ワークピース上に印刷された堆積物を検査する検査システム及び方法
【課題】印刷スクリーンを通してワークピース上に印刷された堆積物を検査する。
【解決手段】ワークピースWは、印刷スクリーン2の複数の開口を通してその上に堆積物が印刷されるものである。カメラユニット8は、印刷スクリーン及びワークピースに対して移動可能であり、制御ユニットは、印刷スクリーン及びワークピースの少なくとも一対の対応する領域の画像を捕獲するようにカメラユニットを制御すると共に、画像を処理して、印刷スクリーンの画像を規定する複数の点の各々について、その点が開口のものであるか否かを決定する。そして、その点が開口のものである場合にだけ、対応する複数の点によって規定されたワークピースの対応する画像の対応する点が、堆積物のものであるか否かを決定する。これにより、ワークピースに印刷された堆積物の印刷特性を、堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係から判定する。
【解決手段】ワークピースWは、印刷スクリーン2の複数の開口を通してその上に堆積物が印刷されるものである。カメラユニット8は、印刷スクリーン及びワークピースに対して移動可能であり、制御ユニットは、印刷スクリーン及びワークピースの少なくとも一対の対応する領域の画像を捕獲するようにカメラユニットを制御すると共に、画像を処理して、印刷スクリーンの画像を規定する複数の点の各々について、その点が開口のものであるか否かを決定する。そして、その点が開口のものである場合にだけ、対応する複数の点によって規定されたワークピースの対応する画像の対応する点が、堆積物のものであるか否かを決定する。これにより、ワークピースに印刷された堆積物の印刷特性を、堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係から判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークピース、典型的には基板、例えば回路基板上に印刷された堆積物を検査する検査システム及び方法に関する。
【0002】
既存の検査システム、例えば本出願人DEKインターナショナルGmbH(スイス国チューリッヒ)から入手可能なスクリーン印刷機で利用されたり、あるいはEP−A−1000529に開示されている検査システムは、期待堆積物範囲のパーセントとしての総合堆積物範囲の単純な決定と、より複雑な決定の双方に備えている。より複雑な決定は、期待堆積物範囲のパーセントとしての各堆積物の堆積物範囲と、構造体例えばパッドに対する堆積物の整合と、隣接する堆積物と構造体との間の実際の又は本物に近い架橋と、塞がれた開口即ちにじみを探す印刷スクリーンの検査とを含んでいる。
【0003】
これら既存の検査システムは、一般的にカメラユニットを利用する。このカメラユニットは、印刷スクリーンと、導入されたワークピースとを整合することに利用され、ワークピースの一領域の画像を収集し、またスクリーン検査が行われる場合には、複数の検査部位における印刷スクリーンの画像を収集する。
【0004】
1つの決定では、各検査部位におけるワークピースの画像は処理されて、堆積物によって覆われていない構造体、典型的にはパッドの領域を識別する。また、それら領域の面積は、予め検討された構造体の全面積と比較され、構造体上の堆積物の面積を決定する。この結果得られた値は、それから堆積物範囲のパーセントとして報告される。
【0005】
検査される各検査部位について、堆積物がその上に印刷されるワークピース上の構造体の各々のサイズ及び位置と、期待される堆積物の各々のサイズ及び位置とを決定するために、検討工程が必要とされる。印刷された堆積物についての堆積物範囲のパーセントはそれから、完全な堆積物の参照によって決定される。あるいは、印刷された堆積物の面積は、堆積物がそこを通して印刷される印刷スクリーンの開口の面積と一致すべきであるということに基いて、印刷スクリーンの対応する開口の参照によって決定され得る。
【0006】
スクリーン印刷機を通してワークピースの満足なスループットを達成するために、制限された期間だけが検査に割り当てられる。印刷回路基板のようなワークピースの画像は複雑であって、印刷されたペースト、印刷されていないパッド、トラック、ベア基板、半田レジスト、半田レジストで覆われたトラック及び印刷された記号を含む。このような場合には、画像を解釈するために複雑な画像処理を必要とする。複雑な画像処理を必要とする場合、画像処理を完了するに必要な時間は長いものとなり、所定の割り当て期間内に検査され得る検査部位の数、従ってワークピースの面積を制限してしまう。
【0007】
また、既存の検査システムは、ワークピース画像が各検査部位で捕獲されるときに精密に位置決めされるために、カメラユニットを必要とする。そうでなければ、捕獲される画像は、その検査部位について予め検討された画像には対応せず、また検討されている構造体の組、例えば印刷回路基板上のパッドを含むことはない。これにより、検査に誤差を招く。かくして、カメラユニットは、各検査部位で停止され、参照されなければならず、検査時間の一因となる。それでも、位置決めは、不整合を回避するように十分に精密にはならない。
【0008】
更に、既存の検査システムは、各検査部位におけるワークピース上の構造体及び印刷スクリーン内の開口に関連した大量のデータの発生及び記憶を必要とする。そのような大量のデータを扱う場合、データ処理は特に時間のかかるものとなる。
【0009】
本発明の1つの目的は、ワークピース、典型的には基板、例えば回路基板上に印刷された堆積物を検査するための改良された検査システムと、それを組み込んだスクリーン印刷機と、ワークピース、典型的には基板、例えば回路基板上に印刷された堆積物を検査する改良された検査方法とを提供することにある。
【0010】
1つの形態において、本発明は、印刷スクリーンを通してワークピース上に印刷された堆積物(デポジット)を検査する検査システムを提供する。このシステムは、カメラユニットと、制御ユニットとを備え、カメラユニットは、印刷スクリーン及びワークピースに対して移動可能であり、印刷スクリーンは、複数の開口を有した本体を備え、ワークピースは、印刷スクリーンの開口を通してその上に堆積物が印刷されるものであり、制御ユニットは、印刷スクリーン及びワークピースの少なくとも一対の対応する領域の画像を捕獲するようにカメラユニットを制御すると共に、画像を処理して、印刷スクリーンの画像を規定する複数の点の各々について、その点が開口のものであるか否かを決定し、そしてその点が開口のものである場合にだけ、対応する複数の点によって規定されたワークピースの対応する画像の対応する点が、堆積物のものであるか否かを決定するように動作可能であり、これによりワークピースに印刷された堆積物の印刷特性の決定を、堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係から可能とするものである。
【0011】
カメラユニットは、同時に印刷スクリーン及びワークピースの画像を捕獲するように動作可能であることが好ましい。
【0012】
1つの実施形態において、カメラユニットは、印刷スクリーン及びワークピースの全面積画像を捕獲するための全面積カメラユニットである。
【0013】
もう1つの実施形態において、カメラユニットは、印刷スクリーン及びワークピースのライン走査画像を捕獲するためのライン走査カメラユニットである。
【0014】
1つの実施形態において、制御ユニットは、カメラユニットによる画像捕獲中に、同時に印刷スクリーン及びワークピースの画像を処理するように構成されている。
【0015】
もう1つの実施形態において、制御ユニットは、収集に後続して、捕獲された画像を処理するように構成されている。
【0016】
1つの実施形態において、印刷スクリーン及びワークピースの画像は、画像特徴に依存した強度を持つスクリーン及びワークピース信号のそれぞれによって規定され、画像の各々を規定する点は、それぞれのスクリーン及びワークピース信号の時間スライスされた成分である。
【0017】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、スクリーン信号が開口のものであると決定された時間に対するワークピース信号が堆積物のものであると決定された時間の時間カウントから決定されることが好ましい。
【0018】
もう1つの実施形態において、印刷スクリーン及びワークピースの画像は、ピクセル化された画像であり、画像の各々を規定する点は、ピクセル化された画像のピクセルである。
【0019】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、開口のものであると決定されたピクセルの数に対する堆積物のものであると決定されたピクセルの数の数カウントから決定されることが好ましい。
【0020】
1つの実施形態において、制御ユニットは、印刷スクリーン及びワークピースの複数の対の対応する画像を、使用時に画像が収集される複数の検査部位を規定する検査計画に従って、収集するように構成されている。
【0021】
検査計画の検査部位は、セットアップルーチンで決定されていることが好ましい。
【0022】
カメラユニットによって収集された各検査部位における印刷スクリーン及びワークピースの対応する対の画像におけるオフセットは予め決定されていて、印刷スクリーンの対応する画像中のピクセルに対応するワークピースの画像中のピクセルが、そのオフセットに従って決定されることがより好ましい。
【0023】
1つの実施形態において、印刷特性は、期待堆積物範囲と比べたときの決定堆積物範囲のパーセントの表現を備える。
【0024】
1つの実施形態において、印刷特性は、全ての堆積物に対する表現として与えられる。
【0025】
表現は、最悪ケースの堆積物のものであることが好ましい。
【0026】
もう1つの実施形態において、印刷特性は、検査部位に対する複数の表現として与えられる。
【0027】
1つの実施形態において、各検査部位に対する表現は、それぞれの検査部位における最悪ケースの堆積物のものである。
【0028】
もう1つの実施形態において、各検査部位に対する表現は、それぞれの検査部位における堆積物の少なくともいくつかの堆積物、又はいくつかの堆積物のグループに対応する複数の表現を備える。
【0029】
堆積物のものであると決定された点は、画像強度の参照閾値を参照することによって決定されたものであることが好ましい。
【0030】
1つの実施形態では、開口の少なくとも1つについて、堆積物のものであると決定された点は、画像強度の参照閾値より大きいか小さい画像強度を有するものと決定されたものである。
【0031】
1つの実施形態では、開口の少なくとも1つについて、堆積物のものであると決定された点は、画像強度の参照閾値の上下限界範囲内の画像強度を有するものと決定されたものである。
【0032】
本発明はまた、上述した検査システムを組み入れたスクリーン印刷機にも及ぶ。
【0033】
異なる形態において、本発明は、印刷スクリーンを通してワークピース上に印刷された堆積物を検査する方法を提供する。この方法は、印刷スクリーン及びワークピースの少なくとも一対の対応する領域の画像を捕獲する工程と、画像を処理する工程とを備え、画像を捕獲する工程において、印刷スクリーンは、複数の開口を有した本体を備え、ワークピースは、印刷スクリーンの開口を通してその上に堆積物が印刷されるものであり、画像を処理する工程では、印刷スクリーンの画像を規定する複数の点の各々について、その点が開口のものであるか否かを決定し、そしてその点が開口のものである場合にだけ、対応する複数の点によって規定されたワークピースの対応する画像の対応する点が、堆積物のものであるか否かを決定し、これによりワークピースに印刷された堆積物の印刷特性の決定を、堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係から可能とする。
【0034】
印刷スクリーン及びワークピースの画像は、同時に捕獲されることが好ましい。
【0035】
1つの実施形態では、印刷スクリーン及びワークピースの全面積画像が捕獲される。
【0036】
もう1つの実施形態では、印刷スクリーン及びワークピースのライン走査画像が捕獲される。
【0037】
1つの実施形態では、画像捕獲工程及び処理工程は、同時に行われる。
【0038】
もう1つの実施形態では、処理工程は、画像捕獲工程に後続して行われる。
【0039】
1つの実施形態では、印刷スクリーン及びワークピースの画像は、画像特徴に依存した強度を持つスクリーン及びワークピース信号のそれぞれによって規定され、画像の各々を規定する点は、それぞれのスクリーン及びワークピース信号の時間スライスされた成分である。
【0040】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、スクリーン信号が開口のものであると決定された時間に対するワークピース信号が堆積物のものであると決定された時間の時間カウントから決定されることが好ましい。
【0041】
もう1つの実施形態では、印刷スクリーン及びワークピースの画像は、ピクセル化された画像であり、画像の各々を規定する点は、ピクセル化された画像のピクセルである。
【0042】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、開口のものであると決定されたピクセルの数に対する堆積物のものであると決定されたピクセルの数の数カウントから決定されることが好ましい。
【0043】
1つの実施形態では、画像捕獲工程において、印刷スクリーン及びワークピースの複数の対の対応する画像は、複数の検査部位において検査計画に従って収集される。
【0044】
この方法は、画像が収集される複数の検査部位を規定する検査計画を決定するためのセットアップルーチンを行う工程を更に備えることが好ましい。
【0045】
セットアップルーチンにおいて、各検査部位における印刷スクリーン及びワークピースの対応する対の画像におけるオフセットが決定され、そして、印刷スクリーンの対応する画像中のピクセルに対応するワークピースの画像中のピクセルを決定する場合、印刷スクリーンの対応する画像中のピクセルに対応するワークピースの画像中のピクセルは、そのオフセットに従って決定されることがより好ましい。
【0046】
1つの実施形態において、印刷特性は、期待堆積物範囲と比べたときの決定堆積物範囲のパーセントの表現を備える。
【0047】
1つの実施形態において、印刷特性は、全ての堆積物に対する表現として与えられる。
【0048】
表現は、最悪ケースの堆積物のものであることが好ましい。
【0049】
もう1つの実施形態では、印刷特性は、検査部位に対する複数の表現として与えられる。
【0050】
1つの実施形態において、各検査部位に対する表現は、それぞれの検査部位における最悪ケースの堆積物のものである。
【0051】
もう1つの実施形態において、各検査部位に対する表現は、それぞれの検査部位における堆積物の少なくともいくつかの堆積物、又はいくつかの堆積物のグループに対応する複数の表現を備える。
【0052】
ワークピースの対応する画像の各対応する点は、画像強度の参照閾値を参照することによって、堆積物のものであると決定されることが好ましい。
【0053】
1つの実施形態では、開口の少なくとも1つについて、ワークピースの対応する画像の各対応する点は、画像強度の参照閾値より大きいか小さい画像強度を有する場合に、堆積物のものであると決定される。
【0054】
1つの実施形態では、開口の少なくとも1つについて、ワークピースの対応する画像の各対応する点は、画像強度の参照閾値の上下限界範囲内の画像強度を有する場合に、堆積物のものであると決定される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の好ましい実施形態に係る検査システムを組み入れたスクリーン印刷機を示す。
【図2】図1のスクリーン印刷機のカメラユニットの、印刷スクリーンとワークピースとの間に配設された縦立面図を示す。
【図3】図1のスクリーン印刷機の検査システムのセットアップルーチンについての流れ図を示す。
【図4】図1のスクリーン印刷機のカメラユニットの、セットアップルーチンにおける走査経路を図解的に表す。
【図5】図3のセットアップルーチンで使用される開口/構造体閾値設定ルーチンの流れ図を示す。
【図6】図3のセットアップルーチンで使用される検査ルーチンの流れ図を示す。
【図7】図1のスクリーン印刷機のカメラユニットの、規定された検査計画を有する検査ルーチンにおける走査経路を図解的に表す。
【図8】図6の検査ルーチンで使用される堆積物閾値設定ルーチンの流れ図を示す。
【図9】収集されたスクリーン画像の部分(図7の領域R1)を示す。
【図10】図9のスクリーン画像の部分に対応する収集されたワークピース画像の一部を示す。
【図11】図9のスクリーン画像を、印刷スクリーンの開口に割り当てられたピクセルを識別する場合について示す。
【図12】図10のワークピース画像を、堆積物及び構造体に割り当てられたピクセルと、図11の割り当てられた開口ピクセルの相手を識別する場合について示す。
【図13】図1のスクリーン印刷機の検査システムの1つの実施形態の検査ルーチンについての流れ図を示す。
【図14】図13の検査ルーチンの画像処理ルーチンついての流れ図を示す。
【図15】図1のスクリーン印刷機の検査システムのもう1つの実施形態の検査ルーチンについての流れ図を示す。
【図16】収集されたスクリーン画像の他の部分(図7の領域R2)を示す。
【図17】図16のスクリーン画像の他の部分に対応する収集されたワークピース画像の一部を示す。
【図18】図15の検査ルーチンの第1の標準画像処理ルーチンついての流れ図を示す。
【図19】図16のスクリーン画像を印刷スクリーンの開口に割り当てられたピクセルを識別する場合について示す。
【図20】図17のワークピース画像を、堆積物及び堆積物以外に割り当てられたピクセル並びに図19の割り当てられた開口ピクセルの相手を識別する場合について示す。
【図21】図15の検査ルーチンの第2の強化画像処理ルーチンについての流れ図を示す。
【図22】図19のスクリーン画像を、検査ピクセルの組を開口ピクセルの組内で印刷スクリーンのそれぞれの開口に対して識別する場合について示す。
【図23】図20のワークピース画像を、印刷スクリーン内の検査ピクセルの組に対応するワークピースピクセルを識別する場合について示す。
【図24】図17のワークピース画像を、堆積物及び堆積物以外に割り当てられたピクセル並びに図19の割り当てられた開口ピクセルの相手を識別する場合について示す。
【図25】検査システムの検査回路の表現を、図1のスクリーン印刷機の検査システムの変形例として示す。
【図26】図25の検査回路の動作に利用される信号を示す。
【0056】
以下、本発明の好ましい実施形態が、添付の図面を参照して、例としてのみ説明される。
【0057】
図1は、本発明の好ましい実施形態に係るスクリーン印刷機を示している。
【0058】
このスクリーン印刷機は、印刷スクリーン2と、印刷ヘッド3とを有する。印刷ヘッドは、印刷スクリーン2を横切って前後に移動可能であって、印刷材料を、印刷スクリーン2の開口のパターンを通して、その下に配設されたワークピースW上に押しやる。
【0059】
スクリーン印刷機は更に、ワークピース輸送装置を備える。この輸送装置は、一対の輸送レール5,6を有し、それに沿ってワークピースWは印刷ゾーンへ輸送される。この輸送装置はまた、ワークピース支持機構7を有する。この支持機構は、印刷スクリーン2の下に配設されて、ワークピースWを印刷ゾーン支持する。
【0060】
スクリーン印刷機は更に、検査システムを備える。この検査システムは、印刷スクリーン2及びワークピースWの画像を捕獲するためのカメラユニット8と、このカメラユニット8を移動させて複数の検査部位で画像を捕獲させるための位置決め機構9、この実施形態ではX−Yテーブルと、カメラユニット8及び位置決め機構9を制御して印刷スクリーン2及びワークピースWの画像を捕獲させると共に、捕獲された画像を後続の画像処理用に収集するための制御ユニット11とを備える。この実施形態の制御ユニット11は、捕獲された画像を収集するためのフレーム・グラバー・カードを有する。
【0061】
図2を参照すると、カメラユニット8は、見る高さにあるときに、印刷スクリーン2とワークピースWとの間を移動されるように構成され、印刷スクリーン2を見上げると共にワークピースWを見下ろしながら、検査部位の各々で、印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の同時捕獲を可能とする。この実施形態のカメラユニット8は、飛行中の画像捕獲に備えたストロボ式照明具を有する。この実施形態では、カメラユニット8の移動のスピードは制御され、カメラユニット8が、カメラユニット8のフレームレートを超えないレートで、各連続した検査部位に配置されるようにする。好ましい実施形態では、カメラユニット8の移動のスピードは制御され、カメラユニット8が、カメラユニット8のフレームレートに対応して、各連続した検査部位に配置されるようにする。しかし、他の実施形態では、例えば検査部位間に比較的大きな距離がある結果、カメラユニット8が、連続した検査部位のいくつかの部位間を、カメラユニット8のフレームレートで移動され得ない場合、それら検査部位間の移動の時間は、カメラユニット8のフレームレートよりも大きくされ得る。
【0062】
この実施形態では、セットアップルーチンが、検査部位の各々で印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対の間の位置関係を決定すること、並びに画像化される必要のある検査部位を識別することの双方に使用される。このセットアップルーチンは、既存のスクリーン印刷機の検査システムによって使用されるような検討工程とは等価でない。何故ならば、詳細な画像情報が、印刷スクリーン2又はワークピースWのいずれについても、後続の検査、典型的には印刷スクリーン2の開口の位置及び寸法又はワークピースWの開口の位置及び寸法についての検査で使用されるために、収集されることがないからである。
【0063】
以下、図3を参照してセットアップルーチンが説明される。
【0064】
ワークピースW、この実施形態では印刷回路基板は、スクリーン印刷機に装填され、印刷スクリーン2と整合される(ステップ103)。
【0065】
それから、閾値設定ルーチン(ステップ104)が行われて、印刷スクリーン2及びワークピースWから収集された画像に対し、それぞれの画像閾値の設定、即ちスクリーン画像中の開口を分類するための開口閾値と、ワークピース画像中の構造体を分類するための構造体閾値の設定が可能にされる。これにより、印刷スクリーン2内の開口とワークピースW上の構造体の画像化が最適化され、そのような開口や構造体に対して画像閾値を検出しない可能性(それらが適正に設定されていない場合に起こる)を回避する。
【0066】
この閾値設定ルーチン(ステップ104)では、カメラユニット8は、開始位置、典型的にはワークピースWの1つの隅から開始して段階的に移動され、印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を複数の隣接する検査部位で捕獲する。代表的な例として、図4は、ワークピースW上の複数(この実施形態では16個)の隣接する検査部位IS1−16を示している。
【0067】
図5を参照すると、オペレータは先ず、開口及び構造体閾値を設定するかについての選択肢を与えられる(ステップ104a)。
【0068】
オペレータが開口及び構造体閾値を設定しないと選んだ場合、閾値設定ルーチン(ステップ104)は終了される。
【0069】
オペレータが開口及び構造体閾値を設定すると選んだ場合、閾値設定ルーチン(ステップ104)は完了される。
【0070】
第1の検査部位IS1における開始位置から開始して、カメラユニット8は、第1の検査部位IS1において印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する(ステップ104b)。
【0071】
第1の検査部位IS1で捕獲されたスクリーン及びワークピース画像はそれから、この実施形態では制御ユニット11によって収集されて、その上に重畳された派生型オーバーレイのそれぞれと共に表示される。この場合、派生型オーバーレイは、スクリーン画像については印刷スクリーン2の開口のものであり、またワークピース画像についてはワークピースW上の構造体のものである。この派生型オーバーレイは、収集された画像から、既存の開口及び構造体閾値を使用して、初めに派生されたものである(ステップ104c)。オーバーレイを使用することによって、オペレータは、派生された開口及び構造体の理解容易な表現を、それぞれの実際のスクリーン及びワークピース画像に関連して与えられる。好ましい実施形態では、このオーバーレイは、半透明のオーバーレイとして、好ましくは色付きで表示され、収集された画像に対する容易な識別を可能にする。
【0072】
オーバーレイがスクリーン画像中の開口及びワークピース画像中の構造体のそれぞれと正確に一致しない場合、オペレータは、所望の一致が得られるまで、開口及び構造体閾値のそれぞれを調整する(ステップ104d)。この実施形態では、オーバーレイは、開口及び構造体閾値を調整することによって連続的に再派生され、最適閾値の容易な設定を可能にする。
【0073】
それからオペレータは、次の、即ち第2の検査部位IS2についてのスクリーン及びワークピース画像に関連して設定された開口及び構造体閾値をチェックし続けることについての選択肢を提示される(ステップ104e)。
【0074】
オペレータが第2の検査部位IS2についてのスクリーン及びワークピース画像に関連して設定された開口及び構造体閾値をチェックしないと選んだ場合、閾値設定ルーチン(ステップ104)は終了される。
【0075】
オペレータが第2の検査部位IS2についてのスクリーン及びワークピース画像に関連して設定された開口及び構造体閾値をチェックすると選んだ場合、閾値調整サブルーチン(ステップ104b〜104d)は第2の検査部位IS2について繰り返される。この場合、カメラユニット8は、第2の検査部位IS2へ歩進される。
【0076】
それからこのプロセスは、後続の検査部位IS3−16の各々について繰り返される。
【0077】
閾値設定ルーチン(ステップ104)の完了後に、開始位置から、この実施形態ではワークピースWの1つの隅から、複数の隣接する検査部位IS1−16を通してワークピースWの表面全体にわたるカメラユニット8の走査が開始される(ステップ105)。この走査は、この実施形態では、カメラユニット8を横方向に移動させると共に、ワークピースWの横エッジに向けて前方へ進めることによって、ラインバイライン式に行われる。この走査のモードは、図4に表されている。この場合、カメラユニット8は、ワークピースW上を走査経路SPに沿って走査され、そしてワークピースW及び印刷スクリーン2の画像は、複数の隣接する走査部位IS1−16で捕獲される。
【0078】
カメラユニット8が第1の走査部位IS1に配置されていると、カメラユニット8は起動され(ステップ106)、第1の走査部位IS1における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0079】
それから、第1の走査部位IS1が最後に検査されるものであるかについて、チェック(ステップ107)がなされる。
【0080】
第1の走査部位IS1が最後に検査されるものである場合、カメラユニット8は待機され(ステップ108)、そしてそれ以上の画像はカメラユニット8によって捕獲されない。
【0081】
第1の走査部位IS1が最後に検査されるものでない場合、カメラユニット8は起動され(ステップ106)、次の、即ち第2の走査部位IS2における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0082】
それからこのプロセスは、検査される更なる検査部位IS2−16の各々について繰り返される。
【0083】
このようにして、印刷スクリーン2及びワークピースWの完全な画像が得られる。この場合、各々の完全な画像は、複数の検査部位IS1−16の画像によって構成されている。
【0084】
1つの実施形態において、セットアップルーチンで走査される検査部位IS1−16は、オペレータによって識別可能である。典型的に、走査される検査部位IS1−16は、ワークピースWの図形的表現から選択されるか、あるいはカメラユニット8を必要とされる検査部位IS1−16へ手動で移動させることにより選択される。
【0085】
カメラユニット8による捕獲後に、各々の連続した検査部位IS1−16から捕獲された印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対は収集され(ステップ109)、画像処理を可能とする。
【0086】
第1の検査部位IS1から捕獲されたスクリーン及びワークピース画像の収集後に、第1の検査部位IS1から収集されたスクリーン画像に対しチェック(ステップ110)がなされて、そのスクリーン画像が開口を有するかを決定する。
【0087】
少なくとも1つの開口がスクリーン画像に存在する場合、1つの開口の位置、この実施形態では中心開口の中心が、ワークピース画像中のワークピースW上の対応する構造体、この実施形態ではパッドの位置として参照され、スクリーン及びワークピース画像間のオフセットを決定する(ステップ111)。このオフセットデータは、第1の走査部位IS1を識別する識別子、典型的にはカメラユニット8の座標と共に、オフセットルックアップテーブルに記録される(ステップ112)。このオフセットルックアップテーブルが設けられると、印刷稼動中に検査ルーチンで収集されたスクリーン及びワークピース画像の対に対する画像データの比較、特に対応するピクセルのマッピングが、収集されたスクリーン及びワークピース画像の対から可能になる。1つの実施形態では、スクリーン及びワークピース画像がスケール差あるいはミラー反転を有する場合、第2のルックアップテーブルが生成されて、スクリーン及びワークピース画像からの対応するピクセルの比較がなし得る。
【0088】
スクリーン画像に開口が存在しない場合、第1の検査部位IS1は検査計画に含まれず、位置参照及びオフセット記録ステップ(ステップ111及び112)はスキップされる。図4の表現において、印刷スクリーン2は、第3及び第12の検査部位IS3,IS12に開口を有しない。
【0089】
それから、第1の走査部位IS1が最後に検査されるものであるかについて、チェック(ステップ113)がなされる。
【0090】
第1の走査部位IS1が最後に検査されるものでない場合、画像収集ステップ(ステップ109)と画像処理サブルーチン(ステップ110,111及び112)は、次の、即ち第2の検査部位IS2について繰り返される。
【0091】
それからこのプロセスは、画像処理される更なる検査部位IS3−16の各々について繰り返される。
【0092】
この実施形態では、画像処理サブルーチン(ステップ110,111及び112)で行われる画像処理は、画像収集ステップ(ステップ109)で行われる画像収集よりもはるかに高速である。画像収集は、この実施形態では、カメラユニット8のフレームレート内で完了されるので、画像処理は、カメラユニット8のフレームレート内で行うことができる。
【0093】
この実施形態では、カメラユニット8は、画像の各連続した対がカメラユニット8のフレームレートで捕獲されるようなレートで走査される。CCIRカメラフォーマットにとって、フレームレートは、25フレーム/秒である。各検査部位IS1−16において、カメラユニット8の照明具はストロボ式であって、印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対は、カメラユニット8によって捕獲され、そして制御ユニット11によって収集される。
【0094】
検査部位IS1−16の全てが収集されて、画像処理されたときは、決定された検査計画の表現が、この実施形態では図形表現によって、それからオペレータに提示される(ステップ115)。この場合、その表現は、開口を含む検査部位IS1,2,4−11,13−16の数と、それらの検査部位IS1,2,4−11,13−16の全ての完全な検査を行うに必要な推定された時間とを示す。それからオペレータは、検査計画を編集する機会を持ち(ステップ117)、これにより検査部位IS1,2,4−11,13−16のそれぞれを省略して、検査時間を受け入れ可能なレベルまで減少する。
【0095】
スクリーン印刷機は、それから動作され(ステップ119)、堆積物、この実施形態では印刷材料、例えばペーストを、ワークピースW上に印刷する。
【0096】
ワークピースWの印刷後に、ワークピースWは印刷スクリーン2から見る高さへ分離されて、カメラユニット8がワークピースW上を走査されるようにする。
【0097】
それから、決定された検査計画に従う検査ルーチン(ステップ121)が行われる。これは、ワークピースWの収集された画像内の堆積物用の画像閾値、即ち堆積物閾値の調整を可能にすると共に、印刷された堆積物の受容可能性に関する基準を設定するためである。
【0098】
以下、図6を参照して検査ルーチン(ステップ121)が説明される。
【0099】
閾値設定ルーチン(ステップ121a)が最初に行われ、堆積物閾値の設定を可能にする。
【0100】
図7を参照すると、この閾値設定ルーチン(ステップ121a)において、カメラユニット8は、開始位置、この実施形態ではワークピースWの1つの隅から開始して段階的に移動され、印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を、決定された検査計画に従って、複数の検査部位IS2,4−11,14−16で捕獲する。この例示された検査計画は、選択された検査部位IS2,4−11,14−16での検査に備える。この場合、第1、第3、第12及び第13の検査部位IS1,IS3,IS12,IS13は、検査計画から省かれている。セットアップルーチンで検査された第3及び第12の検査部位IS3,IS12は、検査計画から省かれている。それらの検査部位は、印刷スクリーン2内の開口、従ってワークピースW上の堆積物を含まないからである。また、セットアップルーチンで検査された第1及び第13の検査部位IS1,IS13は、必要とされる処理を低減するために、検査計画から省かれている。これら検査部位は、通常はワークピースW上への堆積物の印刷に関して問題とならない印刷スクリーン2内の比較的大きな開口を有するだけである。
【0101】
図8を参照すると、オペレータは、堆積物閾値を設定することについての選択肢を与えられる(ステップ121a(1))。
【0102】
オペレータが堆積物閾値を設定しないことを選ぶ場合、閾値設定ルーチン(ステップ121a)は終了される。
【0103】
オペレータが堆積物閾値を設定することを選ぶ場合、閾値設定ルーチン(ステップ121a)は完了される。
【0104】
第2の検査部位IS2における開始位置から開始して、カメラユニット8は、ワークピースWの画像を第2の検査部位IS2で捕獲する(ステップ121a(2))。
【0105】
第2の検査部位IS2で捕獲された画像、この実施形態では制御ユニット11によって収集された画像は、その上に重畳されたワークピースW上の堆積物の派生オーバーレイと共に表示される。この場合、派生オーバーレイは、初めは収集されたワークピース画像から、既存の堆積物閾値を使用して派生される(ステップ121a(3))。上述したように、オーバーレイを使用することによって、オペレータは、派生された堆積物の理解容易な表現を、実際のワークピース画像内の堆積物に関連して与えられる。好ましい実施形態では、オーバーレイは、半透明なオーバーレイとして、好ましくは色付きで表示され、収集された画像に対する容易な識別を可能にする。
【0106】
オーバーレイがワークピース画像中の堆積物と正確に一致しない場合、オペレータは、より最適な一致が得られるまで、堆積物閾値を調整する(ステップ121a(4))。この実施形態では、オーバーレイは、堆積物閾値を調整することによって連続的に再派生され、最適堆積物閾値の容易な設定を可能にする。
【0107】
それからオーバーレイは、検査計画に従って、次の、この実施形態では第4の検査部位IS4についてのワークピース画像に関連した堆積物閾値をチェックし続けることについての選択肢を提示される(ステップ121a(5))。
【0108】
オペレータが、第4の検査部位IS4についてのワークピース画像に関連した堆積物閾値をチェックしないと選んだ場合、閾値設定ルーチン(121a)は終了される。
【0109】
オペレータが、第4の検査部位IS4についてのワークピース画像に関連した堆積物閾値をチェックすると選んだ場合、閾値調整サブルーチン(ステップ121a(2−4))は第4の検査部位IS4について繰り返される。この場合、カメラユニット8は、第4の検査部位IS4へ歩進される。
【0110】
それからこのプロセスは、後続の検査部位IS5−11,14−16の各々について繰り返される。
【0111】
閾値設定ルーチン(ステップ121a)の完了後に、検査計画によって規定されている開始位置から、この実施形態では第2の検査部位IS2から、ワークピースWの表面全体にわたるカメラユニット8の走査が開始される(ステップ105)。この走査は、この実施形態では、カメラユニット8を横方向に移動させると共に、ワークピースWの横エッジに向けて前方へ進めることによって、ラインバイライン式に行われる。この結果、印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対が、検査計画に従って、複数の走査部位IS2,4−11,14−16で連続して捕獲される。この走査のモードを表している図7を再度参照すると、カメラユニット8は、ワークピースW上を走査経路SPに沿って走査され、そしてワークピースW及び印刷スクリーン2の画像は、検査計画に従って、複数の走査部位IS2,4−11,14−16で捕獲される。
【0112】
この実施形態のカメラユニット8は、飛行中の画像捕獲用にストロボ式照明具を有する。この場合、カメラユニット8の移動のスピードは制御され、カメラユニット8が、検査計画によって規定されているように、カメラユニット8のフレームレートに対応して、各連続した検査部位IS2,4−11,14−16に配置されるようにする。この場合、カメラユニット8は、必要に応じて、例えば隣接していない第2及び第4の検査部位IS2,IS4の間では加速される。
【0113】
カメラユニット8が第2の走査部位IS2に配置されると、カメラユニット8は起動され(ステップ121c)、第2の走査部位IS2における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0114】
それから、第2の走査部位IS2が最後に検査されるものであるかについて、チェック(ステップ121d)がなされる。
【0115】
第2の走査部位IS2が最後に検査されるものである場合、カメラユニット8は待機され(ステップ121e)、そしてそれ以上の画像はカメラユニット8によって捕獲されない。
【0116】
第2の走査部位IS2が最後に検査されるものでない場合、カメラユニット8は起動され(ステップ121c)、次の、この実施形態では第4の走査部位IS2における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって再び収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0117】
それからこのプロセスは、検査計画に従って検査される更なる検査部位IS5−11,14−16の各々について繰り返される。
【0118】
カメラユニット8による捕獲の後に、各々の連続した検査部位IS2,4−11,14−16から捕獲された印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対は、画像処理用に収集される(ステップ121f)。
【0119】
この実施形態では、収集されたスクリーン及びワークピース画像は、ピクセル化され、ピクセルグリッドPGによって規定される。図9及び10は、収集されたスクリーン及びワークピース画像のそれぞれの対応する部分(図7の領域R1)を示している。この場合、各画像は、同じピクセルグリッドPGを持つ。図解を容易にするために、ピクセルグリッドPGは、非常に粗い分解能を有するように図解されているが、実際には、ピクセルグリッドPGの分解能は、より細かなもので、エッジ効果によって導入された誤差を最小化する。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0120】
図9は、収集されたスクリーン画像の一部分(図7の領域R1)を示している。この部分は、3つの等サイズの矩形開口A1,A2,A3を包囲している。
【0121】
図10は、対応する収集されたワークピース画像の対応する部分(図7の領域R1)を示している。この部分は、堆積物D1,D2,D3がその上に印刷された3つの等サイズの矩形構造体S1,S2,S3を包囲している。
【0122】
第2の検査部位IS2から捕獲されたスクリーン及びワークピース画像の対の収集後に、画像データからスクリーン画像の第1のピクセルが得られ(ステップ121g)、そしてチェックされる(ステップ121h)。このスクリーンピクセルは、印刷スクリーン2の本体に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値を超える強度を持つ明ピクセルによって特徴付けられるものとして分類されるか、または開口に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値未満の強度を持つ暗ピクセルによって特徴付けられるものとして分類される。
【0123】
1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、印刷スクリーン2の本体は、暗ピクセルによって特徴付けられ、また印刷スクリーン2の開口は、明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、チェックステップ(ステップ121h)は、スクリーンピクセルを、開口のものであると分類する。この場合のピクセルは、設定された開口閾値を超える強度を持つ。
【0124】
スクリーンピクセルが開口のものである、即ち開口ピクセルであると分類された場合、スクリーンピクセルは開口に割り当てられ(ステップ121i)、その開口についてのピクセルカウントはインクリメントされ(ステップ121j)、ワークピース画像からの対応するピクセルは、この実施形態ではオフセットルックアップテーブルを利用してマップされたものとして得られる(ステップ121k)。
【0125】
例示の目的のために、図11は、図9のものと同じスクリーン画像を示している。この場合、それぞれの開口A1,A2,A3の各々に割り当てられたピクセルP1,P2,P3が識別されている。表現の目的のために、第1の開口A1のピクセルP1は、前向きのスラッシュによって表され、第2の開口A2のピクセルP2は、後向きのスラッシュによって表され、第3の開口A3のピクセルP3は、クロスによって表されている。
【0126】
得られたワークピースピクセルは、それからチェックされ(ステップ121l)、そのワークピースピクセルが堆積物に対応しているかを、この実施形態では設定された堆積物閾値未満の強度を持つ暗ピクセルによって特徴付けられるものとして、決定する。
【0127】
1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、堆積物は、明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、チェックステップ(ステップ121l)は、ワークピースピクセルを、設定された堆積物閾値を超える強度を持つ堆積物に対応するものとして分類する。
【0128】
ワークピースピクセルが堆積物のものであると分類された場合、開口ピクセルカウントの相手である堆積物ピクセルカウントは、インクリメントされる(ステップ121m)。
【0129】
例示の目的のために、図12は、図10のものと同じワークピース画像を示している。この場合、堆積物D1,D2,D3のものであると分類された相手ピクセルPDは、前向きのスラッシュによって表され、また構造体S1,S2,S3のものであると分類された相手ピクセルPSは、後向きのスラッシュによって表されている。留意されるように、ピクセルは、堆積物、ワークピースW上の構造体又はワークピースWの本体の1つまたは組み合わせを包囲することができる。そのような特徴の組み合わせがピクセルによって包囲されている場合、そのピクセルの強度は、それぞれの特徴の関連部分に対応する。かくして、そのピクセルを堆積物のものであると分類するに必要なピクセル内の堆積物の関連部分は、設定された堆積物閾値によって決定される。上述したように、ピクセルグリッドPGの分解能は、図解の容易さの目的のために、特別に粗い分解能を有するように図解されている。実際にピクセルグリッドPGは通常、エッジピクセルの誤分類が、堆積物範囲のパーセントの決定に、非常に小さな効果だけを有するような分解能である。
【0130】
その後、又はスクリーンピクセルのチェックステップ(ステップ121h)においてスクリーンピクセルが開口のものあると分類されていない場合、スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルであるかについて、チェック(ステップ121n)がなされる。
【0131】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルでない場合、次のスクリーンピクセルがスクリーン画像から得られる(ステップ121g)。そして、上述したピクセル分類サブルーチン(ステップ121h−m)が繰り返される。
【0132】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルである場合、各開口について、堆積物範囲のパーセントが、堆積物ピクセルカウントから、開口ピクセルカウントに関連して決定される(ステップ121o)。
【0133】
決定されたパーセントは、それから第2の検査部位IS2用に記憶される(ステップ121p)。
【0134】
第2の検査部位IS2が検査される最後のものであるかについてチェックがなされる(ステップ121q)。
【0135】
第2の検査部位IS2が検査される最後のものでない場合、画像収集ステップ(ステップ121f)及び画像処理サブルーチン(ステップ121g−p)は、次の、この実施形態では第4の検査部位IS4に対して繰り返される。
【0136】
それからこのプロセスは、検査計画によって規定されるように画像処理される更なる検査部位IS5−11,14−16の各々について繰り返される。
【0137】
検査ルーチン(ステップ121)の完了後に、検査結果は、それぞれの開口を基準として決定された堆積物範囲のパーセントとして表示される(ステップ122)。この検査結果は、オペレータの要求に依存して、多くの異なる手法で提示され得る。1つの実施形態では、検査部位IS2,4−11,14−16の全てについて最悪ケースの堆積物に対するパーセント範囲のみが表示され得る。もう1つの実施形態では、検査部位IS2,4−11,14−16の各々について最悪ケースの堆積物に対するパーセント範囲のみが表示され得る。別の実施形態では、検査部位IS2,4−11,14−16について選択された堆積物に対するパーセント範囲のみが表示され得る。
【0138】
オペレータはそれから、印刷された堆積物について合格/失敗基準を設定することを促される(ステップ124)。この基準は、全ての検査部位IS2,4−11,14−16の全ての堆積物に対する単一の包括的な値であるか、検査部位IS2,4−11,14−16の各々の堆積物に対する個別の値であるか、検査部位IS2,4−11,14−16の選択された堆積物に対する個別の値であり得る。
【0139】
オペレータはそれから、別のワークピースWを印刷する選択肢を与えられる(ステップ125)。
【0140】
オペレータが別のワークピースWを印刷することを選んだ場合、もう1つのワークピースWがスクリーン印刷機に装填され、整合される(ステップ126)。そして、印刷、検査、結果表示及び基準設定ステップ(ステップ119〜124)が繰り返される。
【0141】
オペレータが別のワークピースWを印刷しないことを選んだ場合、セットアップルーチンは終了される。
【0142】
もう1つの代替実施形態では、スクリーン及びワークピース画像のオフセットが十分に小さく、検査結果に有意に影響しない場合、セットアップルーチンは、スクリーン及びワークピース画像のオフセットの決定に備える必要はない。
【0143】
もう1つの代替実施形態では、検査計画がオペレータによって手動操作で決定される場合、セットアップルーチンは省略され得る。
【0144】
このスクリーン印刷機の動作において、検査システムは、ワークピースW上に印刷された堆積物を、検査ルーチンを適用して特徴付けする。
【0145】
以下、図13を参照して、検査ルーチンの1つの実施形態が説明される。
【0146】
ワークピースWの装填、ワークピースWの整合及び印刷、そしてワークピースWの印刷スクリーン2から見る高さへの分離後に、検査計画によって規定される開始位置、この実施形態では検査部位IS2から、ワークピースWの表面全体にわたるカメラユニット8の走査が開始される。この走査は、この実施形態では、カメラユニット8を横方向に移動させると共に、ワークピースWの横エッジに向けて前方へ進めることによって、ラインバイライン式に行われて、ワークピースW及び印刷スクリーン2の画像の対応する対が、複数の走査部位IS2,4−11,14−16で捕獲される(ステップ203)。この走査のモードを表している図7を再度参照すると、カメラユニット8は、ワークピースW上を走査経路SPに沿って走査され、そしてワークピースW及び印刷スクリーン2の画像は、検査計画に従って、複数の走査部位IS2,4−11,14−16で捕獲される。
【0147】
この実施形態のカメラユニット8は、飛行中の画像捕獲用にストロボ式照明具を有する。この場合、カメラユニット8の移動のスピードは制御され、カメラユニット8が、検査計画によって規定されているように、カメラユニット8のフレームレートに対応して、各連続した検査部位IS2,4−11,14−16に配置されるようにする。この場合、カメラユニット8は、必要に応じて、例えば隣接していない第2及び第4の検査部位IS2,IS4の間では加速される。
【0148】
カメラユニット8が第2の走査部位IS2に配置されると、カメラユニット8は起動され(ステップ204)、第2の走査部位IS2における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0149】
それから、第2の走査部位IS2が最後に検査されるものであるかについて、チェック(ステップ205)がなされる。
【0150】
第2の走査部位IS2が最後に検査されるものである場合、カメラユニット8は待機され(ステップ206)、そしてそれ以上の画像はカメラユニット8によって捕獲されない。
【0151】
第2の走査部位IS2が最後に検査されるものでない場合、カメラユニット8は起動され(ステップ204)、次の、この実施形態では第4の走査部位IS4における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって再び収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0152】
それからこのプロセスは、検査計画に従って検査される更なる検査部位IS5−11,14−16の各々について繰り返される。
【0153】
カメラユニット8による捕獲の後に、各々の連続した検査部位IS2,4−11,14−16から捕獲された印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対は、画像処理用に収集される(ステップ207)。
【0154】
この実施形態では、収集されたスクリーン及びワークピース画像は、ピクセル化され、ピクセルグリッドPGによって規定される。それぞれが同じピクセルグリッドPGを持つ収集されたスクリーン及びワークピース画像のそれぞれの対応する部分(図7の領域R1)を示した図9及び10が再度参照される。
【0155】
第2の検査部位IS2から捕獲されたスクリーン及びワークピース画像の対の収集後に、画像処理ルーチン(ステップ209)が行われる。
【0156】
以下、図14を参照して、画像処理ルーチン(ステップ209)が説明される。
【0157】
画像データからスクリーン画像の第1のピクセルが得られ(ステップ209(1))、そしてチェックされる(ステップ209(2))。このスクリーンピクセルは、印刷スクリーン2の本体に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値を超える強度を持つ明ピクセルによって特徴付けられるものとして分類されるか、または開口に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値未満の強度を持つ暗ピクセルによって特徴付けられるものとして分類される。
【0158】
上述されたように、1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、印刷スクリーン2の本体は、暗ピクセルによって特徴付けられ、また印刷スクリーン2の開口は、明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、チェックステップ(ステップ209(2))は、スクリーンピクセルを、開口のものであると分類する。この場合のピクセルは、設定された開口閾値を超える強度を持つ。
【0159】
スクリーンピクセルが開口のものである、即ち開口ピクセルであると分類された場合、スクリーンピクセルは開口に割り当てられ(ステップ209(3))、その開口についてのピクセルカウントはインクリメントされ(ステップ209(4))、ワークピース画像からの対応するピクセルは、この実施形態ではオフセットルックアップテーブルを利用してマップされたものとして得られる(ステップ209(5))。
【0160】
図11が再度参照される。図11は、図9のものと同じスクリーン画像を示し、且つそれぞれの開口A1,A2,A3の各々に割り当てられたピクセルP1,P2,P3を識別している。この場合、第1の開口A1のピクセルP1は、前向きのスラッシュによって表され、第2の開口A2のピクセルP2は、後向きのスラッシュによって表され、第3の開口A3のピクセルP3は、クロスによって表されている。
【0161】
得られたワークピースピクセルは、それからチェックされ(ステップ209(6))、そのワークピースピクセルが堆積物に対応しているかを、この実施形態では設定された堆積物閾値未満の強度を持つ暗ピクセルによって特徴付けられるものとして決定する。
【0162】
再度上述されたように、1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、堆積物は、明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、チェックステップ(ステップ209(6))は、ワークピースピクセルを、設定された堆積物閾値を超える強度を持つ堆積物に対応するものとして分類する。
【0163】
ワークピースピクセルが堆積物のものであると分類された場合、開口ピクセルカウントの相手である堆積物ピクセルカウントは、インクリメントされる(ステップ209(7))。
【0164】
図12が再度参照される。図12は、図10のものと同じワークピース画像を示すと共に、相手ピクセルを識別している。この場合、堆積物D1,D2,D3のものであると分類された相手ピクセルPDは、前向きのスラッシュによって表され、また構造体S1,S2,S3のものであると分類された相手ピクセルPSは、後向きのスラッシュによって表されている。
【0165】
その後、又はスクリーンピクセルのチェックステップ(ステップ209(2))においてスクリーンピクセルが開口のものであると分類されていない場合、スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルであるかについて、チェック(ステップ209(2))がなされる。
【0166】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルでない場合、次のスクリーンピクセルがスクリーン画像から得られる(ステップ209(1))。そして、上述したピクセル分類サブルーチン(ステップ209(2)〜209(7))が繰り返される。
【0167】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルである場合、各開口について、堆積物範囲のパーセントが、堆積物ピクセルカウントから、開口ピクセルカウントに関連して決定される(ステップ209(9))。
【0168】
決定されたパーセントは、それから第2の検査部位IS2用に記憶される(ステップ209(10))。
【0169】
図13を参照すると、第2の検査部位IS2が検査される最後のものであるかについて、チェックがなされる(ステップ210)。
【0170】
第2の検査部位IS2が検査される最後のものでない場合、画像収集ステップ(ステップ207)及び画像処理ルーチン(ステップ209)が、次の、この実施形態では第4の検査部位IS4に対して繰り返される。
【0171】
それからこのプロセスは、検査計画によって規定されるように画像処理される更なる検査部位IS5−11,14−16の各々について繰り返される。
【0172】
画像処理の完了後に、検査結果は、それぞれの開口を基準として決定された堆積物範囲のパーセントとして表示される(ステップ211)。
【0173】
以下、図15を参照して、検査ルーチンのもう1つの実施形態が説明される。
【0174】
この実施形態の検査ルーチンは、オペレータが、強化画像処理を選択することを可能にする。この場合、印刷されるワークピースWは、そのような強化画像処理に値する種類である。以下で明らかになるように、この強化画像処理は、印刷動作時に堆積物によって刷り重ねられる構造体を有したワークピースWの検査に関連して、特別な応用を提供する。これは、堆積物がワークピースWの本体上へ延びて、ワークピースWの本体が堆積物と同様に暗又は明領域の一方として画像化される場合である。
【0175】
第1のステップで、オペレータは、印刷されるワークピースWに関して強化画像処理を使用するかについての選択肢を与えられる(ステップ301)。
【0176】
オペレータが強化画像処理を選択した場合、強化画像処理フラグがセットされて、強化画像処理ルーチンが使用されるものであることを指定する(ステップ302)。
【0177】
オペレータが強化画像処理を選択しない場合、強化画像処理フラグはセットされず、通常又は標準画像処理ルーチンが使用される。
【0178】
ワークピースWの装填、ワークピースWの整合及び印刷、そしてワークピースWの印刷スクリーン2から見る高さへの分離後に、検査計画によって規定される開始位置、この実施形態では検査部位IS2から、ワークピースWの表面全体にわたるカメラユニット8の走査が開始される。この走査は、この実施形態では、カメラユニット8を横方向に移動させると共に、ワークピースWの横エッジに向けて前方へ進めることによって、ラインバイライン式に行われて、ワークピースW及び印刷スクリーン2の画像の対応する対を、複数の走査部位IS2,4−11,14−16で捕獲する(ステップ303)。この走査のモードを表している図7を再度参照すると、カメラユニット8は、ワークピースW上を走査経路SPに沿って走査され、そしてワークピースW及び印刷スクリーン2の画像は、検査計画に従って、複数の走査部位IS2,4−11,14−16で捕獲される。
【0179】
この実施形態のカメラユニット8は、飛行中の画像捕獲用にストロボ式照明具を有する。この場合、カメラユニット8の移動のスピードは制御され、カメラユニット8が、検査計画によって規定されているように、カメラユニット8のフレームレートに対応して、各連続した検査部位IS2,4−11,14−16に配置されるようにする。この場合、カメラユニット8は、必要に応じて、例えば隣接していない第2及び第4の検査部位IS2,IS4の間では加速される。
【0180】
カメラユニット8が第2の走査部位IS2に配置されると、カメラユニット8は起動され(ステップ304)、第2の走査部位IS2における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0181】
それから、第2の走査部位IS2が最後に検査されるものであるかについて、チェック(ステップ305)がなされる。
【0182】
第2の走査部位IS2が最後に検査されるものである場合、カメラユニット8は待機され(ステップ306)、そしてそれ以上の画像はカメラユニット8によって捕獲されない。
【0183】
第2の走査部位IS2が最後に検査されるものでない場合、カメラユニット8は起動され(ステップ304)、次の、この実施形態では第4の走査部位IS4における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって再び収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0184】
それから、このプロセスは、検査計画に従って検査される更なる検査部位IS5−11,14−16の各々について繰り返される。
【0185】
カメラユニット8による捕獲の後に、各々の連続した検査部位IS2,4−11,14−16から捕獲された印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対は、画像処理用に収集される(ステップ307)。
【0186】
この実施形態では、収集されたスクリーン及びワークピース画像は、ピクセル化され、ピクセルグリッドPGによって規定される。図16及び17を参照する。図16及び17は、収集されたスクリーン及びワークピース画像のそれぞれの対応する部分(図7の領域R2)を示している。この場合、各画像は、同じピクセルグリッドPGを持つ。図解を容易にするために、ピクセルグリッドPGは、非常に粗い分解能を有するように図解されているが、実際には、ピクセルグリッドPGの分解能は、より細かなもので、エッジ効果によって導入された誤差を最小化する。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0187】
図16は、収集されたスクリーン画像のもう1つの部分(図7の領域R2)を示している。この部分は、2つの等サイズの円形開口A1,A2を包囲している。
【0188】
図17は、対応する収集されたワークピース画像の対応する部分(図7の領域R2)を示している。この部分は、堆積物D1,D2がその上に印刷された2つの等サイズの円形構造体S1,S2を包囲している。
【0189】
それから、強化画像処理が選択されているかを決定するために、強化画像処理フラグのチェック(ステップ308)がなされる。
【0190】
強化画像処理が選択されていない場合、第1の、標準画像処理ルーチン(ステップ309a)が行われる。
【0191】
以下、図18を参照して、標準画像処理ルーチン(ステップ309a)が説明される。
【0192】
画像データからスクリーン画像の第1のピクセルが得られ(ステップ309a(1))、そしてチェックされる(ステップ309a(2))。このスクリーンピクセルは、印刷スクリーン2の本体に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値を超える強度を持つ明ピクセルによって特徴付けられるものとして分類されるか、または開口に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値未満の強度を持つ暗ピクセルによって特徴付けられるものとして分類される。
【0193】
上述したように、1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、印刷スクリーン2の本体は、暗ピクセルによって特徴付けられ、また印刷スクリーン2内の開口は、明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、チェックステップ(ステップ309a(2))は、スクリーンピクセルを、開口のものであると分類する。この場合のピクセルは、設定された開口閾値を超える強度を持つ。
【0194】
スクリーンピクセルが開口のものである、即ち開口ピクセルであると分類された場合、スクリーンピクセルは開口に割り当てられ(ステップ309a(3))、その開口についてのピクセルカウントはインクリメントされ(ステップ309a(4))、ワークピース画像からの対応するピクセルは、この実施形態ではオフセットルックアップテーブルを利用してマップされたものとして得られる(ステップ309a(5))。
【0195】
図19が再度参照される。図19は、図16のものと同じスクリーン画像を示し、且つそれぞれの開口A1,A2の各々に割り当てられたピクセルP1,P2を識別している。この場合、第1の開口A1のピクセルP1は、前向きのスラッシュによって表され、第2の開口A2のピクセルP2は、後向きのスラッシュによって表されている。
【0196】
得られたワークピースピクセルは、それからチェックされ(ステップ309a(6))、そのワークピースピクセルが堆積物に対応しているかを、この実施形態では設定された堆積物閾値未満の強度を持つ暗ピクセルによって特徴付けられるものとして決定する。
【0197】
重ねて上述されたように、1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、堆積物は明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、チェックステップ(ステップ309a(6))は、ワークピースピクセルを、設定された堆積物閾値を超える強度を持つ堆積物に対応するものとして分類する。
【0198】
最初に説明された実施形態の検査ルーチンに関連して上述され、また図11及び12のスクリーン及びワークピース画像に関連して例示されたように、そのような堆積物の分類は、堆積物が下地の構造体の大きさを超えて延びていない場合には、堆積物を正確に特徴付けする。これは、容易に区別できる明及び暗領域において、堆積物及び構造体の画像強度が著しいコントラストを有するからである。
【0199】
しかしながら、そのような堆積物の分類は、堆積物が下地の構造体の大きさを超えて延びるように印刷されていると共に、堆積物及びワークピースWの本体の画像強度が双方共に設定された堆積物閾値より小さいか大きい場合には、堆積物を正確に特徴付けしない。これは、そのような環境では、堆積物がワークピースWの本体と区別できないからである。
【0200】
図20が再度参照される。図20は、図17のものと同じワークピース画像を示すと共に、スクリーン画像の開口ピクセルに対する相手ピクセルを識別している。この場合、堆積物のものであると分類された相手ピクセルPDは、前向きのスラッシュによって表され、また堆積物以外のもの、この実施形態では構造体S1,S2の一方であると分類された相手ピクセルPOは、後向きのスラッシュによって表されている。
【0201】
図20から明らかに留意されるように、開口A1,A2がワークピースW上の相手構造体S1,S2よりも大きいサイズを有すると共に、堆積物及びワークピースWの本体の双方に対応するワークピースピクセルが、設定された堆積物閾値よりも小さい強度を有する場合、ワークピースWの本体に対応するワークピースピクセルは、堆積物として不適正に分類される。上述されているように、代替照明具配置によって、堆積物及びワークピースWの本体は、明ピクセルによって特徴付けられ、かくして両者は、設定された堆積物閾値よりも大きな画像強度を有する。
【0202】
このワークピースWの本体に対応するピクセルの不適正な分類は、堆積物D1,D2の不適正な特徴付けに至る。これは、図解された堆積物D1,D2の双方は明らかに不完全であるが、ワークピースWの本体に対応するピクセルの堆積物としての分類が100%完全なものに近いと特徴付けられた堆積物D1,D2を結果的に生じさせるからである。
【0203】
ワークピースピクセルが堆積物のものであると分類された場合、開口ピクセルカウントの相手である堆積物ピクセルカウントは、インクリメントされる(ステップ309a(7))。
【0204】
その後、又はスクリーンピクセルのチェックステップ(ステップ309a(2))においてスクリーンピクセルが開口のものあると分類されていない場合、スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルであるかについて、チェック(ステップ309a(8))がなされる。
【0205】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルでない場合、次のスクリーンピクセルがスクリーン画像から得られる(ステップ309a(1))。そして、上述したピクセル分類サブルーチン(ステップ309a(2)〜309a(7))が繰り返される。
【0206】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルである場合は、各開口について、堆積物範囲のパーセントが、堆積物ピクセルカウントから、開口ピクセルカウントに関連して決定される(ステップ309a(9))。
【0207】
決定されたパーセントは、それから第2の検査部位IS2用に記憶される(ステップ309a(10))。
【0208】
図15を再度参照すると、強化画像処理が選択された場合、強化画像処理ルーチン(ステップ309b)が行われる。
【0209】
以下、図21を参照して、強化画像処理ルーチン(ステップ309b)が説明される。
【0210】
画像データからスクリーン画像の第1のピクセルが得られ(ステップ309b(1))、そしてチェックされる(ステップ309b(2))。このスクリーンピクセルは、印刷スクリーン2の本体に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値を超える強度を持つ明ピクセルによって特徴付けられるものとして分類されるか、または開口に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値未満の強度を持つ暗ピクセルによって特徴付けられるものとして分類される。
【0211】
上述したように、1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、印刷スクリーン2の本体は、暗ピクセルによって特徴付けられ、また印刷スクリーン2内の開口は、明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、チェックステップ(ステップ309b(2))は、スクリーンピクセルを、開口のものであると分類する。この場合のピクセルは、設定された開口閾値を超える強度を持つ。
【0212】
スクリーンピクセルが開口のものである、即ち開口ピクセルであると分類された場合、スクリーンピクセルは開口に割り当てられ(ステップ309b(3))、その開口についてのピクセルカウントはインクリメントされる(ステップ309b(4))。
【0213】
図19が再度参照される。図19は、図16のものと同じスクリーン画像を示し、且つそれぞれの開口A1,A2の各々に割り当てられたピクセルP1,P2を識別している。この場合、第1の開口A1のピクセルP1は、前向きのスラッシュによって表され、第2の開口A2のピクセルP2は、後向きのスラッシュによって表されている。
【0214】
その後、又はスクリーンピクセルのチェックステップ(ステップ309b(2))においてスクリーンピクセルが開口のものあると分類されていない場合、スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルであるかについて、チェック(ステップ309b(5))がなされる。
【0215】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルでない場合、次のスクリーンピクセルがスクリーン画像から得られる(ステップ309b(1))。そして、上述したピクセル分類サブルーチン(ステップ309b(2)〜309b(4))が繰り返される。
【0216】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルである場合、第1の開口がスクリーン画像中で識別される(ステップ309b(6))。
【0217】
それから、第1の開口が強化画像処理を受けるべきものであるかについて、チェック(ステップ309b(7))がなされる。
【0218】
この実施形態では、強化画像処理を受けるべき開口は、その少なくとも1つの所定の幾何学的特徴、ここでは形状とサイズとによって識別され、少なくとも1つの幾何学的特徴を有する開口の全てが、強化画像処理を受けることになる。この場合、少なくとも1つの幾何学的特徴は、開口を表現し、この開口を通して堆積物がワークピースW上の対応する構造体上へ刷り重ねられる。
【0219】
もう1つの実施形態では、開口の全てが強化画像処理を受けるべきものとなり得る。
【0220】
第1の開口が強化画像処理を受けるべきものである場合、第1の開口を規定する開口ピクセルの組に対して所定の関係を有するピクセルの組は、検査ピクセルであると決定される(ステップ309b(8))。この実施形態では、検査ピクセルの各組は、開口ピクセルのそれぞれの組によって規定される領域内の中心に配置されて、開口ピクセルの組によって規定される領域よりも小さいサイズの領域を規定する。この小さいサイズの領域とは、信頼性の合理的限界内で、検査ピクセルに対応するワークピースピクセルがワークピースW上の構造体を覆うことができるだけであり、構造体又はその上に印刷された堆積物のいずれかに対応することができるだけのものである。好ましい実施形態では、検査ピクセルの組によって規定される領域は、開口ピクセルのそれぞれの組によって規定されるものの約1/3の横寸法を有する。
【0221】
第1の開口に対する検査ピクセルの組の決定後に、ワークピース画像中の対応するピクセル、この実施形態ではオフセットルックアップテーブルを利用することによってマップされたピクセルが得られ(ステップ309b(9))、そしてそれらワークピースピクセルの各々に対する強度値が決定される(ステップ309b(10))。対応するワークピースピクセルのいずれかが構造体のものである場合、この実施形態では設定された堆積物閾値の強度よりも所定量だけ大きな強度を有する明ピクセルによって特徴付けられる場合、それらワークピースピクセルは無視される。重ねて上述されているように、代替実施形態では、異なる照明具配置によって、構造体は暗ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、対応するワークピースピクセルは、設定された堆積物閾値の強度よりも所定量だけ小さな強度を有する場合には無視される。
【0222】
図22及び23が参照される。図22及び23は、図19及び20に対応し、第1及び第2の開口A1,A2を規定する開口ピクセルP1,P2のそれぞれの組内にある検査ピクセルPIの組と、対応するワークピースピクセルPWの組の双方を示している。この場合、検査ピクセルPIと、ワークピースピクセルPWは、双方共にクロスによって示されている。
【0223】
対応するワークピースピクセルの決定された強度値から、最大及び最小強度値が得られる。そして、この実施形態では、これらの値を開口に対する堆積物閾値の上下限界値として割り当てることによって、特定の堆積物閾値が開口に対して設定される(ステップ309b(11))。上述したように、堆積物閾値に対する上下限界値を割り当てることによって、ワークピースWの本体が堆積物から区別されることがしばしば困難である場合に、堆積物は、後続の画像処理において、より精密にワークピースWの本体から区別される。
【0224】
続いて、又は第1の開口が強化画像処理ステップ(ステップ309b(7))で強化画像処理を受けないと決定された場合、開口がスクリーン画像内の最後のものであるかについてチェック(ステップ309b(12))がなされる。
【0225】
開口がスクリーン画像内の最後のものでない場合、上述した堆積物閾値設定サブルーチン(ステップ309b(6)〜309b(11))がスクリーン画像内の次の開口に対して繰り返される。
【0226】
それから、このプロセスはスクリーン画像内の更なる開口の各々に対して繰り返される。
【0227】
強化画像処理を受けるべき開口の各々に対する特定堆積物閾値の設定後に、既に割り当てられた開口ピクセルの第1のものに対応する第1のワークピースピクセルが、画像データから、この実施形態では、オフセットルックアップテーブルを利用することによってマップされたものとして得られ(ステップ309b(13))、そしてそのワークピースピクセルが堆積物に対応するかについて、チェックされる(ステップ309b(13))。この実施形態では、堆積物は、暗ピクセルによって特徴付けられる。この暗ピクセルは、開口が強化画像処理を受けるものでない場合は、単一の堆積物閾値よりも小さい強度を有し、また開口が強化画像処理を受けるものである場合は、開口ピクセルを含む開口に割り当てられた堆積物閾値の上下限界範囲内の強度を有する。
【0228】
重ねて上述したように、代替実施形態では、異なる照明具配置によって、堆積物は明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態のチェックステップ(ステップ309b(14))は、開口が強化画像処理を受けない場合には、ワークピースピクセルを、単一の設定された堆積物閾値より大きな強度を有する堆積物に対応するものとして分類し、また開口が強化画像処理を受ける場合には、ワークピースピクセルを、開口ピクセルを含む開口に割り当てられた堆積物閾値の上下限界範囲内の強度を有する堆積物に対応するものとして分類する。
【0229】
図24が参照される。図24は、図17のものと同じワークピース画像を示し、且つスクリーン画像中の開口A1,A2の開口ピクセルに対する相手ピクセルを識別している。この場合、相手ピクセルPDは、前向きのスラッシュによって示された堆積物のものとして分類され、また相手ピクセルPDは、後向きのスラッシュによって示された堆積物のものとして分類されている。明らかなように、特に図20のワークピース画像との比較によって、ワークピースピクセルは、強化画像処理を受けていて、堆積物D1,D2に対応するワークピースピクセルが構造体S1,S2及びワークピースWの本体の双方から区別され、かくして堆積物D1,D2の正確な特徴付けがなされている。
【0230】
ワークピースピクセルが堆積物のものであると分類された場合、開口ピクセルカウントの相手である堆積物ピクセルカウントは、インクリメントされる(ステップ309b(15))。
【0231】
それから、開口ピクセルは、割り当てられた開口ピクセルの最後のものであるかについて、チェック(ステップ309b(16))がなされる。
【0232】
開口ピクセルが、割り当てられた開口ピクセルの最後のものでない場合、上述したピクセル分類サブルーチン(ステップ309b(13)〜309b(15))が、次の開口ピクセルに対して繰り返される。
【0233】
開口ピクセルが、割り当てられた開口ピクセルの最後のものである場合、各開口について、堆積物範囲のパーセントが、堆積物ピクセルカウントから、開口ピクセルカウントに関連して決定される(ステップ309b(17))。
【0234】
決定されたパーセントは、それから第2の検査部位IS2用に記憶される(ステップ309b(18))。
【0235】
図15を参照すると、第2の検査部位IS2が検査される最後のものであるかについて、チェックがなされる(ステップ310)。
【0236】
第2の検査部位IS2が検査される最後のものでない場合、画像収集ステップ(ステップ307)及び画像処理ルーチン(ステップ309a/309b)が、次の、この実施形態では第4の検査部位IS4に対して繰り返される。
【0237】
それから、このプロセスは、検査計画によって規定されるように画像処理される更なる検査部位IS5−11,14−16の各々について繰り返される。
【0238】
画像処理の完了後に、検査結果は、それぞれの開口を基準として決定された堆積物範囲のパーセントとして表示される(ステップ311)。
【0239】
この検査結果は、オペレータの要求に依存して、多くの異なる手法で提示され得る。1つの実施形態では、堆積物範囲は、オペレータに対し、PASS、WARNING又はFAIL標識の1つとして提示される。この場合、PASS(合格)は、最適レベルを超えたパーセントを示し、WARNING(警告)は、受け入れ可能であるが最適ではないレベルのパーセントを示し、FAIL(失敗)は、必要とされるレベル未満であるパーセントを示している。この提示は、任意の形態、例えば、表、図形又は描画用のフォーマットを取ることができ、また最悪ケースのパーセントを含むことができる。
【0240】
1つの実施形態では、画像処理は、収集されたスクリーン画像のエッジに延びる不完全な開口を無視するように構成され得る。そのような不完全な画像化された開口は、特に堆積物範囲のパーセントが各堆積物について決定される場合に、誤った結果をもたらす。
【0241】
1つの代替実施形態では、セットアップルーチンは、検査部位IS1−16の位置及びサイズを設定して、検査部位IS1−16の境界が印刷スクリーン2内の開口と交差しないようにする。
【0242】
もう1つの代替実施形態では、上述した代替実施形態でのように検査部位IS1−16の位置及びサイズを精密に設定する代わりに、検査部位IS1−16は重複するように構成され得る。そのような重複は、検査部位IS1−16のエッジ領域に対する画像処理の繰り返しを結果的に生じさせることになるが、比較的明確に、追加的画像処理の量は相対的に小さくなる。
【0243】
認められるように、本発明の検査システムは、遙かに単純な画像処理を利用し、これにより有意に検査時間を低減し、より多数の検査部位の検査に備えることを可能にすると共に、各検査部位で検査されるべき特徴、典型的には印刷スクリーン2内の開口とワークピースWの構造体を予めプログラミングすることを必要としない。
【0244】
画像処理は、先ず印刷スクリーン2の画像の処理を含む。このスクリーン画像は、単純画像、この実施形態では、開口に対応した小さな暗領域のものであり、印刷スクリーン2の本体に対応する明領域によって囲まれている。そのような画像処理は、スクリーン画像のピクセルの強度を利用する場合、明瞭に区別される暗及び明領域の単純な特性を必要とするだけであり、この特性は、開口閾値を使用することによって達成することができる。スクリーンピクセルを開口に対応するものとして分類した後にだけ、画像処理は、ワークピースWの画像の処理に及び、それからワークピース画像の対応するピクセルだけに及ぶ。この画像処理は、ワークピース画像のピクセルのものだけの処理を必要とする場合には、ワークピース画像全体が処理されることを必要とする現在のスクリーン印刷機で使用されている画像処理と比べて、有意に単純である。また、印刷スクリーン2の開口と位置が対応するワークピースピクセルを処理するだけの場合には、ワークピースピクセルは、暗ピクセル、この実施形態では堆積物のものであるか、明ピクセル、この実施形態では印刷されていない構造体のもののいずれかのみであるべきであって、これにより明瞭に区別される暗及び明領域の単純な特性を必要とするだけであり、この特性は、堆積物閾値を、単一の値又は上下限界を有する値のいずれかとして使用することによって、達成することができる。ワークピース画像全体が処理されることを必要とする現在のスクリーン印刷機で使用されている画像処理では、必要とされる処理は、遙かに複雑である。これは、異なる強度を有する多くの異なる特徴が互いに区別されなければならないからである。
【0245】
更には、予めプログラムされた特徴、典型的には印刷スクリーン2内の開口とワークピースW上の構造体を、印刷された堆積物を特徴付ける参照手段として利用することはしないが、その代わりに同時に捕獲されたスクリーン及びワークピース画像をマッピングする場合、スクリーン及びワークピース画像を捕獲することに使用されるカメラユニット8は、精密に位置決めされることを必要としない。事実、カメラユニット8の精密な位置決めは、典型的にはカメラユニット8を静止させたり、少なくともかなり低速にすることを必要とするが、この精密な位置決めを不要にすることによって、移動するカメラユニット8を使用して、飛行中の画像を捕獲することができる。この実施形態では、セットアップルーチンを利用して、各検査部位で捕獲されたスクリーン及びワークピース画像の対のオフセットを決定する。この場合、カメラユニット8の位置は参照されるが、この参照は、検査部位を指示することに利用されるだけである。それから、この参照は、ワークピース画像の画像オフセットを対応するスクリーン画像を基準として訂正することによって、画像捕獲の後に行われる。
【0246】
最後に、本発明はその好ましい実施形態について説明されてきたが、添付の請求の範囲によって規定される発明の範囲から逸脱することなく多くの異なる仕方で変形可能であることは、理解されるであろう。
【0247】
この実施形態では、カメラユニット8は、面積視野カメラを利用して、各検査部位における印刷スクリーン2及びワークピースWの面積視野画像を捕獲している。1つの代替実施形態では、印刷スクリーン2及びワークピースWを連続的に横切って走査するライン走査カメラが利用され得る。
【0248】
1つの代替実施形態では、各々の画像化された開口、そしてここでは堆積物に対するテーブルを構築する代わりに、各検査部位全体に割り当てられたピクセルについて開口カウント及び堆積物カウントを記録することによって、各検査部位に対するテーブルを構築することができる。あるいは、検査部位の全てに割り当てられたピクセルについて開口カウント及び堆積物カウントを記録することによって、各ワークピースWに対するテーブルを構築することができる。
【0249】
この実施形態では、カメラユニット8は、ストロボ式照明具を使用することによって、飛行中の画像化された検査部位の画像を捕獲する。1つの代替実施形態では、しかしながら、検査システムは、画像獲得時にはカメラユニット8を静止させて、ストロボ式照明具の必要性を回避するように構成できる。
【0250】
もう1つの代替実施形態では、明瞭な開口及び遮蔽された開口に対応する開口ピクセルの間には小さいが有意な強度値差が有りうるという知見に基づいて(この場合、低いパーセント堆積物範囲が開口について検出される)、開口に対する開口ピクセルがチェックされ得る。このチェックは、図21に関連して上述された強化画像処理ルーチンと同様の原理を使用して、明瞭な開口ピクセルと遮蔽された開口ピクセルとを弁別し、かくして開口に対する開口遮蔽の特徴付けをおこなうことによってなされる。この実施形態では、ワークピースW上の堆積物の存在は、高レベルの確信で、明瞭な開口に対応するものとして割り当てられる。かくして、堆積物に対応する、典型的には相手開口の中心領域に対応するワークピースピクセルの組を識別することによって、相手となる開口ピクセルの組は、明瞭な開口に対応するものとして割り当てられる。この開口ピクセルの組に対して、上下画像強度値が決定され、そして上下限界値が開口閾値に対して設定される。それから、開口に対する開口ピクセルの全てが処理される。この結果、開口ピクセルは、画像強度値が開口閾値に対して設定された限界値範囲内に入る明瞭な開口に対応するものとして、あるいは画像強度値が開口閾値に対して設定された限界値範囲から外れる遮蔽された開口に対応するものとして分類される。それから、そのように分類された開口ピクセルによって、パーセント遮蔽値が、開口に対して決定され得る。
【0251】
この実施形態では、検査ルーチンにおいて、検査部位からのスクリーン及びワークピース画像の対応する対の画像処理は、それらの画像の対の収集に後続して行われる。1つの代替実施形態では、印刷スクリーン2及びワークピースWの対応する捕獲された画像から派生された信号は、カメラからの信号がスクリーン及びワークピース画像からの対応するピクセルのものとなるように同期化されていて、カメラユニット8のカメラが全視野カメラ又はライン走査カメラである場合は、直接比較され得る。
【0252】
もう1つの代替実施形態では、検査部位からのスクリーン及びワークピース画像の対応する対の画像処理は、画像収集が行われている間に開始され、スクリーン及びワークピース画像の対応する部分に割り当てられたピクセルが収集されていたようにすることができる。
【0253】
この実施形態では、画像収集及び画像処理は、スクリーン印刷機の制御ユニット11によって行われる。1つの代替実施形態では、カメラユニット8は、少なくとも画像収集を行うように構成され、また1つの実施形態では、画像処理をも行うように構成され得る。
【0254】
この実施形態では、カメラユニット8のカメラは、インテグレーションを利用してスクリーン及びワークピース画像を捕獲している。1つの代替実施形態では、カメラユニット8のカメラは、シャッター式カメラであって、印刷スクリーン2及びワークピースWをシャッター式に撮影することによって、スクリーン及びワークピース画像を捕獲することができる。
【0255】
図25は、ワークピースW上の堆積物を特徴付けする場合に、カメラユニット8のスクリーン及びワークピースカメラの出力信号を直接比較するための検査回路の表現を模式的に示している。この実施形態のカメラユニット8のカメラは、面積視野カメラであるが、もう1つの代替実施形態では、ライン走査カメラであり得る。
【0256】
この検査回路は、試験/無視信号発生器15を備え、この発生器でスクリーンカメラの出力信号を受信して、試験/無視信号を出力する。この試験/無視信号は、スクリーンカメラの出力信号が、設定された開口閾値より大きな強度を有する場合に、第1の、無視状態IGNOREとなって、印刷スクリーン2の本体に対応する出力信号を表す。この試験/無視信号はまた、スクリーンカメラの出力信号が、設定された開口閾値より小さな強度を有する場合に、第2の、試験状態EXAMINEとなって、印刷スクリーン2内の開口に対応する出力信号を表す。上述した実施形態でのように、開口閾値は調整可能である。
【0257】
スクリーンカメラの出力信号、この実施形態ではアナログ信号は、スクリーン画像内の画像化されたそれぞれの点によって変化する強度を有する。図26を参照すると、スクリーンカメラの出力信号は、それぞれの画像ラインn,n+1,n+2の各々に対する出力を直列に有する。この場合、各画像ラインの出力は、同期周期SYNCによって分離されている。この同期周期中は、画像がブランクにされる。この実施形態では、各画像ラインは、印刷スクリーン2の本体に対応する第1の、高い領域と、印刷スクリーン2内の開口に対応する第2の、低い領域とを有する。
【0258】
試験/無視信号発生器15は更に、試験/無視信号発生器15を制御するように作用するイネーブル信号を受信し、イネーブル信号が存在しない場合に、試験/無視信号は無視状態IGNOREとなる。イネーブル信号を使用することによって、検査は、実際に検査を必要とする画像に制限される。典型的に、ブランク画像は、1つの大きな開口として現れる。
【0259】
検査回路は更に、堆積物不在/存在信号発生器17を備えて、試験/無視信号発生器15の出力信号と、ワークピースカメラの出力信号とを受信する。
【0260】
ワークピースカメラの出力信号、この実施形態ではアナログ信号は、ワークピース画像内の画像化されたそれぞれの点によって変化する強度を有する。図26を参照すると、ワークピースカメラの出力信号は、スクリーンカメラの出力信号と同じフォーマットを有する。即ち、それぞれのスクリーン画像ラインに対応したそれぞれのワークピース画像ラインn,n+1,n+2の各々に対する出力を直列に有する。この場合、各ワークピース画像ラインの出力は、同期周期SYNCによって分離されている。この同期周期中は、画像がブランクにされる。各ワークピース画像ラインは、幅広く変化する強度の領域を有する。通常、そのような幅広く変化する強度の領域は画像処理を困難にするが、この実施形態での各ワークピース画像ラインは、有意に、ワークピース上に印刷された堆積物に対応する低い強度の明瞭に区別される領域を有する。
【0261】
試験/無視信号発生器15の試験/無視信号が無視状態IGNOREにある間、堆積物不在/存在信号発生器17は、第1の、不在状態ABSENTにある不在/存在信号を出力する。
【0262】
試験/無視信号発生器15の試験/無視信号が試験状態EXAMINEにある間、堆積物不在/存在信号発生器17は、不在/存在信号を出力する。この不在/存在信号は、ワークピースカメラの出力信号が、この実施形態では設定された堆積物閾値より大きな強度を有する場合には、堆積物以外のものに対応するワークピース信号を表す第1の、不在状態ABSENTとなり、またワークピースカメラの出力信号が、この実施形態では設定された堆積物閾値より小さな強度を有する場合には、堆積物に対応するワークピース信号を表す第2の、存在状態PRESENTとなる。上述した実施形態でのように、堆積物閾値は調整可能である。
【0263】
検査回路は更に、試験/無視信号発生器15及び堆積物不在/存在信号発生器17の出力信号から印刷特性を決定するための印刷特性決定器19を備える。印刷特性決定器19は、印刷特性、典型的には堆積物範囲のパーセントの表現を、例えばPASS、WARNING又はFAIL表現として決定する動作をする。この場合、PASSは、最適レベルを超えたパーセントを示し、WARNINGは、受け入れ可能であるが最適ではないレベルのパーセントを示し、FAILは、必要とされるレベル未満であるパーセントを示している。この決定は、存在状態PRESENTにある堆積物不在/存在信号発生器17の出力信号の相対的期間を、試験状態EXAMINEにある試験/無視信号発生器15の出力信号を基準として、参照することによってなされる。各検査部位を、1つの開口だけを含むように、従って1つの堆積物を印刷するように選択することによって、堆積物範囲のパーセントは、各堆積物について決定される。この代わりに、検査部位は、複数の開口を含むように、従って複数の堆積物を印刷するようにすることができる。この場合、結果として得られる堆積物範囲のパーセントは、検査部位における堆積物に対する平均値を表す。上述した第1の実施形態でのように、堆積物範囲のパーセントの表現は、多くの異なる形態をとることができる。
【0264】
1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、スクリーンカメラの出力信号は、印刷スクリーン2の本体に対応する、設定された開口閾値より小さな強度と、印刷スクリーン2内の開口に対応する、設定された開口閾値より大きな強度とを有することができる。この実施形態では、試験/無視信号発生器15は、試験/無視信号を出力するように構成される。この試験/無視信号は、スクリーンカメラの出力信号が、設定された開口閾値より小さな強度を有する場合には、第1の、無視状態IGNOREとなり、またスクリーンカメラの出力信号が、設定された開口閾値より大きな強度を有する場合には、第2の、試験状態EXAMINEとなる。
【0265】
もう1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、ワークピースカメラの出力信号は、堆積物以外のものに対応する、設定された堆積物閾値より小さな強度と、堆積物に対応する、設定された堆積物閾値より大きな強度とを有することができる。この実施形態では、堆積物不在/存在信号発生器17は、不在/存在信号を出力するように構成され得る。この不在/存在信号は、ワークピースカメラの出力信号が、設定された堆積物閾値より小さな強度を有する場合には、不在状態ABSENTとなり、またワークピースカメラの出力信号が、設定された堆積物閾値より大きな強度を有する場合には、存在状態PRESENTとなる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークピース、典型的には基板、例えば回路基板上に印刷された堆積物を検査する検査システム及び方法に関する。
【0002】
既存の検査システム、例えば本出願人DEKインターナショナルGmbH(スイス国チューリッヒ)から入手可能なスクリーン印刷機で利用されたり、あるいはEP−A−1000529に開示されている検査システムは、期待堆積物範囲のパーセントとしての総合堆積物範囲の単純な決定と、より複雑な決定の双方に備えている。より複雑な決定は、期待堆積物範囲のパーセントとしての各堆積物の堆積物範囲と、構造体例えばパッドに対する堆積物の整合と、隣接する堆積物と構造体との間の実際の又は本物に近い架橋と、塞がれた開口即ちにじみを探す印刷スクリーンの検査とを含んでいる。
【0003】
これら既存の検査システムは、一般的にカメラユニットを利用する。このカメラユニットは、印刷スクリーンと、導入されたワークピースとを整合することに利用され、ワークピースの一領域の画像を収集し、またスクリーン検査が行われる場合には、複数の検査部位における印刷スクリーンの画像を収集する。
【0004】
1つの決定では、各検査部位におけるワークピースの画像は処理されて、堆積物によって覆われていない構造体、典型的にはパッドの領域を識別する。また、それら領域の面積は、予め検討された構造体の全面積と比較され、構造体上の堆積物の面積を決定する。この結果得られた値は、それから堆積物範囲のパーセントとして報告される。
【0005】
検査される各検査部位について、堆積物がその上に印刷されるワークピース上の構造体の各々のサイズ及び位置と、期待される堆積物の各々のサイズ及び位置とを決定するために、検討工程が必要とされる。印刷された堆積物についての堆積物範囲のパーセントはそれから、完全な堆積物の参照によって決定される。あるいは、印刷された堆積物の面積は、堆積物がそこを通して印刷される印刷スクリーンの開口の面積と一致すべきであるということに基いて、印刷スクリーンの対応する開口の参照によって決定され得る。
【0006】
スクリーン印刷機を通してワークピースの満足なスループットを達成するために、制限された期間だけが検査に割り当てられる。印刷回路基板のようなワークピースの画像は複雑であって、印刷されたペースト、印刷されていないパッド、トラック、ベア基板、半田レジスト、半田レジストで覆われたトラック及び印刷された記号を含む。このような場合には、画像を解釈するために複雑な画像処理を必要とする。複雑な画像処理を必要とする場合、画像処理を完了するに必要な時間は長いものとなり、所定の割り当て期間内に検査され得る検査部位の数、従ってワークピースの面積を制限してしまう。
【0007】
また、既存の検査システムは、ワークピース画像が各検査部位で捕獲されるときに精密に位置決めされるために、カメラユニットを必要とする。そうでなければ、捕獲される画像は、その検査部位について予め検討された画像には対応せず、また検討されている構造体の組、例えば印刷回路基板上のパッドを含むことはない。これにより、検査に誤差を招く。かくして、カメラユニットは、各検査部位で停止され、参照されなければならず、検査時間の一因となる。それでも、位置決めは、不整合を回避するように十分に精密にはならない。
【0008】
更に、既存の検査システムは、各検査部位におけるワークピース上の構造体及び印刷スクリーン内の開口に関連した大量のデータの発生及び記憶を必要とする。そのような大量のデータを扱う場合、データ処理は特に時間のかかるものとなる。
【0009】
本発明の1つの目的は、ワークピース、典型的には基板、例えば回路基板上に印刷された堆積物を検査するための改良された検査システムと、それを組み込んだスクリーン印刷機と、ワークピース、典型的には基板、例えば回路基板上に印刷された堆積物を検査する改良された検査方法とを提供することにある。
【0010】
1つの形態において、本発明は、印刷スクリーンを通してワークピース上に印刷された堆積物(デポジット)を検査する検査システムを提供する。このシステムは、カメラユニットと、制御ユニットとを備え、カメラユニットは、印刷スクリーン及びワークピースに対して移動可能であり、印刷スクリーンは、複数の開口を有した本体を備え、ワークピースは、印刷スクリーンの開口を通してその上に堆積物が印刷されるものであり、制御ユニットは、印刷スクリーン及びワークピースの少なくとも一対の対応する領域の画像を捕獲するようにカメラユニットを制御すると共に、画像を処理して、印刷スクリーンの画像を規定する複数の点の各々について、その点が開口のものであるか否かを決定し、そしてその点が開口のものである場合にだけ、対応する複数の点によって規定されたワークピースの対応する画像の対応する点が、堆積物のものであるか否かを決定するように動作可能であり、これによりワークピースに印刷された堆積物の印刷特性の決定を、堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係から可能とするものである。
【0011】
カメラユニットは、同時に印刷スクリーン及びワークピースの画像を捕獲するように動作可能であることが好ましい。
【0012】
1つの実施形態において、カメラユニットは、印刷スクリーン及びワークピースの全面積画像を捕獲するための全面積カメラユニットである。
【0013】
もう1つの実施形態において、カメラユニットは、印刷スクリーン及びワークピースのライン走査画像を捕獲するためのライン走査カメラユニットである。
【0014】
1つの実施形態において、制御ユニットは、カメラユニットによる画像捕獲中に、同時に印刷スクリーン及びワークピースの画像を処理するように構成されている。
【0015】
もう1つの実施形態において、制御ユニットは、収集に後続して、捕獲された画像を処理するように構成されている。
【0016】
1つの実施形態において、印刷スクリーン及びワークピースの画像は、画像特徴に依存した強度を持つスクリーン及びワークピース信号のそれぞれによって規定され、画像の各々を規定する点は、それぞれのスクリーン及びワークピース信号の時間スライスされた成分である。
【0017】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、スクリーン信号が開口のものであると決定された時間に対するワークピース信号が堆積物のものであると決定された時間の時間カウントから決定されることが好ましい。
【0018】
もう1つの実施形態において、印刷スクリーン及びワークピースの画像は、ピクセル化された画像であり、画像の各々を規定する点は、ピクセル化された画像のピクセルである。
【0019】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、開口のものであると決定されたピクセルの数に対する堆積物のものであると決定されたピクセルの数の数カウントから決定されることが好ましい。
【0020】
1つの実施形態において、制御ユニットは、印刷スクリーン及びワークピースの複数の対の対応する画像を、使用時に画像が収集される複数の検査部位を規定する検査計画に従って、収集するように構成されている。
【0021】
検査計画の検査部位は、セットアップルーチンで決定されていることが好ましい。
【0022】
カメラユニットによって収集された各検査部位における印刷スクリーン及びワークピースの対応する対の画像におけるオフセットは予め決定されていて、印刷スクリーンの対応する画像中のピクセルに対応するワークピースの画像中のピクセルが、そのオフセットに従って決定されることがより好ましい。
【0023】
1つの実施形態において、印刷特性は、期待堆積物範囲と比べたときの決定堆積物範囲のパーセントの表現を備える。
【0024】
1つの実施形態において、印刷特性は、全ての堆積物に対する表現として与えられる。
【0025】
表現は、最悪ケースの堆積物のものであることが好ましい。
【0026】
もう1つの実施形態において、印刷特性は、検査部位に対する複数の表現として与えられる。
【0027】
1つの実施形態において、各検査部位に対する表現は、それぞれの検査部位における最悪ケースの堆積物のものである。
【0028】
もう1つの実施形態において、各検査部位に対する表現は、それぞれの検査部位における堆積物の少なくともいくつかの堆積物、又はいくつかの堆積物のグループに対応する複数の表現を備える。
【0029】
堆積物のものであると決定された点は、画像強度の参照閾値を参照することによって決定されたものであることが好ましい。
【0030】
1つの実施形態では、開口の少なくとも1つについて、堆積物のものであると決定された点は、画像強度の参照閾値より大きいか小さい画像強度を有するものと決定されたものである。
【0031】
1つの実施形態では、開口の少なくとも1つについて、堆積物のものであると決定された点は、画像強度の参照閾値の上下限界範囲内の画像強度を有するものと決定されたものである。
【0032】
本発明はまた、上述した検査システムを組み入れたスクリーン印刷機にも及ぶ。
【0033】
異なる形態において、本発明は、印刷スクリーンを通してワークピース上に印刷された堆積物を検査する方法を提供する。この方法は、印刷スクリーン及びワークピースの少なくとも一対の対応する領域の画像を捕獲する工程と、画像を処理する工程とを備え、画像を捕獲する工程において、印刷スクリーンは、複数の開口を有した本体を備え、ワークピースは、印刷スクリーンの開口を通してその上に堆積物が印刷されるものであり、画像を処理する工程では、印刷スクリーンの画像を規定する複数の点の各々について、その点が開口のものであるか否かを決定し、そしてその点が開口のものである場合にだけ、対応する複数の点によって規定されたワークピースの対応する画像の対応する点が、堆積物のものであるか否かを決定し、これによりワークピースに印刷された堆積物の印刷特性の決定を、堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係から可能とする。
【0034】
印刷スクリーン及びワークピースの画像は、同時に捕獲されることが好ましい。
【0035】
1つの実施形態では、印刷スクリーン及びワークピースの全面積画像が捕獲される。
【0036】
もう1つの実施形態では、印刷スクリーン及びワークピースのライン走査画像が捕獲される。
【0037】
1つの実施形態では、画像捕獲工程及び処理工程は、同時に行われる。
【0038】
もう1つの実施形態では、処理工程は、画像捕獲工程に後続して行われる。
【0039】
1つの実施形態では、印刷スクリーン及びワークピースの画像は、画像特徴に依存した強度を持つスクリーン及びワークピース信号のそれぞれによって規定され、画像の各々を規定する点は、それぞれのスクリーン及びワークピース信号の時間スライスされた成分である。
【0040】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、スクリーン信号が開口のものであると決定された時間に対するワークピース信号が堆積物のものであると決定された時間の時間カウントから決定されることが好ましい。
【0041】
もう1つの実施形態では、印刷スクリーン及びワークピースの画像は、ピクセル化された画像であり、画像の各々を規定する点は、ピクセル化された画像のピクセルである。
【0042】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、開口のものであると決定されたピクセルの数に対する堆積物のものであると決定されたピクセルの数の数カウントから決定されることが好ましい。
【0043】
1つの実施形態では、画像捕獲工程において、印刷スクリーン及びワークピースの複数の対の対応する画像は、複数の検査部位において検査計画に従って収集される。
【0044】
この方法は、画像が収集される複数の検査部位を規定する検査計画を決定するためのセットアップルーチンを行う工程を更に備えることが好ましい。
【0045】
セットアップルーチンにおいて、各検査部位における印刷スクリーン及びワークピースの対応する対の画像におけるオフセットが決定され、そして、印刷スクリーンの対応する画像中のピクセルに対応するワークピースの画像中のピクセルを決定する場合、印刷スクリーンの対応する画像中のピクセルに対応するワークピースの画像中のピクセルは、そのオフセットに従って決定されることがより好ましい。
【0046】
1つの実施形態において、印刷特性は、期待堆積物範囲と比べたときの決定堆積物範囲のパーセントの表現を備える。
【0047】
1つの実施形態において、印刷特性は、全ての堆積物に対する表現として与えられる。
【0048】
表現は、最悪ケースの堆積物のものであることが好ましい。
【0049】
もう1つの実施形態では、印刷特性は、検査部位に対する複数の表現として与えられる。
【0050】
1つの実施形態において、各検査部位に対する表現は、それぞれの検査部位における最悪ケースの堆積物のものである。
【0051】
もう1つの実施形態において、各検査部位に対する表現は、それぞれの検査部位における堆積物の少なくともいくつかの堆積物、又はいくつかの堆積物のグループに対応する複数の表現を備える。
【0052】
ワークピースの対応する画像の各対応する点は、画像強度の参照閾値を参照することによって、堆積物のものであると決定されることが好ましい。
【0053】
1つの実施形態では、開口の少なくとも1つについて、ワークピースの対応する画像の各対応する点は、画像強度の参照閾値より大きいか小さい画像強度を有する場合に、堆積物のものであると決定される。
【0054】
1つの実施形態では、開口の少なくとも1つについて、ワークピースの対応する画像の各対応する点は、画像強度の参照閾値の上下限界範囲内の画像強度を有する場合に、堆積物のものであると決定される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の好ましい実施形態に係る検査システムを組み入れたスクリーン印刷機を示す。
【図2】図1のスクリーン印刷機のカメラユニットの、印刷スクリーンとワークピースとの間に配設された縦立面図を示す。
【図3】図1のスクリーン印刷機の検査システムのセットアップルーチンについての流れ図を示す。
【図4】図1のスクリーン印刷機のカメラユニットの、セットアップルーチンにおける走査経路を図解的に表す。
【図5】図3のセットアップルーチンで使用される開口/構造体閾値設定ルーチンの流れ図を示す。
【図6】図3のセットアップルーチンで使用される検査ルーチンの流れ図を示す。
【図7】図1のスクリーン印刷機のカメラユニットの、規定された検査計画を有する検査ルーチンにおける走査経路を図解的に表す。
【図8】図6の検査ルーチンで使用される堆積物閾値設定ルーチンの流れ図を示す。
【図9】収集されたスクリーン画像の部分(図7の領域R1)を示す。
【図10】図9のスクリーン画像の部分に対応する収集されたワークピース画像の一部を示す。
【図11】図9のスクリーン画像を、印刷スクリーンの開口に割り当てられたピクセルを識別する場合について示す。
【図12】図10のワークピース画像を、堆積物及び構造体に割り当てられたピクセルと、図11の割り当てられた開口ピクセルの相手を識別する場合について示す。
【図13】図1のスクリーン印刷機の検査システムの1つの実施形態の検査ルーチンについての流れ図を示す。
【図14】図13の検査ルーチンの画像処理ルーチンついての流れ図を示す。
【図15】図1のスクリーン印刷機の検査システムのもう1つの実施形態の検査ルーチンについての流れ図を示す。
【図16】収集されたスクリーン画像の他の部分(図7の領域R2)を示す。
【図17】図16のスクリーン画像の他の部分に対応する収集されたワークピース画像の一部を示す。
【図18】図15の検査ルーチンの第1の標準画像処理ルーチンついての流れ図を示す。
【図19】図16のスクリーン画像を印刷スクリーンの開口に割り当てられたピクセルを識別する場合について示す。
【図20】図17のワークピース画像を、堆積物及び堆積物以外に割り当てられたピクセル並びに図19の割り当てられた開口ピクセルの相手を識別する場合について示す。
【図21】図15の検査ルーチンの第2の強化画像処理ルーチンについての流れ図を示す。
【図22】図19のスクリーン画像を、検査ピクセルの組を開口ピクセルの組内で印刷スクリーンのそれぞれの開口に対して識別する場合について示す。
【図23】図20のワークピース画像を、印刷スクリーン内の検査ピクセルの組に対応するワークピースピクセルを識別する場合について示す。
【図24】図17のワークピース画像を、堆積物及び堆積物以外に割り当てられたピクセル並びに図19の割り当てられた開口ピクセルの相手を識別する場合について示す。
【図25】検査システムの検査回路の表現を、図1のスクリーン印刷機の検査システムの変形例として示す。
【図26】図25の検査回路の動作に利用される信号を示す。
【0056】
以下、本発明の好ましい実施形態が、添付の図面を参照して、例としてのみ説明される。
【0057】
図1は、本発明の好ましい実施形態に係るスクリーン印刷機を示している。
【0058】
このスクリーン印刷機は、印刷スクリーン2と、印刷ヘッド3とを有する。印刷ヘッドは、印刷スクリーン2を横切って前後に移動可能であって、印刷材料を、印刷スクリーン2の開口のパターンを通して、その下に配設されたワークピースW上に押しやる。
【0059】
スクリーン印刷機は更に、ワークピース輸送装置を備える。この輸送装置は、一対の輸送レール5,6を有し、それに沿ってワークピースWは印刷ゾーンへ輸送される。この輸送装置はまた、ワークピース支持機構7を有する。この支持機構は、印刷スクリーン2の下に配設されて、ワークピースWを印刷ゾーン支持する。
【0060】
スクリーン印刷機は更に、検査システムを備える。この検査システムは、印刷スクリーン2及びワークピースWの画像を捕獲するためのカメラユニット8と、このカメラユニット8を移動させて複数の検査部位で画像を捕獲させるための位置決め機構9、この実施形態ではX−Yテーブルと、カメラユニット8及び位置決め機構9を制御して印刷スクリーン2及びワークピースWの画像を捕獲させると共に、捕獲された画像を後続の画像処理用に収集するための制御ユニット11とを備える。この実施形態の制御ユニット11は、捕獲された画像を収集するためのフレーム・グラバー・カードを有する。
【0061】
図2を参照すると、カメラユニット8は、見る高さにあるときに、印刷スクリーン2とワークピースWとの間を移動されるように構成され、印刷スクリーン2を見上げると共にワークピースWを見下ろしながら、検査部位の各々で、印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の同時捕獲を可能とする。この実施形態のカメラユニット8は、飛行中の画像捕獲に備えたストロボ式照明具を有する。この実施形態では、カメラユニット8の移動のスピードは制御され、カメラユニット8が、カメラユニット8のフレームレートを超えないレートで、各連続した検査部位に配置されるようにする。好ましい実施形態では、カメラユニット8の移動のスピードは制御され、カメラユニット8が、カメラユニット8のフレームレートに対応して、各連続した検査部位に配置されるようにする。しかし、他の実施形態では、例えば検査部位間に比較的大きな距離がある結果、カメラユニット8が、連続した検査部位のいくつかの部位間を、カメラユニット8のフレームレートで移動され得ない場合、それら検査部位間の移動の時間は、カメラユニット8のフレームレートよりも大きくされ得る。
【0062】
この実施形態では、セットアップルーチンが、検査部位の各々で印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対の間の位置関係を決定すること、並びに画像化される必要のある検査部位を識別することの双方に使用される。このセットアップルーチンは、既存のスクリーン印刷機の検査システムによって使用されるような検討工程とは等価でない。何故ならば、詳細な画像情報が、印刷スクリーン2又はワークピースWのいずれについても、後続の検査、典型的には印刷スクリーン2の開口の位置及び寸法又はワークピースWの開口の位置及び寸法についての検査で使用されるために、収集されることがないからである。
【0063】
以下、図3を参照してセットアップルーチンが説明される。
【0064】
ワークピースW、この実施形態では印刷回路基板は、スクリーン印刷機に装填され、印刷スクリーン2と整合される(ステップ103)。
【0065】
それから、閾値設定ルーチン(ステップ104)が行われて、印刷スクリーン2及びワークピースWから収集された画像に対し、それぞれの画像閾値の設定、即ちスクリーン画像中の開口を分類するための開口閾値と、ワークピース画像中の構造体を分類するための構造体閾値の設定が可能にされる。これにより、印刷スクリーン2内の開口とワークピースW上の構造体の画像化が最適化され、そのような開口や構造体に対して画像閾値を検出しない可能性(それらが適正に設定されていない場合に起こる)を回避する。
【0066】
この閾値設定ルーチン(ステップ104)では、カメラユニット8は、開始位置、典型的にはワークピースWの1つの隅から開始して段階的に移動され、印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を複数の隣接する検査部位で捕獲する。代表的な例として、図4は、ワークピースW上の複数(この実施形態では16個)の隣接する検査部位IS1−16を示している。
【0067】
図5を参照すると、オペレータは先ず、開口及び構造体閾値を設定するかについての選択肢を与えられる(ステップ104a)。
【0068】
オペレータが開口及び構造体閾値を設定しないと選んだ場合、閾値設定ルーチン(ステップ104)は終了される。
【0069】
オペレータが開口及び構造体閾値を設定すると選んだ場合、閾値設定ルーチン(ステップ104)は完了される。
【0070】
第1の検査部位IS1における開始位置から開始して、カメラユニット8は、第1の検査部位IS1において印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する(ステップ104b)。
【0071】
第1の検査部位IS1で捕獲されたスクリーン及びワークピース画像はそれから、この実施形態では制御ユニット11によって収集されて、その上に重畳された派生型オーバーレイのそれぞれと共に表示される。この場合、派生型オーバーレイは、スクリーン画像については印刷スクリーン2の開口のものであり、またワークピース画像についてはワークピースW上の構造体のものである。この派生型オーバーレイは、収集された画像から、既存の開口及び構造体閾値を使用して、初めに派生されたものである(ステップ104c)。オーバーレイを使用することによって、オペレータは、派生された開口及び構造体の理解容易な表現を、それぞれの実際のスクリーン及びワークピース画像に関連して与えられる。好ましい実施形態では、このオーバーレイは、半透明のオーバーレイとして、好ましくは色付きで表示され、収集された画像に対する容易な識別を可能にする。
【0072】
オーバーレイがスクリーン画像中の開口及びワークピース画像中の構造体のそれぞれと正確に一致しない場合、オペレータは、所望の一致が得られるまで、開口及び構造体閾値のそれぞれを調整する(ステップ104d)。この実施形態では、オーバーレイは、開口及び構造体閾値を調整することによって連続的に再派生され、最適閾値の容易な設定を可能にする。
【0073】
それからオペレータは、次の、即ち第2の検査部位IS2についてのスクリーン及びワークピース画像に関連して設定された開口及び構造体閾値をチェックし続けることについての選択肢を提示される(ステップ104e)。
【0074】
オペレータが第2の検査部位IS2についてのスクリーン及びワークピース画像に関連して設定された開口及び構造体閾値をチェックしないと選んだ場合、閾値設定ルーチン(ステップ104)は終了される。
【0075】
オペレータが第2の検査部位IS2についてのスクリーン及びワークピース画像に関連して設定された開口及び構造体閾値をチェックすると選んだ場合、閾値調整サブルーチン(ステップ104b〜104d)は第2の検査部位IS2について繰り返される。この場合、カメラユニット8は、第2の検査部位IS2へ歩進される。
【0076】
それからこのプロセスは、後続の検査部位IS3−16の各々について繰り返される。
【0077】
閾値設定ルーチン(ステップ104)の完了後に、開始位置から、この実施形態ではワークピースWの1つの隅から、複数の隣接する検査部位IS1−16を通してワークピースWの表面全体にわたるカメラユニット8の走査が開始される(ステップ105)。この走査は、この実施形態では、カメラユニット8を横方向に移動させると共に、ワークピースWの横エッジに向けて前方へ進めることによって、ラインバイライン式に行われる。この走査のモードは、図4に表されている。この場合、カメラユニット8は、ワークピースW上を走査経路SPに沿って走査され、そしてワークピースW及び印刷スクリーン2の画像は、複数の隣接する走査部位IS1−16で捕獲される。
【0078】
カメラユニット8が第1の走査部位IS1に配置されていると、カメラユニット8は起動され(ステップ106)、第1の走査部位IS1における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0079】
それから、第1の走査部位IS1が最後に検査されるものであるかについて、チェック(ステップ107)がなされる。
【0080】
第1の走査部位IS1が最後に検査されるものである場合、カメラユニット8は待機され(ステップ108)、そしてそれ以上の画像はカメラユニット8によって捕獲されない。
【0081】
第1の走査部位IS1が最後に検査されるものでない場合、カメラユニット8は起動され(ステップ106)、次の、即ち第2の走査部位IS2における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0082】
それからこのプロセスは、検査される更なる検査部位IS2−16の各々について繰り返される。
【0083】
このようにして、印刷スクリーン2及びワークピースWの完全な画像が得られる。この場合、各々の完全な画像は、複数の検査部位IS1−16の画像によって構成されている。
【0084】
1つの実施形態において、セットアップルーチンで走査される検査部位IS1−16は、オペレータによって識別可能である。典型的に、走査される検査部位IS1−16は、ワークピースWの図形的表現から選択されるか、あるいはカメラユニット8を必要とされる検査部位IS1−16へ手動で移動させることにより選択される。
【0085】
カメラユニット8による捕獲後に、各々の連続した検査部位IS1−16から捕獲された印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対は収集され(ステップ109)、画像処理を可能とする。
【0086】
第1の検査部位IS1から捕獲されたスクリーン及びワークピース画像の収集後に、第1の検査部位IS1から収集されたスクリーン画像に対しチェック(ステップ110)がなされて、そのスクリーン画像が開口を有するかを決定する。
【0087】
少なくとも1つの開口がスクリーン画像に存在する場合、1つの開口の位置、この実施形態では中心開口の中心が、ワークピース画像中のワークピースW上の対応する構造体、この実施形態ではパッドの位置として参照され、スクリーン及びワークピース画像間のオフセットを決定する(ステップ111)。このオフセットデータは、第1の走査部位IS1を識別する識別子、典型的にはカメラユニット8の座標と共に、オフセットルックアップテーブルに記録される(ステップ112)。このオフセットルックアップテーブルが設けられると、印刷稼動中に検査ルーチンで収集されたスクリーン及びワークピース画像の対に対する画像データの比較、特に対応するピクセルのマッピングが、収集されたスクリーン及びワークピース画像の対から可能になる。1つの実施形態では、スクリーン及びワークピース画像がスケール差あるいはミラー反転を有する場合、第2のルックアップテーブルが生成されて、スクリーン及びワークピース画像からの対応するピクセルの比較がなし得る。
【0088】
スクリーン画像に開口が存在しない場合、第1の検査部位IS1は検査計画に含まれず、位置参照及びオフセット記録ステップ(ステップ111及び112)はスキップされる。図4の表現において、印刷スクリーン2は、第3及び第12の検査部位IS3,IS12に開口を有しない。
【0089】
それから、第1の走査部位IS1が最後に検査されるものであるかについて、チェック(ステップ113)がなされる。
【0090】
第1の走査部位IS1が最後に検査されるものでない場合、画像収集ステップ(ステップ109)と画像処理サブルーチン(ステップ110,111及び112)は、次の、即ち第2の検査部位IS2について繰り返される。
【0091】
それからこのプロセスは、画像処理される更なる検査部位IS3−16の各々について繰り返される。
【0092】
この実施形態では、画像処理サブルーチン(ステップ110,111及び112)で行われる画像処理は、画像収集ステップ(ステップ109)で行われる画像収集よりもはるかに高速である。画像収集は、この実施形態では、カメラユニット8のフレームレート内で完了されるので、画像処理は、カメラユニット8のフレームレート内で行うことができる。
【0093】
この実施形態では、カメラユニット8は、画像の各連続した対がカメラユニット8のフレームレートで捕獲されるようなレートで走査される。CCIRカメラフォーマットにとって、フレームレートは、25フレーム/秒である。各検査部位IS1−16において、カメラユニット8の照明具はストロボ式であって、印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対は、カメラユニット8によって捕獲され、そして制御ユニット11によって収集される。
【0094】
検査部位IS1−16の全てが収集されて、画像処理されたときは、決定された検査計画の表現が、この実施形態では図形表現によって、それからオペレータに提示される(ステップ115)。この場合、その表現は、開口を含む検査部位IS1,2,4−11,13−16の数と、それらの検査部位IS1,2,4−11,13−16の全ての完全な検査を行うに必要な推定された時間とを示す。それからオペレータは、検査計画を編集する機会を持ち(ステップ117)、これにより検査部位IS1,2,4−11,13−16のそれぞれを省略して、検査時間を受け入れ可能なレベルまで減少する。
【0095】
スクリーン印刷機は、それから動作され(ステップ119)、堆積物、この実施形態では印刷材料、例えばペーストを、ワークピースW上に印刷する。
【0096】
ワークピースWの印刷後に、ワークピースWは印刷スクリーン2から見る高さへ分離されて、カメラユニット8がワークピースW上を走査されるようにする。
【0097】
それから、決定された検査計画に従う検査ルーチン(ステップ121)が行われる。これは、ワークピースWの収集された画像内の堆積物用の画像閾値、即ち堆積物閾値の調整を可能にすると共に、印刷された堆積物の受容可能性に関する基準を設定するためである。
【0098】
以下、図6を参照して検査ルーチン(ステップ121)が説明される。
【0099】
閾値設定ルーチン(ステップ121a)が最初に行われ、堆積物閾値の設定を可能にする。
【0100】
図7を参照すると、この閾値設定ルーチン(ステップ121a)において、カメラユニット8は、開始位置、この実施形態ではワークピースWの1つの隅から開始して段階的に移動され、印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を、決定された検査計画に従って、複数の検査部位IS2,4−11,14−16で捕獲する。この例示された検査計画は、選択された検査部位IS2,4−11,14−16での検査に備える。この場合、第1、第3、第12及び第13の検査部位IS1,IS3,IS12,IS13は、検査計画から省かれている。セットアップルーチンで検査された第3及び第12の検査部位IS3,IS12は、検査計画から省かれている。それらの検査部位は、印刷スクリーン2内の開口、従ってワークピースW上の堆積物を含まないからである。また、セットアップルーチンで検査された第1及び第13の検査部位IS1,IS13は、必要とされる処理を低減するために、検査計画から省かれている。これら検査部位は、通常はワークピースW上への堆積物の印刷に関して問題とならない印刷スクリーン2内の比較的大きな開口を有するだけである。
【0101】
図8を参照すると、オペレータは、堆積物閾値を設定することについての選択肢を与えられる(ステップ121a(1))。
【0102】
オペレータが堆積物閾値を設定しないことを選ぶ場合、閾値設定ルーチン(ステップ121a)は終了される。
【0103】
オペレータが堆積物閾値を設定することを選ぶ場合、閾値設定ルーチン(ステップ121a)は完了される。
【0104】
第2の検査部位IS2における開始位置から開始して、カメラユニット8は、ワークピースWの画像を第2の検査部位IS2で捕獲する(ステップ121a(2))。
【0105】
第2の検査部位IS2で捕獲された画像、この実施形態では制御ユニット11によって収集された画像は、その上に重畳されたワークピースW上の堆積物の派生オーバーレイと共に表示される。この場合、派生オーバーレイは、初めは収集されたワークピース画像から、既存の堆積物閾値を使用して派生される(ステップ121a(3))。上述したように、オーバーレイを使用することによって、オペレータは、派生された堆積物の理解容易な表現を、実際のワークピース画像内の堆積物に関連して与えられる。好ましい実施形態では、オーバーレイは、半透明なオーバーレイとして、好ましくは色付きで表示され、収集された画像に対する容易な識別を可能にする。
【0106】
オーバーレイがワークピース画像中の堆積物と正確に一致しない場合、オペレータは、より最適な一致が得られるまで、堆積物閾値を調整する(ステップ121a(4))。この実施形態では、オーバーレイは、堆積物閾値を調整することによって連続的に再派生され、最適堆積物閾値の容易な設定を可能にする。
【0107】
それからオーバーレイは、検査計画に従って、次の、この実施形態では第4の検査部位IS4についてのワークピース画像に関連した堆積物閾値をチェックし続けることについての選択肢を提示される(ステップ121a(5))。
【0108】
オペレータが、第4の検査部位IS4についてのワークピース画像に関連した堆積物閾値をチェックしないと選んだ場合、閾値設定ルーチン(121a)は終了される。
【0109】
オペレータが、第4の検査部位IS4についてのワークピース画像に関連した堆積物閾値をチェックすると選んだ場合、閾値調整サブルーチン(ステップ121a(2−4))は第4の検査部位IS4について繰り返される。この場合、カメラユニット8は、第4の検査部位IS4へ歩進される。
【0110】
それからこのプロセスは、後続の検査部位IS5−11,14−16の各々について繰り返される。
【0111】
閾値設定ルーチン(ステップ121a)の完了後に、検査計画によって規定されている開始位置から、この実施形態では第2の検査部位IS2から、ワークピースWの表面全体にわたるカメラユニット8の走査が開始される(ステップ105)。この走査は、この実施形態では、カメラユニット8を横方向に移動させると共に、ワークピースWの横エッジに向けて前方へ進めることによって、ラインバイライン式に行われる。この結果、印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対が、検査計画に従って、複数の走査部位IS2,4−11,14−16で連続して捕獲される。この走査のモードを表している図7を再度参照すると、カメラユニット8は、ワークピースW上を走査経路SPに沿って走査され、そしてワークピースW及び印刷スクリーン2の画像は、検査計画に従って、複数の走査部位IS2,4−11,14−16で捕獲される。
【0112】
この実施形態のカメラユニット8は、飛行中の画像捕獲用にストロボ式照明具を有する。この場合、カメラユニット8の移動のスピードは制御され、カメラユニット8が、検査計画によって規定されているように、カメラユニット8のフレームレートに対応して、各連続した検査部位IS2,4−11,14−16に配置されるようにする。この場合、カメラユニット8は、必要に応じて、例えば隣接していない第2及び第4の検査部位IS2,IS4の間では加速される。
【0113】
カメラユニット8が第2の走査部位IS2に配置されると、カメラユニット8は起動され(ステップ121c)、第2の走査部位IS2における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0114】
それから、第2の走査部位IS2が最後に検査されるものであるかについて、チェック(ステップ121d)がなされる。
【0115】
第2の走査部位IS2が最後に検査されるものである場合、カメラユニット8は待機され(ステップ121e)、そしてそれ以上の画像はカメラユニット8によって捕獲されない。
【0116】
第2の走査部位IS2が最後に検査されるものでない場合、カメラユニット8は起動され(ステップ121c)、次の、この実施形態では第4の走査部位IS2における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって再び収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0117】
それからこのプロセスは、検査計画に従って検査される更なる検査部位IS5−11,14−16の各々について繰り返される。
【0118】
カメラユニット8による捕獲の後に、各々の連続した検査部位IS2,4−11,14−16から捕獲された印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対は、画像処理用に収集される(ステップ121f)。
【0119】
この実施形態では、収集されたスクリーン及びワークピース画像は、ピクセル化され、ピクセルグリッドPGによって規定される。図9及び10は、収集されたスクリーン及びワークピース画像のそれぞれの対応する部分(図7の領域R1)を示している。この場合、各画像は、同じピクセルグリッドPGを持つ。図解を容易にするために、ピクセルグリッドPGは、非常に粗い分解能を有するように図解されているが、実際には、ピクセルグリッドPGの分解能は、より細かなもので、エッジ効果によって導入された誤差を最小化する。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0120】
図9は、収集されたスクリーン画像の一部分(図7の領域R1)を示している。この部分は、3つの等サイズの矩形開口A1,A2,A3を包囲している。
【0121】
図10は、対応する収集されたワークピース画像の対応する部分(図7の領域R1)を示している。この部分は、堆積物D1,D2,D3がその上に印刷された3つの等サイズの矩形構造体S1,S2,S3を包囲している。
【0122】
第2の検査部位IS2から捕獲されたスクリーン及びワークピース画像の対の収集後に、画像データからスクリーン画像の第1のピクセルが得られ(ステップ121g)、そしてチェックされる(ステップ121h)。このスクリーンピクセルは、印刷スクリーン2の本体に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値を超える強度を持つ明ピクセルによって特徴付けられるものとして分類されるか、または開口に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値未満の強度を持つ暗ピクセルによって特徴付けられるものとして分類される。
【0123】
1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、印刷スクリーン2の本体は、暗ピクセルによって特徴付けられ、また印刷スクリーン2の開口は、明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、チェックステップ(ステップ121h)は、スクリーンピクセルを、開口のものであると分類する。この場合のピクセルは、設定された開口閾値を超える強度を持つ。
【0124】
スクリーンピクセルが開口のものである、即ち開口ピクセルであると分類された場合、スクリーンピクセルは開口に割り当てられ(ステップ121i)、その開口についてのピクセルカウントはインクリメントされ(ステップ121j)、ワークピース画像からの対応するピクセルは、この実施形態ではオフセットルックアップテーブルを利用してマップされたものとして得られる(ステップ121k)。
【0125】
例示の目的のために、図11は、図9のものと同じスクリーン画像を示している。この場合、それぞれの開口A1,A2,A3の各々に割り当てられたピクセルP1,P2,P3が識別されている。表現の目的のために、第1の開口A1のピクセルP1は、前向きのスラッシュによって表され、第2の開口A2のピクセルP2は、後向きのスラッシュによって表され、第3の開口A3のピクセルP3は、クロスによって表されている。
【0126】
得られたワークピースピクセルは、それからチェックされ(ステップ121l)、そのワークピースピクセルが堆積物に対応しているかを、この実施形態では設定された堆積物閾値未満の強度を持つ暗ピクセルによって特徴付けられるものとして、決定する。
【0127】
1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、堆積物は、明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、チェックステップ(ステップ121l)は、ワークピースピクセルを、設定された堆積物閾値を超える強度を持つ堆積物に対応するものとして分類する。
【0128】
ワークピースピクセルが堆積物のものであると分類された場合、開口ピクセルカウントの相手である堆積物ピクセルカウントは、インクリメントされる(ステップ121m)。
【0129】
例示の目的のために、図12は、図10のものと同じワークピース画像を示している。この場合、堆積物D1,D2,D3のものであると分類された相手ピクセルPDは、前向きのスラッシュによって表され、また構造体S1,S2,S3のものであると分類された相手ピクセルPSは、後向きのスラッシュによって表されている。留意されるように、ピクセルは、堆積物、ワークピースW上の構造体又はワークピースWの本体の1つまたは組み合わせを包囲することができる。そのような特徴の組み合わせがピクセルによって包囲されている場合、そのピクセルの強度は、それぞれの特徴の関連部分に対応する。かくして、そのピクセルを堆積物のものであると分類するに必要なピクセル内の堆積物の関連部分は、設定された堆積物閾値によって決定される。上述したように、ピクセルグリッドPGの分解能は、図解の容易さの目的のために、特別に粗い分解能を有するように図解されている。実際にピクセルグリッドPGは通常、エッジピクセルの誤分類が、堆積物範囲のパーセントの決定に、非常に小さな効果だけを有するような分解能である。
【0130】
その後、又はスクリーンピクセルのチェックステップ(ステップ121h)においてスクリーンピクセルが開口のものあると分類されていない場合、スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルであるかについて、チェック(ステップ121n)がなされる。
【0131】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルでない場合、次のスクリーンピクセルがスクリーン画像から得られる(ステップ121g)。そして、上述したピクセル分類サブルーチン(ステップ121h−m)が繰り返される。
【0132】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルである場合、各開口について、堆積物範囲のパーセントが、堆積物ピクセルカウントから、開口ピクセルカウントに関連して決定される(ステップ121o)。
【0133】
決定されたパーセントは、それから第2の検査部位IS2用に記憶される(ステップ121p)。
【0134】
第2の検査部位IS2が検査される最後のものであるかについてチェックがなされる(ステップ121q)。
【0135】
第2の検査部位IS2が検査される最後のものでない場合、画像収集ステップ(ステップ121f)及び画像処理サブルーチン(ステップ121g−p)は、次の、この実施形態では第4の検査部位IS4に対して繰り返される。
【0136】
それからこのプロセスは、検査計画によって規定されるように画像処理される更なる検査部位IS5−11,14−16の各々について繰り返される。
【0137】
検査ルーチン(ステップ121)の完了後に、検査結果は、それぞれの開口を基準として決定された堆積物範囲のパーセントとして表示される(ステップ122)。この検査結果は、オペレータの要求に依存して、多くの異なる手法で提示され得る。1つの実施形態では、検査部位IS2,4−11,14−16の全てについて最悪ケースの堆積物に対するパーセント範囲のみが表示され得る。もう1つの実施形態では、検査部位IS2,4−11,14−16の各々について最悪ケースの堆積物に対するパーセント範囲のみが表示され得る。別の実施形態では、検査部位IS2,4−11,14−16について選択された堆積物に対するパーセント範囲のみが表示され得る。
【0138】
オペレータはそれから、印刷された堆積物について合格/失敗基準を設定することを促される(ステップ124)。この基準は、全ての検査部位IS2,4−11,14−16の全ての堆積物に対する単一の包括的な値であるか、検査部位IS2,4−11,14−16の各々の堆積物に対する個別の値であるか、検査部位IS2,4−11,14−16の選択された堆積物に対する個別の値であり得る。
【0139】
オペレータはそれから、別のワークピースWを印刷する選択肢を与えられる(ステップ125)。
【0140】
オペレータが別のワークピースWを印刷することを選んだ場合、もう1つのワークピースWがスクリーン印刷機に装填され、整合される(ステップ126)。そして、印刷、検査、結果表示及び基準設定ステップ(ステップ119〜124)が繰り返される。
【0141】
オペレータが別のワークピースWを印刷しないことを選んだ場合、セットアップルーチンは終了される。
【0142】
もう1つの代替実施形態では、スクリーン及びワークピース画像のオフセットが十分に小さく、検査結果に有意に影響しない場合、セットアップルーチンは、スクリーン及びワークピース画像のオフセットの決定に備える必要はない。
【0143】
もう1つの代替実施形態では、検査計画がオペレータによって手動操作で決定される場合、セットアップルーチンは省略され得る。
【0144】
このスクリーン印刷機の動作において、検査システムは、ワークピースW上に印刷された堆積物を、検査ルーチンを適用して特徴付けする。
【0145】
以下、図13を参照して、検査ルーチンの1つの実施形態が説明される。
【0146】
ワークピースWの装填、ワークピースWの整合及び印刷、そしてワークピースWの印刷スクリーン2から見る高さへの分離後に、検査計画によって規定される開始位置、この実施形態では検査部位IS2から、ワークピースWの表面全体にわたるカメラユニット8の走査が開始される。この走査は、この実施形態では、カメラユニット8を横方向に移動させると共に、ワークピースWの横エッジに向けて前方へ進めることによって、ラインバイライン式に行われて、ワークピースW及び印刷スクリーン2の画像の対応する対が、複数の走査部位IS2,4−11,14−16で捕獲される(ステップ203)。この走査のモードを表している図7を再度参照すると、カメラユニット8は、ワークピースW上を走査経路SPに沿って走査され、そしてワークピースW及び印刷スクリーン2の画像は、検査計画に従って、複数の走査部位IS2,4−11,14−16で捕獲される。
【0147】
この実施形態のカメラユニット8は、飛行中の画像捕獲用にストロボ式照明具を有する。この場合、カメラユニット8の移動のスピードは制御され、カメラユニット8が、検査計画によって規定されているように、カメラユニット8のフレームレートに対応して、各連続した検査部位IS2,4−11,14−16に配置されるようにする。この場合、カメラユニット8は、必要に応じて、例えば隣接していない第2及び第4の検査部位IS2,IS4の間では加速される。
【0148】
カメラユニット8が第2の走査部位IS2に配置されると、カメラユニット8は起動され(ステップ204)、第2の走査部位IS2における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0149】
それから、第2の走査部位IS2が最後に検査されるものであるかについて、チェック(ステップ205)がなされる。
【0150】
第2の走査部位IS2が最後に検査されるものである場合、カメラユニット8は待機され(ステップ206)、そしてそれ以上の画像はカメラユニット8によって捕獲されない。
【0151】
第2の走査部位IS2が最後に検査されるものでない場合、カメラユニット8は起動され(ステップ204)、次の、この実施形態では第4の走査部位IS4における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって再び収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0152】
それからこのプロセスは、検査計画に従って検査される更なる検査部位IS5−11,14−16の各々について繰り返される。
【0153】
カメラユニット8による捕獲の後に、各々の連続した検査部位IS2,4−11,14−16から捕獲された印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対は、画像処理用に収集される(ステップ207)。
【0154】
この実施形態では、収集されたスクリーン及びワークピース画像は、ピクセル化され、ピクセルグリッドPGによって規定される。それぞれが同じピクセルグリッドPGを持つ収集されたスクリーン及びワークピース画像のそれぞれの対応する部分(図7の領域R1)を示した図9及び10が再度参照される。
【0155】
第2の検査部位IS2から捕獲されたスクリーン及びワークピース画像の対の収集後に、画像処理ルーチン(ステップ209)が行われる。
【0156】
以下、図14を参照して、画像処理ルーチン(ステップ209)が説明される。
【0157】
画像データからスクリーン画像の第1のピクセルが得られ(ステップ209(1))、そしてチェックされる(ステップ209(2))。このスクリーンピクセルは、印刷スクリーン2の本体に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値を超える強度を持つ明ピクセルによって特徴付けられるものとして分類されるか、または開口に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値未満の強度を持つ暗ピクセルによって特徴付けられるものとして分類される。
【0158】
上述されたように、1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、印刷スクリーン2の本体は、暗ピクセルによって特徴付けられ、また印刷スクリーン2の開口は、明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、チェックステップ(ステップ209(2))は、スクリーンピクセルを、開口のものであると分類する。この場合のピクセルは、設定された開口閾値を超える強度を持つ。
【0159】
スクリーンピクセルが開口のものである、即ち開口ピクセルであると分類された場合、スクリーンピクセルは開口に割り当てられ(ステップ209(3))、その開口についてのピクセルカウントはインクリメントされ(ステップ209(4))、ワークピース画像からの対応するピクセルは、この実施形態ではオフセットルックアップテーブルを利用してマップされたものとして得られる(ステップ209(5))。
【0160】
図11が再度参照される。図11は、図9のものと同じスクリーン画像を示し、且つそれぞれの開口A1,A2,A3の各々に割り当てられたピクセルP1,P2,P3を識別している。この場合、第1の開口A1のピクセルP1は、前向きのスラッシュによって表され、第2の開口A2のピクセルP2は、後向きのスラッシュによって表され、第3の開口A3のピクセルP3は、クロスによって表されている。
【0161】
得られたワークピースピクセルは、それからチェックされ(ステップ209(6))、そのワークピースピクセルが堆積物に対応しているかを、この実施形態では設定された堆積物閾値未満の強度を持つ暗ピクセルによって特徴付けられるものとして決定する。
【0162】
再度上述されたように、1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、堆積物は、明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、チェックステップ(ステップ209(6))は、ワークピースピクセルを、設定された堆積物閾値を超える強度を持つ堆積物に対応するものとして分類する。
【0163】
ワークピースピクセルが堆積物のものであると分類された場合、開口ピクセルカウントの相手である堆積物ピクセルカウントは、インクリメントされる(ステップ209(7))。
【0164】
図12が再度参照される。図12は、図10のものと同じワークピース画像を示すと共に、相手ピクセルを識別している。この場合、堆積物D1,D2,D3のものであると分類された相手ピクセルPDは、前向きのスラッシュによって表され、また構造体S1,S2,S3のものであると分類された相手ピクセルPSは、後向きのスラッシュによって表されている。
【0165】
その後、又はスクリーンピクセルのチェックステップ(ステップ209(2))においてスクリーンピクセルが開口のものであると分類されていない場合、スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルであるかについて、チェック(ステップ209(2))がなされる。
【0166】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルでない場合、次のスクリーンピクセルがスクリーン画像から得られる(ステップ209(1))。そして、上述したピクセル分類サブルーチン(ステップ209(2)〜209(7))が繰り返される。
【0167】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルである場合、各開口について、堆積物範囲のパーセントが、堆積物ピクセルカウントから、開口ピクセルカウントに関連して決定される(ステップ209(9))。
【0168】
決定されたパーセントは、それから第2の検査部位IS2用に記憶される(ステップ209(10))。
【0169】
図13を参照すると、第2の検査部位IS2が検査される最後のものであるかについて、チェックがなされる(ステップ210)。
【0170】
第2の検査部位IS2が検査される最後のものでない場合、画像収集ステップ(ステップ207)及び画像処理ルーチン(ステップ209)が、次の、この実施形態では第4の検査部位IS4に対して繰り返される。
【0171】
それからこのプロセスは、検査計画によって規定されるように画像処理される更なる検査部位IS5−11,14−16の各々について繰り返される。
【0172】
画像処理の完了後に、検査結果は、それぞれの開口を基準として決定された堆積物範囲のパーセントとして表示される(ステップ211)。
【0173】
以下、図15を参照して、検査ルーチンのもう1つの実施形態が説明される。
【0174】
この実施形態の検査ルーチンは、オペレータが、強化画像処理を選択することを可能にする。この場合、印刷されるワークピースWは、そのような強化画像処理に値する種類である。以下で明らかになるように、この強化画像処理は、印刷動作時に堆積物によって刷り重ねられる構造体を有したワークピースWの検査に関連して、特別な応用を提供する。これは、堆積物がワークピースWの本体上へ延びて、ワークピースWの本体が堆積物と同様に暗又は明領域の一方として画像化される場合である。
【0175】
第1のステップで、オペレータは、印刷されるワークピースWに関して強化画像処理を使用するかについての選択肢を与えられる(ステップ301)。
【0176】
オペレータが強化画像処理を選択した場合、強化画像処理フラグがセットされて、強化画像処理ルーチンが使用されるものであることを指定する(ステップ302)。
【0177】
オペレータが強化画像処理を選択しない場合、強化画像処理フラグはセットされず、通常又は標準画像処理ルーチンが使用される。
【0178】
ワークピースWの装填、ワークピースWの整合及び印刷、そしてワークピースWの印刷スクリーン2から見る高さへの分離後に、検査計画によって規定される開始位置、この実施形態では検査部位IS2から、ワークピースWの表面全体にわたるカメラユニット8の走査が開始される。この走査は、この実施形態では、カメラユニット8を横方向に移動させると共に、ワークピースWの横エッジに向けて前方へ進めることによって、ラインバイライン式に行われて、ワークピースW及び印刷スクリーン2の画像の対応する対を、複数の走査部位IS2,4−11,14−16で捕獲する(ステップ303)。この走査のモードを表している図7を再度参照すると、カメラユニット8は、ワークピースW上を走査経路SPに沿って走査され、そしてワークピースW及び印刷スクリーン2の画像は、検査計画に従って、複数の走査部位IS2,4−11,14−16で捕獲される。
【0179】
この実施形態のカメラユニット8は、飛行中の画像捕獲用にストロボ式照明具を有する。この場合、カメラユニット8の移動のスピードは制御され、カメラユニット8が、検査計画によって規定されているように、カメラユニット8のフレームレートに対応して、各連続した検査部位IS2,4−11,14−16に配置されるようにする。この場合、カメラユニット8は、必要に応じて、例えば隣接していない第2及び第4の検査部位IS2,IS4の間では加速される。
【0180】
カメラユニット8が第2の走査部位IS2に配置されると、カメラユニット8は起動され(ステップ304)、第2の走査部位IS2における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0181】
それから、第2の走査部位IS2が最後に検査されるものであるかについて、チェック(ステップ305)がなされる。
【0182】
第2の走査部位IS2が最後に検査されるものである場合、カメラユニット8は待機され(ステップ306)、そしてそれ以上の画像はカメラユニット8によって捕獲されない。
【0183】
第2の走査部位IS2が最後に検査されるものでない場合、カメラユニット8は起動され(ステップ304)、次の、この実施形態では第4の走査部位IS4における印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対応する対を捕獲する。この捕獲されたスクリーン及びワークピース画像は、この実施形態では制御ユニット11によって再び収集され、それから処理される。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0184】
それから、このプロセスは、検査計画に従って検査される更なる検査部位IS5−11,14−16の各々について繰り返される。
【0185】
カメラユニット8による捕獲の後に、各々の連続した検査部位IS2,4−11,14−16から捕獲された印刷スクリーン2及びワークピースWの画像の対は、画像処理用に収集される(ステップ307)。
【0186】
この実施形態では、収集されたスクリーン及びワークピース画像は、ピクセル化され、ピクセルグリッドPGによって規定される。図16及び17を参照する。図16及び17は、収集されたスクリーン及びワークピース画像のそれぞれの対応する部分(図7の領域R2)を示している。この場合、各画像は、同じピクセルグリッドPGを持つ。図解を容易にするために、ピクセルグリッドPGは、非常に粗い分解能を有するように図解されているが、実際には、ピクセルグリッドPGの分解能は、より細かなもので、エッジ効果によって導入された誤差を最小化する。この点については、以下で更に詳細に説明される。
【0187】
図16は、収集されたスクリーン画像のもう1つの部分(図7の領域R2)を示している。この部分は、2つの等サイズの円形開口A1,A2を包囲している。
【0188】
図17は、対応する収集されたワークピース画像の対応する部分(図7の領域R2)を示している。この部分は、堆積物D1,D2がその上に印刷された2つの等サイズの円形構造体S1,S2を包囲している。
【0189】
それから、強化画像処理が選択されているかを決定するために、強化画像処理フラグのチェック(ステップ308)がなされる。
【0190】
強化画像処理が選択されていない場合、第1の、標準画像処理ルーチン(ステップ309a)が行われる。
【0191】
以下、図18を参照して、標準画像処理ルーチン(ステップ309a)が説明される。
【0192】
画像データからスクリーン画像の第1のピクセルが得られ(ステップ309a(1))、そしてチェックされる(ステップ309a(2))。このスクリーンピクセルは、印刷スクリーン2の本体に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値を超える強度を持つ明ピクセルによって特徴付けられるものとして分類されるか、または開口に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値未満の強度を持つ暗ピクセルによって特徴付けられるものとして分類される。
【0193】
上述したように、1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、印刷スクリーン2の本体は、暗ピクセルによって特徴付けられ、また印刷スクリーン2内の開口は、明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、チェックステップ(ステップ309a(2))は、スクリーンピクセルを、開口のものであると分類する。この場合のピクセルは、設定された開口閾値を超える強度を持つ。
【0194】
スクリーンピクセルが開口のものである、即ち開口ピクセルであると分類された場合、スクリーンピクセルは開口に割り当てられ(ステップ309a(3))、その開口についてのピクセルカウントはインクリメントされ(ステップ309a(4))、ワークピース画像からの対応するピクセルは、この実施形態ではオフセットルックアップテーブルを利用してマップされたものとして得られる(ステップ309a(5))。
【0195】
図19が再度参照される。図19は、図16のものと同じスクリーン画像を示し、且つそれぞれの開口A1,A2の各々に割り当てられたピクセルP1,P2を識別している。この場合、第1の開口A1のピクセルP1は、前向きのスラッシュによって表され、第2の開口A2のピクセルP2は、後向きのスラッシュによって表されている。
【0196】
得られたワークピースピクセルは、それからチェックされ(ステップ309a(6))、そのワークピースピクセルが堆積物に対応しているかを、この実施形態では設定された堆積物閾値未満の強度を持つ暗ピクセルによって特徴付けられるものとして決定する。
【0197】
重ねて上述されたように、1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、堆積物は明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、チェックステップ(ステップ309a(6))は、ワークピースピクセルを、設定された堆積物閾値を超える強度を持つ堆積物に対応するものとして分類する。
【0198】
最初に説明された実施形態の検査ルーチンに関連して上述され、また図11及び12のスクリーン及びワークピース画像に関連して例示されたように、そのような堆積物の分類は、堆積物が下地の構造体の大きさを超えて延びていない場合には、堆積物を正確に特徴付けする。これは、容易に区別できる明及び暗領域において、堆積物及び構造体の画像強度が著しいコントラストを有するからである。
【0199】
しかしながら、そのような堆積物の分類は、堆積物が下地の構造体の大きさを超えて延びるように印刷されていると共に、堆積物及びワークピースWの本体の画像強度が双方共に設定された堆積物閾値より小さいか大きい場合には、堆積物を正確に特徴付けしない。これは、そのような環境では、堆積物がワークピースWの本体と区別できないからである。
【0200】
図20が再度参照される。図20は、図17のものと同じワークピース画像を示すと共に、スクリーン画像の開口ピクセルに対する相手ピクセルを識別している。この場合、堆積物のものであると分類された相手ピクセルPDは、前向きのスラッシュによって表され、また堆積物以外のもの、この実施形態では構造体S1,S2の一方であると分類された相手ピクセルPOは、後向きのスラッシュによって表されている。
【0201】
図20から明らかに留意されるように、開口A1,A2がワークピースW上の相手構造体S1,S2よりも大きいサイズを有すると共に、堆積物及びワークピースWの本体の双方に対応するワークピースピクセルが、設定された堆積物閾値よりも小さい強度を有する場合、ワークピースWの本体に対応するワークピースピクセルは、堆積物として不適正に分類される。上述されているように、代替照明具配置によって、堆積物及びワークピースWの本体は、明ピクセルによって特徴付けられ、かくして両者は、設定された堆積物閾値よりも大きな画像強度を有する。
【0202】
このワークピースWの本体に対応するピクセルの不適正な分類は、堆積物D1,D2の不適正な特徴付けに至る。これは、図解された堆積物D1,D2の双方は明らかに不完全であるが、ワークピースWの本体に対応するピクセルの堆積物としての分類が100%完全なものに近いと特徴付けられた堆積物D1,D2を結果的に生じさせるからである。
【0203】
ワークピースピクセルが堆積物のものであると分類された場合、開口ピクセルカウントの相手である堆積物ピクセルカウントは、インクリメントされる(ステップ309a(7))。
【0204】
その後、又はスクリーンピクセルのチェックステップ(ステップ309a(2))においてスクリーンピクセルが開口のものあると分類されていない場合、スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルであるかについて、チェック(ステップ309a(8))がなされる。
【0205】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルでない場合、次のスクリーンピクセルがスクリーン画像から得られる(ステップ309a(1))。そして、上述したピクセル分類サブルーチン(ステップ309a(2)〜309a(7))が繰り返される。
【0206】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルである場合は、各開口について、堆積物範囲のパーセントが、堆積物ピクセルカウントから、開口ピクセルカウントに関連して決定される(ステップ309a(9))。
【0207】
決定されたパーセントは、それから第2の検査部位IS2用に記憶される(ステップ309a(10))。
【0208】
図15を再度参照すると、強化画像処理が選択された場合、強化画像処理ルーチン(ステップ309b)が行われる。
【0209】
以下、図21を参照して、強化画像処理ルーチン(ステップ309b)が説明される。
【0210】
画像データからスクリーン画像の第1のピクセルが得られ(ステップ309b(1))、そしてチェックされる(ステップ309b(2))。このスクリーンピクセルは、印刷スクリーン2の本体に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値を超える強度を持つ明ピクセルによって特徴付けられるものとして分類されるか、または開口に対応するものとして、この実施形態では設定された開口閾値未満の強度を持つ暗ピクセルによって特徴付けられるものとして分類される。
【0211】
上述したように、1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、印刷スクリーン2の本体は、暗ピクセルによって特徴付けられ、また印刷スクリーン2内の開口は、明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、チェックステップ(ステップ309b(2))は、スクリーンピクセルを、開口のものであると分類する。この場合のピクセルは、設定された開口閾値を超える強度を持つ。
【0212】
スクリーンピクセルが開口のものである、即ち開口ピクセルであると分類された場合、スクリーンピクセルは開口に割り当てられ(ステップ309b(3))、その開口についてのピクセルカウントはインクリメントされる(ステップ309b(4))。
【0213】
図19が再度参照される。図19は、図16のものと同じスクリーン画像を示し、且つそれぞれの開口A1,A2の各々に割り当てられたピクセルP1,P2を識別している。この場合、第1の開口A1のピクセルP1は、前向きのスラッシュによって表され、第2の開口A2のピクセルP2は、後向きのスラッシュによって表されている。
【0214】
その後、又はスクリーンピクセルのチェックステップ(ステップ309b(2))においてスクリーンピクセルが開口のものあると分類されていない場合、スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルであるかについて、チェック(ステップ309b(5))がなされる。
【0215】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルでない場合、次のスクリーンピクセルがスクリーン画像から得られる(ステップ309b(1))。そして、上述したピクセル分類サブルーチン(ステップ309b(2)〜309b(4))が繰り返される。
【0216】
スクリーンピクセルがスクリーン画像の最後のピクセルである場合、第1の開口がスクリーン画像中で識別される(ステップ309b(6))。
【0217】
それから、第1の開口が強化画像処理を受けるべきものであるかについて、チェック(ステップ309b(7))がなされる。
【0218】
この実施形態では、強化画像処理を受けるべき開口は、その少なくとも1つの所定の幾何学的特徴、ここでは形状とサイズとによって識別され、少なくとも1つの幾何学的特徴を有する開口の全てが、強化画像処理を受けることになる。この場合、少なくとも1つの幾何学的特徴は、開口を表現し、この開口を通して堆積物がワークピースW上の対応する構造体上へ刷り重ねられる。
【0219】
もう1つの実施形態では、開口の全てが強化画像処理を受けるべきものとなり得る。
【0220】
第1の開口が強化画像処理を受けるべきものである場合、第1の開口を規定する開口ピクセルの組に対して所定の関係を有するピクセルの組は、検査ピクセルであると決定される(ステップ309b(8))。この実施形態では、検査ピクセルの各組は、開口ピクセルのそれぞれの組によって規定される領域内の中心に配置されて、開口ピクセルの組によって規定される領域よりも小さいサイズの領域を規定する。この小さいサイズの領域とは、信頼性の合理的限界内で、検査ピクセルに対応するワークピースピクセルがワークピースW上の構造体を覆うことができるだけであり、構造体又はその上に印刷された堆積物のいずれかに対応することができるだけのものである。好ましい実施形態では、検査ピクセルの組によって規定される領域は、開口ピクセルのそれぞれの組によって規定されるものの約1/3の横寸法を有する。
【0221】
第1の開口に対する検査ピクセルの組の決定後に、ワークピース画像中の対応するピクセル、この実施形態ではオフセットルックアップテーブルを利用することによってマップされたピクセルが得られ(ステップ309b(9))、そしてそれらワークピースピクセルの各々に対する強度値が決定される(ステップ309b(10))。対応するワークピースピクセルのいずれかが構造体のものである場合、この実施形態では設定された堆積物閾値の強度よりも所定量だけ大きな強度を有する明ピクセルによって特徴付けられる場合、それらワークピースピクセルは無視される。重ねて上述されているように、代替実施形態では、異なる照明具配置によって、構造体は暗ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態では、対応するワークピースピクセルは、設定された堆積物閾値の強度よりも所定量だけ小さな強度を有する場合には無視される。
【0222】
図22及び23が参照される。図22及び23は、図19及び20に対応し、第1及び第2の開口A1,A2を規定する開口ピクセルP1,P2のそれぞれの組内にある検査ピクセルPIの組と、対応するワークピースピクセルPWの組の双方を示している。この場合、検査ピクセルPIと、ワークピースピクセルPWは、双方共にクロスによって示されている。
【0223】
対応するワークピースピクセルの決定された強度値から、最大及び最小強度値が得られる。そして、この実施形態では、これらの値を開口に対する堆積物閾値の上下限界値として割り当てることによって、特定の堆積物閾値が開口に対して設定される(ステップ309b(11))。上述したように、堆積物閾値に対する上下限界値を割り当てることによって、ワークピースWの本体が堆積物から区別されることがしばしば困難である場合に、堆積物は、後続の画像処理において、より精密にワークピースWの本体から区別される。
【0224】
続いて、又は第1の開口が強化画像処理ステップ(ステップ309b(7))で強化画像処理を受けないと決定された場合、開口がスクリーン画像内の最後のものであるかについてチェック(ステップ309b(12))がなされる。
【0225】
開口がスクリーン画像内の最後のものでない場合、上述した堆積物閾値設定サブルーチン(ステップ309b(6)〜309b(11))がスクリーン画像内の次の開口に対して繰り返される。
【0226】
それから、このプロセスはスクリーン画像内の更なる開口の各々に対して繰り返される。
【0227】
強化画像処理を受けるべき開口の各々に対する特定堆積物閾値の設定後に、既に割り当てられた開口ピクセルの第1のものに対応する第1のワークピースピクセルが、画像データから、この実施形態では、オフセットルックアップテーブルを利用することによってマップされたものとして得られ(ステップ309b(13))、そしてそのワークピースピクセルが堆積物に対応するかについて、チェックされる(ステップ309b(13))。この実施形態では、堆積物は、暗ピクセルによって特徴付けられる。この暗ピクセルは、開口が強化画像処理を受けるものでない場合は、単一の堆積物閾値よりも小さい強度を有し、また開口が強化画像処理を受けるものである場合は、開口ピクセルを含む開口に割り当てられた堆積物閾値の上下限界範囲内の強度を有する。
【0228】
重ねて上述したように、代替実施形態では、異なる照明具配置によって、堆積物は明ピクセルによって特徴付けられる。この実施形態のチェックステップ(ステップ309b(14))は、開口が強化画像処理を受けない場合には、ワークピースピクセルを、単一の設定された堆積物閾値より大きな強度を有する堆積物に対応するものとして分類し、また開口が強化画像処理を受ける場合には、ワークピースピクセルを、開口ピクセルを含む開口に割り当てられた堆積物閾値の上下限界範囲内の強度を有する堆積物に対応するものとして分類する。
【0229】
図24が参照される。図24は、図17のものと同じワークピース画像を示し、且つスクリーン画像中の開口A1,A2の開口ピクセルに対する相手ピクセルを識別している。この場合、相手ピクセルPDは、前向きのスラッシュによって示された堆積物のものとして分類され、また相手ピクセルPDは、後向きのスラッシュによって示された堆積物のものとして分類されている。明らかなように、特に図20のワークピース画像との比較によって、ワークピースピクセルは、強化画像処理を受けていて、堆積物D1,D2に対応するワークピースピクセルが構造体S1,S2及びワークピースWの本体の双方から区別され、かくして堆積物D1,D2の正確な特徴付けがなされている。
【0230】
ワークピースピクセルが堆積物のものであると分類された場合、開口ピクセルカウントの相手である堆積物ピクセルカウントは、インクリメントされる(ステップ309b(15))。
【0231】
それから、開口ピクセルは、割り当てられた開口ピクセルの最後のものであるかについて、チェック(ステップ309b(16))がなされる。
【0232】
開口ピクセルが、割り当てられた開口ピクセルの最後のものでない場合、上述したピクセル分類サブルーチン(ステップ309b(13)〜309b(15))が、次の開口ピクセルに対して繰り返される。
【0233】
開口ピクセルが、割り当てられた開口ピクセルの最後のものである場合、各開口について、堆積物範囲のパーセントが、堆積物ピクセルカウントから、開口ピクセルカウントに関連して決定される(ステップ309b(17))。
【0234】
決定されたパーセントは、それから第2の検査部位IS2用に記憶される(ステップ309b(18))。
【0235】
図15を参照すると、第2の検査部位IS2が検査される最後のものであるかについて、チェックがなされる(ステップ310)。
【0236】
第2の検査部位IS2が検査される最後のものでない場合、画像収集ステップ(ステップ307)及び画像処理ルーチン(ステップ309a/309b)が、次の、この実施形態では第4の検査部位IS4に対して繰り返される。
【0237】
それから、このプロセスは、検査計画によって規定されるように画像処理される更なる検査部位IS5−11,14−16の各々について繰り返される。
【0238】
画像処理の完了後に、検査結果は、それぞれの開口を基準として決定された堆積物範囲のパーセントとして表示される(ステップ311)。
【0239】
この検査結果は、オペレータの要求に依存して、多くの異なる手法で提示され得る。1つの実施形態では、堆積物範囲は、オペレータに対し、PASS、WARNING又はFAIL標識の1つとして提示される。この場合、PASS(合格)は、最適レベルを超えたパーセントを示し、WARNING(警告)は、受け入れ可能であるが最適ではないレベルのパーセントを示し、FAIL(失敗)は、必要とされるレベル未満であるパーセントを示している。この提示は、任意の形態、例えば、表、図形又は描画用のフォーマットを取ることができ、また最悪ケースのパーセントを含むことができる。
【0240】
1つの実施形態では、画像処理は、収集されたスクリーン画像のエッジに延びる不完全な開口を無視するように構成され得る。そのような不完全な画像化された開口は、特に堆積物範囲のパーセントが各堆積物について決定される場合に、誤った結果をもたらす。
【0241】
1つの代替実施形態では、セットアップルーチンは、検査部位IS1−16の位置及びサイズを設定して、検査部位IS1−16の境界が印刷スクリーン2内の開口と交差しないようにする。
【0242】
もう1つの代替実施形態では、上述した代替実施形態でのように検査部位IS1−16の位置及びサイズを精密に設定する代わりに、検査部位IS1−16は重複するように構成され得る。そのような重複は、検査部位IS1−16のエッジ領域に対する画像処理の繰り返しを結果的に生じさせることになるが、比較的明確に、追加的画像処理の量は相対的に小さくなる。
【0243】
認められるように、本発明の検査システムは、遙かに単純な画像処理を利用し、これにより有意に検査時間を低減し、より多数の検査部位の検査に備えることを可能にすると共に、各検査部位で検査されるべき特徴、典型的には印刷スクリーン2内の開口とワークピースWの構造体を予めプログラミングすることを必要としない。
【0244】
画像処理は、先ず印刷スクリーン2の画像の処理を含む。このスクリーン画像は、単純画像、この実施形態では、開口に対応した小さな暗領域のものであり、印刷スクリーン2の本体に対応する明領域によって囲まれている。そのような画像処理は、スクリーン画像のピクセルの強度を利用する場合、明瞭に区別される暗及び明領域の単純な特性を必要とするだけであり、この特性は、開口閾値を使用することによって達成することができる。スクリーンピクセルを開口に対応するものとして分類した後にだけ、画像処理は、ワークピースWの画像の処理に及び、それからワークピース画像の対応するピクセルだけに及ぶ。この画像処理は、ワークピース画像のピクセルのものだけの処理を必要とする場合には、ワークピース画像全体が処理されることを必要とする現在のスクリーン印刷機で使用されている画像処理と比べて、有意に単純である。また、印刷スクリーン2の開口と位置が対応するワークピースピクセルを処理するだけの場合には、ワークピースピクセルは、暗ピクセル、この実施形態では堆積物のものであるか、明ピクセル、この実施形態では印刷されていない構造体のもののいずれかのみであるべきであって、これにより明瞭に区別される暗及び明領域の単純な特性を必要とするだけであり、この特性は、堆積物閾値を、単一の値又は上下限界を有する値のいずれかとして使用することによって、達成することができる。ワークピース画像全体が処理されることを必要とする現在のスクリーン印刷機で使用されている画像処理では、必要とされる処理は、遙かに複雑である。これは、異なる強度を有する多くの異なる特徴が互いに区別されなければならないからである。
【0245】
更には、予めプログラムされた特徴、典型的には印刷スクリーン2内の開口とワークピースW上の構造体を、印刷された堆積物を特徴付ける参照手段として利用することはしないが、その代わりに同時に捕獲されたスクリーン及びワークピース画像をマッピングする場合、スクリーン及びワークピース画像を捕獲することに使用されるカメラユニット8は、精密に位置決めされることを必要としない。事実、カメラユニット8の精密な位置決めは、典型的にはカメラユニット8を静止させたり、少なくともかなり低速にすることを必要とするが、この精密な位置決めを不要にすることによって、移動するカメラユニット8を使用して、飛行中の画像を捕獲することができる。この実施形態では、セットアップルーチンを利用して、各検査部位で捕獲されたスクリーン及びワークピース画像の対のオフセットを決定する。この場合、カメラユニット8の位置は参照されるが、この参照は、検査部位を指示することに利用されるだけである。それから、この参照は、ワークピース画像の画像オフセットを対応するスクリーン画像を基準として訂正することによって、画像捕獲の後に行われる。
【0246】
最後に、本発明はその好ましい実施形態について説明されてきたが、添付の請求の範囲によって規定される発明の範囲から逸脱することなく多くの異なる仕方で変形可能であることは、理解されるであろう。
【0247】
この実施形態では、カメラユニット8は、面積視野カメラを利用して、各検査部位における印刷スクリーン2及びワークピースWの面積視野画像を捕獲している。1つの代替実施形態では、印刷スクリーン2及びワークピースWを連続的に横切って走査するライン走査カメラが利用され得る。
【0248】
1つの代替実施形態では、各々の画像化された開口、そしてここでは堆積物に対するテーブルを構築する代わりに、各検査部位全体に割り当てられたピクセルについて開口カウント及び堆積物カウントを記録することによって、各検査部位に対するテーブルを構築することができる。あるいは、検査部位の全てに割り当てられたピクセルについて開口カウント及び堆積物カウントを記録することによって、各ワークピースWに対するテーブルを構築することができる。
【0249】
この実施形態では、カメラユニット8は、ストロボ式照明具を使用することによって、飛行中の画像化された検査部位の画像を捕獲する。1つの代替実施形態では、しかしながら、検査システムは、画像獲得時にはカメラユニット8を静止させて、ストロボ式照明具の必要性を回避するように構成できる。
【0250】
もう1つの代替実施形態では、明瞭な開口及び遮蔽された開口に対応する開口ピクセルの間には小さいが有意な強度値差が有りうるという知見に基づいて(この場合、低いパーセント堆積物範囲が開口について検出される)、開口に対する開口ピクセルがチェックされ得る。このチェックは、図21に関連して上述された強化画像処理ルーチンと同様の原理を使用して、明瞭な開口ピクセルと遮蔽された開口ピクセルとを弁別し、かくして開口に対する開口遮蔽の特徴付けをおこなうことによってなされる。この実施形態では、ワークピースW上の堆積物の存在は、高レベルの確信で、明瞭な開口に対応するものとして割り当てられる。かくして、堆積物に対応する、典型的には相手開口の中心領域に対応するワークピースピクセルの組を識別することによって、相手となる開口ピクセルの組は、明瞭な開口に対応するものとして割り当てられる。この開口ピクセルの組に対して、上下画像強度値が決定され、そして上下限界値が開口閾値に対して設定される。それから、開口に対する開口ピクセルの全てが処理される。この結果、開口ピクセルは、画像強度値が開口閾値に対して設定された限界値範囲内に入る明瞭な開口に対応するものとして、あるいは画像強度値が開口閾値に対して設定された限界値範囲から外れる遮蔽された開口に対応するものとして分類される。それから、そのように分類された開口ピクセルによって、パーセント遮蔽値が、開口に対して決定され得る。
【0251】
この実施形態では、検査ルーチンにおいて、検査部位からのスクリーン及びワークピース画像の対応する対の画像処理は、それらの画像の対の収集に後続して行われる。1つの代替実施形態では、印刷スクリーン2及びワークピースWの対応する捕獲された画像から派生された信号は、カメラからの信号がスクリーン及びワークピース画像からの対応するピクセルのものとなるように同期化されていて、カメラユニット8のカメラが全視野カメラ又はライン走査カメラである場合は、直接比較され得る。
【0252】
もう1つの代替実施形態では、検査部位からのスクリーン及びワークピース画像の対応する対の画像処理は、画像収集が行われている間に開始され、スクリーン及びワークピース画像の対応する部分に割り当てられたピクセルが収集されていたようにすることができる。
【0253】
この実施形態では、画像収集及び画像処理は、スクリーン印刷機の制御ユニット11によって行われる。1つの代替実施形態では、カメラユニット8は、少なくとも画像収集を行うように構成され、また1つの実施形態では、画像処理をも行うように構成され得る。
【0254】
この実施形態では、カメラユニット8のカメラは、インテグレーションを利用してスクリーン及びワークピース画像を捕獲している。1つの代替実施形態では、カメラユニット8のカメラは、シャッター式カメラであって、印刷スクリーン2及びワークピースWをシャッター式に撮影することによって、スクリーン及びワークピース画像を捕獲することができる。
【0255】
図25は、ワークピースW上の堆積物を特徴付けする場合に、カメラユニット8のスクリーン及びワークピースカメラの出力信号を直接比較するための検査回路の表現を模式的に示している。この実施形態のカメラユニット8のカメラは、面積視野カメラであるが、もう1つの代替実施形態では、ライン走査カメラであり得る。
【0256】
この検査回路は、試験/無視信号発生器15を備え、この発生器でスクリーンカメラの出力信号を受信して、試験/無視信号を出力する。この試験/無視信号は、スクリーンカメラの出力信号が、設定された開口閾値より大きな強度を有する場合に、第1の、無視状態IGNOREとなって、印刷スクリーン2の本体に対応する出力信号を表す。この試験/無視信号はまた、スクリーンカメラの出力信号が、設定された開口閾値より小さな強度を有する場合に、第2の、試験状態EXAMINEとなって、印刷スクリーン2内の開口に対応する出力信号を表す。上述した実施形態でのように、開口閾値は調整可能である。
【0257】
スクリーンカメラの出力信号、この実施形態ではアナログ信号は、スクリーン画像内の画像化されたそれぞれの点によって変化する強度を有する。図26を参照すると、スクリーンカメラの出力信号は、それぞれの画像ラインn,n+1,n+2の各々に対する出力を直列に有する。この場合、各画像ラインの出力は、同期周期SYNCによって分離されている。この同期周期中は、画像がブランクにされる。この実施形態では、各画像ラインは、印刷スクリーン2の本体に対応する第1の、高い領域と、印刷スクリーン2内の開口に対応する第2の、低い領域とを有する。
【0258】
試験/無視信号発生器15は更に、試験/無視信号発生器15を制御するように作用するイネーブル信号を受信し、イネーブル信号が存在しない場合に、試験/無視信号は無視状態IGNOREとなる。イネーブル信号を使用することによって、検査は、実際に検査を必要とする画像に制限される。典型的に、ブランク画像は、1つの大きな開口として現れる。
【0259】
検査回路は更に、堆積物不在/存在信号発生器17を備えて、試験/無視信号発生器15の出力信号と、ワークピースカメラの出力信号とを受信する。
【0260】
ワークピースカメラの出力信号、この実施形態ではアナログ信号は、ワークピース画像内の画像化されたそれぞれの点によって変化する強度を有する。図26を参照すると、ワークピースカメラの出力信号は、スクリーンカメラの出力信号と同じフォーマットを有する。即ち、それぞれのスクリーン画像ラインに対応したそれぞれのワークピース画像ラインn,n+1,n+2の各々に対する出力を直列に有する。この場合、各ワークピース画像ラインの出力は、同期周期SYNCによって分離されている。この同期周期中は、画像がブランクにされる。各ワークピース画像ラインは、幅広く変化する強度の領域を有する。通常、そのような幅広く変化する強度の領域は画像処理を困難にするが、この実施形態での各ワークピース画像ラインは、有意に、ワークピース上に印刷された堆積物に対応する低い強度の明瞭に区別される領域を有する。
【0261】
試験/無視信号発生器15の試験/無視信号が無視状態IGNOREにある間、堆積物不在/存在信号発生器17は、第1の、不在状態ABSENTにある不在/存在信号を出力する。
【0262】
試験/無視信号発生器15の試験/無視信号が試験状態EXAMINEにある間、堆積物不在/存在信号発生器17は、不在/存在信号を出力する。この不在/存在信号は、ワークピースカメラの出力信号が、この実施形態では設定された堆積物閾値より大きな強度を有する場合には、堆積物以外のものに対応するワークピース信号を表す第1の、不在状態ABSENTとなり、またワークピースカメラの出力信号が、この実施形態では設定された堆積物閾値より小さな強度を有する場合には、堆積物に対応するワークピース信号を表す第2の、存在状態PRESENTとなる。上述した実施形態でのように、堆積物閾値は調整可能である。
【0263】
検査回路は更に、試験/無視信号発生器15及び堆積物不在/存在信号発生器17の出力信号から印刷特性を決定するための印刷特性決定器19を備える。印刷特性決定器19は、印刷特性、典型的には堆積物範囲のパーセントの表現を、例えばPASS、WARNING又はFAIL表現として決定する動作をする。この場合、PASSは、最適レベルを超えたパーセントを示し、WARNINGは、受け入れ可能であるが最適ではないレベルのパーセントを示し、FAILは、必要とされるレベル未満であるパーセントを示している。この決定は、存在状態PRESENTにある堆積物不在/存在信号発生器17の出力信号の相対的期間を、試験状態EXAMINEにある試験/無視信号発生器15の出力信号を基準として、参照することによってなされる。各検査部位を、1つの開口だけを含むように、従って1つの堆積物を印刷するように選択することによって、堆積物範囲のパーセントは、各堆積物について決定される。この代わりに、検査部位は、複数の開口を含むように、従って複数の堆積物を印刷するようにすることができる。この場合、結果として得られる堆積物範囲のパーセントは、検査部位における堆積物に対する平均値を表す。上述した第1の実施形態でのように、堆積物範囲のパーセントの表現は、多くの異なる形態をとることができる。
【0264】
1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、スクリーンカメラの出力信号は、印刷スクリーン2の本体に対応する、設定された開口閾値より小さな強度と、印刷スクリーン2内の開口に対応する、設定された開口閾値より大きな強度とを有することができる。この実施形態では、試験/無視信号発生器15は、試験/無視信号を出力するように構成される。この試験/無視信号は、スクリーンカメラの出力信号が、設定された開口閾値より小さな強度を有する場合には、第1の、無視状態IGNOREとなり、またスクリーンカメラの出力信号が、設定された開口閾値より大きな強度を有する場合には、第2の、試験状態EXAMINEとなる。
【0265】
もう1つの代替実施形態では、異なる照明具配置によって、ワークピースカメラの出力信号は、堆積物以外のものに対応する、設定された堆積物閾値より小さな強度と、堆積物に対応する、設定された堆積物閾値より大きな強度とを有することができる。この実施形態では、堆積物不在/存在信号発生器17は、不在/存在信号を出力するように構成され得る。この不在/存在信号は、ワークピースカメラの出力信号が、設定された堆積物閾値より小さな強度を有する場合には、不在状態ABSENTとなり、またワークピースカメラの出力信号が、設定された堆積物閾値より大きな強度を有する場合には、存在状態PRESENTとなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷スクリーンを通してワークピース上に印刷された堆積物を検査する検査システムであって、このシステムは、カメラユニットと、制御ユニットとを備え、
カメラユニットは、印刷スクリーン及びワークピースに対して移動可能であり、印刷スクリーンは、複数の開口を有した本体を備え、ワークピースは、印刷スクリーンの開口を通してその上に堆積物が印刷されるものであり、
制御ユニットは、印刷スクリーン及びワークピースの少なくとも一対の対応する領域の画像を捕獲するようにカメラユニットを制御すると共に、画像を処理して、印刷スクリーンの画像を規定する複数の点の各々について、順にその点が開口のものであるか否かを決定し、そしてその点が開口のものである場合、印刷スクリーンの画像を規定する複数の点に対応する複数の点によって規定されたワークピースの対応する画像の対応する点が、堆積物のものであるか否かを決定し、これによりワークピースに印刷された堆積物の印刷特性の決定を、堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係から可能とするものであることを特徴とする検査システム。
【請求項2】
カメラユニットは、同時に印刷スクリーン及びワークピースの画像を捕獲するように動作可能である請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
カメラユニットは、印刷スクリーン及びワークピースの全面積画像を捕獲するための面積視野カメラユニットである請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
カメラユニットは、印刷スクリーン及びワークピースのライン走査画像を捕獲するためのライン走査カメラユニットである請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項5】
制御ユニットは、カメラユニットによる画像捕獲中に、同時に印刷スクリーン及びワークピースの画像を処理するように構成されている請求項1〜4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
制御ユニットは、捕獲された画像を処理するように構成されている請求項1〜4のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
印刷スクリーン及びワークピースの画像は、それぞれ画像特徴に依存した強度を持つスクリーン信号及びワークピース信号のそれぞれによって規定され、画像の各々を規定する点は、それぞれのスクリーン信号及びワークピース信号の時間スライスされた成分である請求項1〜6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、スクリーン信号が開口のものであると決定された期間に対するワークピース信号が堆積物のものであると決定された期間から決定される請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
印刷スクリーン及びワークピースの画像は、ピクセル化された画像であり、画像の各々を規定する点は、ピクセル化された画像のピクセルである請求項1〜6のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、開口のものであると決定されたピクセルの数に対する堆積物のものであると決定されたピクセルの数から決定される請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
制御ユニットは、印刷スクリーン及びワークピースの複数の対の対応する画像を、使用時に画像が収集される複数の検査部位を規定する検査計画に従って、収集するように構成されている請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
検査計画の検査部位は、セットアップルーチンで決定されている請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
カメラユニットによって収集された各検査部位における印刷スクリーン及びワークピースの対応する対の画像におけるオフセットは予め決定されていて、印刷スクリーンの対応する画像中のピクセルに対応するワークピースの画像中のピクセルが、そのオフセットに従って決定される請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
印刷特性は、期待堆積物範囲と比べたときの決定堆積物範囲のパーセントの表現を備える請求項1〜13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
印刷特性は、全ての堆積物に対する表現として与えられる請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
表現は、最悪ケースの堆積物のものである請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
印刷特性は、検査部位に対する複数の表現として与えられる、請求項11〜13のいずれかに従属するときの請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
各検査部位に対する表示は、それぞれの検査部位における最悪ケースの堆積物のものである請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
各検査部位に対する表現は、それぞれの検査部位における堆積物の少なくともいくつかの堆積物、又はいくつかの堆積物のグループに対応する複数の表現を備える請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
堆積物のものであると決定された点は、画像強度の参照閾値を参照することによって決定されたものである請求項1〜19のいずれかに記載のシステム。
【請求項21】
開口の少なくとも1つについて、堆積物のものであると決定された点は、画像強度の参照閾値より大きいか小さい画像強度を有するものと決定されたものである請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
開口の少なくとも1つについて、堆積物のものであると決定された点は、画像強度の参照閾値の上下限界範囲内の画像強度を有するものと決定されたものである請求項20又は21に記載のシステム。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれかに記載の検査システムを組み入れたことを特徴とするスクリーン印刷機。
【請求項24】
印刷スクリーンを通してワークピース上に印刷された堆積物を検査する方法であって、この方法は、
印刷スクリーン及びワークピースの少なくとも一対の対応する領域の画像を捕獲する工程と、
画像を処理する工程とを備え、
画像を捕獲する工程において、印刷スクリーンは、複数の開口を有した本体を備え、ワークピースは、印刷スクリーンの開口を通してその上に堆積物が印刷されるものであり、
画像を処理する工程では、印刷スクリーンの画像を規定する複数の点の各々について、順にその点が開口のものであるか否かを決定し、そしてその点が開口のものである場合、印刷スクリーンの画像を規定する複数の点に対応する複数の点によって規定されたワークピースの対応する画像の対応する点が、堆積物のものであるか否かを決定し、これによりワークピースに印刷された堆積物の印刷特性の決定を、堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係から可能とすることを特徴とする方法。
【請求項25】
印刷スクリーン及びワークピースの画像は、同時に捕獲される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
印刷スクリーン及びワークピースの全面積画像が捕獲される請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
印刷スクリーン及びワークピースのライン走査画像が捕獲される請求項24又は25に記載の方法。
【請求項28】
画像捕獲工程及び処理工程は、同時に行われる請求項24〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
処理工程は、画像捕獲工程に後続して行われる請求項24〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
印刷スクリーン及びワークピースの画像は、それぞれ画像特徴に依存した強度を持つスクリーン信号及びワークピース信号のそれぞれによって規定され、画像の各々を規定する点は、それぞれのスクリーン信号及びワークピース信号の時間スライスされた成分である請求項24〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、スクリーン信号が開口のものであると決定された期間に対するワークピース信号が堆積物のものであると決定された期間から決定される請求項30に記載の方法。
【請求項32】
印刷スクリーン及びワークピースの画像は、ピクセル化された画像であり、画像の各々を規定する点は、ピクセル化された画像のピクセルである請求項24〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、開口のものであると決定されたピクセルの数に対する堆積物のものであると決定されたピクセルの数から決定される請求項32に記載の方法。
【請求項34】
画像捕獲工程において、印刷スクリーン及びワークピースの複数の対の対応する画像は、複数の検査部位において検査計画に従って収集される請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
画像が収集される複数の検査部位を規定する検査計画を決定するためのセットアップルーチンを行う工程を更に備える請求項34に記載の方法。
【請求項36】
セットアップルーチンにおいて、各検査部位における印刷スクリーン及びワークピースの対応する対の画像におけるオフセットが決定され、そして、印刷スクリーンの対応する画像中のピクセルに対応するワークピースの画像中のピクセルを決定する場合、印刷スクリーンの対応する画像中のピクセルに対応するワークピースの画像中のピクセルは、そのオフセットに従って決定される請求項35に記載の方法。
【請求項37】
印刷特性は、期待堆積物範囲と比べたときの決定堆積物範囲のパーセントの表現を備える請求項24〜36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
印刷特性は、全ての堆積物に対する表現として与えられる請求項37に記載の方法。
【請求項39】
表現は、最悪ケースの堆積物のものである請求項38に記載の方法。
【請求項40】
印刷特性は、検査部位に対する複数の表現として与えられる、請求項34〜36のいずれかに従属するときの請求項37に記載の方法。
【請求項41】
各検査部位に対する表現は、それぞれの検査部位における最悪ケースの堆積物のものである請求項40に記載の方法。
【請求項42】
各検査部位に対する表現は、それぞれの検査部位における堆積物の少なくともいくつかの堆積物、又はいくつかの堆積物のグループに対応する複数の表現を備える請求項40に記載の方法。
【請求項43】
ワークピースの対応する画像の各対応する点は、画像強度の参照閾値を参照することによって、堆積物のものであると決定される請求項24〜42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
開口の少なくとも1つについて、ワークピースの対応する画像の各対応する点は、画像強度の参照閾値より大きいか小さい画像強度を有する場合に、堆積物のものであると決定される請求項43に記載の方法。
【請求項45】
開口の少なくとも1つについて、ワークピースの対応する画像の各対応する点は、画像強度の参照閾値の上下限界範囲内の画像強度を有する場合に、堆積物のものであると決定される請求項43又は44に記載の方法。
【請求項1】
印刷スクリーンを通してワークピース上に印刷された堆積物を検査する検査システムであって、このシステムは、カメラユニットと、制御ユニットとを備え、
カメラユニットは、印刷スクリーン及びワークピースに対して移動可能であり、印刷スクリーンは、複数の開口を有した本体を備え、ワークピースは、印刷スクリーンの開口を通してその上に堆積物が印刷されるものであり、
制御ユニットは、印刷スクリーン及びワークピースの少なくとも一対の対応する領域の画像を捕獲するようにカメラユニットを制御すると共に、画像を処理して、印刷スクリーンの画像を規定する複数の点の各々について、順にその点が開口のものであるか否かを決定し、そしてその点が開口のものである場合、印刷スクリーンの画像を規定する複数の点に対応する複数の点によって規定されたワークピースの対応する画像の対応する点が、堆積物のものであるか否かを決定し、これによりワークピースに印刷された堆積物の印刷特性の決定を、堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係から可能とするものであることを特徴とする検査システム。
【請求項2】
カメラユニットは、同時に印刷スクリーン及びワークピースの画像を捕獲するように動作可能である請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
カメラユニットは、印刷スクリーン及びワークピースの全面積画像を捕獲するための面積視野カメラユニットである請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
カメラユニットは、印刷スクリーン及びワークピースのライン走査画像を捕獲するためのライン走査カメラユニットである請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項5】
制御ユニットは、カメラユニットによる画像捕獲中に、同時に印刷スクリーン及びワークピースの画像を処理するように構成されている請求項1〜4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
制御ユニットは、捕獲された画像を処理するように構成されている請求項1〜4のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
印刷スクリーン及びワークピースの画像は、それぞれ画像特徴に依存した強度を持つスクリーン信号及びワークピース信号のそれぞれによって規定され、画像の各々を規定する点は、それぞれのスクリーン信号及びワークピース信号の時間スライスされた成分である請求項1〜6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、スクリーン信号が開口のものであると決定された期間に対するワークピース信号が堆積物のものであると決定された期間から決定される請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
印刷スクリーン及びワークピースの画像は、ピクセル化された画像であり、画像の各々を規定する点は、ピクセル化された画像のピクセルである請求項1〜6のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、開口のものであると決定されたピクセルの数に対する堆積物のものであると決定されたピクセルの数から決定される請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
制御ユニットは、印刷スクリーン及びワークピースの複数の対の対応する画像を、使用時に画像が収集される複数の検査部位を規定する検査計画に従って、収集するように構成されている請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
検査計画の検査部位は、セットアップルーチンで決定されている請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
カメラユニットによって収集された各検査部位における印刷スクリーン及びワークピースの対応する対の画像におけるオフセットは予め決定されていて、印刷スクリーンの対応する画像中のピクセルに対応するワークピースの画像中のピクセルが、そのオフセットに従って決定される請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
印刷特性は、期待堆積物範囲と比べたときの決定堆積物範囲のパーセントの表現を備える請求項1〜13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
印刷特性は、全ての堆積物に対する表現として与えられる請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
表現は、最悪ケースの堆積物のものである請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
印刷特性は、検査部位に対する複数の表現として与えられる、請求項11〜13のいずれかに従属するときの請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
各検査部位に対する表示は、それぞれの検査部位における最悪ケースの堆積物のものである請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
各検査部位に対する表現は、それぞれの検査部位における堆積物の少なくともいくつかの堆積物、又はいくつかの堆積物のグループに対応する複数の表現を備える請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
堆積物のものであると決定された点は、画像強度の参照閾値を参照することによって決定されたものである請求項1〜19のいずれかに記載のシステム。
【請求項21】
開口の少なくとも1つについて、堆積物のものであると決定された点は、画像強度の参照閾値より大きいか小さい画像強度を有するものと決定されたものである請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
開口の少なくとも1つについて、堆積物のものであると決定された点は、画像強度の参照閾値の上下限界範囲内の画像強度を有するものと決定されたものである請求項20又は21に記載のシステム。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれかに記載の検査システムを組み入れたことを特徴とするスクリーン印刷機。
【請求項24】
印刷スクリーンを通してワークピース上に印刷された堆積物を検査する方法であって、この方法は、
印刷スクリーン及びワークピースの少なくとも一対の対応する領域の画像を捕獲する工程と、
画像を処理する工程とを備え、
画像を捕獲する工程において、印刷スクリーンは、複数の開口を有した本体を備え、ワークピースは、印刷スクリーンの開口を通してその上に堆積物が印刷されるものであり、
画像を処理する工程では、印刷スクリーンの画像を規定する複数の点の各々について、順にその点が開口のものであるか否かを決定し、そしてその点が開口のものである場合、印刷スクリーンの画像を規定する複数の点に対応する複数の点によって規定されたワークピースの対応する画像の対応する点が、堆積物のものであるか否かを決定し、これによりワークピースに印刷された堆積物の印刷特性の決定を、堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係から可能とすることを特徴とする方法。
【請求項25】
印刷スクリーン及びワークピースの画像は、同時に捕獲される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
印刷スクリーン及びワークピースの全面積画像が捕獲される請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
印刷スクリーン及びワークピースのライン走査画像が捕獲される請求項24又は25に記載の方法。
【請求項28】
画像捕獲工程及び処理工程は、同時に行われる請求項24〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
処理工程は、画像捕獲工程に後続して行われる請求項24〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
印刷スクリーン及びワークピースの画像は、それぞれ画像特徴に依存した強度を持つスクリーン信号及びワークピース信号のそれぞれによって規定され、画像の各々を規定する点は、それぞれのスクリーン信号及びワークピース信号の時間スライスされた成分である請求項24〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、スクリーン信号が開口のものであると決定された期間に対するワークピース信号が堆積物のものであると決定された期間から決定される請求項30に記載の方法。
【請求項32】
印刷スクリーン及びワークピースの画像は、ピクセル化された画像であり、画像の各々を規定する点は、ピクセル化された画像のピクセルである請求項24〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
堆積物のものであると決定された点と開口のものであると決定された点との関係は、開口のものであると決定されたピクセルの数に対する堆積物のものであると決定されたピクセルの数から決定される請求項32に記載の方法。
【請求項34】
画像捕獲工程において、印刷スクリーン及びワークピースの複数の対の対応する画像は、複数の検査部位において検査計画に従って収集される請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
画像が収集される複数の検査部位を規定する検査計画を決定するためのセットアップルーチンを行う工程を更に備える請求項34に記載の方法。
【請求項36】
セットアップルーチンにおいて、各検査部位における印刷スクリーン及びワークピースの対応する対の画像におけるオフセットが決定され、そして、印刷スクリーンの対応する画像中のピクセルに対応するワークピースの画像中のピクセルを決定する場合、印刷スクリーンの対応する画像中のピクセルに対応するワークピースの画像中のピクセルは、そのオフセットに従って決定される請求項35に記載の方法。
【請求項37】
印刷特性は、期待堆積物範囲と比べたときの決定堆積物範囲のパーセントの表現を備える請求項24〜36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
印刷特性は、全ての堆積物に対する表現として与えられる請求項37に記載の方法。
【請求項39】
表現は、最悪ケースの堆積物のものである請求項38に記載の方法。
【請求項40】
印刷特性は、検査部位に対する複数の表現として与えられる、請求項34〜36のいずれかに従属するときの請求項37に記載の方法。
【請求項41】
各検査部位に対する表現は、それぞれの検査部位における最悪ケースの堆積物のものである請求項40に記載の方法。
【請求項42】
各検査部位に対する表現は、それぞれの検査部位における堆積物の少なくともいくつかの堆積物、又はいくつかの堆積物のグループに対応する複数の表現を備える請求項40に記載の方法。
【請求項43】
ワークピースの対応する画像の各対応する点は、画像強度の参照閾値を参照することによって、堆積物のものであると決定される請求項24〜42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
開口の少なくとも1つについて、ワークピースの対応する画像の各対応する点は、画像強度の参照閾値より大きいか小さい画像強度を有する場合に、堆積物のものであると決定される請求項43に記載の方法。
【請求項45】
開口の少なくとも1つについて、ワークピースの対応する画像の各対応する点は、画像強度の参照閾値の上下限界範囲内の画像強度を有する場合に、堆積物のものであると決定される請求項43又は44に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2011−81006(P2011−81006A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258383(P2010−258383)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【分割の表示】特願2006−516457(P2006−516457)の分割
【原出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(505465036)ディーティージー インターナショナル ジーエムビーエイチ (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【分割の表示】特願2006−516457(P2006−516457)の分割
【原出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(505465036)ディーティージー インターナショナル ジーエムビーエイチ (10)
【Fターム(参考)】
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