説明

光学式位置検出装置

【課題】測定頻度を高めることに伴って対象物体の位置検出精度を高めることのできる光
学式位置検出装置を提供すること。
【解決手段】光学式位置検出装置10において、検出用光源12が検出光L2を出射した
際に対象物体Obで反射した検出光を光検出器30で検出して対象物体Obの座標を検出
する。検出空間10Rからみたときに、光検出器30の周りで周方向で並ぶ第1検出用光
源12A、第2検出用光源12B、第3検出用光源12Cおよび第4検出用光源12Dは
、光検出器30からの距離が相違している。また、第1検出用光源12Aと第2検出用光
源12Bとを結ぶ線と、第3検出用光源12Cと第4検出用光源12Dとを結ぶ線とが非
平行で、第1検出用光源12Aと第4検出用光源12Dとを結ぶ線と、第2検出用光源1
2Bと第3検出用光源12Cとを結ぶ線とが非平行である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置としては、例えば、図10(a)に示
すように、4つの検出用光源12(第1検出用光源12A〜第4検出用光源12D)の各
々から透光部材40を介して対象物体Obに向けて検出光L2(検出光L2a〜L2d)
を出射し、対象物体Obで反射した検出光L3が透光部材40を透過して光検出器30で
検出されるものが提案されている。また、光検出器30を1つ配置する場合、検出光L2
の出射側空間としての検出空間10Rからみたとき、図10(b)に示すように、4つの
検出用光源12が光検出器30を中心にして等距離かつ等角度間隔に配置された構成が提
案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような構成の光学式位置検出装置では、例えば、光検出器30での検出結果に基づ
いて、検出用光源12A、12Bと検出用光源12C、12Dとを差動させ、検出用光源
12A、12Dと検出用光源12B、12Cとを差動させれば、対象物体ObのX座標お
よびY座標を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−534554号公報の図10
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、差動により得られる情報が2つであり、
検出精度を高めることができないという問題点がある。ここに本発明者は、差動により多
数の情報を得、それらを合成して対象物体Obの位置を検出することを提案する。例えば
、光検出器30での検出結果に基づいて、第1検出用光源12Aと第3検出用光源12C
とを差動させれば、第1検出用光源12Aと対象物体Obとの距離と、第3検出用光源1
2Cと対象物体Obとの距離の比がわかる。また、光検出器30での検出結果に基づいて
、第2検出用光源12Bと第4検出用光源12Dとを差動させれば、第2検出用光源12
Bと対象物体Obとの距離と、第4検出用光源12Dと対象物体Obとの距離の比がわか
る。従って、図10(b)に示すように、第1検出用光源12Aと第3検出用光源12C
とを結ぶ仮想線Q11を比で分割した位置を通る等比線R11と、第2検出用光源12B
と第4検出用光源12Dとを結ぶ仮想線Q12を比で分割した位置を通る等比線R12と
が交差する位置を求めれば、対象物体ObのX座標およびY座標を検出することができる

【0006】
さらに、第1検出用光源12Aと第2検出用光源12Bとを差動させれば、仮想線Q1
3を所定の比で分割した位置を通る等比線R13を求めることができ、第2検出用光源1
2Bと第3検出用光源12Cとを差動させれば、仮想線Q14を所定の比で分割した位置
を通る等比線R14を求めることができる。また、第3検出用光源12Cと第4検出用光
源12Dとを差動させれば、仮想線Q15を所定の比で分割した位置を通る等比線R15
を求めることができ、第1検出用光源12Aと第4検出用光源12Dとを差動させれば、
仮想線Q16を所定の比で分割した位置を通る等比線R16を求めることができる。それ
故、対象物体Obの位置を特定するための情報量が増えるため、それらを平均する等の手
法を用いれば、対象物体Obの位置検出精度を高めることができることになる。
【0007】
しかしながら、4つの検出用光源12を光検出器30を中心にして等距離かつ等角度間
隔に配置すると、第1検出用光源12Aと第3検出用光源12Cとの差動、および第2検
出用光源12Bと第4検出用光源12Dとの差動の中心が重なってしまい、光検出器30
が位置する個所に測定の中心が重複する。このため、光検出器30から離間した位置での
検出精度を十分に高めることができないという問題点がある。
【0008】
また、4つの検出用光源12を光検出器30を中心にして等距離かつ等角度間隔に配置
すると、第1検出用光源12Aと第2検出用光源12Bとを結んだ仮想線Q13と、第3
検出用光源12Cと第4検出用光源12Dとを結んだ仮想線Q13とは平行である。この
ため、第1検出用光源12Aと第2検出用光源12Bとを差動させ、第3検出用光源12
Cと第4検出用光源12Dとを差動させても、互いに同一方向における対象物体Obの位
置情報を得ているにすぎない。また、第2検出用光源12Bと第4検出用光源12Dとを
結んだ仮想線Q14と、第1検出用光源12Aと第4検出用光源12Dとを結んだ仮想線
Q16とは平行である。このため、第2検出用光源12Bと第4検出用光源12Dとを差
動させ、第1検出用光源12Aと第4検出用光源12Dとを差動させても、互いに同一方
向における対象物体Obの位置情報を得ているにすぎない。このため、測定頻度を増大さ
せても重複した測定を行なっていることになるため、検出精度を十分に高めることができ
ないという問題点がある。
【0009】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、測定頻度を高めることに伴って対象物体の位
置検出精度を高めることのできる光学式位置検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、対象物体の位置を検出するための検出光を出射
する4つ以上の検出用光源を備えた光学式位置検出装置であって、前記検出光の出射側空
間に位置する前記対象物体で反射した前記検出光を受光する光検出器と、前記4つ以上の
検出用光源を順次点灯させる光源駆動部と、前記光検出器の受光結果に基づいて前記対象
物体の位置を検出する位置検出部と、を有し、前記出射側空間からみたときに、前記4つ
以上の検出用光源のうち、前記光検出器の周りで周方向で並ぶ第1検出用光源、第2検出
用光源、第3検出用光源および第4検出用光源は、前記光検出器からの距離が相違してい
ることを特徴とする。すなわち、第1検出用光源、第2検出用光源、第3検出用光源およ
び第4検出用光源のうち、少なくとも1つ検出用光源は、他の検出用光源と、前記光検出
器からの距離が相違していることを特徴とする。
【0011】
本発明では、光源駆動部は、4つ以上の検出用光源を順次点灯させ、その間、光検出器
は、対象物体で反射した検出光を受光する。従って、光検出器での検出結果を直接、ある
いは光検出器を介して2つの検出用光源を差動させたときの駆動電流を用いれば、位置検
出部は、対象物体の位置を検出することができる。ここで、出射側空間からみたときに、
4つ以上の検出用光源のうち、光検出器の周りで周方向で並ぶ第1検出用光源、第2検出
用光源、第3検出用光源および第4検出用光源は、光検出器からの距離が相違している。
このため、第1検出用光源と第3検出用光源との差動、および第2検出用光源と第4検出
用光源との差動の中心がずれているので、広い範囲にわたって高い検出精度を得ることが
できる。また、第1検出用光源、第2検出用光源、第3検出用光源および第4検出用光源
から出射された検出光を用いて測定を行なった際、重複した方向の測定を回避することが
できる。それ故、測定頻度を高めた分だけ、対象物体の位置検出精度を高めることができ
る。
【0012】
本発明において、前記出射側空間からみたときに、前記第1検出用光源、前記第2検出
用光源、前記第3検出用光源および前記第4検出用光源は、前記光検出器からの距離が全
て相違していることが好ましい。このように構成すると、第1検出用光源と第3検出用光
源との差動、および第2検出用光源と第4検出用光源との差動の中心がずれているので、
広い範囲にわたって高い検出精度を得ることができる。また、測定頻度を増大させても重
複した測定を行なうことを確実に回避することができる。それ故、測定頻度を高めた分だ
け、対象物体の位置検出精度を高めることができる。
【0013】
本発明においては、前記出射側空間からみたときに、前記第1検出用光源と前記第2検
出用光源とを結ぶ仮想線と、前記第3検出用光源と前記第4検出用光源とを結ぶ仮想線と
は、非平行であることが好ましい。このように構成すると、第1検出用光源と第2検出用
光源とを用いて対象物体の位置を検出した方向と、第3検出用光源と第4検出用光源とを
用いて対象物体の位置を検出した方向とが相違する。従って、重複した測定を行なうこと
を回避することができるので、測定頻度を高めた分だけ、対象物体の位置検出精度を高め
ることができる。
【0014】
本発明においては、さらに、前記出射側空間からみたときに、前記第1検出用光源と前
記第4検出用光源とを結ぶ仮想線と、前記第2検出用光源と前記第3検出用光源とを結ぶ
仮想線とは、非平行であることが好ましい。このように構成すると、第1検出用光源と第
4検出用光源とを用いて対象物体の位置を検出した方向と、第2検出用光源と第3検出用
光源とを用いて対象物体の位置を検出した方向とが相違する。従って、重複した測定を行
なうことを回避することができるので、測定頻度を高めた分だけ、対象物体の位置検出精
度を高めることができる。
【0015】
本発明において、前記出射側空間からみたときに、前記第1検出用光源、前記第2検出
用光源、前記第3検出用光源および前記第4検出用光源は、前記光検出器を中心に等角度
間隔に配置されている構成を採用することができる。
【0016】
本発明において、前記出射側空間からみたときに、前記第1検出用光源、前記第2検出
用光源、前記第3検出用光源および前記第4検出用光源は、前記光検出器を中心に不等の
角度間隔に配置されている構成を採用してもよい。すなわち、第1検出用光源、第2検出
用光源、第3検出用光源および第4検出用光源において隣り合う2つの検出用光源がなす
4つの角度のうち、少なくとも1つの角度が他の角度と相違していることを特徴とする。
【0017】
本発明において、前記位置検出部は、前記光検出器の受光結果に基づいて、前記第1検
出用光源、前記第2検出用光源、前記第3検出用光源および前記第4検出用光源のうち、
一部の検出用光源と他の一部の検出用光源とを差動させた結果により前記対象物体の位置
を検出することが好ましい。このような差動を用いれば、環境光等の影響を自動的に補正
することができる。
【0018】
本発明において、前記出射側空間を介さずに前記光検出器に入射する参照光を出射する
参照用光源を備え、前記位置検出部は、前記光検出器の受光結果に基づいて、前記第1検
出用光源、前記第2検出用光源、前記第3検出用光源および前記第4検出用光源のうち、
一部の検出用光源と前記参照用光源とを組み合わせを変えて差動させた複数の結果により
前記対象物体の位置を検出する構成を採用してもよい。このような差動を用いれば、環境
光等の影響を自動的に補正することができる。
【0019】
本発明において、前記位置検出部は、前記4つ以上の検出用光源の全てが同時、あるい
は順次点灯したときの前記光検出器での受光結果に基づいて前記検出光の出射方向におけ
る前記対象物体の位置を検出する構成を採用してもよい。
【0020】
本発明において、前記検出光は赤外光であることが好ましい。かかる構成によれば、検
出光が視認されないので、表示装置に適用した場合でも表示を妨げない等、光学式位置検
出装置を各種機器に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置で用いた座標検出の基本原理を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において差動により求めた複数の結果から対象物体のX座標およびY座標を特定する方法を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において、参照光と検出光との差動を利用して対象物体の位置を検出する原理を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において、位置検出部で行なわれる処理内容等を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置において差動により求めた複数の結果から対象物体のX座標およびY座標を特定する方法を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置をハンド装置に設けたロボットアームの説明図である。
【図10】従来の光学式位置検出装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説
明においては、互いに交差する軸をX軸、Y軸およびZ軸とし、検出光の出射方向をZ軸
方向として説明する。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、
他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側として示してある
。また、以下の説明では、図10に示す構成との対応がわかりやすいように、対応する構
成要素については同一の符号を付して説明する。
【0023】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明
図であり、図1(a)、(b)は、光学式位置検出装置の構成要素の立体的な配置を示す
説明図、および光学式位置検出装置の構成要素の平面的な配置を示す説明図である。図2
は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の全体構成を示す説明図である。
【0024】
図1および図2において、本形態の光学式位置検出装置10は、ロボットハンド装置で
の触覚センサー等として利用される光学装置であり、Z軸方向の一方側Z1に向けて検出
光L2を出射する複数の検出用光源12を備えた光源装置11と、対象物体Obで反射し
た検出光L3を検出する光検出器30とを備えている。また、光学式位置検出装置10は
、シート状あるいは板状の透光部材40を有している場合があり、この場合、透光部材4
0の第1面41側に位置する対象物体Obの位置を検出する。従って、検出用光源12は
、透光部材40において第1面41側とは反対側の第2面42側から第1面41側に検出
光L2を出射し、光検出器30は、対象物体Obで反射して透光部材40の第2面42側
に透過してきた検出光L3を検出する。このため、光検出器30の受光部31は、透光部
材40の第2面42に対向している。
【0025】
本形態において、光源装置11は、複数の検出用光源12として、4つ以上の検出用光
源を備えており、本形態において、検出用光源12の数は4つである。より具体的には、
光源装置11は、複数の検出用光源12として、第1検出用光源12A、第2検出用光源
12B、第3検出用光源12Cおよび第4検出用光源12Dを備えており、これらの検出
用光源12はいずれも、発光部120a〜120dを透光部材40に向けている。従って
、検出用光源12から出射された検出光L2は、透光部材40を透過して、第1面41側
(光源装置11からの検出光L2の出射側空間)に出射され、本形態では、かかる出射側
空間(第1面41側の空間)によって、対象物体Obの位置が検出される検出空間10R
が構成されている。
【0026】
第1検出用光源12A、第2検出用光源12B、第3検出用光源12Cおよび第4検出
用光源12Dは、検出空間10R(Z軸方向)からみたとき、光検出器30の中心光軸の
周りにこの順に配置されている。
【0027】
また、第1検出用光源12A、第2検出用光源12B、第3検出用光源12Cおよび第
4検出用光源12Dは、光検出器30を中心に等角度間隔に配置されている。すなわち、
光検出器30と第1検出用光源12A、第2検出用光源12B、第3検出用光源12Cお
よび第4検出用光源12Dとを各々直線で結んだときの中心角を以下
ΘAB=第1検出用光源12A、光検出器30、第2検出用光源12Bが成す角度
ΘBC=第2検出用光源12B、光検出器30、第3検出用光源12Cが成す角度
ΘCD=第3検出用光源12C、光検出器30、第4検出用光源12Dが成す角度
ΘAD=第1検出用光源12A、光検出器30、第4検出用光源12Dが成す角度
にように定義したとき、角度ΘAB、ΘBC、ΘCD、ΘADは以下の関係
ΘAB=ΘBC=ΘCD=ΘAD=90°
に設定されている。
【0028】
ここで、第1検出用光源12A、第2検出用光源12B、第3検出用光源12Cおよび
第4検出用光源12Dは、検出空間10R(Z軸方向)からみたとき、第1検出用光源1
2Aと光検出器30との距離、第2検出用光源12Bと光検出器30との距離、第3検出
用光源12Cと光検出器30との距離、および第4検出用光源12Dと光検出器30との
距離は相違している。
【0029】
より具体的には、第1検出用光源12Aと光検出器30との距離、第2検出用光源12
Bと光検出器30との距離、第3検出用光源12Cと光検出器30との距離、および第4
検出用光源12Dと光検出器30との距離を各々、r1、r2、r3、r4としたとき、距離
1、r2、r3、r4は、以下の条件
4<r1<r2<r3
に設定されている。
【0030】
また、第1検出用光源12Aと第2検出用光源12Bとを結ぶ仮想線と、第3検出用光
源12Cと第4検出用光源12Dとを結ぶ仮想線とは、非平行であり、第1検出用光源1
2Aと第4検出用光源12Dとを結ぶ仮想線と、第2検出用光源12Bと第3検出用光源
12Cとを結ぶ仮想線とは、非平行である。
【0031】
本形態において、検出用光源12はいずれも、LED(発光ダイオード)等の発光素子
により構成され、本形態において、検出用光源12はいずれも、ピーク波長が840〜1
000nmに位置する赤外光からなる検出光L2(検出光L2a〜L2d)を発散光とし
て放出する。
【0032】
また、光源装置11は、光検出器30に発光部120rを向けた参照用光源12Rも備
えている。参照用光源12Rも、検出用光源12と同様、LED(発光ダイオード)等に
より構成され、参照用光源12Rは、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外
光からなる参照光Lrを発散光として放出する。但し、参照用光源12Rから出射される
参照光Lrは、参照用光源12Rの向きや、参照用光源12Rに設けられる遮光カバー(
図示せず)等によって、透光部材40の第1面41側(検出空間10R)に入射せず、検
出空間10Rを介さずに光検出器30に入射するようになっている。
【0033】
光検出器30は、透光部材40に受光部31を向けたフォトダイオードやフォトトラン
ジスター等からなり、本形態において、光検出器30は赤外域の感度ピークを備えたフォ
トダイオードである。
【0034】
(位置検出部等の構成)
図2に示すように、光源装置11は複数の検出用光源12を駆動する光源駆動部14を
備えている。光源駆動部14は、検出用光源12および参照用光源12Rを駆動する光源
駆動回路140と、光源駆動回路140を介して複数の検出用光源12および参照用光源
12Rの各々の点灯パターンを制御する光源制御部145とを備えている。光源駆動回路
140は、第1検出用光源12A〜第4検出用光源12Dを駆動する光源駆動回路140
a〜140dと、参照用光源12Rを駆動する光源駆動回路140rとを備えている。光
源制御部145は、光源駆動回路140a〜140d、140rの全てを制御する。
【0035】
光検出器30には位置検出部50が電気的に接続されており、光検出器30での検出結
果は位置検出部50に出力される。位置検出部50は、光検出器30での検出結果に基づ
いて対象物体Obの位置を検出するための信号処理部55を備えており、かかる信号処理
部55は、増幅器や比較器等を備えている。また、位置検出部50は、対象物体ObのX
座標を検出するX座標検出部51と、対象物体ObのY座標を検出するY座標検出部52
と、対象物体ObのZ座標を検出するZ座標検出部53とを備えている。このように構成
した位置検出部50と光源駆動部14とは連動して動作し、後述する位置検出を行なう。
【0036】
(差動を利用した座標検出の原理)
図3は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10で用いた座標検出の基本
原理を示す説明図であり、図3(a)、(b)は、対象物体Obの位置と光検出器30で
の受光強度との関係を模式的に示す説明図、および検出器30での受光強度が等しくなる
ように検出光L2の出射強度を調整する様子を模式的に示す説明図である。図4は、本発
明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において差動により求めた複数の結果か
ら対象物体ObのX座標およびY座標を特定する方法を示す説明図である。
【0037】
本形態の光学式位置検出装置10では、図3〜図5を参照して以下に説明するように、
位置検出部50は、検出用光源12同士の差動、あるいは検出用光源12と参照用光源1
2Rとの差動により、2つの検出用光源12のうちの一方の検出用光源12と対象物体O
bとの距離と、他方の検出用光源12と対象物体Obとの距離の比を求め、かかる比に基
づいて、対象物体Obの位置を検出する。
【0038】
本形態の光学式位置検出装置10において、透光部材40の第1面41側(光源装置1
1からの検出光L2の出射側の空間)には検出空間10Rが設定されている。また、2つ
の検出用光源12、例えば、第1検出用光源12Aと第3検出用光源12CはX軸方向お
よびY軸方向で離間している。このため、第1検出用光源12Aが点灯して検出光L2a
を出射すると、検出光L2aは、図3(a)に示すように、一方側から他方側に向けて強
度が単調減少する第1光強度分布L2Gaを形成する。また、第3検出用光源12Cが点
灯して検出光L2cを出射すると、検出光L2cは、透光部材40を透過して第1面41
側(検出空間10R)に、一方側から他方側に向けて強度が単調増加する第2光強度分布
L2Gcを形成する。
【0039】
このような検出光L2a、L2cの差動を利用して対象物体Obの位置情報を得るには
、図3(a)に示すように、まず、第1検出用光源12Aを点灯させる一方、第3検出用
光源12Cを消灯させ、一方側から他方側に向かって強度が単調減少していく第1光強度
分布L2Gaを形成する。また、第1検出用光源12Aを消灯させる一方、第3検出用光
源12Cを点灯させ、一方側から他方側に向かって強度が単調増加していく第2光強度分
布L2Gcを形成する。従って、検出空間10Rに対象物体Obが配置されると、対象物
体Obにより検出光L2が反射され、その反射光の一部が光検出器30により検出される
。その際、対象物体Obでの反射強度は、対象物体Obが位置する個所での検出光L2の
強度に比例し、光検出器30での受光強度は対象物体Obでの反射強度に比例する。従っ
て、光検出器30での受光強度は、対象物体Obの位置に対応する値となる。それ故、図
3(b)に示すように、第1光強度分布L2Gaを形成した際の光検出器30での検出値
LGaと、第2光強度分布L2Gcを形成した際の光検出器30での検出値LGcとが等
しくなるように、第1検出用光源12Aに対する制御量(駆動電流)を調整した際の駆動
電流と、第3検出用光源12Cに対する制御量(駆動電流)を調整した際の駆動電流との
比や調整量の比等を用いれば、XY平面内において対象物体Obが第1検出用光源12A
と第3検出用光源12Cとの間のいずれの位置に存在するかを検出できることになる。
【0040】
かかるモデルを数理的に説明する。まず、各パラメータを以下
T=対象物体Obの反射率
t=第1検出用光源12Aから出射された検出光L2が対象物体Obで反射して
光検出器30に到る距離関数
A=検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態で第1検出用光源12Aが
点灯したときの光検出器30の検出強度
t=第3検出用光源12Cから出射された検出光L2が対象物体Obで反射して
光検出器30に到る距離関数
C=検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態で第3検出用光源12Cが
点灯したときの光検出器30の検出強度
とする。なお、第1検出用光源12Aおよび第3検出用光源12Cの発光強度は、駆動電
流と発光係数との積で表されるが、以下の説明では、発光係数を1とする。また、上記の
差動において、光検出器30での受光強度が等しくなったときの第1検出用光源12Aに
対する駆動電流をIAとし、第3検出用光源12Cに対する駆動電流をICとする。
【0041】
また、検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態で、前記した差動を行なうと、
A=T×At×IA+環境光 ・・式(1)
C=T×Ct×IC+環境光 ・・式(2)
の関係が得られる。
【0042】
ここで、差動の際の光検出器30の検出強度は等しいことから、式(1)、(2)から
下式
T×At×IA+環境光=T×Ct×IC+環境光
T×At×IA=T×Ct×IC・・式(3)
が導かれる。
【0043】
また、距離関数At、Ctの比PACは、下式
AC=At/Ct・・式(4)
で定義されることから、式(3)、(4)から、比PAC
AC=IC/IA・・式(5)
で示すように表される。かかる式(5)では、環境光の項、対象物体Obの反射率の項が
存在しない。それ故、距離関数At、Ctの比PACには、環境光、対象物体Obの反射率が
影響しない。なお、上記の数理モデルについては、対象物体Obで反射せずに入射した検
出光L2の影響等を相殺するための補正を行なってもよい。
【0044】
ここで、検出用光源12は点光源であり、ある地点での光強度は、光源からの距離の2
乗に反比例する。従って、第1検出用光源12Aと対象物体Obとの離間距離P1と、第
3検出用光源12Cと対象物体Obとの離間距離P2との比は、下式
AC=(P1)2:(P2)2
により求められる。それ故、対象物体Obは、図4に示すように、検出用光源12Aと第
3検出用光源12Cとを結ぶ仮想線Q11をP1:P2で分割した位置を通る等比線R1
1上に対象物体Obが存在することがわかる。
【0045】
同様に、第2検出用光源12Bと第4検出用光源12Dとを差動させて、第2検出用光
源12Bと対象物体Obとの距離と、第4検出用光源12Dと対象物体Obとの距離の比
を求めれば、第2検出用光源12Bと第4検出用光源12Dとを結ぶ仮想線Q12を距離
の比で分割した位置を通る等比線R12上に対象物体Obが存在することがわかる。
【0046】
さらに、第1検出用光源12Aと第2検出用光源12Bとを差動させれば、第1検出用
光源12Aと第2検出用光源12Bとを結ぶ仮想線Q13を所定の比で分割した位置を通
る等比線R13を求めることができる。また、第2検出用光源12Bと第3検出用光源1
2Cとを差動させれば、第2検出用光源12Bと第3検出用光源12Cとを結ぶ仮想線Q
14を所定の比で分割した位置を通る等比線R14を求めることができる。また、第3検
出用光源12Cと第4検出用光源12Dとを差動させれば、第3検出用光源12Cと第4
検出用光源12Dとを結ぶ仮想線Q15を所定の比で分割した位置を通る等比線R15を
求めることができる。また、第1検出用光源12Aと第4検出用光源12Dとを差動させ
れば、第1検出用光源12Aと第4検出用光源12Dとを結ぶ仮想線Q16を所定の比で
分割した位置を通る等比線R16を求めることができる。なお、図4は、本形態で採用し
た原理を幾何学的に示したものであり、実際には、得られたデータを用いて計算を行う。
【0047】
かかる構成によれば、対象物体Obの位置を特定するための情報量が多いため、差動に
より得られた複数の結果全部を平均する等の手法を用いれば、対象物体Obの位置検出精
度を高めることができることになる。
【0048】
(参照光Lrと検出光L2との差動)
図5は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において、参照光Lrと
検出光L2との差動を利用して対象物体Obの位置を検出する原理を示す説明図であり、
図5(a)、(b)は、検出用光源12から対象物体Obまでの距離と検出光L2等の受
光強度との関係を示す説明図、および光源への駆動電流を調整した後の様子を示す説明図
である。
【0049】
本形態の光学式位置検出装置10においては、検出光L2aと検出光L2cとの直接的
な差動に代えて、検出光L2aと参照光Lrとの差動と、検出光L2cと参照光Lrとの
差動とを利用し、最終的に図3(a)、(b)を参照して説明した原理と同様な結果を導
く。ここで、検出光L2aと参照光Lrとの差動、および検出光L2cと参照光Lrとの
差動は、以下のようにして実行される。
【0050】
図5(a)に示すように、検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態においては、
第1検出用光源12Aから対象物体Obまで距離と、光検出器30での検出光L2aの受
光強度Daとは、実線SAで示すように単調に変化する。これに対して、参照用光源12
Rから出射された参照光Lrの光検出器30での検出強度は、実線SRで示すように、対
象物体Obの位置にかかわらず、一定である。従って、光検出器30での検出光L2aの
受光強度Daと、光検出器30での参照光Lrの検出強度Drとは、相違している。
【0051】
次に、図5(b)に示すように、第1検出用光源12Aに対する駆動電流、および参照
用光源12Rに対する駆動電流のうちの少なくとも一方を調整し、光検出器30での検出
光L2aの受光強度Daと、参照光Lrの光検出器30での検出強度Drとを一致させる。
このような差動は、参照光Lrと検出光L2aとの間で行なわれるとともに、参照光Lr
と検出光L2cとの間でも行なわれる。従って、光検出器30での検出光L2a、L2c
(対象物体Obで反射した検出光L3a、L3c)の検出結果と、光検出器30での参照
光Lrの検出結果とが等しくなった時点での第1検出用光源12Aに対する駆動電流と、
第3検出用光源12Cに対する駆動電流との比を求めることができる。それ故、第1検出
用光源12Aと第3検出用光源12Cとの間のいずれの位置に対象物体Obが存在するか
を検出できることになる。
【0052】
上記の検出原理を光路関数を用いて数理的に説明すると、以下のようになる。まず、各
パラメータを以下
T=対象物体Obの反射率
t=第1検出用光源12Aから出射された検出光L2が対象物体Obで反射して
光検出器30に到る距離関数
A=検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態で第1検出用光源12Aが
点灯したときの光検出器30の検出強度
t=第3検出用光源12Cから出射された検出光L2が対象物体Obで反射して
光検出器30に到る距離関数
C=検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態で第3検出用光源12Cが
点灯したときの光検出器30の検出強度
s=参照用光源12Rから光検出器30に到る光路係数
R=参照用光源12Rのみが点灯したときの光検出器30の検出強度
とする。なお、第1検出用光源12A、第3検出用光源12Cおよび参照用光源12Rの
発光強度は、駆動電流と発光係数との積で表されるが、以下の説明では、発光係数を1と
する。また、上記の差動において、光検出器30での受光強度が等しくなったときの第1
検出用光源12Aに対する駆動電流をIAとし、第3検出用光源12Cに対する駆動電流
をICとし、参照用光源12Rに対する駆動電流をIRとする。また、差動の際、参照用光
源12Rのみが点灯したときの光検出器30の検出強度については、第1検出用光源12
Aとの差動と、第3検出用光源12Cとの差動とにおいて同一と仮定する。
【0053】
検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態で、前記した差動を行なうと、
A=T×At×IA+環境光 ・・式(6)
C=T×Ct×IC+環境光 ・・式(7)
R=Rs×IR+環境光 ・・式(8)
の関係が得られる。
【0054】
ここで、差動の際の光検出器30の検出強度は等しいことから、式(6)、(8)から
下式
T×At×IA+環境光=Rs×IR+環境光
T×At×IA=Rs×IR
T×At=Rs×IR/IA・・式(9)
が導かれ、式(7)、(8)から下式
T×Ct×IC+環境光=Rs×IR+環境光
T×Ct×IC=Rs×IR
T×Ct=Rs×IR/IC・・式(10)
が導かれる。
【0055】
また、距離関数At、Ctの比PACは、下式
AC=At/Ct・・式(11)
で定義されることから、式(9)、(10)から、比PAC
AC=IC/IA・・式(12)
で示すように表される。かかる式(12)では、環境光の項、対象物体Obの反射率の項
が存在しない。それ故、距離関数At、Ctの比PACには、環境光、対象物体Obの反射率
が影響しない。なお、上記の数理モデルについては、対象物体Obで反射せずに入射した
検出光L2の影響等を相殺するための補正を行なってもよい。また、参照用光源12Rに
対する駆動電流IRについては、第1検出用光源12Aとの差動と、第3検出用光源12
Cとの差動とにおいて異なる値であっても、略同様な方法で比PACを求めることができる

【0056】
ここで、検出用光源12は点光源であり、ある地点での光強度は、光源からの距離の2
乗に反比例する。従って、第1検出用光源12Aと対象物体Obとの離間距離P1と、第
3検出用光源12Cと対象物体Obとの離間距離P2との比は、下式
AC=(P1)2:(P2)2
により求められる。それ故、対象物体Obは、図4に示すように、検出用光源12Aと第
3検出用光源12Cとを結ぶ仮想線Q11をP1:P2で分割した位置を通る等比線R1
1上に対象物体Obが存在することがわかる。
【0057】
そこで、本形態では、第1検出用光源12Aと参照用光源12Rとの差動、第2検出用
光源12Bと参照用光源12Rとの差動、第3検出用光源12Cと参照用光源12Rとの
差動、第4検出用光源12Dと参照用光源12Rとの差動を順次行い、各距離関数の比を
求める。従って、第1検出用光源12Aと対象物体Obとの離間距離、第2検出用光源1
2Bと対象物体Obとの離間距離、第3検出用光源12Cと対象物体Obとの離間距離、
および第4検出用光源12Dと対象物体Obとの離間距離の比がわかる。それ故、図4を
参照して説明した方法と同様な方法で対象物体ObのX座標およびY座標を検出すること
ができる。なお、図4は、本形態で採用した原理を幾何学的に示したものであり、実際に
は、得られたデータを用いて計算を行う。
【0058】
かかる構成によれば、対象物体Obの位置を特定するための情報量が多いため、差動に
より得られた複数の結果全部を平均する等の手法を用いれば、対象物体Obの位置検出精
度を高めることができることになる。
【0059】
(差動のための位置検出部50の構成例)
図6は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において、位置検出部5
0で行なわれる処理内容等を示す説明図である。
【0060】
上記の差動を実施するにあたっては、位置検出部50としてマイクロプロセッサーユニ
ット(MPU)を用い、これにより所定のソフトウェア(動作プログラム)を実行するこ
とに従って処理を行う構成を採用することができる。また、図6を参照して以下に説明す
るように、論理回路等のハードウェアを用いた信号処理部で処理を行う構成を採用するこ
ともできる。なお、図6には、図5を参照して説明した差動を示してあるが、参照用光源
12Rを第2検出用光源12Bに置き換えれば、図3を参照して説明した差動に適用する
ことができる。
【0061】
図6(a)に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、光源駆動回路1
40は、可変抵抗111を介して第1検出用光源12Aに所定電流値の駆動パルスを印加
する一方、可変抵抗112および反転回路113を介して参照用光源12Rに所定電流値
の駆動パルスを印加する。このため、第1検出用光源12Aと参照用光源12Rには逆相
の駆動パルスが印加されるので、第1検出用光源12Aと参照用光源12Rとは交互に点
灯することになる。そして、第1検出用光源12Aが点灯した時、検出光L2aのうち、
対象物体Obで反射した光は光検出器30で受光され、参照用光源12Rが点灯した時、
参照光Lrが光検出器30で受光される。光強度信号生成回路150において、光検出器
30には、1kΩ程度の抵抗30rが直列に電気的接続されており、それらの両端にはバ
イアス電圧Vbが印加されている。
【0062】
かかる光強度信号生成回路150において、光検出器30と抵抗30rとの接続点Q1
には、位置検出部50が電気的に接続されている。光検出器30と抵抗30rとの接続点
Q1から出力される検出信号Vcは、下式
Vc=V30/(V30+抵抗30rの抵抗値)
V30:光検出器30の等価抵抗
で表される。従って、環境光Lcが光検出器30に入射しない場合と、環境光Lcが光検
出器30に入射している場合とを比較すると、環境光Lcが光検出器30に入射している
場合には、検出信号Vcのレベルおよび振幅が大きくなる。
【0063】
位置検出部50は概ね、位置検出用信号抽出回路190、位置検出用信号分離回路17
0、および発光強度補償指令回路180を備えている。位置検出用信号抽出回路190は
、1nF程度のキャパシタからなるフィルター192を備えており、かかるフィルター1
92は、光検出器30と抵抗30rとの接続点Q1から出力された信号から直流成分を除
去するハイパスフィルターとして機能する。このため、フィルター192によって、光検
出器30と抵抗30rとの接続点Q1から出力された検出信号Vcからは、光検出器30
による位置検出信号Vdのみが抽出される。すなわち、検出光L2aおよび参照光Lrは
変調されているのに対して、環境光Lcはある期間内において強度が一定であると見なす
ことができるので、環境光Lcに起因する低周波成分あるいは直流成分はフィルター19
2によって除去される。
【0064】
また、位置検出用信号抽出回路190は、フィルター192の後段に、220kΩ程度
の帰還抵抗194を備えた加算回路193を有しており、フィルター192によって抽出
された位置検出信号Vdは、バイアス電圧Vbの1/2倍の電圧V/2に重畳された位置
検出信号Vsとして位置検出用信号分離回路170に出力される。
【0065】
位置検出用信号分離回路170は、第1検出用光源12Aに印加される駆動パルスに同
期してスイッチング動作を行なうスイッチ171と、比較器172と、比較器172の入
力線に各々、電気的接続されたキャパシタ173とを備えている。このため、位置検出信
号Vsが位置検出用信号分離回路170に入力されると、位置検出用信号分離回路170
から発光強度補償指令回路180には、第1検出用光源12Aが点灯した時の位置検出信
号Vsの実効値Veaと、参照用光源12Rが点灯した時の位置検出信号Vsの実効値V
ebとが交互に出力される。
【0066】
発光強度補償指令回路180は、実効値Vea、Vebを比較して、図6(b)に示す
処理を行ない、位置検出信号Vsの実効値Veaと位置検出信号Vsの実効値Vebとが
同一レベルとなるように光源駆動回路140に制御信号Vfを出力する。すなわち、発光
強度補償指令回路180は、位置検出信号Vsの実効値Veaと位置検出信号Vsの実効
値Vebとを比較して、それらが等しい場合、現状の駆動条件を維持させる。これに対し
て、位置検出信号Vsの実効値Veaが位置検出信号Vsの実効値Vebより低い場合、
発光強度補償指令回路180は、可変抵抗111の抵抗値を下げさせて第1検出用光源1
2Aからの出射光量を高める。また、位置検出信号Vsの実効値Vebが位置検出信号V
sの実効値Veaより低い場合、発光強度補償指令回路180は、可変抵抗112の抵抗
値を下げさせて参照用光源12Rからの出射光量を高める。
【0067】
このようにして、光学式位置検出装置10では位置検出部50の発光強度補償指令回路
180によって、第1検出用光源点灯動作中および参照用光源点灯動作中での光検出器3
0による検出量が同一となるように、第1検出用光源12Aおよび参照用光源12Rの制
御量(駆動電流)を制御する。従って、発光強度補償指令回路180には、第1検出用光
源点灯動作中および参照用光源点灯動作中での光検出器30による検出量が同一となるよ
うな第1検出用光源12Aおよび参照用光源12Rに対する駆動電流に関する情報が存在
し、かかる情報は、位置検出信号Vgとして位置検出部50に出力される。
【0068】
同様な処理は、第2検出用光源12Bと参照用光源12Rとの間でも行なわれ、発光強
度補償指令回路180から出力される位置検出用信号Vgは、第2検出用光源点灯動作中
および参照用光源点灯動作中での光検出器30による検出量が同一となるような第2検出
用光源12Bおよび参照用光源12Rに対する駆動電流に関する情報である。
【0069】
(Z座標の検出)
本形態の光学式位置検出装置10において、第1検出用光源12A〜第4検出用光源1
2Dが同時に点灯すると、透光部材40の第1面41側(検出空間10R)には、第1面
41に対する法線方向で強度が単調減少するZ座標検出用光強度分布が形成される。かか
るZ座標検出用光強度分布では、透光部材40の第1面41から離間するに従って強度が
単調に低下する。従って、位置検出部50のZ座標検出部53では、参照用光源12Rと
第1検出用光源12A〜第4検出用光源12Dとを交互に点灯させたときの光検出器30
での検出値の差や比に基づいて対象物体ObのZ座標を検出することができる。また、位
置検出部50のZ座標検出部53では、参照用光源12Rと第1検出用光源12A〜第4
検出用光源12Dとを交互に点灯させたときの光検出器30での検出値が等しくなったと
きの参照用光源12Rに対する駆動電流と第1検出用光源12A〜第4検出用光源12D
に対する駆動電流との差や比に基づいて対象物体ObのZ座標を検出することができる。
さらに、第1検出用光源12A〜第4検出用光源12Dを順次点灯させた際と参照用光源
12Rを点灯させたときの光検出器30での検出値との差や比に基づいて対象物体Obの
Z座標を検出することができる。さらにまた、第1検出用光源12A〜第4検出用光源1
2Dを順次点灯させた際と参照用光源12Rを点灯させたときに光検出器30での検出値
が等しくなったときの参照用光源12Rに対する駆動電流と検出用光源12A、12Bに
対する駆動電流との差や比に基づいて対象物体ObのZ座標を検出することができる。い
ずれの場合も、かかるZ座標については、対象物体ObのXY座標によって補正を加える
こともある。
【0070】
また、第1検出用光源12A〜第4検出用光源12Dに対してZ軸方向で離間する検出
用光源を設けてZ座標を検出してもよく、この場合も、X座標を検出したのと同様な差動
を利用してZ座標を検出することができる。
【0071】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10では、光源駆動部14は、4つ
の検出用光源12を順次点灯させ、その間、光検出器30は、対象物体Obで反射した検
出光L3を受光する。従って、光検出器30での検出結果を直接、あるいは光検出器30
を介して2つの検出用光源12を差動させたときの駆動電流を用いれば、位置検出部50
は、対象物体Obの位置(X座標およびY座標)を検出することができる。
【0072】
ここで、第1検出用光源12A、第2検出用光源12B、第3検出用光源12Cおよび
第4検出用光源12Dは、検出空間10R(Z軸方向)からみたとき、第1検出用光源1
2Aと光検出器30との距離、第2検出用光源12Bと光検出器30との距離、第3検出
用光源12Cと光検出器30との距離、および第4検出用光源12Dと光検出器30との
距離は相違している。
【0073】
このため、第1検出用光源12Aと第3検出用光源12Cとの差動、および第2検出用
光源12Bと第4検出用光源12Dとの差動の中心がずれているので、広い範囲にわたっ
て高い検出精度を得ることができる。
【0074】
また、第1検出用光源12Aと第2検出用光源12Bとを結ぶ仮想線Q13と、第3検
出用光源12Cと第4検出用光源12Dとを結ぶ仮想線Q15とは、非平行である。従っ
て、第1検出用光源12Aと第2検出用光源12Bとを用いて対象物体Obの位置を検出
した方向と、第3検出用光源12Cと第4検出用光源12Dとを用いて対象物体Obの位
置を検出した方向とが相違する。また、第1検出用光源12Aと第4検出用光源12Dと
を結ぶ仮想線Q16と、第2検出用光源12Bと第3検出用光源12Cとを結ぶ仮想線Q
14とは、非平行である。従って、第1検出用光源12Aと第4検出用光源12Dとを用
いて対象物体Obの位置を検出した方向と、第2検出用光源12Bと第3検出用光源12
Cとを用いて対象物体Obの位置を検出した方向とが相違する。
【0075】
それ故、第1検出用光源12A、第2検出用光源12B、第3検出用光源12Cおよび
第4検出用光源12Dを用いた測定の頻度を増大させても重複した測定を行なうことがな
い。よって、本形態の光学式位置検出装置10によれば、測定頻度を高めた分だけ、対象
物体Obの位置検出精度を高めることができる。
【0076】
また、本形態では、2つの検出用光源12での差動、あるいは検出用光源12と参照用
光源12Rとの差動を利用しているため、環境光等の影響を自動的に補正することができ
る。
【0077】
さらに、検出光L2は赤外光であるため、視認されない。従って、本形態の光学式位置
検出装置10を表示装置に適用した場合でも表示を妨げない等、光学式位置検出装置10
を各種機器に用いることができる。
【0078】
[実施の形態2]
図7は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の主要部を模式的に示す
説明図であり、図7(a)、(b)は、光学式位置検出装置10の構成要素の立体的な配
置を示す説明図、および光学式位置検出装置10の構成要素の平面的な配置を示す説明図
である。図8は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10において差動によ
り求めた複数の結果から対象物体ObのX座標およびY座標を特定する方法を示す説明図
である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分
には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0079】
図7において、本形態の光学式位置検出装置10も、実施の形態1と同様、光源装置1
1は、複数の検出用光源12として、4つ以上の検出用光源を備えており、本形態におい
て、検出用光源12の数は4つである。より具体的には、光源装置11は、複数の検出用
光源12として、第1検出用光源12A、第2検出用光源12B、第3検出用光源12C
および第4検出用光源12Dを備えており、これらの検出用光源12はいずれも、発光部
120a〜120dを透光部材40に向けている。
【0080】
ここで、第1検出用光源12A、第2検出用光源12B、第3検出用光源12Cおよび
第4検出用光源12Dは、検出空間10R(Z軸方向)からみたとき、第1検出用光源1
2Aと光検出器30との距離、第2検出用光源12Bと光検出器30との距離、第3検出
用光源12Cと光検出器30との距離、および第4検出用光源12Dと光検出器30との
距離は相違している。
【0081】
より具体的には、第1検出用光源12Aと光検出器30との距離、第2検出用光源12
Bと光検出器30との距離、第3検出用光源12Cと光検出器30との距離、および第4
検出用光源12Dと光検出器30との距離を各々、r1、r2、r3、r4としたとき、距離
1、r2、r3、r4は、以下の条件
4<r1<r2<r3
に設定されている。
【0082】
また、第1検出用光源12A、第2検出用光源12B、第3検出用光源12Cおよび第
4検出用光源12Dは、光検出器30を中心に不等な角度間隔に配置されている。すなわ
ち、光検出器30と第1検出用光源12A、第2検出用光源12B、第3検出用光源12
Cおよび第4検出用光源12Dとを各々直線で結んだときの中心角を以下
ΘAB=第1検出用光源12A、光検出器30、第2検出用光源12Bが成す角度
ΘBC=第2検出用光源12B、光検出器30、第3検出用光源12Cが成す角度
ΘCD=第3検出用光源12C、光検出器30、第4検出用光源12Dが成す角度
ΘAD=第1検出用光源12A、光検出器30、第4検出用光源12Dが成す角度
にように定義したとき、角度ΘAB、ΘBC、ΘCD、ΘADのうちの1つの角度は他の角度と相
違している。本形態では、角度ΘAB、ΘBC、ΘCD、ΘADは全てが相違しており、角度ΘAB
、ΘBC、ΘCD、ΘADは以下の関係
ΘCD<ΘAD<ΘAB<ΘBC
に設定されている。
【0083】
また、第1検出用光源12Aと第2検出用光源12Bとを結ぶ仮想線と、第3検出用光
源12Cと第4検出用光源12Dとを結ぶ仮想線とは、非平行であり、第1検出用光源1
2Aと第4検出用光源12Dとを結ぶ仮想線と、第2検出用光源12Bと第3検出用光源
12Cとを結ぶ仮想線とは、非平行である。
【0084】
このような構成の光学式位置検出装置10でも、実施の形態1と同様、位置検出用光源
12同士の差動や、位置検出用光源12と参照用光源12Rとの差動を利用すれば、図8
に示すように、第1検出用光源12Aと第3検出用光源12Cとを結ぶ仮想線Q11を比
ACで分割した位置を通る等比線R11上に対象物体Obが存在することがわかる。また
、第2検出用光源12Bと第4検出用光源12Dとを結ぶ仮想線を比PBDで分割した位置
を通る等比線R12上に対象物体Obが存在することがわかる。さらに、第1検出用光源
12Aと第2検出用光源12Bと結ぶ仮想線Q13を所定の比で分割した位置を通る等比
線R13を求めることができ、第2検出用光源12Bと第3検出用光源12Cとを結ぶ仮
想線Q14を所定の比で分割した位置を通る等比線R14を求めることができる。また、
第3検出用光源12Cと第4検出用光源12Dとを結ぶ仮想線Q15を所定の比で分割し
た位置を通る等比線R15を求めることができ、第1検出用光源12Aと第4検出用光源
12Dとを結ぶ仮想線Q16を所定の比で分割した位置を通る等比線R16を求めること
ができる。
【0085】
かかる構成によれば、対象物体Obの位置を特定するための情報量が多いため、差動に
より得られた複数の結果全部を平均する等の手法を用いれば、対象物体Obの位置検出精
度を高めることができることになる。
【0086】
ここで、第1検出用光源12A、第2検出用光源12B、第3検出用光源12Cおよび
第4検出用光源12Dは、検出空間10R(Z軸方向)からみたとき、第1検出用光源1
2Aと光検出器30との距離、第2検出用光源12Bと光検出器30との距離、第3検出
用光源12Cと光検出器30との距離、および第4検出用光源12Dと光検出器30との
距離は相違している。また、第1検出用光源12A、第2検出用光源12B、第3検出用
光源12Cおよび第4検出用光源12Dは、光検出器30を中心に不等な角度間隔に配置
されている。このため、第1検出用光源12Aと第3検出用光源12Cとの差動、および
第2検出用光源12Bと第4検出用光源12Dとの差動の中心がずれているので、広い範
囲にわたって高い検出精度を得ることができる。
【0087】
また、第1検出用光源12Aと第2検出用光源12Bとを結ぶ仮想線Q13と、第3検
出用光源12Cと第4検出用光源12Dとを結ぶ仮想線Q15とは、非平行である。従っ
て、第1検出用光源12Aと第2検出用光源12Bとを用いて対象物体Obの位置を検出
した方向と、第3検出用光源12Cと第4検出用光源12Dとを用いて対象物体Obの位
置を検出した方向とが相違する。また、第1検出用光源12Aと第4検出用光源12Dと
を結ぶ仮想線Q16と、第2検出用光源12Bと第3検出用光源12Cとを結ぶ仮想線Q
14とは、非平行である。従って、第1検出用光源12Aと第4検出用光源12Dとを用
いて対象物体Obの位置を検出した方向と、第2検出用光源12Bと第3検出用光源12
Cとを用いて対象物体Obの位置を検出した方向とが相違する。それ故、第1検出用光源
12A、第2検出用光源12B、第3検出用光源12Cおよび第4検出用光源12Dを用
いた測定の頻度を増大させても重複した測定を行なうことがない。よって、本形態の光学
式位置検出装置10によれば、測定頻度を高めた分だけ、対象物体Obの位置検出精度を
高めることができる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0088】
[他の実施形態]
上記実施の形態1、2では、第1検出用光源12Aと光検出器30との距離、第2検出
用光源12Bと光検出器30との距離、第3検出用光源12Cと光検出器30との距離、
および第4検出用光源12Dと光検出器30との距離を相違させるにあたって、全ての距
離を相違させたが、1つの距離が他の距離と相違している構成を採用してもよい。かかる
構成の場合でも、図10(b)を参照して説明した構成に比して、対象物体Obの位置検
出精度を高めることができる。
【0089】
また、上記実施の形態2では、第1検出用光源12A、第2検出用光源12B、第3検
出用光源12Cおよび第4検出用光源12Dは、光検出器30を中心に不等な角度間隔に
配置するにあたって、角度ΘAB、ΘBC、ΘCD、ΘADの全てが相違している構成を採用した
が、1つの角度が他の角度と相違している構成を採用してもよい。かかる構成の場合でも
、図10(b)を参照して説明した構成に比して、対象物体Obの位置検出精度を高める
ことができる。
【0090】
また、上記実施の形態では、第1検出用光源12Aと第2検出用光源12Bとを結ぶ仮
想線Q13と、第3検出用光源12Cと第4検出用光源12Dとを結ぶ仮想線Q15とが
非平行で、第1検出用光源12Aと第4検出用光源12Dとを結ぶ仮想線Q16と、第2
検出用光源12Bと第3検出用光源12Cとを結ぶ仮想線Q14とが非平行であったが、
一方のみが非平行であってもよい。かかる構成の場合でも、図10(b)を参照して説明
した構成に比して、対象物体Obの位置検出精度を高めることができる。
【0091】
上記実施の形態では、検出用光源12が4つの例であったが、検出用光源の数は5つ以
上であってもよく、この場合も、5つ以上の検出用光源のうちの4つの検出用光源が第1
検出用光源12A〜第4検出用光源12Dとして、上記の構成を満たしていればよい。
【0092】
[光学式位置検出装置10の利用例]
図9を参照して、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10を触角センサー
として用いたロボットハンド装置を説明する。図9は、本発明の実施の形態1に係る光学
式位置検出装置10を触覚センサーとしてハンド装置に備えたロボットアームの説明図で
あり、図9(a)、(b)は、ロボットアーム全体の説明図、およびハンド装置の説明図
である。
【0093】
図9(a)に示すロボットアーム200は、数値制御工作機械等に対してワークや工具
の供給および取り出し等を行う装置であり、基台290から直立する支柱220と、アー
ム210とを備えている。本形態において、アーム210は、支柱220の先端部に第1
関節260を介して連結された第1アーム部230と、第1アーム部230の先端部に第
2関節270を介して連結された第2アーム部240とを備えている。支柱220は、基
台290に対して垂直な軸線H1周りに回転可能であり、第1アーム部230は、支柱2
20の先端部で第1関節260によって水平な軸線H2周りに回転可能であり、第2アー
ム部240は、第1アーム部230の先端部で第2関節270によって水平な軸線H3周
りに回転可能である。第2アーム部240の先端部にはハンド装置400のハンド450
が連結されており、ハンド450は、第2アーム部240の軸線H4周りに回転可能であ
る。
【0094】
図9(b)に示すように、ハンド装置400は、複数の把持爪410(把持具)を備え
たハンド450を有しており、ハンド450は、複数の把持爪410の根元を保持する円
盤状の把持爪保持体420を備えている。本形態において、ハンド450は、複数の把持
爪410として、第1把持爪410Aおよび第2把持爪410Bを備えている。2つの把
持爪410はいずれも、矢印H4で示すように、互いに離間する方向および接近する方向
に移動可能である。
【0095】
このように構成したロボットアーム200において、対象物体Obを把持する際には、
支柱220、第1アーム部230および第2アーム部240が所定方向に回転してハンド
450を対象物体Ob(ワーク)に接近させた後、2つの把持爪410が互いに接近する
方向に移動して対象物体Obを把持する。
【0096】
ここで、対象物体Ob(ワーク)を把持する際に対象物体Obに接する把持爪410の
内面は、上記の実施の形態で説明した光学式位置検出装置10の透光部材40の第1面4
1からなる。従って、把持爪410が対象物体Obを把持する際、光学式位置検出装置1
0は、対象物体Obと把持爪410との相対位置や位置を検出し、かかる検出結果は、把
持爪410の駆動制御部にフィードバックされる。それ故、把持爪410を対象物体Ob
に高速で接近させることができ、ワーク把持動作の高速化を実現することができる。
【符号の説明】
【0097】
10・・光学式位置検出装置、10R・・検出空間(検出光の出射側空間)、11・・光
源装置、12・・検出用光源、12A・・第1検出用光源、12B・・第2検出用光源、
12C・・第3検出用光源、12D・・第4検出用光源、12R・・参照用光源、30・
・光検出器、40・・透光部材、50・・位置検出部、51・・X座標検出部、52・・
Y座標検出部、53・・Z座標検出部、Ob・・対象物体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物体の位置を検出するための検出光を出射する4つ以上の検出用光源を備えた光学
式位置検出装置であって、
前記検出光の出射側空間に位置する前記対象物体で反射した前記検出光を受光する光検
出器と、
前記4つ以上の検出用光源を順次点灯させる光源駆動部と、
前記光検出器の受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記出射側空間からみたときに、前記4つ以上の検出用光源のうち、前記光検出器の周
りで周方向で並ぶ第1検出用光源、第2検出用光源、第3検出用光源および第4検出用光
源は、前記光検出器からの距離が相違していることを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項2】
前記出射側空間からみたときに、前記第1検出用光源、前記第2検出用光源、前記第3
検出用光源および前記第4検出用光源は、前記光検出器からの距離が全て相違しているこ
とを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項3】
前記出射側空間からみたときに、前記第1検出用光源と前記第2検出用光源とを結ぶ仮
想線と、前記第3検出用光源と前記第4検出用光源とを結ぶ仮想線とは、非平行であるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項4】
前記出射側空間からみたときに、前記第1検出用光源と前記第4検出用光源とを結ぶ仮
想線と、前記第2検出用光源と前記第3検出用光源とを結ぶ仮想線とは、非平行であるこ
とを特徴とする請求項3に記載の光学式位置検出装置。
【請求項5】
前記出射側空間からみたときに、前記第1検出用光源、前記第2検出用光源、前記第3
検出用光源および前記第4検出用光源は、前記光検出器を中心に等角度間隔に配置されて
いることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項6】
前記出射側空間からみたときに、前記第1検出用光源、前記第2検出用光源、前記第3
検出用光源および前記第4検出用光源は、前記光検出器を中心に不等の角度間隔に配置さ
れていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項7】
前記位置検出部は、前記光検出器の受光結果に基づいて、前記第1検出用光源、前記第
2検出用光源、前記第3検出用光源および前記第4検出用光源のうち、一部の検出用光源
と他の一部の検出用光源とを差動させた結果により前記対象物体の位置を検出することを
特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項8】
前記出射側空間を介さずに前記光検出器に入射する参照光を出射する参照用光源を備え

前記位置検出部は、前記光検出器の受光結果に基づいて、前記第1検出用光源、前記第
2検出用光源、前記第3検出用光源および前記第4検出用光源のうち、一部の検出用光源
と前記参照用光源とを組み合わせを変えて差動させた複数の結果により前記対象物体の位
置を検出することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の光学式位置検出装置

【請求項9】
前記位置検出部は、前記4つ以上の検出用光源の全てが同時、あるいは順次点灯したと
きの前記光検出器での受光結果に基づいて前記検出光の出射方向における前記対象物体の
位置を検出することを特徴とする請求項7または8に記載の光学式位置検出装置。
【請求項10】
前記検出光は赤外光であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の光学
式位置検出装置。

【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図1】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−215101(P2011−215101A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85820(P2010−85820)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】