説明

低蒸気圧ガスを送るためのベポライザー

マイクロエレクトロニクスおよびその他の極めて重要な用途において、キャリアガスとともに、低蒸気圧ガスを、制御し、供給、精製するためのベポライザー装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)項の下、参照によりその開示全体が本明細書に明らかに組み込まれ、本明細書において明らかに本出願の一部をなしている、2006年3月20日出願の米国仮出願第60/784382号の利益を主張するものである。
【0002】
マイクロエレクトロニクスおよびその他の極めて重要なプロセスの用途において、低蒸気圧ガスをキャリアガスとともに制御し、供給、精製するベポライザー装置を提供する。
【背景技術】
【0003】
水およびその他の液体の蒸気は、マイクロエレクトロニクス製造、クリーンルーム、および医療の用途で用いられるプロセスも含む、現在の先進技術のプロセスにおける多くの用途で使用されている。そのような蒸気は、例えば薄いゲート酸化膜の製造において(例えば、エレクトロニクスおよびマイクロエレクトロニクス産業)ケイ素の酸化に使用することができるように、また高純度清浄化プロセスにおいて使用することができるように、プロセスに導入される不純物が最小であることが望ましい。しかし、従来の方法でのプロセスへの液体蒸気(例えば、水、アルコール、またはアミンなど)の供給は難しく、また、その選択は直接液体導入(DLI)またはバブラーに限られ、これらは液体蒸気と一緒に汚染物質も導入する傾向がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水蒸気は、医療産業において加湿のために使用することができる。従来のシステムを使用して生成されたそのような水蒸気は、生成物(例えば、プリオン、ウイルス、アレルゲン、タンパク質、細菌、および存在するその他の生物学的に活性な高分子または物質を有する)をもたらすおそれがある。さらに、ホウ酸塩やケイ酸塩などの無機物質、または、鉄、ニッケル、クロム、銅、およびその他の有毒金属などの金属物質が存在するおそれがある。
【0005】
典型的には、マイクロエレクトロニクスの用途に用いられる水は、水蒸気を得るために、気状水素と酸素とを反応させることにより生成される。純粋な水蒸気を生成することは、生成物である水蒸気中に残されたままの残留酸素および/または水素の存在が原因となって実際には不可能である。これらの化合物の除去は、しばしば、追加の高価なかつ複雑な別のプロセスを必要とする。さらに、高濃度のガス状の水素は、水素の爆発限界(約100kPaの圧力で約8%)よりも十分に高い温度で実施される、酸素との合成反応をしばしば必要とする。
【0006】
高純度脱イオン水の沸騰は水蒸気を得るために簡単であり、水蒸気を得るための水素と酸素との直接反応に固有の問題および危険を回避することができる。しかし、溶解したガスを除去することが難しく、しばしば、気密封止された環境での沸騰/凝縮サイクルを多数の必要とし、これには費用がかかる。さらに、塩や金属など、一般に揮発しない材料を含有するエアロゾルが沸騰プロセス中に生成される可能性があり、望ましくない不純物を増やす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
キャリアガスに混入された液体蒸気を生成する方法であって、その液体蒸気が低レベルの不純物を含有しており、その液体蒸気を様々な条件で、制御された手法で供給することができる方法が望ましい。好ましい実施形態のベポライザーシステム、装置、および方法がこれらの目標を達成する。
【0008】
第1の態様では、キャリアガスの流量を制御するように構成された質量流制御装置と、ベポライザー、とを含んでいるベポライザー装置であって、ベポライザーが、液体のソースと、液体およびキャリアガスの少なくとも一方の温度を制御するように構成された少なくとも1個の温度制御器と、内部に液体を通すがキャリアガスは通さないように構成された膜アセンブリと、を含んでいる。それによって、液体が膜アセンブリ内を通過してキャリアガスに接触し、それによって、ソース蒸気がキャリアガス中に混入された混合物が得られ、キャリアガス中のソース蒸気の濃度が、ソースの温度、キャリアガスの温度、およびキャリアガスの流量によって決定される、ベポライザー装置が提供される。
【0009】
第1の態様の実施形態では、ベポライザー装置は、ソースチャンバ内のソースの量をモニタするためのレベル検出装置をさらに含んでいる。
【0010】
第1の態様の実施形態では、ベポライザー装置は、温度制御器にフィードバックを行うための圧力変換器をさらに含んでいる。
【0011】
第1の態様の実施形態では、ベポライザー装置は、温度制御器にフィードバックを行うための温度変換器をさらに含んでいる。
【0012】
第1の態様の実施形態では、ベポライザー装置は、温度制御器にフィードバックを行うための湿度変換器をさらに含んでいる。
【0013】
第1の態様の実施形態では、ベポライザー装置は、ソース蒸気がキャリアガス中に混入されている混合物の圧力を制御するように構成された、下流圧力制御装置をさらに含んでいる。
【0014】
第1の態様の実施形態では、ベポライザー装置は、熱制御装置をさらに含んでいる。熱制御装置は、蒸気源に熱を加えること、および蒸気源から熱を除去することの少なくとも1つを行うように、またはキャリアガスに熱を加えること、およびキャリアガスから熱を除去することの少なくとも1つを行うように構成することができる。
【0015】
第1の態様の実施形態では、ベポライザー装置は、混合物中の蒸気とキャリアガスとの比を制御するように構成された下流圧力制御装置をさらに含んでいる。
【0016】
第1の態様の実施形態では、ベポライザー装置は、混合物を準大気圧プロセス中に送るように構成された下流圧力制御装置をさらに含んでいる。
【0017】
第1の態様の実施形態では、膜アセンブリは、液体中に存在する少なくとも1種の汚染物質が内部を通過するのを阻害するよう構成されたイオン膜を含んでいる。
【0018】
第1の態様の実施形態では、膜アセンブリは、過フッ素化イオノマーを含むイオン交換膜を含んでいる。
【0019】
第1の態様の実施形態では、膜アセンブリは、スルホン酸基を含有するフルオロポリマー膜を含んでいる。
【0020】
第1の態様の実施形態では、膜アセンブリは、標準大気および圧力下で約10−3cm/cm/秒未満である水蒸気以外のガスの漏れ率を有する実質的にガス不透過性の膜を含んでいる。
【0021】
第1の態様の実施形態では、膜アセンブリは、少なくとも約1000:1の比で他のガスよりも水蒸気に対してより透過性のある実質的にガス不透過性の膜を含んでいる。
【0022】
第1の態様の実施形態では、ベポライザーは、分当たり約18μg以下の制御速度で蒸気をキャリアガスに送るように構成されている。
【0023】
第1の態様の実施形態では、ベポライザーは、分当たり約18μgから分当たり約1kgの制御速度で蒸気をキャリアガスに送るように構成されている。
【0024】
第1の態様の実施形態では、ベポライザーは、分当たり約1kgの制御速度で蒸気をキャリアガスに送るように構成されている。
【0025】
第1の態様の実施形態では、ベポライザー装置は、低蒸気圧ガスを準大気圧プロセス中に送るように構成された背圧調節器をさらに含んでいる。
【0026】
第2の態様では、蒸気がキャリアガス中に混入されている混合物を生成するための方法であって、事前に選択された第1の温度のソース液体を、内部に液体を通す膜の第1の面に接触させるステップと、事前に選択された第2の温度および事前に選択された流量のキャリアガスを、内部をキャリアガスが通るのを阻止する膜の第2の面に接触させるステップと、膜の第2の面で、キャリアガスと、膜を通過した液体とを接触させるステップと、を含み、それによって、事前に選択された濃度のソース蒸気がキャリアガス中に混入されている混合物が生成される方法が提供される。
【0027】
第2の態様の実施形態では、キャリアガスは、水素、酸素、窒素、ヘリウム、アルゴン、オゾン、二酸化炭素、一酸化炭素、空気、およびこれらの混合物からなる群から選択されたガスを含んでいる。
【0028】
第2の態様の実施形態では、キャリアガスは空気である。
【0029】
第2の態様の実施形態では、キャリアガスは水素である。
【0030】
第2の態様の実施形態では、キャリアガスは、腐食性ガス、反応性ガス、炭化水素ガス、ハロゲン化ガス、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0031】
第2の態様の実施形態では、ソース液体は、水、液体アルコール、液体アミン、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0032】
第2の態様の実施形態では、ソース液体は、水、メタノール、イソプロパノール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0033】
第2の態様の実施形態では、ソース液体は水である。
【0034】
第2の態様の実施形態では、ソース液体はイソプロパノールである。
【0035】
第2の態様の実施形態では、膜によって、その内部をソース液体中の少なくとも1種の汚染物質の通過が阻止され、その結果、ソース蒸気が、ソース液体よりも低い濃度の汚染物質を含有するようになされている。
【0036】
第2の態様の実施形態では、混合物は、加湿された空気を含んでおり、水蒸気は、プリオン、ウイルス、アレルゲン、タンパク質、細菌、およびその他の生物学的に活性な高分子を約1ppb未満含有している。
【0037】
第2の態様の実施形態では、水蒸気は、ホウ酸塩、ケイ酸塩、鉄、ニッケル、クロム、おおび銅を約1ppb未満含有している。
【0038】
第2の態様の実施形態では、キャリアガスへの蒸気の供給速度は、分当たり約18μg以下である。
【0039】
第2の態様の実施形態では、キャリアガスへの蒸気の供給速度は、分当たり約18μgから分当たり1kgである。
【0040】
第2の態様の実施形態では、キャリアガスへの蒸気の供給速度は、分当たり約1kg以上である。
【0041】
第2の態様の実施形態では、方法は、事前に選択された濃度のソース蒸気がキャリアガス中に混入された混合物を、準大気圧プロセス中に送るステップをさらに含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
マイクロエレクトロニクスの用途に用いられる浸透気化(パーベーポレーション)装置を提供する。この装置は、キャリアガスへの、水、イソプロパノール(IPA、イソプロピルアルコールとも呼ばれる)、またはその他の低蒸気圧ガス、の制御、供給、および/または精製をする。
ベポライザーは、非多孔質膜を介して水、アルコール、またはこれらの混合物を、キャリアガス流内へ直接、制御された移送および/または精製できるようにする。送られる蒸気は「ソース」と呼ばれ、蒸気と共に投入されるガスは「キャリアガス」と呼ばれる。ソースの温度−蒸気圧曲線、キャリアの温度、ソースの温度、およびキャリアガスの流量を利用することによって、蒸気を正確に送ることができる。
【0043】
各液体は、所定の温度で既知の蒸気圧を有している。液体と接触するガスは、この蒸気で飽和する。例えば水は、100℃で1気圧の蒸気圧を有している。キャリアガスと液体との接触から得られたガスは、蒸気とキャリアガスとの組合せからなる。理想的条件の下、キャリアガスによって運び去られるソース蒸気の質量は、ソースと接触するキャリアガスの質量流量にソースの蒸気圧を乗じ、その値を、全システム圧力からソースの蒸気圧を差し引いた値で割った値に等しい。所定の装置および質量流量では、この数値は、キャリアガスおよび液体ソースの温度、システムの圧力、およびキャリアガスの流量が厳密に制御されている場合、正確に定めることができる。
【0044】
この制御を実現することができるいくつかの方法がある。好ましい実施形態では、液体ソースとキャリアガスとの間に障壁を得るために、非多孔質膜が用いられる。液体ソースからの分子は膜に素早く浸透し、一方、キャリアガスは、膜に拡散することが阻止され液体に入ることはない。ソースは、液体とキャリアガスとの間の濃度勾配によって促進される拡散である。この流れが停止すると、キャリアガスは完全に飽和し、膜の位置で、特定温度のソース蒸気圧が得られる。
【0045】
膜はソースガス分子のみを選択するように特別に設計されているので、液体ソース中のその他の汚染物質は、膜に浸透することができず、また、キャリアガス流の中に進入することができない。膜は、粒子、微液滴、揮発性ガス、およびその他の反対の電荷の化学種を排除する。例えば親水性膜は、疎水性ガスを排除するのに用いることができ、また、疎水性膜は、親水性ガスを排除するのに用いることができる。
【0046】
好ましい実施形態において、装置は下記の構成要素:キャリアガスの流動を制御する質量流制御装置、およびベポライザーを含んでいる。ベポライザーは、典型的には例えば、ソース容器と、加熱および/または冷却ユニット(ソースおよび/またはキャリアガスの温度を制御する)と、膜アセンブリとを含んでいる。
この膜アセンブリは、キャリアガスをソースと混合させ、ソース蒸気で飽和させ、液体に直接接触させることなくベポライザーから逃すことを可能とする。ベポライザーは、レベル検出装置、ポンプ、または、その他の装置を任意選択を含んでもよく、これらは、ソース容器内のソース液体の量をモニタしかつ/または制御する。ベポライザーは、任意選択で、温度制御器にフィードバックするための、圧力変換器、湿度検出器、または温度変換器を含むこともできる。大気圧以外の圧力でオペレーションされるプロセスに蒸気を送るのにこの装置が用いられる場合、装置は下流圧力制御装置を含んでいることも好ましい。図1は、好ましい実施形態のベポライザーシステムの概略図を示す。
【0047】
特に好ましい実施形態において、ベポライザー装置は、水蒸気を送るように構成されている。この実施形態では、スルホン酸基を含有するフルオロポリマー膜が用いられることが好ましい。そのような膜は、E.I.du Pont de Nemours and Company、Wilmington、DEからNAFION(登録商標)という商標で市販されている。そのような膜によれば、窒素や、圧縮された清浄な乾燥空気、強制循環空気、ヘリウム、酸素、水素などのキャリアガス中に水蒸気を素早く送ることが可能になる。前述のキャリアガスが特に好ましいが、その他のキャリアガスを用いることもできる。適切なキャリアガスは、CO、アルゴン、オゾン、マイクロエレクトロニクス産業で用いられるような腐食性または反応性ガス、炭化水素(アセチレン、2,2−ジメチルプロパン、アレン、エタン、1,2−ブタジエン、エチルアセチレン、1,3−ブタジエン、エチレン、イソブタン、n−ヘキサン、n−ブタン、メタン、1−ブテン、メチルアセチレン、シス−2−ブテン、2−メチルブタン、3−メチルブタン、トランス−2−ブテン、n−ペンタン、イソブチレン、プロパン、シクロプロパン、プロピレン、ジメチルアセチレン、トルエン、ジメチルエーテル、ビニルアセチレン)、ハロゲン化炭化水素(クロロホルム、トリクロロエチレン、ハロタン、メトキシフルラン、フルロキセン、およびエンフルラン、ヒドロクロロフルオロカーボン、およびヒドロフルオロカーボン)、および六フッ化硫黄などのその他のハロゲン化ガスを含むことができる。
【0048】
好ましい実施形態の装置およびシステムは、従来技術のシステムにも優る非常に数多くの利点をもたらす。従来の方法を使用して、水またはIPAをプロセスに送ることは難しく、その選択は、直接液体導入(DLI)またはバブラーに限られる。DLIはコストがかかり、また、種々の流量で使用する場合に問題を起こし易い。低流量では制御の精度が限られ、また、高流量のDLIは液体中の気泡の影響を受け易く、これは異常な流量値をもたらす。DLIは、液体をガスに変換するのに金属ベポライザーまたは金属ホットプレートを利用し、熱伝達速度に起因して、限られた量の液体しか蒸発させることができない。DLIのその他の欠点は、汚染物質がホットプレート上に蓄積される可能性があることであり、ある液体で化学分解の可能性があることである。しかし、DLIの最大の欠点は、蒸発している液体の精製も何ら行うことができないことであり、この理由は、汚染物質および不純物を含む液体中の全てのものが蒸発してプロセス中に導入されるためである。
【0049】
バブラーには低コストという利点がある。しかし、バブラーは、ガスの温度、液体の温度、動作圧力、液体レベル、および熱的下降の制御が不十分であるので、不正確、不明確である。バブラーは、それが蒸発プロセス中に若干の汚染物質を残すので、汚染物質の飛沫同伴に関しては汚染物質のDLIよりもいくらか良好な性能を提供するが、溶解したガス、揮発性分子の汚染物質、および、微液滴(微粒子およびイオン分子の汚染物質を運びうる)の飛沫同伴を防止することはできない。
【0050】
膜接触器は、液体とガスとの間でガスを送るのに使用することもできるが、そのような接触器はある不利益を被る。膜接触器は、典型的には、多孔質の中空糸膜から構成されている。この構成によれば、液体へのガスの導入と、ガスへの液体の導入とを同時に行うことができる。ほとんどの中空糸膜は疎水性であり、したがって親水性分子との使用に適するように変性させなければならない。一部の中空糸には、化学的変性によって親水性を与えることができるものの、表面処理の場合、そのような変性は部分的にしか有効にならず、水に濡らすことで、膜に対する望ましくない直接的な液体移送が生ずる可能性がある。そのような膜は多孔質であるので、精製または微液滴浸透を行う能力が限られている。膜接触器は、どのガスが浸透できるかについて特異的ではないので、精製能力を持たない。また膜接触器は、キャリアガスを液体ソースに浸透させる。これは、キャリアガスが自然発火性または毒性である場合に問題を生じ易い。
【0051】
キャリアガスに蒸気を加える従来技術の方法とは対照的に、好ましい実施形態のベポライザー装置によれば、精製された蒸気を、制御された手法でキャリアガスに加えることができる。分当たり18μgまたはそれ以下の低いレベルの蒸気を送ることができる。分当たり最高1kgまたはそれ以上の非常に高い流量も、水素を含むほとんどのガス中に送ることができる。非多孔質膜が、溶解したガス、ほとんどの揮発性汚染物質、粒子、および微液滴がキャリアガス中に送られないようにし、これにより、飽和生成物は組成物中でより一貫しかつこれまで以上に著しく純粋になる。ベポライザー装置はキャリアガスの100%飽和を基準に作動するので、精度に対して著しい影響を及ぼすことなく、断続的にサイクル動作させることができる。適正に寸法決めされた膜の表面積では、95%超の飽和値が可能である(例えば、96%、97%、98%、またはさらに100%)。キャリアガスの流量が所定の表面積で増加するにつれ、100%を下回る飽和値が得られる可能性がある。キャリアガスの流量が増加すると、蒸気の量は、相対湿度100%から相対湿度1%未満に低下する。したがって、キャリアガス流量を調節することにより、飽和パーセントを精密に制御することができる。飽和レベルは再現可能であり、また、制御システムパラメータに基づいており、典型的には10%以下、5%以下、またはさらに1%以下の変化量にコントロールすることができる。
【0052】

好ましい実施形態においては、実質的にガス不透過性のイオン交換膜を通して、水またはその他の蒸気がキャリアガス中に導入される。本明細書で使用される「実質的にガス不透過性の膜」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常のおよび慣例的な意味が与えられており(特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない)、水蒸気に対して透過性のある膜であって、限定するものではないが水素、窒素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、硫化水素、炭化水素(例えばエチレン)、揮発性の酸および塩基、耐火性化合物、および揮発性有機化合物などのその他のガスに対しては比較的透過性のない膜を指すが、これに限定するものではない。
ガス不透過性は、膜の「漏れ率」によって決定することができる。本明細書で使用される「漏れ率」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常のおよび慣例的な意味が与えられ(特別なまたはカスタマイズされた意味に限定するものではない)、限定するものではないが単位時間当たりの膜表面積を浸透する特定のガスの体積を指す。例えば、実質的にガス不透過性の膜は、水蒸気以外のガスについて低い漏れ率を有していてもよく、例えばその漏れ率は、標準大気圧および圧力下で約10−3cm/cm/秒未満である。
あるいは、「実質的にガス不透過性」の膜は、水蒸気の透過率をその他のガスの透過率と比較した比によって特定することができる。好ましくは、実質的にガス不透過性の膜は、水蒸気に対する透過性が、その他のガスよりも少なくとも約10000:1の比で、例えば少なくとも約20000:1、30000:1、40000:1、50000:1、60000:1、70000:1、80000:1、90000:1の比で、または少なくとも約100000:1、200000:1、300000:1、400000:1、500000:1、600000:1、700000:1、800000:1、900000:1の比で、または少なくとも約1000000:1の比でも高い。しかし、その他の実施形態では、10000:1未満のその他の比を許容することができ、例えば、1.5:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、50:1、100:1、500:1、1000:1、または5000:1以上である。
【0053】
本明細書で使用される「イオン交換膜」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常のまたは慣例的な意味が与えられ(特別なまたはカスタマイズされた意味に限定するものではない)、限定するものではないが、イオンと結合することができ、または膜と外部物質との間でイオンを交換することが可能な化学基を含む膜を指す。そのような化学基には、限定するものではないが、スルホン酸、カルボン酸、リン酸、ホスフィン酸、ヒ素基、セレン基、フェノール基、およびこれらの塩が含まれる。化学基は、陽イオンまたは陽子が、外部ソース、例えば溶液またはガスからのその他の陽イオンと交換可能である、塩の形または酸の形にすることができる。イオン交換膜は、酸の形で提供することができ、この膜を、アルカリ金属塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、または炭酸水素カリウム、水酸化リチウム、あるいはアルカリ土類金属塩基、例えば水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、または炭酸マグネシウムなどの塩基で前処理することによって、塩の形に変換することができる。
【0054】
一実施形態において、イオン交換膜は、交換可能なイオンを含有するポリマーなどの樹脂である。好ましくは、イオン交換膜は、フッ素含有ポリマー、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレンコポリマー(FEP)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレンコポリマー(PFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンテトラフルオリドエチレンコポリマー(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、フッ化ビニリデン−三フッ素化エチレンクロリドコポリマー、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレンコポリマー、フッ化ビニリデン六フッ化プロピレン−四フッ化エチレンターポリマー、四フッ化エチレン−プロピレンゴム、およびフッ素化熱可塑性エラストマーである。あるいは樹脂は、近接する膜材料を得るために、ポリマーの複合体または混合物、あるいはポリマーおよびその他の成分の混合物を含んでいる。ある実施形態では、膜材料は、2つ以上の層を含んでいてもよい。異なる層は、同じかまたは異なる性質、例えば化学組成、多孔率、透過率、および厚さなどを有することができる。ある実施形態では、濾過膜の支持体を提供し、または何らかのその他の望ましい性質を保有する層(例えば膜)を用いることが望ましいこともある。
【0055】
イオン交換膜は、エチレンと、酸基またはその塩を含有するビニルモノマーとのコポリマーを含んでいる、過フッ素化イオノマーであることが好ましい。例示的な過フッ素化イオノマーには、限定するものではないがパーフルオロスルホン酸/テトラフルオロエチレンコポリマー(「PFSA−TFEコポリマー」)およびパーフルオロカルボン酸/テトラフルオロエチレンコポリマー(「PFCA−TFEコポリマー」)が含まれる。これらの膜は、NAFION(登録商標)(E.I.du Pont de Nemours & Company)、FLEMION(登録商標)(Asahi Glass Company,Ltd.)、およびACIPLEX(登録商標)(Asahi Chemical Industry Company)という商標で市販されている。
【0056】
【化1】

【0057】
PFSA−TFEコポリマーは、パーフルオロスルホン酸(パーフルオロ(4−メチル−3,6−ジオキサ−7−オクテン−1−スルホン酸))基が結合しているテトラフルオロエチレン(TFE)「主鎖」を含有する。6個のTFE主鎖単位ごとに、1、2、3、4、5、または6個のパーフルオロスルホン酸基を存在させることができる。任意の適切な分子量のポリマーを用いることができる。好ましくは、約500MW以下から約2000MW以上の分子量を有するポリマーが、用いられる。分子量は、約600、700、800、または900MWから、約1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、または1900MWまでにすることもできる。分子量はさらに、約910、920、930、940、950、960、970、980、または990MWから、約1000、1010、1020、1030、1040、1050、1060、1070、1080、または1090MWまでにすることができる。単一のコポリマーを用いることができ、または2種以上の異なるコポリマー(例えば、化学組成、分子量、またはその他の性質が異なっている)の組合せを用いることができる。単一ピークの分子量を有するコポリマーが、一般に好ましく、しかし、ある実施形態では、二峰性または多峰性分子量分布を有するポリマーであって、異なる分子量を有する様々な量のポリマー鎖を備えたポリマーを用いることが、好ましいこともある。コポリマーは、任意の構成をとってもよく、例えば、ブロック、テーパ状、ランダム、線状、分枝状、および/または架橋した構成をとってもよい。
【0058】
【化2】

【0059】
PFCA−TFEコポリマーは、パーフルオロカルボン酸(パーフルオロ(4−メチル−3,6−ジオキサ−7−オクテン−1−カルボン酸))基が結合しているテトラフルオロエチレン(TFE)「主鎖」を含有する。PFSA−TFEコポリマーおよびPFCA−TFEコポリマーは、アルカリ金属塩基(例えば、上述のような)などの適切な塩基で前処理することによって、塩の形に変換することができる。イオン交換膜のそのような前処理プロセスは、当技術分野で周知であり、例えば製造業者の助言に従って行うことができる。ソースの性質(例えば、不純物、不純物レベル)および得られる所望の水蒸気に応じて、前処理条件を、最適な膜が得られるように調節することができる。例えば、塩基、使用される溶媒、温度、曝露時間、濯ぎ条件、イオン交換の程度(例えば、10%以下から90%以上)の選択を、調節することができる。親水性薬剤と架橋することによって、またはポリマーを親水性成分と同時流延することによって、得られる膜の親水性を調節することが望ましい場合もある。そのような実施形態では、ポリマーは既に架橋性基を含んでおり、または架橋性基を含むように官能化されている。表面の化学的性質を変更することなく、その他の形の前処理(例えば、ポリマーの表面形態を変性させるための、薬剤との反応(粗面化、多孔率の増加または低下など)を用いることもできる。
【0060】
好ましくは、膜は、実質的にガス不透過性の過フッ素化イオノマー(例えば、NAFION(登録商標)膜)である。水蒸気の透過性は、NAFION(登録商標)膜を通したCOまたはCOの透過性よりも3桁大きく、酸素または窒素の透過性よりも約6桁大きい。水素の拡散は、水蒸気を通過させながら、NAFION(登録商標)膜を通すことによって効果的に抑制することができる。実質的にガス不透過性の膜は、実質的に多孔質ではないことが好ましい。実質的にガス不透過性の膜は、ガス、および粒子、エアロゾル、ウイルス、細菌、プリオン、金属、イオン、その他の空気中の分子汚染などのその他の材料の拡散を、抑制することができる。
【0061】
蒸気が飽和されたキャリアガス流を調製する際、ソースを膜に通す。本明細書で使用される「ソースを膜に通す」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常のおよび慣例的な意味が与えられ(特別なまたはカスタマイズされた意味に限定するものではない)、限定するものではないが、ソースの分子(水または別の液体の分子)が膜を通過するように膜の第1の面とソースとを接触させること、およびソースの粒子を膜の反対側の面に得ることを指す。第1および第2の面は、実質的に平らな対向する平面領域の形を有していてもよく、この場合、膜はシートである。膜は、管状または円筒状の形で提供することもでき、この場合、一方の面は管の内側部分を形成し、対向面は外面上に存在している。当業者なら、膜は、第1の面および対向する第2の面がバルク状の膜材料を挟むことができる限り、任意の形をとることができることを容易に理解することができる。加工条件、ソースの性質、生成される液体蒸気の体積、およびその他の因子に応じて、膜の性質を調節することができる。性質には、限定するものではないが、物理的形態(例えば、厚さ、表面積、形状、シート形状の長さおよび幅、繊維形態の場合は直径)、構成(平らなシート、螺旋状またはロールドシート、折畳みまたは捲縮シート、繊維アレイ)、製造方法(例えば、押出し、溶液からの流延)、支持層の存在または不在、および活性層(例えば、特定サイズの粒子を吸着する多孔質プレフィルタ、化学反応または結合を介して不純物を除去する反応性プレフィルタ)の存在または不在などが含まれる。一般に、膜は、厚さ約0.5ミクロン以下から厚さ2000ミクロン以上が好ましく、約1、5、10、25、50、100、200、300、400、または500ミクロンから約600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、または1900ミクロンが好ましい。より薄い膜が用いられる場合、膜に対して機械的支持を行うことが望ましいと考えられ(例えば、支持膜、スクリーンまたはメッシュ、またはその他の支持構造によって)、それに対し、より厚い膜は、支持なしで使用するのに適していると考えられる。膜の表面積は、生成される蒸気の質量を基に選択することができる。
【0062】
繊維形態の膜は、一般にシート形態にもまして好ましいが、その理由は、繊維が用いられる場合、固定体積でより広い曝露膜表面積を得ることができるからである。膜は、各端部がヘッダに固定されている中空糸を含んでいることが好ましい。繊維は通常、下端が封止され、その上端が開放されて、蒸気の除去が可能になり、しかしいくつかの配置構成では、繊維の両端を開放して、一端または両端から蒸気を除去することが可能になる。あるいはソースは、膜繊維の内側に供給されてもよく、蒸気が、繊維の外側を取り囲む空間から除去される。
【0063】
マイクロエレクトロニクス処理
好ましい実施形態のベポライザー装置は、マイクロエレクトロニクスプロセスへの水蒸気の供給で使用するのに、特に十分適している。水蒸気は、例えば高速熱処理(RTP)、原子層成長(ALD)、プラズマ除去、および拡散に使用される。ALD、RTP、および拡散では、水蒸気が、酸化物を成長させるのに用いられる。水は、水蒸気の純度を確保するために、しばしば熱分解プロセスで生成される。そのような熱分解プロセスの難しさには、酸素および水素を燃焼する必要性、熱分解プロセスに必要な800℃の熱でツールの熱プロファイルを変化させないようにするための、拡散チャンバでの外部トーチの必要性、トーチチップの微粒子化、長い起動および停止時間、水素使用に関連した安全の問題、およびチャンバ内での過剰な水素に関連した問題が含まれる。さらに、そのようなシステムには、非常に低い流量または水蒸気と水素との低い比で適正に動作することの難しさがある。
【0064】
RTPでは、短時間で高流量の水蒸気が必要とされる。水蒸気を発生させるための従来の触媒系は、金属系で費用がかかり、トーチと同様の安全性に関する問題がある。この系には、高速サイクル時間に関する問題もあり、触媒燃焼セル内での熱蓄積が原因で、容易に拡張可能ではない。
【0065】
ALDは、高K被膜の形成に、非常に少ない量の水蒸気を必要とする。水蒸気の純度は、良好な被膜形成に極めて重要である。バブラーは、水蒸気の純度を制御することができず、したがって、ALDプロセスで使用するのに不適切である。
【0066】
好ましい実施形態のベポライザー装置は、RTPおよびALDで使用される従来の水蒸気の供給方法にも優る利点をもたらす。
【0067】
プラズマ除去において、このプロセスは、ウェハー表面の被膜の隆起を助けるのに水蒸気が使用される場合、より効果的である。好ましい実施形態のベポライザー装置は、制御された手法でプラズマ除去プロセスに高流量の純粋な水蒸気を供給するのに用いることができる。リソグラフィは、高流量の湿った清浄な乾燥空気を必要とする。好ましい実施形態のベポライザー装置は、1000slmまでおよび1000slmを超えるガス流を加湿することが可能である。
【0068】
ウェハーの清浄化には、装置のフィーチャサイズが縮小したときに、粒度が小さくなったときに、および、許容可能な汚染物質レベルが低くなったときに、かなりの問題がある。液体の形をとる水は、ウェハー表面から汚染物質を除去するのに十分な熱エネルギーを有しない。しかし、ウェハーと、キャリアガス中の純粋な水蒸気とを接触させることによって、高熱エネルギーの水蒸気が汚染物質を除去することができ、したがって、液体の水を使用する際の固有の問題の多くが克服される。
【0069】
高品質マイクロエレクトロニクス製品を製造するために、製造装置を収容するクリーンルーム内での湿度の厳しい制御が必要である。マイクロエレクトロニクス(または医療用)用クリーンルーム内の湿度は、空気の純度の非常に厳しい制御を必要とする。流入空気の湿度は、低温および乾燥した環境条件下で清浄な水蒸気を注入することにより、従来通り制御される。水蒸気が汚染物質を含有する場合、これらの汚染物質は、空気中およびクリーンルーム内に送られる。これは、収量に損失的影響を及ぼしうる。尿素およびクロロホルムは、純粋な水蒸気で運ばれる既知の汚染物質であり、最先端のマイクロエレクトロニクス製造で特に問題が生じ易い。好ましい実施形態のベポライザー装置を使用することにより、汚染物質を空気またはクリーンルーム内に送られることなく、湿度を精密に制御することができる。
【0070】
ベポライザー
好ましい実施形態のベポライザー装置は、マイクロエレクトロニクスおよびその他の極めて重要なプロセスの要求を満たすことが可能な、水蒸気およびその他の低蒸気圧ガスを供給する超高純度加湿器として機能するように構成することができる。
【0071】
蒸発したキャリアガスに接触している装置部分は、好ましくは、用途に応じて、全てフルオロポリマー成分で、またはフルオロポリマーおよび316Lステンレス鋼成分で構成されている。ベポライザー装置の水蒸気の供給流量は、意図される用途、用いられるキャリアガス、および供給圧力に応じて、典型的には約18μg/分以下から約1kg/分以上である。
【0072】
ベポライザー内の圧力を調節することによって、蒸気圧とキャリアガスとの間の相対比を、大気圧比を超えて増大させることができる。所定の液体の蒸気圧は所定の温度で決まっているので、全蒸気圧を上昇または低下させることによって、比を変化させることができる。例えば22℃では、水の蒸気圧が0.0264バールである。大気圧で、水蒸気とキャリアガスとのモル比は1:37.2である。10バールのベポライザー圧力で、モル比は1:377.8であり、0.1バールの真空ベポライザー圧力で、モル比は2.8:1である。ベポライザー内の圧力および下流プロセス圧力を独立に制御することによって、異なるまたは様々なプロセス圧力であっても、プロセス圧力がベポライザー動作圧力よりも低い限り、供給される低蒸気圧ガスの量の精密な制御を実現できる。
【0073】
好ましい実施形態のベポライザー装置は、水蒸気が正確に送られるように、ガスの温度および液体温度設定点に基づいてキャリアガスを水蒸気で完全に飽和させる。非多孔質膜は、確実に水蒸気だけをキャリアガスに加える。微液滴、溶解したガス、およびほとんど揮発性の汚染物質は、ソースに残される。ベポライザー装置は、水の移送に特に適しているが、キャリアガス中へのアルコール、水酸化アンモニウム、または液体の混合物の移送に使用するのにも適している。
【0074】
加湿器として動作するように構成されている場合、好ましい実施形態の装置は非常に選択的であり、ほとんどのキャリアガスがソース中に入り込んでいくのを防止する。これにより、通常なら液体の水またはIPAとの混合が妨げられるガスの安全な使用が可能になる。また、キャリアガスの圧力がソース容器内の圧力に著しい影響を及ぼさないので、動作中にソース容器が受ける圧力も制限される。これにより、石英製の容器をベポライザー装置で使用することが可能になり、その一方、バブラーで用いられる場合には、より堅固な材料が必要と考えられている。
【0075】
水素やIPAなどの可燃性化学物質を用いて作業する場合には、しばしば現地安全規定によって金属封込めが必要とされる。好ましい実施形態のベポライザー装置では、金属ソース容器から取得されたあらゆる金属不純物がキャリアガスと接触できなくなるので、改善された安全性および純度が得られる。
【0076】
好ましい実施形態のベポライザー装置は、様々な周囲条件で使用されるように構成される。背圧制御装置を付加することにより、低蒸気圧ガスの正確な供給を準大気圧プロセス中に送ることができる。装置が動作できる典型的な温度には、選択された動作圧力での液体の凝固点のすぐ上の温度から液体の沸点までが含まれる。しかし水蒸気を送る場合は、一般に、動作温度を120℃に制限することが好ましい。ベポライザー装置の熱的応答および制御は、石英またはステンレス鋼のベポライザー筐体に直接結合されている厚いまたは薄い抵抗加熱要素を使用することによって、非常に速く正確で高い蒸発率が可能である。継ぎ手は、用途に基づいて選択され、典型的には端面封止、圧縮、フレア、または管スタブ継ぎ手を含んでいる。そのような継ぎ手は、VCR(登録商標)、SWAGELOK(登録商標)、およびFLARETEK(登録商標)という商標で市販されている。好ましい実施形態では、ベポライザーは、PFA(テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロビニルエーテルのポリマー)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、石英、またはステンレス鋼から構成されており、しかしその他の材料も、使用するのに適したものになり得る。ある用途では、ベポライザー装置に加熱器、冷却器、および/または温度制御器を設けることが有利になり得る。
【0077】
ある用途においては、キャリアガスを低蒸気圧ガスで完全に飽和させることは必ずしも必要ではなく、または経済的に有益ではない。膜は拡散が制限され、濃度勾配によって促進されるので、ソースとキャリアガスとの再現可能な比は、所定の動作温度および圧力で作ることができる。
【0078】
ベポライザーを機能させる場合、温度を維持するためのエネルギー付加の制御は極めて重要である。市販されているガス加熱器またはNeslabなどから入手可能な熱制御浴によって、エネルギーは、ソース液体に加えるまたは除去することができる。キャリアガスまたは全体的なベポライザーアセンブリが、熱浴に浸されてもよいし、または加熱されてもよい。
【0079】
加えられまたは除去される熱エネルギーの制御は、所望の蒸気圧に到達するように、液体ソースの上方にあるヘッドスペースの圧力をモニタすることによって行うことができる。あるいは、ベポライザーの出口で、任意のタイプのキャリアガスおよび蒸気ソース用の湿度検出器(水蒸気用)または温度変換器を、温度制御器へのフィードバックとして使用して、エネルギーをシステムに加え、または除去することができる。
【0080】
好ましい実施形態のベポライザー装置において、一般に、ソースおよびキャリアガスの両方を装置の底部から流動させ、ベポライザー装置の最上部から排出することが好ましい。これによって、いかなる凝縮体もキャリアガスによって収集され、したがって、ベポライザーから出た後にキャリアガスがいくらか冷却される場合には、ベポライザー下流の凝縮が制限される。さらに、ソースおよびキャリアの流れを逆流ではなく並流で流すことにより、ベポライザーは、ソース液体およびキャリアガスの両方が蒸気圧平衡にあり、かつ両方とも設定点に到達するのを確実に行うことができる。
【0081】
代替の好ましい実施形態において、キャリアガスは、ソース液体とは逆流方向に流れてもよく、これにより、キャリアガスの出口温度がソース液体の供給温度と平衡になることができるという利点がもたらされる。
【0082】
好ましい実施形態のシステムおよび方法は、濃度が制御された水蒸気を有するキャリアガスを含んでいる混合物を送るのに用いることができる。キャリアガスは、水蒸気で飽和させることができ、または飽和点よりも低い濃度の水蒸気を含有することができ、例えば、特定の温度および圧力で、飽和濃度の90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、または1%以下である。方法およびシステムは、キャリアガスに高純度の水蒸気(例えば、エアロゾル、粒子、水蒸気以外のガス(例えば、水素、窒素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、硫化水素、炭化水素、およびその他の揮発性有機化合物)、カビ、カビの胞子、ウイルス、プリオン、高分子、細菌、金属、およびイオン材料を含めた生物学的材料などの添加された不純物が、極めて低いレベルにある)が、純度がより低い水ソースから供給されるように用いることができる。
【0083】
好ましい実施形態のシステムおよび方法は、ソース液体に対して約90重量%以上の純度、例えば少なくとも約91、92、93、94、95、96、97、98、または99重量%の純度、あるいは少なくとも約99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、または99.9重量%の純度、あるいは少なくとも約99.91、99.92、99.93、99.94、99.95、99.96、99.97、99.98、または99.99重量%の純度、あるいは少なくとも99.991、99.992、99.993、99.994、99.995、99.996、99.997、99.998、または99.999重量%の純度、あるいは少なくとも約99.9991、99.9992、99.9993、99.9994、99.9995、99.9996、99.9997、99.9998、または99.9999重量%の純度などを有するキャリアガスに、ソース水蒸気を送るのに用いることができる。
【0084】
別の実施形態において、キャリアガスに送られたソース水蒸気は、少なくとも約99.99999重量%(100ppb)の純度(即ち、含水量%)、少なくとも99.999999重量%(10ppb)の純度、少なくとも99.9999999重量%(1ppb)の純度、または少なくとも99.99999999重量%(1ppt)の純度を有している。
【0085】
同様の純度レベルを、アルコール蒸気(例えば、イソプロピルアルコール、メタノール、およびエタノールなど)に関して得ることができる。
【0086】
実験
試験1
ベポライザー装置を、加湿器として使用されるように構成し、水の供給流量を決定した。加湿器アセンブリは、3/4”304ステンレス鋼管内の7本の3.5R(3500)管腔からなるものであった。管腔は長さ28.2”であり、長さ1.1”のナイロンスリーブが取り付けられた。各膜の露出長は26”であった。両端には、篩板の穴の内側に7本の管腔が配置された。次いで両方の篩板をスエージ加工して、3/4”×1/4”×3/4”のT字型の穴を開け、これらを3/4”のステンレス鋼管の各端部に取り付けた。
【0087】
図2は、実験で使用されるマニホールドの概略図である。加湿器は、試験の全体を通して垂直に配置した。窒素の流量を、Aera流動制御器(MFC)で3.0slmに維持した。MFCの制御には、Porter PCIM4インターフェースモジュールを使用した。圧力をモニタするために、加湿器のガス入口の上流に圧力計を配置した。加湿器を、加熱器テープおよび絶縁材で包んだ。熱電対を加熱器テープの下に配置した。加熱器テープおよび熱電対を、温度制御ボックスに接続した。湿ったガスを凝縮器に通し、水を元の液体状態に変換した。冷却器を5℃に設定した。湿ったガスからの水は、ビーカーを用いて凝縮器の下流で収集した。捕獲された水から、スケールを使用して分当たりの水の供給速度(単位:g)を決定した。加湿器のシェル側では、Rio 800ポンプを用いて、脱イオン水をガラスのビーカーから加湿器内にポンプ送出した。テフロン管を水の出口に接続して、加湿器内の水レベルを監視した。水がこのテフロン管の最上部付近にある場合、送水ポンプの上流にある弁を閉じて、このレベルに水を保持した。水がテフロン管の底部に達したら、すぐに弁を開いて再びシステムに充填した。
【0088】
湿ったガスに関して実現された最高温度は75.2℃であり、この温度で流量を測定した。流量測定は、水の出口にあるテフロン管が空になるまで、連続して行った。この時点で、システムに水を充填し、温度が再び73.0℃よりも高い温度に戻ったら、流量の読取りを行った。これらの試験条件下、8回の読取りを行って、1.9g/分の平均値が得られ、このときガス流は3.0slmであり、水は静止状態にあった。これらの読取りに関する湿ったガスの温度は、熱電対の箇所で73.0℃から75.2℃であった。加湿器と熱電対との間では、約3.1℃から5.3℃の温度低下が想定された。試験の全体を通して、加湿器上流の圧力は、圧力計のゼロ範囲を超えて測定されなかった。
【0089】
湿ったガスで実現された最高温度は75.2℃であり、この温度で流量を測定した。流量測定は、水の出口のテフロン管が空になるまで行った。この時点で、システムに水を充填し、温度が再び73.0℃よりも高い温度に戻ったら、流量の読取りを行った。これらの試験条件下、8回の読取りを行って、1.9g/分の平均値を得たが、このときガス流は3.0slmであり、水は静止状態にあった。これらの読取りに関する湿ったガスの温度は、73.0℃から75.2℃であった。試験の全体を通して、加湿器の上流の圧力は、圧力計の0範囲を超えて測定されなかった。
【0090】
特定の条件下でガス流中の水の理想的な量を決定するために、計算を行った。方程式1は、ゴフ−グラッチ方程式である。
Log10=−7.90298(373.16/T−1)+5.02808XLog10(373.16/T)−1.3816 10−7(1011.344(1−T/373.16)−1)+8.1328X10−3(10−3.49149(373.16/T−1)−1)+Log10(1013.246)(Tは[K]で表され、pは[hPa]で表される)(方程式1)
【0091】
この方程式を使用して、0℃よりも高い温度での水の飽和蒸気圧を計算することができる。湿ったガス流が完全に飽和されたと想定すると、水蒸気圧は、73.0℃から75.2℃の間の温度でそれぞれ0.354から0.389バールになったと考えられる。加湿器内の圧力が1.01325バールであると想定すると、窒素の分圧は0.624から0.659バールの間になったと考えられる。窒素の初期流を圧力比で割った場合、窒素および水の流れ全体は、4.6から4.9slmの間になったと考えられる。水圧比から、水の流量は、1.6から1.9slmの間と計算される。理想的な条件を想定すると、水の流れは、1.3から1.5g/分であると考えられる。測定された1.9g/分の結果は、これらの想定される実験条件下で窒素ガスが運ぶことのできない、水の供給速度に相当し、しかし、加湿器から熱電対への熱損失があったと考えられる。したがって、測定された温度は、加湿器内の正確な温度を表すものではない。逆算することにより、加湿器内の温度は78.3℃でなければならず、それによって1.9g/分の流量に到達する。したがって、3.1から5.3℃の間の温度低下は、加湿器と熱電対との間で引き起こされると結論付けた。したがってデータは、ベポライザー装置に関して優れた水流量が得られ、これは理想状態で観察されたものに近いことを示している。
【0092】
試験2
単一の5R(5000)管腔を、加湿器アセンブリ内に組み立てた。管腔を02.5”ID PFA管内に挿入した。100ワットの加熱器をアセンブリの周りに巻き付け、次いで絶縁した。熱電対を、加湿器アセンブリの下流に取り付けた。較正した水カラムを使用して、時間と共に使用された水を測定した。キャリアガスは窒素であり、窒素の流れは、デジタル質量流制御器により制御した。流れおよび温度を安定化させ、次いで3つの流量、即ち1slm、5slm、および10slmに関するデータを収集した。使用された水の量を、測定された下流ガス温度での水の蒸気圧に基づいて、理想的な場合と比較した。
【0093】
図4に示される、流れおよび温度のデータによって実証されるように、膜質量移送速度は、キャリアガスに添加することができる水蒸気の最終的な量を制限する。キャリアガス流量が増大するにつれ、完全に飽和した状態と実際の状態との間の相違が増大する。完全飽和と部分負荷との間の相違は、較正することができ、蒸気の供給を制御するのに使用することができる。
【0094】
公開および非公開の出願、特許、および参考文献を含むがこれらに限定するものではない、本明細書に引用される全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、それによって本明細書の一部を構成する。参照により組み込まれた刊行物および特許または特許出願が、本明細書に含有される開示と矛盾する範囲まで、本明細書は、任意のそのような矛盾した材料に取って替わり、かつ/またはそのような材料よりも優先するものとする。
【0095】
本明細書で使用される「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」、「含有する(containing)」、または「特徴とする(characterized by)」と同義であり、包括的または制約のないものであり、追加の列挙されていない要素または方法ステップを排除しない。
【0096】
明細書で使用される、成分の量および反応条件などを表す全ての数は、「約」という用語によって、全ての場合に修飾されると理解すべきである。したがって、他に特に指示しない限り、本明細書に記載される数値パラメータは、得ることが求められる所望の性質に応じて様々に変えてよい近似値である。最低限でも、また本出願の優先権を主張する任意の出願において、任意の特許請求の範囲の均等物の原理の適用を限定しようとするものではないが、各数値パラメータは、有効数字の桁数および通常の丸め手法に照らして解釈すべきである。
【0097】
上記説明は、本発明のいくつかの方法および材料を開示する。本発明は、方法および材料の修正を許容し、並びに製造方法および装置の変更を許容する。そのような修正は、この開示を考慮することにより、または本明細書に開示される本発明を実施することにより、当業者に明らかにされよう。その結果、本発明は、本明細書に開示される特定の実施形態に限定するものではなく、本発明の真の範囲および精神に包含される全ての修正例および変更例を含む。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】好ましい実施形態のベポライザー装置を示す概略図である。
【図2】好ましい実施形態のベポライザー装置を必要とする実験で使用された、マニホールドの概略を示す図である。
【図3】液体蒸気と共に使用される蒸発システムの概略を示す図である。
【図4】異なる流量で作動させたベポライザーのグラフによる結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアガスの流量を制御するように構成された質量流制御装置と、
ベポライザーと、を備えるベポライザー装置であって、
前記ベポライザーは、
液体のソースと、
液体およびキャリアガスの少なくとも一方の温度を制御するように構成された少なくとも1個の温度制御器と、
内部を液体が通過することができるがキャリアガスは通過することができないように構成され、液体がそのアセンブリを通過してキャリアガスに接触することによって、キャリアガス中にソース蒸気が混入した混合物が得られる膜アセンブリと、
を有し、
前記キャリアガス中のソース蒸気の濃度が、前記ソースの温度、前記キャリアガスの温度、および前記キャリアガスの流量によって決定される、ベポライザー装置。
【請求項2】
ソースチャンバ内の前記ソースの量をモニタするレベル検出装置をさらに含んでいる、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項3】
前記温度制御器にフィードバックを行う圧力変換器をさらに含んでいる、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項4】
前記温度制御器にフィードバックを行う温度変換器をさらに含んでいる、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項5】
前記温度制御器にフィードバックを行う湿度変換器をさらに含んでいる、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項6】
キャリアガス中の混合物の圧力を制御するように構成されている下流圧力制御装置をさらに含んでいる、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項7】
熱制御装置をさらに含んでいる、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項8】
蒸気ソースに熱を加えること、および、蒸気ソースから熱を除去すること、の少なくとも一方を行うように構成された熱制御装置をさらに含んでいる、請求項7に記載のベポライザー装置。
【請求項9】
キャリアガスに熱を加えること、および、キャリアガスから熱を除去すること、の少なくとも一方を行うように構成された熱制御装置をさらに含んでいる、請求項8に記載のベポライザー装置。
【請求項10】
混合物中の蒸気とキャリアガスとの比を制御するように構成された下流圧力制御装置をさらに含んでいる、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項11】
準大気圧プロセス中に混合物を送るように構成された下流圧力制御装置をさらに含んでいる、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項12】
膜アセンブリがイオン膜を含んでおり、
該イオン膜は、液体中に存在する少なくとも1種の汚染物質が前記膜を通過するのを阻止するように構成されている、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項13】
膜アセンブリが、過フッ化イオノマーを含むイオン交換膜を含んでいる、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項14】
膜アセンブリが、スルホン酸基を含有するフルオロポリマー膜を含んでいる、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項15】
膜アセンブリが、標準大気圧および圧力下で約10−3cm/cm/秒未満の水蒸気以外のガスの漏れ率の実質的にガス不透過性の膜を含んでいる、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項16】
膜アセンブリが、少なくとも約1000:1の割合で、その他のガスに対してよりも水蒸気に対してより透過性のある実質的にガス不透過性の膜を含んでいる、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項17】
ベポライザーが、分当たり約18μg以下の制御された速度で蒸気をキャリアガスに送るように構成されている、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項18】
ベポライザーが、分当たり約18μgから分当たり約1kgの制御された速度で蒸気をキャリアガスに送るように構成されている、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項19】
ベポライザーが、分当たり約1kgの制御された速度で蒸気をキャリアガスに送るように構成されている、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項20】
準大気圧プロセス中に低蒸気圧ガスを送るように構成されている背圧調節器をさらに含んでいる、請求項1に記載のベポライザー装置。
【請求項21】
蒸気がキャリアガス中に混入されている混合物を生成するための方法であって、
事前に選択された第1の温度でソース液体を、液体の通過を許容する膜の第1の面に接触させるステップと、
事前に選択された第2の温度および事前に選択された第2の流量のキャリアガスを、キャリアガスの通過を阻止する前記膜の第2の面に接触させるステップと、
膜の第2の面で、前記膜の内部を通過した液体にキャリアガスを接触させ、それにより、キャリアガス中に、事前に選択された濃度のソース蒸気の混合物が生成されるステップと、を備えている方法。
【請求項22】
キャリアガスが、水素、酸素、窒素、ヘリウム、アルゴン、オゾン、二酸化炭素、一酸化炭素、空気、およびこれらの混合物からなる群から選択されたガスを含んでいる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
キャリアガスが空気である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
キャリアガスが水素である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
キャリアガスが、腐食性ガス、反応性ガス、炭化水素ガス、ハロゲン化ガス、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
ソース液体が、水、液体アルコール、液体アミン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
ソース液体が、水、メタノール、イソプロパノール、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
ソース液体が水である、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
ソース液体がイソプロパノールである、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記膜が、ソース液体中の少なくとも1種の汚染物質の通過を阻止し、
それにより、ソース蒸気が、ソース液体よりも低濃度の汚染物質を含有する、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
混合物が、加湿された空気を含んでおり、
水蒸気が、約1ppb未満のプリオン、ウイルス、アレルゲン、タンパク質、細菌、およびその他の生物学的に活性な高分子を含有している、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
水蒸気が、約1ppb未満のホウ酸塩、ケイ酸塩、鉄、ニッケル、クロム、および銅を含有している、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
キャリアガスへの蒸気の供給速度が、分当たり約18μg以下である、請求項21に記載の方法。
【請求項34】
キャリアガスへの蒸気の供給速度が、分当たり約18μgから分当たり1kgである、請求項21に記載の方法。
【請求項35】
キャリアガスへの蒸気の供給速度が、分当たり約1kg以上である、請求項21に記載の方法。
【請求項36】
キャリアガス中の事前に選択された濃度のソース蒸気混合物を、大気圧プロセスに送るステップをさらに含んでいる、請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−530854(P2009−530854A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501481(P2009−501481)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/006775
【国際公開番号】WO2007/109214
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(508076462)
【Fターム(参考)】