説明

レンズ交換式カメラ

【課題】 製品の美観を損ねることなく、且つ製品の小型化に寄与することができるレンズ交換式カメラを提供する。
【解決手段】 デジタルカメラ2は、レンズユニット11がマウント30を介してカメラ本体2aの前面に着脱自在とされたレンズ交換式カメラであり、レンズユニット11がカメラ本体2aから離脱された状態のときに、カメラ本体2a内に収納される収納位置と、レンズユニットをカメラ本体2aに装着するときに、カメラ本体2aから外部に露呈される露呈位置との間で、マウント30を移動させるマウント移動機構36を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像レンズと撮像素子とを有するレンズユニットが、マウントを介して本体に着脱自在とされたレンズ交換式カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
CCDなどの固体撮像素子で撮像した被写体像をデジタルの画像データに変換し、内蔵メモリやメモリカードなどの記憶媒体に記憶するデジタルカメラが普及している。このようなデジタルカメラには、撮像レンズと撮像素子とを有するレンズユニットが、マウントを介してカメラ本体に着脱自在とされた、いわゆるレンズ交換式カメラがある。
【0003】
上記のようなレンズ交換式カメラには、レンズユニットの装着、非装着に関わらず、カメラ本体内を的確に保護するために、レンズユニット挿入部の前面を覆うバリアを備え、レンズユニットの装着、非装着に伴ってバリアを開閉するものが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、レンズの装着時にバックフォーカス調整を必要とせず、業務用に供されるような所定の制御機能を有するレンズユニットの交換が手軽に行えるように、撮像レンズと、光学的ローパスフィルタと、バックフォーカス調整が行われた撮像素子と、合焦および露出に関する制御を行うための制御手段とを備えたレンズユニットを用いたものが提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
さらに、レンズユニットとカメラとの継続的な互換性を確保し、容易にカメラのシステムの拡張を行うために、レンズユニットのオスコネクタが将来増設された場合に備えて、増設されたオスコネクタを収納可能な空間をカメラ本体に予め設けたものが提案されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平8−171130号公報
【特許文献2】特開2000−106640号公報
【特許文献3】特開2003−215689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、レンズ交換式カメラのマウントには、従来、ネジ式やバヨネット式が採用されていた。また、特許文献1に記載のレンズ交換式カメラのように、カム溝とカムピンを採用したものや、特許文献2および3に記載のレンズ交換式カメラのように、カメラ本体側のコントローラと電気信号の遣り取りをするための信号端子をコネクタ化したものもある。
【0007】
しかしながら、ネジ式やバヨネット式を採用した従来のマウントでは、レンズユニットが本体から離脱された状態でマウントが外部に露呈されるので、製品の美観を損ねるという問題があった。ここで、特許文献1および2に記載のレンズ交換式カメラでは、レンズユニットが本体から離脱された状態でカム溝やコネクタが外部に露呈されることはないが、レンズユニットを嵌め込むための大きなスペースをカメラ本体側で確保する必要があり、近年の製品の小型化の趨勢に反するものであった。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、製品の美観を損ねることなく、且つ製品の小型化に寄与することができるレンズ交換式カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、撮像レンズと、撮像レンズを透過した被写体像を撮像する撮像素子とを有するレンズユニットが、マウントを介してカメラ本体に着脱自在とされたレンズ交換式カメラにおいて、前記レンズユニットが前記カメラ本体から離脱された状態のときに、前記カメラ本体内に収納される収納位置と、前記レンズユニットを前記カメラ本体に装着するときに、前記カメラ本体から外部に露呈される露呈位置との間で、前記マウントを移動させるマウント移動機構を備えたことを特徴とする。
【0010】
なお、前記マウント移動機構の動作と連動して、前記マウントが前記収納位置に移動されたときには、前記マウントを覆うように閉じ、前記マウントが前記露呈位置に移動されたときには、前記マウントを露呈させるように開く扉を設けることが好ましい。
【0011】
また、前記マウントに配された前記レンズユニットと電気的に接続するための端子を、前記レンズユニットと前記カメラ本体との嵌合力を増す方向に付勢する付勢部材を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のレンズ交換式カメラによれば、レンズユニットがカメラ本体から離脱された状態のときに、カメラ本体内に収納される収納位置と、レンズユニットをカメラ本体に装着するときに、カメラ本体から外部に露呈される露呈位置との間で、マウントを移動させるマウント移動機構を備えたので、製品の美観を損ねることなく、且つ製品の小型化に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1において、本発明を適用したデジタルカメラ2は、撮像レンズ10を有するレンズユニット11が、マウント30(図4参照、詳しくは後述)を介してカメラ本体2aの前面に着脱自在とされた、いわゆるレンズ交換式カメラである。
【0014】
カメラ本体2aの前面中央には、マウント30を収納するマウント収納部12(図3および図4参照、詳しくは後述)が組み込まれており、その周囲には、ファインダ対物窓13、ストロボ発光窓14、およびマウント操作スイッチ15が配されている。カメラ本体2aの上面には、レリーズボタン16、および電源スイッチ17が設けられており、側面には、メモリカード60(図7参照)が着脱自在に装填されるメモリカードスロットを覆う蓋18が設けられている。
【0015】
レリーズボタン16は、2段階押しのスイッチとなっている。被写体のフレーミングの後に、レリーズボタン16を軽く押圧(半押し)すると、自動露出調整(AE)、自動焦点調整(AF)などの各種撮影準備処理が施される。この状態でレリーズボタン16をもう1度強く押圧(全押し)すると、撮影準備処理が施された1画面分の撮像信号が画像データに変換された後、後述する画像処理および圧縮処理が施され、メモリカード60に記憶される。
【0016】
図2において、デジタルカメラ2の背面には、ファインダ接眼窓19、液晶表示器(LCD)20、および操作部21が設けられている。LCD20は、撮影した画像やいわゆるスルー画像、各種メニュー画面を表示する。操作部21は、モード切替えスイッチ22、撮像レンズ10のズームレンズをワイド側、テレ側に変倍するズーム操作ボタン23、および、LCD20にメニュー画面を表示させる際や、選択内容を決定する際に操作されるメニューボタン24などから構成される。
【0017】
デジタルカメラ2では、静止画撮影を行う静止画撮影モード、動画撮影を行う動画撮影モード、撮影した画像をLCD20に表示する再生モード、および各種設定を行う設定モードが選択可能となっている。これらのモードの切り替えは、モード切替えスイッチ22をスライド操作させることで行われる。なお、動画撮影モードでは、動画の撮影とともに、図示しないマイクロホンを介して周囲の音声が収録される。
【0018】
図3および図4において、マウント収納部12には、マウント30が収納されている。マウント30の前板30aには、略U字状の溝31が形成されている。また、マウント30の前板30a、底板30b、側板30c、および仕切り板30dで囲まれた空間は、メス型の嵌合部32となっている。これらの溝31、および嵌合部32には、レンズユニット11のオス型の嵌合部40の基幹41、および平板42(ともに図6参照)がそれぞれ嵌め込まれる。
【0019】
両側板30cには、ラック33が形成されている。このラック33は、マウント30内部に設けられたピニオンギヤ34と噛合している。ピニオンギヤ34には、モータ35が接続されている。モータ35の駆動によりピニオンギヤ34が回転されると、ラック33を介してマウント30が図4の矢印方向に移動される。これにより、マウント30は、レンズユニット11がカメラ本体2aから離脱された状態のときには、図3に示す収納位置に移動され、レンズユニット11をカメラ本体2aに装着するときには、図4に示す露呈位置に移動される。なお、ラック33、ピニオンギヤ34、およびモータ35は、マウント移動機構36を構成している。
【0020】
仕切り板30dには、レンズユニット11と電気的に接続するための複数の端子37が配されている。端子37には、シリアルドライバ67(図7参照)を介してレンズユニット11と信号を遣り取りする信号端子や、電力供給部68(図7参照)の電力をレンズユニット11に供給するための電源端子が用意されている。
【0021】
図5に示すように、端子37は、仕切り板30dを貫通しており、仕切り板30dで隔てられたマウント30の内部に配置された、略コ字状に屈曲した板バネ38により、マウント30の前面30aの方向に付勢されている。
【0022】
図3および図4に戻って、マウント収納部12の前面には、上扉39aおよび下扉39bが取り付けられている。これら上扉39aおよび下扉39bは、モータ35の駆動に伴うピニオンギヤ34の回転と連動して、マウント30が図3の収納位置に移動されたときには、マウント12を覆うように閉じ、マウント30が図4の露呈位置に移動されたときには、マウント30を露呈させるように開くような構成となっている。
【0023】
図6において、レンズユニット11の背面には、略T字状のオス型の嵌合部40が設けられている。嵌合部40は、マウント30の溝31と嵌合する基幹41と、この基幹41に一体的に連結され、マウント30の嵌合部32と嵌合する平板42とからなる。平板42には、マウント30の仕切り板30dに配された端子37と対向する位置に、デジタルカメラ2と電気的に接続するための複数の端子43が配されている。
【0024】
デジタルカメラ2の電気的構成を示す図7において、CPU50は、バス51を介してデジタルカメラ2の各部を統括的に制御する。システムメモリ52は、撮影シーケンスを行うための各種プログラムが記憶されるROMや、プログラムの実行に必要な各種データが一時記憶されるRAMから構成される。不揮発性メモリ53は、EEPROMなどの書き換え可能な記憶媒体からなり、デジタルカメラ2を動作させるために必要な各種データが記録される。CPU50は、システムメモリ52のROMや不揮発性メモリ53に記憶されたプログラムやデータを作業用メモリであるRAMに読み出し、これらに基づいてデジタルカメラ2各部の制御を行う。
【0025】
USBコネクタ54には、USBケーブルが接続され、USBドライバ55を介して、パーソナルコンピュータなどの外部機器との間でデータの送受信を行う。I/Oポート56には、前述のレリーズボタン16を含む操作部21が接続され、操作部21を介して入力された信号をCPU50に送信する。CPU50は、I/Oポート56から送信された信号に応じて、デジタルカメラ2の各部を動作させる。
【0026】
信号処理回路57は、後述するシリアルドライバ67を介してレンズユニット11から送信されるデジタルの画像データに対して、輪郭強調、ガンマ補正、ホワイトバランス調整などの各種信号処理を施す。画像圧縮・伸張回路58は、信号処理回路57で各種信号処理が施された画像データに所定の圧縮形式(例えばJPEG形式)で圧縮処理を施す。圧縮処理後の画像データは、カードI/F59を経由してメモリカード60に記録される。
【0027】
フレームメモリ61には、信号処理回路57で各種信号処理が施された1フレーム分の画像データが書き込まれる。LCDドライバ62は、フレームメモリ61に書き込まれた画像データをNTSC方式に変換し、LCD20に表示させる。
【0028】
ストロボ装置63は、ストロボ制御回路64により動作制御され、ストロボ発光窓14から被写体に向けてストロボ光を発する。タイマ65は、セルフ撮影時の撮影の遅延時間などを計時する。カレンダー・時計回路66は、撮影日時の管理や、デジタルカメラ2を動作させる際に必要なシステムクロックを発生させる。
【0029】
シリアルドライバ67は、端子37によるレンズユニット11とのデータの授受を媒介する。電力供給部68は、バッテリーや電池からの電力をデジタルカメラ2の各部に供給するとともに、端子37を介して、レンズユニット11に電力を供給する。
【0030】
レンズユニット11の電気的構成を示す図8において、CPU70は、バス71を介してレンズユニット11の各部を統括的に制御する。システムメモリ72は、各種プログラムが記憶されるROMや、プログラムの実行に必要な各種データが一時記憶されるRAMから構成される。不揮発性メモリ73は、EEPROMなどの書き換え可能な記憶媒体からなり、レンズユニット11を動作させるために必要な各種データが記録される。CPU70は、システムメモリ72のROMや不揮発性メモリ73に記憶されたプログラムやデータを作業用メモリであるRAMに読み出し、これらに基づいてレンズユニット11各部の制御を行う。
【0031】
撮像レンズ10、および絞り74には、レンズモータ75、およびアイリスモータ76が接続されている。これらのモータ75、76はステッピングモータからなり、CPU70に接続されたモータドライバ77、78から送信される駆動パルスにより動作制御され、レリーズボタン16の半押しに伴う撮影準備処理を行う。
【0032】
レンズモータ75は、ズーム操作ボタン23の操作に連動して、撮像レンズ10のズームレンズをワイド側、あるいはテレ側に移動させる。また、被写体距離やズームレンズの変倍に応じて撮像レンズ10のフォーカスレンズを移動させ、撮影条件が最適となるように焦点調整を行う。アイリスモータ76は、絞り74を動作させ、露出調整を行う。
【0033】
撮像レンズ10の背後には、撮像レンズ10を透過した被写体像が撮像されるCCD79が配置されている。CCD79には、CPU70によって制御されるタイミングジェネレータ(TG)80が接続され、このTG80から入力されるタイミング信号(クロックパルス)により、電子シャッタのシャッタ速度が決定される。
【0034】
CCD79から出力された撮像信号は、信号処理回路81に入力される。信号処理回路81は、CCD79から出力された撮像信号を、CCD79の各セルの蓄積電荷量に正確に対応したR、G、Bの画像データとして出力し、所定の増幅率で増幅する。A/D変換器(A/D)82は、信号処理回路81で増幅されたアナログの画像データを、デジタルの画像データに変換する。
【0035】
AE/AF検出回路83は、A/D82から出力されたデジタルの画像データを参照して、露出量、すなわち電子シャッタのシャッタ速度、および絞り74の絞り値が撮影に適切か否かを検出するとともに、撮像レンズ10の焦点調整が撮影に適切か否かを検出する。このAE/AF検出回路83は、レリーズボタン16の半押し時に、バス71を介してCPU70に検出結果を逐次送信する。CPU70は、AE/AF検出回路83から送信される検出結果に基づいて、撮像レンズ10、絞り74、およびCCD79の動作を制御する。
【0036】
シリアルドライバ84は、A/D82から出力されたデジタルの画像データをデジタルカメラ2の信号処理回路57に送信するなど、端子43によるデジタルカメラ2とのデータの授受を媒介する。電力供給部85は、端子43を介してデジタルカメラ2の電力供給部68から供給された電力を、レンズユニット11の各部に供給する。
【0037】
次に、上記構成を有するデジタルカメラ2の動作について説明する。まず、レンズユニット11をデジタルカメラ2に装着する際には、マウント操作スイッチ15をオンする。マウント操作スイッチ15がオンされると、マウント収納部12のモータ35が駆動されてピニオンギヤ34が回転され、マウント30が収納位置から露呈位置に移動される。このとき、ピニオンギヤ34の回転と連動して、上扉39aおよび下扉39bがマウント30を露呈させるように開かれる。
【0038】
次いで、レンズユニット11の嵌合部40の基幹41をマウント30の溝31に、平板42を嵌合部32に嵌め込み、マウント30を介してレンズユニット11をカメラ本体2aに装着する。これにより、マウント30、レンズユニット11の各々の端子37、43が電気的に接続される。また、板バネ38で付勢された端子37により、マウント30とレンズユニット11との嵌合が強固になされる。
【0039】
レンズユニット11をカメラ本体2aに装着した後、デジタルカメラ2で被写体の撮影を行う際には、モード切替えスイッチ22を操作して静止画撮影モード、あるいは動画撮影モードを選択する。
【0040】
撮影モード下において、レンズユニット11の撮像レンズ10、絞り74を介して入射した被写体光は、CCD79により光電変換され、信号処理回路81でサンプリング、増幅され、A/D82でデジタルの画像データに変換される。
【0041】
デジタル変換された画像データは、AE/AF検出回路83に送信される。また、シリアルドライバ84により、デジタルカメラ2の信号処理回路57に送信される。AE/AF検出回路83では、レリーズボタン16の半押しに伴って、画像データが参照されて露出量、焦点が検出され、この検出結果に基づいて撮影準備処理が施される。
【0042】
シリアルドライバ67によりレンズユニット11から送信された画像データは、シリアルドライバ67により信号処理回路57に送信される。そして、信号処理回路57で各種信号処理が施された後、フレームメモリ61に格納され、LCDドライバ62を介してLCD20にスルー画像として表示される。また、レリーズボタン16の全押しにより撮影が実行されると、静止画撮影モード下では、そのときフレームメモリ61に格納されている画像データが画像圧縮・伸長回路58で圧縮処理され、カードI/F59を経由してメモリカード60に記録される。
【0043】
一方、動画撮影モード下では、レリーズボタン16が再度全押しされるまで、一定のフレームレート(例えば30フレーム/秒)で画像データが記録される。また、これと同時にマイクロホンを介して周囲の音声が収録される。マイクロホンで収録された音声は、画像データと関連付けられてメモリカード60に記録される。
【0044】
撮影終了後、レンズユニット11を引き上げて嵌合部32と嵌合部40との嵌合を解除し、レンズユニット11をカメラ本体2aから離脱させて、マウント操作スイッチ15をオフにする。マウント操作スイッチ15がオフされると、マウント収納部12のモータ35が駆動されてピニオンギヤ34が回転され、マウント30が露呈位置から収納位置に移動される。このとき、ピニオンギヤ34の回転と連動して、上扉39aおよび下扉39bがマウント30を覆うように閉じられる。
【0045】
以上詳細に説明したように、レンズユニット11がカメラ本体2aから離脱された状態のときに、カメラ本体2a内に収納される収納位置と、レンズユニット11をカメラ本体2aに装着するときに、カメラ本体2aから外部に露呈される露呈位置との間で、マウント30を移動させるようにしたので、製品の美観を損ねることなく、且つ製品の小型化に寄与することができる。
【0046】
また、マウント30が収納位置にあるときには、上扉39aおよび下扉39bによってマウント30が覆われるので、防塵、防水性能を向上させることができる。さらに、レンズユニット11とカメラ本体2aとの嵌合力が増す方向に、板バネ38で端子37を付勢したので、レンズユニット11とカメラ本体2aとの嵌合がより強固になり、使用時にレンズユニット11がカメラ本体2aから外れて、落下・破損するおそれがない。
【0047】
なお、マウント収納部およびマウント、並びにレンズユニットの構造としては、上記実施形態に限らず、例えば図9および図10に示すマウント収納部90およびマウント91、並びに図11に示すレンズユニット100を採用してもよい。
【0048】
図10に示すマウント91は、略L字状の形状を有する。マウント91の前面91aと対向する裏面91bには、マウント30の場合と同様に、端子92が配されている。マウント91は、側面91cに形成されたラック93、マウント91内部に設けられたピニオンギヤ94、およびピニオンギヤ94に接続されたモータ95からなるマウント移動機構96により、図9に示す収納位置と、図10に示す露呈位置との間で移動される。なお、図示はしていないが、端子92にも、マウント30の端子37の場合と同様に、収納位置の方向に端子92を付勢する板バネが取り付けられている。
【0049】
図11において、レンズユニット100の背面には、略コ字状のメス型の嵌合部101が設けられている。嵌合部101は、マウント91のL字状に屈曲した部分が嵌め込まれる嵌合穴101aからなる。嵌合穴101aには、マウント91の端子92と対向する位置に、デジタルカメラ2側と電気信号の遣り取りをするための複数の信号端子102が配されている。
【0050】
なお、マウント移動機構としては、上記実施形態のラック、ピニオンギヤ、およびモータに限らず、バネやロック機構などの機械的な構成を採用して、手動で押すことによりマウントを移動させるようにしてもよい。また、上記実施形態で挙げたマウントの構成は一例であり、上記実施形態の直線的な移動のみならず、回転や斜め方向の移動を可能とする構成であってもよく、本発明を特に限定するものではない。つまり、レンズユニットがカメラ本体から離脱された状態のときにカメラ本体内に収納され、レンズユニットをカメラ本体に装着するときにカメラ本体から外部に露呈されるものであれば、いかなる構成でもよい。
【0051】
上記実施形態では、撮像装置として、デジタルカメラ2を例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、他の撮像装置、例えば、カメラ付き携帯電話などにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明を適用したデジタルカメラの正面外観斜視図である。
【図2】デジタルカメラの背面外観図である。
【図3】マウントが収納位置にあるときのマウント収納部の構成を示す斜視図である。
【図4】マウントが露呈位置にあるときのマウント収納部の構成を示す斜視図である。
【図5】マウント収納部の内部構成を示す平面図である。
【図6】レンズユニットの構成を示す斜視図である。
【図7】デジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図8】レンズユニットの電気的構成を示すブロック図である。
【図9】マウント収納部の別の実施形態を示す斜視図である。
【図10】マウント収納部の別の実施形態を示す斜視図である。
【図11】レンズユニットの別の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
2 デジタルカメラ
2a カメラ本体
10 撮像レンズ
11 レンズユニット
12、90 マウント収納部
15 マウント操作スイッチ
16 レリーズボタン
20 液晶表示器(LCD)
30、91 マウント
33、93 ラック
34、94 ピニオンギヤ
35、95 モータ
36、96 マウント移動機構
37、92 端子
38 板バネ
39a、39b 上扉、下扉
50 CPU(デジタルカメラ)
70 CPU(レンズユニット)
79 CCD


【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像レンズと、撮像レンズを透過した被写体像を撮像する撮像素子とを有するレンズユニットが、マウントを介してカメラ本体に着脱自在とされたレンズ交換式カメラにおいて、
前記レンズユニットが前記カメラ本体から離脱された状態のときに、前記カメラ本体内に収納される収納位置と、
前記レンズユニットを前記カメラ本体に装着するときに、前記カメラ本体から外部に露呈される露呈位置との間で、前記マウントを移動させるマウント移動機構を備えたことを特徴とするレンズ交換式カメラ。
【請求項2】
前記マウント移動機構の動作と連動して、前記マウントが前記収納位置に移動されたときには、前記マウントを覆うように閉じ、
前記マウントが前記露呈位置に移動されたときには、前記マウントを露呈させるように開く扉を設けたことを特徴とする請求項1に記載のレンズ交換式カメラ。
【請求項3】
前記マウントに配された前記レンズユニットと電気的に接続するための端子を、前記レンズユニットと前記カメラ本体との嵌合力を増す方向に付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のレンズ交換式カメラ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−235077(P2006−235077A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−47408(P2005−47408)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】