説明

半導体装置および半導体装置の製造方法

【課題】パッケージサイズの拡大や製造プロセスを変更せずにSOI基板のシリコン基板層の電位固定を行うことができる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板層11の表面からSOI基板10をエッチングし、電極パッド16に達する第1のトレンチおよび半導体基板層11内部で終端している第2のトレンチを形成する工程と、半導体基板層の表面および各トレンチを覆うように絶縁膜19を形成する工程と、各トレンチ底面の絶縁膜19を除去して電極パッド16および半導体基板層11を露出させる工程と、半導体基板層11の表面上と各トレンチの側壁および底面に導電膜31〜33を形成して貫通電極30を形成するとともに、コンタクト部50を形成する工程と、半導体基板層11上の導電膜にパターニングを施して外部電極43およびコンタクト部50に電気的に接続された電位固定用の外部電極43aを形成する工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関し、特にSOIデバイスを含む半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
SOI(Silicon On Insulator)デバイスは、シリコン基板層と、その上に形成される薄膜シリコン層(以下SOI層と称する)とが埋め込み酸化膜(以下BOX層と称する)で絶縁分離される構造を有する。これにより、隣接する素子間の絶縁分離を容易に行うことができ、また、シリコン基板層を介して寄生サイリスタが形成されることがないためラッチアップ現象を防ぐことが可能となる。また、トランジスタをBOX層上のSOI層に作り込むことが、トランジスタの微細化に伴って消費電力が増大するいわゆる短チャンネル効果の抑制に有効となる。更に、SOI構造で形成されたトランジスタの接合容量は、バルク構造のトランジスタに比べ小さいため、高速動作が可能である。このようにSOI構造のトランジスタは、多くの優れた特性を有し、従来のバルク基板に形成された半導体素子と比べ高速化、低消費電力化を図ることができるデバイスとして期待されている。このSOI構造を有するウエハ(以下SOI基板と称する)をUVセンサやイメージセンサ等の光学センサに適用する試みがなされている。
【0003】
また、UVセンサやイメージセンサ等の光学センサは、携帯電話機等のモバイル機器に搭載されており、パッケージサイズの更なる小型化の要請がある。そこで、このような光学センサのパッケージには、貫通電極を有するW−CSPが採用されている。貫通電極を有するW−CSPでは外部端子は受光面とは反対側の裏面に形成することができるため、受光エリアに影響されることなく外部端子を配置することが可能であり、パッケージサイズの小型化の要求にも対応し得る。
【0004】
しかしながら、SOIデバイスに貫通電極を有するW−CSPを適用すると以下の問題が生じ得る。すなわち、SOIデバイスにW−CSPを適用すると、BOX層の下のシリコン基板層は、いずれの外部端子とも接続されず、その電位はフローティングとなる。シリコン基板層の電位がフローティング状態となるとSOI層に形成されている回路の動作が不安定となり誤動作が生じる場合がある。従って、何らかの方法によってシリコン基板層の電位を固定する必要がある。
【0005】
SOI基板のシリコン基板層の電位を固定する方法として、例えば特許文献1には、接地電位に固定されたリードフレーム上に導電性接着剤を介して該リードフレーム上にチップを搭載する構成が示されている。
【0006】
一方、特許文献2には、SOI層表面からSOI層およびBOXを貫通し、シリコン基板層に接続する導電層を形成し、かつ該導電層に電気的に接続された基板電位固定電極をSOI層表面に形成した半導体装置の構成が示されている。
【特許文献1】特開平7−335811
【特許文献2】特開平11−354631
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、貫通電極を有するW−CSPにおいては、外部端子を構成する半田ボールを介して実装基板に実装するのが一般的であり、SOI基板の裏面を直接リードフレームに接続させるような搭載方法は取り得ない。つまり、貫通電極を有するW−CSPにおいては、特許文献1に記載の構成を適用することはできない。
【0008】
また、特許文献2に記載の構成の場合、基板電位固定電極はSOI層表面に形成されていることから、外部端子をSOI基板の裏面側に有するパッケージにはそのまま適用することはできない。すなわち、特許文献2に記載の構造を貫通電極を有するW−CSPに適用しようとすると、チップ表面に形成されている基板電位固定電極に電位を与えるためにワイヤーボンディングを行う等、貫通電極とは別の電圧供給経路が必要となり、貫通電極構造を採用するメリットが希薄化してしまうこととなる。さらに、SOI基板を上面側からエッチングしてシリコン基板層に達するコンタクトを形成する必要があることから、ウエハ製造プロセスにおいて工程数の増加を伴うこととなる。また、このコンタクトを形成するためのスペースを別途確保する必要があるため、チップサイズの拡大を伴う場合もある。
【0009】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、SOIデバイスを含み、且つ貫通電極を有するW−CSP型の半導体装置において、パッケージサイズの拡大や製造プロセスの変更を伴うことなくSOI基板のシリコン基板層の電位固定を行うことができる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板層と表面に半導体素子および電極パッドが形成された半導体層との間に絶縁膜を有するSOI基板と、前記SOI基板を貫通し前記電極パッドに電気的に接続された貫通電極と、前記半導体基板層の表面上に絶縁膜を介して設けられて前記貫通電極に電気的に接続された外部電極と、を含む半導体装置の製造方法であって、前記半導体基板層の表面から前記SOI基板をエッチングし、前記SOI基板を貫通し前記電極パッドに達する第1のトレンチ及び、前記半導体基板層内部で終端している第2のトレンチを形成する工程と、前記半導体基板層の表面および前記第1および第2のトレンチの側壁および底面を覆うように絶縁膜を形成する工程と、前記第1および第2のトレンチの底面の前記絶縁膜を除去して前記第1のトレンチの底面において前記電極パッドを露出させるとともに、前記第2のトレンチの底面において前記半導体基板層を露出させる工程と、前記半導体基板層の表面上と前記第1および第2のトレンチの側壁および底面を覆うように導電膜を形成して前記第1のトレンチの底面において前記電極パッドに電気的に接続された前記貫通電極を形成するとともに、前記第2のトレンチの底面において前記半導体基板層に電気的に接続されたコンタクト部を形成する工程と、前記半導体基板層の表面上の前記導電膜にパターニングを施して前記外部電極を形成するとともに前記コンタクト部に電気的に接続された電位固定用の外部電極を形成する工程と、を含むことを特徴としている。
【0011】
また、本発明の半導体装置は、半導体基板層と表面に半導体素子および電極パッドが形成された半導体層との間に絶縁膜を有するSOI基板と、前記半導体基板層表面から前記SOI基板を貫通し前記電極パッドに電気的に接続された貫通電極と、前記半導体基板層の表面上に絶縁膜を介して設けられて前記貫通電極に電気的に接続された外部端子と、を含む半導体装置であって、前記半導体基板層の表面に開口面を有し且つ前記半導体基板層の内部で終端しているトレンチの底面において前記半導体基板層に電気的に接続された導電膜を含むコンタクト部と、前記半導体基板層の表面上に前記絶縁膜を介して設けられて前記コンタクト部に電気的に接続された電位固定用電極と、を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の半導体装置および半導体装置の製造方法によれば、SOIデバイスを含み、且つ貫通電極を有するW−CSP構造の半導体装置において、パッケージサイズの拡大や製造工程の追加を伴うことなくSOI基板のシリコン基板層の電位固定手段を構成することができる。すなわち、シリコン基板層に固定電位を供給するための電位固定用外部端子は、他の外部端子と同一面内に同一構造で形成され、また、既存の外部端子(例えばGnd端子)を電位固定用外部端子として使用することも可能であるため、電位固定用外部端子を設けたことによってパッケージサイズが拡大してしまうことはない。また、シリコン基板層に接続する裏面コンタクトや電位固定用外部端子を形成する工程は、既存のW−CSPの工程フローに含めることができるで、工程数や処理時間の増加を伴うこともない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。尚、以下に示す図において、実質的に同一又は等価な構成要素又は部分には同一の参照符を付している。
【0014】
図1(a)は本発明の実施例である貫通電極を有するW−CSP型のイメージセンサ1の裏面側の構成を示す平面図、図1(b)は図1(a)における1b−1b線に沿った断面図である。
【0015】
SOI基板10は、シリコン基板層11、埋め込み酸化膜層(BOX層)12および薄膜シリコン層(SOI層)13の3層構造を有しており、CCDセンサやCMOSセンサ等を含むセンサ回路20がSOI層13の表面に形成される。すなわち、SOI層13の表面が受光面となる。SOI層13上には、多数の撮像素子が画素数分だけ形成されており、外部に設けられるレンズ等の光学系によって撮像対象から発せられた光が受光面に結像されるようになっている。撮像素子は受光した光の強度に応じた光電変換信号を検知出力信号として出力する。そして、各受光素子の位置と検知出力信号から画像データが生成される。
【0016】
SOI基板10上には、例えばSiO等からなる層間絶縁膜14が形成されており、層間絶縁膜14内にはセンサ回路に接続された多層構造を有する導体配線15が形成されている。また、SOI層10の表面には、導体配線15に電気的に接続された電極パッド16が設けられている。電極パッド16は、受光エリア外のSOI基板10の端部近傍に配置される。層間絶縁膜14の上には、光透過性の接着剤17によって光透過性支持基板としてのカバーガラス18が貼り付けられている。
【0017】
SOI基板10には、シリコン基板層11からSOI層13表面の電極パッド16に達する貫通電極30が設けられている。貫通電極30は、SOI基板10の裏面から電極パッド16に達するトレンチを形成し、その側壁および底面に例えばTi又はTi/Ni等からなるバリアメタル31とCu等からなるめっきシード膜32と、Cu等からなるめっき膜33とを順次成膜することにより形成される。貫通電極30を構成するこれらの導電膜はトレンチの底面において電極パッド16に接続されるとともに、SOI基板10の裏面上に延在している裏面配線40に接続されている。図1(a)に示すように、複数の貫通電極30はイメージセンサ1の外縁に沿って配置される。裏面配線40は、貫通電極30の各々とこれに対応する外部端子との間を電気的に接続する。外部端子43は、裏面配線40の先端に形成されている裏面電極パッド41および裏面電極パッド41上に設けられた半田ボールによって構成される。
【0018】
貫通電極30の側壁およびシリコン基板層11の表面にはSiO等からなる絶縁膜19が設けられ、これによって貫通電極30、裏面配線40および外部端子43および後述する電位固定用外部端子43aとSOI基板10との間の絶縁性が確保されている。シリコン基板層11の表面上には貫通電極30を構成するトレンチを埋め込むようにソルダーレジスト42が形成されている。ソルダーレジスト42には裏面電極パッド41の形成位置に開口部が設けられ、この開口部から露出している裏面電極パッド41に外部端子43を構成する半田バンプが設けられる。ソルダーレジスト42は、イメージセンサ1を実装基板に実装する際に行われる半田リフローによって裏面電極パッド41以外の配線部に半田が流れ出すのを防止する。外部端子43は、裏面配線40および貫通電極30を介してSOI基板表面側に設けられている電極パッド16と電気的に接続される。これによって、イメージセンサ1の裏面側からSOI層13に形成されているセンサ回路20との間で信号のやりとりが可能となる。このように、イメージセンサ1は、貫通電極30を有し、SOI基板10と同一のサイズのパッケージで製造される。
【0019】
ここで、SOI基板10の最下部に位置するシリコン基板層11は、絶縁膜19によって貫通電極30および裏面配線40と絶縁されているため、シリコン基板層11の電位を固定するためには、シリコン基板層11に接続するコンタクト(以下裏面コンタクトと称する)とこの裏面コンタクトを介してシリコン基板層11に電位を与えるための外部端子(以下電位固定用外部端子と称する)が必要となる。イメージセンサ1は、受光面とは反対側の裏面側に外部端子43を有するため、電位固定用外部端子も他の外部端子43と同一面内に設けるのが製造面およびパッケージサイズの面から適切である。そこで本実施例では、かかるパッケージ構造を考慮して、裏面コンタクトとこの裏面コンタクトに接続する電位固定用外部端子をイメージセンサ1の裏面側に設けることとしている。
【0020】
具体的には、図1(b)に示すように、SOI基板10にBOX層12に達しない、すなわち、シリコン基板層11内で終端しているトレンチをエッチングにより形成し、このトレンチの底面においてシリコン基板11を露出させ、露出した部分のシリコン基板11に電気的に接続された導電膜を形成することにより、裏面コンタクト50を形成している。
【0021】
裏面コンタクト50は、裏面配線40aによって絶縁膜19が形成されたシリコン基板層11の表面上に引き出される。裏面配線40aの先端には外部電極としての裏面電極パッド41aが形成され、ソルダーレジスト42の開口部から露出している裏面電極パッド41a上には半田ボールが設けられる。そして、これらの裏面電極パッド41aおよび半田ボールによって電位固定用外部端子43aが構成される。この電位固定用外部端子43aから所望の電位を印加することにより、裏面配線40aおよび裏面コンタクト50を介してシリコン基板層11の電位を固定することが可能となり、センサ回路の動作安定性を確保することが可能となる。
【0022】
ここで、一般的に半導体基板と金属膜とを直接接触させるとショットキー障壁が形成され、これによって電圧制御性が害される。従って、半導体基板にコンタクトを形成する場合には、半導体基板の表面に高濃度不純物を導入する等の処理を行いオーミックコンタクトを得るようにしている。しかしながら、本実施例に係る裏面コンタクト50は、専らシリコン基板層11の電位を固定するためのものであり、電圧制御性は要求されず、オーミックコンタクトは要求されないため、裏面コンタクト50とシリコン基板層11とのコンタクトは、ショットキーコンタクトであっても構わない。従って、裏面コンタクト50の形成部分のシリコン基板層11に高濃度不純物を導入することを要しない。
【0023】
このように、本実施例のイメージセンサ1によれば、裏面コンタクト50、電位固定用外部端子43aおよびこれらを繋ぐ裏面配線40aは全てシリコン基板層11の表面上(イメージセンサ1の裏面側)に設けられているので、裏面コンタクト50から電位固定用外部端子43aまでの配線経路の形成が容易である。また、電位固定用外部端子43aは他の外部端子43と同一面内に同一構造で形成されるので、半田バンプを介して実装基板に実装し、実装基板から電圧を供給することによってシリコン基板層11の電位固定を行うことが可能であり、実装後にワイヤーボンディング等を行う必要はなくユーザの使い勝手を悪化させることもない。
【0024】
また、本実施例では、シリコン基板層11に形成されたトレンチにおいて裏面コンタクト50を形成するようにしたので、後述するように、貫通電極30の形成プロセスと同一プロセスで裏面コンタクト50を形成することができ、従って、裏面コンタクト50と貫通電極30とを同時進行で形成することが可能となり、裏面コンタクト50を設けたことによる、製造工程の増加や製造時間の増大を招くこともない。
【第2実施例】
【0025】
図1に示す構成は、電圧供給側において電位固定用外部端子43aに対して他の外部端子43とは別個の電圧を供給することができる場合の例である。一方、図2は、他の外部端子43に供給される電圧をシリコン基板層11の電位固定用電圧として流用する場合の構成を示したものである。例えば、シリコン基板層11の電位を固定するために接地電位(GND電位)を使用する場合には、電位固定用外部端子43aをイメージセンサの機能端子として設けられている既存のGND端子43gに裏面配線40によって接続させる。これにより、例えば、電圧供給側の都合により、電位固定用外部端子43aに対して他の外部端子から独立した別個の電圧を供給することができない場合に対応し得る。
【第3実施例】
【0026】
図3は、既存の機能端子を電位固定用外部端子としても使用する場合の構成例を示したものであり、図3(a)はイメージセンサ1の裏面側の平面図。図3(b)は図3(a)における3b−3b線に沿った断面図である。例えば、シリコン基板層11の電位を固定するために接地電位(GND電位)を使用する場合には、イメージセンサの機能端子として設けられている既存のGND端子43gを電位固定用外部端子43aとしても使用することにより、このGND端子43gに印加される接地電位をシリコン基板11の電位固定用の電圧として利用することができる。この場合、GND端子43gの近傍に裏面コンタクト50を形成し、裏面配線40によって裏面コンタクト50をGND端子43gに接続する。かかる構成とすることにより、スペース的な制約等によって電位固定用外部端子を他の外部端子と独立して設けることができない場合に対応し得る。
【第4実施例】
【0027】
また、図3(a)に示すように、GND端子43gの近傍に裏面コンタクト50を形成するための十分なスペースが確保できる場合には問題ないが、多端子化に伴って裏面配線40の密度が高くなり、裏面コンタクト50を形成するためのスペースの確保が困難である場合には、図4(a)および(b)に示すように、GND端子43gの裏面電極パッドとこれに対応する貫通電極30との間を繋ぐ裏面配線40上に裏面コンタクト50を形成することも可能である。
【第5実施例】
【0028】
更に、図5(a)および(b)に示すようにGND端子43gを構成する半田バンプ(裏面電極パッド41)の直下に裏面コンタクト50を形成することも可能である。裏面コンタクト50をこのように配置することにより、裏面コンタクト50の配置スペースの確保が困難な場合でも対応し得る。
【0029】
次に、上記の構造を有するイメージセンサ1の製造方法について図6および図7を参照しつつ説明する。図6(a)〜(d)および図7(e)〜(g)は、イメージセンサ1の製造工程におけるプロセスステップ毎の断面図である。
【0030】
まず、シリコン基板層11、BOX層12およびSOI層13が積層されて構成されるSOI基板10を用意する。SOI基板10は、貼り合せ法若しくはSIMOX(Silicon Implanted Oxide)法等どのような方法で作成されたものでもよい。因みにSIMOX法では、プライムウエハ表面から高エネルギー且つ高濃度の酸素Oをイオン注入し、その後熱処理で注入酸素とシリコンを反応させ、ウエハ表面近傍の内部にSiO膜からなるBOX層12を形成することによりSOI基板10を形成する。一方、貼り合せ法では、表面にSiO膜を形成したウエハと、もう1枚のウエハを熱と圧力で接着し、片側のシリコンを途中まで研削除去することによってSOI基板10を形成する。続いて、既存の製法によりSOI層13にCMOSセンサやCCDセンサ等のセンサ回路20を形成し、層間絶縁膜14内に多層配線15および電極パッド16を形成する(図6(a))。
【0031】
次に、層間絶縁膜14上に光透過性を有する接着剤17を塗布した後、同じく光透過性を有するカバーガラス18を貼り付ける。続いて、シリコン基板層11を研削してSOI基板10の厚さを調整する(図6(b))。
【0032】
次に、シリコン基板層11の表面の貫通電極30の形成部位および裏面コンタクト50の形成部位に対応する部分に開口部を有するSiO等からなるマスク(図示せず)を形成する。その後、エッチャントとしてKOH(水酸化カリウム)やTMAH(ハイドロオキサイド)等を使用したウェットエッチングにより、SOI基板10に貫通電極30および裏面コンタクト50を構成する互いに深さの異なるトレンチ34および51を形成する。エッチャントとして上記した如き溶液を用いることにより、このウェットエッチングは、シリコン基板層11の結晶面の方向によりエッチング速度が異なる異方性エッチングとなる。このウェットエッチング処理においては、マスクの開口寸法によってエッチング深さが制御される。すなわち、開口径が比較的大きい貫通電極30を構成するトレンチ(第1のトレンチ)34は、SOI基板10を貫通し、電極パッド16にまで達している。一方、開口径が比較的小さい裏面コンタクト50を構成するトレンチ(第2のトレンチ)51は、貫通電極30を構成するトレンチ34よりも浅く、シリコン基板層11内で終端している。このように、本工程においては、マスクの開口寸法制御により、ウェットエッチングによる一括処理でSOI基板10に互いに深さの異なるトレンチを形成している。尚、マスクの開口寸法については後述する(図6(c))。
【0033】
次に、トレンチ34および51の側壁および底面とシリコン基板層11の表面を覆うようにSiO等からなる絶縁膜19を堆積させる。このとき、トレンチ34および51の底面に堆積する絶縁膜19の膜厚は、シリコン基板層11の表面上に堆積する絶縁膜19の膜厚よりも薄くなる(図6(d))。
【0034】
次に、SOI基板10の裏面側からプラズマを照射するドライエッチング処理により、トレンチ34および51の底面に堆積している絶縁膜19を選択的に除去してトレンチ34の底面において電極パッド16を露出させるとともに、トレンチ51の底面においてシリコン基板層11を露出させる。上記したように、トレンチ34および51の底面に堆積している絶縁膜19の膜厚は、シリコン基板層11の表面上に堆積している絶縁膜19の膜厚よりも薄いことから、このドライエッチング工程においては、マスクを用いることなくSOI基板10の裏面側からプラズマを照射することによりトレンチ34および51の底面に堆積している絶縁膜19のみを選択的に除去することが可能である(図7(e))。
【0035】
次に、スパッタ法によりTi又はTi/Ni等からなるバリアメタル31およびCuからなるめっきシード膜32をトレンチ34および51の側壁及び底面と、絶縁膜19が形成されたシリコン基板層11の表面に順次形成する。続いて、めっきシード膜32に電極を取り付けて電解めっき法によりトレンチ34および51の側壁および底面にCuからなるめっき膜33を形成する。これにより、トレンチ34の底面において電極パッド16に電気的に接続された貫通電極30を形成するとともに、トレンチ51の底面においてシリコン基板層11に電気的に接続された裏面コンタクト50が形成される。また、シリコン基板層11の表面には、絶縁膜19を介して裏面配線40等を構成する導電膜が形成される。
【0036】
その後、シリコン基板層11の表面上に形成された導電膜上にレジストマスクを形成した後、このレジストマスクを介して導電膜をエッチングすることにより所望の配線パターンを有する裏面配線40、40aおよび裏面電極パッド41および41aを形成する。(図7(f))。
【0037】
次に、裏面配線40および40a等が形成されたシリコン基板層11の表面全体を覆うように光硬化性エポキシ樹脂等からなるソルダーレジスト42を塗布する。このとき、貫通電極30および裏面コンタクト50を構成するトレンチ34および51の内部はソルダーレジスト42で充たされる。
【0038】
次に、所定のマスクパターンを有するフォトマスクを介してソルダーレジスト42を露光して、露光部分を光硬化させ、ソルダーレジスト42の未露光部分を選択的に除去することにより、裏面電極パッド41および41aの形成位置に開口部を形成する。次に、ソルダーレジスト42の開口部から露出している裏面電極パッド41および41aに電界めっき法等により外部端子43および電位固定用外部端子43aとしての半田バンプを形成する(図7(g))。
【0039】
次に、カバーガラス18側をウエハテープに貼り付けて、ダイシングすることによりイメージセンサをチップ状に個片化する。以上の各工程を経てイメージセンサ1が完成する。
【0040】
上記したイメージセンサ1の製造工程において、貫通電極30および裏面コンタクト50を構成する互いに深さの異なるトレンチ34および51をウェットエッチング処理により形成する方法について以下に詳述する。
【0041】
上記したように、ウェットエッチングにおけるエッチャントとしてKOH(水酸化カリウム)やTMAH(ハイドロオキサイド)等を使用することにより、シリコン基板層11の結晶面の方向によりエッチング速度が異なる異方性エッチングとなる。従って、エッチングされた箇所は結晶面に沿った極めて正確な角度を持った平滑面として表れる。ここで、シリコン基板11は結晶面方位が(100)面の単結晶シリコン基板であり、単結晶シリコンの(100)面をKOH等でエッチングすると、図8に示すように54.74°の角度を持った(111)面がトレンチ側面に表れる。このとき、トレンチの開口面における径をWa、底面における径をWb、エッチング深さをDとすると、
D≒(Wa−Wb)/√2・・・(1)
が成立する。上記式(1)は、エッチング深さDはトレンチの開口面における径(以下開口径と称する)Waによって決まることを意味している。従って、図9に示すように、裏面コンタクト50を構成するトレンチ51の開口径Wa2と、貫通電極30を構成するトレンチ34の開口径Wa1とを異ならせることにより、互いに異なる深さのトレンチを同時に形成することが可能となる。すなわち、Wa1>Wa2となるようにマスク60の開口寸法を調節することにより、貫通電極30の形成部分においては、SOI基板10を貫通し電極パッド16に達する深さでトレンチ34を形成することができ、裏面コンタクト50の形成部分においては、シリコン基板層11内で終端する浅いトレンチ51を形成することが可能となる。
【0042】
図10は、貫通電極30を構成するトレンチ34の開口面における径Wa1と底面における径Wb2との関係を示すグラフである。同図に示すように、トレンチ34の深さを一定とした場合、Wa1とWb2はリニアな関係を有する。つまり、トレンチ34の開口径Wa1を大きくとると、電極パッド16に接するトレンチ底面の径Wbもこれに伴い大きくなる。図10より、トレンチ34の底面が電極パッド16に達するためには、開口径Waを少なくとも141μm以上とする必要がある。また、周辺回路に与える影響を考慮して底面の径Wbが電極パッド16の寸法を越えないようにする必要があることから、電極パッド16の寸法が例えば100μm角である場合には、開口径Wa1を242μm以下とする必要がある。
【0043】
図11は、裏面コンタクト50を構成するトレンチ51の開口面における径Wa2とエッチング深さDとの関係を示すグラフである。同図に示すように、トレンチ51の開口径Wa2を大きくとると、エッチング深さDもこれに伴い深くなる。トレンチ51は、シリコン基板層11内で終端している必要があることから、例えばシリコン基板層11の厚みが100μmである場合に、開口径Wa2は134μm以下とする必要がある。
【0044】
このように、本実施例の製造方法によれば、既存工程に対して新たな工程を追加することなく裏面コンタクト50を形成することが可能となる。すなわち、ウェットエッチングを行う際のマスクの開口寸法でエッチング深さを制御することができるので、互いに異なる深さのトレンチをウェットエッチングによる一括処理で形成することが可能となる。つまり、SOI基板10を貫通し、電極パッド16に達する比較的深いトレンチ34と、シリコン基板層11で終端している比較的浅いトレンチ51とを同時に形成することが可能となる。また、本実施例においては、裏面コンタクト50は、トレンチ51内に形成され、その構造は貫通電極30と同様であり、ウェットエッチング後も貫通電極30の形成プロセスと同一のプロセスで裏面コンタクト50を形成することが可能となる。従って、裏面コンタクト50と貫通電極30とを同時進行で形成することができるので、裏面コンタクト50設けたことによる工程変更や、処理時間の増大を伴うこともない。
【0045】
また、本実施例の製造方法によれば、図1〜5に示した各構造は、トレンチ34および51を形成するためのエッチングの際のマスク変更および裏面配線40のパターン変更のみで対応することが可能であり、裏面コンタクト50および電位固定用外部端子43aの配置変更を柔軟に行うことができる。
【0046】
尚、上記したイメージセンサ1の製造方法では、貫通電極30および裏面コンタクト50を構成するトレンチ34および51を異方性ウェットエッチングにより形成する場合について示したが、これらはドライエッチングによっても形成することが可能である。ドライエッチングにおいては、エッチング部の開口面積が小さくなるほど、あるいはエッチング深さが深くなるほど(すなわちアスペクト比が高くなるほど)、エッチングレートが低下するマイクロローディング効果が発生する。これは、エッチング部のアスペクト比が高くなるとエッチング部底面にイオンやラジカルが到達し難くなるためである。かかるマイクロローディング効果を利用して、図12に示すように、裏面コンタクト50を構成するトレンチ51の開口径Wc2を、貫通電極30を構成するトレンチ34の開口径Wc1よりも小さくすることにより、互いに異なる深さのトレンチを一括処理で形成することが可能となる。すなわち、ドライエッチングを行う際のマスク70の開口部の寸法を調節することで貫通電極30の形成部分においては、SOI基板10を貫通し電極パッド16に達する深さでトレンチ34を形成することができ、裏面コンタクト50の形成部分においては、シリコン基板層11内で終端する浅いトレンチ51を形成することが可能となる。
【0047】
裏面コンタクト50を構成するトレンチ51の開口径Wc2を例えば5μm以下とすることで、マイクロローディング効果により、膜厚約100μmのシリコン基板層11内部でエッチングの進行をほぼ停止させることができる。一方、貫通電極30を構成するトレンチ34の開口径を例えば10μm以上とすることでSOI基板10を貫通し、電極パッド16に達するトレンチ34を形成することが可能となる。また、周辺回路に与える影響を考慮して、電極パッド16の寸法が例えば100μm角である場合には、開口径Wc1は100μm以下とする必要がある。尚、ドライエッチング以外工程は、上記したウェットエッチング処理によるものと同様である。
【0048】
このように、ドライエッチングによってトレンチ34および51を形成する場合でも、既存工程に対して新たな工程を追加することなく裏面コンタクト50を形成することが可能となる。すなわち、ドライエッチングを行う際のマスクの開口部の寸法を異ならせることによりエッチング深さを制御することができるので、互いに異なる深さのトレンチをドライエッチングによる一括処理で形成することが可能となる。また、ドライエッチング後も貫通電極30の形成プロセスと同一のプロセスで裏面コンタクトを形成することができるので、裏面コンタクト50設けたことによる工程変更や、処理時間の増大を伴うこともない。
【0049】
尚、以上の説明においては、貫通電極を有する半導体装置に本発明を適用した場合を例に説明したが、例えば、図13に示すように、貫通電極を形成することなく、SOI基板10の表面側に形成された電極パッド(図示せず)と裏面側に形成された外部端子43とをSOI基板の側面を経由する導体配線80で接続することによりSOI基板の厚み方向に信号伝達経路を形成した半導体装置に適用することも可能である。また、図14に示すように、貫通電極30を有する複数のSOI基板10を厚さ方向に積層した3次元実装タイプのパッケージにも適用することが可能である。かかる構造のパッケージにおいては、例えば、下層のSOI基板と上層のSOI基板とは、互いの貫通電極を通じて電気的に接続されることにより、SOI基板の積層方向に信号経路を形成している。
【0050】
また、上記した各実施例においては、裏面コンタクトを1つのみ設ける構成としたが、使用するSOI基板のサイズ等に応じて、シリコン基板層の電位分布が均一となるように複数箇所に裏面コンタクトを設けることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1(a)は、本発明の実施例であるイメージセンサの裏面側の構成を示す平面図、(b)は図1(a)の1b−1b線に沿った断面図である。
【図2】本発明の変形例に係るイメージセンサの裏面側の構成を示す平面図である。
【図3】図3(a)は、本発明の変形例に係るイメージセンサの裏面側の構成を示す平面図、図3(b)は図3(a)における3b−3b線に沿った断面図である。
【図4】図4(a)は、本発明の変形例に係るイメージセンサの裏面側の構成を示す平面図、図4(b)は図4(a)における4b−4b線に沿った断面図である。
【図5】図5(a)は、本発明の変形例に係るイメージセンサの裏面側の構成を示す平面図、図5(b)は図5(a)における5b−5b線に沿った断面図である。
【図6】図6(a)〜(d)は、本発明の実施例であるイメージセンサの製造工程を示す断面図である。
【図7】図7(e)〜(g)は、本発明の実施例であるイメージセンサの製造工程を示す断面図である。
【図8】単結晶シリコンの異方性ウェットエッチング後の形状を示す断面図である。
【図9】本発明の実施例である貫通電極および裏面コンタクトを構成するトレンチ形状を示す断面図である。
【図10】本発明の実施例である貫通電極を構成するトレンチの開口面における径Wa1と底面における径Wb1との関係を示すグラフである。
【図11】本発明の実施例である裏面コンタクトの開口面における径Wa2とエッチング深さDとの関係を示すグラフである。
【図12】本発明の実施例である貫通電極および裏面コンタクトを構成するトレンチ形状を示す断面図である。
【図13】本発明の半導体装置の他の構造例を示す斜視図である。
【図14】本発明の半導体装置の他の構造例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 イメージセンサ
10 SOI基板
11 シリコン基板層
12 BOX層
13 SOI層
16 電極パッド
19 絶縁膜
20 センサ回路
30 貫通電極
33 めっき膜
34 トレンチ(第1のトレンチ)
40 裏面配線
41 裏面電極パッド
43 外部端子
43a 電位固定用外部端子
50 裏面コンタクト
51 トレンチ(第2のトレンチ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板層と表面に半導体素子および電極パッドが形成された半導体層との間に絶縁膜を有するSOI基板と、前記SOI基板を貫通し前記電極パッドに電気的に接続された貫通電極と、前記半導体基板層の表面上に絶縁膜を介して設けられて前記貫通電極に電気的に接続された外部電極と、を含む半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板層の表面から前記SOI基板をエッチングし、前記SOI基板を貫通し前記電極パッドに達する第1のトレンチ及び、前記半導体基板層内部で終端している第2のトレンチを形成する工程と、
前記半導体基板層の表面および前記第1および第2のトレンチの側壁および底面を覆うように絶縁膜を形成する工程と、
前記第1および第2のトレンチの底面の前記絶縁膜を除去して前記第1のトレンチの底面において前記電極パッドを露出させるとともに、前記第2のトレンチの底面において前記半導体基板層を露出させる工程と、
前記半導体基板層の表面上と前記第1および第2のトレンチの側壁および底面を覆うように導電膜を形成して前記第1のトレンチの底面において前記電極パッドに電気的に接続された前記貫通電極を形成するとともに、前記第2のトレンチの底面において前記半導体基板層に電気的に接続されたコンタクト部を形成する工程と、
前記半導体基板層の表面上の前記導電膜にパターニングを施して前記外部電極を形成するとともに前記コンタクト部に電気的に接続された電位固定用の外部電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1および第2のトレンチの深さは、その開口面の径の大きさによって調整されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1のトレンチの開口面の径は、前記第2のトレンチの開口面の径よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1および第2のトレンチを形成する工程は、異方性ウェットエッチング工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1および第2のトレンチを形成する工程はドライエッチング工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
半導体層と半導体基板層と、前記半導体層と半導体基板層との間に形成された絶縁層とを有し、前記半導体層の表面に半導体素子及び電極パッドが形成されたSOI基板を準備する工程と、
前記半導体基板層側の表面から前記SOI基板を開口して、前記電極パッドを露出する第1のトレンチ、及び前記半導体基板層の内部で終端する第2のトレンチを形成する工程と、
前記半導体基板層の表面と、前記第1並びに第2のトレンチの底面及び側壁とを覆うように絶縁膜を形成する工程と、
前記第1及び第2のトレンチの底面に形成された前記絶縁膜を除去して、前記第1のトレンチの底面で前記電極パッドを露出させ、前記第2のトレンチの底面で前記半導体基板層を露出させる工程と、
前記第1のトレンチの内部に前記電極パッドに電気的に接続される第1の配線を形成し、前記第2のトレンチの内部に前記半導体基板層に電気的に接続される第2の配線を形成する工程と、
前記半導体基板層の表面上に前記第1の配線と電気的に接続される外部端子を形成し、前記第2の配線と電気的に接続される電位固定用外部端子を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
半導体層と半導体基板層と、前記半導体層と半導体基板層との間に形成された絶縁層とを有し、前記半導体層の表面に半導体素子が形成されたSOI基板と、
前記半導体基板層の表面上に前記半導体基板層と絶縁されかつ前記半導体素子と電気的に接続されて形成された外部端子と、
前記半導体基板層の表面上に前記半導体基板層と電気的に接続されて形成された電位固定用外部端子と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
前記電位固定用外部端子は、前記半導体基板層に設けられたトレンチを介して前記半導体基板層と電気的に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
半導体基板層と表面に半導体素子および電極パッドが形成された半導体層との間に絶縁膜を有するSOI基板と、前記半導体基板層表面から前記SOI基板を貫通し前記電極パッドに電気的に接続された貫通電極と、前記半導体基板層の表面上に絶縁膜を介して設けられて前記貫通電極に電気的に接続された外部端子と、を含む半導体装置であって、
前記半導体基板層の表面に開口面を有し且つ前記半導体基板層の内部で終端しているトレンチの底面において前記半導体基板層に電気的に接続された導電膜を含むコンタクト部と、
前記半導体基板層の表面上に前記絶縁膜を介して設けられて前記コンタクト部に電気的に接続された電位固定用電極と、を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
前記半導体基板層と前記コンタクト部との間の電気的接続はショットキーコンタクトであることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記半導体基板層はシリコン単結晶からなり、前記トレンチは前記半導体基板層をウェットエッチングにより表出したシリコン単結晶の(111)結晶面からなる側壁を有することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記コンタクト部は、前記貫通電極に電気的に接続されていることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項13】
前記半導体基板層の表面には前記絶縁膜を介して前記貫通電極と前記外部端子とを繋ぐ裏面配線が設けられ、前記コンタクト部は前記裏面配線上に設けられていることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項14】
前記コンタクト部は前記電位固定用電極の直下に設けられていることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項15】
前記半導体素子は受光素子を含み、
前記SOI基板の上に、前記受光素子を覆うように設けられた光透過性の支持基板を更に有することを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項16】
複数の前記SOI基板の各々はその厚み方向に積層され、前記外部端子を介して積層方向に互いに電気的に接続されていることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−114199(P2010−114199A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284290(P2008−284290)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(308033711)OKIセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】