説明

制御されたパターンで液体を塗布する装置およびその方法

【課題】ポンプはさまざまな圧力で液体塗布器に液体を供給する。
【解決手段】ホットメルト接着剤のように制御されたパターンで液体を吐出する装置は、ポンプと、そのポンプに結合された塗布器と、塗布器とポンプの間の液体流路に配置された圧力変換器と、圧力変換器に結合されたコントローラーとを有している。ポンプはさまざまな圧力で液体塗布器に液体を供給する。圧力変換器は、液体の圧力を検知し、感応した圧力を表す信号を生成する。コントローラーは、信号を受信し、受信した信号に基づいて塗布器から吐出しているプロセスエアー圧力を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明はエアー補助式液体吐出システムに関し、より詳細には、フィラメントの態様でホットメルト接着剤または他の粘性液体を制御されたパターンで吐出するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粘性液体に所望の移動,減衰またはその他の結果を生じさせるプロセスエアーまたはパターンエアーを利用する液体吐出システムにはさまざまな方式が存在する。これらの方式はホットメルト接着剤吐出装置またはその他の粘性液体のフィラメントを吐出する装置を含みうる。多くの異なるパターンは、塗布に応じた装置により作り出される。しかし、渦巻きパターン,正弦パターン,ジグザグパターン,およびその他前後パターンなどがある。これらは、基板上でまっすぐのビードよりもより広い接着剤接触領域を形成する。
【0003】
他のパターンは、伝統的な溶融吹き付け技術や、ストランド上に塗布をする間に、接着点間で分断されるようなフィラメントを使って不連続の接着点を作り出す他の新たな技術などのように不統一のフィラメントの吐布を含んでいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、一般には、適切な機器を使用し、熱可塑性プラスチック,制御された繊維分解技術,溶融吹きつけ技術または上記で述べたようなその他の技術を吐出しまたは塗布するための溶融器/塗布器ユニットさまざまな液体吐出システムに関する。移動する基板上に熱可塑性接着剤やいわゆるホットメルト接着剤を塗布する際、特に基板の速度変遷の間、さまざまな課題が存在する。たとえば、基板のライン速度が増加した際に、塗布器に接着剤を供給するギアポンプがより早く回転し、接着剤がより速く移動する基板に合わせてより速い速度で接着剤を供給する。同様に、プロセスエアーの圧力が増加すると一貫した接着剤パターンが維持できる。不幸なことに、流体システムにおける応答の遅延のため、エアー圧は流体圧よりも急速に増加する。これは、定常状態の液体とエアーの圧力が塗布装置で存在するまで、一時的には、該基板上に塗布される不規則な接着剤パターンに帰結する。このシステムの流体的な部分は、代表的には、接着剤ホースの長さのため、およびエアーはホットメルト接着剤のような粘性液体であるより早く圧力変化に自然に応答するため、ゆっくりとした応答時間を有している。不規則な接着剤パターンは、最適の製品品質よりも少ない傷または少ない領域をもたらす。
【0005】
それゆえ、吐出プロセスにおける液体の圧力が変化する間に接着剤のパターン一貫して維持することができる液体塗布器システムおよびその方法を提供することが熱望されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、エアー補助方式において、制御されたパターンで液体材料を吐出する装置を提供する。そのパターンは、ほかに他のパターンによくない影響を与え、基板に塗布されたパターンにおいて一貫性がなくなるであろうにも拘らず、一貫して維持される。
【0007】
より特には、装置はさまざまな圧力で、液体材料を供給するための出口を有するポンプを備えている。液体塗布器は液体を受け取るための該ポンプに結合されていて、液体塗布器は該液体材料を吐出するためのノズルを有している。液体塗布器のプロセスエアー取込口で加圧されたプロセスエアーを受け、液体を吐出する際に加圧されたプロセスエアーを吐出する。液体流路はポンプの出口からノズルまで延在している。圧力変換器は液体流路中に配置され、その流路において液体の圧力を検出する。そして、圧力変換器は感応した液体の圧力を示す信号を生成する。コントローラは圧力変換器につながれていて、他の制御機器を通して直接または間接的にその信号を受信し、その受信した信号に基づいて液体塗布器から吐出されるプロセスエアーの圧力を変更する。
【0008】
好ましくは、ポンプの出口はマニホールドに結合され、圧力変換器は、たとえば、マニホールドまたは塗布器に配置してもよい。好ましくは、該液体流路における液体の圧力の増加を検知した後に、プロセスエアーの圧力を増加させる。逆もまた可能であり、たとえば、該液体流路における液体の圧力の減少を検知した後に、プロセスエアーの圧力を減じる制御を行う。好ましい実施の形態としては、調整可能な圧力制御バルブはプロセスエアー取り込み口に結合されていて、加圧されたプロセスエアーを受けて、加圧されたプロセスエアーをプロセスエアー取り込み口に導くようになっている。さらに、圧力制御バルブは、コントローラーに電気的に結合されていて、プロセスエアー取り込み口に導かれるプロセスエアーの圧力を変更するためのコマンドをコントローラーから受信する。
【0009】
さらに、液体材料の制御されたパターンで液体材料を吐出する方法を包含する。一般に、塗布器を過ぎて基板を動かす。液体は、第一の圧力で基板に向けて塗布器から吐出される。液体が吐出される際に、プロセスエアーも、第一の圧力で基板に向けて塗布器から吐出される。第一の液体圧力が第一の圧力と異なる第二の圧力に変化した際に、この圧力の変化が感応され、結果として、プロセスエアー圧力がそれと異なるプロセスエアーの圧力である第二のエアー圧力に調整される。
【0010】
第二のエアー圧力に対する適切なバルブを決定するために、たとえば、コントローラーが、固有の塗布に対して適切なアルゴリズムに基づいて第二のエアー圧力を計算するか、または実験検証による情報に基づいてメモリーに記憶されたルックアップテーブル中の第二のエアー圧力に対して値を選択するかのいずれかを行うことができる。
【0011】
さらに、詳細には、本願発明の特徴および有利な効果は、当業者にとって、本願発明の詳細な説明に添付された典型的な図面と本願発明の好ましい実施の形態とを参照することによりさらに明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本願発明にしたがって構成されるホットメルト接着剤吐出システム10は図式的に図面に表される。ホットメルト接着剤吐出システム10は固体または半固体熱可塑性ホットメルト接着剤を受容するための溶融ユニット12を有している。溶融ユニット12はマニホールド14,ポンプ16,およびプログラム可能な論理制御器ユニット(PLC)18を、溶融ユニットの部分として有している。任意的に、溶融ユニット12のこれらの部位は文理可能な機器として構成してもよい。代表的なホットメルト塗布器20は本願発明の実行において使用することができ、たとえば、液体マニホールド乃至液体サービスブロック22,エアーマニホールド24およびバルブモジュール26を含めることができる。塗布器バルブモジュール26は、たとえば、意図された使用に基づき異なる複数の種類のものとすることができ、オハイオ州ウェストレイクのノードソンコーポレーションからのCF200のモジュールとすることもできる。バルブモジュール26は、エアーマニホールド24からのプロセスエアーと、液体マニホールドまたはサービスブロック22からの加圧された液体とを受け取り、所望のエアー補助の形式でその液体を基板30上に吐出する。液体は、モジュール26のノズル40で関連付けられているそれぞれのオリフィスまたは出口36,38から吐出された後に、矢印32で示されるようにフィラメントとして塗布してもよく、矢印34で示されるようにプロセスエアーによりインパクトを与えるように塗布をしてもよい。
上記に説明したとおり、複数の異なった液体のパターンを、たとえば平板のような材料またはストランドのような所望の基板上に作ることができる。
【0013】
本願発明の概念にしたがって液体圧力変換器は溶融ユニット12や塗布器20のような液体供給間における液体の流路のいずれに配置してもよい。図に示すように、圧力変換器46はマニホールド14注において配置してもよいし、任意に、この場合のようにバルブモジュール26に連関するマニホールドまたはサービスブロック22である塗布器22中に配置してもよい。圧力変換器46または40のいずれかから取りこまれた圧力信号はアナログ入力50を通して溶融PLC18に送られる。この信号は、プロセスエアー34に対する最適のプロセスエアー圧力設定点を決定するための計算またはルックアップテーブルを通して調整される。信号は、アナログ入力を使って、PLC18から圧力制御バルブ52まで移送される。圧力制御バルブ52まで電流を制御することにより、プロセスマニホールド24への出口圧力は、PLC18により送られるコマンドに応じて調整してもよい。そして、エアー供給54から受け取られた加圧されたエアーを、ノズル40から吐出されるプロセスエアー34がノズル40から吐出される液体32の流体圧力の変化と同じようにすばやく変化させることもできる。一般に、液体圧力が増加するとプロセスエアー圧力は比例して増加するように指示することもでき、液体圧力が減少するとノズル40から出たプロセスエアーが比例して減少するように指示することもできる。
【0014】
流体システム圧力に基づく最適のプロセスエアー圧力を決定する一つの典型的な方法は、相対的に低い流体圧(HL)でホットメルト接着剤塗布装置を操作すること、およびプロセスエアー圧力(AL)を調整するトライアルアンドエラー方法により、いかなるプロセスエアー圧力が所望の接着剤パターンをもたらすかを主観的に決定することも含む。この工程の前後のいずれかにおいて、流体システムは、相対的に高い流体圧力(HH)で操作され、所望の接着剤パターンになるまでプロセスエアー圧力はあるレベル(AH)に設定される。コントローラーは、通常のシステムの動作中において、存在する流体圧力(HEXT)に基づき、要求されたプロセスエアー圧力(AREQ)を決定するようにプログラムすることができる。要求されたプロセスエアー圧力を設定するためのコントローラーにより使用されるアルゴリズムを使うことができる。ここで、以下の文字は以下を意味する。
L = 低流体圧力
H = 高流体圧力
L = 低プロセスエアー圧力
H = 高プロセスエアー圧力
EXT = システム操作時における存在する流体圧力
REQ = 要求されたプロセス圧力

典型的アルゴリズムは、以下のとおりである。
REQ = [(HEXT−HL)*(AH−AL)/(HH−HL)] +AL
【0015】
本願発明はさまざまな好ましい実施の形態により表されているが、又これらの実施の形態は詳細に説明されているが、この詳細は特許請求の範囲を限定するものとして出願人が意図するものではない。付随的な効果および変形は当業者にあきらかである。さまざまな本願発明の特徴は、ひとつまたは複数で、ユーザーの必要または好みにより組み合わせて使用してもよい。これは、現在知られているものとして本願発明を実践する好ましい方法として本願発明の説明をなす。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本願発明にしたがって構成されるホットメルト背着座意吐出装置の模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御されたパターンで液体材料を吐出する吐出装置であって、
さまざまな圧力で液体材料を供給するための出口を有するポンプと、
該液体材料を受けるために該ポンプに結合され、該液体を吐出するためのノズルと、加圧されたプロセスエアーを受けるためのプロセスエアー取込口と、液体を吐出する際に加圧されたプロセスエアーを吐出するための該ノズルにおけるプロセスエアー吐出口とを有している液体塗布器と、
該ポンプの該出口から該ノズルまで延在する液体流路と、
該液体流路に配置され、該液体流路中の液体の圧力を検出し、感応した液体の圧力を示す信号を生成する圧力変換器と、
該圧力変換器に結合され、該信号を受け取って、受け取った該信号に基づいて該液体塗布器から吐出されるプロセスエアーの圧力を変化させるように動作するコントローラーとを備えることを特徴とする吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の吐出装置であって、該ポンプの出口はマニホールドに結合され、該圧力変換器は該マニホールド内に配置されていることを特徴とする吐出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の吐出装置であって、該圧力変換器は該液体塗布器内に配置されていることを特徴とする吐出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の吐出装置であって、該コントローラーによる制御は該液体材料の経路内の液体の圧力の増加を検出した後、プロセスエアーの圧力を増加させることを特徴とする吐出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の吐出装置であって、該コントローラーによる制御は該液体材料の経路内の液体の圧力の減少を検出した後、プロセスエアーの圧力を減少させることコントローラー出装置。
【請求項6】
請求項1に記載の吐出装置であって、さらに、
該プロセスエアー取込口に結合され、加圧されたプロセスエアーを受けて加圧されたプロセスエアーを該プロセスエアー取込口に導くようになっている該可調圧力制御バルブであって、該コントローラーに電気的に結合され、該プロセスエアー取込口に導かれた該プロセスエアーの圧力を変更するためのコマンドを受けるようになっている該可調圧力制御バルブを備えることを特徴とする吐出装置。
【請求項7】
制御されたパターンで液体材料を吐出する吐出方法であって、
第一の液体圧力で塗布器から液体を吐出する工程と、
液体を吐出する際に該吐出器から第一のエアー圧力でプロセスエアーを吐出する工程と、
該第一の液体圧力を該第一の液体圧力と異なる第二の液体圧力に変更する工程と、
該第二の液体圧力を感応する工程と、
該第二の液体圧力の感応に基づいて該第一のエアー圧力を該第一のエアー圧力と異なる第二のエアー圧力に変更する工程とを備える吐出方法。
【請求項8】
請求項7に記載された吐出方法であって、該液体材料はマニホールドに結合された出口を有するポンプを具備する溶解器ユニットにより供給される熱可塑性材料であって、該方法はさらに、
該第一の液体圧力でマニホールドから該塗布器に該液体材料を供給する工程と、
該マニホールド内で該第二の液体圧力を感応する工程とを備えることを特徴とする吐出方法。
【請求項9】
請求項7に記載された吐出方法であって、該第二の液体圧力は該塗布器内で感応されることを特徴とする吐出方法。
【請求項10】
請求項7に記載された吐出方法であって、該第二の液体圧力は該第一の液体圧力より高く、該第二のエアー圧力は該第一の液体圧力より高いことを特徴とする吐出方法。
【請求項11】
請求項7に記載された吐出方法であって、該第二の液体圧力は該第一の液体圧力より低く、該第二のエアー圧力は該第一の液体圧力より低いことを特徴とする吐出方法。
【請求項12】
請求項7に記載された吐出方法であって、前記該第一の液体圧力を該第一の液体圧力と異なる第二の液体圧力に変更する工程は、さらに、アルゴリズムに基づいて該第二のエアー圧力を計算する工程を備えることを特徴とする吐出方法。
【請求項13】
請求項7に記載された吐出方法であって、前記該第一のエアー圧力を該第一のエアー圧力と異なる第二のエアー圧力に変更する工程はさらに、
メモリー内に記憶されたルックアップテーブルに基づいて該第二のエアー圧力を決定する工程を備えることを特徴とする吐出方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−198617(P2006−198617A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−12457(P2006−12457)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】