に非公開を示す識別情報、例えば数値「0」と関連するユーザ情報を選定し、この選定されたユーザ情報を、ユーザ情報のメモリ領域229から削除する。S918の処理が終了したらS920の処理へ移行する。
【0144】
S920の処理においては、同行者ごとの識別情報があるか否かを判断する。具体的には、同行者ごとの識別情報が受信したユーザ情報それぞれに付加されているか否かを判断する。そして、同行者ごとの識別情報があると判断した場合には(S920:YES)、S922の処理へ移行する。一方、同行者ごとの識別情報がないと判断した場合には(S920:NO)、S924の処理へ移行する。
【0145】
S922の処理においては、同行者ごとの識別情報に関連するユーザ情報を削除する。具体的には、ユーザ情報のメモリ領域229に記憶されているユーザ識別情報に基づいて施設側装置20と通信状態になっている来訪者が携帯するユーザ側装置10のユーザ識別情報を抽出する。つまり、ユーザ情報のメモリ領域229に記憶されているユーザ識別情報を抽出することによって来訪したユーザを識別する。そして、受信したユーザ情報それぞれに付加されている同行者ごとの識別情報における上述の識別された来訪したユーザに非公開を示す識別情報、例えば数値「0」と関連するユーザ情報を選定し、この選定されたユーザ情報を、ユーザ情報のメモリ領域229から削除する。S922の処理が終了するとS924の処理へ移行する。
【0146】
S924の処理においては、ユーザ情報の報知画像を生成する。具体的には、ユーザ情報のメモリ領域229に記憶されているユーザ情報に基づいて、例えば液晶画面などの情報報知部250に表示するための報知情報を生成する。一例を挙げると、ユーザ情報のメモリ領域229に記憶されているユーザ情報が例えば「ユーザ個人情報」、及び「ユーザ車両情報」の場合には、図15に示すように、「ユーザ個人情報」(ア)、及び「ユーザ車両情報」(サ)を「ユーザ情報」の区分ごとに配置し、その上部に「ユーザ識別情報」(ヒ)を配置してなる画像を、報知画像として生成する。S924の処理が終了するとS926の処理へ移行する。
【0147】
S926の処理においては、ユーザ情報の報知画像を表示する。具体的には、S924の処理において生成したユーザ情報の報知画像を、例えば液晶画面などの情報報知部250に表示する。S926の処理が終了したらS910の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0148】
[効果の説明]
本実施形態のユーザ側装置10によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、ユーザが複数の施設を利用する態様において、施設を利用するユーザと利用される施設との組み合わせに特化した情報を出力することのできる情報通信システムが考えられるが、この情報通信システムは、ユーザに関連するユーザ情報を複数の施設で利用するものであり、施設によっては公開不要なユーザ情報を公開するおそれがある。一方、公開するユーザ情報を全ての施設に必要な最小限のユーザ情報だけに絞った場合には、施設によってはその施設に必要なユーザ情報を取得できないおそれがある。
【0149】
(1)それに対して、本実施形態のユーザ側装置10は次のように構成されている。すなわち、ユーザ側装置10は、ユーザに関するユーザ情報を管理する情報通信システム1を、ユーザが立ち寄りうる複数の施設それぞれに設けられた施設側装置20と、施設側装置にユーザ情報を報知可能な情報報知部250とともに構成し、施設側装置20それぞれとの間で通信可能に構成されている。そして、ユーザ側装置10は、項目別に区分けされユーザ情報それぞれと、施設の種別ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す識別情報とを関連付けて記憶する記憶部120を備えている。そして、情報報知部250は、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設の種別ごとに識別情報が公開を示すユーザ情報について報知する。このことにより、施設の種別ごとに公開必要なユーザ情報または公開不要なユーザ情報に区分けしておくことができる。そして、情報報知部250は、施設側装置20に、ユーザ情報のうち、公開を示す識別情報に関連するユーザ情報だけを報知できる。したがって、情報報知部250が施設側装置20にユーザ情報を報知する際には、その施設に公開不要なユーザ情報を公開せず、その施設に公開必要なユーザ情報を公開できる。
【0150】
(2)また、本実施形態のユーザ側装置10は次のように構成されている。すなわち、ユーザ側装置10は、ユーザ情報それぞれに対して施設の種別ごとに識別情報を入力可能な入力部150と、ユーザ情報それぞれと入力部150により入力された施設の種別ごとに識別情報とを関連付けて記憶部120に記憶させる制御部110とを備えている。このことにより、入力部150からユーザ情報それぞれに対して、施設の種別ごとに公開または非公開を示す識別情報を入力できる。また、ユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、施設の種別ごとに入力した公開または非公開を示す識別情報を記憶部120に記憶できる。したがって、ユーザ側がユーザ情報それぞれに対して、公開する施設または公開しない施設を設定できる。
【0151】
(3)さらに、本実施形態のユーザ側装置10は次のように構成されている。すなわち、入力部150は、ユーザ情報それぞれに対してユーザと同行する他のユーザごとに識別情報を入力可能である。そして、情報報知部250は、ユーザ情報のうち、他のユーザごとに識別情報が非公開を示すユーザ情報については報知しない。このことにより、入力部150からユーザ情報それぞれに対して、ユーザと同行する他のユーザごとに公開または非公開を示す識別情報を入力できる。また、情報報知部250は、施設側装置にユーザ情報を報知する際には、その施設に公開を示す識別情報に関連するユーザ情報であっても、報知しない。したがって、情報報知部250が施設側装置20にユーザ情報を報知する際には、その施設に公開可能なユーザ情報であっても、同行するユーザに応じて公開しないように設定できる。
【0152】
(4)また、本実施形態のユーザ側装置10は次のように構成されている。すなわち、入力部150は、ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設の種別ごとに前記識別情報が公開を示すユーザ情報に対して、公開または非公開のいずれか一方を示す選択情報を入力可能である。そして、情報報知部250は、選択情報が公開を示す場合には、対応するユーザ情報を報知し、選択情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報を報知しない。このことにより、ユーザ側から、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設の種別ごとに識別情報が公開を示すユーザ情報に対して、公開または非公開のいずれか一方を示す選択情報を入力できる。また、選択情報が公開を示す場合には、情報報知部250は、施設側装置20に、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設の種別ごとに識別情報が公開を示すユーザ情報を報知し、選択情報が非公開を示す場合には、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設の種別ごとに識別情報が公開を示すユーザ情報を報知しない。したがって、ユーザ側からユーザ情報を公開するか、または公開しないかを選択できる。
【0153】
(5)また、本実施形態のユーザ側装置10は次のように構成されている。すなわち、施設側装置20は、ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設の種別ごとに識別情報が公開を示すユーザ情報それぞれに対して、公開または非公開のいずれか一方を示す指定情報を入力可能な入力部240を備える。そして、情報報知部250は、指定情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報を報知しない。このことにより、入力部240からその施設に公開不要なユーザ情報を公開しないように設定できる。また、情報報知部250は、その施設側装置20に出力可能なユーザ情報であっても、施設側装置20から公開しないように設定したユーザ情報を報知しない。したがって、施設側が、その施設側装置20に出力可能なユーザ情報であっても、公開不要なユーザ情報を公開しないように設定できる。
【0154】
(6)また、本実施形態のユーザ側装置10によれば、ユーザ側装置10の制御部110が、車両50の緊急事態の情報を通信部140を介して受信し、受信した緊急事態の情報から緊急事態の緊急度を判定し、情報報知部250が、ユーザ情報のうち、制御部110によって判定された緊急度に応じて識別情報が公開を示すユーザ情報については報知する。このことにより、ユーザ側から、緊急度ごとに識別情報を入力可能である。そして、車両50の緊急事態が発生した際に、車両50の緊急事態の緊急度に応じて、ユーザ情報のうち、非公開のユーザ情報を公開するように設定できる。したがって、人命に係るような車両50の緊急事態が発生した際に、ユーザを救命するために必要なユーザ情報を公開するように設定できる。
【0155】
(7)また、本実施形態のユーザ側装置10は次のように構成されている。すなわち、ユーザ側装置10は、緊急事態を報知可能な情報報知部160、及び緊急報知部170を備える。そして、制御部110が緊急事態の情報を受信した際には、情報報知部160、及び緊急報知部170によって緊急事態を報知させる。このことにより、車両50の緊急事態が発生した際に、制御部110が情報報知部160、及び緊急報知部170によって緊急事態を報知させる。すると、例えば救急隊が、その車両50の乗員を救助する際に、その報知によってユーザ側装置10を容易に発見することができる。したがって、人命に係るような車両の緊急事態が発生した際に、ユーザを救命するために必要なユーザ情報を公開可能なユーザ側装置を容易に発見することができる。
【0156】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0157】
(1)上記実施形態では、記憶部120が、項目別に区分けされユーザ情報それぞれと、施設の種別ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す識別情報とを関連付けて記憶しているが、これには限らない。記憶部120が、項目別に区分けされユーザ情報それぞれと、施設の種別ごとに予め設定された公開を示す識別情報とを関連付けて記憶してもよい。また、記憶部120が、項目別に区分けされユーザ情報それぞれと、施設の種別ごとに予め設定された非公開のいずれか一方を示す識別情報とを関連付けて記憶してもよい。このように構成された実施形態によれば、入力部150からユーザ情報それぞれに対して、施設の種別ごとに公開または非公開を示す識別情報を入力する場合と比較して、識別情報を入力する時間を削減できる。
【0158】
(2)上記実施形態では、ユーザ側装置10が入力部150を備えているが、これには限らない。携帯電話などの携帯端末とユーザ側装置10との間で通信可能に構成すれば、携帯端末の入力部から入力された各種情報を携帯端末を介してユーザ側装置10に入力させることができる。このように構成された実施形態によれば、ユーザ側装置10が入力部150を備えなくてもよいので、ユーザ側装置10の製造工数及び製造コストを削減できる。
【0159】
(3)上記実施形態では、ユーザ側装置10が車両50のエンジンキーと一体に構成されているが、これには限らない。ユーザ側装置10は、携帯電話などの携帯端末で構成されてもよい。このように構成された実施形態においても、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0160】
(4)上記実施形態では、「緊急度ごとの識別情報」が入力部150から入力される構成であるが、これには限らない。「緊急度ごとの識別情報」が、予め記憶部120に記憶されていてもよい。このように構成された実施形態によれば、入力部150から「緊急度ごとの識別情報」を入力する場合と比較して、「緊急度ごとの識別情報識別情報」を入力する手間を省くことができる。また、「緊急度ごとの識別情報」が、予め記憶部120に更新できないように記憶されていてもよい。このように構成された実施形態によれば、人命に係るような車両50の緊急事態が発生した際に、例えば「ユーザ生体情報」を公開できるように設定しておけば、「ユーザ生体情報」を公開できないように更新できる場合と比較して、ユーザを救命するために必要な「ユーザ生体情報」を公開できるので、救急隊は早急に適切な救急処置をすることができる。
【0161】
(5)上記実施形態では、施設側装置20が「情報出力装置」に相当する情報報知部250を備えていたが、これには限らない。例えば液晶画面を有する「情報出力装置」と施設側装置20との間で通信可能に構成すれば、施設側装置20が備えていなくとも、施設側装置20が生成したユーザ情報の報知画像を、「情報出力装置」に報知させることができる。このように構成された実施形態においても、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】情報通信システム1の全体構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は記憶部120に設けられたメモリ領域を示す説明図であり、(b)はユーザ個人情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、(c)はユーザ秘匿情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、(d)はユーザ車両情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図である。
【図3】(a)はユーザ同乗者情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、(b)はユーザ登録情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、(c)はユーザ音楽情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、(d)はユーザ生体情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図である。
【図4】(a)はユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報のデータ構造を示す説明図であり、(b)はユーザ情報に関連する同行者ごとの識別情報のデータ構造を示す説明図であり、(c)はユーザ情報に関連する緊急度ごとのデータ構造を示す説明図である。
【図5】(a)は記憶部220に設けられたメモリ領域を示す説明図であり、(b)はユーザ情報に関連する来訪者数ごとの識別情報のデータ構造を示す説明図である。
【図6】ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報及び関連情報の入力処理」の手順を示すフローチャートである。
【図7】ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報の入力処理」の手順を示すフローチャートである。
【図8】ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報の入力処理」の手順を示すフローチャートである。
【図9】ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報に関連する同行者ごとの識別情報の入力処理」の手順を示すフローチャートである。
【図10】ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報に関連する緊急度ごとの識別情報の入力処理」の手順を示すフローチャートである。
【図11】施設側装置20の制御部210が実行する「ユーザ情報に関連する来訪者ごとの識別情報の入力処理」の手順を示すフローチャートである。
【図12】(a)は車両側装置30の制御部310が実行する「ユーザ車両情報の送信処理」の手順を示すフローチャートであり、(b)は車両側装置30の制御部310が実行する「緊急事態の送信処理」の手順を示すフローチャートである。
【図13】ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報の送信処理」の手順を示すフローチャートである。
【図14】施設側装置20の制御部210が実行する「ユーザ情報の報知処理」の手順を示すフローチャートである。
【図15】報知画像が表示された状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0163】
1…情報通信システム、10…ユーザ側装置、20…施設側装置、30…車両側装置、50…車両、110…制御部、120…記憶部、121…ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域、122…ユーザ秘匿情報及び関連情報のメモリ領域、123…ユーザ車両情報及び関連情報のメモリ領域、124…ユーザ同乗者情報及び関連情報のメモリ領域、125…ユーザ登録情報及び関連情報のメモリ領域、126…ユーザ音楽情報及び関連情報のメモリ領域126、127…ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域、128…ユーザ識別情報のメモリ領域、140…通信部、150…入力部、160…情報報知部、170…緊急報知部、210…制御部、220…記憶部、221…ユーザ個人情報に対する関連情報のメモリ領域、222…ユーザ秘匿情報に対する関連情報のメモリ領域、223…ユーザ車両情報に対する関連情報のメモリ領域、224…ユーザ同乗者情報に対する関連情報のメモリ領域、225…ユーザ登録情報に対する関連情報のメモリ領域、226…ユーザ音楽情報に対する関連情報のメモリ領域、227…ユーザ生体情報に対する関連情報のメモリ領域、228…施設識別情報のメモリ領域、229…ユーザ情報のメモリ領域、230…通信部、240入力部、250…情報報知部、310…制御部、320…記憶部、330…通信部、510…エンジン制御装置、520…緊急事態検出装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに関するユーザ情報を管理する情報通信システムに用いられるユーザ側装置に関し、特に、ユーザ情報を記憶し、ユーザ情報ごとに公開相手を設定可能なユーザ側装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両からの情報に基づいて地上側のセンターで故障内容の解析や応急処理を判断し、その結果を車両と整備工場(ディーラ)に送信する、といったシステムが提案されている(特許文献1参照)。また、特定の店舗(ディーラ)から個々のユーザに応じたサービスの提供を可能とする情報通信システムが提案されている(特許文献2参照)。この情報通信システムでは、車両と、ユーザが携帯するユーザ端末と、ディーラに設置される顧客情報用コンピュータとが、近距離無線通信可能に構成されている。このような構成により、ディーラでは、ユーザが来店した際に、ユーザの車両に蓄積された情報を無線通信により取得してその情報に応じたサービスを提供したり、車両やユーザ端末に各種情報を送信したりすることが可能となる。
【0003】
しかし、上述した情報通信システムは、ユーザに関連する情報を特定の施設(ディーラ)でのみ利用するものであり、複数の施設において有効に利用することについては考慮されていない。
【0004】
そこで、ユーザが複数の施設を利用する態様において、施設を利用するユーザと利用される施設との組み合わせに特化した情報を出力することのできる情報通信システムが考えられる。
【特許文献1】特開2002−109690号公報(第3頁)
【特許文献2】特開2006−4180号公報(第3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した情報通信システムは、ユーザに関連するユーザ情報を複数の施設で利用するものであり、施設によっては公開不要なユーザ情報を公開する可能性がある。一方、公開するユーザ情報を全ての施設に必要な最小限のユーザ情報だけに絞った場合には、施設によってはその施設に必要なユーザ情報を取得できない可能性がある。
【0006】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ユーザに関するユーザ情報を管理する情報通信システムに用いられるユーザ側装置において、ユーザ情報を記憶し、ユーザ情報ごとに公開する施設または公開しない施設を設定可能なユーザ側装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した問題点を解決するためになされた本発明のユーザ側装置(10:なお、この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄において説明した構成要素を括弧内に示すが、この記載によって特許請求の範囲を限定することを意味するものではない。)は、ユーザに関するユーザ情報を管理する情報通信システム(1)を、ユーザが立ち寄りうる複数の施設それぞれに設けられた施設側装置(20)と、施設側装置にユーザ情報を所定の条件に応じて出力可能な情報出力装置(250)とともに構成し、施設側装置それぞれとの間で通信可能に構成されている。そして、ユーザ情報は項目別に区分けされ、ユーザ側装置は、ユーザ情報それぞれと、施設の種別ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す施設識別情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶手段(120)を備え、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設識別情報が公開を示すユーザ情報については所定の条件を満たすとする。
【0008】
このように構成されたユーザ側装置によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、ユーザ側装置のユーザ情報記憶手段が、ユーザ情報それぞれと、施設の種別ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す施設識別情報とを関連付けて記憶する。一例を挙げると、ユーザ情報については、(イ)例えば姓名、住所、生年月日などのユーザを識別可能な「個人識別情報」や、(ロ)例えば個人の趣味、家族構成などのユーザが秘匿したいような「個人秘匿情報」、(ハ)例えば車両のエンジンオイルの残量、ウォッシャー液の残量などの車両の状態を示す「車両情報」、(ニ)例えば車両に同乗している同乗者の姓名、住所、生年月日などの同乗者を識別可能な「同乗者識別情報」、(ホ)例えばいつどの飲食店に入って、なにを注文したかなどのユーザについて登録された「個人登録情報」、(ヘ)例えば個人のよく聴く音楽の曲名、ジャンルなどの「個人音楽情報」、(ト)例えば血液型、既往症などのユーザの「生態情報」などの項目別に区分けされる。また、施設の種別については、(チ)例えば車両を保守点検する「整備工場(ディーラ)」や、(リ)例えば自動車の部品を販売する「カー用品店」、(ヌ)例えばサービスエリアのレストランなどの「飲食店」、(ル)例えばデパートやスーパーなどの「大型店舗」、(ヲ)例えばホテルや旅館などの「宿泊施設」、(ワ)例えば内科や整形外科などの「病院」、(カ)例えば音楽CDや映像DVDの「販売店」などがある。そして、ユーザ側装置のユーザ情報記憶手段が、例えば(イ)「個人識別情報」と、(チ)「整備工場」、(ヌ)「飲食店」、(ヲ)「宿泊施設」及び(ワ)「病院」に公開を示す施設識別情報とを関連付けて記憶する。また、ユーザ側装置のユーザ情報記憶手段が、例えば(イ)「個人識別情報」と、「カー用品店」、(ル)「大型店舗」及び(カ)「販売店」に非公開を示す施設識別情報とを関連付けて記憶する。さらに、(ロ)「個人秘匿情報」など他のユーザ情報についても、ユーザ側装置のユーザ情報記憶手段が、それらのユーザ情報と、例えば上述のように施設の種別ごとに公開または非公開のいずれか一方を示す施設識別情報とを関連付けて記憶するといった具合である。
【0009】
このようにすれば、施設の種別ごとに公開必要なユーザ情報または公開不要なユーザ情報に区分けしておくことができる。
また、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設識別情報が公開を示すユーザ情報については所定の条件を満たすとするので、情報出力装置は、施設側装置に、ユーザ情報のうち、公開を示す施設識別情報に関連するユーザ情報を出力できる。一例を挙げると、上述の例において、情報出力装置は、例えば(チ)「整備工場」に設けられた施設側装置に、(チ)「整備工場」に公開を示す施設識別情報に関連する例えば(イ)「個人識別情報」を出力できるといった具合である。このようにすれば、情報出力装置が施設側装置にユーザ情報を出力する際には、その施設に公開を示す施設識別情報に関連するユーザ情報だけを出力できる。したがって、情報出力装置が施設側装置にユーザ情報を出力する際には、その施設に公開不要なユーザ情報を公開せず、その施設に公開必要なユーザ情報を公開できる。
【0010】
なお、ユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、施設の種別ごとに公開または非公開を示す施設識別情報を入力可能であるとよい。具体的には、請求項2に記載のように、ユーザ側装置は、ユーザ情報それぞれに対して施設識別情報を入力可能な識別情報入力手段(150)と、ユーザ情報それぞれと識別情報入力手段により入力された施設識別情報とを関連付けてユーザ情報記憶手段に記憶させる識別情報登録手段(110)とを備えるとよい。
【0011】
このように構成されたユーザ側装置によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、識別情報入力手段がユーザ情報それぞれに対して、施設識別情報を入力可能である。一例を挙げると、識別情報入力手段が、施設の種別ごとにユーザ側からの施設識別情報を例えば識別情報入力手段の有する操作パネルに配置されたキーの押下によって受け付け、施設の種別ごとに受け付けたユーザ側からの施設識別情報を入力するといった具合である。このようにすれば、ユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、施設の種別ごとに公開または非公開を示す施設識別情報を入力できる。そして、識別情報登録手段がユーザ情報それぞれと識別情報入力手段により入力された施設識別情報とを関連付けてユーザ情報記憶手段に記憶させる。このようにすれば、ユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、施設の種別ごとに入力した公開または非公開を示す施設識別情報をユーザ情報記憶装置に記憶できる。したがって、ユーザ側がユーザ情報それぞれに対して、公開する施設または公開しない施設を設定できる。
【0012】
なお、ユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、同行者ごとに公開または非公開を示す同行者識別情報を入力可能であるとよい。具体的には、請求項3に記載のように、識別情報入力手段は、ユーザ情報それぞれに対してユーザと同行する他のユーザごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す同行者識別情報を入力可能であり、ユーザ情報のうち、前記同行者識別情報が非公開を示すユーザ情報については所定の条件を満たさないとするとよい。
【0013】
このように構成されたユーザ側装置によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち
識別情報入力手段がユーザ情報それぞれに対して、ユーザと同行する他のユーザごとに同行者識別情報を入力可能である。一例を挙げると、識別情報入力手段が、ユーザと同行する他のユーザごとにユーザ側からの同行者識別情報を例えば識別情報入力手段の有する操作パネルに配置されたキーの押下によって受け付け、ユーザと同行する他のユーザごとに受け付けたユーザ側からの同行者識別情報を入力するといった具合である。このようにすれば、ユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、ユーザと同行する他のユーザごとに公開または非公開を示す同行者識別情報を入力できる。そして、ユーザ情報のうち、前記他のユーザごとに同行者識別情報が非公開を示すユーザ情報については所定の条件を満たさないとする。一例を挙げると、ユーザと同行する他のユーザとが親しい間柄の場合には、例えばユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、公開を示す同行者識別情報を入力しておく。すると、情報出力装置が施設側装置にユーザ情報を出力する際には、その施設に公開を示す同行者識別情報に関連するユーザ情報を出力する。一方、ユーザと同行する他のユーザとが親しい間柄でない場合には、例えばユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、非公開を示す同行者識別情報を入力する。すると、情報出力装置が施設側装置にユーザ情報を出力する際には、その施設に公開を示す同行者識別情報に関連するユーザ情報であっても、出力しないといった具合である。このようにすれば、ユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、ユーザと同行するユーザごとに公開するか、公開しないかを設定できる。したがって、情報出力装置が施設側装置にユーザ情報を出力する際には、その施設に公開可能なユーザ情報であっても、同行するユーザに応じて公開しないように設定できる。
【0014】
なお、ユーザ側からユーザ情報の公開または非公開を選択可能であるとよい。具体的には、請求項4に記載のように、ユーザ側装置は、ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設識別情報が公開を示すユーザ情報に対して、公開または非公開のいずれか一方を示す選択情報を入力可能な選択情報入力手段(150)を備え、選択情報が公開を示す場合には、対応するユーザ情報が所定の条件を満たすとみなし、選択情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報が所定の条件を満たさないとするとよい。
【0015】
このように構成されたユーザ側装置によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、選択情報入力手段が、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設識別情報が公開を示すユーザ情報に対して、公開または非公開のいずれか一方を示す選択情報を入力可能である。一例を挙げると、選択情報入力手段が、ユーザ側からの選択情報を例えば選択情報入力手段の有する操作パネルに配置されたキーの押下によって受け付け、受け付けたユーザ側からの選択情報を入力するといった具合である。このようにすれば、ユーザ側から、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設識別情報が公開を示すユーザ情報に対して、公開または非公開のいずれか一方を示す選択情報を入力できる。
【0016】
また、選択情報が公開を示す場合には、対応するユーザ情報が所定の条件を満たすとするので、情報出力装置は、施設側装置に、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設識別情報が公開を示すユーザ情報を出力し、選択情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報が所定の条件を満たさないとするので、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設識別情報が公開を示すユーザ情報を出力しない。このようにすれば、ユーザ側からユーザ情報を公開するか、または公開しないかを選択できる。したがって、ユーザ側からユーザ情報の公開または非公開を選択できる。
【0017】
なお、施設側から、公開不要なユーザ情報を公開しないように設定可能であるとよい。具体的には、請求項5に記載のように、施設側装置は、ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設識別情報が公開を示すユーザ情報それぞれに対して、公開または非公開のいずれか一方を示す指定情報を入力可能な指定情報入力手段(240)を備え、指定情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報が所定の条件を満たさないとするとよい。
【0018】
このように構成されたユーザ側装置によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、指定情報入力手段が、ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設識別情報が公開を示すユーザ情報それぞれに対して、公開または非公開のいずれか一方を示す指定情報を入力可能である。一例を挙げると、指定情報入力手段が、施設側からの指定情報を例えば指定情報入力手段の有する操作パネルに配置されたキーの押下によって受け付け、受け付けた施設側からの指定情報を入力するといった具合である。このようにすれば、施設側から、その施設に公開不要なユーザ情報を公開しないように設定できる。なお、その施設に公開不要なユーザ情報としては、次のようなユーザ情報が考えられる。一例を挙げると、上述の例において、例えば複数のユーザが同時に(ヌ)「飲食店」に入店した場合には、(ヌ)「飲食店」に公開を示す施設識別情報と関連付けられた例えば(イ)「個人識別情報」が考えられる。複数のユーザが同時に(ヌ)「飲食店」に入店した場合には、(ヌ)「飲食店」側は複数のユーザが互いに知り合いか否かが分からない。そして、例えば複数のユーザが互いに知り合いでなく、(ヌ)「飲食店」側が出力された例えば(イ)「個人識別情報」から、そのユーザの姓名を知り、その姓名を告げた場合には、その姓名を告げられたユーザの姓名が知り合いでない他人に知れ渡ることになる。すると、その姓名を告げられたユーザに不快感を与えることも有り得るからである。そこで、(ヌ)「飲食店」に出力可能なユーザ情報であっても、例えば(イ)「個人識別情報」を公開しないように設定できれば、このような問題の発生を防ぐことができる。
【0019】
また、指定情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報が所定の条件を満たさないとするので、情報出力装置は、施設装置側に、ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設識別情報が公開を示すユーザ情報から、非公開を示す指定情報に対応するユーザ情報を出力しない。このようにすれば、情報出力装置は、その施設側装置に出力可能なユーザ情報であっても、施設側から公開しないように設定したユーザ情報を出力しない。したがって、施設側が、その施設側装置に出力可能なユーザ情報であっても、公開不要なユーザ情報を公開しないように設定できる。
【0020】
なお、車両の緊急事態が発生した際に、車両の緊急事態の緊急度に応じて、非公開のユーザ情報を公開するように設定可能とするとよい。具体的には、請求項6に記載のように、ユーザ側装置は、車両の緊急事態の情報を取得する緊急事態情報取得手段(110)と、前記緊急事態の情報から緊急度を判定する緊急度判定手段(110)とを備える。そして、識別情報入力手段は、ユーザ情報それぞれに対して、緊急度ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す緊急度識別情報を入力可能であり、ユーザ情報のうち、緊急度判定手段によって判定された緊急度に応じて前記緊急度識別情報が公開を示すユーザ情報については所定の条件を満たすとするとよい。
【0021】
このように構成されたユーザ側装置においては、次のような作用効果を奏する。すなわち、緊急事態情報取得手段が、車両の緊急事態の情報を取得する。すると、緊急度判定手段が、前記緊急事態の情報から緊急度を判定する。一例を挙げると、上述の例において、例えばユーザ側装置の緊急事態情報取得手段が、車両のドライバ席のエアバックが開くなどの緊急事態の情報を取得する。すると、緊急度判定手段が、前記緊急事態の情報から緊急度を判定するといった具合である。そして、識別情報入力手段は、ユーザ情報それぞれに対して、緊急度ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す緊急度識別情報を入力可能であり、ユーザ情報のうち、緊急度判定手段によって判定された緊急度に応じて前記緊急度識別情報が公開を示すユーザ情報については所定の条件を満たすとする。一例を挙げると、識別情報入力手段が、ユーザ側からの緊急度識別情報を例えば識別情報入力手段の有する操作パネルに配置されたキーの押下によって受け付け、受け付けたユーザ側からの緊急度識別情報を入力するといった具合である。このようにすれば、ユーザ側から、緊急度ごとに緊急度識別情報を入力可能である。そして、車両の緊急事態が発生した際に、車両の緊急事態の緊急度に応じて、ユーザ情報のうち、非公開のユーザ情報を公開するように設定できる。したがって、人命に係るような車両の緊急事態が発生した際に、ユーザを救命するために必要なユーザ情報を公開するように設定できる。
【0022】
また、車両の緊急事態が発生した際に、車両の緊急事態をユーザ側装置が報知するとよい。具体的には、請求項7に記載のように、ユーザ側装置は、緊急事態を報知可能な報知手段(160,170)と、緊急事態情報取得手段が前記緊急事態の情報を取得した際には、報知手段によって緊急事態を報知させる報知制御手段(110)とを備えるとよい。
【0023】
このように構成されたユーザ側装置においては、次のような作用効果を奏する。すなわち、ユーザ側装置の報知手段が、緊急事態を報知可能である。そして、ユーザ側装置の報知制御手段が、緊急事態情報取得手段が緊急事態の情報を取得した際には、報知手段によって緊急事態を報知させる。一例を挙げると、例えば報知手段の有する表示画面が、車両の緊急事態を報知できるように、緊急事態の画像を表示する。また、例えば報知手段の有するブザーが、車両の緊急事態を報知できるように、警報音を発する。そして、緊急事態情報取得手段が例えば車両のドライバ席のエアバックが開くなどの緊急事態の情報を取得した際には、報知制御手段が例えば報知手段の有するブザーによって車両の緊急事態を報知させるように、警報音を発せさせ、例えば報知手段の有する表示画面によって車両の緊急事態の画像を表示するといった具合である。このようにすれば、車両の緊急事態が発生した際に、ユーザ側装置が車両の緊急事態を報知する。すると、例えば救急隊が、その車両の乗員を救助する際に、その報知によってユーザ側装置を容易に発見することができる。したがって、人命に係るような車両の緊急事態が発生した際に、ユーザを救命するために必要なユーザ情報を公開可能なユーザ側装置を容易に発見することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
[情報通信システム1の全体構成の説明]
まず、ユーザに関するユーザ情報を管理する情報通信システム1の全体構成について説明する。図1は情報通信システム1の全体構成を示すブロック図である。
【0025】
情報通信システム1は、図1に示すように、ユーザ側装置10、施設側装置20、及び車両側装置30などを備えている。以下、ユーザ側装置10、施設側装置20、車両側装置30の順に説明する。
【0026】
[ユーザ側装置10の構成の説明]
ユーザ側装置10の構成を説明する。図2(a)は記憶部120に設けられたメモリ領域を示す説明図であり、図2(b)はユーザ個人情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、図2(c)はユーザ秘匿情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、図2(d)はユーザ車両情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図である。図3(a)はユーザ同乗者情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、図3(b)はユーザ登録情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、図3(c)はユーザ音楽情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、図3(d)はユーザ生体情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図である。図4(a)はユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報のデータ構造を示す説明図であり、図4(b)はユーザ情報に関連する同行者ごとの識別情報のデータ構造を示す説明図であり、図4(c)はユーザ情報に関連する緊急度ごとのデータ構造を示す説明図である。
【0027】
ユーザ側装置10は、図1に示すように、ユーザ側装置10全体の動作を制御する制御部110、ユーザに関するユーザ情報などの各種情報を記憶する記憶部120、施設側装置20及び車両側装置30それぞれとの間で通信するための通信部140、ユーザ側から各種情報を入力するための入力部150、ユーザ情報などの各種情報を報知する情報報知部160、及び車両50の緊急事態を報知するための緊急報知部170を備えている。なお、ユーザ側装置10は、本実施形態では、車両50のエンジンキーと一体に構成されている。
【0028】
このうち記憶部120には、図2(a)に示すように、ユーザ個人情報及び関連情報を記憶するユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121、ユーザ秘匿情報及び関連情報を記憶するユーザ秘匿情報及び関連情報のメモリ領域122、ユーザ車両情報及び関連情報を記憶するユーザ車両情報及び関連情報のメモリ領域123、ユーザ同乗者情報及び関連情報を記憶するユーザ同乗者情報及び関連情報のメモリ領域124、ユーザ登録情報及び関連情報を記憶するユーザ登録情報及び関連情報のメモリ領域125、ユーザ音楽情報及び関連情報を記憶するユーザ音楽情報及び関連情報のメモリ領域126、ユーザ生体情報及び関連情報を記憶するユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127、ユーザ識別情報を記憶するユーザ識別情報のメモリ領域128などが設けられている。なお、ユーザ識別情報とは、ユーザを識別する情報であり、例えばユーザごとに設定されたユーザ識別番号である。以下、ユーザ個人情報及び関連情報、ユーザ秘匿情報及び関連情報、ユーザ車両情報及び関連情報、ユーザ同乗者情報及び関連情報、ユーザ登録情報及び関連情報、ユーザ音楽情報及び関連情報、ユーザ生体情報及び関連情報の順に説明する。
【0029】
(イ)ユーザ個人情報及び関連情報
ユーザ個人情報とは、ユーザの姓、名、住所、生年月日などユーザ個人の情報である。また、関連情報とは、ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報、及びユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報である。
【0030】
ユーザ個人情報及び関連情報のデータ構造は、図2(b)に示すように、ユーザ個人情報、ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報、ユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報を示すデータで構成される。ユーザ個人情報のデータ構造は、ユーザの姓、名、住所、生年月日などを示すデータで構成される。
【0031】
ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報とは、ユーザ個人情報に関連する施設ごとに公開または非公開のいずれか一方を示す情報である。ここで、施設とは、(チ)例えば車両を保守点検する「整備工場(ディーラ)」や、(リ)例えば自動車の部品を販売する「カー用品店」、(ヌ)例えばサービスエリアのレストランなどの「飲食店」、(ル)例えばデパートやスーパーなどの「大型店舗」、(ヲ)例えばホテルや旅館などの「宿泊施設」、(ワ)例えば内科や整形外科などの「病院」、(カ)例えば音楽CDや映像DVDの「販売店」などの種類別に区分けされた施設などである。また、公開を示す識別情報として例えば数値「1」を設定し、非公開を示す識別情報として例えば数値「0」を設定する。すると、ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報のデータ構造は、図4(a)に示すように、ユーザ個人情報に関連する(チ)「整備工場」に例えば公開の数値「1」と、(リ)「カー用品店」に例えば非公開の数値「0」と、(ヌ)「飲食店」〜(ワ)「病院」に公開の数値「1」または非公開の数値「0」と、(カ)「販売店」に例えば非公開の数値「0」を示すデータで構成される。なお、他のユーザ情報においても、他のユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報のデータ構造は、図4(a)に示すように、他のユーザ情報に関連する(チ)「整備工場」〜(カ)「販売店」それぞれに公開の数値「1」または非公開の数値「0」を示すデータで構成される。
【0032】
ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報とは、ユーザ個人情報に関連するユーザと同行する同行者ごとに公開または非公開のいずれか一方を示す情報である。ここで、同行者とは、(ヨ)例えば親しい間柄の「甲さん」、(タ)例えば親しい間柄ではない「乙さん」などである。すると、ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報のデータ構造は、図4(b)に示すように、ユーザ個人情報に関連する(ヨ)「甲さん」に例えば公開の数値「1」と、(タ)「乙さん」に例えば非公開の数値「1」を示すデータで構成される。なお、他のユーザ情報においても、他のユーザ情報に関連する同行者ごとの識別情報のデータ構造は、図4(b)に示すように、他のユーザ情報に関連する(ヨ)「甲さん」、(タ)「乙さん」それぞれに公開の数値「1」または非公開の数値「0」を示すデータで構成される。
【0033】
ユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報とは、ユーザ個人情報に関連する車両の緊急事態の緊急度ごとに公開または非公開のいずれか一方を示す情報である。ここで、車両の緊急事態とは、(オ)例えば車両のドライバ席のエアバックが開く事態(以下、(オ)の事態とも称する。)、(ク)例えば助手席のサイドエアバックが開く事態(以下、(ク)の事態とも称する。)、(ヤ)例えばアンチ-ロックブレーキシステムが作動する事態(以下、(ヤ)の事態とも称する。)などである。そして、車両の緊急事態の緊急性に応じて緊急度を設定する。上述した(オ)の事態では緊急性が高いので、その高い緊急度として例えば「A」を設定し、上述した(ク)の事態では緊急性が、(オ)より低いので、その緊急度として例えば「B」を設定し、上述した(ヤ)の事態では緊急性が、(ク)より低いので、その緊急度として例えば「C」を設定する。すると、ユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報のデータ構造は、図4(c)に示すように、ユーザ個人情報に関連する(レ)「緊急度A」に例えば公開の数値「1」と、(ソ)「緊急度B」に例えば非公開の数値「1」と、(ツ)「緊急度C」に例えば非公開の数値「0」を示すデータで構成される。なお、他のユーザ情報においても、他のユーザ情報に関連する緊急度ごとの識別情報のデータ構造は、図4(b)に示すように、他のユーザ情報に関連する(レ)「緊急度A」〜(ツ)「緊急度C」それぞれに公開の数値「1」または非公開の数値「0」を示すデータで構成される。
【0034】
(ロ)ユーザ秘匿情報及び関連情報
ユーザ秘匿情報とは、ユーザの趣味、家族構成などユーザが秘匿する情報である。また関連情報とは、ユーザ秘匿情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報、及びユーザ秘匿情報に関連する緊急度識別情報である。
【0035】
ユーザ秘匿情報及び関連情報のデータ構造は、図2(c)に示すように、ユーザ秘匿情報、ユーザ秘匿情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報、ユーザ秘匿情報に関連する緊急度識別情報を示すデータで構成される。ユーザ秘匿情報のデータ構造は、ユーザの趣味、家族構成などを示すデータで構成される。
【0036】
(ハ)ユーザ車両情報及び関連情報
ユーザ車両情報は、ユーザが運転する車両50のエンジンオイルの残量、ウォッシャー液の残量、ドアロックの状態などユーザ車両の情報である。関連情報とは、ユーザ車両情報に関連する施設ごとの識別情報、及びユーザ車両情報に関連する緊急度識別情報である。
【0037】
ユーザ車両情報及び関連情報のデータ構造は、図2(d)に示すように、ユーザ車両情報、ユーザ車両情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ車両情報に関連する緊急度識別情報を示すデータで構成される。ユーザ車両情報のデータ構造は、ユーザが運転する車両50のエンジンオイルの残量、ウォッシャー液の残量、ドアロックの状態などを示すデータで構成される。
【0038】
(ニ)ユーザ同乗者情報及び関連情報
ユーザ同乗者情報は、ユーザが運転する車両50に同乗している同乗者の姓名、住所、生年月日など同乗者個人の情報である。関連情報とは、ユーザ同乗者情報に関連する施設ごとの識別情報、及びユーザ同乗者情報に関連する緊急度識別情報である。
【0039】
ユーザ同乗者情報及び関連情報のデータ構造は、図3(a)に示すように、ユーザ同乗者情報、ユーザ同乗者情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ同乗者情報に関連する緊急度識別情報を示すデータで構成される。ユーザ同乗者情報のデータ構造は、同乗者の一人である同乗者(1)の姓、同乗者(1)の名、同乗者(1)の住所、同乗者(1)の生年月日などを示すデータで構成される。
【0040】
(ホ)ユーザ登録情報及び関連情報
ユーザ登録情報は、ユーザがいつどの飲食店に入って、なにを注文したかなどユーザに関して登録された情報である。関連情報とは、ユーザ登録情報に関連する施設ごとの識別情報、及びユーザ登録情報に関連する緊急度識別情報である。
【0041】
ユーザ登録情報及び関連情報のデータ構造は、図3(b)に示すように、ユーザ登録情報、ユーザ登録情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ登録情報に関連する緊急度識別情報を示すデータで構成される。また、ユーザ登録情報のデータ構造は、ユーザが入った飲食店の一つである飲食店(1)の店名、飲食店(1)に入店した日時、飲食店(1)で注文した内容などを示すデータで構成される。
【0042】
(ヘ)ユーザ音楽情報及び関連情報
ユーザ音楽情報は、ユーザがよく聴く音楽の曲名、ジャンルなどユーザが好む音楽の情報である。関連情報とは、ユーザ音楽情報に関連する施設ごとの識別情報、及びユーザ音楽情報に関連する緊急度識別情報である。
【0043】
ユーザ音楽情報及び関連情報のデータ構造は、図3(c)に示すように、ユーザ音楽情報、ユーザ音楽情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ音楽情報に関連する緊急度識別情報を示すデータで構成される。また、ユーザ音楽情報のデータ構造は、ユーザがよく聴く音楽の一つである音楽(1)の曲名、音楽(1)を聞いた日時などを示すデータで構成される。
【0044】
(ト)ユーザ生体情報及び関連情報
ユーザ生体情報は、ユーザの血液型、薬物アレルギー、既往症などユーザの生体情報である。関連情報とは、ユーザ生体情報に関連する施設ごとの識別情報、及びユーザ生体情報に関連する緊急度識別情報である。ユーザ生体情報及び関連情報のデータ構造は、図3(d)に示すように、ユーザ生体情報、ユーザ生体情報に関連する施設ごとの識別情報、ユーザ生体情報に関連する緊急度識別情報を示すデータで構成される。また、ユーザ生体情報のデータ構造は、ユーザの血液型、薬物アレルギー、既往症などを示すデータで構成される。
【0045】
なお、記憶部120が「ユーザ情報記憶手段」に相当し、入力部150が「識別情報入力手段」、及び「選択情報入力手段」に相当する。また、制御部110が「識別情報登録手段」、「緊急事態情報取得手段」、「緊急度判定手段」、及び「報知制御手段」に相当する。さらに、情報報知部160、及び緊急報知部170が「報知手段」に相当する。
【0046】
[施設側装置20の構成の説明]
施設側装置20の構成を説明する。図5(a)は記憶部220に設けられたメモリ領域を示す説明図であり、図5(b)はユーザ情報に関連する来訪者数ごとの識別情報のデータ構造を示す説明図である。
【0047】
施設側装置20は、図1に示すように、施設側装置20全体の動作を制御する制御部210、ユーザに関するユーザ情報などの各種情報を記憶する記憶部220、ユーザ側装置10との間で通信するための通信部230、ユーザ側から各種情報を入力するための入力部240、及びユーザ情報などの各種情報を報知する情報報知部250を備えている。
【0048】
このうち記憶部220には、図5(a)に示すように、ユーザ個人情報に対する関連情報を記憶するユーザ個人情報に対する関連情報のメモリ領域221、ユーザ秘匿情報に対する関連情報を記憶するユーザ秘匿情報に対する関連情報のメモリ領域222、ユーザ車両情報に対する関連情報を記憶するユーザ車両情報に対する関連情報のメモリ領域223、ユーザ同乗者情報に対する関連情報を記憶するユーザ同乗者情報に対する関連情報のメモリ領域224、ユーザ登録情報に対する関連情報を記憶するユーザ登録情報に対する関連情報のメモリ領域225、ユーザ音楽情報に対する関連情報を記憶するユーザ音楽情報に対する関連情報のメモリ領域226、ユーザ生体情報に対する関連情報を記憶するユーザ生体情報に対する関連情報のメモリ領域227、施設識別情報を記憶する施設識別情報のメモリ領域228、ユーザ側装置10から受信したユーザ情報などを記憶するユーザ情報のメモリ領域229などが設けられている。なお、施設識別情報とは、施設の種別を示す情報であり、例えば施設の種別ごとに設定された施設種別記号である。一例を挙げると、例えば(チ)「整備工場(ディーラ)」を示す施設識別情報として例えば記号「チ」が設定される。また、(リ)「カー用品店」、(ヌ)「飲食店」、(ル)「大型店舗」、(ヲ)「宿泊施設」、(ワ)「病院」、及び(カ)「販売店」それぞれを示す施設識別情報として、例えば記号「リ」、「ヌ」、「ル」、「ヲ」、「ワ」、及び「カ」それぞれが設定される。
【0049】
また、ユーザ個人情報に関連する関連情報とは、ユーザ個人情報に関連する来訪者数ごとに公開または非公開のいずれか一方を示す情報である。ここで、来訪者数とは、その施設に来訪している(ネ)「一人」、(ナ)「複数人」などである。すると、ユーザ個人情報に関連する来訪者数ごとの識別情報のデータ構造は、図5(b)に示すように、ユーザ個人情報に関連する(ネ)「一人」に例えば公開の数値「1」と、(ナ)「複数人」例えば非公開の数値「1」を示すデータで構成される。なお、他のユーザ情報においても、他のユーザ情報に関連する来訪者数ごとの識別情報のデータ構造は、図5(b)に示すように、他のユーザ情報に関連する(ネ)「一人」、(ナ)「複数人」それぞれに公開の数値「1」または非公開の数値「0」を示すデータで構成される。
【0050】
なお、情報報知部250が「情報出力装置」に相当し、施設側装置20の入力部240が「指定情報入力手段」に相当する。
[車両側装置30の構成の説明]
車両側装置30の構成を説明する。車両側装置30は、図1に示すように、車両側装置30全体の動作を制御する制御部310、ユーザ車両の情報などの各種情報を記憶する記憶部320、ユーザ側装置10との間で通信するための通信部330を備えている。
【0051】
このうち制御部310は、車両50におけるエンジンを制御するエンジン制御装置510、車両50の緊急事態を検出する緊急事態検出装置520などと通信可能に接続されている。
【0052】
[ユーザ情報及び関連情報の入力処理の説明]
ユーザ側装置10の制御部110が実行する後述する「ユーザ車両情報」を除いたユーザ情報及び関連情報を入力する「ユーザ情報及び関連情報の入力処理」の手順を図6のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、ユーザ側装置10が起動されている場合に実行される。
【0053】
まず、本処理が起動されると、入力部150から「情報入力」を受け付けたか否かを判断する(S105)。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示された「情報入力」が選択されることによって、選択された情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「情報入力」を受け付けていないと判断した場合には(S105:NO)、「情報入力」を受け付けるまで待機し、「情報入力」を受け付けたと判断した場合には(S105:YES)、S110の処理へ移行する。
【0054】
S110の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ情報」か否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示された「ユーザ情報」、「施設ごとの識別情報」、「同行者ごとの識別情報」、及び「緊急度ごとの識別情報」のうちから一つの情報が選択されることによって、選択された情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ情報」であると判断した場合には(S110:YES)、S120の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ情報」でないと判断した場合には(S110:NO)、S130の処理へ移行する。
【0055】
S120の処理においては、後述する[ユーザ情報の入力処理]を実行する。S120の処理が終了したらS105の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
S130の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「施設ごとの識別情報」か否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「施設ごとの識別情報」であると判断した場合には(S130:YES)、S140へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「施設ごとの識別情報」でないと判断した場合には(S130:NO)、S150の処理へ移行する。
【0056】
S140の処理においては、後述する[ユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報の入力処理]を実行する。S140の処理が終了したらS105の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0057】
S150の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「同行者ごとの識別情報」か否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「同行者ごとの識別情報」であると判断した場合には(S150:YES)、S160へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「同行者ごとの識別情報」でないと判断した場合には(S150:NO)、S170の処理へ移行する。
【0058】
S160の処理においては、後述する[ユーザ情報に関連する同行者ごとの識別情報の入力処理]を実行する。S160の処理が終了したらS105の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0059】
S170の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「緊急度ごとの識別情報」か否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「緊急度ごとの識別情報」であると判断した場合には(S170:YES)、S180へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「緊急度ごとの識別情報」でないと判断した場合には(S170:NO)、S105の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0060】
S180の処理においては、後述する[ユーザ情報に関連する緊急度ごとの識別情報の入力処理]を実行する。S180の処理が終了したらS105の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0061】
[ユーザ情報の入力処理の説明]
ユーザ側装置10の制御部110が実行する後述する「ユーザ車両情報」を除いたユーザ情報を入力する「ユーザ情報の入力処理」の手順を図7のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、上述したユーザ情報及び関連情報の入力処理を実行中にS120の処理へ移行した際に実行される。
【0062】
まず、本処理が起動されると、入力部150から受け付けた指示がユーザ個人情報か否かを判断する(S210)。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示された「ユーザ個人情報」、「ユーザ秘匿情報」、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」のうちから一つのユーザ情報が選択されることによって、選択されたユーザ情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」であると判断した場合には(S210:YES)、S212の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」でないと判断した場合には(S210:NO)、S216の処理へ移行する。
【0063】
S212の処理においては、入力部150から「ユーザ個人情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザの姓、名、住所、生年月日などの入力案内画面にしたがって操作されることによって、それらの「ユーザ個人情報」が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ個人情報」を受け付けていないと判断した場合には(S212:NO)、入力部150から「ユーザ個人情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ個人情報」を受け付けたと判断した場合には(S212:YES)、S214の処理へ移行する。
【0064】
S214の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ個人情及び関連情報のメモリ領域121に、先に受け付けたユーザ個人情報を記憶する。S214の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0065】
S216の処理〜S220の処理においては、上述したS210の処理〜S214の処理と同様の処理を実行する。すなわち、S216の処理においては、入力部150から受け付けた指示がユーザ秘匿情報か否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であると判断した場合には(S216:YES)、S218の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」でないと判断した場合には(S216:NO)、S222の処理へ移行する。
【0066】
S218の処理においては、入力部150から「ユーザ秘匿情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザの趣味、家族構成などの入力案内画面にしたがって操作されることによって、それらの「ユーザ秘匿情報」が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ秘匿情報」を受け付けていないと判断した場合には(S218:NO)、入力部150から「ユーザ秘匿情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ秘匿情報」を受け付けたと判断した場合には(S218:YES)、S220の処理へ移行する。
【0067】
S220の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ秘匿情報及び関連情報のメモリ領域122に、先に受け付けたユーザ秘匿情報を記憶する。S220の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0068】
S222の処理においては、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」についても、上述したS216の処理〜S220の処理と同様の処理を実行する。S222の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0069】
[ユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報の入力処理の説明]
ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報の入力処理」の手順を図8のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、上述したユーザ情報及び関連情報の入力処理を実行中にS140の処理へ移行した際に実行される。
【0070】
まず、本処理が起動されると、入力部150から受け付けた指示がユーザ個人情報か否かを判断する(S310)。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示された「ユーザ個人情報」、「ユーザ秘匿情報」、「ユーザ車両情報」、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」のうちから一つのユーザ情報が選択されることによって、選択されたユーザ情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」であると判断した場合には(S310:YES)、S312の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」でないと判断した場合には(S310:NO)、S316の処理へ移行する。
【0071】
S312の処理においては、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ個人情報に関連する施設ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S312:NO)、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S312:YES)、S314の処理へ移行する。
【0072】
S314の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121に、先に受け付けた施設ごとの識別情報を記憶する。S314の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0073】
S316の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であるか否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であると判断した場合には(S316:YES)、S318の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」でないと判断した場合には(S316:NO)、S322の処理へ移行する。
【0074】
S318の処理においては、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ秘匿情報に関連する施設ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S318:NO)、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S318:YES)、S320の処理へ移行する。
【0075】
S320の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ秘匿情報及び関連情報のメモリ領域122に、先に受け付けた施設ごとの識別情報を記憶する。S320の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0076】
S322処理〜S326の処理においては、上述したS316の処理〜S320の処理と同様の処理を実行する。すなわち、S322の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であるか否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であると判断した場合には(S322:YES)、S324の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」でないと判断した場合には(S322:NO)、S328の処理へ移行する。
【0077】
S324の処理においては、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ同乗者情報に関連する施設ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S324:NO)、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する施設ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S324:YES)、S326の処理へ移行する。
【0078】
S326の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ車両情報及び関連情報のメモリ領域123に、先に受け付けた施設ごとの識別情報を記憶する。S326の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0079】
S328の処理においては、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」についても、上述したS322の処理〜S326の処理と同様の処理を実行する。S328の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0080】
[ユーザ情報に関連する同行者ごとの識別情報の入力処理の説明]
ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報に関連する同行者ごとの識別情報の入力処理」の手順を図9のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、上述したユーザ情報及び関連情報の入力処理を実行中にS160の処理へ移行した際に実行される。
【0081】
まず、本処理が起動されると、入力部150から受け付けた指示がユーザ個人情報か否かを判断する(S410)。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示された「ユーザ個人情報」、「ユーザ秘匿情報」、「ユーザ車両情報」、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」のうちから一つのユーザ情報が選択されることによって、選択されたユーザ情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」であると判断した場合には(S410:YES)、S412の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」でないと判断した場合には(S410:NO)、S416の処理へ移行する。
【0082】
S412の処理においては、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ個人情報に関連する同行者ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S412:NO)、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S412:YES)、S414の処理へ移行する。
【0083】
S414の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121に、先に受け付けた同行者ごとの識別情報を記憶する。S414の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0084】
S416の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であるか否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であると判断した場合には(S416:YES)、S418の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」でないと判断した場合には(S416:NO)、S422の処理へ移行する。
【0085】
S418の処理においては、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ秘匿情報に関連する同行者ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S418:NO)、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S418:YES)、S420の処理へ移行する。
【0086】
S420の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ秘匿情報及び関連情報のメモリ領域122に、先に受け付けた同行者ごとの識別情報を記憶する。S420の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0087】
S422処理〜S426の処理においては、上述したS416の処理〜S420の処理と同様の処理を実行する。すなわち、S422の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であるか否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であると判断した場合には(S422:YES)、S424の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」でないと判断した場合には(S422:NO)、S428の処理へ移行する。
【0088】
S424の処理においては、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ同乗者情報に関連する同行者ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S424:NO)、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する同行者ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S424:YES)、S426の処理へ移行する。
【0089】
S426の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ車両情報及び関連情報のメモリ領域123に、先に受け付けた同行者ごとの識別情報を記憶する。S426の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0090】
S428の処理においては、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」についても、上述したS422の処理〜S426の処理と同様の処理を実行する。S428の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0091】
[ユーザ情報に関連する緊急度ごとの識別情報の入力処理の説明]
ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報に関連する緊急度ごとの識別情報の入力処理」の手順を図10のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、上述したユーザ情報及び関連情報の入力処理を実行中にS180の処理へ移行した際に実行される。
【0092】
まず、本処理が起動されると、入力部150から受け付けた指示がユーザ個人情報か否かを判断する(S510)。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示された「ユーザ個人情報」、「ユーザ秘匿情報」、「ユーザ車両情報」、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」のうちから一つのユーザ情報が選択されることによって、選択されたユーザ情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」であると判断した場合には(S510:YES)、S512の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」でないと判断した場合には(S510:NO)、S516の処理へ移行する。
【0093】
S512の処理においては、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ個人情報に関連する緊急度ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S512:NO)、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ個人情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S512:YES)、S514の処理へ移行する。
【0094】
S514の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121に、先に受け付けた緊急度ごとの識別情報を記憶する。S514の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0095】
S516の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であるか否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であると判断した場合には(S516:YES)、S518の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」でないと判断した場合には(S516:NO)、S522の処理へ移行する。
【0096】
S518の処理においては、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ秘匿情報に関連する緊急度ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S518:NO)、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ秘匿情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S518:YES)、S520の処理へ移行する。
【0097】
S520の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ秘匿情報及び関連情報のメモリ領域122に、先に受け付けた緊急度ごとの識別情報を記憶する。S520の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0098】
S522処理〜S526の処理においては、上述したS516の処理〜S520の処理と同様の処理を実行する。すなわち、S522の処理においては、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であるか否かを判断する。そして、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であると判断した場合には(S522:YES)、S524の処理へ移行する。一方、入力部150から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」でないと判断した場合には(S522:NO)、S528の処理へ移行する。
【0099】
S524の処理においては、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ同乗者情報に関連する緊急度ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S524:NO)、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部150から「ユーザ車両情報に関連する緊急度ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S524:YES)、S526の処理へ移行する。
【0100】
S526の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ車両情報及び関連情報のメモリ領域123に、先に受け付けた緊急度ごとの識別情報を記憶する。S526の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0101】
S528の処理においては、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」についても、上述したS522の処理〜S526の処理と同様の処理を実行する。S528の処理が終了したら、本処理を終了する。
【0102】
[ユーザ情報に関連する来訪者数ごとの識別情報の入力処理の説明]
施設側装置20の制御部210が実行する「ユーザ情報に関連する来訪者数ごとの識別情報の入力処理」の手順を図11のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、施設側装置20が起動されている場合に実行される。
【0103】
まず、本処理が起動されると、入力部240から「情報入力」を受け付けたか否かを判断する(S605)。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部250に表示された「情報入力」が選択されることによって、選択された情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部240から入力される。そして、入力部2400から「情報入力」を受け付けていないと判断した場合には(S605:NO)、「情報入力」を受け付けるまで待機し、「情報入力」を受け付けたと判断した場合には(S605:YES)、S610の処理へ移行する。
【0104】
S610の処理においては、入力部240から受け付けた指示がユーザ個人情報か否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部250に表示された「ユーザ個人情報」、「ユーザ秘匿情報」、「ユーザ車両情報」、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」のうちから一つのユーザ情報が選択されることによって、選択されたユーザ情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部240から入力される。そして、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」であると判断した場合には(S610:YES)、S612の処理へ移行する。一方、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ個人情報」でないと判断した場合には(S610:NO)、S616の処理へ移行する。
【0105】
S612の処理においては、入力部240から「ユーザ個人情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報放置部250に表示されたユーザ個人情報に関連する来訪者数ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部240から入力される。そして、入力部240から「ユーザ個人情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S612:NO)、入力部240から「ユーザ個人情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部240から「ユーザ個人情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S612:YES)、S614の処理へ移行する。
【0106】
S614の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121に、先に受け付けた来訪者数ごとの識別情報を記憶する。S614の処理が終了したらS605の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0107】
S616の処理においては、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であるか否かを判断する。そして、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」であると判断した場合には(S616:YES)、S618の処理へ移行する。一方、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ秘匿情報」でないと判断した場合には(S616:NO)、S622の処理へ移行する。
【0108】
S618の処理においては、入力部240から「ユーザ秘匿情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報放置部250に表示されたユーザ秘匿情報に関連する来訪者数ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部240から入力される。そして、入力部240から「ユーザ秘匿情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S618:NO)、入力部240から「ユーザ秘匿情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部240から「ユーザ秘匿情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S618:YES)、S620の処理へ移行する。
【0109】
S620の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ秘匿情報及び関連情報のメモリ領域122に、先に受け付けた来訪者数ごとの識別情報を記憶する。S620の処理が終了したらS605の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0110】
S622処理〜S626の処理においては、上述したS616の処理〜S620の処理と同様の処理を実行する。すなわち、S622の処理においては、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であるか否かを判断する。そして、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」であると判断した場合には(S622:YES)、S624の処理へ移行する。一方、入力部240から受け付けた指示が「ユーザ車両情報」でないと判断した場合には(S622:NO)、S628の処理へ移行する。
【0111】
S624の処理においては、入力部240から「ユーザ車両情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報放置部250に表示されたユーザ同乗者情報に関連する来訪者数ごとに「公開」または「非公開」のいずれか一方の識別情報が選択されることによって、選択された識別情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部240から入力される。そして、入力部240から「ユーザ車両情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けていないと判断した場合には(S624:NO)、入力部240から「ユーザ車両情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けるまで待機し、入力部240から「ユーザ車両情報に関連する来訪者数ごとの識別情報」を受け付けたと判断した場合には(S624:YES)、S626の処理へ移行する。
【0112】
S626の処理においては、記憶部120に設けられたユーザ車両情報及び関連情報のメモリ領域123に、先に受け付けた来訪者数ごとの識別情報を記憶する。S626の処理が終了したらS605の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0113】
S628の処理においては、「ユーザ同乗者情報」、「ユーザ登録情報」、「ユーザ音楽情報」、及び「ユーザ生体情報」についても、上述したS622の処理〜S626の処理と同様の処理を実行する。S628の処理が終了したらS605の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0114】
[ユーザ車両情報の送信処理の説明]
車両側装置30の制御部310が実行する「ユーザ車両情報の送信処理」の手順を図12(a)のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、車両50の起動(イグニッションキーON)に伴って車両側装置30が起動した以降、繰り返し実行される。
【0115】
まず、本処理が起動されると、ユーザの降車を検出したか否かを判断する(S710)。具体的には、エンジン制御装置510からエンジンの停止が通知され、その後、一定時間(例えば、10秒)内にエンジンの始動が通知されなかったことをもって、ユーザの降車が検出されたと判断する。そして、ユーザの降車を検出していないと判断した場合には(S710:NO)、ユーザの降車を検出するまで待機し、ユーザの降車を検出したと判断した場合には(S710:YES)、S720の処理へ移行する。
【0116】
S720の処理においては、この時点における車両50のユーザ車両情報を生成する。具体的には、車両側装置30からエンジン制御装置510に対して情報(ユーザが運転する車両50のエンジンオイルの残量、ウォッシャー液の残量、ドアロックの状態など)を要求し、この要求を受けたエンジン制御装置510から通知される情報を検出した後に、これらの情報に基づいてユーザ車両情報を生成する。S720の処理が終了したらS730の処理へ移行する。
【0117】
S730の処理においては、S720の処理において生成されたユーザ車両情報を通信部330を介してユーザ側装置10に送信する。S730の処理が終了したらS710の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0118】
[緊急事態の送信処理の説明]
車両側装置30の制御部310が実行する「緊急事態の送信処理」の手順を図12(b)のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、車両50の起動(イグニッションキーON)に伴って車両側装置30が起動した以降、繰り返し実行される。
【0119】
まず、本処理が起動されると、車両50の緊急事態を検出したか否かを判断する(S760)。具体的には、緊急事態検出装置520から上述した(オ)例えば車両のドライバ席のエアバックが開く事態、(ク)例えば助手席のサイドエアバックが開く事態、(ヤ)例えばアンチ-ロックブレーキシステムが作動する事態などの車両50の緊急事態を検出したか否かを判断する。そして、車両50の緊急事態を検出していないと判断した場合には(S760:NO)、車両50の緊急事態を検出するまで待機し、車両50の緊急事態を検出したと判断した場合には(S760:YES)、S770の処理へ移行する。
【0120】
S770の処理においては、車両50の緊急事態情報を生成する。具体的には、車両側装置30から緊急事態検出装置520に対して情報(上述した(オ)の事態、(ク)の事態、(ヤ)の事態など)を要求し、この要求を受けた緊急事態検出装置520から通知される情報を検出した後に、これらの情報に基づいて緊急事態情報が生成される。S770の処理が終了したらS780の処理へ移行する。
【0121】
S780の処理においては、S770の処理において生成された緊急事態情報を通信部330を介してユーザ側装置10に送信する。S780の処理が終了したらS760の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0122】
[ユーザ情報の送信処理の説明]
ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報の送信処理」の手順を図13のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、ユーザ側装置10が起動されている場合に実行される。
【0123】
まず、本処理が起動されると、通信部140を介してデータを受信したか否かを判断する(S810)。そして、データを受信していないと判断した場合には(S810:NO)、データを受信するまで待機し、データを受信したと判断した場合には(S810:YES)、S812の処理へ移行する。
【0124】
S812の処理においては、受信したデータがユーザ情報の送信要求を示すデータか否かを判断する。具体的には、後述する[ユーザ情報の報知処理の説明]欄のS910の処理において施設側装置20から送信されたユーザ情報の送信要求、及び施設識別情報を示すデータか否かを判断する。なお、ユーザ側装置10は、施設側装置20との間で近距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、無線LAN、ZIGBEE(登録商標)など)可能に構成されており、施設側装置20附近の通信エリア内においてだけ、その施設側装置20と通信が可能な通信状態になる。換言すれば、ユーザが施設へ訪れることにより、そのユーザが携帯するユーザ側装置10とその施設に設置された施設側装置20とが通信状態となる。そして、受信したデータがユーザ情報の送信要求を示すデータであると判断した場合には(S812:YES)、S814の処理へ移行する。一方、受信したデータがユーザ情報の送信要求を示すデータではないと判断した場合には(S818:NO)、S820の処理へ移行する
S814の処理においては、入力部150からユーザ情報に対して「非公開」の選択情報を受け付けたか否かを判断する。具体的には、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示されたユーザ情報の「公開」または「非公開」のうち、「非公開」が選択されることによって、選択された「非公開」の選択情報が液晶画面上に配置されたタッチパネルなどの入力部150から入力される。そして、入力部150からユーザ情報に対して「非公開」の選択情報を受け付けたと判断した場合には(S814:YES)、S810の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。一方、入力部150からユーザ情報に対して「非公開」の選択情報を受け付けていないと判断した場合には(S814:YES)、S816の処理へ移行する。
【0125】
S816の処理においては、ユーザ情報、同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を抽出する。具体的には、次にようにしてユーザ情報、同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を抽出する。
【0126】
ユーザ情報は、ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121〜ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127(図2(a)参照)に記憶されている施設ごとの識別情報(図4(a)参照)における受信した施設識別情報による種別の施設に公開を示す識別情報、例えば数値「1」と関連するユーザ情報である。このユーザ情報を、ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121〜ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127から抽出する。
【0127】
同行者ごとの識別情報は、ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121〜ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127(図2(a)参照)に記憶されている同行者ごとの識別情報(図4(b)参照)における上述の抽出されたユーザ情報と関連する同行者ごとの識別情報である。この同行者ごとの識別情報を、ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121〜ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127から抽出し、上述の抽出されたユーザ情報それぞれに付加する。
【0128】
ユーザ識別情報は、ユーザ識別情報のメモリ領域128(図2(a)参照)に記憶されているユーザ識別情報である。このユーザ識別情報を、ユーザ識別情報のメモリ領域128から抽出する。S816の処理が終了したらS818の処理へ移行する。
【0129】
S818の処理においては、ユーザ情報、同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を送信する。具体的には、S816の処理において抽出したユーザ情報、このユーザ情報それぞれに付加した同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を通信部140を介して施設側装置20へ送信する。S818の処理が終了したらS810の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0130】
S820の処理においては、受信したデータがユーザ車両情報を示すデータか否かを判断する。具体的には、上述した[ユーザ車両情報の送信処理の説明]欄のS730の処理において車両側装置30から送信されたユーザ車両情報か否かを判断する。そして、受信したデータがユーザ車両情報を示すデータであると判断した場合には(S820:YES)、S822の処理へ移行する。一方、受信したデータがユーザ車両情報を示すデータではないと判断した場合には(S820:NO)、S824の処理へ移行する。
【0131】
S822の処理においては、ユーザ車両情報及び関連情報のメモリ領域123(図2(a)参照)に受信したユーザ車両情報を記憶する。S822の処理が終了したらS810処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0132】
S824の処理においては、受信したデータが車両50の緊急事態情報を示すデータか否かを判断する。具体的には、上述した[緊急事態の送信処理の説明]欄のS780の処理において車両側装置30から送信された車両50の緊急事態情報を示すデータか否かを判断する。そして、受信したデータが車両50の緊急事態情報を示すデータであると判断した場合には(S824:YES)、S826の処理へ移行する。一方、受信したデータが車両50の緊急事態情報を示すデータではないと判断した場合には(S824:NO)、本処理を終了する。
【0133】
S826の処理においては、緊急事態情報から緊急度を判定する。具体的には、車両側装置30から送信された車両50に関する上述した(オ)例えば車両のドライバ席のエアバックが開く事態、(ク)例えば助手席のサイドエアバックが開く事態、(ヤ)例えばアンチ-ロックブレーキシステムが作動する事態などの車両50の緊急事態の緊急性に応じて緊急度を判定する。例えば上述の(オ)の事態では緊急度「A」と判定し、上述の(ク)の事態では緊急度「B」と判定し、上述の(ヤ)の事態では緊急度「C」と判定する。S826の処理が終了したらS828の処理へ移行する。
【0134】
S828の処理においては、ユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報を更新する。具体的には、ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121〜ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127(図2(a)参照)に記憶されている緊急度ごとの識別情報(図4(c)参照)における上述の判定された緊急度に公開を示す識別情報、例えば数値「1」と関連するユーザ情報を選定し、この選定されたユーザ情報と関連する施設ごとの識別情報(図4(a)参照)における施設に非公開を示す識別情報、例えば数値「0」を、公開を示す識別情報、例えば数値「1」に更新する。一例を挙げると、上述の判定において緊急度「A」と判定された場合には、ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121〜ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127(図2(a)参照)に記憶されている緊急度ごとの識別情報(図4(c)参照)における緊急度「A」に公開を示す識別情報、例えば数値「1」と関連するユーザ情報として、「ユーザ個人情報」〜「ユーザ生体情報」が選定される。そして、この選定された「ユーザ個人情報」〜「ユーザ生体情報」に関連する施設ごとの識別情報(図4(a)参照)における施設に非公開を示す識別情報、例えば数値「0」を、公開を示す識別情報、例えば数値「1」に更新する。例えば「ユーザ生体情報」に関連する(チ)「整備工場」に非公開を示す識別情報の数値「0」を、公開を示す識別情報の数値「1」に更新するといった具合である。S828の処理が終了したらS830の処理へ移行する。
【0135】
S830の処理においては、緊急事態情報の報知情報を生成する。具体的には、S826の処理において判定された緊急度に応じて、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示するための報知情報を生成する。一例を挙げると、(オ)例えば車両のドライバ席のエアバックが開く事態で、緊急度「A」と判定した場合には、例えば「至急、救急車を呼んで下さい!」などの液晶画面で表示するための報知情報を生成する。また、ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域121〜ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域127(図2(a)参照)に記憶されている緊急度ごとの識別情報(図4(c)参照)における緊急度「A」に公開を示す識別情報、例えば数値「1」と関連するユーザ情報として、「ユーザ個人情報」〜「ユーザ生体情報」を抽出する。ぞして、これらのユーザ情報に基づいて、液晶画面で表示するための報知情報を生成する。例えば「ユーザ生体情報」に基づいて、例えば「ユーザの血液型」、「薬物アレルギー」、「既往症」などを、液晶画面で表示するための報知情報を生成するといった具合である。S830の処理が終了したらS832の処理へ移行する。
【0136】
S832の処理においては、緊急事態情報の報知画像を表示する。具体的には、S830の処理において生成した緊急事態情報の報知画像を、例えば液晶画面などの情報報知部160に表示する。S832の処理が終了するとS834の処理へ移行する。
【0137】
S834の処理においては、緊急事態情報の報知音を発する。具体的には、例えばブザーなどの緊急報知部170によって緊急事態をユーザ側装置10の周囲にブザー音を発せさせる。S834の処理が終了したらS810の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0138】
[ユーザ情報の報知処理の説明]
施設側装置20の制御部210が実行する「ユーザ情報の報知処理」の手順を図14のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、施設側装置20が起動されている場合に実行される。
【0139】
まず、本処理が起動されると、ユーザ情報の送信要求を通信部230を介してユーザ側装置10へ送信する(S910)。具体的には、ユーザ情報の送信要求、及び施設識別情報を通信部140を介してユーザ側装置10へ送信する。S910の処理が終了するとS912の処理へ移行する。
【0140】
S912の処理においては、ユーザ情報を受信したか否かを判断する。具体的には、上述した[ユーザ情報の送信処理の説明]欄のS818の処理においてユーザ側装置10から送信されたユーザ情報、このユーザ情報それぞれに付加した同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を通信部230を介して受信したか否かを判断する。そして、ユーザ情報を受信したと判断した場合には(S912:YES)、S914の処理へ移行する。一方、ユーザ情報を受信していないと判断した場合には(S912:NO)、S910の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0141】
S914の処理においては、ユーザ情報を記憶する。具体的には、受信したユーザ情報、このユーザ情報それぞれに付加した同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を、ユーザ情報のメモリ領域229に記憶する。なお、このユーザ情報のメモリ領域229には、施設側装置20と通信状態になっているユーザ側装置10から受信したユーザ情報、このユーザ情報それぞれに付加した同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を、ユーザ識別情報ごとに記憶する。すなわち、施設側装置20と通信状態になっているユーザ側装置10が施設側装置20と通信が不可能な非通信状態になると、そのユーザ側装置10のユーザ情報、このユーザ情報それぞれに付加した同行者ごとの識別情報、及びユーザ識別情報を、ユーザ情報のメモリ領域229から削除する。S914の処理が終了するとS916の処理へ移行する。
【0142】
S916の処理においては、来訪者数ごとの識別情報があるか否かを判断する。具体的には、ユーザ個人情報に対する関連情報のメモリ領域221〜ユーザ生体情報に対する関連情報のメモリ領域227(図5(a)参照)に来訪者ごとの識別情報(図5(b)参照)が記憶されているか否かを判断する。そして、来訪者数ごとの識別情報があると判断した場合には(S916:YES)、S918の処理へ移行する。一方、来訪者数ごとの識別情報がないと判断した場合には(S916:NO)、S920の処理へ移行する。
【0143】
S918の処理においては、来訪者数ごとの識別情報に関連するユーザ情報を削除する。具体的には、ユーザ情報のメモリ領域229に記憶されているユーザ識別情報に基づいて施設側装置20と通信状態になっている来訪者が携帯するユーザ側装置10の数量を計数する。つまり、ユーザ情報のメモリ領域229に記憶されているユーザ識別情報のうち異なるユーザ識別情報の数量を計数することによって来訪者数を計数する。そして、ユーザ個人情報に対する関連情報のメモリ領域221〜ユーザ生体情報に対する関連情報のメモリ領域227(図5(a)参照)に記憶されている来訪者ごとの識別情報(図5(b)参照)における上述の計数された来訪者数に非公開を示す識別情報、例えば数値「0」と関連するユーザ情報を選定し、この選定されたユーザ情報を、ユーザ情報のメモリ領域229から削除する。S918の処理が終了したらS920の処理へ移行する。
【0144】
S920の処理においては、同行者ごとの識別情報があるか否かを判断する。具体的には、同行者ごとの識別情報が受信したユーザ情報それぞれに付加されているか否かを判断する。そして、同行者ごとの識別情報があると判断した場合には(S920:YES)、S922の処理へ移行する。一方、同行者ごとの識別情報がないと判断した場合には(S920:NO)、S924の処理へ移行する。
【0145】
S922の処理においては、同行者ごとの識別情報に関連するユーザ情報を削除する。具体的には、ユーザ情報のメモリ領域229に記憶されているユーザ識別情報に基づいて施設側装置20と通信状態になっている来訪者が携帯するユーザ側装置10のユーザ識別情報を抽出する。つまり、ユーザ情報のメモリ領域229に記憶されているユーザ識別情報を抽出することによって来訪したユーザを識別する。そして、受信したユーザ情報それぞれに付加されている同行者ごとの識別情報における上述の識別された来訪したユーザに非公開を示す識別情報、例えば数値「0」と関連するユーザ情報を選定し、この選定されたユーザ情報を、ユーザ情報のメモリ領域229から削除する。S922の処理が終了するとS924の処理へ移行する。
【0146】
S924の処理においては、ユーザ情報の報知画像を生成する。具体的には、ユーザ情報のメモリ領域229に記憶されているユーザ情報に基づいて、例えば液晶画面などの情報報知部250に表示するための報知情報を生成する。一例を挙げると、ユーザ情報のメモリ領域229に記憶されているユーザ情報が例えば「ユーザ個人情報」、及び「ユーザ車両情報」の場合には、図15に示すように、「ユーザ個人情報」(ア)、及び「ユーザ車両情報」(サ)を「ユーザ情報」の区分ごとに配置し、その上部に「ユーザ識別情報」(ヒ)を配置してなる画像を、報知画像として生成する。S924の処理が終了するとS926の処理へ移行する。
【0147】
S926の処理においては、ユーザ情報の報知画像を表示する。具体的には、S924の処理において生成したユーザ情報の報知画像を、例えば液晶画面などの情報報知部250に表示する。S926の処理が終了したらS910の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。
【0148】
[効果の説明]
本実施形態のユーザ側装置10によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、ユーザが複数の施設を利用する態様において、施設を利用するユーザと利用される施設との組み合わせに特化した情報を出力することのできる情報通信システムが考えられるが、この情報通信システムは、ユーザに関連するユーザ情報を複数の施設で利用するものであり、施設によっては公開不要なユーザ情報を公開するおそれがある。一方、公開するユーザ情報を全ての施設に必要な最小限のユーザ情報だけに絞った場合には、施設によってはその施設に必要なユーザ情報を取得できないおそれがある。
【0149】
(1)それに対して、本実施形態のユーザ側装置10は次のように構成されている。すなわち、ユーザ側装置10は、ユーザに関するユーザ情報を管理する情報通信システム1を、ユーザが立ち寄りうる複数の施設それぞれに設けられた施設側装置20と、施設側装置にユーザ情報を報知可能な情報報知部250とともに構成し、施設側装置20それぞれとの間で通信可能に構成されている。そして、ユーザ側装置10は、項目別に区分けされユーザ情報それぞれと、施設の種別ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す識別情報とを関連付けて記憶する記憶部120を備えている。そして、情報報知部250は、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設の種別ごとに識別情報が公開を示すユーザ情報について報知する。このことにより、施設の種別ごとに公開必要なユーザ情報または公開不要なユーザ情報に区分けしておくことができる。そして、情報報知部250は、施設側装置20に、ユーザ情報のうち、公開を示す識別情報に関連するユーザ情報だけを報知できる。したがって、情報報知部250が施設側装置20にユーザ情報を報知する際には、その施設に公開不要なユーザ情報を公開せず、その施設に公開必要なユーザ情報を公開できる。
【0150】
(2)また、本実施形態のユーザ側装置10は次のように構成されている。すなわち、ユーザ側装置10は、ユーザ情報それぞれに対して施設の種別ごとに識別情報を入力可能な入力部150と、ユーザ情報それぞれと入力部150により入力された施設の種別ごとに識別情報とを関連付けて記憶部120に記憶させる制御部110とを備えている。このことにより、入力部150からユーザ情報それぞれに対して、施設の種別ごとに公開または非公開を示す識別情報を入力できる。また、ユーザ側からユーザ情報それぞれに対して、施設の種別ごとに入力した公開または非公開を示す識別情報を記憶部120に記憶できる。したがって、ユーザ側がユーザ情報それぞれに対して、公開する施設または公開しない施設を設定できる。
【0151】
(3)さらに、本実施形態のユーザ側装置10は次のように構成されている。すなわち、入力部150は、ユーザ情報それぞれに対してユーザと同行する他のユーザごとに識別情報を入力可能である。そして、情報報知部250は、ユーザ情報のうち、他のユーザごとに識別情報が非公開を示すユーザ情報については報知しない。このことにより、入力部150からユーザ情報それぞれに対して、ユーザと同行する他のユーザごとに公開または非公開を示す識別情報を入力できる。また、情報報知部250は、施設側装置にユーザ情報を報知する際には、その施設に公開を示す識別情報に関連するユーザ情報であっても、報知しない。したがって、情報報知部250が施設側装置20にユーザ情報を報知する際には、その施設に公開可能なユーザ情報であっても、同行するユーザに応じて公開しないように設定できる。
【0152】
(4)また、本実施形態のユーザ側装置10は次のように構成されている。すなわち、入力部150は、ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設の種別ごとに前記識別情報が公開を示すユーザ情報に対して、公開または非公開のいずれか一方を示す選択情報を入力可能である。そして、情報報知部250は、選択情報が公開を示す場合には、対応するユーザ情報を報知し、選択情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報を報知しない。このことにより、ユーザ側から、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設の種別ごとに識別情報が公開を示すユーザ情報に対して、公開または非公開のいずれか一方を示す選択情報を入力できる。また、選択情報が公開を示す場合には、情報報知部250は、施設側装置20に、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設の種別ごとに識別情報が公開を示すユーザ情報を報知し、選択情報が非公開を示す場合には、ユーザ情報のうち、その関連付けられた施設の種別ごとに識別情報が公開を示すユーザ情報を報知しない。したがって、ユーザ側からユーザ情報を公開するか、または公開しないかを選択できる。
【0153】
(5)また、本実施形態のユーザ側装置10は次のように構成されている。すなわち、施設側装置20は、ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設の種別ごとに識別情報が公開を示すユーザ情報それぞれに対して、公開または非公開のいずれか一方を示す指定情報を入力可能な入力部240を備える。そして、情報報知部250は、指定情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報を報知しない。このことにより、入力部240からその施設に公開不要なユーザ情報を公開しないように設定できる。また、情報報知部250は、その施設側装置20に出力可能なユーザ情報であっても、施設側装置20から公開しないように設定したユーザ情報を報知しない。したがって、施設側が、その施設側装置20に出力可能なユーザ情報であっても、公開不要なユーザ情報を公開しないように設定できる。
【0154】
(6)また、本実施形態のユーザ側装置10によれば、ユーザ側装置10の制御部110が、車両50の緊急事態の情報を通信部140を介して受信し、受信した緊急事態の情報から緊急事態の緊急度を判定し、情報報知部250が、ユーザ情報のうち、制御部110によって判定された緊急度に応じて識別情報が公開を示すユーザ情報については報知する。このことにより、ユーザ側から、緊急度ごとに識別情報を入力可能である。そして、車両50の緊急事態が発生した際に、車両50の緊急事態の緊急度に応じて、ユーザ情報のうち、非公開のユーザ情報を公開するように設定できる。したがって、人命に係るような車両50の緊急事態が発生した際に、ユーザを救命するために必要なユーザ情報を公開するように設定できる。
【0155】
(7)また、本実施形態のユーザ側装置10は次のように構成されている。すなわち、ユーザ側装置10は、緊急事態を報知可能な情報報知部160、及び緊急報知部170を備える。そして、制御部110が緊急事態の情報を受信した際には、情報報知部160、及び緊急報知部170によって緊急事態を報知させる。このことにより、車両50の緊急事態が発生した際に、制御部110が情報報知部160、及び緊急報知部170によって緊急事態を報知させる。すると、例えば救急隊が、その車両50の乗員を救助する際に、その報知によってユーザ側装置10を容易に発見することができる。したがって、人命に係るような車両の緊急事態が発生した際に、ユーザを救命するために必要なユーザ情報を公開可能なユーザ側装置を容易に発見することができる。
【0156】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0157】
(1)上記実施形態では、記憶部120が、項目別に区分けされユーザ情報それぞれと、施設の種別ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す識別情報とを関連付けて記憶しているが、これには限らない。記憶部120が、項目別に区分けされユーザ情報それぞれと、施設の種別ごとに予め設定された公開を示す識別情報とを関連付けて記憶してもよい。また、記憶部120が、項目別に区分けされユーザ情報それぞれと、施設の種別ごとに予め設定された非公開のいずれか一方を示す識別情報とを関連付けて記憶してもよい。このように構成された実施形態によれば、入力部150からユーザ情報それぞれに対して、施設の種別ごとに公開または非公開を示す識別情報を入力する場合と比較して、識別情報を入力する時間を削減できる。
【0158】
(2)上記実施形態では、ユーザ側装置10が入力部150を備えているが、これには限らない。携帯電話などの携帯端末とユーザ側装置10との間で通信可能に構成すれば、携帯端末の入力部から入力された各種情報を携帯端末を介してユーザ側装置10に入力させることができる。このように構成された実施形態によれば、ユーザ側装置10が入力部150を備えなくてもよいので、ユーザ側装置10の製造工数及び製造コストを削減できる。
【0159】
(3)上記実施形態では、ユーザ側装置10が車両50のエンジンキーと一体に構成されているが、これには限らない。ユーザ側装置10は、携帯電話などの携帯端末で構成されてもよい。このように構成された実施形態においても、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0160】
(4)上記実施形態では、「緊急度ごとの識別情報」が入力部150から入力される構成であるが、これには限らない。「緊急度ごとの識別情報」が、予め記憶部120に記憶されていてもよい。このように構成された実施形態によれば、入力部150から「緊急度ごとの識別情報」を入力する場合と比較して、「緊急度ごとの識別情報識別情報」を入力する手間を省くことができる。また、「緊急度ごとの識別情報」が、予め記憶部120に更新できないように記憶されていてもよい。このように構成された実施形態によれば、人命に係るような車両50の緊急事態が発生した際に、例えば「ユーザ生体情報」を公開できるように設定しておけば、「ユーザ生体情報」を公開できないように更新できる場合と比較して、ユーザを救命するために必要な「ユーザ生体情報」を公開できるので、救急隊は早急に適切な救急処置をすることができる。
【0161】
(5)上記実施形態では、施設側装置20が「情報出力装置」に相当する情報報知部250を備えていたが、これには限らない。例えば液晶画面を有する「情報出力装置」と施設側装置20との間で通信可能に構成すれば、施設側装置20が備えていなくとも、施設側装置20が生成したユーザ情報の報知画像を、「情報出力装置」に報知させることができる。このように構成された実施形態においても、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】情報通信システム1の全体構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は記憶部120に設けられたメモリ領域を示す説明図であり、(b)はユーザ個人情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、(c)はユーザ秘匿情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、(d)はユーザ車両情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図である。
【図3】(a)はユーザ同乗者情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、(b)はユーザ登録情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、(c)はユーザ音楽情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図であり、(d)はユーザ生体情報及び関連情報のデータ構造を示す説明図である。
【図4】(a)はユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報のデータ構造を示す説明図であり、(b)はユーザ情報に関連する同行者ごとの識別情報のデータ構造を示す説明図であり、(c)はユーザ情報に関連する緊急度ごとのデータ構造を示す説明図である。
【図5】(a)は記憶部220に設けられたメモリ領域を示す説明図であり、(b)はユーザ情報に関連する来訪者数ごとの識別情報のデータ構造を示す説明図である。
【図6】ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報及び関連情報の入力処理」の手順を示すフローチャートである。
【図7】ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報の入力処理」の手順を示すフローチャートである。
【図8】ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報に関連する施設ごとの識別情報の入力処理」の手順を示すフローチャートである。
【図9】ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報に関連する同行者ごとの識別情報の入力処理」の手順を示すフローチャートである。
【図10】ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報に関連する緊急度ごとの識別情報の入力処理」の手順を示すフローチャートである。
【図11】施設側装置20の制御部210が実行する「ユーザ情報に関連する来訪者ごとの識別情報の入力処理」の手順を示すフローチャートである。
【図12】(a)は車両側装置30の制御部310が実行する「ユーザ車両情報の送信処理」の手順を示すフローチャートであり、(b)は車両側装置30の制御部310が実行する「緊急事態の送信処理」の手順を示すフローチャートである。
【図13】ユーザ側装置10の制御部110が実行する「ユーザ情報の送信処理」の手順を示すフローチャートである。
【図14】施設側装置20の制御部210が実行する「ユーザ情報の報知処理」の手順を示すフローチャートである。
【図15】報知画像が表示された状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0163】
1…情報通信システム、10…ユーザ側装置、20…施設側装置、30…車両側装置、50…車両、110…制御部、120…記憶部、121…ユーザ個人情報及び関連情報のメモリ領域、122…ユーザ秘匿情報及び関連情報のメモリ領域、123…ユーザ車両情報及び関連情報のメモリ領域、124…ユーザ同乗者情報及び関連情報のメモリ領域、125…ユーザ登録情報及び関連情報のメモリ領域、126…ユーザ音楽情報及び関連情報のメモリ領域126、127…ユーザ生体情報及び関連情報のメモリ領域、128…ユーザ識別情報のメモリ領域、140…通信部、150…入力部、160…情報報知部、170…緊急報知部、210…制御部、220…記憶部、221…ユーザ個人情報に対する関連情報のメモリ領域、222…ユーザ秘匿情報に対する関連情報のメモリ領域、223…ユーザ車両情報に対する関連情報のメモリ領域、224…ユーザ同乗者情報に対する関連情報のメモリ領域、225…ユーザ登録情報に対する関連情報のメモリ領域、226…ユーザ音楽情報に対する関連情報のメモリ領域、227…ユーザ生体情報に対する関連情報のメモリ領域、228…施設識別情報のメモリ領域、229…ユーザ情報のメモリ領域、230…通信部、240入力部、250…情報報知部、310…制御部、320…記憶部、330…通信部、510…エンジン制御装置、520…緊急事態検出装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関するユーザ情報を管理する情報通信システムを、ユーザが立ち寄りうる複数の施設それぞれに設けられた施設側装置と、前記施設側装置にユーザ情報を所定の条件に応じて出力可能な情報出力装置とともに構成し、前記施設側装置それぞれとの間で通信可能に構成されたユーザ側装置であって、
前記ユーザ情報は項目別に区分けされ、
前記ユーザ情報それぞれと、前記施設の種別ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す施設識別情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶手段を備え、
前記ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設識別情報が公開を示すユーザ情報については前記所定の条件を満たすとすることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項2】
請求項1に記載のユーザ側装置において、
前記ユーザ情報それぞれに対して、前記施設識別情報を入力可能な識別情報入力手段と、
前記ユーザ情報それぞれと、前記識別情報入力手段によって入力された前記施設識別情報とを関連付けて前記ユーザ情報記憶手段に記憶させる識別情報登録手段と、
を備えることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のユーザ側装置において、
前記識別情報入力手段は、前記ユーザ情報それぞれに対して、ユーザと同行する他のユーザごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す同行者識別情報を入力可能であり、
前記ユーザ情報のうち、前記同行者識別情報が非公開を示すユーザ情報については前記所定の条件を満たさないとすることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のユーザ側装置において、
前記ユーザ側装置は、前記ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設識別情報が公開を示すユーザ情報に対して、公開または非公開のいずれか一方を示す選択情報を入力可能な選択情報入力手段を備え、
前記選択情報が公開を示す場合には、対応するユーザ情報が前記所定の条件を満たすとし、
前記選択情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報が前記所定の条件を満たさないとすることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のユーザ側装置において、
前記施設側装置は、前記ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設識別情報が公開を示すユーザ情報それぞれに対して、公開または非公開のいずれか一方を示す指定情報を入力可能な指定情報入力手段を備え、
前記指定情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報が前記所定の条件を満たさないとすることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のユーザ側装置において、
前記ユーザ側装置は、
車両の緊急事態の情報を取得する緊急事態情報取得手段と、
前記緊急事態の情報から緊急度を判定する緊急度判定手段と、
を備え、
前記識別情報入力手段は、前記ユーザ情報それぞれに対して、前記緊急度ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す緊急度識別情報を入力可能であり、
前記ユーザ情報のうち、前記緊急度判定手段によって判定された緊急度に応じて前記緊急度識別情報が公開を示すユーザ情報については前記所定の条件を満たすとすることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項7】
請求項6に記載のユーザ側装置において、
前記緊急事態を報知可能な報知手段と、
前記緊急事態情報取得手段が前記緊急事態の情報を取得した際には、前記報知手段によって前記緊急事態を報知させる報知制御手段と、
を備えることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項1】
ユーザに関するユーザ情報を管理する情報通信システムを、ユーザが立ち寄りうる複数の施設それぞれに設けられた施設側装置と、前記施設側装置にユーザ情報を所定の条件に応じて出力可能な情報出力装置とともに構成し、前記施設側装置それぞれとの間で通信可能に構成されたユーザ側装置であって、
前記ユーザ情報は項目別に区分けされ、
前記ユーザ情報それぞれと、前記施設の種別ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す施設識別情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶手段を備え、
前記ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設識別情報が公開を示すユーザ情報については前記所定の条件を満たすとすることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項2】
請求項1に記載のユーザ側装置において、
前記ユーザ情報それぞれに対して、前記施設識別情報を入力可能な識別情報入力手段と、
前記ユーザ情報それぞれと、前記識別情報入力手段によって入力された前記施設識別情報とを関連付けて前記ユーザ情報記憶手段に記憶させる識別情報登録手段と、
を備えることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のユーザ側装置において、
前記識別情報入力手段は、前記ユーザ情報それぞれに対して、ユーザと同行する他のユーザごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す同行者識別情報を入力可能であり、
前記ユーザ情報のうち、前記同行者識別情報が非公開を示すユーザ情報については前記所定の条件を満たさないとすることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のユーザ側装置において、
前記ユーザ側装置は、前記ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設識別情報が公開を示すユーザ情報に対して、公開または非公開のいずれか一方を示す選択情報を入力可能な選択情報入力手段を備え、
前記選択情報が公開を示す場合には、対応するユーザ情報が前記所定の条件を満たすとし、
前記選択情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報が前記所定の条件を満たさないとすることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のユーザ側装置において、
前記施設側装置は、前記ユーザ情報のうち、その関連付けられた前記施設識別情報が公開を示すユーザ情報それぞれに対して、公開または非公開のいずれか一方を示す指定情報を入力可能な指定情報入力手段を備え、
前記指定情報が非公開を示す場合には、対応するユーザ情報が前記所定の条件を満たさないとすることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のユーザ側装置において、
前記ユーザ側装置は、
車両の緊急事態の情報を取得する緊急事態情報取得手段と、
前記緊急事態の情報から緊急度を判定する緊急度判定手段と、
を備え、
前記識別情報入力手段は、前記ユーザ情報それぞれに対して、前記緊急度ごとに予め設定された公開または非公開のいずれか一方を示す緊急度識別情報を入力可能であり、
前記ユーザ情報のうち、前記緊急度判定手段によって判定された緊急度に応じて前記緊急度識別情報が公開を示すユーザ情報については前記所定の条件を満たすとすることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項7】
請求項6に記載のユーザ側装置において、
前記緊急事態を報知可能な報知手段と、
前記緊急事態情報取得手段が前記緊急事態の情報を取得した際には、前記報知手段によって前記緊急事態を報知させる報知制御手段と、
を備えることを特徴とするユーザ側装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−198027(P2008−198027A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−33989(P2007−33989)
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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