説明

充電システムの制御装置およびそれを搭載する車両、ならびに充電システムの制御方法

【課題】パイロット信号に基づいて外部充電を行なう車両の充電システムにおいて、充電処理終了後にパイロット信号の発振が継続された場合に、充電制御の再開と停止とを繰り返すような不具合を解消する。
【解決手段】充電ケーブル300を介して外部電源402からの電力を用いて充電が可能な車両10における充電システムの車両ECU170は、充電動作を実行する充電制御部508と、パイロット信号CPLTに応答して充電制御部508を起動するための起動制御部507とを備える。充電制御部508は、充電動作の終了時の終了要因に基づいて、次回の充電動作の禁止または許可を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電システムの制御装置およびそれを搭載する車両、ならびに充電システムの制御方法に関し、より特定的には、車両外部の電源からの電力を用いて、搭載された蓄電装置の充電が可能な車両の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境に配慮した車両として、蓄電装置(たとえば二次電池やキャパシタなど)を搭載し、蓄電装置に蓄えられた電力から生じる駆動力を用いて走行する車両が注目されている。このような車両には、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車などが含まれる。そして、これらの車両に搭載される蓄電装置を発電効率の高い商用電源により充電する技術が提案されている。
【0003】
ハイブリッド車においても、電気自動車と同様に、車両外部の電源(以下、単に「外部電源」とも称する。)から車載の蓄電装置の充電(以下、単に「外部充電」とも称する。)が可能な車両が知られている。たとえば、家屋に設けられたコンセントと車両に設けられた充電口とを充電ケーブルで接続することにより、一般家庭の電源から蓄電装置の充電が可能ないわゆる「プラグイン・ハイブリッド車」が知られている。これにより、ハイブリッド自動車の燃料消費効率を高めることが期待できる。
【0004】
このような車両の充電システムにおいては、車両外部の充電スタンドや充電ケーブルに含まれる制御装置から、充電ケーブルを介して伝達される発振信号(以下、「パイロット信号」とも称する。)に基づいて、充電動作の開始および停止等を行なう場合がある。
【0005】
特開2010−081661号公報(特許文献1)は、パイロット信号に基づいて外部充電を行なう車両の制御装置において、充電完了通知処理後少なくともパイロット信号の発振停止までの間、充電開始処理の実行を禁止する技術を開示する。特開2010−081661号公報(特許文献1)の技術によれば、充電完了通知処理がなされてから実際にパイロット信号が停止するまでに遅延が生じる場合に、その間に充電動作の再開と停止とを繰り返すような不具合を解消することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−081661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようにパイロット信号に基づいて外部充電を行なう充電システムにおいては、一般的に、充電処理の完了に伴ってパイロット信号の発振が停止されるが、パイロット信号を生成している外部の充電スタンドや充電ケーブルに不具合が発生して、パイロット信号の発振が停止されないような不具合が生じる可能性がある。
【0008】
このような不具合が生じると、充電が完了してもパイロット信号の発振が継続するが、特開2010−081661号公報(特許文献1)のような構成では、想定される遅延時間以上パイロット信号の発振が継続されると、再びパイロット信号に応じて充電開始処理が実行される。これによって、想定される遅延時間以降は、充電動作の再開と停止とが繰り返されてしまうおそれがある。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、パイロット信号に基づいて外部充電を行なう車両の充電システムにおいて、充電処理終了後にパイロット信号の発振が継続された場合に、充電制御の再開と停止とを繰り返すような不具合を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による制御装置は、充電ケーブルを介して外部電源からの電力を用いて、搭載された蓄電装置の充電が可能な車両における充電システムのための制御装置であり、起動制御部と、充電制御部とを備える。起動制御部は、充電ケーブルを介して伝達される発振信号に応答して動作する。充電制御部は、起動制御部により起動され、充電動作を実行する。そして、充電制御部は、充電動作の終了時の終了要因に基づいて、再充電が不可能である場合には次回の充電動作を禁止し、再充電が可能である場合には次回の充電動作を許可する。
【0011】
好ましくは、発振信号は、複数の電圧レベルを有する。そして、起動制御部は、第1の電圧レベルである発振信号の立ち上がりの検出に応じて充電制御部を起動する。
【0012】
好ましくは、充電制御部は、発振信号の電圧レベルを、第1の電圧レベルよりも低い第2の電圧レベルに低下させることによって充電動作を開始する。そして、充電制御部は、充電動作の終了時に再充電が不可能である場合には、次回の充電動作を禁止するための充電禁止信号を記憶するとともに、記憶された充電禁止信号が充電動作の禁止を示している場合には、発振信号についての第2の電圧レベルへの低下を非実行とする。
【0013】
好ましくは、充電制御部は、再充電が不可能であると判定した場合には、起動制御部が次回の発振信号の立ち上がりを検出したときに充電制御部の起動をしないようにするための禁止指示を起動制御部に出力する。起動制御部は、禁止指示に従って起動禁止信号を記憶するとともに、記憶された起動禁止信号が充電制御部の起動の禁止を示している場合には、発振信号についての第1の電圧レベルの立ち上がりを検出しても充電制御部を起動しない。
【0014】
好ましくは、充電制御部は、終了要因が、次回の充電動作によって蓄電装置の充電状態を増加できる場合には再充電が可能であると判定し、蓄電装置の充電状態を増加できない場合には再充電が不可能であると判定する。
【0015】
好ましくは、充電制御部は、終了要因が、蓄電装置が満充電状態となったことによって充電動作が終了したことを示す場合に、再充電が不可能であると判定する。
【0016】
好ましくは、充電制御部は、終了要因が、蓄電装置が満充電状態となったことによって充電動作が終了したことを示す場合であっても、充電動作が終了してから次回の充電動作までの間に蓄電装置の充電状態が基準値を下回った場合には、再充電が可能であると判定する。
【0017】
好ましくは、充電制御部は、終了要因が、充電システムに異常が発生したことによって充電動作が終了したことを示す場合に、再充電が不可能であると判定する。
【0018】
好ましくは、充電制御部は、終了要因が、充電システムに異常が発生しておらず、かつ蓄電装置の充電状態が満充電に達していない状態で充電動作が終了した場合に、再充電が可能であると判定する。
【0019】
本発明よる車両は、充電ケーブルを介して外部電源からの電力を用いて、搭載された蓄電装置の充電が可能な車両であり、蓄電装置からの電力を用いて車両を駆動するための駆動部と、外部電源からの電力を変換して蓄電装置を充電するための充電装置と、充電装置を制御するための制御装置とを備える。制御装置は、充電ケーブルを介して伝達される発振信号に応答して動作する起動制御部と、起動制御部により起動され、充電装置を制御して充電動作を実行するための充電制御部とを含む。そして、充電制御部は、充電動作の終了時の終了要因に基づいて、再充電が不可能である場合には次回の充電動作を禁止し、再充電が可能である場合には次回の充電動作を許可する。
【0020】
本発明による制御方法は、充電ケーブルを介して外部電源からの電力を用いて、搭載された蓄電装置の充電が可能な車両における充電システムについての制御方法である。制御方法は、充電ケーブルを介して伝達される発振信号に応答して充電処理を開始するステップと、充電処理の開始に応答して充電動作を実行するためのステップと、充電動作の終了要因を判定するステップと、終了要因に基づいて、次回の充電動作時に再充電が不可能である場合には次回の充電動作を禁止する一方で、次回の充電動作時に再充電が可能である場合には次回の充電動作を許可するステップとを備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、パイロット信号に基づいて外部充電を行なう車両の充電システムにおいて、充電処理終了後にパイロット信号の発振が継続された場合に、充電制御の再開と停止とを繰り返すような不具合を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態1に従う制御装置が搭載された車両の充電システムの概略図である。
【図2】図1に示した充電回路をより詳細に説明するための図である。
【図3】パイロット信号のデューティを説明するための図である。
【図4】実施の形態1における、正常時の充電制御動作を説明するためのタイムチャートである。
【図5】実施の形態1に従う充電制御を実行しない比較例の場合の、パイロット信号の発振停止異常時の充電制御動作を説明するためのタイムチャートである。
【図6】実施の形態1に従う充電制御を実行した場合の、パイロット信号の発振停止異常時の充電制御動作を説明するためのタイムチャートである。
【図7】実施の形態1において、起動制御部で実行される充電制御部の起動・停止制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施の形態1において、充電制御部で実行される充電制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】実施の形態2に従う制御装置が搭載された車両の充電システムにおける、充電回路を説明するための図である。
【図10】実施の形態2における、充電制御部で実行される充電制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0024】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に従う車両10の充電システムの概略図である。なお、車両10は、外部電源により充電可能な蓄電装置からの電力によって走行可能であれば、その構成は特に限定されるものではない。車両10には、たとえばハイブリッド自動車,電気自動車および燃料電池自動車などが含まれる。また、充電可能な蓄電装置が搭載された車両であれば、たとえば内燃機関によって走行する車両にも適用可能である。
【0025】
図1を参照して、車両10は、インレット270と、充電装置160と、リレー155と、蓄電装置150と、駆動部20と、車両ECU(Electronic Control Unit)170と、電圧センサ182とを備える。駆動部20は、モータ駆動装置180と、モータジュネレータ(以下「MG(Motor Generator)」とも称する。)120と、駆動輪130とを含む。
【0026】
インレット270には、充電ケーブル300のコネクタ310が接続される。
充電装置160は、電力線ACL1,ACL2によってインレット270と接続される。さらに、充電装置160は、リレー155を介して蓄電装置150と接続される。そして、充電装置160は、車両ECU170からの制御信号PWEに基づいて、車両の外部電源402から供給される交流電力を、蓄電装置150が充電可能な直流電力に変換して、蓄電装置150に供給する。
【0027】
蓄電装置150は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置150は、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池あるいは鉛蓄電池などの二次電池や、電気二重層キャパシタなどの蓄電素子を含んで構成される。
【0028】
蓄電装置150は、充電装置160から供給される直流電力を蓄える。蓄電装置150は、MG120を駆動するモータ駆動装置180に接続され、車両を走行するための駆動力の発生に用いられる直流電力をモータ駆動装置180へ供給する。また蓄電装置150は、MG120で発電された電力を蓄電する。
【0029】
また、蓄電装置150は、いずれも図示しないが、蓄電装置150の電圧を検出するための電圧センサ、および、蓄電装置150に入出力される電流を検出するための電流センサをさらに含み、これらのセンサによって検出された電圧,電流の検出値を車両ECU170へ出力する。
【0030】
モータ駆動装置180は、蓄電装置150およびMG120に接続される。そして、モータ駆動装置180は、車両ECU170によって制御されて、蓄電装置150から供給される電力を、MG120を駆動するための電力に変換する。モータ駆動装置180は、たとえば三相インバータを含んで構成される。
【0031】
MG120は、モータ駆動装置180と、図示しない動力分割機構や減速機等を介して駆動輪130とに接続される。そして、MG120は、モータ駆動装置180から供給された電力を受けて、車両10を走行させるための駆動力を発生する。また、MG120は、駆動輪130からの回転力を受けて交流電力を発生するとともに、車両ECU170からの回生トルク指令によって回生制動力を発生する。MG120は、たとえば、永久磁石が埋設されたロータとY結線された三相コイルを有するステータとを備える三相交流電動発電機を含んで構成される。
【0032】
また、MG120の他にエンジン(図示しない)が搭載されたハイブリッド自動車では、車両ECU170により、エンジンおよびMG120の駆動力が最適な比率となるように制御が実行される。
【0033】
電圧センサ182は、電力線ACL1とACL2との間に設置され、外部電源402から供給される電力の電圧を検出する。そして、電圧センサ182は、その電圧の検出値VACを車両ECU170に出力する。
【0034】
リレー155は、充電装置160と蓄電装置150とを結ぶ経路に設置される。そしてリレー155は、車両ECU170からの制御信号SEによって制御され、充電装置160から蓄電装置150への電力の供給と遮断とを切替える。なお、本実施の形態においては、リレー155が個別に設けられる構成としているが、蓄電装置150または充電装置160の内部にリレー155が含まれる構成としてもよい。
【0035】
車両ECU170は、いずれも図1には図示しないがCPU(Central Processing Unit)、記憶装置および入出力バッファを含み、各センサ等からの信号の受信や各機器への制御指令の出力を行なうとともに、車両10および各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
【0036】
車両ECU170は、充電ケーブル300から、インレット270を介して、ケーブル接続信号CNCTおよびパイロット信号CPLTを受ける。また、車両ECU170は、電圧センサ182から受電電力の電圧検出値VACを受ける。
【0037】
また、車両ECU170は、蓄電装置150内に設置されたセンサ(図示せず)から電流、電圧、温度に関する検出値の入力を受け、蓄電装置150の充電状態を示す状態量(以下「SOC(State of Charge)」とも称する。)の算出を行なう。
【0038】
そして、車両ECU170は、これらの情報に基づいて、蓄電装置150を充電するために、充電装置160およびリレー155などを制御する。
【0039】
充電ケーブル300は、車両側の端部に設けられたコネクタ310と、外部電源側の端部に設けられたプラグ320と、充電回路遮断装置(以下、「CCID(Charging Circuit Interrupt Device)」とも称する。)330と、それぞれの機器間を接続して電力および制御信号を入出力する電線部340とを備える。
【0040】
電線部340は、プラグ320とCCID330との間を接続する電線部340Aとコネクタ310とCCID330との間を接続する電線部340Bとを含む。また、電線部340は、外部電源402からの電力を伝達するための電力線341を含む。
【0041】
充電ケーブル300は、外部電源402(たとえば商用電源)のコンセント400と充電ケーブル300のプラグ320によって接続される。また、車両10のボディーに設けられたインレット270と充電ケーブル300のコネクタ310とが接続され、車両の外部電源402からの電力が車両10へ伝達される。充電ケーブル300は、外部電源402および車両10に着脱可能である。
【0042】
コネクタ310の内部には、コネクタ310の接続を検知する接続検知回路312が設けられ、インレット270とコネクタ310との接続状態を検知する。そして、接続検知回路312は接続状態を表わすケーブル接続信号CNCTを、インレット270を経由して、車両10の車両ECU170へ出力する。
【0043】
接続検知回路312については、図1に示すようなリミットスイッチとする構成として、コネクタ310をインレット270に接続したときに、ケーブル接続信号CNCTの電位が0Vとなるようにしてもよい。また、接続検知回路312を所定の抵抗値の抵抗器(図示しない)とする構成として、接続時にケーブル接続信号CNCTの電位を所定の電位に低下させるようにしてもよい。いずれの場合においても、車両ECU170がケーブル接続信号CNCTの電位を検出することによって、コネクタ310がインレット270に接続されたことが検出される。
【0044】
CCID330は、CCIDリレー332と、コントロールパイロット回路334とを含む。CCIDリレー332は、充電ケーブル300内の電力線341に介挿される。CCIDリレー332は、コントロールパイロット回路334によって制御される。そして、CCIDリレー332が開放されているときは、充電ケーブル300内で電路が遮断される。一方、CCIDリレー332が閉成されると、外部電源402から車両10へ電力が供給される。
【0045】
コントロールパイロット回路334は、コネクタ310およびインレット270を介して車両ECU170へパイロット信号CPLTを出力する。このパイロット信号CPLTは、コントロールパイロット回路334から車両ECU170へ充電ケーブル300の定格電流を通知するための信号である。また、パイロット信号CPLTは、車両ECU170によって操作されるパイロット信号CPLTの電位に基づいて、車両ECU170からCCIDリレー332を遠隔操作するための信号としても使用される。そして、コントロールパイロット回路334は、パイロット信号CPLTの電位変化に基づいてCCIDリレー332を制御する。
【0046】
図2は、図1に示した充電回路をより詳細に説明するための図である。なお、図2において、図1と同じ参照符号が付された重複する要素についての説明は繰り返さない。
【0047】
図2を参照して、CCID330は、CCIDリレー332およびコントロールパイロット回路334に加えて、電磁コイル606と、漏電検出器608と、CCID制御部610と、電圧センサ650と、電流センサ660とをさらに含む。また、コントロールパイロット回路334は、発振装置602と、抵抗R3と、電圧センサ604とを含む。
【0048】
CCID制御部610は、いずれも図示しないが、CPUと、記憶装置と、入出力バッファとを含み、各センサおよびコントロールパイロット回路334の信号の入出力を行なうとともに、充電ケーブル300の充電動作の制御を行なう。
【0049】
発振装置602は、電圧センサ604によって検出されるパイロット信号CPLTの電位が規定の電位のときは非発振の信号を出力し、パイロット信号CPLTの電位が上記の規定の電位から低下したときは、CCID制御部610により制御されて、規定の周波数(たとえば1kHz)およびデューティサイクルで発振する信号を出力する。
【0050】
なお、パイロット信号CPLTの電位は、図4で後述するように、車両ECU170からも操作できる。また、デューティサイクルは、外部電源402から充電ケーブル300を介して車両10へ供給可能な定格電流に基づいて設定される。
【0051】
図3は、図2に示したコントロールパイロット回路334によって発生されるパイロット信号CPLTの波形の例を示した図である。
【0052】
図3を参照して、パイロット信号CPLTは、上述のようにパイロット信号CPLTの電位が規定の電位から低下すると、規定の周期Tで発振する。ここで、外部電源402から充電ケーブル300を介して車両10へ供給可能な定格電流に基づいてパイロット信号CPLTのパルス幅Tonが設定される。すなわち、周期Tに対するパルス幅Tonの比で示されるデューティによって、パイロット信号CPLTを用いてコントロールパイロット回路334から車両10の車両ECU170へ定格電流が通知される。
【0053】
なお、定格電流は、充電ケーブル300毎に定められており、充電ケーブル300の種類が異なれば定格電流も異なる。したがって、充電ケーブル300毎にパイロット信号CPLTのデューティも異なる。
【0054】
車両10の車両ECU170は、コントロールパイロット線L1を介して受信したパイロット信号CPLTのデューティに基づいて、外部電源402から充電ケーブル300を介して車両10へ供給可能な定格電流を検知することができる。
【0055】
車両ECU170によってパイロット信号CPLTの電位がさらに低下されると、コントロールパイロット回路334は、電磁コイル606へ電流を供給する。電磁コイル606は、コントロールパイロット回路334から電流が供給されると電磁力を発生し、CCIDリレー332の接点を閉じて導通状態にする。
【0056】
漏電検出器608は、CCID330内部において充電ケーブル300の電力線341の途中に設けられ、漏電の有無を検出する。具体的には、漏電検出器608は、対となる電力線341に互いに反対方向に流れる電流の平衡状態を検出し、その平衡状態が破綻すると漏電の発生を検知する。なお、特に図示しないが、漏電検出器608により漏電が検出されると、電磁コイル606への給電が遮断され、CCIDリレー332の接点が開放されて非導通状態となる。
【0057】
電圧センサ650は、充電ケーブル300のプラグ320がコンセント400に差し込まれると、外部電源402から伝達される電源電圧を検知し、その検出値をCCID制御部610に通知する。また、電流センサ660は、電力線341に流れる充電電流を検知し、その検出値をCCID制御部610に通知する。
【0058】
コネクタ310内に含まれる接続検知回路312は、上述のように、たとえばリミットスイッチであり、コネクタ310がインレット270に接続された状態で接点が閉じられる一方で、コネクタ310がインレット270から切り離された状態で接点が開放される。
【0059】
コネクタ310がインレット270から切り離された状態では、車両ECU170に含まれる電源ノード511の電圧およびプルアップ抵抗R10によって定まる電圧信号がケーブル接続信号CNCTとして接続信号線L3に発生する。また、コネクタ310がインレット270に接続された状態では、接続信号線L3が接地線L2と短絡されるため、接続信号線L3の電位は0Vとなる。
【0060】
なお、接続検知回路312はプルダウン抵抗(図示せず)とすることも可能である。この場合には、コネクタ310がインレット270に接続された状態では、電源ノード511の電圧およびプルアップ抵抗R10と、このプルダウン抵抗とによって定まる電圧信号が、接続信号線L3に発生する。
【0061】
接続検知回路312が、上記のようにリミットスイッチ,プルダウン抵抗のいずれの場合であっても、コネクタ310がインレット270に接続されたときと、切り離されたときとで、接続信号線L3に発生する電位(すなわち、ケーブル接続信号CNCTの電位)が変化する。したがって、接続信号線L3の電位を検出することによって、車両ECU170は、コネクタ310の接続状態を検出することができる。
【0062】
車両10においては、車両ECU170は、上記の電源ノード510およびプルアップ抵抗R10に加えて、抵抗回路502と、入力バッファ504,506と、起動制御部507と、充電制御部508と、電源ノード511と、プルアップ抵抗R11と、電源リレーRY11とをさらに含む。抵抗回路502は、プルダウン抵抗R1,R2と、スイッチSW1,SW2とを含む。
【0063】
プルダウン抵抗R1およびスイッチSW1は、パイロット信号CPLTが通信されるコントロールパイロット線L1と車両アース512との間に直列に接続される。プルダウン抵抗R2およびスイッチSW2も、コントロールパイロット線L1と車両アース512との間に直列に接続される。そして、スイッチSW1,SW2は、それぞれ充電制御部508からの制御信号S1,S2に応じて導通または非導通に制御される。
【0064】
この抵抗回路502は、車両10側からパイロット信号CPLTの電位を操作するための回路である。
【0065】
入力バッファ504は、コントロールパイロット線L1のパイロット信号CPLTを受け、その受けたパイロット信号CPLTを充電制御部508へ出力する。入力バッファ506は、コネクタ310の接続検知回路312に接続される接続信号線L3からケーブル接続信号CNCTを受け、その受けたケーブル接続信号CNCTを充電制御部508へ出力する。なお、接続信号線L3には上記で説明したように車両ECU170から電圧がかけられており、コネクタ310のインレット270への接続によって、ケーブル接続信号CNCTの電位が変化する。したがって、このケーブル接続信号CNCTの電位を検出することによって、充電制御部508は、コネクタ310の接続状態を検出することができる。
【0066】
充電制御部508は、充電ケーブル300のCCID330と通信を行ないつつ、充電装置160等を制御することによって、充電動作を実行するための制御装置である。
【0067】
充電制御部508は、起動制御部507の動作により電源リレーRY11が閉成され、電源ノード511およびプルアップ抵抗R11から定まる電圧が供給されることによって起動する。
【0068】
充電制御部508は、入力バッファ504,506から、パイロット信号CPLTおよびケーブル接続信号CNCTをそれぞれ受ける。充電制御部508は、ケーブル接続信号CNCTの電位を検出し、コネクタ310の接続状態を検出する。
【0069】
また、充電制御部508は、パイロット信号CPLTの発振状態およびデューティサイクルを検知することによって、上述のように充電ケーブル300の定格電流を検出する。そして、充電制御部508は、ケーブル接続信号CNCTの電位およびパイロット信号CPLTの発振状態に基づいて、スイッチSW1,SW2の制御信号S1,S2を制御することによって、パイロット信号CPLTの電位を操作する。これによって、充電制御部508は、CCIDリレー332を遠隔操作することができる。
【0070】
CCIDリレー332が閉成されると、充電ケーブル300を介して外部電源402からの交流電力が充電装置160に与えられ、外部電源402から蓄電装置150への充電準備が完了する。その後、充電制御部508は、充電装置160に対し制御信号PWEを出力することによって電力変換を行なう。そして、充電制御部508は、制御信号SEを出力してリレー155を閉成することにより、蓄電装置150への充電を実行する。
【0071】
起動制御部507は、上述のように充電制御部508を起動するための制御装置である。起動制御部507には、基本的には、電源ノード511からの電源が常時供給されており、常に起動状態ではあるが、走行中や充電操作実行中(動作モード)以外は、低電力モードである待機モードに状態が遷移する。
【0072】
起動制御部507は、コントロールパイロット線L1からのパイロット信号CPLTを充電起動信号WUPとして受ける。また、起動制御部507は、イグニッションスイッチからの始動信号IGを受ける。そして、起動制御部507は、始動信号IGがオンとなった場合、またはパイロット信号CPLTにおける規定の電圧レベルの立ち上がりを検出した場合に、待機モードから動作モードに遷移する。
【0073】
起動制御部507が動作モードに遷移すると、起動制御部507は制御信号PIMRによって電源リレーRY11を閉成する。これによって、起動制御部507は充電制御部508を起動する。
【0074】
次に、このような充電システムにおいて実行される充電動作について、図4を用いて説明する。
【0075】
図4は、実施の形態1における、正常時の充電制御動作を説明するためのタイムチャートである。図4においては、横軸に時間が示され、縦軸には、車両ECU170で検出されるパイロット信号CPLTの電位、起動制御部507および充電制御部508の状態、電源リレーRY11の状態、スイッチSW1,SW2の状態、CCIDリレー332の動作指令、および充電装置160による充電処理の実行状態が示される。
【0076】
図2および図4を参照して、時刻t1において、充電ケーブル300が車両10および外部電源402の両方に接続されると、車両ECU170において、CCID330で生成されたパイロット信号CPLTが検出される。時刻t1においては、充電制御部508は停止状態であるので、起動制御部507によってパイロット信号CPLTが検出される。なお、このときに検出されるパイロット信号CPLTの電位はV1(たとえば12V)であり、パイロット信号CPLTは非発振状態である。
【0077】
起動制御部507によってパイロット信号CPLTの電位V1への立ち上がりが検出されると、起動制御部507が待機モードから動作モードへ遷移する。
【0078】
そして、起動制御部507からの制御信号PIMRによって電源リレーRY11が起動されて、時刻t2において電源リレーRY11の接点が閉じられる。これによって、充電制御部508に電源が供給されて、充電制御部508が起動状態となる(図4中の時刻t3)。
【0079】
充電制御部508が起動されると、充電制御部508は、パイロット信号CPLT(電位V1)を検出することに応答して、制御信号S2を活性化してスイッチSW2を導通状態にする。そうすると、抵抗回路502のプルダウン抵抗R2によってパイロット信号CPLTの電位はV2(たとえば9V)に低下する(図4中の時刻t4)。
【0080】
そして、CCID制御部610によってパイロット信号CPLTの電位がV2に低下したことが検出されると、CCID制御部610はパイロット信号CPLTを発振状態とする。
【0081】
充電制御部508は、パイロット信号CPLTが発振状態となったことを検出すると、図3で説明したようにパイロット信号CPLTのデューティによって、充電ケーブル300の定格電流を検出する。
【0082】
そして、充電制御部508は充電動作を開始するために制御信号S1を活性化させてスイッチSW1を導通状態にする(図4中の時刻t5)。これにともなって、プルダウン抵抗R3によって、パイロット信号CPLTの電位がV3(たとえば6V)に低下する。
【0083】
このパイロット信号CPLTの電位がV3に低下したことを、CCID制御部610が検出すると、時刻t6において、CCID制御部610によってCCIDリレー332の接点が閉じられて、外部電源402からの電力が充電ケーブル300を介して車両10に伝達される。
【0084】
充電制御部508において、電圧VACが検出されると、充電制御部508によってリレー155(図1)の接点が閉じられ、かつ充電装置160(図1)が制御されることによって、蓄電装置150(図1)の充電処理が開始される(図4中の時刻t7)。
【0085】
蓄電装置150の充電が進み、蓄電装置150が満充電となったことが判定されると、充電制御部508は、充電処理を停止する(図4中の時刻t8)。そして、充電制御部508は、制御信号S1を非活性化してスイッチSW1を非導通状態とする(図3中の時刻t9)。これによって、パイロット信号CPLTの電位がV2となり、CCIDリレー332が非導通状態とされて(図4中の時刻t10)、外部電源402からの電力の供給が停止される。
【0086】
その後、充電制御部508は、制御信号S2を非活性化してスイッチSW2を非導通状態とするとともに(図4中の時刻t11)、自らを停止状態とする(図4中の時刻t12)。
【0087】
これに応答して、起動制御部507は、時刻t13にて電源リレーRY11を開放する。そして、起動制御部507は、パイロット信号CPLTの発振が停止したことに応答して、自らを待機モードへ遷移させる(図4中の時刻t14)。これにより一連の充電動作が完了する。
【0088】
その後、一般的には、車両10を走行させるために、時刻t15にて充電ケーブル300が取り外されパイロット信号CPLTの電位は0Vとなる。
【0089】
そして、再度充電ケーブル300が車両10に接続されて、起動制御部507によってパイロット信号CPLTについての電位V1への立ち上がりが検出されると、起動制御部507が動作モードに遷移し(図4中の時刻t16)、上述のような充電動作が再開される。
【0090】
このように、パイロット信号CPLTの立ち上がりを検出することによって充電制御部508を起動して充電動作を実行するようなシステムにおいて、たとえば、充電ケーブル300のCCID330の故障等によってパイロット信号CPLTの発振動作が停止できなくなった場合を考える。
【0091】
図5は、パイロット信号CPLTの発振停止異常が発生した場合の、充電制御動作を説明するためのタイムチャートである。この図5においては、時刻t33までは、図4と同様に正常な充電動作が実行されている。しかしながら、時刻t31においてスイッチSW2が非活性化とされてパイロット信号CPLTの電位がV1に戻されているにもかかわらず、パイロット信号CPLTの発振状態が継続されたままとなっている。
【0092】
このような状態となると、起動制御部507は、パイロット信号CPLTの電位がV1に戻されたことに応答して一旦は待機モードとなる(図5中の時刻t34)。しかしながら、パイロット信号CPLTの発振が継続されているので、パイロット信号CPLTについての電位V1への次の立ち上がり(図5中の時刻t35)によって再び動作モードとなる。
【0093】
これによって、再度充電動作が開始されて、電源リレーRY11の閉成(図5中の時刻t36)、充電制御部508の起動(図5中の時刻t37)およびスイッチSW2の活性化(図5中の時刻t38)が行なわれる。しかしながら、前回の充電処理(時刻t27〜t28)において蓄電装置150がすでに満充電状態となっているため、充電動作は即座に完了となり、時刻t29〜t34までの停止処理が行なわれる。
【0094】
ところが、時刻t29〜t34までの停止処理完了後においても、パイロット信号CPLTが発振状態のままであるので、再度起動制御部507が動作モードとなり、充電動作の開始と停止が際限なく繰り返されることが起こり得る。そうすると、各リレーの寿命の低下の原因となったり、車両ECU170に電源を供給するバッテリ(図示せず)の電力を使い果たしてしまったりすることが起こり得る。
【0095】
また、前回の充電動作の終了(時刻t28)が満充電の検出ではなく、充電システムのなんらかの異常を検出したことによって終了した場合にも、図5と同様に充電動作の開始と停止が繰り返されることになり、上述のリレー等の寿命低下に加えて、発生している異常を悪化させたり、その異常に起因して充電システムのさらなる故障を引き起こす原因となったりすることも考えられる。
【0096】
そこで、実施の形態1においては、前回の充電動作がどのような状態で終了したかを示す終了要因に基づいて、次回の充電動作の許可または禁止を判定する充電制御を実行する。具体的には、終了要因が、図5で説明したような、満充電の検出あるいはシステム異常の検出などのように、次回の充電動作によって蓄電装置150のSOCの増加が不可能であると予測される場合には、次回の充電動作が禁止とされる。一方、前回の充電動作において、操作者による操作や外部電源402が停電したことによって満充電となる前に充電動作が中断してしまった場合や、一旦満充電となった後に車両の走行や補機負荷の使用によって蓄電装置150のSOCが低下したような場合のように、再度の充電動作によって蓄電装置150のSOCの増加が可能であると予測される場合には、次回の充電動作が許可される。
【0097】
図6は、実施の形態1に従う充電制御を実行した場合の、パイロット信号CPLTの発振停止異常時の充電制御動作を説明するためのタイムチャートである。図6の縦軸には、図4および図5で説明した項目に加えて、充電禁止フラグINH1および起動禁止フラグINH2が示される。
【0098】
ここで、充電禁止フラグINH1は、充電制御部508において充電処理を開始するか否かを判断するために用いられるフラグであり、たとえば、充電禁止フラグINH1がオンに設定されている場合には、充電制御部508は次回の充電処理を実行しない。また、起動禁止フラグINH2は、起動制御部507が動作状態になったときに、充電制御部508の起動を行なうか否かを判断するために用いられるフラグであり、起動制御部507は、たとえば、起動禁止フラグINH2がオンに設定されていると、充電制御部508の起動を実行しない。
【0099】
図6を参照して、図6中の時刻t47までは、図5の時刻t27と同様の処理が行なわれて、充電処理が開始される。そして、時刻t48において、たとえば蓄電装置150が満充電状態となったことに起因して充電処理が終了すると、充電制御部508において、充電禁止フラグINH1がオンに設定される。
【0100】
その後、時刻t49〜t54までの停止処理が行なわれるが、図5と同様にパイロット信号CPLTの発振が継続されるので、時刻t55で起動制御部507が再び動作モードに遷移し(図6中の時刻t56)、起動制御部507は充電制御部508を起動する(図6中の時刻t57)。しかしながら、充電禁止フラグINH1がオンに設定されているので、充電制御部508は、スイッチSW1,SW2の活性化を実行せず、充電処理を行なわないまま時刻t59において停止する。
【0101】
また、充電制御部508は、充電禁止フラグINH1がオンの状態のままで起動された条件が成立すると、起動制御部507による次回の充電制御部508の起動を禁止するために、起動制御部507へ充電制御部508の起動禁止指示を出力する。起動制御部507は、充電制御部508からの起動禁止指示に応答して、起動禁止フラグINH2をオンに設定する。これによって、時刻t60以降は、起動制御部507が動作モードに遷移しても(時刻t61)、起動制御部507は充電制御部508を起動しないので、充電動作は行なわれない。
【0102】
なお、時刻t48における充電処理の終了要因が、操作者による強制中断であったような場合には、時刻t48において充電禁止フラグINH1がオンとされない。この場合には、次回の充電動作において充電処理が適切に実行される。
【0103】
次に、起動制御部507および充電制御部508において実行される、充電制御における処理の詳細を図7および図8を用いて説明する。図7は、起動制御部507で実行される充電制御部508の起動・停止制御処理を説明するためのフローチャートである。一方、図8は、充電制御部508で実行される充電制御処理を説明するためのフローチャートである。なお、図7および図8に示すフローチャートは、起動制御部507および充電制御部508にそれぞれ予め格納されたプログラムがメインルーチンから呼び出されて、所定周期で実行されることによって処理が実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
【0104】
まず、図2および図7を参照して、起動制御部507の処理を説明する。
起動制御部507は、ステップ(以降、ステップをSと略す。)100にて、パイロット信号CPLTにおける電位V1への立ち上がり、または始動信号IGがオンとなったことを検出したか否かを判定する。
【0105】
上記の信号のいずれも検出されなかった場合(S100にてNO)は、処理がS190に進められ、起動制御部507は、動作モードへの遷移を行なわずに、待機モードを維持する。
【0106】
一方、パイロット信号CPLTにおける電位V1への立ち上がり、または始動信号IGがオンとなったことのいずれかが検出された場合(S100にてYES)は、処理がS110に進められて、起動制御部507は動作モードへ遷移する。
【0107】
次に、起動制御部507は、S120にて、充電制御部508の起動が禁止されているか否か、すなわち起動禁止フラグINH2がオンに設定されているか否かを判定する。
【0108】
充電制御部508の起動が禁止されている場合(S120にてYES)、すなわち起動禁止フラグINH2がオンの場合には、処理がS190に進められる。そして、起動制御部507は、充電制御部508を起動することなく待機モードへ遷移する。
【0109】
一方、充電制御部508の起動が禁止されていない場合(S120にてNO)、すなわち起動禁止フラグINH2がオフの場合には、S130に処理が進められて、起動制御部507は、電源リレーRY11をオンにして充電制御部508を起動するとともに、起動要因を充電制御部508に送信する(図7中のA)。ここで、起動要因とは、充電制御部508の起動が、パイロット信号CPLTに起因するもの、すなわち外部充電の開始に起因して行なわれたもの(充電モード)であるか、あるいは始動信号IGに起因するもの、すなわち車両10の走行開始に起因して行なわれたもの(走行モード)であるかを示す信号である。
【0110】
そして、起動制御部507は、S140にて、起動要因が充電モードであるか否かを判定する。
【0111】
起動要因が充電モードである場合(S140にてYES)は、処理がS150に進められ、次に充電制御部508による充電処理が終了したか否かを判定する。
【0112】
充電制御部508による充電処理が終了していない場合(S150にてNO)は、処理がS150に戻されて、起動制御部507は充電処理が終了するのを待つ。
【0113】
充電制御部508による充電処理が終了した場合(S150にてYES)は、処理がS160に進められ、起動制御部507は、図8において後述するように、充電制御部508からの起動禁止指示(図7中のB)が送信されているか否かを判定する。
【0114】
起動禁止指示が送信されている場合(S160にてYES)は、処理がS170に進められる。そして、起動制御部507は、次回の充電制御部508の起動を禁止するために起動禁止フラグINH2をオンに設定し、処理をS180に進める。
【0115】
起動禁止指示が送信されていない場合(S160にてYES)は、処理がS175に進められる。起動制御部507は、起動禁止フラグINH2をオフに設定して、処理をS180に進める。
【0116】
起動制御部507は、S180にて、充電制御部508が停止したことに応じて、電源リレーRY11を開放して、充電制御部508への電源供給を停止する。
【0117】
その後、起動制御部507は、パイロット信号CPLTの電位がV1に復帰したことに応じて待機モードへ遷移する。
【0118】
一方、充電モードでない場合(S140にてNO)は、すなわち走行モードであり、処理がS155に進められる。そして、起動制御部507は、車両10の走行が終了したか否かを判定する。走行終了は、たとえば、始動信号IGがオフになったことによって判定するようにしてもよい。
【0119】
走行が終了していない場合(S155にてNO)は、処理がS155に戻されて、起動制御部507は走行が終了するのを待つ。
【0120】
走行が終了した場合(S155にてYES)は、処理がS180に進められて、充電制御部508への電源供給を停止するとともに、パイロット信号CPLTの電位がV1に復帰したことに応じて待機モードへ遷移する(S190)。
【0121】
なお、図7には示していないが、充電制御部508において充電禁止フラグINH1がオフに設定された場合には、起動禁止フラグINH2も連動してオフにされる。
【0122】
次に、図2および図8を参照して、充電制御部508の処理を説明する。
充電制御部508は、起動制御部507による電源リレーRY11の制御によって電源が供給されると、S200にて起動処理を実行する。具体的な処理としては、充電制御部508の内部メモリなどのイニシャル処理、および起動制御部507からの起動要因の受信などが含まれる。
【0123】
そして、充電制御部508は、S210において、起動制御部507から送信された起動要因が充電モードであるか否かを判定する。
【0124】
起動要因が充電モードである場合(S210にてYES)は、処理がS220に進められ、充電制御部508は、次に、パイロット信号CPLTの発振指令がオフであるにもかかわらずパイロット信号CPLTが発振状態であるか否か、すなわちパイロット信号CPLTの発振停止不能の異常が発生しているか否かを判定する。具体的には、充電制御部508からのスイッチSW2の制御信号S2が非活性状態であり、かつパイロット信号CPLTが発振状態であるか否かが判断される。
【0125】
パイロット信号CPLTの発振停止不能の異常が発生している場合(S220にてYES)は、処理がS230に進められる。
【0126】
パイロット信号CPLTの発振停止不能の異常が発生していない場合(S220にてNO)は、処理がS225に進められ、充電制御部508は、パイロット信号CPLTの発振指令がオンでありかつパイロット信号CPLTが発振状態であるか否か、すなわち正常な充電開始状態であるか否かを判定する。
【0127】
正常な充電開始状態である場合(S225にてYES)は、処理がS230に進められる。
【0128】
それ以外の場合、すなわちパイロット信号CPLTが発振状態ではない場合(S225にてNO)は、処理がS270に進められて、充電制御部508は自らの停止処理を行なう。
【0129】
なお、上記のS220およびS225を統合して、パイロット信号CPLTの発振指令を考慮せずに、単にパイロット信号CPLTが発振状態であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0130】
次に、充電制御部508は、S230にて、充電禁止フラグINH1がオフであるか否かを判定する。
【0131】
充電禁止フラグINH1がオフである場合(S230にてYES)は、処理がS240に進められ、充電制御部508は、スイッチSW1の制御信号S1を活性化するとともに、蓄電装置150のSOCを監視しながら、リレー155および充電装置160を制御して蓄電装置150の充電処理を実行する。
【0132】
そして、充電制御部508は、充電処理が終了すると、S250にて、充電処理の終了要因を判定する。具体的には、充電制御部508は、終了要因が、蓄電装置150が満充電状態となったことに起因して終了したか、あるいはシステム異常が検出されたことによって終了したか否か、すなわち次回の充電動作によって蓄電装置150のSOCの増加が可能かどうかを判定する。なお、S250において、次回の充電動作によって蓄電装置150のSOCの増加が可能かどうかの判定に、満充電および異常検出以外の項目を考慮するようにしてもよい。
【0133】
終了要因が満充電または異常検出であった場合(S250にてYES)は、充電制御部508は次回の充電動作によって蓄電装置150のSOCの増加が不可能であると判定し、処理をS260に進めて、充電禁止フラグINH1をオンに設定する。
【0134】
一方、終了要因が満充電および異常検出のいずれでもない場合(S250にてNO)は、たとえば、前回の充電動作において蓄電装置150が満充電となる前に強制的に中断されたような場合であって、充電制御部508は次回の充電動作によって蓄電装置150のSOCの増加が可能であると判定し、処理をS265に進めて、充電禁止フラグINH1をオフに設定する。
【0135】
その後、充電制御部508は、処理をS270に進めて、自らを停止させる。
S230において充電禁止フラグINH1がオンである場合(S230にてNO)は、処理がS245に進められ、充電制御部508は、起動制御部507における次回の動作モードへの遷移の際に、充電制御部508の起動を禁止するような指示を起動制御部507に出力する(図8中のB)。そして、処理がS270に進められる。なお、起動制御部507においては、上述のように、この起動禁止指示に応答して起動禁止フラグINH2が設定される。
【0136】
一方、S210において、起動要因が走行モードであった場合(S210にてNO)は、処理がS215に進められる。そして、充電制御部508は、充電禁止フラグINH1がオンであるか否かを判定する。
【0137】
充電禁止フラグINH1がオンである場合(S215にてYES)は、次に充電制御部508は、S216にて、蓄電装置150のSOCが予め定められたしきい値α1未満であるか否か(SOC<α1)を判定する。
【0138】
SOCが予め定められたしきい値α1未満である場合(S216にてYES)は、充電制御部508は、蓄電装置150の電力が消費されて次回の充電動作によってSOCの増加が可能であると判定し、S217にて充電禁止フラグINH1をオフに設定する。その後、処理がS270に進められて、充電制御部508は自らを停止する。
【0139】
S215において充電禁止フラグINH1がオフの場合(S215にてNO)、あるいは、S216においてSOCがしきい値α1以上(SOC≧α1)の場合には、いずれも処理がS270に進められ、充電制御部508は自らを停止する。
【0140】
以上のような処理に従って制御を行なうことによって、パイロット信号CPLTの発振停止不能が生じたような場合であっても、充電動作の開始と停止とが繰り返されるような不具合を防止することができ、適切な充電動作を実行することが可能となる。
【0141】
[実施の形態2]
実施の形態1では、図2における抵抗回路502において、パイロット信号CPLTの発振開始を指示するためのスイッチSW2と、充電開始を指示するためのスイッチSW1が設けられる構成の場合について説明した。
【0142】
しかしながら、図9における車両ECU170Aに含まれる抵抗回路502Aのように、パイロット信号CPLTの発振開始を指示するためのスイッチSW2が備えられていない構成を有する場合がある。このような構成においては、充電ケーブル300が接続された時点で、パイロット信号CPLTの電位がV1からV2に低下されて、即座にパイロット信号CPLTの発振が開始される。
【0143】
そのため、図8のフローチャートにおけるS220,S225のように、パイロット信号CPLTの発振指令および実際の発振状態の条件を判定することはできない。さらに、充電ケーブル300が接続されている場合には、常にパイロット信号CPLTが発振状態となるので、たとえば蓄電装置150が満充電状態となって正常に充電が終了したような場合に、発振回路に異常がなくとも発振状態が継続される。そうすると、充電処理終了後のパイロット信号CPLTの立ち上がり検出によって、充電制御部508の起動と停止とが繰り返されることになる可能性がある。
【0144】
そのため、実施の形態2においては、パイロット信号CPLTの発振開始を指示するためのスイッチSW2が設けられておらず、充電ケーブル300が接続されている間は常にパイロット信号CPLTが発振状態となるような構成において、充電処理の終了後に充電制御部508の起動と停止とが繰り返される不具合を防止するような充電制御を行なう。
【0145】
図10は、実施の形態2において、充電制御部508で実行される充電制御処理を説明するためのフローチャートである。なお、実施の形態2における起動制御部507の処理は、実施の形態1における図7のフローチャートと同じであるので、その説明は繰り返さない。また、図10において図8と同様の処理をするステップについても、説明を繰り返さない場合がある。
【0146】
図9および図10を参照して、充電制御部508は、起動制御部507による電源リレーRY11の制御によって電源が供給されると、S300にて起動処理を実行する。
【0147】
そして、充電制御部508は、S310において、起動制御部507から送信された起動要因が充電モードであるか否かを判定する。
【0148】
起動要因が充電モードである場合(S310にてYES)は、処理がS320に進められ、充電制御部508は、次に、パイロット信号CPLTが発振状態であるか否かを判定する。
【0149】
パイロット信号CPLTが発振していない場合(S320にてNO)は、処理がS360に進められて、充電制御部508は現在の起動禁止フラグINH2に基づいて、次回の動作モードへの遷移の際に充電制御部508の起動を禁止するか否かの指示を起動制御部507に対して出力する。
【0150】
その後、充電制御部508は、S370にて自らの停止処理を行なう。
一方、パイロット信号CPLTが発振している場合(S320にてYES)は、処理がS330に進められ、充電制御部508は、スイッチSW1の制御信号S1を活性化するとともに、蓄電装置150のSOCを監視しながら、リレー155および充電装置160を制御して蓄電装置150の充電処理を実行する。
【0151】
そして、充電制御部508は、充電処理が終了すると、S340にて、充電処理の終了要因を判定する。
【0152】
終了要因が満充電または異常検出であった場合(S340にてYES)は、充電制御部508は次回の充電動作によって蓄電装置150のSOCの増加が不可能であると判定し、処理をS350に進めて、起動禁止フラグINH2をオンに設定する。
【0153】
一方、終了要因が満充電および異常検出のいずれでもない場合(S340にてNO)は、充電制御部508は次回の充電動作によって蓄電装置150のSOCの増加が可能であると判定し、処理をS355に進めて、起動禁止フラグINH2をオフに設定する。
【0154】
その後、充電制御部508は、処理をS360およびS370の処理を実行する。
一方、S310において、起動要因が走行モードであった場合(S310にてNO)は、処理がS315に進められる。そして、充電制御部508は、起動禁止フラグINH2がオンであるか否かを判定する。
【0155】
起動禁止フラグINH2がオンである場合(S315にてYES)は、次に充電制御部508は、S316にて、蓄電装置150のSOCが予め定められたしきい値α2未満であるか否か(SOC<α2)を判定する。
【0156】
SOCが予め定められたしきい値α2未満である場合(S316にてYES)は、充電制御部508は、蓄電装置150の電力が消費されて次回の充電動作によってSOCの増加が可能であると判定し、S317にて起動禁止フラグINH2をオフに設定する。その後、充電制御部508は、処理をS360およびS370の処理を実行する。
【0157】
S315において起動禁止フラグINH2がオフの場合(S315にてNO)、あるいは、S316においてSOCがしきい値α2以上(SOC≧α2)の場合には、いずれも処理がS360に進められる。なお、実施の形態2におけるしきい値α2は、実施の形態1におけるしきい値α1と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0158】
以上のような処理に従って制御を行なうことによって、充電ケーブル300が接続されている間は、常にパイロット信号CPLTが発振状態となるような構成において、充電処理の終了後に充電制御部508の起動と停止とが繰り返される不具合を防止することが可能となる。
【0159】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0160】
10 車両、20 駆動部、120 MG、130 駆動輪、150 蓄電装置、155 リレー、160 充電装置、170,170A 車両ECU、180 モータ駆動装置、182,604,650 電圧センサ、270 インレット、300 充電ケーブル、310 コネクタ、312 接続検知回路、320 プラグ、330 CCID、332 CCIDリレー、334 コントロールパイロット回路、340,340A,340B 電線部、341 電力線、400 コンセント、402 外部電源、502,502A 抵抗回路、504,506 入力バッファ、507 起動制御部、508 充電制御部、510,511 電源ノード、512 車両アース、602 発振装置、606 電磁コイル、608 漏電検出器、610 CCID制御部、660 電流センサ、ACL1,ACL2 電力線、L1 コントロールパイロット線、L2 接地線、L3 接続信号線、R1〜R3,R10,R11 抵抗、RY11 電源リレー、SW1,SW2 スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電ケーブルを介して外部電源からの電力を用いて、搭載された蓄電装置の充電が可能な車両における充電システムの制御装置であって、
前記充電ケーブルを介して伝達される発振信号に応答して動作する起動制御部と、
前記起動制御部により起動され、充電動作を実行するための充電制御部とを備え、
前記充電制御部は、充電動作の終了時の終了要因に基づいて、再充電が不可能である場合には次回の充電動作を禁止し、再充電が可能である場合には次回の充電動作を許可する、充電システムの制御装置。
【請求項2】
前記発振信号は、複数の電圧レベルを有し、
前記起動制御部は、第1の電圧レベルである前記発振信号の立ち上がりの検出に応じて、前記充電制御部を起動する、請求項1に記載の充電システムの制御装置。
【請求項3】
前記充電制御部は、前記発振信号の電圧レベルを、前記第1の電圧レベルよりも低い第2の電圧レベルに低下させることによって充電動作を開始し、
前記充電制御部は、充電動作の終了時に再充電が不可能である場合には、次回の充電動作を禁止するための充電禁止信号を記憶するとともに、記憶された前記充電禁止信号が充電動作の禁止を示している場合には、前記発振信号についての前記第2の電圧レベルへの低下を非実行とする、請求項2に記載の充電システムの制御装置。
【請求項4】
前記充電制御部は、再充電が不可能であると判定した場合には、前記起動制御部が次回の前記発振信号の立ち上がりを検出したときに前記充電制御部の起動をしないようにするための禁止指示を前記起動制御部に出力し、
前記起動制御部は、前記禁止指示に従って起動禁止信号を記憶するとともに、記憶された前記起動禁止信号が前記充電制御部の起動の禁止を示している場合には、前記発振信号についての前記第1の電圧レベルの立ち上がりを検出しても前記充電制御部を起動しない、請求項2または3に記載の充電システムの制御装置。
【請求項5】
前記充電制御部は、前記終了要因が、次回の充電動作によって前記蓄電装置の充電状態を増加できる場合には再充電が可能であると判定し、前記蓄電装置の充電状態を増加できない場合には再充電が不可能であると判定する、請求項1に記載の充電システムの制御装置。
【請求項6】
前記充電制御部は、前記終了要因が、前記蓄電装置が満充電状態となったことによって充電動作が終了したことを示す場合に、再充電が不可能であると判定する、請求項5に記載の充電システムの制御装置。
【請求項7】
前記充電制御部は、前記終了要因が、前記蓄電装置が満充電状態となったことによって充電動作が終了したことを示す場合であっても、充電動作が終了してから次回の充電動作までの間に前記蓄電装置の充電状態が基準値を下回った場合には、再充電が可能であると判定する、請求項6に記載の充電システムの制御装置。
【請求項8】
前記充電制御部は、前記終了要因が、前記充電システムに異常が発生したことによって充電動作が終了したことを示す場合に、再充電が不可能であると判定する、請求項5または6に記載の充電システムの制御装置。
【請求項9】
前記充電制御部は、前記終了要因が、前記充電システムに異常が発生しておらず、かつ前記蓄電装置の充電状態が満充電に達していない状態で充電動作が終了した場合に、再充電が可能であると判定する、請求項5に記載の充電システムの制御装置。
【請求項10】
充電ケーブルを介して外部電源からの電力を用いて、搭載された蓄電装置の充電が可能な車両であって、
前記蓄電装置からの電力を用いて前記車両を駆動するための駆動部と、
前記外部電源からの電力を変換して前記蓄電装置を充電するための充電装置と、
前記充電装置を制御するための制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記充電ケーブルを介して伝達される発振信号に応答して動作する起動制御部と、
前記起動制御部により起動され、前記充電装置を制御して充電動作を実行するための充電制御部とを含み、
前記充電制御部は、充電動作の終了時の終了要因に基づいて、再充電が不可能である場合には次回の充電動作を禁止し、再充電が可能である場合には次回の充電動作を許可する、車両。
【請求項11】
充電ケーブルを介して外部電源からの電力を用いて、搭載された蓄電装置の充電が可能な車両における充電システムの制御方法であって、
前記充電ケーブルを介して伝達される発振信号に応答して、充電処理を開始するステップと、
前記充電処理の開始に応答して、充電動作を実行するためのステップと、
充電動作の終了要因を判定するステップと、
前記終了要因に基づいて、次回の充電動作時に再充電が不可能である場合には次回の充電動作を禁止する一方で、次回の充電動作時に再充電が可能である場合には次回の充電動作を許可するステップとを備える、充電システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−85458(P2012−85458A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230389(P2010−230389)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】