説明

リヤブレーキ装置の配置構造及び自動二輪車

【課題】リヤブレーキ装置を構成する構成部品の組み付けを容易化すると共に、組み付け後のこれら構成部品に対しての調整を容易化する。
【解決手段】マスターシリンダ126を、フットレストブラケット122と一体に形成されたシリンダブラケット128を介して、ダウンチューブ101の上下方向に沿うようにして、車両後方側に配置するようにした。これにより、少ないスペースであっても、マスターシリンダ126を容易に車両に取り付けできると共に、走行中の飛び石などからマスターシリンダ126を保護することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車のリヤブレーキ装置、特にそのリヤブレーキペダル周辺部品の配置構造、及びこのような構造を備える自動二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるクルーザータイプあるいはアメリカンタイプと呼ばれる自動二輪車においては、乗車状態でライダーが足を載せるフットレストを設け、その近傍にブレーキペダルを配設している。
【0003】
このようなブレーキペダルを設ける場合、ブレーキに対する液圧を調整するためのリヤブレーキマスターシリンダや、これにフルード液を供給するリザーバータンク、ストップランプのためのストップランプスイッチなど、複数の部品を配置してリヤブレーキ装置を構成する必要がある。
【0004】
なお、特許文献1には自動二輪車におけるリヤブレーキ装置に関する技術が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−282455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
リヤブレーキ装置を構成するために上述したような複数の構成部品を配置する場合、エンジンからの熱や部品同士の干渉を防ぐために、エキゾーストパイプや車体フレームとの隙間を十分に設定する必要がある。そのため、これら構成部品の配置ついてのレイアウトの自由度は少なくならざるを得なく、組み付け上の作業に手間がかかってしまう場合があった。
【0007】
また、いたずら防止のためや、走行時に飛び石などが構成部品に衝突するのを防ぐためには、これら構成部品はできるだけ外観上見えにくい位置や奥まった位置に配置する必要があるが、このようにした場合には部品の調整の扱いが困難となってしまうことがあった。具体的には、ストップランプスイッチの調整が困難になってしまったり、リザーバータンクのフルード液の充填が困難になってしまったりする場合があった。
【0008】
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであり、リヤブレーキ装置を構成する構成部品の組み付けを容易化すると共に、組み付け後のこれら構成部品に対しての調整を容易化することができるリヤブレーキ装置の配置構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のリヤブレーキ装置の配置構造は、前輪をフロントフォークを介して左右へ操舵可能に枢支するヘッドパイプに前端部で結合し、前記前輪の後方でエンジンを搭載すると共に、前記ヘッドパイプから前記エンジンの前側を垂下した後、後方に屈曲して略水平に延伸する左右一対のダウンチューブと、前記ヘッドパイプから車両略後方に延伸して燃料タンクを搭載支持する左右一対のタンクレールとで車体フレームを構成し、前記ダウンチューブの後方に屈曲する部位又はその近傍に、ライダーが足を載せるためのフットレスト及びリヤブレーキ装置に含まれるブレーキペダルを配置した自動二輪車におけるリヤブレーキ装置の配置構造であって、前記リヤブレーキ装置に含まれるリヤブレーキマスターシリンダを、前記ダウンチューブの上下方向に沿って、前記ダウンチューブの後方に配置したことを特徴とする。
また、本発明のリヤブレーキ装置の配置構造において、前記リヤブレーキ装置に含まれるリザーバータンクを、前記ダウンチューブとタンクレールとの間の空間内の、前記燃料タンクよりも前方側において配置し、前記ダウンチューブに沿って連結ホースを延伸させて、前記マスターシリンダと結合させたことを特徴とする。
また、本発明のリヤブレーキ装置の配置構造において、前記リザーバータンクを、前記ダウンチューブの前端側を覆うフレームカバーに覆われた空間内に配置するようにしたことを特徴とする。
また、本発明のリヤブレーキ装置の配置構造において、前記マスターシリンダを、前記フットレストを取り付けるためのフットレストブラケットと一体あるいは一体的に形成されたシリンダブラケットを介して、着脱可能に支持するようにしたことを特徴とする。
また、本発明のリヤブレーキ装置の配置構造において、前記マスターシリンダを、前記ダウンチューブから着脱可能に突設されたシリンダブラケットを介して着脱可能に支持するようにしたことを特徴とする。
また、本発明のリヤブレーキ装置の配置構造において、前記シリンダブラケットには、前記リヤブレーキ装置に含まれるブレーキペダルの枢軸を回転自在に枢支する枢支部が一体に設けられることを特徴とする。
また、本発明の自動二輪車は、上記に記載のリヤブレーキ装置の配置構造を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リヤブレーキ装置を構成する構成部品の組み付けを容易なものとすることができると共に、組み付け後のこれら構成部品に対しての調整を容易なものとすることができる。また、リヤブレーキ装置を構成する構成部品の保護を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係るリヤブレーキ装置の配置構造を備えた自動二輪車100の側面図である。まず自動二輪車100の概略構成について説明する。なお、本図を含め、以下の説明に用いる図面においては、車両前方及び後方をそれぞれ矢印Fr及び矢印Rrで適宜表すものとする。
【0012】
図1において、鋼製あるいはアルミニウム合金材でなるダウンチューブ101の前端部はステアリングヘッドパイプ(ヘッドパイプ)102に結合する。ヘッドパイプ102には、左右に操舵可能に枢支された2本のフロントフォーク103が設けられる。フロントフォーク103の上端にはハンドルバー104が固定され、ハンドルバー104の車幅方向の両端にはグリップ105が取り付けられる。フロントフォーク103の下部には前輪106が回転可能に支持されると共に、前輪106の上部を覆うようにフロントフェンダ107が固定される。前輪106は、前輪106と一体に回転するブレーキディスク108を有する。
【0013】
左右一対のダウンチューブ101は、ヘッドパイプ102から左右に分岐して斜め下方に延伸し(後述するエンジンユニット114の前側を垂下し)、その後に屈曲して、略水平に車両後方へ延伸する。ダウンチューブ101の後部にはスイングアームが揺動可能に位置し、スイングアームの後端には、後輪109が回転可能に支持され、その上方にはリヤフェンダ110が配置される。
【0014】
左右一対のタンクレール111は、ヘッドパイプ102から左右に分岐して車両略後方に延伸する。タンクレール111及びそれに連結する不図示のシートレールは、燃料タンク112や、リヤフェンダ110の上方まで延伸するシート113を搭載支持する。
【0015】
ダウンチューブ101とタンクレール111との間には、エンジンユニット114が搭載支持される。本実施の形態においてエンジンユニット114は、水冷式のV型2気筒エンジンであり、変速機をエンジンケース114Aに収納して1つのユニットとして構成している。エンジンユニット114には、エキゾーストパイプ115が連結され、エキゾーストパイプ115は車両後方に延伸して、その後端でマフラ116に連結する。なお、ダウンチューブ101とタンクレール111は、それぞれ左右において複数のクロスメンバにより連結されるとともに、上下方向においてリヤアームブラケット121(図2を参照)やシートピラーにより連結されて、これにより自動二輪車100の車体フレームの全体が構成されることになる。
【0016】
また、ダウンチューブ101の屈曲部101A(ヘッドパイプ102から斜め下方に延伸し、その後に屈曲して、略水平に後方に延伸する際の「屈曲」部分)周辺には、車幅方向外側に突設されたライダーが足を載せるためのフットレスト117や、リヤブレーキ装置の操作部となるリヤブレーキペダル118が配置される。
【0017】
また、ダウンチューブ101には、その前端側を左右両側から覆うフレームカバー119が設けられ、フレームカバー119の前方あるいはヘッドパイプ102の前方には、ヘッドランプユニット120が支持される。
【0018】
次に図2〜8を用いて、自動二輪車100において、ダウンチューブ101やタンクレール111に取り付けられる部品の配置や構成について詳細に説明をする。
【0019】
図2は、自動二輪車100のダウンチューブ101、タンクレール111の周辺部の要部側面図である。図3は、図2の状態から一部の部品を取り外した状態の要部側面図である。図4は、ダウンチューブ101、タンクレール111の周辺部を、斜め後方から見た斜視図であり、図5は、リヤブレーキペダル118の周辺を、斜め前方から見た斜視図である。
【0020】
図2において、リヤアームブラケット121はダウンチューブ101とタンクレール111とを上下において連結する。上述したように、ダウンチューブ101とタンクレール111は、左右において複数のクロスメンバにより連結されるが、リヤアームブラケット121は、エンジンユニット114の後方に位置するダウンチューブ101のクロスメンバとタンクレール111のクロスメンバとを連結することで、ダウンチューブ101とタンクレール111とを上下において連結している。
【0021】
また図2において、ダウンチューブ101の下方に位置する屈曲部101Aには、フットレストブラケット122が設けられている。フットレストブラケット122は、図4あるいは図5に参照されるように、正面視でL字状を呈する板状に形成されており、その端部がダウンチューブ101の側方部にボルトにより連結されている。すなわち、フットレストブラケット122は、ダウンチューブ101から車幅方向の外側に延伸するブラケット部122aと、ブラケット部122aから折曲して上方に延伸するブラケット部122bとを有する。そしてフットレストブラケット122における上方に延伸するブラケット部122bにフットレスト117が取り付けられる。
【0022】
フットレスト117よりも車幅方向内側においては、フットレストブラケット122と一体あるいは一体的に形成されたペダルブラケット132(図8を参照のこと)が設けられている。ペダルブラケット132は、フットレストブラケット122のダウンチューブ101との連結位置付近において、フットレストブラケット122のブラケット部122bと略平行な板状、すなわちダウンチューブ101の屈曲部101Aから上方に延伸する板状に形成される。そしてペダルブラケット132にリヤブレーキペダル118が枢支される。
【0023】
リヤブレーキマスターシリンダ(以下、マスターシリンダ)126は、ブレーキペダル118の近傍に取り付けられる。図4、図5を用いて具体的に説明すると、マスターシリンダ126は、フットレストブラケット122と一体あるいは一体的に形成されたシリンダブラケット128を介して着脱可能に取り付けられる。シリンダブラケット128は、フットレストブラケット122のダウンチューブ101との連結位置付近から車幅方向の内側に延伸するとともに、ダウンチューブ101に沿って上方に突設されている。一方、マスターシリンダ126の周面には、貫通穴を有する突片126A(図9も参照)が形成されており、これら突片126Aがボルト、ナットなどによりシリンダブラケット128固定、支持される。シリンダブラケット128にマスターシリンダ126を取り付けた状態では、図6(A)に参照されるように、マスターシリンダ126がダウンチューブ101のちょうど後側に位置するようになっている。すなわち、車両前方から見たときに、マスターシリンダ126がダウンチューブ101に隠れるようになっている。
【0024】
ストップランプスイッチ130はスイッチブラケット129に支持される。図5に参照されるようにフットレストブラケット122のブラケット部122bとシリンダブラケット128との間にはスイッチブラケット129がこれらと一体あるいは一体的に形成されている。スイッチブラケット129は、車両後方側においてストップランプスイッチ130を支持する。ストップランプスイッチ130は、リヤブレーキペダル118が踏まれた場合に、ブレーキランプを点灯させるためのものであり、リヤブレーキペダル118の回転軸の周面とスイッチスプリング131(図7又は図8を参照)を介して連結する。そして、リヤブレーキペダル118がライダーによって踏まれた場合、スイッチスプリング131が引っ張られることで、踏まれた状態であること検知し、ブレーキランプの点灯の指示をする。また、スイッチブラケット129は、ストップランプスイッチ130、スイッチスプリング131の前方に位置するので、これらを飛び石などからガードすることができる。
【0025】
また、図2においては、ダウンチューブ101を覆うフレームカバー119の一部であるフレームヘッドカバー119Aを示している。フレームカバー119は樹脂成形されており、ヘッドパイプ102を覆うフレームヘッドカバー119Aと、ダウンチューブ101の前部を覆うボディカバーとで構成される。図2では、便宜のためフレームヘッドカバー119Aのみを図示している。フレームヘッドカバー119Aには、リザーバータンク液面点検用孔119Bが形成される。
【0026】
図3は、図2の状態から、フレームヘッドカバー119A及びエキゾーストパイプ115などを取り外した状態を示している。図3に参照されるように、ブレーキペダル118の近傍に取り付けられたマスターシリンダ126にフルード液を供給するリザーバータンク123は、ヘッドパイプ102から延伸するダウンチューブ101とタンクレール111との間の空間内の、燃料タンク112よりも前方側のスペースにおいて、ダウンチューブ101の上方に形成されたタンクブラケット101Bを介して取り付けられる。このリザーバータンク123の取付け位置は、図2で説明したリザーバータンク液面点検用孔119Bと対応しており、フレームヘッドカバー119Aを取り付けた状態で、リザーバータンク123内のフルード液の充填量を確認することができるようになっている。図6(C)は、リザーバータンク123の取付け位置の周辺の拡大図である。
【0027】
このようなリザーバータンク123の配置に伴い、自動二輪車100では、イグニッションコイル124を、車両後方側に取り付けるようにしている。具体的には、図6(B)に参照されるように、左右に配されたリヤアームブラケット121の間にコイルブラケット125を介して取り付けるようにしている。
【0028】
リザーバータンク123は、上述したようにマスターシリンダ126にフルード液を供給するが、フルード液の供給を連結ホース127を介して行う。連結ホース127はダウンチューブ101に沿うようにして下方に延伸して、マスターシリンダ126に連結する(図4も参照のこと)。
【0029】
図7、図8、図9は、リヤブレーキペダル118、リザーバータンク123、マスターシリンダ126、ストップランプスイッチ130などからなるリヤブレーキ装置の構成を詳細に示した図である。具体的には、図7はリヤブレーキ装置を前方上側から見た図であり、図8は後方上側から見た図であり、図9は車両幅方向の中央側から見た図である。
【0030】
上述したように、リヤブレーキ装置を構成する複数の部品は、図7、図8に参照されるように、フットレストブラケット122に一体あるいは一体的に形成されたシリンダブラケット128、スイッチブラケット129、ペダルブラケット132に取り付けられている。なお、図7では便宜のため、スイッチブラケット129を図示していない。このように各構成部品に対応するブラケットを一体あるいは一体的に形成することで、レイアウトの自由度のない狭いスペースの中であって、これら構成部品の車両への取り付けの作業を容易なものとすることができる。
【0031】
なお、本実施の形態では、フットレストブラケット122、シリンダブラケット128、スイッチブラケット129、ペダルブラケット132を一体あるいは一体的に一部品で形成した例を挙げた、一部が分離していても構わない。例えば、シリンダブラケット128をフットレストブラケット122とは別にダウンチューブ101から着脱可能に構成してもよいし、この場合にシリンダブラケット128にペダルブラケット132を一体あるいは一体的に形成して、ブレーキペダル118の枢軸を回転自在に枢支する枢支部を設けてもよい。
【0032】
以上、本発明の実施の形態を説明した。すなわち、本実施の形態に係る自動二輪車100では、マスターシリンダ126を、ダウンチューブ101の上下方向に沿うようにして、車両後方側に配置するようにした。これにより、ダウンチューブ101により走行中の飛び石などからマスターシリンダ126をガードすることができるため、マスターシリンダ126の耐久性の向上を図ることができる。
また、マスターシリンダ126をフットレストブラケット122に取り付けて配置するようにした。これにより、少ないスペースであっても、マスターシリンダ126を容易に車両に取り付けることができる。
【0033】
また、ストップランプスイッチ130のスイッチブラケット129をフットレストブラケット122と一体あるいは一体的なものとし、スイッチブラケット129を車両後方側に取り付けるようにした。これにより、少ないスペースであっても、ストップランプスイッチ130を容易に車両に取り付けでき、また、スイッチブラケット129がストップランプスイッチ130を覆うことにより、走行中の飛び石などからガードするができるため、ストップランプスイッチ130の耐久性の向上を図ることができる。
【0034】
また、イグニッションコイル124を車両後方側に配置することで、リザーバータンク123を、ヘッドパイプ102から延伸するダウンチューブ101とタンクレール111との間の空間内の、燃料タンク112よりも前方側のスペースに配置するようにし、フレームヘッドカバー119Aで覆うようにした。これにより、リザーバータンク123に対するエンジン熱の影響を受けにくくすると共に、外観から見え難くすることでいたずら防止を図ることができる。また、フレームカバー119Aを取り外すことで、フルード液の充填の作業をすることができるため、奥まった位置に有る場合よりも作業を容易に進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動二輪車の側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る自動二輪車の要部側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る自動二輪車の要部側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る自動二輪車の車体フレーム及びこれに取り付けられる部品の斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る自動二輪車のリヤブレーキペダルの周辺を、斜め前方から見た斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る自動二輪車の要部の詳細図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る自動二輪車のリヤブレーキ装置を前方上側から見た図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る自動二輪車のリヤブレーキ装置を後方上側から見た図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る自動二輪車のリヤブレーキ装置を車両幅方向の中央側から見た図である。
【符号の説明】
【0036】
101 ダウンチューブ、102 ステアリングヘッドパイプ(ヘッドパイプ)、106 前輪、109 後輪、111 タンクレール、112 燃料タンク、114 エンジンユニット、117 フットレスト、118リヤブレーキペダル、119 フレームカバー、119A フレームヘッドカバー、119B リザーバータンク液面点検用孔、121 リヤアームブラケット、122 フットレストブラケット、122a ブラケット部、122b ブラケット部、123 リザーバータンク、124 イグニッションコイル、125 コイルブラケット、126 リヤブレーキマスターシリンダ(マスターシリンダ)、127 連結ホース、128 シリンダブラケット、129 スイッチブラケット、130 ストップランプスイッチ、131 スイッチスプリング、132 ペダルブラケット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪をフロントフォークを介して左右へ操舵可能に枢支するヘッドパイプに前端部で結合し、前記前輪の後方でエンジンを搭載すると共に、前記ヘッドパイプから前記エンジンの前側を垂下した後、後方に屈曲して略水平に延伸する左右一対のダウンチューブと、前記ヘッドパイプから車両略後方に延伸して燃料タンクを搭載支持する左右一対のタンクレールとで車体フレームを構成し、
前記ダウンチューブの後方に屈曲する部位又はその近傍に、ライダーが足を載せるためのフットレスト及びリヤブレーキ装置に含まれるブレーキペダルを配置した自動二輪車におけるリヤブレーキ装置の配置構造であって、
前記リヤブレーキ装置に含まれるリヤブレーキマスターシリンダを、前記ダウンチューブの上下方向に沿って、前記ダウンチューブの後方に配置したことを特徴とするリヤブレーキ装置の配置構造。
【請求項2】
前記リヤブレーキ装置に含まれるリザーバータンクを、前記ダウンチューブとタンクレールとの間の空間内の、前記燃料タンクよりも前方側において配置し、前記ダウンチューブに沿って連結ホースを延伸させて、前記マスターシリンダと結合させたことを特徴とする請求項1に記載のリヤブレーキ装置の配置構造。
【請求項3】
前記リザーバータンクを、前記ダウンチューブの前端側を覆うフレームカバーに覆われた空間内に配置するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のリヤブレーキ装置の配置構造。
【請求項4】
前記マスターシリンダを、前記フットレストを取り付けるためのフットレストブラケットと一体あるいは一体的に形成されたシリンダブラケットを介して、着脱可能に支持するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリヤブレーキ装置の配置構造。
【請求項5】
前記マスターシリンダを、前記ダウンチューブから着脱可能に突設されたシリンダブラケットを介して着脱可能に支持するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリヤブレーキ装置の配置構造。
【請求項6】
前記シリンダブラケットには、前記リヤブレーキ装置に含まれるブレーキペダルの枢軸を回転自在に枢支する枢支部が一体に設けられることを特徴とする請求項5に記載のリヤブレーキ装置の配置構造。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のリヤブレーキ装置の配置構造を備えたことを特徴とする自動二輪車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−23732(P2010−23732A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189126(P2008−189126)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】