説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】バリアメタルのステップカバレッジを向上させるボーダレスコンタクト構造を有する半導体装置を提供する。
【解決手段】低抵抗金属層と高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜を順次積層した構造の配線パタ―ン42Aと、配線パタ―ンを覆う層間絶縁膜43と、層間絶縁膜中に形成され、配線パタ―ンの上面の一部と側壁面の一部を露出し、さらに配線パタ―ンに、露出上面および露出側壁面を連結して形成された斜面をも露出斜面42dとして露出するビアホール43Aと、ビアホールの側壁面、露出上面および露出側壁面、さらに前記露出斜面に形成された、少なくとも低抵抗金属層の構成元素および高融点金属元素を含む導電性側壁膜43bと、導電性側壁膜を覆い、高融点金属元素を含む第2のバリアメタル膜と、前記第2のバリアメタル膜を介して充填し、前記第2のバリアメタル膜に接する導電性プラグと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に半導体装置に係り、特に配線構造中にボーダレスコンタクトを有する半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置で使われる多層配線構造では、下層の配線パタ―ンと上層の配線パタ―ンとが、層間絶縁膜中に形成されたビアプラグで接続されるのが一般的である。
【0003】
このようなビアプラグとして、タングステン(W)プラグが使われることが多い。タングステンビアプラグはWF6などの腐食性の原料ガスを使ったCVD法により、先に層間絶縁膜中に形成されたビアホールを充填して形成されるのが一般的であり、充填工程に先立って、ビアホールの側壁面を、TiNやTaNなど、高融点金属の導電性窒化膜よりなるバリアメタルで覆っておくことが重要である。
【0004】
一方、このような多層配線構造では従来、ビアプラグがコンタクトする下層の配線パタ―ンに幅広のパッド領域を形成し、ビアプラグにある程度の位置ずれが発生しても、かかるパッド領域に確実にビアプラグをコンタクトさせる構成が使われていた。
【0005】
しかし、このような幅広のパッドを設けた多層配線構造では、配線パタ―ンが微細化された場合、隣接する配線パタ―ン相互の間隔が過小となり、配線パタ―ン間の寄生キャパシタンスを介して、隣接する配線パタ―ン中の信号が干渉するなどの問題が発生する。
【0006】
そこで最近では、多層配線構造中の配線パタ―ンにこのようなパッド部を形成せず、上層の配線パタ―ンから下層の配線パタ―ンまで、多少の位置ずれは許容して直接にビアプラグを形成する、いわゆるボーダレスコンタクト技術が使われることが多い。ボーダレスコンタクト技術では、ビアプラグが下層の配線パタ―ンから外れても、ビアプラグが下層配線パタ―ンの上面および側壁面にコンタクトしている限り、ビアプラグと下層の配線パタ―ンとの間に所望のコンタクトが確保される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−237830号公報
【特許文献2】特開平6−140359号公報
【特許文献3】特開平9−213794号公報
【特許文献4】特開平10−242147号公報
【特許文献5】特開2000−277607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図1A〜図1Eは、このような位置ずれが発生した場合におけるボーダレスコンタクト構造の形成例を示す断面図である。
【0009】
図1Aを参照するに、下層の層間絶縁膜11上には例えば低抵抗のAl−Cu合金よりなる配線パタ―ン12が形成されており、前記配線パタ―ン12は、上層の層間絶縁膜13により覆われている。前記配線パタ―ン12は、低抵抗Al−Cu合金よりなる配線層12Bを含み、前記配線層12Bが、例えばTiNなどよりなる下層バリア膜12Aおよび同様な上層バリア層12Cにより挟持された構成を有している。
【0010】
次に図1Bの工程において前記上層の層間絶縁膜13中には、前記配線パタ―ン12を露出するビアホール13Aが形成される。その際、前記図1Bの例ではビアホール13Aが位置ずれしており、その結果、前記ビアホール13Aは前記上層バリア層12Cの上面の一部および側壁面、さらにその下の配線層12Cの側壁面の一部を露出している。このように位置ずれしたビアホール13Aでは、ビアホール形成の際、前記上層バリア層12Cの上面が露出した後は、層間絶縁膜13のエッチング速度が低下するため、先端部に径が深さ方向に向かって急速に狭まるテーパ部13aが形成される。
【0011】
次に図1Cの工程において前記図1Bの構造上に、例えばTi層とTiN層を順次積層したTiN/Ti構造のバリアメタル膜14がスパッタ法により、前記層間絶縁膜13の上面のみならず前記ビアホール13Aの側壁面をも覆うように形成され、その後図1Dの工程において、WF6などの気相原料を使ったCVD法により、前記層間絶縁膜13上にW(タングステン)膜15が、前記バリアメタル膜14を介して前記ビアホール13Aを充填するように形成される。
【0012】
さらに前記層間絶縁膜13上のW膜15およびバリアメタル膜14をCMP法により、前記層間絶縁膜13の上面が露出するまで研磨・除去することにより、図1Eに示すように前記ビアホール13C中にWビアプラグ15Aが、バリアメタル膜14により覆われて形成され、前記Wビアプラグ15Aは前記Cu配線パタ―ン12に、前記上層バリア層12Cの上面の一部および側壁面、さらにその下の配線層12Bの側壁面の一部とコンタクトする。
【0013】
ところが、このようなボーダレスコンタクト構造では、図1Cの工程において前記Cu配線パタ―ン12の垂直な側壁面には、ステップカバレッジに劣るスパッタ法ではバリアメタル膜14を満足な厚さの連続膜の形で形成するのが困難で、その結果、図1Dの工程で前記ビアホール13AをW膜15で充填した場合、W膜15を形成するWF6などの腐食性原料ガスが前記Al−Cu層12Bの側壁面をアタックし、ボイドの形成やW結晶の異常成長、さらにはバリア層12Cの剥離などの問題が発生する。特に微細なコンタクトホールへのバリアメタル膜形成のために、垂直入射するスパッタ粒子の割合を高めたコリメーテッドスパッタ技術などを使うと、前記Al−Cu層12Bの垂直な側壁面や、前記ビアプラグ15Aが形成されるビアホールの肩部においては、バリアメタル膜は全く形成されないか、あるいは形成されても極端に薄い膜厚になってしまう。
【0014】
このようなバリアメタル膜のステップカバレッジ不良は、ビアホール13A先端のテーパ部13aにおいて、特に発生しやすい。一般にビアホール13Aのアスペクト比は5〜10程度であるが、このようなテーパ部13aにおいては、アスペクト比はさらに増大している。
【課題を解決するための手段】
【0015】
一の側面による半導体装置は、絶縁膜上に形成され、低抵抗金属層と高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜を順次積層した構造の配線パタ―ンと、前記絶縁膜上に形成され、前記配線パタ―ンを覆う層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜中に形成され、前記配線パタ―ンの上面の一部と側壁面の一部をそれぞれ露出上面および露出側壁面として露出し、さらに前記配線パタ―ンに、前記露出上面および前記露出側壁面を連結して形成された斜面をも露出斜面として露出するビアホールと、前記ビアホールの側壁面、前記露出上面および前記露出側壁面、さらに前記露出斜面に形成された、少なくとも前記低抵抗金属層の構成元素および前記高融点金属元素を含む導電性側壁膜と、前記ビアホールの前記側壁面、前記露出上面および前記露出側壁面、および前記露出斜面を、前記導電性側壁膜を介して覆い、高融点金属元素を含む第2のバリアメタル膜と、前記ビアホールを、前記第2のバリアメタル膜を介して充填し、前記第2のバリアメタル膜に接する導電性プラグと、を含む。
【0016】
他の側面による半導体装置は、絶縁膜上に形成され、低抵抗金属層と高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜を順次積層した構造の配線パタ―ンと、前記絶縁膜上に形成され、前記配線パタ―ンを覆う層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜中に形成され、前記配線パタ―ンの上面の一部と側壁面の一部をそれぞれ露出上面および露出側壁面として露出し、さらに前記配線パタ―ンに前記露出上面および前記露出側壁面を連結して形成された斜面をも露出斜面として露出するビアホールと、前記ビアホールの側壁面および前記配線パタ―ンの前記露出上面に形成された第2のバリアメタル膜と、前記ビアホールの前記側壁面および前記配線パタ―ンの前記露出上面を前記第2のバリアメタル膜を介して覆い、さらに前記配線パタ―ンの前記露出側壁面および前記露出斜面を、前記露出側壁面および前記露出斜面に接して覆う、前記高融点金属元素および前記低抵抗金属層の構成元素を含む導電性側壁膜と、前記ビアホールを、前記導電性側壁膜を介して充填する導電性プラグと、を含む。
【0017】
他の側面による半導体装置の製造方法は、絶縁膜上に低抵抗金属層と、高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜とを順次積層した配線パタ―ンを形成する工程と、前記絶縁膜上において、前記配線パタ―ンを覆って層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜中に、前記配線パタ―ンの上面の一部と側壁面の一部を、それぞれ露出上面および露出側壁面として露出するビアホールを形成する工程と、前記ビアホールを介して前記露出上面と露出側壁面に対し非反応性エッチングを、前記非反応性エッチングに使われるエッチング装置の壁面の温度よりも10℃以上低い基板温度において実行し、前記ビアホールの側壁面、前記露出上面および露出側壁面、および前記非反応性エッチングにより前記配線パタ―ンに前記露出上面および前記露出側壁面を連結して形成され、前記ビアホールにより露出された露出斜面をも覆うように、前記高融点元素および前記低抵抗金属層の構成元素を含む導電性側壁膜を形成する工程と、前記導電性側壁膜上に、前記ビアホールの側壁面、前記露出上面および露出側壁面、および前記露出斜面をも覆うように、第2のバリアメタル膜を形成する工程と、前記ビアホールを、前記第2のバリアメタル膜を介して導電層により充填する工程と、を含む。
【0018】
他の側面による半導体装置の製造方法は、絶縁膜上に低抵抗金属層と高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜を順次積層した配線パタ―ンを形成する工程と、前記絶縁膜上において、前記配線パタ―ンを覆って、層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜中に、前記配線パタ―ンの上面の一部と側壁面の一部を、それぞれ露出上面および露出側壁面として露出するビアホールを形成する工程と、前記層間絶縁膜上に第2のバリアメタル膜を堆積し、前記ビアホールの側壁面および前記配線パタ―ンの前記露出上面を、前記第2のバリアメタル膜により覆う工程と、前記第2のバリアメタル膜を堆積する工程の後、前記第2のバリアメタル膜に対し非反応性エッチングを、前記非反応性エッチングに使われるエッチング装置の壁面の温度よりも10℃以上低い基板温度において実行し、前記ビアホールの側壁面、前記露出上面および露出側壁面、および前記非反応性エッチングにより前記配線パタ―ンに前記露出上面および前記露出側壁面を連結して形成され前記ビアホールにより露出される露出斜面をも覆うように、前記高融点元素および前記低抵抗金属層の構成元素、さらに前記第2のバリアメタル膜の構成元素を含む導電性側壁膜を形成する工程と、前記ビアホールを、前記導電性側壁膜を介して導電層により充填する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、非反応性エッチングの結果、前記ビアホールの側壁面に、前記配線パタ―ンの露出上面、露出側壁面および露出斜面を含めて、前記配線パタ―ン上部において第1のバリアメタル膜を構成する高融点金属元素および配線パタ―ン本体を構成する低抵抗金属層の構成元素を含む導電性側壁膜が形成される。そこで、かかる導電性側壁膜上に導電膜を形成することにより、あるいは前記導電性側壁膜上に別のバリアメタル膜を介して前記導電膜を形成することにより、バリアメタル膜形成が困難な配線パタ―ンの側壁面にもバリアメタル膜を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】ボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その1)である。
【図1B】ボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その2)である。
【図1C】ボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その3)である。
【図1D】ボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その4)である。
【図1E】ボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その5)である。
【図2】第1の実施形態による半導体装置の構成を示す断面図である。
【図3A】第1の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その1)である。
【図3B】第1の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その2)である。
【図3C】第1の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その3)である。
【図3D】第1の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その4)である。
【図3E】第1の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その5)である。
【図3F】第1の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その6)である。
【図4】第1の実施形態で使われるICP型プラズマエッチング装置の構成を示す断面図である。
【図5A】第1の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その1)である。
【図5B】第1の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その2)である。
【図5C】第1の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その3)である。
【図5D】第1の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その4)である。
【図5E】第1の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その5)である。
【図5F】第1の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その6)である。
【図6A】第2の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その1)である。
【図6B】第2の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その2)である。
【図6C】第2の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その3)である。
【図6D】第2の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その4)である。
【図6E】第2の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その5)である。
【図6F】第2の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その6)である。
【図6G】第2の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その7)である。
【図7A】第3の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その1)である。
【図7B】第3の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その2)である。
【図7C】第3の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その3)である。
【図7D】第3の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その4)である。
【図7E】第3の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その5)である。
【図7F】第3の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その6)である。
【図7G】第3の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その7)である。
【図8A】第4の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その1)である。
【図8B】第4の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その2)である。
【図8C】第4の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その3)である。
【図8D】第4の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その4)である。
【図8E】第4の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その5)である。
【図8F】第4の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その6)である。
【図8G】第4の実施形態によるボーダレスコンタクト構造の形成工程を示す図(その7)である。
【図9】第5の実施形態による半導体装置の構成を示す断面図である。
【図10A】第5の実施形態によるコンタクト構造の形成工程を示す図(その1)である。
【図10B】第5の実施形態によるコンタクト構造の形成工程を示す図(その2)である。
【図10C】第5の実施形態によるコンタクト構造の形成工程を示す図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1の実施形態]
図2は、第1の実施形態による半導体装置の概略的構成を示す断面図である。
【0022】
図2を参照するに、例えばp型のシリコン基板21上にはSTI型の素子分離領域21Iにより素子領域21Aが画成されており、前記素子領域21Aにおいては前記シリコン基板21上に例えばポリシリコンよりなるゲート電極23が、典型的には熱酸化膜よりなるゲート絶縁膜22を介して形成されている。また前記素子領域21Aでは前記シリコン基板21中に、n型のソースエクステンション領域21aおよびドレインエクステンション領域21bが、前記ゲート電極23直下のチャネル領域21Chを隔てて相対向するように形成されている。
【0023】
また前記ゲート電極23には、相対向する側壁面上に側壁絶縁膜23A,23Bがそれぞれ形成されており、前記素子領域21Aにおいては前記シリコン基板21中、前記チャネル領域21Chから見て前記側壁絶縁膜23Aの外側に、前記ソースエクステンション領域21aに部分的に重畳して、n+型のソース領域21cが形成されている。また前記素子領域21Aにおいては前記シリコン基板21中、前記チャネル領域21Chから見て前記側壁絶縁膜23Bの外側に、前記ドレインエクステンション領域21bに部分的に重畳して、n+型のドレイン領域21cが形成されている。
【0024】
前記ゲート電極23は、前記側壁絶縁膜23A,23B共々、前記シリコン基板21上において、例えばシリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜24により覆われており、前記層間絶縁膜24中には、前記ソース領域21cにコンタクトするビアプラグ24Aと、前記ドレイン領域21dにコンタクトするビアプラグ24Bとが形成されている。
【0025】
さらに前記層間絶縁膜24上には、前記ビアプラグ24Aおよび24BにそれぞれコンタクトしてAl配線パタ―ン25A,25Bが形成されており、前記Al配線パタ―ン25A,25Bは、前記層間絶縁膜24上に形成された、前記層間絶縁膜24と同様な層間絶縁膜25により覆われている。
【0026】
さらに前記層間絶縁膜25中には、前記Al配線パタ―ン25A,24Bにそれぞれコンタクトするビアプラグ25C,25Dが形成されており、前記層間絶縁膜25上には前記ビアプラグ25C,25Dにそれぞれコンタクトする配線パタ―ン26A,26Bが形成されている。前記配線パタ―ン26A,26Bは、前記層間絶縁膜25上に形成された次の層間絶縁膜26により覆われている。
【0027】
図2の例では、前記ビアプラグ25C,25Dはその下のAl配線パタ―ン25A,25Bに対して多少ずれており、その結果、前記ビアプラグ25C,25Dは前記配線パタ―ン25A,25Bの上面および側壁面にコンタクトし、ボーダレスコンタクトプラグを形成している。
【0028】
以下、第1の実施形態による前記ボーダレスコンタクトプラグ25C,25Dの形成方法を、図3A〜図3Fを参照しながら説明する。
【0029】
図3Aを参照するに、前記層間絶縁膜24に相当する絶縁膜41上には、低抵抗Al−Cu合金よりなる配線層42bを有する配線パタ―ン42Aが、前記配線パタ―ン25Aあるいは25Bに対応して形成され、前記配線パタ―ン42Aでは前記配線層42bが、Ti膜上にTiN膜を積層したTi/TiN構造の下層バリア層42aおよび上層バリア層42cにより、上下から挟持されている。前記配線パタ―ン42Aは、前記絶縁膜41上に形成された、TEOSを原料としたCVD法により形成されたシリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜43により覆われている。
【0030】
次に図3Bの工程において前記層間絶縁膜43中に、前記配線パタ―ン42Aを露出するビアホール43Aが形成される。その際、本実施形態では前記配線パタ―ン42Aに幅広のパッド領域などは形成されておらず、前記ビアホ―ル43Aは位置ずれの結果、前記配線パタ―ン42Aの上面の一部および側壁面の一部を露出して形成されている。前記ビアホール43Aの先端部には、先の図1Bで説明したテーパ部13aと同様なテーパ部43aが形成されている。
【0031】
次に本実施形態では図3Cの工程において、前記図3Bの構造に対しアルゴンガスプラズマなど希ガスプラズマ中において非反応性エッチングを、例えば図4に示すICP型エッチング装置30を使い、前記非反応エッチングにより前記配線パタ―ン42Aからスパッタされた導電性粒子が前記ビアホール43Aの内壁面および前記配線パタ―ン42Aの上面および側壁面に付着するような条件で実行し、前記ビアホール43Aの内壁面、前記配線パタ―ン42Aのうち前記ビアホール43Aで露出された露出上面42eおよび露出側壁面42f、さらに前記配線パタ―ン42Aに前記非反応性エッチングの結果、記露出側壁面42fと露出上面42eを連結して形成され前記ビアホール43Aにより露出される露出斜面42dに、少なくとも前記上層バリア層42cおよび前記配線層42bの構成元素を含む導電性の側壁膜43bを形成する。
【0032】
より具体的には図4のICP型プラズマエッチング装置30は、排気ポート31Vにおいて排気される処理容器31を備えており、前記処理容器31中は、基板処理が行われるプロセス空間31Sを画成する。さらに前記処理容器31中には希ガス導入ポート31cよりアルゴン(Ar)ガスなどの希ガスが導入される。
【0033】
前記プロセス空間31Sには、被処理基板31Wを保持する基板保持台31Aが設けられており、前記基板保持台31Aにはバイアス電源32より、例えば周波数が13.56MHzの高周波バイアスが印加される。
【0034】
さらに前記処理容器31上には石英ガラスよりなるドーム状の部材33が設けられ、前記部材33の周囲にはコイル34が巻回されている。
【0035】
そこで前記プロセス空間31Sを5mTorr〜20mTorr、好ましくは10mTorr程度の圧力に減圧し、前記コイル34に例えば周波数が13.56MHzの高周波を1000W〜2500W、好ましくは2000Wのパワーで供給することにより、前記部材33の内側にプラズマを誘起することができ、さらに前記基板保持台31Aに周波数が400kHzの高周波を、100W〜500W、好ましくは300Wのパワーで印加し、ウェハーに負のバイアス電圧を発生させ、アルゴンガスを10sccm〜200sccm、好ましくは100sccm程度の流量で供給することにより、前記ドーム状部材33中にArプラズマを形成し、前記Arプラズマ中のArイオンを前記被処理基板31Wに衝突させ、所望の非反応性エッチングを、膜種にかかわらず大体500nm/分程度のエッチング速度で行うことができる。本実施形態では、前記ポート31cから導入されるアルゴンガスなどの希ガスに塩素ガスやフッ素ガスなどの反応性のガスは添加していない。
【0036】
なお上記コイル34を駆動する高周波パワーの上限値は、使用される電源の容量により制約されるものであり、より大きな電源を使うことができるならば、上記2500Wの値に限定されるものではない。一方、前記コイル34を駆動する高周波パワーを1000W未満に減少させると、プラズマ密度が低下するため、非反応性エッチングのエッチング速度が低下してしまう。
【0037】
また前記バイアスパワーについてみると、これが100W未満だと、被処理基板に入来するAr+イオンのエネルギが減少し、十分なエッチング速度が得られない。また前記バイアスパワーが500Wを超えると、スパッタ効果が過大になり、所望の導電性側壁膜43bの形成が阻害される。
【0038】
さらに前記プロセス空間31Sの圧力が上記5mTorr〜20mTorrの範囲を超えると、プラズマが生成せず、アルゴンガス流量が上記の10sccm〜200sccmの範囲を超えると、圧力制御が困難となる。
【0039】
その際、本実施形態では前記基板保持台31Aに設けられた冷却水通路31aに冷却水を流通させ、前記被処理基板Wの基板温度を200℃未満の温度、例えば室温(20℃)に維持する。このように非反応性エッチングを低い基板温度で行うことにより、前記配線パタ―ン42Aからスパッタされた導電性粒子は前記ビアホール43Aの側壁面に堆積し、前記側壁膜43bの形成が促進される。
【0040】
またその際、前記処理容器31の器壁に設けられた冷却水通路31bに流通される冷却水の温度あるいは流量を制御し、前記器壁の温度、すなわち壁面温度を前記基板温度よりも10℃以上高い温度、例えば50℃に維持することで、前記側壁膜43bの形成をさらに促進することができる。
【0041】
このようにして形成された側壁膜43bは、エッチングを受ける前記上層バリア層42cを構成するTiなどの高融点金属元素と窒素、前記低抵抗配線層42bを構成するAlやCuなどの金属元素、さらに層間絶縁膜43を構成するSiや酸素などを含んでいるが、前記ビアホール43aの底に近い部分、すなわち前記露出上面、露出側壁面および露出斜面42dに近いほど、金属元素の割合が多くなり導電性が増加する。前記側壁膜43bは、連続膜で形成されるのが好ましいが、不連続膜であってもよい。
【0042】
なお図3Cの工程では、前記非反応性エッチングの結果、前記層間絶縁膜43のうち、前記ビアホール43Aの開口部近傍に、斜面部43cが形成されているのがわかる。
【0043】
次にこのようにして形成された図3Cの構造を前記図4のICP型プラズマエッチング装置30から取り出し、図3Dの工程において前記図3Cの構造上に、通常のスパッタ法あるいはコリメーテッドスパッタ法(特許文献2参照)などにより、Ti膜とTiN膜を順次積層したバリアメタル膜44を形成する。
【0044】
その際前記図3Dの工程では、前記導電性の側壁膜43bが、既に図3Cの工程において、前記配線パタ―ン42Aの露出上面42e、露出側壁面42fおよび露出斜面42dに形成されているため、バリアメタル膜44の形成は、上記露出上面42e、露出側壁面42fおよび露出斜面42dにおいても優れたステップカバレッジでなされ、連続したバリアメタル膜44が、これら従来ステップカバレッジが不良となっていた部分においても十分な膜厚を確保することができる。
【0045】
さらに図3Eの工程において前記図3Dのビアホール43AにWF6ガスを導入し、これを水素ガスで還元することにより、前記ビアホール43Aを充填して、タングステン(W)膜45を形成する。
【0046】
さらに図3Fの工程において前記タングステン膜45およびその下のバリアメタル膜44、さらに前記側壁膜43bを、前記層間絶縁膜43の上面が露出するまで化学機械研磨(CMP)法により研磨・除去し、図3Fに示す、導電性側壁膜43bおよびバリアメタル膜44を伴うタングステンビアプラグ45Aが得られる。
【0047】
本実施形態では、前記タングステン膜45の成膜の際に前記ビアホール43Aの内壁面が前記バリアメタル膜43Bおよび導電性側壁膜43bにより覆われているため、形成されるタングステン膜45中におけるタングステン結晶の異常成長やバリア層42cの剥離の問題などは生じない。
【0048】
なお本実施形態において前記バリア層42a,42cおよびバリアメタル膜44はTi/TiN積層構造の膜に限定されるものではなく、Ta/TaN積層構造膜や、その他の高融点金属元素を含む導電膜であってもよい。
【0049】
なお本実施形態において、前記非反応性エッチングは、前記基板温度が前記器壁の温度よりも10℃以上低い限りにおいて、マイナス100℃〜プラズ200℃の範囲の基板温度およびマイナス100℃〜プラズ200℃の範囲の器壁温度ないし壁面温度で実行することができる。
【0050】
また本実施形態において図3Cの工程で使われる非反応性エッチング装置は、図4に示すICP型の装置に限定されるものではなく、平行平板型のプラズマエッチング装置や、ECR型のプラズマエッチング装置などであってもよい。また前記図3Cの工程で使われる希ガスもアルゴンガスに限定されるものではなく、ヘリウム(He)ガスやネオン(Ne)ガス、クリプトン(Kr)ガスなど、他の希ガスを使うことも可能である。
【0051】
このようにして形成された本実施形態によるボーダレスコンタクト構造は、前記絶縁膜41上に形成され、低抵抗金属層42bとTiやTaなどの高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜、すなわち上層のバリア層42cを順次積層した構造の配線パタ―ン42Aと、前記絶縁膜41上に形成され、前記配線パタ―ン42Aを覆う層間絶縁膜43と、前記層間絶縁膜43中に形成され、前記配線パタ―ン42Aの上面の一部と側壁面の一部をそれぞれ露出上面42eおよび露出側壁面42fとして露出し、さらに前記配線パタ―ンに、前記露出上面42eおよび前記露出側壁面42fを連結して形成された斜面をも露出斜面42dとして露出するビアホール43Aと、前記ビアホール43Aの側壁面、前記露出上面42eおよび前記露出側壁面42f、さらに前記露出斜面42dに形成された、少なくとも前記低抵抗金属層42bの構成元素および前記高融点金属元素を含む導電性側壁膜43bと、前記ビアホール43Aの前記側壁面、前記露出上面42eおよび前記露出側壁面42f、および前記露出斜面42dを、前記導電性側壁膜43bを介して覆い、高融点金属元素を含む第2のバリアメタル膜44と、前記ビアホール43Aを、前記第2のバリアメタル44膜を介して充填する導電性プラグ45Aと、を含む。
【0052】
本実施形態によれば、前記配線パタ―ン42Aの垂直な露出側壁面42fが、前記露出上面42eおよび露出斜面42dを覆う第2のバリアメタル膜43bにより覆われるため、前記ビアホール43Aを、WF6などの腐食性のソースガスを使うCVD法により、タングステンなどの金属層45で充填する場合にも、タングステン結晶の異常成長や上層バリア層42cの剥離の問題などが生じるのを回避することができる。
【0053】
その際、前記上層のバリア層42cの膜厚を下層のバリア層42aの膜厚よりも大きく設定しておくと、前記第2のバリアメタル膜43b中におけるTiやTaなどの高融点金属元素の割合を増大させることができ、ビアプラグ45Aのコンタクト抵抗を低減させることが可能である。
【0054】
本実施形態において前記層間絶縁膜43は、TEOSを原料としたシリコン酸化膜に限定されるものではなく、Siを含む他の低誘電率材料(low−K材料)、フッ化アモルファスカーボン膜(α−CF膜)、ボラジン系化合物を用いた低誘電率膜、有機ポリマー系材料、ポーラスダイヤモンド系材料、ポリイミド系材料などを使うことが可能である。
【0055】
[第2の実施形態]
次に第2の実施形態について、図5A〜図5Fを参照しながら説明する。ただし図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0056】
図5Aおよび図5Bの工程は、先に説明した図3Aおよび図3Bの工程と同じで、Ti/TiN積層構造の上層バリア層42aと下層バリア層42cでAl−Cu合金よりなる配線層42bを挟持した構造の配線パタ―ン42Aが、絶縁膜41上において層間絶縁膜43により覆われ、前記層間絶縁膜43中に、前記配線パタ―ン42A上面の一部と側壁面の一部を露出するビアホール43Aが形成されている。
【0057】
本実施形態では、図5Cの工程において、前記図5Bに示す構造上にTi/TiN積層構造のバリアメタル膜43Bを、通常のスパッタ法、あるいは垂直入射成分の割合を増加させたコリメーテッドスパッタ法により形成する。この場合、前記配線パタ―ン42Aの垂直な側壁面には前記バリアメタル膜43Bは形成されない、あるいは形成されても膜厚が非常に薄い膜しか形成されないが、図5Cの段階では問題にしない。
【0058】
次に図5Dの工程において、前記バリアメタル膜43Bに対し、先の図3Cの工程と同様な非反応性エッチング工程を、同様な条件で実行し、前記バリアメタル膜43b上に、主として前記バリアメタル膜43bおよび上層バリア層42cの構成金属元素、すなわちTiよりなり、さらに前記低抵抗Al−Cu層42bの構成金属元素であるAlとCuをも含むスパッタ粒子よりなる導電性側壁膜43bを形成する。
【0059】
本実施形態でも、前記非反応性エッチングの結果、図5Dに示すように前記配線パタ―ン42Aの肩部およびビアホール43Aの肩部には、図3Dの実施形態と同様な斜面部42dおよび43cが形成されている。またその際、前記バリアメタル膜43Bも非反応性エッチングを受け、膜厚を減じたバリアメタル膜43B1に変化している。
【0060】
本実施形態では先の実施形態と異なり、前記導電性側壁膜43bは、層間絶縁膜43の構成元素は、少なくとも前記ビアホール43Aの底部近傍においては、実質的に含まない。前記導電性側壁膜43bは、前記ビアホール43Aの内壁面に形成されたバリアメタル膜43Bをスパッタすることにより形成されるものであるため、前記配線パタ―ン42Aの垂直な側壁面をも、連続的に覆うことが可能である。また本実施形態では、前記導電性側壁膜43bの下に前記バリアメタル膜43B1が残っているのが好ましい。
【0061】
さらに図5Eの工程において前記ビアホール43Aを、WF6などの腐食性ソースガスを使ったCVD法によりタングステン膜45で充填し、図5Fの工程において、余分なタングステン膜45を、前記層間絶縁膜43の上面が露出するまで、CMP法により研磨・除去し、前記図3Fの工程の場合と同様に、所望のビアプラグ45Aが得られる。
【0062】
本実施形態でも、前記タングステン膜45の成膜の際に前記ビアホール43Aの内壁面が前記バリアメタル膜43Bおよび導電性側壁膜43bにより覆われているため、形成されるタングステン膜45中におけるタングステン結晶の異常成長やバリア層42cの剥離の問題などは生じない。
【0063】
このように本実施形態により形成されたボーダレスコンタクト構造は、前記絶縁膜41上に形成され、Al−Cu合金などよりなる低抵抗金属層42bとTiやTaなどの高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜42cとを順次積層した構造の配線パタ―ン42Aと、前記絶縁膜41上に形成され、前記配線パタ―ン42Aを覆う層間絶縁膜43と、前記層間絶縁膜43中に形成され、前記配線パタ―ン42Aの上面の一部と側壁面の一部をそれぞれ露出上面42eおよび露出側壁面42fとして露出し、さらに前記配線パタ―ン42Aに前記露出上面42eおよび前記露出側壁面42fを連結して形成された斜面をも露出斜面42dとして露出するビアホール43Aと、前記ビアホール43Aの側壁面および前記配線パタ―ン42Aの前記露出上面42eに形成された第2のバリアメタル膜43B1と、前記ビアホール43の前記側壁面および前記配線パタ―ン42Aの前記露出上面を42d前記第2のバリアメタル膜43B1を介して覆い、さらに前記配線パタ―ン42Aの前記露出側壁面42fおよび前記露出斜面42dを、前記露出側壁面42fおよび前記露出斜面42dに接して覆う、前記TiやTaなどの高融点金属元素およびAlおよびCuなど前記低抵抗金属層42bの構成元素を含む第3のバリアメタル膜43bと、前記ビアホール43Aを、前記第3のバリアメタル膜43bを介して充填し、前記第3のバリアメタル膜43bに接する導電性プラグ45Aと、を含む。
【0064】
このように本実施形態により形成されたボーダレスコンタクト構造は、前記絶縁膜41上に形成され、Al−Cu合金などよりなる低抵抗金属層とTiやTaなどの高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜42cを順次積層した構造の配線パタ―ン42Aと、前記絶縁膜41上に形成され、前記配線パタ―ン42Aを覆う層間絶縁膜43と、前記層間絶縁膜43中に形成され、前記配線パタ―ン42Aの上面の一部と側壁面の一部をそれぞれ露出上面42eおよび露出側壁面42fとして露出し、さらに前記配線パタ―ン42Aに前記露出上面42eおよび前記露出側壁面42fを連結して形成された斜面をも露出斜面42dとして露出するビアホール43Aと、前記ビアホール43Aの側壁面および前記配線パタ―ン42Aの前記露出上面42eに形成された第2のバリアメタル膜43B1と、前記ビアホール43Aの前記側壁面および前記配線パタ―ン42Aの前記露出上面42eを前記第2のバリアメタル膜43B1を介して覆い、さらに前記配線パタ―ン42Aの前記露出側壁面42eおよび前記露出斜面42dを、前記露出側壁面42fおよび前記露出斜面42dに接して覆う、前記高融点金属元素および前記低抵抗金属層の構成元素を含む導電性側壁膜43bと、前記ビアホール43Aを、前記導電性側壁膜43bを介して充填する導電性プラグ45Aと、を含む。
【0065】
本実施形態によれば、前記配線パタ―ン42Aの垂直な露出側壁面42fが、前記露出上面42eおよび露出斜面42dを覆う第2のバリアメタル膜43bにより覆われるため、前記ビアホール43Aを、WF6などの腐食性のソースガスを使うCVD法により、タングステンなどの金属層45で充填する場合にも、タングステン結晶の異常成長や上層バリア層42cの剥離の問題などが生じるのを回避することができる。
【0066】
その際、前記上層のバリア層42cの膜厚を下層のバリア層42aの膜厚よりも大きく設定しておくと、前記第2のバリアメタル膜43b中におけるTiやTaなどの高融点金属元素の割合を増大させることができ、ビアプラグ45Aのコンタクト抵抗を低減させることが可能である。
【0067】
本実施形態において前記層間絶縁膜43は、TEOSを原料としたシリコン酸化膜に限定されるものではなく、Siを含む他の低誘電率材料(low−K材料)、フッ化アモルファスカーボン膜(α−CF膜)、ボラジン系化合物を用いた低誘電率膜、有機ポリマー系材料、ポーラスダイヤモンド系材料、ポリイミド系材料などを使うことが可能である。
【0068】
[第3の実施形態]
次に第3の実施形態について、図6A〜図6Gを参照しながら説明する。ただし図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0069】
図6A〜図6Dの工程は、先に説明した図5A〜図5Dの工程と同じで、図5Dの工程では、前記層間絶縁膜43中に形成されたビアホール43Aの側壁面、および前記ビアホール43Aにより露出された配線パタ―ン42Aの露出上面42eに、前記膜厚を減じたバリアメタル膜43Bが形成され、さらに前記バリアメタル膜43B上、および前記露出側壁面42fおよび露出斜面42dに、導電性側壁膜43bが形成されている。
【0070】
さて本実施形態では、次に図6Eの工程において、先の図3Dの工程の場合と同様に、前記図6Dの構造上に、Ti/TiN積層構造あるいはTa/TaN積層構造を有する次のバリアメタル膜44を、前記バリアメタル膜44が前記導電性側壁膜43bを覆うように、スパッタ法により堆積する。
【0071】
この場合、先の図3Dの工程の場合と同様に、前記バリアメタル膜44の下には前記導電性側壁膜43bが形成されているため、形成されるバリアメタル膜44は前記ビアホール43Aの側壁面を、前記配線パタ―ン42Aの露出上面42e、露出側壁面42fおよび露出斜面42dを含め、優れたステップカバレッジで覆う。
【0072】
前記図6Eの工程の後、図6Fの工程において、前記バリアメタル膜44上に、前記バリアメタル膜44に接してタングステン膜45を、WF6などの腐食性ソースガスを使ったCVD法により堆積し、前記ビアホール43Aを前記タングステン膜45で充填する。
【0073】
さらに図6Gの工程において余分なタングステン膜45を、前記層間絶縁膜43の上面が露出するまで、CMP法により研磨・除去し、前記図3Fの工程の場合と同様に、所望のビアプラグ45Aが得られる。
【0074】
本実施形態によれば、前記バリアメタル膜43B1および導電性側壁膜43bよりなるバリアメタル構造上にさらにバリアメタル膜44が、優れたステップカバレッジで形成される。
【0075】
[第4の実施形態]
次に第4の実施形態について、図7A〜図7Gを参照しながら説明する。ただし図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0076】
図7Aおよび図7Bの工程は、先に説明した図3Aおよび図3Bの工程と同じで、Ti/TiN積層構造の上層バリア層42aと下層バリア層42cでAl−Cu合金よりなる配線層42bを挟持した構造の配線パタ―ン42Aが、絶縁膜41上において層間絶縁膜43により覆われ、前記層間絶縁膜43中に、前記配線パタ―ン42A上面の一部と側壁面の一部を露出するビアホール43Aが形成されている。
【0077】
本実施形態では、図7Cの工程において、前記図7Bの構造に対し、200℃以下の温度、例えば180℃の温度において酸素ガスを10リットル/分の流量で流しながら20分間熱酸化処理を行い、前記層間絶縁膜43の表面およびビアホール43Aの側壁面、さらに前記配線パタ―ン42Aの露出上面42eおよび露出側壁面42fに、熱酸化膜43Oxを形成する。この熱酸化処理は、温度が200℃を超えると前記低抵抗Al−Cu合金よりなる配線層42bに異常酸化が生じるため、200℃以下の温度で行うのが好ましい。
【0078】
次に図7Cの構造を、先の図4のICP型プラズマエッチング装置30の処理容器31中に、被処理基板Wとして導入し、先に図3Cに関連して説明したのと同様な条件で、ただし本実施形態ではアルゴンガスを9sccm〜90sccmの流量で供給し、さらにこのアルゴンガスに塩素(Cl2)ガスを1sccm〜10sccmの流量で添加することで、前記層間絶縁膜43の主面に対し略垂直方向に作用する異方性プラズマエッチングを、約500nm/分のエッチング速度で1秒間程度行い、前記熱酸化膜43Oxを、前記露出上面42eから除去する。
【0079】
ここで前記露出上面42eにおいてはTi/TiN積層構造の上側バリア層42cが露出しているため、前記露出上面42eに形成された熱酸化膜43Oxの膜厚は、層間絶縁膜43表面あるいはビアホール43Aの側壁面、さらに露出側壁面42fに形成された熱酸化膜43Oxに比べて小さいことに注意すべきである。このため図7Dの工程において前記熱酸化膜43Oxを前記露出上面42eから除去しても、前記熱酸化膜43Oxは前記層間絶縁膜43の上面およびビアホール43Aの側壁面、さらに前記配線パタ―ン42Aの露出側壁面42fには残留している。
【0080】
次に図7Eの工程において前記図7Dの構造上にバリアメタル膜44をスパッタ法により堆積する。このようにして形成されたバリアメタル膜44は、前記層間絶縁膜43の表面およびビアホール43Aの側壁面、さらに前記配線パタ―ン42Aの露出側壁面42fにおいては前記熱酸化膜43Ox上に堆積し、このため配線パタ―ン42Aとは直接にコンタクトしないが、前記露出上面42eにおいては前記上側バリア層42cと直接にコンタクトし、前記配線パタ―ン42Aと電気的にコンタクトする。
【0081】
さらに図7Fの工程において前記ビアホール43Aを、WF6などの腐食性ソースガスを使ったCVD法によりタングステン膜45で充填し、図7Gの工程において、余分なタングステン膜45を、前記層間絶縁膜43の上面が露出するまで、CMP法により研磨・除去し、前記図3Fの工程の場合と同様に、所望のビアプラグ45Aが得られる。
【0082】
本実施形態では、前記タングステン膜45の成膜の際に前記配線パタ―ン42Aの露出上面42eが前記バリアメタル膜44により覆われ、また露出側壁面42fが前記熱酸化膜43Oxにより覆われているため、形成されるタングステン膜45中におけるタングステン結晶の異常成長やバリア層42cの剥離の問題などは生じない。
【0083】
図8A〜図8Gは、前記図7A〜図7Gの実施形態の一変形例を示す。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0084】
図8A〜図8Cの工程は、先に説明した図7A〜図7Cの工程と同じで、前記層間絶縁膜43中に、前記配線パタ―ン42Aの露出上面42eおよび露出側壁面42fを露出して形成されたビアホール43Aの側壁面、および前記露出上面42eおよび露出側壁面42fを覆って、熱酸化膜43Oxが形成されている。
【0085】
本実施形態ではさらに図8Dの工程において、前記図7Dのプラズマエッチング工程を、前記配線パタ―ン42Aに、前記露出上面42eと露出側壁面42fを連結する露出斜面42dが形成されるように実行し、これに伴って、前記層間絶縁膜43にも前記ビアホール43Aの開口部に斜面43cが形成される。
【0086】
そこで図8Eの工程において前記図7Eの工程に対応してバリアメタル膜44を堆積すると、前記配線パタ―ン42Aには前記露出斜面42dが形成されているため、バリアメタル膜44は前記露出上面42eおよび露出斜面42dを連続して、優れたステップカバレッジで覆う。一方前記配線パタ―ン42Aの露出側壁面42fは、前記熱酸化膜43Oxにより覆われている。
【0087】
そこで図8Fの工程において前記ビアホール43Aを、タングステン膜45をCVD法により堆積することで充填し、さらに余計のタングステン膜45をCMP法で除去することにより、図8Gに示すビアプラグ45Aを含むボーダレスコンタクト構造が得られる。
【0088】
[第5の実施形態]
図9は、第5の実施形態による半導体装置のコンタクトパッド部近傍を拡大して示す図である。
【0089】
図9を参照するに、多層配線構造の最上層の層間絶縁膜51中には、ダマシン法あるいはデュアルダマシン法により、銅(Cu)配線パタ―ン51A,51Bが、それぞれTa/TaN積層構造のバリアメタル膜51a,51bに囲まれて形成されており、前記層間絶縁膜51の上面にはSiCよりなる研磨ストッパ膜52が形成されている。
【0090】
前記研磨ストッパ膜52上にはTEOSを原料とするプラズマCVD法により層間絶縁膜53が形成されており、前記層間絶縁膜53中には、前記Cu配線パタ―ン51Aにコンタクトして、タングステンプラグ53Aが、Ti/TiN積層構造あるいはTa/TaN積層構造のバリアメタル膜得53aに囲まれて形成されている。
【0091】
前記層間絶縁膜53上には低抵抗Al−Cu合金よりなる接続パッド54Aが前記タングステンプラグ53Aにコンタクトして形成されており、前記接続パッド54Aは、前記層間絶縁膜53上に形成された、前記層間絶縁膜53と同様な絶縁膜54により覆われている。
【0092】
また前記絶縁膜54はSiNよりなるパッシベーション膜55により覆われ、前記パッシベーション膜55はポリイミド膜56により覆われている。
【0093】
前記絶縁膜54、パッシベーション膜55、およびポリイミド膜56には前記接続パッドを露出する開口部54B,55Bおよび56Bが、それぞれ形成されている。
【0094】
図10Aは、図9の半導体装置におけるタングステンビアプラグ53Aの形成工程を説明する図である。
【0095】
図10Aを参照するに、まず前記層間絶縁膜53中に前記Cu配線パタ―ン51Aを露出する開口部53Vが形成され、Ti/TiN積層構造あるいはTa/TaN積層構造のバリアメタル膜53aが、スパッタ法により形成される。このようにして形成されたバリアメタル膜53aは、前記開口部53Vのアスペクト比が大きい場合には、図10Aに示すように不均一な膜となる。
【0096】
次に図10Bの工程において、前記図10Aの工程に対し、先に図3Cで説明した非反応性エッチングを行い、前記バリアメタル膜53aからスパッタされた粒子を前記開口部53Aの底面および側壁面に一様に付着させ、導電性側壁膜53bを形成する。なお、この非反応性エッチングに伴い、前記開口部53Vの状態が削られ、斜面53cが形成されている。
【0097】
さらに図10Cの工程で前記開口部53Vを、WF6などの腐食性原料ガスを使ったCVD法により、タングステン膜で充填し、CMP法により前記層間絶縁膜53の表面を平坦化することにより、前記開口部53Vをタングステンプラグ53Aで充填したコンタクト構造が得られる。
【0098】
図10Cの構造上に前記接続パッド54Aを形成し、絶縁膜54およびパッシベーション膜55を形成し、開口部54B,55Bを形成した後、ポリイミド膜56を形成し、さらに開口部56Bを形成することにより、図9に示すコンタクト構造が得られる。
【0099】
このように、タングステンビアプラグの下の配線パタ―ンは、Al−Cu合金よりなる配線パタ―ンに限定されるものではなく、Cu配線パタ―ンであってもよい。
【0100】
以上、本発明を好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
(付記1)
絶縁膜上に形成され、低抵抗金属層と高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜を順次積層した構造の配線パタ―ンと、
前記絶縁膜上に形成され、前記配線パタ―ンを覆う層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜中に形成され、前記配線パタ―ンの上面の一部と側壁面の一部をそれぞれ露出上面および露出側壁面として露出し、さらに前記配線パタ―ンに、前記露出上面および前記露出側壁面を連結して形成された斜面をも露出斜面として露出するビアホールと、
前記ビアホールの側壁面、前記露出上面および前記露出側壁面、さらに前記露出斜面に形成された、少なくとも前記低抵抗金属層の構成元素および前記高融点金属元素を含む導電性側壁膜と、
前記ビアホールの前記側壁面、前記露出上面および前記露出側壁面、および前記露出斜面を、前記導電性側壁膜を介して覆い、高融点金属元素を含む第2のバリアメタル膜と、
前記ビアホールを、前記第2のバリアメタル膜を介して充填し、前記第2のバリアメタル膜に接する導電性プラグと、を含むことを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記導電性側壁膜は、さらに前記層間絶縁膜の構成元素をも含むことを特徴とする付記1記載の半導体装置。
(付記3)
前記配線パタ―ンは、前記低抵抗金属層の下に第3のバリアメタル膜を有し、前記第1のバリアメタル膜の膜厚が、前記第3のバリアメタル膜の膜厚よりも大きいことを特徴とする付記2記載の半導体装置。
(付記4)
絶縁膜上に形成され、低抵抗金属層と高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜を順次積層した構造の配線パタ―ンと、
前記絶縁膜上に形成され、前記配線パタ―ンを覆う層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜中に形成され、前記配線パタ―ンの上面の一部と側壁面の一部をそれぞれ露出上面および露出側壁面として露出し、さらに前記配線パタ―ンに前記露出上面および前記露出側壁面を連結して形成された斜面をも露出斜面として露出するビアホールと、
前記ビアホールの側壁面および前記配線パタ―ンの前記露出上面に形成された第2のバリアメタル膜と、
前記ビアホールの前記側壁面および前記配線パタ―ンの前記露出上面を前記第2のバリアメタル膜を介して覆い、さらに前記配線パタ―ンの前記露出側壁面および前記露出斜面を、前記露出側壁面および前記露出斜面に接して覆う、前記高融点金属元素および前記低抵抗金属層の構成元素を含む導電性側壁膜と、
前記ビアホールを、前記導電性側壁膜を介して充填する導電性プラグと、を含むことを特徴とする半導体装置。
(付記5)
絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された配線パタ―ンと、
前記絶縁膜上に形成され前記配線パタ―ンを覆う層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜中に形成され、前記配線パタ―ンの上面の一部と側壁面の一部を、それぞれ露出上面および露出側壁面として露出するビアホールと、
前記ビアホールの側壁面および前記配線パタ―ンの前記露出側壁面を覆う側壁絶縁膜と、
前記ビアホールの前記側壁面および前記配線パタ―ンの前記露出側壁面を、前記側壁絶縁膜膜を介して覆い、前記配線パタ―ンの露出上面において前記配線パタ―ンとコンタクトするバリアメタル膜と、
前記ビアホールを、前記バリアメタル膜を介して充填し、前記バリアメタル膜に接する導電性プラグと、
を含むことを特徴とする半導体装置。
(付記6)
前記配線パタ―ンには、前記露出上面と前記露出側壁面を連結し前記ビアホールにより露出される露出斜面が形成され、前記バリアメタル膜は前記露出斜面においても、前記配線パタ―ンにコンタクトすることを特徴とする付記5記載の半導体装置。
(付記7)
絶縁膜上に低抵抗金属層と高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜とを順次積層した配線パタ―ンを形成する工程と、
前記絶縁膜上において、前記配線パタ―ンを覆って、層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜中に、前記配線パタ―ンの上面の一部と側壁面の一部を、それぞれ露出上面および露出側壁面として露出するビアホールを形成する工程と、
前記ビアホールを介して前記露出上面と露出側壁面に対し非反応性エッチングを、前記非反応性エッチングに使われるエッチング装置の壁面の温度よりも10℃以上低い基板温度において実行し、前記ビアホールの側壁面、前記露出上面および露出側壁面、および前記非反応性エッチングにより前記配線パタ―ンに前記露出上面および前記露出側壁面を連結して形成され、前記ビアホールにより露出された露出斜面をも覆うように、前記高融点元素および前記低抵抗金属層の構成元素を含む導電性側壁膜を形成する工程と、
前記導電性側壁膜上に、前記ビアホールの側壁面、前記露出上面および露出側壁面、および前記露出斜面をも覆うように、第2のバリアメタル膜を形成する工程と、
前記ビアホールを、前記第2のバリアメタル膜を介して導電層により充填する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記8)
絶縁膜上に低抵抗金属層と高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜を順次積層した配線パタ―ンを形成する工程と、
前記絶縁膜上において、前記配線パタ―ンを覆って、層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜中に、前記配線パタ―ンの上面の一部と側壁面の一部を、それぞれ露出上面および露出側壁面として露出するビアホールを形成する工程と、
前記層間絶縁膜上に第2のバリアメタル膜を堆積し、前記ビアホールの側壁面および前記配線パタ―ンの前記露出上面を、前記第2のバリアメタル膜により覆う工程と、
前記第2のバリアメタル膜を堆積する工程の後、前記第2のバリアメタル膜に対し非反応性エッチングを、前記非反応性エッチングに使われるエッチング装置の壁面の温度よりも10℃以上低い基板温度において実行し、前記ビアホールの側壁面、前記露出上面および露出側壁面、および前記非反応性エッチングにより前記配線パタ―ンに前記露出上面および前記露出側壁面を連結して形成され前記ビアホールにより露出される露出斜面をも覆うように、前記高融点元素および前記低抵抗金属層の構成元素、さらに前記第2のバリアメタル膜の構成元素を含む導電性側壁膜を形成する工程と、
前記ビアホールを、前記導電性側壁膜を介して導電層により充填する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記9)
前記ビアホールを充填する工程の前、前記導電性側壁膜を形成する工程の後に、前記ビアホール中に前記導電性側壁膜を覆って第3のバリアメタル膜を形成する工程を含むことを特徴とする付記8記載の半導体装置の製造方法。
(付記10)
前記非反応性エッチングは、マイナス100℃〜プラス200℃の基板温度で実行されることを特徴とする付記7〜9のうち、何れか一項記載の半導体装置の製造方法。
(付記11)
前記非反応性エッチングは、前記エッチング装置の壁面温度を前記基板温度よりも10℃以上高く設定して実行されることを特徴とする付記10記載の半導体装置の製造方法。
(付記12)
前記非反応性エッチングは、前記エッチング装置の壁面温度をマイナス100℃〜プラス200℃の範囲に設定して実行されることを特徴とする付記11記載の半導体装置の製造方法。
(付記13)
絶縁膜上に、低抵抗金属層と第1のバリアメタル膜を積層した配線パタ―ンを形成する工程と、
前記絶縁膜上に、前記配線パタ―ンを覆って層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜中に、前記配線パタ―ンの上面の一部と側壁面の一部を、それぞれ露出上面および露出側壁面として露出するビアホールを形成する工程と、
前記ビアホールの側壁面、前記配線パタ―ンの前記露出上面および前記露出側壁面を、側壁絶縁膜により覆う工程と、
前記層間絶縁膜の主面に略垂直方向に作用するエッチングを行い、前記側壁絶縁膜を前記配線パタ―ンの露出上面から除去する工程と、
前記層間絶縁膜上に第2のバリアメタル膜を、前記第2のバリアメタル膜が前記ビアホールの側壁面を、前記側壁絶縁膜を介して覆うように、また前記第2のバリアメタル膜が前記配線パタ―ンと前記露出上面においてコンタクトするように形成する工程と、
前記ビアホールを、前記第2のバリアメタル膜を介して導電層により充填する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0101】
11,41,54 絶縁膜
12,42A 配線パタ―ン
12a,42a 下側バリア層
12b,42b 低抵抗Al−Cu配線層
12c,42c 上側バリア層
13,24,25,26,43,51,53 層間絶縁膜
13A,43A ビアホール
13a,43a ビアホールテーパ部
14,44,43B,43B1,51a,51b,53a バリアメタル膜
15,45 タングステン層
15A,45A,53A タングステンプラグ
21 基板
21A 素子領域
21Ch チャネル領域
21I 素子分離領域
21a,21b ソース/ドレインエクステンション領域
21c,21d ソース/ドレイン領域
22 ゲート絶縁膜
23 ゲート電極
23A,23B ゲート側壁絶縁膜
24A,24B ビアプラグ
25A,25B,26A,26B 配線パタ―ン
25C,25D ボーダレスコンタクトプラグ
30 プラズマエッチング装置
31 処理容器
31A 基板保持台
31S プロセス空間
31V 排気ポート
31W 被処理基板
32 バイアス電源
33 ドーム状部
34 コイル
31a,31b 冷却水通路
42d 露出斜面
42e 露出上面
42f 露出側壁面
43Ox 熱酸化膜
43b,53b 導電性側壁膜
43c 斜面部
51A,51B Cu配線パタ―ン
52 研磨ストッパ膜
54A 接続パッド
54B,55B,56B 開口部
55,56 パッシベーション膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁膜上に形成され、低抵抗金属層と高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜を順次積層した構造の配線パタ―ンと、
前記絶縁膜上に形成され、前記配線パタ―ンを覆う層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜中に形成され、前記配線パタ―ンの上面の一部と側壁面の一部をそれぞれ露出上面および露出側壁面として露出し、さらに前記配線パタ―ンに、前記露出上面および前記露出側壁面を連結して形成された斜面をも露出斜面として露出するビアホールと、
前記ビアホールの側壁面、前記露出上面および前記露出側壁面、さらに前記露出斜面に形成された、少なくとも前記低抵抗金属層の構成元素および前記高融点金属元素を含む導電性側壁膜と、
前記ビアホールの前記側壁面、前記露出上面および前記露出側壁面、および前記露出斜面を、前記導電性側壁膜を介して覆い、高融点金属元素を含む第2のバリアメタル膜と、
前記ビアホールを、前記第2のバリアメタル膜を介して充填し、前記第2のバリアメタル膜に接する導電性プラグと、を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記導電性側壁膜は、さらに前記層間絶縁膜の構成元素をも含むことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
絶縁膜上に形成され、低抵抗金属層と高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜を順次積層した構造の配線パタ―ンと、
前記絶縁膜上に形成され、前記配線パタ―ンを覆う層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜中に形成され、前記配線パタ―ンの上面の一部と側壁面の一部をそれぞれ露出上面および露出側壁面として露出し、さらに前記配線パタ―ンに前記露出上面および前記露出側壁面を連結して形成された斜面をも露出斜面として露出するビアホールと、
前記ビアホールの側壁面および前記配線パタ―ンの前記露出上面に形成された第2のバリアメタル膜と、
前記ビアホールの前記側壁面および前記配線パタ―ンの前記露出上面を前記第2のバリアメタル膜を介して覆い、さらに前記配線パタ―ンの前記露出側壁面および前記露出斜面を、前記露出側壁面および前記露出斜面に接して覆う、前記高融点金属元素および前記低抵抗金属層の構成元素を含む導電性側壁膜と、
前記ビアホールを、前記導電性側壁膜を介して充填する導電性プラグと、を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
絶縁膜上に低抵抗金属層と高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜とを順次積層した配線パタ―ンを形成する工程と、
前記絶縁膜上において、前記配線パタ―ンを覆って層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜中に、前記配線パタ―ンの上面の一部と側壁面の一部を、それぞれ露出上面および露出側壁面として露出するビアホールを形成する工程と、
前記ビアホールを介して前記露出上面と露出側壁面に対し非反応性エッチングを、前記非反応性エッチングに使われるエッチング装置の壁面の温度よりも10℃以上低い基板温度において実行し、前記ビアホールの側壁面、前記露出上面および露出側壁面、および前記非反応性エッチングにより前記配線パタ―ンに前記露出上面および前記露出側壁面を連結して形成され、前記ビアホールにより露出された露出斜面をも覆うように、前記高融点元素および前記低抵抗金属層の構成元素を含む導電性側壁膜を形成する工程と、
前記導電性側壁膜上に、前記ビアホールの側壁面、前記露出上面および露出側壁面、および前記露出斜面をも覆うように、第2のバリアメタル膜を形成する工程と、
前記ビアホールを、前記第2のバリアメタル膜を介して導電層により充填する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
絶縁膜上に低抵抗金属層と高融点金属元素を含む第1のバリアメタル膜を順次積層した配線パタ―ンを形成する工程と、
前記絶縁膜上において、前記配線パタ―ンを覆って、層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜中に、前記配線パタ―ンの上面の一部と側壁面の一部を、それぞれ露出上面および露出側壁面として露出するビアホールを形成する工程と、
前記層間絶縁膜上に第2のバリアメタル膜を堆積し、前記ビアホールの側壁面および前記配線パタ―ンの前記露出上面を、前記第2のバリアメタル膜により覆う工程と、
前記第2のバリアメタル膜を堆積する工程の後、前記第2のバリアメタル膜に対し非反応性エッチングを、前記非反応性エッチングに使われるエッチング装置の壁面の温度よりも10℃以上低い基板温度において実行し、前記ビアホールの側壁面、前記露出上面および露出側壁面、および前記非反応性エッチングにより前記配線パタ―ンに前記露出上面および前記露出側壁面を連結して形成され前記ビアホールにより露出される露出斜面をも覆うように、前記高融点元素および前記低抵抗金属層の構成元素、さらに前記第2のバリアメタル膜の構成元素を含む導電性側壁膜を形成する工程と、
前記ビアホールを、前記導電性側壁膜を介して導電層により充填する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【公開番号】特開2011−187741(P2011−187741A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52262(P2010−52262)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】