説明

光学データ記録媒体の情報層における吸光性化合物としての金属錯体

有利に透明な、場合により既に1つ以上の反射層で被覆された基板を有し、前記の基板の表面上に光で書き込み可能な情報層、場合により1つ以上の反射層及び場合により保護層又はもう1つの基板又はカバー層が設けられており、青色光、赤色光、有利にレーザー光で書き込み及び読み出しが可能であり、その際、情報層は吸光性化合物及び場合によりバインダーを含有する光学データ記録媒体のための新規の金属錯体が見い出された。これは、吸光性化合物として少なくとも前記の金属錯体が使用されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属錯体、その製造法、金属錯体のリガンドとして作用するアゾ化合物及びその製造、アゾ化合物の基礎を成すカップリング成分及びその製造、並びに、金属錯体をその情報層中に含む光学データ記録媒体に関する。
【0002】
特別な吸光性物質もしくはこの混合物を使用したライトワンス型光学データ記録媒体は、青色レーザーダイオード、特にGaN又はSHGレーザーダイオード(360〜460nm)を用いて作業する高密度で書き込み可能な光学データ記録において使用するために、及び/又は赤色(635〜660nm)もしくは赤外線(780〜830nm)レーザーダイオードを用いて作業するDVD−RもしくはCD−Rディスクにおいて使用するために、並びにポリマー基板、特にポリカーボネート上にスピンコーティング又は蒸着により上記の色素を適用するために特に適している。
【0003】
ライトワンス型コンパクトディスク(CD−R、780nm)は、最近では著しい量的成長を遂げていて、技術的に確立されたシステムである。
【0004】
次世代の光学データ記録のDVDは急速に市場に導入されている。短波長レーザー放射線(635〜660nm)並びに高い開口数NAを使用することにより、記録密度を高めることができる。この書き込み可能なフォーマットは、この場合、DVD−R(DVD−R及びDVD+R)である。
【0005】
現在、高いレーザー効率を有する青色レーザーダイオード(GaNベース、JP08191171又は第2高調波発生(Second Harmonic Generation) SHG、JP09050629)(360nm〜460nm)を利用する光学データ記録フォーマットが開発されている。従って、書き込み可能な光学データ記録はこの世代でも使用される。達成可能な記録密度は、情報面でのレーザースポットの焦点合わせに依存する。この場合、このスポットサイズはレーザー波長λ/NAで測られる。NAは使用した対物レンズの開口数である。できる限り高い記録密度を達成するために、できる限り小さな波長λを使用するようにしなければならない。現在では半導体レーザーダイオードに基づき390nmが可能である。
【0006】
特許文献では、色素をベースとして書き込み可能な光学データ記録が記載されていて、この光学データ記録はCD−R及びDVD−R(DVD−R、DVD+R)システムにも同様に適している(JP−A11043481及びJP−A10181206)。この場合、読み取り信号の高い反射及び高い変調高さ、並びに書き込み時の十分な感度について、CD−RのIR波長780nmが色素の吸収ピークの長波長側の脚部にあり、DVD−R(DVD−R及びDVD+R)の赤色波長635nmもしくは650nmが色素の吸収ピークの短波長側の脚部にあることを実際に使用する。この構想は、JP−A02557335、JP−A10058828、JP−A06336086、JP−A02865955、WO−A09917284及びUS−A5,266,699では、短波長側の作業波長は450nmの領域に拡張され、かつ吸収ピークの長波長側では赤色及びIR領域に拡張されている。
【0007】
上記の光学特性の他に、書き込み又は読み出し時の雑音信号をできる限り小さく保つために、吸光性有機物質からなる書き込み可能な情報層はできる限り非晶質の形態を示さなければならない。このため、物質を溶液からスピンコーティングにより適用する際、次に真空中で金属層又は誘電層で被覆する場合に蒸着により及び/又は昇華により適用する際に、吸光性物質の結晶化を抑制するのが特に有利である。
【0008】
吸光性物質からなる非晶質層は、有利に高い熱形状安定性を示すのが有利であり、それというのも、そうでないと吸光性情報層上にスパッタ又は蒸着によって設けられる有機又は無機材料からなる他の層は拡散によって不明瞭な界面が形成されてしまい、それにより反射に不利な影響を及ぼしてしまうためである。さらに、低すぎる熱形状安定性を示す吸光性物質は、ポリマーの記録媒体に対する境界面でその記録媒体内へ拡散し、またも反射に不利な影響を及ぼしかねない。
【0009】
吸光性物質の高すぎる蒸気圧は、前記した他の層を高真空中でスパッタもしくは蒸着する際に昇華し、それにより所望の層厚が減少してしまいかねない。これは、またも反射に不利に影響を及ぼす。
【0010】
JP11−310728には、所定のアゾ金属錯体をその情報層中に含む光学記録媒体が記載されている。このアゾ金属錯体は、少なくとも2個のフッ素原子を含まねばならないアゾ色素を含有する。このアゾ色素は更に、式−NH−SO−Y[式中、Yはアルキル基又はアリール基を表す]の基を含有する。この光学データ記録媒体は630〜660nmの書き込み及び読み出しレーザー波長のために適当である。
【0011】
従って、本発明の課題は、ライトワンス型光学データ記録媒体の情報層中に使用するための高い要求、特にレーザー波長領域340〜680nmで高密度で書き込み可能な光学データ記録−フォーマットのための高い要求(例えば光安定性、適切な信号−雑音−比、基板材料上での損傷のない被着等)を満たす適当な化合物を提供することである。
【0012】
意外にも、特別な金属錯体のグループからの吸光性化合物が特に良好に前記の要求を満たすことができることが見出された。
【0013】
従って本発明は、式(I)
【0014】
【化1】

[式中、
Dは5員の準芳香族複素環式基を表し、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル、又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し、
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表し、
ここで、
xが1を表し、かつRが場合により置換されたC〜C10−アリールを表す場合には、Dは場合により置換されたチアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル又は1,3,4−トリアゾール−2−イルを表してはならない]
のリガンドを少なくとも1つ有する金属錯体に関する。
【0015】
有利な実施態様において、
は場合により置換されたC〜C10−アリール又は5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、かつ
は水素、メチル又はメトキシを表し、
ここで、
xが1を表す場合には、Dは場合により置換されたチアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル又は1,3,4−トリアゾール−2−イルを表してはならない。
【0016】
金属錯体は有利な実施態様において、金属:アゾ錯体=1:1又は1:2として存在する。
【0017】
式(I)の2つの同じか又は異なるリガンドを含有する金属錯体は明らかに有利である。
【0018】
式(Ia)
【0019】
【化2】

[式中、
式(I)の2つのリガンドは互いに無関係に上記の意味を有し、かつ
Mは金属を表す]
に相当することにより特徴付けられる金属錯体は有利である。
【0020】
有利な金属として、二価の金属、遷移金属又は希土類元素、殊にMg、Ca、Sr、Ba、Cu、Ni、Co、Fe、Zn、Pd、Pt、Ru、Th、Os、Smが該当する。金属Pd、Fe、Zn、Cu、Ni並びにCoは有利である。Niは殊に有利である。
【0021】
有利にDは1,3−チアゾール−4−イル、1,2−チアゾール−3−イル、ベンゾイソチアゾール−3−イル、1,3−オキサゾール−2−イル、1,2−オキサゾール−3−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イルを表し、これらはC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、−C(=NH)−O−C〜C−アルキル、ニトロ、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルキルチオ、C〜C−アシルアミノ、ホルミル、C〜C−アルカノイル、C〜C10−アリール、C〜C10−アリールオキシ、C〜C10−アリールカルボニルアミノ、モノ−又はジ−C〜C−アルキルアミノ、N−C〜C−アルキル−N−C〜C10−アリールアミノ、ピロリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はピペリジノにより置換されていてよい。
【0022】
殊に有利に、Dは、塩素、フッ素、メトキシ、メチルチオ、フェニル又はシアノの一連からの2個までの同じか又は異なる基により置換されていてよい1,3−チアゾール−4−イル、塩素、メチル、メトキシ、フェニル、シアノ、−C(=NH)−OCH、ニトロ、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニルの一連からの2個までの同じか又は異なる基により置換されていてよいイミダゾール−2−イル、塩素、メチル、メトキシ、フェニル、シアノ又はニトロの一連からの2個までの同じか又は異なる基により置換されていてよいピラゾール−5−イル、塩素、臭素、メトキシ、フェノキシ、メタンスルホニル、メチルチオ、エチルチオ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−(イソ)−プロピルアミノ、N−メチル−N−シアンエチルアミノ、N,N−ビスシアンエチルアミノ、N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ、N−メチル−N−ベンジルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、アニリノ、ピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノにより置換されていてよい1,3,4−チアジアゾール−2−イル、塩素、メチル、エチル、メトキシ、フェノキシ、メチルチオ、メタンスルホニル、ベンジルチオ、ベンジルスルホニル、ベンゼンスルホニル、フェニル、ピリジル、ジメチルアミノ又はアニリノにより置換されていてよい1,2,4−チアジアゾール−5−イル、メチル又はフェニルにより置換されていてよい1,2,4−チアジアゾール−3−イルである。
【0023】
殊に有利な実施態様において、Rは場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル、又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、ここで、Dに関してはもはや何の制限もない(ディスクレーマーの廃止)。
【0024】
殊に有利に、Rは場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表す。
【0025】
式(I)
【0026】
【化3】

[式中、
Dは式
【0027】
【化4】

の基を表し、
は水素、場合により置換されたC〜C−アルキル又は場合により置換されたC〜C12−アラルキルを表し、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペラジノを表し、
は水素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表し、
は及びRは互いに無関係にシアノ、C〜C−アルコキシカルボニル又は−C(=NH)−C〜C−アルキルを表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたピリジル、C〜C−アルキルチオ、C〜C10−アラルキルチオ、場合により置換されたC〜C10−アリールチオ、C〜C−アルキルスルホニル、C〜C10−アラルキルスルホニル又は場合により置換されたC〜C10−アリールスルホニルを表し、
及びR10は互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、場合により置換されたC〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NR10は互いに無関係にピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表す]
のリガンドを少なくとも1つ有する金属錯体は殊に有利である。
【0028】
アルキル基もしくはアラルキル基の可能な置換基として、ハロゲン、殊にCl又はF、ニトロ、シアノ、CO−NH、アルコキシ、トリアルキルシリル又はトリアルキルシロキシが該当する。アルキル基は直鎖又は分枝鎖であってよく、かつ部分ハロゲン化又は過ハロゲン化されていてよい。置換アルキル基のための例は、トリフルオロメチル、クロロエチル、シアノエチル、メトキシエチルである。分枝鎖アルキル基のための例は、イソプロピル、tert−ブチル、2−ブチル、ネオペンチルである。
【0029】
有利な場合により置換されたC〜C−アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、イソ−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、過フッ素化メチル、過フッ素化エチル、2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロエチル、ペルフルオロブチル、シアンエチル、メトキシエチル、クロロエチルである。殊に有利な場合により置換されたC〜C−アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、イソ−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シアンエチル、メトキシエチル、クロロエチルである。
【0030】
有利なアラルキルとして、例えばベンジル、フェネチル又はフェニルプロピルが該当する。
【0031】
有利な複素環式基は、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピリジル、キノリル、ピリミジル、ピラジニルである。前記基が置換されている場合、前記基の有利な置換基は、フッ素、塩素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、アセトアミノ、カルボン酸、カルボンアミド、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル又はフェニルである。
【0032】
同様に、式(I)のリガンドを有する金属錯体は有利であり、この場合、式(I)のリガンドはフッ素原子を有していない。
【0033】
有利な基Rは、場合により置換されたフェニル、スチリル、ナフチル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、キノリル、ピリミジル、ピラジニルである。
【0034】
殊に有利な基Rは、場合により置換されたベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、キノリル、ピリミジル、ピラジニルである。
【0035】
前記基Rの有利な置換基は、フッ素、塩素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、アセトアミノ、カルボン酸、カルボンアミド、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル又はフェニルである。
【0036】
有利にxは1を表す。同様に、xは0を表す。
【0037】
式(Ia)の殊に有利な金属錯体はその都度2つのリガンドを有し、例えば前記のリガンドは式IIa〜IIcから引用することができる。前記のリガンドは式(IIa)〜(IIc):
【0038】
【化5】

【0039】
【化6】

[式中、
M及びそれぞれのアゾリガンドの基は互いに無関係に上記の意味を有する]
の形で存在することが前提である。本願の範囲内では、それぞれの式(IIa)、(IIb)、(IIc)は(Ia)の特別な形を特徴付けるものであることを前提としている。
【0040】
式(Ia)の他の同様に殊に有利な金属錯体は、我々の仮定によれば、式(IIIa)〜(IIIc):
【0041】
【化7】

[式中、
M及びそれぞれのアゾリガンドの基は互いに無関係に上記の意味を有する]
の形で存在する。本願の範囲内では、それぞれの式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)は(Ia)の特別な形を特徴付けるものであることを前提としている。
【0042】
式(Ia)、殊に式(IIa)〜(IIc)
[式中、
はメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、メトキシエチル又はベンジル、殊にメチル又はエチルを表し、
はフェニル、トリル、アニシル、クロロフェニル、シアンフェニル、ニトロフェニル、ジシアンフェニル、ジニトロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、3−トリフルオロメチル−2−ピリジル、又は5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、5−シアノ−2−ピリジル、テトラクロロ−2−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−2−イル、2−クロロ−3−ピリジル又は4−クロロ−3−ピリジル、6−メトキシ−3−ピリジル、5−メチル−3−ピリジル、テトラフルオロ−4−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル、テトラブロモ−4−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−4−イル、ピリミド−3−イル、殊にフェニル、トリル、クロロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル又はピリミド−3−イルを表すか、
又は、
はフェニル、トリル、アニシル、クロロフェニル、シアンフェニル、ニトロフェニル、ジシアンフェニル、ジニトロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−6−イル、2−メチル−ベンゾチアゾール−6−イル、2−アセトアミノ−ベンゾチアゾール−6−イル、ベンゾイミダゾール−6−イル、ベンゾオキサゾール−6−イル、ベンゾオキサゾール−5−イル、2−フェニル−ベンゾオキサゾール−6−イル、2−メチル−ベンゾオキサゾール−5−イル、チオフェン−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、3−トリフルオロメチル−2−ピリジル又は5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、5−シアノ−2−ピリジル、テトラクロロ−2−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−2−イル、2−クロロ−3−ピリジル又は4−クロロ−3−ピリジル、6−メトキシ−3−ピリジル、5−メチル−3−ピリジル、テトラフルオロ−4−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル、テトラブロモ−4−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−4−イル、ピリミド−3−イル、殊にフェニル、トリル、クロロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、メチル−ベンゾチアゾール−6−イル、2−アセトアミノ−ベンゾチアゾール−6−イル、チオフェン−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル又はピリミド−3−イルを表し、
及びRは互いに無関係にメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、クロロエチル、メトキシエチル、ベンジル、フェネチル又はフェニル、殊にメチル、エチル、シアンエチル、ベンジル又はフェニルを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノ、殊にピロリジノ又はピペリジノを表し、
は水素を表すか、又は
;Rは−CHCH−又は−CHCHCH−架橋を表し、
はフェニル、ピリジル、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ベンジルチオ、メチルスルホニル、ベンジルスルホニル又はフェニルスルホニル、殊にフェニル、ピリジル又はフェニルスルホニルを表し、
及びR10は互いに無関係にメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、クロロエチル、メトキシエチル、ベンジル、フェネチル又はフェニル、殊にメチル、エチル、プロピル又はシアンエチルを表すか、又は
NR10はピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノ、殊にピロリジノ又はピペリジノを表し、
かつ
MはPd、Fe、Zn、Cu、Ni又はCoを表し、
ここで、
プロピル基又はブチル基は分枝鎖であってもよい]
の金属錯体は極めて殊に有利である。
【0043】
極めて殊に有利な金属錯体は式(IIb)及び(IIc)の金属錯体である。
【0044】
式(Ia)、殊に式(IIIa)〜(IIIc)
[式中、
はメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、メトキシエチル又はベンジル、殊にメチル又はエチルを表し、
はフェニル、トリル、アニシル、クロロフェニル、シアンフェニル、ニトロフェニル、ジシアンフェニル、ジニトロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、3−トリフルオロメチル−2−ピリジル、又は5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、5−シアノ−2−ピリジル、テトラクロロ−2−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−2−イル、2−クロロ−3−ピリジル又は4−クロロ−3−ピリジル、6−メトキシ−3−ピリジル、5−メチル−3−ピリジル、テトラフルオロ−4−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル、テトラブロモ−4−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−4−イル、ピリミド−3−イル、殊にフェニル、トリル、クロロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル又はピリミド−3−イルを表すか、
又は、
はフェニル、トリル、アニシル、クロロフェニル、シアンフェニル、ニトロフェニル、ジシアンフェニル、ジニトロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−6−イル、2−メチル−ベンゾチアゾール−6−イル、2−アセトアミノ−ベンゾチアゾール−6−イル、ベンゾイミダゾール−6−イル、ベンゾオキサゾール−6−イル、ベンゾオキサゾール−5−イル、2−フェニル−ベンゾオキサゾール−6−イル、2−メチル−ベンゾオキサゾール−5−イル、チオフェン−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、3−トリフルオロメチル−2−ピリジル又は5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、5−シアノ−2−ピリジル、テトラクロロ−2−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−2−イル、2−クロロ−3−ピリジル又は4−クロロ−3−ピリジル、6−メトキシ−3−ピリジル、5−メチル−3−ピリジル、テトラフルオロ−4−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル、テトラブロモ−4−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−4−イル、ピリミド−3−イル、殊にフェニル、トリル、クロロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−メチル−ベンゾチアゾール−6−イル、2−アセトアミノ−ベンゾチアゾール−6−イル、チオフェン−2−イル、2−、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル又はピリミド−3−イルを表し、
及びRは互いに無関係にメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、クロロエチル、メトキシエチル、ベンジル、フェネチル又はフェニル、殊にメチル、エチル、シアンエチル、ベンジル又はフェニルを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノ、殊にピロリジノ又はピペリジノを表し、
は水素を表すか、又は
;Rは−CHCH−又は−CHCHCH−架橋を表し、
はフェニル、ピリジル、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ベンジルチオ、メチルスルホニル、ベンジルスルホニル又はフェニルスルホニル、殊にフェニル、ピリジル又はフェニルスルホニルを表し、
及びR10は互いに無関係にメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、クロロエチル、メトキシエチル、ベンジル、フェネチル又はフェニル、殊にメチル、エチル、プロピル又はシアンエチルを表すか、又は
NR10はピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノ、殊にピロリジノ又はピペリジノを表し、
かつ
MはPd、Fe、Zn、Cu、Ni又はCoを表し、
ここで、
プロピル基又はブチル基は分枝鎖であってもよい]
の金属錯体は極めて殊に有利である。
【0045】
本発明による金属錯体は殊に粉末又は顆粒として、又は少なくとも2質量%の固形分を有する溶液として市販される。顆粒形、殊に50μm〜10mm、殊に100〜800μmの平均粒径を有する顆粒は有利である。そのような顆粒は例えば噴霧乾燥により製造することができる。顆粒は殊にそのダスト欠乏が顕著である。
【0046】
本発明による金属錯体は良好な溶解性が顕著である。本発明による金属錯体は非フッ素化アルコール中で良好に可溶である。そのようなアルコールは、例えば3〜6個のC原子を有するアルコール、有利にプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、又は前記アルコールからの混合物、例えばプロパノール/ジアセトンアルコール、ブタノール/ジアセトンアルコール、ブタノール/ヘキサノールである。前記混合物のための有利な混合割合は、例えば80:20〜99:1、有利に90:10〜98:2である。
【0047】
濃縮された溶液も同様に有利である。濃縮された溶液は、本発明による金属錯体、殊に式(Ia)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IIIa)、(IIIb)又は(IIIc)の金属錯体の少なくとも1質量%、有利に少なくとも2質量%、殊に有利に少なくとも5質量%の溶液である。溶剤として、この場合有利に2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、ジブチルエーテル、ヘプタノン又はこれらの混合物が使用される。2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールは殊に有利である。ブタノールは同様に殊に有利である。90:10〜98:2の混合比でのブタノール/ジアセトンアルコールは同様に殊に有利である。
【0048】
本発明は更に、金属塩を式(Ib)
【0049】
【化8】

[式中、
Dは5員の準芳香族複素環式基を表し、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル、又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し、
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表し、
ここで、
xが1を表し、かつRが場合により置換されたC〜C10−アリールを表す場合には、Dは場合により置換されたチアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル又は1,3,4−トリアゾール−2−イルを表してはならない]
のアゾ化合物と反応させることを特徴とする、本発明による金属錯体の製造法に関する。
【0050】
前記の本発明による方法において、式(Ib)の2つ以上の異なるアゾ化合物を使用することもできる。式(I)の2つの同じリガンドを有する錯体と式(I)の2つの異なるリガンドを有する錯体とから成る金属錯体のランダム混合物が得られる。前記混合物は同様に本発明の対象である。
【0051】
本発明による反応は通常溶剤又は溶剤混合物中で、場合により塩基性物質の存在下で、室温〜溶剤の沸点で、例えば20〜100℃、有利に20〜50℃で行われる。金属錯体はこの場合通常直接沈殿し、かつ濾過により単離することができるか、又は例えば水を添加して、場合により溶剤を予め部分的又は完全に排出することにより、及び濾過により単離される。反応を直接溶剤中で実施し、上記の濃縮溶液にすることも可能である。
【0052】
金属塩とは、例えば塩化物、臭化物、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、水酸化物、酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、カルボン酸の塩、例えばギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、スルホン酸の塩、例えばメタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート又は相応する金属のベンゼンスルホネートであると解釈すべきである。金属塩とは、同様に、式(Ia)のリガンドとは異なるリガンドを有する錯体、殊にアセチルアセトンの錯体及びアセチル酢酸エステルの錯体であると解釈すべきである。金属塩として例えば以下のものが該当する:酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸銅、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、塩化コバルト、塩化銅、硫酸銅、水酸化ニッケル、酸化ニッケル、アセチルアセトネートニッケル、水酸化コバルト、塩基性炭酸銅、塩化バリウム、硫酸鉄、酢酸パラジウム、塩化パラジウム並びにそれらの結晶水含有の変形。金属の酢酸塩は有利である。有利に、基礎を成す金属塩の金属は二価である。
【0053】
塩基性物質として、アルカリ金属酢酸塩、例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属水酸化物、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又はアミン、例えばアンモニア、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミンが該当する。そのような塩基性物質は、殊に、強酸の金属塩、例えば金属塩化物又は金属硫酸塩を使用する場合に有利である。
【0054】
適当な溶剤は、水、アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、エーテル、例えばジブチルエーテル、ジオキサン又はテトラヒドロフラン、非プロトン性溶剤、例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ニトロメタン、ジメチルスルホキシドである。メタノール、エタノール及び2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールは有利である。
【0055】
本発明による金属錯体の製造のために必要な式(Ib)のアゾ化合物は同様に本発明の対象である。
【0056】
従って、本発明は式(Ib)
【0057】
【化9】

[式中、
Dは5員の準芳香族複素環式基を表し、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル、又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し、
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表し、
ここで、
xが1を表し、かつRが場合により置換されたC〜C10−アリールを表す場合には、Dは場合により置換されたチアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル又は1,3,4−トリアゾール−2−イルを表してはならない]
のアゾ化合物にも関する。
【0058】
有利に、xは0を表す。
【0059】
同様に有利に、式(Ib)のアゾ化合物はフッ素原子を有していない。
【0060】
有利なアゾ化合物は式(Ib)
[式中、
Dは式
【0061】
【化10】

の基を表し、
は水素、場合により置換されたC〜C−アルキル又は場合により置換されたC〜C12−アラルキルを表し、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル、又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペラジノを表し、
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表し、
は及びRは互いに無関係にシアノ、C〜C−アルコキシカルボニル又は−C(=NH)−C〜C−アルキルを表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたピリジル、C〜C−アルキルチオ、C〜C10−アラルキルチオ、場合により置換されたC〜C10−アリールチオ、C〜C−アルキルスルホニル、C〜C10−アラルキルスルホニル又は場合により置換されたC〜C10−アリールスルホニルを表し、
及びR10は互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、場合により置換されたC〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NR10は互いに無関係にピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表す]
のアゾ化合物である。
【0062】
式(Ib)のアゾ化合物はUS5208325からの方法と同様に製造することができる。
【0063】
ジアゾ化、ニトロソ化及びカップリング反応は、刊行物から、例えばChem. Ber. 1958, 91, 1025; Chem. Ber. 1961, 94, 2043;US−A5,208,325から自体公知である。前記刊行物に記載された処理方法を同様に引用することができる。
【0064】
アゾ色素の製造のために使用することのできるアミノイミダゾールは、例えばJ. Polym. Sci.: Part A: Polym. Chem. 1993, 31, 351から公知であるか、又は同様に製造することができる。
【0065】
アゾ色素の製造のために使用することのできる5−アミノ−1,2,4−チアジアゾールは例えばChem. Ber. 1954, 87, 68; Chem. Ber. 1956, 89, 1956, 2742;DE−OS2811258から公知であるか、又は同様に製造することができる。
【0066】
本発明は更に式(VII)
【0067】
【化11】

[式中、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表す]
のカップリング成分に関する。
【0068】
が場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表す、式(VII)のカップリング成分は有利である。
【0069】
が、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、キノリル、ピリミジル又はピラジニルを表し、これらはフッ素、塩素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、アセトアミノ、カルボン酸、カルボンアミド、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル又はフェニルにより置換されていてよい、式(VII)のカップリング成分は殊に有利である。
【0070】
前記の式(VII)のカップリング成分は例えばUS−A6,225,023と同様に製造することができる。
【0071】
同様に本発明の対象は、式(VIII)
【0072】
【化12】

[式中、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し、
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表す]
のm−フェニレンジアミンを、式(IX)
【0073】
【化13】

[式中、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
Zはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す]
のスルホン酸ハロゲン化物又はスルフィン酸ハロゲン化物と反応させることを特徴とする、式(VII)のカップリング成分の製造法である。
【0074】
前記反応は塩基、例えば3級アミン又は水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムの存在で行うことができる。
【0075】
そのようにして、式(V)のカップリング成分が遊離形で、HCl塩又はHBr塩として得られる。
【0076】
適当な溶剤は、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、トルエン及びアルコール、例えばメタノール又はエタノール及び水である。
【0077】
式(IX)のスルホン酸ハロゲン化物又はスルフィン酸ハロゲン化物は部分的に公知であるか、又は同様に製造することができる:J. Amer. Chem. Soc. 72 (1950) 4890, J. Prakt. Chem. 36 (1967) 160, J. Med. Chem. 40 (1997) 1148, J. Med. Chem. 43 (2000) 843。
【0078】
本発明は、更に、ライトワンス型光学データ記録媒体の情報層における吸光性化合物としての本発明による金属錯体の使用に関する。
【0079】
有利に、光学データ記録媒体の前記の使用において、殊に360〜460nmの範囲内の波長を有する青色レーザー光を用いて書き込み及び読み出しが行われる。
【0080】
同様に有利に、光学データ記録媒体の前記の使用において、殊に600〜700nmの範囲内の波長を有する赤色レーザー光を用いて書き込み及び読み出しが行われる。
【0081】
本発明は、更に、光学データ記録媒体が、殊に360〜460nmの範囲内の波長を有する青色レーザー光を用いて書き込み及び読み出し可能である、ライトワンス型光学データ記録媒体の情報層における吸光性化合物としてのアゾリガンドを有する金属錯体の使用に関する。
【0082】
本発明は、更に、有利に透明な、場合により既に1つ以上の反射層で被覆された基板を有し、前記の基板の表面上に光で書き込み可能な情報層、場合により1つ以上の反射層及び場合により保護層又はもう1つの基板又はカバー層が設けられており、有利に360〜460nm、殊に390〜420nm、極めて殊に有利に400〜410nmの範囲内の波長を有する青色光、又は有利に600〜700nm、殊に620〜680nm、極めて殊に有利に630〜660nmの範囲内の波長を有する赤色光、有利にレーザー光で書き込み及び読み出しが可能であり、その際、情報層は吸光性化合物及び場合によりバインダーを含有する光学データ記録媒体において、吸光性化合物として少なくとも1つの本発明による金属錯体が使用されていることを特徴とする光学データ記録媒体に関する。
【0083】
この吸光性化合物は有利に熱により可変であるのが好ましい。熱による変化は、<600℃の温度、特に有利に<400℃の温度、さらに有利に<300℃の温度、殊に<200℃の温度で行うのが有利である。このような変化は、例えば吸光性化合物の発色中心の分解又は化学変化であることができる。
【0084】
本発明による光学データ記録媒体における吸光性化合物の有利な実施態様は、本発明による金属錯体の有利な実施態様に相応する。
【0085】
有利な実施態様において、使用される吸光性化合物は式(Ia)、殊に式(IIa)、(IIb)及び(IIc)
【0086】
【化14】

[式中、
はメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、メトキシエチル又はベンジル、殊にメチル又はエチルを表し、
はフェニル、トリル、アニシル、クロロフェニル、シアンフェニル、ニトロフェニル、ジシアンフェニル、ジニトロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、3−トリフルオロメチル−2−ピリジル、又は5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、5−シアノ−2−ピリジル、テトラクロロ−2−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−2−イル、2−クロロ−3−ピリジル又は4−クロロ−3−ピリジル、6−メトキシ−3−ピリジル、5−メチル−3−ピリジル、テトラフルオロ−4−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル、テトラブロモ−4−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−4−イル、ピリミド−3−イル、殊にフェニル、トリル、クロロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル又はピリミド−3−イルを表すか、
又は、
はフェニル、トリル、アニシル、クロロフェニル、シアンフェニル、ニトロフェニル、ジシアンフェニル、ジニトロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−6−イル、2−メチル−ベンゾチアゾール−6−イル、2−アセトアミノ−ベンゾチアゾール−6−イル、ベンゾイミダゾール−6−イル、ベンゾオキサゾール−6−イル、ベンゾオキサゾール−5−イル、2−フェニル−ベンゾオキサゾール−6−イル、2−メチル−ベンゾオキサゾール−5−イル、チオフェン−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、3−トリフルオロメチル−2−ピリジル又は5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、5−シアノ−2−ピリジル、テトラクロロ−2−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−2−イル、2−クロロ−3−ピリジル又は4−クロロ−3−ピリジル、6−メトキシ−3−ピリジル、5−メチル−3−ピリジル、テトラフルオロ−4−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル、テトラブロモ−4−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−4−イル、ピリミド−3−イル、殊にフェニル、トリル、クロロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、メチル−ベンゾチアゾール−6−イル、2−アセトアミノ−ベンゾチアゾール−6−イル、チオフェン−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル又はピリミド−3−イルを表し、
及びRは互いに無関係にメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、クロロエチル、メトキシエチル、ベンジル、フェネチル又はフェニル、殊にメチル、エチル、シアンエチル、ベンジル又はフェニルを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノ、殊にピロリジノ又はピペリジノを表し、
は水素を表すか、又は
;Rは−CHCH−又は−CHCHCH−架橋を表し、
はフェニル、ピリジル、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ベンジルチオ、メチルスルホニル、ベンジルスルホニル又はフェニルスルホニル、殊にフェニル、ピリジル又はフェニルスルホニルを表し、
及びR10は互いに無関係にメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、クロロエチル、メトキシエチル、ベンジル、フェネチル又はフェニル、殊にメチル、エチル、プロピル又はシアンエチルを表すか、又は
NR10はピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノ、殊にピロリジノ又はピペリジノを表し、
かつ
MはPd、Fe、Zn、Cu、Ni又はCoを表し、
ここで、
プロピル基又はブチル基は分枝鎖であってもよい]
の吸光性化合物である。
【0087】
式(IIb)及び(IIc)の化合物は極めて殊に有利である。
【0088】
有利な実施態様において、使用される吸光性化合物は式(Ia)、殊に式(IIIa)、(IIIb)及び(IIIc)
【0089】
【化15】

【0090】
【化16】

[式中、
はメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、メトキシエチル又はベンジル、殊にメチル又はエチルを表し、
はフェニル、トリル、アニシル、クロロフェニル、シアンフェニル、ニトロフェニル、ジシアンフェニル、ジニトロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、3−トリフルオロメチル−2−ピリジル、又は5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、5−シアノ−2−ピリジル、テトラクロロ−2−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−2−イル、2−クロロ−3−ピリジル又は4−クロロ−3−ピリジル、6−メトキシ−3−ピリジル、5−メチル−3−ピリジル、テトラフルオロ−4−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル、テトラブロモ−4−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−4−イル、ピリミド−3−イル、殊にフェニル、トリル、クロロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル又はピリミド−3−イルを表すか、
又は、
はフェニル、トリル、アニシル、クロロフェニル、シアンフェニル、ニトロフェニル、ジシアンフェニル、ジニトロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−6−イル、2−メチル−ベンゾチアゾール−6−イル、2−アセトアミノ−ベンゾチアゾール−6−イル、ベンゾイミダゾール−6−イル、ベンゾオキサゾール−6−イル、ベンゾオキサゾール−5−イル、2−フェニル−ベンゾオキサゾール−6−イル、2−メチル−ベンゾオキサゾール−5−イル、チオフェン−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、3−トリフルオロメチル−2−ピリジル又は5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、5−シアノ−2−ピリジル、テトラクロロ−2−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−2−イル、2−クロロ−3−ピリジル又は4−クロロ−3−ピリジル、6−メトキシ−3−ピリジル、5−メチル−3−ピリジル、テトラフルオロ−4−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル、テトラブロモ−4−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−4−イル、ピリミド−3−イル、殊にフェニル、トリル、クロロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−メチル−ベンゾチアゾール−6−イル、2−アセトアミノ−ベンゾチアゾール−6−イル、チオフェン−2−イル、2−、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル又はピリミド−3−イルを表し、
及びRは互いに無関係にメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、クロロエチル、メトキシエチル、ベンジル、フェネチル又はフェニル、殊にメチル、エチル、シアンエチル、ベンジル又はフェニルを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノ、殊にピロリジノ又はピペリジノを表し、
は水素を表すか、又は
;Rは−CHCH−又は−CHCHCH−架橋を表し、
はフェニル、ピリジル、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ベンジルチオ、メチルスルホニル、ベンジルスルホニル又はフェニルスルホニル、殊にフェニル、ピリジル又はフェニルスルホニルを表し、
及びR10は互いに無関係にメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、クロロエチル、メトキシエチル、ベンジル、フェネチル又はフェニル、殊にメチル、エチル、プロピル又はシアンエチルを表すか、又は
NR10はピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノ、殊にピロリジノ又はピペリジノを表し、
かつ
MはPd、Fe、Zn、Cu、Ni又はCoを表し、
ここで、
プロピル基又はブチル基は分枝鎖であってもよい]
の吸光性化合物である。
【0091】
青色レーザ光を用いて書き込み及び読み出しする本発明によるライトワンス型光学データ記録媒体のために、吸収極大λmax2が420〜550nmの範囲内にあり、その際、波長λ1/2(この場合、波長λmax2の吸収極大の短波長側での吸光度がλmax2での吸光値の半分である)と波長λ1/10(この場合、波長λmax2の吸収極大の短波長側での吸光度がλmax2での吸光値の10分の1である)とが有利にその都度80nmより広く離れていないような吸光性化合物が有利である。有利に、このような吸光性化合物は波長350nmまで、特に有利に320nmまで、極めて殊に有利に290nmまで、より短波長の極大λmax1を示さない。
【0092】
430〜550nm、殊に440〜530nm、極めて殊に有利に450〜520nmの吸収極大λmax2を有する吸光性化合物は有利である。
【0093】
有利にこの吸光性化合物において、λ1/2とλ1/10とは上記に定義されている通り70nmより広く離れておらず、特に有利に50nmより広く離れておらず、極めて殊に有利に40nmより広く離れていない。
【0094】
赤色レーザ光を用いて書き込み及び読み出しする本発明によるライトワンス型光学データ記録媒体のために、吸収極大λmax2が500〜650nmの範囲内にあり、その際、波長λ1/2(この場合、波長λmax2の吸収極大の長波長側での吸光度がλmax2での吸光値の半分である)と波長λ1/10(この場合、波長λmax2の吸収極大の長波長側での吸光度がλmax2での吸光値の10分の1である)とが有利にその都度60nmより広く離れていないような吸光性化合物が有利である。有利に、このような吸光性化合物は波長750nmまで、特に有利に800nmまで、極めて殊に有利に850nmまで、より短波長の極大λmax3を示さない。
【0095】
510〜620nmの吸収極大λmax2を有する吸光性化合物は有利である。
【0096】
530〜610nmの吸収極大λmax2を有する吸光性化合物は殊に有利である。
【0097】
550〜600nmの吸収極大λmax2を有する吸光性化合物は極めて殊に有利である。
【0098】
有利にこの吸光性化合物において、λ1/2とλ1/10とは上記に定義されている通り50nmより広く離れておらず、特に有利に40nmより広く離れておらず、極めて殊に有利に30nmより広く離れていない。
【0099】
吸光性化合物は吸収極大λmax2でモル吸光計数ε>30000 l/molcm、有利に>50000 l/molcm、特に有利に>70000 l/molcm、極めて殊に有利に>100000 l/molcmを示す。
【0100】
吸収スペクトルは例えば溶液中で測定される。
【0101】
必要とされるスペクトル特性を有する適当な吸光性化合物は、殊に、わずかなソルバトクロミズム(ジオキサン/DMF又は塩化メチレン/メタノール)を示す吸光性化合物である。そのソルバトクロミズムΔλDD=|λDMF−λジオキサン|、即ち溶剤のジメチルホルムアミド及びジオキサン中での吸収波長の正の差、もしくは、そのソルバトクロミズムΔλMM=|λメタノール−λ塩化メチレン|、即ち溶剤のメタノール及び塩化メチレン中での吸収波長の正の差が、<20nm、殊に有利に<10nm、極めて殊に有利に<5nmである金属錯体が有利である。
【0102】
有利に、赤色レーザー光又は青色レーザー光、殊に赤色レーザー光で書き込み及び読み出しされる本発明によるライトワンス型光学データ記録媒体は有利である。
【0103】
他の金属錯体は例えばUS−B16,225,023から公知である。
【0104】
本発明により使用される吸光性化合物は、書き込みしていない状態で光学データ記録媒体の十分に高い反射率(有利に>10%、殊に>20%)を保証し、並びにフォーカスされた光で点状に照射した際に、光の波長が360〜460nm、600〜680nmの範囲内にある場合に、情報層の熱的変性のために十分に高い吸収を保証する。データ記録媒体上での書き込まれた箇所と書き込まれていない箇所との間のコントラストは、振幅の反射率の変化によって実現され、並びに入射光の相は情報層の熱分解後に変化した光学特性によって実現される。
【0105】
本発明により使用される吸光性化合物は、書き込まれていない光学データ記録媒体並びに光学データ記録媒体に書き込まれた情報の、昼光、日光に対する、又は昼光の模倣のための強化された人工的な照射下での高い光安定性を有する。
【0106】
本発明により使用される吸光性化合物は、光学データ記録媒体の、十分なエネルギーの青色レーザー光及び赤色レーザー光に対する高い敏感性を有するため、データ記録媒体に高速で(≧2x、≧4x)書き込むことができる。
【0107】
本発明により使用される吸光性化合物は十分に安定であるため、この吸光性化合物を用いて製造されたディスクは、必要とされる耐候試験を概して満足させる。
【0108】
本発明による金属錯体は、光学データ記録媒体上に有利にスピンコーティング又は真空蒸着、殊にスピンコーティングにより施与される。本発明による金属錯体は、相互に混合することができるか又は類似するスペクトル特性を示す他の色素と混合することができる。情報層は、本発明による金属錯体の他に添加物、例えばバインダー、湿潤剤、安定剤、希釈剤及び増感剤並びに他の成分を含有してよい。スピンコーティングのために、有利に上記の金属錯体の溶液が使用される。
【0109】
本発明による光学データ記録媒体は、情報層の他に他の層、例えば金属層、誘電層、並びに保護層を有していることができる。金属層及び誘電層は、特に反射率の調整及び熱調整のために用いられる。金属はレーザー波長に応じて金、銀、アルミニウム等であってよい。誘電層は例えば二酸化ケイ素及び窒化ケイ素である。保護層は、例えば光硬化性の、塗料、(感圧)接着層及び保護シートである。
【0110】
感圧接着層は主にアクリル接着剤からなる。特許JP−A11−273147に開示されたNitto Denko DA−8320又はDA−8310は、例えばこの目的のために使用することができる。
【0111】
本発明による光学データ記録媒体は例えば次の層構造を示す(図1参照):透明な基板(1)、場合による保護層(2)、情報層(3)、場合による保護層(4)、場合による接着層(5)、カバー層(6)。図1及び図2に示された矢印は入射光の経路を示している。
【0112】
有利に、光学データ記録媒体の構造は:
− 有利に透明な基板(1)を有してよく、前記の基板の表面上に光により書き込み可能であり、光で、有利にレーザー光で書き込み可能な情報層(3)、場合により保護層(4)、場合により接着層(5)及び透明なカバー層(6)が設けられている。
− 有利に透明な基板(1)を有してよく、前記の基板の表面上に、保護層(2)、少なくとも1つの、光で、有利にレーザー光で書き込み可能な情報層(3)、場合により接着層(5)及び透明なカバー層(6)が設けられている。
− 有利に透明な基板(1)を有してよく、前記の基板の表面上に、場合により保護層(2)、少なくとも1つの、光で、有利にレーザー光で書き込み可能な情報層(3)、場合により保護層(4)、場合により接着層(5)及び透明なカバー層(6)が設けられている。
− 有利に透明な基板(1)を有してよく、前記の基板の表面上に、少なくとも1つの、光で、有利にレーザー光で書き込み可能な情報層(3)、場合により接着層(5)及び透明なカバー層(6)が設けられている。
【0113】
それとは別に、光学データ記録媒体は例えば次の層構造を有する(図2参照):有利に透明な基板(11)、情報層(12)、場合により反射層(13)、場合により接着層(14)、もう1つの有利に透明な基板(15)。
【0114】
本発明は更に、青色光又は赤色光、殊にレーザー光、殊に赤色レーザー光で書き込みされる本発明による光学データ記録媒体に関する。
【0115】
次の実施例は本発明の対象を明確にする。
【実施例】
【0116】
実施例
実施例1
a)1,2−ジクロロエタン70ml中のN,N−ジエチル−m−フェニレンジアミン8.20gの溶液に、室温で塩化ベンゼンスルホニル9.71gを30分間で滴加した。室温で一晩撹拌した後、吸引濾過し、50℃で真空中で乾燥させた。生成物を水200mlとクロロホルム200mlから成る混合物中に装入した。十分に撹拌した後、10%苛性ソーダ液でpHを8〜9に調節した。有機相を分離し、水50mlで洗浄し、回転蒸発器上で蒸発させた。得られた油状物をメチルシクロヘキサン100mlと2時間撹拌した。形成された結晶を吸引濾過し、室温で真空中で乾燥させた。式
【0117】
【化17】

のスルホンアミド11.7g(理論値の77%)が、融点75〜81℃の灰色の粉末として得られた。
【0118】
b)5−アミノ−3−フェニル−1,2,4−チアジアゾール3.85gを氷酢酸15ml及びギ酸7.5ml中にわずかに加熱しながら溶解させた。0℃に冷却した後、10分間で亜硝酸ナトリウム1.5gを装入した。0〜5℃で2時間撹拌した。
【0119】
c)a)からのスルホンアミド6.62gを氷酢酸25ml中に溶解させ、10℃に冷却した。b)からの懸濁液を10℃で10分間でゆっくりと添加した。1時間で室温にした。その後、30分間で80〜85℃に加熱し、この温度で1時間保持した。冷却後、吸引濾過し、氷酢酸5mlで3回洗浄し、50℃で真空中で乾燥させた。融点150〜152℃の、式
【0120】
【化18】

の赤褐色の粉末4.5g(理論値の42%)が得られた。
メタノール中でλmax=524nm
d)c)からの色素985mgをメタノール40ml中に懸濁させた。酢酸ニッケル四水和物249mgを添加した。室温で一晩撹拌した後、吸引濾過し、メタノール6mlで4回洗浄し、50℃で真空中で乾燥させた。融点292〜293℃(分解)の、式
【0121】
【化19】

の赤色の粉末726mg(理論値の70%)が得られた。
λmax=555nm(クロロホルム)
λmax=545.571nm(メタノール)
ε=90150 l/mol cm (クロロホルム中で554nm)
ε=86415 l/mol cm (メタノール中で545nm)
λ1/2−λ1/10(長波長端)=22nm
溶解度:TFP(2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール)中で>2%、ブタノール中で≧2%、ジアセトンアルコール中で>2%
ガラス状被膜
同様に適当な金属錯体を、以下の実施例及び表中にまとめる。同様に適当な金属錯体を、カップリング成分、アゾ色素もしくは金属錯体の同様の製造により得る。
【0122】
実施例2
酢酸コバルト(II)四水和物249mgを使用し、実施例1と同様に、融点283〜284℃(分解)の、式
【0123】
【化20】

の赤色の粉末874mg(理論値の84%)が得られた。
λmax=549nm(塩化メチレン)
λmax=553nm(メタノール)
ε=87940 l/mol cm (塩化メチレン中で549nm)
ε=90090 l/mol cm (メタノール中で553nm)
λ1/2−λ1/10(長波長端)=30nm
Δλ=|λメタノール−λ塩化メチレン|=6nm
溶解度:TFP(2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール)中で>2%、ブタノール中で>1%、ジアセトンアルコール中で>2%
ガラス状被膜
実施例3
a)1,2−ジクロロエタン60ml中のN,N−ジエチル−m−フェニレンジアミン6.00gの溶液に、室温でトランス−ω−塩化スチレンスルホン酸8.00gを30分間で滴加した。室温で一晩撹拌した後、氷水250mlに注ぎ、苛性ソーダ液でpH=8に調節し、有機相を分離した。水相を塩化メチレン100mlで2回抽出した。合液した有機相を回転蒸発器上で蒸発させた。得られた油状物をメチルシクロヘキサン100mlと2時間撹拌した。溶剤をデカンテーションし、残存する油状物から真空中で溶剤残分を除去した。式
【0124】
【化21】

のスルホンアミド4.8g(理論値の39%)が薄褐色の油状物として得られた。
【0125】
b)5−アミノ−3−フェニル−1,2,4−チアジアゾール2.60gを氷酢酸10ml及びギ酸5ml中にわずかに加熱しながら溶解させた。0℃に冷却した後、10分間で亜硝酸ナトリウム1.0gを装入した。0〜5℃で2時間撹拌した。
【0126】
c)a)からのスルホンアミド4.80gを氷酢酸20ml中に溶解させ、10℃に冷却した。b)からの懸濁液を10℃で10分間でゆっくりと添加した。1時間で室温にした。その後、30分間で80〜85℃に加熱し、この温度で1時間保持した。冷却後、吸引濾過し、氷酢酸5mlで2回洗浄し、50℃で真空中で乾燥させた。式
【0127】
【化22】

の赤褐色の粉末2.3g(理論値の30%)が得られた。
塩化メチレン中でλmax=518nm
d)c)からの色素500mgをメタノール10ml中に懸濁させた。酢酸ニッケル四水和物120mgを添加した。60℃で2時間撹拌し、冷却し、石油エーテル10mlを用いて吸引濾過し、引き続き水20mlで洗浄し、50℃で真空中で乾燥させた。引き続き、トルエン5mlと室温で撹拌し、再度50℃で真空中で乾燥させた。融点>280℃の、式
【0128】
【化23】

の赤色の粉末440mg(理論値の80.3%)が得られた。
λmax=554nm(塩化メチレン)
ε=96450 l/mol cm (クロロホルム中で554nm)
λ1/2−λ1/10(長波長端)=25nm
溶解度:TFP(2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール)中で>2%
ガラス状被膜
実施例4
a)1,2−ジクロロエタン150ml中のN,N−ジエチル−m−フェニレンジアミン16.4gの溶液に、室温で、1,2−ジクロロエタン100ml中の2−クロロ−ピリジン−3−スルホニルクロリド21.2gの溶液を30分間で滴加した。室温で一晩撹拌した後、吸引濾過した。湿潤したプレスケーキを水300ml及び1,2−ジクロロエタン200mlから成る混合物中に装入した。十分に撹拌しながら、固体の炭酸ナトリウムを用いてpHを6〜7に調節した。有機相を分離し、水100mlで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた後に回転蒸発器上で蒸発させた。得られた油状物をメチルシクロヘキサン200mlと50℃で2時間撹拌した。形成された結晶を吸引濾過し、室温で真空中で乾燥させた。式
【0129】
【化24】

のスルホンアミド15.9g(理論値の58%)が、融点102〜104℃の灰色の粉末として得られた。
【0130】
b)5−アミノ−3−フェニル−1,2,4−チアジアゾール5.13gを氷酢酸32ml中に溶解させ、ゆっくりと85質量%リン酸9.6ml及び98質量%硫酸1.6mlと混合した。0〜5℃に冷却した後、1.5時間で、40質量%ニトロシル硫酸9.67gを装入した。0〜5℃で2時間撹拌した。
【0131】
c)a)からのスルホンアミド9.85gを氷酢酸64ml中に溶解させ、10℃に冷却した。b)からのオレンジ色の懸濁液を最高10℃で30分間でゆっくりと添加した。引き続き、酢酸ナトリウム56gを装入し、ここで氷酢酸25mlで希釈した。1時間で室温にした。吸引濾過し、氷酢酸15mlで2回洗浄した。湿潤したフィルターケーキを水500ml中に懸濁させ、吸引濾過し、水100mlで3回洗浄して塩不含とし、50℃で真空中で乾燥させた。褐色の粉末12.6g(理論値の82%)が得られた。前記の粉末を氷酢酸60mlから再結晶させ、50℃で真空中で乾燥させた。融点120〜123℃の、式
【0132】
【化25】

の赤褐色の粉末6.58g(理論値の43%)が得られた。
メタノール中でλmax=524nm
d)c)からの色素2.64gをメタノール100ml中に懸濁させた。酢酸ニッケル四水和物622mgを添加した。室温で一晩撹拌した後、吸引濾過し、メタノール10mlで3回洗浄し、50℃で真空中で乾燥させた。融点>290℃の、式
【0133】
【化26】

の褐色の粉末2.3g(理論値の83%)が得られた。
λmax=544.579nm(クロロホルム)
λmax=551.585nm(メタノール)
ε=82080 l/mol cm (クロロホルム中で579nm)
ε=98550 l/mol cm (メタノール中で585nm)
λ1/2−λ1/10(長波長端)=18nm(メタノール中)
溶解度:TFP(2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール)中で>2%
ガラス状被膜
実施例5
酢酸コバルト(II)四水和物623mgを使用し、実施例4と同様に、融点>285℃の、式
【0134】
【化27】

の緑色の粉末2.41g(理論値の87%)が得られた。
λmax=549.581nm(クロロホルム)
λmax=543.581nm(メタノール)
ε=76900 l/mol cm (クロロホルム中で549nm)
ε=88205 l/mol cm (メタノール中で543nm)
λ1/2−λ1/10(長波長端)=28nm
溶解度:TFP(2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール)中で>2%
ガラス状被膜
実施例6
実施例1と同様に、融点>280℃の、式
【0135】
【化28】

の金属錯体が得られた。
λmax=550.582nm(塩化メチレン)
ε=96272 l/mol cm (550nmで)
λ1/2−λ1/10(長波長端)=19nm
溶解度:TFP(2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール)中で>2%
ガラス状被膜
実施例7
実施例4と同様に、融点282〜284℃(分解)の、式
【0136】
【化29】

の金属錯体が得られた。
λmax=553nm(クロロホルム)
λmax=543nm(メタノール)
ε=93036 l/mol cm(クロロホルム中)
ε=91210 l/mol cm(メタノール中)
λ1/2−λ1/10(長波長端)=22nm(メタノール中)
溶解度:TFP(2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール)中で>2%
ガラス状被膜
【0137】
【表1】

【0138】
【表2】

【0139】
【表3】

【0140】
【表4】

【0141】
【表5】

【0142】
【表6】

【0143】
【表7】

【0144】
【表8】

【0145】
【表9】

【0146】
【表10】

【0147】
【表11】

【0148】
実施例72
室温で、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールl中の実施例1からの色素の3質量%溶液を製造した。この溶液をスピンコーティングを用いてプレグルーブド(pregrooved)ポリカーボネート基板上に施与した。このプレグルーブドポリカーボネート基板を、射出成形によりディスクとして製造した。ディスクの寸法及びグルーブ構造の寸法は、通常DVD−Rのために使用されるものに相応していた。情報記録媒体としての色素層を有するディスクに銀100nmを蒸着させた。引き続き、UV硬化可能なアクリル塗料をスピンコーティングにより施与し、UVランプを用いて硬化させた。ディスクを、光学ベンチ上に構成され、直線偏光を発生させるためのダイオードレーザー(λ=656nm)、偏光に敏感なビームスプリッタ、λ/4小片、及び開口数NA=0.6を有する可動に懸吊された集束レンズ(アクチュエーターレンズ)からなる動的書き込み試験構造体を用いて試験した。ディスクの反射層から反射された光を、上記の偏光に敏感なビームスプリッターを用いてビーム路から偏光させ、非点収差(astigmatisch)レンズを通して4象限検出器上にピント調節した。線速度V=3.5m/s及び書き込み効率Pwrite=11mWの場合に、11T−ピットのために信号−雑音−比C/N=49dBを測定した。この場合、書き込み効率を振動パルスシーケンスとして適用し(図1参照)、この場合このディスクを交互に上記の書き込み効率Pwriteで及び読み出し効率Pread≒0.5mWで照射した。書き込みパルスシーケンスは11T−Pitに関して長さTtop=1.5T=60nsのリードパルスから成り、その際、T=40nsは基礎時間である(11T=440ns)。リードパルスが3T単位後に終了するようにリードパルスを配置する。その後、長さTmp=30nsのパルスが8回続き、その際、時間をTmp=0.75Tにより規定した。ここから、各書き込みパルスの間にΔT=10nsの期間が自由であることが明らかである。11Tの長さの書き込みパルスの後、11Tの長さの中断が続く。このディスクをそれ自体が1回回転するまで前記の振動パルスシーケンスで照射した。その後に、こうして得られたマークを読み出し効率Preadで読み出し、上記の信号−雑音−比C/Nを測定した。
【0149】
同様の結果が上記の別の実施例の金属錯体を用いて達成された。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明による光学データ記録媒体の層構造を示す概略図。
【図2】本発明による光学データ記録媒体の層構造を示す概略図。
【図3】本発明による光学データ記録媒体のパルスシーケンスを示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属錯体において、式(I)
【化1】

[式中、
Dは5員の準芳香族複素環式基を表し、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル、又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表し、
ここで、
xが1を表し、かつRが場合により置換されたC〜C10−アリールを表す場合には、Dは場合により置換されたチアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル又は1,3,4−トリアゾール−2−イルを表してはならない]
のリガンドを少なくとも1つ有することを特徴とする金属錯体。
【請求項2】
式(I)の2つの同じか又は異なるリガンドを有する、請求項1記載の金属錯体。
【請求項3】
式(Ia)
【化2】

[式中、
式(I)の2つのリガンドは互いに無関係に請求項1記載の意味を有し、
かつ
Mは金属を表す]
に相当する、請求項1又は2記載の金属錯体。
【請求項4】
金属が、二価の金属、遷移金属又は希土類元素、殊にMg、Ca、Sr、Ba、Cu、Ni、Co、Fe、Zn、Pd、Pt、Ru、Th、Os、Smである、請求項1から3までのいずれか1項記載の金属錯体。
【請求項5】
金属がPd、Fe、Zn、Cu、Ni又はCoを表す、請求項1から4までのいずれか1項記載の金属錯体。
【請求項6】
式(I)のリガンドがフッ素原子を有していない、請求項1から5までのいずれか1項記載の金属錯体。
【請求項7】
式(I)のリガンドが、基Rとして、場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を含む、請求項1から6までのいずれか1項記載の金属錯体。
【請求項8】
式(I)において、
Dが1,3−チアゾール−4−イル、1,2−チアゾール−3−イル、ベンゾイソチアゾール−3−イル、1,3−オキサゾール−2−イル、1,2−オキサゾール−3−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イルを表し、これらはC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、−C(=NH)−O−C〜C−アルキル、ニトロ、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルキルチオ、C〜C−アシルアミノ、ホルミル、C〜C−アルカノイル、C〜C10−アリール、C〜C10−アリールオキシ、C〜C10−アリールカルボニルアミノ、モノ−又はジ−C〜C−アルキルアミノ、N−C〜C−アルキル−N−C〜C10−アリールアミノ、ピロリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はピペリジノにより置換されていてよい、請求項1から7までのいずれか1項記載の金属錯体。
【請求項9】
Dが、塩素、フッ素、メトキシ、メチルチオ、フェニル又はシアノの一連からの2個までの同じか又は異なる基により置換されていてよい1,3−チアゾール−4−イル、塩素、メチル、メトキシ、フェニル、シアノ、−C(=NH)−OCH、ニトロ、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニルの一連からの2個までの同じか又は異なる基により置換されていてよいイミダゾール−2−イル、塩素、メチル、メトキシ、フェニル、シアノ又はニトロの一連からの2個までの同じか又は異なる基により置換されていてよいピラゾール−5−イル、塩素、臭素、メトキシ、フェノキシ、メタンスルホニル、メチルチオ、エチルチオ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−(イソ)−プロピルアミノ、N−メチル−N−シアンエチルアミノ、N,N−ビスシアンエチルアミノ、N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ、N−メチル−N−ベンジルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、アニリノ、ピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノにより置換されていてよい1,3,4−チアジアゾール−2−イル、塩素、メチル、エチル、メトキシ、フェノキシ、メチルチオ、メタンスルホニル、ベンジルチオ、ベンジルスルホニル、ベンゼンスルホニル、フェニル、ピリジル、ジメチルアミノ又はアニリノにより置換されていてよい1,2,4−チアジアゾール−5−イル、メチル又はフェニルにより置換されていてよい1,2,4−チアジアゾール−3−イルを表す、請求項1から7までのいずれか1項記載の金属錯体。
【請求項10】
式(I)
【化3】

[式中、
Dは式
【化4】

の基を表し、
は水素、場合により置換されたC〜C−アルキル又は場合により置換されたC〜C12−アラルキルを表し、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基、又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペラジノを表し、
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表し、
は及びRは互いに無関係にシアノ、C〜C−アルコキシカルボニル又は−C(=NH)−C〜C−アルキルを表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたピリジル、C〜C−アルキルチオ、C〜C10−アラルキルチオ、場合により置換されたC〜C10−アリールチオ、C〜C−アルキルスルホニル、C〜C10−アラルキルスルホニル又は場合により置換されたC〜C10−アリールスルホニルを表し、
及びR10は互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、場合により置換されたC〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NR10は互いに無関係にピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表す]
のリガンドを少なくとも1つ有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の金属錯体。
【請求項11】
式(IIa)〜(IIc)及び(IIIa)〜(IIIc)
【化5】

【化6】

【化7】

[式中、
M及びそれぞれのアゾリガンドの基は互いに無関係に請求項1から10までのいずれか1項に記載された意味を有する]
の形で存在する、請求項1から10までのいずれか1項記載の金属錯体。
【請求項12】
式(IIa)〜(IIc)及び(IIIa)〜(IIIc)において、
はメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、メトキシエチル又はベンジル、殊にメチル又はエチルを表し、
はフェニル、トリル、アニシル、クロロフェニル、シアンフェニル、ニトロフェニル、ジシアンフェニル、ジニトロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、3−トリフルオロメチル−2−ピリジル、又は5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、5−シアノ−2−ピリジル、テトラクロロ−2−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−2−イル、2−クロロ−3−ピリジル又は4−クロロ−3−ピリジル、6−メトキシ−3−ピリジル、5−メチル−3−ピリジル、テトラフルオロ−4−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル、テトラブロモ−4−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−4−イル、ピリミド−3−イル、殊にフェニル、トリル、クロロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル又はピリミド−3−イルを表すか、
又は、
はフェニル、トリル、アニシル、クロロフェニル、シアンフェニル、ニトロフェニル、ジシアンフェニル、ジニトロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−6−イル、2−メチル−ベンゾチアゾール−6−イル、2−アセトアミノ−ベンゾチアゾール−6−イル、ベンゾイミダゾール−6−イル、ベンゾオキサゾール−6−イル、ベンゾオキサゾール−5−イル、2−フェニル−ベンゾオキサゾール−6−イル、2−メチル−ベンゾオキサゾール−5−イル、チオフェン−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、3−トリフルオロメチル−2−ピリジル又は5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、5−シアノ−2−ピリジル、テトラクロロ−2−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−2−イル、2−クロロ−3−ピリジル又は4−クロロ−3−ピリジル、6−メトキシ−3−ピリジル、5−メチル−3−ピリジル、テトラフルオロ−4−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル、テトラブロモ−4−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−4−イル、ピリミド−3−イル、殊にフェニル、トリル、クロロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−メチル−ベンゾチアゾール−6−イル、2−アセトアミノ−ベンゾチアゾール−6−イル、チオフェン−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル又はピリミド−3−イルを表し、
及びRは互いに無関係にメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、クロロエチル、メトキシエチル、ベンジル、フェネチル又はフェニル、殊にメチル、エチル、シアンエチル、ベンジル又はフェニルを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノ、殊にピロリジノ又はピペリジノを表し、
は水素を表すか、又は
;Rは−CHCH−又は−CHCHCH−架橋を表し、
はフェニル、ピリジル、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ベンジルチオ、メチルスルホニル、ベンジルスルホニル又はフェニルスルホニル、殊にフェニル、ピリジル又はフェニルスルホニルを表し、
及びR10は互いに無関係にメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、クロロエチル、メトキシエチル、ベンジル、フェネチル又はフェニル、殊にメチル、エチル、プロピル又はシアンエチルを表すか、又は
NR10はピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノ、殊にピロリジノ又はピペリジノを表し、
かつ
MはPd、Fe、Zn、Cu、Ni又はCoを表し、
ここで、
プロピル基又はブチル基は分枝鎖であってもよい、請求項11記載の金属錯体。
【請求項13】
ライトワンス型光学データ記録媒体の情報層における吸光性化合物としての請求項1記載の金属錯体の使用。
【請求項14】
光学データ記録媒体が殊に360〜460nmの範囲内の波長を有する青色レーザー光を用いて書き込み及び読み出し可能である、請求項13記載の使用。
【請求項15】
光学データ記録媒体が殊に600〜700nmの範囲内の波長を有する赤色レーザー光を用いて書き込み及び読み出し可能である、請求項13記載の使用。
【請求項16】
式(Ib)
【化8】

[式中、
Dは5員の準芳香族複素環式基を表し、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル、又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し、
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表し、
ここで、
xが1を表し、かつRが場合により置換されたC〜C10−アリールを表す場合には、Dは場合により置換されたチアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル又は1,3,4−トリアゾール−2−イルを表してはならない]
のアゾ化合物。
【請求項17】
フッ素原子を有していない、請求項16記載のアゾ化合物。
【請求項18】
式(Ib)において、
Dは式
【化9】

の基を表し、
は水素、場合により置換されたC〜C−アルキル又は場合により置換されたC〜C12−アラルキルを表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル、又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペラジノを表し、
は水素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表し、
は及びRは互いに無関係にシアノ、C〜C−アルコキシカルボニル又は−C(=NH)−C〜C−アルキルを表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたピリジル、C〜C−アルキルチオ、C〜C10−アラルキルチオ、場合により置換されたC〜C10−アリールチオ、C〜C−アルキルスルホニル、C〜C10−アラルキルスルホニル又は場合により置換されたC〜C10−アリールスルホニルを表し、
及びR10は互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、場合により置換されたC〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NR10は互いに無関係にピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表す、請求項16又は17記載のアゾ化合物。
【請求項19】
請求項1から12までのいずれか1項記載の金属錯体の製造法において、金属塩を式(Ib)
【化10】

[式中、
Dは5員の準芳香族複素環式基を表し、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル、又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し、
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表し、
ここで、
xが1を表し、かつRが場合により置換されたC〜C10−アリールを表す場合には、Dは場合により置換されたチアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル又は1,3,4−トリアゾール−2−イルを表してはならない]
のアゾ化合物と反応させることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の金属錯体の製造法。
【請求項20】
式(VII)
【化11】

[式中、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し、
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表す]
のカップリング成分。
【請求項21】
式(VII)のカップリング成分の製造法において、式(VIII)
【化12】

[式中、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し、
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表す]
のm−フェニレンジアミンを式(IX)
【化13】

[式中、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
かつ
Zはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す]
のスルホン酸ハロゲン化物又はスルフィン酸ハロゲン化物と反応させることを特徴とする、式(VII)のカップリング成分の製造法。
【請求項22】
請求項1記載の金属錯体の溶液において、前記溶液が前記金属錯体を少なくとも1質量%含有し、かつ、溶剤として2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、ジブチルエーテル、ヘプタノン又はこれらの混合物が使用されていることを特徴とする、請求項1記載の金属錯体の溶液。
【請求項23】
溶剤として、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール又はこれらの混合物が使用されている、請求項22記載の金属錯体の溶液。
【請求項24】
溶剤として、プロパノール/ジアセトンアルコール又はブタノール/ジアセトンアルコールからの混合物が80:20〜99:1の混合比で使用されている、請求項22又は23記載の金属錯体の溶液。
【請求項25】
有利に透明な、場合により既に1つ以上の反射層で被覆された基板を有し、前記の基板の表面上に光により書き込み可能な情報層、場合により1つ以上の反射層及び場合により保護層又はもう1つの基板又はカバー層が設けられており、青色光又は赤色光、有利にレーザー光により書き込み及び読み出しが可能であり、前記の情報層は吸光性化合物及び場合によりバインダーを含有する光学データ記録媒体において、吸光性化合物として、請求項1から11までのいずれか1項記載の少なくとも1種の金属錯体が使用されていることを特徴とする、光学データ記録媒体。
【請求項26】
吸光性化合物が式(Ia)
【化14】

[式中、
式(I)は請求項1に記載された意味を有し、
かつ
Mは金属を表す]
に相当する、請求項25記載の光学データ記録媒体。
【請求項27】
金属Mが、二価の金属、遷移金属又は希土類元素、殊にMg、Ca、Sr、Ba、Cu、Ni、Co、Fe、Zn、Pd、Pt、Ru、Rh、Os又はSmを表す、請求項25又は26記載の光学データ記録媒体。
【請求項28】
吸光性化合物として、式(I)
【化15】

[式中、
Dは5員の準芳香族複素環式基を表し、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル、又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し、
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表し、
ここで、
xが1を表し、かつRが場合により置換されたC〜C10−アリールを表す場合には、Dは場合により置換されたチアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル又は1,3,4−トリアゾール−2−イルを表してはならない]
のリガンドを少なくとも1つ有する金属錯体が使用されている、請求項25又は26記載の光学データ記録媒体。
【請求項29】
吸光性化合物として、式(IIa)〜(IIc)又は(IIIa)〜(IIIc)
【化16】

【化17】

【化18】

[式中、
はメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、メトキシエチル又はベンジル、殊にメチル又はエチルを表し、
はフェニル、トリル、アニシル、クロロフェニル、シアンフェニル、ニトロフェニル、ジシアンフェニル、ジニトロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、3−トリフルオロメチル−2−ピリジル、又は5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、5−シアノ−2−ピリジル、テトラクロロ−2−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−2−イル、2−クロロ−3−ピリジル又は4−クロロ−3−ピリジル、6−メトキシ−3−ピリジル、5−メチル−3−ピリジル、テトラフルオロ−4−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル、テトラブロモ−4−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−4−イル、ピリミド−3−イル、殊にフェニル、トリル、クロロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル又はピリミド−3−イルを表すか、
又は、
はフェニル、トリル、アニシル、クロロフェニル、シアンフェニル、ニトロフェニル、ジシアンフェニル、ジニトロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−6−イル、2−メチル−ベンゾチアゾール−6−イル、2−アセトアミノ−ベンゾチアゾール−6−イル、ベンゾイミダゾール−6−イル、ベンゾオキサゾール−6−イル、ベンゾオキサゾール−5−イル、2−フェニル−ベンゾオキサゾール−6−イル、2−メチル−ベンゾオキサゾール−5−イル、チオフェン−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、3−トリフルオロメチル−2−ピリジル又は5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、5−シアノ−2−ピリジル、テトラクロロ−2−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−2−イル、2−クロロ−3−ピリジル又は4−クロロ−3−ピリジル、6−メトキシ−3−ピリジル、5−メチル−3−ピリジル、テトラフルオロ−4−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル、テトラブロモ−4−ピリジル、ピリジン−N−オキシド−4−イル、ピリミド−3−イル、殊にフェニル、トリル、クロロフェニル、スチリル、ベンゾチアゾール−2−イル、2−メチル−ベンゾチアゾール−6−イル、2−アセトアミノ−ベンゾチアゾール−6−イル、チオフェン−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル、5−ニトロ−2−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、テトラクロロ−4−ピリジル又はピリミド−3−イルを表し、
及びRは互いに無関係にメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、クロロエチル、メトキシエチル、ベンジル、フェネチル又はフェニル、殊にメチル、エチル、シアンエチル、ベンジル又はフェニルを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノ、殊にピロリジノ又はピペリジノを表し、
は水素を表すか、又は
;Rは−CHCH−又は−CHCHCH−架橋を表し、
はフェニル、ピリジル、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ベンジルチオ、メチルスルホニル、ベンジルスルホニル又はフェニルスルホニル、殊にフェニル、ピリジル又はフェニルスルホニルを表し、
及びR10は互いに無関係にメチル、エチル、プロピル、ブチル、シアンエチル、クロロエチル、メトキシエチル、ベンジル、フェネチル又はフェニル、殊にメチル、エチル、プロピル又はシアンエチルを表すか、又は
NR10はピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノ、殊にピロリジノ又はピペリジノを表し、
かつ
MはPd、Fe、Zn、Cu、Ni又はCoを表し、
ここで、
プロピル基又はブチル基は分枝鎖であってもよい]
の金属錯体が使用されている、請求項25から28までのいずれか1項記載の光学データ記録媒体。
【請求項30】
請求項25記載の光学データ記録媒体の製造法において、有利に透明な、場合により既に反射層で被覆された基板を、請求項1記載の金属錯体で、場合により適当なバインダー及び添加剤及び場合により適当な溶剤と組み合わせて被覆し、かつ場合により反射層、他の中間層及び場合により保護層又はもう1つの基板又はカバー層を備えることを特徴とする、請求項25記載の光学データ記録媒体の製造法。
【請求項31】
金属錯体を用いた被覆のために、請求項22記載の溶液を使用する、請求項30記載の光学データ記録媒体の製造法。
【請求項32】
青色光又は赤色光、殊に赤色光、殊に赤色レーザー光で書き込まれた、請求項25記載の光学データ記録媒体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属錯体において、式(I)
【化1】

[式中、
Dは5員の準芳香族複素環式基を表し、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル、又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表し、
ここで、
xが1を表し、かつRが場合により置換されたC〜C10−アリールを表す場合には、Dは場合により置換されたチアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル又は1,3,4−トリアゾール−2−イルを表してはならない]
のリガンドを少なくとも1つ有することを特徴とする金属錯体。
【請求項2】
ライトワンス型光学データ記録媒体の情報層における吸光性化合物としての請求項1記載の金属錯体の使用。
【請求項3】
式(Ib)
【化2】

[式中、
Dは5員の準芳香族複素環式基を表し、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル、又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し、
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表し、
ここで、
xが1を表し、かつRが場合により置換されたC〜C10−アリールを表す場合には、Dは場合により置換されたチアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル又は1,3,4−トリアゾール−2−イルを表してはならない]
のアゾ化合物。
【請求項4】
請求項1記載の金属錯体の製造法において、金属塩を式(Ib)
【化3】

[式中、
Dは5員の準芳香族複素環式基を表し、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール、場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル、又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し、
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表し、
ここで、
xが1を表し、かつRが場合により置換されたC〜C10−アリールを表す場合には、Dは場合により置換されたチアゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル又は1,3,4−トリアゾール−2−イルを表してはならない]
のアゾ化合物と反応させることを特徴とする、請求項1記載の金属錯体の製造法。
【請求項5】
式(VII)
【化4】

[式中、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し、
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表す]
のカップリング成分。
【請求項6】
式(VII)のカップリング成分の製造法において、式(VIII)
【化5】

[式中、
及びRは互いに無関係に場合により置換されたC〜C−アルキル、C〜C10−アラルキル又は場合により置換されたC〜C10−アリールを表すか、又は
NRはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ又はN−C〜C−アルキル−ピペリジノを表し、
は水素、塩素、メチル又はメトキシを表すか、又は
;Rは一緒になって−(CH−、−(CH−又は−(CH−O−架橋を表す]
のm−フェニレンジアミンを式(IX)
【化6】

[式中、
xは0又は1を表し、
は場合により置換されたC〜C10−アリール−ビニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−エチニル、場合により置換されたC〜C10−アリール−ブタジエニル又は場合により置換された5員又は6員の芳香族又は準芳香族複素環式基を表し、
かつ
Zはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す]
のスルホン酸ハロゲン化物又はスルフィン酸ハロゲン化物と反応させることを特徴とする、式(VII)のカップリング成分の製造法。
【請求項7】
請求項1記載の金属錯体の溶液において、前記溶液が前記金属錯体を少なくとも1質量%含有し、かつ、溶剤として2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、ジブチルエーテル、ヘプタノン又はこれらの混合物が使用されていることを特徴とする、請求項1記載の金属錯体の溶液。
【請求項8】
有利に透明な、場合により既に1つ以上の反射層で被覆された基板を有し、前記の基板の表面上に光により書き込み可能な情報層、場合により1つ以上の反射層及び場合により保護層又はもう1つの基板又はカバー層が設けられており、青色光又は赤色光、有利にレーザー光により書き込み及び読み出しが可能であり、前記の情報層は吸光性化合物及び場合によりバインダーを含有する光学データ記録媒体において、吸光性化合物として、請求項1記載の少なくとも1種の金属錯体が使用されていることを特徴とする、光学データ記録媒体。
【請求項9】
請求項記載の光学データ記録媒体の製造法において、有利に透明な、場合により既に反射層で被覆された基板を、請求項1記載の金属錯体で、場合により適当なバインダー及び添加剤及び場合により適当な溶剤と組み合わせて被覆し、かつ場合により反射層、他の中間層及び場合により保護層又はもう1つの基板又はカバー層を備えることを特徴とする、請求項記載の光学データ記録媒体の製造法。
【請求項10】
青色光又は赤色光、殊に赤色光、殊に赤色レーザー光で書き込まれた、請求項記載の光学データ記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−518718(P2006−518718A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501682(P2006−501682)
【出願日】平成16年1月31日(2004.1.31)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000879
【国際公開番号】WO2004/072087
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(504419760)ランクセス ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (58)
【氏名又は名称原語表記】Lanxess Deutschland GmbH
【住所又は居所原語表記】D−51369 Leverkusen、 Germany
【Fターム(参考)】