説明

レジストの塗布方法とそれに用いる塗布装置

【課題】外周部にエッジビートを形成することなく、略円形の基板表面に均一な厚みのレジスト膜を形成するレジストの塗布方法とそれに用いる塗布装置を提供する。
【解決手段】水平に吸着保持した基板1を回転させて、前記基板1の略中央から外周部へその直径に沿ってノズル13を移動させるとともに、このノズル13からレジストを吐出させて前記基板1の表面に渦巻状の軌跡でレジストを塗布する塗布方法であって、前記渦巻状の軌跡に沿って予め基板1表面の凹凸を測定した後、この測定結果を基に前記基板1とノズル13の間隔を一定に保ちながらレジストを塗布する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に円形のレジスト膜を形成する塗布方法とそれに用いる塗布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シリコンウエハなどの略円形の基板にレジスト膜を形成する方法としては、スピンコータを用いた塗布方法がある。このスピンコータは、基板の略中央部に大量に塗布したレジストを、基板を吸着保持して高速に回転させることで、遠心力により基板表面の略全面に一定厚みのレジスト膜を形成するものである。
【0003】
なお、この従来例としては、下記特許文献1がある。
【特許文献1】特開平9−319094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来方法は、基板回転時の遠心力を利用してレジストを表面全面に拡げながら、余分なレジストは基板外へ飛ばして除去する。そのため、基板の回転数が一定の場合、基板の中心から外周部に向かうに連れて遠心力は大きくなるので、形成されるレジスト膜の厚みは、外周部に向かって薄くなりやすいという課題があった。さらに、基板の最外周部では、飛ばされなかったレジストが表面張力により盛り上がるいわゆるエッジビートが発生することで、露光の精度を低下させるという課題があった。
【0005】
そこで本発明は、エッジビートを防止して均一な厚みのレジスト膜を形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、略水平に吸着保持した基板を回転させて、前記基板の略中央から外周部へ直径に沿ってノズルを移動させるとともに、このノズルからレジストを吐出させることで、前記基板の表面に渦巻状の軌跡でレジストを塗布する塗布方法であって、前記渦巻状の軌跡に沿って予め基板表面の凹凸を測定した後、この測定結果を基に前記基板とノズルとの間隔を一定に保ちながらレジストを塗布するので、基板の略中央から最外周部まで均一な厚みのレジスト膜を形成できる作用を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るレジストの塗布方法とそれに用いる塗布装置によれば、レジストを吐出するためのノズルと併設した測定手段を、回転させた基板の直径に略沿って移動させることで、レジストを吐出する渦巻状の軌跡に沿って基板の凹凸を予め測定しておき、この測定結果を基に、ノズルと基板表面との間隔を一定に保ちながら、さらに、渦巻状の軌跡の単位長さに対して吐出量が一定となるようにレジストを塗布するので、ノズル位置により基板の周速が変化しても、レジストの膜厚を均一にすることができる作用効果を奏する。さらに、基板の最外周部を検出しておき、この最外周部のみノズルと基板の間隔を小さくするとともに、レジストの吐出量を少なくして塗布を終了することで、基板の外周部におけるエッジビートを防止することができる作用効果も同時に奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(実施の形態1)
以下、図を用いて本発明の一実施の形態を説明する。
【0009】
図1(a)は、本実施の形態における基板の一例を説明する斜視図である。基板1としては、シリコンやガラス、樹脂などからなる略円形の薄板とした。
【0010】
図1(b)は基板1の上面図であり、2は素子形成領域であり、配線や電極、各種センサや半導体素子などの機能素子を、所定の形状とピッチで配置した領域である。本実施の形態では、基板1の略中心部3と、最外周部4とには、素子形成領域2を設けない構成とし、さらにこの最外周部4に素子形成領域2にかからないように切欠きからなる認識部5を設けた。後述するが、この認識部5で、基板1を回転始動させる始点を規定するものである。尚、認識部5の他の一例としては、貫通孔や丸や十字などの記号を最外周部4に形成しても良い。
【0011】
次に、本実施の形態におけるレジストの塗布装置の一例を説明する。
【0012】
図2は、本実施の形態におけるレジストの塗布装置の上面図である。基台6の中央部に基板1を吸着保持して一定の回転数で回転させる吸着回転手段7を配置し、また、角部には、基板1を複数枚収納する基板カセット8を配置している。吸着回転手段7の天面には、吸着用孔9が略中心から外周部に向けて放射状に複数形成されており、この吸着孔9により、基板1の裏面を真空吸着して保持する。基板カセット8内に収納された基板1は、脱着アーム10で取り出された後、吸着回転手段7上に搬送され、レジストの塗布が終了後に、脱着アーム10で取り出して、基板カセット8内に再度収納する。尚、基板カセット8は取り外しが可能であり、レジスト塗布が終了次第、取り外して次の工程へ搬送される。
【0013】
また、基台6の天面には、吸着回転手段7を挟んで平行に一対の位置調整用レール11を設け、その上に吸着回転手段7を跨ぐように、水平移動手段12が配置されている。水平移動手段12には、レジストを吐出するノズル13と、基板1の凹凸を測定するための測定手段14とを保持して上下動可能な昇降手段15が、水平方向(x方向)に移動可能に支持されている。尚、ノズル13と測定手段14とは、昇降手段15に対して同一線上に並列して保持されており、ノズル13および測定手段14とが、吸着回転手段7の略回転中心を通るように、水平移動手段12を位置調整用レール11上で移動させて位置調整をする。こうすることで、ノズル13と測定手段14は、水平移動手段12により吸着回転手段7の略直径に沿って、同一線上を移動することが可能となる。
【0014】
次に、図3を用いて本装置の主要部の詳細を説明する。
【0015】
図3は、図2におけるA−AA断面図を示している。吸着回転手段7は、軸16の一端に固定されており、この軸16を、基台6の貫通部に玉軸受け、静圧軸受けなどからなる軸受け部17を介して回動可能に支持している。また、軸16の他端は、ジョイント18を介して真空ポンプに接続してあり、吸着回転手段7を貫通した吸着孔9は、真空ポンプに接続されることで基板1を吸着保持する。さらに、軸16の他端は、ギアまたはタイミングベルトなどからなる連結器19でモータM1と連結されており、このモータM1を駆動することで、軸16を介して吸着回転手段7を一定の回転数で回転させる。
【0016】
水平移動手段12、並びに昇降手段15は、モータM2、M3と、バックラッシュの小さいボールネジ20、21と、固定板22、23とからなり、モータM2、M3を駆動することにより、ボールネジ20、21を介して固定板22、23と、これらに保持されているノズル13および測定手段14とを、それぞれ水平方向(x方向)および垂直方向(z方向)に移動させるものである。このようにして、ノズル13を水平方向に移動させながらレジストを吐出させることで、基板1の表面に、一定の幅を有する渦巻状の軌跡でレジストを塗布する。
【0017】
次に、上記構成のレジストの塗布装置を用いたレジストの塗布方法を説明する。
【0018】
まず初めに、基板カセット8により複数枚投入された基板1を、脱着アーム10を用いて取り出し、吸着回転手段7上に搬送して位置決めを行った後、真空ポンプを作動させることで、吸着孔9を介して基板1を吸着保持する。このとき、ノズル13および測定手段14は、脱着アーム10の動作に干渉しない位置に退避しておく。また、ノズル13および測定手段14は、基板1の略中心を通るように、予め水平移動手段12の位置を調整しておき、レジストの塗布時または、後述する基板1表面の凹凸測定時に、ノズル13および測定手段14とを、基板1の直径に沿って移動させるものである。尚、図1で説明したように、本実施の形態では、基板1の略中心部3は、素子などを形成しない領域とした。そのため、上記の水平移動手段12の位置調整は、この略中心部3から外れない程度とすることで、位置調整の時間を短縮することができる。
【0019】
次に、回避させていた測定手段14を、基板1の略中心へ移動させて、一定の高さに調整した後、モータM1を駆動させて、吸着回転手段7上の基板1を一定の回転数で回転させる。そして、この回転数が安定したのを確認した後、測定手段14を基板1の略中心から外周部へ向けて、水平移動手段12により一定の速度で移動させながら、基板1表面の凹凸を測定する。尚、測定手段14で測定する凹凸のデータは、基板1自体の局所的な凹凸やうねり、吸着回転手段7の回転振れも含むものである。測定手段14を水平移動させる開始タイミングは、基板1の最外周部4に設けた切欠きや貫通孔、文字や図形パターンなどからなる認識部5を、カメラ等の認識手段で認識することで決定する。測定手段14は、基板1の表面に有する一定の領域の凹凸を測定しながら、基板1の直径に沿って移動するので、この測定軌跡は、基板1の略中心(移動開始点)を始点とした渦巻状の軌跡を描くことになる。尚、測定手段14としては、レーザ変位計などを使用して非接触状態で測定を行い、A−D変換して、水平移動手段12の位置座標データとともに測定データを制御機器(図示せず)内のメモリなどに記録、保存する。そして、これらのデータから、ノズル13と基板1との間隔を補正する補正データを作成する。
【0020】
次に、ノズル13を、測定手段14と同様に、基板1の略中心に移動させて一定の高さに調整した後、基板1を回転させて、外周部に向けて水平移動させながらレジストを吐出させることで塗布を開始する。ノズル13から吐出されたレジストは、基板1の略中心を起点として、外周部に向かって一定の幅を有する渦巻状の軌跡を描いて塗布される。この塗布直後の幅は、レジストの粘度やチクソ性が同等の場合、基板1とノズル13との間隔で決定する。したがって、レジストの吐出時は、上述した補正データを基に、昇降手段15を駆動させてノズル13の高さを補正し、常に基板1とノズル13とが一定の間隔を保つようにすることで、一定の幅のレジストを塗布するようにする。
【0021】
また、ノズル13を水平移動させるタイミングは、基板1の最外周部4に設けた切欠きや貫通孔、文字や図形パターンなどからなる認識部5をカメラ等で認識することで決定するのであるが、必ず凹凸測定時における測定手段14の移動開始タイミングと合致させる。こうすることで、凹凸測定における測定手段14の測定軌跡(渦巻状の軌跡)と、ノズル13で塗布されたレジストが描く渦巻状の軌跡とを合致させることができる。
【0022】
基板1の回転数は、使用するレジストの粘度やチクソ性、基板1の外形サイズなどを考慮して適宜設定する。本実施の形態では、20ミクロン以上の厚みの均一なレジスト膜を形成するため、粘度が1000mPa・s以上の高粘度タイプのレジストを選択し、基板外周部での遠心力によるレジストの広がりを小さくするため、基板1の回転数は概ね50rpm以下と設定した。
【0023】
また、ノズル13の移動速度は、基板1の回転速度と塗布されたレジストの幅を考慮して決定する。すなわち、基板1が一回転する間にノズル13を、塗布されたレジストの幅分だけ移動するようにすることで、隣り合うレジストの軌跡が重畳されることが無いようにする。
【0024】
さらに、ノズル13から吐出するレジストの吐出量は、渦巻状の軌跡の単位長さに対して常に一定量となるように制御する。本実施の形態では、基板1の回転数は常に一定にしてレジストを塗布するため、ノズル13直下における基板1の回転速度は、外周部に移動する移動量に比例して速くなる。そのため、横軸をノズル13の移動量、縦軸をレジストの吐出量としたとき、図4に示すように、少なくとも素子形成領域2(図1)では、移動量に比例して吐出量を増加させてレジストを塗布する。このようにすることで、塗布されたレジストの隣り合う軌跡は、互いに重畳することはなく、さらにこれら軌跡同士の界面部で生じる凹みは、レジストが広がることで解消され、その結果、基板1の表面すなわち素子形成領域2上に、均一な厚みのレジスト膜が形成される。
【0025】
最後に、ノズル13を基板1の最外周部4(図1)で水平移動を停止させるとともに、レジストの吐出も停止させて塗布を終了する。この最外周部4では、ノズル13は水平移動を停止させるので、渦巻状の軌跡ではなく、円の軌跡を描き、始点と終点とが重畳しないように、基板1を略一回転させた後に停止させる。また、最外周部4では、基板1とノズル13との間隔を、少なくとも素子形成領域2よりも狭くするとともに、レジストの吐出量も図4に示すように少なくする。こうすることで、基板1の最外周部4に塗布されたレジストの厚みのみを、他の素子形成領域2よりも薄くすることができるので、レジストの盛り上がり(エッジビート)が発生した場合であっても、その盛り上がりの高さを、素子形成領域2に塗布されたレジストよりも低くすることができる。そして、コンタクト露光を行う際に、マスクとレジストとを確実に密着させることができるので、露光の精度を高くすることができる。尚、この最外周部4におけるレジストの吐出量は、素子形成領域2での吐出量に対して概ね30%以下とすることで、エッジビートの無い良好な塗布面が得られた。また、最外周部4の認識は、予め基板1の素子形成領域2を制御機器に入力しておき、水平移動手段12の位置データと比較して認識するものである。
【0026】
(実施の形態2)
以下、図を用いて本発明の別の一実施の形態を説明する。尚、実施の形態1と同じ箇所に関しては説明を簡略化して、主に相違点のみを説明する。
【0027】
図5は、図2における別のA−AA断面図を示している。実施の形態1との相違点は、吸着回転手段7の外周部または、ノズル13の少なくともいずれか一方に加熱手段24、25を設けたことである。加熱手段24、25は、シーズヒータやカーボンヒータ、セラミックヒータなどからなり、吸着回転手段7に設ける場合は、その外周部のみに一定の幅で環状に設ける。ノズル13に設ける場合は、ノズル13内やその背面、またはノズル13の周囲を覆うように設ける。いずれに設ける場合であっても、基板1上に塗布されたレジストを加熱して昇温するために用いるものである。
【0028】
本発明の塗布装置は、ノズル13を基板1の直径に沿って、その略中心から外周部へ向けて水平に移動させるとともに、レジストを吐出させることで、渦巻状に塗布する。そのため、基板1上に塗布されたレジストには遠心力が作用して、外周部になるほどその遠心力は大きくなり、略中央部のレジストは外周部に引っ張られて薄くなる。また、ノズル13が終点位置に到達すると同時に、吸着回転手段7を停止させた場合、外周部に塗布されたレジストは、遠心力で充分に広がらず、図6に示すように、基板1の略中央部で薄く、外周部で逆に厚くなる。
【0029】
上記の厚みばらつきに対して、本実施の形態では、以下に説明する二つの方法を用いて均一化した。まず初めに基板1の略中央部のみ、ノズル13から吐出させる単位時間あたりの吐出量を多くしてレジストを塗布する。尚、略中央部とは、基板1の中心から、その半径の10%程度の領域である。また、レジストの吐出量は、略中央部以外の吐出量に対して概ね10〜20%程度多くする。
【0030】
次に、基板1の外周部において吐出させる、または塗布された後のレジストを加熱することである。レジストの粘度は、その温度が高くなるほど小さくなりチクソ性も改善される傾向にある。そのため、特に基板1の外周部において吐出されるレジストを、吐出時であれば加熱手段25でノズル13を加熱することで、また、塗布後であれば、加熱手段24で基板1上のレジストを加熱することで、レジストの流動性を高めて外周部における厚みの均一性を高める。このように、レジストを加熱してその流動性を高めることにより、基板1の外周部におけるレジストを最小限の回転による遠心力で拡げることにより、その厚みを略中心部と等しく、均一化するものである。
【0031】
尚、レジストの加熱温度としては、プリベーク温度以下で、かつ基板1の略中央部における温度に対して20〜30℃程度高くすれば良い。基板1の略中央部で、室温でレジストを塗布した場合、外周部では概ね40〜50℃程度とする。また、レジストの温度を高めて塗布する基板1の外周部としては、その半径の概ね10〜20%の領域とする。
【0032】
上記の塗布方法を、8インチのシリコン基板に適用して、最外周の10mmの領域に、レジストの温度を高めて塗布することにより、基板1におけるレジストの塗布厚みばらつきを、目標厚みの5%以内と均一化することができた。
【0033】
上述した塗布方法を用いることにより、吸着回転手段7を余計に回転させることなく、最小限の回転でレジストの厚みを均一化して塗布することができ、生産性を高めることができる。
【0034】
尚、上述したレジストの塗布方法とそれに用いる塗布装置は、本実施の形態に限定されるものではなく、単層または多層のレジストを形成して、露光および現像を複数回繰り返す、また、構造体を形成するため、高粘度のレジストを用いて20ミクロン以上のレジスト膜を形成するMEMSプロセスを用いた電子部品の製造方法とそれに用いる製造装置にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係るレジストの塗布方法とそれに用いる塗布装置によれば、レジストを吐出するためのノズルと併設した測定手段を、回転させた基板の直径に略沿って移動させることで、レジストを吐出する渦巻状の軌跡に沿って基板の凹凸を予め測定しておき、この測定結果を基に、ノズルと基板表面との間隔を一定に保ちながら、さらに、渦巻状の軌跡の単位長さに対して吐出量が一定となるようにレジストを塗布するので、ノズル位置により基板の周速が変化しても、レジストの膜厚を均一にすることができる作用効果を奏する。さらに、基板の最外周部を検出しておき、この最外周部のみノズルと基板の間隔を小さくするとともに、レジストの吐出量を少なくして塗布を終了することで、基板の外周部におけるエッジビートを防止することができる作用効果も同時に奏するので、基板上に円形のレジスト膜を形成する塗布方法とそれに用いる塗布装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】(a)本発明の一実施の形態におけるレジストを塗布する基板の一例を示す斜視図、(b)同基板の上面図
【図2】本発明の一実施の形態を説明する塗布装置の上面図
【図3】同図の要部を説明する図2のA−AA断面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるノズルから吐出するレジストの吐出量を説明する図
【図5】本発明の別の実施の形態を説明する塗布装置の要部断面図
【図6】本実施の形態におけるレジストの塗布厚みを説明する図
【符号の説明】
【0037】
1 基板
5 認識部
7 吸着回転手段
12 水平移動手段
13 ノズル
14 測定手段
15 昇降手段
24 加熱手段
25 加熱手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略水平に吸着保持した基板を回転させて、前記基板の略中央から外周部へ直径に沿ってノズルを移動させるとともに、このノズルからレジストを吐出させることで、前記基板の表面に渦巻状の軌跡でレジストを塗布する塗布方法であって、前記渦巻状の軌跡に沿って予め基板表面の凹凸を測定した後、この測定結果を基に前記基板とノズルの間隔を一定に保ちながらレジストを塗布するレジストの塗布方法。
【請求項2】
基板の外周部に認識部を設け、この認識部を用いてレジストを塗布する渦巻状の軌跡と、凹凸測定の軌跡とを合致させる請求項1に記載のレジストの塗布方法。
【請求項3】
レジストの吐出量は、渦巻状の軌跡の単位長さに対して常に一定量となるように吐出させる請求項2に記載のレジストの塗布方法。
【請求項4】
基板の最外周部のみ、ノズルと前記基板との間隔を小さくするとともに、レジストの吐出量を少なくして塗布を終了する請求項3に記載のレジストの塗布方法。
【請求項5】
基板の略中央の一定領域のみ、レジストの吐出量を多くして塗布する請求項4に記載のレジストの塗布方法。
【請求項6】
最外周部で吐出されるレジストの温度を、少なくとも略中央部で吐出される温度より高くして塗布する請求項5に記載のレジストの塗布方法。
【請求項7】
基板を略水平に吸着保持して回転させる吸着回転手段と、前記吸着回転手段の上方に配置されたレジストを吐出するノズルおよび前記基板表面の凹凸を測定する測定手段と、これらのノズルおよび測定手段を支持して上下動させる昇降手段と、前記昇降手段を支持して前記吸着回転手段の直径に沿って水平に移動させる水平移動手段とを備えたレジストの塗布装置であって、前記基板を回転させて、前記測定手段を基板の直径方向に沿って移動させながら予め表面の凹凸を測定した後、この測定結果を基に前記基板とノズルの間隔が常に一定となるように補正しながらレジストを吐出させるレジストの塗布装置。
【請求項8】
基板の認識部を認識することで、ノズルと測定手段との動作開始タイミングを合致させる認識手段をさらに設けた請求項7に記載のレジストの塗布装置。
【請求項9】
水平移動手段の位置データより基板の周速を算出し、この周速に比例させてレジストの吐出量を増加させることで、この吐出量を渦巻状の軌跡の単位長さに対して常に一定量となるように吐出させる請求項8に記載のレジストの塗布装置。
【請求項10】
水平移動手段の位置データより基板の最外周部を算出し、この最外周部のみ、ノズルと前記基板との間隔を小さくするとともに、レジストの吐出量を減少させて塗布を終了する請求項9に記載のレジストの塗布装置。
【請求項11】
略中央の一定領域のみ、レジストの吐出量を増加させて塗布する請求項9に記載のレジストの塗布装置。
【請求項12】
ノズルは、レジストを加熱するための加熱手段を備え、外周部でのレジストの温度を略中央よりも高くして塗布する請求項11に記載のレジストの塗布装置。
【請求項13】
吸着回転手段は、その外周部に加熱手段を備え、この加熱手段で吸着した基板の外周部を加熱しながらレジストを塗布する請求項11に記載のレジストの塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−155194(P2008−155194A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−150203(P2007−150203)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】