説明

作業機械のブレーキ・システムを作動するための方法および作業機械のためのブレーキ・システム

本発明は、作業機械(100)の少なくとも1つの地面係合要素(102L、102R、104L、104R)に直接または間接的に作用する少なくとも1つの操業ブレーキ(106L、106R、108L、108R)、完全係合位置と完全解放位置の間において移動可能な少なくとも1つの操業ブレーキ・アクチュエータ(20)、および作業機械(100)の推進を活動化するためのアクセル・アクチュエータ(22)を包含する作業機械(100)のためのブレーキ・システム(10)を作動するための方法に関する。前記ブレーキ・システム(10)の活動化状態においては、前記アクセル・アクチュエータ(22)が解放されたとき、前記少なくとも1つの操業ブレーキ・アクチュエータ(20)は、それの完全係合位置まで自動的に移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項のプリアンブルによる作業機械のブレーキ・システムを作動するための方法および作業機械のためのブレーキ・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
作業機械、たとえば掘削機またはホイール式ずり積機等は、建設機械または建設車両とも呼ばれるが、トラックまたは乗用自動車が運転不能となるか、またはその種の環境内で運転された場合にはそれらの荒れた状態にさらされたときにおそらくは損傷を受けるとみられる荒れた不整地環境において使用するために設計され、使用される車両である。
【0003】
作業機械、たとえばホイール式掘削機は、駐車ブレーキをはじめ、たとえば採掘等の作業動作のために作業機械を停止させるときに活動化される、たとえば採掘ブレーキ等の操業ブレーキを採用している。駐車ブレーキは、作業操業がなくなった状況において車両が停止されるときに活動化される。従来的な作業機械においては、操業ブレーキを係合させるために操業ブレーキ・ペダルを完全係合位置まで踏み込まなければならない。操業ブレーキを係合解除するためには、操業ブレーキ・ペダルの完全係合位置からそれを解放しなければならない。操業ブレーキ・ペダルを解放するためには、ペダルが解放されるまで強い力を用いて完全係合位置よりさらに奥にペダルを踏み込まなければならない。
【0004】
特許文献1は、各車輪に操業ブレーキおよび駐車ブレーキを包含するブレーキング構成を伴ったホイール駆動式の自走式掘削機を開示している。操業ブレーキは、コントロール・ユニットによってコントロールされるバルブを包含する油圧システムを採用して自動ブレーキ・システムによって作動される。自動ブレーキ・システムがアクティブなときは、ブレーキ・ペダルの活動化とは独立してバルブがブレーキを活動化する。たとえば、作業機械の速度がゼロであり、アクセル・ペダルが踏み込まれていなければ、操業ブレーキを活動化することが可能である。自動ブレーキ・システムは、アクチュエータを使用してオンまたはオフに転ずることが可能である。操作者の意図を表わす入力、たとえばブレーキまたはアクセル・ペダルの位置が取込まれる。操業ブレーキならびに駐車ブレーキ、およびピボット軸のブロック装置の同時操作のための出力が提供される。このブレーキ・システムは、油圧システムの油圧ポンプが回転しているときに限って動作できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第0 989 039号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、作業機械、特にホイール式掘削機のための、操業ブレーキの快適かつ安全な動作のためのブレーキ・システムを提供することを目的とする。本発明の別の目的は、ブレーキ・システムを作動するための方法を提供することとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの目的は、独立請求項の特徴によって達成される。そのほかの請求項および記述は、本発明の有利な実施態様を開示する。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、作業機械のブレーキ・システムを作動するための方法が提案されており、当該ブレーキ・システムは、作業機械の少なくとも1つの地面係合要素に直接または間接的に作用する少なくとも1つの操業ブレーキ、少なくとも1つの操業ブレーキ・アクチュエータ、および作業機械の推進を活動化するためのアクセル・アクチュエータを包含する。操業ブレーキ・アクチュエータは、完全係合位置と完全解放位置の間において移動可能である。ブレーキ・システムの活動化状態においては、アクセル・アクチュエータが解放されたとき、操業ブレーキ・アクチュエータが、それの完全係合位置まで自動的に移動する。特に、少なくとも1つの操業ブレーキは、油圧回路内の油圧によって係合ならびに解放され、それが車両電子コントロール・ユニットによってコントロールされる。より詳細に述べれば、操業ブレーキ・アクチュエータは、少なくとも1つの油圧シリンダと機械的に接続することが可能であり、操作者の動作によって移動されるのではなく、油圧シリンダのピストンによって自動的に移動される。
【0009】
本発明の別の態様によれば、作業機械のブレーキ・システムが提案されており、当該システムは、作業機械の少なくとも1つの地面係合要素に直接または間接的に作用する少なくとも1つの操業ブレーキ、完全係合位置と完全解放位置の間において移動可能な操業ブレーキ・アクチュエータ、および作業機械の推進を活動化するためのアクセル・アクチュエータを包含する。ブレーキ・システムの活動化状態においては、アクセル・アクチュエータが解放されたとき、操業ブレーキ・アクチュエータが、それの完全係合位置まで自動的に移動する。
【0010】
自動操業ブレーキ・モードにある操業ブレーキ・アクチュエータは、このモードではシステムが自動的に操業ブレーキを作動することから、操業ブレーキが自動的に作動されるとアクチュエータとして働かなくなり、それらが係合位置に自動的に移動されたことを示す表示器としてだけ働く。有利な実施態様によれば、操業ブレーキ・アクチュエータが、操業ブレーキとともに動作すること、または動作上の関係を有することが、それの係合位置においてそれらを活動化することおよびそれの解放位置においてそれらを解放することによって可能である。
【0011】
自動操業ブレーキ・モードが操作者のインタラクションを伴うことなく提供され、アクセル・アクチュエータが解放されたときにそれが自動的に操業ブレーキ・アクチュエータを完全係合位置に移動させ、かつアクセル・アクチュエータが係合されたときにそれが操業ブレーキ・アクチュエータを自動的に解放することから、操作者の快適性が好ましく向上する。たとえば操作者は、作業モード、カスタマ・モード、駐車モード、走行モード、およびこれらの類といった多様なモードの中から選択することが可能である。作業モードおよびカスタマ・モードは、自動操業ブレーキ・モードを好適に含むことができる。それぞれのモード、たとえば作業モードまたはカスタマ・モードまたはそのほかの類似のモードが選択されるとき、アクチュエータ、たとえば押しボタンまたはその類のスイッチによって自動操業ブレーキ・モードを活動化できる。自動操業ブレーキ・モードは、地面係合要素の確実なブロック、特に、傾斜した地形においてそれが必要となる、たとえば採掘等の操業を行うために選択することが可能である。地面係合要素は、車輪、履帯、およびこれらの類とすることができる。好ましくは、自動操業ブレーキ・モードにおいては、アクセル・アクチュエータが解放され、作業機械が移動を止めるとすぐに操業ブレーキが活動化される。
【0012】
作業機械使用時の操作者の快適性の向上に加えて、操業ブレーキの状態を、操業ブレーキ・アクチュエータの幾何学的位置によって容易に可視化することが可能である。操作者は、操業ブレーキ・アクチュエータの実際の位置によって、ブレーキが係合されているか否かを常時知ることができる。
【0013】
操業ブレーキ・アクチュエータは、ペダル、レバー、スライド要素、またはこれらの類とすることができる。同様にアクセル・アクチュエータもまた、ペダル、レバー、スライド要素、またはこれらの類とすることができる。好都合なことに、操業ブレーキおよび自動操業ブレーキ・モードがアクティブであるとき、操業ブレーキ・アクチュエータをそれの完全係合位置まで自動的に移動することよって、操作者は操業ブレーキの状態を視覚的に知ることができる。したがって操作者は、自動操業ブレーキ・モードを伴う作業機械の使用またはそれを伴わない使用を交番することができる。両方の場合において、操業ブレーキが係合されているときの操業ブレーキ・アクチュエータの位置は同じになる。たとえば操業ブレーキ・アクチュエータがペダルであれば、操業ブレーキが係合されているときのペダルは常に踏込まれた位置になる。
【0014】
本発明の好ましい実施態様によれば、ブレーキ・システムの活動化状態において、作業機械が移動していないか、またはあらかじめ定義済みの速度スレッショルドより低い速度を伴って移動している場合に限り、少なくとも1つの操業ブレーキ・アクチュエータを、それの完全係合位置まで自動的に移動することができる。好ましくはアクチュエータ装置の動作によって操業ブレーキ・アクチュエータをそれの係合位置まで自動的に移動することができる。この場合に、操業ブレーキ・アクチュエータが活動化されることがすでに可能となっていれば、車両が特定の、たとえば1〜5km/hの『残留』速度を有することが可能であり、この時点で活動している操業ブレーキが作業機械をブレーキングすることによって作業機械をさらに迅速に停止させることができる。
【0015】
本発明の好ましい実施態様によれば、好ましくはバルブ装置とするアクチュエータ装置が少なくとも第1の動作状態および第2の動作状態を有することができる。第1の動作状態は、アクセル・アクチュエータの係合位置に対応し、それにおいてはアクセル・アクチュエータが係合される。第2の動作状態は、アクセル・アクチュエータの解放位置に対応し、それにおいてはアクセル・アクチュエータが係合されない。アクチュエータ装置の第2の動作状態においては、少なくとも1つの操業ブレーキが、好ましくはバルブ装置とするアクチュエータ装置によって、少なくとも1つの操業ブレーキを活動化する高い油圧に接続可能であり、少なくとも1つの操業ブレーキ(106L、106R、108L、108R)が好ましくはバルブ装置とするアクチュエータ装置(30)によって当該少なくとも1つの操業ブレーキを活動化する油圧に接続されたとき、作業機械の少なくとも1つの地面係合要素をブロックする。アクセル・アクチュエータの実際の動作状態に応じて、操作者によるアクセル・アクチュエータの係合または解放を除く操作者の動作を伴うことなく自動的に操業ブレーキを係合または解放させることが可能である。好ましくは、アクチュエータ装置は、それが第2の動作状態にあるとき、操作者のインタラクションを伴うことなく操業ブレーキ・アクチュエータをそれの完全係合位置まで移動できる。
【0016】
本発明の追加の実施態様によれば、好ましくはバルブ装置とするアクチュエータ装置が第1の動作状態にあるとき、操業ブレーキ・アクチュエータを、それの完全解放位置に戻す要素を備えることができる。この要素は、たとえば、少なくとも1つの操業ブレーキが少なくとも1つの地面係合要素から解放されたときに操業ブレーキ・アクチュエータを解放位置まで押し戻す伸張スプリングとすることが可能である。
【0017】
好ましくはバルブ装置とするアクチュエータ装置は、それが第1の動作状態にあるとき、少なくとも1つの操業ブレーキを、当該少なくとも1つの操業ブレーキを活動化する高い油圧より下の低い油圧へ接続する。ホイール式掘削機等の作業機械においては、この低い油圧レベルが、数バールの範囲を超えない。たとえば、アクセル・アクチュエータにおける1つの例の油圧は、アクセル・アクチュエータ、たとえばアクセル・ペダルが係合されていないとき、すなわち好ましくはバルブ装置とするアクチュエータ装置が第2の動作状態にあるとき、2バールまたはそれよりさらに低くすることができる。この場合においては、操業ブレーキが高い油圧を受けて操業ブレーキ・アクチュエータがそれの完全係合位置まで自動的に移動される。少なくとも1つの操業ブレーキを活動化する油圧(動作圧力)は、数十バール、たとえば65バールもしくはそれより高い圧力とすることができる。
【0018】
好ましくはバルブ装置とするアクチュエータ装置の第1の動作状態においては、好適に、アクセル・アクチュエータがそれの係合位置にあり、操業ブレーキ・アクチュエータがそれの解放位置にあり、少なくとも1つの操業ブレーキが低い油圧へ接続されて、それの解放位置にある。好ましくはバルブ装置とするアクチュエータ装置の第2の動作状態においては、アクセル・アクチュエータがそれの解放位置にあり、操業ブレーキ・アクチュエータがそれの係合位置にあり、少なくとも1つの操業ブレーキが高い油圧へ接続されて、それの係合位置にある。
【0019】
操業ブレーキ・アクチュエータは、機械的、または電気機械的、または油圧的にそれの完全係合位置にロックすることが可能であり、そのロックは、操業ブレーキ・アクチュエータをそれの完全係合位置にロックするリトラクタブル・ラッチによって好適に達成できる。ロックを使用して操業ブレーキ・アクチュエータを確実に留めることが可能であることから、操作者は、自動操業ブレーキ・モードを伴わずに作業機械を使用することができる。
【0020】
好都合には、作業機械の1つまたは複数のモードを選択するためのアクチュエータを備えることが可能であり、それにおいて少なくとも1つのモードが、ブレーキ・システムの少なくとも1つの操業ブレーキを活動化する自動操業ブレーキ・モードを含む。
【0021】
好ましくは、選択されているモードおよび/または自動操業ブレーキ・モードの状態を示す表示器が提供される。それに加えて、故障についての情報または自動操業ブレーキ・モードの状態を表示器上に表示することができる。
【0022】
本発明は、上述およびそのほかの目的ならびに利点とともに、以下の実施態様の詳細な説明からもっともよく理解されることになろうが、それらの実施態様に限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1a】消勢位置(図1a)および付勢位置(図1b)にある操業ブレーキとともに本発明の好ましい実施態様による操業ブレーキのための油圧回路を示した概略図である。
【図1b】消勢位置(図1a)および付勢位置(図1b)にある操業ブレーキとともに本発明の好ましい実施態様による操業ブレーキのための油圧回路を示した概略図である。
【図2】本発明の好ましい実施態様による主要電子機能のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面内では、等しいかまたは類似の要素を等しい参照番号によって参照する。図面は単なる略図的な表現であり、本発明の特定のパラメータを描写することは意図されていない。さらにまた図面には、本発明の代表的な実施態様だけを図示することが意図されており、したがって本発明の範囲を限定していると見なされるべきではない。
【0025】
図1aおよび1bは、消勢位置(図1a)および付勢位置(図1b)にある操業ブレーキ・アクチュエータ20とともに、操業ブレーキを包含する作業機械100についての本発明によるブレーキ・システム10の実施態様を一例で示した概略図である。ブレーキ・システムのための油圧回路はこの分野において一般的に周知であることから、単純化された態様で油圧回路12が図示されている。これらの図には、本発明による油圧回路12の主要構成要素だけを示した。
【0026】
例として述べるが、作業機械100(ホイール・ブレーキを伴う車輪、ギア・ボックス110、および2つの電子コントロール・ユニット120、140によって非常に簡略化された態様で示されている)が、地面係合要素102L、102R、104L、104Rとして、2本のアクスルにペアで取付けられる4つの車輪を包含し、各地面係合要素102L、102R、104L、104Rには、それぞれの地面係合要素102L、102R、104L、104Rに直接または間接的に作用する1つの操業ブレーキ106L、106R、108L、108Rが装備されている。
【0027】
ブレーキ・システム10は、第1のアクスル上の地面係合要素102L、102Rに作用する操業ブレーキ106L、106Rのための油圧バルブ40F、たとえば3/3ウェイ・バルブ、および第2のアクスル上の地面係合要素104L、104Rに作用する操業ブレーキ108L、108Rのための油圧バルブ40R、たとえば3/3ウェイ・バルブを伴った油圧回路12を包含し、これにおいて3/3という表現は、3ポートおよび3ポジションを有するバルブを表わすために広く使用されている表現である。2つのバルブ40Fおよび40Rは結合されている(2つのバルブ40Fと40Rの間の実線の接続ラインによって示される)。バルブ40R、40Fは、それぞれのポートB1およびB2にそれぞれ油圧接続されており、このことはこれがバルブ・スプールを押す油圧路であることを表わしているが、それにおいてはポートB2へのバルブの油圧接続がバルブ40Rについてだけ示されており、バルブ40FについてはポートB1から2つのバルブ40R、40Fの間の接続ラインへの破線のラインによって示されている。両方のバルブ40R、40Fのための共通の戻りスプリングがバルブ40Rに提供されている。バルブ40R、40Fは、油圧コントロール・ライン34からの圧力によって作動が可能である。したがってスプールを平衡させることが可能であり、スプールの『非作動時』はバルブ40R、40Fが、タンク56へ(スプールを通って)排圧される。スプールの『作動時』は、圧力出力と比例する態様でブレーキ・アクチュエータ20に抗する力が作用し、それが『適切な感触』を与えることになる。操作者は、より大きく(ストローク)踏込むほど、より強く(力)踏込まなければならない。
【0028】
油圧バルブ40Fは、第1のアクスル上の地面係合要素102L、102Rの操業ブレーキ106L、106Rへ、ポートB1を介して油圧流体を供給する。油圧バルブ40Rは、第2のアクスル上の地面係合要素104L、104Rの操業ブレーキ108L、108Rへ、ポートB2を介して油圧流体を供給する。
【0029】
好ましくはバルブ装置とするアクチュエータ装置30は、例示のため電気的に活動化されるソレノイド・バルブ(3/2ウェイ・バルブ、すなわち3ポートおよび2ポジションを有するバルブ)として具体化されており、油圧回路12の油圧バルブ40Fおよび40Rの動作状態をコントロールするが、それについての詳細を次に述べる。
【0030】
アクチュエータ装置30は、好ましくは、コントロール信号接続36を介して車両電子コントロール・ユニット(『VECU』)120によってコントロールされる。VECU 120は、コントロール・ロックアウト・レバー122、自動操業ブレーキ・モードのオンまたはオフを切換える選択スイッチ124、たとえばアクセル・ペダル等のアクセル・アクチュエータ22と接続されたアクセル・アクチュエータ・センサ126、作業機械100の動作モードを走行モード、駐車モード、作業モードまたはカスタマ・モード等の多様なモードのうちの1つに設定することができるモード選択スイッチ128からの入力をはじめ、ポートB1において油圧回路12と接続されるブレーキ圧力センサ44からのブレーキ圧力信号を入力130において、作業機械100のギア・ボックス110と接続される速度センサ(図示せず)からの速度センサ信号を入力132において受信する。コントロール・ロックアウト・レバー122は、一般に作業機械100のコンソールに配されるレバーであり、操作者が作業機械100内にいるときに操作者によって活動化されなければならない。操作者が作業機械100の外にいるときには、コントロール・ロックアウト・レバー122が係合されず、油圧システムが強制的にオフに切換えられる。自動操業ブレーキ・モードは、(i)モード選択スイッチ128が、自動操業ブレーキ・モードを含む1つまたは複数のモードのうちの1つ、たとえば採掘モードに切換えられている場合、および(ii)選択スイッチ124が自動操業ブレーキ・モードにセットされている場合にセットされる。
【0031】
アクチュエータ・バルブ30は、油圧コントロール・ライン34を介してバルブ40F、40Rの動作をコントロールし、アクチュエータ・バルブ30自体は、ライン36を介してVECU 120によって電気的にコントロールされる。
【0032】
前後の地面係合要素102L、102R、および104L、104Rの操業ブレーキ106L、106R、および108L、108Rのための両方の回路の圧力の検知には、圧力センサ44が1つだけ必要となる。
【0033】
操業ブレーキ・アクチュエータ20、たとえばブレーキ・ペダルは、油圧回路12の3/3ウェイ・バルブ40Fおよび40Rの少なくとも1つと機械的に接続される。特に、操業ブレーキ・アクチュエータ20は、バルブ40Fおよび/または40Rのシリンダと接続することができる。油圧流体によって加圧されているとき、各バルブ40F、40Rのためのそれぞれのシリンダが、バルブ40F、40Rを所望の位置へ移動させる。ペダルの場合には操業ブレーキ・アクチュエータ20が、バルブ40F、40Rのうちの少なくとも1つのシリンダ42と機能的に接続されるスプールを提供可能であり、それにおいてスプールは、ブレーキ・ペダル(操業ブレーキ・アクチュエータ20)がそれの係合位置まで踏込まれたとき(図1b)最大ストロークとなる。特に、スプールをバルブ40F、40Rのシリンダのうちの1つと機械的に接続し、関係するシリンダとともに自動的に移動させることが可能である。
【0034】
ポンプ50は、たとえば2バールまたはそれより低いタンク圧力の圧媒タンク56からの油圧流体を、タンク圧力より高い圧力、すなわち動作圧力までポンピングする。実際の作業機械に応じて、このより高い圧力が、たとえば65バールもしくはそれを超えることがある。概して言えば、このより高い圧力は、ブレーキを係合させるための油圧ブレーキ・システム12の正常な動作圧力とする圧力である。
【0035】
図1aに示されている油圧バルブ40F、40Rの消勢状態においては、バルブ40F、40Rがタンク56と流体接続されおり、油圧流体ラインが低いタンク圧力の下にある。ポートB1ならびにB2、およびアクチュエータ装置30とバルブ40F、40Rの間の油圧コントロール・ライン34は(ライン58を介して)タンク56と接続される。アクチュエータ装置30は、好ましくはソレノイド・バルブとして具体化されるが、信号接続36によってVECU 120と電気的に接続され、それによって、少なくともモード選択スイッチ128およびアクセル・アクチュエータ・センサ126の信号およびブレーキ圧力センサ44によって提供されるブレーキ圧力に応じてコントロールされる。アクチュエータ装置30の‐‐図1aに示されているとおりの‐‐この動作状態がアクチュエータ装置30の第1の動作状態である。操業ブレーキ・アクチュエータ20は、それの解放された位置にあり、操業ブレーキ106L、106R、108L、108Rもまた、それぞれの解放された位置にある。アクセル・アクチュエータ22を係合させて車両を移動させることができる。
【0036】
代替として、別の油圧システムが利用できる場合には、ブレーキ・システム自体と同じポンプ50による供給に代えて、アクチュエータ装置30をそれと接続することも可能である。
【0037】
油圧バルブ40Fは、第1のアクスル上の地面係合要素102L、102Rの操業ブレーキ106L、106Rへ、ポートB1を介して油圧流体を供給する。油圧バルブ40Rは、第2のアクスル上の地面係合要素104L、104Rの操業ブレーキ108L、108Rへ、ポートB2を介して油圧流体を供給する。消勢状態の油圧システム12がタンク圧の下にあることから、操業ブレーキ106L、106R、108L、108Rが、それぞれの解放された位置にあり、地面係合要素102L、102R、104L、104Rはブロックされない。操業ブレーキ・アクチュエータ20は、それの解放された位置にある。
【0038】
図1bに示されているソレノイド・バルブ(アクチュエータ装置30)の付勢状態においては、ソレノイド・バルブ(アクチュエータ装置30)がポートB1およびB2をポンプ50の高いポンプ圧力へ接続し、それによって油圧バルブ40Fおよび40Rをそれぞれシフトさせる。加圧された油圧流体が操業ブレーキ106L、106R、および108L、108Rをそれぞれの地面係合要素102L、102R、および104L、104Rと係合させて、作業機械100がブロックされる。アクチュエータ装置30のこの動作状態は、アクチュエータ装置30の第2の動作状態に対応し、それにおいては、自動ブレーキ・システムが活動化されていれば、操業ブレーキ・アクチュエータ20がそれの係合位置にあり、操業ブレーキ106L、106R、108L、108Rもまた、それぞれの係合位置にある。アクチュエータ装置30とバルブ40F、40Rの間の油圧コントロール・ライン34へは(ライン32を介して)ポンプ50によって提供される油圧が接続される。
【0039】
同時に、操業ブレーキ・アクチュエータ20とバルブ40F、40Rのうちの少なくとも1つのシリンダの機械的な結合から、操業ブレーキ・アクチュエータ20が自動的にそれの完全係合位置へ移動される。操業ブレーキ・アクチュエータ20がそれの完全係合位置にあるとき、オプションとしてリトラクタブル・ラッチを操業ブレーキ・アクチュエータ20に取付けて、操業ブレーキ・アクチュエータ20が完全係合位置にあるべきとされる限りそれをこの位置に固定することができる。
【0040】
計器電子コントロール・ユニット(IECU)140がVECU 120に結合されている。好ましくは、IECU 140に表示器を結合することができる。表示器は、選択されているモードおよび操業ブレーキの状態についての情報を操作者へ提供する。
【0041】
図1bにおいては、明瞭性の理由のためにバルブ40F、40R、および30の活動化された部分だけが詳細に示されており、それらのバルブのほかの部分は詳細に図示されていない。図1を参照すると、同じ理由から、それらのバルブの活動化されていない部分が詳細に示されている。
【0042】
図2は、本発明の好ましい実施態様による電子機能のフローチャートである。例として述べるが、自動操業ブレーキ・モードを含むモード(ここでは例として『電気採掘ブレーキ・モード』と呼ぶ)が採掘モードであり、操業ブレーキが『採掘ブレーキ』であり、作業機械が停止して地面係合要素が確実にブロックされるとき、活動化される必要がある。アクチュエータ装置30(図1a、1b)は、たとえばソレノイドを通る電流によってコントロールすることが可能なソレノイド・バルブである。
【0043】
メイン電子機能のルーチンは、ステップ200において、たとえば作業機械のスイッチが投入されるときに開始する。ステップ202においては、動作モードがオンであるか否かをチェックするが、これにおいては例として、2つの利用可能なモードW(作業モード)およびC(カスタマ・モード)が自動操業ブレーキ・モードを提供することができる。
【0044】
ステップ202におけるチェックに対する答えがノー(図2においては『n』によって示されている)であれば、ステップ226において電気採掘ブレーキ表示Br_Inを0にセットし、電気採掘ブレーキ表示Br_Inが0にセットされたという情報を計器電子コントロール・ユニット(『IECU』)140(図1a、1b参照)へ送信し、ステップ228においてアクチュエータ装置30(図1a)の電気採掘ブレーキ・ソレノイド信号Solをオフにセットする。このルーチンは、次のステップ236において終了する。
【0045】
ステップ202におけるチェックに対する答えがイエス(図2においては『y』によって示されている)であれば、ステップ206において電気採掘ブレーキ・スイッチがオン(活動化されている)であるか否か、すなわち自動採掘モードがオンであるか否かをチェックする。その答えがノー(図2においては『n』によって示されている)であれば、ステップ208において、スイッチの電気信号が立ち下がりエッジを示しているか否か、すなわち自動採掘ブレーキ・モードがオフに切換えられた直後であるか否かをチェックする。ステップ208における答えがイエス(図2においては『y』によって示されている)であれば、ステップ210においてIECU 140が自動採掘モードの状態に関するデータを受信して、自動採掘ブレーキ・モードが終了され、したがって自動採掘ブレーキがディセーブルされることを、たとえばIECUの表示器上にポップ・アップを用いて示す。その後に続くステップ212においては、アクセル・アクチュエータ(図1a、1bの22)の圧力pが圧力スレッショルド、たとえば2バールより下がっているか否かがチェックされる。その答えがイエス(図2においては『y』によって示されている)であれば、ルーチンがステップ214において終了する。その答えがノー(図2においては『n』によって示されている)であれば、ステップ226において、電気採掘ブレーキ表示Br_Inが0にセットされたという情報をIECU 140(図1a、1b参照)へ送信し、ステップ228においてアクチュエータ装置30(図1a)の電気採掘ブレーキ・ソレノイド信号Solをオフにセットする。このルーチンは、次のステップ236において終了する。
【0046】
電気採掘ブレーキ・スイッチの電気信号が立ち下がりエッジを示していない場合(ステップ208において『n』)には、その後に続くステップ212において、アクセル・アクチュエータ(図1a、1bの22)の圧力pが圧力スレッショルド、たとえば2バールより下がっているか否かがチェックされる。その答えがイエス(図2においては『y』によって示されている)であれば、ルーチンがステップ214において終了する。その答えがノー(図2においては『n』によって示されている)であれば、ステップ226において、電気採掘ブレーキ表示Br_Inが0にセットされたという情報をIECU 140(図1a、1b)へ送信し、ステップ228においてアクチュエータ装置30(図1a)の電気採掘ブレーキ・ソレノイド信号Solをオフにセットする。このルーチンは、次のステップ236において終了する。
【0047】
ステップ202と206の間にあるステップ204は、作業機械100にオプションの『自動採掘ブレーキ』が取付けられているか否かをチェックしている。このオプションが取付けられていない場合には(ステップ204において『n』)ルーチンがステップ226へ続く。このオプションが取付けられている場合には(ステップ204において『y』)ルーチンがステップ206へ続く。
【0048】
ステップ206において、電気採掘ブレーキ・スイッチが活動化されていることが検出された場合(ステップ206の『y』)には、ステップ220において採掘ブレーキ表示Br_Inを1にセットし、採掘ブレーキ表示Br_Inが1にセットされたという情報をIECU 140(図1a、1b)へ送信する。採掘ブレーキ・スイッチの活動化または非活動化の後、数秒間にわたって、たとえば5秒間にわたって現れるポップ・アップ・スクリーンをIECU 140に結合された表示器上に提供することができる。電気採掘ブレーキ・スイッチが活動化され、スイッチの電気信号内に立ち上がりエッジが検出された場合には、車両が今から自動採掘ブレーキ・モードに入ることを操作者に知らせるために、ステップ218においてIECU 140(図1a、1b)が、たとえば表示器上のポップ・アップ・スクリーンを活動化し『自動採掘ブレーキ・モードに入ります』といった情報を示す。
【0049】
ステップ220の後に続くステップ222においては、アクセル・アクチュエータ(図1a、1bの22)の圧力pが圧力スレッショルド、たとえば2バールより下がっているか否かがチェックされる。その答えがノー(図2においては『n』によって示されている)であれば、ステップ224においてIECU 140(図1a、1b)が、表示器の採掘ブレーキ表示Br_Inの色を指示色、たとえば緑色に変更し、ステップ228において採掘ブレーキ・ソレノイド信号Solをオフに切換える。この指示色は、採掘モードが選択されているが、操業ブレーキが適用されていないことを好ましく示す。これはたとえば、作業機械が走行中であり、操業ブレーキが自動的に解放されているとき、すなわち、作業機械がまだ作業操業モード(またはカスタマ・モード)であるが、作業現場Aから作業現場Aとそれほど離れていない作業現場Bへの場所替えをこのモードのフレーム内で行わなければならず、その結果操作者が、AからBへの走行の間に採掘モードにとどまることを選択するときに生じることがあり得る。当然のことながら、この情報を操作者へ伝えるためのほかの色またはほかの適切な手段も提供できる。
【0050】
アクセル・アクチュエータ(図1a、1bの22)の圧力pが圧力スレッショルドより低い場合には(図2のステップ222においては『y』によって示されている)、ステップ230においてギア・ボックス110(図1a、1b)内の速度信号V_TMが、作業機械が移動していないか、または走行速度があらかじめ定義済みのスレッショルド(たとえば、5km/h未満)より遅いことを示しているか否かがチェックされる。その答えがノー(図2においては『n』によって示されている)であれば、ルーチンがステップ236において終了する。その答えがイエス(図2においては『y』によって示されている)であれば、ステップ232において採掘ブレーキ・ソレノイド信号Solがオンに切換えられ、IECU 140(図1a、1b)が、表示器の電気採掘ブレーキ表示Br_Inの色をたとえば黄色に変更し、自動操業ブレーキ・モードが動作状態であることを操作者へ知らせる。このルーチンはステップ236において終了する。当然のことながら、この情報を操作者へ伝えるためのほかの色またはほかの適切な手段も提供できる。
【0051】
好ましくは、自動採掘ブレーキ・モードおよび/または自動採掘ブレーキは、油圧システムが正しく働いており、充分なブレーキ圧力が利用可能であるときにのみ活動化される。このブレーキ・システムは、操業ブレーキ・アクチュエータの係合または解放に操作者の干渉を必要としない自動ブレーキ・システムを提供することによって、ブレーキ・システムとの直接的なインタラクションの必要性を低減し、改善された取扱いの快適さを操作者へ提供する。作業機械の運転がより疲れさせないものとなり、操作者がより多くの注意を作業機械の取扱いに注ぐことが可能となることから安全性が増加する。
【符号の説明】
【0052】
10 ブレーキ・システム
12 油圧回路
20 操業ブレーキ・アクチュエータ
22 アクセル・アクチュエータ
30 アクチュエータ装置、アクチュエータ・バルブ
34 油圧コントロール・ライン
36 コントロール信号接続
40F 油圧バルブ
40R 油圧バルブ
42 シリンダ
44 ブレーキ圧力センサ
50 ポンプ
56 圧媒タンク
100 作業機械
102L、102R 地面係合要素
104L、104R 地面係合要素
106L、106R 操業ブレーキ
108L、108R 操業ブレーキ
110 ギア・ボックス
120 電子コントロール・ユニット、VECU
122 コントロール・ロックアウト・レバー
124 選択スイッチ
126 アクセル・アクチュエータ・センサ
128 モード選択スイッチ
130 入力
132 入力
140 電子コントロール・ユニット(IECU)
B1 ポート
B2 ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械(100)の少なくとも1つの地面係合要素(102L、102R、104L、104R)に直接または間接的に作用する少なくとも1つの操業ブレーキ(106L、106R、108L、108R)、完全係合位置と完全解放位置の間において移動可能な少なくとも1つの操業ブレーキ・アクチュエータ(20)、および作業機械(100)の推進を活動化するためのアクセル・アクチュエータ(22)を包含する作業機械(100)のためのブレーキ・システム(10)を作動するための方法であって、前記ブレーキ・システム(10)の活動化状態においては、前記アクセル・アクチュエータ(22)が解放されたとき、前記少なくとも1つの操業ブレーキ・アクチュエータ(20)が、それの完全係合位置まで自動的に移動することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ブレーキ・システム(10)の活動化状態において、前記作業機械(100)が移動していないか、またはあらかじめ定義済みの速度スレッショルドより低い速度を伴って移動している場合に限り、前記少なくとも1つの操業ブレーキ・アクチュエータ(20)が、それの完全係合位置まで自動的に移動することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
好ましくはバルブ装置とするアクチュエータ装置(30)が少なくとも第1の動作状態および第2の動作状態を有し、それにおいて前記第1の動作状態が前記アクセル・アクチュエータ(22)が係合する前記アクセル・アクチュエータ(22)の係合位置に対応し、前記第2の動作状態が前記アクセル・アクチュエータ(22)が係合しない前記アクセル・アクチュエータ(22)の解放位置に対応し、前記少なくとも1つの操業ブレーキ(106L、106R、108L、108R)が好ましくはバルブ装置とする前記アクチュエータ装置(30)によって前記少なくとも1つの操業ブレーキ(106L、106R、108L、108R)を活動化する油圧に接続可能であり、前記少なくとも1つの操業ブレーキ(106L、106R、108L、108R)が好ましくはバルブ装置とする前記アクチュエータ装置(30)によって前記少なくとも1つの操業ブレーキ(106L、106R、108L、108R)を活動化する油圧に接続されたとき、前記作業機械(100)の前記少なくとも1つの地面係合要素(102L、102R、104L、104R)をブロックすることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記操業ブレーキ・アクチュエータ(20)が、好ましくはバルブ装置とする前記アクチュエータ装置(30)が前記第2の動作状態にあるときそれの完全係合位置にあり、前記アクチュエータ装置(30)が前記第1の動作状態にあるとき、前記操業ブレーキ・アクチュエータ(20)が、それの完全解放位置に戻されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
好ましくはバルブ装置とする前記アクチュエータ装置(30)が前記第1の動作状態にあるとき、前記少なくとも1つの操業ブレーキ(106L、106R、108L、108R)が、前記少なくとも1つの操業ブレーキ(106L、106R、108L、108R)を活動化する油圧より下の油圧へ接続されることを特徴とする、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記操業ブレーキ・アクチュエータ(20)が、機械的、または電気機械的、または油圧的にそれの完全係合位置にロックされること、および前記ロックが、前記操業ブレーキ・アクチュエータ(20)をそれの完全係合位置にロックするリトラクタブル・ラッチによって好適に達成されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
作業機械(100)の少なくとも1つの地面係合要素(102L、102R、104L、104R)に直接または間接的に作用する少なくとも1つの操業ブレーキ(106L、106R、108L、108R)、完全係合位置と完全解放位置の間において移動可能な少なくとも1つの操業ブレーキ・アクチュエータ(20)、および作業機械(100)の推進を活動化するためのアクセル・アクチュエータ(22)を包含する作業機械(100)のためのブレーキ・システム(10)であって、前記ブレーキ・システム(10)の活動化状態において、前記アクセル・アクチュエータ(22)が解放されたとき、前記操業ブレーキ・アクチュエータ(20)を、それの完全係合位置まで自動的に移動させる、好ましくはバルブ装置とするアクチュエータ装置(30)が備えられることを特徴とするブレーキ・システム。
【請求項8】
好ましくはバルブ装置とする前記アクチュエータ装置(30)が、前記ブレーキ・システム(10)の活動化状態において、前記作業機械(100)が移動していないか、またはあらかじめ定義済みの速度スレッショルドより低い速度を伴って移動している場合に限り、前記操業ブレーキ・アクチュエータ(20)を、それの完全係合位置まで自動的に移動させることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
好ましくはバルブ装置とするアクチュエータ装置(30)が少なくとも第1の動作状態および第2の動作状態を有し、それにおいて前記第1の動作状態が前記アクセル・アクチュエータ(22)の係合位置に対応し、前記第2の動作状態が前記アクセル・アクチュエータ(22)の解放位置に対応することを特徴とする、請求項7または8に記載のブレーキ・システム。
【請求項10】
前記操業ブレーキ・アクチュエータ(20)が、前記少なくとも1つの操業ブレーキ(108L、106R、108L、108R)を作動する少なくとも1つの油圧バルブ(40F、40R)と機械的、または電気機械的、または油圧的に接続されることを特徴とする、請求項7乃至9のいずれかに記載のブレーキ・システム。
【請求項11】
好ましくはバルブ装置とする前記アクチュエータ装置(30)が前記第2の動作状態において、前記少なくとも1つの操業ブレーキ(106L、106R、108L、108R)を油圧へ接続し、それが、前記操業ブレーキ・アクチュエータ(20)がそれの完全係合位置にあるときに前記作業機械(100)の前記少なくとも1つの地面係合要素(102L、102R、104L、104R)をブロックするために、前記少なくとも1つの操業ブレーキ(106L、106R、108L、108R)を活動化することを特徴とする、請求項7乃至10のいずれかに記載のブレーキ・システム。
【請求項12】
好ましくはバルブ装置とする前記アクチュエータ装置(30)が前記第1の動作状態にあるとき、前記操業ブレーキ・アクチュエータ(20)を、それの完全解放位置に戻すアクチュエータ要素(42)を備えることを特徴とする、請求項7乃至11のいずれかに記載のブレーキ・システム。
【請求項13】
好ましくはバルブ装置とする前記アクチュエータ装置(30)が、前記第1の動作状態にあるとき、前記少なくとも1つの操業ブレーキ(106L、106R、108L、108R)を、前記少なくとも1つの操業ブレーキ(106L、106R、108L、108R)を活動化する油圧より下の油圧へ接続することを特徴とする、請求項7乃至12のいずれかに記載のブレーキ・システム。
【請求項14】
前記操業ブレーキ・アクチュエータ(20)を、それの完全係合位置にロックするリトラクタブル・ラッチを備えることを特徴とする、請求項7乃至13のいずれかに記載のブレーキ・システム。
【請求項15】
前記作業機械(100)の1つまたは複数のモードを選択するためのアクチュエータを備え、それにおいて1つのモードが前記ブレーキ・システム(10)を活動化する動作モードであることを特徴とする、請求項7乃至14のいずれかに記載のブレーキ・システム。
【請求項16】
選択されたモードを示す表示器を備えることを特徴とする、請求項15に記載のブレーキ・システム。
【請求項17】
コンピュータ・プログラムであって、前記プログラムがプログラマブル・マイクロコンピュータ上で実行されたときに請求項1乃至6の少なくとも1つによる方法の実行、またはその方法における用途に適合されたコンピュータ・プログラム・コードを包含するコンピュータ・プログラム。
【請求項18】
コンピュータ上での請求項1乃至6のいずれかによる方法における用途のためのプログラム・コードを包含する、コンピュータ可読媒体上にストアされたコンピュータ・プログラム製品。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−501898(P2012−501898A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526003(P2011−526003)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【国際出願番号】PCT/SE2008/000503
【国際公開番号】WO2010/027302
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(502032378)ボルボ コンストラクション イクイップメント アーベー (156)
【Fターム(参考)】