説明

位相検出器

本発明は、データ信号DATAを用いてデータクロックDATA-CLKと参照クロックREF-CLKとの間の位相差を検出する位相検出器に関する。データ信号DATAの遷移は、データクロックDATA-CLKの遷移と同期している。データクロックDATA-CLK及び参照クロックREF-CLKは同じ周波数を持つ。位相検出器は、第1のバイナリ信号ERRQを生成する第1の信号生成器を有する。そのパルス幅は、データ信号DATAの遷移とデータ信号DATAの遷移に隣接する第1の参照クロック信号CKQの遷移との間の第1の時間差ΔT1に等しい。第1の信号生成器は、第1の参照クロック信号CKQを受信する入力と、データ信号DATAを受信する入力とを有する。位相検出器は、第2のバイナリ信号ERRIを生成する第2の信号生成器を有する。第2のバイナリ信号ERRIのパルス幅は、データ信号DATAの遷移とそのデータ信号DATAの遷移に隣接する第2の参照クロック信号CKIの遷移との間の第2の時間差ΔT2に等しい。第2の信号生成器は、第2のバイナリ信号ERRIを受信する入力と、第2の参照信号CKIを受信する入力とを有する。位相検出器は、データクロックDATA-CLKと参照クロックREF-CLKとの間の位相差を表す出力信号を生成する出力信号生成器を有する。出力信号は、ANDが論理AND演算を表すとき、ERRQ-2*(ERRQ AND ERRI)に等しいか、又はXORが論理XOR演算を表すとき、(ERRQ XOR ERRI)-ERRIに等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相検出器(phase detector)に関する。
【背景技術】
【0002】
クロックデータリカバリ(CDR)は、高速トランシーバにおいて重要な機能である。このようなトランシーバは、光学通信を含む多くの用途において役に立つ。これらのシステムにおいて受信されるデータは、非同期で、かつノイズがあり(noisy)、同期化された動作を可能にするためにクロックが抽出されることを必要とする。更に、データは、送信の間に堆積したジッタ(jitter)が除去されるよう、「リタイム」(retimed:再時間調整)されなければならない。
【0003】
ランダムなデータに関するリタイミング(retiming)及びデマルチプレクシング(demultiplexing:逆多重化)のような同期操作を行うため、高速トランシーバは、クロックを生成しなければならない。図1に示されるように、クロックリカバリ回路は、データを検出し(sense)、周期的なクロックを生成する。そのクロックにより駆動されるDフリップフロップ(DFF)は、データをリタイムする、つまり、ノイズがあるデータをサンプリングする。これは、よりジッタの少ないデータを生み出す。
【0004】
図1の回路で生成されるクロックは、3つの重要な条件を満たさなければならない:
- そのクロックは、データレートに等しい周波数を持たなければならない。例えば、データレートが10 Gb/sであることは、(100 psの周期で)クロック周波数10 GHに対応する(translate)。
- そのクロックは、クロックによるビットの最適なサンプリングを可能とするよう、データに関する所定の位相関係に耐えなければならない。クロックの立ち上がりエッジが各ビットの中点に一致する場合、先行及び後続するデータトランザクションから最も遠くでサンプリングが発生する。ジッタに対する最大マージン及び他のタイミングの不確かさは、こうして与えられることができる。
- そのクロックは、リタイムされたデータジッタに対する主要な寄与者であるので、わずかなジッタを示さなければならない。
【0005】
図2は、従来のクロックリカバリ回路を示す。クロックリカバリ回路は、図1に示されるように、クロック信号を出力することに責任を負う電圧制御発振器VCOを有する。電圧制御発振器VCOにより出力されるクロック信号の遷移は、入力ランダムデータ(NRZデータ)の遷移と同期化されなければならない。図2に示される回路は、2つの並列なフィードバックループを持つ。周波数ループと呼ばれる最初の1つは、電圧制御発振器VCOの周波数を入力データに対する推定クロックの周波数へと調整する。周波数ループは、周波数検出器(frequency detector)、チャージポンプ(charge pump)及びロウパスフィルタ(low pass filter)(LPF)とを有する。図2の第2のフィードバックループは、位相ループである。位相ループは、位相検出器、チャージポンプ、及びロウパスフィルタLPFとを有する。位相検出器は、データ遷移(NRZデータ遷移)の位相を、再生クロックの位相と比較する。線形位相検出器に対しては、パルス幅が、検出される位相差に比例していなければならない。位相検出器により出力されるパルスは、ロウパスフィルタLPFによって一体化され、このフィルタの電圧は、電圧制御発振器VCOの精細なチューニング入力を駆動する。位相ループでのロウパスフィルタの出力は位相検出器により検出される位相差に比例する振幅を持つ。チャージポンプ回路は、周波数ループ及び位相ループの内部でロウパスフィルタLPFの線形チャージング(charging)/ディスチャージング(discharging)を確実にするために必要とされる。
【0006】
非常に高速時での、発振器デザインは困難である。このため、クロックデータリカバリ回路(CDR回路)は、フルレートの入力ランダムデータ(NRZデータ)と共になされるが、その入力データレートの半分で動作する電圧制御発振器VCOを用いる。また、この技術は、位相検出器における、及び分周器のいくつかのRDR構成における速度要求を緩和する。これらのデータリカバリ回路は、ハーフレート構造と呼ばれる。それらは、フルレートのランダムデータストリームとハーフレートのクロックとを検出する間に有効な出力を与える位相検出器を必要とする。言い換えると、もしデータレートが10 Gb/sに等しいとすれば、再生クロック周波数は5 GH(データクロックの半分)に等しい。
【0007】
図3aは、従来のハーフレート位相検出器を示す。その回路は、XORゲートに加え、2つのDフリップフロップL1及びL2を有する。DフリップフロップL1及びL2の両方のD入力は、データ信号DIN(図2におけるNRZデータに対応する)を受信する。DフリップフロップL1のC入力は、クロックCK(CKは図2における再生クロックに対応する)により駆動される。DフリップフロップL2のC入力は、反転されたクロックCKにより駆動される。こうして、データ遷移DINは、クロックCKがハイ(high)であるフェーズの間のみDフリップフロップL1の出力Aに送信される。これに対応して、DINにおけるデータ遷移は、クロックCKがロウ(low)であるフェーズの間のみDフリップフロップL2の出力Bに転送される。クロックCKがロウであるフェーズの間、L1の出力Aは変更されないままである。これに対応して、クロックCKがハイであるフェーズの間、DフリップフロップL2の出力Bは変更されないままである。信号A及びBは、EXORゲートに入力される。DOUT1は、図3aに示される位相検出器の出力と同じくXORゲートの出力である。図3aの右手側は、位相検出器の信号の例示を示す。DOUT1により出力される信号の幅は、Dinにおける遷移とクロックCKの次の立ち上がり又は立ち下がりエッジとの間の時間差に対応する。クロックCKの周波数は、データクロックの周波数の半分である。CKの2倍の周波数を持つクロックは、CKの立ち上がり及び立ち下がりエッジの両方で立ち上がりエッジを持つ。そこで、Cinと2倍周波数クロックにおける立ち上がりエッジとの間の遷移が、Dinにおける遷移とクロックCKの次の遷移(立ち上がり又は立ち下がりエッジ)との間の時間における距離を決定することにより検出されることができる。
【0008】
Dinにおける遷移がクロックCKがハイであるフェーズの間で発生する場合、L1の出力(A)は、この遷移を直ちに出力する。ラッチL2は、CKがロウになるまで待ち、そしてそれから遷移Dinを出力する(図6参照)。DinにおけるDATA遷移とCKの立ち下がりクロックとの間の差は、AとBとが異なる時間に等しい。BOUT1は、AとBとが異なるときはいつでも1に等しい。信号DOUT1の長さは、検出される位相差に等しい。
【0009】
図3bは、J.SavoyとB.Razariによる著「high speed CMOS circuit for optical receivers」、Kluwer Academic Publishers、2001、ISBN 0-7923-7388-Xに表されているハーフレートの線形位相検出器を示す。この回路は、ハーフレートのホッジ(Hogge)の検出器を拡張するものである。データDinは、クロックCKの両方のエッジに関し、DフリップフロップL1及びL2を用いてハーフレートでサンプリングされる。クロックとデータとの間のエラーは、L1及びL2の出力A及びBにおいて第1のXORゲートにより測定される。DOUT1は、A XOR Bに等しいので、VOUT1信号の幅は、検出される位相差に等しい。第2のペアであるDフリップフロップL3及びL4は、ハーフレートでリタイムされたデータを出力する。L3及びL4の出力をマルチプレクシングした後、フルスピードのデータクロックを得ることができる。第2のXORゲートは、データ信号が遷移を持つときいつでも一定のパルスからなる信号VOUT2を生成する。その出力VOUT3は、データが遷移を持ち、クロックCKとデータDinとが同相にあるとき、その状況を補償するためVOUT1信号から差し引かれることができる。タイミングダイアグラムは図3bに示される回路の隣に描かれる。
【0010】
この構造の利点は、その簡単さ並びにサンプリングラッチのセットアップ及びホールド時間に対する要求があまり厳格でない点にある。2つのラッチL1及びL2がインターリーブされる態様で機能するので、ラッチ(Dフリップフロップ)における正帰還回路が決断のための時間をより多く持つ。別の利点は、フルレートでリタイムされたデータを持つことが可能であることである。これは、直接変換レシーバ(DCR)が、ジッタが発生するデータ(jittering data)を除去する(clean up)のに必要とされる純粋なリジェネレータ(リピータ)として機能するとき、その状況に対して重要な事実である。DCR用途において、データが遷移を持つ場合、かつ遷移が全く無いとき同じ出力を保つ場合はいつでも、エラー信号を生成する必要性から困難さが生じる。入力データはランダムであるので、電圧制御発振器(VCO)及びロック(lock)から解放された完全な直接変換レシーバ(DCR)を異なる周波数でプッシュし、又はプル(pull)することにより、遷移することなく長いパターンを持つことができる。それが、データ遷移密度に鈍感な位相検出器が、遷移が全く発生しないときその出力において同じ値を保つ位相検出器を構成する理由である。同時に、データはハーフレートで出力AとBとにおいて存在する。デマルチプレクシングされた状況において、2つの出力AとBとは、より低いデータレートでデマルチプレクシングされることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この回路の不利な点は、位相エラー及び訂正信号DOUT1を生成するため、参照信号DOUT2が安定するまで待つことが明らかに必要なことである。その上、位相ロックにおいて、この信号DOUT2は、信号DOUT1の2倍の幅がある。それが、DOUT1信号がゼロ平均を持つ信号を得るために2倍されなければならない理由である。
【0012】
理想的には、参照信号VOUT2に対してと同様、エラー信号VOUT1に対しても並列なタイプの動作が望まれる。
【0013】
本発明の目的は、従来技術において前述した欠点を克服する位相検出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
その課題は、添付される請求項1による位相検出器により解決される。その位相検出器は、データクロックDATA-CLKと参照クロックREF-CLKとの間の位相差をデータ信号DATAを用いることにより検出するようになされる。データ信号DATAの遷移は、データクロックDATA-CLKの遷移と同期しており、データクロックDATA-CLKと参照クロックREF-CLKとが同じ周波数を持つ。その位相検出器は、第1のバイナリ信号ERRQを生成する第1の信号生成器42を有する。その第1のバイナリ信号のパルス幅は、データ信号DATAの遷移とデータ信号DATAの遷移に隣接する第1の参照クロック信号CKQの遷移との間の第1の時間差ΔT1に等しい。第1のバイナリ信号のパルス幅は、第1のバイナリ信号における正又は負のパルス両方の幅を表すことができる。第1の信号生成器は、第1の参照クロック信号CKQを受信する入力と、データ信号DATAを受信する入力とを有する。第1の参照クロックは、参照クロックの半分の周波数を持ち、参照クロックと同期している。位相検出器は、更に、第2のバイナリ信号ERRIを生成する第2の信号生成器40を有する。第2のバイナリ信号のパルス幅は、データ信号DATAの遷移とそのデータ信号DATAの遷移に隣接する第2の参照クロック信号CKIの遷移との間の第2の時間差ΔT2に等しい。第2のバイナリ信号のパルス幅は、正又は負のパルスの幅を表すことができる。第2の信号生成器40は、データ信号DATAを受信する入力と、第2の参照信号CKIを受信する入力とを有する。第1及び第2のバイナリ信号の両方において、正のパルス同様負のパルスが論理1を表すことができる。論理0は、負のパルス同様正のパルス両方で表されることができる。位相検出器は、データクロックDATA-CLKと参照クロックREF-CLKとの間の位相差を表す出力信号を生成する出力信号生成器を有する。出力信号は、ERRQ-2*(ERRQ AND ERRI)に等しい。ANDは、論理的なAND(論理積)演算を表す。また、出力は、ERRQ XOR ERRI-ERRIに等しい。XORは、論理的なXOR(排他的論理和)演算を表す。両方の式は、同じ出力信号を生み出す。出力信号は、電圧及び電流パルスの両方を表すことができる。もし第1及び第2のバイナリ信号ERRQ及びERRIが値0と1であると仮定すれば、出力信号は、値+1、-1、及び0を持つことができる。この場合、データクロックの周期の間の出力信号の下の面積は、検出される位相差に等しい。位相検出器のパルスシーケンスを、位相差を表す振幅を持つ信号に変換するために、積分器が使用されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態が、以下の添付の図面を参照して説明されるであろう。
【0016】
図5に示される第1の信号生成器42は、XORゲートの他に第1のDラッチ(Dフリップフロップ)L3と第2のDラッチL4とを有する。第1及び第2のDラッチL3及びL4は、それぞれ、2つの入力D及びCK並びに出力Qを有する。第1及び第2のDラッチL3及びL4の入力Dは共に、データ信号のための線に接続される。第1のDラッチL3の入力CKは、第1の参照クロック信号CKQに接続され、第2のラッチL4の入力CKは、反転された参照クロック信号CKQに接続される。第1のDラッチL3により出力される信号は、X1Qと呼ばれ、第2のDラッチL4により出力される信号は、X2Qと呼ばれる。X1Q及びX2Qは、第1のバイナリ信号ERRQを出力する排他的ORゲートの入力に接続される。DラッチL3は、クロックCKQの正のレベルの間入力されるデータに対して透過的(transparent)である。これは、参照クロック信号CKQがハイ(high)であるフェーズの間のみ、データ信号における変化がXORゲートに対して出力されることを意味する。逆に、クロックCKQがロウ(low)であるフェーズの間のみ、ラッチL4がデータ信号に対して透過的である。これは、信号X1Q及びX2Qが異なる場合にだけ、第1のバイナリ信号ERRQがハイであることを意味する。2つのラッチのうちの1つだけが、信号変化に対して透過的であるため、データ信号における遷移が発生する場合、X1Q及びX2Qは異なる。いったん第1の参照クロック信号TKQが遷移状態を作り出すと、信号X1Q及びX2Qは、同じ値を持つ。結果として、第1のバイナリ信号ERRQはロウになるであろう。そこで、XORゲートにより出力される信号は、クロックCKQとデータ信号との間の位相差に等しい幅を持つ。
【0017】
図5に示される第2のバイナリ信号ERRIを生成する第2の信号生成器40は、図5に示される第1の信号生成器42と同様に構築される。第1の参照クロック信号CKQの代わりに、第2の参照クロックCKIが使用される。結果として、第2のバイナリ信号生成器により出力される信号ERRIは、データ遷移と参照クロック信号CKIにおける遷移との間の位相シフトに対応する長さを持つ。第2の参照クロックCKIは、第1の参照クロック信号CKQに関して1/4f分位相シフトされる。ここでfは、第1の参照クロックCKQ及び第2の参照クロックCKLの両方の周波数である。
【0018】
図6において、信号である、DATA、CKI、CKQ、X1L、X2L、ERRI、X1Q、X2Q及びERRQが互いの先頭に示される。図6に示される信号DATAは、参照信号生成器40及び42で受信されるDATA信号の例である。DATA信号の遷移は、DATAクロックにおける立ち上がりエッジに同期している。DATAクロックは、参照クロックCKI及びCKQの2倍の周波数を持つ。Tbは、DATAクロックの周期を示す。参照クロック信号CKI及びCKQは、お互いに関してTb/2分位相シフトされる。DATA信号の最初の立ち上がりエッジは、クロックCKIがハイであるフェーズの間に発生する。そこでラッチL1の出力X1Lは、このDATA信号の遷移に対して透過的である。DATA信号は、参照クロック信号CKIがロウである(参照クロック信号CKIがハイである)とき、第2のDラッチL2により出力される。図6に示されるERRIの最初の信号パルスの幅は、DATA信号の最初の遷移と参照クロックCKIの隣接する遷移との間の時間における距離と同等である。これに対応して、信号ERRQの幅は、DATA信号の遷移と参照クロックCKQの次の遷移との間の時間における距離に等しい。図7は、CKQがDATA遷移と同相にある場合に対する、図6におけるのと同じ信号を示す。この場合、ERRIの信号パルスの幅は、Tb/2に等しく、信号パルスERRQの幅は、2*Tbに等しい。これは、データが上昇遷移を持つときはいつでも、CKQが下降遷移を持ち、データが下降遷移を持つとき、CKQが上昇遷移を持つという事実が原因である。これまでに述べてきたこと(previous remark)は、ERRI及びERRQの最初の信号パルスに対しては真である。ANDゲートを介して信号ERRI及びERRQを接続することは、信号ERRI’を生み出すことに留意されたい。ERRI’の最初の2つのパルスの下の面積は、ERRQの最初の信号パルスの下の面積の半分に等しい。そこで、ERRQ-2*(ERRI
and ERRQ)は、位相差ゼロを表す信号を生み出す。この信号の下の面積は0に等しい。
【0019】
図8は、図5に示される回路により生成される信号の別の例を示す。この場合、最初のデータ遷移は、CKQがハイであるフェーズの間及びCKIがハイであるフェーズの間に発生する。CKQの遷移は、CKLの下降遷移の前に発生する。検出される位相差は、DATA信号の上昇遷移とCKQの下降遷移との間の時間差に等しい。そこで、ERRQに対して示される信号パルスの長さは、検出される位相差に等しい。ERRI及びERRQをANDゲートを用いて接続することは、ERRQを生み出す。ERRQ-2(ERRI and ERRQ)は、-ERRQを生み出す。その式は、この場合にもあてはまる。
【0020】
図9は、本発明の第1の実施形態を示す。図9の位相検出器は、図5に示される信号生成器40及び42を有する。位相検出器は、更に、検出される位相差を表す出力信号Pdを出力する出力信号生成器44を有する。出力信号生成器は、第1の信号生成器(42)及び第2の信号生成器(40)の出力に接続される2つの入力を有する。出力信号生成器44は、第1及び第2の信号生成器から信号ERRI及びERRQに接続されるANDゲートを有する。ERRI’は、ANDゲートの出力信号を構成する。この信号は、信号を2逓倍するマルチプリケータ(multiplicator)での入力である。マルチプリケータ*2の出力は、合計ユニットSUMへの入力である。合計ユニットSUMは、マルチプリケータ*2の出力を、同じく合計ユニットへの入力である第1の参照信号ERRQから差し引く。出力信号生成器44は、式PD=ERRQ-2(ERRI and ERRQ)に対応する論理回路を構成する。
【0021】
図10は、CKQがデータクロックに関してTb/2分位相シフトされる場合における異なる信号である、DATA、CKI、CKQ、ERRQ、ERRI’及びPDを示す。Tbは、データクロックの周期を表す。図10において見られることができるように、クロックCKQのエッジは、データ信号のエッジに比べてTb/2分遅れる。CKIは、データ信号と同相である。CKQとCKIとの間の位相差は、Tb/2である。結果として生じる位相差パルスPDは負である。これらのパルスの長さは、Tb/2に等しい。そこで、信号PDの長さは、参照クロックCKQとデータクロックとの間の位相差を表す。信号ERRQとERRI’とは同一である。ERRQ-2*ERRI’に等しい出力Pdは、結果として、信号ERRQに対応する。
【0022】
図11は、図9に示される回路により生成される信号の別の例を示す。クロックCKQの遷移と信号データの遷移とは、同期が取れている。すなわち、データクロックは、クロックCKQと同相である。出力PDは、平均出力が0になるような態様で+1と-1の間で変化する。時間周期Tbに対してPDの積分を取ると、0に等しくなる。データ送信が欠落する(missing)と、出力は0になるであろう。この場合、データ信号の遷移はCKQの遷移と同期している。
【0023】
クロックCKQが早い(early)場合、正の平均を持つ電流(current)出力PDが生成される。これは、図12に示される。ここでも、データ遷移が全く起こらないとき、出力は0である。図13は、本発明による位相検出器の第2の実施形態を示す。図13に示される参照信号生成器40及び42は、図9に示されるものと同一ではない。排他的ORゲートXORが、排他的NORゲートNXORにより置き換えられる。更に、位相検出器の出力信号生成器におけるANDゲートがNORゲートにより置き換えられる。NORゲートは、図13における参照信号生成器42の出力に接続される。信号生成器42の出力に接続されるNORゲートの両方の入力は同じ入力を持つ。そこで、NORゲートは、インバータとして機能する。
【0024】
図13の位相検出器と図9の位相検出器とは、同じ出力PDを生み出す。図9の出力PDは、次の式により定義される:
【数1】

【0025】
図13の位相検出器は、式(3)の論理実現にすぎない。そこで、図10から12もまた、図13の位相検出器により生成される信号を表す。
【0026】
図13に示される2つのNXOR回路は、デジタル論理機能NXORの特定の実現により、差動入力とシングルエンド(single ended)の出力とを持つ。位相検出器出力PDは、ループフィルタに直接適用されるであろう。出力信号生成器44のサブトラクション回路は、リニアアンプに基づくものでよい。フェーズロックループ伝達(phase locked loop transfer)は、0ヘルツで有限な振幅を持つであろう。そこで、図13の位相検出器を用いて実現される場合、フェーズロックループは、大きく静的な位相エラーを持つだろう。上述される欠点を回避するために、本発明の第3の実施形態が提案され、図14に示される。
【0027】
図14の位相検出器は、チャージポンプを有する。図9及び13において示されるマルチプリケータ及びサブトラクタにおいて行われる乗算及び引き算が、ここでは、図14の出力信号生成器のチャージポンプにおいて行われる。その手法の利点は、0ヘルツの有限振幅を備える、積分器のようなループ伝達(integrator like loop transfer)である。従って、静的な位相エラーは劇的に減少するであろう。出力信号生成器44のORゲートは、シングルエンドの入力と差動出力とを持つ。差動出力は、チャージポンプの差動タイプにより必要とされる。2つの信号UP及びDOWNは、チャージポンプを差動的に駆動するために生成される。図14における差動出力UPは、図9における信号ERRQに対応し、差動出力DOWNは、図9における信号ERRI’に対応する。チャージポンプに転送される電圧差は、対応する電流に変換され、電流の乗算及び引き算がチャージポンプにより実行される。
【0028】
図13及び図14はそれぞれ「ダミー」のORゲートを有する。どちらの場合でも、ダミーのORゲートは、第2の参照信号生成器40のそれぞれの出力に接続される。ダミーのORゲートは、第2及び第1の参照信号生成器40及び42が同じ遅延を持つ出力を生み出すよう、第2の参照信号生成器40の出力を遅延させるために必要とされる。
【0029】
位相検出器に対する純粋な差動手法も可能であり、このような位相検出器の実施形態が図15に示される。この実施形態は、差動XORゲート及び差動ORゲートにもっぱら基づく。出力UP及びDOWNは、ここでも論理式(3)の実現である。図14の位相検出器同様、図15の位相検出器は、2つの電流源を持つチャージポンプを有する。UP信号により制御される電流源は、down信号により制御される電流源の2分の1である。このことが、図9及び13における、2逓倍を実現する。
【0030】
本発明による位相検出器の第5の実施形態が図16に示される。図16の位相検出器は、もっぱらXORゲートとDラッチとを有する。差動実現において、同じ構成要素(building block)が回路のレイアウトを単純化する。差動XORを用いる別の利点は、トランジスタのスタックなしでのXOR(同じことはORにもあてはまる)の特有の実現に存在する。トランジスタをスタックすることが用いられるとき、ソースフォロワー(source follower)が必要になる。結果は、論理ゲートでの振幅減少及び速度に対する罰(speed penalty)である。これは、ANDゲートを用いるいかなる実現にも起こりうる。
【0031】
図16の位相検出器の特異点は、チャージポンプにおける電流源が同一であり、マッチしやすいという事実である。両方の電流源は、電流I0を提供する。down信号に対するXORゲートは0論理に接続される1つの入力を持ち、余分なダミーXORがdownのXORの入力で追加される。位相検出器の振る舞いは、次の論理式で説明されることができる:
【数2】

【0032】
式(4)は、図9、13、14及び15における位相検出器により実現される式(1)と同じ出力信号を生み出す。
【0033】
図17は、図16の位相検出器における8つの異なる論理実現PD1からPD8を示す。論理実現PD3は、図16の位相検出器に対して選択される論理的な実現に対応する。PD3は、差動入力及び差動出力を持たないが、差動入力及び差動出力を備える排他的なORゲートが使用されることができることは当業者には明らかである。PD3において出力DOWN及びUPを与える排他的なORゲートは、出力DOWN及びUPを与える図16の排他的なORゲートに対応する。PD3においてIとQとでラベル付けされた排他的なORゲートは、それぞれ入力X1Q及びX2Qを持つ排他的なORゲートと、入力X1L及びX2Lを持つ排他的なORゲートとに対応する。図16で使用される「ダミー」のXORゲートはPD3には図示されない。単に利点ではあるが必要な要素ではないためである。図17に示される別の論理実装は、図16のチャージポンプ並びにDラッチL1、L2、L3及びL4に接続される。
【0034】
図18Aは、本発明の実施形態として前述されたもののいずれかにおいて使用されることができるXORゲートを示す。図18の論理ゲートは、第1の差動入力A、

及び第2の差動入力B、Bを持つ。ゲートの差動出力は、Q、

で表される。図18の差動XORゲートは、更に、8つのトランジスタM1、M2、M3、…、M8を有する。更に、3つの電流源I01、I02及びI03がXORゲートに与えられる。電流源I01は、トランジスタM1、M2及びM4を接地に接続する。電流源I02は、トランジスタM3及びM5を接地に接続し、電流源I03は、トランジスタM5、M7及びM8を接地に接続する。入力A、

、B、及び

は、それぞれ、トランジスタM1、M2、M7及びM8のいずれかにおけるゲートに接続される。電流源I01、I02及びI03は、それぞれ、同じ定電流I0を提供する。トランジスタM1からM8の末尾に加えられる電流源は、定電圧I0*Rを確実にすることにより揺れ動く温度の制御と、プロセス変動の制御とを可能にする。Rは、差動出力Q、

に接続されるレジスタを表す他に、これらのレジスタの抵抗も表す。定電流源は、接地及びこの正の電源における定電源電流に関する電源除去を増加させる。チャージポンプやVCOのような他の構成要素が同相(common mode)信号に対する制約を少なくした形で構築されることができるので、PLL-DCR構成において、これは、重要な利点である。
【0035】
図18Bは、図18Aの差動XORゲートの論理テーブルとXORゲートの出力でのアナログ値とを示す。論理状態間での差動スイング(swing:振幅)は、I0*Rである。I0*Rは、差動出力Q、

での電圧差を表す。図18Aに示される同相電圧VCOMは、差動入力の同相とは少し異なって選択される。トランジスタM3及びM6は、同じ電流源I02に接続され、従って、負の出力において、定電流が常に存在する。
【0036】
図19は、2つの差動入力A、

及びB、B、並びにシングルエンドの出力Qを持つNXORゲートを示す。図19のNXORゲートの差動入力はそれぞれ、図19に示されるトランジスタM1、M2、M5及びM6のいずれかのゲートに接続される。同相電圧VCOMは、図19に示されるトランジスタM3及びM4のゲートに接続される。第1の電流源I01は、トランジスタM1、M2及びM3に接続される。第2の電流源I02は、トランジスタM4、M5及びM6に接続される。電流源I01及びI02は共に同じ電流I0を提供する。トランジスタM3及びM4は、入力A’とB’とが共にロウであるとき、電流源I01を、非飽和状態に保つために必要とされる。
【0037】
図20は、前述された位相検出器のいずれかに使用されることができる差動ORゲートを示す。図20の差動ORゲートは、2つの差動入力A、

及びB、

と共に、差動出力Q、

を持つ。8つトランジスタM1からM8が差動ORゲートに与えられる。入力Aは、トランジスタM1のゲートに接続され、入力Bは、トランジスタM2のゲートに接続される。トランジスタM1及びM2は共に電流源I01に接続される。トランジスタM3及びM4のゲートはそれぞれ同相電圧VCOMにより与えられる。これらのトランジスタのソース及びドレインは、互いに接続される。トランジスタM1、M2、M3及びM4はそれぞれ出力

に接続される。差動入力



とは、トランジスタM7及びM8のゲートに接続される。トランジスタM6、M7及びM8はそれぞれ電流源I03に接続される。トランジスタM6は、そのゲートにおいて同相電圧VCOMを持つ。トランジスタM5、M6、M7及びM8はそれぞれ、出力Qに接続される。図20Bは、図20Aの差動ORゲートの論理テーブルを示す。
【0038】
図21は、前述された位相検出器のいずれかにおいても使用されることができるORゲートを示す。図21のORゲートは、2つのシングルエンドの入力A及びBと、差動出力Q、

とを持つ。トランジスタM1、M2及びM3は、図21のORゲートにおいて与えられる。トランジスタM1及びM2のゲートは、入力AとBとをそれぞれ形成する。トランジスタM1、M2及びM3の末尾はそれぞれ共通の電流源I0に接続される。同相電圧VCOMは、トランジスタM3のゲートを形成する。
【0039】
図22は、位相検出器200と周波数検出器210とを有する位相周波数検出器を示す。図22における位相検出器200は、図16に示される位相検出器に対応する。図16に示される参照クロックCKL及びCKQは、図22に示されるクロックCKL/2及びCKQ/2にそれぞれ対応する。周波数検出器210は、2つの参照クロックCKQ及びCKLを持つ。周波数検出器210のクロックCKQ及びCKLは四分(quadrature)クロックである。即ち、それらは同じ周波数を持ち、T/4分位相シフトされている。ここで、Tは、そのクロックの周期である。参照クロックCKQ及びCKLの周波数f=1/Tは、データクロックの周波数に対応する。参照クロックCKL/2及びCKQ/2は、ここでもデータクロックの半分の周波数を持つ2つの四分クロックである。周波数検出器210は、トリステート(tri-state)出力を備えるフルレートの周波数検出器である。位相検出器は、ハーフレートの位相検出器である。分周器は、フルレートの2つの四分クロックCKQ及びCKLのいずれかより得られる2つの四分クロックCKI/2及びCKQ/2を生成することができる。周波数検出器210は、2つのDラッチL1及びL2を持ち、その差動出力は、MUXに接続される。DラッチとMUXとのこの組み合わせは、データ信号のUP及びDOWN遷移の両方でクロック(clock)されるラッチとして機能する。そこで、データ遷移は、フルスピードでの2つの四分クロックCKI及びCKQをサンプリングする。MUXの出力は、遷移間での出力において、同じエラーを保ち続けるデータ遷移に関してのみ更新されるであろう。更に、DラッチL3、L4及び他のMUXは、Dラッチ及びMUXの同様な組み合わせを形成する。MUXの出力は、図22に示され、参照信号PD_Q及びPD_Iを持つ。PD_Q出力は、位相検出器の出力に対応し、PD_I出力は、PD_Qと四分遅れ(in quadrature with)の関係にある。DATA及びCKQ(それぞれCKI)との間の位相差は正又は負の量子化された信号に変形される。信号が正であるとき、クロックはその位相を増加させ、負の信号に対しては、クロックはその位相を減少させるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】従来の高速レシーバを示す図である。
【図2】従来のクロックリカバリ回路を示す図である。
【図3】左側は、従来のハーフレートの位相検出器を示し、右側は、従来のハーフレートの位相検出器の信号に対するタイミングダイアグラムを示す図である。
【図4】左側は、従来の別のハーフレートの位相検出器を示し、右側は、従来のハーフレートの位相検出器の信号に対するタイミングダイアグラムを示す図である。
【図5】本発明における第1の信号生成器及び第2の信号生成器の実施形態を示す図である。
【図6】図5の第1及び第2の信号生成器で生成される信号の例を示す図である。
【図7】図5の第1及び第2の信号生成器で生成される信号の追加的な例を示す図である。
【図8】図5に示される信号生成器で生成される信号の別の例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態において生成される信号の例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態において生成される信号の別の例を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施形態において生成される信号の追加的な例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態を示す図である。
【図15】本発明の第4の実施形態を示す図である。
【図16】本発明の第5の実施形態を示す図である。
【図17】図16における位相検出器の8つの異なる論理実現を示す図である。
【図18A】本発明の実施形態において使用されることができるXORゲートを示す図である。
【図18B】図18Aの差動XORゲートの論理テーブルを示す図である。
【図19】本発明の実施形態において使用されることができるNXORゲートを示す図である。
【図20】本発明の実施形態において使用されることができる差動ORゲートを示す図である。
【図21】本発明の実施形態において使用されることができる追加的なORゲートを示す図である。
【図22】本発明による位相検出器を有する位相周波数検出器を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ信号を用いてデータクロックと参照クロックとの間の位相差を検出する位相検出器において、前記データ信号の遷移が前記データクロックの遷移と同期しており、かつ、前記データクロックと前記参照クロックとが同じ周波数を持ち、
第1のバイナリ信号を生成する第1の信号生成器であって、前記第1のバイナリ信号のパルス幅が、前記データ信号の遷移と前記データ信号の前記遷移に隣接する第1の参照クロック信号の遷移との間の第1の時間差に等しく、前記第1の信号生成器は、前記第1の参照クロック信号を受信する入力と前記データ信号を受信する入力とを有し、前記第1の参照クロックが、前記参照クロックの半分の周波数を持ち、かつ、前記参照クロックと同期している、第1の信号生成器と、
第2のバイナリ信号を生成する第2の信号生成器であって、前記第2のバイナリ信号のパルス幅が、前記データ信号の遷移と前記データ信号の前記遷移に隣接する第2の参照クロック信号の遷移との間の第2の時間差に等しく、前記第2の信号生成器は、前記第2の参照クロックを受信する入力と前記データ信号を受信する入力とを有する、第2の信号生成器と、
前記データクロックと前記参照クロックとの間の前記位相差を表す出力信号を生成する出力信号生成器であって、前記出力信号が、ANDが論理AND演算を表すときERRQ-2*(ERRQ AND ERRI)に等しいか、又は前記出力が、XORが論理XOR演算を表すとき(ERRQ XOR ERRI)-ERRIに等しい、出力信号生成器とを有する位相検出器。
【請求項2】
前記第1の信号生成器は、共に前記データ信号を受信する2つのDラッチを有し、前記第1の信号生成器における前記2つのDラッチの1つ目は、前記第1の参照クロック信号を受信し、前記第1の信号生成器における前記2つのDラッチの2つ目は、反転された第1の参照クロックを受信する、請求項1に記載の位相差を検出する位相検出器。
【請求項3】
前記第2の信号生成器は、共に前記データ信号を受信する2つのDラッチを有し、前記第2の信号生成器における前記2つのDラッチの1つ目は、前記第2の参照クロックを受信し、前記第2の信号生成器における前記2つのDラッチの2つ目は、反転された第2の参照クロックを受信する、請求項2に記載の位相差を検出する位相検出器。
【請求項4】
前記第1又は第2の信号生成器における前記2つのDラッチにより出力される信号は、XORゲート又はXNORゲートのどちらかへの出力である、請求項3又は4に記載の位相検出器。
【請求項5】
前記出力信号生成器は、2つの入力と1つの出力とを持つANDゲートを有し、前記ANDゲートの前記入力は、前記第1及び前記第2のバイナリ信号を受信し、前記出力信号生成器は、前記ANDゲートの前記出力を2逓倍するマルチプリケータを有し、前記出力信号生成器は、前記マルチプリケータの前記出力を前記第1のバイナリ信号から減算するサブトラクタを有し、該サブトラクタは、前記位相検出器の前記出力を表す出力を持つ、請求項1乃至4のいずれかに記載の位相差を検出する位相検出器。
【請求項6】
前記出力信号生成器は、第1のORゲートを有し、前記第1のORゲートにおける両方の入力は、前記第1のバイナリ信号に接続され、前記出力信号生成器は、第2のORゲートを有し、前記第2のORゲートにおける第1の入力は、前記第1のバイナリ信号に接続され、前記第2のORゲートにおける第2の入力は、前記第2のバイナリ信号に接続され、前記出力信号生成器は、前記第1及び第2のORゲートの出力に接続されるチャージポンプを有し、該チャージポンプは、前記第2のORゲートの前記出力を2逓倍し、前記第1のORゲートの前記出力から前記結果を減算する、請求項1乃至4のいずれかに記載の位相検出器。
【請求項7】
前記出力信号生成器は、第1のXORゲートを有し、該第1のXORゲートは、前記第1のバイナリ信号を受信する入力と、前記第2のバイナリ信号を受信する入力とを持ち、前記出力信号生成器は、第2のXORゲートを有し、該第2のXORゲートは、前記第2のバイナリ信号を受信する入力と、論理0を受信する入力とを持ち、前記出力信号生成器は、チャージポンプを有し、該チャージポンプは、前記第2のXORゲートの出力を前記第1のXORゲートの前記出力から減算する、請求項1乃至4のいずれかに記載の位相検出器。
【請求項8】
データ信号を用いてデータクロックと参照クロックとの間の位相差を検出する方法において、前記データ信号の遷移が前記データクロックの遷移と同期しており、
共に前記参照クロックの半分の周波数である同じ周波数fを持つ第1の参照クロック信号及び第2の参照クロック信号であって、該第1の参照クロック信号と該第2の参照クロック信号との間の位相差が1/(4f)に等しい、前記第1の参照クロック信号及び前記第2の参照クロック信号を受信し、
第1のバイナリ信号であって、該第1のバイナリ信号のパルス幅が、前記データ信号の遷移と前記データ信号の前記遷移に隣接する第1の参照クロック信号の遷移との間の第1の時間差に等しい、前記第1のバイナリ信号を生成し、
第2のバイナリ信号であって、該第2のバイナリ信号のパルス幅が、前記データ信号の遷移と前記データ信号の前記遷移に隣接する前記第2の参照クロック信号の遷移との間の第2の時間差に等しい、前記第2のバイナリ信号を生成し、
前記データクロックと前記参照クロックとの間の前記位相差を表す出力信号を生成することを有し、該出力信号が、ANDが論理AND演算を表すときERRQ-2*(ERRQ AND ERRI)に等しい、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18a】
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【図18b】
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【図19】
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【図20a】
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【図20b】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2007−504699(P2007−504699A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524483(P2006−524483)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051448
【国際公開番号】WO2005/022819
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】