説明

内燃機関の自動停止始動制御装置

【課題】アイドルストップ制御システムを搭載したクラッチ付きの車両において、アイドルストップ制御の燃料カット/内燃機関回転降下中に運転者がクラッチペダルの踏み込みを解除する方向に操作して再始動要求が発生した場合の再始動性を向上させる。
【解決手段】アイドルストップ制御の燃料カット/エンジン回転降下中に運転者がクラッチペダルの踏み込みを解除する方向に操作したときに、クラッチストロークセンサの出力(クラッチの踏み込み量)を監視して、クラッチストロークセンサの出力が再始動準備判定値に達した時点で、再始動要求の発生が近いと予測して、再始動に備えてエンジンの空気系の制御量(スロットル開度)をその時点の制御量と再始動時の制御量との間に設定された再始動準備制御量に切り替え、その後、クラッチストロークセンサの出力が再始動判定値に達した時点で、再始動要求が発生して燃料噴射を再開してエンジンを再始動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラッチ付きの車両(マニュアルミッション車)において、自動停止制御(アイドルストップ制御)による燃料噴射停止により内燃機関(エンジン)の回転速度が降下する途中で再始動要求が発生したときに直ちに内燃機関を再始動させる機能を備えた内燃機関の自動停止始動制御装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
近年、燃費節減、エミッション低減等を目的として、エンジン自動停止始動制御システム(いわゆるアイドルストップ制御システム)を搭載した車両が増加しつつある。従来の一般的なアイドルストップ制御システムは、運転者が車両を停車させたときに燃料噴射を停止(燃料カット)してエンジンを自動的に停止させ、その後、運転者が車両を発進させようとする操作(ブレーキ解除操作やアクセル踏込み操作等)を行ったときに自動的にスタータに通電してエンジンをクランキングして再始動させるようにしている。
【0003】
しかし、停車中に燃料カットを実行してアイドルストップさせるだけでは、燃費向上に限界がある。
そこで、最近では、更なる燃費向上を狙って、車両走行中に車両停止に至る可能性のある低速での減速領域にも、アイドルストップ制御の燃料カット領域を拡大することが要求されるようになってきている。更に、特許文献1(特開2008−267297号公報)に記載されているように、アイドルストップ制御の燃料カットによりエンジン回転速度が降下する途中で、再始動要求が発生したときに、まだエンジン回転速度がスタータレス始動可能(燃料噴射のみで再始動可能)な回転速度領域であれば、スタータを使用せずに燃料噴射のみでエンジンを再始動する“スタータレス始動”を行うようにしたものがある。
【0004】
これらのアイドルストップ制御システムは、自動変速機付き車両に搭載される場合が多いが、特許文献2(特開2000−144718号公報)、特許文献3(特開平11−257118号公報)に記載されているように、クラッチ付きの車両(マニュアルミッション車)にもアイドルストップ制御システムが搭載される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−267297号公報
【特許文献2】特開2000−144718号公報
【特許文献3】特開平11−257118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記アイドルストップ制御システムを搭載したクラッチ付きの車両(マニュアルミッション車)では、車両走行中に運転者がブレーキペダルを踏み込んで制動しながらクラッチペダルを踏み込んでクラッチを切り離した時点で、車両停止に至る可能性のある減速状態と判断して自動停止要求(アイドルストップ要求)が発生して燃料噴射を停止し、この燃料噴射停止(燃料カット)によりエンジン回転速度が降下する過程で、運転者がクラッチペダルの踏み込みを解除する方向に操作した場合には、クラッチが接続状態になる前に、再始動要求が発生して燃料噴射を再開してエンジンを再始動させるように構成することが考えられている。
【0007】
このように、アイドルストップ制御の燃料カット/エンジン回転降下中に運転者がクラッチペダルの踏み込みを解除する方向に操作して再始動要求が発生した場合には、再始動後にクラッチが緩やかに接続状態に戻されることが望ましいが、運転者がクラッチペダルの踏み込みを急激に解除すると、再始動直前又は再始動中にクラッチが急激に接続状態に戻されてエンジンと車両駆動系とが急激に直結状態になってしまい、その結果、再始動時のエンジン負荷が急激に大きくなって再始動性が悪化して、最悪の場合、エンスト(エンジンストール)に至る可能性もある。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、アイドルストップ制御システムを搭載したクラッチ付きの車両において、アイドルストップ制御の燃料カット/内燃機関回転降下中に運転者がクラッチペダルの踏み込みを解除する方向に操作して再始動要求が発生した場合の再始動性を向上できる内燃機関の自動停止始動制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の動力を駆動系に伝達する経路を接続/切断するクラッチと、前記クラッチの接続/切断を切り替えるクラッチペダルの踏み込み量を検出するクラッチ踏み込み量検出手段と、前記内燃機関の運転中に運転者が前記クラッチペダルを踏み込んで前記クラッチを切断している期間に自動停止要求が発生した時点で燃料噴射を停止させる自動停止制御手段と、前記自動停止制御手段による燃料噴射停止中(燃料カット中)に内燃機関回転速度が降下する途中で前記クラッチ踏み込み量検出手段の検出結果に基づいて再始動要求の有無を監視して再始動要求が発生した時点で燃料噴射を再開して前記内燃機関を再始動させる自動始動制御手段とを備え、前記自動始動制御手段は、前記クラッチ踏み込み量検出手段の検出結果に基づいて前記再始動要求の発生を事前に予測したときに再始動に備えて前記内燃機関の制御量をその時点の制御量と再始動時の制御量との間に設定された再始動準備制御量に切り替えるようにしたものである。
【0010】
この構成によれば、自動停止制御(アイドルストップ制御)の燃料カット/内燃機関回転降下中にクラッチ踏み込み量検出手段の検出結果に基づいて再始動要求の発生を事前に予測したときに、再始動要求が発生するまでの期間に再始動に備えて内燃機関の制御量を再始動準備制御量に切り替えて再始動時の制御量に近付けておくことができるため、再始動要求発生時に内燃機関の制御量を再始動時の制御量に切り替える際の制御量の変更幅を小さくすることができる。これにより、再始動要求発生時の制御量の切り替えに伴う制御系の応答遅れの影響を少なくして直ちに再始動に適した運転状態に変化させて再始動を行うことができるため、再始動時の内燃機関の始動トルクを増大することができ、再始動直前又は再始動中にクラッチが急激に接続状態に戻された場合でも、従来より大きな始動トルクで内燃機関を再始動させることが可能になり、再始動性を向上させて、エンストを防止することができる。しかも、大きな始動トルクで内燃機関を再始動できるため、再始動要求発生から再始動完了までの時間を短縮することが可能となり、再始動直前又は再始動中にクラッチが急激に接続状態に戻される頻度(確率)を従来よりも少なくすることができ、この面からも再始動性を向上させることができる。
【0011】
この場合、請求項2のように、再始動要求の発生を事前に予測したときに内燃機関の制御量のうち空気系(例えば、スロットル開度、可変バルブタイミング、可変バルブリフト量、EGR弁、気流制御弁、過給機、可変吸気装置等)の制御量を再始動準備制御量に切り替えるようにすると良い。空気系は、制御量を変化させてから筒内の空気状態が変化するまでの応答遅れが燃料系、点火系と比べて大きいため、再始動要求の発生を事前に予測したときに空気系の制御量を再始動準備制御量に切り替えて再始動時の制御量に近付けておけば、再始動要求発生時に空気系の制御量を再始動時の制御量に切り替える際の空気系の応答遅れの影響を少なくして、直ちに筒内充填空気量等を再始動に適した状態に変化させて再始動を行うことができ、再始動時の内燃機関の始動トルクを効果的に増大できる。しかも、再始動要求の発生を事前に予測したときに空気系の制御量を再始動準備制御量に切り替えることで、ポンピングロスを低減して内燃機関回転速度の低下を緩やかにすることができるため、再始動要求発生時の内燃機関回転速度を従来よりも高い回転速度にすることができる。このため、再始動直前又は再始動中にクラッチが接続状態に戻された場合に、車両の減速エネルギを利用して内燃機関を回転駆動しながら燃料噴射を再開して再始動させることが可能となり、この面からも始動性を向上させることができる。
【0012】
但し、本発明は、再始動要求の発生を事前に予測したときに内燃機関の燃料系や点火系の制御量を再始動準備制御量に切り替えるようにしても良く、要は、内燃機関の制御系のうち、再始動要求発生時の制御量の切り替えに伴う応答遅れの影響を無視できない制御パラメータを再始動準備制御量に切り替えるようにすれば良い。
【0013】
また、再始動準備制御量は、演算処理の簡略化のために、予め設定した一定値(固定値)としても良いが、請求項3のように、クラッチ踏み込み量検出手段で検出したクラッチペダルの踏み込み量の変化速度又はこれに相関する情報に基づいて再始動準備制御量を設定するようにしても良い。要するに、クラッチペダルの踏み込みを解除する際に、クラッチペダルの踏み込み量の変化速度が速くなるほど、再始動要求の発生を事前に予測してから実際に再始動要求が発生するまでの時間が短くなるため、クラッチペダルの踏み込み量の変化速度に応じて再始動準備制御量を設定するようにすれば、例えば、クラッチペダルの踏み込み量の変化速度が速くなるほど、再始動準備制御量を再始動時の制御量に近付けるという制御が可能となる。これにより、再始動要求の発生を事前に予測してから実際に再始動要求が発生するまでの時間に応じて再始動準備制御量を適正に設定することができる。
【0014】
また、請求項4のように、クラッチ踏み込み量検出手段の検出結果に基づいて再始動時の制御量を設定するようにしても良い。このようにすれば、クラッチ踏み込み量検出手段の検出結果に応じて再始動時の制御量も変化させることができるため、例えば、クラッチペダルの踏み込み量の変化速度が速くなるほど、再始動時の制御量をトルク増大方向に変化させるという制御が可能となり、再始動直前又は再始動中にクラッチが急激に接続状態に戻された場合でも、始動トルクを増大させて内燃機関を再始動させることができる。
【0015】
以上説明した請求項1〜4に係る発明は、吸気ポート噴射型の内燃機関、筒内噴射型の内燃機関、吸気ポート噴射と筒内噴射を併用するデュアル噴射型の内燃機関のいずれにも適用可能であるが、吸気ポート噴射型の内燃機関に適用する場合は、請求項5のように、再始動要求が燃料噴射のみで再始動可能な回転速度領域で発生したときに、直ちに少なくとも最初の燃料噴射を“非同期噴射”で実行してから“同期噴射”に復帰することで、スタータを使用せずに燃料噴射のみで内燃機関を再始動するスタータレス始動を行うようにしても良い。
【0016】
このように、再始動要求が燃料噴射のみで再始動可能な回転速度領域で発生したときに、直ちに少なくとも最初の燃料噴射を“非同期噴射”で実行すれば、再始動要求発生時に吸気行程にある気筒に非同期噴射の燃料が吸入されて次の圧縮TDC付近で点火されて最初の燃焼(初爆)が発生するようになる。これにより、従来の同期噴射のみの再始動制御と比較して、再始動要求発生から初爆発生までの期間を1行程分(4気筒エンジンでは180CA、6気筒エンジンでは120CA)だけ短縮して早期に初爆を発生させることが可能となり、その分、再始動直前又は再始動中にクラッチが急激に接続状態に戻される頻度(確率)を少なくすることができて、再始動性を一層向上させることができる。
【0017】
但し、本発明は、再始動要求発生時に最初から同期噴射のみで燃料噴射を再開してスタータレス始動を行うようにしても良い。
また、本発明は、再始動要求発生時にスタータレス始動を行う構成に限定されず、再始動要求発生時にスタータを使用して内燃機関を再始動するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の実施例1における車両駆動システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は実施例1におけるエンジン制御システム全体の概略構成図である。
【図3】図3は実施例1のアイドルストップ制御の燃料カット/エンジン回転降下中に運転者がクラッチペダルの踏み込みを解除する方向に操作した時の再始動制御の一例を説明するタイムチャートである。
【図4】図4は実施例1のアイドルストップ中再始動制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は実施例2のアイドルストップ制御の燃料カット/エンジン回転降下中に運転者がクラッチペダルの踏み込みを解除する方向に操作した時の再始動制御の一例を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した2つの実施例1,2を説明する。
【実施例1】
【0020】
本発明の実施例1を図1乃至図4に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて制御システム全体の構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11のクランク軸と変速機12の入力軸との間には、両者を接続/切断するクラッチ13が設けられ、変速機12の出力軸の回転力がプロペラシャフト14→ディファレンシャルギヤ15→ドライブシャフト16の経路で駆動輪17に伝達される。変速機12は、マニュアルトランスミッションであり、運転者がシフトレバー18のシフトポジションを切り替えるシフト操作を行うことで、変速機12の変速段を切り替えるようになっている。変速機12には、シフトレバー18のシフトポジションを検出するシフトスイッチ19が設けられている。
【0021】
車両には、クラッチ13の接続/切断を切り替えるためのクラッチペダル(図示せず)が設けられ、該クラッチペダルの踏み込み操作によりクラッチ13が切り離され、該クラッチペダルの踏み込み操作を解除することでクラッチ13が接続されるようになっている。クラッチペダルの踏み込み量がクラッチストロークセンサ20(クラッチ踏み込み量検出手段)によって検出される。エンジン11には、スタータレス始動時以外の始動時にクランク軸37を回転駆動(クランキング)するためのスタータ21が取り付けられている。
【0022】
スタータ21は、スタータレス始動時以外の始動時にのみ、ピンオンを突出させてエンジン11側のリンクギアに噛み合わせるスタータを用いても良いし、或は、ピンオンをリンクギアに常時噛み合わせて、再始動要求に応じていつでもエンジン11をクランキングできるように構成した常時噛合い式のスタータを用いても良い。或は、エンジン運転中は、ピンオンをリンクギアから抜き出した状態で待機させ、エンジン11の自動停止(アイドルストップ)によるエンジン回転降下期間中に再始動要求が発生した時点で、モータによりピンオンを回転させてピニオンの回転速度をリンクギアの回転速度に同期させて両者の回転速度の差が小さくなったところで、ピニオンをリンクギアに噛み合わせてクランキングを開始するように構成したものを用いても良い。
【0023】
エンジン11は、吸気ポート噴射エンジン、筒内噴射エンジン、吸気ポート噴射と筒内噴射を併用するデュアル噴射エンジンのいずれの噴射型式のエンジンを用いても良い。
本実施例1では、吸気ポート噴射エンジン11を用いた構成例を図2を用いて説明する。エンジン11の吸気管22の最上流部には、エアクリーナ23が設けられ、このエアクリーナ23の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ24が設けられている。このエアフローメータ24の下流側には、モータ25によって開度調節されるスロットルバルブ26と、このスロットルバルブ26の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ27とが設けられている。
【0024】
更に、スロットルバルブ26の下流側には、サージタンク28が設けられ、このサージタンク28に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ29が設けられている。また、サージタンク28には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド30が設けられ、各気筒の吸気マニホールド30の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を吸気ポートに向けて噴射する燃料噴射弁31が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ32が取り付けられ、各点火プラグ32の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
【0025】
一方、エンジン11の排気管33には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ34(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ、この排出ガスセンサ34の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒35が設けられている。
【0026】
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ36が取り付けられている。エンジン11のクランク軸37の外周側には、クランク軸37が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ38が取り付けられ、このクランク角センサ38の出力パルスの間隔(周期)に基づいてエンジン回転速度が検出されると共に、カム角センサ(図示せず)の出力信号又はクランク角センサ38の欠歯部(基準クランク角)を基準にしてクランク角センサ38の出力パルスをカウントすることで、クランク角の検出と気筒判別[吸気行程の気筒(噴射気筒)と圧縮行程の気筒(点火気筒)の判別]が行われる。
【0027】
エンジン11の運転状態を制御する制御装置41は、1つ又は複数のECU(例えばエンジン用ECU、アイドルストップ用ECU)によって構成されている。この制御装置41には、運転状態を検出する各種センサ、例えば、上述したエアフローメータ24、スロットル開度センサ27、吸気管圧力センサ29、排出ガスセンサ34、冷却水温センサ36、シフトスイッチ19、クラッチストロークセンサ20からの信号の他に、ブレーキの作動(ON)/非作動(OFF)を検出するブレーキスイッチ42、アクセル開度(アクセルペダルの踏み込み量)を検出するアクセルセンサ43、車速を検出する車速センサ44等からの信号が入力される。
【0028】
制御装置41は、エンジン運転中は、上記各種センサで検出した運転状態に応じて、エンジン11の燃料噴射量や噴射時期、吸入空気量(スロットル開度)、点火時期等を制御する。更に、制御装置41は、特許請求の範囲でいう自動停止制御手段及び自動始動制御手段としても機能し、エンジン運転中に自動停止要求(アイドルストップ要求)が発生したか否かを監視して、自動停止要求が発生したときに燃料噴射を停止(燃料カット)して、エンジン11の燃焼を自動的に停止(アイドルストップ)させる。
【0029】
自動停止要求は、車両停止後(停車中)に発生するようにしても良いが、本実施例1では、アイドルストップ制御の燃料カット領域を拡大するために、車両走行中に車両停止に至る可能性のある低速での減速領域でも、自動停止要求が発生するようにしている。具体的には、車両走行中に車両停止に至る可能性のある所定減速状態になったか否か(自動停止要求が発生したか否か)を、例えば、次の(1) 〜(4) の条件を全て満たすか否かで判定する。
【0030】
(1) クラッチ13が切断状態(クラッチペダル踏み込み量が切断判定値以上)
(2) ブレーキ作動中(ブレーキスイッチ42のON)
(3) 車速が所定車速以下
(4) シフト位置が前進ギア
【0031】
これらの条件(1) 〜(4) を全て満たせば、車両停止に至る可能性のある所定減速状態であると判定する。尚、車両停止に至る可能性のある所定減速状態の判定方法は、適宜変更しても良いことは言うまでもない。
【0032】
車両走行中に車両停止に至る可能性のある所定減速状態であると判定した時点で、自動停止要求(アイドルストップ要求)が発生したと判断して、燃料噴射を停止(燃料カット)して、エンジン11の燃焼を自動的に停止(アイドルストップ)させる。その後、燃料カットによりエンジン回転速度が降下する過程で、運転者がクラッチペダルの踏み込みを解除する方向(踏み込み量を小さくする方向)に操作すると、クラッチストロークセンサ20の出力(クラッチ13の踏み込み量)がクラッチ13の切断領域のストローク範囲内に設定した再始動判定値に達した時点で、再始動要求が発生して燃料噴射を再開してエンジン11を再始動させる。従って、運転者がクラッチペダルの踏み込みを解除する方向に操作すると、クラッチ13が接続状態になる前に再始動要求が発生してエンジン11を再始動させる。
【0033】
このように、アイドルストップ制御の燃料カット/エンジン回転降下中に運転者がクラッチペダルの踏み込みを解除する方向に操作して再始動要求が発生した場合には、再始動後にクラッチ13が緩やかに接続状態に戻されることが望ましいが、運転者がクラッチペダルの踏み込みを急激に解除すると、再始動直前又は再始動中にクラッチ13が急激に接続状態に戻されてエンジン11と車両駆動系とが急激に直結状態になってエンジン負荷が急激に大きくなってしまい、再始動性が悪化する可能性がある。
【0034】
この対策として、本実施例1では、図3に示すように、アイドルストップ制御の燃料カット/エンジン回転降下中に運転者がクラッチペダルの踏み込みを解除する方向に操作したときに、クラッチストロークセンサ20の出力(クラッチ13の踏み込み量)を監視して、クラッチストロークセンサ20の出力が再始動準備判定値に達したときに、再始動要求の発生が近いと予測して、その時点で、再始動に備えてエンジン11の空気系の制御量(本実施例1ではスロットル開度)をその時点の制御量と再始動時の制御量との間に設定された再始動準備制御量に切り替え、その後、クラッチストロークセンサ20の出力が再始動判定値に達したときに、再始動要求が発生して燃料噴射を再開してエンジン11を再始動させる。図3に示すように、再始動準備判定値と再始動判定値は、共に、クラッチ13の切断領域のストローク範囲内に設定され、再始動準備判定値は、再始動判定値よりもクラッチ13の踏み込み量が大きい位置(最大踏み込み位置からの戻し量が小さい位置)に設定されている。
【0035】
次に、図3を用いて本実施例1のアイドルストップ制御/再始動制御の一例を説明する。エンジン運転中に、自動停止要求が発生した時点t1 で、燃料噴射を停止すると共に、スロットル開度を全閉状態に切り替える。アイドルストップ制御の燃料カット/エンジン回転降下中に、運転者がクラッチペダルの踏み込みを解除する方向に操作すると、クラッチストロークセンサ20の出力が再始動準備判定値に達した時点t2 で、再始動要求の発生が近いと予測して、再始動に備えて空気系であるスロットル開度を全閉位置から再始動準備開度(再始動準備制御量)に切り替える。この再始動準備開度は、直前のスロットル開度(全閉)と再始動時のスロットル開度との間に設定されている。
【0036】
空気系は、スロットル開度を変化させてから筒内充填空気量が変化するまでの応答遅れが燃料系、点火系と比べて大きいため、再始動要求の発生を事前に予測したときにスロットル開度を再始動準備開度まで開いて再始動時のスロットル開度に近付けておけば、再始動要求発生時にスロットル開度を再始動時のスロットル開度に切り替える際のスロットル開度の変更幅を小さくすることができる。これにより、空気系の応答遅れの影響を少なくして直ちに筒内充填空気量を再始動に適した空気量に変化させて再始動することができ、再始動時のエンジン11の始動トルクを増大できる。しかも、再始動要求の発生を事前に予測したときにスロットル開度を再始動準備開度まで開くことで、ポンピングロスを低減してエンジン回転速度の低下を緩やかにすることができるため、再始動要求発生時のエンジン回転速度を従来よりも高い回転速度にすることができる。このため、再始動直前又は再始動中にクラッチ13が接続状態に戻された場合に、車両の減速エネルギを利用してエンジン11を回転駆動しながら燃料噴射を再開して再始動させることが可能となり、始動性を向上させることができる。
【0037】
そして、クラッチストロークセンサ20の出力が再始動判定値に達した時点t3 で、再始動要求が発生して、スロットル開度を再始動準備開度から再始動時のスロットル開度まで開くと共に、点火時期を進角させて燃料噴射を再開してエンジン11を再始動させる。これにより、再始動要求発生時のスロットル開度の切り替えに伴う空気系の応答遅れの影響を少なくして直ちに再始動に適した筒内充填空気量に変化させて再始動を行うことができるため、再始動時のエンジン11の始動トルクを増大することができ、再始動直前又は再始動中にクラッチ13が急激に接続状態に戻された場合でも、従来より大きな始動トルクでエンジン11を再始動させることが可能になる。しかも、再始動時のエンジン11の始動トルクを増大できるため、再始動要求発生から再始動完了までの時間を短縮することが可能となり、再始動直前又は再始動中にクラッチ13が急激に接続状態に戻される頻度(確率)を従来よりも少なくすることができ、この面からも再始動性を向上させることができる。
【0038】
以上説明した本実施例1のアイドルストップ中の再始動制御は、制御装置41によって図4のアイドルストップ中再始動制御プログラムに従って次のようにして実行される。
図4のアイドルストップ中再始動制御プログラムは、制御装置41の電源オン期間中(イグニッションスイッチのオン期間中)に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう自動始動制御手段としての役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、アイドルストップ中(燃料カット中)であるか否かを判定し、アイドルストップ中(燃料カット中)でなければ、アイドルストップ中(燃料カット中)になるまで待機する。
【0039】
その後、上記ステップ101で、アイドルストップ中(燃料カット中)であると判定された時点で、ステップ102に進み、クラッチストロークセンサ20の出力(クラッチ13の踏み込み量)が再始動準備判定値以下になるまで待機する。
【0040】
その後、クラッチストロークセンサ20の出力が再始動準備判定値以下になった時点で、再始動要求の発生が近いと予測して、ステップ103に進み、再始動準備開度(再始動要求発生までの期間のスロットル開度)を算出する。この再始動準備開度は、演算処理を簡略化するために、予め設定された一定開度としても良いが、例えば、アクセル開度、エンジン回転速度、冷却水温、吸気管圧力、吸入空気量等のエンジン運転状態に基づいて再始動準備開度を算出しても良い。或は、まず、再始動時のスロットル開度を、例えば、アクセル開度、エンジン回転速度、冷却水温、吸気管圧力、吸入空気量等のエンジン運転状態に基づいて算出して、この再始動時のスロットル開度の所定割合に相当するスロットル開度を再始動準備開度としても良い。要は、再始動準備開度は、現時点のスロットル開度(全閉)と再始動時のスロットル開度との間に位置するスロットル開度であれば良い。
【0041】
その後、ステップ104に進み、再始動に備えてスロットル開度を再始動準備開度に切り替えて、ステップ105に進み、クラッチストロークセンサ20の出力が再始動判定値以下になるまで待機する。
【0042】
その後、クラッチストロークセンサ20の出力が再始動判定値以下になった時点で、再始動要求が発生して、ステップ106に進み、再始動時スロットル開度、再始動時点火時期、再始動時燃料噴射量を算出した後、ステップ107に進み、再始動制御を実行し、スロットル開度を再始動時スロットル開度まで開くと共に、点火時期を再始動時点火時期まで進角し、燃料噴射を再開してエンジン11を再始動させる。
【0043】
この際、再始動要求発生時のエンジン回転速度がスタータレス始動可能(燃料噴射のみで再始動可能)な回転速度領域であれば、スタータ21を使用せずに燃料噴射のみでエンジン11を再始動する“スタータレス始動”を行うようにしても良い。更に、エンジン11が吸気ポート噴射エンジンの場合は、再始動要求が発生した時点で、直ちに少なくとも最初の燃料噴射を“非同期噴射”で実行してから“同期噴射”に復帰することで、スタータ21を使用せずに燃料噴射のみでエンジン11を再始動するスタータレス始動を行うようにしても良い。このように、再始動要求が燃料噴射のみで再始動可能な回転速度領域で発生したときに、直ちに少なくとも最初の燃料噴射を“非同期噴射”で実行すれば、再始動要求発生時に吸気行程にある気筒に非同期噴射の燃料が吸入されて次の圧縮TDC付近で点火されて最初の燃焼(初爆)が発生するようになる。これにより、従来の同期噴射のみの再始動制御と比較して、再始動要求発生から初爆発生までの期間を1行程分(4気筒エンジンでは180CA、6気筒エンジンでは120CA)だけ短縮して早期に初爆を発生させることが可能となり、その分、再始動直前又は再始動中にクラッチ13が急激に接続状態に戻される頻度(確率)を少なくすることができて、再始動性を一層向上させることができる。
【0044】
但し、本発明は、再始動要求発生時に最初から同期噴射のみで燃料噴射を再開してスタータレス始動を行うようにしても良い。
また、本発明は、再始動要求発生時にスタータレス始動を行う構成に限定されず、例えば、常時噛合い式のスタータを搭載した車両では、アイドルストップ制御の燃料カット/エンジン回転降下中に再始動要求が発生したときに、常時噛合い式のスタータに通電してエンジンを再始動するようにしても良い。或は、エンジン運転中は、スタータのピンオンをリンクギアから抜き出した状態で待機させ、アイドルストップ制御の燃料カット/エンジン回転降下中に再始動要求が発生した時点で、モータによりピンオンを回転させてピニオンの回転速度をリンクギアの回転速度に同期させて両者の回転速度の差が小さくなったところで、ピニオンをリンクギアに噛み合わせてクランキングを開始してエンジンを再始動するようにしても良い。
【0045】
以上説明した本実施例1では、アイドルストップ制御の燃料カット/エンジン回転降下中に、運転者がクラッチペダルの踏み込みを解除する方向に操作して、クラッチストロークセンサ20の出力が再始動準備判定値に達した時点で、再始動要求の発生が近いと予測して、その再始動に備えてスロットル開度を、その時点のスロットル開度(全閉)と再始動時のスロットル開度との間に設定された再始動準備開度に切り替えるようにしたので、再始動要求発生時にスロットル開度を再始動時のスロットル開度に切り替える際のスロットル開度の変更幅を小さくすることができる。これにより、再始動時のスロットル開度の切り替えに伴う空気系の応答遅れの影響を少なくして直ちに筒内充填空気量を再始動に適した空気量に変化させて再始動することができ、再始動時のエンジン11の始動トルクを増大できて、再始動直前又は再始動中にクラッチ13が急激に接続状態に戻された場合でも、従来より大きな始動トルクでエンジン11を再始動させることが可能になり、再始動性を向上させて、エンストを防止することができる。しかも、再始動時のエンジン11の始動トルクを増大できるため、再始動要求発生から再始動完了までの時間を短縮することが可能となり、再始動直前又は再始動中にクラッチ13が急激に接続状態に戻される頻度(確率)を従来よりも少なくすることができ、この面からも再始動性を向上させることができる。
【0046】
更に、再始動要求の発生を事前に予測したときにスロットル開度を再始動準備開度まで開くことで、ポンピングロスを低減してエンジン回転速度の低下を緩やかにすることができるため、再始動要求発生時のエンジン回転速度を従来よりも高い回転速度にすることができる。このため、再始動直前又は再始動中にクラッチ13が接続状態に戻された場合に、車両の減速エネルギを利用してエンジン11を回転駆動しながら燃料噴射を再開して再始動させることが可能となり、この面からも始動性を向上させることができる。
【実施例2】
【0047】
次に、図5を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、上記実施例1と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。
本実施例2では、クラッチストロークセンサ20の出力(クラッチ13の踏み込み量)が再始動準備判定値に達した時点で、その直前のクラッチストロークセンサ20の出力の変化速度又はこれに相関する情報(例えば所定時間当たりの出力変化量)に基づいて再始動準備開度を設定するようにしている。要するに、クラッチペダルの踏み込みを解除する際に、クラッチペダルの踏み込み量の変化速度が速くなるほど、再始動要求の発生を事前に予測してから実際に再始動要求が発生するまでの時間が短くなるため、クラッチペダルの踏み込み量の変化速度に応じて再始動準備開度を設定するようにすれば、例えば、クラッチペダルの踏み込み量の変化速度が速くなるほど、再始動準備開度を再始動時のスロットル開度に近付けるという制御が可能となる。これにより、再始動要求の発生を事前に予測してから実際に再始動要求が発生するまでの時間に応じて再始動準備開度を適正に設定することができる。
【0048】
また、本実施例2では、スロットル開度を再始動準備開度に切り替えた再始動準備期間(t2 〜t3 )のクラッチストロークセンサ20の出力の変化速度又はこれに相関する情報(例えば所定時間当たりの出力変化量)に基づいて再始動時のスロットル開度及び/又は点火時期を設定するようにしている。このようにすれば、クラッチストロークセンサ20の出力の変化速度に応じて再始動時の制御量も変化させることができるため、例えば、クラッチストロークセンサ20の出力変化速度が速くなるほど、再始動時のスロットル開度をトルク増大方向であるスロットル開度増加方向に変化させたり、或は、再始動時の点火時期をトルク増大方向である進角方向に変化させるという制御が可能となり、再始動直前又は再始動中にクラッチが急激に接続状態に戻された場合でも、始動トルクを増大させてエンジン11を再始動させることができる。
【0049】
尚、再始動準備期間(t2 〜t3 )のクラッチストロークセンサ20の出力の変化速度又はこれに相関する情報(例えば所定時間当たりの出力変化量)に基づいて再始動時の燃料噴射量、燃料噴射時期、可変バルブタイミング等を変化させるようにしても良い。
【0050】
[その他の実施例]
上記実施例1,2では、アイドルストップ制御の燃料カット/エンジン回転降下中にクラッチストロークセンサ20の出力が再始動準備判定値に達した時点で、再始動要求の発生が近いと予測して、再始動に備えてエンジン11の空気系の制御量であるスロットル開度を再始動準備開度(再始動準備制御量)に切り替えるようにしたが、スロットル以外の空気系、例えば、可変バルブタイミング、可変バルブリフト量、EGR弁、気流制御弁、過給機、可変吸気装置等の制御量を再始動準備制御量に切り替えるようにしても良い。空気系は、制御量を変化させてから筒内の空気状態が変化するまでの応答遅れが燃料系、点火系と比べて大きいため、再始動要求の発生を事前に予測したときに空気系の制御量を再始動準備制御量に切り替えて再始動時の制御量に近付けておけば、再始動要求発生時に空気系の制御量を再始動時の制御量に切り替える際の空気系の応答遅れの影響を少なくして直ちに筒内充填空気量等を再始動に適した状態に変化させて再始動を行うことができ、再始動時のエンジン11の始動トルクを効果的に増大できる。
【0051】
但し、本発明は、再始動要求の発生が近いと予測した時点で、空気系の制御量を再始動準備制御量に切り替える構成に限定されず、例えば、再始動要求の発生が近いと予測した時点で、燃料系の制御量(例えば燃圧)や点火系の制御量を再始動準備制御量に切り替えるようにしても良く、要は、エンジン11の制御系のうち、再始動要求発生時の制御量の切り替えに伴う応答遅れの影響を無視できない制御パラメータを再始動準備制御量に切り替えるようにすれば良い。
【0052】
また、エンジン運転中は、スタータ21のピンオンをリンクギアから抜き出した状態で待機させ、再始動要求の発生が近いと予測した時点で、モータによりピンオンを回転させてピニオンの回転速度をリンクギアの回転速度に同期させて両者の回転速度の差が小さくなったところで、ピニオンをリンクギアに噛み合わせ、その後、再始動要求が発生した時点で、スタータ21によりクランキングを開始してエンジン11を再始動させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0053】
11…エンジン(内燃機関)、12…変速機、13…クラッチ、18…シフトレバー、19…シフトスイッチ、20…クラッチストロークセンサ(クラッチ踏み込み量検出手段)、21…スタータ、22…吸気管、26…スロットルバルブ、27…スロットル開度センサ、29…吸気管圧力センサ、31…燃料噴射弁、32…点火プラグ、33…排気管、38…クランク角センサ、41…制御装置(自動停止制御手段,自動始動制御手段)、42…ブレーキスイッチ、43…アクセルセンサ、44…車速センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の動力を駆動系に伝達する経路を接続/切断するクラッチと、
前記クラッチの接続/切断を切り替えるクラッチペダルの踏み込み量を検出するクラッチ踏み込み量検出手段と、
前記内燃機関の運転中に運転者が前記クラッチペダルを踏み込んで前記クラッチを切断している期間に自動停止要求が発生した時点で燃料噴射を停止させる自動停止制御手段と、
前記自動停止制御手段による燃料噴射停止中に内燃機関回転速度が降下する途中で前記クラッチ踏み込み量検出手段の検出結果に基づいて再始動要求の有無を監視して再始動要求が発生した時点で燃料噴射を再開して前記内燃機関を再始動させる自動始動制御手段とを備え、
前記自動始動制御手段は、前記クラッチ踏み込み量検出手段の検出結果に基づいて前記再始動要求の発生を事前に予測したときに再始動に備えて前記内燃機関の制御量をその時点の制御量と再始動時の制御量との間に設定された再始動準備制御量に切り替えることを特徴とする内燃機関の自動停止始動制御装置。
【請求項2】
前記自動始動制御手段は、前記再始動要求の発生を事前に予測したときに前記内燃機関の制御量のうち空気系の制御量を再始動準備制御量に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の自動停止始動制御装置。
【請求項3】
前記自動始動制御手段は、前記クラッチ踏み込み量検出手段で検出した前記クラッチペダルの踏み込み量の変化速度又はこれに相関する情報に基づいて前記再始動準備制御量を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の自動停止始動制御装置。
【請求項4】
前記自動始動制御手段は、前記自動始動制御手段は、前記クラッチ踏み込み量検出手段の検出結果に基づいて前記再始動時の制御量を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の自動停止始動制御装置。
【請求項5】
前記内燃機関は、吸気ポート噴射型の内燃機関であり、
前記自動始動制御手段は、前記再始動要求が燃料噴射のみで再始動可能な回転速度領域で発生したときに、直ちに少なくとも最初の燃料噴射を非同期噴射で実行してから同期噴射に復帰することで、スタータを使用せずに燃料噴射のみで前記内燃機関を再始動するスタータレス始動を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関の自動停止始動制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−223007(P2010−223007A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68600(P2009−68600)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】