半導体装置およびその製造方法
【課題】同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより形成された導電性被加工物を、下地層に段差を作ることなく、異なる電位に固定する。
【解決手段】同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより線状に形成された導電性被加工物を備え、導電性被加工物は、自身を電気的に分断する2以上の分断部分を有し、分断部分における導電性被加工物は、その一部が平行になるように形成されており、平行に形成された部分の少なくとも一方は分断されている。複数回のエッチングに用いられるレジストパターンのうちの、所定回数目のエッチングに用いられる第1のレジストパターンと、他の回数目のエッチングに用いられる第2のレジストパターンとが重なる領域の、平行に形成された部分に対応する箇所の幅は、エッチングによる導電性被加工物の後退量より小さい。本技術は、半導体装置に適用することができる。
【解決手段】同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより線状に形成された導電性被加工物を備え、導電性被加工物は、自身を電気的に分断する2以上の分断部分を有し、分断部分における導電性被加工物は、その一部が平行になるように形成されており、平行に形成された部分の少なくとも一方は分断されている。複数回のエッチングに用いられるレジストパターンのうちの、所定回数目のエッチングに用いられる第1のレジストパターンと、他の回数目のエッチングに用いられる第2のレジストパターンとが重なる領域の、平行に形成された部分に対応する箇所の幅は、エッチングによる導電性被加工物の後退量より小さい。本技術は、半導体装置に適用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより形成された導電性被加工物を、下地層に段差を作ることなく、異なる電位に固定することができるようにする半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体集積回路において、信号線間のクロストークによるノイズを低減することが求められている。
【0003】
例えば、信号線に対して、GNDまたは電源電位に固定したメタル素材を形成することにより、ノイズを低減するようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、自己整合的にシールド層を形成することで、信号配線のレイアウト設計に負担をかけることなく、信号線間のノイズを静電遮蔽するようにしたものが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−21837号公報
【特許文献2】特開平8−181485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、半導体装置を製造する工程で、同一レイヤに成膜された導電性被加工物を2回以上のエッチングにより加工する場合、フォトリソグラフィにより形成されるレジストパターンの重ね合わせの精度を考慮すると、以下の2点のいずれかを行う必要がある。
(1)下地の層間絶縁膜を2回以上エッチングする。
(2)導電性被加工物において、いずれのレジストパターンを用いたエッチングでも加工されない領域を形成する。
【0007】
(1)は、下地の層間絶縁膜に段差ができてしまったり、下地の層間絶縁膜の膜厚が足りずさらに下層を加工してしまう恐れがあった。
【0008】
また、(2)は、クロストークによるノイズの影響を抑えるために、導電性被加工物の加工されない領域を所定の電位に固定する必要があるが、半導体装置のレイアウトによっては、所定の電位に固定するための電源を複数用いなければならない場合がある。
【0009】
しかしながら、導電性被加工物の加工されない領域は電気的に接続されており、複数の電源を接続すると、電源間でショートしてしまう。そこで、上述の(1)の手法によれば、導電性被加工物の加工されない領域を電気的に分断することは可能であるが、下地の層間絶縁膜に段差ができてしまったり、下地の層間絶縁膜の膜厚が足りずさらに下層を加工してしまうことは避けられない。
【0010】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより形成された導電性被加工物を、下地層に段差を作ることなく、異なる電位に固定することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本技術の一側面の半導体装置は、同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより線状に形成された導電性被加工物を備え、前記導電性被加工物は、自身を電気的に分離する2以上の分断部分を有し、前記分断部分における前記導電性被加工物は、その一部が平行になるように形成されており、平行に形成された部分の少なくとも一方は分断されている。
【0012】
前記分断部分で分断された前記導電性被加工物は、それぞれ異なる電源に接続されるようにすることができる。
【0013】
本技術の一側面の半導体装置の製造方法は、同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより線状に形成された導電性被加工物を備え、前記導電性被加工物は、自身を電気的に分断する2以上の分断部分を有し、前記分断部分における前記導電性被加工物は、その一部が平行になるように形成されており、平行に形成された部分の少なくとも一方は分断されている半導体装置の製造方法であって、同一レイヤに成膜された前記導電性被加工物を複数回のエッチングにより線状に形成するステップを含み、前記複数回のエッチングに用いられるレジストパターンのうちの、所定回数目のエッチングに用いられる第1のレジストパターンと、他の回数目のエッチングに用いられる第2のレジストパターンとが重なる領域の、前記平行に形成された部分に対応する箇所の幅は、前記エッチングによる前記導電性被加工物の後退量より小さい。
【0014】
前記所定回数目のエッチングと前記他の回数目のエッチングのうち、時間的に後に行われるエッチングは、等方性エッチングとすることができる。
【0015】
本技術の一側面においては、導電性被加工物は、自身を電気的に分断する2以上の分断部分を有し、分断部分における前記導電性被加工物は、その一部が平行になるように形成されており、平行に形成された部分の少なくとも一方は分断される。
【発明の効果】
【0016】
本技術の一側面によれば、同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより形成された導電性被加工物を、下地層に段差を作ることなく、異なる電位に固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本技術を適用した半導体装置の平面図である。
【図2】導電性膜の分断部分に対応するレジストパターンの例を示す図である。
【図3】導電性膜の分断部分を示す図である。
【図4】導電性膜の加工処理について説明するフローチャートである。
【図5】導電性膜の加工の工程について説明する図である。
【図6】レジストパターンの重ね合わせがずれた場合の導電性膜の加工の工程について説明する図である。
【図7】レジストパターンの重ね合わせがずれた場合の導電性膜の分断部分を示す図である。
【図8】レジストパターンの重ね合わせがずれた場合の導電性膜の加工の工程について説明する図である。
【図9】レジストパターンの重ね合わせがずれた場合の導電性膜の分断部分を示す図である。
【図10】導電性膜の分断部分に対応するレジストパターンの他の例を示す図である。
【図11】導電性膜の分断部分に対応するレジストパターンの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本技術の実施の形態について図を参照して説明する。
【0019】
[半導体装置の平面図]
図1は、本技術を適用した半導体装置の平面図を示している。
【0020】
図1の半導体装置10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等として構成される。半導体装置10は、半導体基板や酸化膜(SiO2)等の絶縁膜といった下地層の上に導電性膜が成膜され、その導電性膜が複数回のエッチングにより形成された導電性被加工物11(以下、適宜、導電性膜11ともいう)を備えている。
【0021】
図1の半導体装置10において、導電性被加工物11は、2回のエッチングにより線状(矩形の線状)に形成される。具体的には、導電性被加工物11は、導電性膜が1回目のエッチングにより加工される領域(導電性被加工物11の外側の領域)と、2回目のエッチングにより加工される領域(導電性被加工物11の内側の領域)の境界部分に形成される。なお、図1においては、導電性被加工物11が、矩形の線状に形成されるものとしたが、矩形に限らず、その他の形状で、線状に形成されるようにしてもよい。
【0022】
また、図1の半導体装置10において、導電性被加工物11は、2箇所の分断部分P1およびP2を備えている。これにより、導電性被加工物11は電気的に2つに分断され、分断された導電性被加工物11は、それぞれ異なる電源に接続される。
【0023】
なお、以下においては、導電性被加工物11は、2箇所の分断部分を備えるものとして説明するが、3箇所以上の分断部分を備えるようにしてもよい。
【0024】
[導電性膜の分断部分に対応するレジストパターンの例]
図2は、導電性被加工物11がエッチングにより形成される際に用いられるレジストパターンの、導電性被加工物11の分断部分に対応する部分の拡大図を示している。
【0025】
図2には、1回目のエッチングに用いられるレジストパターン21と、2回目のエッチングに用いられるレジストパターン22とが示されている。半導体装置10においては、成膜された導電性膜の、レジストパターン21とレジストパターン22とが重なる領域に、導電性被加工物11が形成される。
【0026】
図2に示されるように、レジストパターン21とレジストパターン22とが重なる領域には、平行になる部分がある。これにより、導電性被加工物11は、分断部分において、その一部が平行になるように形成される。
【0027】
そして、レジストパターン21とレジストパターン22とが重なる領域の平行になる部分において、b−b'線およびc−c'線で示される、互いに対向する箇所の幅は、a−a'線で示されるその他の箇所の幅より細くなっている。具体的には、b−b'線およびc−c'線で示される箇所の幅は、2回目のエッチングによる導電性膜の後退量(削られる量)より小さく、かつ、レジストパターン形成時の露光装置の重ね合わせ精度より大きくなるように設計されている。
【0028】
これにより、図3に示されるように、導電性被加工物11において平行に形成された部分は、エッチングにより、b−b'線およびc−c'線で示される箇所で分断されるようになる。また、重ね合わせがずれた場合でもレジストパターンが導電性被加工物11から外れることがないので、2回目のエッチングにより下地層が削られないようになる。
【0029】
このようにして、図1の半導体装置10において、導電性被加工物11は、分断部分P1およびP2で分断されるようになる。
【0030】
[導電性膜の加工処理について]
次に、図4および図5を参照して、図1の半導体装置10の製造工程における、導電性膜の加工処理について説明する。図4は、導電性膜の加工処理について説明するフローチャートであり、図5は、導電性膜の加工の工程について説明する、図2および図3のa−a'線、b−b'線、およびc−c'線での半導体装置10の断面図である。
【0031】
まず、ステップS11において、図示せぬ下地層の上に成膜された導電性膜11上にフォトレジストが形成される。
【0032】
次に、ステップS12において、導電性膜11上に形成されたフォトレジストに対するフォトリソグラフィによって、図5Aに示されるように、1回目のエッチングのためのレジストパターン21が形成される。
【0033】
そして、ステップS13において、1回目のエッチングが行われる。ここでは、異方性エッチングが行われ、これにより、図5Bに示されるように、導電性膜11は、a−a'線、b−b'線、およびc−c'線での断面において、レジストパターン21に対応する部分のみが残るように加工される。
【0034】
続いて、ステップS14において、エッチングされた導電性膜11上に、再びフォトレジストが形成される。
【0035】
次に、ステップS15において、導電性膜11上に形成されたフォトレジストに対するフォトリソグラフィによって、図5Cに示されるように、2回目のエッチングのためのレジストパターン22が形成される。
【0036】
ここで、図2を参照して説明したように、レジストパターン21とレジストパターン22とが重なる領域において、b−b'線およびc−c'線で示される箇所の幅は、2回目のエッチングによる導電性膜の後退量より小さくなるように設計されている。言い換えると、導電性膜11のb−b'線およびc−c'線での断面において形成されるレジストパターン22の端部と、1回目のエッチングにより加工された導電性膜11の端部との距離が、2回目のエッチングによる導電性膜の後退量より小さく、かつ、レジストパターン形成時の露光装置の重ね合わせ精度より大きくなるようになされる。ここでは、その距離(幅)は0.1μmとされる。
【0037】
そして、ステップS16において、2回目のエッチングが行われる。ここでは、等方性エッチングが行われ、その後退量は、0.12μmとなるように設定される。これにより、導電性膜11は、図5Dに示されるように、a−a'線の断面では残るが、b−b'線およびc−c'線での断面では残らないようになる。
【0038】
このようにして、必要以上に下地層を削ることなく、導電性被加工物11において平行に形成された部分が、エッチングにより、b−b'線およびc−c'線で示される箇所で分断されるようになり、半導体装置10においては、導電性被加工物11は電気的に2つに分断され、分断された導電性被加工物11は、それぞれ異なる電源に接続されるようになる。
【0039】
なお、分断された導電性被加工物11は、それぞれコンタクトホールを介して他のレイヤの電源に接続されるので、エッチングにより残った導電性被加工物11の幅は、少なくともコンタクトホールのサイズ(径)より大きくなるように設計される。例えば、コンタクトホールのサイズが0.3μmである場合、エッチングにより残る導電性被加工物11の幅は、0.5μmとなるように設計される。
【0040】
以上の処理によれば、同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより形成された導電性被加工物を、下地層に段差を作ることなく、異なる電位に固定することができる。
【0041】
また、フォトリソグラフィによってレジストパターンを形成するためのマスク(フォトマスク)の改版が多い場合や一部領域のみマスクのカスタマイズが必要な場合、変更する領域のみのマスクを形成することで、マスクの価格を下げることができるので、結果として、半導体装置の製造コストを削減することが可能となる。
【0042】
なお、以上においては、レジストパターン21およびレジストパターン22が、設計通りに形成されるものとしたが、実際にはずれが生じることもある。そこで、以下においては、レジストパターン21とレジストパターン22とが重なる領域、すなわち、露光装置によるレジストパターンの重ね合わせがずれた場合の処理について説明する。
【0043】
[レジストパターンの重ね合わせがずれた場合の導電性膜の加工の工程について]
そこで、図6を参照して、レジストパターンの重ね合わせがずれた場合の導電性膜の加工の工程の例について説明する。
【0044】
なお、図6Aおよび図6Bに示される工程は、図5Aおよび図5Bに示される工程と同様であるので、その説明は省略する。
【0045】
すなわち、図6Cは、上述で説明した図4のフローチャートのステップS15において、2回目のエッチングのためのレジストパターン22が、図中左に、例えば0.08μmずれて形成された場合の、a−a'線の、b−b'線、およびc−c'線での半導体装置10の断面図を示している。
【0046】
図6Cの状態から、ステップS16において、2回目のエッチングが行われると、導電性膜11は、図6Dに示されるように、a−a'線およびb−b'線の断面で残るようになる。特に、導電性膜11は、b−b'線の断面では、0.1μm(設計値)+0.08μm(重ね合わせずれ)−0.12μm(エッチングによる導電性膜の後退量)=0.06μmの幅で残るようになる。しかしながら、導電性膜11は、c−c'線での断面では残らない。
【0047】
したがって、図7に示されるように、導電性被加工物11において平行に形成された部分は、c−c'線で示される箇所で分断されるようになり、半導体装置10においては、導電性被加工物11は電気的に2つに分断され、分断された導電性被加工物11は、それぞれ異なる電源に接続されるようになる。
【0048】
図8は、レジストパターンの重ね合わせがずれた場合の導電性膜の加工の工程の他の例について説明する図である。
【0049】
なお、図8Aおよび図8Bに示される工程も、図5Aおよび図5Bに示される工程と同様であるので、その説明は省略する。
【0050】
図8Cは、上述で説明した図4のフローチャートのステップS15において、2回目のエッチングのためのレジストパターン22が、図中右に、例えば0.08μmずれて形成された場合の、a−a'線の、b−b'線、およびc−c'線での半導体装置10の断面図を示している。
【0051】
図8Cの状態から、ステップS16において、2回目のエッチングが行われると、導電性膜11は、図8Dに示されるように、a−a'線およびc−c'線の断面で残るようになる。特に、導電性膜11は、c−c'線の断面では、0.1μm(設計値)+0.08μm(重ね合わせずれ)−0.12μm(エッチングによる導電性膜の後退量)=0.06μmの幅で残るようになる。しかしながら、導電性膜11は、b−b'線での断面では残らない。
【0052】
したがって、図9に示されるように、導電性被加工物11において平行に形成された部分は、b−b'線で示される箇所で分断されるようになり、半導体装置10においては、導電性被加工物11は電気的に2つに分断され、分断された導電性被加工物11は、それぞれ異なる電源に接続されるようになる。
【0053】
このように、図4のフローチャートを参照して説明した導電性膜の加工処理によれば、レジストパターンの重ね合わせがずれた場合であっても、同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより形成された導電性被加工物を、下地層に段差を作ることなく、異なる電位に固定することができる。
【0054】
[レジストパターンの他の例]
以上においては、導電性被加工物11が、図2に示されるレジストパターンを用いたエッチングにより形成されるものとしたが、以下においては、レジストパターンの他の例について説明する。
【0055】
図10は、導電性被加工物11がエッチングにより形成される際に用いられる他のレジストパターンの、導電性被加工物11の分断部分に対応する部分の拡大図を示している。
【0056】
図10には、1回目のエッチングに用いられるレジストパターン51と、2回目のエッチングに用いられるレジストパターン52とが示されている。半導体装置10においては、成膜された導電性膜の、レジストパターン51とレジストパターン52とが重なる領域に、導電性被加工物11が形成される。
【0057】
図10に示されるように、レジストパターン51とレジストパターン52とが重なる領域には、平行になる部分がある。これにより、導電性被加工物11においては、平行になる部分が形成される。
【0058】
そして、レジストパターン51とレジストパターン52とが重なる領域の平行になる部分において、e−e'線およびf−f'線で示される、互いに対向する箇所の幅は、d−d'線で示されるその他の箇所の幅より細くなっている。具体的には、e−e'線およびf−f'線で示される箇所の幅は、2回目のエッチングによる導電性膜の後退量より小さくなるように設計されている。
【0059】
これにより、導電性被加工物11において平行に形成された部分は、エッチングにより、e−e'線およびf−f'線で示される箇所の両方またはいずれか一方で分断されるようになる。
【0060】
図11は、導電性被加工物11がエッチングにより形成される際に用いられるさらに他のレジストパターンの、導電性被加工物11の分断部分に対応する部分の拡大図を示している。
【0061】
図11には、1回目のエッチングに用いられるレジストパターン61と、2回目のエッチングに用いられるレジストパターン62とが示されている。半導体装置10においては、成膜された導電性膜の、レジストパターン61とレジストパターン62とが重なる領域に、導電性被加工物11が形成される。
【0062】
図11に示されるように、レジストパターン61とレジストパターン62とが重なる領域には、平行になる部分がある。これにより、導電性被加工物11においては、平行になる部分が形成される。
【0063】
そして、レジストパターン61とレジストパターン62とが重なる領域の平行になる部分において、h−h'線およびi−i'線で示される、互いに対向する箇所の幅は、g−g'線で示されるその他の箇所の幅より細くなっている。具体的には、h−h'線およびi−i'線で示される、互いに対向する箇所の幅は、2回目のエッチングによる導電性膜の後退量より小さくなるように設計されている。
【0064】
これにより、導電性被加工物11において平行に形成された部分は、エッチングにより、導電性被加工物11においてh−h'線およびi−i'線で示される箇所の両方またはいずれか一方で、エッチングにより分断されるようになる。
【0065】
そして、図10または図11のレジストパターンを用いた導電性膜の加工処理(図4)によれば、図2のレジストパターンを用いた導電性膜の加工処理と同様の作用効果を奏することができる。
【0066】
なお、以上においては、フォトレジストを、導電性膜の上に直接形成するようにしたが、導電性膜の上に絶縁膜を成膜し、その絶縁膜上にフォトレジストを形成するようにしてもよい。
【0067】
また、以上においては、1回目のエッチングとして、異方性エッチングを行うようにしたが、2回目のエッチングと同様に、等方性エッチングを行うようにしてもよい。この場合、1回目のエッチングに用いるレジストパターンを、エッチングによる後退量を加味して設計する必要がある。
【0068】
さらに、1回目のエッチングに用いられるレジストパターンと、2回目のエッチングに用いられるレジストパターンとが重なる領域の平行になる部分において、他の箇所より細くなっている箇所の位置は、図11のように、平行になる部分に対して線対称である必要はなく、また、他の箇所より細くなっている箇所の長さ(例えば、図2では縦方向の長さ)も、それぞれ同一である必要はない。
【0069】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0070】
10 半導体装置, 11 導電性被加工物, 21,22 レジストパターン
【技術分野】
【0001】
本技術は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより形成された導電性被加工物を、下地層に段差を作ることなく、異なる電位に固定することができるようにする半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体集積回路において、信号線間のクロストークによるノイズを低減することが求められている。
【0003】
例えば、信号線に対して、GNDまたは電源電位に固定したメタル素材を形成することにより、ノイズを低減するようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、自己整合的にシールド層を形成することで、信号配線のレイアウト設計に負担をかけることなく、信号線間のノイズを静電遮蔽するようにしたものが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−21837号公報
【特許文献2】特開平8−181485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、半導体装置を製造する工程で、同一レイヤに成膜された導電性被加工物を2回以上のエッチングにより加工する場合、フォトリソグラフィにより形成されるレジストパターンの重ね合わせの精度を考慮すると、以下の2点のいずれかを行う必要がある。
(1)下地の層間絶縁膜を2回以上エッチングする。
(2)導電性被加工物において、いずれのレジストパターンを用いたエッチングでも加工されない領域を形成する。
【0007】
(1)は、下地の層間絶縁膜に段差ができてしまったり、下地の層間絶縁膜の膜厚が足りずさらに下層を加工してしまう恐れがあった。
【0008】
また、(2)は、クロストークによるノイズの影響を抑えるために、導電性被加工物の加工されない領域を所定の電位に固定する必要があるが、半導体装置のレイアウトによっては、所定の電位に固定するための電源を複数用いなければならない場合がある。
【0009】
しかしながら、導電性被加工物の加工されない領域は電気的に接続されており、複数の電源を接続すると、電源間でショートしてしまう。そこで、上述の(1)の手法によれば、導電性被加工物の加工されない領域を電気的に分断することは可能であるが、下地の層間絶縁膜に段差ができてしまったり、下地の層間絶縁膜の膜厚が足りずさらに下層を加工してしまうことは避けられない。
【0010】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより形成された導電性被加工物を、下地層に段差を作ることなく、異なる電位に固定することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本技術の一側面の半導体装置は、同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより線状に形成された導電性被加工物を備え、前記導電性被加工物は、自身を電気的に分離する2以上の分断部分を有し、前記分断部分における前記導電性被加工物は、その一部が平行になるように形成されており、平行に形成された部分の少なくとも一方は分断されている。
【0012】
前記分断部分で分断された前記導電性被加工物は、それぞれ異なる電源に接続されるようにすることができる。
【0013】
本技術の一側面の半導体装置の製造方法は、同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより線状に形成された導電性被加工物を備え、前記導電性被加工物は、自身を電気的に分断する2以上の分断部分を有し、前記分断部分における前記導電性被加工物は、その一部が平行になるように形成されており、平行に形成された部分の少なくとも一方は分断されている半導体装置の製造方法であって、同一レイヤに成膜された前記導電性被加工物を複数回のエッチングにより線状に形成するステップを含み、前記複数回のエッチングに用いられるレジストパターンのうちの、所定回数目のエッチングに用いられる第1のレジストパターンと、他の回数目のエッチングに用いられる第2のレジストパターンとが重なる領域の、前記平行に形成された部分に対応する箇所の幅は、前記エッチングによる前記導電性被加工物の後退量より小さい。
【0014】
前記所定回数目のエッチングと前記他の回数目のエッチングのうち、時間的に後に行われるエッチングは、等方性エッチングとすることができる。
【0015】
本技術の一側面においては、導電性被加工物は、自身を電気的に分断する2以上の分断部分を有し、分断部分における前記導電性被加工物は、その一部が平行になるように形成されており、平行に形成された部分の少なくとも一方は分断される。
【発明の効果】
【0016】
本技術の一側面によれば、同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより形成された導電性被加工物を、下地層に段差を作ることなく、異なる電位に固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本技術を適用した半導体装置の平面図である。
【図2】導電性膜の分断部分に対応するレジストパターンの例を示す図である。
【図3】導電性膜の分断部分を示す図である。
【図4】導電性膜の加工処理について説明するフローチャートである。
【図5】導電性膜の加工の工程について説明する図である。
【図6】レジストパターンの重ね合わせがずれた場合の導電性膜の加工の工程について説明する図である。
【図7】レジストパターンの重ね合わせがずれた場合の導電性膜の分断部分を示す図である。
【図8】レジストパターンの重ね合わせがずれた場合の導電性膜の加工の工程について説明する図である。
【図9】レジストパターンの重ね合わせがずれた場合の導電性膜の分断部分を示す図である。
【図10】導電性膜の分断部分に対応するレジストパターンの他の例を示す図である。
【図11】導電性膜の分断部分に対応するレジストパターンの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本技術の実施の形態について図を参照して説明する。
【0019】
[半導体装置の平面図]
図1は、本技術を適用した半導体装置の平面図を示している。
【0020】
図1の半導体装置10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等として構成される。半導体装置10は、半導体基板や酸化膜(SiO2)等の絶縁膜といった下地層の上に導電性膜が成膜され、その導電性膜が複数回のエッチングにより形成された導電性被加工物11(以下、適宜、導電性膜11ともいう)を備えている。
【0021】
図1の半導体装置10において、導電性被加工物11は、2回のエッチングにより線状(矩形の線状)に形成される。具体的には、導電性被加工物11は、導電性膜が1回目のエッチングにより加工される領域(導電性被加工物11の外側の領域)と、2回目のエッチングにより加工される領域(導電性被加工物11の内側の領域)の境界部分に形成される。なお、図1においては、導電性被加工物11が、矩形の線状に形成されるものとしたが、矩形に限らず、その他の形状で、線状に形成されるようにしてもよい。
【0022】
また、図1の半導体装置10において、導電性被加工物11は、2箇所の分断部分P1およびP2を備えている。これにより、導電性被加工物11は電気的に2つに分断され、分断された導電性被加工物11は、それぞれ異なる電源に接続される。
【0023】
なお、以下においては、導電性被加工物11は、2箇所の分断部分を備えるものとして説明するが、3箇所以上の分断部分を備えるようにしてもよい。
【0024】
[導電性膜の分断部分に対応するレジストパターンの例]
図2は、導電性被加工物11がエッチングにより形成される際に用いられるレジストパターンの、導電性被加工物11の分断部分に対応する部分の拡大図を示している。
【0025】
図2には、1回目のエッチングに用いられるレジストパターン21と、2回目のエッチングに用いられるレジストパターン22とが示されている。半導体装置10においては、成膜された導電性膜の、レジストパターン21とレジストパターン22とが重なる領域に、導電性被加工物11が形成される。
【0026】
図2に示されるように、レジストパターン21とレジストパターン22とが重なる領域には、平行になる部分がある。これにより、導電性被加工物11は、分断部分において、その一部が平行になるように形成される。
【0027】
そして、レジストパターン21とレジストパターン22とが重なる領域の平行になる部分において、b−b'線およびc−c'線で示される、互いに対向する箇所の幅は、a−a'線で示されるその他の箇所の幅より細くなっている。具体的には、b−b'線およびc−c'線で示される箇所の幅は、2回目のエッチングによる導電性膜の後退量(削られる量)より小さく、かつ、レジストパターン形成時の露光装置の重ね合わせ精度より大きくなるように設計されている。
【0028】
これにより、図3に示されるように、導電性被加工物11において平行に形成された部分は、エッチングにより、b−b'線およびc−c'線で示される箇所で分断されるようになる。また、重ね合わせがずれた場合でもレジストパターンが導電性被加工物11から外れることがないので、2回目のエッチングにより下地層が削られないようになる。
【0029】
このようにして、図1の半導体装置10において、導電性被加工物11は、分断部分P1およびP2で分断されるようになる。
【0030】
[導電性膜の加工処理について]
次に、図4および図5を参照して、図1の半導体装置10の製造工程における、導電性膜の加工処理について説明する。図4は、導電性膜の加工処理について説明するフローチャートであり、図5は、導電性膜の加工の工程について説明する、図2および図3のa−a'線、b−b'線、およびc−c'線での半導体装置10の断面図である。
【0031】
まず、ステップS11において、図示せぬ下地層の上に成膜された導電性膜11上にフォトレジストが形成される。
【0032】
次に、ステップS12において、導電性膜11上に形成されたフォトレジストに対するフォトリソグラフィによって、図5Aに示されるように、1回目のエッチングのためのレジストパターン21が形成される。
【0033】
そして、ステップS13において、1回目のエッチングが行われる。ここでは、異方性エッチングが行われ、これにより、図5Bに示されるように、導電性膜11は、a−a'線、b−b'線、およびc−c'線での断面において、レジストパターン21に対応する部分のみが残るように加工される。
【0034】
続いて、ステップS14において、エッチングされた導電性膜11上に、再びフォトレジストが形成される。
【0035】
次に、ステップS15において、導電性膜11上に形成されたフォトレジストに対するフォトリソグラフィによって、図5Cに示されるように、2回目のエッチングのためのレジストパターン22が形成される。
【0036】
ここで、図2を参照して説明したように、レジストパターン21とレジストパターン22とが重なる領域において、b−b'線およびc−c'線で示される箇所の幅は、2回目のエッチングによる導電性膜の後退量より小さくなるように設計されている。言い換えると、導電性膜11のb−b'線およびc−c'線での断面において形成されるレジストパターン22の端部と、1回目のエッチングにより加工された導電性膜11の端部との距離が、2回目のエッチングによる導電性膜の後退量より小さく、かつ、レジストパターン形成時の露光装置の重ね合わせ精度より大きくなるようになされる。ここでは、その距離(幅)は0.1μmとされる。
【0037】
そして、ステップS16において、2回目のエッチングが行われる。ここでは、等方性エッチングが行われ、その後退量は、0.12μmとなるように設定される。これにより、導電性膜11は、図5Dに示されるように、a−a'線の断面では残るが、b−b'線およびc−c'線での断面では残らないようになる。
【0038】
このようにして、必要以上に下地層を削ることなく、導電性被加工物11において平行に形成された部分が、エッチングにより、b−b'線およびc−c'線で示される箇所で分断されるようになり、半導体装置10においては、導電性被加工物11は電気的に2つに分断され、分断された導電性被加工物11は、それぞれ異なる電源に接続されるようになる。
【0039】
なお、分断された導電性被加工物11は、それぞれコンタクトホールを介して他のレイヤの電源に接続されるので、エッチングにより残った導電性被加工物11の幅は、少なくともコンタクトホールのサイズ(径)より大きくなるように設計される。例えば、コンタクトホールのサイズが0.3μmである場合、エッチングにより残る導電性被加工物11の幅は、0.5μmとなるように設計される。
【0040】
以上の処理によれば、同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより形成された導電性被加工物を、下地層に段差を作ることなく、異なる電位に固定することができる。
【0041】
また、フォトリソグラフィによってレジストパターンを形成するためのマスク(フォトマスク)の改版が多い場合や一部領域のみマスクのカスタマイズが必要な場合、変更する領域のみのマスクを形成することで、マスクの価格を下げることができるので、結果として、半導体装置の製造コストを削減することが可能となる。
【0042】
なお、以上においては、レジストパターン21およびレジストパターン22が、設計通りに形成されるものとしたが、実際にはずれが生じることもある。そこで、以下においては、レジストパターン21とレジストパターン22とが重なる領域、すなわち、露光装置によるレジストパターンの重ね合わせがずれた場合の処理について説明する。
【0043】
[レジストパターンの重ね合わせがずれた場合の導電性膜の加工の工程について]
そこで、図6を参照して、レジストパターンの重ね合わせがずれた場合の導電性膜の加工の工程の例について説明する。
【0044】
なお、図6Aおよび図6Bに示される工程は、図5Aおよび図5Bに示される工程と同様であるので、その説明は省略する。
【0045】
すなわち、図6Cは、上述で説明した図4のフローチャートのステップS15において、2回目のエッチングのためのレジストパターン22が、図中左に、例えば0.08μmずれて形成された場合の、a−a'線の、b−b'線、およびc−c'線での半導体装置10の断面図を示している。
【0046】
図6Cの状態から、ステップS16において、2回目のエッチングが行われると、導電性膜11は、図6Dに示されるように、a−a'線およびb−b'線の断面で残るようになる。特に、導電性膜11は、b−b'線の断面では、0.1μm(設計値)+0.08μm(重ね合わせずれ)−0.12μm(エッチングによる導電性膜の後退量)=0.06μmの幅で残るようになる。しかしながら、導電性膜11は、c−c'線での断面では残らない。
【0047】
したがって、図7に示されるように、導電性被加工物11において平行に形成された部分は、c−c'線で示される箇所で分断されるようになり、半導体装置10においては、導電性被加工物11は電気的に2つに分断され、分断された導電性被加工物11は、それぞれ異なる電源に接続されるようになる。
【0048】
図8は、レジストパターンの重ね合わせがずれた場合の導電性膜の加工の工程の他の例について説明する図である。
【0049】
なお、図8Aおよび図8Bに示される工程も、図5Aおよび図5Bに示される工程と同様であるので、その説明は省略する。
【0050】
図8Cは、上述で説明した図4のフローチャートのステップS15において、2回目のエッチングのためのレジストパターン22が、図中右に、例えば0.08μmずれて形成された場合の、a−a'線の、b−b'線、およびc−c'線での半導体装置10の断面図を示している。
【0051】
図8Cの状態から、ステップS16において、2回目のエッチングが行われると、導電性膜11は、図8Dに示されるように、a−a'線およびc−c'線の断面で残るようになる。特に、導電性膜11は、c−c'線の断面では、0.1μm(設計値)+0.08μm(重ね合わせずれ)−0.12μm(エッチングによる導電性膜の後退量)=0.06μmの幅で残るようになる。しかしながら、導電性膜11は、b−b'線での断面では残らない。
【0052】
したがって、図9に示されるように、導電性被加工物11において平行に形成された部分は、b−b'線で示される箇所で分断されるようになり、半導体装置10においては、導電性被加工物11は電気的に2つに分断され、分断された導電性被加工物11は、それぞれ異なる電源に接続されるようになる。
【0053】
このように、図4のフローチャートを参照して説明した導電性膜の加工処理によれば、レジストパターンの重ね合わせがずれた場合であっても、同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより形成された導電性被加工物を、下地層に段差を作ることなく、異なる電位に固定することができる。
【0054】
[レジストパターンの他の例]
以上においては、導電性被加工物11が、図2に示されるレジストパターンを用いたエッチングにより形成されるものとしたが、以下においては、レジストパターンの他の例について説明する。
【0055】
図10は、導電性被加工物11がエッチングにより形成される際に用いられる他のレジストパターンの、導電性被加工物11の分断部分に対応する部分の拡大図を示している。
【0056】
図10には、1回目のエッチングに用いられるレジストパターン51と、2回目のエッチングに用いられるレジストパターン52とが示されている。半導体装置10においては、成膜された導電性膜の、レジストパターン51とレジストパターン52とが重なる領域に、導電性被加工物11が形成される。
【0057】
図10に示されるように、レジストパターン51とレジストパターン52とが重なる領域には、平行になる部分がある。これにより、導電性被加工物11においては、平行になる部分が形成される。
【0058】
そして、レジストパターン51とレジストパターン52とが重なる領域の平行になる部分において、e−e'線およびf−f'線で示される、互いに対向する箇所の幅は、d−d'線で示されるその他の箇所の幅より細くなっている。具体的には、e−e'線およびf−f'線で示される箇所の幅は、2回目のエッチングによる導電性膜の後退量より小さくなるように設計されている。
【0059】
これにより、導電性被加工物11において平行に形成された部分は、エッチングにより、e−e'線およびf−f'線で示される箇所の両方またはいずれか一方で分断されるようになる。
【0060】
図11は、導電性被加工物11がエッチングにより形成される際に用いられるさらに他のレジストパターンの、導電性被加工物11の分断部分に対応する部分の拡大図を示している。
【0061】
図11には、1回目のエッチングに用いられるレジストパターン61と、2回目のエッチングに用いられるレジストパターン62とが示されている。半導体装置10においては、成膜された導電性膜の、レジストパターン61とレジストパターン62とが重なる領域に、導電性被加工物11が形成される。
【0062】
図11に示されるように、レジストパターン61とレジストパターン62とが重なる領域には、平行になる部分がある。これにより、導電性被加工物11においては、平行になる部分が形成される。
【0063】
そして、レジストパターン61とレジストパターン62とが重なる領域の平行になる部分において、h−h'線およびi−i'線で示される、互いに対向する箇所の幅は、g−g'線で示されるその他の箇所の幅より細くなっている。具体的には、h−h'線およびi−i'線で示される、互いに対向する箇所の幅は、2回目のエッチングによる導電性膜の後退量より小さくなるように設計されている。
【0064】
これにより、導電性被加工物11において平行に形成された部分は、エッチングにより、導電性被加工物11においてh−h'線およびi−i'線で示される箇所の両方またはいずれか一方で、エッチングにより分断されるようになる。
【0065】
そして、図10または図11のレジストパターンを用いた導電性膜の加工処理(図4)によれば、図2のレジストパターンを用いた導電性膜の加工処理と同様の作用効果を奏することができる。
【0066】
なお、以上においては、フォトレジストを、導電性膜の上に直接形成するようにしたが、導電性膜の上に絶縁膜を成膜し、その絶縁膜上にフォトレジストを形成するようにしてもよい。
【0067】
また、以上においては、1回目のエッチングとして、異方性エッチングを行うようにしたが、2回目のエッチングと同様に、等方性エッチングを行うようにしてもよい。この場合、1回目のエッチングに用いるレジストパターンを、エッチングによる後退量を加味して設計する必要がある。
【0068】
さらに、1回目のエッチングに用いられるレジストパターンと、2回目のエッチングに用いられるレジストパターンとが重なる領域の平行になる部分において、他の箇所より細くなっている箇所の位置は、図11のように、平行になる部分に対して線対称である必要はなく、また、他の箇所より細くなっている箇所の長さ(例えば、図2では縦方向の長さ)も、それぞれ同一である必要はない。
【0069】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0070】
10 半導体装置, 11 導電性被加工物, 21,22 レジストパターン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより線状に形成された導電性被加工物
を備え、
前記導電性被加工物は、自身を電気的に分断する2以上の分断部分を有し、
前記分断部分における前記導電性被加工物は、その一部が平行になるように形成されており、
平行に形成された部分の少なくとも一方は分断されている
半導体装置。
【請求項2】
前記分断部分で分断された前記導電性被加工物は、それぞれ異なる電源に接続される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより線状に形成された導電性被加工物
を備え、
前記導電性被加工物は、自身を電気的に分断する2以上の分断部分を有し、
前記分断部分における前記導電性被加工物は、その一部が平行になるように形成されており、
平行に形成された部分の少なくとも一方は分断されている
半導体装置の製造方法であって、
同一レイヤに成膜された前記導電性被加工物を複数回のエッチングにより線状に形成する
ステップを含み、
前記複数回のエッチングに用いられるレジストパターンのうちの、所定回数目のエッチングに用いられる第1のレジストパターンと、他の回数目のエッチングに用いられる第2のレジストパターンとが重なる領域の、前記平行に形成された部分に対応する箇所の幅は、前記エッチングによる前記導電性被加工物の後退量より小さい
半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記所定回数目のエッチングと前記他の回数目のエッチングのうち、時間的に後に行われるエッチングは、等方性エッチングである
請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより線状に形成された導電性被加工物
を備え、
前記導電性被加工物は、自身を電気的に分断する2以上の分断部分を有し、
前記分断部分における前記導電性被加工物は、その一部が平行になるように形成されており、
平行に形成された部分の少なくとも一方は分断されている
半導体装置。
【請求項2】
前記分断部分で分断された前記導電性被加工物は、それぞれ異なる電源に接続される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
同一レイヤに成膜された後、複数回のエッチングにより線状に形成された導電性被加工物
を備え、
前記導電性被加工物は、自身を電気的に分断する2以上の分断部分を有し、
前記分断部分における前記導電性被加工物は、その一部が平行になるように形成されており、
平行に形成された部分の少なくとも一方は分断されている
半導体装置の製造方法であって、
同一レイヤに成膜された前記導電性被加工物を複数回のエッチングにより線状に形成する
ステップを含み、
前記複数回のエッチングに用いられるレジストパターンのうちの、所定回数目のエッチングに用いられる第1のレジストパターンと、他の回数目のエッチングに用いられる第2のレジストパターンとが重なる領域の、前記平行に形成された部分に対応する箇所の幅は、前記エッチングによる前記導電性被加工物の後退量より小さい
半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記所定回数目のエッチングと前記他の回数目のエッチングのうち、時間的に後に行われるエッチングは、等方性エッチングである
請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−115333(P2013−115333A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262100(P2011−262100)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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