説明

光化学処理装置及び光化学処理方法

【課題】 光化学処理装置及び光化学処理方法に関し、簡単な装置構成によりVUV光による活性化効率を高めて高スループットで光化学処理を行なう。
【解決手段】 真空紫外線発生光源1、真空紫外線発生光源1を収容する収容部3を備えるとともに、ガス導入口4及びガス噴出口5を備えた活性化反応室2を備え、ガス導入口4から導入した反応ガス7を真空紫外線発生光源1からの真空紫外線によって活性化し、活性化した反応ガス8をガス噴出口5から被処理基板9に吹き付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光化学処理装置及び光化学処理方法に関するものであり、特に、半導体ウェハやカーボンナノチューブ等の表面の改質や表面に付着した有機化合物の除去を光化学的に行なうための反応ガスを効率的に活性化するための構成に特徴のある光化学処理装置及び光化学処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブをはじめとするカーボン系新材料の平面状形成物は、センサー、燃料電池等の高機能エレクトロニクスデバイス用部材として、最近、用途開発および部材としての機能向上に期待がかけられている。
【0003】
これらのカーボン系材料の表面改質、表面への化学官能基の導入や、半導体装置や液晶表示装置或いはプラズマ表示装置等の平面基板の製造プロセスにおける表面に付着した有機化合物の除去する基板洗浄を効率的に行うために、紫外線処理、オゾン等の反応性ガス処理によるドライ法が環境負荷が少ないため多く用いられている。
【0004】
中でも、真空紫外線(VUV)照射によるカーボン系材料の化学処理は、表面の化学修飾、濡れ性等の向上等、物性の改質に用いられているが、このようなVUV反応装置は、低圧水銀ランプ等のUV反応装置に対し、照射波長が短波長なため或いは高エネルギーであるため高反応性で高スループットであることが知られている。
【0005】
他方、高出力であるためにランプの発熱が無視できず、ランプの発熱高温化により、ランプ照度の低下、ランプ装置の低寿命化という問題が発生するため積極的な冷却機構が必要であるという課題もあった(例えば、特許文献1或いは特許文献2参照)。
【0006】
このような、従来の冷却機構付光化学処理装置においては、エキシマUVランプを格納する本体ケースの天井部に複数の並列配置されたエキシマUVランプを冷却するための水冷機構を備えた金属ブロックを設けるとともに、本体ケースの下底部に石英等からなるVUV透過窓を設けている。
【0007】
このVUV透過窓の外側に数mm程度の近接した位置に配置された被処理基板との間にO2 ガス等の反応ガスを流し、光化学反応によってO3 等の活性酸化を発生させ、発生した活性酸素を利用して基板洗浄等を行なっている。
この場合、本体ケース内でVUV光が吸収されないように、本体ケース内にN2 ガス等を流すように構成しており、N2 ガス等によっても空冷がなされることになる。
【0008】
一方、大型の被処理基板を処理するために、上述の本体ケースを用いることなくエキシマUVランプを一本づつ保護管内に収容するとともに、保護管を複数本並列配置するとともに、各保護管の近傍に反応ガス吹出口を設けて活性化した反応ガスを被処理基板に対して均一に且つ高濃度に供給することも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2004−265770号公報
【特許文献2】特開2004−221017号公報
【特許文献3】国際公開WO2002/036259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の機構では装置構成が大がかりになってしまい、装置の複雑化、低信頼性化、および高コスト化を招くという欠点がある。
【0010】
また、VUV光は空気中での光吸収係数が大きく、1cmから高々数cm以内で吸収されてしまうため、上述の特許文献1,2においては、被処理基板と本体ケースとの間隔を被処理基板全面に渡って数mm或いは高々数cmかまたはそれに近い距離以内に配置しなければならないが、被処理基板或いは本体ケースの一方が傾くとその間を流れるガス層の厚さが漸近的に変化して活性化種の濃度も変化するため、被処理基板が大型化するほど均一な処理が困難になるという問題がある。
【0011】
一方、上述の特許文献3のように活性化種の濃度の均一化を図ったとしても、ガス吹出口や吹出量を数mm単位で被処理基板に対して精度良く調整する必要があるため依然として発生した活性化種の濃度の均一化は困難であり、光化学処理が不均一に行なわれるという虞がある。
【0012】
さらに、エキシマUVランプで発生したVUV光の内、有効に利用されるのは直下に放出したVUV光のみであり、反射板を設けても側面方向に放射されたVUV光は反応ガスの活性化に有効に作用しないため、非効率であるという問題もある。
【0013】
その結果、せっかく高出力のエキシマUVランプを使用しているにも拘わらず、高効率にはならないため、従来の低圧水銀ランプに対する優位性を十分に活かせないという問題がある。
【0014】
また、上記の特許文献3の場合には、VUV光の波長が172nmよりさらに短波長化した場合には、加工が容易な石英ガラスはその光吸収特性によって使用できなくなるので、VUVランプを囲む保護管を用意できなくなり、172nm以下の短波長のVUV光には適用できないという問題がある。
【0015】
したがって、本発明は、簡単な装置構成によりVUV光による活性化効率を高めて高スループットで光化学処理を行なうことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
図1は本発明の原理的構成図であり、ここで図1を参照して、本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
上記課題を解決するために、本発明は、光化学処理装置において、真空紫外線発生光源1、真空紫外線発生光源1を収容する収容部3を備えるとともに、ガス導入口4及びガス噴出口5を備えた活性化反応室2を備え、ガス導入口4から導入した反応ガス7を真空紫外線発生光源1からの真空紫外線によって活性化し、活性化した反応ガス8をガス噴出口5から被処理基板9に吹き付けることを特徴とする。
【0017】
このように、活性化反応室2を設け、この活性化反応室2において予め活性化した反応ガス8をガス噴出口5から被処理基板9に吹き付けることによって、真空紫外線発生光源1と被処理基板9との間隔を基板全面に渡って数mm以下の精度で対向させることを要することなく均一な処理が可能になり、それによって、装置構成を簡素化することができる。
【0018】
また、活性化反応室2において反応ガス7を活性化することによって活性化効率を高めることができ、それによって、光化学処理を高スループットで行なうことが可能になる。
【0019】
この場合、ガス噴出口5は、真空紫外線発生光源1の長軸方向に沿った長方形状にして、被処理基板9をガス噴出口5の長軸方向に対して直交する方向に走査させる走査機構10を設けることが望ましく、それによって、被処理基板9全面を均一に処理することができる。
【0020】
また、真空紫外線発生光源1を複数本並列に配置するとともに、ガス噴出口5を複数本の真空紫外線発生光源1に対応するように複数設けても良く、それによって、大型の被処理基板9を高スループットで且つ均一に光化学処理することができる。
【0021】
また、真空紫外線発生光源1に冷却機構6を設けることが望ましく、それによって、加熱による出力低下を招くことなく高出力の真空紫外線を発生させることはでき、反応ガス7の活性化を高効率に行なうことができる。
【0022】
この場合の冷却機構6としては、真空紫外線発生光源1の収容部3と対向する冷媒ダクトを備えたヒートシンクを設けても良いし、或いは、収容部3を冷媒ガス導入口4及び冷媒ガス排出口を備えた空冷用閉空間からなるように構成してこの空冷用閉空間に真空紫外線を吸収しないN2 ガス等の不活性ガスを冷媒として流せば良い。
【0023】
また、活性化反応室2の少なくとも収容部3を真空紫外線に対する透過率が高い、例えば、透過率が40%以上、より望ましくは60%以上の透明部材、例えば、石英ガラス、CaF2 、或いはMgF2 等の透明部材で構成する必要がある。
【0024】
また、上述の光化学処理装置を用いて光化学処理を行なう場合、反応ガス7としては、酸素やアンモニア等反応用ガス種をN2 等の真空紫外線に不活性なガス種で希釈された混合ガス、例えば、0.0001〜10%、より好適には0.005〜5%に希釈された混合ガスを用いることが望ましく、それによって、真空紫外線発生光源1から少なくとも1cm程度か、さらに離れた位置においても活性化することができるので、活性化反応室2の形状設計の自由度が高まるとともに活性化効率を高めることができる。
【0025】
この場合、反応ガス種として、酸素やアンモニア等の主反応ガス種に対して微量のH2 Oを含ませても良いものであり、それによって、ヒドロキシラジカル(・OH* )を発生させて、ヒドロキシラジカル(・OH* )との混合作用による表面改質処理が可能になる。
【0026】
また、被処理基板9は特に限定されるものではなく、半導体ウェハや液晶パネル等の平面表示パネル等も対象とするものであるが、特に、被処理対象となる表面が化学的に安定であるため反応速度の遅いカーボンナノチューブが設けられた基板等の部材に適用することにより、高効率でカーボンナノチューブの表面改質が可能になる。
【発明の効果】
【0027】
本発明では、活性化反応室を設けて予め反応ガスを活性化しているので、大気中で1cm未満の距離で吸収されてしまうVUV光を効率良く利用することができるので高スループットの処理が可能になるとともに、被処理基板に対する光源位置の設置自由度が高まるため装置構成を簡素化することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明は、Xeエキシマランプ等の真空紫外線発生光源と、真空紫外線発生光源を収容する収容部を備えるとともに、ガス導入口及びガス噴出口を備え、少なくとも収容部が真空紫外線に対する透過率が60%以上の石英ガラス、CaF2 、或いはMgF2 等の透明部材からなる活性化反応室とからなり、ガス導入口から主反応ガス種となるO2 或いはNH3 をN2 等の真空紫外線に不活性なガスまたはガス状物質で0.0001%〜10%、より好適には0.005%〜5%に希釈された混合ガス導入して、この反応ガスを真空紫外線発生光源からの真空紫外線によって活性化し、 1Δg 2 * (singlet)〔一重項酸素ラジカル〕等の活性化した反応ガスを真空紫外線発生光源の形状に沿った形状のガス噴出口から被処理基板に吹き付けるとともに被処理基板をガス噴出口の長軸方向と直交する方向へ走査する走査機構を設けたものである。
【実施例1】
【0029】
ここで、図2及び図3を参照して、本発明の実施例1の光化学処理装置を説明する。
図2参照
図2は、本発明の実施例1の光化学処理装置の概念的斜視図であり、例えば、ステンレス製のチャンバー11の内部に石英ガラス製の活性化反応容器12を収納するとともに、この活性化反応容器12の天井部に設けた収容部13にXeエキシマUVランプ16を収容する。
なお、図においては、内部の構成が理解しやすいように活性化反応容器12の両端部が開放されているように図示しているが、実際には両端部は閉鎖されており、以下同様である。
【0030】
この場合のXeエキシマUVランプ16としては、例えば、長軸方向の発光長が400mmで発生中心波長λがλ=172nmの真空紫外線を発生し、光出力が30mW/cm2 のXeエキシマUVランプを用いる。
【0031】
また、活性化反応容器12にはXeエキシマUVランプ16の長さに応じて複数本に分岐したガス導入管14を有するとともに、下側に、XeエキシマUVランプ16の形状に応じた長方形のガス噴出口15が設けられている。
なお、ここでは、ガス導入管14を左右に3本づつ設けている。
【0032】
また、XeエキシマUVランプ16は、冷媒ダクト19を備えた金属ブロック18からなる冷却機構17が設けられており、この金属ブロック18を介して収容部13に固定・保持される。
【0033】
また、チャンバー11内にはX−Y方向に移動可能な基板載置ステージ20が設けられており、この基板載置ステージ20には被処理基板23の温度を制御するための温度調節機21が内蔵されているとともに、X−Y方向に移動するための移動機構22を備えている。
【0034】
図3参照
図3は、本発明の実施例1の光化学処理装置を用いた光化学処理工程の説明図であり、ガス導入管14からO2 やNH3 をN2 等の真空紫外線に不活性なガスまたはガス状物質で希釈した混合ガス24を導入するとともに、XeエキシマUVランプ16と点灯して172nmのVUV光25を発生させ、VUV光25によってO2 やNH3 を活性化し、発生した 1Δg 2 * やNH2 * 等の活性化種26をガス噴出口15から被処理基板23に噴射するとともに、基板載置ステージ20をガス噴出口15の長軸方向と直交する方向(X方向)へ走査しながら光化学処理を行なう。
なお、被処理基板23のY方向の長さが、XeエキシマUVランプ16の発光長より長い場合には、Y方向にも走査しながら光化学処理を行なう。
【0035】
このように、本発明の実施例1においては、活性化反応容器12を設けて、この活性化反応容器12内で予め活性化種26を発生させ、この発生した活性化種26を被処理基板23に吹き付けているので、VUV光25の吸収距離を気にすることなく被処理基板23を設置することができるので、装置構成の設計自由度が大幅に高まるとともに装置構成が簡素化される。
【0036】
また、反応ガスとしてO2 やNH3 等の反応ガス種をN2 等の真空紫外線に不活性なガスまたはガス状物質で希釈した混合ガス24を用いているので、光吸収距離を長くすることができ、それによって、光吸収による活性化効率を高めることができるとともに、活性化反応容器12の形状を大きくすることができるので設計自由度が高まる。
また、光化学処理を被処理基板を走査しながら行なっているので、処理の均一性が高まる。
【実施例2】
【0037】
次に、図4を参照して、本発明の実施例2の光化学処理装置を説明するが、実施例1における活性化反応容器を大型化して複数本のXeエキシマレーザを配列したものである。 図4参照
図4は、本発明の実施例2の光化学処理装置の概念的斜視図であり、例えば、ステンレス製のチャンバー11の内部に石英ガラス製の活性化反応容器30を収納するとともに、この活性化反応容器30の天井部に設けた収容部31に冷媒ダクト35を備えた金属ブロック34を介して複数本のXeエキシマUVランプ16を収容する。
【0038】
この場合のXeエキシマUVランプ16としても、例えば、長軸方向の発光長が400mmで発生中心波長λがλ=172nmの真空紫外線を発生し、光出力が30mW/cm2 のXeエキシマUVランプを用いる。
なお、ここでは、3本のXeエキシマUVランプ16を用いる。
【0039】
また、活性化反応容器30にはXeエキシマUVランプ16の長さに応じて複数本に分岐したガス導入管32を設けるとともに、下側の各XeエキシマUVランプ16に対応する位置に、XeエキシマUVランプ16の形状に応じた長方形のガス噴出口33を設ける。
なお、ここでは、ガス導入管32を左右に3本づつ設けている。
【0040】
また、チャンバー11内にはX−Y方向に移動可能な基板載置ステージ20が設けられており、この基板載置ステージ20には被処理基板23の温度を制御するための温度調節機21が内蔵されているとともに、X−Y方向に移動するための移動機構22を備えている。
【0041】
このように、本発明の実施例2においては、複数本のXeエキシマUVランプ16を設けているので、X方向の走査領域を狭くすることができ、それによって、大型の被処理基板23の場合にも短時間での光化学処理が可能になり、スループットが向上する。
【実施例3】
【0042】
次に、図5を参照して、本発明の実施例3の光化学処理装置を説明する。
図5参照
図5は、本発明の実施例3の光化学処理装置の概念的斜視図であり、例えば、ステンレス製のチャンバー11の内部に石英ガラス製の活性化反応容器40を収納するとともに、この活性化反応容器40の天井部に設けた凹部41上に上蓋部材43を設けて擬似的な閉空間42を構成し、この閉空間42にガス導入口44及びガス導出口45を設けるとともにXeエキシマUVランプ16を収容する。
【0043】
この場合のXeエキシマUVランプ16としても、例えば、長軸方向の発光長が400mmで発生中心波長λがλ=172nmの真空紫外線を発生し、光出力が30mW/cm2 のXeエキシマUVランプを用いる。
【0044】
また、活性化反応容器40にはXeエキシマUVランプ16の長さに応じて複数本に分岐したガス導入管46を両側に設けるとともに、下側に、XeエキシマUVランプ16の形状に応じた長方形のガス噴出口47を設ける。
なお、ここでは、ガス導入管46を左右に3本づつ設けている。
【0045】
また閉空間42には、ガス導入口44からVUV光に吸収されない不活性なガス、例えば、N2 ガス等の真空紫外線に不活性なガスまたはガス状物質を流すことによってXeエキシマUVランプ16を空冷して温度上昇による出力低下を防止する。
【0046】
また、チャンバー11内にはX−Y方向に移動可能な基板載置ステージ20が設けられており、この基板載置ステージ20には被処理基板23の温度を制御するための温度調節機21が内蔵されているとともに、X−Y方向に移動するための移動機構22を備えている。
【0047】
このように、本発明の実施例3においては、冷却機構を実施例1の間接冷却から直接冷却に変更しただけで、その他の作用効果は実施例1と同様である。
【実施例4】
【0048】
次に、図6及び図7を参照して、本発明の実施例4の光化学処理装置を説明する。
図6参照
図6は、本発明の実施例4の光化学処理装置の概念的斜視図であり、例えば、ステンレス製のチャンバー11の内部に活性化反応容器50を収納するとともに、この活性化反応容器50の天井部に設けた収容部51にXeエキシマUVランプ16を収容する。
この場合のXeエキシマUVランプ16としても、例えば、長軸方向の発光長が400mmで発生中心波長λがλ=172nmの真空紫外線を発生し、光出力が30mW/cm2 のXeエキシマUVランプを用いる。
【0049】
図7参照
図7は、実施例4の光化学処理装置の活性化反応容器の要部拡大図であり、活性化反応容器50の主要部はステンレス製で、収容部51がステンレス製の枠状部材52と、枠状部材52に張り付けられたCaF2 からなる窓部材53からなり、また、XeエキシマUVランプ16の長さに応じて複数本に分岐したガス導入管54を有するとともに、下側に、XeエキシマUVランプ16の形状に応じた長方形のガス噴出口55が設けられている。
なお、ここでは、ガス導入管54を左右に3本づつ設けている。
【0050】
この場合、CaF2 は石英ガラスのように形状加工することは困難であるが、基本的骨格をステンレスで構成し、枠状部材に薄板状に加工したCaF2 を窓部材として張り付けることによって、CaF2 の使用が可能になる。
【0051】
また、XeエキシマUVランプ16は、冷媒ダクト19を備えた金属ブロック18からなる冷却機構17が設けられており、この金属ブロック18を介して収容部13に固定・保持される。
【0052】
また、チャンバー11内にはX−Y方向に移動可能な基板載置ステージ20が設けられており、この基板載置ステージ20には被処理基板23の温度を制御するための温度調節機21が内蔵されているとともに、X−Y方向に移動するための移動機構22を備えている。
【0053】
このように、本発明の実施例4においては、XeエキシマUVランプ16の収容部51に石英ガラスより短波長のVUV光の光吸収率の小さなCaF2 からなる窓部材53を設けているので、VUV光の透過率がより高まる。
【0054】
また、将来、エキシマUVランプの発光波長がより短波長化して石英ガラスによるVUV光の吸収が問題になっても、エキシマUVランプを代えるだけでそのまま光化学処理を行なうことが可能になる。
さらには、窓部材53をMgF2 製の薄板に置き換えることによって、さらに、短波長のVUV光の使用が可能になる。
【0055】
例えば、石英ガラスの光学バンドギャップは8−9eVであるので、XeエキシマUVランプの172nmのVUV光を透過するものの、140−150nmのKr2 エキシマUVランプや120−135nmのAr2 エキシマUVランプに対しては使用できないが、CaF2 の光学バンドギャップは10eVであるので140−150nmのVUV光は透過し、さらに、MgF2 の光学バンドギャップは11.8eVであるので120−135nmのVUV光は透過する。
【実施例5】
【0056】
次に、光化学処理方法に関する本発明の実施例5を説明するが、ここでは、図2に示した光化学処理装置を用いて行なうので図示は省略する。
ここでは、試料として、(100)面を主面とするp型シリコンウェハ上に、スパッタリング法によって厚さが、例えば、25nmのNiを形成したのち、フィラメントCVD法によりアセチレンガス(C2 2 )を原料として650℃にて触媒となるNi上にマルチウォールカーボンナノチューブを長さ約1.5μmまで成長させたものを用いた。
【0057】
これを、予め空気中にて400℃で15分ベークしてナノチューブ以外の可燃性不純物を取り除いた後、速やかに、図2に示した光化学処理装置に移して、1気圧酸素濃度0.4%となるよう純窒素で湿度50%程度に調節したクリーンエア(無塵空気)を希釈したガスを反応ガスとして使用し、試料を走査しながら60秒間光化学処理を行なう。
なお、ガス流量は反応ガスは毎分10Lとし、冷却用ガスは毎分60Lとする。
【0058】
この場合、反応ガス中には0.1ppm程度の微量のH2 Oが含まれているため、カーボンナノチューブの表面にカルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)等が導入されて、表面改質或いは表面修飾が行なわれ、親水性が高まると考えられる。
【0059】
即ち、カーボンナノチューブ(CNT)とO2 が活性化して発生した 1Δg 2 * (Singlet)が反応して、
CNT−C(CNT上の化学的に活性な部位)+ 1Δg 2 * (Singlet)
→CNT−C−OO・*
となり、これがH2 Oと反応して、
CNT−C−OO・* +H2 O→CNT−C−OOH+H・
となって、カーボンナノチューブの表面にカルボキシル基が導入されると考えられる。
【実施例6】
【0060】
次に、光化学処理方法に関する本発明の実施例6を説明するが、ここでは、図2に示した光化学処理装置を用いて行なうので図示は省略する。
ここでは、試料として、(100)面を主面とするp型シリコンウェハ上に、アーク放電法で生成したマルチウォールカーボンナノチューブを乳鉢で十分すりつぶし、メタノールに分散させたけん濁試料を厚さ約0.1mmに展開・乾燥させたものを用いた。
【0061】
これを、予め空気中にて150℃で30分ベークして残留水分・揮発分を取り除いた後、速やかに、図2に示した光化学処理装置に移して、1気圧酸素濃度0.2%となるよう純窒素で酸素ガスを希釈したガスを反応ガスとして使用し、試料を走査しながら90秒間光化学処理を行なう。
なお、ガス流量は反応ガスは毎分10Lとし、冷却用ガスは毎分20Lとする。
【0062】
この場合も、反応ガス中には0.01ppm程度またはそれ未満のごく微量のH2 Oが含まれているため、カーボンナノチューブの表面にカルボキシル基(−COOH)等が導入されて、表面改質或いは表面修飾が行なわれる。
【実施例7】
【0063】
次に、光化学処理方法に関する本発明の実施例7を説明するが、ここでは、図2に示した光化学処理装置を用いて行なうので図示は省略する。
ここでは、試料として、厚さが1.5mmで平面サイズが10cm×10cmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いた。
【0064】
これを、図2に示した光化学処理装置に移して、1気圧酸素濃度0.5%となるよう純窒素で湿度50%程度に調節したクリーンエア(無塵空気)を希釈したガスを反応ガスとして使用し、試料を走査しながら10秒間光化学処理を行なう。
なお、ガス流量は反応ガスは毎分10Lとし、冷却用ガスは毎分20Lとする。
【0065】
この場合も、反応ガス中には0.1ppm程度の微量のH2 Oが含まれているため、PETフィルムの表面部のC(CNT上の化学的に活性な部位)にカルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)等が形成され、表面改質或いは表面修飾が行なわれ、表面の接着性が改善する。
【実施例8】
【0066】
次に、光化学処理方法に関する本発明の実施例8を説明するが、ここでは、図2に示した光化学処理装置を用いて行なうので図示は省略する。
ここでは、試料として、(100)面を主面とするp型シリコンウェハ上に、スパッタリング法によって厚さが、例えば、25nmのNiを形成したのち、フィラメントCVD法によりアセチレンガス(C2 2 )を原料として650℃にて触媒となるNi上にマルチウォールカーボンナノチューブを長さ約1.5μmまで成長させたものを用いた。
【0067】
これを、予め空気中にて400℃で15分ベークしてナノチューブ以外の可燃性不純物を取り除いた後、速やかに、図2に示した光化学処理装置に移して、1気圧NH3 濃度0.1%となるよう純窒素でNH3 ガスを希釈したガスを反応ガスとして使用し、試料を走査しながら光化学処理を行なう。
なお、ガス流量は反応ガスは毎分1Lとし、冷却用ガスは毎分60Lとする。
【0068】
この場合、反応ガス中に0.01〜100ppm、例えば、0.02ppm程度のごく微量のH2 Oが含まれているため、カーボンナノチューブの表面にアミノ基(−NH2 H)が導入されて、表面改質或いは表面修飾が行なわれる。
【実施例9】
【0069】
次に、光化学処理方法に関する本発明の実施例9を説明するが、ここでは、図2に示した光化学処理装置を用いて行なうので図示は省略する。
ここでは、試料として、厚さが0.2mmで平面サイズが10cm×10cmのポリイミドフィルムを用いた。
【0070】
これを、図2に示した光化学処理装置に移して、O2 濃度が0.5%となるよう純窒素で湿度50%程度に調節したクリーンエア(無塵空気)を希釈したガスを反応ガスとして使用し、試料を走査しながら10秒間光化学処理を行なう。
なお、ガス流量は反応ガスは毎分10Lとし、冷却用ガスは毎分20Lとする。
【0071】
この場合も、反応ガス中に0.01〜10ppm、例えば、0.2ppm程度の微量のH2 Oが含まれているため、ポリイミドフィルムの表面部にカルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)等が形成されて、表面改質或いは表面修飾が行なわれる。
【実施例10】
【0072】
次に、光化学処理方法に関する本発明の実施例10を説明するが、ここでは、図6に示した光化学処理装置を用いて行なうので図示は省略する。
ここでは、試料として、(100)面を主面とするp型シリコンウェハ上に、スパッタリング法によって厚さが、例えば、25nmのNiを形成したのち、フィラメントCVD法によりアセチレンガス(C2 2 )を原料として650℃にて触媒となるNi上にマルチウォールカーボンナノチューブを長さ約1.5μmまで成長させたものを用いた。
また、ここではエキシマUVランプとしてXeエキシマUVランプの代わりに、Kr2 エキシマUVランプを用いる。
【0073】
この試料を予め空気中にて400℃で15分ベークしてナノチューブ以外の可燃性不純物を取り除いた後、速やかに、図2に示した光化学処理装置に移して、1気圧NH3 濃度0.1%となるよう純窒素でNH3 ガスを希釈したガスを反応ガスとして使用し、試料を走査しながら8秒間光化学処理を行なう。
なお、ガス流量は反応ガスは毎分5Lとし、冷却用ガスは毎分60Lとする。
【0074】
この場合、反応ガス中に0.1ppm未満のごく微量のH2 Oが含まれているため、カーボンナノチューブの表面にアミノ基(−NH2 )が導入されて、表面改質或いは表面修飾が行なわれ、親水性が向上する。
【0075】
この実施例10においては、より波長の短い、即ち、より高エネルギーのKr2 エキシマUVランプを用いているので、照射エネルギーを同じ条件にして処理を行なう場合には、XeエキシマUVランプを用いた場合より短時間での処理が可能になりうる。
【実施例11】
【0076】
次に、光化学処理方法に関する本発明の実施例11を説明するが、ここでは、図6に示した光化学処理装置を用いて行なうので図示は省略する。
ここでは、試料として、厚さが1.0mmで平面サイズが10cm×10cmの4フッ化エチレン〔テフロン(登録商標)〕樹脂板を用いた。
【0077】
これを、図6に示した光化学処理装置に移して、1気圧NH3 濃度0.2%となるよう純窒素でNH3 ガスを希釈したガスを反応ガスとして使用し、試料を走査しながら15秒間光化学処理を行なう。
なお、ガス流量は反応ガスは毎分5Lとし、冷却用ガスは毎分30Lとする。
【0078】
この場合も、反応ガス中に0.1ppm未満のごく微量のH2 Oが含まれているため、テフロン(登録商標)樹脂板の表面部にアミノ基(−NH2 )が結合して、表面改質或いは表面修飾が行なわれ、親水性が向上する。
【実施例12】
【0079】
次に、光化学処理方法に関する本発明の実施例12を説明するが、ここでは、図6に示した光化学処理装置を用いて行なうので図示は省略する。
ここでは、試料として、(100)面を主面とするp型シリコンウェハ上に、スパッタリング法によって厚さが、例えば、25nmのNiを形成したのち、フィラメントCVD法によりアセチレンガス(C2 2 )を原料として650℃にて触媒となるNi上にマルチウォールカーボンナノチューブを長さ約1.5μmまで成長させたものを用いた。
また、ここではエキシマUVランプとしてXeエキシマUVランプの代わりに、Ar2 エキシマUVランプを用いるとともに、窓部材としてMgF2 を用いる。
【0080】
この試料を、予め空気中にて400℃で15分ベークしてナノチューブ以外の可燃性不純物を取り除いた後、速やかに、図2に示した光化学処理装置に移して、1気圧NH3 濃度0.1%となるよう純窒素でNH3 ガスを希釈したガスを反応ガスとして使用し、試料を走査しながら7秒間光化学処理を行なう。
なお、ガス流量は反応ガスは毎分5Lとし、冷却用ガスは毎分30Lとする。
【0081】
この場合、反応ガス中に0.01〜100ppm、例えば、0.02ppm程度かそれ以下のごく微量のH2 Oが含まれているため、カーボンナノチューブの表面にアミノ基(−NH2 )が導入されて、表面改質或いは表面修飾が行なわれる。
【0082】
この実施例12においては、より波長の短い、即ち、より高エネルギーのAr2 エキシマUVランプを用いているので、照射エネルギーが同じ条件となるように処理を行なう場合には、XeエキシマUVランプやKr2 エキシマUVランプを用いた場合より短時間での処理が可能になりうる。
【実施例13】
【0083】
次に、光化学処理方法に関する本発明の実施例13を説明するが、ここでは、図6に示した光化学処理装置を用いて行なうので図示は省略する。
ここでは、試料として、厚さが0.1mmで平面サイズが10cm×10cmのポリイミドフィルムを用いた。
【0084】
これを、図6に示した光化学処理装置に移して、1気圧NH3 濃度0.1%となるよう純窒素でNH3 ガスを希釈したガスを反応ガスとして使用し、試料を走査しながら7秒間光化学処理を行なう。
なお、ガス流量は反応ガスは毎分10Lとし、冷却用ガスは毎分30Lとする。
【0085】
この場合も、反応ガス中に0.01〜100ppm、例えば、0.02ppm程度のごく微量のH2 Oが含まれているため、ポリイミドフィルムの表面部にアミノ基(−NH2 )等が結合して、表面改質或いは表面修飾が行なわれ、表面の水に対する接触角が低下する。
【0086】
以上、本発明の各実施例を説明してきたが、本発明は各実施例に記載された構成・条件等に限られるものではなく各種の変更が可能であり、例えば、各実施例においては試料として、基板上に成長させたカーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ粉末、或いは、PETフィルムやポリイミドフィルムを用いているがこれらに限られるものではなく、エンジニアリングプラスチックを含む各種の無機或いは有機材料の表面改質・表面修飾に適用されるものである。
【0087】
また、上記の実施例1乃至3においては、活性化反応容器全体を石英で構成しているが、実施例4と同様に主要部をステンレスで構成して窓部材として石英板を用いても良いものである。
【0088】
また、上記の実施例3及び実施例4においては、エキシマUVランプを一本としているが、上記の実施例2と同様に処理する試料のサイズに応じて複数本のエキシマUVランプを配列しても良いものである。
【0089】
また、上記の実施例1,2,4においては、冷媒ダクトに冷媒としてN2 ガスを流しているが、N2 ガスに限られるものではなく、空気を流しても良いし、代替フロンを流しても良く、さらには、水等の液体を流して液体冷却としても良いものである。
【0090】
また、上記の各実施例においてはVUV光源としてエキシマUVランプを用いているが、必ずしもエキシマUVランプである必要はなく、エキシマUVレーザを用いても良いものであり、いずれにして、なるべく高出力で発光効率の良い、或いは、発光量に比して発熱量の少ない光源を用いることが望ましい。
【0091】
なお、エキシマ光源に電力を供給する電源部については、RF(高周波)電力を用いているため、RFのリーク率を低く抑えるために、可能な限りランプとの配線距離が短くなるように配置することが望ましい。
また、光源と被処理部材との距離が比較的近距離になるように装置を設計することが望ましいが、本発明の構成により比較的容易に実現することができる。
【0092】
また、上記の各実施例においては、表面改質方法或いは表面修飾方法として説明しているが、表面改質方法或いは表面修飾方法に限られるものではなく、付着した有機化合物の除去やアッシングにも適用されるものである。
【0093】
ここで再び図1を参照して、本発明の詳細な特徴を改めて説明する。
再び、図1参照
(付記1) 真空紫外線発生光源1、前記真空紫外線発生光源1を収容する収容部3を備えるとともに、ガス導入口4及びガス噴出口5を備えた活性化反応室2を備え、前記ガス導入口4から導入した反応ガス7を前記真空紫外線発生光源1からの真空紫外線によって活性化し、活性化した反応ガス8を前記ガス噴出口5から被処理基板9に吹き付けることを特徴とする光化学処理装置。
(付記2) 上記ガス噴出口5が上記真空紫外線発生光源1の長軸方向に沿った長方形状であるとともに、上記被処理基板9を前記ガス噴出口5の長軸方向に対して直交する方向に走査させる走査機構10を設けたことを特徴とする付記1記載の光化学処理装置。
(付記3) 上記真空紫外線発生光源1を複数本並列に配置するとともに、上記ガス噴出口5を前記複数本の真空紫外線発生光源1に対応するように複数設けたことを特徴とする付記2記載の光化学処理装置。
(付記4) 上記真空紫外線発生光源1に冷却機構6を設けたことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の光化学処理装置。
(付記5) 上記冷却機構6が、上記真空紫外線発生光源1の上記収容部3に対向する側に設けた冷媒ダクトを備えたヒートシンクからなることを特徴とする付記4記載の光化学処理装置。
(付記6) 上記冷却機構6が、上記収容部3を冷媒ガス導入口4及び冷媒ガス排出口を備えた空冷用閉空間からなることを特徴とする付記4記載の光化学処理装置。
(付記7) 上記活性化反応室2の少なくとも上記収容部3を真空紫外線に対する透過率が40%以上の透明部材で構成したことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1に記載の光化学処理装置。
(付記8) 上記透明部材が、石英ガラス、CaF2 、或いはMgF2 のいずれかからなることを特徴とする付記7記載の光化学処理装置。
(付記9) 付記1乃至8のいずれか1に記載の光化学処理装置を用いた光化学処理方法において、上記反応ガス7が、反応用ガス種が真空紫外線に不活性なガス種により希釈された混合ガスであることを特徴とする光化学処理方法。
(付記10) 上記反応用ガス種が、酸素或いはアンモニアのいずれかであることを特徴とする付記9記載の光化学処理方法。
(付記11) 上記反応ガス種が、主反応ガス種に対して微量のH2 Oを含んでいることを特徴とする付記10記載の光化学処理方法。
(付記12) 上記被処理基板9が、被処理対象となるカーボンナノチューブが設けられた基板であることを特徴とする付記9乃至11のいずれか1に記載の光化学処理方法。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明の活用例としては、試料の大きさがSiウエハ等の300mm程度かそれ以下の比較的小面積の小型低出力のデバイス材料の光化学処理による表面改質・表面活性化が典型的なものであるが、大型液晶パネルや大型PDP等の大型平面表示装置にも適用されるものであり、さらには、自動車等の大型部品の光化学処理にも適用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施例1の光化学処理装置の概念的斜視図である。
【図3】本発明の実施例1の光化学処理装置を用いた光化学処理工程の説明図である。
【図4】本発明の実施例2の光化学処理装置の概念的斜視図である。
【図5】本発明の実施例3の光化学処理装置の概念的斜視図である。
【図6】本発明の実施例4の光化学処理装置の概念的斜視図である。
【図7】実施例4の光化学処理装置の活性化反応容器の要部拡大図である。
【0096】
1 真空紫外線発生光源
2 活性化反応室
3 収容部
4 ガス導入口
5 ガス噴出口
6 冷却機構
7 反応ガス
8 活性化した反応ガス
9 被処理基板
10 走査機構
11 チャンバー
12 活性化反応容器
13 収容部
14 ガス導入管
15 ガス噴出口
16 XeエキシマUVランプ
17 冷却機構
18 金属ブロック
19 冷媒ダクト
20 基板載置ステージ
21 温度調節機
22 移動機構
23 被処理基板
24 混合ガス
25 VUV光
26 活性化種
30 活性化反応容器
31 収容部
32 ガス導入管
33 ガス噴出口
34 金属ブロック
35 冷媒ダクト
40 活性化反応容器
41 凹部
42 閉空間
43 上蓋部材
44 ガス導入口
45 ガス導出口
46 ガス導入管
47 ガス噴出口
50 活性化反応容器
51 収容部
52 枠状部材
53 窓部材
54 ガス導入管
55 ガス噴出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空紫外線発生光源、前記真空紫外線発生光源を収容する収容部を備えるとともに、ガス導入口及びガス噴出口を備えた活性化反応室を備え、前記ガス導入口から導入した反応ガスを前記真空紫外線発生光源からの真空紫外線によって活性化し、活性化した反応ガスを前記ガス噴出口から被処理基板に吹き付けることを特徴とする光化学処理装置。
【請求項2】
上記ガス噴出口が上記真空紫外線発生光源の長軸方向に沿った長方形状であるとともに、上記被処理基板を前記ガス噴出口の長軸方向に対して直交する方向に走査させる走査機構を設けたことを特徴とする請求項1記載の光化学処理装置。
【請求項3】
上記真空紫外線発生光源に冷却機構を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の光化学処理装置。
【請求項4】
上記活性化反応室の少なくとも上記収容部を真空紫外線に対する透過率が40%以上の透明部材で構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光化学処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光化学処理装置を用いた光化学処理方法において、上記反応ガスが、反応用ガス種が真空紫外線に不活性なガス種により希釈された混合ガスであることを特徴とする光化学処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−98357(P2007−98357A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295291(P2005−295291)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16年度、独立行政法人科学技術振興機構、「CNT−SETのセンサー応用に関する研究開発」委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】