説明

作業車両

【課題】燃料配管により燃料タンクからエンジンに供給される燃料を冷却することができる作業車両を提供する。
【解決手段】作業車両(1)において、前記冷却ファン34の回転駆動により前記ボンネット17の内部に前記通風口17aを介して吸入された空気は、前記エンジン30の周囲を流れ、前記通風口17b、および前記ボンネット17を載置した前記車体フレーム14を通じて当該ボンネット17の外部へと排気され、前記燃料配管90は、前記エンジン30の周囲で複数部位が曲折されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に関し、特に作業車両の燃料配管を冷却する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行車両の前部に配置されてボンネットに覆われるエンジンと、前記ボンネットの後方に配置される燃料タンクとを備えて、前記エンジンと前記燃料タンクとを燃料配管によって連通させる作業車両は公知である。
このような作業車両においては、車体フレームの上に載置される車体カバーの下方に前記燃料配管が配置され、前記燃料タンクの近傍に配置される燃料ポンプ(フィードポンプ)によって前記燃料タンクに貯溜された燃料が前記エンジンへ向けて供給されるように構成される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−79203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術においては、前記燃料配管により前記エンジンに供給される燃料は、前記燃料ポンプにより圧力が加えられたり、余剰の燃料が燃料タンクへ戻されたりするので、高温となる場合があった。燃料が高温となると、例えば前記エンジンの出力が減少したり、燃料の粘度が低下してシール漏れが生じたりするなどの不都合が生じる場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、燃料配管により燃料タンクからエンジンに供給される燃料を冷却することができる作業車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、車体フレームに、クランク軸を機体の進行方向に対して横向きとした状態で配置されるエンジンと、前記エンジンの横一側方に配置されるラジエータと、前記エンジンと前記ラジエータとの間に配置されて、前記エンジンにより回転駆動される冷却ファンと、前記エンジン、前記ラジエータ、および前記冷却ファンを覆い、前記ラジエータと横方向に対向する部分に通風入口と、前記エンジンと横方向に対向する部分に通風出口とを有するボンネットと、前記ボンネットの後方に配置される燃料タンクと、前記燃料タンクと前記エンジンとを連通する燃料配管と、を備える作業車両において、前記冷却ファンの回転駆動により前記ボンネットの内部に前記通風入口を介して吸入された空気は、前記エンジンの周囲を流れ、前記通風出口、および前記ボンネットを載置した前記車両フレームを通じて当該ボンネットの外部へと排気され、前記燃料配管は、前記エンジンの周囲で複数部位が曲折されるものである。
【0008】
請求項2においては、前記燃料配管は、前記車体フレームに保持されて、前記燃料タンクから前記エンジンの前部まで当該エンジンの横他側方に延出され、その先端部から当該エンジンの後部上へ向けて複数部位が曲折されながら延出されるものである。
【0009】
請求項3においては、前記エンジンの後方に配置されて前記ボンネットに覆われるステアリング部材と、前記ステアリング部材の後方に配置されるミッションケースと、前記ミッションケースの前記横一側に配置される油圧式無段変速装置、および前記横他側に配置されるチャージポンプと、前記油圧式無段変速装置と前記チャージポンプとを連通する油圧配管と、を備え、前記油圧配管は、前記ステアリング部材の前方を周回するように配置されるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1においては、ボンネットの内部に吸入された空気が送風されるエンジンの周囲で、燃料配管における熱交換面積を大きくすることとなるので、燃料配管の冷却効果を高めることができる。その結果、燃料配管により燃料タンクからエンジンに供給される燃料を冷却することができ、例えば燃料の高温化によるエンジンの出力の減少を防止することができる。また、燃料クーラなどの装置を要せず、且つ容易な構成で燃料配管により供給される燃料を冷却することができるので、コスト低減化を図ることができる。
【0012】
請求項2においては、作業車両に備えられているエンジンや車体フレーム等の既存の部材を用いて、且つこれらの部材の配置を巧みに利用して、燃料配管を、エンジンの周囲で複数部位が曲折されるように配置している。つまり、燃料配管の設置のために、取り付けステー等の取り付け部材を設けることなく、また前記既存の部材を配置変更することなく最大限に燃料配管の冷却効果を高めることができる。
【0013】
請求項3においては、油圧配管は、ボンネットの内部で循環している空気によって冷却することができる。その結果、油圧配管によりチャージポンプから油圧式無段変速装置に供給される作動油を冷却することができ、作動油の劣化を防止することができる。また、作動油クーラなどの装置を要せず、且つ容易な構成で油圧配管により供給される作動油を冷却することができるので、コスト低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る田植機の全体構成を示す側面図。
【図2】同じく、全体構成を示す平面図。
【図3】同じく、車体フレームの構成を示す斜視図。
【図4】同じく、エンジンおよびその周囲の取り付け構成を示す斜視図。
【図5】同じく、ミッションケースの取り付け構成を示す斜視図。
【図6】同じく、ミッションケースの構成を示す平面図。
【図7】同じく、車体カバーの構成を示す斜視図。
【図8】同じく、ボンネットの構成を示す斜視図。
【図9】同じく、(a)ボンネット内部の空気の流れを示した正面図、(b)ボンネット内部の空気の流れを示した平面図。
【図10】同じく、燃料配管の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、本発明の一実施形態に係る田植機1の全体構成について、図1および図2を用いて説明する。なお、本実施形態において、田植機1は八条植えの田植機とするが、これは特に限定するものではなく、例えば六条植えや十条植えの田植機であってもよい。
なお、以下において、図中における矢印Aの指す方向を前とし、前後方向を規定する。また、かかる前後方向と水平方向に直交する方向を左右方向と規定する。
【0016】
図1に示すように、田植機1は、走行部10と植付部40とを有し、走行部10により走行しながら、植付部40により苗を圃場に植え付けることができるように構成される。植付部40は、走行部10の後方に配置されて、この走行部10の後部に昇降機構70を介して昇降可能に連結される。
【0017】
走行部10においては、エンジン30が車体フレーム14の前部上に設けられて、ボンネット17により収納される。エンジン30の右側方にはラジエータ32およびラジエータカバー33が配設される。エンジン30の後方には、ミッションケース60が車体フレーム14に支持される。
【0018】
フロントアクスルケース11が車体フレーム14の前部に支持され、前車輪15が当該フロントアクスルケース11の左右両側に取り付けられる。リアアクスルケース12が車体フレーム14の後部に支持され、後車輪16が当該リアアクスルケース12の左右両側に取り付けられる。
【0019】
そして、動力伝達機構が、エンジン30の動力がミッションケース60を介して左右の前車輪15と左右の後車輪16とにそれぞれ伝達されて、これらの前車輪15および後車輪16が回転作動するように構成される。これにより、走行部10が前進または後進走行可能とされる。
【0020】
走行部10において、車体フレーム14の前後中途部に運転操作部13が設けられる。運転操作部13の前部には、操向操作用の環状の操向ハンドル20や、変速操作用の変速ペダルなどが配置される。運転操作部13の後部には、運転席21が操向ハンドル20の後方に位置するように配置される。運転席21の下方には、燃料タンク27が配設される。
【0021】
そのうえ、運転操作部13の操向ハンドル20や運転席21の周りに、ダッシュボード19や、一部を乗降用ステップとする車体カバー18や、その他のレバーやスイッチなどの操作具が配置される。これらの操向ハンドル20、変速ペダル、およびその他の操作具によって、走行部10および植付部40に対して適宜の操作を行うことが可能とされる。
【0022】
走行部10において、予備苗載台25が車体フレーム14の前部の左右両側から立設された各取付フレーム24に取り付けられて、ボンネット17の左右両側方に配置される。そして、予備苗が予備苗載台25に載置されて、植付部40への苗補給が可能とされる。
【0023】
走行部10において、施肥装置23が車体フレーム14の後部に支柱フレーム22などを介して支持されて、運転操作部の運転席21の後方に配置される。施肥装置23は、エンジン30からの動力により作動されて、圃場に施肥を行うことができるように構成される。
【0024】
植付部40においては、植付ミッションケースが植付フレーム49の下部中央付近に支持され、伝動軸ケースが当該植付ミッションケースから左右両側方に延設される。四つの植付伝動ケース46がそれぞれ前記伝動軸ケースから後方に延設されて、左右方向に適宜の間隔をとって配置される。
【0025】
ロータリケース44が各植付伝動ケース46の後端部左右両側に回動自在に支持される。ロータリケース44は植付条数と同数、即ち本実施形態では八つ備えられる。そして、二つの植付爪45が、ロータリケース44の回転支点を挟むように、このロータリケース44の長手方向両側にそれぞれ取り付けられる。
【0026】
苗載台41が植付伝動ケース46の上方に前高後低の傾斜状態で配置されて、植付フレーム49の後部に上下のガイドレールを介して左右方向に往復動可能に取り付けられる。苗載台41は、図示せぬ横送り機構により左右往復横送り可能とされる。
【0027】
複数条(八条)の苗マット載置部を備える苗載台41は、それぞれの下端側が一つのロータリケース44と対向するように、左右方向に並べられる。そして、苗マットが各苗載台41に載置されて、ロータリケース44の回転時に植付爪45により1株の苗が当該苗載台41上の苗マットから切り取り可能とされる。
【0028】
条数に合わせた苗縦送りベルト47が苗載台41に設けられる。苗縦送りベルト47は、苗載台41が左右往復横送りのストローク端に到達するごとに、縦送り機構により苗載台41上の苗マットを下方へ向かって縦送りするように作動可能とされる。
【0029】
そして、エンジン30の動力が植付ミッションケースなどを介して各ロータリケース44に伝達されて、このロータリケース44が回転作動するように構成される。これにより、ロータリケース44の回転作動にともなって、二つの植付爪45が交互に苗を苗載台41上の苗マットから取り出して圃場に植付可能とされる。
【0030】
同時に、エンジン30の動力が植付ミッションケースなどを介して横送り機構および縦送り機構に伝達されて、苗載台41が横送り機構により左右往復横送りされ、苗載台41上の苗マットが載台の左右往復横送りに応じて縦送り機構により苗縦送りベルト47を介して下方へ向けて縦送りされるように構成される。これにより、苗載台41上の苗マットが植付爪45に対して適切な位置に移動される。
【0031】
ここで、エンジン30から施肥装置23、ロータリケース44、横送り機構および縦送り機構に動力を伝達するための動力伝達機構は、植付クラッチを含み、植付クラッチの断接に応じて、エンジンの動力が苗縦送りベルト47とロータリケース44とに伝達され、または、伝達されないように構成される。
【0032】
植付部40においては、また、中央2条分ずつの圃場面を整地する左右のセンターフロート42と、左右2条分ずつの圃場面を整地する左右のサイドフロート43とが、それぞれの前部側が後部側を回動支点として上下動自在となるように植付フレーム49側に支持されて、植付伝動ケース46の下方に配置される。
【0033】
植付部40においては、また、線引きマーカ48が植付フレーム49の下部の左右両側に回動可能に支持される。左右の各線引きマーカ48は、その基端側を回動支点として、上方へ向かって回動されることにより収納され、この収納状態から下方へ向かって回動されることにより先端側を左または右側方へ突出させて、圃場に線引きを行うことができるように構成される。
【0034】
また、前述の昇降機構70が走行部10と植付部40との間に設けられる。具体的には、トップリンク71とロワリンク72とが走行部10と植付部40との間に架設され、昇降用シリンダがロワリンク72と走行部10との間に連結される。そして、この昇降用シリンダの伸縮動作によって、植付部40が走行部10に対して上下方向に回動可能、すなわち昇降可能とされる。
【0035】
まず、図3を用いて、車体フレーム14の構成について、詳しく説明する。
【0036】
車体フレーム14は、主として、前部フレーム50と、後部フレーム52と、により構成される。
【0037】
車体フレーム14の前部フレーム50には、長手方向を前後方向として左右一対の前部メインフレーム53が配設される。左右一対の前部メインフレーム53の前端は、フロント連結フレーム54により連結され、左右一対の前部メインフレーム53の後端は、センター連結フレーム51により連結される。フロント連結フレーム54には、フロントバンパー56が前方へ向けて突設される。フロントバンパー56は、平面視略コの字状に形成されて、開口する側を後方へ向けて配置される。左右一対の前部メインフレーム53の前部には、エンジン30が取り付けられる、前後一対のエンジン取付フレーム55が配設される。前後一対のエンジン取付フレーム55は、正面視略コの字状に形成されて、開口する側を上方へ向けて左右端部が左右一対の前部メインフレーム53にそれぞれ連結される。前後一対のエンジン取付フレーム55は、前後方向に適宜の間隔をあけて配置される。
【0038】
車体フレーム14の後部フレーム52には、長手方向を前低後高に傾斜した姿勢で、左右一対の後部メインフレーム57が配設される。左右一対の後部メインフレーム57の前端は、センター連結フレーム51により連結され、左右一対の後部メインフレーム57の後端は、リア連結フレーム58により連結される。センター連結フレーム51の左右略中央には、燃料タンク27が取り付けられる、燃料タンクフレーム59が配設される。燃料タンクフレーム59は、正面視略コの字状に形成されて、開口する側を上方へ向けて左右端部がセンター連結フレーム51に連結されて、前高後低に傾斜した姿勢で配置される。
【0039】
このような構成の車体フレーム14は、車体フレーム14の前部フレーム50と後部フレーム52とがセンター連結フレーム51を介して連結されて、全体的に平面視略矩形の枠体として形成される。車体フレーム14には、後述するように、その上に車体カバー18やボンネット17などが取り付けられるとともに、エンジン30やミッションケース60や燃料タンク27などの各機器が所定位置に取り付けられる。
【0040】
次に、図4から図6を用いて、車体フレーム14に取り付けられるエンジン30およびその周囲の構成について、詳しく説明する。
【0041】
図4に示すように、エンジン30は、図示せぬクランク軸を機体の進行方向に対して横方向、すなわち左右方向へ向けた状態で、車体フレーム14の前部フレーム50に配設される。エンジン30は、前後一対のエンジン取付フレーム55の上に、エンジン台55aおよび防振部材を介して取り付けられる。エンジン30の前記クランク軸の左側端部には、フライホイール30aおよび出力プーリが固着される。エンジン30は、燃料配管90を介して燃料タンク27と連通して、燃料が供給されるように構成される。図1および図10に示すように、燃料タンク27は、車体フレーム14の後部フレーム52に設けられ、燃料タンクフレーム59の上部に載置される。
【0042】
図4に示すように、エンジン30の右側方には、ラジエータ32が配設される。ラジエータ32は、車体フレーム14の右側の前部メインフレーム53に、当該右側の前部メインフレーム53から左側方へ向けて突設された図示せぬステーを介して取り付けられる。ラジエータ32は、エンジン30の内部を循環させる冷却水を冷却するものであり、多数のパイプを連通した、または、折り曲げたパイプとフィンよりなる図示せぬラジエータコアが備えられる。
【0043】
図4に示すように、ラジエータ32とエンジン30との間には、冷却ファン34が配設される。冷却ファン34は、その駆動軸がエンジン30のクランク軸、プーリ、およびベルトを介して連動連結されて、クランク軸により回転駆動可能とされる。冷却ファン34の回転駆動により、ボンネット17の外部の空気をボンネット17の内部へ吸入するとともに、その空気をエンジン30側へ向けて送風して冷却するものである。
【0044】
図4に示すように、ラジエータカバー33は、ラジエータ32の周囲に配設される。ラジエータカバー33は、ラジエータ32の前後、左側部の一部、上部、および下部の一部を被覆するものである。ラジエータカバー33の左側部には、左右方向の円筒状に形成されたシュラウド39が設けられる。シュラウド39は、右側開口部の開口縁部をラジエータカバー33の左側部に形成された開口部38の開口縁部に一体的に固定し、左側開口部をエンジン30に臨むように配置される。シュラウド39は、冷却ファン34の回転駆動によって、ラジエータ32からエンジン30側へ向けて、送風が乱れないように空気を効率よく案内するものである。
【0045】
図5に示すように、エンジン30の後方には、ミッションケース60が配設される。ミッションケース60は、車体フレーム14の前部フレーム50において、左右一対の前部メインフレーム53の後部下に支持される。図6に示すように、ミッションケース60は、主として、ケース本体61と、ステアリングケース62と、チャージポンプ64と、油圧式無段変速装置63などにより構成される。
【0046】
ケース本体61は、ミッションケース60の主たる外郭を構成する中空状の部材である。ケース本体61の内部には、伝動機構として図示せぬ遊星ギヤ機構や出力軸69などよりなる副変速装置やデフ装置などが収納される。
【0047】
図6に示すように、ステアリングケース62は、ケース本体61の前面に固設される。ステアリングケース62には、パワーステアリング装置が上下方向に取り付けられ、該パワーステアリング装置の下端から作動アーム65が前方へ突出され、当該作動アーム65の先端が左右のタイロッドと連結されて、当該タイロッドを介して前車輪15を左右回動して操向可能としている。図5に示すように、パワーステアリング装置の上部に筒体66を固設し、当該筒体66に操向ハンドル20のステアリング軸67が内挿される。
【0048】
図6に示すように、油圧式無段変速装置63(以下では、「HST63」と称する。)は、ケース本体61の左側面に固設される。HST63には、変速入力軸68が左側方へ向けて突設される。変速入力軸68の左端部には、入力プーリが固着され、エンジン30から出力されたエンジン出力が、前記出力プーリや伝達ベルトを介してHST63に伝達されるように構成される。HST63は、当該HST63に伝達されたエンジン出力を適宜に変速して、ケース本体61を介して走行部10や植付部40に伝達するものである。
【0049】
図6に示すように、チャージポンプ64は、ケース本体61の右側面に固設される。チャージポンプ64は、HST63に作動油を供給する油圧ポンプである。チャージポンプ64は、ステアリングケース62の上面に立設される筒体66およびステアリング軸67の前方を周回するように形成される油圧配管80を介してHST63と連通する。
なお、HST63およびチャージポンプ64の配置は、前述したような配置に限定されるものではない。例えば、ケース本体61の左側面にチャージポンプ64が固設され、ケース本体61の右側面にHST63が固設される配置であってもよい。
【0050】
このようなエンジン30およびその周囲の構成において、エンジン30と、ラジエータ32と、ラジエータカバー33と、冷却ファン34と、ステアリングケース62の上面に立設される筒体66およびその筒体66に内挿されるステアリング軸67とは、その周囲を車体フレーム14の上部に取り付けられた車体カバー18により囲繞されている。
【0051】
次に、車体カバー18について、詳しく説明する。
【0052】
図7に示すように、車体カバー18は、左右中から後方へ向けて切り欠いた切欠部75aを備える前部カバー75と、互いに対向するように斜め前方へ向けて切り欠いた切欠部76a・76bを備える左右一対の後部カバー76とにより構成される。そして、各切欠部75a・76a・76bが切り欠いた側を対向させて組み合わさることにより、平面視略長円状の囲繞部77が形成される。囲繞部77は、車体カバー18の前側に配置され、車体カバー18が車体フレーム14に取り付けられると、車体フレーム14の前部フレーム50上に配置される。そして、囲繞部77を通じて、エンジン30と、ラジエータ32と、ラジエータカバー33と、冷却ファン34と、ステアリングケース62の上面に立設される筒体66およびその筒体66に内挿されるステアリング軸67とが、車体カバー18から上方へ向けて突出するように構成される。そして、図8に示すように、上方へ向けて突出した部分は、ボンネット17により覆われるように構成される。
【0053】
次に、ボンネット17の構成について、詳しく説明する。
【0054】
ボンネット17は、図8に示すように、車体カバー18の前部カバー75の上に配設される。ボンネット17は、その下端の開口縁部で車体カバー18の囲繞部77を取り囲むように配置される。ボンネット17は、中空状の部材であり、側面視で前低後高に傾斜して全体的に先細り形状に形成される。
ボンネット17の内部には、前述したように、エンジン30やラジエータ32やラジエータカバー33などの各機器が収納される。また、ボンネット17の後部上には、ダッシュボード19が配設される。ダッシュボード19の上面には、操作パネル19aが配設される。操作パネル19aには、レバーやスイッチなどの操作具や表示装置が配置されるとともに、上方へ向けてステアリング軸67が突出して操向ハンドル20が固着される。
【0055】
また、ボンネット17には、通風口17a・17bが設けられる。通風口17a・17bは、ボンネット17の左右両側壁の下部に左右方向へ向けて開口されて、横長の多角形状に形成される。通風口17a・17bには、ネットなどの通気性を有して塵埃等を除去する部材であるカバー26が、当該通風口17a・17bを完全に覆うように取り付けられる。
通風口17a・17bは、ボンネット17における空気の吸排気口であり、ボンネット17の内部と外部とを連通させる。冷却ファン34が回転駆動することによって、ラジエータ32と横方向に対向する通風口17aを通じてボンネット17の外部から内部へ空気が吸入され、その吸入された空気の一部がエンジン30と横方向に対向する通風口17bを通じてボンネット17の外部へ排出される。即ち、本実施形態においては、右側の通風口17bが空気の吸気口(通風入口)となり、左側の通風口17bが空気の排出口(通風出口)となる。
【0056】
このようなボンネット17の構成において、そのボンネット17の内部に収納されたエンジン30およびラジエータ32は、冷却ファン34の回動駆動によりボンネット17の内部に吸入された空気によって冷却されるように構成される。
【0057】
次に、ボンネット17の内部の冷却構成について、詳しく説明する。
【0058】
図9に示すように、ボンネット17の内部に吸入された空気は、まずラジエータカバー33の内部でラジエータ32を冷却する。ラジエータ32を冷却した後の空気は、ラジエータカバー33のシュラウド39を通じてエンジン30側(ラジエータカバー33の外部であって、且つボンネット17の内部)へ向けて送風される。エンジン30側へ向けて送風された空気は、図9の矢印に示すように、エンジン30の右側面に衝突した後、上下左右方向へ向けて分流されてボンネット17の内部を循環しながらエンジン30の周囲を流れ、当該エンジン30を冷却するのである。
【0059】
前記上下左右方向へ向けて分流された空気は、冷却ファン34の回転駆動により連続して送風されてくる空気に押圧されて、ボンネット17の左側の通風口17b、あるいは車体カバー18の囲繞部77および枠体で形成された車体フレーム14を通じてボンネット17の外部へ排出される。なお、ボンネット17の外部へ排出される空気は、図9(a)に示すように、冷却ファン34の回転駆動により左側方へ向けて流れるように構成される。
【0060】
また、本発明の一実施形態に係る田植機1においては、前記燃料配管90を冷却することができる。燃料配管90は、燃料タンク27と連通して当該燃料タンク27に貯溜された燃料をエンジン30に供給するものである。
まず、燃料配管90により燃料タンク27からエンジン30に供給される燃料の経路(供給ライン)について説明する。なお、エンジン30から燃料タンク27に戻る燃料の経路(戻りライン)は、供給ラインに並設されるものであるので、供給ラインとともに戻りラインも冷却され、その説明は省略する。
【0061】
図10に示すように、燃料タンク27からエンジン30までの供給ラインにおいて、燃料は、まず燃料タンク27から第一燃料フィルタ91に送油される。第一燃料フィルタ91は、燃料タンク27の左側方に配設される。第一燃料フィルタ91は、燃料に混入されるゴミなどを除去するものである。そして、燃料は、第一燃料フィルタ91からフィードポンプ92に送油される。フィードポンプ92は、燃料タンク27の左側方であって、第一燃料フィルタ91の近傍に配設される。フィードポンプ92は、燃料に圧力を加えてエンジン30側へ向けて送油するものである。そして、燃料はフィードポンプ92から第二燃料フィルタ93に送油される。第二燃料フィルタ93は、エンジン30の前後方向略中央の上部であって、エンジン30の左側方に配設される。第二燃料フィルタ93は第一燃料フィルタ91よりも更に細かいゴミなどを除去するものである。そして、燃料は、第二燃料フィルタ93から燃料噴射ポンプに送油され、当該燃料噴射ポンプにより高圧の燃料として各気筒に設けたノズルより所定のタイミングで所定量噴射される。
【0062】
燃料配管90は、前述の燃料タンク27と、第一燃料フィルタ91と、フィードポンプ92と、第二燃料フィルタ93との間を接続して、それぞれを連通させる。
ここで、フィードポンプ92と第二燃料フィルタ93との間を接続する燃料配管(以下では、「燃料配管90a」と称する。)、および第二燃料フィルタ93と前記燃料噴射ポンプとの間を接続する燃料配管(以下では、「燃料配管90b」と称する。)の構成について説明する。
【0063】
燃料配管90aは、一端側(後側)がフィードポンプ92に接続され、他端側(前側)が車体フレーム14の左側の前部メインフレーム53の内側に保持部材94を介して保持されながら、前方へ向けて延出される。その燃料配管90aの他端側は、前部メインフレーム53に保持されながらエンジン30の左側方を通って、エンジン30左側の前部位置に至るまで延出される。そして、その燃料配管90aの他端側には、上方へ向けて曲折される部位が設けられ、エンジン30側へ近接しながらエンジン30の上部に至るまで延出される。そして、その燃料配管90aの他端側は、後方へ向けて曲折される部位を設けて延出され、エンジン30の前後方向略中央の上部であって、エンジン30の左側方に配置される前記第二燃料フィルタ93と接続される。
【0064】
燃料配管90bは、一端側(前側)が第二燃料フィルタ93に接続され、他端側(後側)が後方へ向けてエンジン30の後部に至るまで延出される。そして、その燃料配管90の他端側は、右側方へ向けて曲折される部位を設けて延出され、エンジン30の後部上であって、左右方向略中央で前記燃料噴射ポンプと接続される。
【0065】
なお、燃料配管90aと燃料配管90bとからなる燃料配管90により燃料タンク27からエンジン30に供給される燃料の経路(供給ライン)は、前述したような経路に限定するものではない。即ち、ボンネット17の内部に吸入された空気が送風されるエンジン30の周囲に複数部位が曲折されるように、つまり、エンジン30の周囲に前後、左右、又は上下方向に行ったり来たりしながら延出されるような経路であればよい。
【0066】
このような構成によって、車体フレーム14の左側の前部メインフレーム53の内側に保持部材94を介して保持されている燃料配管90aのうち、ボンネット17の左側方に配置されている燃料配管90a(すなわち、ボンネット17に左側方であって、車体カバー18の下方に配置される燃料配管90a)は、ボンネット17の内部から車体カバー18の囲繞部77および枠体で形成された車体フレーム14を通じてボンネット17の外部へ排出される空気によって冷却することができる。
また、燃料配管90aのうちボンネット17の内部に配置される燃料配管90a、および燃料配管90bは、ボンネット17の内部で循環している空気によって冷却することができる。
【0067】
また、燃料配管90aと燃料配管90bとからなる燃料配管90は、前述したように複数部位がエンジン30の周囲で曲折されて、当該エンジン30の周囲を前後、左右、又は上下方向に行ったり来たりしながら延出されている。即ち、燃料配管90にこのような曲折される部位が複数設けられていない場合、つまり燃料配管が燃料タンク27からエンジン30までが略最短距離となるよう設置される場合と比べて、エンジン30の周囲に配置されている燃料配管90の長さが長くなるように設定される。換言すれば、ボンネット17の内部に吸入された空気が送風されるエンジン30の周囲において、燃料配管90における熱交換面積を大きくすることとなるので、燃料配管90の冷却効果を高めることができる。その結果、燃料配管90により燃料タンク27からエンジン30に供給される燃料を冷却することができ、燃料の高温化によるエンジン30の出力の減少を防止することができる。また、燃料クーラなどの装置を要せず、且つ容易な構成で燃料配管90により供給される燃料を冷却することができるので、コスト低減化を図ることができる。
【0068】
また、本発明の一実施形態に係る田植機1においては、前記油圧配管80を冷却することができる。
【0069】
図5および図6に示すように、油圧配管80は、平面視略コの字状に形成され、ステアリングケース62の外側を周回する如く配置され、開口する側の左右端部を後方へ向けて、それぞれ油圧式無段変速装置63およびチャージポンプ64に接続するように構成される。具体的には、油圧配管80は、一端側がチャージポンプ64に接続されて、この部分から前方へ向けて延出される。ステアリングケース62よりも前方に至ると、左側方へ向けて曲折されて延出され、ステアリングケース62よりも左側方に至ると、後方へ向けて曲折されて延出され、油圧配管80の他端側が、油圧式無段変速装置63に接続される。
【0070】
このように構成によって、図9(b)に示すように、チャージポンプ64および油圧式無段変速装置63は、ボンネット17の内部、あるいはボンネット17の左側方であって車体カバー18の下方に配置されていなので、車体カバー18の前部カバー75の囲繞部77および枠体で形成された車体フレーム14を通じてボンネット17の外部へ排出される空気によって冷却することができなかったが、油圧配管80は、ボンネット17の内部に配置されることになるので、ボンネット17の内部で循環される空気によって冷却することができる。
【0071】
以上のように、本発明の一実施形態に係る田植機1は、車体フレーム14に、クランク軸を機体の進行方向に対して横向きとした状態で配置されるエンジン30と、前記エンジン30の横一側方に配置されるラジエータ32と、前記ラジエータ32を覆うラジエータカバー33と、前記エンジン30と前記ラジエータ32との間に配置されて、前記エンジン30により回転駆動される冷却ファン34と、前記エンジン30、前記ラジエータ32、前記ラジエータカバー33、および前記冷却ファン34を覆い、前記ラジエータ32と横方向に対向する部分に通風入口となる通風口17aと、前記エンジン30と横方向に対向する部分に通風出口となる通風風17bとを有するボンネット17と、前記ボンネット17の後方に配置される燃料タンク27と、前記燃料タンク27と前記エンジン30とを連通する燃料配管90と、を備える田植機において、前記冷却ファン34の回転駆動により前記ボンネット17の内部に前記通風口17aを介して吸入された空気は、前記エンジン30の周囲を流れ、前記通風口17b、および前記ボンネット17を載置した前記車体フレーム14を通じて当該ボンネット17の外部へと排気され、前記燃料配管90は、前記エンジン30の周囲で複数部位が曲折されるものである。
【0072】
このような構成にすることにより、ボンネット17の内部に配置される燃料配管90aの一部と、ボンネット17の内部に全体が配置される燃料配管90bは、ボンネット17の内部で循環している空気によって冷却することができる。また、車体フレーム14の左側の前部メインフレーム53の内側に保持部材94を介して保持されながらエンジン30の左側方を通って、エンジン30左側の前部位置に至るまで延出される燃料配管90aは、車体カバー18の囲繞部77および枠体で形成された車体フレーム14を通じて、ボンネット17の外部へ排出される空気によって、(ボンネット17の外部で)冷却することができる。
【0073】
また、燃料配管90aと燃料配管90bとからなる燃料配管90は、前述したように複数部位がエンジン30の周囲で曲折されて、当該エンジン30の周囲を前後、左右、又は上下方向に行ったり来たりしながら延出されている。即ち、燃料配管90にこのような曲折される部位が複数設けられていない場合、つまり燃料配管が燃料タンク27からエンジン30までが略最短距離となるよう設置される場合と比べて、エンジン30の周囲に配置されている燃料配管90の長さが長くなるように設定される。換言すれば、ボンネット17の内部に吸入された空気が送風されるエンジン30の周囲において、燃料配管90における熱交換面積を大きくすることとなるので、燃料配管90の冷却効果を高めることができる。その結果、燃料配管90により燃料タンク27からエンジン30に供給される燃料を冷却することができ、燃料の高温化によるエンジン30の出力の減少を防止することができる。また、燃料クーラなどの装置を要せず、且つ容易な構成で燃料配管90により供給される燃料を冷却することができるので、コスト低減化を図ることができる。
【0074】
また、本発明の一実施形態に係る田植機1は、前記燃料配管90は、前記車体フレーム14に保持されて、前記燃料タンク27から前記エンジン30の前部まで当該エンジン30の横他側方に延出され、その先端部から当該エンジン30の後部上へ向けて複数部位が曲折されながら延出されるものである。
【0075】
このような構成にすることにより、田植機1に備えられているエンジン30や車体フレーム14等の既存の部材を用いて、且つこれらの部材の配置を巧みに利用して、燃料配管90を、エンジン30の周囲で複数部位が曲折されるように配置している。つまり、燃料配管90の設置のために、取り付けステー等の取り付け部材を設けることなく、また前記既存の部材を配置変更することなく最大限に燃料配管90の冷却効果を高めることができる。
【0076】
また、本発明の一実施形態に係る田植機1は、前記エンジン30の後方に配置されて前記ボンネット17に覆われるステアリングケース62および筒体66(ステアリング部材)と、ステアリングケース62および筒体66(前記ステアリング部材)の後方に配置されるミッションケース60と、前記ミッションケース60の左右一側に配置されるHST63(油圧式無段変速装置)、および前記左右他側に配置されるチャージポンプ64と、HST63(油圧式無段変速装置)と前記チャージポンプ64とを連通する油圧配管80と、を備え、前記油圧配管80は、ステアリングケース62および筒体66(ステアリング部材)の前方を周回するように配置されるものである。
【0077】
このような構成にすることにより、油圧配管80は、ボンネットの内部で循環している空気によって冷却することができる。その結果、油圧配管80によりチャージポンプ64からHST63に供給される作動油を冷却することができ、作動油の劣化を防止することができる。また、作動油クーラなどの装置を要せず、且つ容易な構成で油圧配管80により供給される作動油を冷却することができるので、コスト低減化を図ることができる。
【符号の説明】
【0078】
1 田植機
14 車体フレーム
17 ボンネット
17b 通風口
18 車体カバー
27 燃料タンク
30 エンジン
32 ラジエータ
33 ラジエータカバー
34 冷却ファン
60 ミッションケース
62 ステアリングケース
63 油圧式無段変速装置(HST)
64 チャージポンプ
66 筒体
67 ステアリング軸
77 囲繞部
80 油圧配管
90 燃料配管
91 第一燃料フィルタ
92 フィードポンプ
93 第二燃料フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームに、
クランク軸を機体の進行方向に対して横向きとした状態で配置されるエンジンと、
前記エンジンの横一側方に配置されるラジエータと、
前記エンジンと前記ラジエータとの間に配置されて、前記エンジンにより回転駆動される冷却ファンと、
前記エンジン、前記ラジエータ、および前記冷却ファンを覆い、前記ラジエータと横方向に対向する部分に通風入口と、前記エンジンと横方向に対向する部分に通風出口とを有するボンネットと、
前記ボンネットの後方に配置される燃料タンクと、
前記燃料タンクと前記エンジンとを連通する燃料配管と、
を備える作業車両において、
前記冷却ファンの回転駆動により前記ボンネットの内部に前記通風入口を介して吸入された空気は、前記エンジンの周囲を流れ、前記通風出口、および前記ボンネットを載置した前記車両フレームを通じて当該ボンネットの外部へと排気され、
前記燃料配管は、前記エンジンの周囲で複数部位が曲折される、
ことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記燃料配管は、前記車体フレームに保持されて、前記燃料タンクから前記エンジンの前部まで当該エンジンの横他側方に延出され、その先端部から当該エンジンの後部上へ向けて複数部位が曲折されながら延出される、
ことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記エンジンの後方に配置されて前記ボンネットに覆われるステアリング部材と、
前記ステアリング部材の後方に配置されるミッションケースと、
前記ミッションケースの前記横一側に配置される油圧式無段変速装置、および前記横他側に配置されるチャージポンプと、
前記油圧式無段変速装置と前記チャージポンプとを連通する油圧配管と、
を備え、
前記油圧配管は、前記ステアリング部材の前方を周回するように配置される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−189903(P2011−189903A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59829(P2010−59829)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】