説明

個人識別データ管理システム、方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】センタサーバの負荷を低減し、センタサーバと各建物内の情報制御装置との間で個人識別データの同期を取るために要する時間を短縮する。
【解決手段】ある建物において構築されたネットワークに接続される情報制御装置から代表となる代表情報制御装置を選び、その代表情報制御装置が残りの情報制御装置の記憶する個人識別データに基づいて同期をとる。次に、前記ネットワークに接続されるセンタサーバが代表情報制御装置の記憶する個人識別データに基づいて同期をとる。次に、代表情報制御装置が、センタサーバの記憶する個人識別データに基づいて同期をとる。最後に、残りの情報制御装置が代表情報制御装置の記憶する個人識別データに基づいて同期をとる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にセキュリティ管理を行うシステムを備える建物に出入りする者の個人識別データを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルやオフィスの施設や部屋等といった建物のセキュリティ管理のために、例えば、特許文献1に開示された技術がある。特許文献1では、ビル内において個人識別情報検出装置で検出された個人識別情報と、情報制御装置の記憶装置に登録された個人識別データとを照合し、個人認証を行うセキュリティ管理システムについて開示されている。この個人識別データは、ビルから離れた場所で、データの登録、変更、抹消等が管理される。新規個人識別データが登録されたり、既存の個人識別データが変更されたりした場合は、該当する個人識別データを、ビル外からビル内の情報制御装置へ伝送する。
【特許文献1】特開2004−265158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のセキュリティ管理システムにおいては、登録された個人識別データを最新にするために、センタに設置されるセンタサーバと、各建物内の情報制御装置との間で個人識別データの同期を取る。この場合、センタサーバは、各建物内の情報制御装置の一つ一つと順番に通信を行っていた。ただ、この方法では、センタにて管理する施設や部屋の数が多い場合、情報制御装置の数や管理する個人識別データの数も当然多くなる。このため、センタサーバの負荷が飛躍的に増大し、センタサーバと各建物内の情報制御装置との間で個人識別データの同期を取るために要する時間が増大するという問題がある。
【0004】
上記事情を鑑みて、本発明では、センタサーバの負荷を低減し、センタサーバと各建物内の情報制御装置との間で個人識別データの同期を取るために要する時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、まず、ある建物において構築されたネットワークに接続される情報制御装置から代表となる代表情報制御装置を選び、その代表情報制御装置が残りの情報制御装置の記憶する個人識別データに基づいて同期をとる。次に、前記ネットワークに接続されるセンタサーバが代表情報制御装置の記憶する個人識別データに基づいて同期をとる。次に、代表情報制御装置が、センタサーバの記憶する個人識別データに基づいて同期をとる。最後に、残りの情報制御装置が代表情報制御装置の記憶する個人識別データに基づいて同期をとる。
【0006】
従来はセンタサーバが行っていた同期の処理の大部分を代表情報制御装置が行うことになるので、負荷が分散された状態になり、センタサーバの負荷は低減され、ひいては、センタサーバが占有される時間を削減することができる。これにより、センタサーバに求められる性能の低減化や、センタにて管理可能な施設や部屋の数を増やすように設計することが可能となる。詳細は、後記する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、センタサーバの負荷を低減し、センタサーバと各建物内の情報制御装置との間で個人識別データの同期を取るために要する時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という。)について説明する。説明する際には、本明細書と同時に提出する図面を適宜参照する。なお、本実施形態で取り扱う建物は、多数の居室を備えたマンションであるとする。
【0009】
≪構成≫
図1は、本実施形態の個人識別データ管理システムの概略構成をブロック図として図示したものである。この個人識別データ管理システムでは、センタ10と、複数のマンションシステム20と、複数のセンタクライアント110とが、ネットワーク30を介して接続されている。このような構成により、マンションに入居する者の入退室等のセキュリティ管理が行なわれる。
【0010】
センタ10は、データベース(DB)101を備え、ネットワーク30と接続するセンタサーバ100と、センタサーバ100に接続したセンタクライアント110とを有して構成される。
【0011】
センタサーバ100は、キーボードやマウス等で実装された入力部100a、例えばCPU(Central Processing Unit:中央制御装置)等で実装された制御部100b、読み書きされるデータを展開するための記憶領域を確保するRAM(Random Access Memory)や外部記憶装置としてのHDD(Hard Disk Drive)等で実装された記憶部100cおよびディスプレイ(表示部)やマイク(音出力部)等で実装された出力部100dといったハードウェア資源を備えた、一般的なコンピュータである。そして、制御部100bは、マンションに入居する者を識別するデータの管理や、その者に対する個人認証などを含むセキュリティ制御に関する情報処理を実行するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の記録媒体から、そのプログラムを読み出す。
【0012】
データベース110には、各マンションの各居室に備えられた装置のIP(Internet Protocol)アドレス(ネットワーク30の仕様等に応じてグローバルIPアドレスでも良いし、プライベートIPアドレスでも良い。)やマンション内の各装置と通信を行うための通信ポート、マンションの棟・階・居室に関する情報、マンションの住人が入退室を行う際に認証に用いるIC(Integrated Circuit)カードに記憶されたカードデータ(個人識別データ)およびマンションに設置されている機器の情報等が格納されている。
【0013】
センタ10内に設置されたセンタクライアント110は、入力部、制御部、記憶部および出力部といったハードウェア資源を備えた、一般的なコンピュータである。センタサーバ100と接続して通信を行い、カードデータの登録・変更・削除等をセンタサーバ100に指示することができる。センタサーバ100はその指示に従い、データベース110へのカードデータの登録・変更・削除・閲覧等を行う。
【0014】
ネットワーク30に接続したセンタクライアント110は、センタ10内に設置されたセンタクライアント110と同等の機能を有する一般的なコンピュータであり、センタ10が設置された場所とは異なる場所(例えば、日本全国に亘って)設置されている。カードデータの登録・変更・削除等をセンタサーバ100に指示することができる。
【0015】
マンションシステム20は、複数の共用部制御装置210と複数の専有部制御装置220とカードデータ登録装置230が、外部のネットワーク30と接続させているルータ200を介して接続されることにより、当該マンションに入退室等する者を管理するシステムを構成している。
【0016】
共用部制御装置210は、マンションの集合玄関や会議室等のような共用部における居住者の入退を管理する装置であり、ルータ200に接続された情報制御装置211と、カードリーダ212と、自動ドア213とを有して構成されている。
【0017】
情報制御装置211は、キーボードやマウス等で実装された入力部211a、例えばCPU等で実装された制御部211b、読み書きされるデータを展開するための記憶領域を確保するRAMや外部記憶装置としてのHDD等で実装された記憶部211cおよびディスプレイ(表示部)やマイク(音出力部)等で実装された出力部211dといったハードウェア資源を備えた、一般的なコンピュータである。この情報制御装置211はルータ200と接続することにより外部のネットワーク30を介して、センタサーバ100等と通信することができる。そして、制御部211bは、マンションに入居する者を識別するデータの管理や、その者に対する個人認証などを含むセキュリティ制御に関する情報処理を実行するためのプログラムを格納したROM等の記録媒体から、そのプログラムを読み出す。また、記憶部211cは、当該マンションの住人のカードデータを記憶している。
【0018】
カードリーダ212は、マンションの住人が入退室を行う際に、その者が所有しているICカードからカードデータを読み取ることで個人認証を行う認証装置である。個人認証を行うときは、ICカードから読み込んだカードデータと、情報制御装置211の記憶部211cにて記憶されたカードデータとを照合する。また、自動ドア213は、カードリーダ212による個人認証が成功したときに開閉するドアである。
【0019】
専有部制御装置220は、マンションの住人の各居室、つまり、許可された者だけが入ることのできる領域である専有部への入退を管理する装置であり、ルータ200に接続された情報制御装置221と、カードリーダ222と、電気錠223とを有して構成されている。
【0020】
情報制御装置221は、キーボードやマウス等で実装された入力部221a、例えばCPU等で実装された制御部221b、読み書きされるデータを展開するための記憶領域を確保するRAMや外部記憶装置としてのHDD等で実装された記憶部221cおよびディスプレイ(表示部)やマイク(音出力部)等で実装された出力部221dといったハードウェア資源を備えた、一般的なコンピュータである。この情報制御装置221はルータ200と接続することにより外部のネットワーク30を介して、センタサーバ100等と通信することができる。そして、制御部221bは、マンション内の当該居室に入居する者を識別するデータの管理や、その者に対する個人認証などを含むセキュリティ制御に関する情報処理を実行するためのプログラムを格納したROM等の記録媒体から、そのプログラムを読み出す。また、記憶部221cは、当該入居者のカードデータを記憶している。
【0021】
カードリーダ222は、マンションの住人がその居室への入退室を行う際に、その者が所有しているICカードからカードデータを読み込むことで個人認証を行う認証装置である。個人認証を行うときは、ICカードから読み込んだカードデータと、情報制御装置221の記憶部221cにて記憶されたカードデータとを照合する。また、電気錠223は、カードリーダ212による個人認証が成功したときに開錠する機器であり、当該居室のドアの、例えばドアノブの周囲に取り付けられている。
【0022】
カードデータ登録装置230は、入力部、制御部、記憶部および出力部といったハードウェア資源を備えた、一般的なコンピュータであり、例えば、マンションの管理人室等に設置される装置である。ルータ200に接続することですべての共用部の情報制御装置210、関係する専有部の情報制御装置220、および外部のネットワーク30を介してセンタサーバ100等と通信を行い、カードデータの登録・変更・削除等を行う。なお、カードデータ登録装置230は、マンションの管理人が当該マンションの入居者を管理できるように、記憶部において、すべての共用部の情報制御装置210とすべての専有部の情報制御装置220のIPアドレスを保持している。
【0023】
次に、本実施形態の個人識別データ管理システムで用いられるデータのデータ構造について説明する。図2は、一のマンションを対象とするカードデータのデータ構造を図示したものである。
【0024】
図2に示すカードデータは、マンションの居室を識別する居室番号が登録される居室番号フィールド2001と、居室番号で識別された居室に入室することを許可された者を識別し、その者が所有するカード(ICカード等)に記憶されている識別番号(カードID(Identification))と同一の識別番号が登録されるカードIDフィールド2002と、識別番号で特定される者がカードを使用して当該マンションに入退室できるか否かを示すフラグの値を登録する有効/無効フラグフィールド2003と、カードデータの更新が行われた日時を登録する更新日時フィールド2004とを有する。このデータは、主にセンタ10のデータベース101および共用部制御装置210の情報制御装置211の記憶部211cに記憶されており、マンションに入退室できる者をレコードとして管理している。なお、共用部制御装置210の情報制御装置211は、当該共用部が設置されているマンションに入退室する者のみについてカードデータを登録しているが、センタ10のセンタサーバ100は、ネットワーク30に接続されているすべてのマンションシステム20のマンションについて、上記カードデータを登録している。
【0025】
図2に示すカードデータは、居室番号フィールド2001において、居室番号で昇順にソートされており、居室番号が同じデータについては、さらに、カードIDフィールド2002において、カードIDで昇順にソートされているものとする。また、有効/無効フラグフィールド2003には、その者がカードを使用してマンションに入退室できるときは「1」という値が、できないときは「0」という値が登録される。
【0026】
図3は、情報制御装置情報のデータ構造を図示したものである。「情報制御装置情報」とは、マンションに設置されている情報制御装置の仕様について定めた情報である。
【0027】
図3に示す情報制御装置情報は、当該情報制御装置が設置されている居室を識別する識別番号が登録される居室番号フィールド3001と、その情報制御装置のIPアドレスが登録されるIPアドレスフィールド3002とを有する。このデータは、主にセンタ10のデータベース101および共用部制御装置210の情報制御装置211の記憶部211cに記憶されており、情報識別装置をレコードとして管理している。なお、共用部制御装置210の情報制御装置211は、当該共用部が設置されているマンションに設置されている情報制御装置のみについて情報制御装置情報を登録しているが、センタ10のセンタサーバ100は、ネットワーク30に接続されているすべてのマンションシステム20のマンションについて、上記情報制御装置情報を登録している。情報制御装置情報は、居室番号フィールド3001において、居室番号で昇順にソートされているものとする。
【0028】
図4は、一のマンションにある、居室番号が010201で識別される居室を対象とするカードデータのデータ構造を図示したものである。
【0029】
図4に示すカードデータは、010201という居室番号で識別された居室に入室することを許可された者を識別し、その者が所有するカード(ICカード等)に記憶されている識別番号(カードID)と同一の識別番号が登録されるカードIDフィールド4001と、識別番号で特定される者がカードを使用して当該マンションに入退室できるか否かを示すフラグの値を登録する有効/無効フラグフィールド4002と、カードデータの更新が行われた日時を登録する更新日時フィールド4003とを有する。このデータは、主に専有部制御装置220の情報制御措置221の記憶部221cに記憶されており、010201という居室番号で識別された居室に入退室できる者をレコードとして管理している。
【0030】
なお、図2に示すように、共用部制御装置210の情報制御装置211は、当該共用部が設置されているマンションに入退室する者全員が利用するため、全員分ついてカードデータを登録している。しかし、図4に示すように、専有部制御装置220の情報制御装置221は、当該居室に入退室する者のみが利用するため、その者たちについてのみのカードデータを登録している。このようにして、専有部制御装置220の情報制御装置221が記憶する情報量を低減させることにより、個人識別データ管理システムにおけるリソースを有効に活用することができる。なお、図4に示すカードデータは、カードIDフィールド4001において、カードIDで昇順にソートされているものとする。
【0031】
≪処理動作≫
センタ10のデータベース101に登録されるカードデータが更新(登録・変更・削除等)されるときの処理動作について説明する。この更新の処理動作は、センタサーバ100の入力部100aから更新する旨の要求情報の入力がなされたとき、または、センタクライアント110から更新する旨の要求情報を受信したときに実行される。更新を行うときには、センタサーバ100の制御部100bによって、入力または受信した要求情報から更新したい居室番号またはカードIDが判別され、その一方でデータベース101に登録されたカードデータが読み出される(図2参照)。その後、判別された居室番号またはカードIDを検索キーとして、居室番号フィールド2001にて値が一致する居室番号、またはカードIDフィールド2002にて値が一致するカードIDを存在すれば特定し、特定した居室番号またはカードIDに対応するレコードを抽出する。
【0032】
カードデータの登録を行う場合には、例えば、当該マンションに新たに入居する者が現れて新規のカードデータを追加すること等を意味しており、判別されたカードIDを検索キーとして、データベース101を検索しても一致する値は存在しないので、新たにレコードを作成する。作成する場合には、有効/無効フラグフィールド2003には「1」を登録し、更新日時フィールド2004には、例えば、その作成を行った日時を登録する。
【0033】
カードデータの変更を行う場合には、抽出したレコードにおいて、変更対象となるフィールドの値を変更する。そして、更新日時フィールド2004には、例えば、その変更を行った日時を登録する。
【0034】
カードデータの削除を行う場合には、例えば、その者がマンションから退去する、カードを紛失した、等の事情があったことを意味しており、抽出したレコードにおいて、有効/無効フラグフィールド2003の値を「0」に変更する。そして、更新日時フィールド2004には、例えば、その変更を行った日時を登録する。
【0035】
このような更新の処理動作を行った後、該当マンションの共用部制御装置210および専有部制御装置220へのデータの送信を併せて行っても良い。
【0036】
次に、カードデータ登録装置230に登録されるカードデータが更新(登録・変更・削除等)されるときの処理動作について説明する。この更新の処理動作は、基本的には、センタ10のデータベース101におけるそれと同様であるので、説明を省略するが、この動作が終了した後には、すべての共用部制御装置210の情報制御装置211および該当する専有部制御装置220の情報制御装置221に登録されるカードデータの更新処理が行われる。共用部制御装置210の情報制御装置211および専有部制御装置220の情報制御装置221にてなされる更新の動作処理も、基本的には、センタ10のデータベース101におけるそれと同様であるので、説明を省略する。
【0037】
このような更新の処理動作を行った後、センタ10のデータベース101の更新を併せて行っても良い。
【0038】
次に、センタ10のデータベース101と、マンションシステム20のすべての情報制御装置211、221との間でカードデータの同期をとるときの処理動作について説明する。まず、該当のマンションシステム20内の共用部制御装置210の情報制御装置211の中から代表となる代表情報制御装置を任意に選択する。代表となる情報制御装置を、当該マンションの入居者全員のカードデータを記憶している共用部制御装置210の情報制御装置211の中から選択することで、その後に行う処理を円滑に行うことができる。ただし、専有部制御装置220の情報制御装置221であっても、すべてのカードデータを取得できるように処理を行えば、この情報制御装置221が代表情報制御装置になっても良い。
【0039】
次に、この代表情報制御装置は、情報制御装置情報(図3参照)をもとに他のすべての情報制御装置211および221と順番に通信を行い、代表情報制御装置のカードデータを更新する。代表情報制御装置の記憶部から情報制御装置情報を読み出し、IPアドレスを特定した後、ルータ200を介して特定したIPアドレスにより特定される情報制御装置にアクセスし、その記憶部に登録されたカードデータを読み出し、カードデータの更新の処理動作を行う。更新の手順に関する詳細は後記する。なお、必要に応じて、カードデータ登録装置230から入力されたカードデータ等を用いて、代表情報制御装置のカードデータを更新する更新する場合もある。
【0040】
代表情報制御装置によるカードデータの更新が完了した後、センタ10のデータベース101に登録されたカードデータを代表情報制御装置に登録されたカードデータにより更新する。代表情報制御装置はセンタサーバ100に対し、同期を行うように要求情報を送信する。センタサーバ100は要求情報を受信すると、代表情報制御装置の記憶部にアクセスし、代表情報制御装置の記憶部に登録されたカードデータを読み出し、またデータベース101にアクセスし、データベース101に登録されたカードデータを読み出す。双方のカードデータを比較してデータベース101のカードデータの更新の処理動作を行う。更新の手順に関する詳細は後記する。なお、必要に応じて、センタクライアント110からから入力されたカードデータ等を用いて、データベース101に登録されたカードデータを更新する場合もある。
【0041】
その後、代表情報制御装置に登録されたカードデータを、センタ10のデータベース101に登録されたカードデータにより更新する。センタサーバ100は代表情報制御装置に対し、同期を行うように要求情報を送信する。代表情報制御装置は要求情報を受信すると、センタ10のデータベース101にアクセスし、データベース101に登録されたカードデータを読み出し、また代表情報制御装置の記憶部に登録されたカードデータを読み出す。双方のカードデータを比較して代表情報制御装置の記憶部のカードデータの更新の処理動作を行う。更新の手順に関する詳細は後記する。
【0042】
最後に、代表情報制御装置に登録されたカードデータにより、他のすべての情報制御装置211、221に登録されたカードデータを更新する。代表情報制御装置は他のすべての情報制御装置211、221の各々に対し、同期を行うように要求情報を送信する。他のすべての情報制御装置211、221の各々は、要求情報を受信すると、代表情報制御装置の記憶部にアクセスし、その記憶部に登録されたカードデータを読み出し、また他のすべての情報制御装置211、221の各々の記憶部に登録されたカードデータを読み出す。双方のカードデータを比較して他のすべての情報制御装置211、221の各々の記憶部のカードデータの更新の処理動作を行う。更新の手順に関する詳細は後記する。
【0043】
以上のような、4度の更新処理により、センタ10のデータベース102とマンションシステム20のすべての情報制御装置211および221との間で、カードデータの同期が完了する。
【0044】
なお、同期を取るタイミングは、センタ10から同期命令が出された時(例えば、センタサーバ100の入力部100aまたはセンタクライアント110の入力部から同期命令が入力された時)に行っても良いし、各マンションシステム20において定期的に実行するようにスケジュールを設定して(例えば、代表情報制御装置またはカードデータ登録装置230が記憶するスケジュール用のソフトウェアを実行することにより定められたスケジュールを設定して)自動的に実行しても良い。
【0045】
次に、各装置間で同期を行うときになされる更新の手順の詳細について説明する。説明の便宜上、共用部制御装置210の情報制御装置211、専有部制御装置220の情報制御装置221、センタサーバ110を単に「装置」と総称する。なお、マンションの全居室のカードデータに関して更新を行うときの手順と、マンションのある1つの居室のカードデータに関して更新を行うときの手順とは、別々に説明する。
【0046】
図5は、マンションの全居室のカードデータに関して、装置B(図5中では、「B」と表記される装置)のカードデータを用いて装置A(図5中では、「A」と表記される装置)のカードデータを更新する処理手順をフローチャートとして図示したものである。また、図6は、マンションのある1つの居室のカードデータに関して、装置B(図6中では、「B」と表記される装置)のカードデータを用いて装置A(図6中では、「A」と表記される装置)のカードデータを更新する処理手順をフローチャートとして図示したものである。
【0047】
図5で示す更新の処理手順は以下の通りである。まず、ステップS501において、装置A、Bからともに先頭のカードデータを(例えば、図2に示すカードデータのうち最も上位にあるレコードを)読込む。そのカードデータを読込めばステップS502に進む。
【0048】
ステップS502において、装置Aからカードデータを読込めたか否かを判定する。装置Aからカードデータを読込めたときは(ステップS502でYes)、ステップS503に進み、読込めないときは(ステップS502でNo)、ステップS504に進む。
【0049】
ステップS503において、装置Bからカードデータを読込めたか否かを判定する。装置Bからカードデータを読込めたときは(ステップS503でYes)、ステップS505に進み、読込めないときは(ステップS503でNo)、もはや装置Bが装置Aに更新させるべきカードデータは存在しないことを意味するので、処理を終了する。
【0050】
ステップS504において、もはや装置Aに更新されることになるカードデータは存在しないことを意味するので、装置Bから装置Aに残りの全てのカードデータを追加(登録)して、処理を終了する。
【0051】
ステップS505において、装置Aから読込んだカードデータの居室番号(例えば、図2に示す居室番号フィールド2001に登録された値)と装置Bから読込んだカードデータの居室番号とが等しいか否か判定する。双方の居室番号が等しいときは(ステップS505でYes)、ステップS506に進む。等しくないときは(ステップS505でNo)、ステップS514に進む。
【0052】
ステップS506において、装置Aから読込んだカードデータのカードID(例えば、図2に示すカードIDフィールド2002に登録された値)と装置Bから読込んだカードデータのカードIDとが等しいか否か判定する。双方のカードIDが等しいときは(ステップS506でYes)、ステップS507に進む。等しくないときは(ステップS506でNo)、ステップS510に進む。
【0053】
ステップS507において、装置Aのカードデータの方が装置Bのそれと比べて更新日時が古いか否かを判定する。このとき、例えば、装置Aと装置Bとで、図2に示すカードデータの更新日時フィールド2004に登録された値を比較する。装置Aのカードデータの方が、更新日時が古いときは(ステップS507でYes)、ステップS508に進む。古くないときは(ステップS507でNo)、ステップS509に進む。
【0054】
ステップS508において、装置Aから読込んだカードデータは装置Bのそれよりも古いので、装置Aのカードデータを装置Bのカードデータで上書きする。これにより、装置Aのカードデータは最新の状態になる。上書きしたらステップS509に進む。
【0055】
ステップS509において、装置A、Bからともに次のカードデータを(例えば、図2に示すカードデータのうち、すでに読込んだレコードの1つ下のものを)1件ずつ読込む。そのカードデータ読込めばステップS502に戻る。
【0056】
ステップS510において、装置Aから読込んだカードデータのカードIDの方が装置Bから読込んだカードデータのカードIDよりも大きいか否か判定する。装置Aから読込んだカードデータのカードIDの方が大きいときは(ステップS510でYes)、ステップS511に進む。大きくない(つまり、小さい)ときは(ステップS510でNo)、ステップS513に進む。
【0057】
ステップS511において、もともと装置Aには記憶されていなかった、装置Bのカードデータを装置Aに追加(登録)する。追加したら、ステップS512に進む。
【0058】
ステップS512において、装置Bにおいてのみ、次のカードデータを読込む。装置Bにおいてそのカードデータを読込めばステップS502に戻る。
【0059】
ステップS513において、装置Aにおいてのみ、次のカードデータを読込む。装置Aにおいてそのカードデータを読込めばステップS502に戻る。
【0060】
ステップS514において、装置Aから読込んだカードデータの居室番号の方が装置Bから読込んだカードデータの居室番号よりも大きいか否か判定する。装置Aから読込んだカードデータの居室番号の方が大きいときは(ステップS514でYes)、ステップS515に進む。大きくない(つまり、小さい)ときは(ステップS514でNo)、ステップS517に進む。
【0061】
ステップS515において、もともと装置Aには記憶されていなかった、装置Bのカードデータを装置Aに追加(登録)する。追加したら、ステップS516に進む。
【0062】
ステップS516において、装置Bにおいてのみ、次のカードデータを読込む。装置Bにおいてそのカードデータを読込めばステップS502に戻る。
【0063】
ステップS517において、装置Aにおいてのみ、次のカードデータを読込む。装置Aにおいてそのカードデータを読込めばステップS502に戻る。
【0064】
このような処理を、一方または両方の装置から読込むカードデータがなくなるまで繰り返す。
以上で、図5に示すフローチャートの説明を終了する。
【0065】
図6で示す更新の処理手順は以下の通りである。まず、ステップS601において、装置A、Bからともに該当居室の先頭のカードデータを(例えば、図4に示すカードデータのうち最も上位にあるレコードを)読込む。そのカードデータ読込めばステップS602に進む。
【0066】
ステップS602において、装置Aから該当居室のカードデータを読込めたか否かを判定する。装置Aから該当居室のカードデータを読込めたときは(ステップS602でYes)、ステップS603に進み、読込めないときは(ステップS602でNo)、ステップS604に進む。
【0067】
ステップS603において、装置Bから該当居室のカードデータを読込めたか否かを判定する。装置Bから該当居室のカードデータを読込めたときは(ステップS603でYes)、ステップS605に進み、読込めないときは(ステップS603でNo)、もはや装置Bが装置Aに更新させるべき該当居室のカードデータは存在しないことを意味するので、処理を終了する。
【0068】
ステップS604において、もはや装置Aに更新されることになる該当居室のカードデータは存在しないことを意味するので、装置Bから装置Aに残りの全ての該当居室のカードデータを追加(登録)して、処理を終了する。
【0069】
ステップS605において、装置Aから読込んだ該当居室のカードデータのカードID(例えば、図4に示すカードIDフィールド4001に登録された値)と装置Bから読込んだ該当居室のカードデータのカードIDとが等しいか否か判定する。双方のカードIDが等しいときは(ステップS605でYes)、ステップS606に進む。等しくないときは(ステップS605でNo)、ステップS609に進む。
【0070】
ステップS606において、装置Aの該当居室のカードデータの方が装置Bのそれと比べて更新日時が古いか否かを判定する。このとき、例えば、装置Aと装置Bとで、図4に示すカードデータの更新日時フィールド4003に登録された値を比較する。装置Aの該当居室のカードデータの方が、更新日時が古いときは(ステップS606でYes)、ステップS607に進む。古くないときは(ステップS606でNo)、ステップS608に進む。
【0071】
ステップS607において、装置Aから読込んだ該当居室のカードデータは装置Bのそれよりも古いので、装置Aの該当居室のカードデータを装置Bの該当居室のカードデータで上書きする。これにより、装置Aの該当居室のカードデータは最新の状態になる。上書きしたらステップS608に進む。
【0072】
ステップS608において、装置A、Bからともに次の該当居室のカードデータを(例えば、図4に示すカードデータのうち、すでに読込んだレコードの1つ下のものを)1件ずつ読込む。その該当居室のカードデータ読込めばステップS602に戻る。
【0073】
ステップS609において、装置Aから読込んだ該当居室のカードデータのカードIDの方が装置Bから読込んだ該当居室のカードデータのカードIDよりも大きいか否か判定する。装置Aから読込んだ該当居室のカードデータのカードIDの方が大きいときは(ステップS609でYes)、ステップS610に進む。大きくない(つまり、小さい)ときは(ステップS609でNo)、ステップS612に進む。
【0074】
ステップS610において、もともと装置Aには記憶されていなかった、装置Bの該当居室のカードデータを装置Aに追加(登録)する。追加したら、ステップS611に進む。
【0075】
ステップS611において、装置Bにおいてのみ、次の該当居室のカードデータを読込む。装置Bにおいてその該当居室のカードデータを読込めばステップS602に戻る。
【0076】
ステップS612において、装置Aにおいてのみ、次の該当居室のカードデータを読込む。装置Aにおいてその該当居室のカードデータを読込めばステップS602に戻る。
【0077】
このような処理を、一方または両方の装置から読込むカードデータがなくなるまで繰り返す。
以上で、図6に示すフローチャートの説明を終了する。
【0078】
カードデータの更新を行う際、センタ10のデータベース101と代表情報制御装置との間の更新、および、代表情報制御装置と(代表情報制御装置以外の)共用部制御装置210情報制御装置211との間の更新は、全居室のカードデータについて更新が必要なため、図5で示すフローチャートに従い、処理を行う。一方、代表情報制御装置と専有部制御装置220の情報制御装置221との間の更新は、ある1つの居室のカードデータについてのみ更新するため、図6で示すフローチャートに従い、処理を行う。
【0079】
≪まとめ≫
本実施形態により、以下の効果を奏する。すなわち、センタサーバ100の負荷を低減し、センタサーバ100と各マンションシステム20の情報制御装置との間でカードデータの同期を取るために要する時間を短縮することができる。従来はセンタサーバ100が行っていた同期の処理の大部分を代表情報制御装置が行うことになるので、負荷が分散された状態になるからである。これにより、センタサーバ100に求められる性能の低減化や、センタ10にて管理可能な施設や部屋の数を増やすように設計することが可能となる。
【0080】
≪その他≫
なお、上記実施形態は、本発明を実施するための最良のものであるが、これに限定するものではない。したがって、本発明の要旨を変更しない範囲内において、その実施形式を種々変形することは可能である。
【0081】
例えば、上記実施形態では、1台の代表情報制御装置が他のすべての情報制御装置によりカードデータの更新を行ったが、この代表情報制御装置は複数台であっても良い。この場合において、まず、代表情報制御装置となる情報制御装置を選ぶだけでなく、その代表情報制御装置が他のすべての情報制御装置のうちどの情報制御装置のカードデータの更新を担当するかという範囲を定めておくと良い。例えば、1つの集合住宅が複数の棟からなる場合、各棟に属する情報制御装置から1つずつ代表情報制御装置を選ぶようにすると良い。
【0082】
そして、各代表情報制御装置が担当する情報制御装置によりカードデータの更新を行った後、さらに、代表情報制御装置間でカードデータの更新を行う。この場合において、複数の代表情報制御装置のうち、さらに代表となる代表情報制御装置を選ぶようにしても良い。その代表となった代表情報制御装置がセンタサーバ100と同期の更新処理を行うようにすると良い。また、一方で、複数の代表情報制御装置がそれぞれセンタサーバ100と同期の更新処理を行うようにしてもよい。センタサーバ100からしてみれば、どのように代表情報制御装置が選ばれようとも、その代表情報制御装置に対して行う更新の情報処理に差は生じない。
【0083】
これにより、並行してカードデータの更新処理を行えるため、個人識別データ管理システム全体として同期に要する時間を短縮できる。
【0084】
また、上記実施形態は、代表情報制御装置の選択は、任意に行うように説明したが、例えば、建物に本発明の個人識別データ管理システムを導入する段階で、単に、代表情報制御装置となる情報制御装置を定めておき、その情報制御装置がセンタサーバ100と同期の処理を行うように設計しておけば良い。また、個人識別データ管理システムの導入する段階でなく、センタサーバ100と同期をとる時に、同期を行うのに最適な情報制御装置を代表情報制御装置として選ぶようにすれば良い。例えば、センタサーバ100、センタクライアント110、カードデータ登録装置230等の入力部から設定するようにすれば良い。また、例えば、あるマンションシステム20の一の情報制御装置に、他の情報制御装置のリソースの占有率を判定する手段を設けるようにし、センタサーバ100と同期をとる時に、最もリソースの占有率が小さな情報制御装置を代表情報制御装置として選ぶようにすれば良い。この場合において、リソースの占有率を判定する手段を有する装置は、マンションシステム20の一の情報制御装置に限定する必要はなく、他にも、カードデータ登録装置230でも、センタサーバ100でも良い。
【0085】
また、上記実施形態では、建物としてマンションを採り上げたが、商用ビルや工業施設を備えた建物に対しても適用することが可能である。また、マンションにしてみても、一建物としての集合住宅に限らず、複数の棟からなる集合住宅でも良いし、管理人が存在しない、つまり、カードデータ登録装置230が存在しないマンションシステム20に対しても適用することが可能である。
【0086】
また、上記実施形態では、複数のマンションを管理するセンタ10にセンタサーバ100を備えるシステムを採り上げたが、センタサーバ100といったサーバではなく、PC(Personal Computer)、ワークステーション、専用端末その他の制御装置を用いることも可能である。また、情報制御装置、データベース、カードリーダ等における相互のデータ伝送は、有線伝送であっても、無線伝送であってもどちらでも良い。また、個人認証の照合を行うときには、カードリーダのみならず、指紋検出装置、虹彩検出装置、指静脈検出装置、手形検出装置その他の検出装置を用いることも可能である。
【0087】
その他、ハードウェアや各フローチャートなどの具体的な構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本実施形態の個人識別データ管理システムの概略構成をブロック図として図示したものである。
【図2】一のマンションを対象とするカードデータのデータ構造を図示したものである。
【図3】情報制御装置情報のデータ構造を図示したものである。
【図4】一のマンションにある、居室番号が010201で識別される居室を対象とするカードデータのデータ構造を図示したものである。
【図5】マンションの全居室のカードデータに関して、装置Bのカードデータを用いて装置Aのカードデータを更新する処理手順をフローチャートとして図示したものである。
【図6】マンションのある1つの居室のカードデータに関して、装置Bのカードデータを用いて装置Aのカードデータを更新する処理手順をフローチャートとして図示したものである。
【符号の説明】
【0089】
10 センタ
20 マンションシステム
30 ネットワーク
100 センタサーバ
101 データベース(DB)
110 センタクライアント
200 ルータ
210 共用部制御装置
211 情報制御装置
212 カードリーダ
213 自動ドア
220 専有部制御装置
221 情報制御装置
222 カードリーダ
223 電気錠
230 カードデータ登録装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の入居者を識別する個人識別データを読み取ることで個人認証を行う認証装置と、前記認証装置の個人認証の結果に応じて建物の入居者の入退室を処理動作する入退室装置と、前記認証装置および前記入退室装置を制御する、建物内に設置される、二以上の第一の情報制御装置と、
前記第一の情報制御装置とネットワークを介して接続され、前記個人識別データの送受信を行う第二の情報制御装置と、を有し、
建物の入居者に対するセキュリティ制御を行う個人識別データ管理システムにおいて、
前記第一の情報制御装置は、
少なくとも、建物の入居者を登録する第一の個人フィールドと、個人識別データの更新処理を行った日時を登録する第一の更新日時フィールドとを有して個人識別データを記憶する第一の記憶手段を備え、
前記第二の情報制御装置は、
少なくとも、建物の入居者を登録する第二の個人フィールドと、個人識別データの更新処理を行った日時を登録する第二の更新日時フィールドとを有して個人識別データを記憶する第二の記憶手段を備え、
前記第一の情報制御装置を代表する代表情報制御装置が前記代表情報制御装置以外の他の第一の情報制御装置に対して同期をとる場合において、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者が、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者と一致し、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時が、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時よりも古いときは、前記代表情報制御装置は、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データを、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データと同一のものに変更するように更新し、
前記第二の情報制御装置が前記代表情報制御装置に対して同期をとる場合において、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段の前記第二の個人フィールドに登録された入居者が、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者と一致し、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段の前記第二の更新日時フィールドに登録された更新日時が、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時よりも古いときは、前記第二の情報制御装置は、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データを、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データと同一のものに変更するように更新し、
前記代表情報制御装置が前記第二の情報制御装置に対して同期をとる場合において、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者が、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段の前記第二の個人フィールドに登録された入居者と一致し、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時が、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段の前記第二の更新日時フィールドに登録された更新日時よりも古いときは、前記代表情報制御装置は、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データを、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データと同一のものに変更するように更新し、
前記他の第一の情報制御装置が前記代表情報制御装置に対して同期をとる場合において、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者が、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者と一致し、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時が、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時よりも古いときは、前記他の第一の情報制御装置は、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データを、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データと同一のものに変更するように更新する
ことを特徴とする個人識別データ管理システム。
【請求項2】
前記第一の情報制御装置を代表する代表情報制御装置が二以上存在し、
一方の代表情報制御装置が他方の代表情報制御装置に対して同期をとる場合において、前記一方の代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者が、前記他方の代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者と一致し、前記一方の代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時が、前記他方の代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時よりも古いときは、前記一方の代表情報制御装置は、前記一方の代表情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データを、前記他方の代表情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データと同一のものに変更するように更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の個人識別データ管理システム。
【請求項3】
建物の入居者を識別する個人識別データを読み取ることで個人認証を行う認証装置と、前記認証装置の個人認証の結果に応じて建物の入居者の入退室を処理動作する入退室装置と、前記認証装置および前記入退室装置を制御する、建物内に設置される、二以上の第一の情報制御装置と、
前記第一の情報制御装置とネットワークを介して接続され、前記個人識別データの送受信を行う第二の情報制御装置と、を有し、
建物の入居者に対するセキュリティ制御を行う個人識別データ管理システムにおける個人識別データ管理方法において、
前記第一の情報制御装置は、
少なくとも、建物の入居者を登録する第一の個人フィールドと、個人識別データの更新処理を行った日時を登録する第一の更新日時フィールドとを有して個人識別データを記憶する第一の記憶手段を備え、
前記第二の情報制御装置は、
少なくとも、建物の入居者を登録する第二の個人フィールドと、個人識別データの更新処理を行った日時を登録する第二の更新日時フィールドとを有して個人識別データを記憶する第二の記憶手段を備え、
前記第一の情報制御装置を代表する代表情報制御装置が前記代表情報制御装置以外の他の第一の情報制御装置に対して同期をとる場合において、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者が、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者と一致し、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時が、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時よりも古いときは、前記代表情報制御装置は、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データを、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データと同一のものに変更するように更新する第一のステップと、
前記第二の情報制御装置が前記代表情報制御装置に対して同期をとる場合において、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段の前記第二の個人フィールドに登録された入居者が、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者と一致し、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段の前記第二の更新日時フィールドに登録された更新日時が、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時よりも古いときは、前記第二の情報制御装置は、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データを、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データと同一のものに変更するように更新する第二のステップと、
前記代表情報制御装置が前記第二の情報制御装置に対して同期をとる場合において、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者が、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段の前記第二の個人フィールドに登録された入居者と一致し、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時が、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段の前記第二の更新日時フィールドに登録された更新日時よりも古いときは、前記代表情報制御装置は、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データを、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データと同一のものに変更するように更新する第三のステップと、
前記他の第一の情報制御装置が前記代表情報制御装置に対して同期をとる場合において、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者が、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者と一致し、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時が、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時よりも古いときは、前記他の第一の情報制御装置は、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データを、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データと同一のものに変更するように更新する第四のステップと、
を実行することを特徴とする個人識別データ管理方法。
【請求項4】
建物の入居者を識別する個人識別データを読み取ることで個人認証を行う認証装置と、前記認証装置の個人認証の結果に応じて建物の入居者の入退室を処理動作する入退室装置と、前記認証装置および前記入退室装置を制御する、建物内に設置される、二以上の第一の情報制御装置と、
前記第一の情報制御装置とネットワークを介して接続され、前記個人識別データの送受信を行う第二の情報制御装置と、を有し、
建物の入居者に対するセキュリティ制御を行う個人識別データ管理システムのコンピュータとして機能させる個人識別データ管理プログラムにおいて、
前記第一の情報制御装置は、
少なくとも、建物の入居者を登録する第一の個人フィールドと、個人識別データの更新処理を行った日時を登録する第一の更新日時フィールドとを有して個人識別データを記憶する第一の記憶手段を備え、
前記第二の情報制御装置は、
少なくとも、建物の入居者を登録する第二の個人フィールドと、個人識別データの更新処理を行った日時を登録する第二の更新日時フィールドとを有して個人識別データを記憶する第二の記憶手段を備え、
前記コンピュータに、
前記第一の情報制御装置を代表する代表情報制御装置が前記代表情報制御装置以外の他の第一の情報制御装置に対して同期をとる場合において、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者が、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者と一致し、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時が、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時よりも古いときは、前記代表情報制御装置は、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データを、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データと同一のものに変更するように更新する第一の処理と、
前記第二の情報制御装置が前記代表情報制御装置に対して同期をとる場合において、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段の前記第二の個人フィールドに登録された入居者が、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者と一致し、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段の前記第二の更新日時フィールドに登録された更新日時が、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時よりも古いときは、前記第二の情報制御装置は、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データを、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データと同一のものに変更するように更新する第二の処理と、
前記代表情報制御装置が前記第二の情報制御装置に対して同期をとる場合において、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者が、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段の前記第二の個人フィールドに登録された入居者と一致し、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時が、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段の前記第二の更新日時フィールドに登録された更新日時よりも古いときは、前記代表情報制御装置は、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データを、前記第二の情報制御装置の前記第二の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データと同一のものに変更するように更新する第三の処理と、
前記他の第一の情報制御装置が前記代表情報制御装置に対して同期をとる場合において、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者が、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の個人フィールドに登録された入居者と一致し、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時が、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段の前記第一の更新日時フィールドに登録された更新日時よりも古いときは、前記他の第一の情報制御装置は、前記他の第一の情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データを、前記代表情報制御装置の前記第一の記憶手段が記憶する、当該入居者に係る個人識別データと同一のものに変更するように更新する第四の処理と、
を実行させることを特徴とする個人識別データ管理プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載の個人識別データ管理プログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−163389(P2009−163389A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340766(P2007−340766)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】