説明

仕分配送装置

【課題】搬送バスケット内に偏平状の被搬送物を収容した場合であっても、確実に被搬送物の有無を判別可能な仕分配送装置を提供すること。
【解決手段】搬送バスケット200の内側の両側面に第一反射部材220と第二反射部材240がそれぞれ固着されており、前記第一反射部材に光を照射する光源260と、前記第一反射部材で反射させた光を、前記第二反射部材で再度反射させ、その光を受光する受光センサ280を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被搬送物に付与された仕分先データ等の識別情報を読み取るデータ読み取り機構などを備えた被搬送物投入部から送り込まれた被搬送物を、被搬送物に付与された識別情報によって特定される所望の仕分けシュート部に放出する搬送バスケットを備えた仕分配送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の仕分配送装置は、被搬送物を投入可能なように少なくとも一面が開口し且つ底蓋が開閉可能に構成された複数の搬送バスケットを所望の搬送路に沿って循環走行するチェーンに取り付けるとともに、搬送路の少なくとも一箇所に設けられた仕分けシュート部において、特定の被搬送物を収容している搬送バスケットの底蓋を開放することによって、その被搬送物を指定された仕分けシュート部に放出する構造をしている(例えば、特許文献1参照)。その際、図5(a),(b)に示したように、搬送バスケット500の底面に反射テープやミラー等の反射部材520を設置し、搬送バスケット500の真上から光を照射し反射光を検知することによって、搬送バスケット500内に被搬送物Mが存在するか否かを判別する方法が採られていた。
【特許文献1】特公平2−5473号公報(第2頁第4欄及び第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のような仕分配送装置においては、被搬送物が偏平状の印刷物や郵便物などである場合、図5(c)に示したように、搬送バスケット500の側面に密着して収容される場合があり、その場合には、底面の反射部材520が覆われないため、搬送バスケット500内に被搬送物Mが存在するにもかかわらず、被搬送物Mが存在しないものと誤認する場合があった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、搬送バスケット内に偏平状の被搬送物を収容した場合であっても、確実に被搬送物の有無を判別可能な仕分配送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、循環搬送路に沿って移動する搬送バスケット及び前記循環搬送路の少なくとも一箇所に設けられ前記搬送バスケットに被搬送物を投入する被搬送物投入部並びに前記搬送バスケットから放出される被搬送物を受け取る少なくとも一つの仕分けシュート部を有する仕分配送装置において、前記搬送バスケットの内側の両側面に第一反射部材と第二反射部材がそれぞれ固着されており、前記第一反射部材に光を照射する光源と、前記第一反射部材で反射させた光を、前記第二反射部材で再度反射させ、その光を受光する受光センサを有することにより、上記の課題を解決するものである。
【0006】
なお、本発明の仕分配送装置において、「被搬送物」とは、雑誌や書籍などの出版物や郵便物などの偏平物を封入または封緘したシート状物品を意味するものである。そして、「被搬送物投入部」とは、各被搬送物に付与された仕分先データ等の識別情報を読み取るデータ読み取り機構などを備えており、循環搬送路に沿って移動する搬送バスケットに各被搬送物を送り込むための部位を意味するものである。さらに、「仕分けシュート部」とは、前述した被搬送物投入部のデータ読み取り機構などで読み取った仕分先データ等の識別情報に基づいて、搬送バスケット中の被搬送物を所定の仕分先に応じた被搬送物回収ボックスなどに移載するための傾斜搬送路を意味するものである。
【0007】
また、「反射部材」とは、光を確実に反射できるものであれば特にその材質等については限定されるものではない。例えば、アルミニウムを主成分とする反射テープやミラー等を用いることができる。さらに、搬送バスケットの側面にアルミ蒸着を施し、側壁そのものを反射する材料にすることも可能である。さらに、搬送バスケットの側壁を透明な部材で構成した場合には、反射部材を搬送バスケットの外側に反射面が内側を向くように固着することも可能である。その場合、反射部材と被搬送物が直接接触することを回避することができるため、反射部材の摩耗や劣化を抑制することができ、長寿命化が図られる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の仕分配送装置は、上述したような特有の装置構成を備えているため、以下のような格別の効果を奏することができる。
【0009】
すなわち、請求項1に係る発明は、循環搬送路に沿って移動する搬送バスケット及び前記循環搬送路の少なくとも一箇所に設けられ前記搬送バスケットに被搬送物を投入する被搬送物投入部並びに前記搬送バスケットから放出される被搬送物を受け取る少なくとも一つの仕分けシュート部を有する仕分配送装置において、前記搬送バスケットの内側の両側面に第一反射部材と第二反射部材がそれぞれ固着されており、前記第一反射部材に光を照射する光源と、前記第一反射部材で反射させた光を、前記第二反射部材で再度反射させ、その光を受光する受光センサを有する構成にしたことにより、搬送バスケット内の被搬送物がどのような状態で収容されていても、確実に被搬送物の有無を判別することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明による仕分配送装置の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明による仕分配送装置を側方から水平方向に見た時の側面図であり、図2は、図1に示した仕分配送装置を上方から垂直方向に見た時の上面図である。また、図3及び図4は、本発明の特徴部分である搬送バスケットの搬送物投入検知機構を説明する概念図である。
【0011】
本実施例の仕分配送装置100は、図1及び図2に示すように、複数の搬送バスケット200が所定の間隔を保って、循環搬送路Oに沿って掛架されたコンベヤチェーン等に連結されており、循環搬送路Oを移動可能に設けられている。また、循環搬送路Oの少なくとも一箇所に搬送バスケット200に被搬送物を投入する被搬送物投入部Iが設けられている。この被搬送物投入部Iは、投入される被搬送物に付与された仕分先データ等の識別情報を読み取るデータ読み取り機構を備えている。
【0012】
この実施例においては、被搬送物投入部Iから搬送バスケット200への被搬送物の投入を円滑且つ確実に行うために、被搬送物投入部Iと搬送バスケット200との間に搬送バスケット200の移動速度と同期して回転する回転盤110を設け、この回転盤110の外周縁に付設された移載バスケット120を介して、搬送バスケット200が被搬送物を順次受け取る構成となっている。なお、図1及び図2の描写においては、循環搬送路Oに沿って所定の間隔を保って連結された複数の搬送バスケット200のうち、一部を省略している。
【0013】
この搬送バスケット200は、図3に示すように、前記搬送バスケット200の内側の両側面に第一反射部材220と第二反射部材240がそれぞれ固着されている。また、搬送バスケット200の開口部を臨む上方より、第一反射部材220に向けて光源260により光が照射される。そして、第一反射部材220で反射された光を、第二反射部材240で再度反射させ、その光を受光する受光センサ280を有している。受光センサ280によって、光源260から照射された光が受光された場合、搬送バスケット200内に被搬送物が存在しないと判断する。
【0014】
一方、搬送バスケット200内に、書籍や印刷物のような偏平状の被搬送物Mが投入された場合、その被搬送物Mによって、第一反射部材220又は第二反射部材240が覆われるため、光路が遮断され、光源260から照射された光を受光センサ280で受光することができず、搬送バスケット200内に被搬送物Mが存在すると判断される。
【0015】
次に、本発明の別の実施形態について、図4に基づき説明する。この搬送バスケット200は、内側の両側面に第一反射部材220と第二反射部材240がそれぞれ固着されていると共に底面に第三反射部材250が固着されている。そして、搬送バスケット200の開口部を臨む上方より、第一反射部材220に向けて光源260により光が照射される。そして、第一反射部材220で反射された光は、第三反射部材250で反射され、その反射光を第二反射部材240で再度反射して、その反射光が受光センサ280によって受光される。このような構成にしているため、被搬送物Mが搬送バスケットの底面に張り付いた状態で収容された場合であっても被搬送物Mの存在を確実に検知することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例である仕分配送用装置を側方から水平方向に見た時の側面図。
【図2】図1に示した仕分配送用装置を上方から垂直方向に見た時の上面図。
【図3】本実施例で用いた搬送バスケットの投入物検知機構の説明図。
【図4】本実施例で用いた搬送バスケットの別の投入物検知機構の説明図。
【図5】従来の搬送バスケットの投入物検知機構の説明図。
【符号の説明】
【0017】
100 ・・・ 仕分配送装置
110 ・・・ 回転盤
120 ・・・ 移載バスケット
200 ・・・ 搬送バスケット
220 ・・・ 第一反射部材
240 ・・・ 第二反射部材
250 ・・・ 第三反射部材
260 ・・・ 光源
280 ・・・ 受光センサ
C ・・・ 仕分けシュート部
I ・・・ 被搬送物投入部
O ・・・ 循環搬送路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環搬送路に沿って移動する搬送バスケット及び前記循環搬送路の少なくとも一箇所に設けられ前記搬送バスケットに被搬送物を投入する被搬送物投入部並びに前記搬送バスケットから放出される被搬送物を受け取る少なくとも一つの仕分けシュート部を有する仕分配送装置において、
前記搬送バスケットの両側面に第一反射部材と第二反射部材がそれぞれ固着されており、前記第一反射部材に光を照射する光源と、前記第一反射部材で反射させた光を、前記第二反射部材で再度反射させ、その光を受光する受光センサを有することを特徴とする仕分配送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−777(P2006−777A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181193(P2004−181193)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)
【Fターム(参考)】