説明

充電装置

【課題】携帯端末への充電を安価に行うことが可能な充電装置を提供すること。
【解決手段】電源から電力が入力される入力端子部19と、携帯端末に接続可能な充電端子16と、電力を蓄える二次電池15と、前記入力端子部19からの電力を前記充電端子16あるいは前記二次電池15に供給する定電流充電回路14と、現在時刻を計時する計時部18と、動作手順を制御する充電制御部17と、を備え、前記充電制御部17は、前記計時部18からの信号に基づいて前記定電流充電回路14から前記二次電池15へ電力供給するか否かを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電装置に関するものであり、特に、充電装置内に二次電池を有しており、安価に電気が供給されている時間帯に充電装置内の二次電池に充電する充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末の普及により、携帯端末を充電するための充電装置も普及している。なかでも、直接携帯端末に充電するだけでなく二次電池を内蔵している充電装置も存在している。
【0003】
携帯電話の充電器に充電式の電池を備えた発明として例えば、下記特許文献1に開示された照明器具が知られている。図4(a)は、この特許文献1に開示された照明器具の全体図であり、図4(b)はその実施形態のひとつを表した図である。
【0004】
この照明器具は、図4(a)に示すように、装置本体31に一端部が連結されたアーム32の他端部に灯具33が連結されている。この装置本体31には灯具33内に設けられた発光部の点滅を制御する制御装置40が内蔵されている。また、装置本体31には、携帯電話34用の充電器36の充電コード37の先端の充電器側コネクタ38aが接続されるとともに、携帯電話34の充電台35に接続した接続コード39が接続されている。
【0005】
そして、切替スイッチ41によって、充電器36から制御装置40へ電源を供給する状態と、充電器36から充電台5を介して携帯電話34の電池を充電する状態とを切り替えることができるようにしたものである。また、この照明器具は、図4(b)に示すように、制御装置40の電源として充電式の電池Eを備えており、この電池Eを収納した収納体50にアーム32の一端部を連結してあり、装置本体31に収納体50を着脱自在に装着する収納体装着部49が形成されている。そして、該照明装置は制御装置40が電池Eを電源として動作するので、電池Eの充電が完了した後は収納体50を装置本体31から取り外して使用することができる。
【0006】
また、充電装置から直接携帯電話へ充電せず、一旦別の二次電池へ充電し、必要なときに該二次電池から携帯電話へ充電するものも存在する。例えば、下記の特許文献2には、携帯電話機と二次電池を有する振動式着信報知器の発明が開示されている。図5(a)はこの特許文献2に開示された携帯電話機と二次電池を有する振動式着信報知器の外観斜視図であり、図5(b)はそのブロック図である。
【0007】
この携帯電話の振動式着信報知器108は、図5(a)に示すように、携帯電話機本体100は、機体の一部に振動式着信報知器嵌め込み凹部を有し、この振動式着信報知器嵌め込み凹部に振動式着信報知器108を挿脱自在にしている。また、図5(b)に示すように、携帯電話機本体100と振動式着信報知器108は、電池128を含む電源部107と、コネクタ104、111と、電源部112と充電部(電池)114と、切換えスイッチ113を含む制御部116を備えて構成される。
【0008】
上記構成においては、振動式着信報知器108を携帯電話機本体100に戻した場合で、携帯電話機本体100内の電池128の電力が少ない場合、切換えスイッチ113によって充電部(電池)114の電力を電源部112、コネクタ111、コネクタ104を経由して、電源部107に供給し、携帯電話機本体100を動作させる。携帯電話機本体100の電池の残存電力が無くなった場合には、振動式着信報知器108を戻すことで電力を供給して再度使用できるようになる。
【特許文献1】特開平2004−55361号公報(段落[0034]〜[0036]、図1、図4、)
【特許文献2】特開平2002−164963号公報(段落[0023]、[0043]〜[0045]、図1、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
充電装置で携帯端末を充電する場合、ユーザは、携帯端末を充電台に乗せ、電力を携帯端末の二次電池に蓄える。ところで、通常、電気代は電気使用量の多い昼間より、電気使用量の少ない夜間のほうが安く提供されている。すなわち、充電も昼間に行うより夜間に行うほうが安く済み、経済的であり、また夜間電力を利用するので環境にもやさしい。しかしながら、従来の充電装置では、昼間であろうと夜間であろうとそのときの電力が使用される。
【0010】
また、上記特許文献1および特許文献2に開示された発明では、電力を一時的に蓄えたり、その電力を必要なときに使用したりすることができるが、その充電する時間帯については、何ら考慮されていない。
【0011】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、夜間電力を利用して、安価な電力でのみ携帯端末に充電することができれば、上記問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明の目的は、携帯端末への充電を安価に行うことが可能な充電装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、緊急時の予備電源としても利用可能な充電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、電源から電力が入力される入力端子部と、携帯端末に接続可能な充電端子と、電力を蓄える二次電池と、前記入力端子部からの電力を前記充電端子あるいは前記二次電池に供給する定電流充電回路と、現在時刻を計時する計時部と、動作手順を制御する充電制御部と、を備え、前記充電制御部は、前記計時部からの信号に基づいて前記定電流充電回路から前記二次電池へ電力供給するか否かを制御することを特徴とする。
【0015】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる充電装置において、前記充電制御部は、前記充電端子に携帯端末が接続されている状態のときには前記二次電池が既に充電されているか否かを検知し、該二次電池が既に充電されている場合には該二次電池から前記充電端子へ電力を供給するように制御することを特徴とする。
【0016】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項2にかかる充電装置において、前記充電制御部は、前記充電端子に携帯端末が接続されている状態で、且つ前記計時部の出力により前記二次電池への電力の供給が可能な状態の場合には、前記入力端子部からの電力を前記定電流充電回路を介して前記充電端子に供給するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上記構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏するものである。すなわち、請求項1にかかる発明によれば、充電制御部は、計時部からの信号に基づいて定電流充電回路から二次電池へ電力供給するか否かを制御する。これにより、本発明にかかる充電装置は、電気料金が安価な時間帯にのみ二次電池を充電するので、電力を効率的に利用することができる。
【0018】
請求項2にかかる発明によれば、請求項1にかかる充電装置において、充電制御部は、充電端子に携帯端末が接続されている状態のときには二次電池が既に充電されているか否かを検知し、該二次電池が既に充電されている場合には該二次電池から充電端子へ電力を供給するように制御する。これにより、電気料金が安価な時間帯に充電されていた充電装置の二次電池から携帯端末に充電することができる。また、充電装置の二次電池を予備電源として利用することもできる。
【0019】
請求項3にかかる発明によれば、請求項2にかかる充電装置において、充電制御部は、充電端子に携帯端末が接続されている状態で、且つ計時部の出力により二次電池への電力の供給が可能な状態の場合には、入力端子部からの電力を定電流充電回路を介して充電端子に供給するように制御する。これにより、電気料金が安価な時間帯では二次電池を介さないで携帯端末を充電することができるので、二次電池の不要な劣化を防止できる。また、電気料金が安価な時間帯でも携帯端末を優先的に充電するので、携帯端末の充電に通常より長い時間を要する恐れもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための充電装置の一例として携帯電話を充電するのに用いられる充電装置を例示するものであって、本発明をこの充電装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
【0021】
図1は、本発明にかかる充電装置およびこの充電装置に接続される携帯電話のブロック図である。図2は、充電装置の動作手順を示すフローチャートである。図3(a)は充電装置に携帯電話が接続されていない状態を示した斜視図であり、図3(b)は充電装置に携帯電話が接続されている状態を示す斜視図である。
【0022】
図1に示すように、本発明にかかる充電装置10は、プラグ11とトランス12と整流平滑回路13とからなる入力端子部19、定電流充電回路14、二次電池15、充電端子16、充電制御部17及び計時部18で構成されている。また、充電装置10により充電される携帯電話20は、充電端子21、定電流充電回路22、二次電池23で構成されている。なお、本発明は充電装置に関するものであるので、携帯電話についての説明は充電装置10に関わる部分についてのみ行うものとする。
【0023】
定電流充電回路14は、二次電池15に電力を充電するための回路である。そして、二次電池15は、定電流充電回路14から供給された電力を蓄えるのに用いられる。また、充電端子16は、携帯電話20の充電端子21と接続するために用いられる。
【0024】
充電制御部17は、計時部18からの信号により判断される現在の時刻、充電装置10の二次電池15の残量、充電端子16に携帯電話20が接続されているか、および携帯電話20の二次電池23の残量を判断し、その結果に基づいて電力を充電装置10の二次電池15に供給するか、携帯電話20の二次電池23に供給するか、もしくは供給を行わないかを制御するものである。
【0025】
計時部18は一定周期の信号を発信することで現在の時刻を判断するのに用いられ、その信号は、充電制御部17に出力される。入力端子部19は、プラグ11、トランス12、整流平滑回路13により構成される。なお、プラグ11、トランス12、整流平滑回路13は公知のものであるので、説明は省略する。
【0026】
充電端子21は、充電装置10と接続するのに用いられ、充電装置10の充電端子16と接続され、充電装置10からの電力の供給は充電端子21を通じて行われる。定電流充電回路22は、携帯電話20の二次電池23に充電するための回路である。二次電池23は、携帯電話20に供給された電力を蓄えるものである。
【0027】
次に、図2を用いて、充電装置の動作手順について説明する。なお、以下の動作手順ではプラグは電源に接続した状態とする。
【0028】
先ず、充電制御部17においては、充電装置10の二次電池15の充電が十分であるかを判断する(ステップS1)。十分であればステップS2に進み、充電装置10の充電端子16に携帯電話20が接続されているかを判断する。携帯電話20が接続されていれば、ステップS3に進み、接続されていなければ充電する対象がないので、待機状態とする。ステップS3では、携帯電話20の二次電池23の充電が十分であるかを判断する。十分であれば、充電する必要がないので待機状態とする。反対に十分でなければ充電装置10の二次電池15から携帯電話20の二次電池23に電力を供給して充電し(ステップS4)、充電が完了すれば(ステップS5)、ステップS1にもどる。
【0029】
また、ステップS1において、充電装置10の二次電池15の充電が十分でなければ、ステップS6に進み、現在が電気代の安い時間帯(所定の時間帯)であるかを判断する。この判断は、充電装置10内にある計時部18からの信号に基づいて行われる。現在が電気代の安い時間帯(例えば深夜等)であれば、ステップS7に進み、充電装置10の充電端子16に携帯電話20が接続されているかを判断する。
【0030】
そして、携帯電話20が接続されていた場合には、ステップS8で携帯電話20の二次電池23の充電が十分であるかを判断する。携帯電話20の二次電池23の充電が十分であれば携帯電話20の二次電池23には充電せずに充電装置10の二次電池15に充電する(ステップS9)。そして、充電装置10の二次電池15の充電が完了すれば(ステップS5)、ステップS1にもどる。また、携帯電話20の二次電池23の充電が十分でなければ携帯電話20の二次電池23を充電する(ステップS10)。ユーザは携帯電話20の充電を優先的に考えているからである。そして、充電が完了すれば(ステップS5)、ステップS1にもどる。
【0031】
また、ステップS7において、携帯電話20が接続されていない場合は、ステップS11に進み、充電装置10の二次電池15に充電し(ステップS9)、充電装置10の二次電池15の充電が完了すれば(ステップS5)、ステップS1にもどる。
【0032】
次に、ステップS6において現在が電気代の安い時間帯でなければ(例えば昼間等)、ステップS12に進み、充電装置10の充電端子16に携帯電話20が接続されているかを判断する。そして、携帯電話20が接続されていた場合、ステップS13で携帯電話20の二次電池23の充電が十分であるかを判断する。そして、携帯電話20の二次電池23の充電が十分でなければ携帯電話20の二次電池23を充電する(ステップS14)。
【0033】
これは、現在が電気代の安い時間帯でなくても、ユーザは携帯電話20の充電を優先するからである。また、ステップS13で携帯電話20の二次電池23の充電が十分であれば、現在が電気代の安い時間帯ではないので、充電装置10の二次電池15には充電しない。同様に、ステップS12で携帯電話20が接続されていない場合も充電装置10の二次電池15には充電しない。
【0034】
なお、この手順を繰り返すことで、充電装置10の二次電池15の電力が少なくなった場合でも、ステップS6において現在が電気代の安い時間帯であれば、充電装置10の二次電池15に充電されることになり、それ以外の時間帯では充電装置10の二次電池15には充電しないことになる。また、不用意に充電を実行しないので、自然放電にも対応できる。
【0035】
次に、本発明の一実施例である充電装置10および携帯電話20を図3に示す。図3(a)は充電装置10に携帯電話20が接続されていない状態を示した斜視図、図3(b)は充電装置10に携帯電話20が接続されている状態を示す斜視図である。なお、入力端子部19は図示を省略している。
【0036】
図3(a)では、充電装置10は携帯電話20が接続されていないので、充電装置10内の定電流充電回路14へ入力端子部19から電力が供給され、計時部18の信号に基づいて充電制御部17の判断により、二次電池15に充電される。また、その充電された二次電池15は、予備電源としても利用できる。さらに、充電装置10の充電端子16を他の携帯端末と互換性を持たせたり、充電装置10にプラグ等の接続可能なコンセント等を設けることで、様々な携帯端末や電気製品についての予備電源としても利用できる。
【0037】
図3(b)では、充電装置10と携帯電話20が接続されているので、充電装置10の二次電池15に充電された電力が、携帯電話20の二次電池23に充電される。携帯電話20の二次電池23に充電する場合は、充電装置10の充電端子16と携帯電話20の充電端子21を接続し、充電装置10の定電流充電回路14からの電力を携帯電話20の定電流充電回路22に供給し、定電流充電回路22から二次電池23へ蓄えられる。
【0038】
本発明によれば、安価に電気が供給されている時間帯においては充電装置の二次電池を充電し、他の時間帯では、充電装置の二次電池の電力を携帯端末に充電する充電装置を提供することができ、夜間電力を利用するので環境にやさしく、なおかつ経済的である。
【0039】
また、本実施例では、携帯電話の充電装置について説明したが、それに限られず、二次電池を使用するもの、例えば、ハンドクリーナーや携帯ゲーム機、さらに、電気自動車のバッテリーに対応することも可能である。
【0040】
さらに、この充電装置は、安価に充電可能な予備電源としても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明にかかる充電装置およびこの充電装置に接続される携帯電話のブロック図である。
【図2】充電装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図3】図3(a)は充電装置に携帯電話が接続されていない状態を示した斜視図、図3(b)は充電装置に携帯電話が接続されている状態を示す斜視図である。
【図4】図4(a)は従来技術の携帯電話の充電器に充電式の電池を備えた照明器具の全体図であり、図4(b)はその実施形態のひとつを表した図である。
【図5】図5(a)は他の従来技術の携帯電話機と二次電池を有する振動式着信報知器の外観斜視図であり、図5(b)はそのブロック図である。
【符号の説明】
【0042】
10 充電装置
11 プラグ
12 トランス
13 整流平滑回路
14 定電流充電回路
15 二次電池
16 充電端子
17 充電制御部
18 計時部
19 入力端子部
20 携帯電話
21 充電端子
22 定電流充電回路
23 二次電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から電力が入力される入力端子部と、
携帯端末に接続可能な充電端子と、
電力を蓄える二次電池と、
前記入力端子部からの電力を前記充電端子あるいは前記二次電池に供給する定電流充電回路と、
現在時刻を計時する計時部と、
動作手順を制御する充電制御部と、を備え、
前記充電制御部は、前記計時部からの信号に基づいて前記定電流充電回路から前記二次電池へ電力供給するか否かを制御することを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記充電制御部は、前記充電端子に携帯端末が接続されている状態のときには前記二次電池が既に充電されているか否かを検知し、該二次電池が既に充電されている場合には該二次電池から前記充電端子へ電力を供給するように制御することを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記充電制御部は、前記充電端子に携帯端末が接続されている状態で、且つ前記計時部の出力により前記二次電池への電力の供給が可能な状態の場合には、前記入力端子部からの電力を前記定電流充電回路を介して前記充電端子に供給するように制御することを特徴とする請求項2に記載の充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−81902(P2009−81902A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−247412(P2007−247412)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】