説明

リソグラフィ装置及び位置センサ

【課題】基板支持体又はパターニングデバイス支持体などの支持体を駆動する固定磁石モータを有するリソグラフィ装置に、例えば支持体と別の部品との衝突を防止する安全システムを提供する。
【解決手段】問題の支持体の位置を測定する測定システムを設ける。測定システムは、固定磁石モータの磁石アセンブリによって生成された交番磁界の磁界強度を測定する、及び/又は渦電流を引き起こす交番磁界を生成する電磁石のインダクタンス測定値で、磁石アセンブリを保護する金属層内の渦電流の生成を測定する、及び/又はエミッタによって放出された光面に配置されたCCDメトリック又は直線光ダイオードなどの光学位置検知型センサを使用して光を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は位置センサを備えるリソグラフィ装置に、及びこのような位置センサを備えるステージシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を備える)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが与えられる網の目状の互いに近接したターゲット部分を含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所定の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行にスキャンしながら、パターンを所定の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを具備している。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0003】
[0003] 現在リソグラフィでは、支持体、例えば基板支持体又はパターニングデバイス支持体を駆動するために固定磁石(つまり可動コイル)モータを使用することができる。リソグラフィ装置のスループット及び処理速度に対する高い要求のせいで、強力モータが必要とされ、これは強力な磁気に変換され、その結果、高い磁界強度となる。
【0004】
[0004] リソグラフィ装置内で、支持体(例えば基板支持体)の位置は、エンコーダ及び/又は干渉計などの光学測定デバイスを使用して測定することができる。このような光学測定デバイスを使用して、リソグラフィ装置の計測フレーム又はその投影システムなどの基準に対して問題の支持体の位置を測定することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005] しかし、基板支持体又はパターニングデバイス支持体の位置を測定するために使用される干渉計又はエンコーダは、全ての状況で位置測定に十分に適切なわけではない。一例として、これらの位置センサは、例えば対応する制御システムの比較的長い処理時間につながる複雑な測定及び制御プロセスのせいで、問題の支持体と例えば投影システム、固定磁石などのリソグラフィ装置の別の部品との衝突を防止するなど、安全性の目的には理想的に適切でないことがある。また、例えば複数の支持体などの位置を交換する場合に、上述したような干渉計又はエンコーダの位置測定範囲外で位置測定を提供することが必要とされる。
【0006】
[0006] 例えば、支持体の(さらなる)位置測定を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007] 本発明の実施形態によれば、
放射ビームを調整するように構成された照明システムと、
放射ビームの断面にパターンを与えて、パターン付き放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを支持するように構成されたパターニングデバイス支持体と、
基板を保持するように構成された基板支持体と、
パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影するように構成された投影システムと、
空間的に交互する分極磁界を生成するために交互に分極した磁石の2次元構成を有する固定磁石アセンブリを備え、パターニングデバイス支持体又は基板支持体を駆動するように構成されたモータと、
パターニングデバイス支持体又は基板支持体の位置を測定するように構成され、磁界の磁界強度を測定する磁界センサ、及び磁界センサによって測定されたままの磁界強度から位置を割り出すセンサ処理装置を備える位置センサと、
を備えるリソグラフィ装置が提供される。
【0008】
[0008] 本発明の実施形態によれば、支持体と、支持体を駆動し、空間的に交互する分極磁界を生成するために交互に分極した磁石の2次元構成を有する固定磁石アセンブリを備えるモータと、支持体の位置を測定し、磁界の磁界強度を測定する磁界センサ、及び磁界センサによって測定されたままの磁界強度から位置を割り出すセンサ処理装置を備える位置センサと、を備えるステージシステムが提供される。
【0009】
[0009] 本発明のさらなる実施形態によれば、
放射ビームを調整するように構成された照明システムと、
放射ビームの断面にパターンを与えて、パターン付き放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを支持するように構成された照明システムと、
基板を保持するように構成された基板支持体と、
パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影するように構成された投影システムと、
固定磁石アセンブリ、及び磁石アセンブリを覆う金属層を備え、パターニングデバイス支持体又は基板支持体を駆動するように構成されたモータと、
金属層によって形成された面に対して実質的に直角の方向でパターニングデバイス支持体又は基板支持体の位置を測定し、電磁石と、電磁石を駆動して交番磁界を生成する駆動回路と、電磁石の電気インピーダンスパラメータを測定する測定回路と、交番磁界によって金属層内に発生した渦電流によって引き起こされる、電気インピーダンスパラメータへの効果から、パターニングデバイス支持体又は基板支持体の位置を導出するセンサ処理装置とを備える位置センサと、
を備えるリソグラフィ装置が提供される。
【0010】
[0010] 本発明の実施形態によれば、支持体と、支持体を駆動し、固定磁石アセンブリ、及び磁石アセンブリを覆う金属層を備えるモータと、金属層によって形成された面に対して実質的に直角の方向で支持体の位置を測定する位置センサと、を備え、位置センサが、電磁石と、電磁石を駆動して交番磁界を生成する駆動回路と、電磁石の電気インピーダンスパラメータを測定する測定回路と、交番磁界によって金属層内に発生した渦電流によって引き起こされる、電気インピーダンスパラメータへの効果から、支持体の位置を導出するセンサ処理装置と、を備えるステージシステムが提供される。
【0011】
[0011] 本発明の実施形態によれば、
放射ビームを調整するように構成された照明システムと、
放射ビームの断面にパターンを与えて、パターン付き放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを支持するように構成されたパターニングデバイス支持体と、
基板を保持するように構成された基板支持体と、
パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影するように構成された投影システムと、
固定磁石アセンブリを備え、パターニングデバイス支持体又は基板支持体を駆動するように構成されたモータと、
パターニングデバイス支持体又は基板支持体の位置を測定する位置センサと、を備え、位置センサが、光面を放出するエミッタと、光面から自身への光の入射位置を面に対して実質的に直角の方向で検出するディテクタと、
を備えるリソグラフィ装置が提供される。
【0012】
[0012] 次に、本発明の実施形態を添付の略図を参照しながら、ほんの一例として説明する。図面では対応する参照記号は対応する部品を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[0019] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、放射ビームB(例えばUV放射又は任意の他の適切な放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)IL、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第一位置決めデバイスPMに接続されたパターニングデバイス支持体(例えばマスクテーブル)MTを含む。装置は、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第二位置決めデバイスPWに接続された基板支持体(例えばウェーハテーブル)WTも含む。装置はさらに、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSを含む。
【0014】
[0020] 照明システムは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組み合わせなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
【0015】
[0021] パターニングデバイス支持体は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。パターニングデバイス支持体は、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。パターニングデバイス支持体は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。パターニングデバイス支持体は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
【0016】
[0022] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特別な機能層に相当する。
【0017】
[0023] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
【0018】
[0024] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なされる。
【0019】
[0025] ここに示している本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
【0020】
[0026] リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板支持体(及び/又は2つ以上のパターニングデバイス支持体)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加の支持体を並行して使用するか、1つ又は複数の他の支持体を露光に使用している間に1つ又は複数の支持体で予備工程を実行することができる。
【0021】
[0027] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に使用してもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために使用することができる。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造体を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が配置されるというほどの意味である。
【0022】
[0028] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0023】
[0029] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。また、イルミネータを用いて放射ビームを調整し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
【0024】
[0030] 放射ビームBは、パターニングデバイス支持体(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターンが与えられる。放射ビームBはパターニングデバイスMAを通り抜けて、基板Wのターゲット部分C上にビームを集束する投影システムPSを通過する。第二位置決めデバイスPW及び位置センサIF(例えば干渉計デバイス、リニア又は他のエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板支持体WTを、例えば放射ビームBの経路において様々なターゲット部分Cに位置決めするように正確に移動できる。同様に、第一位置決めデバイスPM及び別の位置センサ(図1には明示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリから機械的に検索した後に、又はスキャン中に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般的に、パターニングデバイス支持体MTの移動は、第一位置決めデバイスPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現できる。同様に、基板支持体WTの移動は、第二位置決めデバイスPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールの助けにより実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、パターニングデバイス支持体MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアラインメントマークM1、M2及び基板アラインメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アラインメントマークは、専用のターゲット位置を占有するが、ターゲット部分の間の空間に配置してもよい(スクライブレーンアラインメントマークと呼ばれる)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアラインメントマークをダイ間に配置してもよい。
【0025】
[0031] 図示のリソグラフィ装置は以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
【0026】
[0032] 1.ステップモードにおいては、パターニングデバイス支持体MT及び基板支持体WTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち1回の静止露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板支持体WTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の静止露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
【0027】
[0033] 2.スキャンモードにおいては、パターニングデバイス支持体MT及び基板支持体WTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する(つまり1回の動的露光)。パターニングデバイス支持体MTに対する基板支持体WTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
【0028】
[0034] 3.別のモードでは、パターニングデバイス支持体MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板支持体WTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板支持体WTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0029】
[0035] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0030】
[0036] 図2a及び図2bはそれぞれ、図1に関して図示し説明したリソグラフィ装置などのリソグラフィ装置のステージシステムの基板支持体WTの部分を示す。基板支持体WTは、磁界を生成する固定磁石アセンブリMGAを備えるモータによって駆動される。モータはさらに、固定磁石アセンブリによって生成された磁界と相互作用する1つ又は複数のコイル(図2a及び図2bには図示せず)を備える。コイルは、基板支持体WTに接続することができる。この例では基板支持体WTが図示されていることを理解されたい。しかし、ここで提示する概念は、任意の他の支持体又は構造体にも適用することができる。例えばリソグラフィ装置のパターニングデバイス支持体又は基板又はパターニングデバイス支持体の移動に使用される構成要素である。ここで図示した実施形態では、磁石アセンブリMGは交互に分極する磁石の構成を備える。この例では、磁石は、交互に上方向又は下方向に分極される。つまり、矢印D3に従う方向又は矢印D3の反対方向に交互に分極される(また、Halbach型構成の磁石を適用してもよい)。したがって、磁界線FLによって示すように交互に分極した磁界が生成される。図2a及び図2bでは、交互に分極した磁石の1次元構成が図示されている。しかし、実際的な実施形態では、方向D1及び図面の面に対して直角の方向D2(図示せず)の2次元構成を使用することができる。このような2次元構成により、D1及びD2によって形成された面での所望の移動範囲を提供することができる。交互に分極した磁石のせいで、方向D1(さらに場合によっては方向D2)に沿って空間的に交互に分極した磁界が生成される。
【0031】
[0037] センサSENS1を設けて、基板支持体WTの位置、特にそのロングストロークアクチュエータによるロングストローク(粗)位置を測定する。したがって、センサは、基板支持体WTの位置を間接的にしか測定することができない。図2aでは、磁石アセンブリMGAに対する基板支持体WTの位置が図示され、センサSENS1は、磁界が実質的に水平に配向されている(つまりD1及びD2によって形成された面の方向に沿って配向されている)磁界の部分に配置される。水平の配向とは、図2aに示す位置の磁界線FLが、センサSENS1では実質的に水平、つまりこの例では方向D1に実質的に平行であるということから、容易に理解することができる。図2bでは、基板支持体WTが、図面の面で左側に向かって移動しており、したがってこの例ではセンサSENS1は、低い磁界強度が存在する位置にある。また、この位置では、磁界強度の方向が、図2aの場合の実質的に水平の方向とは異なる。したがって、図2a及び図2bに示す例から理解されるように、固定磁石アセンブリMGAに対して基板支持体WTが移動すると、空間的に交互に分極する磁界のせいで、センサSENS1が、異なる磁界強度及び異なる磁界方向を経験する。図2cにさらに詳細に図示されているように、センサSENS1は、磁界の磁界強度を測定する磁界センサMFS、及び磁界センサMFSによって測定されたままの磁界強度から位置情報を割り出すセンサ処理デバイスSPDを備えてよい。したがって、磁界の存在を利用して、そこから位置情報を導出することができる。位置測定の正確さを妨害する固定磁石アセンブリの高い磁界強度を有する代わりに、その磁界を利用して、センサの位置情報を導出し、そこから基板支持体WTの位置情報を導出することができる。
【0032】
[0038] 磁石アセンブリMGAの磁石の交互する分極のせいで、強度、さらにその方向が空間的に変化する磁界が生成される。したがって、センサSENS1によって検出されたままの磁界の方向、方向成分及び/又は強度から、位置情報を取得することができる。第一に、測定された磁界の周期性を利用することができる。基板支持体WTが方向D1に沿って移動すると、センサSENS1が磁石アセンブリの追随磁石を通過する毎に、磁界が反復パターンとなる変化を示す。そこから、センサ処理デバイスSPDによって、例えば磁気パターンの反復を計数して、位置情報を導出することができる。このような周期性の測定には、任意の方向、例えば方向D1、D2又はD3での磁界強度の測定を利用することができる。
【0033】
[0039] 第二に、センサ処理デバイスSPDによって、基板支持体WTの主要移動面、つまり方向D1及びD2によって形成された面における測定磁界のクワドラチャ測定(quadrature measurement)から位置情報を導出することができる。実際、基板支持体WTが図2aに示す位置から図2bに示す位置へと移動すると、センサSENS1が方向D1で測定したままの磁界に変化が観測される。この方向の磁界強度が低下するのである。同様に、磁石アセンブリMGAは、方向D2で磁石の交番分極を示し、したがって基板支持体WTが方向D2に移動すると、磁界も、特に方向D2で変化することになる。方向D1とD2の磁界の比率を測定することにより、方向D1及びD2によって規定された面における基板支持体WTの位置に関する位置情報を取得することができ、これは言うまでもなく、方向D1又はD2における基板支持体WTの大きい移動に関する上記の周期性を示す。周期的位置情報とクワドラチャ又はレシオメトリック(ratio metric)位置情報を組み合わせることにより、周期性測定からのコース位置情報を、レシオメトリック又はクワドラチャ測定からの細かい位置情報と組み合わせて、大きい測定範囲を有する正確な位置測定値を提供することができる。方向D1、D2のクワドラチャ又はレシオメトリック測定を利用することにより、基板支持体WTの垂直変位、つまり方向D3の変位の効果を、D1及びD2によって規定された面における位置測定の測定結果から、実質的に除外することができる。
【0034】
[0040] センサ処理デバイスは、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータなどの任意の処理デバイスを備えてよく、別個の処理デバイスによって形成してもよいが、他の機能も有する処理デバイスによって実行すべき適切なソフトウェアモジュールによって形成してもよい。
【0035】
[0041] 上述したような磁界強度の測定に加えて、位置は、D1及びD2によって形成された面に対して直角の方向でも割り出すことができる。というのは、基板支持体WTが方向D3に変位しても、センサSENS1によって測定されたままの磁界が変化するからである。基板支持体を任意の方向に変位した場合の磁界の変化の相関関係を処理可能にするには、測定された磁界強度を、方向D3の基準位置に対応する基準磁界強度に関連させることによって、方向D3の位置を導出するようにセンサ処理デバイスを構成することができる。しかし、基準磁界強度は、この実施形態で生成される磁界の性質のせいで、D1及びD2によって規定された面における位置に依存する。したがって、基準磁界強度は、(センサSENS1によって、又は任意の他の測定システムによって)その面における測定位置に基づいて、又はその面において2つの方向D1、D2で測定した磁界強度に基づいて割り出すことができる。
【0036】
[0042] 本明細書で開示するような位置の測定は、多くの目的に適用することができる。例えば、リソグラフィ装置の制御デバイスは、位置センサによって測定されたままの位置が、特定の動作位置範囲の外側、例えば安全な動作範囲外にある場合に、モータを駆動して基板支持体WTの位置を補正するように構成することができる。したがって、基板支持体WTと別の部品との衝突を防止することができる。上述したように、単一のセンサSENS1について開示してきた。実施例では、複数のこのようなセンサ、例えば面に対して(例えばD1又はD2に対して)垂直方向の位置(方向D3の位置)及び/又は傾斜を割り出すために、磁石アセンブリMGAの面(D1及びD2によって規定された面)に配置された3つの位置センサを使用することができる。
【0037】
[0043] 上述した測定システムは、リソグラフィ装置に適用できるばかりでなく、任意のステージシステムにも適用することができる。例示的目的で、第二センサ、つまりセンサSENS2も図2a及び図2bに図示されている。センサSENS1、SENS2は、リソグラフィ装置の制御デバイスCTRに接続することができる。
【0038】
[0044] 図3a及び図3bも、磁石アセンブリMGAを示す。磁石アセンブリMGAは、図2a及び図2bに示したものとタイプ及び構造が類似してよく、例えば交互に分極する磁石の2次元平面構成を備えるが、任意の他のタイプ及び構造でよい。磁石アセンブリは、モータの一部を形成し、その固定磁石を提供する。モータ(図示せず)のコイルを、図3aに一部が非常に概略的に図示されている基板支持体WT上又はその中に設けることができる。金属層MLを設けて、磁石アセンブリMGAを覆う、例えばその物理的保護を提供する。基板支持体WTの位置、特にそのロングストロークアクチュエータによるロングストローク(粗)位置を測定できる位置センサSENS2aを設ける。したがって、センサは、基板支持体WTの位置を間接的にしか測定することができない。
【0039】
[0045] 図3bに略ブロック図が図示されている位置センサSENS2aは、電磁石の電気コイルELM、及び電気コイルを駆動して交番磁界AMFを、つまり時間で交互する磁界を生成する駆動回路DRCを備える。測定回路MCTを設けて、電磁石の電気インピーダンスパラメータ、例えばそのインダクタンスを測定する。交番磁界によって、金属層ML内に、交番磁界AMFの強度に依存する渦電流EDCが生成される。電気コイルELMが金属層MLに近いほど、金属層内の交番磁界AMFの強度が高くなり、渦電流の強度が高くなる。渦電流は、インピーダンスパラメータ、例えば電磁石のインダクタンスの変化に転換され、これは、インピーダンス測定回路MCTによって検出することができ、これは例えば電気コイルELMのコイルを通る電流、電気コイルELMのコイルの電圧と電流との比率、電磁石を駆動する駆動回路の駆動電流の大きさ、又は任意の他の適切なパラメータを測定することができる。したがって、基板支持体WTの位置は、例えばセンサのセンサ処理デバイスSPEによって方向D3で割り出すことができ、センサ処理デバイス(例えば制御装置、マイクロプロセッサ、又は任意の他の処理デバイスを備えるか、他の機能を有し、自身内の適切なソフトウェアモジュールによって形成されている制御装置又はマイクロプロセッサに含まれてよい)は、測定回路MCTによって測定されたままのインピーダンスパラメータから基板支持体の位置を割り出す。したがって、金属層は、下にある交番磁石構造を保護しながら、渦電流の基板を提供する。
【0040】
[0046] また、層を適切に選択することによって、永久磁石アレイからの位置に依存する磁界のインピーダンスが提供される。金属層は、高い相対的透磁性及び低い抵抗率を有する磁気伝導層を備えることができる。一例として、金属層はステンレス鋼、アルミ、銅及び/又は銀を備えることができる。さらに、層は、堅牢化した耐食層を提供することができ、これは例えば液浸液が存在するせいで湿潤な環境が提供されることがある液浸リソグラフィなどの場合に有利なことがある。
【0041】
[0047] 交番磁気の周波数は、100キロヘルツ以上の桁、望ましくは1メガヘルツ以上でよい。渦電流センサでは、アクチュエータの周波数の上昇は、浸透深さの減少を意味し、その結果、周波数が高いほど金属層は薄くなり、固定磁石モータの効率が高くなる。他方で、周波数を恣意的に増加させることはできない。というのは、このように増加すると、寄生キャパシタンスに対する感度、液体(例えば水)の粒子又は膜に対する感度などが上昇するからである。
【0042】
[0048] 磁石アセンブリMGAによる高い磁界がセンサSENS2aに及ぼす効果を防止できるためには、電気コイルELM及び場合によっては位置センサ及び/又は金属層の他の部品に、磁気飽和を呈する材料がないことが望ましい。
【0043】
[0049] 高さの情報、つまり方向D3の位置の情報ばかりでなく、基板支持体WTの傾斜も取得するために、複数の位置センサ、複数の位置センサの位置測定値から、例えば位置センサによって測定されたままの位置測定値の差から、基板支持体WTの傾斜を導出するように構成されたリソグラフィ装置の処理デバイス(例えば制御デバイスCTR)を設ける。図3aでは、一例として複数の位置センサのうち第二位置センサSENS2bが図示されている。位置センサSENS2a及びSENS2bからのセンサ出力信号は、制御デバイスCTRに提供される。基板ステージの主要移動面、つまりD1及びD2(D2(図示せず)は図3aの図の面に対して直角である)によって規定された面に配置された3つ以上の位置センサを使用することによって、主要移動面に対する(例えばD1又はD2を中心とする)基板支持体WTの傾斜を割り出すことができる。
【0044】
[0050] 複数の位置センサがあることにより、例えばこれらのセンサの1つが金属層の穴HL上にある場合に、位置情報を取得することも可能である。その場合、金属層内の渦電流EDCの生成は、穴の影響を受け、そのセンサの電気コイルのインピーダンスパラメータの表示値変化につながり、それによって問題のセンサの表示値に影響する。これで、問題のセンサがこのような穴の上にある位置に基板支持体WTがある場合に、問題のセンサを選択解除することができ、これは幾つかの方法で実行してよく、例えば特定のセンサ出力信号構成の外側にあるセンサの表示値を検出し、相応してセンサを選択解除するように構成された処理デバイスSPD又は制御デバイスCTRである。
【0045】
[0051] 本明細書で説明するような位置感知は、多くの用途で使用することができる。例えば、測定位置が特定の動作位置範囲、例えば安全な動作範囲外にある場合に、制御デバイスがモータを駆動して、基板支持体WTの位置を補正するような構成である安全システムである。
【0046】
[0052] 2つ以上の位置センサを設けて、磁石アセンブリの面、つまり基板支持体の高さ(つまり方向D3の位置)及び基板支持体WTの主要移動面に対するその傾斜を割り出すことができる。
【0047】
[0053] 図3a及び図3bで説明した測定システムは、リソグラフィ装置に適用できるばかりでなく、任意のステージシステムにも適用することができる。
【0048】
[0054] 図3a及び図3bに関して説明したような測定システムを使用すると、基板支持モータの固定磁石アセンブリからの高強度の磁界を含む環境で、比較的低い強度の磁界を使用する位置の測定を提供することができ、これは通常は非論理的又は反直感的と考えられる。交番磁界AMFの周波数は、磁石アセンブリMGAの固定磁界とは大きく異なり、したがって高強度の磁界の環境で、位置測定に低強度の磁界を使用することができる。
【0049】
[0055] 図4は、基板支持体WT及び基板支持体WTを駆動する磁石アセンブリMGAの非常に概略的な図を示す。磁石アセンブリMGAはコイル(図示せず)と相互作用することができ、それは基板支持体WTに接続して、モータを形成することができる。基板支持体WTの位置は位置センサで測定することができ、位置センサは、光面LPLを放出するエミッタEMR1、及び光面から自身への光の入射位置を方向D3に沿って、つまり基板支持体WTの主要移動面に対して実質的に直角の方向で検出するディテクタDET1を備え、主要移動面は、磁石アセンブリMGAの面、つまり方向D1及びD2(D2(図示せず)は図4の図の面に対して直角である)によって形成された面と実質的に一致する。光面LPLは、基板支持体WTの主要移動面に実質的に平行であるので、ディテクタDET1の表示値は、その主要移動面に沿った基板支持体WTの変位にほとんど、又は全く影響されない。ディテクタDET1は、光ディテクタのマトリクス、例えばCCDマトリクス、直線位置検知形デバイス又は任意の他の位置検知形光検出デバイスで形成することができる。光面は、レーザ及び回転式ミラーによって、又は任意の他の適切な方法で(例えば光源を適切な固定光学要素と組み合わせて、光源から面への光を成形することによって)形成することができる。図4に示すように、2つの光源EMR1、EMR2を設ける。実際的な実施形態では、3つ以上の光源を適用することができる。したがって、ディテクタを基板支持体WTの対向する側に設けることができる。例えば、この例では、リソグラフィ装置の制御デバイスCTRが基板支持体WTの高さ、さらに主要移動面に対する(例えば方向D1又は方向D2を中心とする)その傾斜を割り出せるようにするディテクタDET1及びDET2である。面に対する傾斜を割り出すには、面に沿って配置された3つ以上のディテクタを使用することが望ましい。
【0050】
[0056] 本明細書で説明する測定システムは、多くの目的に適用することができる。例えば、特定の位置範囲、例えば基板支持体WTの特定の安全動作範囲の外側にある場合、制御デバイスCTRなどのリソグラフィ装置の制御デバイスが、モータを駆動して、基板支持体WTの位置を補正するように構成された安全システムである。したがって、基板支持体WTと、例えば磁石アセンブリMGA又はリソグラフィ装置の任意の他の部品との衝突を防止することができる。
【0051】
[0057] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているかもしれないが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学装置、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどである。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0052】
[0058] 以上では光リソグラフィとの関連で本発明の実施形態の使用に特に言及してきたかもしれないが、本発明は、インプリントリソグラフィなどの他の用途においても使用可能であり、状況が許せば、光学リソグラフィに限定されないことが理解される。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスの微細構成によって、基板上に生成されるパターンが画定される。パターニングデバイスの微細構成を基板に供給されたレジストの層に押しつけ、その後に電磁放射、熱、圧力又はその組合せにより、レジストを硬化する。パターニングデバイスをレジストから離し、レジストを硬化した後にパターンを残す。
【0053】
[0059] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビームあるいは電子ビームといったような粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はその近辺の波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電気光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか、又はその組合せを指す。
【0054】
[0060] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶して有するデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。
【0055】
[0061] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】[0013] 本発明を実現できるリソグラフィ装置を示した図である。
【図2a】[0014] 本発明の実施形態によるリソグラフィ装置の一部を示した非常に概略的な図である。
【図2b】[0014] 本発明の実施形態によるリソグラフィ装置の一部を示した非常に概略的な図である。
【図2c】[0015] 図2a及び図2bによるリソグラフィ装置の位置センサを示した非常に概略的な図である。
【図3a】[0016] 本発明の実施形態によるリソグラフィ装置の一部を示した非常に概略的な図である。
【図3b】[0017] 図3aによるリソグラフィ装置の位置センサを示した非常に概略的な図である。
【図4】[0018] 本発明の実施形態によるリソグラフィ装置の一部を示した非常に概略的な図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射ビームを調整する照明システムと、
前記放射ビームの断面にパターンを与えて、パターン付き放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを支持するパターニングデバイス支持体と、
基板を保持する基板支持体と、
前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影する投影システムと、
空間的に交互する分極磁界を生成するために交互に分極した磁石の2次元構成を有する固定磁石アセンブリを備え、前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体を駆動するモータと、
前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体の位置を測定する位置センサであって、前記磁界の磁界強度を測定する磁界センサ、及び前記磁界センサによって測定されたままの前記磁界強度から位置を割り出すセンサ処理装置を備える位置センサと、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項2】
前記センサ処理デバイスが、前記測定磁界の周期性から位置情報を導出する、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項3】
前記センサ処理デバイスが、面内における前記測定磁界のクワドラチャ測定から第一位置情報を導出する、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項4】
前記センサ処理デバイスが、前記測定磁界の周期性から第二位置情報を導出し、前記第一位置情報と前記第二位置情報を組み合わせる、請求項3に記載のリソグラフィ装置。
【請求項5】
前記センサ処理デバイスが、前記磁界センサの出力から、前記2次元を含む面に対して直角の方向で位置を割り出す、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項6】
前記センサ処理装置が、前記面に直角の方向で基準位置に対応する基準磁界強度に前記測定磁界強度を関連づけることによって、前記面に直角の方向で前記位置を導出する、請求項5に記載のリソグラフィ装置。
【請求項7】
前記基準磁界強度が、前記面内における前記測定位置に従って、又は前記面内において測定された前記磁界強度に従って割り出される、請求項6に記載のリソグラフィ装置。
【請求項8】
前記リソグラフィ装置の制御デバイスが、前記位置センサによって測定されたままの前記位置が特定の動作位置範囲の外側にある場合に、前記モータを駆動して、前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体の位置を補正する、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項9】
前記センサ処理デバイスが、前記2次元を含む面に直角の方向の位置を前記磁界センサの出力から割り出し、かつ複数の位置センサを備えており、前記制御デバイスが、前記複数の位置センサによって提供された位置から、前記面に直角の方向で前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体の有効位置を、及び前記面に対する前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体の傾斜を割り出す、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項10】
支持体と、
前記支持体を駆動するモータであって、空間的に交互する分極磁界を生成するために交互に分極した磁石の2次元構成を有する固定磁石アセンブリを備えるモータと、
前記支持体の位置を測定する位置センサであって、前記磁界の磁界強度を測定する磁界センサ、及び前記磁界センサによって測定されたままの前記磁界強度から位置を割り出すセンサ処理装置を備える位置センサと、
を備えるステージシステム。
【請求項11】
放射ビームを調整する照明システムと、
前記放射ビームの断面にパターンを与えて、パターン付き放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを支持する照明システムと、
基板を保持する基板支持体と、
前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影する投影システムと、
固定磁石アセンブリ、及び該磁石アセンブリを覆う金属層を備え、前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体を駆動するモータと、
前記金属層によって形成された面に対して実質的に直角の方向で前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体の位置を測定する位置センサであって、電磁石と、該電磁石を駆動して交番磁界を生成する駆動回路と、該電磁石の電気インピーダンスパラメータを測定する測定回路と、該交番磁界によって前記金属層内に発生した渦電流によって引き起こされる、該電気インピーダンスパラメータへの効果から、前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体の位置を導出するセンサ処理装置とを備える位置センサと、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項12】
前記金属層が(i)ステンレス鋼、又は(ii)アルミ、又は(iii)銅、又は(iv)銀、又は(v)(i)から(iv)から選択された任意の組合せを備える、請求項11に記載のリソグラフィ装置。
【請求項13】
前記交番磁界の周波数が100キロヘルツより大きい、請求項11に記載のリソグラフィ装置。
【請求項14】
前記電磁石の電気コイル及び前記金属層に、磁気飽和を呈する材料がない、請求項11に記載のリソグラフィ装置。
【請求項15】
前記複数のセンサによって測定されたままの位置測定値から、前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体の傾斜を導出する複数の位置センサ及び処理デバイスを備える、請求項11に記載のリソグラフィ装置。
【請求項16】
前記複数の位置センサの1つが前記金属層の穴の上に配置されている場合、そのセンサを選択解除する複数の位置センサ及び処理デバイスを備える、請求項11に記載のリソグラフィ装置。
【請求項17】
前記処理デバイスは、前記複数の位置センサの前記1つの表示値が特定のセンサ出力信号範囲の外側にあることに基づいて、そのセンサを選択解除する、請求項16に記載のリソグラフィ装置。
【請求項18】
前記位置センサによって測定されたままの前記位置が特定の動作位置範囲の外側にある場合に、前記モータを駆動して、前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体の位置を補正する制御デバイスを備える、請求項11に記載のリソグラフィ装置。
【請求項19】
前記複数の位置センサによって提供された位置から、前記面に直角の方向で前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体の有効位置を、及び前記面に対する前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体の傾斜を割り出す複数の位置センサ及び制御デバイスを備える、請求項11に記載のリソグラフィ装置。
【請求項20】
支持体と、
前記支持体を駆動するモータであって、固定磁石アセンブリ、及び前記磁石アセンブリを覆う金属層を備えるモータと、
前記金属層によって形成された面に対して実質的に直角の方向で前記支持体の位置を測定する位置センサと、を備え、該位置センサが、
電磁石と、
前記電磁石を駆動して交番磁界を生成する駆動回路と、
前記電磁石の電気インピーダンスパラメータを測定する測定回路と、
前記交番磁界によって前記金属層内に発生した渦電流によって引き起こされる、前記電気インピーダンスパラメータへの効果から、前記支持体の位置を導出するセンサ処理装置と、
を備えるステージシステム。
【請求項21】
放射ビームを調整する照明システムと、
前記放射ビームの断面にパターンを与えて、パターン付き放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを支持するパターニングデバイス支持体と、
基板を保持する基板支持体と、
前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影する投影システムと、
固定磁石アセンブリを備え、前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体を駆動するモータと、
前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体の位置を測定する位置センサと、を備え、該位置センサが、
光面を放出するエミッタと、
前記光面から自身への光の入射位置を前記面に対して実質的に直角の方向で検出するディテクタと、を備える
リソグラフィ装置。
【請求項22】
前記エミッタがレーザ及び回転式ミラーを備える、請求項21に記載のリソグラフィ装置。
【請求項23】
前記エミッタが複数の光源を備える、請求項21に記載のリソグラフィ装置。
【請求項24】
前記位置センサによって測定されたままの位置が特定の動作位置範囲の外側にある場合に、前記モータを駆動して、前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体の位置を補正する制御デバイスを備える、請求項21に記載のリソグラフィ装置。
【請求項25】
前記複数の位置センサによって提供された位置から、前記面に直角の方向で前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体の有効位置を、及び前記面に対する前記パターニングデバイス支持体又は前記基板支持体の傾斜を割り出す複数の位置センサ及び制御デバイスを備える、請求項11に記載のリソグラフィ装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−21590(P2009−21590A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−175140(P2008−175140)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】