作業補助装置および複合パンタグラフ機構
【課題】構造の簡略化を図るとともに汎用性の高い作業補助装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る作業補助装置A1は、支持ベース1と、支持ベース1に対してZ軸方向に伸縮するZ軸駆動機構2と、Z軸駆動機構2に対して基端部が接続され、この基端部に対して先端部がX軸,Y軸方向に沿って揺動する揺動駆動機構3と、上記先端部に接続され、XYZ方向に操作可能な操作部材4と、操作部材4のXYZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段5と、操作力検出手段5からの情報に基づきZ軸駆動機構2および揺動駆動機構3を操作部材4の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段とを備える。また、揺動駆動機構3は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能な第1のパンタグラフ機構と、上記基端部に対して上記先端部がY軸に沿って揺動可能な第2のパンタグラフ機構との複合パンタグラフ機構によって構成される。
【解決手段】本発明に係る作業補助装置A1は、支持ベース1と、支持ベース1に対してZ軸方向に伸縮するZ軸駆動機構2と、Z軸駆動機構2に対して基端部が接続され、この基端部に対して先端部がX軸,Y軸方向に沿って揺動する揺動駆動機構3と、上記先端部に接続され、XYZ方向に操作可能な操作部材4と、操作部材4のXYZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段5と、操作力検出手段5からの情報に基づきZ軸駆動機構2および揺動駆動機構3を操作部材4の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段とを備える。また、揺動駆動機構3は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能な第1のパンタグラフ機構と、上記基端部に対して上記先端部がY軸に沿って揺動可能な第2のパンタグラフ機構との複合パンタグラフ機構によって構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者の操作力に基づいて操作方向への移動を支援し、当該作業者を補助するのに利用することのできる作業補助装置および複合パンタグラフ機構に関する。
【0002】
作業者の労働負担を軽減するために、作業対象物の重量を支えるとともに操作方向への移動支援を行って、作業者を補助する作業補助装置が知られている。このような作業補助装置としては、たとえば、作業者による操作力をフォースセンサで検出し、この検出情報に基づいてアシスト力を発生させて、所定の三次元空間内において作業対象物を所望の位置に移動させるように構成されたものがある(たとえば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に示された作業補助装置においては、駆動機構としてサーボモータなどの駆動源を利用してXYZの3軸方向に独立して摺動自在な移動ユニットを構成し、この移動ユニットに設けられた操作部材を所定の三次元空間内の所望の位置に移動させている。より具体的には、柱および梁として機能する複数の棒状部材が組み付けられた門型のフレームによって上記所定の三次元空間が形成されており、当該移動ユニットのX軸方向およびY軸方向への移動については、上記棒状部材に支持されたX方向ロッドおよびY方向ロッドが個別にY軸およびX軸に沿って移動可能なXYテーブル機構によってなされ、Z軸方向への移動については、ボールねじ機構によってなされる。これら3軸方向への移動は、フォースセンサからの操作力検出情報に基づいて制御される。このような構成によれば、たとえば、上記所定の三次元空間内において比較的に重量の嵩む荷物(作業対象物)を操作部材で保持して運搬するといった作業を行うことができる。
【0004】
しかしながら、このような作業補助装置では、重量物の運搬には適しているものの、フレームを含めた装置全体の構成が大掛かりであるので、当該装置の導入コストが嵩むとともに設置スペースも大きくなる。また、上記従来の作業補助装置では、大掛かりな装置構成であるために移設するのも容易ではなく、汎用性に欠けるものとなっていた。
【0005】
【特許文献1】特開2003−252600号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、構造の簡略化を図ることで導入コストを抑制しつつ、作業対象物を迅速に移動させることができる汎用性の高い作業補助装置、および、そのような作業補助装置の一部を構成するのに適した複合パンタグラフ機構を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を採用した。
【0008】
本発明の第1の側面によって提供される作業補助装置は、支持ベースと、この支持ベースに対してZ軸方向に伸縮可能なZ軸駆動機構と、このZ軸駆動機構の伸縮端部に対して基端部が接続され、この基端部に対して先端部がX軸方向およびY軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、この揺動駆動機構の先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXYZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記Z軸駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能な第1のパンタグラフ機構と、上記基端部に対して上記先端部がY軸に沿って揺動可能な第2のパンタグラフ機構との複合パンタグラフ機構によって構成されていることを特徴としている。
【0009】
このような構成の作業補助装置においては、操作部材の水平方向への移動を担う揺動駆動機構は、X軸およびY軸に沿って揺動可能な複合パンタグラフ機構(第1および第2のパンタグラフ駆動機構)を採用している。このように複合パンタグラフ機構によって構成された揺動駆動機構によれば、操作部材の水平方向への移動についてXYテーブル機構を採用する従来の構成に比べて、門型のフレームを構成する必要がなく、作業補助装置全体の構造の簡略化を図ることができる。また、門型のフレームを組み付ける構成に比べて、装置を容易に移設することができるので、汎用性の高いものとなる。
【0010】
本発明の第1の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記Z軸駆動機構の上記伸縮端部に連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定間隔隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の揺動軸と、各揺動軸を一辺とし、各揺動軸の両端に対して回動可能に連結される各2つの同長の揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各揺動軸と平行かつ同長の可動軸と、からなる一対の平行四辺形リンクと、上記一対の平行四辺形リンクの各可動軸が回動可能に連結され、各可動軸間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持する可動部材と、を備え、上記一対の平行四辺形リンクが上記第1のパンタグラフ機構を構成し、上記ベース部材と上記一対の平行四辺形リンクと上記可動部材とが上記第2のパンタグラフ機構を構成する。
【0011】
このような構成によれば、操作部材の水平方向への移動を担う複合パンタグラフ機構としては、連動するように構成された一対の平行四辺形リンクが、X軸に沿って揺動する第1のパンタグラフ機構およびY軸に沿って揺動する第2のパンタグラフ機構のいずれにおいても主要な構成要素となっている。すなわち、第1のパンタグラフ機構においては、X軸方向に沿って延びる揺動軸に対して、一対の平行四辺形リンクを構成するすべての揺動アームが可動部材を介してX軸に沿って同調して揺動することにより、揺動軸と平行をなす可動軸およびこの可動軸に対して両端部が回動可能に連結された可動部材は水平姿勢を保持したままX軸に沿って揺動する。一方、第2のパンタグラフ機構においては、すべての揺動アームが揺動軸回りに回動することにより、可動部材は水平姿勢を維持したままY軸に沿って揺動する。したがって、ベース部材に対する可動部材の動作に着目すると、可動部材は、第1のパンタグラフ機構によって生じるベース部材を中心としてX軸に沿う回動動作と、第2のパンタグラフ機構によって生じるベース部材を中心としてY軸に沿う回動動作とが合成されて、水平姿勢を維持したまま、ベース部材を中心とする球面上に沿って移動することとなる。このような第1および第2のパンタグラフ機構からなる複合パンタグラフ機構によれば、可動部材をXY方向における所望の位置に配置することができる。このように、連動する一対の平行四辺形リンクを含む独自の構成を採用することにより、揺動駆動機構の先端部として機能する可動部材に接続される操作部材についても、平行四辺形リンクを構成する揺動アームを揺動させるといった簡単な動作により、XY方向における所望の位置に配置することができる。
【0012】
本発明の第2の側面によって提供される作業補助装置は、支持ベースと、この支持ベースに対してZ軸方向に伸縮可能なZ軸駆動機構と、このZ軸駆動機構の伸縮端部に対して基端部が接続され、この基端部に対して先端部がX軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、この揺動駆動機構の先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記Z軸駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能なパンタグラフ機構によって構成されており、上記Z軸駆動機構と上記揺動駆動機構とは、相対回転可能とされていることを特徴としている。
【0013】
このような構成の作業補助装置においては、操作部材の水平方向への移動を担う揺動駆動機構は、X軸に沿って揺動可能なパンタグラフ機構を採用している。また、この揺動駆動機構とZ軸駆動機構とは、相対回転可能とされている。これにより、揺動駆動機構の先端部に接続された操作部材をXY方向における所望の位置に配置することができる。このように、パンタグラフ機構によって構成されるとともにZ軸駆動機構に対して回転可能な揺動駆動機構によれば、操作部材の水平方向への移動についてXYテーブル機構を採用する従来の構成に比べて、門型のフレームを構成する必要がなく、作業補助装置全体の構造の簡略化を図ることができる。また、門型のフレームを組み付ける構成に比べて、装置を容易に移設することができるので、汎用性の高いものとなる。
【0014】
本発明の第2の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記Z軸駆動機構の上記伸縮端部に連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定間隔隔てられ同長でX軸方向に延びるように固定された一対の固定アームと、各固定アームを一辺とし、各固定アームの両端に対して回動可能に連結される各2つの同長の揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各固定アームと平行かつ同長の可動アームと、からなる一対の平行四辺形リンクと、上記一対の平行四辺形リンクの各可動アームが連結され、各可動アーム間の距離を上記一対の固定アーム間距離と同等に保持する可動部材と、を備え、上記一対の平行四辺形リンクが上記パンタグラフ機構を構成する。
【0015】
このような構成によれば、操作部材の水平方向への移動を担うパンタグラフ機構としては、連動するように構成された一対の平行四辺形リンクが主要な構成要素となっている。すなわち、パンタグラフ機構においては、X軸方向に沿って延びる固定アームに対して、一対の平行四辺形リンクを構成するすべての揺動アームが可動部材を介してX軸に沿って同調して揺動することにより、固定アームと平行をなす可動アームおよびこの可動アームに対して両端部が連結された可動部材は水平姿勢を維持したままX軸に沿って揺動する。一方、パンタグラフ機構とZ軸駆動機構とは、相対回転可能に接続されていることから、可動部材は水平姿勢を維持したままZ軸回りに回転する。したがって、ベース部材に対する可動部材の動作に着目すると、可動部材は、パンタグラフ機構によって生じるベース部材を中心としてX軸に沿う回動動作と、Z軸駆動機構に対するパンタグラフ機構の相対回転によって生じるベース部材を通るZ軸回りの回転動作とが合成されて、水平姿勢を維持したまま、ベース部材を中心とする球面上に沿って移動することとなる。このように、連動する一対の平行四辺形リンクを含む独自の構成を採用することにより、揺動駆動機構の先端部として機能する可動部材に接続される操作部材についても、平行四辺形リンクを構成する揺動アームを揺動させるといった簡単な動作により、XY方向における所望の位置に配置することができる。
【0016】
本発明の第3の側面によって提供される作業補助装置は、基端部に対して先端部がX軸方向およびY軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、この揺動駆動機構の基端部と先端部との間の距離を伸縮させるための伸縮駆動機構と、上記揺動駆動機構の上記先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXYZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記伸縮駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、上記伸縮駆動機構は、一端部が上記揺動駆動機構の上記基端部に接続される一方、他端部が上記揺動駆動機構の上記先端部に接続されており、上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能な第1のパンタグラフ機構と、上記基端部に対して上記先端部がY軸に沿って揺動可能な第2のパンタグラフ機構との複合パンタグラフ機構によって構成されているとともに、上記複合パンタグラフ機構は、上記基端部と上記先端部との間の距離が伸縮可能に構成されていることを特徴としている。
【0017】
このような構成の作業補助装置においては、操作部材の水平方向への移動を担う揺動駆動機構は、X軸およびY軸に沿って揺動可能な複合パンタグラフ機構(第1および第2のパンタグラフ駆動機構)を採用している。このように複合パンタグラフ機構によって構成された揺動駆動機構によれば、操作部材の水平方向への移動についてXYテーブル機構を採用する従来の構成に比べて、門型のフレームを構成する必要がなく、作業補助装置全体の構造の簡略化を図ることができる。また、門型のフレームを組み付ける構成に比べて、装置を容易に移設することができるので、汎用性の高いものとなる。
【0018】
加えて、上記構成の作業補助装置では、伸縮駆動機構を揺動駆動機構の占有空間内に配置することができる。このため、上記構成によれば、操作部材のXYZ方向への移動を担う部分(揺動駆動機構および伸縮駆動機構)の占有スペースを小さくすることが可能になり、作業補助装置全体のコンパクト化を図るうえで好適である。
【0019】
本発明の第3の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記伸縮駆動機構の上記一端部が連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定距離隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の揺動軸と、各揺動軸を一辺とし、各揺動軸の両端に対して回動可能に連結される各2つの長手方向に伸縮可能な揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各揺動軸と平行かつ同長の可動軸と、からなる一対の平行四辺形リンクと、上記一対の平行四辺形リンクの各可動軸が回動可能に連結され、各可動軸間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持するとともに上記伸縮駆動機構の上記他端部が連結される可動部材と、を備え、上記ベース部材と上記伸縮駆動機構の上記一端部、および上記可動部材と上記伸縮駆動機構の上記他端部は、それぞれ、相対揺動可能に連結されているとともに、上記一対の平行四辺形リンクが上記第1のパンタグラフ機構を構成し、上記ベース部材と上記一対の平行四辺形リンクと上記可動部材とが上記第2のパンタグラフ機構を構成する。
【0020】
このような構成によれば、操作部材の水平方向への移動を担う複合パンタグラフ機構としては、連動するように構成された一対の平行四辺形リンクが、X軸に沿って揺動する第1のパンタグラフ機構およびY軸に沿って揺動する第2のパンタグラフ機構のいずれにおいても主要な構成要素となっている。すなわち、第1のパンタグラフ機構においては、X軸方向に沿って延びる揺動軸に対して、一対の平行四辺形リンクを構成するすべての揺動アームが可動部材を介してX軸に沿って同調して揺動することにより、揺動軸と平行をなす可動軸およびこの可動軸に対して両端部が回動可能に連結された可動部材は水平姿勢を保持したままX軸に沿って揺動する。一方、第2のパンタグラフ機構においては、すべての揺動アームが揺動軸回りに回動することにより、可動部材は水平姿勢を維持したままY軸に沿って揺動する。したがって、ベース部材に対する可動部材の動作に着目すると、可動部材は、第1のパンタグラフ機構によって生じるベース部材を中心としてX軸に沿う回動動作と、第2のパンタグラフ機構によって生じるベース部材を中心としてY軸に沿う回動動作とが合成されて、水平姿勢を維持したまま、ベース部材を中心とする球面上に沿って移動することとなる。したがって、このような第1および第2のパンタグラフ機構からなる複合パンタグラフ機構によれば、平面視において、XY方向における所望の位置に配置することができる。このように連動する一対の平行四辺形リンクを含む独自の構成を採用することにより、揺動駆動機構の先端部として機能する可動部材に接続される操作部材についても、平行四辺形リンクを構成する揺動アームを揺動させるといった簡単な動作により、XY方向の所望の位置に配置することができる。
【0021】
本発明の第4の側面によって提供される作業補助装置は、支持ベースと、この支持ベースに対して基端部が接続され、この基端部に対して先端部がX軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、この揺動駆動機構の基端部と先端部との間の距離を伸縮させるための伸縮駆動機構と、上記揺動駆動機構の上記先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記伸縮駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、上記伸縮駆動機構は、一端部が上記揺動駆動機構の上記基端部に接続される一方、他端部が上記揺動駆動機構の上記先端部に接続されており、上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能なパンタグラフ機構によって構成されているとともに、このパンタグラフ機構は、上記基端部と上記先端部との間の距離が伸縮可能に構成されており、上記支持ベースと上記基端部とは、Z軸回りに相対回転可能とされていることを特徴としている。
【0022】
このような構成の作業補助装置においては、操作部材の水平方向への移動を担う揺動駆動機構は、X軸に沿って揺動可能なパンタグラフ機構を採用している。また、この揺動駆動機構の基端部と支持ベースとは、相対回転可能とされている。これにより、揺動駆動機構の先端部に接続された操作部材をXY方向における所望の位置に配置することができる。このように、パンタグラフ機構によって構成されるとともに支持ベースに対して回転可能な揺動駆動機構によれば、操作部材の水平方向への移動についてXYテーブル機構を採用する従来の構成に比べて、門型のフレームを構成する必要がなく、作業補助装置全体の構造の簡略化を図ることができる。また、門型のフレームを組み付ける構成に比べて、装置を容易に移設することができるので、汎用性の高いものとなる。
【0023】
加えて、上記構成の作業補助装置では、伸縮駆動機構を揺動駆動機構の占有空間内に配置することができる。このため、上記構成によれば、操作部材のXYZ方向への移動を担う部分(揺動駆動機構および伸縮駆動機構)の占有スペースを小さくすることが可能になり、作業補助装置全体のコンパクト化を図るうえで好適である。
【0024】
本発明の第4の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記伸縮駆動機構の上記一端部が連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定距離隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の固定アームと、各固定アームを一辺とし、各固定アームの両端に対して回動可能に連結される各2つの長手方向に伸縮可能な揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各固定アームと平行かつ同長の可動アームと、からなる一対の平行四辺形リンクと、上記一対の平行四辺形リンクの各可動アームが連結され、各可動アーム間の距離を上記一対の固定アーム間距離と同等に保持するとともに上記伸縮駆動機構の上記他端部が連結される可動部材と、を備え、上記ベース部材と上記伸縮駆動機構の上記一端部、および上記可動部材と上記伸縮駆動機構の上記他端部は、それぞれ、相対揺動可能に連結されているとともに、上記一対の平行四辺形リンクが上記パンタグラフ機構を構成する。
【0025】
このような構成によれば、操作部材の水平方向への移動を担うパンタグラフ機構としては、連動するように構成された一対の平行四辺形リンクが主要な構成要素となっている。すなわち、パンタグラフ機構においては、X軸方向に沿って延びる固定アームに対して、一対の平行四辺形リンクを構成するすべての揺動アームが可動部材を介してX軸に沿って同調して揺動することにより、固定アームと平行をなす可動アームおよびこの可動アームに対して両端部が連結された可動部材は水平姿勢を維持したままX軸に沿って揺動する。一方、パンタグラフ機構と支持ベースとは、Z軸回りに相対回転可能に接続されていることから、可動部材は水平姿勢を維持したままZ軸回りに回転する。したがって、ベース部材に対する可動部材の動作に着目すると、可動部材は、パンタグラフ機構によって生じるベース部材を中心としてX軸に沿う回動動作と、支持ベースに対するパンタグラフ機構の相対回転によって生じるベース部材を通るZ軸回りの回転動作とが合成されて、水平姿勢を維持したまま、ベース部材を中心とする球面上に沿って移動することとなる。このように、連動する一対の平行四辺形リンクを含む独自の構成を採用することにより、揺動駆動機構の先端部として機能する可動部材に接続される操作部材についても、平行四辺形リンクを構成する揺動アームを揺動させるといった簡単な動作により、XY方向における所望の位置に配置することができる。
【0026】
本発明の第3または第4の側面における好ましい実施の形態においては、上記ベース部材と上記伸縮駆動機構の上記一端部、および上記可動部材と上記伸縮駆動機構の上記他端部は、それぞれ、ボールジョイントを介して連結されている。
【0027】
このような構成によれば、上記ベース部材ないし上記可動部材と上記伸縮駆動機構との相対揺動可能な連結状態は、簡易な構造によって達成される。
【0028】
本発明の第1または第3の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記第1および第2のパンタグラフ機構を個別に駆動するための第1および第2の駆動源を備え、上記第1のパンタグラフ機構は、上記第1の駆動源からの駆動力によって上記揺動アームの1つがその一端の連結部を支軸としてこの支軸回りに回動させられるように構成されているとともに、上記第2のパンタグラフ機構は、上記第2の駆動源からの駆動力によって上記揺動軸の1つの両端に連結された揺動アームがこの揺動軸回りに回動させられるように構成されている。
【0029】
このような構成によれば、構造の簡略化を図りつつ、第1および第2のパンタグラフ機構を適正に作動させることができる。
【0030】
本発明の第1または第3の側面における好ましい実施の形態においては、上記第1の駆動源から上記第1のパンタグラフ機構への駆動力の伝達は、上記支軸に一体的に設けられたプーリ、およびこのプーリに掛け回されたベルトを介して行われる。
【0031】
このような構成によれば、第2のパンタグラフ機構の作動によって一対の平行四辺形リンク全体が鉛直方向に対して傾斜し、これにともない支軸が水平方向に対して傾斜する場合においても、支軸に設けられたプーリに掛け回されたベルトが撓むことにより上記傾斜を吸収することができる。すなわち、このように支軸が傾斜する場合でも、第1の駆動源から支軸への駆動力の伝達がベルトを介して適正になされる。
【0032】
本発明の第2または第4の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記パンタグラフ機構を駆動するための駆動源を備え、上記パンタグラフ機構は、上記駆動源からの駆動力によって上記揺動アームの1つがその一端の連結部を支軸としてこの支軸回りに回動させられるように構成されている。
【0033】
このような構成によれば、構造の簡略化を図りつつ、パンタグラフ機構を適正に作動させることができる。
【0034】
好ましい実施の形態においては、上記操作部材は、上記揺動駆動機構の上記先端部に接続される結合部と、作業対象物を保持するための保持部とを備え、上記保持部は、上記結合部に対して捻転可能に連結されている。この場合、上記保持部は、上記結合部に対してZ軸回りおよびXY平面内の任意の軸回りに回転動可能に連結されているのが好ましい。
【0035】
このような構成によれば、作業者が手元で操作部材の保持部の姿勢を適宜変更することができる。かかる構成は、本来作業者が持つべき作業対象物として溶接トーチや塗装スプレーガンなど姿勢変更が必要なものを操作部材に支持させる場合において、好適である。
【0036】
本発明の第1または第3の側面における好ましい実施の形態においては、上記Z軸駆動機構は、Z軸方向の一端寄りに設けられたボールねじ機構と、Z軸方向の他端寄りに設けられ、上記ボールねじ機構を駆動するための駆動モータとを備える。
【0037】
本発明の第2または第4の側面における好ましい実施の形態においては、上記伸縮駆動機構は、伸縮方向の一端寄りに設けられたボールねじ機構と、伸縮方向の他端寄りに設けられ、上記ボールねじ機構を駆動するための駆動モータとを備える。
【0038】
本発明の第1または第3の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記各2つの揺動アームの中央部に対して両端が回動可能に連結される中間アームと、各中間アームが回動可能に連結され、各中間アーム間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持する中間部材とをさらに備える。
【0039】
本発明の第2または第4の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記各2つの揺動アームの中央部に対して両端が回動可能に連結される中間アームと、各中間アームが連結され、各中間アーム間の距離を上記一対の固定アーム間距離と同等に保持する中間部材とをさらに備える。
【0040】
このような構成によれば、一対の平行四辺形リンクが不当にねじれるといった不都合は防止され、パンタグラフ機構を適切に作動させるうえで好適である。
【0041】
本発明の第5の側面によって提供される複合パンタグラフ機構は、ベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定間隔隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の揺動軸と、各揺動軸を一辺とし、各揺動軸の両端に対して回動可能に連結される各2つの同長の揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各揺動軸と平行かつ同長の可動軸と、からなる一対の平行四辺形リンクと、上記一対の平行四辺形リンクの各可動軸が回動可能に連結され、各可動軸間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持する可動部材と、を備え、上記一対の平行四辺形リンクによって構成され、上記ベース部材に対して上記可動部材がX軸に沿って揺動可能な第1のパンタグラフ機構と、上記ベース部材と上記一対の平行四辺形リンクと上記可動部材とによって構成され、上記ベース部材に対して上記可動部材がY軸に沿って揺動可能な第2のパンタグラフ機構とを有することを特徴としている。このような構成の複合パンタグラフ機構は、本発明の第1または第3の側面の作業補助装置における複合パンタグラフ機構の機能をともに担うことができる。
【0042】
本発明のその他の特徴および利点は、図面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明に係る作業補助装置の好ましい実施形態につき、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0044】
図1ないし図4は、本発明の第1の実施形態に係る作業補助装置を表す。図1に表れているように、第1の実施形態に係る作業補助装置A1は、支持ベース1と、この支持ベース1に接続されたZ軸駆動機構2と、このZ軸駆動機構2に接続された揺動駆動機構3と、この揺動駆動機構3に接続された操作部材4と、操作力検出手段としてのフォースセンサ5と、制御手段としてのコントローラ(図示略)とを備え、作業対象物の重量を支えるとともに作業者の操作力に基づいて移動方向への駆動支援を行って、当該作業者を補助する機能を有するものである。本実施形態の作業補助装置A1は、溶接作業の補助に用いるのに適した例を示し、作業対象物としては、たとえば、溶接トーチおよびこの溶接トーチにつながる電気やガス供給用のケーブルが挙げられる。なお、以下の説明においては、水平方向のうち互いに直交する2方向をX軸およびY軸として規定し、鉛直方向をZ軸として規定している。
【0045】
支持ベース1は、建物の壁面等に固定する部分であり、本実施形態では、天井面に固定して作業補助装置A1の他の要素を吊り下げ可能に構成されている。
【0046】
図2に示すように、Z軸駆動機構2は、ボールねじ機構を組み込んだテレスコピックパイプによって構成されており、その全長が所定の範囲内でZ軸方向に伸縮可能とされている。具体的には、上記テレスコピックパイプは、支持ベース1に接続された外管21と、この外管21に内挿された内管22とからなり、外管21の内側上端にはモータ23が固定されている。内管22の外周および外管21の内周には、それぞれ、軸方向に沿うキー溝22a,21aが形成されており、これらのキー溝22a,21aの双方に跨るキー24が装着されている。キー24は、キー溝22aに対して嵌合固定されているとともに、キー溝に21a対して遊嵌されている。これにより、内管22は、外管21に対して、相対回転不能であるとともに軸方向に相対移動可能である。上記ボールねじ機構は、モータ23の出力軸に連結されるとともに鉛直方向に配置されて回転する雄ねじ軸25と、内管22の内周に固定されたナット部材26とからなる。雄ねじ軸25は、モータ23の駆動により正逆方向に回転させられ、このようにして雄ねじ軸25を回転させることにより、内管22が昇降させられる。
【0047】
図3によく表れているように、揺動駆動機構3は、全体として鉛直方向に延びる形態を呈し、その基端部(図中上端部)に対して先端部(図中下端部)をX軸およびY軸に沿って揺動させるためのものである。揺動駆動機構3は、ベース部材31と、可動部材32と、中間部材33と、これらの部材31,32,33に支持された一対の平行四辺形リンク34とを備える。ベース部材31は、X軸方向およびY軸方向において所定の寸法を有する矩形状の平板部311と、この平板部311のY軸方向の両端においてX軸方向に沿って固定された一対の円筒部312とを有する。ベース部材31はまた、本発明でいう基端部に相当し、内管22の下端部に連結されている。可動部材32および中間部材33は、ベース部材31と同様の構成とされており、それぞれ、平板部321,331および一対の円筒部322,332を有する。
【0048】
各平行四辺形リンク34は、X軸方向に延びる揺動軸341と、2つの揺動アーム342と、可動軸343と、中間アーム344とを有する。揺動軸341は、ベース部材31の円筒部312に内挿されるとともに、少なくとも当該内挿された部分が円柱状とされており、当該円筒部312に対して、X軸方向への移動不能かつX軸回りに回動可能とされている。2つの揺動アーム342は、同長とされており、揺動軸341の両端に対して、それぞれの一端がX軸に沿って回動可能に連結されている。可動軸343は、2つの揺動アーム342の他端に対して、両端が回動可能に連結されている。可動軸343はまた、可動部材32の円筒部322に内挿されるとともに、少なくとも当該内挿された部分が円柱状とされており、当該円筒部322に対して、X軸方向への移動不能かつX軸回りに回動可能とされている。中間アーム344は、2つの揺動アーム342の中央部に対して、両端が回動可能に連結されている。中間アーム344はまた、中間部材33の円筒部332に内挿されるとともに、少なくとも当該内挿された部分が円柱状とされており、当該円筒部332に対して、X軸方向への移動不能かつX軸回りに回動可能とされている。
【0049】
揺動軸341および揺動アーム342(図3における手前左側)の連結部には、駆動軸345が挿通されており、駆動軸345の一端には、プーリ346が一体的に設けられている。図4に示すように、揺動アーム342の連結部の内周には、回動軸方向に沿うキー溝342aが形成されているとともに、駆動軸345の外周には軸方向に沿うキー溝345aが形成されており、これらのキー溝342a,345aの双方に嵌合するキー347が装着されている。また、揺動軸341と駆動軸345の間にはベアリング348が介装されている。これにより、駆動軸345と揺動アーム342とは相対回転不能である一方、駆動軸345と揺動軸341とは相対回転可能である。
【0050】
図3における奥側の平行四辺形リンク34を構成する揺動軸341の右端寄りの部位には、プーリ349が一体的に設けられている。
【0051】
そして、上記構成の一対の平行四辺形リンク34によって第1のパンタグラフ機構が構成されている。この第1のパンタグラフ機構は、駆動軸345が回転させられると、図3における手前左側の揺動アーム342がX軸に沿って駆動軸345回りに回動し、また、一対の平行四辺形リンク34がベース部材31、可動部材32、および中間部材33を介してつながっていることにより、上記駆動軸345の回動動作にともなって、すべての揺動アーム342が同調してX軸に沿って揺動することになる。このような一対の平行四辺形リンク34の動作により、可動部材32は、水平姿勢を維持したまま、X軸に沿って揺動する。ここで、可動部材32の揺動動作における軌跡は、可動部材32の中心がベース部材31の中心回りの円弧上をたどることになる。
【0052】
また、上記構成のベース部材31、可動部材32、中間部材33、および一対の平行四辺形リンク34によって第2のパンタグラフ機構が構成されている。この第2のパンタグラフ機構は、図3における奥側の揺動軸341が回動させられると、この揺動軸341の両端に連結された揺動アーム342は、揺動軸341回りに回動し、また、一対の平行四辺形リンク34がベース部材31、可動部材32、および中間部材33を介してつながっていることにより、上記揺動アーム342の回動動作にともなって、すべての揺動アーム342が同調してY軸に沿って揺動することになる。このような一対の平行四辺形リンク34の動作により、可動部材32は、水平姿勢を維持したまま、Y軸に沿って揺動する。ここで、可動部材32の揺動動作における軌跡は、可動部材32の中心がベース部材31の中心回りの円弧上をたどることになる。
【0053】
ベース部材31には、第1のパンタグラフ機構と第2のパンタグラフ機構とを個別に駆動させるためのモータ35,36が設けられている。モータ35の出力軸には、プーリ351が設けられており、このプーリ351と駆動軸345のプーリ346との間にベルト37が掛け回されている。また、モータ36の出力軸には、プーリ361が設けられており、このプーリ361と揺動軸341のプーリ349との間にベルト38が掛け回されている。なお、モータ35およびモータ36は、本発明でいう第1の駆動源および第2の駆動源の一例に相当する。
【0054】
操作部材4は、作業者が把持して任意のXYZ方向に操作するためのものであり、揺動駆動機構3の可動部材32に連結されている。
【0055】
操作部材4は、図1に表れているように、揺動駆動機構3の可動部材32に接続される結合部41と、作業対象物を保持するための保持部42と、結合部41および保持部42をつなぐジョイント部43とを備える。ジョイント部43は結合部41に対して図示しないベアリングなどを介して相対回転可能に連結され、保持部42は、ジョイント部43に対して水平方向軸回りに回動可能に連結されている。保持部42はまた、作業者が直接把持するためのハンドルとして機能する部分でもある。これにより、保持部42は、結合部41に対して、ジョイント部43を介してZ軸回りおよびXY平面内の任意の軸回りに回転動可能に連結されている。なお、結合部41と保持部42とは、たとえばユニバーサルジョイントなどを介して捻転可能に連結することもできる。
【0056】
本実施形態において、保持部42には、たとえば作業対象物としての溶接トーチSがねじ手段などによって取り付けられている。なお、操作部材4の具体的構成は、操作部材4で保持する作業対象物が異なれば、それに応じて適宜変更することができ、たとえば保持部42としては、開閉動可能な一対の挟み片によって作業対象物を挟持する構成を採用してもよい。
【0057】
フォースセンサ5は、たとえば、XYZ軸の3軸方向に加えられた操作力の大きさを個別に検出することが可能な力覚センサによって構成されている。このフォースセンサ5は、たとえば操作部材4の結合部41に内蔵されており、操作部材4のXYZ軸方向の操作力を個別に検出することが可能となっている。
【0058】
上記コントローラは、Z軸駆動機構2および揺動駆動機構3の駆動を制御するためのものであり、具体的には、フォースセンサ5からの検出信号(操作力検出情報)に基づき、操作部材4の操作方向への移動を支援するように、Z軸駆動機構2のモータ23、および揺動駆動機構3のモータ35,36へ供給される駆動電力を制御する。
【0059】
上記コントローラによるモータ23、およびモータ35,36の駆動制御は、たとえば、図5を参照して以下のような手順によって行うことができる。まず、揺動駆動機構3のベース部材31の中心を基準点P1、可動部材32の中心を基準点P2として設定する。操作部材4に操作力が加わると、フォースセンサ5によって操作力が検出され、当該フォースセンサ5からの検出信号に基づいて所定の演算を実行することにより、単位時間経過後において、基準点P1が到達するべき位置を原点Oと規定するとともに、基準点P2が到達するべき座標C(x,y,z)を決定する。座標Cが決定すると、可動部材32のX軸方向に沿った揺動角度θ(XZ平面内での振れ角度)については、tanθ=x/zが成立することから、θ=tan-1(x/z)で表すことができる。可動部材32のY軸方向に沿った揺動角度φ(XY平面内での振れ角度)については、tanφ=y/zが成立することから、φ=tan-1(y/z)で表すことができる。また、原点Oと座標Cとの間の距離をLとすると、この距離Lは、ベース部材31の中心と可動部材32の中心との間の距離に相当するので、常に一定である。したがって、座標CのZ座標(z)については、距離L、X座標(x)、およびY座標(y)を用いると、z=(L2−x2−y2)1/2で表すことができる。このzを上記のθ、φについての関係式に代入すると、θ=tan-1{x/(L2−x2−y2)1/2}、φ=tan-1{y/(L2−x2−y2)1/2}により算出することができる。
【0060】
一方、ベース部材31のZ軸に沿った移動量ζについては、移動前(図5において仮想線で表す)の基準点P1のZ座標と移動後の基準点P2のZ座標との差をz0とすると、z0=z+ζが成立することから、zに関してL、x、およびyで表した上記関係式を代入して整理し、ζ=z0−(L2−x2−y2)1/2により算出することができる。このように可動部材32の揺動角度θ、φ、およびベース部材31の移動量ζが決定すれば、これらの値に基づいて、対応するモータ35,36,23の出力軸を、それぞれ、所定の角速度で回転駆動させる。
【0061】
このような制御を単位時間経過ごとに実行することにより、可動部材32は、操作部材4に加えられる操作力に応じた位置に移動させられる。そして、操作部材4は可動部材32の直下に連結されているため、上記コントローラによるモータ23,35,36の駆動制御によって、操作部材4の操作方向への移動が適切に支援される。
【0062】
次に、上記構成の作業補助装置A1の作用について説明する。
【0063】
作業補助装置A1を使用して溶接作業を行う際には、溶接トーチSやこれにつながるケーブル類の重量が操作部材4によって支えられた状態のまま当該操作部材4に操作力を与えると、Z軸駆動機構2および揺動駆動機構3が作動し、操作部材4が適所に移動させられる。このため、作業者においては、溶接トーチSやケーブル類といった作業対象物を保持する必要がなくなり、また、当該作業対象物の操作方向への移動が支援されることとなって、溶接作業における労働負担が軽減される。
【0064】
作業補助装置A1においては、操作部材4の水平方向への移動を担う揺動駆動機構3は、X軸およびY軸に沿って揺動可能な複合パンタグラフ機構(第1および第2のパンタグラフ駆動機構)を採用している。このように複合パンタグラフ機構によって構成された揺動駆動機構3によれば、操作部材4の水平方向への移動について、XYテーブル機構を採用する従来の構成に比べて門型のフレームを構成する必要がなく、作業補助装置A1全体の構造の簡略化を図ることができる。また、上記構成の作業補助装置A1は、門型のフレームを組み付ける従来の構成に比べて容易に移設することが可能であり、汎用性の高いものとなる。
【0065】
また、揺動駆動機構3の第1のパンタグラフ機構においては、X軸方向に沿って延びる揺動軸341に対して、一対の平行四辺形リンク34を構成するすべての揺動アーム342が可動部材32を介してX軸に沿って同調して揺動することにより、揺動軸341と平行をなす可動軸343およびこの可動軸343に対して両端部が回動可能に連結された可動部材32は水平姿勢を保持したままX軸に沿って揺動する。一方、第2のパンタグラフ機構においては、すべての揺動アーム342が揺動軸341回りに回動することにより、可動部材32は水平姿勢を維持したままY軸に沿って揺動する。したがって、ベース部材31に対する可動部材32の動作に着目すると、可動部材32は、第1のパンタグラフ機構によって生じるベース部材31を中心としてX軸に沿う回動動作と、第2のパンタグラフ機構によって生じるベース部材31を中心としてY軸に沿う回動動作とが合成されて、水平姿勢を維持したまま、ベース部材31を中心とする球面上に沿って移動することとなる。このような第1および第2のパンタグラフ機構からなる複合パンタグラフ機構によれば、可動部材32をXY方向の所望の位置に配置することができる。このように、連動する一対の平行四辺形リンク34を含む独自の構成を採用することにより、揺動駆動機構3の可動部材32に接続される操作部材4についても、平行四辺形リンク34を構成する揺動アーム342を揺動させるといった簡単な動作により、XY方向の所望の位置に配置することができる。
【0066】
加えて、揺動駆動機構3において、上記第1のパンタグラフ機構は、モータ35からの駆動力によって1つの揺動アーム342がその一端の連結部に挿通された駆動軸345回りに回動させられる一方、上記第2のパンタグラフ機構は、モータ36からの駆動力によって1つの揺動軸341の両端に連結された揺動アーム342がこの揺動軸341回りに回動させられる。このような構成によれば、第1および第2のパンタグラフ機構のいずれにおいても、1つの回転軸の回転によって当該第1および第2のパンタグラフ機構を適正に作動させることが可能であり、揺動駆動機構3の構造の簡略化を図ることができる。
【0067】
また、揺動駆動機構3においては、モータ35から上記第1のパンタグラフ機構への駆動力の伝達は、駆動軸345に一体的に設けられたプーリ346、およびこのプーリ346に掛け回されたベルト37を介して行われる。この構成によれば、上記第2のパンタグラフ機構の作動によって一対の平行四辺形リンク34全体が鉛直方向に対して傾斜し、これにともない駆動軸345が水平方向に対して傾斜する場合においても、駆動軸345に設けられたプーリ346に掛け回されたベルト37が撓むことにより上記傾斜を吸収することができる。すなわち、このように駆動軸345が傾斜する場合でも、モータ35から駆動軸345への駆動力の伝達がベルト37を介して適正になされる。
【0068】
揺動駆動機構3を構成する一対の平行四辺形リンク34においては、各2つの揺動アーム342の中央部をつなぐ中間アーム344と、これら中間アーム344が回動可能に連結された中間部材33とを備えるため、一対の平行四辺形リンク34が不当にねじれるといった不都合は防止される。かかる構成は、上記第1および第2のパンタグラフ機構を適切に作動させるうえで好適である。
【0069】
また、操作部材4においては、揺動駆動機構3に接続される結合部41と、作業対象物を保持するための保持部42とが、相対的に捻転可能とされているため、作業者が手元で操作部材4の保持部42の姿勢を適宜変更することができる。かかる構成は、本来作業者が持つべき作業対象物として溶接トーチSなどの姿勢変更が必要なものを操作部材4に支持させる場合に好適である。
【0070】
図6および図7は、本発明の第2の実施形態に係る作業補助装置を表す。第2の実施形態に係る作業補助装置A2は、主に揺動駆動機構3’の構成が上述した第1の実施形態と異なっており、その他の構成は第1の実施形態と同様である。なお、図6以降の図面においては、上記第1の実施形態と同一または類似の要素には、同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0071】
図6は、作業補助装置A2の概略構成を示す斜視図であり、図7は、揺動駆動機構3’を示す斜視図である。本実施形態においては、揺動駆動機構3’はX軸に沿ってのみ揺動可能に構成されるとともに、Z軸駆動機構2と揺動駆動機構3’とは、図示しないベアリングを介してZ軸回りに相対回転可能に接続されている。具体的には、揺動駆動機構3’を構成する一対の平行四辺形リンク34’においては、固定アーム341’、可動アーム343’、および中間アーム344’は、それぞれ、ベース部材31、可動部材32、および中間部材33に対して固定状態で連結されている。すなわち、固定アーム341’、可動アーム343’、および中間アーム344’は、それぞれ第1の実施形態における揺動軸341、可動軸343、および中間アーム344に対応する部材であるが、これらの部材341’、343’、344’は、ベース部材31、可動部材32、および中間部材33のそれぞれの筒部312’、322’、332’に対して、相対移動不能かつ相対回転不能に内挿されている。このため、一対の平行四辺形リンク34’は、X軸に沿ってのみ揺動する。
【0072】
揺動駆動機構3’においては、一対の平行四辺形リンク34’が同調してX軸に沿ってのみ揺動する機構を備える一方、Y軸に沿って揺動する機構を備えていない。すなわち、揺動機動機構3’は、上記第1の実施形態におけるモータ36およびこのモータ36の駆動力の伝達機構を備えていない。このような構成は、上記第1の実施形態に比べて、揺動駆動機構3’の構造の簡略化を図るうえで有利である。
【0073】
このような構成の作業補助装置A2においては、操作部材4の水平方向への移動を担う揺動駆動機構3’は、X軸に沿って揺動可能なパンタグラフ機構が採用されている。また、この揺動駆動機構3’とZ軸駆動機構2とは、Z軸回りに相対回転可能とされている。これにより、揺動駆動機構3’の先端部に接続された操作部材4をXY方向における所望の位置に配置することができる。なお、本実施形態でいうX軸とは、Z軸駆動機構2と揺動駆動機構3’とが相対回転しない場合における水平面内の一方向を規定するものであり、実際には、Z軸駆動機構2と揺動駆動機構3’とが相対回転すると、当該回転にともなって一対の平行四辺形リンク34’の揺動方向は変化する。
【0074】
図8および図9は、本発明の第3の実施形態に係る作業補助装置を表す。第3の実施形態に係る作業補助装置A3は、上述の第1の実施形態に比べて、Z軸駆動機構2に代えて伸縮駆動機構2”を具備するとともに、揺動駆動機構3”の構成が異なっている。
【0075】
作業補助装置A3においては、伸縮駆動機構2”および揺動駆動機構3”は並列的に配置されており、かかる点において、上述の第1の実施形態のようなZ軸駆動機機構2および揺動駆動機構3が直列的に配置された構成とは大きく相違する。
【0076】
具体的には、図9に表れているように、揺動駆動機構3”を構成する一対の平行四辺形リンク34”においては、揺動アーム342”がテレスコピックパイプによって構成され、長手方向に伸縮可能とされている。
【0077】
伸縮駆動機構2”は、ボールねじ機構を組み込んだテレスコピックパイプを備えて長手方向に伸縮可能に構成されており、基本的構成において上述の第1の実施形態のZ軸駆動機構2と同様である。その一方、伸縮駆動機構2”は、揺動駆動機構3”の中間部材33に形成された貫通孔331aに対して所定の隙間を有するように挿通されるとともに、外管21の上端部がボールジョイント27を介してベース部材31の中央部に連結され、また、内管22の下端部がボールジョイント28を介して可動部材32の中央部に連結されている。これにより、ベース部材31と外管21、および可動部材32と内管22は、それぞれ、相対揺動可能となっている。
【0078】
このような構成の作業補助装置A3においては、伸縮駆動機構2”および揺動駆動機構3”が並列的に配置されるとともに、伸縮駆動機構2”は、実質的に揺動駆動機構3”が占有する空間内に配置されている。このため、これらの機構2”,3”について、長手方向の全長寸法を小さくするとともに、その占有スペースをも小さくすることができる。かかる構成は、作業補助装置A3全体のコンパクト化を図るうえで有利である。
【0079】
作業補助装置A3の稼動時には、揺動駆動機構3”の作動により、可動部材32がXY方向における所望の位置に配置させられる。それと同時に、伸縮駆動機構2”において、揺動駆動機構3”の可動部材32の変位に追従しつつ伸縮動作を行うことにより、ベース部材31と可動部材32との間の距離を所望に変化させることができる。これにより、可動部材32に接続された操作部材4は、XYZ方向の所望の位置に配置される。
【0080】
図10および図11は、本発明の第4の実施形態に係る作業補助装置を表す。第4の実施形態に係る作業補助装置A4は、上述の第2の実施形態に比べて、Z軸駆動機構2に代えて伸縮駆動機構2”を具備するとともに、これにともなって揺動駆動機構3Aの構成が適宜変更されている。
【0081】
伸縮駆動機構2”は、ボールねじ機構を組み込んだテレスコピックパイプを備えて長手方向に伸縮可能に構成されており、上述の第3の実施形態の伸縮駆動機構2”と同様の構成を有する。また、伸縮駆動機構2”および揺動駆動機構3Aの連結構造は、第3の実施形態における伸縮駆動機構2”および揺動駆動機構3’の連結構造と同様である。
【0082】
揺動駆動機構3Aは、X軸に沿ってのみ揺動可能なパンタグラフ機構を有する構成とされており、基本的構成において第2の実施形態の揺動駆動機構3’と同様である。その一方、揺動駆動機構3Aを構成する一対の平行四辺形リンク34Aにおいては、第3の実施形態と同様に、揺動アーム342”がテレスコピックパイプによって構成され、長手方向に伸縮可能となっている。中間部材33の平板部331には、伸縮駆動機構2”を挿通させるための貫通孔331aが形成されている。また、揺動駆動機構3Aの基端部と支持ベース1とは、図示しないベアリングによってZ軸回りに相対回転可能に接続されている。
【0083】
このような構成の作業補助装置A4においては、伸縮駆動機構2”および揺動駆動機構3Aが並列的に配置されるとともに、伸縮駆動機構2”は、実質的に揺動駆動機構3Aが占有する空間内に配置されている。このため、これらの機構2”,3Aについて、長手方向の全長寸法を小さくするとともに、その占有スペースをも小さくすることができる。かかる構成は、作業補助装置A4全体のコンパクト化を図るうえで有利である。
【0084】
作業補助装置A4の稼動時には、揺動駆動機構3Aの作動により可動部材32がX軸に沿って揺動させられ、また、揺動駆動機構3Aが支持ベース1に対してZ軸回りに回転させられることにより、可動部材32がXY方向における所望の位置に配置させられる。それと同時に、伸縮駆動機構2”において、揺動駆動機構3Aの可動部材32の変位に追従しつつ伸縮動作を行うことにより、ベース部材31と可動部材32との間の距離を所望に変化させることができる。これにより、可動部材32に接続された操作部材4は、XYZ方向の所望の位置に配置される。なお、本実施形態でいうX軸とは、揺動駆動機構3Aが支持ベース1に対して回転しない場合における水平面内の一方向を規定するものであり、実際には、揺動駆動機構3Aが支持ベース1に対して回転すると、当該回転にともなって一対の平行四辺形リンク34Aの揺動方向は変化する。
【0085】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は上記した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る作業補助装置の各部の具体的な構成は、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。
【0086】
上記実施形態では、本発明に係る作業補助装置を用いて操作力を支援するための作業対象物として溶接トーチを例に挙げたが、当該作業対象物として電動ドリルや塗装スプレーガンなど他のものを適用してもよい。また、本発明に係る作業補助装置の用途としては、労働作業の補助に限定されるものではなく、たとえば、負傷者、要介護者、筋力低下者などの介護支援装置として、食事、筆記、軽作業の補助などに利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る作業補助装置の概略構成を示す全体斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る作業補助装置におけるZ軸駆動機構の構造を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る作業補助装置における揺動駆動機構を示す斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】Z軸駆動機構および揺動駆動機構の制御手順の一例を説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る作業補助装置の概略構成を示す全体斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る作業補助装置における揺動駆動機構を示す斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る作業補助装置の概略構成を示す全体斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る作業補助装置における、伸縮駆動機構および揺動駆動機構を示す斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る作業補助装置の概略構成を示す全体斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る作業補助装置における、伸縮駆動機構および揺動駆動機構を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0088】
A1,A2,A3,A4 作業補助装置
1 支持ベース
2,2’ Z軸駆動機構
2” 伸縮駆動機構
23 モータ(駆動モータ)
3,3’,3”,3A 揺動駆動機構
4 操作部材
5 フォースセンサ(操作力検出手段)
31 ベース部材
32 可動部材
34,34’,34”,34A 平行四辺形リンク
35 モータ(第1の駆動源、駆動源)
36 モータ(第2の駆動源)
341 揺動軸
341’ 固定アーム
342,342” 揺動アーム
343 可動軸
343’ 可動アーム
345 駆動軸(支軸)
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者の操作力に基づいて操作方向への移動を支援し、当該作業者を補助するのに利用することのできる作業補助装置および複合パンタグラフ機構に関する。
【0002】
作業者の労働負担を軽減するために、作業対象物の重量を支えるとともに操作方向への移動支援を行って、作業者を補助する作業補助装置が知られている。このような作業補助装置としては、たとえば、作業者による操作力をフォースセンサで検出し、この検出情報に基づいてアシスト力を発生させて、所定の三次元空間内において作業対象物を所望の位置に移動させるように構成されたものがある(たとえば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に示された作業補助装置においては、駆動機構としてサーボモータなどの駆動源を利用してXYZの3軸方向に独立して摺動自在な移動ユニットを構成し、この移動ユニットに設けられた操作部材を所定の三次元空間内の所望の位置に移動させている。より具体的には、柱および梁として機能する複数の棒状部材が組み付けられた門型のフレームによって上記所定の三次元空間が形成されており、当該移動ユニットのX軸方向およびY軸方向への移動については、上記棒状部材に支持されたX方向ロッドおよびY方向ロッドが個別にY軸およびX軸に沿って移動可能なXYテーブル機構によってなされ、Z軸方向への移動については、ボールねじ機構によってなされる。これら3軸方向への移動は、フォースセンサからの操作力検出情報に基づいて制御される。このような構成によれば、たとえば、上記所定の三次元空間内において比較的に重量の嵩む荷物(作業対象物)を操作部材で保持して運搬するといった作業を行うことができる。
【0004】
しかしながら、このような作業補助装置では、重量物の運搬には適しているものの、フレームを含めた装置全体の構成が大掛かりであるので、当該装置の導入コストが嵩むとともに設置スペースも大きくなる。また、上記従来の作業補助装置では、大掛かりな装置構成であるために移設するのも容易ではなく、汎用性に欠けるものとなっていた。
【0005】
【特許文献1】特開2003−252600号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、構造の簡略化を図ることで導入コストを抑制しつつ、作業対象物を迅速に移動させることができる汎用性の高い作業補助装置、および、そのような作業補助装置の一部を構成するのに適した複合パンタグラフ機構を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を採用した。
【0008】
本発明の第1の側面によって提供される作業補助装置は、支持ベースと、この支持ベースに対してZ軸方向に伸縮可能なZ軸駆動機構と、このZ軸駆動機構の伸縮端部に対して基端部が接続され、この基端部に対して先端部がX軸方向およびY軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、この揺動駆動機構の先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXYZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記Z軸駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能な第1のパンタグラフ機構と、上記基端部に対して上記先端部がY軸に沿って揺動可能な第2のパンタグラフ機構との複合パンタグラフ機構によって構成されていることを特徴としている。
【0009】
このような構成の作業補助装置においては、操作部材の水平方向への移動を担う揺動駆動機構は、X軸およびY軸に沿って揺動可能な複合パンタグラフ機構(第1および第2のパンタグラフ駆動機構)を採用している。このように複合パンタグラフ機構によって構成された揺動駆動機構によれば、操作部材の水平方向への移動についてXYテーブル機構を採用する従来の構成に比べて、門型のフレームを構成する必要がなく、作業補助装置全体の構造の簡略化を図ることができる。また、門型のフレームを組み付ける構成に比べて、装置を容易に移設することができるので、汎用性の高いものとなる。
【0010】
本発明の第1の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記Z軸駆動機構の上記伸縮端部に連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定間隔隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の揺動軸と、各揺動軸を一辺とし、各揺動軸の両端に対して回動可能に連結される各2つの同長の揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各揺動軸と平行かつ同長の可動軸と、からなる一対の平行四辺形リンクと、上記一対の平行四辺形リンクの各可動軸が回動可能に連結され、各可動軸間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持する可動部材と、を備え、上記一対の平行四辺形リンクが上記第1のパンタグラフ機構を構成し、上記ベース部材と上記一対の平行四辺形リンクと上記可動部材とが上記第2のパンタグラフ機構を構成する。
【0011】
このような構成によれば、操作部材の水平方向への移動を担う複合パンタグラフ機構としては、連動するように構成された一対の平行四辺形リンクが、X軸に沿って揺動する第1のパンタグラフ機構およびY軸に沿って揺動する第2のパンタグラフ機構のいずれにおいても主要な構成要素となっている。すなわち、第1のパンタグラフ機構においては、X軸方向に沿って延びる揺動軸に対して、一対の平行四辺形リンクを構成するすべての揺動アームが可動部材を介してX軸に沿って同調して揺動することにより、揺動軸と平行をなす可動軸およびこの可動軸に対して両端部が回動可能に連結された可動部材は水平姿勢を保持したままX軸に沿って揺動する。一方、第2のパンタグラフ機構においては、すべての揺動アームが揺動軸回りに回動することにより、可動部材は水平姿勢を維持したままY軸に沿って揺動する。したがって、ベース部材に対する可動部材の動作に着目すると、可動部材は、第1のパンタグラフ機構によって生じるベース部材を中心としてX軸に沿う回動動作と、第2のパンタグラフ機構によって生じるベース部材を中心としてY軸に沿う回動動作とが合成されて、水平姿勢を維持したまま、ベース部材を中心とする球面上に沿って移動することとなる。このような第1および第2のパンタグラフ機構からなる複合パンタグラフ機構によれば、可動部材をXY方向における所望の位置に配置することができる。このように、連動する一対の平行四辺形リンクを含む独自の構成を採用することにより、揺動駆動機構の先端部として機能する可動部材に接続される操作部材についても、平行四辺形リンクを構成する揺動アームを揺動させるといった簡単な動作により、XY方向における所望の位置に配置することができる。
【0012】
本発明の第2の側面によって提供される作業補助装置は、支持ベースと、この支持ベースに対してZ軸方向に伸縮可能なZ軸駆動機構と、このZ軸駆動機構の伸縮端部に対して基端部が接続され、この基端部に対して先端部がX軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、この揺動駆動機構の先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記Z軸駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能なパンタグラフ機構によって構成されており、上記Z軸駆動機構と上記揺動駆動機構とは、相対回転可能とされていることを特徴としている。
【0013】
このような構成の作業補助装置においては、操作部材の水平方向への移動を担う揺動駆動機構は、X軸に沿って揺動可能なパンタグラフ機構を採用している。また、この揺動駆動機構とZ軸駆動機構とは、相対回転可能とされている。これにより、揺動駆動機構の先端部に接続された操作部材をXY方向における所望の位置に配置することができる。このように、パンタグラフ機構によって構成されるとともにZ軸駆動機構に対して回転可能な揺動駆動機構によれば、操作部材の水平方向への移動についてXYテーブル機構を採用する従来の構成に比べて、門型のフレームを構成する必要がなく、作業補助装置全体の構造の簡略化を図ることができる。また、門型のフレームを組み付ける構成に比べて、装置を容易に移設することができるので、汎用性の高いものとなる。
【0014】
本発明の第2の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記Z軸駆動機構の上記伸縮端部に連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定間隔隔てられ同長でX軸方向に延びるように固定された一対の固定アームと、各固定アームを一辺とし、各固定アームの両端に対して回動可能に連結される各2つの同長の揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各固定アームと平行かつ同長の可動アームと、からなる一対の平行四辺形リンクと、上記一対の平行四辺形リンクの各可動アームが連結され、各可動アーム間の距離を上記一対の固定アーム間距離と同等に保持する可動部材と、を備え、上記一対の平行四辺形リンクが上記パンタグラフ機構を構成する。
【0015】
このような構成によれば、操作部材の水平方向への移動を担うパンタグラフ機構としては、連動するように構成された一対の平行四辺形リンクが主要な構成要素となっている。すなわち、パンタグラフ機構においては、X軸方向に沿って延びる固定アームに対して、一対の平行四辺形リンクを構成するすべての揺動アームが可動部材を介してX軸に沿って同調して揺動することにより、固定アームと平行をなす可動アームおよびこの可動アームに対して両端部が連結された可動部材は水平姿勢を維持したままX軸に沿って揺動する。一方、パンタグラフ機構とZ軸駆動機構とは、相対回転可能に接続されていることから、可動部材は水平姿勢を維持したままZ軸回りに回転する。したがって、ベース部材に対する可動部材の動作に着目すると、可動部材は、パンタグラフ機構によって生じるベース部材を中心としてX軸に沿う回動動作と、Z軸駆動機構に対するパンタグラフ機構の相対回転によって生じるベース部材を通るZ軸回りの回転動作とが合成されて、水平姿勢を維持したまま、ベース部材を中心とする球面上に沿って移動することとなる。このように、連動する一対の平行四辺形リンクを含む独自の構成を採用することにより、揺動駆動機構の先端部として機能する可動部材に接続される操作部材についても、平行四辺形リンクを構成する揺動アームを揺動させるといった簡単な動作により、XY方向における所望の位置に配置することができる。
【0016】
本発明の第3の側面によって提供される作業補助装置は、基端部に対して先端部がX軸方向およびY軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、この揺動駆動機構の基端部と先端部との間の距離を伸縮させるための伸縮駆動機構と、上記揺動駆動機構の上記先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXYZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記伸縮駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、上記伸縮駆動機構は、一端部が上記揺動駆動機構の上記基端部に接続される一方、他端部が上記揺動駆動機構の上記先端部に接続されており、上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能な第1のパンタグラフ機構と、上記基端部に対して上記先端部がY軸に沿って揺動可能な第2のパンタグラフ機構との複合パンタグラフ機構によって構成されているとともに、上記複合パンタグラフ機構は、上記基端部と上記先端部との間の距離が伸縮可能に構成されていることを特徴としている。
【0017】
このような構成の作業補助装置においては、操作部材の水平方向への移動を担う揺動駆動機構は、X軸およびY軸に沿って揺動可能な複合パンタグラフ機構(第1および第2のパンタグラフ駆動機構)を採用している。このように複合パンタグラフ機構によって構成された揺動駆動機構によれば、操作部材の水平方向への移動についてXYテーブル機構を採用する従来の構成に比べて、門型のフレームを構成する必要がなく、作業補助装置全体の構造の簡略化を図ることができる。また、門型のフレームを組み付ける構成に比べて、装置を容易に移設することができるので、汎用性の高いものとなる。
【0018】
加えて、上記構成の作業補助装置では、伸縮駆動機構を揺動駆動機構の占有空間内に配置することができる。このため、上記構成によれば、操作部材のXYZ方向への移動を担う部分(揺動駆動機構および伸縮駆動機構)の占有スペースを小さくすることが可能になり、作業補助装置全体のコンパクト化を図るうえで好適である。
【0019】
本発明の第3の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記伸縮駆動機構の上記一端部が連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定距離隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の揺動軸と、各揺動軸を一辺とし、各揺動軸の両端に対して回動可能に連結される各2つの長手方向に伸縮可能な揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各揺動軸と平行かつ同長の可動軸と、からなる一対の平行四辺形リンクと、上記一対の平行四辺形リンクの各可動軸が回動可能に連結され、各可動軸間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持するとともに上記伸縮駆動機構の上記他端部が連結される可動部材と、を備え、上記ベース部材と上記伸縮駆動機構の上記一端部、および上記可動部材と上記伸縮駆動機構の上記他端部は、それぞれ、相対揺動可能に連結されているとともに、上記一対の平行四辺形リンクが上記第1のパンタグラフ機構を構成し、上記ベース部材と上記一対の平行四辺形リンクと上記可動部材とが上記第2のパンタグラフ機構を構成する。
【0020】
このような構成によれば、操作部材の水平方向への移動を担う複合パンタグラフ機構としては、連動するように構成された一対の平行四辺形リンクが、X軸に沿って揺動する第1のパンタグラフ機構およびY軸に沿って揺動する第2のパンタグラフ機構のいずれにおいても主要な構成要素となっている。すなわち、第1のパンタグラフ機構においては、X軸方向に沿って延びる揺動軸に対して、一対の平行四辺形リンクを構成するすべての揺動アームが可動部材を介してX軸に沿って同調して揺動することにより、揺動軸と平行をなす可動軸およびこの可動軸に対して両端部が回動可能に連結された可動部材は水平姿勢を保持したままX軸に沿って揺動する。一方、第2のパンタグラフ機構においては、すべての揺動アームが揺動軸回りに回動することにより、可動部材は水平姿勢を維持したままY軸に沿って揺動する。したがって、ベース部材に対する可動部材の動作に着目すると、可動部材は、第1のパンタグラフ機構によって生じるベース部材を中心としてX軸に沿う回動動作と、第2のパンタグラフ機構によって生じるベース部材を中心としてY軸に沿う回動動作とが合成されて、水平姿勢を維持したまま、ベース部材を中心とする球面上に沿って移動することとなる。したがって、このような第1および第2のパンタグラフ機構からなる複合パンタグラフ機構によれば、平面視において、XY方向における所望の位置に配置することができる。このように連動する一対の平行四辺形リンクを含む独自の構成を採用することにより、揺動駆動機構の先端部として機能する可動部材に接続される操作部材についても、平行四辺形リンクを構成する揺動アームを揺動させるといった簡単な動作により、XY方向の所望の位置に配置することができる。
【0021】
本発明の第4の側面によって提供される作業補助装置は、支持ベースと、この支持ベースに対して基端部が接続され、この基端部に対して先端部がX軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、この揺動駆動機構の基端部と先端部との間の距離を伸縮させるための伸縮駆動機構と、上記揺動駆動機構の上記先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記伸縮駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、上記伸縮駆動機構は、一端部が上記揺動駆動機構の上記基端部に接続される一方、他端部が上記揺動駆動機構の上記先端部に接続されており、上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能なパンタグラフ機構によって構成されているとともに、このパンタグラフ機構は、上記基端部と上記先端部との間の距離が伸縮可能に構成されており、上記支持ベースと上記基端部とは、Z軸回りに相対回転可能とされていることを特徴としている。
【0022】
このような構成の作業補助装置においては、操作部材の水平方向への移動を担う揺動駆動機構は、X軸に沿って揺動可能なパンタグラフ機構を採用している。また、この揺動駆動機構の基端部と支持ベースとは、相対回転可能とされている。これにより、揺動駆動機構の先端部に接続された操作部材をXY方向における所望の位置に配置することができる。このように、パンタグラフ機構によって構成されるとともに支持ベースに対して回転可能な揺動駆動機構によれば、操作部材の水平方向への移動についてXYテーブル機構を採用する従来の構成に比べて、門型のフレームを構成する必要がなく、作業補助装置全体の構造の簡略化を図ることができる。また、門型のフレームを組み付ける構成に比べて、装置を容易に移設することができるので、汎用性の高いものとなる。
【0023】
加えて、上記構成の作業補助装置では、伸縮駆動機構を揺動駆動機構の占有空間内に配置することができる。このため、上記構成によれば、操作部材のXYZ方向への移動を担う部分(揺動駆動機構および伸縮駆動機構)の占有スペースを小さくすることが可能になり、作業補助装置全体のコンパクト化を図るうえで好適である。
【0024】
本発明の第4の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記伸縮駆動機構の上記一端部が連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定距離隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の固定アームと、各固定アームを一辺とし、各固定アームの両端に対して回動可能に連結される各2つの長手方向に伸縮可能な揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各固定アームと平行かつ同長の可動アームと、からなる一対の平行四辺形リンクと、上記一対の平行四辺形リンクの各可動アームが連結され、各可動アーム間の距離を上記一対の固定アーム間距離と同等に保持するとともに上記伸縮駆動機構の上記他端部が連結される可動部材と、を備え、上記ベース部材と上記伸縮駆動機構の上記一端部、および上記可動部材と上記伸縮駆動機構の上記他端部は、それぞれ、相対揺動可能に連結されているとともに、上記一対の平行四辺形リンクが上記パンタグラフ機構を構成する。
【0025】
このような構成によれば、操作部材の水平方向への移動を担うパンタグラフ機構としては、連動するように構成された一対の平行四辺形リンクが主要な構成要素となっている。すなわち、パンタグラフ機構においては、X軸方向に沿って延びる固定アームに対して、一対の平行四辺形リンクを構成するすべての揺動アームが可動部材を介してX軸に沿って同調して揺動することにより、固定アームと平行をなす可動アームおよびこの可動アームに対して両端部が連結された可動部材は水平姿勢を維持したままX軸に沿って揺動する。一方、パンタグラフ機構と支持ベースとは、Z軸回りに相対回転可能に接続されていることから、可動部材は水平姿勢を維持したままZ軸回りに回転する。したがって、ベース部材に対する可動部材の動作に着目すると、可動部材は、パンタグラフ機構によって生じるベース部材を中心としてX軸に沿う回動動作と、支持ベースに対するパンタグラフ機構の相対回転によって生じるベース部材を通るZ軸回りの回転動作とが合成されて、水平姿勢を維持したまま、ベース部材を中心とする球面上に沿って移動することとなる。このように、連動する一対の平行四辺形リンクを含む独自の構成を採用することにより、揺動駆動機構の先端部として機能する可動部材に接続される操作部材についても、平行四辺形リンクを構成する揺動アームを揺動させるといった簡単な動作により、XY方向における所望の位置に配置することができる。
【0026】
本発明の第3または第4の側面における好ましい実施の形態においては、上記ベース部材と上記伸縮駆動機構の上記一端部、および上記可動部材と上記伸縮駆動機構の上記他端部は、それぞれ、ボールジョイントを介して連結されている。
【0027】
このような構成によれば、上記ベース部材ないし上記可動部材と上記伸縮駆動機構との相対揺動可能な連結状態は、簡易な構造によって達成される。
【0028】
本発明の第1または第3の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記第1および第2のパンタグラフ機構を個別に駆動するための第1および第2の駆動源を備え、上記第1のパンタグラフ機構は、上記第1の駆動源からの駆動力によって上記揺動アームの1つがその一端の連結部を支軸としてこの支軸回りに回動させられるように構成されているとともに、上記第2のパンタグラフ機構は、上記第2の駆動源からの駆動力によって上記揺動軸の1つの両端に連結された揺動アームがこの揺動軸回りに回動させられるように構成されている。
【0029】
このような構成によれば、構造の簡略化を図りつつ、第1および第2のパンタグラフ機構を適正に作動させることができる。
【0030】
本発明の第1または第3の側面における好ましい実施の形態においては、上記第1の駆動源から上記第1のパンタグラフ機構への駆動力の伝達は、上記支軸に一体的に設けられたプーリ、およびこのプーリに掛け回されたベルトを介して行われる。
【0031】
このような構成によれば、第2のパンタグラフ機構の作動によって一対の平行四辺形リンク全体が鉛直方向に対して傾斜し、これにともない支軸が水平方向に対して傾斜する場合においても、支軸に設けられたプーリに掛け回されたベルトが撓むことにより上記傾斜を吸収することができる。すなわち、このように支軸が傾斜する場合でも、第1の駆動源から支軸への駆動力の伝達がベルトを介して適正になされる。
【0032】
本発明の第2または第4の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記パンタグラフ機構を駆動するための駆動源を備え、上記パンタグラフ機構は、上記駆動源からの駆動力によって上記揺動アームの1つがその一端の連結部を支軸としてこの支軸回りに回動させられるように構成されている。
【0033】
このような構成によれば、構造の簡略化を図りつつ、パンタグラフ機構を適正に作動させることができる。
【0034】
好ましい実施の形態においては、上記操作部材は、上記揺動駆動機構の上記先端部に接続される結合部と、作業対象物を保持するための保持部とを備え、上記保持部は、上記結合部に対して捻転可能に連結されている。この場合、上記保持部は、上記結合部に対してZ軸回りおよびXY平面内の任意の軸回りに回転動可能に連結されているのが好ましい。
【0035】
このような構成によれば、作業者が手元で操作部材の保持部の姿勢を適宜変更することができる。かかる構成は、本来作業者が持つべき作業対象物として溶接トーチや塗装スプレーガンなど姿勢変更が必要なものを操作部材に支持させる場合において、好適である。
【0036】
本発明の第1または第3の側面における好ましい実施の形態においては、上記Z軸駆動機構は、Z軸方向の一端寄りに設けられたボールねじ機構と、Z軸方向の他端寄りに設けられ、上記ボールねじ機構を駆動するための駆動モータとを備える。
【0037】
本発明の第2または第4の側面における好ましい実施の形態においては、上記伸縮駆動機構は、伸縮方向の一端寄りに設けられたボールねじ機構と、伸縮方向の他端寄りに設けられ、上記ボールねじ機構を駆動するための駆動モータとを備える。
【0038】
本発明の第1または第3の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記各2つの揺動アームの中央部に対して両端が回動可能に連結される中間アームと、各中間アームが回動可能に連結され、各中間アーム間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持する中間部材とをさらに備える。
【0039】
本発明の第2または第4の側面における好ましい実施の形態においては、上記揺動駆動機構は、上記各2つの揺動アームの中央部に対して両端が回動可能に連結される中間アームと、各中間アームが連結され、各中間アーム間の距離を上記一対の固定アーム間距離と同等に保持する中間部材とをさらに備える。
【0040】
このような構成によれば、一対の平行四辺形リンクが不当にねじれるといった不都合は防止され、パンタグラフ機構を適切に作動させるうえで好適である。
【0041】
本発明の第5の側面によって提供される複合パンタグラフ機構は、ベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定間隔隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の揺動軸と、各揺動軸を一辺とし、各揺動軸の両端に対して回動可能に連結される各2つの同長の揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各揺動軸と平行かつ同長の可動軸と、からなる一対の平行四辺形リンクと、上記一対の平行四辺形リンクの各可動軸が回動可能に連結され、各可動軸間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持する可動部材と、を備え、上記一対の平行四辺形リンクによって構成され、上記ベース部材に対して上記可動部材がX軸に沿って揺動可能な第1のパンタグラフ機構と、上記ベース部材と上記一対の平行四辺形リンクと上記可動部材とによって構成され、上記ベース部材に対して上記可動部材がY軸に沿って揺動可能な第2のパンタグラフ機構とを有することを特徴としている。このような構成の複合パンタグラフ機構は、本発明の第1または第3の側面の作業補助装置における複合パンタグラフ機構の機能をともに担うことができる。
【0042】
本発明のその他の特徴および利点は、図面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明に係る作業補助装置の好ましい実施形態につき、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0044】
図1ないし図4は、本発明の第1の実施形態に係る作業補助装置を表す。図1に表れているように、第1の実施形態に係る作業補助装置A1は、支持ベース1と、この支持ベース1に接続されたZ軸駆動機構2と、このZ軸駆動機構2に接続された揺動駆動機構3と、この揺動駆動機構3に接続された操作部材4と、操作力検出手段としてのフォースセンサ5と、制御手段としてのコントローラ(図示略)とを備え、作業対象物の重量を支えるとともに作業者の操作力に基づいて移動方向への駆動支援を行って、当該作業者を補助する機能を有するものである。本実施形態の作業補助装置A1は、溶接作業の補助に用いるのに適した例を示し、作業対象物としては、たとえば、溶接トーチおよびこの溶接トーチにつながる電気やガス供給用のケーブルが挙げられる。なお、以下の説明においては、水平方向のうち互いに直交する2方向をX軸およびY軸として規定し、鉛直方向をZ軸として規定している。
【0045】
支持ベース1は、建物の壁面等に固定する部分であり、本実施形態では、天井面に固定して作業補助装置A1の他の要素を吊り下げ可能に構成されている。
【0046】
図2に示すように、Z軸駆動機構2は、ボールねじ機構を組み込んだテレスコピックパイプによって構成されており、その全長が所定の範囲内でZ軸方向に伸縮可能とされている。具体的には、上記テレスコピックパイプは、支持ベース1に接続された外管21と、この外管21に内挿された内管22とからなり、外管21の内側上端にはモータ23が固定されている。内管22の外周および外管21の内周には、それぞれ、軸方向に沿うキー溝22a,21aが形成されており、これらのキー溝22a,21aの双方に跨るキー24が装着されている。キー24は、キー溝22aに対して嵌合固定されているとともに、キー溝に21a対して遊嵌されている。これにより、内管22は、外管21に対して、相対回転不能であるとともに軸方向に相対移動可能である。上記ボールねじ機構は、モータ23の出力軸に連結されるとともに鉛直方向に配置されて回転する雄ねじ軸25と、内管22の内周に固定されたナット部材26とからなる。雄ねじ軸25は、モータ23の駆動により正逆方向に回転させられ、このようにして雄ねじ軸25を回転させることにより、内管22が昇降させられる。
【0047】
図3によく表れているように、揺動駆動機構3は、全体として鉛直方向に延びる形態を呈し、その基端部(図中上端部)に対して先端部(図中下端部)をX軸およびY軸に沿って揺動させるためのものである。揺動駆動機構3は、ベース部材31と、可動部材32と、中間部材33と、これらの部材31,32,33に支持された一対の平行四辺形リンク34とを備える。ベース部材31は、X軸方向およびY軸方向において所定の寸法を有する矩形状の平板部311と、この平板部311のY軸方向の両端においてX軸方向に沿って固定された一対の円筒部312とを有する。ベース部材31はまた、本発明でいう基端部に相当し、内管22の下端部に連結されている。可動部材32および中間部材33は、ベース部材31と同様の構成とされており、それぞれ、平板部321,331および一対の円筒部322,332を有する。
【0048】
各平行四辺形リンク34は、X軸方向に延びる揺動軸341と、2つの揺動アーム342と、可動軸343と、中間アーム344とを有する。揺動軸341は、ベース部材31の円筒部312に内挿されるとともに、少なくとも当該内挿された部分が円柱状とされており、当該円筒部312に対して、X軸方向への移動不能かつX軸回りに回動可能とされている。2つの揺動アーム342は、同長とされており、揺動軸341の両端に対して、それぞれの一端がX軸に沿って回動可能に連結されている。可動軸343は、2つの揺動アーム342の他端に対して、両端が回動可能に連結されている。可動軸343はまた、可動部材32の円筒部322に内挿されるとともに、少なくとも当該内挿された部分が円柱状とされており、当該円筒部322に対して、X軸方向への移動不能かつX軸回りに回動可能とされている。中間アーム344は、2つの揺動アーム342の中央部に対して、両端が回動可能に連結されている。中間アーム344はまた、中間部材33の円筒部332に内挿されるとともに、少なくとも当該内挿された部分が円柱状とされており、当該円筒部332に対して、X軸方向への移動不能かつX軸回りに回動可能とされている。
【0049】
揺動軸341および揺動アーム342(図3における手前左側)の連結部には、駆動軸345が挿通されており、駆動軸345の一端には、プーリ346が一体的に設けられている。図4に示すように、揺動アーム342の連結部の内周には、回動軸方向に沿うキー溝342aが形成されているとともに、駆動軸345の外周には軸方向に沿うキー溝345aが形成されており、これらのキー溝342a,345aの双方に嵌合するキー347が装着されている。また、揺動軸341と駆動軸345の間にはベアリング348が介装されている。これにより、駆動軸345と揺動アーム342とは相対回転不能である一方、駆動軸345と揺動軸341とは相対回転可能である。
【0050】
図3における奥側の平行四辺形リンク34を構成する揺動軸341の右端寄りの部位には、プーリ349が一体的に設けられている。
【0051】
そして、上記構成の一対の平行四辺形リンク34によって第1のパンタグラフ機構が構成されている。この第1のパンタグラフ機構は、駆動軸345が回転させられると、図3における手前左側の揺動アーム342がX軸に沿って駆動軸345回りに回動し、また、一対の平行四辺形リンク34がベース部材31、可動部材32、および中間部材33を介してつながっていることにより、上記駆動軸345の回動動作にともなって、すべての揺動アーム342が同調してX軸に沿って揺動することになる。このような一対の平行四辺形リンク34の動作により、可動部材32は、水平姿勢を維持したまま、X軸に沿って揺動する。ここで、可動部材32の揺動動作における軌跡は、可動部材32の中心がベース部材31の中心回りの円弧上をたどることになる。
【0052】
また、上記構成のベース部材31、可動部材32、中間部材33、および一対の平行四辺形リンク34によって第2のパンタグラフ機構が構成されている。この第2のパンタグラフ機構は、図3における奥側の揺動軸341が回動させられると、この揺動軸341の両端に連結された揺動アーム342は、揺動軸341回りに回動し、また、一対の平行四辺形リンク34がベース部材31、可動部材32、および中間部材33を介してつながっていることにより、上記揺動アーム342の回動動作にともなって、すべての揺動アーム342が同調してY軸に沿って揺動することになる。このような一対の平行四辺形リンク34の動作により、可動部材32は、水平姿勢を維持したまま、Y軸に沿って揺動する。ここで、可動部材32の揺動動作における軌跡は、可動部材32の中心がベース部材31の中心回りの円弧上をたどることになる。
【0053】
ベース部材31には、第1のパンタグラフ機構と第2のパンタグラフ機構とを個別に駆動させるためのモータ35,36が設けられている。モータ35の出力軸には、プーリ351が設けられており、このプーリ351と駆動軸345のプーリ346との間にベルト37が掛け回されている。また、モータ36の出力軸には、プーリ361が設けられており、このプーリ361と揺動軸341のプーリ349との間にベルト38が掛け回されている。なお、モータ35およびモータ36は、本発明でいう第1の駆動源および第2の駆動源の一例に相当する。
【0054】
操作部材4は、作業者が把持して任意のXYZ方向に操作するためのものであり、揺動駆動機構3の可動部材32に連結されている。
【0055】
操作部材4は、図1に表れているように、揺動駆動機構3の可動部材32に接続される結合部41と、作業対象物を保持するための保持部42と、結合部41および保持部42をつなぐジョイント部43とを備える。ジョイント部43は結合部41に対して図示しないベアリングなどを介して相対回転可能に連結され、保持部42は、ジョイント部43に対して水平方向軸回りに回動可能に連結されている。保持部42はまた、作業者が直接把持するためのハンドルとして機能する部分でもある。これにより、保持部42は、結合部41に対して、ジョイント部43を介してZ軸回りおよびXY平面内の任意の軸回りに回転動可能に連結されている。なお、結合部41と保持部42とは、たとえばユニバーサルジョイントなどを介して捻転可能に連結することもできる。
【0056】
本実施形態において、保持部42には、たとえば作業対象物としての溶接トーチSがねじ手段などによって取り付けられている。なお、操作部材4の具体的構成は、操作部材4で保持する作業対象物が異なれば、それに応じて適宜変更することができ、たとえば保持部42としては、開閉動可能な一対の挟み片によって作業対象物を挟持する構成を採用してもよい。
【0057】
フォースセンサ5は、たとえば、XYZ軸の3軸方向に加えられた操作力の大きさを個別に検出することが可能な力覚センサによって構成されている。このフォースセンサ5は、たとえば操作部材4の結合部41に内蔵されており、操作部材4のXYZ軸方向の操作力を個別に検出することが可能となっている。
【0058】
上記コントローラは、Z軸駆動機構2および揺動駆動機構3の駆動を制御するためのものであり、具体的には、フォースセンサ5からの検出信号(操作力検出情報)に基づき、操作部材4の操作方向への移動を支援するように、Z軸駆動機構2のモータ23、および揺動駆動機構3のモータ35,36へ供給される駆動電力を制御する。
【0059】
上記コントローラによるモータ23、およびモータ35,36の駆動制御は、たとえば、図5を参照して以下のような手順によって行うことができる。まず、揺動駆動機構3のベース部材31の中心を基準点P1、可動部材32の中心を基準点P2として設定する。操作部材4に操作力が加わると、フォースセンサ5によって操作力が検出され、当該フォースセンサ5からの検出信号に基づいて所定の演算を実行することにより、単位時間経過後において、基準点P1が到達するべき位置を原点Oと規定するとともに、基準点P2が到達するべき座標C(x,y,z)を決定する。座標Cが決定すると、可動部材32のX軸方向に沿った揺動角度θ(XZ平面内での振れ角度)については、tanθ=x/zが成立することから、θ=tan-1(x/z)で表すことができる。可動部材32のY軸方向に沿った揺動角度φ(XY平面内での振れ角度)については、tanφ=y/zが成立することから、φ=tan-1(y/z)で表すことができる。また、原点Oと座標Cとの間の距離をLとすると、この距離Lは、ベース部材31の中心と可動部材32の中心との間の距離に相当するので、常に一定である。したがって、座標CのZ座標(z)については、距離L、X座標(x)、およびY座標(y)を用いると、z=(L2−x2−y2)1/2で表すことができる。このzを上記のθ、φについての関係式に代入すると、θ=tan-1{x/(L2−x2−y2)1/2}、φ=tan-1{y/(L2−x2−y2)1/2}により算出することができる。
【0060】
一方、ベース部材31のZ軸に沿った移動量ζについては、移動前(図5において仮想線で表す)の基準点P1のZ座標と移動後の基準点P2のZ座標との差をz0とすると、z0=z+ζが成立することから、zに関してL、x、およびyで表した上記関係式を代入して整理し、ζ=z0−(L2−x2−y2)1/2により算出することができる。このように可動部材32の揺動角度θ、φ、およびベース部材31の移動量ζが決定すれば、これらの値に基づいて、対応するモータ35,36,23の出力軸を、それぞれ、所定の角速度で回転駆動させる。
【0061】
このような制御を単位時間経過ごとに実行することにより、可動部材32は、操作部材4に加えられる操作力に応じた位置に移動させられる。そして、操作部材4は可動部材32の直下に連結されているため、上記コントローラによるモータ23,35,36の駆動制御によって、操作部材4の操作方向への移動が適切に支援される。
【0062】
次に、上記構成の作業補助装置A1の作用について説明する。
【0063】
作業補助装置A1を使用して溶接作業を行う際には、溶接トーチSやこれにつながるケーブル類の重量が操作部材4によって支えられた状態のまま当該操作部材4に操作力を与えると、Z軸駆動機構2および揺動駆動機構3が作動し、操作部材4が適所に移動させられる。このため、作業者においては、溶接トーチSやケーブル類といった作業対象物を保持する必要がなくなり、また、当該作業対象物の操作方向への移動が支援されることとなって、溶接作業における労働負担が軽減される。
【0064】
作業補助装置A1においては、操作部材4の水平方向への移動を担う揺動駆動機構3は、X軸およびY軸に沿って揺動可能な複合パンタグラフ機構(第1および第2のパンタグラフ駆動機構)を採用している。このように複合パンタグラフ機構によって構成された揺動駆動機構3によれば、操作部材4の水平方向への移動について、XYテーブル機構を採用する従来の構成に比べて門型のフレームを構成する必要がなく、作業補助装置A1全体の構造の簡略化を図ることができる。また、上記構成の作業補助装置A1は、門型のフレームを組み付ける従来の構成に比べて容易に移設することが可能であり、汎用性の高いものとなる。
【0065】
また、揺動駆動機構3の第1のパンタグラフ機構においては、X軸方向に沿って延びる揺動軸341に対して、一対の平行四辺形リンク34を構成するすべての揺動アーム342が可動部材32を介してX軸に沿って同調して揺動することにより、揺動軸341と平行をなす可動軸343およびこの可動軸343に対して両端部が回動可能に連結された可動部材32は水平姿勢を保持したままX軸に沿って揺動する。一方、第2のパンタグラフ機構においては、すべての揺動アーム342が揺動軸341回りに回動することにより、可動部材32は水平姿勢を維持したままY軸に沿って揺動する。したがって、ベース部材31に対する可動部材32の動作に着目すると、可動部材32は、第1のパンタグラフ機構によって生じるベース部材31を中心としてX軸に沿う回動動作と、第2のパンタグラフ機構によって生じるベース部材31を中心としてY軸に沿う回動動作とが合成されて、水平姿勢を維持したまま、ベース部材31を中心とする球面上に沿って移動することとなる。このような第1および第2のパンタグラフ機構からなる複合パンタグラフ機構によれば、可動部材32をXY方向の所望の位置に配置することができる。このように、連動する一対の平行四辺形リンク34を含む独自の構成を採用することにより、揺動駆動機構3の可動部材32に接続される操作部材4についても、平行四辺形リンク34を構成する揺動アーム342を揺動させるといった簡単な動作により、XY方向の所望の位置に配置することができる。
【0066】
加えて、揺動駆動機構3において、上記第1のパンタグラフ機構は、モータ35からの駆動力によって1つの揺動アーム342がその一端の連結部に挿通された駆動軸345回りに回動させられる一方、上記第2のパンタグラフ機構は、モータ36からの駆動力によって1つの揺動軸341の両端に連結された揺動アーム342がこの揺動軸341回りに回動させられる。このような構成によれば、第1および第2のパンタグラフ機構のいずれにおいても、1つの回転軸の回転によって当該第1および第2のパンタグラフ機構を適正に作動させることが可能であり、揺動駆動機構3の構造の簡略化を図ることができる。
【0067】
また、揺動駆動機構3においては、モータ35から上記第1のパンタグラフ機構への駆動力の伝達は、駆動軸345に一体的に設けられたプーリ346、およびこのプーリ346に掛け回されたベルト37を介して行われる。この構成によれば、上記第2のパンタグラフ機構の作動によって一対の平行四辺形リンク34全体が鉛直方向に対して傾斜し、これにともない駆動軸345が水平方向に対して傾斜する場合においても、駆動軸345に設けられたプーリ346に掛け回されたベルト37が撓むことにより上記傾斜を吸収することができる。すなわち、このように駆動軸345が傾斜する場合でも、モータ35から駆動軸345への駆動力の伝達がベルト37を介して適正になされる。
【0068】
揺動駆動機構3を構成する一対の平行四辺形リンク34においては、各2つの揺動アーム342の中央部をつなぐ中間アーム344と、これら中間アーム344が回動可能に連結された中間部材33とを備えるため、一対の平行四辺形リンク34が不当にねじれるといった不都合は防止される。かかる構成は、上記第1および第2のパンタグラフ機構を適切に作動させるうえで好適である。
【0069】
また、操作部材4においては、揺動駆動機構3に接続される結合部41と、作業対象物を保持するための保持部42とが、相対的に捻転可能とされているため、作業者が手元で操作部材4の保持部42の姿勢を適宜変更することができる。かかる構成は、本来作業者が持つべき作業対象物として溶接トーチSなどの姿勢変更が必要なものを操作部材4に支持させる場合に好適である。
【0070】
図6および図7は、本発明の第2の実施形態に係る作業補助装置を表す。第2の実施形態に係る作業補助装置A2は、主に揺動駆動機構3’の構成が上述した第1の実施形態と異なっており、その他の構成は第1の実施形態と同様である。なお、図6以降の図面においては、上記第1の実施形態と同一または類似の要素には、同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0071】
図6は、作業補助装置A2の概略構成を示す斜視図であり、図7は、揺動駆動機構3’を示す斜視図である。本実施形態においては、揺動駆動機構3’はX軸に沿ってのみ揺動可能に構成されるとともに、Z軸駆動機構2と揺動駆動機構3’とは、図示しないベアリングを介してZ軸回りに相対回転可能に接続されている。具体的には、揺動駆動機構3’を構成する一対の平行四辺形リンク34’においては、固定アーム341’、可動アーム343’、および中間アーム344’は、それぞれ、ベース部材31、可動部材32、および中間部材33に対して固定状態で連結されている。すなわち、固定アーム341’、可動アーム343’、および中間アーム344’は、それぞれ第1の実施形態における揺動軸341、可動軸343、および中間アーム344に対応する部材であるが、これらの部材341’、343’、344’は、ベース部材31、可動部材32、および中間部材33のそれぞれの筒部312’、322’、332’に対して、相対移動不能かつ相対回転不能に内挿されている。このため、一対の平行四辺形リンク34’は、X軸に沿ってのみ揺動する。
【0072】
揺動駆動機構3’においては、一対の平行四辺形リンク34’が同調してX軸に沿ってのみ揺動する機構を備える一方、Y軸に沿って揺動する機構を備えていない。すなわち、揺動機動機構3’は、上記第1の実施形態におけるモータ36およびこのモータ36の駆動力の伝達機構を備えていない。このような構成は、上記第1の実施形態に比べて、揺動駆動機構3’の構造の簡略化を図るうえで有利である。
【0073】
このような構成の作業補助装置A2においては、操作部材4の水平方向への移動を担う揺動駆動機構3’は、X軸に沿って揺動可能なパンタグラフ機構が採用されている。また、この揺動駆動機構3’とZ軸駆動機構2とは、Z軸回りに相対回転可能とされている。これにより、揺動駆動機構3’の先端部に接続された操作部材4をXY方向における所望の位置に配置することができる。なお、本実施形態でいうX軸とは、Z軸駆動機構2と揺動駆動機構3’とが相対回転しない場合における水平面内の一方向を規定するものであり、実際には、Z軸駆動機構2と揺動駆動機構3’とが相対回転すると、当該回転にともなって一対の平行四辺形リンク34’の揺動方向は変化する。
【0074】
図8および図9は、本発明の第3の実施形態に係る作業補助装置を表す。第3の実施形態に係る作業補助装置A3は、上述の第1の実施形態に比べて、Z軸駆動機構2に代えて伸縮駆動機構2”を具備するとともに、揺動駆動機構3”の構成が異なっている。
【0075】
作業補助装置A3においては、伸縮駆動機構2”および揺動駆動機構3”は並列的に配置されており、かかる点において、上述の第1の実施形態のようなZ軸駆動機機構2および揺動駆動機構3が直列的に配置された構成とは大きく相違する。
【0076】
具体的には、図9に表れているように、揺動駆動機構3”を構成する一対の平行四辺形リンク34”においては、揺動アーム342”がテレスコピックパイプによって構成され、長手方向に伸縮可能とされている。
【0077】
伸縮駆動機構2”は、ボールねじ機構を組み込んだテレスコピックパイプを備えて長手方向に伸縮可能に構成されており、基本的構成において上述の第1の実施形態のZ軸駆動機構2と同様である。その一方、伸縮駆動機構2”は、揺動駆動機構3”の中間部材33に形成された貫通孔331aに対して所定の隙間を有するように挿通されるとともに、外管21の上端部がボールジョイント27を介してベース部材31の中央部に連結され、また、内管22の下端部がボールジョイント28を介して可動部材32の中央部に連結されている。これにより、ベース部材31と外管21、および可動部材32と内管22は、それぞれ、相対揺動可能となっている。
【0078】
このような構成の作業補助装置A3においては、伸縮駆動機構2”および揺動駆動機構3”が並列的に配置されるとともに、伸縮駆動機構2”は、実質的に揺動駆動機構3”が占有する空間内に配置されている。このため、これらの機構2”,3”について、長手方向の全長寸法を小さくするとともに、その占有スペースをも小さくすることができる。かかる構成は、作業補助装置A3全体のコンパクト化を図るうえで有利である。
【0079】
作業補助装置A3の稼動時には、揺動駆動機構3”の作動により、可動部材32がXY方向における所望の位置に配置させられる。それと同時に、伸縮駆動機構2”において、揺動駆動機構3”の可動部材32の変位に追従しつつ伸縮動作を行うことにより、ベース部材31と可動部材32との間の距離を所望に変化させることができる。これにより、可動部材32に接続された操作部材4は、XYZ方向の所望の位置に配置される。
【0080】
図10および図11は、本発明の第4の実施形態に係る作業補助装置を表す。第4の実施形態に係る作業補助装置A4は、上述の第2の実施形態に比べて、Z軸駆動機構2に代えて伸縮駆動機構2”を具備するとともに、これにともなって揺動駆動機構3Aの構成が適宜変更されている。
【0081】
伸縮駆動機構2”は、ボールねじ機構を組み込んだテレスコピックパイプを備えて長手方向に伸縮可能に構成されており、上述の第3の実施形態の伸縮駆動機構2”と同様の構成を有する。また、伸縮駆動機構2”および揺動駆動機構3Aの連結構造は、第3の実施形態における伸縮駆動機構2”および揺動駆動機構3’の連結構造と同様である。
【0082】
揺動駆動機構3Aは、X軸に沿ってのみ揺動可能なパンタグラフ機構を有する構成とされており、基本的構成において第2の実施形態の揺動駆動機構3’と同様である。その一方、揺動駆動機構3Aを構成する一対の平行四辺形リンク34Aにおいては、第3の実施形態と同様に、揺動アーム342”がテレスコピックパイプによって構成され、長手方向に伸縮可能となっている。中間部材33の平板部331には、伸縮駆動機構2”を挿通させるための貫通孔331aが形成されている。また、揺動駆動機構3Aの基端部と支持ベース1とは、図示しないベアリングによってZ軸回りに相対回転可能に接続されている。
【0083】
このような構成の作業補助装置A4においては、伸縮駆動機構2”および揺動駆動機構3Aが並列的に配置されるとともに、伸縮駆動機構2”は、実質的に揺動駆動機構3Aが占有する空間内に配置されている。このため、これらの機構2”,3Aについて、長手方向の全長寸法を小さくするとともに、その占有スペースをも小さくすることができる。かかる構成は、作業補助装置A4全体のコンパクト化を図るうえで有利である。
【0084】
作業補助装置A4の稼動時には、揺動駆動機構3Aの作動により可動部材32がX軸に沿って揺動させられ、また、揺動駆動機構3Aが支持ベース1に対してZ軸回りに回転させられることにより、可動部材32がXY方向における所望の位置に配置させられる。それと同時に、伸縮駆動機構2”において、揺動駆動機構3Aの可動部材32の変位に追従しつつ伸縮動作を行うことにより、ベース部材31と可動部材32との間の距離を所望に変化させることができる。これにより、可動部材32に接続された操作部材4は、XYZ方向の所望の位置に配置される。なお、本実施形態でいうX軸とは、揺動駆動機構3Aが支持ベース1に対して回転しない場合における水平面内の一方向を規定するものであり、実際には、揺動駆動機構3Aが支持ベース1に対して回転すると、当該回転にともなって一対の平行四辺形リンク34Aの揺動方向は変化する。
【0085】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は上記した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る作業補助装置の各部の具体的な構成は、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。
【0086】
上記実施形態では、本発明に係る作業補助装置を用いて操作力を支援するための作業対象物として溶接トーチを例に挙げたが、当該作業対象物として電動ドリルや塗装スプレーガンなど他のものを適用してもよい。また、本発明に係る作業補助装置の用途としては、労働作業の補助に限定されるものではなく、たとえば、負傷者、要介護者、筋力低下者などの介護支援装置として、食事、筆記、軽作業の補助などに利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る作業補助装置の概略構成を示す全体斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る作業補助装置におけるZ軸駆動機構の構造を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る作業補助装置における揺動駆動機構を示す斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】Z軸駆動機構および揺動駆動機構の制御手順の一例を説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る作業補助装置の概略構成を示す全体斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る作業補助装置における揺動駆動機構を示す斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る作業補助装置の概略構成を示す全体斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る作業補助装置における、伸縮駆動機構および揺動駆動機構を示す斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る作業補助装置の概略構成を示す全体斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る作業補助装置における、伸縮駆動機構および揺動駆動機構を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0088】
A1,A2,A3,A4 作業補助装置
1 支持ベース
2,2’ Z軸駆動機構
2” 伸縮駆動機構
23 モータ(駆動モータ)
3,3’,3”,3A 揺動駆動機構
4 操作部材
5 フォースセンサ(操作力検出手段)
31 ベース部材
32 可動部材
34,34’,34”,34A 平行四辺形リンク
35 モータ(第1の駆動源、駆動源)
36 モータ(第2の駆動源)
341 揺動軸
341’ 固定アーム
342,342” 揺動アーム
343 可動軸
343’ 可動アーム
345 駆動軸(支軸)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持ベースと、
この支持ベースに対してZ軸方向に伸縮可能なZ軸駆動機構と、
このZ軸駆動機構の伸縮端部に対して基端部が接続され、この基端部に対して先端部がX軸方向およびY軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、
この揺動駆動機構の先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、
この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXYZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、
上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記Z軸駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、
上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能な第1のパンタグラフ機構と、上記基端部に対して上記先端部がY軸に沿って揺動可能な第2のパンタグラフ機構との複合パンタグラフ機構によって構成されていることを特徴とする、作業補助装置。
【請求項2】
上記揺動駆動機構は、上記Z軸駆動機構の上記伸縮端部に連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定間隔隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の揺動軸と、各揺動軸を一辺とし、各揺動軸の両端に対して回動可能に連結される各2つの同長の揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各揺動軸と平行かつ同長の可動軸と、からなる一対の平行四辺形リンクと、
上記一対の平行四辺形リンクの各可動軸が回動可能に連結され、各可動軸間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持する可動部材と、を備え、
上記一対の平行四辺形リンクが上記第1のパンタグラフ機構を構成し、上記ベース部材と上記一対の平行四辺形リンクと上記可動部材とが上記第2のパンタグラフ機構を構成する、請求項1に記載の作業補助装置。
【請求項3】
支持ベースと、
この支持ベースに対してZ軸方向に伸縮可能なZ軸駆動機構と、
このZ軸駆動機構の伸縮端部に対して基端部が接続され、この基端部に対して先端部がX軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、
この揺動駆動機構の先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、
この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、
上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記Z軸駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、
上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能なパンタグラフ機構によって構成されており、
上記Z軸駆動機構と上記揺動駆動機構とは、Z軸回りに相対回転可能とされていることを特徴とする、作業補助装置。
【請求項4】
上記揺動駆動機構は、上記Z軸駆動機構の上記伸縮端部に連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定間隔隔てられ同長でX軸方向に延びるように固定された一対の固定アームと、各固定アームを一辺とし、各固定アームの両端に対して回動可能に連結される各2つの同長の揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各固定アームと平行かつ同長の可動アームと、からなる一対の平行四辺形リンクと、
上記一対の平行四辺形リンクの各可動アームが連結され、各可動アーム間の距離を上記一対の固定アーム間距離と同等に保持する可動部材と、を備え、
上記一対の平行四辺形リンクが上記パンタグラフ機構を構成する、請求項3に記載の作業補助装置。
【請求項5】
基端部に対して先端部がX軸方向およびY軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、
この揺動駆動機構の基端部と先端部との間の距離を伸縮させるための伸縮駆動機構と、
上記揺動駆動機構の上記先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、
この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXYZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、
上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記伸縮駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、
上記伸縮駆動機構は、一端部が上記揺動駆動機構の上記基端部に接続される一方、他端部が上記揺動駆動機構の上記先端部に接続されており、
上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能な第1のパンタグラフ機構と、上記基端部に対して上記先端部がY軸に沿って揺動可能な第2のパンタグラフ機構との複合パンタグラフ機構によって構成されているとともに、
上記複合パンタグラフ機構は、上記基端部と上記先端部との間の距離が伸縮可能に構成されていることを特徴とする、作業補助装置。
【請求項6】
上記揺動駆動機構は、上記伸縮駆動機構の上記一端部が連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定距離隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の揺動軸と、各揺動軸を一辺とし、各揺動軸の両端に対して回動可能に連結される各2つの長手方向に伸縮可能な揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各揺動軸と平行かつ同長の可動軸と、からなる一対の平行四辺形リンクと、
上記一対の平行四辺形リンクの各可動軸が回動可能に連結され、各可動軸間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持するとともに上記伸縮駆動機構の上記他端部が連結される可動部材と、を備え、
上記ベース部材と上記伸縮駆動機構の上記一端部、および上記可動部材と上記伸縮駆動機構の上記他端部は、それぞれ、相対揺動可能に連結されているとともに、
上記一対の平行四辺形リンクが上記第1のパンタグラフ機構を構成し、上記ベース部材と上記一対の平行四辺形リンクと上記可動部材とが上記第2のパンタグラフ機構を構成する、請求項5に記載の作業補助装置。
【請求項7】
支持ベースと、
この支持ベースに対して基端部が接続され、この基端部に対して先端部がX軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、
この揺動駆動機構の基端部と先端部との間の距離を伸縮させるための伸縮駆動機構と、
上記揺動駆動機構の上記先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、
この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、
上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記伸縮駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、
上記伸縮駆動機構は、一端部が上記揺動駆動機構の上記基端部に接続される一方、他端部が上記揺動駆動機構の上記先端部に接続されており、
上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能なパンタグラフ機構によって構成されているとともに、このパンタグラフ機構は、上記基端部と上記先端部との間の距離が伸縮可能に構成されており、
上記支持ベースと上記基端部とは、Z軸回りに相対回転可能とされていることを特徴とする、作業補助装置。
【請求項8】
上記揺動駆動機構は、上記伸縮駆動機構の上記一端部が連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定距離隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の固定アームと、各固定アームを一辺とし、各固定アームの両端に対して回動可能に連結される各2つの長手方向に伸縮可能な揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各固定アームと平行かつ同長の可動アームと、からなる一対の平行四辺形リンクと、
上記一対の平行四辺形リンクの各可動アームが連結され、各可動アーム間の距離を上記一対の固定アーム間距離と同等に保持するとともに上記伸縮駆動機構の上記他端部が連結される可動部材と、を備え、
上記ベース部材と上記伸縮駆動機構の上記一端部、および上記可動部材と上記伸縮駆動機構の上記他端部は、それぞれ、相対揺動可能に連結されているとともに、
上記一対の平行四辺形リンクが上記パンタグラフ機構を構成する、請求項7に記載の作業補助装置。
【請求項9】
上記ベース部材と上記伸縮駆動機構の上記一端部、および上記可動部材と上記伸縮駆動機構の上記他端部は、それぞれ、ボールジョイントを介して連結されている、請求項6または8に記載の作業補助装置。
【請求項10】
上記揺動駆動機構は、上記第1および第2のパンタグラフ機構を個別に駆動するための第1および第2の駆動源を備え、
上記第1のパンタグラフ機構は、上記第1の駆動源からの駆動力によって上記揺動アームの1つがその一端の連結部を支軸としてこの支軸回りに回動させられるように構成されているとともに、
上記第2のパンタグラフ機構は、上記第2の駆動源からの駆動力によって上記揺動軸の1つの両端に連結された揺動アームがこの揺動軸回りに回動させられるように構成されている、請求項2または6に記載の作業補助装置。
【請求項11】
上記第1の駆動源から上記第1のパンタグラフ機構への駆動力の伝達は、上記支軸に一体的に設けられたプーリ、およびこのプーリに掛け回されたベルトを介して行われる、請求項10に記載の作業補助装置。
【請求項12】
上記揺動駆動機構は、上記パンタグラフ機構を駆動するための駆動源を備え、
上記パンタグラフ機構は、上記駆動源からの駆動力によって上記揺動アームの1つがその一端の連結部を支軸としてこの支軸回りに回動させられるように構成されている、請求項4または8に記載の作業補助装置。
【請求項13】
上記操作部材は、上記揺動駆動機構の上記先端部に接続される結合部と、作業対象物を保持するための保持部とを備え、
上記保持部は、上記結合部に対して捻転可能に連結されている、請求項1、3、5、または7のいずれかに記載の作業補助装置。
【請求項14】
上記保持部は、上記結合部に対してZ軸回りおよびXY平面内の任意の軸回りに回転動可能に連結されている、請求項13に記載の作業補助装置。
【請求項15】
上記Z軸駆動機構は、Z軸方向の一端寄りに設けられたボールねじ機構と、Z軸方向の他端寄りに設けられ、上記ボールねじ機構を駆動するための駆動モータとを備える、請求項1ないし4のいずれかに記載の作業補助装置。
【請求項16】
上記伸縮駆動機構は、伸縮方向の一端寄りに設けられたボールねじ機構と、伸縮方向の他端寄りに設けられ、上記ボールねじ機構を駆動するための駆動モータとを備える、請求項5ないし8のいずれかに記載の作業補助装置。
【請求項17】
上記揺動駆動機構は、上記各2つの揺動アームの中央部に対して両端が回動可能に連結される中間アームと、各中間アームが回動可能に連結され、各中間アーム間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持する中間部材とをさらに備える、請求項2または6に記載の作業補助装置。
【請求項18】
上記揺動駆動機構は、上記各2つの揺動アームの中央部に対して両端が回動可能に連結される中間アームと、各中間アームが連結され、各中間アーム間の距離を上記一対の固定アーム間距離と同等に保持する中間部材とをさらに備える、請求項4または8に記載の作業補助装置。
【請求項19】
ベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定間隔隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の揺動軸と、各揺動軸を一辺とし、各揺動軸の両端に対して回動可能に連結される各2つの同長の揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各揺動軸と平行かつ同長の可動軸と、からなる一対の平行四辺形リンクと、
上記一対の平行四辺形リンクの各可動軸が回動可能に連結され、各可動軸間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持する可動部材と、を備え、
上記一対の平行四辺形リンクによって構成され、上記ベース部材に対して上記可動部材がX軸に沿って揺動可能な第1のパンタグラフ機構と、
上記ベース部材と上記一対の平行四辺形リンクと上記可動部材とによって構成され、上記ベース部材に対して上記可動部材がY軸に沿って揺動可能な第2のパンタグラフ機構とを有することを特徴とする、複合パンタグラフ機構。
【請求項1】
支持ベースと、
この支持ベースに対してZ軸方向に伸縮可能なZ軸駆動機構と、
このZ軸駆動機構の伸縮端部に対して基端部が接続され、この基端部に対して先端部がX軸方向およびY軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、
この揺動駆動機構の先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、
この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXYZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、
上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記Z軸駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、
上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能な第1のパンタグラフ機構と、上記基端部に対して上記先端部がY軸に沿って揺動可能な第2のパンタグラフ機構との複合パンタグラフ機構によって構成されていることを特徴とする、作業補助装置。
【請求項2】
上記揺動駆動機構は、上記Z軸駆動機構の上記伸縮端部に連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定間隔隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の揺動軸と、各揺動軸を一辺とし、各揺動軸の両端に対して回動可能に連結される各2つの同長の揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各揺動軸と平行かつ同長の可動軸と、からなる一対の平行四辺形リンクと、
上記一対の平行四辺形リンクの各可動軸が回動可能に連結され、各可動軸間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持する可動部材と、を備え、
上記一対の平行四辺形リンクが上記第1のパンタグラフ機構を構成し、上記ベース部材と上記一対の平行四辺形リンクと上記可動部材とが上記第2のパンタグラフ機構を構成する、請求項1に記載の作業補助装置。
【請求項3】
支持ベースと、
この支持ベースに対してZ軸方向に伸縮可能なZ軸駆動機構と、
このZ軸駆動機構の伸縮端部に対して基端部が接続され、この基端部に対して先端部がX軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、
この揺動駆動機構の先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、
この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、
上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記Z軸駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、
上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能なパンタグラフ機構によって構成されており、
上記Z軸駆動機構と上記揺動駆動機構とは、Z軸回りに相対回転可能とされていることを特徴とする、作業補助装置。
【請求項4】
上記揺動駆動機構は、上記Z軸駆動機構の上記伸縮端部に連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定間隔隔てられ同長でX軸方向に延びるように固定された一対の固定アームと、各固定アームを一辺とし、各固定アームの両端に対して回動可能に連結される各2つの同長の揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各固定アームと平行かつ同長の可動アームと、からなる一対の平行四辺形リンクと、
上記一対の平行四辺形リンクの各可動アームが連結され、各可動アーム間の距離を上記一対の固定アーム間距離と同等に保持する可動部材と、を備え、
上記一対の平行四辺形リンクが上記パンタグラフ機構を構成する、請求項3に記載の作業補助装置。
【請求項5】
基端部に対して先端部がX軸方向およびY軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、
この揺動駆動機構の基端部と先端部との間の距離を伸縮させるための伸縮駆動機構と、
上記揺動駆動機構の上記先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、
この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXYZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、
上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記伸縮駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、
上記伸縮駆動機構は、一端部が上記揺動駆動機構の上記基端部に接続される一方、他端部が上記揺動駆動機構の上記先端部に接続されており、
上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能な第1のパンタグラフ機構と、上記基端部に対して上記先端部がY軸に沿って揺動可能な第2のパンタグラフ機構との複合パンタグラフ機構によって構成されているとともに、
上記複合パンタグラフ機構は、上記基端部と上記先端部との間の距離が伸縮可能に構成されていることを特徴とする、作業補助装置。
【請求項6】
上記揺動駆動機構は、上記伸縮駆動機構の上記一端部が連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定距離隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の揺動軸と、各揺動軸を一辺とし、各揺動軸の両端に対して回動可能に連結される各2つの長手方向に伸縮可能な揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各揺動軸と平行かつ同長の可動軸と、からなる一対の平行四辺形リンクと、
上記一対の平行四辺形リンクの各可動軸が回動可能に連結され、各可動軸間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持するとともに上記伸縮駆動機構の上記他端部が連結される可動部材と、を備え、
上記ベース部材と上記伸縮駆動機構の上記一端部、および上記可動部材と上記伸縮駆動機構の上記他端部は、それぞれ、相対揺動可能に連結されているとともに、
上記一対の平行四辺形リンクが上記第1のパンタグラフ機構を構成し、上記ベース部材と上記一対の平行四辺形リンクと上記可動部材とが上記第2のパンタグラフ機構を構成する、請求項5に記載の作業補助装置。
【請求項7】
支持ベースと、
この支持ベースに対して基端部が接続され、この基端部に対して先端部がX軸方向に沿って揺動可能な揺動駆動機構と、
この揺動駆動機構の基端部と先端部との間の距離を伸縮させるための伸縮駆動機構と、
上記揺動駆動機構の上記先端部に接続され、作業者が把持してXYZ方向に操作可能な操作部材と、
この操作部材に近接して配置され、この操作部材のXZ方向の操作力を個別に検出する操作力検出手段と、
上記操作力検出手段からの操作力検出情報に基づき、上記伸縮駆動機構および/または上記揺動駆動機構を上記操作部材の操作方向への移動を支援するように制御する制御手段と、を備える作業補助装置であって、
上記伸縮駆動機構は、一端部が上記揺動駆動機構の上記基端部に接続される一方、他端部が上記揺動駆動機構の上記先端部に接続されており、
上記揺動駆動機構は、上記基端部に対して上記先端部がX軸に沿って揺動可能なパンタグラフ機構によって構成されているとともに、このパンタグラフ機構は、上記基端部と上記先端部との間の距離が伸縮可能に構成されており、
上記支持ベースと上記基端部とは、Z軸回りに相対回転可能とされていることを特徴とする、作業補助装置。
【請求項8】
上記揺動駆動機構は、上記伸縮駆動機構の上記一端部が連結されるベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定距離隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の固定アームと、各固定アームを一辺とし、各固定アームの両端に対して回動可能に連結される各2つの長手方向に伸縮可能な揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各固定アームと平行かつ同長の可動アームと、からなる一対の平行四辺形リンクと、
上記一対の平行四辺形リンクの各可動アームが連結され、各可動アーム間の距離を上記一対の固定アーム間距離と同等に保持するとともに上記伸縮駆動機構の上記他端部が連結される可動部材と、を備え、
上記ベース部材と上記伸縮駆動機構の上記一端部、および上記可動部材と上記伸縮駆動機構の上記他端部は、それぞれ、相対揺動可能に連結されているとともに、
上記一対の平行四辺形リンクが上記パンタグラフ機構を構成する、請求項7に記載の作業補助装置。
【請求項9】
上記ベース部材と上記伸縮駆動機構の上記一端部、および上記可動部材と上記伸縮駆動機構の上記他端部は、それぞれ、ボールジョイントを介して連結されている、請求項6または8に記載の作業補助装置。
【請求項10】
上記揺動駆動機構は、上記第1および第2のパンタグラフ機構を個別に駆動するための第1および第2の駆動源を備え、
上記第1のパンタグラフ機構は、上記第1の駆動源からの駆動力によって上記揺動アームの1つがその一端の連結部を支軸としてこの支軸回りに回動させられるように構成されているとともに、
上記第2のパンタグラフ機構は、上記第2の駆動源からの駆動力によって上記揺動軸の1つの両端に連結された揺動アームがこの揺動軸回りに回動させられるように構成されている、請求項2または6に記載の作業補助装置。
【請求項11】
上記第1の駆動源から上記第1のパンタグラフ機構への駆動力の伝達は、上記支軸に一体的に設けられたプーリ、およびこのプーリに掛け回されたベルトを介して行われる、請求項10に記載の作業補助装置。
【請求項12】
上記揺動駆動機構は、上記パンタグラフ機構を駆動するための駆動源を備え、
上記パンタグラフ機構は、上記駆動源からの駆動力によって上記揺動アームの1つがその一端の連結部を支軸としてこの支軸回りに回動させられるように構成されている、請求項4または8に記載の作業補助装置。
【請求項13】
上記操作部材は、上記揺動駆動機構の上記先端部に接続される結合部と、作業対象物を保持するための保持部とを備え、
上記保持部は、上記結合部に対して捻転可能に連結されている、請求項1、3、5、または7のいずれかに記載の作業補助装置。
【請求項14】
上記保持部は、上記結合部に対してZ軸回りおよびXY平面内の任意の軸回りに回転動可能に連結されている、請求項13に記載の作業補助装置。
【請求項15】
上記Z軸駆動機構は、Z軸方向の一端寄りに設けられたボールねじ機構と、Z軸方向の他端寄りに設けられ、上記ボールねじ機構を駆動するための駆動モータとを備える、請求項1ないし4のいずれかに記載の作業補助装置。
【請求項16】
上記伸縮駆動機構は、伸縮方向の一端寄りに設けられたボールねじ機構と、伸縮方向の他端寄りに設けられ、上記ボールねじ機構を駆動するための駆動モータとを備える、請求項5ないし8のいずれかに記載の作業補助装置。
【請求項17】
上記揺動駆動機構は、上記各2つの揺動アームの中央部に対して両端が回動可能に連結される中間アームと、各中間アームが回動可能に連結され、各中間アーム間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持する中間部材とをさらに備える、請求項2または6に記載の作業補助装置。
【請求項18】
上記揺動駆動機構は、上記各2つの揺動アームの中央部に対して両端が回動可能に連結される中間アームと、各中間アームが連結され、各中間アーム間の距離を上記一対の固定アーム間距離と同等に保持する中間部材とをさらに備える、請求項4または8に記載の作業補助装置。
【請求項19】
ベース部材と、このベース部材に対してY軸方向に一定間隔隔てられ同長でX軸方向に延びるように設定された一対の揺動軸と、各揺動軸を一辺とし、各揺動軸の両端に対して回動可能に連結される各2つの同長の揺動アームと、各2つの揺動アームの先端に対して両端が回動可能に連結され、上記各揺動軸と平行かつ同長の可動軸と、からなる一対の平行四辺形リンクと、
上記一対の平行四辺形リンクの各可動軸が回動可能に連結され、各可動軸間の距離を上記一対の揺動軸間距離と同等に保持する可動部材と、を備え、
上記一対の平行四辺形リンクによって構成され、上記ベース部材に対して上記可動部材がX軸に沿って揺動可能な第1のパンタグラフ機構と、
上記ベース部材と上記一対の平行四辺形リンクと上記可動部材とによって構成され、上記ベース部材に対して上記可動部材がY軸に沿って揺動可能な第2のパンタグラフ機構とを有することを特徴とする、複合パンタグラフ機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−155338(P2008−155338A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348891(P2006−348891)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】
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