説明

半導体装置の製造方法及び半導体装置

【課題】研磨工程を含む新規な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、半導体基板上方に、絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜に、第1の深さを有するダミー溝と、第1の深さよりも深い第2の深さを有する配線溝と、配線溝の底面に配置されるビアホールとを形成する凹部形成工程と、ダミー溝内、配線溝内、ビアホール内、及び絶縁膜上方に、導電材を堆積させる工程と、絶縁膜上方の導電材を研磨除去する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
低抵抗で微細な配線を得るために、銅(Cu)や銅合金を配線材料とし、ダマシン法で配線を形成することが行われている。一般的なダマシン法では、層間絶縁膜に形成された配線溝を覆って層間絶縁膜上に、バリアメタル膜が形成され、バリアメタル膜上にシード膜が形成され、シード膜上に例えばCu膜がめっき法で形成される。そして、Cu膜、シード膜、及びバリアメタル膜の、層間絶縁膜上の余分な部分が、化学機械研磨(CMP)で除去されて、配線溝内に配線が残される。
【0003】
研磨後に層間絶縁膜上にバリアメタル膜などの導電層が残存すると、配線間でのリークの原因となる。層間絶縁膜上に導電層が残存することを防止するために、導電層のCMPにおいては、層間絶縁膜の上部をある程度の厚さ削り込む、いわゆるオーバー研磨が実施される。
【0004】
近年、層間絶縁膜として、寄生容量低下のために、比誘電率が例えば3.0以下の低誘電率材料を用いたものが提案されている。このような低誘電率膜は、メチル基(CH)等を含み、疎水性を有する。このため、CMPの研磨スラリが低誘電率膜の表面に馴染まず、研磨が進行しにくい。
【0005】
そこで、疎水性の低誘電率膜の上に、例えば酸化シリコン(SiO)による親水性のキャップ膜を形成した構造の層間絶縁膜が提案されている。オーバー研磨でキャップ膜が研磨される。低誘電率膜は、下地絶縁膜との密着性が低く膜剥がれが生じやすい傾向がある。膜剥がれ防止等の観点から、キャップ膜を一定の膜厚残した研磨が行われる。
【0006】
しかし、酸化シリコン(SiO)は比誘電率が3.0を超えるため、この膜が低誘電率膜の上に残存すると、配線間の寄生容量が高くなる。そのため、キャップ膜を用いず、疎水性の低誘電率膜を直接研磨する技術も開発されている。
【0007】
疎水性の低誘電率膜を用いた層間絶縁膜を研磨する場合、配線が密に配置された領域は研磨スラリの濡れ性が高く、配線が疎らに配置された領域は研磨スラリの濡れ性が低い。そのため、配線が疎らに配置された領域では、ディッシングやエロージョンが生じやすい。なお、ディッシングやエロージョンは、疎水性の低誘電率膜を用いた層間絶縁膜を研磨する場合に限って発生するものではなく、絶縁膜にCuのような導電膜を埋め込むなど、異なる複数の材質を有する被研磨体を研磨する際に生じ得る。
【0008】
ディッシングやエロージョンを抑制するために、配線間にダミー配線を配置して、ウエハ面内での配線密度を均一にする技術が提案されている。しかし、ダミー配線と配線との間に寄生容量が発生し、配線遅延が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−156519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一目的は、研磨工程を含む半導体装置の製造方法、及びそのような製造方法で製造される半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一観点によれば、半導体基板上方に、絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に、第1の深さを有するダミー溝と、前記第1の深さよりも深い第2の深さを有する配線溝と、前記配線溝の底面に配置されるビアホールとを形成する凹部形成工程と、前記ダミー溝内、前記配線溝内、前記ビアホール内、及び前記絶縁膜上方に、導電材を堆積させる工程と、前記絶縁膜上方の前記導電材を研磨除去する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0012】
本発明の他の観点によれば、半導体基板上方に、絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に、第1の深さを有するダミー溝を形成する工程と、前記ダミー溝に埋め込み材を埋め込む工程と、前記絶縁膜に、前記第1の深さよりも深い第2の深さを有する配線溝を形成する工程と、前記埋め込み材を前記ダミー溝から除去する工程と、前記ダミー溝内、前記配線溝内、及び前記絶縁膜上方に、導電材を堆積させる工程と、前記絶縁膜上方の前記導電材を研磨除去する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
ダミー溝は、配線溝よりも浅い。ダミー溝内の導電材の体積を少なくしやすい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1−1】図1A〜図1Dは、第1実施例の配線形成方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図1−2】図1E〜図1Hは、第1実施例の配線形成方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図1−3】図1I〜図1Kは、第1実施例の配線形成方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図2】図2A〜図2Dは、配線とダミー配線の平面配置を表す概略平面図及び配線とダミー配線の概略断面図である。
【図3−1】図3A〜図3Cは、第2実施例の配線形成方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図3−2】図3D〜図3Fは、第2実施例の配線形成方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図3−3】図3G〜図3Iは、第2実施例の配線形成方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図3−4】図3J及び図3Kは、第2実施例の配線形成方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図4−1】図4A〜図4Cは、第3実施例の配線形成方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図4−2】図4D〜図4Fは、第3実施例の配線形成方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図4−3】図4G〜図4Iは、第3実施例の配線形成方法の主要工程を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、本発明の第1実施例として、シングルダマシンによる配線形成方法について説明する。図1A〜図1Kは、第1実施例の配線形成方法の主要工程を示す概略断面図である。
【0016】
図1Aを参照する。半導体基板1として例えばシリコン基板に、シャロートレンチアイソレーション(STI)により素子分離絶縁膜2を形成して活性領域を画定し、活性領域内に、MOSトランジスタ3を形成する。
【0017】
MOSトランジスタ3を覆って、半導体基板1上に、例えば、酸化シリコン(SiO)を化学気相堆積(CVD)で厚さ300nm〜1000nm堆積して、層間絶縁膜4を形成する。フォトリソグラフィ及びエッチングにより、層間絶縁膜4に、MOSトランジスタ3のソース/ドレイン領域に接続するコンタクトホールを形成し、コンタクトホールに、例えば窒化チタニウム(TiN)を介してタングステン(W)を埋め込んで、コンタクトプラグ5を形成する。
【0018】
層間絶縁膜4上に、例えば、炭化シリコン(SiC)をCVDで厚さ10nm〜200nm堆積して、エッチングストッパ絶縁膜6を形成する。エッチングストッパ膜6として、炭化シリコンの他、炭窒化シリコン(SiCN)、窒化シリコン(SiN)等を用いることもできる。なお、エッチングストッパ膜6を、炭化シリコン膜、炭窒化シリコン膜、窒化シリコン膜に、酸化シリコン膜や炭酸化シリコン(SiOC)膜等を組み合わせた積層構造とすることもできる。
【0019】
エッチングストッパ絶縁膜6上に、層間絶縁膜7を形成する。層間絶縁膜7の膜厚は、例えば100nm〜1000nmであり、層間絶縁膜として必要な膜厚に、後述の研磨工程で研磨により除去される膜厚を足した厚さである。
【0020】
層間絶縁膜7は、例えば有機物を含み比誘電率が例えば3.0以下の低誘電率絶縁膜である。層間絶縁膜7は、例えばメチル基を有する有機シラン及びメチル基を有する有機シロキサンからなる群から選択された材料を用いて、CVD、プラズマ促進CVD(PE−CVD)、及び回転塗布のいずれか1つまたはこれらの成膜法の組合せにより形成される。
【0021】
層間絶縁膜7の材料として、例えばメチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、フェニルシラン、メチルフェニルシラン、シクロヘキシルシラン、エチルシラン、ジエチルシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、トリエトキシシラン、トリメチルフェノキシシラン、フェノキシシラン、ジエトキシシラン、ジアセトキシメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、ジ−tert−ブチルシラン、tert−ブチルシラン、ジ−tert−ブチルシラン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,2,2−テトラメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサンのいずれか1つまたはその組合せを用いることができる。上記の材料を用いて形成された層間絶縁膜7は、メチル基(CHx)を含んで疎水性を示す。なお、誘電率を下げるため、層間絶縁膜7にポロジェンを含有させても良い。
【0022】
この他、回転塗布法に好適な材料としては、JSR社製のLKD(商品名)や、ダウケミカル社製のポーラスSiLK(商品名)、ULVAC社製又は三井化学社製のスケーラブルポーラスシリカ等が挙げられる。また、CVDに好適な材料としては、AMAT社製のBlack Diamond(商品名)、ASM社製のAurora(商品名)、ノベラス社製のCORAL(商品名)等が挙げられる。
【0023】
図1Bを参照する。層間絶縁膜7上に、例えば、酸化シリコンをCVDやPE−CVDや物理気相堆積(PVD)で厚さ10nm〜150nm堆積して、ハードマスク膜8を形成する。ハードマスク膜8として、酸化シリコンの他、炭化シリコン、炭酸化シリコン、炭窒化シリコン、窒化シリコン等による絶縁膜を用いることができる。また、ハードマスク膜8として金属膜を用いることもできる。ハードマスク膜8を、酸化シリコン膜、炭化シリコン膜、炭酸化シリコン膜、炭窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、及び金属膜から選択した2層以上を積層して用いることもできる。
【0024】
後述のエッチング工程や化学機械研磨(CMP)工程での加工性を考慮すると、ハードマスク膜8を、例えば酸化シリコン(SiO)で形成することが望ましい。ただし、本発明にはハードマスク膜8は必須の要件ではなく、省略してもよい。
【0025】
図1Cを参照する。ハードマスク膜8上に、フォトレジストを塗布し、露光及び現像を行って、ダミー配線が形成される溝10(以下、ダミー溝10と呼ぶこととする)の形状で開口したレジストパターン9rpを形成する。
【0026】
レジストパターン9rpをマスクとし、ハードマスク膜8をリアクティブイオンエッチング(RIE)でエッチングして、ハードマスク8mを形成する。ハードマスク膜8のエッチングガスとして、例えばCFが用いられる。
【0027】
さらに、レジストパターン9rp及びハードマスク8mをマスクとし、層間絶縁膜7をRIEでエッチングして、層間絶縁膜7に、ダミー溝10を形成する。層間絶縁膜7のエッチングガスとして、例えばCFが用いられる。ダミー溝10の深さは、層間絶縁膜7が後述の研磨工程で除去される膜厚よりも、0nm〜30nm浅いことが望ましい。
【0028】
図1Dを参照する。ダミー溝10の形成の後、レジストパターン9rpをアッシングにより除去する。
【0029】
図1Eを参照する。ハードマスク8m上にフォトレジストを塗布してレジスト膜11を形成する。レジスト膜11は、ダミー溝10を埋める。
【0030】
図1Fを参照する。レジスト膜11への露光及び現像を行って、配線が形成される配線溝12の形状で開口したレジストパターン11rpを形成する。レジストパターン11rpをマスクとし、ハードマスク8mをRIEによりエッチングして、ハードマスク8mに、配線溝12の形状の開口を形成する。さらに、レジストパターン11rp及びハードマスク8mをマスクとし、層間絶縁膜7をRIEでエッチングして、層間絶縁膜7に、配線溝12を形成する。次に、エッチングガスをCFとOとの混合ガスに変え、エッチングストッパ絶縁膜6をエッチングして、コンタクトプラグ5を露出させる。
【0031】
図1Gを参照する。ダミー溝10を埋めたレジストパターン11rpを、アッシングにより除去する。このようにして、ダミー溝10及び配線溝12が形成される。
【0032】
上述のように、第1実施例では、先にダミー溝10を形成し、ダミー溝10を埋め込み材で埋めた後に、配線溝12を形成し、埋め込み材の除去を行う。第1実施例の変形例として、先に配線溝12を形成し、配線溝12を埋め込み材で埋めた後に、ダミー溝10を形成し、埋め込み材を除去してもよい。第1実施例は、変形例に比べ、埋め込み材で埋める溝が浅いので、埋め込み材の除去が容易になる。
【0033】
図1Hを参照する。ダミー溝10及び配線溝12の内面を覆って、ハードマスク8m上に、例えば、窒化タンタル(TaN)をPVD(例えばスパッタリング)で厚さ1nm〜30nm堆積して、バリアメタル膜となる導電膜13を形成する。バリアメタル膜は、その上に形成される配線材料の銅(Cu)が層間絶縁膜7中に拡散することを抑制する。導電膜13の堆積条件は、例えば、NガスとArガスをN:Ar=20:80の流量比で流し、Taターゲットに1kW〜40kWの電力を投入する。これにより、TaとNガスとを反応させる。
【0034】
導電膜13として、チタニウム(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、クロム(Cr)、パラジウム(Pd)、マンガン(Mn)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、タングステン(W)、白金(Pt)、バナジウム(V)、ルテニウム(Ru)、金(Au)のいずれか1種または複数の金属かその窒化物を用いることができる。導電膜13の成膜方法として、PVDに限らず、CVD、PE−CVD、原子層堆積(ALD)、プラズマ促進ALD(PE−ALD)のうちいずれか1つ、またはその組み合わせを採用しても良い。
【0035】
また、導電膜13を形成する工程は、高密度プラズマCVDのように、導電膜13の少なくとも一部をエッチングすると同時に、導電膜13を成長させる条件で実施しても良い。これにより、側壁の付着が良くなる。
【0036】
導電膜13上に、例えば、CuをPVD(例えばスパッタリング)により厚さ1nm〜100nm堆積して、シード膜14を形成する。シード膜14の堆積条件は、例えば、Arガス雰囲気中でCuターゲットに1kW〜40kWの電力を投入する。シード膜14の成膜方法として、PVDに限らず、CVD、PE−CVD、ALD、PE−ALDを用いることもできる。シード膜14に、Ti、Ni、Co、Zr、Cr、Pd、Mn、Ag、Al、Sn、Ta、Re、W、Pt、V、Ru、Au、Si、Ge、C、S、O、Cl、P、B、H、Hf、F、Nのうち、いずれか1種類または2種類以上の元素を混入させても良い。
【0037】
図1Iを参照する。シード膜14を給電部とする電界めっきにより、シード膜14上に、配線材料のCuを析出させて、めっき膜15を形成し、ダミー溝10及び配線溝12を埋める。なお、図1I以降、シード膜14の図示は省略している。めっき膜15の厚さは、層間絶縁膜7の膜厚以上、例えば1.2μmとする。ダミー溝10及び配線溝12に導電材であるCuが埋め込まれるとともに、ハードマスク8mの上面上にもCuが所定の厚さで堆積する。
【0038】
なお、配線材料のCuに、Ti、Ni、Co、Zr、Cr、Pd、Mn、Ag、Al、Sn、Ta、Re、W、Pt、V、Ru、Au、Si、Ge、C、S、O、Cl、P、B、H、Hf、F、Nのうち、いずれか1種類または2種類以上の元素を混入させても良い。また、めっきによる導電材層15に替えて、CVD、PE−CVD、ALD、PE−ALDで堆積した導電材層15としても良い。
【0039】
図1Jを参照する。ハードマスク8m上方のめっき膜15及びシード膜14をCMPで除去する第1の研磨工程を行う。研磨方法として、例えば、ロータリ式研磨法を用いることができる。研磨条件は、例えば、ワークテーブルの回転数を70rpmとし、研磨ヘッドの回転数を71rpmとする。研磨圧力は、例えば1.4000×104Pa(2.0psi)とする。
【0040】
研磨は、ワークテーブル上に貼付されたポリウレタンを基材とした研磨パッド上に、研磨スラリを供給しながら実施する。研磨スラリは、めっき膜15とシード膜14の研磨レートが、導電膜13や層間絶縁膜7の研磨レートに比べて高いものが好ましい。
【0041】
研磨スラリの構成成分は、例えば、コロイダルシリカ砥粒に分散剤、酸化剤、防食剤、キレート剤等のケミカル物質を含むものを用いる。砥粒は、例えばコロイダルシリカ、フュームドシリカ、セリウム、アルミナ、炭化珪素のいずれか1つを含むものが使用できる。分散剤には、例えば水酸化カリウムやアンモニウムを含むものが用いられる。酸化剤には、例えば過硫酸アンモニウムや過酸化水素水を使用できる。防食剤には、例えばベンゾトリアゾール(BTA)が用いられ、キレート剤には、例えばクエン酸やリンゴ酸、キナルジン酸、オレイン酸等が用いられる。このような研磨に好適な研磨スラリとしては、例えば、日立化成社製のHS−H635(商品名)やHS−C930(商品名)、JSR社製のCMS74シリーズやCMS75シリーズ等がある。
【0042】
ハードマスク8m上の導電膜13が露出したら、第1の研磨工程が終了する。第1の研磨工程により、ダミー溝10内のめっき膜によるダミー配線15dと、配線溝12内のめっき膜による実配線15wとが分離される。なお、実配線を、単に配線と呼ぶ。
【0043】
図1Kを参照する。ハードマスク8m上の導電膜13、ハードマスク8m、及び層間絶縁膜7の上部を、CMPで除去する第2の研磨工程を行う。第2の研磨工程で使用する研磨スラリは、導電膜13の研磨レートが、層間絶縁膜7の研磨レートに比べて高いものが望ましい。
【0044】
使用する研磨スラリは、例えば、導電膜13と、ダミー配線15dと、配線15wと、ハードマスク8mとを同程度の研磨速度で研磨し、層間絶縁膜7の研磨速度は低くなるものを採用する。このような研磨に好適な研磨砥液としては、例えば、酸系では、日立化成社製のT605−8(商品名)があげられる。また、アルカリ系では、JSR社製のCMS8201/8252(商品名)、CMS8501/8552(商品名)などがある。
【0045】
第2の研磨工程の開始後、ハードマスク8mの上面上の導電膜13が除去されると、ダミー配線15dと配線15wとが電気的に分離される。さらに、ハードマスク8mが除去されると、層間絶縁膜7の上面が露出する。
【0046】
層間絶縁膜7(及び、ダミー配線15dと配線15w)の一部を削り、第2の研磨工程を終了させる。層間絶縁膜7の削り量は、例えば20nm〜100nmとする。第1実施例の配線形成方法では、層間絶縁膜7の一部を削ることにより、ダミー配線15dも研磨除去される。一方、配線溝12内に、配線15w及びバリアメタル膜13が残される。このようにして、第1実施例の、シングルダマシンによる配線が形成される。
【0047】
ダミー配線15dが配置されていることにより、層間絶縁膜7に形成される銅部材の分布(Cu占有率)が、ダミー配線無しの場合に比べて、ウエハ面内において平均化されるので、ウエハ面内での研磨レートの均一化が図られ、エロージョン等が抑制される。このように、研磨中は、ダミー配線15dが配置されていることが有用である。
【0048】
研磨後は、配線遅延を抑制するためには、配線構造に残存するダミー配線15dは小さい方がよい。第1実施例において、層間絶縁膜7に形成されるダミー溝10の深さを、層間絶縁膜7の削り量と等しいか浅く設定した場合には、研磨によりダミー配線15dが除去される。
【0049】
なお、研磨後にダミー配線15dの一部が層間絶縁膜7中に残存してもよい。図1Kに、残った場合のダミー配線15dを破線で示す。この場合も、ダミー配線15dが残る体積が小さい為、配線遅延への影響は小さい。なお、研磨後の配線構造に残ったダミー配線15dは、同一層の配線15wや、下層及び上層の配線とは接続されず、電気的に独立したフローティング状態となる。
【0050】
図2を参照して、配線とダミー配線の平面配置例について説明する。図2A〜図2Dの各図は、それぞれ、上側部分が、配線とダミー配線の平面配置を表す概略平面図であり、下側部分が、配線とダミー配線を含む概略断面図である。図2A〜図2Dに、ダミー配線の平面配置のバリエーションを示す。
【0051】
図2A〜図2Dは、いずれも、左側が配線wiの配置領域であり、配線wiの配置領域の右側領域にダミー配線duが配置されて、ダミー配線duが無い場合に対して、面内におけるCu占有率の平均化が図られている。
【0052】
図2Aは、正方形の平面形状のダミー配線duが、正方行列状に並べられた配置である。なお、ダミー配線duの平面形状は、正方形に限らず、長方形等であってもよい。また、配置は、正方行列状に限らない。1つ当りのダミー配線duのサイズは、例えば、一辺0.1μm〜1.0μm程度が適当である。ダミー配線配置領域のCu占有率は、20%〜40%であると良い。
【0053】
図2Bは、各々が正方形状のダミー配線duを千鳥状に配置した例である。
【0054】
図2Cは、千鳥状に配置したダミー配線duの各々の平面形状を菱形にした例である。
【0055】
図2Dは、配線wiと平行な線状のダミー配線duを並べて配置した例である。
【0056】
次に、第2実施例として、デュアルダマシンによる配線形成方法について説明する。図3A〜図3Kは、第2実施例の配線形成方法の主要工程を示す概略断面図である。
【0057】
図3Aを参照する。まず、第1実施例と同様にして、シングルダマシンにより層間絶縁膜7に配線15wを形成する工程までを行う。そして、層間絶縁膜7上に、エッチングストッパ膜16を、第1実施例で説明したエッチングストッパ膜6の形成方法と同様にして形成する。エッチングストッパ膜16上に、層間絶縁膜17を、第1実施例で説明した層間絶縁膜7の形成方法と同様にして形成する。層間絶縁膜17上に、ハードマスク膜18を、第1実施例で説明したハードマスク膜8の形成方法と同様にして形成する。
【0058】
図3Bを参照する。ハードマスク膜18上に、フォトレジストを塗布し、露光及び現像を行って、ダミー溝20d、及び、ビアホールが形成される位置に形成される溝20v´の形状で開口したレジストパターン19rpを形成する。
【0059】
レジストパターン19rpをマスクとし、ハードマスク膜18をRIEでエッチングして、ハードマスク18mを形成する。さらに、レジストパターン19rp及びハードマスク18mをマスクとし、層間絶縁膜17をRIEでエッチングして、層間絶縁膜17に、ダミー溝20d及び溝20v´を形成する。
【0060】
第2実施例では、ダミー溝20d及び溝20v´が同一工程で、同じ深さに形成される。溝20v´は、後述の配線溝のエッチング工程で深くされて、下層の配線15dに接続するビアホール20vとなる。
【0061】
図3Cを参照する。レジストパターン19rpをアッシングにより除去する。
【0062】
図3Dを参照する。ハードマスク18m上にフォトレジストを塗布してレジスト膜21を形成する。レジスト膜21は、ダミー溝20d及び溝20v´を埋める。
【0063】
図3Eを参照する。レジスト膜21への露光及び現像を行って、配線溝の形状で開口したレジストパターン21rpを形成する。レジストパターン21rpをマスクとし、ハードマスク18mをRIEによりエッチングして、ハードマスク18mに、配線溝の形状の開口を形成する。配線溝の底面内に、溝20v´が配置される。
【0064】
図3Fを参照する。レジストパターン21rp及びハードマスク18mをマスクとし、層間絶縁膜17をRIEでエッチングして、層間絶縁膜17に、配線溝22を形成する。配線溝22の形成に伴い、溝20v´部分が、さらにエッチングされて、ビアホール20vが形成される。ビアホール20vの底がエッチングストッパ膜16に到達したら、エッチングガスを変え、エッチングストッパ膜16をエッチングする。
【0065】
図3Gを参照する。ダミー溝20dを埋めたレジストパターン21rpを、アッシングにより除去する。このようにして、ダミー溝20d、ビアホール20v、及び配線溝22が形成される。
【0066】
図3Hを参照する。ダミー溝20d、ビアホール20v、及び配線溝22の内面を覆って、ハードマスク8m上に、バリアメタル膜となる導電膜23を、第1実施例で説明した導電膜13の形成方法と同様にして形成する。導電膜23上に、シード膜24を、第1実施例で説明したシード膜14の形成方法と同様にして形成する。
【0067】
図3Iを参照する。第1実施例で説明しためっき膜15の形成方法と同様にして、シード膜24上に、導電材として例えばCuを用いて、めっき膜25を形成し、ダミー溝20d、ビアホール20v、及び配線溝22を埋める。ダミー溝20d、ビアホール20v、及び配線溝22に導電材が埋め込まれるとともに、ハードマスク18mの上にも導電材が堆積する。
【0068】
図3Jを参照する。第1の実施例で説明した第1の研磨工程と同様にして、ハードマスク18m上方のめっき膜25及びシード膜24をCMPで除去し、ハードマスク18m上の導電膜23を露出させる。
【0069】
図3Kを参照する。第1の実施例で説明した第2の研磨工程と同様にして、ハードマスク18m上の導電膜23、ハードマスク18m、及び層間絶縁膜17の上部を、CMPで除去する。層間絶縁膜17、ダミー配線25d及び配線25wを削る。ビアホール20v内のビア25vと、配線溝22内の配線25wとが形成される。ビア25v及び配線25wと、層間絶縁膜17との間に、バリアメタル膜23が介在する。このようにして、第2実施例の、デュアルダマシンによる配線が形成される。ダミー配線25dは、配線25wに比べて浅く形成される。
【0070】
次に、第3実施例として、第2実施例とは異なる、デュアルダマシンによる配線形成方法について説明する。第2実施例では、図3Cにおいて、ダミー溝20dと、ビアホールに対応する溝20v´とを同時に形成した。第3実施例では、以下に説明するように、ダミー溝と、ビアホール及び配線溝とを、独立の工程で形成する。従って、ダミー溝を、配線溝より浅い任意の深さに形成することができる。図4A〜図4Iは、第3実施例の配線形成方法の主要工程を示す概略断面図である。
【0071】
図4Aを参照する。第2実施例と同様にして、層間絶縁膜17までを形成する。層間絶縁膜17上に、ハードマスク膜を、第2実施例で説明したハードマスク膜18の形成方法と同様にして形成する。ハードマスク膜上に、フォトレジストを塗布し、露光及び現像を行って、ダミー溝30の形状で開口したレジストパターン29rpを形成する。
【0072】
レジストパターン29rpをマスクとし、ハードマスク膜をRIEでエッチングして、ハードマスク28mを形成する。さらに、レジストパターン29rp及びハードマスク28mをマスクとし、層間絶縁膜17をRIEでエッチングして、層間絶縁膜17に、ダミー溝30を形成する。
【0073】
図4Bを参照する。レジストパターン29rpをアッシングにより除去する。
【0074】
図4Cを参照する。ハードマスク28m上にフォトレジストを塗布してレジスト膜31を形成する。レジスト膜31は、ダミー溝30を埋める。
【0075】
図4Dを参照する。レジスト膜31への露光及び現像を行って、ビアホール32vの形状で開口したレジストパターン31rpを形成する。レジストパターン31rpをマスクとし、ハードマスク28mをRIEによりエッチングして、ハードマスク28mに、ビアホール32vの形状の開口を形成する。
【0076】
レジストパターン31rp及びハードマスク28mをマスクとし、層間絶縁膜17をRIEでエッチングして、層間絶縁膜17に、ビアホール32vを形成する。ビアホール32vの底がエッチングストッパ膜16に到達したら、エッチングガスを変えエッチングストッパ膜16をエッチングして、下層配線15wを露出させる。
【0077】
図4Eを参照する。ダミー溝30を埋めたレジストパターン31rpを、アッシングにより除去する。
【0078】
図4Fを参照する。ハードマスク28m上にフォトレジストを塗布してレジスト膜33を形成する。レジスト膜33は、ダミー溝30及びビアホール32vを埋める。
【0079】
図4Gを参照する。レジスト膜33への露光及び現像を行って、配線溝32wの形状で開口したレジストパターン33rpを形成する。レジストパターン33rpをマスクとし、ハードマスク28mをRIEによりエッチングして、ハードマスク28mに、配線溝32wの形状の開口を形成する。レジストパターン33rp及びハードマスク28mをマスクとし、層間絶縁膜17をRIEでエッチングして、層間絶縁膜17に、配線溝32wを形成する。配線溝32wの底面より下の、ビアホール32v内には、埋め込み材であるレジスト膜33が残っている。
【0080】
図4Hを参照する。ダミー溝30を埋めたレジストパターン33rp、及び、ビアホール32v内に残ったレジスト膜33を、アッシングにより除去する。このようにして、第3実施例のダミー溝30、ビアホール32v、及び配線溝32wが形成される。
【0081】
その後は、第2実施例と同様に、ダミー溝30、ビアホール32v、及び配線溝32wの内面を覆って、ハードマスク28m上にバリアメタル膜となる導電膜34を形成し、導電膜34上にCuシード膜を形成し、Cuシード膜上にCuをめっき法で堆積して、めっき膜35を形成する。この工程については、第2実施例の図3Iを流用して参照することができる。
【0082】
さらに、第2実施例と同様に、ハードマスク28m上のめっき膜35及びシード膜をCMPで除去する。この工程については、第2実施例の図3Jを流用して参照することができる。
【0083】
図4Iを参照する。さらに、第2実施例と同様に、ハードマスク28m上の導電膜34と、ハードマスク28mと、層間絶縁膜17上部をCMPで除去する。ビアホール32v内のビア35vと、配線溝32w内の配線35wとが形成される。ビア35v及び配線35wと、層間絶縁膜17との間に、バリアメタル膜34が介在する。このようにして、第3実施例の、デュアルダマシンによる配線が形成される。
【0084】
第3実施例では、図4B及び図4Dにおいて、ダミー溝30とビアホール32vとは各々独立に形成できる。図4Iは、ダミー配線が全て除去される例を示している。流用して参照した第2実施例の図3Jに、第2実施例のダミー配線25dに対応して、第3実施例のダミー配線も「35d」という参照符号を付して示す。なお、第3実施例でも、ダミー配線35dの一部が、第2実施例の図3Kを流用して示すように、層間絶縁膜17中に残存してもよい。この場合も、ダミー配線35dが残る体積が小さい為、配線遅延への影響は小さい。
【0085】
第3実施例では、先にダミー溝30を形成し、後にビアホール32v及び配線溝32wを形成した。第3実施例の変形例として、先にビアホール32v及び配線溝32wを形成し、後にダミー溝30を形成するようにしてもよい。
【0086】
なお、第3実施例において、先にビアホール32vを形成し、後に配線溝32wを形成したが、先に配線溝32wを形成し、後にビアホール32vを形成するようにしてもよい。また、第3実施例の変形例においても、先にビアホール32vを形成し、後に配線溝32wを形成するようにしても、先に配線溝32wを形成し、後にビアホール32vを形成するようにしてもよい。
【0087】
なお、さらに、ビアホール32vの形成と配線溝32wの形成との間、あるいは、配線溝32wの形成とビアホール32vの形成との間に、ダミー溝30を形成するような形成手順の変形例も考えられる。
【0088】
なお、第3実施例においてダミー溝30が、ビアホール32v形成前の図4Cの工程と、配線溝32w形成前の図4Fの工程とで埋められたように、最初に形成された凹部が、最も多く埋められて、埋め込み材の除去回数が最も多くなる。従って、埋め込み材除去を容易にする観点からは、最も浅いダミー溝30を、最初に形成するのがよいであろう。また、広く深い配線溝32wを埋めれば埋め込み材が最も多くなり、埋め込み材が除去しにくくなるので、配線溝32wを埋めなくてよいように、配線溝32wは最後に形成するのがよいであろう。
【0089】
第2、第3実施例のデュアルダマシンによる配線形成においても、第1実施例のシングルダマシンによる配線形成と同様に、ダミー配線25d、35dにより、低誘電率の層間絶縁膜17の研磨における面内の研磨レートの均一化が図られ、エロージョン等が抑制される。また、ダミー配線25d、35dが、少なくとも配線25w、35wよりも浅く形成されていることにより、研磨後に残存するダミー配線の体積を少なくでき、ダミー配線に起因する配線遅延が抑制される。ダミー配線の配置の自由度が向上する。
【0090】
第2、第3実施例のデュアルダマシンにおけるダミー配線25d、35dも、第1実施例のシングルダマシンにおけるダミー配線15dと同様に、研磨後の配線構造に残ったとしても、同一層の配線25w、35wや、下層及び上層の配線とは接続されないので、電気的に独立したフローティング状態となる。
【0091】
以上、第1〜第3実施例及びそれらの変形例で説明したように、少なくとも、シングルダマシンの配線あるいはデュアルダマシンの配線よりも、浅いダミー配線を形成することにより、エロージョン等を抑制できるとともに、ダミー配線の残存に起因する配線遅延を抑制できる。
【0092】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0093】
以上説明した第1〜第3実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
半導体基板上方に、絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に、第1の深さを有するダミー溝と、前記第1の深さよりも深い第2の深さを有する配線溝と、前記配線溝の底面に配置されるビアホールとを形成する凹部形成工程と、
前記ダミー溝内、前記配線溝内、前記ビアホール内、及び前記絶縁膜上方に、導電材を堆積させる工程と、
前記絶縁膜上方の前記導電材を研磨除去する工程と
を有する半導体装置の製造方法。
(付記2)
前記凹部形成工程は、
前記ダミー溝と、前記ビアホールが形成される位置に形成される溝とを共通のエッチングで形成する工程と、
前記ダミー溝及び前記溝をフォトレジストで埋める工程と、
前記フォトレジストを露光し、前記溝上に、前記配線溝を画定するレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンをマスクとして前記絶縁膜をエッチングし、前記配線溝を形成する工程と
を有する付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記3)
前記凹部形成工程において、前記ダミー溝を形成した後、前記ビアホールと前記配線溝とを形成する付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記4)
前記凹部形成工程において、前記ダミー溝と前記ビアホールとを形成した後、前記配線溝を形成する付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記5)
前記凹部形成工程において、前記ダミー溝、前記ビアホール、及び前記配線溝を形成するエッチングを、共通の膜を用いたハードマスクを使って行う付記1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記6)
半導体基板上方に、絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に、第1の深さを有するダミー溝を形成する工程と、
前記ダミー溝に埋め込み材を埋め込む工程と、
前記絶縁膜に、前記第1の深さよりも深い第2の深さを有する配線溝を形成する工程と、
前記埋め込み材を前記ダミー溝から除去する工程と、
前記ダミー溝内、前記配線溝内、及び前記絶縁膜上方に、導電材を堆積させる工程と、
前記絶縁膜上方の前記導電材を研磨除去する工程と
を有する半導体装置の製造方法。
(付記7)
前記埋め込み材はフォトレジストであり、
前記ダミー溝に埋め込み材を埋め込む工程において、前記フォトレジストを前記絶縁膜上に形成してダミー溝を埋め、
前記配線溝を形成する工程において、前記フォトレジストを露光して前記配線溝を画定するレジストパターンを形成し、前記レジストパターンをマスクとして、前記絶縁膜をエッチングする付記6に記載の半導体装置の製造方法。
(付記8)
前記ダミー溝を形成する工程、及び、前記配線溝を形成する工程において、前記ダミー溝及び前記配線溝を形成するエッチングを、共通の膜を用いたハードマスクを使って行う付記6または7に記載の半導体装置の製造方法。
(付記9)
前記絶縁膜上方の前記導電材を研磨除去する工程の後、前記絶縁膜上部を研磨除去する工程をさらに有する付記1または6に記載の半導体装置の製造方法。
(付記10)
前記絶縁膜上部を研磨除去する工程において、前記ダミー溝内の前記導電材を除去する付記9に記載の半導体装置の製造方法。
(付記11)
前記絶縁膜上部を研磨除去する工程において、前記絶縁膜が研磨除去される深さと、前記ダミー溝の深さとが等しい付記9または10に記載の半導体装置の製造方法。
(付記12)
前記絶縁膜上部を研磨除去する工程において、前記ダミー溝内の前記導電材が全厚さは除去されず残り、残った前記ダミー溝内の前記導電材は、電気的に独立したフローティング状態であり、前記配線溝内の前記導電材は、下層の配線と電気的に接続されている付記9〜11のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記13)
前記絶縁膜を形成する工程において、有機物を含み比誘電率が3.0以下の低誘電率の前記絶縁膜を形成する付記1〜12のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記14)
前記絶縁膜を形成する工程において、メチル基を有する有機シラン及びメチル基を有する有機シロキサンからなる群から選択された材料を用いて、CVD、プラズマ促進CVD、及び回転塗布のいずれか1つまたはこれらの成膜法の組合せにより、前記絶縁膜を形成する付記13に記載の半導体装置の製造方法。
(付記15)
前記導電材を堆積させる工程において、銅を含む導電材を堆積させる付記1〜14のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記16)
前記絶縁膜上部を研磨除去する工程において、化学機械研磨で前記絶縁膜上部を研磨除去する付記1〜15のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記17)
半導体基板上に形成された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜に形成され、第1の深さを有する第1溝と、
前記第1溝内に形成された第1導電部と、
前記第1絶縁膜に形成され、前記第1の深さよりも浅い第2の深さを有する第2溝と、
前記第2溝内に形成された第2導電部と、
前記第1導電部の下方の前記第1絶縁膜内に形成され、前記第1導電部に電気的に接続された導電ビアと
を有することを特徴とする半導体装置。
【符号の説明】
【0094】
1 半導体基板
2 素子分離絶縁膜
3 MOSトランジスタ
4 層間絶縁膜
5 コンタクトプラグ
6、16 エッチングストッパ膜
7、17 層間絶縁膜
8、18 ハードマスク膜
8m、18m、28m ハードマスク
9rp、11rp、19rp、21rp、29rp、31rp、33rp レジストパターン
10、20d、30 ダミー溝
12、22、32w 配線溝
20v´ ビアホールが形成される位置に形成される溝
20v、32v ビアホール
15d、25d、35d ダミー配線
25v、35v ビア
15w、25w、35w 配線
13、23、34 導電膜(バリアメタル膜)
14、24 シード膜
15、25 めっき膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上方に、絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に、第1の深さを有するダミー溝と、前記第1の深さよりも深い第2の深さを有する配線溝と、前記配線溝の底面に配置されるビアホールとを形成する凹部形成工程と、
前記ダミー溝内、前記配線溝内、前記ビアホール内、及び前記絶縁膜上方に、導電材を堆積させる工程と、
前記絶縁膜上方の前記導電材を研磨除去する工程と
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記凹部形成工程は、
前記ダミー溝と、前記ビアホールが形成される位置に形成される溝とを共通のエッチングで形成する工程と、
前記ダミー溝及び前記溝をフォトレジストで埋める工程と、
前記フォトレジストを露光し、前記溝上に、前記配線溝を画定するレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンをマスクとして前記絶縁膜をエッチングし、前記配線溝を形成する工程と
を有する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記凹部形成工程において、前記ダミー溝を形成した後、前記ビアホールと前記配線溝とを形成する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記凹部形成工程において、前記ダミー溝、前記ビアホール、及び前記配線溝を形成するエッチングを、共通の膜を用いたハードマスクを使って行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
半導体基板上方に、絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に、第1の深さを有するダミー溝を形成する工程と、
前記ダミー溝に埋め込み材を埋め込む工程と、
前記絶縁膜に、前記第1の深さよりも深い第2の深さを有する配線溝を形成する工程と、
前記埋め込み材を前記ダミー溝から除去する工程と、
前記ダミー溝内、前記配線溝内、及び前記絶縁膜上方に、導電材を堆積させる工程と、
前記絶縁膜上方の前記導電材を研磨除去する工程と
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記ダミー溝を形成する工程、及び、前記配線溝を形成する工程において、前記ダミー溝及び前記配線溝を形成するエッチングを、共通の膜を用いたハードマスクを使って行う請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記絶縁膜上方の前記導電材を研磨除去する工程の後、前記絶縁膜上部を研磨除去する工程をさらに有する請求項1または5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記絶縁膜上部を研磨除去する工程において、前記ダミー溝内の前記導電材を除去する請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記絶縁膜上部を研磨除去する工程において、前記ダミー溝内の前記導電材が全厚さは除去されず残り、残った前記ダミー溝内の前記導電材は、電気的に独立したフローティング状態であり、前記配線溝内の前記導電材は、下層の配線と電気的に接続されている請求項7または8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
半導体基板上に形成された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜に形成され、第1の深さを有する第1溝と、
前記第1溝内に形成された第1導電部と、
前記第1絶縁膜に形成され、前記第1の深さよりも浅い第2の深さを有する第2溝と、
前記第2溝内に形成された第2導電部と、
前記第1導電部の下方の前記第1絶縁膜内に形成され、前記第1導電部に電気的に接続された導電ビアと
を有することを特徴とする半導体装置。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【公開番号】特開2012−15268(P2012−15268A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149354(P2010−149354)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】