説明

光電スイッチ用投光ヘッド

【課題】レーザを用いた光電センサの投光量を所定値に制御する投光量制御手段を小型化可能な光電スイッチ用投光ヘッドを提供する。
【解決手段】光電スイッチ用投光ヘッドの投光量制御手段は、投光素子を駆動する電力を入力するための電源入力部と、電源入力部から受けた電力を投光素子に供給する供給量を調整するためのスイッチング素子と、モニタ用受光素子で検出した受光量に基づいてモニタ信号を発生させるモニタ信号生成部と、基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、モニタ信号生成部で生成されたモニタ信号を、基準電圧生成回路で生成した基準電圧と比較する差動増幅回路AMPとを内蔵した調整回路とを備えている。調整回路は、モニタ信号を、基準電圧と比較して、スイッチング素子の調整量を制御するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投光素子からの光を受光素子で受光し、受光量からの検出情報と閾値との比較で検出動作を行う光電スイッチで使用される投光ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
光電スイッチは、非接触で検出対象を検出可能なセンサであり、工場の生産ライン等で移動する物体の有無を検出するため等に利用されている。一般には、物体の搬送経路に光を投射し、その光の反射光又は透過光を検出することにより、物体の有無を判定するものである。透過型の光電スイッチでは、投光部から投射された光が物体検出領域を通過する物体に遮られることにより受光部の受光量が変化することを利用し、この変化から物体の存在を判定することができる。透過型の光電スイッチは、LED(発光ダイオード)等の投光素子を有する投光ヘッドと、PD(フォトダイオード)等の受光素子を有する受光ヘッドを有する。投光ヘッドと受光ヘッドとを互いに対向するように配置し、これら投光ヘッドと受光ヘッドとの間で光電センサを形成する。
【0003】
この種の光電スイッチには、透過型と拡散反射型と同軸回帰反射型とがある。このうち透過型では、投光ヘッドと受光ヘッドとが別体に構成されているのに対し、同軸回帰反射型と拡散反射型の光電スイッチは、投光ヘッドと受光ヘッドとを一体化して構成されている。一体型では、別体型に比べて配線の取り回しが簡素化されると共に、検出物体を挟んでセンサと反射板とを対向配置することにより検出距離が拡散反射型に比べて長くなるという利点がある。
【0004】
また光電スイッチの投光ヘッドに使用する投光素子として、LEDに代わり、LD(半導体レーザ)を使用したものも開発されている。LDはLEDよりも光学特性に優れており、LDを使用する光電センサは、LEDに比較して光源が小さいのでスポットが絞れ、スポットの視認性が良くなり、取り付け作業時の作業性を向上できる。また光量密度が大きいため小スポットで大きな光量を得ることができるため、検出性能を向上させることができる等の利点が得られる。
【0005】
レーザを用いた光電センサでは、LDの発光量を自動制御するためのAPC(Auto Power Control)回路が投光ヘッドに設けられている。従来、APC回路で差動増幅を実現する回路には、図9に示すようにOPアンプ901等の差動アンプを使用するか、又は図10に示すように差動増幅回路902をトランジスタ等のディスクリート部品で構成している。またこれらの回路では、基準電圧を得るために、レギュレータやツェナーダイオード等を使用して基準電圧生成回路903を構成する必要があった。
【0006】
しかしながら、APC回路をOPアンプで構成した回路を用いて、投光ヘッドでLDの高速なパルス点灯を行うには、高速動作が可能なOPアンプを使用する必要があり、コスト高となるという問題がある。一方APC回路をディスクリート部品で構成すると、比較的安価に実現できるが、この場合は構成部品が大きいため回路の実装面積が大きくなり、投光ヘッドの小型化の妨げとなる。また高速化に伴って消費電力が増大したり、電源電圧を大きくする必要が生じるという問題もあった。
【特許文献1】特開2003−087106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、レーザを用いた光電センサの投光量を所定値に制御する投光量制御手段を小型化可能な光電スイッチ用投光ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の光電スイッチ用投光ヘッドは、投光素子からの光を受光素子で受光し、受光量と閾値との比較で検出動作を行う光電スイッチで使用される投光ヘッドであって、投光ヘッドは、検出領域に向けて検出光を投光するための投光素子と、投光素子の発光の一部を受光して受光量を検出するためのモニタ用受光素子と、投光素子を点灯駆動すると共に、モニタ用受光素子で検出された受光量から生成されるモニタ信号に基づいて、投光素子の投光量を所定値に近付けるよう制御を行なうための投光量制御手段とを備えている。投光量制御手段はさらに、投光素子を駆動する電力を入力するための電源入力部と、電源入力部から受けた電力を投光素子に供給する供給量を調整するためのスイッチング素子と、モニタ用受光素子で検出した受光量に基づいてモニタ信号を発生させるモニタ信号生成部と、基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、モニタ信号生成部で生成されたモニタ信号を、基準電圧生成回路で生成した基準電圧と比較する差動増幅回路とを内蔵した調整回路とを備えている。調整回路は、モニタ信号を、基準電圧と比較して、スイッチング素子の調整量を制御するよう構成されている。この構成により、APC回路等投光量制御手段の実現に必要な基準電圧生成回路及び差動増幅回路を小型化できるので、回路構成を簡素化して、安価に実現できる。
【0009】
また、本発明の第2の光電スイッチ用投光ヘッドは、調整回路が、シャントレギュレータで構成されている。この構成により、基準電圧生成回路及び差動増幅回路を内蔵したシャントレギュレータを使用して回路構成を簡素化し、APC回路等投光量制御手段を安価に実現できる。
【0010】
さらに、本発明の第3の光電スイッチ用投光ヘッドは、スイッチング素子がトランジスタであり、モニタ信号生成部が可変抵抗であり、投光量制御手段がさらに、電源入力部とトランジスタのゲート電極との間に接続された第1の抵抗と、シャントレギュレータのカソード端子と、グランドとの間に配置される第1のコンデンサとを備え、シャントレギュレータのアノード端子はグランド側に接続されており、第1の抵抗は、一端を電源入力部と接続され、他端をトランジスタのゲート電極及び、シャントレギュレータのカソード端子と接続されており、可変抵抗が、一端をモニタ用受光素子及びシャントレギュレータのリファレンス端子と接続され、他端を接地されている。この構成によって、投光量制御手段は安定して投光素子を発光させると共に、その投光量を制御できる。可変抵抗は、値が既知であれば固定抵抗でもよい。
【0011】
さらにまた、本発明の第4の光電スイッチ用投光ヘッドは、電源入力部から入力される投光素子を駆動する電力がパルス状である。また投光量制御手段がさらに、第1の抵抗の他端とシャントレギュレータのカソード端子との間に、第1の抵抗からシャントレギュレータに向かって通電するよう接続される第1のダイオードを備える。この構成によって、第1のコンデンサを充電してスイッチング素子であるトランジスタのON電圧を生じさせることができ、また第1のダイオードで第1のコンデンサからの逆電流を防止することができる。
【0012】
さらにまた、本発明の第5の光電スイッチ用投光ヘッドは、投光量制御手段がさらに、トランジスタのエミッタ端子と投光素子との間に接続される第2の抵抗とを備える。この構成によって、投光素子を安定して点灯させることができる。
【0013】
さらにまた、本発明の第6の光電スイッチ用投光ヘッドは、投光量制御手段がさらに、第1のダイオードとシャントレギュレータのカソード端子との間に接続された第3の抵抗と、シャントレギュレータのカソード端子とグランドとの間に接続された第4の抵抗とを備える。この構成によって、投光素子を安定して点灯させることができる。
【0014】
さらにまた、本発明の第7の光電スイッチ用投光ヘッドは、さらに、投光素子の連続点灯を検出して投光素子の直流点灯を阻止するためのDC点灯検出回路を備える。この構成によって、投光素子の点灯状態をDC点灯検出回路で監視し、何らかの原因でパルス点灯から直流点灯になったことをDC点灯検出回路が検出すると、投光素子を消灯させるなどの処理を行い、安全を確保できる。
【0015】
さらにまた、本発明の第8の光電スイッチ用投光ヘッドは、DC点灯検出回路が、電源入力部と第1の抵抗との間に接続された第2のコンデンサと、第2のコンデンサと第1の抵抗との接点と、グランドとの間に、アノード端子をグランド側として接続された第2のダイオードとで構成されている。この構成によって、DC点灯検出回路を簡素化できる。
【0016】
さらにまた、本発明の第9の光電スイッチ用投光ヘッドは、さらに、モニタ信号生成部のモニタ信号を、調整回路の基準電圧に合致させるためのモニタ信号増幅回路を備える。この構成によって、複数の投光ヘッドを使用する場合に、モニタ用受光素子や調整回路に素子毎のばらつきがある場合でも、これらを調整して均一な制御を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の光電スイッチ用投光ヘッドによれば、LD等の投光素子を使用した光電スイッチの投光量を制御するAPC回路等の投光量制御手段に必要な基準電圧生成回路や差動増幅回路を小型化できるので、センサヘッドの小型化と回路構成を簡素化、低価格化を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための光電スイッチ用投光ヘッドを例示するものであって、本発明は光電スイッチ用投光ヘッドを以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0019】
本発明の光電スイッチ用投光ヘッドは、透過型あるいは反射型等の種々の光電センサに適用できる。例えば受光ヘッドを投光ヘッドやコントローラと別体で構成した透過型光電センサに適用したり、又は投光ヘッドと受光ヘッドを一体とした反射型光電センサの一体型投受光ヘッドとして、コントローラとヘッドケーブルで接続する構成としたり、あるいは受光部を透過型光電センサのコントローラと一体とする構成等が採用できる。以下、本発明を図1の透過型光電センサに適用する例について説明する。なお、検出光の反射光の受光量を検出する反射型の光電センサを構成する場合は、投光ヘッドから投光された光が検出対象物で反射して受光ヘッドに入射するように、投光ヘッド及び受光ヘッドの位置及び方向がセットされる。あるいは、投光ヘッド及び受光ヘッドを一体化した投受光ヘッドとすることもできる。また、センサヘッドとコントローラとの間を接続するヘッドケーブルは電気ケーブルの他、光ファイバ等も利用できる。
【0020】
透過型光電スイッチは、上述の通り、投光ヘッドと受光ヘッドとをコントローラに接続し、投光ヘッドの投光素子から放出される光を受光ヘッドで受光して検出し、その受光量の変化で対象物の通過等を検出できる。図1に、本発明の一実施の形態に係る光電スイッチとして、投光ヘッド400と受光ヘッド500とを、コントローラ200に接続した光電スイッチのブロック図を示す。この図に示す光電スイッチは、投光ヘッド400と受光ヘッド500とが、ヘッドケーブル300によって接続されている。投光ヘッド400は投光部10を、受光ヘッド500は受光部50をそれぞれ備える。投光部10は対象物に対して光を投光し、この光が対象物で遮光されることなく受光部50で受光するか、あるいは遮光されて受光量が低下するかを検出することで対象物の有無を判定する。コントローラ200は投光部10を駆動するために所定のパルスを投光ヘッド400に出力する。投光素子12は、制御部40によって投光電源制御回路22から発される発振パルスによって駆動されて、パルス光を外部の検出対象に向って発する。受光された光は受光素子にて光電変換され、受光素子増幅回路56、コントローラ増幅回路68、A/D変換器70を経て制御部40に送られる。これによって、パルス光に同期した検波が施され、検波信号は更に直流信号等に変換された後、I/O回路42から、検出結果を表わすON/OFF信号として出力される。
(投光部10)
【0021】
投光部10は、投光用の投光素子12と、投光素子12を駆動するための投光回路14とを備える。投光素子12は、LEDやLD等が利用できる。特にLDはLEDに比べて光量が多く指向性が高いので、スポット径を絞って検出の精度が向上する。また、LDが照射されるスポット径が視認できるので、設置時の作業性にも優れる。よって、本実施の形態では光学特性に優れるLDを投光素子12として利用している。さらにLDを駆動する投光回路14は、投光APC回路16と、モニタPD等のモニタ用受光素子18を備える。投光APC回路16は、LDを駆動する駆動電力をLDに供給し、LDの出力すなわち発光量が所定値となるよう制御する。
【0022】
さらに投光ヘッド400は、コントローラの発光量や出力状態等を表示するための表示灯20を備える。これら投光APC回路16や表示灯20は、投光電源線を介してコントローラ200の投光電源制御回路22、ヘッド表示灯電源制御回路24から各々駆動電力の供給を受ける。
【0023】
投光素子12の発光量は、投光APC回路16により制御される。投光APC回路16はモニタPDで検出した発光量に基づき、発光量が所定値となるように電流量を調整してLDを駆動するというフィードバック制御を行う。図1に示す例では、投光APC回路16はLD及びモニタ用受光素子18であるモニタPDと接続されており、モニタPDはLDの漏れ光等を受光できる位置に隣接されている。モニタPDは、LDパッケージに内蔵させることもできる。
【0024】
一方モニタ用受光素子18の一形態であるモニタPDは、モニタ信号増幅回路26と接続されており、ヘッドケーブル300に含まれるモニタ線を介してコントローラ200のLD発光量モニタ回路28に受光量をモニタ電圧として送出する。モニタ信号増幅回路26は、モニタ用受光素子18のばらつきを抑えるための部材であり、トリマ等により構成されている。LD発光量モニタ回路28は、A/D変換器30でアナログ信号をデジタル信号に変換した後、制御部40に対し、モニタPDで検出したモニタ電圧を出力する。このようにモニタ信号増幅回路26は、投光素子12の発光量をモニタ用受光素子18でモニタするモニタ回路を構成しており、制御部40はモニタ回路を介してモニタ電圧を監視することで、投光ヘッドの異常を検出できる。モニタ電圧が所定の閾値を越える等の異常が検出されると、制御部40は投光電源制御回路22を制限、遮断する等により投光ヘッド400への電流供給を停止でき、これによって投光素子の障害等に対応できる。このように、投光ヘッド400により投光量のフィードバック制御を行う一方で、コントローラ200側では投光ヘッド400の異常検出を行うという二重のフィードバックを実現している。
【0025】
なお本明細書において検出情報とは、典型的には受光素子で検出された受光量であり、受光量型光電センサにおいては、受光量の大小に基づいて検出対象の有無等を判別する検出動作を行う。ただ、検出情報は受光量に限られず、他の情報も利用できる。例えば、受光素子として位置検出フォトダイオード(PSD)や2分割PDを用いた距離型(位置型)光電センサでは、その受光位置に基づいて検出動作を行うことができる。このような光電センサにも本発明を適用可能である。
(受光部50)
【0026】
一方、受光ヘッド500に含まれる受光部50は、受光用の受光素子52と、受光素子52を駆動するための受光回路54とを備える。受光回路54は受光素子増幅回路56、受光部電源回路58等を備える。受光素子52はPD等が利用できる。この受光素子52は受光素子増幅回路56と接続されており、受光素子52で受光した受光量は受光素子増幅回路56で増幅されて、ヘッドケーブル300に含まれる信号線を介してコントローラ200側のコントローラ増幅回路68に送出される。コントローラ増幅回路68で増幅されたアナログ信号は、A/D変換器70を介してデジタル信号に変換され、制御部40に入力される。これによって、受光素子52の受光量をコントローラ200側で検出して検出の判定を行い、最終的にI/O回路42の出力から判定結果を出力する。このI/O回路42は、2系統の出力1、2と1系統の入力1を備えている。また受光部電源回路58は、受光ヘッド500の駆動電力を供給するため部材であり、ヘッドケーブル300の電源線を介してコントローラ200のヘッド電源回路60に接続される。ヘッド電源回路60は、コントローラ200の制御部40によって制御される。
【0027】
なお、複数種のセンサヘッドをコントローラに接続可能とする場合、各センサヘッドを識別する識別機能を備えることができる。図1の例では、コントローラ200に投光ヘッド400を識別するための投光ヘッド識別回路63、受光ヘッド500を識別するための受光ヘッド識別回路62をそれぞれ設けている。これらヘッド識別回路を各々信号線に接続して投光ヘッド400、受光ヘッド500の識別信号を検出し、A/D変換器64、65を介して制御部40に送出することで、制御部40で各センサヘッドを識別している。
【0028】
コントローラ200は、上述のように制御部40に、投光電源制御回路22、ヘッド表示灯電源制御回路24、LD発光量モニタ回路28、コントローラ増幅回路68、ヘッド識別回路62、ヘッド電源回路60等を接続している。さらに制御部40は、各種設定値等を記憶するための記憶部44、コントローラ200側の情報を表示するための表示回路46、コントローラ200に対して各種設定や操作を行うため、設定値調整を受け付けるためのユーザインタフェースである操作部を接続したスイッチ入力回路48、加えて外部との入出力を行うI/O回路42等を接続している。またコントローラ200は、これらの回路を駆動するためのコントローラ電源回路66も備えている。以上の構成のコントローラ200にヘッドケーブル300を介して投光ヘッド400と受光ヘッド500の組を一又は複数接続して、投光素子12で投光した光を受光素子52で受光し、対象物を検出してその結果を出力する。
(実施例1)
【0029】
本発明の実施例1に係る光電センサの構成を、図2のブロック図に示す。この図に示す光電センサは、投光ヘッド400をヘッドケーブル300を介してコントローラ200と接続しており、投光ヘッド400は、投光素子12であるLD12aと、モニタ用受光素子であるモニタPD18aと、投光量制御手段を構成する投光APC回路16を含む投光素子駆動回路であるLD駆動回路460と、モニタPD18aで検出した受光量に基づいてモニタ信号を生成するモニタ信号生成回路462と、モニタ信号生成回路462で生成したモニタ信号の初期値を保持するモニタ信号初期値保持部464を備える。投光APC回路16等の制御手段は、ゲートアレーやマイコン等で構成してもよい。一方コントローラ200は、モニタ信号生成回路462で生成したモニタ信号を検出するモニタ信号検出回路250と、モニタ信号検出回路250で得られた情報に基づき、投光ヘッド400の異常を判定する異常判定回路252と、異常判定回路252に基づいて異常出力を行う異常出力部254と、投光ヘッド400への電力を供給するための電源制御回路256と、電源制御回路256が投光素子駆動回路に対してパルス電力を供給するようタイミングを制御するタイミング制御回路258とを備える。なお、図2においては受光ヘッドの図示を省略している。この図に示す投光ヘッド400は、投光ヘッド400をコントローラ200と分離した分離型光電センサにおいて、各種の保護回路を投光ヘッド400から可能な限り除去し、代わりにコントローラ200側で異常検出するよう構成しているので、投光ヘッド400側の投光APC回路16等による制御と併せて、単一故障に対応した信頼性の高い動作を維持しつつ投光ヘッドの部材を低減して小型化を図ることができる。
(投光回路)
【0030】
図2に対応する投光ヘッドの回路例を、図3に示す。この図に示す投光ヘッド400は、LDの駆動電流を入力するための電源入力部として、パルス電源入力端子492と、LD駆動回路460として、基準電圧生成回路466と差動増幅回路AMPとを内蔵したシャントレギュレータA1と、LD12aとモニタPD18aとを組み込んだLDモジュール468と、パルス電源入力端子492から入力されるパルス電流を投光素子に供給するON/OFFを切り替えるスイッチング素子であるトランジスタQ1とを備える。またモニタ信号生成回路462として、モニタ信号生成部であるパワー調整トリマを構成する可変抵抗R5を備える。
【0031】
ここでシャントレギュレータA1の内部ブロック図を、図4に示す。図4において、K(カソード)、A(アノード)、R(リファレンス)は、図3のK、A、R端子とそれぞれ対応している。図4に示すようにシャントレギュレータA1は、等価回路的に差動増幅器AMPの出力側にバイポーラトランジスタQを接続し、トランジスタQのコレクタをK端子、エミッタをA端子、差動増幅器AMPの+側をR端子としている。また差動増幅器AMPの−側は、基準電圧Vrefを生成する基準電圧生成回路466として直流電源が接続され、直流電源の−側がA端子と接続されている。これにより、差動増幅回路AMP及び基準電圧生成回路466を内蔵したシャントレギュレータA1を使用してAPC回路の構成に必要な部材を簡素化できる。またシャントレギュレータA1は電源用ICなどの汎用の素子が使用できるので、安価に利用できる。電源用ICは基準電源を内蔵しており、構成部材が一体化されているので、APC回路をコンパクトに構成して回路実装規模を小型化できる。また回路消費電力も少なくできる。さらに、シャントレギュレータは広い電源電圧範囲に適用でき、また高速動作も可能で、高速なパルス点灯を行うLDのAPC回路を安価に構成できる。
【0032】
シャントレギュレータA1のA端子は、グランド側に接続されている。さらにパルス電源入力端子492は、直列に接続された第1の抵抗R1、第1のダイオードD1、第3の抵抗R3を介して、シャントレギュレータA1のK端子と接続される。またK端子からは、第1のコンデンサC1及び第4の抵抗R4が並列に接続されて接地されている。第3の抵抗R3、第4の抵抗R4を設けることで、投光素子の投光量制御を安定させることができる。ここで、第1の抵抗R1、第1のダイオードD1を流れる電流をI、第1の抵抗R1と第1のダイオードD1と間の接点における電圧をV、第1のコンデンサC1に流れる電流をI、シャントレギュレータA1のK−A端子間を流れる電流をIとする。
【0033】
一方、第1の抵抗R1、第1のダイオードD1との間には、トランジスタQ1のベースが接続される。トランジスタQ1のコレクタ側はパルス電源入力端子492と接続されており、エミッタ側は第2の抵抗R2を介してLDのアノード側と接続される。第2の抵抗R2によって、LDの点灯が安定する。またモニタPDのアノード側は、可変抵抗R5を介して接地される。これにより、可変抵抗R5はモニタPDの受光量に応じたモニタ電流に基づいて、モニタ電圧Vmonを発生させる。さらに可変抵抗R5とモニタPDのアノード側との接点であるモニタ電圧Vmon(モニタ信号出力端子)は、シャントレギュレータA1のR端子と接続されている。これにより、モニタ電圧VmonでシャントレギュレータA1をON/OFFできる。つまりモニタ電圧Vmonが基準電圧以下ではシャントレギュレータA1はOFFでありK−A端子間は導通せず、モニタ電圧Vmonが基準電圧以上になるとシャントレギュレータA1がONしてK−A端子間を導通する。
【0034】
この投光ヘッド400は、コントローラ200の電源制御回路256から、タイミング制御回路258で規定されたタイミングでLD駆動パルス入力を入力され、これに応じてLD駆動回路460でLD12aを駆動する。またモニタPD18aの受光量に応じて、パワー調整トリマで調整された所定のモニタ電圧を生成し、これをLD駆動回路460側に返して制御を行う。さらに図3に図示しないが、モニタ信号線を外部に出力するモニタ信号出力端子を設け、コントローラ200側にモニタ信号出力Vmonを送出してコントローラ200側で投光ヘッド400内の故障など異常を監視することもできる。
(パワー調整トリマ)
【0035】
パワー調整トリマは、LDモジュール468毎に存在するモニタPD18aのばらつきを補正する。すなわち、一定の入力に対してモニタPD18aが検出する受光量が一定値となるように、パワー調整トリマを調整する。図2等に示すコントローラ200は、モニタ信号出力をモニタ信号検出回路250でA/D変換して異常判定回路252に送出し、投光ヘッド400の異常判定を行う。これにより、コントローラ200側で投光ヘッド400の異常を検出できるので、必要に応じて異常判定回路252に接続された異常出力部254でアラーム等の警告信号を出力し、エラー報知を実現できる。このように、コントローラ200側でも投光ヘッド400の異常を検知しているため、異常出力部254で外部への異常発生出力が可能となる。またコントローラ200に表示回路46等の表示手段を備え、異常時には表示手段で異常表示を行うこともできる。
(APC回路の動作)
【0036】
以下に図3のAPC回路の動作を、図5の波形図に基づいて説明する。図5は、(a)パルス電源投入時、(b)LDの発光開始時点、(c)安定状態におけるパルス電圧、Von、V、モニタ電圧Vmonの波形を、それぞれ示している。まずパルス電源入力端子492からパルス電源が入力されると、投入時点では未だLDが投光していないため、図5(a)に示すように、モニタ電圧Vmonは0Vであり、シャントレギュレータA1のK端子はOFFとなる。ここで図3の回路においてLDが点灯するためには、Vの電圧値が、LDのON電圧VLDとトランジスタQ1のベース−エミッタ間電圧Vbeとの和Von以上である必要がある。したがって、この状態ではLDはOFFであるため、モニタ電圧Vmonも生じず、シャントレギュレータA1もOFFである。このため、パルス電源投入時はI=Iとなり、パルス電源入力端子492から入力された電流は、すべて第1のコンデンサC1に流れて充電される。第1のコンデンサC1が充電されるにつれて、Vは上昇していく。
【0037】
そして図5(b)に示すように、VがVonに達した時点で、トランジスタQ1がONされ、LDの投光が開始される。このとき、VがVonより大きい程、LDの投光量は大きくなる。第1のコンデンサC1が充電され続けると、Vの上昇に従ってLDの投光量は大きくなり、それにつれてモニタPDの受光量も大きくなる。このため、モニタ電流Imonも増大し、可変抵抗R5を通電する結果モニタ電圧Vmon(=Imon×R5)も上昇していく。そしてモニタ電圧VmonがシャントレギュレータA1の基準電圧Vrefを超えると、シャントレギュレータA1がONし、Iが流れ始める。この結果、IはIのみならずIにも分岐して、相対的にIの電流量が低下し、第1のコンデンサC1の充電量及びVの上昇が抑制される。シャントレギュレータA1は、図5(c)に示すように、基準電圧Vref=モニタ電圧Vmonとなるように電流Iを制御する。これによって、第1のコンデンサC1の充電量が一定となり、Vも一定値となるので、LDの投光量を一定値に制御することができる。このように、シャントレギュレータA1を調整回路に使用して、APC回路の機能を実現できる。このようにシャントレギュレータを用いてAPC回路を構成することで、必要な基準電源や差動増幅の実装面積を小さくでき、また低消費電力で広い電源範囲に適用できるので、回路構成をコンパクトにして投光ヘッドを小型化できる。
(実施例2)
【0038】
次に、本発明の実施例2として、DC点灯検出回路494を備える投光回路の例を、図6に基づいて説明する。なお図6において、上述した図3で説明した部材と同じ部材については、図6においても同様の部材を使用できるため、その詳細説明を省略する。この図に示す投光回路は、パルス電源入力端子492と第1の抵抗R1との間にDC点灯検出回路494として、第2のコンデンサC2と、第2のダイオードD2とを接続している。第2のコンデンサC2は、パルス電源入力端子492と第1の抵抗R1との間に接続され、第2のダイオードD2は、第2のコンデンサC2と第3の抵抗R3との接点と、グランドとの間に配置している。第2のコンデンサC2は、パルス電源入力端子492から入力されるパルス電源のDC成分をカットする。また第2のダイオードD2は、第2のコンデンサC2に溜まった電荷を抜くためのものである。
【0039】
光電センサの投光ヘッドに使用する投光素子は、LDのパルス点灯を行うことが多い。LDなど、レーザのクラスは平均化した光出力で規定されるため、連続点灯でなくパルス点灯とすることで1パルスあたりの投光量を大きくして、光電センサの精度を向上させることができる。ただ、投光量を増やすと、回路の故障などの異常によりパルス点灯が直流電源となった場合に、クラスの規格を超えてしまうおそれがある。そこで、パルス入力信号が直流電源となった場合でも、LDが直流点灯しないような保護回路として、DC点灯検出回路494を追加する。
【0040】
このDC点灯検出回路494は、以下のようにして動作する。まず、パルス電源が何らかの異常によりDC電源となった場合、第2のコンデンサC2が充電される。またIが遮断される結果、Vの電位が上昇しなくなり、VがVonを超えることができないので、LDが点灯しない。このようにして、LDのDC点灯を防止でき、LDを使用した光電センサの安全基準を満たすことが可能となる。
【0041】
一方、正常動作時においては、パルス電源がHIGHのとき第2のコンデンサC2に溜まった電荷は、パルス電源がLOWのとき第2のダイオードD2経由で放電される。この結果、Iは継続的に通電されるので、実施例1と同様に第1のコンデンサC1を充電してLDを点灯することができる。
【0042】
なおDC点灯検出回路494は、投光ヘッドのLDをパルス点灯させる際に好適に使用できる。逆に、LDをDC点灯させる投光ヘッドにおいては、DC点灯検出回路を省略できることはいうまでもない。
(実施例3)
【0043】
さらに、本発明の実施例3として、モニタ信号増幅回路の一形態としてモニタ信号増幅回路26を設けた投光回路の例を、図7に示す。この図においても、上述した図3等で説明した部材と同じ部材については、図7においても同様の部材を使用できるため、その詳細説明を省略する。この図に示す投光回路は、可変抵抗R5のモニタ信号出力端子と、シャントレギュレータA1のR端子との間に、モニタ信号増幅回路26として、アンプAMP2を配置している。アンプAMP2の+側入力は、モニタ信号出力端子に接続されており、−側入力は抵抗R11を介して接地すると共に、抵抗12を介してアンプAMP2の出力側と接続されている。このモニタ信号増幅回路26は、モニタ電圧VmonをシャントレギュレータA1の基準電圧Vrefに合致させるように調整する。モニタPDを内蔵したLDモジュールを使用する場合、LDの正常点灯時におけるモニタPDの電圧降下Vfは、一般に約0.6Vである。このため、図7の回路においては、モニタ電圧Vmonが0.6Vを超えることができない。一方、市販されているシャントレギュレータの多くは、基準電圧Vrefが1.26V程度である。したがって、このままではモニタ電圧Vmonを基準電圧Vrefとすることができない。このため、モニタ信号増幅回路26でモニタ電圧Vmonを増幅して、基準電圧Vrefと合致するように調整する。これによって、市販の安価なLDモジュールやシャントレギュレータを利用できるので、投光回路を安価に組み上げることが可能となる。
【0044】
さらにモニタ信号増幅回路26に、モニタPDのばらつきを抑える機能を付加することもできる。一般にLDモジュールに内蔵されるモニタPDは、特性のばらつきがあるため電圧降下Vf値も素子毎にばらつきがみられる。このような場合に、モニタ電圧Vmonを一定値に調整してシャントレギュレータA1の基準電圧Vrefに入力させることで、複数の投光ヘッド間で均一な制御を実現できる。またこの構成であれば、シャントレギュレータA1の基準電圧Vrefにばらつきがある場合も、同様に調整することが可能となる。このような調整機能は、モニタ信号増幅回路26に可変抵抗などを付加することで容易に実現できる。
【0045】
なお、異常を監視するためのモニタ信号は、電流値、電圧値のいずれも利用できる。モニタ電流をモニタ電圧に変換するには、例えば抵抗を用いてI−V変換することで実現できる。本実施の形態では、モニタPDで得られた電流を増幅後、パワー調整トリマで生成されるモニタ電圧Vmonをモニタ信号として主に使用している。
(モニタ電流)
【0046】
また、コントローラ側で投光ヘッドの異常を監視するために、モニタ電流のみを用いることもできる。モニタ電流のみで異常を監視するには、単にモニタPDのモニタ電流をI−V変換したモニタ電圧Vmonが所定の閾値よりも大きくなった場合、すなわち投光出力の超過やモニタPD等の部品の故障のみを判定するのでは不十分となる。パワー調整トリマ等、他の部品の故障をも検知するためには、閾値を2つ用いて、モニタ電流のI−V変換値がGND側に落ちたことも検知することで、実現することが可能となる。具体的には、ウィンドウコンパレータ等の比較器を用いて上限閾値及び下限閾値を設定し、この範囲内を正常閾値として、モニタ電流を監視し、上限閾値以上又は下限閾値以下となったときに異常と判定する。これにより、投光出力の超過と、投光素子のDC点灯や断線等による未点灯の両方を監視できる。またこの構成によって、モニタPD以外の故障を検知しその状態を伝えるためのヘッドケーブルの信号線が不要となり、投光ヘッドの更なる小型化に寄与する。
【0047】
また、モニタ信号出力にHPF(ハイパスフィルタ)等のフィルタを適用して、直流成分をカットし交流化してからコントローラ側に送信することもできる。これにより、故障してDC点灯状態になった場合には、モニタ出力の信号がGNDレベルのため、コントローラ側でパルス電源に同期した点灯タイミングのみでモニタ出力を監視することで、直流点灯異常であると判定でき、異常監視の処理負担を軽減できる。一方、モニタ信号出力にHPF等のフィルタがない場合、消灯時にもモニタ出力を監視しないとDC点灯していることが検出できないため、異常監視の処理負担が大きくなる。
(異常検出手順)
【0048】
以上のように、コントローラがモニタ電流を正常閾値と比較して異常を検出する手順を、図8のフローチャートに基づいて説明する。まずステップS1でモニタ電流を取得し、ステップS2でA/D変換してモニタ信号を生成する。次にステップS3で、投光ヘッドへの出力制御を行う。ここではモニタ信号を所定の基準値(閾値)と比較し、上限閾値よりも高い場合は投光出力が上限を超えていると判断して、ステップS3−1に進み投光素子の出力を停止させる、あるいは出力量を制限する等の投光制限処理を行う。また上限閾値より低い場合はステップS4に進み、下限閾値よりも高いかどうかを判定し、低い場合は投光素子が連続点灯している、あるいは断線等により未点灯であると判断してステップS4−1に進み、所定の投光制限処理を行う。
【0049】
なお、本明細書において投光制限処理とは、投光信号を停止したり、供給する電源を遮断する等してLDの点灯を停止する場合の他、電流量を制限して一定光量に低下させる制御も含む。あるいはLD12Cと並列にスイッチSWを配置し、SWのON/OFFを制御することでLD12Cへの電流供給をバイパスさせて点灯を抑える方式でもよい。このように、投光信号や電源供給を停止せずとも、投光を停止又は抑制することで安全が確保できるので、これらの処理も投光制限処理に含む。また異常が一旦発生すると、出力を落とす、あるいはリセット等の処理があるまで、投光素子の出力を0に維持することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の光電スイッチ用投光ヘッドは、工場の生産ライン等で対象物の有無を検出する光電センサ等に好適に利用でき、透過型、反射型のいずれの光電センサにも適用できる。さらに、光ファイバを用いた光電センサにも本発明を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施の形態に係る投光ヘッドを使用した光電センサを示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係る投光ヘッドを使用した光電センサの構成を示すブロック図である。
【図3】図2に対応する投光ヘッドの回路例を示す回路図である。
【図4】シャントレギュレータの内部ブロックを示す等価回路図である。
【図5】図3のAPC回路の動作状態を示すグラフであり、図5(a)はパルス電源投入時、(b)はLDの発光開始時点、(c)は安定状態におけるパルス電圧、Von、V、モニタ電圧Vmonを、それぞれ示す波形図である。
【図6】本発明の実施例2に係る投光ヘッドの構成を示す回路図である。
【図7】本発明の実施例3に係る投光ヘッドの構成を示す回路図である。
【図8】コントローラがモニタ電流を正常閾値と比較して異常を検出する手順を示すフローチャートである。
【図9】OPアンプを使用したAPC回路の一例を示す回路図である。
【図10】ディスクリート部品で構成したAPC回路の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0052】
200…コントローラ
300…ヘッドケーブル
400…投光ヘッド
500…受光ヘッド
10…投光部
12…投光素子;12a…LD
14…投光回路
16…投光APC回路
18…モニタ用受光素子;18a…モニタPD
20…表示灯
22…投光電源制御回路
24…ヘッド表示灯電源制御回路
26…モニタ信号増幅回路
28…LD発光量モニタ回路
30…A/D変換器
40…制御部
42…I/O回路
44…記憶部
46…表示回路
48…スイッチ入力回路
50、950…受光部
52…受光素子
54…受光回路
56…受光素子増幅回路
58…受光部電源回路
60…ヘッド電源回路
62…受光ヘッド識別回路
63…投光ヘッド識別回路
64、65、70…A/D変換器
66…コントローラ電源回路;68…コントローラ増幅回路
250…モニタ信号検出回路
252…異常判定回路
254…異常出力部
256…電源制御回路
258…タイミング制御回路
460…LD駆動回路
462…モニタ信号生成回路
464…モニタ信号初期値保持部
466…基準電圧生成回路
468…LDモジュール
492…パルス電源入力端子
494…DC点灯検出回路
901…OPアンプ
902…差動増幅回路
903…基準電圧生成回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投光素子からの光を受光素子で受光し、受光量と閾値との比較で検出動作を行う光電スイッチで使用される投光ヘッドであって、
前記投光ヘッドは、
検出領域に向けて検出光を投光するための投光素子と、
前記投光素子の発光の一部を受光して受光量を検出するためのモニタ用受光素子と、
前記投光素子を点灯駆動すると共に、前記モニタ用受光素子で検出された受光量から生成されるモニタ信号に基づいて、前記投光素子の投光量を所定値に近付けるよう制御を行なうための投光量制御手段と、
を備えており、
前記投光量制御手段はさらに、
前記投光素子を駆動する電力を入力するための電源入力部と、
前記電源入力部から受けた電力を前記投光素子に供給する供給量を調整するためのスイッチング素子と、
前記モニタ用受光素子で検出した受光量に基づいてモニタ信号を発生させるモニタ信号生成部と、
基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、前記モニタ信号生成部で生成されたモニタ信号を、前記基準電圧生成回路で生成した基準電圧と比較する差動増幅回路とを内蔵した調整回路と、
を備えており、
前記調整回路は、前記モニタ信号を、前記基準電圧と比較して、前記スイッチング素子の調整量を制御するよう構成されてなることを特徴とする光電スイッチ用投光ヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載の光電スイッチ用投光ヘッドであって、
前記調整回路は、シャントレギュレータで構成されてなることを特徴とする光電スイッチ用投光ヘッド。
【請求項3】
請求項2に記載の光電スイッチ用投光ヘッドであって、
前記スイッチング素子がトランジスタであり、
前記モニタ信号生成部が可変抵抗であり、
前記投光量制御手段がさらに、
前記電源入力部と前記トランジスタのゲート電極との間に接続された第1の抵抗と、
前記シャントレギュレータのカソード端子と、グランドとの間に配置される第1のコンデンサと、
を備え、
前記シャントレギュレータのアノード端子はグランド側に接続されており、
前記第1の抵抗は、一端を前記電源入力部と接続され、他端を前記トランジスタのゲート電極及び、前記シャントレギュレータのカソード端子と接続されており、
前記可変抵抗が、一端を前記モニタ用受光素子及び前記シャントレギュレータのリファレンス端子と接続され、他端を接地されてなることを特徴とする光電スイッチ用投光ヘッド。
【請求項4】
請求項3に記載の光電スイッチ用投光ヘッドであって、さらに、
前記電源入力部から入力される投光素子を駆動する電力がパルス状であり、
前記投光量制御手段がさらに、
前記第1の抵抗の他端と前記シャントレギュレータのカソード端子との間に、前記第1の抵抗から前記シャントレギュレータに向かって通電するよう接続される第1のダイオードを備えることを特徴とする光電スイッチ用投光ヘッド。
【請求項5】
請求項4に記載の光電スイッチ用投光ヘッドであって、
前記投光量制御手段がさらに、
前記トランジスタのエミッタ端子と前記投光素子との間に接続される第2の抵抗と、
を備えることを特徴とする光電スイッチ用投光ヘッド。
【請求項6】
請求項5に記載の光電スイッチ用投光ヘッドであって、
前記投光量制御手段がさらに、
前記第1のダイオードと前記シャントレギュレータのカソード端子との間に接続された第3の抵抗と、
前記シャントレギュレータのカソード端子とグランドとの間に接続された第4の抵抗と、
を備えることを特徴とする光電スイッチ用投光ヘッド。
【請求項7】
請求項3から6のいずれかに記載の光電スイッチ用投光ヘッドであって、さらに、
前記投光素子の連続点灯を検出して投光素子の直流点灯を阻止するためのDC点灯検出回路を備えることを特徴とする光電スイッチ用投光ヘッド。
【請求項8】
請求項7に記載の光電スイッチ用投光ヘッドであって、
前記DC点灯検出回路が、
前記電源入力部と前記第1の抵抗との間に接続された第2のコンデンサと、
前記第2のコンデンサと前記第1の抵抗との接点と、グランドとの間に、アノード端子をグランド側として接続された第2のダイオードと、
で構成されてなることを特徴とする光電スイッチ用投光ヘッド。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の光電スイッチ用投光ヘッドであって、さらに、
前記モニタ信号生成部のモニタ信号を、前記調整回路の基準電圧に合致させるためのモニタ信号増幅回路を備えることを特徴とする光電スイッチ用投光ヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−238185(P2006−238185A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−51450(P2005−51450)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】