説明

内燃機関の制御装置

【課題】過渡時においてEGR量過多に起因する燃焼の悪化を防止する。
【解決手段】電動アクチュエータとして吸気バルブ207の動弁特性を可変とする吸気カム用アクチュエータ216、スロットル弁205を駆動するスロットル弁アクチュエータ、及びEGR弁219を駆動するEGR弁アクチュエータを有し、油圧アクチュエータとして排気バルブ209の動弁特性を可変とするVVTコントローラ217を有するエンジンシステム10において、ECU100は過渡EGR制御を実行する。当該制御においては、スロットル弁205及び動作速度が最も遅いVVTコントローラ217が収束目標値へ向けて制御されると共に、吸気カム用アクチュエータ216及びEGR弁219が、VVTコントローラ217の動作特性に基づいて決定される制御目標値に向けて制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の制御装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、最適なEGR率を実現するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された内燃機関の吸気流量制御装置によれば、運転状態に応じて目標EGR率と目標空燃比を演算し、目標EGR率と目標空燃比に基づき、内燃機関に必要な吸入空気量とEGR流量を演算することによって、EGR率の急変を抑制することが可能であるとされている。
【0003】
尚、外部EGRと内部EGRとを独立制御可能な排気ガス還流装置において、過渡運転時に応答性の良い方のEGR制御を、応答性の悪い方のEGR制御の応答状態に応じて最適化するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−90204号公報
【特許文献2】特開2007−192157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術によれば、目標EGR率と目標空燃比との協調制御により、EGR率の急変が抑制されるとされる。然るに係る技術においては、内燃機関においてEGR制御に関係する各種機構の動作速度は夫々異なっており、このような動作速度の差異を考慮しない場合、過渡時において、設定された目標値と実際の値とが乖離して内燃機関の燃焼が悪化する可能性がある。
【0006】
一方、特許文献2に開示された技術によれば、内部EGRと外部EGRとの間の応答性の差異が考慮されてはいるものの、一時的にせよEGR量が過多となることによる燃焼の悪化が十分に回避されているとは言い難い。また、過渡時のEGR量の推移に影響を与える制御量は、バルブオーバラップ量とEGR弁の開度のみではないから、係る技術では、必ずしもEGRガスの総量が好適に推移しないという問題点もある。
【0007】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、過渡時においてEGR量過多に起因する燃焼の悪化を防止可能な内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明に係る内燃機関の制御装置は、夫々が相異なるアクチュエータにより駆動される、吸気通路に設置されたスロットル弁、吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方の動弁特性を変化させることが可能な少なくとも一つの可変動弁機構、並びに前記吸気通路と排気通路とを連通させるEGR通路に設置された、EGR量を調整可能なEGR弁を備えてなる内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関の過渡運転期間において、前記アクチュエータのうち動作速度が最も遅い一のアクチュエータに起因して、前記過渡運転期間における前記EGR量が目標値に対して過多となるか否かを判別する判別手段と、前記過渡運転期間におけるEGR量が前記目標値に対し過多となる旨が判別された場合に、前記一のアクチュエータの動作状態を規定する指標値に基づいて、前記EGR量が減少するように他の前記アクチュエータの制御目標値を設定する設定手段と、該設定された制御目標値に従って前記他のアクチュエータを制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、その動作時には、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される判別手段により、複数のアクチュエータのうち動作速度が最も遅いアクチュエータに起因して過渡運転期間におけるEGR量が目標値に対し過多となるか否かが判別される。
【0010】
この際、係る判別に先立って、動作速度が最も遅いアクチュエータの特定がなされるが、係る動作速度が最も遅いアクチュエータは、予め制御情報として与えられていてもよいし、その都度然るべき特定プロセスを経て個別具体的に特定されてもよい。例えば、これらアクチュエータのうち一つが作動油の油圧に応じて駆動される油圧駆動型のアクチュエータであり、残余のアクチュエータが例えば電動モータ等を含む電気駆動型のアクチュエータである場合、油圧の伝達速度とモータの応答速度とでは、通常、後者の方が十分に速いから、特段の特定プロセスを経ずとも、予め制御情報として、係る油圧駆動型のアクチュエータが、係る動作速度が最も遅いアクチュエータである旨の情報が与えられていてもよい。或いは、作動油の供給経路を共有する形でこの種の油圧駆動型のアクチュエータが複数存在する場合等には、作動油の供給経路がより下流側に位置するアクチュエータを、動作速度が最も遅いアクチュエータとしてもよい。或いは、油圧や油温等、動作速度を規定し得る各種物理量に応じてその都度油圧の伝達特性を特定し、一方でモータ等駆動源の回転速度に基づいて推定される電気駆動型アクチュエータの動作速度と比較することにより、その都度個別具体的に動作速度が最も遅いアクチュエータが特定されてもよい。いずれにせよ、動作速度が最も遅いアクチュエータは、基準アクチュエータとして、然るべき制御目標値に向かって駆動制御される。
【0011】
動作速度が最も遅いアクチュエータに起因してEGR量が目標値に対し過多となるか否かは、各アクチュエータの動作速度、各アクチュエータ相互間における動作速度の差異、及び内燃機関の実践的制御態様により変化する。従って、その判別態様は各種存在してよい。尚、スロットル弁に対応するアクチュエータが最も動作速度が遅いアクチュエータとなる可能性は極めて低く、またスロットル弁開度が、車両の要求出力や要求駆動力に直結している点に鑑みれば、スロットル弁は、動作速度の最も遅いアクチュエータの動作状態とは関係なく然るべき目標値に向けて駆動制御されるのが望ましい。
【0012】
このようにスロットル弁に対し通常の駆動制御がなされる場合、EGR量が目標値に対し過多となるか否かは、スロットル弁開度の変化方向に基づいて判別することも可能である。例えば、スロットル弁が開弁側へ変化する場合、吸気通路の負圧は減少する(より大気圧に漸近する)傾向となり、EGR弁開度が一定であれば吸気通路の負圧と排気圧との圧力偏差に支配されるEGR量は、減少側に変化する。このため、この種の過渡期間では、EGR量が目標値に対し過多となる事態は生じ難いと言える。逆に、スロットル弁が閉弁側へ変化する場合、吸気通路の負圧は増加する傾向となり、吸気通路の負圧と排気圧との圧力偏差に支配されるEGR量は、増加側に変化する。このため、この種の過渡期間では、EGR量が目標値に対し過多となる事態が生じ易くなると言える。
【0013】
尚、判別手段は、必ずしも実際のEGR量の多寡を正確に表し得る判別を行う必要はなく、好適な一形態として、一時的にせよEGR量の過多が生じぬように、より安全側にマージンをもたせた判別を行ってもよい。
【0014】
一方、本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、EGR量が目標値に対し過多となる旨が判別された場合に、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される設定手段により、動作速度や目標値に対する収束率等、動作速度が最も遅いアクチュエータの動作状態を規定する各種の指標値に基づいて、EGR量が減少するように、また望ましくはEGR量が当該過渡期間で急変しないように、残余のアクチュエータの制御目標値が設定される。このように他のアクチュエータに係る制御目標値が設定されると、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される制御手段により、この設定された制御目標値に基づいて他のアクチュエータが制御される。
【0015】
このように、本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、過渡期間において動作速度が最も遅いアクチュエータに起因するEGR過多の発生が予見される場合に、係る動作速度が最も遅いアクチュエータの動作状態を考慮しつつ、EGR過多が生じないように残余のアクチュエータが駆動制御される。このため、動作速度が最も遅いアクチュエータが、その動作速度に起因して過渡期間の燃焼に与える影響が緩和或いは相殺され、過渡期間における燃焼の悪化が好適に防止されるのである。
【0016】
補足すると、EGR過多の防止のみを考えれば、極端な場合、EGR弁を閉弁してしまえばよいが、何らの指針に基づくことなく単にEGR量を減少側に補正したところで、可変動弁機構の駆動制御により調整されるオーバラップ量に起因する内部EGR量との協調が難しくなる。また他のアクチュエータの動作速度によって、一のEGR弁開度に対する実際のEGR量も変化する。これらの点に鑑みれば、このような技術思想の範疇では、過渡期間のEGR量は目標値に対し過多とはならずとも少なくとも安定性を欠く点は否めず、また、場合によってはEGR量の急変すら生じかねない。このようなEGR量の不規則な変化は、空燃比をフィードバックして決定される燃料噴射量の精度にも影響を与えるから、結局は、燃焼悪化の招来を回避することが難しくなる。
【0017】
その点、本発明の如く、最も動作速度の遅いアクチュエータが如何なるアクチュエータであれ、その動作状態を基準として残余のアクチュエータの制御目標値を設定すれば、EGR量の過多は無論、EGR量が目標値に対し過少となる事態をも回避し得る。即ち、過渡期間において、EGR量を望ましい態様で推移させることが可能となるのである。
【0018】
本発明に係る内燃機関の制御装置の一の態様では、前記可変動弁機構に対応するアクチュエータは、前記一のアクチュエータとして、作動油の油圧により駆動される油圧駆動型アクチュエータを含み、前記設定手段は、前記指標値の少なくとも一部として、前記作動油の油圧及び油温のうち少なくとも一方に基づいて前記他のアクチュエータの制御目標値を設定する。
【0019】
この態様によれば、作動油の油圧又は油温或いはその両方に基づいて、より正確に動作速度の最も遅いアクチュエータの動作状態を特定することが可能となるため、残余のアクチュエータの動作状態をより最適化し得る。従って、過渡期間における燃焼の悪化が好適に防止され得る。
【0020】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの構成を概念的に表してなる概略構成図である。
【図2】図1のエンジンシステムにおいてECUにより実行される過渡EGR制御のフローチャートである。
【図3】図2の過渡EGR制御におけるオーバラップ量OLの一時間推移を例示する図である。
【図4】図2の過渡EGR制御におけるEGR率Regrの一時間推移を例示する図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る過渡EGR制御のフローチャートである。
【図6】図5の過渡EGR制御において参照されるVVTコントローラの応答速度の一特性を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステム10の構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
【0023】
図1において、エンジンシステム10は、ECU100及びエンジン200を備える。
【0024】
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM等を備え、ハイブリッド車両10の各部の動作を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「内燃機関の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する過渡EGR制御を実行可能に構成されている。尚、ECU100は、本発明に係る「判別手段」、「設定手段」及び「制御手段」の夫々一例として機能するように構成された一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
【0025】
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンである。尚、本発明における「内燃機関」とは、例えば2サイクル又は4サイクルレシプロエンジン等を含み、少なくとも一の気筒を有し、当該気筒内部の燃焼室において、例えばガソリン、軽油或いはアルコール等の各種燃料を含む混合気が燃焼した際に発生する力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランク軸等の物理的又は機械的な伝達手段を適宜介して駆動力として取り出すことが可能に構成された機関を包括する概念である。係る概念を満たす限りにおいて、本発明に係る内燃機関の構成は、エンジン200のものに限定されず各種の態様を有してよい。
【0026】
エンジン200は、シリンダブロック(符合省略)内にシリンダ201が4本直列に配置されてなる直列4気筒エンジンである。エンジン200は、各シリンダ内部において空気と燃料との混合気が燃焼するに際して生じる不図示のピストンの往復運動を、コネクティングロッド及びクランクシャフト(いずれも不図示)を介して回転運動に変換可能に構成されている。このクランクシャフトの回転位置は、ECU100と電気的に接続された不図示のクランクポジションセンサによって検出されており、所定の制御バスを介してECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
【0027】
エンジン200が動作するに際し、外部から吸入された空気は、吸気通路202に導かれ、エアクリーナ203によって浄化された後に、各気筒に連通する吸気マニホールド202aへ供給される。また、吸入された空気に係る吸入空気量は、エアクリーナ203の下流に位置するエアフローメータ204によって検出される。エアフローメータ204は、ECU100と電気的に接続されており、エアフローメータ204によって検出された吸入空気量は、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
【0028】
吸気通路202には、スロットル弁205が設けられ、その開度に応じて吸気マニホールド202aに供給される吸入空気量が制御される構成となっている。スロットル弁205は、DCモータを含む電気駆動型のスロットル弁アクチュエータ(即ち、本発明に係る「アクチュエータ」の一例である)により駆動される電子制御式の吸気絞り弁であり、本発明に係る「スロットル弁」の一例である。このスロットル弁アクチュエータは、ECU100と電気的に接続されており、スロットル弁205は、ECU100により、例えば不図司のアクセルペダルの開度に応じて或いはアクセルペダルの開度とは無関係にその開度が制御される構成となっている。また、スロットル弁205の開度たるスロットル弁開度Athrは、スロットル弁205近傍に設けられたスロットル開度センサ206により検出される。スロットル開度センサ206は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたスロットル弁開度Athrは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
【0029】
シリンダ201内の燃焼室には、吸気マニホールド202aを介して供給される空気と、吸気マニホールド202aに連通する不図示の吸気ポートにおいて、例えば電子制御式のインジェクタ(図示は省略)等から噴射供給される燃料との混合気が、二個の吸気バルブ207を介して吸入される。この際、係る混合気は、吸気バルブ207の開弁時に燃焼室内へ供給される構成となっている。尚、係るインジェクタ等の燃料供給系は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその噴射量及び噴射時期(噴射クランク角)が制御される構成となっている。
【0030】
燃焼室内部では、燃焼行程において点火プラグ208による点火動作により混合気が燃焼する。尚、点火プラグ208は、ECU100と電気的に接続されており(制御ラインは不図示)、ECU100によってその点火時期(点火クランク角)が制御されるように構成されている。燃焼室において燃焼済みとなった混合気は、不図示の排気ポートに連通する二個の排気バルブ209の開弁時に、排気として係る排気ポートに排出され、更に排気ポートに連通する排気マニホールド210a及び排気通路210を介して排出される。
【0031】
排気通路210には、三元触媒211が設けられており、排気通路210に排出された排気は、係る三元触媒211により浄化せしめられ、更に後段に設置される他の触媒装置により順次浄化せしめられた後に車外へ排出される構成となっている。また、エンジン200のシリンダブロック内に収容されるウォータジャケットには、冷却水が循環供給されている。
【0032】
吸気バルブ207は、不図示のシリンダヘッド上に回転可能に支持された吸気カムシャフト212に各吸気バルブ207に対応付けられて固定された吸気カム213によって、その開閉動作が制御される。一方、排気バルブ209は、不図示のシリンダヘッド上に回転可能に支持された排気カムシャフト214に各排気バルブ209に対応付けられて固定された排気カム215によって、その開閉動作が制御される。
【0033】
吸気バルブ207の開弁特性のうち、リフト量と作用角は、吸気カム213のカムプロフィールによって決定される。本実施形態では特に、吸気カム213と吸気カムシャフト212との相対的な回転位相が、吸気カム213に一部が連結された吸気カム用アクチュエータ216によって自由に変更可能である。吸気カム用アクチュエータ216は、図示せぬ電源ユニットを電力源とする本発明に係る「アクチュエータ」の他の一例となる電動アクチュエータであり、吸気カム213に対し、吸気カム213を吸気カムシャフト212に対し相対的に進角、遅角又は固定させるための駆動力を付与可能に構成されている。
【0034】
尚、吸気カム用アクチュエータ216は、本発明に係る「可変動弁機構」の一例であり、所謂カムバイワイヤ(CBW)と称される電気的なカム駆動機構を構成している。また、これ以降、吸気カム用アクチュエータ216を適宜「電動VVT」と称することとする。
【0035】
この吸気カム用アクチュエータ216により、エンジン200では、吸気カム213のカムプロフィールに何ら制約を受けることなく、吸気バルブ207のリフト量、作用角、開弁時期及び閉弁時期を自由に決定することができる。吸気カム用アクチュエータ216は、ECU100と電気的に接続されており、吸気バルブ207におけるリフト量、作用角、開弁時期及び閉弁時期を含む開弁特性は、吸気カム用アクチュエータ216を介してECU100により制御される構成となっている。
【0036】
一方、排気側カムシャフト214の一端部には、VVTコントローラ217が備わり、排気バルブ209のバルブタイミングが可変に制御される構成となっている。VVTコントローラ217の構成について簡単に説明すると、VVTコントローラ217は、紙面に垂直な方向へ伸長する排気側カムシャフト214の外周に回動可能に支持されたスプロケット(不図示)にボルト等で締め付けられることによって固定されたハウジングとロータとを備える。ここで、エンジン200におけるクランクシャフトの回転は、タイミングチェーン(不図示)を介してこのスプロケットとハウジングとに伝達されるため、スプロケット及びハウジングは、クランクシャフトに同期して回転する。
【0037】
排気側カムシャフト214は、エンジン200のシリンダヘッドとベアリングキャップにより回転可能に支持されている。ロータは、このように支持された排気側カムシャフト214の一方の端部においてストッパを介してボルトで締め付けられることによって固定されており、ハウジング内に回動可能に収容されている。また、ハウジング内部には、複数の液室が形成されており、その各々が、ロータの外周部に形成されたベーンによって、進角室及び遅角室に区画されている。排気側カムシャフト214の外周部分には、遅角側流路部が環状に形成されており、遅角室の各々に不図示の液圧流路を介して連通している。また、排気側カムシャフト214の外周部には更に、進角側流路部が、遅角側流路部と同様環状に形成されており、進角室の各々に不図示の液圧流路を介して連通している。
【0038】
このような構成の下、VVTコントローラ217は、この遅角側流路部及び進角側流路部を含む液圧伝達系を介して作動油を進角室又は遅角室に適宜供給し、ベーンをハウジングに対して相対回転させることにより、排気バルブ209のバルブタイミングを可変に制御可能に構成されている。即ち、VVTコントローラ217は、所謂ベーン駆動方式の可変動弁機構であり、本発明に係る「アクチュエータ」の他の一例となっている。尚、これ以降、VVTコントローラ217を適宜「油圧VVT」と称することとする。
【0039】
排気マニホールド210aと吸気マニホールド202aとは、EGR通路218により連通する構成となっている。このEGR通路218には、EGR弁219が設置されている。EGR弁219は、不図示の電気駆動型のEGR弁アクチュエータによりEGR通路218内で回転駆動される弁体を有し、この弁体の開度たるEGR弁開度Aegrが、EGR通路218を閉塞させる全閉開度と、EGR通路218を開放する全開開度との間で段階的に制御されることにより、EGR通路218を経由して吸気マニホールド202aに導かれるEGRガスの流量(以下、適宜「EGR量」と称する)を調整可能に構成されている。EGR弁219を駆動するこのEGR弁アクチュエータは、ステッピングモータとその駆動装置とを備えており、この駆動装置がECU100と電気的に接続され、ECU100によりその駆動状態が制御される構成となっている。EGR弁アクチュエータは、本発明に係る「アクチュエータ」の他の一例である。
【0040】
<実施形態の動作>
エンジンシステム10では、ECU100により実行される過渡EGR制御によって、エンジン200の過渡運転期間における燃焼の悪化が好適に防止される構成となっている。ここで、図2を参照し、本実施形態の動作として、係る過渡EGR制御の詳細について説明する。ここに、図2は過渡EGR制御のフローチャートである。
【0041】
図2において、ECU100は、燃焼悪化を伴うエンジン200の運転条件の変更が生じたか否かを判別する(ステップS101)。この種の運転条件の変更が生じていない場合(ステップS101:NO)、ECU100は、実質的に処理を待機状態とする。
【0042】
ここで、本実施形態において、燃焼悪化を伴う運転条件の変更とは、スロットル弁205が閉弁側へ駆動されることを指すものとする。スロットル弁205が閉弁側へ駆動されると、吸気マニホールド202a内の負圧が大きくなり、吸気マニホールド202aと排気マニホールド210aとの圧力偏差に応じて変化するEGR量が増加側に変化する。このため、例えば、その時点のEGR弁開度Aegrが維持されると、本来のEGR量の目標値に対しEGR量が過多となって、シリンダ201内での燃焼が悪化してしまうのである。
【0043】
一方、EGR弁219に係るEGR弁開度Aegrを、単に減少側へ補正したとしても、この種の運転条件の変更に際しては、吸排気バルブのバルブオーバラップ量OLも吸気カム用アクチュエータ216及びVVTコントローラ217により過渡的に変化するから、EGR量は必ずしも適正に変化しない。そこで、ECU100は、この種の燃焼悪化を伴う過渡運転期間において、以下の如くにして、EGR量を好適に推移させ、燃焼の悪化を可及的に防止する構成となっている。
【0044】
即ち、燃焼悪化を伴う運転条件の変更要求が生じた場合(ステップS101:YES)、ECU100は、先ずスロットル弁開度Athr、EGR弁開度Aegr、吸気カム用アクチュエータ216の位相を表す電動VVT位相Aevvt、VVTコントローラ217の位相を表す油圧VVT位相Aovvt、吸排気バルブのバルブオーバラップ量OL及びEGR率Regrの収束値を夫々算出する(ステップS202)。尚、収束値とは、この種の過渡期間を経た後に到達すべき最終的な制御目標値である。
【0045】
次に、ECU100は、運転条件の変化に応じたスロットル弁205の制御量を算出し、スロットル弁アクチュエータを介してスロットル弁205を駆動制御する(ステップS103)。また、運転条件の変化に応じたバルブオーバラップ量OLの収束値に対応するVVTコントローラ217の制御量たる油圧VVT制御量を算出し、VVTコントローラ217を駆動制御する(ステップS104)。
【0046】
ここで、VVTコントローラ217は、吸気カム用アクチュエータ216、スロットル弁205を駆動するスロットル弁アクチュエータ及びEGR弁219を駆動するEGR弁アクチュエータと異なり、油圧駆動型のアクチュエータであり、その動作速度は、これらのうちで最も遅い旨が予め制御情報として与えられている。即ち、VVTコントローラ217は、本発明に係る「動作速度が最も遅い一のアクチュエータ」の一例である。このように、本実施形態では、動作速度が最も遅いアクチュエータたるVVTコントローラ217と、ドライバの要求負荷を実現するアクチュエータであるスロットル弁アクチュエータとが、何ら補正されないまま通常通りに駆動され、残余のアクチュエータの制御目標値を算出するための基準となる。
【0047】
次に、ECU100は、過渡目標オーバラップ量を算出する(ステップS105)。ここで、図3を参照し、過渡目標オーバラップ量について説明する。ここに、図3は、過渡目標オーバラップ量の一時間推移を例示する模式図である。
【0048】
図3において、過渡目標オーバラップ量は、現時点のオーバラップ量(図示OL1に相当する白丸参照)と、最終目標であるオーバラップ量の収束値(図示OL2に相当する白丸参照)とを繋いだ図示目標変化特性線PRF_OLtg(破線参照)上で規定されるオーバラップ量であり、例えば、図示時刻TAにおいて、図示OLAである。即ち、過渡目標オーバラップ量とは、この種の過渡運転期間において、バルブオーバラップ量OLを連続的に且つ円滑に変化させるためのバルブオーバラップ量OLの制御目標値である。
【0049】
図2に戻り、過渡目標オーバラップ量が算出されると、ECU100は、この算出された過渡目標オーバラップ量を実現するための吸気カム用アクチュエータ216の目標位相である電動VVT目標位相を算出する(ステップS106)。即ち、過渡目標オーバラップ量が得られるように、最も動作速度の遅いアクチュエータであるVVTコントローラ217の動作速度(即ち、本発明に係る「動作状態を規定する指標値」の一例)に基づいて、吸気カム用アクチュエータ216の制御目標値が定められるのである。
【0050】
続いて、この算出された電動VVT目標位相が、吸気カム用アクチュエータ216の実際の制御量たる電動VVT制御量に変換される(ステップS107)。この電動VVT目標位相及び電動VVT制御量は、本発明に係る「他のアクチュエータの制御目標値」の一例である。尚、電動VVT制御量が算出されると、この算出された電動VVT制御量に基づいて吸気カム用アクチュエータ216が駆動制御される。
【0051】
一方、電動VVT制御量が算出されると、ECU100は更に、現時点のEGR率Regrを推定する(ステップS108)。ここで、現時点のEGR率Regrは、スロットル弁開度Athr、EGR弁開度Aegr、電動VVT位相Aevvt及び油圧VVT位相Aovvtに基づいて推定される。尚、EGR率Regrとは、シリンダ201内に吸入される吸気の総量に対するEGR量の比率であり、本実施形態では特に、吸排気バルブのバルブオーバラップ量OLに応じて変化する内部EGR量と、吸排気マニホールド間の圧力差(排気圧が大気圧であるとすれば、ほぼスロットル弁開度Athrに比例する)とEGR弁開度Aegrとに応じて規定される外部EGR量との双方が考慮された値である。
【0052】
尚、ROMには、これら制御量に基づいてEGR率を算出するための演算式が予め格納されており、EGR率Regrを推定するにあたって、ECU100は、係る演算式に従った演算処理を実行する。尚、このように算出による推定は一例であって、例えばこれら制御量をパラメータとするマップがROMに格納され、適宜係るマップから該当値が選択される構成が採られてもよい。
【0053】
EGR率Regrが算出されると、ECU100は、目標EGR率を実現するためのEGR弁目標開度を算出する(ステップS109)と共に、係るEGR弁目標開度をEGR弁219の制御量に変換して(ステップS110)EGR弁アクチュエータを介してEGR弁219を駆動制御する。EGR弁219が駆動制御されると、処理はステップS101に戻され、一連の処理が繰り返される。過渡EGR駆動制御は、このようにして実行される。
【0054】
ここで、図4を参照し、ステップS109に係る目標EGR率について説明する。ここに、図4は、EGR率Regrの一時間推移を例示する模式図である。
【0055】
図4において、図示ハッチング領域は内部EGRに相当しており、図示非ハッチング領域は外部EGRに相当している。ここで、現時点のEGR率RegrがRegr1(図示時刻T1に相当する)であり、最終的なEGR率Regrの目標値(即ち、収束値)がRegr2であるとすると、目標EGR率は、ある時刻における、図示目標変化特性線PRF_Regrtg1(破線参照)上の値と、図示目標変化特性線PRF_Regrtg2(鎖線参照)上の値との偏差として規定される。即ち、目標EGR率とは、現時点から収束時点までの期間において、EGR率Regrを連続的に且つ円滑に変化させるために必要とされる、外部EGR量に係るEGR率である。
【0056】
以上説明したように、本実施形態に係る過渡EGR制御によれば、EGR量が過多になると予見される過渡運転期間において、VVTコントローラ217、吸気カム用アクチュエータ216、スロットル弁アクチュエータ及びEGR弁アクチュエータのうち動作速度が最も遅いVVTコントローラ217に合わせて、まず内部EGR量を規定するバルブオーバラップ量OLが連続的に且つ円滑に変化するように吸気カム用アクチュエータ216の制御目標値が決定され、更に、EGR率Regrを連続的に且つ円滑に変化させるために必要となる外部EGR量が得られるように、EGR弁219の制御目標値が決定される。
【0057】
即ち、各アクチュエータの動作特性を考慮して、過渡期間におけるEGR量が過多とならないように、迅速且つ正確にEGR率Regrの低減が図られつつ、EGR率Regrを連続的に変化させることが可能となっているのでる。このため、この種の過渡期間において、EGR過多による燃焼の悪化も、EGR過少による空燃比の過度な変動も生じることがなく、極めて良好な燃焼特性が担保されるのである。
<第2実施形態>
次に、図5を参照し、本発明の第2実施形態として、第1実施形態とは異なる過渡EGR制御について説明する。ここに、図5は、第2実施形態に係る過渡EGR制御のフローチャートである。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
【0058】
図5において、ECU100は、燃焼悪化を伴う運転条件の変更要求が生じた場合に(ステップS101:YES)、スロットル弁開度Athr、EGR弁開度Aegr、電動VVT位相Aevvt及び油圧VVT位相Aovvtの収束値を算出する(ステップS201)。尚、ステップS201は、ステップS102と算出項目が異なるのみである。
【0059】
ECU100は、スロットル弁開度Athrの収束値に応じてスロットル弁205の制御量を算出すると(ステップS103)、油圧VVTたるVVTコントローラ217の応答速度たる油圧VVT応答速度を算出する(ステップS202)。
【0060】
ここで、図6を参照し、VVTコントローラ217の応答速度について説明する。ここに、図6は、エンジン200の機関回転速度NEに対するVVTコントローラ217の応答速度の一特性を例示する模式図である。
【0061】
図6において、油圧VVT応答速度は、機関回転速度NEが中高回転領域にある場合には機関回転速度NEに対して殆ど不変である一方、作動油の油圧が十分に得られない低回転領域においては、顕著に低下する傾向を有する。ECU100は、図6に相当する関係を数値化してなるマップを予めROMに保持しており、ステップS202の実行に際しては、係るマップから機関回転速度NEに対応する一の値を選択的に取得する。
【0062】
尚、ここでは、機関回転速度NEと油圧VVT応答速度との関係のみについて言及したが、油圧VVT応答速度は、作動油の油温によっても変化する。従って、エンジン200の冷却水温や潤滑油温等と油圧VVT応答速度との関係が別途マップに規定され適宜参照されてもよい。
【0063】
図5に戻り、ECU100は、吸気カム用アクチュエータ216、VVTコントローラ217、スロットル弁アクチュエータ及びEGR弁アクチュエータのうち、動作速度の最も遅いアクチュエータを特定する(ステップS203)。
【0064】
ステップS203において、ECU100は、個々のアクチュエータの収束値と応答速度(油圧VVT以外は、モータの応答速度であり、概ね一定であるとする)とに基づいて、収束値への収束に要する時間を算出し、当該時間が最も長いアクチュエータを動作速度が最も遅いアクチュエータとする。
【0065】
尚、油圧VVTたるVVTコントローラ217以外が電動アクチュエータである点に鑑みれば、第2実施形態においても、動作速度が最も遅いアクチュエータは、VVTコントローラ217であり、以下の説明では、動作速度の最も遅いアクチュエータがVVTコントローラ217であるとして説明を継続することとする。
【0066】
ECU100は、動作速度が最も遅いVVTコントローラ217の制御量を算出する(ステップS104)と共に、現時点のVVTコントローラ217の収束率を算出する(ステップS204)。ここで、収束率とは、収束値に対する到達度の指標値であり、例えば、現時点の動作量を収束値に到達するのに必要な制御量で除した値であってもよいし、ステップS202で算出された応答速度に経過時間を乗じた値を必要な制御量で除した値であってもよい。
【0067】
VVTコントローラ217の収束率が算出されると、ECU100は、係る収束率から、EGR弁開度Aegrの目標値である目標EGR弁開度及び電動VVTとしての吸気カム用アクチュエータ216の制御目標値を算出する(ステップS205)と共に、これら目標値を各々の制御量に変換し(ステップS206)、各制御量に基づいてEGR弁219及び吸気カム用アクチュエータ216を駆動制御する。係る駆動制御が実行されると、処理はステップS101に戻され、一連の処理が繰り返される。第2実施形態に係る過渡EGR駆動制御はこのようにして実行される。
【0068】
このように、本実施形態に係る過渡EGR駆動制御によれば、エンジン200の動作状態に応じて変化する、油圧VVTたるVVTコントローラ217の応答速度が正確に特定され、係る応答速度に基づいて算出される、VVTコントローラ217の制御量の収束率に基づいて、第1実施形態と同様に、バルブオーバラップ量OL及びEGR率Regrを夫々連続的に且つ円滑に変化させるための吸気カム用アクチュエータ216及びEGR弁219の制御目標値が算出される。従って、EGR弁219及び吸気カム用アクチュエータ216の制御目標値をより最適化することが可能となり、エンジン200の過渡運転期間における燃焼の悪化を、より好適に抑制可能となる。
【0069】
尚、上記第1及び第2実施形態においては、本発明に係る「アクチュエータ」の一部として、油圧VVTたるVVTコントローラ217が含まれており、残余のアクチュエータと較べて比較的顕著に動作速度が劣ることに起因して比較的簡便に過渡EGR駆動制御が実行される。然るに、本発明に係る「アクチュエータ」として、必ずしも油圧駆動型のアクチュエータが含まれる必要は無く、例えば、全て電動アクチュエータであったとしても、最も動作速度が遅いアクチュエータの特定が可能である限りにおいて、上述した実践上の利益が好適に担保されることは言うまでもない。
【0070】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明に係る内燃機関の制御装置は、EGR装置を備えた内燃機関の制御に利用可能である。
【符号の説明】
【0072】
10…エンジンシステム、100…ECU、200…エンジン、201…シリンダ、205…スロットル弁、216…吸気カム用アクチュエータ、217…VVTコントローラ、218…EGR通路、219…EGR弁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
夫々が相異なるアクチュエータにより駆動される、吸気通路に設置されたスロットル弁、吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方の動弁特性を変化させることが可能な少なくとも一つの可変動弁機構、並びに前記吸気通路と排気通路とを連通させるEGR通路に設置された、EGR量を調整可能なEGR弁を備えてなる内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関の過渡運転期間において、前記アクチュエータのうち動作速度が最も遅い一のアクチュエータに起因して、前記過渡運転期間における前記EGR量が目標値に対して過多となるか否かを判別する判別手段と、
前記過渡運転期間におけるEGR量が前記目標値に対し過多となる旨が判別された場合に、前記一のアクチュエータの動作状態を規定する指標値に基づいて、前記EGR量が減少するように他の前記アクチュエータの制御目標値を設定する設定手段と、
該設定された制御目標値に従って前記他のアクチュエータを制御する制御手段と
を具備することを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記可変動弁機構に対応するアクチュエータは、前記一のアクチュエータとして、作動油の油圧により駆動される油圧駆動型アクチュエータを含み、
前記設定手段は、前記指標値の少なくとも一部として、前記作動油の油圧及び油温のうち少なくとも一方に基づいて前記他のアクチュエータの制御目標値を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−185379(P2010−185379A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30334(P2009−30334)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】