化粧基材及び建材
【課題】高い意匠性を得ることができる化粧基材を提供する。
【解決手段】基材1の表面に化粧材2を設けてなる。芯材8を被覆して化粧するための化粧基材Aに関する。化粧材2が残存するように基材1の裏面に略M字型の溝加工を施すことにより面取り部4を形成する。面取り部4の頭頂部に略W字型の入隅部10を形成する。面取り部4を中心に折り曲げて入隅部10と基材1の裏面とで連続した隅角面30を形成する。
【解決手段】基材1の表面に化粧材2を設けてなる。芯材8を被覆して化粧するための化粧基材Aに関する。化粧材2が残存するように基材1の裏面に略M字型の溝加工を施すことにより面取り部4を形成する。面取り部4の頭頂部に略W字型の入隅部10を形成する。面取り部4を中心に折り曲げて入隅部10と基材1の裏面とで連続した隅角面30を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内装ドア、ドア枠、階段踏み板、収納扉などとして用いられる建材及びこれらの建材の表面の化粧として用いられる化粧基材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、上記のような建材において、Vカットと呼ばれる溝加工がなされた化粧基材を合板やパーティクルボードなどの素材で作られた芯材の表面に被覆して固着し、一体化されたものを使用することが一般的になされている。この技術を用いることにより、角部に面取り面(C面)や曲面(R面)といった意匠性の高い外観を持つ建材とすることができるのである。
【0003】
図12(a)に従来例として、C面を得るために加工(C面加工)された化粧基材Aの断面図を示す。化粧基材Aは基材1の表面に化粧材2を全面にわたって粘着等して設けて形成されている。基材1の裏面には刃物で切除加工することにより断面略M字型の溝部3が全長にわたって形成されており、この溝部3により基材1が基材切断端部1a、1aに分割されると共に基材切断端部1a、1aの間に断面三角形の面取り部4が形成される。この面取り部4の二つの斜面5、5は基材切断面(基材切断端部1aの溝部3に臨む端面)7の厚み方向の寸法と同じ長さである。また、面取り部4の先端の頭頂部36は斜面5、5で挟まれて直角になるように加工されている。そして、この化粧基材Aは、面取り部4を中心に溝部3の部分で折り曲げて斜面5と基材切断面7とを接合することによって、頭頂部36を中心とした連続した基材1の裏面(基材切断端部1aの裏面)で形成される直角な隅角部(入隅)を得ることができるものである。
【0004】
図12(b)に、図12(a)で示した上記化粧基材Aで芯材8を被覆して形成される建材Bを示す。前述したように、化粧基材Aは折り曲げた状態で直角な隅角部を有するため、直角な芯材8の表面側の角部(出隅)9に嵌合し、化粧基材Aと芯材8とをしっかりと固着することができ、化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚と同等な大きさで形成することができる。
【0005】
図13(a)に他の従来例として、R面を得るために加工(R面加工)された化粧基材Aの断面図を示す。C面のときと異なり、面取り部4は基材1の裏面に連続した溝加工を施すことにより形成されている。すなわち、面取り部4は複数の断面略V字型の溝部3、3…により区切られた複数の山部4a、4a…から櫛目状に形成されており、各山部4aの二つの斜面5、5は溝部3の両側の基材切断端部1a、1aの基材切断面7の厚み方向の寸法と同じ長さで形成されている。また、各山部4aの先端である頭頂部36の角度は山部4aの個数によって決定され、90°を山部4aの個数で等分した角度に形成されている。これにより、化粧基材Aは面取り部4を中心に折り曲げたときに複数の頭頂部36を中心に連続した基材1の裏面(基材切断端部1aの裏面)で形成される直角な隅角部(入隅)を得ることができるものである。
【0006】
図13(b)に、図13(a)で示した上記化粧基材Aで芯材8を被覆して形成される建材Bを示す。前述したように、化粧基材Aは折り曲げた状態で直角な隅角部(入隅)を有するため、直角な芯材8の表面側の角部(出隅)9に嵌合し、化粧基材Aと芯材8とをしっかりと固着することができ、化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚と同等な大きさで形成することができる。
【特許文献1】特開2002−240142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の従来の方法では、C面やR面の大きさは化粧基材Aの板厚に依存し、また形状も単純なため、高い意匠性を得ることができないという問題があった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高い意匠性を得ることができる化粧基材及び建材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係る化粧基材Aは、基材1の表面に化粧材2を設けてなり、芯材8を被覆して化粧するための化粧基材Aであって、化粧材2が残存するように基材1の裏面に略M字型の溝加工を施すことにより面取り部4を形成し、面取り部4の頭頂部に略W字型の入隅部10を形成し、面取り部4を中心に折り曲げて入隅部10と基材1の裏面とで連続した隅角面30を形成して成ることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項2に係る化粧基材Aは、基材1の表面に化粧材2を設けてなり、芯材8を被覆して化粧するための化粧基材Aであって、化粧材2が残存するように基材1の裏面に略M字型の溝加工を施すことにより面取り部4を形成し、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1aのうちの片方に、前記略M字型の溝部3に臨む基材切断面7と基材1の裏面とに開口する切欠部11を形成し、面取り部4を中心に折り曲げて前記切欠部11にもう片方の基材切断端部1aを嵌合することによって、基材1の裏面で連続した隅角面30を形成して成ることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項3に係る化粧基材Aは、基材1の表面に化粧材2を設けてなり、芯材8を被覆して化粧するための化粧基材Aであって、化粧材2が残存するように基材1の裏面に略M字型の溝加工を施すことにより面取り部4を形成し、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1a、1aに、溝部3に臨む基材切断面7と基材1の裏面とにわたる斜面20を形成し、面取り部4を中心に折り曲げて前記斜面20、20同士を接合することによって、基材1の裏面で連続した隅角面30を形成して成ることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項4に係る化粧基材Aは、基材1の表面に化粧材2を設けてなり、芯材8を被覆して化粧するための化粧基材Aであって、化粧材2が残存するように基材1の裏面に複数の略V字型の溝加工を施すことにより櫛目状の面取り部4を形成し、面取り部4の頭頂面を面取り部4の両端から中心部に向かって徐々に傾斜が急勾配となる傾斜面6に形成し、面取り部4を中心に折り曲げて前記傾斜面6と基材1の裏面で連続した隅角面30を形成して成ることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項5に係る化粧基材Aは、基材1の表面に化粧材2を設けてなり、芯材8を被覆して化粧するための化粧基材Aであって、化粧材2が残存するように基材1の裏面に複数の略V字型の溝加工を施すことにより櫛目状の面取り部4を形成し、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1aのうちの片方に、前記略V字型の溝部3に臨む基材切断面7と基材1の裏面とに開口する切欠部11を形成し、面取り部4を中心に折り曲げて前記切欠部11にもう片方の基材切断端部1aを嵌合することによって、基材1の裏面で連続した隅角面30を形成して成ることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項6に係る化粧基材Aは、基材1の表面に化粧材2を設けてなり、芯材8を被覆して化粧するための化粧基材Aであって、化粧材2が残存するように基材1の裏面に複数の略V字型の溝加工を施すことにより櫛目状の面取り部4を形成し、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1aに、溝部3に臨む基材切断面7と基材1の裏面とにわたる斜面20を形成し、面取り部4を中心に折り曲げて前記斜面20、20同士を接合することによって、基材1の裏面で連続した隅角面30を形成して成ることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項7に係る化粧基材Aは、請求項1乃至6のいずれか一項において、基材1が木質材料、樹脂材料、無機材料から選ばれるいずれか一つであることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項8に係る建材Bは、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の化粧基材Aを芯材8の表面に固着して芯材8を被覆して成ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、化粧基材の板厚の影響を少なくして各種形状のC面やR面を形成することができ、高い意匠性を得ることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0019】
本発明の化粧基材Aは、基材1の表面の全面にわたって化粧材2を設けて形成されるものである。基材1としては、木質材料、樹脂材料、無機材料から選ばれるいずれか一つであることが好ましい。木質材料としては、無垢木材、合板、MDF(中密度繊維板)、長繊維板などの様々な材料を使用することができる。木質材料は特徴として加工しやすく、強度のわりに軽量であるため取り扱いしやすい。樹脂材料としては、フェノール板、アクリル板、ABS樹脂板、オレフィン系樹脂板などの様々な材料を使用することができる。樹脂材料は特徴として硬いので、耐傷性のある化粧基材Aを形成することができる。無機材料としては、石膏ボード、珪酸カルシウム板、ロックウール板、火山灰土板などの様々な材料を使用することができる。無機材料の特徴としては、吸水や温度変化による寸法安定性がよく、反りなどの形状変化がしにくい化粧基材Aを形成することができる。基材1の厚みは特に限定はされないが、例えば、1〜30mmとすることができる。
【0020】
化粧材2としては、ポリエチレンなどのポリオレフィンを成分とする樹脂シートを用いることができるが、紙や不織布も使用可能である。化粧材2には例えば木目調などの柄や模様を印刷して設けることができる。化粧材2の厚みは特に限定はされないが、例えば、0.05〜0.2mmとすることができる。
【0021】
そして、基材1の表面全面にわたって化粧材2を接着剤や粘着材により固着することによって、化粧基材Aを形成することができる。
【0022】
本発明の化粧基材Aは、芯材8に固着してその全面(表面、裏面、側面)を被覆することによって、建材を形成することができる。芯材8としては、木質材料、樹脂材料、無機材料のほかに、アルミニウムなどの金属材料なども用いることができ、何ら制限を受けるものではない。また、化粧基材Aと芯材8とを固着するのに使用される接着剤としては、酢酸ビニル接着剤、水性ビニルウレタン接着剤、アクリル接着剤などの様々な接着剤を使用することができ、化粧基材Aと芯材8との相性が良いものを選択するのが好ましい。また、本発明においては、接着剤の塗布量、塗布方法などについては何ら制限されるものではない。
【0023】
本発明の化粧基材Aは、芯材8の角部9に沿って折り曲げを容易に行えるようにするために、芯材8に固着する前に所定の溝加工等が施される。
【0024】
図1(a)〜(c)に示す実施の形態の化粧基材Aは、C面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができるものである。この化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略M字型の溝部3が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。図12に示す従来例では、面取り部4は断面略三角形であるのに対して、この実施の形態では、面取り部4の頭頂部が切除されて断面略W字型の入隅部10として形成されている。また、面取り部4の両方の側面(斜面)5の寸法は、基材切断端部1aの溝部3に臨む端面である基材切断面7の寸法と等しくなるように加工されている。そして、面取り部4を中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて面取り部4の各側面5に各基材切断端部1aの基材切断面7をそれぞれ接合する。このようにして基材1の基材切断端部1aの裏面と入隅部10の内面とで化粧基材Aの裏面側に連続した直角の隅角面30を形成することができる。
【0025】
上記のようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図1(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は入隅部10に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では溝部3と面取り部4の頭頂部に凹状の入隅部10を形成するので、溝部3の幅寸法や深さ寸法と入隅部10の深さ等の大きさを適宜調整することによって、C面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができる。従って、図12に示す従来例のC面31ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0026】
図2(a)(b)は上記と同様に、入隅部10を形成するものであるが、図1のものに比べて、基材切断面7,7の間の寸法を大きくすることにより、基材切断面7,7の間に形成される面取り部4の幅寸法を大きくし、且つ入隅部10の深さ寸法を大きくして入隅部10が化粧材2の裏面にまで達するように形成されている。この場合、図1のものに比べて、C面31の寸法Lを大きくすることができる。このように化粧基材Aの板厚の最大2倍の大きさまでC面31の寸法Lを大きくすることができる。
【0027】
図3(a)〜(c)に他の実施の形態を示す。この化粧基材Aでは、化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができるものである。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略M字型の溝部3が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。この面取り部4は図12に示す従来例と同様に断面略三角形に形成されている。また、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1aのうちの片方に、溝部3に臨む基材切断面7と基材1の裏面とに開口する切欠部11が形成されている。この切欠部11は上面18と側面19とで略直角に形成されている。また、面取り部4の両方の側面(斜面)5の寸法は、切欠部11を形成した方の基材切断端部1aの溝部3に臨む基材切断面7の寸法と等しくなるように、すなわち、山部4aの先端が切欠部11の上面18よりも裏面側に突出しないように、山部4aの高さ寸法等が加工されている。そして、面取り部4を中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて面取り部4の一方の側面5に切欠部11を形成した方の基材切断端部1aの基材切断面7を接合すると共に、切欠部11にもう片方の基材切断端部(切欠部11を形成していない方の基材切断端部)1aの出隅部12を嵌合して接合することによって、基材1の基材切断端部1aの裏面で連続した隅角面30を形成することができる。
【0028】
このようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図3(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は一対の基材切断端部1a、1aで形成される入隅に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では、溝部3の幅寸法や深さ寸法と切欠部11の深さ等の大きさを適宜調整することによって、C面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができる。従って、図12に示す従来例のC面31ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0029】
図4(a)〜(c)に他の実施の形態を示す。この化粧基材Aでは、化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができるものである。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略M字型の溝部3が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。この面取り部4は図12に示す従来例と同様に断面略三角形に形成されている。また、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1a、1aに、溝部3に臨む基材切断面7と基材1の基材切断端部1aの裏面とにわたる斜面20を形成する。また、面取り部4の両方の側面(斜面)5の寸法は、各基材切断端部1aの溝部3に臨む基材切断面7の寸法と等しくなるように、すなわち、山部4aの先端が斜面20、20の間に入らないように、山部4aの高さ寸法等が加工されている。そして、面取り部4を中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて面取り部4の各側面5に各基材切断端部1aの基材切断面7をそれぞれ接合すると共に、基材切断端部1a、1aの斜面20、20同士を接合することによって、基材1の基材切断端部1aの裏面で連続した隅角面30を形成することができる。
【0030】
このようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図4(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は一対の基材切断端部1a、1aで形成される入隅に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では、溝部3の幅寸法や深さ寸法と斜面20の傾斜角度等を適宜調整することによって、C面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができる。従って、図12に示す従来例のC面31ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0031】
図5(a)〜(c)に他の実施の形態を示す。この化粧基材Aでは、R面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができるものである。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に連続した複数の断面略V字型の溝部3、3…が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。この面取り部4は複数の溝部3で分離される山部4a、4a…が集合した櫛目状に形成されている。また、面取り部4の先端の頭頂面は面取り部4の両端から中心部に向かって徐々に傾斜が急勾配となる傾斜面6に形成されている。すなわち、各山部4aは断面形状が略台形となるように先端部が切除されるが、その台形の山部4aの二面の斜面5、5を延長した補助線Hを引いたときに形成される略二等辺三角形の斜辺Sの寸法(山部4aの頭頂部から基部までの斜面5の寸法と補助線Hの寸法の合計)と、得ようとするR面32の半径とが等しくなるような大きさとし、全部の補助線H、H…が集合したときに成す角度の総和を90°となるようにする。このようにすることにより、面取り部4を中心にして化粧基材Aを折り曲げたときに、化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができるものである。さらに、面取り部4の先端の頭頂部について、面取り部4の両端から中心部に向かって傾斜が徐々に大きくなり、かつ深くなるような軌跡で切除して傾斜面6を形成するので、面取り部4を中心に折り曲げて傾斜面6と基材1の基材切断端部1a、1aの裏面で連続した隅角面30を形成することができる。
【0032】
このようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図5(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は一対の基材切断端部1a、1aで形成される入隅に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では、溝部3の幅寸法や深さ寸法と傾斜面6の傾斜角度等を適宜調整することによって、R面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができる。従って、図13に示す従来例のR面32ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0033】
図6(a)〜(c)は上記と同様に、面取り部4及び傾斜面6を形成するものであるが、図5のものに比べて、基材切断面7,7の間の寸法を大きくすることにより、基材切断面7,7の間に形成される面取り部4の幅寸法を大きくし、且つ基材1の厚みを薄くし、さらに傾斜面6の深さ寸法を大きくして傾斜面6が化粧材2の裏面にまで達するように形成されている。この場合、図5のものに比べて、R面32の寸法Lを大きくすることができる。このように化粧基材Aの板厚の最大(2+√2)倍の大きさまでR面32の寸法Lを大きくすることができるものである。
【0034】
図7(a)(b)に他の実施の形態を示す。この化粧基材Aでは、化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができるものである。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略V字型の複数の溝部3、3…が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。この面取り部4は複数の溝部3で分離される断面略三角形の山部4a、4a…が集合した櫛目状に形成されている。また、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1aのうちの片方に、溝部3に臨む基材切断面7と基材1の裏面とに開口する切欠部11が形成されている。この切欠部11は上面18と側面19とで略直角に形成されている。また、面取り部4の両方の側面(斜面)5の寸法は、切欠部11を形成した方の基材切断端部1aの溝部3に臨む基材切断面7の寸法と等しくなるように、すなわち、山部4aの先端が切欠部11の上面18よりも裏面側に突出しないように、山部4aの高さ寸法等が加工されている。そして、面取り部4を中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて面取り部4の一方の側面5に切欠部11を形成した方の基材切断端部1aの基材切断面7を接合すると共に、切欠部11にもう片方の基材切断端部(切欠部11を形成していない方の基材切断端部)1aの出隅部12を嵌合して接合することによって、基材1の基材切断端部1aの裏面で連続した隅角面30を形成することができる。
【0035】
このようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図7(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は一対の基材切断端部1a、1aで形成される入隅に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では、溝部3の幅寸法や深さ寸法と切欠部11の深さ等の大きさを適宜調整することによって、R面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができる。従って、図13に示す従来例のR面32ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0036】
図8(a)(b)に他の実施の形態を示す。この化粧基材Aでは、化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができるものである。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略V字型の複数の溝部3、3…が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。この面取り部4は複数の溝部3で分離される断面略三角形の山部4a、4a…が集合した櫛目状に形成されている。また、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1a、1aに、溝部3に臨む基材切断面7と基材1の基材切断端部1aの裏面とにわたる斜面20を形成する。また、面取り部4の両方の側面(斜面)5の寸法は、各基材切断端部1aの溝部3に臨む基材切断面7の寸法と等しくなるように、すなわち、山部4aの先端が斜面20、20の間に入らないように、山部4aの高さ寸法等が加工されている。そして、面取り部4を中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて面取り部4の各側面5に各基材切断端部1aの基材切断面7をそれぞれ接合すると共に、基材切断端部1a、1aの斜面20、20同士を接合することによって、基材1の基材切断端部1aの裏面で連続した隅角面30を形成することができる。
【0037】
このようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図8(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は一対の基材切断端部1a、1aで形成される入隅に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では、溝部3の幅寸法や深さ寸法と斜面20の傾斜角度等を適宜調整することによって、R面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができる。従って、図13に示す従来例のR面32ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0038】
図9(a)(b)に他の実施の形態を示す。この化粧基材Aでは、C面31の両側に角度の異なる他のC面34、34が連続して形成される建材Bを得ることができるものである。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略V字型の複数の溝部3、3…が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。この面取り部4は複数の溝部3で分離されるW字型の一対の中央山部4b、4bと一対の端部山部4c、4cが集合した櫛目状に形成されている。一対の中央山部4b、4bは面取り部4の中央に設けられた幅広の溝部3aにより分離されており、断面略三角形に形成されている。端部山部4cは中央山部4bと基材切断端部1aとの間に形成されており、端部山部4cと中央山部4bの間には中幅の溝部3bが、端部山部4cと基材切断端部1aの間には幅狭の溝部3cがそれぞれ設けられている。また、端部山部4cの先端の頭頂面は面取り部4の両端から中心部に向かって傾斜する傾斜面6に形成されている。すなわち、各端部山部4cは断面形状が略台形となるように先端部が切除されている。そして、面取り部4の中央山部4bを中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて、中幅の溝部3bを閉塞して隣接する中央山部4bの側面と端部山部4cの側面とを接合すると共に、幅狭の溝部3cを閉塞して隣接する端部山部4cの側面と基材切断面7とを接合することによって、基材1の基材切断端部1aの裏面と幅広の溝部3aとで連続した隅角面30を形成することができる。
【0039】
このようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図9(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は一対の基材切断端部1a、1aと幅広の溝部3aで形成される入隅に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では、溝部3の幅寸法や深さ寸法と傾斜面6の傾斜角度等を適宜調整することによって、各種形状のC面31、34を形成することができる。従って、図12に示す従来例のC面31ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚と同等にしか形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0040】
図10(a)(b)に他の実施の形態を示す。この化粧基材Aでは、C面31の両側にR面32、32が連続して形成される建材Bを得ることができるものである。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略V字型の複数の溝部3、3…が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。この面取り部4は複数の溝部3で分離される中央山部4bとその両側に設けた複数の端部山部4c、4c…が集合した櫛目状に形成されている。中央山部4bの先端の頭頂部には断面略V字型の入隅部10が形成されている。端部山部4cは中央山部4bと基材切断端部1aとの間に形成されている。また、端部山部4cの先端の頭頂面は面取り部4の両端から中心部に向かって傾斜する傾斜面6に形成されている。すなわち、各端部山部4cは断面形状が略台形となるように先端部が切除されている。そして、面取り部4の中央山部4bを中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて隣接する中央山部4bの側面と端部山部4cの側面と基材切断面7とを接合することによって、基材1の基材切断端部1aの裏面で連続した隅角面30を形成することができる。
【0041】
このようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図10(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は一対の基材切断端部1a、1aと入隅部10で形成される入隅に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では、溝部3の幅寸法や深さ寸法と傾斜面6の傾斜角度等を適宜調整することによって、各種形状のC面31とR面32を形成することができる。従って、図12に示す従来例のC面31ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚と同等にしか形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0042】
図11(a)(b)に示す化粧基材Aと建材Bは、図5に示す実施の形態と同様であるが、溝部3の幅寸法や深さ寸法と傾斜面6の傾斜角度等を適宜調整することによって、図5とは形状の異なるR面32を形成したものである。
【実施例】
【0043】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0044】
(実施例1)
図1に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この建材Bは角部が化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成するドアパネルである。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。また、化粧基材AのC面31となる部分において、基材1の裏面には断面略M字型の溝部3を形成し、面取り部4を設けた。面取り部4の形状は、図1(c)に示すように、上面15の幅寸法が7.1mm、側面5と上面15との間の角度αが45°で、側面5の寸法は基材切断面7と等しい寸法で3.0mmとなるように形成されている。また、面取り部4の頭頂部には断面略W字型に加工することにより角度が90°の入隅部10が形成されている。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9と入隅部10とが嵌合するように、面取り部4を中心に折り曲げて設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりC面31の寸法Lが5.0mmの角部を有するドアパネルを形成することができる。
【0045】
(実施例2)
図2に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この実施例2でも実施例1と同様に、建材Bの角部が化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成されるものであるが、実施例1よりもさらにC面31の寸法Lが大きく、化粧基材Aの板厚が一定の場合では本発明で示すC面31の中で最大のものの例である。実施例2は、面取り部4の上面15の寸法が8.4mmであること以外は実施例1と同様であり、これにより、C面31の寸法Lが6.0mmの角部とすることができる。
【0046】
(実施例3)
図3に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この建材Bは角部が化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成するドアパネルである。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。また、化粧基材AのC面31となる部分において、基材1の裏面には断面略M字型の溝部3を形成し、面取り部4を設けた。面取り部4の形状は、図3(c)に示すように、上面15の幅寸法が1.4mm、側面5と上面15との間の角度αが45°の直角二等辺三角形であり、側面5の寸法は1.0mmとなるように形成されている。また、面取り部4に隣接する二つの基材切断端部1a、1aのうちの一方に、基材1の裏面側から切り欠いて切欠部11を形成する。この切欠部11は上面18と側面19の寸法が等しく2.0mmである。こうすることで、面取り部4を中心に化粧基材Aを折り曲げたときに、面取り部4、切欠部11、もう一方の基材切断端部1aの出隅部12が嵌合し、連続した隅角面30を形成することができ、しかも、C面31の寸法Lが1.0mmとなり、化粧基材Aの板厚よりも小さなC面31を形成することができる。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりC面31の寸法Lが1.0mmの角部を有するドアパネルを形成することができる。
【0047】
(実施例4)
図4に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この建材Bは角部が化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成するドアパネルである。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。また、化粧基材AのC面31となる部分において、基材1の裏面には断面略M字型の溝部3を形成し、面取り部4を設けた。面取り部4の形状は、図4(c)に示すように、上面15の幅寸法が1.4mm、側面5と上面15との間の角度αが45°の直角二等辺三角形であり、側面5と基材切断面7の寸法は1.0mmとなるように形成されている。また、面取り部4に隣接する二つの基材切断面7に基材1の裏面側から切り欠いて斜面20を形成する。この斜面20は基材1の裏面に対して45°の角度で寸法が2.8mmとなるように形成した。このようにすることで、面取り部4を中心に折り曲げたときに、面取り部4の側面5と基材切断面7及び斜面20同士が接合し、連続した隅角面30を形成することができ、且つC面31の寸法Lを1.0mmとし、化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さくすることができる。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりC面31の寸法Lが1.0mmの角部を有するドアパネルを形成することができる。
【0048】
(実施例5)
図5に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この建材Bは角部が化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成するドアパネルである。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。また、化粧基材AのR面32となる部分において、基材1の裏面には複数の断面略V字型の溝部3を形成し、面取り部4を設けた。溝部3を形成した後の残存部分となる面取り部4の山部4aは略等しい六つの略台形形状となる。このとき、略台形形状の山部4aはその側面の斜面を延長した補助線Hで形成される略二等辺三角形の斜辺Sが、得ようとするR面32の寸法L=6.0mmと等しく、隣り合う補助線H、Hのなす角度は90°を台形の数(六つ)で除した値(15°)となるように形成されている。また、図5(a)に示すように、面取り部4の頭頂部の軌跡に従って、台形の山部4aの先端を切除するが、軌跡は面取り部4を中心に化粧基材Aを折り曲げたときに、軌跡と基材切断端部1aの裏面とで連続した隅角面30を形成するように計算されており、面取り部4の両端から中心部に向かって、傾斜が徐々に大きくなり、且つ深くなるように加工されている。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりR面32の寸法Lが6.0mmの角部を有するドアパネルを形成することができる。
【0049】
(実施例6)
図6に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この実施例6でも実施例5と同様に、建材Bの角部が化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成されるものであるが、実施例5よりもさらにR面31の寸法Lが大きく、化粧基材Aの板厚が一定の場合では本発明で示すR面32の中で最大のものの例である。このR面32の寸法Lは10.2mmの角部とすることができる。
【0050】
(実施例7)
図7に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この建材Bは角部が化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成するドアパネルである。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。また、化粧基材AのR面32となる部分において、基材1の裏面には複数の断面略V字型の溝部3を形成し、櫛目状の面取り部4を設けた。面取り部4は四つの等しい二等辺三角形の山部4aから構成されており、山部4aの側面(斜面)5の長さ寸法は2.0mmとした。また、面取り部4に隣接する二つの基材切断端部1a、1aのうちの一方に、基材1の裏面側から切り欠いて切欠部11を形成した。このようにすることにより、面取り部4を中心に化粧基材Aを折り曲げることにより、面取り部4、切欠部11、もう一方の基材切断端部1aの出隅部12が嵌合し、連続した隅角面30を形成することができ、しかも、R面32の寸法Lが2.0mmとなり、化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができる。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりR面32の寸法Lが2.0mmの角部を有するドアパネルを形成することができる。
【0051】
(実施例8)
図8に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この建材Bは角部が化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成するドアパネルである。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。また、化粧基材AのR面32となる部分において、基材1の裏面には複数の断面略V字型の溝部3を形成し、櫛目状の面取り部4を設けた。面取り部4は四つの等しい二等辺三角形の山部4aから構成されており、山部4aの側面(斜面)5の長さ寸法は2.0mmとした。また、面取り部4に隣接する二つの基材切断面7に基材1の裏面側から切り欠いて斜面20を形成する。この斜面20は基材1の裏面に対して45°の角度で寸法が1.4mmとなるように形成した。このようにすることで、面取り部4を中心に折り曲げたときに、面取り部4の側面5と基材切断面7及び斜面20同士が接合し、連続した隅角面30を形成することができ、且つR面32の寸法Lを2.0mmとし、化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができる。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりR面32の寸法Lが2.0mmの角部を有するドアパネルを形成することができる。
【0052】
(実施例9)
図9に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略V字型の複数の溝部3、3…が形成されており、面取り部4は複数の溝部3で分離されるW字型の一対の中央山部4b、4bと一対の端部山部4c、4cが集合した櫛目状に形成されている。そして、面取り部4の中央山部4bを中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて、基材1の基材切断端部1aの裏面と幅広の溝部3aとで連続した隅角面30を形成することができる。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりドアパネルを形成することができる。
【0053】
(実施例10)
図10に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略V字型の複数の溝部3、3…が形成されており、面取り部4は複数の溝部3で分離されるW字型の一対の中央山部4b、4bと一対の端部山部4c、4cが集合した櫛目状に形成されている。そして、面取り部4の中央山部4bを中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて、基材1の基材切断端部1aの裏面と幅広の溝部3aとで連続した隅角面30を形成することができる。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりドアパネルを形成することができる。
【0054】
(実施例11)
図11に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。また、化粧基材AのR面32となる部分において、基材1の裏面には複数の断面略V字型の溝部3を形成し、面取り部4を設けた。溝部3を形成した後の残存部分となる面取り部4の山部4aは略台形形状となる。このとき、略台形形状の山部4aはその側面の斜面を延長した補助線Hで形成される三角形の斜辺のなす角度の総和が90°になるようにし、且つ両端の各山部4aの補助線Hのなす角度を15°とし、両端以外の各山部4aの補助線Hのなす角度を7.5°となるようにした。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりドアパネルを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図、(c)は(a)の一部の拡大断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図、(c)は(a)の一部の拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図、(c)は(a)の一部の拡大断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図、(c)は(a)の一部の拡大断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図、(c)は(a)の一部の拡大断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図である。
【図12】従来例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図である。
【図13】従来例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図、(c)は(a)のイの部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0056】
A 化粧基材
B 建材
1 基材
1a 基材切断端部
2 化粧材
3 溝部
4 面取り部
6 傾斜面
7 基材切断面
8 芯材
9 角部
10 入隅部
11 切欠部
20 斜面
30 隅角面
【技術分野】
【0001】
本発明は、内装ドア、ドア枠、階段踏み板、収納扉などとして用いられる建材及びこれらの建材の表面の化粧として用いられる化粧基材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、上記のような建材において、Vカットと呼ばれる溝加工がなされた化粧基材を合板やパーティクルボードなどの素材で作られた芯材の表面に被覆して固着し、一体化されたものを使用することが一般的になされている。この技術を用いることにより、角部に面取り面(C面)や曲面(R面)といった意匠性の高い外観を持つ建材とすることができるのである。
【0003】
図12(a)に従来例として、C面を得るために加工(C面加工)された化粧基材Aの断面図を示す。化粧基材Aは基材1の表面に化粧材2を全面にわたって粘着等して設けて形成されている。基材1の裏面には刃物で切除加工することにより断面略M字型の溝部3が全長にわたって形成されており、この溝部3により基材1が基材切断端部1a、1aに分割されると共に基材切断端部1a、1aの間に断面三角形の面取り部4が形成される。この面取り部4の二つの斜面5、5は基材切断面(基材切断端部1aの溝部3に臨む端面)7の厚み方向の寸法と同じ長さである。また、面取り部4の先端の頭頂部36は斜面5、5で挟まれて直角になるように加工されている。そして、この化粧基材Aは、面取り部4を中心に溝部3の部分で折り曲げて斜面5と基材切断面7とを接合することによって、頭頂部36を中心とした連続した基材1の裏面(基材切断端部1aの裏面)で形成される直角な隅角部(入隅)を得ることができるものである。
【0004】
図12(b)に、図12(a)で示した上記化粧基材Aで芯材8を被覆して形成される建材Bを示す。前述したように、化粧基材Aは折り曲げた状態で直角な隅角部を有するため、直角な芯材8の表面側の角部(出隅)9に嵌合し、化粧基材Aと芯材8とをしっかりと固着することができ、化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚と同等な大きさで形成することができる。
【0005】
図13(a)に他の従来例として、R面を得るために加工(R面加工)された化粧基材Aの断面図を示す。C面のときと異なり、面取り部4は基材1の裏面に連続した溝加工を施すことにより形成されている。すなわち、面取り部4は複数の断面略V字型の溝部3、3…により区切られた複数の山部4a、4a…から櫛目状に形成されており、各山部4aの二つの斜面5、5は溝部3の両側の基材切断端部1a、1aの基材切断面7の厚み方向の寸法と同じ長さで形成されている。また、各山部4aの先端である頭頂部36の角度は山部4aの個数によって決定され、90°を山部4aの個数で等分した角度に形成されている。これにより、化粧基材Aは面取り部4を中心に折り曲げたときに複数の頭頂部36を中心に連続した基材1の裏面(基材切断端部1aの裏面)で形成される直角な隅角部(入隅)を得ることができるものである。
【0006】
図13(b)に、図13(a)で示した上記化粧基材Aで芯材8を被覆して形成される建材Bを示す。前述したように、化粧基材Aは折り曲げた状態で直角な隅角部(入隅)を有するため、直角な芯材8の表面側の角部(出隅)9に嵌合し、化粧基材Aと芯材8とをしっかりと固着することができ、化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚と同等な大きさで形成することができる。
【特許文献1】特開2002−240142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の従来の方法では、C面やR面の大きさは化粧基材Aの板厚に依存し、また形状も単純なため、高い意匠性を得ることができないという問題があった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高い意匠性を得ることができる化粧基材及び建材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係る化粧基材Aは、基材1の表面に化粧材2を設けてなり、芯材8を被覆して化粧するための化粧基材Aであって、化粧材2が残存するように基材1の裏面に略M字型の溝加工を施すことにより面取り部4を形成し、面取り部4の頭頂部に略W字型の入隅部10を形成し、面取り部4を中心に折り曲げて入隅部10と基材1の裏面とで連続した隅角面30を形成して成ることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項2に係る化粧基材Aは、基材1の表面に化粧材2を設けてなり、芯材8を被覆して化粧するための化粧基材Aであって、化粧材2が残存するように基材1の裏面に略M字型の溝加工を施すことにより面取り部4を形成し、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1aのうちの片方に、前記略M字型の溝部3に臨む基材切断面7と基材1の裏面とに開口する切欠部11を形成し、面取り部4を中心に折り曲げて前記切欠部11にもう片方の基材切断端部1aを嵌合することによって、基材1の裏面で連続した隅角面30を形成して成ることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項3に係る化粧基材Aは、基材1の表面に化粧材2を設けてなり、芯材8を被覆して化粧するための化粧基材Aであって、化粧材2が残存するように基材1の裏面に略M字型の溝加工を施すことにより面取り部4を形成し、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1a、1aに、溝部3に臨む基材切断面7と基材1の裏面とにわたる斜面20を形成し、面取り部4を中心に折り曲げて前記斜面20、20同士を接合することによって、基材1の裏面で連続した隅角面30を形成して成ることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項4に係る化粧基材Aは、基材1の表面に化粧材2を設けてなり、芯材8を被覆して化粧するための化粧基材Aであって、化粧材2が残存するように基材1の裏面に複数の略V字型の溝加工を施すことにより櫛目状の面取り部4を形成し、面取り部4の頭頂面を面取り部4の両端から中心部に向かって徐々に傾斜が急勾配となる傾斜面6に形成し、面取り部4を中心に折り曲げて前記傾斜面6と基材1の裏面で連続した隅角面30を形成して成ることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項5に係る化粧基材Aは、基材1の表面に化粧材2を設けてなり、芯材8を被覆して化粧するための化粧基材Aであって、化粧材2が残存するように基材1の裏面に複数の略V字型の溝加工を施すことにより櫛目状の面取り部4を形成し、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1aのうちの片方に、前記略V字型の溝部3に臨む基材切断面7と基材1の裏面とに開口する切欠部11を形成し、面取り部4を中心に折り曲げて前記切欠部11にもう片方の基材切断端部1aを嵌合することによって、基材1の裏面で連続した隅角面30を形成して成ることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項6に係る化粧基材Aは、基材1の表面に化粧材2を設けてなり、芯材8を被覆して化粧するための化粧基材Aであって、化粧材2が残存するように基材1の裏面に複数の略V字型の溝加工を施すことにより櫛目状の面取り部4を形成し、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1aに、溝部3に臨む基材切断面7と基材1の裏面とにわたる斜面20を形成し、面取り部4を中心に折り曲げて前記斜面20、20同士を接合することによって、基材1の裏面で連続した隅角面30を形成して成ることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項7に係る化粧基材Aは、請求項1乃至6のいずれか一項において、基材1が木質材料、樹脂材料、無機材料から選ばれるいずれか一つであることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項8に係る建材Bは、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の化粧基材Aを芯材8の表面に固着して芯材8を被覆して成ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、化粧基材の板厚の影響を少なくして各種形状のC面やR面を形成することができ、高い意匠性を得ることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0019】
本発明の化粧基材Aは、基材1の表面の全面にわたって化粧材2を設けて形成されるものである。基材1としては、木質材料、樹脂材料、無機材料から選ばれるいずれか一つであることが好ましい。木質材料としては、無垢木材、合板、MDF(中密度繊維板)、長繊維板などの様々な材料を使用することができる。木質材料は特徴として加工しやすく、強度のわりに軽量であるため取り扱いしやすい。樹脂材料としては、フェノール板、アクリル板、ABS樹脂板、オレフィン系樹脂板などの様々な材料を使用することができる。樹脂材料は特徴として硬いので、耐傷性のある化粧基材Aを形成することができる。無機材料としては、石膏ボード、珪酸カルシウム板、ロックウール板、火山灰土板などの様々な材料を使用することができる。無機材料の特徴としては、吸水や温度変化による寸法安定性がよく、反りなどの形状変化がしにくい化粧基材Aを形成することができる。基材1の厚みは特に限定はされないが、例えば、1〜30mmとすることができる。
【0020】
化粧材2としては、ポリエチレンなどのポリオレフィンを成分とする樹脂シートを用いることができるが、紙や不織布も使用可能である。化粧材2には例えば木目調などの柄や模様を印刷して設けることができる。化粧材2の厚みは特に限定はされないが、例えば、0.05〜0.2mmとすることができる。
【0021】
そして、基材1の表面全面にわたって化粧材2を接着剤や粘着材により固着することによって、化粧基材Aを形成することができる。
【0022】
本発明の化粧基材Aは、芯材8に固着してその全面(表面、裏面、側面)を被覆することによって、建材を形成することができる。芯材8としては、木質材料、樹脂材料、無機材料のほかに、アルミニウムなどの金属材料なども用いることができ、何ら制限を受けるものではない。また、化粧基材Aと芯材8とを固着するのに使用される接着剤としては、酢酸ビニル接着剤、水性ビニルウレタン接着剤、アクリル接着剤などの様々な接着剤を使用することができ、化粧基材Aと芯材8との相性が良いものを選択するのが好ましい。また、本発明においては、接着剤の塗布量、塗布方法などについては何ら制限されるものではない。
【0023】
本発明の化粧基材Aは、芯材8の角部9に沿って折り曲げを容易に行えるようにするために、芯材8に固着する前に所定の溝加工等が施される。
【0024】
図1(a)〜(c)に示す実施の形態の化粧基材Aは、C面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができるものである。この化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略M字型の溝部3が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。図12に示す従来例では、面取り部4は断面略三角形であるのに対して、この実施の形態では、面取り部4の頭頂部が切除されて断面略W字型の入隅部10として形成されている。また、面取り部4の両方の側面(斜面)5の寸法は、基材切断端部1aの溝部3に臨む端面である基材切断面7の寸法と等しくなるように加工されている。そして、面取り部4を中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて面取り部4の各側面5に各基材切断端部1aの基材切断面7をそれぞれ接合する。このようにして基材1の基材切断端部1aの裏面と入隅部10の内面とで化粧基材Aの裏面側に連続した直角の隅角面30を形成することができる。
【0025】
上記のようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図1(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は入隅部10に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では溝部3と面取り部4の頭頂部に凹状の入隅部10を形成するので、溝部3の幅寸法や深さ寸法と入隅部10の深さ等の大きさを適宜調整することによって、C面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができる。従って、図12に示す従来例のC面31ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0026】
図2(a)(b)は上記と同様に、入隅部10を形成するものであるが、図1のものに比べて、基材切断面7,7の間の寸法を大きくすることにより、基材切断面7,7の間に形成される面取り部4の幅寸法を大きくし、且つ入隅部10の深さ寸法を大きくして入隅部10が化粧材2の裏面にまで達するように形成されている。この場合、図1のものに比べて、C面31の寸法Lを大きくすることができる。このように化粧基材Aの板厚の最大2倍の大きさまでC面31の寸法Lを大きくすることができる。
【0027】
図3(a)〜(c)に他の実施の形態を示す。この化粧基材Aでは、化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができるものである。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略M字型の溝部3が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。この面取り部4は図12に示す従来例と同様に断面略三角形に形成されている。また、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1aのうちの片方に、溝部3に臨む基材切断面7と基材1の裏面とに開口する切欠部11が形成されている。この切欠部11は上面18と側面19とで略直角に形成されている。また、面取り部4の両方の側面(斜面)5の寸法は、切欠部11を形成した方の基材切断端部1aの溝部3に臨む基材切断面7の寸法と等しくなるように、すなわち、山部4aの先端が切欠部11の上面18よりも裏面側に突出しないように、山部4aの高さ寸法等が加工されている。そして、面取り部4を中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて面取り部4の一方の側面5に切欠部11を形成した方の基材切断端部1aの基材切断面7を接合すると共に、切欠部11にもう片方の基材切断端部(切欠部11を形成していない方の基材切断端部)1aの出隅部12を嵌合して接合することによって、基材1の基材切断端部1aの裏面で連続した隅角面30を形成することができる。
【0028】
このようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図3(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は一対の基材切断端部1a、1aで形成される入隅に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では、溝部3の幅寸法や深さ寸法と切欠部11の深さ等の大きさを適宜調整することによって、C面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができる。従って、図12に示す従来例のC面31ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0029】
図4(a)〜(c)に他の実施の形態を示す。この化粧基材Aでは、化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができるものである。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略M字型の溝部3が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。この面取り部4は図12に示す従来例と同様に断面略三角形に形成されている。また、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1a、1aに、溝部3に臨む基材切断面7と基材1の基材切断端部1aの裏面とにわたる斜面20を形成する。また、面取り部4の両方の側面(斜面)5の寸法は、各基材切断端部1aの溝部3に臨む基材切断面7の寸法と等しくなるように、すなわち、山部4aの先端が斜面20、20の間に入らないように、山部4aの高さ寸法等が加工されている。そして、面取り部4を中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて面取り部4の各側面5に各基材切断端部1aの基材切断面7をそれぞれ接合すると共に、基材切断端部1a、1aの斜面20、20同士を接合することによって、基材1の基材切断端部1aの裏面で連続した隅角面30を形成することができる。
【0030】
このようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図4(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は一対の基材切断端部1a、1aで形成される入隅に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では、溝部3の幅寸法や深さ寸法と斜面20の傾斜角度等を適宜調整することによって、C面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができる。従って、図12に示す従来例のC面31ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0031】
図5(a)〜(c)に他の実施の形態を示す。この化粧基材Aでは、R面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができるものである。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に連続した複数の断面略V字型の溝部3、3…が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。この面取り部4は複数の溝部3で分離される山部4a、4a…が集合した櫛目状に形成されている。また、面取り部4の先端の頭頂面は面取り部4の両端から中心部に向かって徐々に傾斜が急勾配となる傾斜面6に形成されている。すなわち、各山部4aは断面形状が略台形となるように先端部が切除されるが、その台形の山部4aの二面の斜面5、5を延長した補助線Hを引いたときに形成される略二等辺三角形の斜辺Sの寸法(山部4aの頭頂部から基部までの斜面5の寸法と補助線Hの寸法の合計)と、得ようとするR面32の半径とが等しくなるような大きさとし、全部の補助線H、H…が集合したときに成す角度の総和を90°となるようにする。このようにすることにより、面取り部4を中心にして化粧基材Aを折り曲げたときに、化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができるものである。さらに、面取り部4の先端の頭頂部について、面取り部4の両端から中心部に向かって傾斜が徐々に大きくなり、かつ深くなるような軌跡で切除して傾斜面6を形成するので、面取り部4を中心に折り曲げて傾斜面6と基材1の基材切断端部1a、1aの裏面で連続した隅角面30を形成することができる。
【0032】
このようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図5(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は一対の基材切断端部1a、1aで形成される入隅に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では、溝部3の幅寸法や深さ寸法と傾斜面6の傾斜角度等を適宜調整することによって、R面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができる。従って、図13に示す従来例のR面32ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0033】
図6(a)〜(c)は上記と同様に、面取り部4及び傾斜面6を形成するものであるが、図5のものに比べて、基材切断面7,7の間の寸法を大きくすることにより、基材切断面7,7の間に形成される面取り部4の幅寸法を大きくし、且つ基材1の厚みを薄くし、さらに傾斜面6の深さ寸法を大きくして傾斜面6が化粧材2の裏面にまで達するように形成されている。この場合、図5のものに比べて、R面32の寸法Lを大きくすることができる。このように化粧基材Aの板厚の最大(2+√2)倍の大きさまでR面32の寸法Lを大きくすることができるものである。
【0034】
図7(a)(b)に他の実施の形態を示す。この化粧基材Aでは、化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができるものである。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略V字型の複数の溝部3、3…が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。この面取り部4は複数の溝部3で分離される断面略三角形の山部4a、4a…が集合した櫛目状に形成されている。また、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1aのうちの片方に、溝部3に臨む基材切断面7と基材1の裏面とに開口する切欠部11が形成されている。この切欠部11は上面18と側面19とで略直角に形成されている。また、面取り部4の両方の側面(斜面)5の寸法は、切欠部11を形成した方の基材切断端部1aの溝部3に臨む基材切断面7の寸法と等しくなるように、すなわち、山部4aの先端が切欠部11の上面18よりも裏面側に突出しないように、山部4aの高さ寸法等が加工されている。そして、面取り部4を中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて面取り部4の一方の側面5に切欠部11を形成した方の基材切断端部1aの基材切断面7を接合すると共に、切欠部11にもう片方の基材切断端部(切欠部11を形成していない方の基材切断端部)1aの出隅部12を嵌合して接合することによって、基材1の基材切断端部1aの裏面で連続した隅角面30を形成することができる。
【0035】
このようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図7(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は一対の基材切断端部1a、1aで形成される入隅に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では、溝部3の幅寸法や深さ寸法と切欠部11の深さ等の大きさを適宜調整することによって、R面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができる。従って、図13に示す従来例のR面32ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚よりも大きく形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0036】
図8(a)(b)に他の実施の形態を示す。この化粧基材Aでは、化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができるものである。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略V字型の複数の溝部3、3…が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。この面取り部4は複数の溝部3で分離される断面略三角形の山部4a、4a…が集合した櫛目状に形成されている。また、面取り部4の両側に位置する基材切断端部1a、1aに、溝部3に臨む基材切断面7と基材1の基材切断端部1aの裏面とにわたる斜面20を形成する。また、面取り部4の両方の側面(斜面)5の寸法は、各基材切断端部1aの溝部3に臨む基材切断面7の寸法と等しくなるように、すなわち、山部4aの先端が斜面20、20の間に入らないように、山部4aの高さ寸法等が加工されている。そして、面取り部4を中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて面取り部4の各側面5に各基材切断端部1aの基材切断面7をそれぞれ接合すると共に、基材切断端部1a、1aの斜面20、20同士を接合することによって、基材1の基材切断端部1aの裏面で連続した隅角面30を形成することができる。
【0037】
このようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図8(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は一対の基材切断端部1a、1aで形成される入隅に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では、溝部3の幅寸法や深さ寸法と斜面20の傾斜角度等を適宜調整することによって、R面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができる。従って、図13に示す従来例のR面32ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0038】
図9(a)(b)に他の実施の形態を示す。この化粧基材Aでは、C面31の両側に角度の異なる他のC面34、34が連続して形成される建材Bを得ることができるものである。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略V字型の複数の溝部3、3…が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。この面取り部4は複数の溝部3で分離されるW字型の一対の中央山部4b、4bと一対の端部山部4c、4cが集合した櫛目状に形成されている。一対の中央山部4b、4bは面取り部4の中央に設けられた幅広の溝部3aにより分離されており、断面略三角形に形成されている。端部山部4cは中央山部4bと基材切断端部1aとの間に形成されており、端部山部4cと中央山部4bの間には中幅の溝部3bが、端部山部4cと基材切断端部1aの間には幅狭の溝部3cがそれぞれ設けられている。また、端部山部4cの先端の頭頂面は面取り部4の両端から中心部に向かって傾斜する傾斜面6に形成されている。すなわち、各端部山部4cは断面形状が略台形となるように先端部が切除されている。そして、面取り部4の中央山部4bを中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて、中幅の溝部3bを閉塞して隣接する中央山部4bの側面と端部山部4cの側面とを接合すると共に、幅狭の溝部3cを閉塞して隣接する端部山部4cの側面と基材切断面7とを接合することによって、基材1の基材切断端部1aの裏面と幅広の溝部3aとで連続した隅角面30を形成することができる。
【0039】
このようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図9(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は一対の基材切断端部1a、1aと幅広の溝部3aで形成される入隅に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では、溝部3の幅寸法や深さ寸法と傾斜面6の傾斜角度等を適宜調整することによって、各種形状のC面31、34を形成することができる。従って、図12に示す従来例のC面31ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚と同等にしか形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0040】
図10(a)(b)に他の実施の形態を示す。この化粧基材Aでは、C面31の両側にR面32、32が連続して形成される建材Bを得ることができるものである。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略V字型の複数の溝部3、3…が形成されている。基材1はこの溝部3を挟んで一対の基材切断端部1a、1aに分離される。また、一対の基材切断端部1a、1aの間には面取り部4が形成されている。この面取り部4は複数の溝部3で分離される中央山部4bとその両側に設けた複数の端部山部4c、4c…が集合した櫛目状に形成されている。中央山部4bの先端の頭頂部には断面略V字型の入隅部10が形成されている。端部山部4cは中央山部4bと基材切断端部1aとの間に形成されている。また、端部山部4cの先端の頭頂面は面取り部4の両端から中心部に向かって傾斜する傾斜面6に形成されている。すなわち、各端部山部4cは断面形状が略台形となるように先端部が切除されている。そして、面取り部4の中央山部4bを中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて隣接する中央山部4bの側面と端部山部4cの側面と基材切断面7とを接合することによって、基材1の基材切断端部1aの裏面で連続した隅角面30を形成することができる。
【0041】
このようにして折り曲げられた化粧基材Aは、図10(b)に示すように、隅角面30を芯材8の表面に沿わせた状態で芯材8に固着されるものであり、芯材8の角部9は一対の基材切断端部1a、1aと入隅部10で形成される入隅に入り込んで嵌合されるものである。そして、本発明では、溝部3の幅寸法や深さ寸法と傾斜面6の傾斜角度等を適宜調整することによって、各種形状のC面31とR面32を形成することができる。従って、図12に示す従来例のC面31ではその寸法Lは化粧基材Aの板厚と同等にしか形成することができないので、意匠性を高くすることができないが、本発明では化粧基材Aの板厚への依存を少なくして意匠の自由度を高くすることができるものである。
【0042】
図11(a)(b)に示す化粧基材Aと建材Bは、図5に示す実施の形態と同様であるが、溝部3の幅寸法や深さ寸法と傾斜面6の傾斜角度等を適宜調整することによって、図5とは形状の異なるR面32を形成したものである。
【実施例】
【0043】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0044】
(実施例1)
図1に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この建材Bは角部が化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成するドアパネルである。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。また、化粧基材AのC面31となる部分において、基材1の裏面には断面略M字型の溝部3を形成し、面取り部4を設けた。面取り部4の形状は、図1(c)に示すように、上面15の幅寸法が7.1mm、側面5と上面15との間の角度αが45°で、側面5の寸法は基材切断面7と等しい寸法で3.0mmとなるように形成されている。また、面取り部4の頭頂部には断面略W字型に加工することにより角度が90°の入隅部10が形成されている。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9と入隅部10とが嵌合するように、面取り部4を中心に折り曲げて設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりC面31の寸法Lが5.0mmの角部を有するドアパネルを形成することができる。
【0045】
(実施例2)
図2に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この実施例2でも実施例1と同様に、建材Bの角部が化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成されるものであるが、実施例1よりもさらにC面31の寸法Lが大きく、化粧基材Aの板厚が一定の場合では本発明で示すC面31の中で最大のものの例である。実施例2は、面取り部4の上面15の寸法が8.4mmであること以外は実施例1と同様であり、これにより、C面31の寸法Lが6.0mmの角部とすることができる。
【0046】
(実施例3)
図3に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この建材Bは角部が化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成するドアパネルである。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。また、化粧基材AのC面31となる部分において、基材1の裏面には断面略M字型の溝部3を形成し、面取り部4を設けた。面取り部4の形状は、図3(c)に示すように、上面15の幅寸法が1.4mm、側面5と上面15との間の角度αが45°の直角二等辺三角形であり、側面5の寸法は1.0mmとなるように形成されている。また、面取り部4に隣接する二つの基材切断端部1a、1aのうちの一方に、基材1の裏面側から切り欠いて切欠部11を形成する。この切欠部11は上面18と側面19の寸法が等しく2.0mmである。こうすることで、面取り部4を中心に化粧基材Aを折り曲げたときに、面取り部4、切欠部11、もう一方の基材切断端部1aの出隅部12が嵌合し、連続した隅角面30を形成することができ、しかも、C面31の寸法Lが1.0mmとなり、化粧基材Aの板厚よりも小さなC面31を形成することができる。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりC面31の寸法Lが1.0mmの角部を有するドアパネルを形成することができる。
【0047】
(実施例4)
図4に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この建材Bは角部が化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成するドアパネルである。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。また、化粧基材AのC面31となる部分において、基材1の裏面には断面略M字型の溝部3を形成し、面取り部4を設けた。面取り部4の形状は、図4(c)に示すように、上面15の幅寸法が1.4mm、側面5と上面15との間の角度αが45°の直角二等辺三角形であり、側面5と基材切断面7の寸法は1.0mmとなるように形成されている。また、面取り部4に隣接する二つの基材切断面7に基材1の裏面側から切り欠いて斜面20を形成する。この斜面20は基材1の裏面に対して45°の角度で寸法が2.8mmとなるように形成した。このようにすることで、面取り部4を中心に折り曲げたときに、面取り部4の側面5と基材切断面7及び斜面20同士が接合し、連続した隅角面30を形成することができ、且つC面31の寸法Lを1.0mmとし、化粧基材AのC面31の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さくすることができる。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりC面31の寸法Lが1.0mmの角部を有するドアパネルを形成することができる。
【0048】
(実施例5)
図5に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この建材Bは角部が化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成するドアパネルである。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。また、化粧基材AのR面32となる部分において、基材1の裏面には複数の断面略V字型の溝部3を形成し、面取り部4を設けた。溝部3を形成した後の残存部分となる面取り部4の山部4aは略等しい六つの略台形形状となる。このとき、略台形形状の山部4aはその側面の斜面を延長した補助線Hで形成される略二等辺三角形の斜辺Sが、得ようとするR面32の寸法L=6.0mmと等しく、隣り合う補助線H、Hのなす角度は90°を台形の数(六つ)で除した値(15°)となるように形成されている。また、図5(a)に示すように、面取り部4の頭頂部の軌跡に従って、台形の山部4aの先端を切除するが、軌跡は面取り部4を中心に化粧基材Aを折り曲げたときに、軌跡と基材切断端部1aの裏面とで連続した隅角面30を形成するように計算されており、面取り部4の両端から中心部に向かって、傾斜が徐々に大きくなり、且つ深くなるように加工されている。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりR面32の寸法Lが6.0mmの角部を有するドアパネルを形成することができる。
【0049】
(実施例6)
図6に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この実施例6でも実施例5と同様に、建材Bの角部が化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも大きく形成されるものであるが、実施例5よりもさらにR面31の寸法Lが大きく、化粧基材Aの板厚が一定の場合では本発明で示すR面32の中で最大のものの例である。このR面32の寸法Lは10.2mmの角部とすることができる。
【0050】
(実施例7)
図7に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この建材Bは角部が化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成するドアパネルである。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。また、化粧基材AのR面32となる部分において、基材1の裏面には複数の断面略V字型の溝部3を形成し、櫛目状の面取り部4を設けた。面取り部4は四つの等しい二等辺三角形の山部4aから構成されており、山部4aの側面(斜面)5の長さ寸法は2.0mmとした。また、面取り部4に隣接する二つの基材切断端部1a、1aのうちの一方に、基材1の裏面側から切り欠いて切欠部11を形成した。このようにすることにより、面取り部4を中心に化粧基材Aを折り曲げることにより、面取り部4、切欠部11、もう一方の基材切断端部1aの出隅部12が嵌合し、連続した隅角面30を形成することができ、しかも、R面32の寸法Lが2.0mmとなり、化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができる。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりR面32の寸法Lが2.0mmの角部を有するドアパネルを形成することができる。
【0051】
(実施例8)
図8に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。この建材Bは角部が化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成するドアパネルである。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。また、化粧基材AのR面32となる部分において、基材1の裏面には複数の断面略V字型の溝部3を形成し、櫛目状の面取り部4を設けた。面取り部4は四つの等しい二等辺三角形の山部4aから構成されており、山部4aの側面(斜面)5の長さ寸法は2.0mmとした。また、面取り部4に隣接する二つの基材切断面7に基材1の裏面側から切り欠いて斜面20を形成する。この斜面20は基材1の裏面に対して45°の角度で寸法が1.4mmとなるように形成した。このようにすることで、面取り部4を中心に折り曲げたときに、面取り部4の側面5と基材切断面7及び斜面20同士が接合し、連続した隅角面30を形成することができ、且つR面32の寸法Lを2.0mmとし、化粧基材AのR面32の寸法Lを化粧基材Aの板厚よりも小さく形成することができる。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりR面32の寸法Lが2.0mmの角部を有するドアパネルを形成することができる。
【0052】
(実施例9)
図9に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略V字型の複数の溝部3、3…が形成されており、面取り部4は複数の溝部3で分離されるW字型の一対の中央山部4b、4bと一対の端部山部4c、4cが集合した櫛目状に形成されている。そして、面取り部4の中央山部4bを中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて、基材1の基材切断端部1aの裏面と幅広の溝部3aとで連続した隅角面30を形成することができる。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりドアパネルを形成することができる。
【0053】
(実施例10)
図10に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。化粧基材Aには化粧材2が残存するように、基材1の裏面に断面略V字型の複数の溝部3、3…が形成されており、面取り部4は複数の溝部3で分離されるW字型の一対の中央山部4b、4bと一対の端部山部4c、4cが集合した櫛目状に形成されている。そして、面取り部4の中央山部4bを中心に基材1及び化粧材2を折り曲げて、基材1の基材切断端部1aの裏面と幅広の溝部3aとで連続した隅角面30を形成することができる。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりドアパネルを形成することができる。
【0054】
(実施例11)
図11に示す化粧基材A及び建材Bを形成した。化粧基材Aは基材1としては厚み3.0mmのケナフ繊維ボードを使用し、その表面には化粧材2として厚み80μmのオレフィンが酢酸ビニル接着剤で粘着されている。また、化粧基材AのR面32となる部分において、基材1の裏面には複数の断面略V字型の溝部3を形成し、面取り部4を設けた。溝部3を形成した後の残存部分となる面取り部4の山部4aは略台形形状となる。このとき、略台形形状の山部4aはその側面の斜面を延長した補助線Hで形成される三角形の斜辺のなす角度の総和が90°になるようにし、且つ両端の各山部4aの補助線Hのなす角度を15°とし、両端以外の各山部4aの補助線Hのなす角度を7.5°となるようにした。このようにして得られた化粧基材Aをパーティクルボードでできた芯材8の角部9に設置し、酢酸ビニル接着剤で固着することによりドアパネルを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図、(c)は(a)の一部の拡大断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図、(c)は(a)の一部の拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図、(c)は(a)の一部の拡大断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図、(c)は(a)の一部の拡大断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図、(c)は(a)の一部の拡大断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態の一例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図である。
【図12】従来例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図である。
【図13】従来例を示し、(a)は化粧基材の一部の断面図、(b)は建材の一部の断面図、(c)は(a)のイの部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0056】
A 化粧基材
B 建材
1 基材
1a 基材切断端部
2 化粧材
3 溝部
4 面取り部
6 傾斜面
7 基材切断面
8 芯材
9 角部
10 入隅部
11 切欠部
20 斜面
30 隅角面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の表面に化粧材を設けてなり、芯材を被覆して化粧するための化粧基材であって、化粧材が残存するように基材の裏面に略M字型の溝加工を施すことにより面取り部を形成し、面取り部の頭頂部に略W字型の入隅部を形成し、面取り部を中心に折り曲げて入隅部と基材の裏面とで連続した隅角面を形成して成ることを特徴とする化粧基材。
【請求項2】
基材の表面に化粧材を設けてなり、芯材を被覆して化粧するための化粧基材であって、化粧材が残存するように基材の裏面に略M字型の溝加工を施すことにより面取り部を形成し、面取り部の両側に位置する基材切断端部のうちの片方に、前記略M字型の溝部に臨む基材切断面と基材の裏面とに開口する切欠部を形成し、面取り部を中心に折り曲げて前記切欠部にもう片方の基材切断端部を嵌合することによって、基材の裏面で連続した隅角面を形成して成ることを特徴とする化粧基材。
【請求項3】
基材の表面に化粧材を設けてなり、芯材を被覆して化粧するための化粧基材であって、化粧材が残存するように基材の裏面に略M字型の溝加工を施すことにより面取り部を形成し、面取り部の両側に位置する基材切断端部に、溝部に臨む基材切断面と基材の裏面とにわたる斜面を形成し、面取り部を中心に折り曲げて前記斜面同士を接合することによって、基材の裏面で連続した隅角面を形成して成ることを特徴とする化粧基材。
【請求項4】
基材の表面に化粧材を設けてなり、芯材を被覆して化粧するための化粧基材であって、化粧材が残存するように基材の裏面に複数の略V字型の溝加工を施すことにより櫛目状の面取り部を形成し、面取り部の頭頂面を面取り部の両端から中心部に向かって徐々に傾斜が急勾配となる傾斜面に形成し、面取り部を中心に折り曲げて前記傾斜と基材の裏面で連続した隅角面を形成して成ることを特徴とする化粧基材。
【請求項5】
基材の表面に化粧材を設けてなり、芯材を被覆して化粧するための化粧基材であって、化粧材が残存するように基材の裏面に複数の略V字型の溝加工を施すことにより櫛目状の面取り部を形成し、面取り部の両側に位置する基材切断端部のうちの片方に、前記略V字型の溝部に臨む基材切断面と基材の裏面とに開口する切欠部を形成し、面取り部を中心に折り曲げて前記切欠部にもう片方の基材切断端部を嵌合することによって、基材の裏面で連続した隅角面を形成して成ることを特徴とする化粧基材。
【請求項6】
基材の表面に化粧材を設けてなり、芯材を被覆して化粧するための化粧基材であって、化粧材が残存するように基材の裏面に複数の略V字型の溝加工を施すことにより櫛目状の面取り部を形成し、面取り部の両側に位置する基材切断端部に、溝部に臨む基材切断面と基材の裏面とにわたる斜面を形成し、面取り部を中心に折り曲げて前記斜面同士を接合することによって、基材の裏面で連続した隅角面を形成して成ることを特徴とする化粧基材。
【請求項7】
基材が木質材料、樹脂材料、無機材料から選ばれるいずれか一つであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の化粧基材。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の化粧基材を芯材の表面に固着して芯材を被覆して成ることを特徴とする建材。
【請求項1】
基材の表面に化粧材を設けてなり、芯材を被覆して化粧するための化粧基材であって、化粧材が残存するように基材の裏面に略M字型の溝加工を施すことにより面取り部を形成し、面取り部の頭頂部に略W字型の入隅部を形成し、面取り部を中心に折り曲げて入隅部と基材の裏面とで連続した隅角面を形成して成ることを特徴とする化粧基材。
【請求項2】
基材の表面に化粧材を設けてなり、芯材を被覆して化粧するための化粧基材であって、化粧材が残存するように基材の裏面に略M字型の溝加工を施すことにより面取り部を形成し、面取り部の両側に位置する基材切断端部のうちの片方に、前記略M字型の溝部に臨む基材切断面と基材の裏面とに開口する切欠部を形成し、面取り部を中心に折り曲げて前記切欠部にもう片方の基材切断端部を嵌合することによって、基材の裏面で連続した隅角面を形成して成ることを特徴とする化粧基材。
【請求項3】
基材の表面に化粧材を設けてなり、芯材を被覆して化粧するための化粧基材であって、化粧材が残存するように基材の裏面に略M字型の溝加工を施すことにより面取り部を形成し、面取り部の両側に位置する基材切断端部に、溝部に臨む基材切断面と基材の裏面とにわたる斜面を形成し、面取り部を中心に折り曲げて前記斜面同士を接合することによって、基材の裏面で連続した隅角面を形成して成ることを特徴とする化粧基材。
【請求項4】
基材の表面に化粧材を設けてなり、芯材を被覆して化粧するための化粧基材であって、化粧材が残存するように基材の裏面に複数の略V字型の溝加工を施すことにより櫛目状の面取り部を形成し、面取り部の頭頂面を面取り部の両端から中心部に向かって徐々に傾斜が急勾配となる傾斜面に形成し、面取り部を中心に折り曲げて前記傾斜と基材の裏面で連続した隅角面を形成して成ることを特徴とする化粧基材。
【請求項5】
基材の表面に化粧材を設けてなり、芯材を被覆して化粧するための化粧基材であって、化粧材が残存するように基材の裏面に複数の略V字型の溝加工を施すことにより櫛目状の面取り部を形成し、面取り部の両側に位置する基材切断端部のうちの片方に、前記略V字型の溝部に臨む基材切断面と基材の裏面とに開口する切欠部を形成し、面取り部を中心に折り曲げて前記切欠部にもう片方の基材切断端部を嵌合することによって、基材の裏面で連続した隅角面を形成して成ることを特徴とする化粧基材。
【請求項6】
基材の表面に化粧材を設けてなり、芯材を被覆して化粧するための化粧基材であって、化粧材が残存するように基材の裏面に複数の略V字型の溝加工を施すことにより櫛目状の面取り部を形成し、面取り部の両側に位置する基材切断端部に、溝部に臨む基材切断面と基材の裏面とにわたる斜面を形成し、面取り部を中心に折り曲げて前記斜面同士を接合することによって、基材の裏面で連続した隅角面を形成して成ることを特徴とする化粧基材。
【請求項7】
基材が木質材料、樹脂材料、無機材料から選ばれるいずれか一つであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の化粧基材。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の化粧基材を芯材の表面に固着して芯材を被覆して成ることを特徴とする建材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−143126(P2010−143126A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323852(P2008−323852)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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