説明

列車制御装置

【課題】実際の列車運行に適合したブレーキ制御を実行し、列車のブレーキ動作遅れ時間を短縮し、列車停止時間の短縮を図り、運転時隔の短縮に寄与し得る列車制御装置を提供すること。
【解決手段】 速度検出器20と、車上装置4と、ブレーキ装置3とを含む構成であって、速度検出器20は、列車2に搭載され、列車速度を検出する。車上装置4は、速度検出器20から供給される速度信号と、力行条件信号Bの有無とを入力条件にして、惰行走行を検知する。そして、惰行走行が検知されたとき、予備ブレーキ信号Cを生成し、ブレーキ装置3に、予備ブレーキ制御を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
線路終端への列車衝突を防護する為に、従来は、レールコードや、トランスポンダを使って線路情報を車上装置に取り込み、速度制限パターンの作成を行うことによって、列車速度がパターンを超過した際に車上装置から自動的にブレーキ指令を出力していた。
【0003】
列車を停止させるためには、ブレーキシュを車輪に押し付けることにより制動力を得る必要性がある。このブレーキシュは、シリンダによって駆動されるが、ブレーキ指令を出力してから、実際にシリンダが動作するまでに、機械的な動作遅れ時間が発生する。この動作遅れ時間は、速度制限パターンを作成する際に、空走時間として、列車停止時間に組み込まれているから、ブレーキ指令が出てから、列車が停止するまでの時間が長くなり、運転時隔の短縮を実現する障害となる。
【0004】
特許文献1は、前方予告信号を利用し、ATC車上装置が前方予告信号を受信したとき、ブレーキノッチB1(最弱のブレーキ出力)の予備ブレーキ出力状態とし、予備ブレーキ出力を行うことにより、ブレーキシュが車輪に近接した状態とし、その後、ATCブレーキを動作させることにより、ブレーキ動作時間を短縮し、列車の空走時間を削減するATC装置を開示している。
【0005】
特許文献1の場合、予備ブレーキ出力手段がブレーキ機構を作動させて列車がほとんど減速しない程度の予備ブレーキ出力を行うため、列車の通常走行に影響を与えることなくブレーキ動作時間を短縮することができる。
【0006】
しかし、特許文献1では、前方予告信号を利用して予備ブレーキ制御を行うものであって、実際の列車速度を考慮して、予備ブレーキ制御を行うものではない。また、列車の実際の速度に影響を与える力行条件の有無も考慮してもいない。このため、実際の列車運行に適合したブレーキ制御を行うのに、難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−10402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、実際の列車運行に適合したブレーキ制御を実行し、列車のブレーキ動作遅れ時間を短縮し、列車停止時間の短縮を図り、運転時隔の短縮に寄与し得る列車制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明に係る列車制御装置は、速度検出器と、車上装置と、ブレーキ装置を含む。前記速度検出器は、列車に搭載され、列車速度を検出する。前記車上装置は、前記速度検出器から供給される速度信号と、列車力行条件の有無とを入力条件にして惰行走行を検知し、前記惰行走行が検知されたとき、予備ブレーキ信号を生成し、前記ブレーキ装置に予備ブレーキ制御を与える。
【0010】
上述したように、本発明に係る列車制御装置は、車上装置を含んでおり、この車上装置は、速度検出器から供給される速度信号と、列車力行条件の有無とを入力条件にして惰行走行を検知し、惰行走行が検知されたとき、予備ブレーキ信号を生成し、ブレーキ装置に予備ブレーキ制御を与える。予備ブレーキは、ブレーキノッチB1の最弱のブレーキ出力であり、ブレーキシュが車輪に近接した状態とし、その後、本来のブレーキを動作させることにより、前方停止位置に向かって惰行走行状態にある列車のブレーキ動作遅れ時間を短縮し、列車の空走時間を削減し、運転時隔の短縮に寄与し得る。
【発明の効果】
【0011】
以上述べたように、本発明によれば、実際の列車運行に適合したブレーキ制御を実行し、列車のブレーキ動作遅れ時間を短縮し、列車停止時間の短縮を図り、運転時隔の短縮に寄与し得る列車制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る列車制御装置の構成を示す図である。
【図2】本発明に係る列車制御装置を構成するブレーキ信号生成部のブロック図である。
【図3】本発明に係る列車制御装置の制御動作を説明するための列車位置‐列車速度の関係を示すグラフである。
【図4】図2に示したブレーキ信号生成部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、本発明に係る列車制御装置は、速度検出器20と、車上装置4と、ブレーキ装置3とを含んでおり、これらは、レール1の上を、矢印F1の方向に走行する列車2に搭載されている。速度検出器20は、列車2に搭載され、列車速度を検出するもので、具体的には、速度発電機で構成され、車輪21の回転数に応じた速度信号(電圧信号)を生成する。
【0014】
車上装置4は、速度検出器20から供給される速度信号と、力行条件信号Bの有無とを入力条件にして惰行走行を検知し、惰行走行が検知されたとき、予備ブレーキ信号Cを生成し、ブレーキ装置3に予備ブレーキ制御を与える。図示の実施の形態では、車上装置4は、ブレーキ信号生成部41と、制御部40とを有している。ブレーキ信号生成部41は、速度検出器20から供給される速度信号と、力行条件信号Bの有無とを入力条件にして惰行走行を検知し、惰行走行が検知されたとき、予備ブレーキ信号Cを生成する。予備ブレーキは、ブレーキノッチB1の最弱のブレーキ出力である。
【0015】
制御部40は、ブレーキ信号生成部41から予備ブレーキ信号Cが供給されたとき、ブレーキ装置3に予備ブレーキ制御を与える。制御部40は、一般的な車上装置の機能も備えており、車上アンテナ22によって、地上装置から与えられる列車制御信号、例えば、ATC信号を受信し、ATC制御動作も実行する。また、制御部40は、運転台で操作されるブレーキノッチをも含んでいる。
【0016】
ブレーキ装置3は、シリンダ32によってブレーキシュ33を駆動し、車輪21に対する圧接作用によってブレーキ力を得るものである。ブレーキが加わっていない状態では、ブレーキシュ33と車輪21との間には、間隔Δdがある。予備ブレーキがかかった場合には、シリンダ32の働きにより、ブレーキシュ33が車輪21の方に近づき、間隔Δdが短縮される。
【0017】
上述したように、本発明に係る列車制御装置は、車上装置4を含んでおり、この車上装置4は、速度検出器20から供給される速度信号と、力行条件信号Bの有無とを入力条件にして惰行走行を検知し、惰行走行が検知されたとき、予備ブレーキ信号Cを生成し、列車2に備えられたブレーキ装置3に予備ブレーキ制御を与える。予備ブレーキは、ブレーキノッチB1の最弱のブレーキ出力であり、ブレーキシュ33が車輪21に近接した状態とし、その後、本来のブレーキを動作させることにより、前方停止位置に向かって惰行走行状態にある列車2のブレーキ動作遅れ時間を短縮し、列車2の空走時間を削減し、運転時隔の短縮に寄与し得る。
【0018】
次に、図2のブロック図を参照し、ブレーキ信号生成部41の構成及び動作について、更に詳しく説明する。まず、図2を参照すると、ブレーキ信号生成部41は、速度検出器20を構成する速度発電機からの速度信号を受ける速度補償器411を備える。速度補償器411は、速度発電機から周波数信号として与えられる速度信号を、直流電圧信号に変換するF/DC変換器である。したがって、速度補償器411の後段側では、速度信号を電圧信号として処理することになる。
【0019】
速度補償器411の後段には、第1コンパレータ412、第2コンパレータ413及び第3コンパレータ414が並列的に接続されている。これらは、何れも、シュミットトリガ回路を利用したものである。第1コンパレータ412、第2コンパレータ413及び第3コンパレータ414のそれぞれに備えられた基準電圧源415、416及び417は、互いに異なる速度信号に対応する基準電圧値に設定されている。例えば、第1コンパレータ412に備えられた基準電圧源415の基準電圧は、列車速度V1に対応し、第2コンパレータ413に備えられた基準電圧源416の基準電圧は、列車速度V2(>V1)に対応し、第3コンパレータ414に備えられた基準電圧源417の基準電圧は、列車速度V3(>V2)に対応する。以下の説明では、列車速度V1は5km/h、列車速度V2は15km/h、列車速度V3は20km/hであるとして説明する。もっとも、これに限定するものではない。
【0020】
第1コンパレータ412は、速度補償器411から電圧信号として供給された速度信号が、列車速度5km/hに対応する基準電圧よりも高い場合に、論理値1の「H」レベルの出力を生じる。第2コンパレータ413は、速度補償器411から電圧信号として供給された速度信号が、列車速度15km/hに対応する基準電圧よりも高い場合に、論理値1の「H」レベルの信号を生じる。第3コンパレータ414は、速度補償器411から電圧信号として供給された速度信号が、列車速度20km/hに対応する基準電圧よりも低い場合に、論理値1の「H」レベルの出力を生じる。以下の説明において、論理値1は「H」レベルであり、論理値0は「L」レベルであるとして説明する。
【0021】
第1コンパレータ412の出力は、第1オア・ゲート423に入力され、第1オア・ゲート423の出力は、第1アンド・ゲート424に入力されている。第1コンパレータ412の出力は、第2アンド・ゲート422の否定入力端子にも供給される。第2アンド・ゲート422の入力端子には、B3ノッチ以上の常用ブレーキ信号Dが、時素回路421を介して供給されている。第2アンド・ゲート422の出力は、第1アンド・ゲート424の否定端子に供給される。第1アンド・ゲート424には、力行条件信号Bが入力される。第1アンド・ゲート424は、上述した入力信号に対応して、惰行検知信号Aを出力する。惰行検知信号Aは、惰行走行を検知したときに、「H」レベルになる。
【0022】
第3コンパレータ414の出力は、第3アンド・ゲート420に供給される。第3アンド・ゲート420には、また、力行条件信号Bが入力されている。力行条件信号Bは、「力行無し」が「H」レベルに対応し、「力行有り」が「L」レベルに対応する。力行条件信号Bは、運転台で操作されたブレーキノッチ位置信号として供給されるものである。
【0023】
第2コンパレータ413及び第3アンド・ゲート420の各出力は、第4アンド・ゲート425のアンド条件として入力されており、第4アンド・ゲート425の出力は、第2オア・ゲート426に入力されている。第2オア・ゲート426の出力は、第5アンド・ゲート427に供給されると共に、自己の入力端に帰還され、自己保持回路を構成している。第5アンド・ゲート427の入力端には、第1アンド・ゲート424から出力される惰行検知信号Aが供給されている。第5アンド・ゲート427からは、予備ブレーキ信号Cが出力される。
【0024】
次に、図3の列車位置−列車速度のグラフと共に、図4のフローチャートを参照して、図2に示したブレーキ信号生成部41の動作を説明する。図3において、横軸に列車位置をとり、縦軸に列車速度(km/h)をとってある。
【0025】
<地点P0〜地点P4までの運転>
地点P0〜地点P4まで区間は、力行区間である。まず、地点P0から発車した列車は、許容速度Vsに達する地点P4までは力行運転で運行される。地点P0から地点P4までの力行区間において、列車は地点P1で検出下限速度V1を超え、地点P2で検出下限速度V1よりも速度の高い第2速度V2に達し、更に、地点P3で第2速度V2よりも速度の高い第3速度V3に達するものとする。検出下限速度V1は、速度検出器20を構成する速度発電機の性能、及び、列車制御の一般的な運行基準によって定まるもので、通常は、5km/hである。第2速度V2及び第3速度V3は、予備ブレーキ制御を掛けることを考慮して、それに適した値に設定する。この実施の形態では、第2速度V2は15km/hとし、第3速度は20km/hとして説明する。
【0026】
地点P0から発車した列車は、地点P1に到達するまでは、速度が5km/h未満であり、速度検出器20から速度信号は出力されない。第1コンパレータ412に入力される速度信号は5km/h未満に対応する電圧信号である。したがって、第1コンパレータ412の出力は、「L」レベルであり、それを受ける第1アンド・ゲート424から惰行検知信号Aが出力されることはない。第3コンパレータ414の出力は、「H」レベルになるが、第2コンパレータ413の出力が「L」レベルである。
【0027】
しかも、地点P0〜地点P1までは、力行区間であり、力行条件信号Bは「力行条件有り」となっている。「力行条件有り」の場合は、図2のブロック図において、第3アンド・ゲート420に「L」レベルの信号が入力される。
【0028】
よって、地点P0〜地点P1までは、第4アンド・ゲート425、第2オア・ゲート426及び第5アンド・ゲート427の出力は、何れも、「L」レベルとなる。即ち、第5アンド・ゲート427から、予備ブレーキ信号Cが出力されることはない。
【0029】
地点P1を超えると、速度検出器20による速度検出が行われ、第1コンパレータ412の出力が「H」レベルになり、地点P2を超えると、第2コンパレータ412の出力が「H」レベルになる。地点P2を超え、地点P3に到るまでは、第3コンパレータ414の出力が「H」レベルになる。第3コンパレータ414の出力は、地点P3を超えると、「L」レベルになる。しかも、地点P1〜地点P4までは、力行区間であり、力行条件信号Bは「力行条件有り」となっている。「力行条件有り」の場合は、図2のブロック図において、第1アンド・ゲート424及び第3アンド・ゲート420に、「L」レベルの信号が入力される。
【0030】
よって、地点P1〜地点P4までは、第4アンド・ゲート425、第2オア・ゲート426及び第5アンド・ゲート427の出力は、何れも、「L」レベルとなる。即ち、第5アンド・ゲート427から、予備ブレーキ信号Cが出力されることはない。
【0031】
<地点P4〜地点P5までの運転>
地点P4〜地点P5までの区間は、許容速度Vs内での高速運転であり、速度Vsは、速度V1,V2及びV3の何れよりも高い。この区間では、力行条件信号Bは、力行条件無しとなるから、第1アンド・ゲート424、第3アンド・ゲート420には、「H」レベルの信号が入力される。ただ、第3コンパレータ414の出力は「L」レベルであるから、第3アンド・ゲート420の出力は、「L」レベルであり、結局は、第5アンド・ゲート427から予備ブレーキ信号Cが出力されることはない。地点P4〜地点P5までの運転では、力行条件信号Bが力行条件無しとなっても、列車が20km/hを下回ることはないから、第3アンド・ゲート420の出力は「L」レベルを維持する。よって、地点P4〜地点P5までの区間では、力行条件の有無に無関係に、予備ブレーキ信号Cの「L」レベル状態が維持される。
【0032】
以上を要するに、地点P0〜地点P5までの運転において、予備ブレーキ信号Cの「L」レベル状態が維持されることになる。
【0033】
<地点P5〜地点Psまでの運転>
許容速度Vsで走行してきた列車が、地点P5で減速を開始し、地点P6で20km/h、地点P7で15km/h、地点P8で5km/hというように減速され、地点Psで停止するものとする。列車が地点P6を通過するまでは、第3コンパレータ414の出力は、「L」レベルであるから、第5アンド・ゲート427から予備ブレーキ信号Cが出力されることはない。
【0034】
列車が地点P6を通過すると、既に、出力が「H」レベルにあった第1コンパレータ412及び第2コンパレータ413に加えて、第3コンパレータ414の出力も「H」レベルになる。
【0035】
第1コンパレータ412から出力される「H」レベルの信号は、第1オア・ゲート423を通して、第1アンド・ゲート424に供給される。第1コンパレータ412から出力される信号が「H」レベルであれば、第2アンド・ゲート422の否定入力端子で見た入力信号が、「L」レベルになるので、第2アンド・ゲート422の出力は、「L」レベルになる。よって、第1アンド・ゲート424の否定入力端子で見た信号が「H」レベルになる。力行条件信号Bは「力行無し」の「H」レベルにあるから、第1アンド・ゲート424の入力論理が整い、第1アンド・ゲート424からは、「H」レベルの惰行検知信号Aが出力される。この「H」レベルの惰行検知信号Aは、第5アンド・ゲート427に入力される。
【0036】
第2コンパレータ413及び第3コンパレータ414の出力は、前述したように、「H」レベルでなる。これにより、第3アンド・ゲート420、第4アンド・ゲート425及び第5アンド・ゲート427の各入力論理が整い、第5アンド・ゲート427からB1ノッチの予備ブレーキ信号Cが出力され、前述した予備ブレーキ制御が実行されることになる。
【0037】
第2コンパレータ413及び第3コンパレータ414の出力が「H」レベルになり、第2オア・ゲート426の出力が「H」レベルになった場合、第2オア・ゲート426の有する自己保持作用により、第2オア・ゲート426の出力は、「H」レベルを維持する。したがって、列車速度が20km/hを超えて第3コンパレータ414の出力が「L」レベルとなっても、また列車速度が15km/h以下となって第2コンパレータ413の出力が「L」レベルとなっても、列車速度が5km/h未満とならない限り、第5アンド・ゲート427の出力は、「H」レベルにあり、引き続き、予備ブレーキ制御が実行されることになる。
【0038】
もっとも、制御部40に含まれるマスターコントローラ(master controller)や、保安装置からのブレーキ出力が無いことを条件とする。これらの装置から出力されるブレーキ制御は、予備ブレーキ制御に優先すべきだからである。
【0039】
列車速度が5km/h未満の場合には、第1コンパレータ412の出力が「L」レベルになる。このとき、第1オア・ゲート423及び第1アンド・ゲート424の直列回路には、帰還回路による自己保持回路が形成されているから、第1コンパレータ412の出力信号が「L」レベルになっても、惰行検知信号Aが、直ちに「L」レベルになることはない。第1コンパレータ412の出力信号が「L」レベルになり、第2アンド・ゲート422の否定入力が「H」レベルになったことに加えて、B3ノッチ以上のブレーキ制御信号が、時素回路421で設定された一定時間継続し、時素回路421の出力が「H」レベルになったときに、第2アンド・ゲート422の出力が「H」レベルになり、第1アンド・ゲート424の否定入力信号が「L」レベルになったときに、惰行検知信号Aが「L」レベルになる。こうして、惰行検知信号Aが「L」レベルになると、停車と判断し、予備ブレーキを解除する。
【0040】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
【符号の説明】
【0041】
2 列車
3 ブレーキ装置
4 車上装置
20 速度検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
速度検出器と、車上装置と、ブレーキ装置とを含む列車制御装置であって、
前記速度検出器は、列車に搭載され、列車速度を検出するものであり、
前記車上装置は、前記速度検出器から供給される速度信号と、力行条件の有無とを入力条件にして惰行走行を検知し、前記惰行走行が検知されたとき、予備ブレーキ信号を生成し、前記ブレーキ装置に、予備ブレーキ制御を与える、
列車制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載された列車制御装置であって、前記車上装置は、前記速度信号が検出限界速度以上で、力行条件無しのとき、惰行走行と判定する、列車制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された列車制御装置であって、前記車上装置は、前記列車が、前記検出限界速度以上の速度にあり、力行条件無しで、惰行走行と判定されたとき、前記予備ブレーキ信号を生成する、列車制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−56342(P2012−56342A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198713(P2010−198713)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】