説明

内燃機関の燃料噴射制御装置及び制御方法

【課題】内燃機関において吸気温度に起因する燃焼のばらつきに特化した補正を行なう。
【解決手段】吸気温度センサ26が内燃機関1の吸気温度を、筒内圧センサ22が筒内圧力を検出する。コントローラ20は筒内圧力変化率の吸気温度変化に対する感度を学習する。吸気温度が変化すると、コントローラ20は学習した感度に基づき、吸気温度変化に起因する燃焼パラメータの変化が補償されるように燃料噴射を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関の吸気温度に起因する燃焼のばらつきを補償するための燃料噴射制御に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の従来技術は、筒内圧センサが検出した燃焼室圧力とクランク角とから、内燃機関の発熱パラメータを計算し、発熱パラメータに基づきパイロット噴射量を制御することを開示している。
【特許文献1】特開2003−207488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
内燃機関には、温度、燃料噴射量、空気量などのさまざまな要素による燃焼のばらつきが発生する。特許文献1の従来技術は筒内圧センサを用いて実噴射時期を検出することで、実噴射時期を目標噴射時期へとフィードバック制御することを可能にしている。
【0004】
こうしたフィードバック制御は燃焼のばらつきを補償するうえで有効であるが、特定のばらつき要因に特化した補償を行なうことはできない。例えば吸気温度は気温によって大きく変化し,燃焼に大きなばらつきをもたらす要素であるが、吸気温度に起因する燃焼のばらつきに特化した燃焼の補正は行なわれていない。
【0005】
この発明は従来技術の以上の状況に鑑みて、吸気温度に起因する燃焼のばらつき補正に特化した燃料噴射制御を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するために、この発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置において、吸気温度を検出する手段と、吸気温度の違いに起因する燃焼パラメータの変化を検出する手段と、吸気温度を強制的に変化させる吸気温度強制変化手段と、吸気温度強制変化手段による吸気温度変化前後の吸気温度差と燃焼パラメータの変化とから燃焼パラメータの吸気温度変化に対する感度を学習する学習手段と、吸気温度と、学習した燃焼パラメータの吸気温度変化に対する感度と、に基づき燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段、を備えている。
【0007】
この発明はまた、内燃機関の燃料噴射制御方法において、吸気温度を検出し、吸気温度の違いに起因する燃焼パラメータの変化を検出し、吸気温度を強制的に変化させ、吸気温度の強制的な変化の前後の吸気温度差と燃焼パラメータの変化とから燃焼パラメータの吸気温度変化に対する感度を学習し、吸気温度と、学習した燃焼パラメータの吸気温度変化に対する感度と、に基づき燃料噴射を制御している。
【発明の効果】
【0008】
燃焼パラメータの吸気温度変化に対する感度を学習し、吸気温度が変化すると、燃焼パラメータの変化に基づき燃料噴射制御を行なうので、吸気温度に起因する燃焼のばらつきに特化した補正を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に図面を参照してこの発明の第1の実施形態を説明する。
【0010】
図1はこの発明の第1の実施形態による内燃機関の燃料噴射制御装置の概略構成図である。図2は燃料噴射制御装置が備えるコントローラが実行する燃料噴射の学習制御ルーチンを説明するフローチャートである。図3は吸気温度と燃焼騒音との関係を、EGRクーラの冷却能力に応じて示すダイアグラムである。図4は吸気温度と二酸化窒素(NOx)の排出量との関係を、EGRクーラの冷却能力に応じて示すダイアグラムである。
【0011】
図1を参照すると、車両用の圧縮着火式の多気筒内燃機関1は吸気通路3と排気通路11を備える。エアクリーナ2を介して吸気通路3に吸い込まれた吸気はターボ過給器のコンプレッサ4で過給され、インタクーラ5で冷却した後に吸気コレクタ6から吸気マニホールド7を介して各気筒の燃焼室8に供給される。
【0012】
各気筒の燃焼室8には燃料噴射ノズル9が設けられている。燃料噴射ノズル9は吸気に燃料を噴射することで燃焼室8内に混合気を生成する。
【0013】
往復動型のピストン10は混合気を圧縮することで混合気に圧縮着火し、混合気を燃焼室8内で燃焼させる。燃焼ガスは排気通路11に排出され、ターボ過給器のタービン12を回転駆動した後、大気中に放出される。
【0014】
内燃機関1は排気通路11の排気の一部を吸気コレクタ6に還流する排気還流(EGR)通路13を備える。EGR通路13には還流排気を冷却するEGRクーラ14と、EGRクーラ14をバイパスするバイパス通路15と、還流排気の流量を調整するEGR弁16が設けられる。EGRクーラ14とバイパス通路15はバイパス弁19の操作により切り換えられる。EGR通路13と、EGRクーラ14と、バイパス通路15と、バイパス弁19とが吸気温度強制変化手段を構成する。
【0015】
燃料噴射ノズル9にはコモンレール17から燃料が供給される。内燃機関1と一体回転する燃料ポンプ18は燃料タンクの燃料を加圧してコモンレール17に供給する。燃料噴射ノズル9の燃料噴射タイミングと燃料噴射期間は、学習手段及び燃料噴射制御手段としてのコントローラ20が出力するパルス幅変調信号によって制御される。
【0016】
コントローラ20は中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/O インタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ20を複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。
【0017】
コントローラ20には燃焼室8内の圧力を検出するパラメータ検出手段としての筒内圧センサ22、車両が備えるアクセルペダルの踏み込み量APOを検出するアクセルペダル踏込み量センサ23、内燃機関1のクランク角θと機関回転速度Neを検出するクランク角センサ24、車両の走行速度Vを検出する車速センサ25、及び吸気コレクタ6内の吸気温度を検出する吸気温度検出手段としての吸気温度センサ26から検出信号がそれぞれ信号入力される。
【0018】
コントローラ20はこれらの入力信号に基づき燃焼の変化を示すパラメータとして、ある機関回転速度Neと燃料噴射量Qfの組み合わせのもとで、筒内圧力変化率dP/dθの最大値dP/dθMax1を計算する。次に、バイパス弁19の操作によりEGRクーラ14とバイパス通路15とを切り換える。そして、同じ機関回転速度Neと燃料噴射量Qfの組み合わせのもとで、筒内圧力変化率dP/dθの最大値dP/dθMax2を計算する。ふたつの筒内圧力変化率dP/dθの最大値の差dP/dθMax1−dP/dθMax2が、EGRクーラ14とバイパス通路15の切り換えによる内燃機関1の吸気温度の差がもたらす燃焼パラメータの差である。コントローラ20はこれらの値から吸気温度に対する燃焼パラメータの感度を学習し、以後の吸気温度の違いに応じて燃焼パラメータが最適に保たれるように、燃料噴射を制御する。
【0019】
図2を参照して、コントローラ20が以上の制御プロセスのために実行する燃料噴射の学習制御ルーチンを説明する。このルーチンは、内燃機関1の運転ごとに実行される。
【0020】
ステップS1でコントローラ20はアクセルペダル踏み込み量APOがゼロであり、かつ車速Vの変化率ΔVすなわち車両の加速度がゼロ以下であるかどうかを判定する。言い換えれば、アクセルペダルが踏み込まれておらず、内燃機関1がアイドル運転状態にあり、かつ車両が加速していないという条件が成立するかどうかを判定する。
【0021】
この条件が成立しない場合には、コントローラ20は条件が成立するまで待機する。
【0022】
ステップS1の条件が成立すると、コントローラ20はステップS2で、その時点のエンジン回転速度Neと燃料噴射量Qfのもとでの筒内圧力変化率dP/dθの最大値dP/dθMax1を筒内圧センサ22からの入力信号に基づき計算する。計算結果は吸気温度センサ26が検出したバイパス弁19の切り換え前の吸気温度とともにRAMに格納される。
【0023】
ステップS3でコントローラ20は、バイパス弁19を切り換えて、EGRクーラ14による還流排気の冷却をオンからオフ、あるいはオフからオンへと切り換える。
【0024】
ステップS4でコントローラ20はステップS1と同様にアクセルペダル踏み込み量APOがゼロであり、かつ車速Vの変化率ΔVすなわち車両の加速度がゼロ以下であるかどうかを判定する。これらの条件が成立しない場合には、コントローラ20は条件が成立するまで待機する。
【0025】
ステップS4の条件が成立すると、コントローラ20はステップS5で、ステップS2と同じエンジン回転速度Neと燃料噴射量Qfのもとでの筒内圧力変化率dP/dθの最大値dP/dθMax2を筒内圧センサ22からの入力信号に基づき計算する。また、吸気温度センサ26が検出するバイパス弁19の切り換え後の吸気温度を読み取る。
【0026】
コントローラ20は計算したdP/dθMax2とバイパス弁19の切り換え後の吸気温度と、RAMに格納されているdP/dθMax1とバイパス弁19の切り換え前の吸気温度とから、EGRクーラ14とバイパス通路15の切り換えによる内燃機関1の吸気温度の差がもたらす燃焼パラメータの差dP/dθMax1−dP/dθMax2を計算し、計算結果と実測された吸気温度差から吸気温度に対する燃焼パラメータの感度を計算する。
【0027】
ステップS6でコントローラ20は吸気温度による燃焼パラメータの変化を補正するための燃料噴射ノズル9によるパイロット噴射量の補正量と、コモンレール17のレール圧に関する補正量とを決定する。
【0028】
ステップS7でコントローラ20は、吸気温度センサ22が検出する吸気温度に基づき、吸気温度に基づく補正量のもとでパイロット噴射量と、コモンレール17のレール圧を制御することで、燃焼パラメータの変化を補正する。
【0029】
以上のルーチンにおいて、ステップS6までが学習プロセスを、ステップS7が学習に基づく燃料噴射制御プロセスを構成する。時系列的には内燃機関1が運転を開始した後、コントローラ20はステップS1からS6に至る学習プロセスを実行し、以後は学習した補正量を用いてステップS7における燃料噴射制御プロセスを内燃機関1の運転終了まで継続する。
【0030】
ステップS7における燃料噴射制御の内容を次に説明する。
【0031】
図3は吸気コレクタ6内の吸気温度と燃焼騒音AVLとの関係を、EGRクーラ14の冷却能力の大小に応じて示している。図に示すように、吸気温度が低いほど燃焼騒音は大きくなる。また、EGRクーラ14の冷却能力が小さいほどこの傾向が顕著に現れる。
【0032】
図4は、吸気コレクタ6内の吸気温度と二酸化窒素(NOx)の排出量との関係を、EGRクーラ14の冷却能力の大小に応じて示している。図に示すように、吸気温度が下がるにつれてNOxの排出量は増加する。また、EGRクーラ14の冷却能力が小さい場合ほどこの傾向が顕著に現れる。EGRクーラ14の冷却能力は既知であるので、内燃機関1における吸気温度と燃焼騒音の関係、及び吸気温度とNOx排出量との関係は、あらかじめマップとしてコントローラ20のROMに格納しておくことができる。
【0033】
コントローラ20は、検出した吸気温度に基づき、ROMに格納されたマップを参照して燃焼騒音を計算し、燃焼騒音があらかじめ定めた領域より大きい場合には、コモンレール17のレール圧を低下方向に補正するか、あるいはパイロット噴射量を増量する。
【0034】
コントローラ20は、また計算した吸気温度に基づき、ROMに格納されたマップを参照してNOx排出量を計算し、NOx排出量があらかじめ定めた領域より多い場合には、コモンレール17のレール圧を低下方向に補正するか、あるいはパイロット噴射量を増量する。
【0035】
このようにして、筒内圧力変化率dP/dθの最大値dP/dθMaxを燃焼パラメータとして、吸気温度に基づき燃料噴射制御を行なうことで、吸気温度の変化が内燃機関1の燃焼騒音やNOx発生量に及ぼす好ましくない影響を的確に是正することができる。
【0036】
図5を参照して、この発明の第2の実施形態を説明する。
【0037】
図5は図2の燃料噴射の学習制御ルーチンの代わりにコントローラ20が実行する燃料噴射の学習制御ルーチンを示す。このルーチンと図2のルーチンとの相違は、燃焼の変化を示すパラメータとして筒内圧力変化率の最大値dP/dθMaxの代わりに、筒内圧センサ22が検出する筒内圧力Pの最大値Pmaxを用いる。
【0038】
ステップS1,S3,S4,S7は図2のルーチンと同一である。ステップS2,S5,S6の代わりにこのルーチンではステップS12,S15,S16を設けている。
【0039】
ステップS12でコントローラ20はステップS1の条件のもとでのエンジン回転速度Neと燃料噴射量Qfにおける筒内圧力最大値Pmax1を筒内圧センサ22が検出する筒内圧力Pの値から読み取り、計算結果をRAMに格納する。
【0040】
ステップS15では、バイパス弁19を切り換えた後の同じエンジン回転速度Neと燃料噴射量Qfにおける筒内圧力最大値Pmax2を筒内圧センサ22が検出する筒内圧力Pの値から読み取る。
【0041】
コントローラ20は読み取ったPmax2とRAMに格納されているPmax1とから、EGRクーラ14とバイパス通路15の切り換えによる内燃機関1の吸気温度の差がもたらす燃焼パラメータの差Pmax1−Pmax2を計算し、さらに吸気温度に対する燃焼パラメータの感度を計算する。
【0042】
ステップS16でコントローラ20は燃焼パラメータの変化に対する燃料噴射ノズル9によるパイロット噴射量の補正量と、コモンレール17のレール圧に関する補正量を決定する。
【0043】
このように、燃焼パラメータとして筒内圧力変化率の最大値dP/dθMaxの代わりに筒内圧力最大値Pmaxを用いても、吸気温度変化に対する的確な補正を行なうことができる。
【0044】
図6を参照して、この発明の第3の実施形態を説明する。
【0045】
図6は図2の燃料噴射の学習制御ルーチンの代わりにコントローラ20が実行する燃料噴射の学習制御ルーチンを示す。このルーチンと図2のルーチンとの相違は、燃焼の変化を示すパラメータとして筒内圧力変化率の最大値dP/dθMaxの代わりに、実着火時期IGTを用いる。実着火時期IGTは筒内圧センサ22により検出することができる。
【0046】
ステップS1,S3,S4,S7は図2のルーチンと同一である。ステップS2,S5,S6の代わりにこのルーチンではステップS22,S25,S26を設けている。
【0047】
ステップS22でコントローラ20はステップS1の条件のもとでのエンジン回転速度Neと燃料噴射量Qfにおける実着火時期IGT1を検出し、計算結果をRAMに格納する。
【0048】
ステップS25でコントローラ20は、バイパス弁19を切り換えた後の同じエンジン回転速度Neと燃料噴射量Qfにおける実着火時期IGT2を検出する。
【0049】
コントローラ20は検出した実着火時期IGT2とROMに格納されたIGT1とから、EGRクーラ14とバイパス通路15の切り換えによる内燃機関1の吸気温度の差がもたらす燃焼パラメータの差IGT1−IGT2を計算し、吸気温度に対する燃焼パラメータの感度を計算する。
【0050】
ステップS26でコントローラ20は燃焼パラメータの変化に対する燃料噴射ノズル9によるパイロット噴射量の補正量と、コモンレール17のレール圧に関する補正量を決定する。
【0051】
このように、燃焼パラメータとして筒内圧力変化率の最大値dP/dθMaxの代わりに実着火時期IGTを用いても、吸気温度変化に対する的確な補正を行なうことができる。
【0052】
以上、この発明をいくつかの特定の実施形態を通じて説明してきたが、この発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。当業者にとっては、特許請求の範囲の技術範囲でこれらの実施形態にさまざまな修正あるいは変更を加えることが可能である。
【0053】
例えば燃焼の変化を示すパラメータとして筒内圧力変化率の最大値dP/dθMaxの代わりに着火遅れ期間を用いることも可能である。
【0054】
上記の各実施形態では、吸気温度強制変化手段をEGR通路13と、EGRクーラ14と、バイパス通路15と、バイパス弁19とで構成しているが、吸気温度強制変化手段は吸気温度を強制的に変化させる機能を有するいかなる装置でも良い。例えば、吸気温度強制変化手段としてインタクーラ5をバイパスするバイパス通路30と、インタクーラ5とバイパス通路30を切り換えるバイパス弁31とを設け、バイパス弁31の切り換えにより吸気温度を強制的に変化させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の第1の実施形態による内燃機関の燃料噴射制御装置の概略構成図である。
【図2】燃料噴射制御装置が備えるコントローラが実行する燃料噴射の学習制御ルーチンを説明するフローチャートである。
【図3】吸気温度と燃焼騒音との関係を、EGRクーラの冷却能力に応じて示すダイアグラムである。
【図4】吸気温度と二酸化窒素(NOx)の排出量との関係を、EGRクーラの冷却能力に応じて示すダイアグラムである。
【図5】この発明の第2の実施形態による燃料噴射の学習制御ルーチンを説明するフローチャートである。
【図6】この発明の第3の実施形態による燃料噴射の学習制御ルーチンを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1 内燃機関
3 吸気通路
6 吸気コレクタ
7 吸気マニホールド
8 燃焼室
9 燃料噴射ノズル
11 排気通路
13 排気還流(EGR)通路
14 EGRクーラ
15 バイパス通路
16 EGR弁
17 コモンレール
18 燃料ポンプ
19 バイパス弁
20 コントローラ
22 筒内圧センサ
23 アクセルペダル踏込み量センサ
24 クランク角センサ
25 車速センサ
26 吸気温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の燃料噴射制御装置において、
吸気温度を検出する手段と、
吸気温度の違いに起因する燃焼パラメータの変化を検出する手段と、
吸気温度を強制的に変化させる吸気温度強制変化手段と、
吸気温度強制変化手段による吸気温度変化前後の吸気温度差と燃焼パラメータの変化とから燃焼パラメータの吸気温度変化に対する感度を学習する学習手段と、
吸気温度と、学習した燃焼パラメータの吸気温度変化に対する感度と、に基づき燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
【請求項2】
内燃機関は車両用であり、車両はアクセルペダルを備え、アクセルペルの踏み込み量がゼロかつ車速の変化がゼロ以下でない場合には学習手段による学習を阻止する手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項1の内燃機関の燃料噴射制御装置。
【請求項3】
燃焼パラメータは筒内圧力の最大変化率である、ことを特徴とする請求項1または2の内燃機関の燃料噴射制御装置。
【請求項4】
燃焼パラメータは最大筒内燃焼圧力である、ことを特徴とする請求項1または2の内燃機関の燃料噴射制御装置。
【請求項5】
燃焼パラメータは噴射された燃料の実着火時期である、ことを特徴とする請求項1または2の内燃機関の燃料噴射制御装置。
【請求項6】
吸気温度強制変化手段は、内燃機関の排気の一部を内燃機関の吸気に還流する排気還流通路と、排気還流通路の還流排気を冷却するクーラと、クーラをバイパスするバイパス通路と、クーラとバイパス通路を切り換えるバイパス弁とを備える、ことを特徴とする請求項1から5のいずれかの内燃機関の燃料噴射制御装置。
【請求項7】
内燃機関は燃料噴射ノズルと、燃料噴射ノズルに燃料を供給するコモンレールとを備え、燃料噴射制御手段は燃料噴射ノズルのパイロット噴射量とコモンレールのレール圧の少なくとも一方を制御するように構成される、ことを特徴とする請求項1から6のいずれかの内燃機関の燃料噴射制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−144677(P2010−144677A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325139(P2008−325139)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】