説明

ルート探索装置及び車両側装置

【課題】従来のガソリン車向けのエコルート案内では、ガソリン車を除いた新たなタイプの車両には対応しておらず、適切なエコルート案内を行うことは難しかった。
【解決手段】本発明のルート探索装置は、駆動源にモータを使用するタイプの車両から回生電力量に関する情報を取得する取得部と、取得部で取得した回生電力量に関する情報を地図情報に対応付けて記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された回生電力量に基いてルートを探索するルート探索手段と、ルート探索手段で探索された回生電力量に基くルートを走行する際の有料道路の利用料金を算出する算出手段と、該算出された回生電力量に基くルートの有料道路の利用料金を加味してルートを選択する選択手段と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブデータを用いたルート探索装置及び車両側装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な、ガソリンを燃焼させて走行するガソリン車を対象として、車速、自車位置等のプローブデータを利用して、目的地に正確に且つ速く到達するルートを探索し、結果として二酸化炭素の排出量の削減を狙うエコルートを案内するサービスが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
図1は従来のルート探索装置の構成図を示す。従来のルート探索装置100は、地図情報を記憶し、複数の車両10−1〜3から目的地情報と、当該車両に対応する燃費特性と、を取得し、取得された目的地情報に基づいて地図情報からルート探索を行う場合に、複数の車両毎の燃費特性に応じて、対応する車両に提供するルートを決定する。複数の車両にルート案内を行って渋滞を回避させることができる一方で、各車両の燃費を考慮しながら全体としての排出ガス総量を低減させることができるというものである。
【0004】
従来のルート案内サービスは、あくまでガソリン車向けに提供されるものである。今後、プラグインハイブリッド車(PHEV車)や電気自動車(EV車)等、従来のガソリン車とは異なる新たなタイプの車両が普及することが予想されるが、これらの新たなタイプの車両はガソリン車とは動力系統の仕組みが大きく異なっている。例えば、これらの新たなタイプの車両には、車両が停止しているときに、駆動機構が停止したり、ブレーキをかける際に生じるエネルギーを回生したりする仕組みが備わっている。
【0005】
そこで、これらのPHEV車や、EV車に特有な電力等の使用エネルギーをより低減することが可能なエコなルートが存在する可能性がある。
【0006】
ここで、「エコ」という用語は「エコロジー」の意味を含むことは勿論であるが、実際のユーザの車両のルート案内の使用態様を考えた場合、「エコノミー」の要素も重要視されていると考えられる。エコロジーの観点からルートを探索して車両を運転し、二酸化炭素排出量の削減に大きく貢献したとしても、その代償として多額の費用が生じたとすればユーザはそのようなエコロジーなルートを選択しなくなるはずである。従って、エコロジーの側面のみに着目し、エコノミーの面に着目しないとすれば、結果としてエコロジーの側面もないがしろにされる恐れがある。そのため、エコロジーの観点でルート案内を行うことを前提として、エコノミーの観点からユーザを惹きつけ、結果として環境にやさしいルート探索が推進されることが望ましいといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−128065
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のガソリン車向けのルート探索では、ガソリン車を除いた新たなタイプの車両には対応しておらず、適切なルート探索を行うことは難しかった。
さらに、プローブ情報を利用してルートを探索する場合に、従来のガソリン車の燃料消費量に関するデータベースでは、必要な情報が異なり、そのままでは利用できないという問題があった。
さらに、従来のガソリン車とPHEV車や、EV車等の新たなタイプの車両とが混在する現状において、各タイプ別に情報を蓄積して、それぞれ最適なエコルートを案内する必要があるが、このような課題について従来のエコルート案内装置では対応できないという問題があった。
また、エコルートを探索する場合は、燃料消費量や電力消費量が最小となるルートを探索するが、例えば、これらエネルギー消費量にのみ着目してルートを探索した場合、有料道路等を考慮しないため、例えエコルートであっても非常に料金が高くなる場合があり、ユーザがエコルートを利用するのを躊躇させる要因となる可能性がある。
逆に言えば、エコルートと料金の安さを両立することができれば、更なるエコルートの利用を促進させるものとなる。
【0009】
本発明は、車両のタイプ(ガソリン車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車等)に応じて適切なルート探索を実現できるルート探索装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のルート探索装置は、駆動源にモータを使用するタイプの車両から回生電力量に関する情報を取得する取得部と、取得部で取得した回生電力量に関する情報を地図情報に対応付けて記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された回生電力量に基いてルートを探索するルート探索手段と、ルート探索手段で探索された回生電力量に基くルートを走行する際の有料道路の利用料金を算出する算出手段と、該算出された回生電力量に基くルートの有料道路の利用料金を加味してルートを選択する選択手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
他の実施態様において、本発明のルート探索装置は、駆動源にモータを使用するタイプの複数の車両から送信される回生電力量に関する情報を受信する受信部と、受信部で受信された回生電力量に関する情報を地図データに対応付けて記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された回生電力量に基いてルートを探索するルート探索手段と、ルート探索手段で探索された回生電力量に基くルートを走行する際の有料道路の利用料金を算出する算出手段と、算出手段で算出された利用料金に基づいてルートを車両に配信する配信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
さらに他の実施態様において、本発明のルート探索装置は、駆動源にモータを使用するタイプの車両から回生電力量に関する情報を取得する取得部と、取得部で取得した回生電力量に関する情報を地図情報に対応付けて記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された回生電力量に基いてルートを探索するルート探索手段と、記憶手段に記憶された地図情報に基いて、出発地と目的地とを結ぶ複数のルートのうち、最短の時間で到達するルートを探索する最速ルート探索手段と、回生電力量に基くルートを走行する場合に要する時間と、最速ルートを走行する場合に要する時間との差が、所定の範囲内であるか否かを判断する判断手段と、判断手段により所定の範囲内であると判断した場合に、回生電力量に基くルートを案内する案内手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の車両側装置は、駆動源にモータを使用するタイプの車両タイプ情報と、回生電力量に関する情報とを取得する取得手段と、該取得手段で取得した車両タイプ情報と回生電力量に関する情報を送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のプローブデータを用いたエコルート探索装置によれば駆動源としてモータを使用する車両に対して、該車両に特有の要素(回生電力)を考慮してエコルートを案内することができ、さらに、車両のタイプに応じて適切なエコルートを探索することができるエコルート探索装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来のルート探索装置の構成図である。
【図2】本発明の実施例1のルート探索装置の構成図である。
【図3】本発明の実施例1のルート探索方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の実施例1のルート探索装置において回生電力量に関する情報を地図情報に対応付けて記憶するデータの構成例である。
【図5】本発明の実施例1のルート探索装置において、複数のルートを地図データ上に示した図である。
【図6】本発明の実施例1のルート探索装置において複数のルートと料金との関係を示した一覧表である。
【図7】本発明の実施例2のルート探索装置の構成図である。
【図8】本発明の実施例2のルート探索方法を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の実施例3のルート探索方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の実施例3のルート探索装置の記憶手段に記憶されるデータの構成例である。
【図11】本発明の実施例3のルート探索装置において、ガソリン車及び電気自動車のそれぞれについて複数のルートと料金との関係を示した一覧表である。
【図12】本発明の実施例4のルート探索装置の構成図である。
【図13】本発明の実施例4のルート探索方法を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の実施例4において、電気自動車について複数のルートと料金及び最速ルートとの時間差との関係を示した一覧表である。
【図15】本発明の実施例5のルート探索方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下図面を参照して、本発明に係るルート探索装置及び車両側装置について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【実施例1】
【0017】
本発明の実施例1に係るルート探索装置について説明する。図2に実施例1のルート探索装置の構成図を示す。実施例1に係るルート探索装置においては、車両A〜C(11〜13)の車載端末とセンターサーバ1とが連携してルート探索を行う。本発明の実施例1のルート探索装置は、回生電力量に基いてルートを探索し、算出された回生電力量に基くルートの有料道路の利用料金を加味してルートを選択する点を特徴としている。本発明のルート探索装置であるセンターサーバ1は、取得部2と、記憶手段3と、ルート探索手段4と、算出手段6と、選択手段7と、を有する。
【0018】
取得部2は、駆動源にモータを使用するタイプの車両A〜C(11〜13)に搭載された車両側装置である取得手段111、121、131及び送信手段112、122、132から回生電力量に関する情報、車両の出発地及び目的地の位置情報を取得する。車両側装置の取得手段111、121、131は、駆動源にモータを使用するタイプの車両タイプ情報と、回生電力量に関する情報とを取得する。車両側装置の送信手段112、122、132は、取得手段で取得した車両タイプ情報及び回生電力量に関する情報をセンターサーバ1に送信する。ここで、駆動源にモータを使用するタイプの車両の例として、ハイブリッド(HV)車、プラグインハイブリッド(PHV)車、電気自動車(EV)等が挙げられる。また、回生電力に関する情報とは、車両がある特定の区間を走行した際に得られる回生電力量に関する情報をいう。
【0019】
記憶手段3は、取得部2で取得した回生電力量に関する情報を地図情報に対応付けて記憶する。ここで、地図情報は、地図情報記憶部5内に記憶された車両が走行するためのリンクに関する情報を含む。
【0020】
ルート探索手段4は、記憶手段3に記憶された回生電力量に基づいてルートを探索する。ルート探索は、車両の出発地点と目的地点とを結ぶ複数のルートのうち、回生電力量を考慮して電力消費量または燃料消費量が最低となるルートを選択する。算出手段6は、ルート探索手段4で探索された回生電力量に基くルートを走行する際の有料道路の利用料金を算出する。選択手段7は、該算出された回生電力量に基くルートの有料道路の利用料金を加味してルートを選択する。
【0021】
次に、本発明の実施例1に係るルート探索方法について図面を参照して説明する。図3は、本発明の実施例1のルート探索方法を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS101において、駆動源にモータを使用するタイプの車両から送信される回生電力量に関する情報を取得する。具体的には、駆動源にモータを使用するタイプの車両A〜C(11〜13)に搭載された車両側装置である取得手段111、121、131で取得された回生電力量に関する情報を送信手段112、122、132を介して車両から取得する。
【0022】
次に、ステップS102において、記憶手段3が、取得部2で取得した回生電力量に関する情報を地図情報に対応付けて記憶する。回生電力量に関する情報を地図情報に対応付けて記憶するデータの一例を図4に示す。このデータには、リンクID21、進行方向22、回生電力量23の各データが含まれる。ここで、リンクIDは、車両が走行するリンクに固有の番号であり、車両に搭載されたGPS装置によって取得された位置データと、ルート探索装置であるセンターサーバ1内の地図情報記憶部5に記憶された地図情報とを対応させることによって、車両が走行したリンクを特定することができる。道路は通常、上り方向及び下り方向の車線を含むため各リンクを進行方向によって分類している。回生電力量は道路の勾配によって大きく異なるため、進行方向ごとに回生電力量を分類して記憶手段3に記憶する。車両が走行したリンクと回生電力量とを対応付けて記憶装置3に記憶し、車両が走行するルートに含まれるリンクを特定することにより、そのルートを走行する場合の回生電力量を推定することができる。
【0023】
図4においては、3つのリンクのみについてデータを記憶する例を示しているが、実際には車両が走行した複数のリンクについてのデータが記憶手段3に記憶される。また、センターサーバ1は、複数の車両から回生電力量等の情報を受信するため、特定のリンクについて複数のデータを受信する場合も想定される。そのような場合には、複数のデータについて平均化されたデータを記憶手段3に記憶するようにしてもよい。
【0024】
次に、ステップS103において、ルート探索手段4が、記憶手段3に記憶された回生電力量に基づいてルートを探索する。ここで、ルート探索手段4は、位置情報と道路の位置とを対応させて記憶された地図情報記憶部5の地図データに基づいて、出発地と目的地とを結ぶ複数のルートを決定する。図5に出発地点から目的地点までのルートの一例を示す。ここでは、地図データ101上に、出発地点102と目的地点103とを結ぶ4つのルートR1〜R4(31〜34)が形成されると仮定する。地図データには一般道か高速道等の有料道路かの道路の種別や、渋滞の有無に関するデータが含まれている。
【0025】
図6に、記憶手段3に記憶された回生電力量に基づいてルートを探索したルート探索結果の一覧表を示す。図5に示した一覧表にはルートR1〜R4のそれぞれについて、出発地から目的地までの各ルートの距離51、各ルートを車両が走行した場合に消費する電費×距離52、回生電力量53、電費×距離52から回生電力量53を減算した電力消費量から求められる電気代54、有料道路料金55、電気代54及び有料道路料金55の合計金額である総料金56、エコルート表示欄57が示されている。図6に示した例では、回生電力量に基づいてルートを探索する場合は、電気代54は電費×距離52と回生電力量53のみによって決められ、有料道路料金55を考慮していないので、電気代54が最低となるルートR2が暫定的に最適なルートとなる。
【0026】
次に、ステップS104において、算出手段6が、ルート探索手段4で探索された回生電力量に基くルートを走行する際の有料道路の利用料金を算出する。有料道路の利用料金は、地図情報記憶部5に記憶された有料道路に関する情報と、ルート探索手段4で探索された回生電力量に基くルートR1〜R4を走行した場合に利用する道路の位置情報とに基づいて算出される。有料道路の利用料金を各ルートR1〜R4について算出した結果を図6の一覧表の有料道路料金55の欄に示す。
【0027】
次に、ステップS105において、選択手段7が、算出された回生電力量に基くルートの有料道路の利用料金を加味してルートを選択する。本実施例では、ルートを選択する際に総料金を基準としている。総料金の算出結果を図6に示す。総料金56は、電気代54と有料道路料金55の合計で算出される。総料金を算出した結果、有料道路の利用料金を加味すると、ルートR1が、総料金が最低となるルートとして選択される。これは上述したように、回生電力のみを考慮した場合に暫定的に推奨されるルートR2とは異なったものとなっており、有料道路の利用料金を加味することにより最適なルートを選択することができることがわかる。その結果、回生電力量を考慮してエコロジーなルートをまず選択し、その中からエコノミーなルートを探索するようにしているので、エコロジー及びエコノミーの両面を考慮したルート探索を行うことができる。
【0028】
なお、本実施例ではルート探索装置をセンターサーバとした例を示したが、ルート探索装置を車両に搭載するようにしてもよい。この場合、ルート探索を行う車両は、他の車両から回生電力量に関する情報を取得するようにしてもよいし、回生電力量に関する情報を予め記憶したセンターサーバから取得するようにしてもよい。
【実施例2】
【0029】
次に、本発明の実施例2に係るルート探索装置について説明する。図7に実施例2のルート探索装置の構成図を示す。実施例2に係るルート探索装置においては、センターサーバ1がルート探索した結果を車両A〜C(11〜13)の車載端末に配信する点を特徴としている。本発明の実施例2のルート探索装置であるセンターサーバ1は、受信部8と、記憶手段3と、ルート探索手段4と、算出手段6と、配信手段9と、を有する。
【0030】
駆動源にモータを使用するタイプの複数の車両A〜C(11〜13)に搭載された車両側装置の取得手段111、121、131は、駆動源にモータを使用するタイプの車両タイプ情報と、回生電力量に関する情報とを取得する。車両側装置の送信手段112、122、132は取得手段で取得した車両タイプ情報と回生電力量に関する情報をセンターサーバ1の受信部8に送信する。受信部8は、駆動源にモータを使用するタイプの複数の車両の車両側装置の送信手段112、122、132から送信される回生電力量に関する情報、車両タイプ情報を受信する。受信部8は、車両側装置の送信手段112、122、132から車両の出発地及び目的地の位置情報が送信された場合にはこれらの情報も受信する。
【0031】
記憶手段3は、受信部8で受信した回生電力量に関する情報を地図情報に対応付けて記憶する。ここで、地図情報は、地図情報記憶部5内に記憶された車両が走行するためのリンクに関する情報を含む。
【0032】
ルート探索手段4は、記憶手段3に記憶された回生電力量に基づいてルートを探索する。ルート探索は、車両の出発地点と目的地点とを結ぶ複数のルートのうち、回生電力量を考慮して電力消費量または燃料消費量が最低となるルートを選択する。
【0033】
算出手段6は、ルート探索手段4で探索された回生電力量に基くルートを走行する際の有料道路の利用料金を算出する。
【0034】
配信手段9は、算出手段6で算出された利用料金に基づいてルートを車両A〜C(11〜13)に配信する。配信されたルートに関する情報は、車両A〜C(11〜13)に搭載された車両側装置である取得手段111、121、131によって受信される。
【0035】
次に、本発明の実施例2に係るルート探索方法について図面を参照して説明する。図8は、本発明の実施例2のルート探索方法を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS201において、受信部8が、駆動源にモータを使用するタイプの複数の車両から送信される回生電力量に関する情報を受信する。具体的には、駆動源にモータを使用するタイプの車両A〜C(11〜13)に搭載された車両側装置である取得手段111、121、131が取得した回生電力量に関する情報を送信手段112、122、132を介して受信する。
【0036】
次に、ステップS202において、記憶手段3が、受信部8で受信された回生電力量に関する情報を地図データに対応付けて記憶する。回生電力量に関する情報を地図情報に対応付けて記憶するデータは実施例1と同様である(図4参照)。
【0037】
次に、ステップS203において、ルート探索手段4が、記憶手段3に記憶された回生電力量に基づいてルートを探索する。ここで、ルート探索手段4は、位置情報と道路の位置とを対応させて記憶された地図情報記憶部5の地図データに基づいて、出発地と目的地とを結ぶ複数のルートを決定する。出発地点から目的地点までのルートは実施例1と同様である(図5及び図6参照)。
【0038】
次に、ステップS204において、算出手段6が、ルート探索手段4で探索された回生電力量に基くルートを走行する際の有料道路の利用料金を算出する。有料道路の利用料金は、地図情報記憶部5に記憶された有料道路に関する情報と、ルート探索手段4で探索された回生電力量に基くルートR1〜R4を走行した場合に利用する道路の位置情報とに基づいて算出される。有料道路の利用料金の算出結果は実施例1と同様である(図6参照)。
【0039】
次に、ステップS105において、配信手段9が、算出手段6で算出された利用料金に基づいてルートを車両に配信する。本実施例では、配信するルートを選択する際に総料金を基準としている。総料金の算出結果は実施例1と同様である(図6参照)。
【0040】
本実施例においては、ルート探索をセンターサーバで行い、車両はセンターサーバが選択したルートに関する情報を取得するようにしているので、車両側でルート探索を行う必要がない。従って、車両側の装置を簡単な構成とすることができ、センターサーバで探索したルートに関する情報を利用して、最適なルート探索を行うとともに、車両側の装置のコストを下げることができる。
【実施例3】
【0041】
次に本発明の実施例3に係るルート探索装置について説明する。実施例3のルート探索装置の構成は実施例2と同様である。実施例3に係るルート探索装置は、回生電力量に関する情報だけでなく、燃料消費量に関する情報を受信し、駆動源にモータを使用するタイプの車両と、駆動源にモータを使用しないタイプの車両のそれぞれに適したルートを探索し、各車両に探索したルートを配信する点を特徴としている。本発明の実施例3のルート探索装置であるセンターサーバ1は、受信部8と、記憶手段3と、ルート探索手段4と、算出手段6と、配信手段9と、を有する。
【0042】
受信部8は、駆動源にモータを使用するタイプの複数の車両A〜C(11〜13)に搭載された車両側装置である取得手段111、121、131が取得した回生電力量に関する情報を送信手段112、122、132を介して受信し、さらに、駆動源にモータを使用しないタイプの複数の車両(図示せず)から送信される燃料消費量に関する情報を受信する。駆動源にモータを使用しないタイプの車両の例としては、回生機構を備えていないガソリン車等が挙げられる。また、受信部8は、ルート探索を行う車両の出発地及び目的地に関する情報も取得する。
【0043】
記憶手段3は、受信部8で受信された回生電力量及び燃料消費量に関する情報を地図データに対応付けて記憶する。ここで、地図データは地図情報記憶部5内に記憶された車両が走行するためのリンクに関する情報を含む。
【0044】
ルート探索手段4は、記憶手段3に記憶された回生電力量、燃料消費量に基づいて、車両の電力消費量が最小となるルート、燃料消費量が最小となるルートを車両のタイプ別に探索する。具体的には、ルート探索を行う対象の車両が、駆動源にモータを使用するタイプの車両の場合には、回生電力量に基いて、車両の電力消費量が最小となるルートを探索する。一方、ルート探索を行う対象の車両が、駆動源にモータを使用しないタイプの車両の場合には、燃料消費量に基づいて、車両の燃料消費量が最小となるルートを探索する。
【0045】
算出手段6は、ルート探索手段4で探索された回生電力量、燃料消費量に基くルートを走行する際の有料道路の利用料金を算出する。
【0046】
配信手段9は、ルート探索手段4でタイプ別に探索されたルートを、各タイプの車両に配信する。配信されたルートに関する情報は、車両に搭載された車両側装置である取得手段によって受信される。
【0047】
次に、本発明の実施例3に係るルート探索方法について図面を参照して説明する。図9は、本発明の実施例3のルート探索方法を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS301において、受信部8が、駆動源にモータを使用するタイプの複数の車両から送信される回生電力量に関する情報を受信し、さらに、駆動源にモータを使用しないタイプの複数の車両から送信される燃料消費量に関する情報を受信する。具体的には、駆動源にモータを使用するタイプの車両A〜C(11〜13)に搭載された車両側装置である取得手段111、121、131が取得した回生電力量に関する情報を送信手段112、122、132を介して受信し、さらに、駆動源にモータを使用しないタイプの複数の車両(図示せず)から送信される燃料消費量に関する情報を受信する。また、受信部8は、ルート探索を行う車両の出発地及び目的地に関する情報も取得する。
【0048】
次に、ステップS302において、記憶手段3が、受信部8で受信された回生電力量及び燃料消費量に関する情報を地図データに対応付けて記憶する。図10に、本発明の実施例3のルート探索装置の記憶手段に記憶されるデータの一例を示す。このデータは、リンクID41、車両タイプ42、進行方向43、回生電力量44、燃料消費量45、電力消費量46に関する各情報を含む。リンクID41、車両タイプ42、進行方向43、回生電力量44に関するデータの内容は実施例1のルート探索装置におけるデータと同様であるので詳細な説明は省略する。燃料消費量45は、ガソリンを駆動源に供給して駆動源を駆動するタイプの車両が特定のリンクを走行する際に消費する単位距離あたりの燃料消費量である。電力消費量46は、電力を駆動源に供給して駆動源を駆動するタイプの車両が、特定のリンクを走行する際に消費する単位距離あたりの電力消費量である。図10に示した例では、モータを使用する車両は、回生機構を備え、走行時に電力を主に消費しているので電気自動車が相当する。一方、モータを使用しない車両は、回生機構を有さず、走行時に燃料を主に消費しているのでガソリン車が相当する。
【0049】
次に、ステップS303において、ルート探索手段4が、記憶手段3に記憶された回生電力量、燃料消費量に基いて、車両の電力消費量が最小となるルート、燃料消費量が最小となるルートを車両のタイプ別に探索する。ここで、ルート探索手段4は、位置情報と道路の位置とを対応させて記憶された地図情報記憶部5の地図データに基づいて、出発地と目的地とを結ぶ複数のルートを決定する。出発地点から目的地点までのルートは実施例1と同様である(図5参照)。
【0050】
図11に、記憶手段3に記憶された回生電力量、燃料消費量に基づいてルートを探索したルート探索結果の一覧表を示す。駆動源にモータを使用するタイプの車両について探索したルートに関する一覧表を図11(a)に示し、駆動源にモータを使用しないタイプの車両について探索したルートに関する一覧表を図11(b)に示す。図11(a)に示した一覧表は、図6に示した実施例1における一覧表と同様である。図11(b)に示した一覧表には、ルートR1〜R4のそれぞれについて、出発地から目的地までの距離61、各ルートを車両が走行した場合に消費する燃料消費量62、距離61及び燃料消費量62から算出される燃料代63、有料道路料金64の各データが含まれる。
【0051】
駆動源にモータを使用するタイプの車両についてルート探索した場合では、図11(a)に示すように、回生電力量に基づいてルートを探索した結果、電気代54は電費×距離52と回生電力量53のみによって決められ、有料道路料金55を考慮していないので、電気代54が最低となるルートR2が暫定的に最適なルートとなる。一方、駆動源にモータを使用しないタイプの車両についてルート探索した場合では、図11(b)に示すように、燃料消費量に基づいてルートを探索した結果、燃料代63は距離61と燃料消費量62によって決められ、有料道路料金64を考慮していないので、燃料代63が最低となるルートR2が暫定的に最適なルートとなる。
【0052】
次に、ステップS304において、算出手段6が、ルート探索手段4で探索された回生電力量、燃料消費量に基くルートを走行する際の有料道路の利用料金を算出する。有料道路の利用料金は、地図情報記憶部5に記憶された有料道路に関する情報と、ルート探索手段4で探索された回生電力量に基くルートR1〜R4を走行した場合に利用する道路の位置情報とに基づいて算出される。有料道路の利用料金を各ルートR1〜R4について算出した結果を図11(a)、(b)の一覧表の有料道路料金55、64の欄に示す。
【0053】
次に、ステップS305において、配信手段9が、ルート探索手段4でタイプ別に探索されたルートを、各タイプの車両に配信する。本実施例では、配信するルートを選択する際に総料金を基準としている。総料金の算出結果を図11(a)、(b)に示す。駆動源にモータを使用するタイプの車両についてルート探索した場合では、図11(a)に示すように、総料金56は、電気代54と有料道路料金55の合計で算出される。総料金を算出した結果、有料道路の利用料金を加味すると、ルートR1が、総料金が最低となるルートとして選択される。これは上述したように、回生電力のみを考慮した場合に暫定的に推奨されるルートR2とは異なったものとなり、有料道路の利用料金を加味することにより最適なルートを選択することができることがわかる。一方、駆動源にモータを使用しないタイプの車両についてルート探索した場合では、図11(b)に示すように、総料金65は、燃料代63と有料道路料金64の合計で算出される。総料金を算出した結果、有料道路の利用料金を加味すると、ルートR2が、総料金が最低となるルートとして選択される。従って、駆動源にモータを使用するタイプの車両に対しては、ルートR1が最適なルートとして配信され、駆動源にモータを使用しないタイプの車両に対しては、ルートR2が最適なルートとして配信される。
【0054】
以上のように、本実施例においては、回生電力量、燃料消費量に基いて、車両の電力消費量が最小となるルート、燃料消費量が最小となるルートを車両のタイプ別に探索されたルートを、各タイプの車両に配信するようにしているので、車両のタイプに合わせて最適なルートを配信することができる。
【実施例4】
【0055】
本発明の実施例4に係るルート探索装置について説明する。図12に実施例4のルート探索装置の構成図を示す。実施例4に係るルート探索装置においては、総料金だけでなく、出発地から目的地までに要する時間も考慮してルート探索を行う点を特徴としている。本発明のルート探索装置であるセンターサーバ1は、取得部2と、記憶手段3と、ルート探索手段4と、最速ルート算出手段11と、判断手段12と、案内手段13と、を有する。
【0056】
取得部2は、駆動源にモータを使用するタイプの車両A〜C(11〜13)に搭載された車両側装置である取得手段111、121、131が取得した回生電力量に関する情報を送信手段112、122、132を介して受信するとともに、車両の出発地及び目的地の位置情報を取得する。
【0057】
記憶手段3は、取得部2で取得した回生電力量に関する情報を地図情報に対応付けて記憶する。ここで、地図情報は地図情報記憶部5内に記憶された車両が走行するためのリンクに関する情報を含む。
【0058】
ルート探索手段4は、記憶手段3に記憶された回生電力量に基づいてルートを探索する。ルート探索は、車両の出発地点と目的地点とを結ぶ複数のルートのうち、回生電力量を考慮して電力消費量または燃料消費量が最低となるルートを選択する。
【0059】
最速ルート探索手段11は、記憶手段3に記憶された地図情報に基いて、出発地と目的地とを結ぶ複数のルートのうち、最短の時間で到達するルートを探索する。
【0060】
判断手段12は、回生電力量に基くルートを走行する場合に要する時間と、最速ルートを走行する場合に要する時間との差が、所定の範囲内であるか否かを判断する。
【0061】
案内手段13は、判断手段12により所定の範囲内であると判断した場合に、回生電力量に基くルートを案内する。
【0062】
次に、本発明の実施例4に係るルート探索方法について図面を参照して説明する。図13は、本発明の実施例4のルート探索方法を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS401において、取得部2が、駆動源にモータを使用するタイプの車両から送信される回生電力量に関する情報を取得する。具体的には、駆動源にモータを使用するタイプの車両A〜C(11〜13)に搭載された車両側装置である取得手段111、121、131が取得した回生電力量に関する情報を送信手段112、122、132を介して取得する。
【0063】
次に、ステップS402において、記憶手段3が、取得部2で取得した回生電力量に関する情報を地図情報に対応付けて記憶する。回生電力量に関する情報を地図情報に対応付けて記憶するデータの構成は実施例1と同様である(図4参照)。
【0064】
次に、ステップS403において、ルート探索手段4が、記憶手段3に記憶された回生電力量に基づいてルートを探索する。ここで、ルート探索手段4は、位置情報と道路の位置とを対応させて記憶された地図情報記憶部5の地図データに基づいて、出発地と目的地とを結ぶ複数のルートを決定する。出発地点から目的地点までのルートは実施例1と同様である(図5参照)。
【0065】
また、記憶手段3に記憶された回生電力量に基づいてルートを探索したルート探索結果は実施例1と同様である(図6参照)。実施例1と同様に、回生電力量に基づいてルートを探索した結果、電気代54は電費×距離52と回生電力量53のみによって決められ、最速ルートとの時間差を考慮していないので、電気代54が最低となるルートR2が暫定的に最適なルートとなる。
【0066】
次に、ステップS404において、最速ルート探索手段13が、記憶手段3に記憶された地図情報に基いて、出発地と目的地とを結ぶ複数のルートのうち、最短の時間で到達するルートを探索する。具体的には、到達時間を算出しようとするルートに含まれる複数のリンクの各リンクについて、当該リンクでの車両の平均速度およびリンクの距離から各リンクの始点から終点までを移動するのに要する時間を算出し、算出した時間を全てのリンクについて合計し、ルート全体の経過時間を算出する。そして、その中から時間が最短となるルートを選択する。図14に、駆動源にモータを使用するタイプの車両について複数のルートと料金及び最速ルートとの時間差との関係を示した一覧表を示す。図14に示した例では、回生電力量を比較したルートR1〜R4とは異なるルートを最速ルートとして選択した例を示している。
【0067】
次に、ステップS405において、判断手段12が、回生電力量に基くルートを走行する場合に要する時間と、最速ルートを走行する場合に要する時間との差が、所定の範囲内であるか否かを判断する。図14には、各ルートR1〜R4について、最速ルートとの時間差58を示している。図14に示すように、本実施例では、ルートR1、R2、R3、R4の各ルートは、最速ルートと比較して、それぞれ5min、30min、10min、15min長い時間を要している。
【0068】
ここで、例えば、回生電力量に基くルートを走行する場合に要する時間と、最速ルートを走行する場合に要する時間との差が、所定の範囲内であるか否かを判断する場合の所定の範囲を20min以内とした場合、図14から回生電力を考慮した場合の電気代が最低であった、回生電力量に基くルートR2は案内されず、ステップS407において、他のルートが案内される。例えば、図14に示した例では、ルートR2を除いたルートR1、R3、R4の中から電気代が最低となるルートR1を案内する。一方、回生電力量に基くルートを走行する場合に要する時間と、最速ルートを走行する場合に要する時間との差が、所定の範囲内である場合には、ステップS406において、案内手段13は回生電力量に基くルートを案内する。
【0069】
以上のようにして、本実施例のルート探索装置によれば、最速ルートと比較して所要時間が所定の範囲内であるか否かに基づいてルート探索を行っているので、所要時間が短いルートを優先したい場合に、所要時間と回生電力量の両者を考慮した最適なルート探索を行うことができる。なお、本実施例では回生電力量に基いて探索したルートと、最速ルートとの時間差とを考慮してルート探索を行った例を示したが、回生電力量及び有料道路料金に基いて探索したルートと、最速ルートとの時間差考慮してルート探索を行うようにしてもよい。
【実施例5】
【0070】
次に、本発明の実施例5に係るルート探索装置について説明する。実施例5のルート探索装置の構成は実施例2と同様である(図7参照)。実施例5に係るルート探索装置は、回生電力量、燃料消費量に加えて渋滞情報に関する情報を受信し、駆動源にモータを使用するタイプの車両と、駆動源にモータを使用しないタイプの車両のそれぞれに適したルートを渋滞時の燃料消費量を加味して燃料消費量が最小となるルートを探索し、各車両に探索したルートを配信する点を特徴としている。本発明の実施例5のルート探索装置であるセンターサーバ1は、受信部8と、記憶手段3と、ルート探索手段4と、算出手段6と、配信手段9と、を有する。
【0071】
受信部8は、駆動源にモータを使用するタイプの車両A〜C(11〜13)に搭載された車両側装置である取得手段111、121、131が取得した回生電力量に関する情報を送信手段112、122、132を介して受信するとともに、車両の出発地及び目的地の位置情報に加えて、渋滞情報を受信する。車両側装置の取得手段111、121、131は、駆動源にモータを使用するタイプの車両タイプ情報と、回生電力量に関する情報とを取得する。車両側装置の送信手段112、122、132は取得手段で取得した車両タイプ情報と回生電力量に関する情報をセンターサーバ1に送信する。渋滞情報は、センターサーバ1の受信部8が、道路交通情報通信システム(VICS)から受信する。
【0072】
記憶手段3は、受信部8で受信された回生電力量及び燃料消費量に関する情報を地図データに対応付けて記憶する。ここで、地図データは地図情報記憶部5内に記憶された車両が走行するためのリンクに関する情報を含む。
【0073】
ルート探索手段4は、記憶手段3に記憶された回生電力量、燃料消費量に基づいて、車両の電力消費量が最小となるルート、燃料消費量が最小となるルートを車両のタイプ別に探索し、且つ渋滞時の燃料消費量を加味して燃料消費量が最小となるルートを探索する。具体的には、ルート探索を行う車両が、駆動源にモータを使用するタイプの車両の場合には、回生電力量に基いて、車両の電力消費量が最小となるルートを探索する。一方、ルート探索を行う車両が、駆動源にモータを使用しないタイプの車両の場合には、渋滞時の燃料消費量を加味して、燃料消費量に基づいて、車両の燃料消費量が最小となるルートを探索する。
【0074】
算出手段6は、ルート探索手段4で探索された回生電力量、燃料消費量に基くルートを走行する際の有料道路の利用料金を算出する。
【0075】
配信手段9は、ルート探索手段4でタイプ別に探索されたルートを、各タイプの車両に配信する。配信されたルートに関する情報は、車両に搭載された車両側装置である取得手段によって受信される。
【0076】
次に、本発明の実施例5に係るルート探索方法について図面を参照して説明する。図15は、本発明の実施例5のルート探索方法を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS501において、受信部8が、駆動源にモータを使用するタイプの複数の車両から送信される回生電力量に関する情報を受信し、さらに、駆動源にモータを使用しないタイプの複数の車両から送信される燃料消費量に関する情報を受信するとともに、渋滞情報を受信する。具体的には、駆動源にモータを使用するタイプの車両A〜C(11〜13)に搭載された車両側装置である取得手段111、121、131が取得した回生電力量に関する情報を送信手段112、122、132を介して受信し、さらに、駆動源にモータを使用しないタイプの複数の車両(図示せず)から送信される燃料消費量に関する情報を受信し、渋滞情報は、受信部8が、道路交通情報通信システム(VICS)から受信する。また、受信部8は、ルート探索を行う車両の出発地及び目的地に関する情報も取得する。
【0077】
次に、ステップS502において、記憶手段3が、受信部8で受信された回生電力量及び燃料消費量に関する情報を地図データに対応付けて記憶する。本発明の実施例5のルート探索装置の記憶手段に記憶されるデータの構成は実施例3の場合と同様である(図10参照)。
【0078】
次に、ステップS503において、ルート探索手段4が、回生電力量、燃料消費量に基づいて車両の電力消費量が最小となるルート、燃料消費量が最小となるルートを渋滞時の燃料消費量を加味して車両のタイプ別に探索する。即ち、駆動源にモータを使用しないタイプの車両(例えば、ガソリン車)である場合であって、ルートに含まれるリンクにおいて渋滞が発生しているときは、渋滞時の燃費を含めて燃料代を算出する。一方、駆動源にモータを使用するタイプの車両(例えば、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車等)である場合は、ルートに含まれるリンクにおいて渋滞が発生していても、渋滞の有無とは無関係に電気代を算出する。これは、駆動源にモータを使用しないタイプの車両は、渋滞時において駆動源であるエンジンが停止しないのが一般的であるので、渋滞時には燃料を多く消費するからである。一方、駆動源にモータを使用するタイプの車両では、渋滞時に駆動源であるモータが停止するのが一般的であるので、渋滞時には電力をほとんど消費しないからである。
【0079】
従って、駆動源にモータを使用しないタイプの車両の車両であっても、渋滞時にエンジンが停止するタイプの車両においては、駆動源にモータを使用するタイプの車両と同様に渋滞時の燃料消費量を考慮せずにルート探索を行うことができる。一方、駆動源にモータを使用するタイプの車両の車両であっても、渋滞時にエアコン等、電力を多く消費する機器を使用して渋滞時の電力消費量が大きい場合には渋滞時の電力消費量を考慮してルート探索を行う必要がある。
【0080】
次に、ステップS504において、算出手段6が、ルート探索手段4で探索された回生電力量、燃料消費量に基くルートを走行する際の有料道路の利用料金を算出する。
【0081】
次に、ステップS505において、配信手段9が、ルート探索手段4でタイプ別に探索されたルートを、各タイプの車両に配信する。
【0082】
以上のように、本実施例においては、渋滞情報を受信し、渋滞時の燃料消費量を加味して燃料消費量が最小となるルートを探索しているので、渋滞が発生している場合であっても最適なルートを探索することができる。
【0083】
以上、本発明の説明においては、センターサーバがルート探索を行う例を示したが、プローブデータを取得可能であれば、車載のナビゲーション装置等が行うようにしてもよい。
【0084】
また、車両タイプに関する情報や、車両の位置に関する情報を車両に搭載されたナビゲーション装置等の車両側装置が送信する例を示したが、携帯端末等がこれらの情報を送信するようにしてもよい。
【0085】
また、図示したルート探索装置及び車両側装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。
【0086】
さらに、各構成要素にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU等及びCPU等においてにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、論理回路によるハードウェアとして実現されてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 センターサーバ
2 取得部
3 記憶手段
4 ルート探索部
5 地図情報記憶部
6 算出手段
7 選択手段
8 受信部
9 配信手段
11〜13 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源にモータを使用するタイプの車両から回生電力量に関する情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得した回生電力量に関する情報を地図情報に対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された回生電力量に基いてルートを探索するルート探索手段と、
前記ルート探索手段で探索された回生電力量に基くルートを走行する際の有料道路の利用料金を算出する算出手段と、
該算出された回生電力量に基くルートの有料道路の利用料金を加味してルートを選択する選択手段と、
を備えたルート探索装置。
【請求項2】
駆動源にモータを使用するタイプの複数の車両から送信される回生電力量に関する情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信された回生電力量に関する情報を地図データに対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された回生電力量に基いてルートを探索するルート探索手段と、
前記ルート探索手段で探索された回生電力量に基くルートを走行する際の有料道路の利用料金を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出された利用料金に基づいてルートを車両に配信する配信手段と、を備えたルート探索装置。
【請求項3】
前記受信部は、さらに、駆動源にモータを使用しないタイプの複数の車両から送信される燃料消費量に関する情報を受信し、
前記記憶手段は、前記受信部で受信された回生電力量及び燃料消費量に関する情報を地図データに対応付けて記憶し、
前記ルート探索手段は、前記記憶手段に記憶された回生電力量、燃料消費量に基いて、車両の電力消費量が最小となるルート、燃料消費量が最小となるルートを車両のタイプ別に探索し、
前記配信手段は、前記ルート探索手段でタイプ別に探索されたルートを、各タイプの車両に配信する請求項2に記載のルート探索装置。
【請求項4】
駆動源にモータを使用するタイプの車両から回生電力量に関する情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得した回生電力量に関する情報を地図情報に対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された回生電力量に基いてルートを探索するルート探索手段と、
前記記憶手段に記憶された地図情報に基いて、出発地と目的地とを結ぶ複数のルートのうち、最短の時間で到達するルートを探索する最速ルート探索手段と、
前記回生電力量に基くルートを走行する場合に要する時間と、前記最速ルートを走行する場合に要する時間との差が、所定の範囲内であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により所定の範囲内であると判断した場合に、回生電力量に基くルートを案内する案内手段と、
を有する、ルート探索装置。
【請求項5】
前記受信部は、さらに渋滞情報を受信し、
前記探索手段は、渋滞時の燃料消費量を加味して燃料消費量が最小となるルートを探索する請求項3記載のルート探索装置。
【請求項6】
駆動源にモータを使用するタイプの車両タイプ情報と、回生電力量に関する情報とを取得する取得手段と、
該取得手段で取得した車両タイプ情報と回生電力量に関する情報を送信する送信手段と、を備えた車両側装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−98061(P2012−98061A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243706(P2010−243706)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】