説明

偏光発光装置および方法

偏光を放射する反射性電極または反射性裏打ち材、直線偏光子および/または帯域フィルタを含む有機発光装置(OLED)は、OLEDからの実質的にすべての光を偏光子および/または帯域フィルタを通過させ、周辺光を実質的に吸収するように組み合わされる。着色された直線偏光子は直線偏光子と帯域フィルタの機能を提供する。光分散要素も含めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には偏光子および/またはフィルタを含む偏光有機発光装置(OLED)、より詳細には視認性を強化するために実質的に周辺光を減衰させる偏光子および/またはフィルタを含むOLED、さらに詳細には映像の可視範囲を変えるために使用される光分散部品を組み合わせて実質的に周辺光を減衰させて視認性を強化する偏光子および/またはフィルタを含むOLEDに関する。
【背景技術】
【0002】
放射型電子発光装置はさまざまな環境下で多くの異なる装置で使用される。これらの環境のいくつかでは、これらの装置により生み出される映像が直射日光など高レベルの照明光のもとで見る場合に消失(washed out)することがある。これは照射光がディスプレイの前面で反射されるか、表示された映像のコントラストがディスプレイ中の構造物によって減じるように反射される時に起きる。これはOLEDに付随する特有の問題である。なぜならば、有機発光装置(OLED)は通常、高反射性カソードと屈折率が大幅に異なる表面インターフェースで組み立てられるためである。この高反射性カソードと表面インターフェースが周辺光のほとんどを反射させ、表示された映像を周辺光が消失させる。
【0003】
この画面消失問題に対処するための1つの方法は、1つの円偏光相を伝播し、かつもう1つの円偏光相を吸収するように前部表面に円偏光子を積層することである。周辺光の反射は、この円偏光子により実質的に減少される。なぜならば、1つの円偏光相の光は偏光子を通過しながら吸収され、カソードに向かって進行しながら金属カソードおよび他の反射要素から反射され、光はディスプレイ中で反射要素から離れながら円偏光子により吸収されるからである。このようにして周辺光の2つの偏光相が円偏光子により吸収されることから映像は周辺光によって消失しない。不都合なことに、現在入手可能なOLEDは両方の偏光相の光を放射し、円偏光子がOLEDにより生み出される光の2つの偏光相の1つを吸収する。ディスプレイの輝度を円偏光子なしの装置と同じレベルに保つためには、OLEDは追加の光を放射するように作らなければならない。この付加的な光はOLEDに追加電力を与えることによって生み出されるが、これはOLEDの寿命を短くする。さらに、もしOLEDがバッテリー駆動の装置の一部である場合、バッテリー電力は急速に(たとえば、円偏光子がない場合は少なくとも2倍の速度で)消費される。
【0004】
画面消失問題に対処するためにとられるもう1つの方法は、極端に薄い金属カソード、つまりOLEDを通る効率的な通過電流に十分な導電性を与える透明の導電性材料により裏打ちされたほぼ透明の金属カソードを含む透明なOLED構造を用いることである。この薄い金属カソードと透明な導電性材料は、黒色の光吸収性の高い材料で裏打ちされる。吸収性材料は、消失問題を解決するように、ディスプレイ上の入射周辺光の大部分を吸収する。しかし、OLED装置は反射板によって裏打ちされる代わりに吸収性材料で裏打ちされることから、OLEDの発光層から放射される光のほぼ半分だけが映像を形成するために利用される。この光の損失は、発光層が前向きと後向きの両方の光を放射するために発生する。したがって、ディスプレイの積層物を反射カソードを備えた装置と同じレベルに保つためには、OLEDは追加光を放射するように作らなければならず、円偏光子を含む場合に起きるのと同じ欠点を生ずる。
【0005】
同様の画面消失問題は、さまざまな周辺光条件下の大型スクリーンで映像を見る投影システムでも起きる。不都合なことに、画面スクリーンの単位面積当たりに与えられる光エネルギーの量は直視ディスプレイシステムを大幅に下回る。OLEDに対する励起電流を増やすことによって、OLEDにより大きな光エネルギーを生み出させることもできる。増強した励起電流はOLEDの寿命を著しく短くし、かつその他の問題も生じさせる。消失問題を改善するために行われている1つの方法は、ビーズ埋め込みスクリーンを使用することである。そうしたスクリーンは黒色マトリクス中にポリマーまたはガラスのビーズを埋め込むことにより組み立てられる。ビーズは平坦な表面を持たないことから、見る人に対する鏡面反射を減少させる。ビーズとビーズの間の領域は光を吸収する黒色材料で埋められる。不都合なことに、そうしたスクリーンを用いるシステムのアパーチャーは100%を大きく下回り、OLEDにより放射される光の大きな損失をもたらす。
【特許文献1】発見できず
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、当分野ではディスプレイ映像の消失を防止するためにOLEDの発光層により放射される光の大部分を失うことなくディスプレイからの周辺光の反射を減少または排除する方法が強く求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、帯域フィルタと、直線偏光子と、光エミッタを備えた有機発光装置とを含む発光装置を提供することにある。直線偏光子は帯域フィルタに隣接し、光エミッタは偏光を放射する。
【0008】
本発明の別の態様では、所定のスペクトルを有する面偏光を作り出し、面偏光を直線偏光し、面偏光のスペクトル外の光を吸収する平面を作るために有機発光装置を励起することを含む映像を提供する方法を提供する。
【0009】
本発明の別の態様では、帯域フィルタと光エミッタを備えた有機発光装置を含む発光装置を提供する。この光エミッタは狭いスペクトルの光を放射し、帯域フィルタは狭いスペクトルの光を伝播するとともに狭いスペクトル外の光を吸収する。
【0010】
本発明の別の態様では、偏光した狭いスペクトルの光を作り出し、反射光をフィルタリングし、かつ偏光を狭いスペクトル外の光を吸収して画面を視認できるような方向に伝播する有機発光装置を励起することを含む、映像を提供する方法を提供する。
【0011】
本発明の別の態様では、直線偏光子、リフレクタ、帯域フィルタ、および光エミッタを備えた有機発光装置を含む発光装置を提供する。偏光子と帯域フィルタの少なくとも1つはリフレクタと光エミッタの間に置かれる。
【0012】
本発明の別の態様では、光エミッタを備えた有機発光装置を含むプロジェクタ、投影スクリーン、およびプロジェクタと投影スクリーンの間に直線偏光子と投影光学機器を含む投影システムを提供する。光エミッタは、投影光学機器により投影スクリーン上に映像を作り出すように選択的に励起される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
帯域フィルタおよび/または直線偏光子を含む偏光有機発光装置(OLED)は、望ましくない周辺光の反射を実質的に低減または排除するように組み立てられる。図1は、面偏光発光OLED 102、反射電極または反射裏打ち材、直線偏光膜104、および前部表面に積層または別の方法により付着された帯域フィルタ106を含む、そうした装置100の1つの例示的装置を示す。あるいは、偏光膜104と帯域フィルタ106はOLED 102の偏光放射と偏光膜104の偏光軸の関係を維持するように装置100から一定の距離を離して構造物中におさめることもできる。分離された要素の表面反射を減らすために任意の反射防止または抗グレア性コーティングを使用することもできる。直線偏光膜104は直線的に偏光の1つの相を伝送するとともにその他の相を吸収する。偏光膜104は、OLED 102によって放射される偏光が偏光膜104を通過して実質的に吸収されないように調節される。直交する直線偏光相の光は、実質的に偏光膜104により吸収される。帯域フィルタ106は、OLED 102により放射されるスペクトル放射バンドが帯域フィルタ106中を伝送される時に実質的に吸収されず、他のすべての波長の光が帯域フィルタ106により実質的に吸収されるような形状とされる。偏光および帯域フィルタ機能は、光学スタック中の別の膜として組み立てるか、着色偏光膜などの単一の膜に組み入れることもできる。OLED 102の発光層から放射される光の偏光軸の方向は、ディスプレイを見る人に最適の視認特性を提供するために選定する。たとえば、偏光軸は見る人が偏光サングラスを着用できるように垂直に調節することもできる。
【0014】
本発明の別の例示的実施形態では、偏光膜104または帯域フィルタ106のいずれかだけが、他の2つの要素なしにディスプレイの前部表面に取りつけられる。たとえば、もしOLED 102がスペクトル的に広い赤、緑、青の発光帯域を有するフルカラーのピクセル型ディスプレイであれば、帯域フィルタ106の使用は必ずしも有用ではない。しかし、この場合には直線偏光膜104だけの使用でもディスプレイの視認性を大幅に改善する。逆に、もしOLED 102がスペクトル的に狭い(たとえば、数ナノメートル)赤、緑、青の発光帯域を有するフルカラーのピクセル型ディスプレイであれば、帯域フィルタ106の使用は周辺光を実質的に吸収してディスプレイの視認性を大幅に改善する。この装置に使用されている構造からは狭い発光帯域が得られる。たとえば、光エミッタ中にスペクトル的に狭い発光を作るためには、誘導放射を起こさせるフィードバック素子が用いられる。
【0015】
あるいは、直線偏光膜104および帯域フィルタ106は、ディスプレイからある程度の距離を置いて構造物の中に組み込まれるか、OLED 102から発せられる偏光と直線偏光膜104の偏光軸の関係が維持されるように配置される。任意には、分離された素子の表面反射を減ずるために、反射防止または抗グレア性コーティングが用いられる。そうしたコーティングは、コーティングを通過する光の偏光位相に悪影響を及ぼしてはならない(すなわち、偏光位相は維持されなければならない)。
【0016】
ほとんどの偏光膜は、膜の偏光軸と同一方向の異常(Extraordinary)複屈折軸と正の屈折率を持つ単軸の複屈折である。この場合、OLED/偏光膜の組み合わせによるオフノーマルな視認特性は、光学スタックのOLEDと単軸複屈折膜の偏光子の間にディスプレイ面に対して垂直な異常軸の正の複屈折値を持つ膜を入れることによって改善される。
【0017】
さらに、膜のような任意の光分散要素108、光学スタックその他OLEDの前部表面から放射される光の角度放射パターンを変更するための装置を含めることもできる。そうした膜、光学スタックまたはその他の装置をOLEDと直線偏光膜104(例、偏光子)の間に入れる場合は、OLEDから放射される光の偏光を実質的に保存するように組み立てる。たとえば、偏光を保存するホログラフィック拡散膜がOLEDと偏光膜104の間に入れる。そうした膜、光学スタックまたはその他の装置が直線偏光膜のビューワ側に置かれる場合、OLEDから放射される光の偏光は保存する必要がない。代わりに低反射性で低拡散性の膜、光学スタックまたはその他の装置を使用することができる。たとえば、OLEDの角度視認性を変えるための任意の光分散要素108は、偏光膜104と帯域フィルタ106の間に置かれる。
【0018】
あるいは、帯域フィルタ106を任意の光分散要素108と組み合わせて単一の光学要素としてビューワと偏光膜104の間に使用する。たとえば、任意の光分散要素108を着色して任意の要素に帯域機能を形成することもできる。図9はこの光分散要素と帯域フィルタ902を組み合わせたものを含む背面投影テレビスクリーンシステム900を示す。光分散要素と帯域フィルタ902を組み合わせたものは、着色されたポリカーボネートマイクロレンズアレイ(またはレンズ状アレイあるいはマイクロレンズ/レンズ状アレイの組み合わせ)で組み立てることができる。ポリカーボネートのマイクロレンズアレイは光を屈折することによって光分散機能を提供し、また1以上の着色剤がOLED 102により放射されるスペクトルに含まれない光(たとえば、周辺光)を吸収する帯域フィルタ機能を提供する。システム900により反射される周辺光の量をさらに減らすために任意の抗反射膜904を含めることもできる。さらに、OLED 102の放射スペクトルを狭くすることにより、OLED 102により放射される光を追加吸収することなしにさらに多くの周辺光を吸収することもできる。OLED 102により発生する光は投影光学機器906により投射される。そうした投影システムにおいてはOLED 102の寸法はスクリーンの寸法(たとえば、OLEDは1.27−5.08cm[0.5−2.0インチ])より相当小さく、一方偏光膜104ならびに光分散要素と帯域フィルタ902の組合わせ物は127cm(50インチ)以上である。
【0019】
別の代替物は、偏光膜104と任意の光分散要素108を単一の光学要素に組み合わせるものである。たとえば、偏光膜104はレーザー処理して偏光膜104に光分散機能を付け加える。
【0020】
さらに別の代替物は、偏光膜104と帯域フィルタ106を単一の光学要素に組み合わせるものである。たとえば、偏光膜104を着色して帯域機能を偏光膜104に付加するか、従来型の着色偏光子を使用する。
【0021】
さらに別の代替物は、偏光膜104、帯域フィルタ106および任意の光分散要素108を単一の光学要素に組み合わせるものである。たとえば、図10はこの組み合わせた偏光子/帯域フィルタ/光分散要素1002を含む背面投影テレビスクリーンシステム1000を示す。この偏光子/帯域フィルタ/光分散要素1002は1以上の偏光膜により組み立てることができる(たとえば、ヨウ素またはその他の適切な物質を含浸させ、次いで延伸して偏光子の偏光要素を形成した膜)。次にこの偏光要素は2つの基板の間に積層される。これらの基板は、たとえばトリアセチルセルロース(TAC)やセルロースアセテートブチレート(CAB)など適切な材料から作られる。次に、レーザー処理(アブレーション)、型押しまたは別の適切な方法を用いて基板の1つの中に光分散特性を形成する。最後に、1以上の着色剤を基板に適用し、偏光子/帯域フィルタ/光分散要素1002を完成する。システム1000により反射される周辺光の量をさらに減らすために、任意の抗反射膜904を含めることもできる。さらに、OLED 102の放射スペクトルを狭くし、かつ帯域フィルタ106の吸収スペクトルを調節することにより、さらに多くの周辺光を吸収させることもできる。この狭い放射スペクトルは、OLED 102により放射されるより多くの光を吸収することなく、より多くの周辺光スペクトルを吸収できることから有利である。
【0022】
有機発光装置は光放射性の要素または層を含む。この光エミッタはカラミチック液晶(ネマチック液晶およびスメクチック液晶)およびその他適当な異方性発光物質などの液晶発光材料から作られる。そうした材料から放射される光は、光エミッタの分子を均一に配列させることにより面偏光となる。
【0023】
図2は直線偏光子と帯域フィルタと組み合わせた例示的OLEDを示す。図2の装置200は、透明基板202、および液晶を配列させるための表面レリーフを上乗せした格子構造204、インジウム−すず酸化物またはその他適当な材料の透明アノード206、ガラス相またはガラス状ポリマーまたは別の適当な材料の中に化学的に架橋したもののいずれかの中に配列させたカラミチック液晶分子核210(端部側)のホール輸送層208、カラミチック蛍光物質または配列させたカラミチック母材またはその他適当な材料中に溶解させたカラミチック発光材料または異方性発光蛍光物質の分子核214(端部側)を含む発光層212、を含む。発光層212中のカラミチック分子核214は、ガラス相の中またはガラス状ポリマー中に化学的に架橋させることもできる。ホール輸送層208中のカラミチック分子核210の配列は、下層のアノード層206の表面形状効果との相互作用により達成される。カラミチック相の削ぎおよび曲げ弾性定数は、分子を第1表面216中の畝に並行に配向させたものは他の方向の配列よりもエネルギー的に好ましい。発光層212中の液晶材料は次に界面218における発光分子核214と電子輸送分子核210の間の相互作用により配列される。別の実施形態においては、発光層212がホール輸送および発光機能の両方を果たすことによりホール輸送層208を省略することもできる。別の実施形態においては、第1表面216の表面形状効果は、第2表面218が同様の重畳レリーフを持つように電子輸送層208を通って運ばれる。発光層212中の分子核214の配列は、第2表面218との相互作用により達成される。この場合、ホール輸送層208は液晶または非液晶性のものとすることができる。
【0024】
図2の装置200の利点は、配列層を使用する代わりに下層(単一または複数)の形状効果との相互作用によって分子配列が達成できることである。したがって、配列層を含めることによる抵抗エネルギー損失を回避できる。
【0025】
図2の装置200はまた、電子輸送層220、電子注入層222、反射性金属カソード224、密封カバー226、および反射層226を含む。あるいは、装置200はカソード224を最初に格子構造の224の上に組み立て、分子配列または格子からのレリーフ構造が中間層(たとえば、電子輸送層220および電子注入層222)を通って伝播するように逆転させて、カラミチックオーダーを有する発光層212をレリーフ構造により配列させることもできる。図2の最終層は、直線偏光子228および帯域フィルタ230である。偏光子228は配列させて、伝送軸が発光層212中の分子214の長軸と合うようにし、これにより装置200により放射される偏光が偏光子228により実質的に吸収されないようにする。
【0026】
図3はエミッタ分子が表面形状効果により配列されているものを示す。図3の部分装置300は、液晶配列構造302、電極304、第1配列可能層306および第2配列可能層308を含む。フィードバック構造302は表面形状効果を持つフォトレジスト格子とすることができる。フィードバック構造302は次にインジウム−すず酸化物電極を被覆して電極304を形成する。被覆厚さは良好な電気接触を与えるのに十分、かつ電極304がフィードバック構造302が有するのと同程度の表面形状効果を持つように十分に薄いものとする。電極304の表面形状効果は、第1配列可能層306の分子310を均一に配列させるようにする。第1配列可能層306の配列は次に、第1および第2配列可能層306と308の分子間作用を通して、テンプレート効果により第2配列可能層308の分子310を配列させるように働く。このテンプレート効果はさらなる配列可能層(図示なし)を均一に配列させるためにも使用することができる。図3は配列可能層を均一に配列させる層としての電極304の形状を示すが、配列可能層に隣接するいかなる層もエミッタを配列させる形状効果を有する。これが別の配列層を含めることなく装置の総合効率を改善するエミッタの形状効果配列を提供することになる。
【0027】
図4は表面形状効果により配列されたエミッタ分子を示す。図4の部分装置400は、基板402、電極404、第1配列可能層400は306および第2配列可能層308を含む。基板402はいかなる基板でもよい。この基板は電極404を形成するためにインジウム−すず酸化物で被覆する。被覆厚さは、電極404が図3の電極404と同様の表面形状効果を持つようにするために変える。たとえば、電極404はインジウム−すず酸化物を望ましいパターンに沈着させ(たとえば、インジウム−すず酸化物を沈着させてフォトレジストマスクを望ましいパターンに形成し、インジウム−すず酸化物をエッチングし、フォトレジストマスクを除去する)、次いで追加のインジウム−すず酸化物を沈着させることによって組み立てることができる。追加のインジウム−すず酸化物の沈着は良好な電気接触を与えるのに十分に厚くするが、電極404が下層のインジウム−すず酸化物が持つのと同様の表面形状効果を持つように十分に薄くする。代わりに、インジウム−すず酸化物層を沈着させ、次いで時間をかけたエッチングなどにより薄くして電極404を形成してもよい。適切な形状効果を持つ電極404を製造する他の方法を用いることもできる。
【0028】
電極404の形状は、第1配列可能層306の分子310を均一に配列するようになっている。第1配列可能層306の配列は次にテンプレート効果により第2配列可能層308の分子310の配列を働きかける。テンプレート効果はさらなる配列可能層(図示なし)を均一に配列するために利用できる。図4は電極404の形状を配列可能層を均一に配列する層として示しているが、配列可能層に隣接する層はすべてエミッタを配列する形状効果を有する。これが別の配列層を含めることなく装置の総合効率を改善するエミッタの形状効果配列を提供することになる。
【0029】
図5は液晶フォトアライメント層により液晶の配列が達成される本発明の別の実施形態を示す。このタイプの層の例は米国特許出願第2003/0021913号および第2003/0099785号にともに「Liquid Crystal Alignment Layer」と題して記述されており、これらの全体を本発明に援用する。図5の装置500は透明基板502、インジウム−すず酸化物(ITO)または類似の材料から作られる透明アノード504、液晶光配列層506、および配列されたカラミチック液晶分子核510(端部側)を含むホール輸送層508を含む。ホール輸送材料は液晶ガラス相を含むか、化学的に架橋された液晶分子を含む。装置500はさらに、配列されたカラミチック液晶分子核514(端部側)または配列されたカラミチック母材に溶解して配列された異方性発光蛍光物質などのエミッタ層512を含む。エミッタ層521はまた、液晶ガラス相を含むか、化学的に架橋された液晶分子核510を含む。装置500はまた、電子輸送層518、電子注入層520、反射性金属カソード522、密封カバー524、直線偏光子526、およびトリプル帯域フィルタ530も含む。偏光子526はその伝送軸を分子514の長軸と合わせて、装置500により放射される偏光が偏光子526によって実質的に吸収されないように配列される。
【0030】
図6は直線偏光子670および帯域フィルタ680を用いて改善された視認特性を有するフィードバック強化OLED(FE−OLED)装置600を含む別の例示的実施形態を示す。装置600はインジウム−すず酸化物(ITO)または他の適切な材料により作られた透明アノード610、液晶光配列層615、および配列されたカラミチック液晶分子核625(端部側)を含むホール輸送層620を含む。ホール輸送材料は液晶ガラス相または化学的に架橋された液晶分子を含む。装置600はさらに配列されたカラミチック液晶分子核635(端部側)を含むエミッタ層630を含む。カラミチック液晶エミッタは、配列されたカラミチック母材または別の適切な材料に溶解して配列された異方性発光蛍光物質を含んでもよい。さらに、エミッタは単一のカラミチック成分であるカラミチック液晶混合物、または異方性蛍光発光物質をドープしたカラミチック液晶混合物母材としてもよい。エミッタ層630はまた、液晶ガラス相を含むか、化学的に架橋された液晶分子核を含んでもよい。装置600はまた、電子輸送層640、電子注入層645、および薄い金属カソード650およびITOまたはその他適切な材料から作られる透明の導電性カソード裏打ち材を含む透明カソード組み立て物も含む。上記の層は第1および第2フィードバック要素660、665の間にサンドイッチされる。第1および第2のフィードバック要素660、665は周期的および連続的に変化する屈折率を有する層である。第1フィードバック要素660は実質的にそこに入射する光を反射し、装置600の平面の法線に伝播する。第2フィードバック要素660はそこに入射する一部の光を装置の法線に伝播して通過させる一方、残りを反射する。第1および第2フィードバック構造660、665から反射された光は、エミッタ層630の中を数回行ったり来たりしてさらなる光放射を刺激する。フィードバック構造665から発せられた光は直線偏光子670および帯域フィルタ680を通過し、背面投影スクリーン690に突き当たる。スクリーン690は接着層695を用いて帯域フィルタ680の前面に接着されるか、接着させずに帯域フィルタ680に隣接させる。偏光子670はその伝送軸を分子635の長軸と合わせ、装置600により放射される偏光が偏光子670の中を実質的に吸収されずに通過するようにする。図2および図5の装置200、500と同様に、帯域フィルタ680の前面に当たってスクリーン690を通過する周辺照明光の大部分は帯域フィルタ680または偏光子670に吸収される。かくして消失の問題は軽減される。本発明に有用な付加的なFE−OLED装置は、米国特許出願第10/434,326号(DISPLAY DEVICES USING FEEDBACK ENHANCED EMITTING DIODE)、および第10/319,631号(FEEDBACK ENHANCED LIGHT EMITTING DEVICES)、第10/431,885号(LIGHTING DEVICES USING FEEDBACK ENHANCED LIGHT EMITTING DIODE AND FEEDBACK ENHANCED LIGHT EMITTING DEVICE)に開示(2003年5月8日出願)されており、これら出願それぞれの開示を本発明に援用する。
【0031】
図7は直線偏光子と帯域フィルタを含む別の実施形態を示す。図7の装置700は、直線偏光子と帯域フィルタの組み合わせを利用することにより改善された視認特性を有する。装置700は、透明基板702、および格子構造704を含み、その中にはフィードバックとカップリング構造の両方に対応する表面レリーフ、透明アノード706(たとえば、インジウム−すず酸化物)、ホール注入層708、ホール輸送層710、エミッタ層712、たとえば、カラミチック蛍光物質またはカラミチック母材に溶解された異方性蛍光発光物質の分子核714(端部側)を含む。エミッタ層712はガラス相またはガラス製ポリマーに化学的に架橋されたカラミチック分子核のいずれかを含む。エミッタ層712中のカラミチック分子の配列は、下層のホール輸送層710の表面形状効果との相互作用によって達成される。カラミチック相の削ぎおよび曲げ弾性定数は分子を表面716の畝に平行になるように配向させるのが他の方向の配列よりもエネルギー的に望ましい。その結果、格子704の導入によってもたらされる形状効果を下記の複数の機能を提供するために利用する:1. エミッタ層712の分子を配列し 2. エミッタ層712を通る光をフィードバックして、さらなる発光を刺激し 3. 光を装置の外に垂直または実質的に垂直にカップリングする。発光層712に加えて、その他1以上の層(たとえば、ホール輸送層710、ホール注入層708、透明アノード706)もまた、格子構造704によりもたらされる形状効果によって均一に配列される液晶を用いた材料により作られる。これらのケースでは、エミッタ層712の配列は、一部にはエミッタ材料分子核と下層のホール輸送層710の中の配列された分子核との相互作用によりもたらされるテンプレート効果による。
【0032】
図7の装置700の利点は、配列層を使用する代わりに下層の形状効果との相互作用によって分子配列が達成されることである。したがって、配列層を含むことによる抵抗エネルギー損失を回避できる。
【0033】
図7の装置700はまた、電子輸送層718、電子注入層720、伝達性カソード構造722、偏光層724、および反射層726も含む。あるいは、装置700は逆にして、カソード構造722がレリーフ構造を有する格子構造700の上にまず組み立てられ、その格子から電子輸送層718および電子注入層720の層を通って上に伝播し、カラミチック液晶オーダーを有するエミッタ層712がレリーフ構造により配列されるようにしてもよい。図7の最後の層は直線偏光子728と帯域フィルタ730である。偏光子728は、その伝送軸を分子714の長軸と一致させ、それにより装置700により発せられる偏光が偏光子728によって実質的に吸収されないように配列される。
【0034】
本発明に基づくOLED装置はまた、他の適切な構造、層または要素のいずれも含むことができる。エミッタを配列させるために使用される表面形状効果を有する最近接層の間の層はすべて配列可能層である。1以上のフィードバック構造は光エミッタにより放射される光を装置の面の軸に沿ってフィードバックする。これによって光のフィードバックはエミッタ中の光の放射を促進する。あるいは、本発明に基づくOLED装置はエミッタを配列させるための配列層を含めて組み立てることもできる。
【0035】
光エミッタは2つの電極間に挿入される。2つの電極の内の1つはカソードであり、2つの電極の内のもう1つはアノードである。カソードは光エミッタ中への電子の注入を促進する材料で作られる。アノードはインジウム−すず酸化物など、エミッタ中へのホールの注入を促進する透明な導電性材料で作られる。あるいは、形状効果によって光エミッタ分子の配列をもたらすものであれば付加的な層を光エミッタと電極の間に挿入することもできる。たとえば、そうした付加的な層は光エミッタ中への電荷キャリアの注入を容易にするか、電荷キャリアを注入部位から光エミッタ中の望ましい放射領域に輸送するのを容易にする材料で作られる。光エミッタと表面形状の間の層が配列可能であれば、光エミッタ分子を均一に配列するためにテンプレート効果が利用される。配列可能な材料としては、下記に限らないが、ネマチック、スメクチックおよびヘキサチック相などカラミチック液晶相を有する物、および長い分子軸を配列できるようにせん断または処理されたポリマー性材料などがある。
【0036】
図7に示したようなフィードバック構造は、装置の面の軸に沿って屈折率の周期的な振動を有する。この指標振動を含む装置の層は少なくとも部分的にエミッタ層により発せられる光の通路にあり、かつ指標振動の発生に沿った軸に平行な装置の面を通る。この平行な構成物の振動する屈折率を有する材料を通り抜ける光の散乱角度は下記式1で与えられる。

sinθ=(κ−ν)/κ・・・・・(式1)
式中、
θ=装置の面の法線と散乱方向の間の角度
κ=散乱光の波数、
ν=屈折率振動の空間周波数

κおよびνの適切な選択により、構造物からの望ましい散乱光が得られる。たとえば、ν=2κを選択すれば、θは−90°になり、一次元格子の(100)平面に直角に散乱する光となる。これによって望ましいフィードバック構造が得られる。なぜならば、構造物と相互作用する光の一部がストレートに反射される一方、残りの光がストレートに前方に進み続けるからである。そうしたフィードバック構造は、空間時間が放射される光の波長の1/2に等しい屈折率振動を持つということになる。
【0037】
フィードバック構造により装置の面に引き込まれる光の部分、ならびにカップリング層により装置から引き出される光の部分は、装置にフィードバックされる光と装置から引き出される光の間に適切なバランスを与えるよう選択される。もし多すぎる光が装置から引き出され、少なすぎる光が装置の面にとどまると、励起放射を支える光が不十分となって装置の放射輝度が低くなり望ましくない。逆に、少なすぎる光が装置から引き出され、多すぎる光が装置の面にとどまると、光はその経路にある吸収材料と散乱構造の中を何回も通過することになり、装置全体の放射輝度が低減するほど吸収およびその他の損失が大きくなる。
【0038】
あるいは、前述のように、本明細書で述べたものに加えて他の分布型フィードバック構造も使用できる。その他のOLED構造物は図に示したOLED構造物に置き換えることができる。非OLED構造物は図に示したOLED構造物に置き換えることができる。これらのOLED構造物は、バソクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナンスロリン)または他の適切な材料のホール遮断層などの追加の層を含んでもよい。遮断層は米国特許第6,451,415号および第6,097,147号に議論されている。
【0039】
本明細書の格子はさまざまな方法およびさまざまな材料で作ることができる。たとえば、これらの格子は複数(たとえば、2本)ビーム干渉法またはその他の適当な方法により、電子ビームを用いて書いて作られる。そうした格子はまず最初にフォトレジストまたはその他の適当な材料上に格子を書き、次に型押し法またはその他適切な方法により格子を複製することにより大量生産できる。一時に複数のコピーを作る場合は、コンパクトディスクの複製に使用されたり、クレジットカードや紙幣に使用される安全ホログラムなどのポリマー基板をマスターレリーフ構造として使用することにより達成できる。マスターレリーフ構造上のレリーフ構造は、たとえば電気メッキまたは真空蒸着により、プレス複製用スタンプ、または射出成形金型として使用できる金属シム上に転写される。あるいは、ガラス上のさらなるフォトレジスト層への接触コピーや、ガラスへのフォトレジストのエッチングが、ガラス中にレリーフ構造を作るのに利用できる。フォトレジストやガラスに加えて、格子はポリカーボネート、ポリウレタンなどのポリマー性材料、またはその他適切な材料から作ることができる。
【0040】
2ビーム干渉法を用いると、波長・のレーザーからの平行ビームは角度θにおいてλ=2p sin(θ/2)で干渉する(pは格子の望ましいピッチ)。フォトレジストの露出と現像は、レリーフ構造の深さをコントロールするために変える。2つ以上の異なるピッチの格子が要求される場合、同一のフォトレジスト上に2つの別の露出を行うことにより格子を重ね焼きすることができる。
【0041】
光エミッタは光を放射する発色団を有するポリマーから形成される。例示的発色団としては、フルオレン、ビニレンフェニレン、アンスラセンおよびペリレンなどがある。さらなる例示発色団は、A. Kraft, A. C. Grimsdale and A. B. Holmes, Angew. Chem. Int. Ed. Eng.[1998], 37, 402に記述されている。
【0042】
発光性材料の反応性メソゲン(モノマー)は、典型的には400−2,000の分子量を有する。低分子量モノマー類は粘度が低くスピンコーティング特性がよく、かつアニーリング時間が短くて処理しやすくなることから有利である。発光性ポリマーは典型的には4,000以上、典型的には4,000−15,000の分子量を有する。これらの発光ポリマーは、典型的には5−50、好ましくは10−30のモノマー単位を含む。
【0043】
ポリマーは重合法により作られる。そうした製造法としては、メソゲンの適切な末端基の光重合または熱重合による反応性メソゲンの重合(例、液体結晶相中で)がある。その他の適切な重合法も使用できる。重合処理では架橋が起こり、架橋ネットワークが生まれる。
【0044】
重合処理はスピンコーティング法など適切な沈着処理による反応性メソゲンの沈着後にin−situで行ない、光学活性末端基を有する反応性メソゲンの光重合により作ることができる。
【0045】
適切な反応性メソゲンは下記の一般的な構造を有する。

B−S−A−S−B・・・・・(一般式1)

式中、Aは少なくとも発色団、芳香族分子核、複素環芳香族分子核、または共役pi電子結合を有する強固な分子核であり、Sはスペーサ、Bはラジカル光重合に敏感な末端基である。
【0046】
重合によって通常、架橋ポリマー骨格によってスペースを有する発色団配列(たとえば、単軸配列)を含む発光性ポリマーが得られる。図5は略図的にこのプロセスを示したもので、反応性モノマー510が架橋リンク522、ポリマー骨格524およびスペーサ526要素を含む架橋ポリマーネットワーク520を形成する。
【0047】
適切なスペーサ(S)類としては、たとえば反応性の高い脂肪族、アミンまたはエーテル結合などの不飽和有機鎖などが含まれる。スペーサ基の存在は溶解性を高め、発光性ポリマーの溶融点を下げてスピンコーティングを助ける。
【0048】
適切な末端基は、光重合(たとえば、UV照射、一般的に非偏光のUV照射を用いる方法)に敏感なものである。重合としては、ラジカル重合ステップによって環状物質を形成する環化重合などが用いられる。
【0049】
重合処理法は一般式1の反応性メソゲンにUV照射して下記に示す一般式を持つ最初のラジカルを形成することを含む。

B−S−A−S−B●.・・・・・(一般式2)

式中、A、SおよびBは前述の規定通りであり、B●はラジカル化した末端基で、他のB末端基と反応可能なもの(特に環状物質を形成するため)である。B●ラジカル末端基には重合処理が立体的にコントロールされるように結合されたラジカルなどが含まれる。
【0050】
適切な末端基としては、1,4、1,5および1,6ジエンなどのジエン類が含まれる。ジエンの機能は脂肪族結合により分離されるが、エーテルおよびアミン結合などの不活性結合を利用することもできる。
【0051】
ジエン末端基を用いることにより、光反応開始ステップ後に形成されるラジカル類の高活性度が、メタクリレート末端基の場合と比べて低い光劣化速度をもたらし、かつ環化重合をもたらす。
【0052】
この環化重合は分子内および分子間の連鎖的な伝播により行われる:すなわち、まずフリーラジカルとジエン基の第2二重結合との反応によりリング構造が形成される。二重環は環化重合によって得られるが、これが特に強固な骨格を与える(強固な骨格は縮みを最小化もしくは排除する)。この反応は一般的に立体的にコントロールされる。
【0053】
例示的反応性メソゲンは下記の一般式を持つ。
【0054】
【化1】

【0055】
式中、Rは一般式X−S2−Y−Zを有し、
XはO、CH2またはNH、好ましくはOであり、
S2は直鎖または分岐アルキル、またはアルケニル鎖であり、任意に2分子(たとえば、O、SまたはNH)を含み、
YはO、CO2またはSであり、
Zはジエン(末端基)である。
【0056】
たとえば、Rは下記式から選択され、
【0057】
【化2】

【0058】
式中、Rを有する化合物は、透明点(N−−I)が79−120℃のネマチック相を示す。
【0059】
光重合処理は室温で行うことができ、それによって反応性メソゲンまたはポリマー物質の熱劣化を抑制または最小化する。さらに、形成されたポリマーのリソグラフ手段による次のサブピクセル化は光重合により行うことができる。
【0060】
重合処理に先だって、反応性メソゲンのドーピングなどのさらなるステップが行われる。考え得るドープ剤としては、反応性メソゲンと共重合できるさらなる反応性モノマーがある。このモノマーは他の配列可能層を提供するために使用される。これらの層の調製法に関するさらなる情報は米国特許公報第2003/0027017号に見られる。
【0061】
反射性電極または反射性裏打ち材を含み、偏光を放射するOLEDはすべて本発明のOLEDとして使用できる。偏光を放射する反射性電極または反射性裏打ち材を含まないOLEDもすべて本発明のOLEDとして使用できる。
【0062】
特定の機能を有する膜、層などは、それらに相当する非膜(non−film)、非層(non−layer)代替物と置き換えることもできる。たとえば、ワイヤ格子の偏光子を偏光性の膜または層に置き換えることができる。
【0063】
本発明は、直視装置とシステム、背面投影システム、前面投影システム、その他の視覚装置とシステム、映像を実質的に拡大しない1対1の投影ディスプレイ、前面または背面投影システムとして映像を拡大してスクリーンで見るディスプレイシステム、追加の視覚スクリーンなしに光学機器を通して映像を拡大して直接見るシステム、分割されたディスプレイおよび装置、単一ピクセルのディスプレイおよび装置、映像が映し出されない装置およびシステムに適用することができる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態とその利点を詳細に説明してきたが、それらの変更、代替、変換、修正、変形、置換および改変は、本発明の教示と付帯請求項により示される本発明の精神と範囲を逸脱しない範囲において行われるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0065】
本発明を下記の図面を参照しながら詳細に説明するが、同じ参照番号は同様の子を示す。
【図1】直線偏光子と帯域フィルタを備えた例示的装置を示す。
【図2】直線偏光子と帯域フィルタを組み合わせた例示的OLEDを示す。
【図3】第1実施形態の表面形状効果によって配列された発光分子を示す。
【図4】第2実施形態の表面形状効果によって配列された発光分子を示す。
【図5】液晶の配列が液晶光配列層を用いることにより達成される本発明の別の実施形態を示す。
【図6】直線偏光子と帯域フィルタにより改善された視認特性を有するフィードバック強化OLED装置を含む本発明の別の実施形態を示す。
【図7】直線偏光子と帯域フィルタを含む本発明の別の実施形態を示す。
【図8】架橋ポリマーネットワークを形成するための反応性モノマーの重合を略図的に示す。
【図9】光分散要素と帯域フィルタの組み合わせを含む背面投影テレビジョンスクリーンシステムを示す。
【図10】偏光子/帯域フィルタ/光分散要素の合体物を含む背面投影テレビスクリーンシステムを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯域フィルタと、直線偏光子と、光エミッタを備えた有機発光装置と、を含み、前記直線偏光子が前記帯域フィルタに隣接し、前記光エミッタが偏光を放射することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記偏光が所定のスペクトルを有し、前記帯域フィルタが前記所定の光を通過させ、前記所定のスペクトル外の光を吸収する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記帯域フィルタと前記直線偏光子が別々に形成されている請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記帯域フィルタと前記直線偏光子が単一の膜である請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記単一の膜が着色された偏光膜である請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記有機発光装置の前部表面から放射される光の角度放射パターンを変更する要素をさらに含む請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記要素と、前記帯域フィルタと、前記直線偏光子とが単一の膜である請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記偏光が赤、緑および青の成分を含む請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記有機発光装置の前部表面から放射される光の角度放射パターンを変更する要素をさらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記要素が偏光を保存するホログラフィック膜であり、前記ホログラフィック膜が前記有機発光装置と前記直線偏光子との間に設けられている請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記要素が低反射性・低分散性のホログラフィック拡散膜であり、前記直線偏光子が前記有機発光装置と前記ホログラフィック拡散膜との間に設けられている請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記光エミッタが液晶エミッタである請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記光エミッタがネマチック液晶エミッタである請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記偏光が面偏光である請求項1に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも1つの反射防止フィルムをさらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項16】
光学補償膜をさらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項17】
リフレクタをさらに含み、前記光エミッタが前記リフレクタと前記直線偏光子との間に設けられている請求項1に記載の装置。
【請求項18】
請求項1の発光装置を含むことを特徴とする背面投影システム。
【請求項19】
有機発光装置を励起させて所定のスペクトルを有する面偏光を生成し、前記面偏光を直線偏光させ、前記面偏光のスペクトル外の光を吸収することを含むことを特徴とする映像を提供する方法。
【請求項20】
前記直線偏光させること及び前記吸収させることが前記有機発光装置から放射されるものではない光を実質的に減衰させる請求項19の方法。
【請求項21】
前記減衰された光が周辺光を含む請求項20の方法。
【請求項22】
前記面偏光を画面を視認できるような方向から離れるように反射し、前記反射光を画面が視認できるような方向に伝播することをさらに含む請求項18の方法。
【請求項23】
帯域フィルタと、光エミッタを備えた有機発光装置とを含み、前記光エミッタが狭いスペクトルを有する光を放射し、前記帯域フィルタが前記狭いスペクトルの光を通過させるとともに前記狭いスペクトル外の光を吸収することを特徴とする発光装置。
【請求項24】
直線偏光子をさらに含む請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記帯域フィルタと前記直線偏光子が別々に形成されている請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記帯域フィルタと前記直線偏光子とが単一の膜である請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記単一の膜が着色された偏光膜である請求項26に記載の装置。
【請求項28】
有機発光装置の前部表面から放射される光の角度放射パターンを変更する要素をさらに含む請求項24に記載の装置。
【請求項29】
前記要素と、前記帯域フィルタと、前記直線偏光子とが単一の膜である請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記狭いスペクトルが、赤、緑、青の成分を含む請求項23に記載の装置。
【請求項31】
前記赤、緑、青の成分が、それぞれ数nmの帯域幅を有する請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記狭い帯域幅が前記光エミッタの励起発光を起こすフィードバックにより得られる請求項30に記載の装置。
【請求項33】
前記有機発光装置の前部表面から放射される光の角度放射パターンを変更する要素をさらに含む請求項23に記載の装置。
【請求項34】
前記要素が偏光を保存するホログラフィック拡散膜であり、前記ホログラフィック膜が前記有機発光装置と前記直線偏光子との間に設けられている請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記要素が低反射性・低分散性のホログラフィック拡散膜であり、前記直線偏光子が前記有機発光装置と前記ホログラフィック拡散膜との間に設けられている請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記光エミッタが液晶エミッタである請求項23に記載の装置。
【請求項37】
前記光エミッタがネマチック液晶エミッタである請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記光が面偏光である請求項23に記載の装置。
【請求項39】
リフレクタをさらに含み、前記光エミッタが前記リフレクタと前記帯域フィルタとの間に設けられている請求項23に記載の装置。
【請求項40】
少なくとも1つの反射防止フィルムをさらに含む請求項39に記載の装置。
【請求項41】
光学補償膜をさらに含む請求項23に記載の装置。
【請求項42】
請求項23の発光装置を含む背面投影システム。
【請求項43】
有機発光装置を励起させて狭いスペクトルを持つ偏光を作り出し、反射された光をフィルタリングするとともに偏光を狭いスペクトル外の光が吸収されて画面が見えるような方向に伝播することを含むことを特徴とする映像を提供する方法。
【請求項44】
直線偏光子と、リフレクタと、帯域フィルタと、光エミッタを備えた有機発光装置とを含み、前記偏光子と前記帯域フィルタの少なくとも1つが前記リフレクタと前記光エミッタとの間に設けられていることを特徴とする発光装置。
【請求項45】
光エミッタを備えた有機発光装置を含むプロジェクタと、直線偏光子を含む投影スクリーンと、プロジェクタと投影スクリーンとの間の投影光学機器とを含み、前記光エミッタを選択的に励起して投影光学機器によって映像が投影スクリーン上に投影されることを特徴とする投影システム。
【請求項46】
前記投影スクリーンがさらに帯域フィルタを含む請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記投影スクリーンが光の角度放射パターンを変更する要素をさらに含む請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記投影スクリーンが光の角度放射パターンを変更する要素をさらに含む請求項45に記載のシステム。
【請求項49】
前記要素が着色されたマイクロ光学膜と着色されたレンズ状アレイの少なくとも1つを含む請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記投影スクリーンが光学補償膜をさらに含む請求項45に記載のシステム。
【請求項51】
前記光エミッタが狭い発光スペクトルを有する請求項45に記載のシステム。
【請求項52】
前記投影スクリーンが背面投影スクリーンである請求項45に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−503091(P2007−503091A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523860(P2006−523860)
【出願日】平成16年8月13日(2004.8.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/024376
【国際公開番号】WO2005/019910
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(506053227)
【出願人】(506053238)
【Fターム(参考)】