説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】ゲート電極の形状を精度良く形成すると共に、隣り合うゲート電極同士がショートすることを防止する。
【解決手段】開口部を有するマスク16Mを用いて、導電膜15にイオンを注入し、ミキシング膜20Xを形成する。次に、マスクを除去した後、導電膜及びミキシング膜の上に、平面形状がライン形状のレジストパターン21を形成する。次に、レジストパターンをマスクとして、導電膜及びミキシング膜をエッチングし、導電膜15aを有するゲート電極を形成すると共に、ゲート電極のゲート幅方向の側面の上に、ミキシング膜20xを残存させる。次に、熱処理により、ミキシング膜に含まれるイオンと、元素(元素は、導電膜に由来する)とを反応させて、絶縁膜24xを形成する。絶縁膜は、ゲート電極と一体に形成されている。絶縁膜により、ゲート電極と、該ゲート電極とゲート幅方向に沿って隣り合う他のゲート電極との間が電気的に分離されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、SRAM(Static Random Access Memory)回路に含まれるトランジスタを備えた半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、集積回路の高速信号処理技術及び高集積化技術の発展が目覚しい。集積回路の高速信号処理を目的に、高誘電率ゲート絶縁膜、及び高融点金属を含むゲート電極を用いて、トランジスタ性能を向上させることが提案されている。一方、集積回路の高集積化を目的に、トランジスタの微細化が要求され、特に、SRAM回路に含まれるトランジスタの高密度化が要求されている。
【0003】
1回のパターニングによりゲート電極を形成するシングルパターニング技術の場合、図18(a) に示すように、ゲート電極102xと、該ゲート電極102xとゲート幅方向に沿って隣り合う他のゲート電極との間隙Gxを狭くすることが困難であり、トランジスタの高密度化が困難である。
【0004】
そこで、2回のパターニングによりゲート電極を形成するダブルパターニング技術により、トランジスタを高密度化することが検討されている。ダブルパターニング技術の場合、図18(b) に示すように、ゲート電極102yと、該ゲート電極102yとゲート幅方向に沿って隣り合う他のゲート電極との間隙Gyを狭くすることが可能であり、トランジスタの高密度化が可能である。なお、図18(a) 及び(b) において、100a〜100dは、活性領域であり、101は、素子分離領域である。
【0005】
以下に、ハードマスクを用いたダブルパターニング技術により、半導体装置を製造する方法について、図19(a) 及び(b) 〜図23(a) 及び(b) を参照しながら説明する(例えば特許文献1参照)。図19(a) 〜図23(a) は、第1の従来の半導体装置の製造方法を工程順に示す平面図である。図19(b) 〜図23(b) は、第1の従来の半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート幅方向の断面図である。
【0006】
まず、図19(a) 及び(b) に示すように、半導体基板200の上部に、素子分離領域201を形成する。これにより、半導体基板200に、素子分離領域201により区画された活性領域200a〜200dを形成する。
【0007】
その後、半導体基板200の上に、ゲート絶縁膜用膜202、ゲート電極用膜203及びハードマスク用膜204を順次形成する。ハードマスク用膜204は、窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
【0008】
その後、ハードマスク用膜204の上に、第1のレジストパターン205を形成する。第1のレジストパターン205の平面形状は、図19(a) に示すように、ライン形状であり、ゲート幅方向に沿って伸びている。
【0009】
次に、図20(a) 及び(b) に示すように、第1のレジストパターン205をマスクとして、ドライエッチングにより、ハードマスク用膜204をパターニングして、ハードマスク用膜204aを形成する。その後、第1のレジストパターン205を除去する。
【0010】
次に、図21(a) 及び(b) に示すように、ゲート電極用膜203及びハードマスク用膜204aの上に、開口部を有する第2のレジストパターン206を形成する。
【0011】
次に、図22(a) 及び(b) に示すように、第2のレジストパターン206をマスクとして、ドライエッチングにより、ハードマスク用膜204aをパターニングして、ハードマスク204bを形成する。その後、第2のレジストパターン206を除去する。
【0012】
次に、図23(a) 及び(b) に示すように、ハードマスク204bを用いて、ドライエッチングにより、ゲート電極用膜203及びゲート絶縁膜用膜202を順次パターニングする。これにより、活性領域200a〜200dの上に、ゲート絶縁膜202a〜202d及びゲート電極203a〜203dを順次形成する。その後、ハードマスク204bを除去する。
【0013】
このようにして、高密度化されたトランジスタを含むSRAM回路を備えた半導体装置を製造する。
【0014】
以下に、ハードマスクを用いないダブルパターニング技術により、半導体装置を製造する方法について、図24(a) 及び(b) 〜図28(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図24(a) 〜図28(a) は、第2の従来の半導体装置の製造方法を工程順に示す平面図である。図24(b) 〜図28(b) は、第2の従来の半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート幅方向の断面図である。
【0015】
まず、図24(a) 及び(b) に示すように、半導体基板300の上部に、素子分離領域301を形成する。これにより、半導体基板300に、素子分離領域301により区画された活性領域300a〜300dを形成する。
【0016】
その後、半導体基板300の上に、ゲート絶縁膜用膜302及びゲート電極用膜303を順次形成する。
【0017】
次に、図25(a) 及び(b) に示すように、ゲート電極用膜303の上に、開口部を有する第1のレジストパターン304を形成する。
【0018】
次に、図26(a) 及び(b) に示すように、第1のレジストパターン304をマスクとして、ドライエッチングにより、ゲート電極用膜303及びゲート絶縁膜用膜302を順次パターニングする。これにより、開口部を有するゲート絶縁膜用膜302x及び開口部を有するゲート電極用膜303xを形成する。その後、第1のレジストパターン304を除去する。
【0019】
次に、図27(a) 及び(b) に示すように、ゲート電極用膜303xの上に、開口部を埋め込むように、第2のレジストパターン305を形成する。第2のレジストパターン305の平面形状は、図27(a) に示すように、ライン形状であり、ゲート幅方向に沿って伸びている。
【0020】
次に、図28(a) 及び(b) に示すように、第2のレジストパターン305をマスクとして、ドライエッチングにより、ゲート電極用膜303x及びゲート絶縁膜用膜302xを順次パターニングする。これにより、活性領域300a〜300dの上に、ゲート絶縁膜302a〜302d及びゲート電極303a〜303dを順次形成する。その後、第2のレジストパターン305を除去する。
【0021】
このようにして、高密度化されたトランジスタを含むSRAM回路を備えた半導体装置を製造する。
【0022】
なお、第2の従来の半導体装置の製造方法では、開口部を有する第1のレジストパターン304をマスクとして、開口部を有するゲート電極用膜303xを形成した後、平面形状がライン形状の第2のレジストパターン305をマスクとして、ゲート電極303a〜303dを形成する場合を具体例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
【0023】
例えば、平面形状がライン形状の第2のレジストパターンをマスクとして、平面形状がライン形状のゲート電極用膜を形成した後、開口部を有する第1のレジストパターンをマスクとして、ゲート電極を形成してもよい。以下、この半導体装置の製造方法を、第2の従来の変形例の半導体装置の製造方法という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0055617(US 2010/0055617 A1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
しかしながら、第1の従来の半導体装置の製造方法では、以下に示す問題がある。
【0026】
窒化シリコン又は酸化シリコンからなるハードマスク204bを用いて、ドライエッチングにより、ゲート電極203a〜203dを形成する場合、通常、ドライエッチング用ガスとして、ハードマスク204bがエッチングされ難いCl2又はHBr等のガスを用いる。
【0027】
しかしながら、Cl2又はHBr等のガスを用いたドライエッチングは、CF4、SF6又はNF3等のフッ素系ガスを用いたドライエッチングと比べて、ゲート電極203a〜203dの側面が半導体基板200の主面に対して垂直となるように、ゲート電極用膜203をパターニングすることが難しく、ゲート電極203a〜203dの形状を精度良く形成することができないという問題がある。
【0028】
特に、Cl2又はHBr等のガスを用いたドライエッチングにより、デュアルゲート型のトランジスタに含まれるn型ゲート電極及びp型ゲート電極を形成した場合、燐イオン等が注入されたn型ゲート電極と、ホウ素イオン等が注入されたp型ゲート電極との間に、形状差が生じる。
【0029】
仮に、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、ゲート電極を形成した場合、ハードマスクがエッチングされ易いため、ハードマスクを厚膜化する必要があり、ゲート電極の形状を、安定して精度良く形成することが困難である。
【0030】
このように、第1の従来の半導体装置の製造方法では、ゲート電極の形状を精度良く形成することができないという問題がある。
【0031】
一方、第2の従来の半導体装置の製造方法では、以下に示す問題がある。
【0032】
図27(b) に示すように、第2のレジストパターン305が、開口部を有するゲート電極用膜303xの上に形成される。言い換えれば、第2のレジストパターン305が、段差部を有するゲート電極用膜303xの上に形成される。このため、第2のレジストパターン305(特に、第2のレジストパターン305における開口部の近傍に位置する部分)の形状を精度良く形成することができない。このため、形状が精度良く形成されていない第2のレジストパターン305をマスクとして、ゲート電極303a〜303dを形成せざるを得ず、ゲート電極303a〜303dの形状を精度良く形成することができないという問題がある。
【0033】
さらに、第2のレジストパターン305をマスクとしたドライエッチング時に、ゲート長方向に沿って隣り合うゲート電極同士の間の領域Rl(図28(a) 参照)に、ゲート電極用膜の残渣が発生する懸念がある。領域Rlに、ゲート電極用膜の残渣が発生した場合、ゲート電極と、該ゲート電極とゲート長方向に沿って隣り合う他のゲート電極とが、ショートするという問題がある。
【0034】
なお、第2の従来の変形例の半導体装置の製造方法では、次に示す問題がある。第1のレジストパターンをマスクとしたドライエッチング時に、ゲート幅方向に沿って隣り合うゲート電極同士の間の領域Rw(図28(a) 参照)に、ゲート電極用膜の残渣が発生する懸念がある。領域Rwに、ゲート電極用膜の残渣が発生した場合、ゲート電極と、該ゲート電極とゲート幅方向に沿って隣り合う他のゲート電極とが、ショートするという問題がある。
【0035】
このように、第2の従来の半導体装置の製造方法では、ゲート電極の形状を精度良く形成することができないという問題、及び隣り合うゲート電極同士がショートするという問題がある。
【0036】
前記に鑑み、本発明の目的は、ゲート電極の形状を精度良く形成すると共に、隣り合うゲート電極同士がショートすることを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0037】
前記の目的を達成するために、本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の上に、導電膜を形成する工程(a)と、導電膜の上に、開口部を有するマスクを形成する工程(b)と、マスクを用いて、導電膜にイオンを注入し、導電膜におけるマスクの開口部から露出する部分に、イオンを含むミキシング膜を形成する工程(c)と、マスクを除去した後、導電膜及びミキシング膜の上に、平面形状がライン形状のレジストパターンを形成する工程(d)と、レジストパターンをマスクとして、導電膜及びミキシング膜をエッチングし、導電膜を有するゲート電極を形成すると共に、ゲート電極のゲート幅方向の側面の上に、ミキシング膜を残存させる工程(e)と、工程(e)の後に、熱処理により、ミキシング膜に含まれるイオンと、導電膜に含まれる元素とを反応させて、絶縁膜を形成する工程(f)とを備え、絶縁膜は、ゲート電極と一体に形成され、絶縁膜により、ゲート電極と、該ゲート電極とゲート幅方向に沿って隣り合う他のゲート電極との間が電気的に分離されていることを特徴とする。
【0038】
本発明に係る半導体装置の製造方法によると、イオンが注入されたミキシング膜を形成した後、熱処理により、ミキシング膜に含まれるイオンと元素とを反応させて、ゲート幅方向に沿って隣り合うゲート電極同士の間を電気的に分離する絶縁膜を設ける。このため、1回のパターニングにより、ゲート電極を形成することができる。
【0039】
加えて、導電膜及びミキシング膜の上に、レジストパターンを形成し、平坦面(段差部を有さない面)の上に、レジストパターンを形成することができる。このため、レジストパターンの形状を精度良く形成することができる。さらに、レジストパターンの平面形状は、ライン形状であり、レジストパターンと間隔とを、ゲート長方向に沿って、交互に繰り返して配列させることができる。このため、レジストパターンの形状を精度良く形成することができる。従って、形状が精度良く形成されたレジストパターンをマスクとして、導電膜を有するゲート電極を形成することができるため、ゲート電極の形状を精度良く形成することができる。
【0040】
さらに、熱処理の前に、導電膜及びミキシング膜に対して、エッチングを行う。このため、互いにエッチング特性が実質的に同じ導電膜及びミキシング膜に対して、エッチングを行うことができる。このため、同一のエッチング条件で、導電膜及びミキシング膜を精度良くエッチングすることができる。
【0041】
さらに、仮に、ミキシング膜の形成領域以外の領域に、ミキシング膜の残渣が発生することがあっても、その後に行う熱処理により、絶縁膜となるため、ゲート電極と、該ゲート電極とゲート長方向に沿って隣り合う他のゲート電極とが、ショートすることを防止することができる。
【0042】
さらに、ゲート電極と、該ゲート電極とゲート幅方向に沿って隣り合う他のゲート電極との間隔、言い換えれば、絶縁膜のゲート幅方向の間隔を狭くすることができるため、トランジスタを高密度化することができる。
【0043】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、絶縁膜は、ゲート電極とゲート幅方向に沿って隣り合う他のゲート電極と一体に形成されることが好ましい。
【0044】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(a)の前に、半導体基板に、素子分離領域を形成する工程(g)をさらに備え、工程(a)は、半導体基板における素子分離領域により区画された活性領域、及び素子分離領域の上に、導電膜を形成する工程を含み、工程(b)において、マスクの開口部から、導電膜における素子分離領域の上に形成された部分を露出し、工程(e)は、活性領域の上に、ゲート電極を形成すると共に、素子分離領域の上に、ミキシング膜を残存させる工程を含み、工程(f)において、絶縁膜は、素子分離領域の上に形成されることが好ましい。
【0045】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(a)は、半導体基板の上に、高融点金属を含む第1の導電膜を形成する工程(a1)と、第1の導電膜の上に、シリコンを含む第2の導電膜を形成して、第1の導電膜及び第2の導電膜を有する導電膜を形成する工程(a2)とを含み、工程(c)は、第1の導電膜にイオンを注入し、イオンを含む第1のミキシング膜を形成すると共に、第2の導電膜にイオンを注入し、イオンを含む第2のミキシング膜を形成して、第1のミキシング膜及び第2のミキシング膜を有するミキシング膜を形成する工程を含み、工程(f)は、第1のミキシング膜に含まれるイオンと、高融点金属とを反応させて、第1の絶縁膜を形成すると共に、第2のミキシング膜に含まれるイオンと、シリコンとを反応させて、第2の絶縁膜を形成して、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜を有する絶縁膜を形成する工程を含むことが好ましい。
【0046】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、高融点金属は、Al、Fe、Cu、Ni、Co、Ti、Ta、Nb、W、Mo及びVのうちの少なくとも1つであることが好ましい。
【0047】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、イオンは、酸素イオン及び窒素イオンのうちの少なくとも1つであることが好ましい。
【0048】
前記の目的を達成するために、本発明に係る半導体装置は、半導体基板の上に形成された導電膜を有するゲート電極と、ゲート電極のゲート幅方向の側面の上に形成され、導電膜に含まれる元素を含む絶縁膜とを備え、絶縁膜は、ゲート電極と一体に形成され、絶縁膜により、ゲート電極と、該ゲート電極とゲート幅方向に沿って隣り合う他のゲート電極との間が電気的に分離されていることを特徴とする。
【0049】
本発明に係る半導体装置によると、ゲート電極の形状を精度良く形成すると共に、隣り合うゲート電極同士がショートすることを防止することができる。さらに、トランジスタを高密度化することができる。
【0050】
本発明に係る半導体装置において、絶縁膜は、ゲート電極とゲート幅方向に沿って隣り合う他のゲート電極と一体に形成されていることが好ましい。
【0051】
本発明に係る半導体装置において、絶縁膜は、導電膜にイオンを注入した後、熱処理により、イオンと導電膜に含まれる元素とを反応させた絶縁膜であることが好ましい。
【0052】
本発明に係る半導体装置において、イオンは、酸素イオン及び窒素イオンのうちの少なくとも1つであることが好ましい。
【0053】
本発明に係る半導体装置において、半導体基板における素子分離領域により区画された活性領域をさらに備え、ゲート電極は、活性領域の上に形成され、絶縁膜は、素子分離領域の上に形成されていることが好ましい。
【0054】
本発明に係る半導体装置において、導電膜は、高融点金属を含む第1の導電膜及び第1の導電膜の上に形成されたシリコンを含む第2の導電膜を有し、絶縁膜は、高融点金属を含む第1の絶縁膜及び第1の絶縁膜の上に形成されたシリコンを含む第2の絶縁膜を有していることが好ましい。
【0055】
本発明に係る半導体装置において、第1の絶縁膜は、第1の導電膜のゲート幅方向の側面の上に形成され、第2の絶縁膜は、第2の導電膜のゲート幅方向の側面の上に形成され、第1の絶縁膜は、第1の導電膜と一体に形成され、第2の絶縁膜は、第2の導電膜と一体に形成されていることが好ましい。
【0056】
本発明に係る半導体装置において、高融点金属は、Al、Fe、Cu、Ni、Co、Ti、Ta、Nb、W、Mo及びVのうちの少なくとも1つであることが好ましい。
【発明の効果】
【0057】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、ゲート電極の形状を精度良く形成すると共に、隣り合うゲート電極同士がショートすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1(a) 及び(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す図である。図1(a) は、平面図であり、図1(b) は、図1(a) に示すIb-Ib線における断面図である。
【図2】図2(a) 及び(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図2(a) は、平面図であり、図2(b) は、図2(a) に示すIIb-IIb線における断面図である。
【図3】図3(a) 及び(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図3(a) は、平面図であり、図3(b) は、図3(a) に示すIIIb-IIIb線における断面図である。
【図4】図4(a) 及び(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図4(a) は、平面図であり、図4(b) は、図4(a) に示すIVb-IVb線における断面図である。
【図5】図5(a) 及び(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図5(a) は、平面図であり、図5(b) は、図5(a) に示すVb-Vb線における断面図である。
【図6】図6(a) 及び(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図6(a) は、平面図であり、図6(b) は、図6(a) に示すVIb-VIb線における断面図である。
【図7】図7(a) 及び(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図7(a) は、平面図であり、図7(b) は、図7(a) に示すVIIb-VIIb線における断面図である。
【図8】図8(a) 及び(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図8(a) は、平面図であり、図8(b) は、図8(a) に示すVIIIb-VIIIb線における断面図である。
【図9】加速電圧と注入深さとの関係を示す図である。
【図10】注入ドーズ量と膜厚との関係を示す図である。
【図11】図11(a) 及び(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図11(a) は、平面図であり、図11(b) は、図11(a) に示すXIb-XIb線における断面図である。
【図12】図12(a) 及び(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図12(a) は、平面図であり、図12(b) は、図12(a) に示すXIIb-XIIb線における断面図である。
【図13】図13(a) 及び(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図13(a) は、平面図であり、図13(b) は、図13(a) に示すXIIIb-XIIIb線における断面図である。
【図14】図14(a) 及び(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図14(a) は、平面図であり、図14(b) は、図14(a) に示すXIVb-XIVb線における断面図である。
【図15】図15(a) 及び(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図15(a) は、平面図であり、図15(b) は、図15(a) に示すXVb-XVb線における断面図である。
【図16】図16(a) 及び(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図16(a) は、平面図であり、図16(b) は、図16(a) に示すXVIb-XVIb線における断面図である。
【図17】図17(a) 及び(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図17(a) は、平面図であり、図17(b) は、図17(a) に示すXVIIb-XVIIb線における断面図である。
【図18】図18(a) は、シングルパターニング技術により得られたSRAM回路の構成について示す平面図である。図18(b) は、ダブルパターニング技術により得られたSRAM回路の構成について示す平面図である。
【図19】図19(a) 及び(b) は、第1の従来の半導体装置の製造方法を示す図である。図19(a) は、平面図であり、図19(b) は、図19(a) に示すXIXb-XIXb線における断面図である。
【図20】図20(a) 及び(b) は、第1の従来の半導体装置の製造方法を示す図である。図20(a) は、平面図であり、図20(b) は、図20(a) に示すXXb-XXb線における断面図である。
【図21】図21(a) 及び(b) は、第1の従来の半導体装置の製造方法を示す図である。図21(a) は、平面図であり、図21(b) は、図21(a) に示すXXIb-XXIb線における断面図である。
【図22】図22(a) 及び(b) は、第1の従来の半導体装置の製造方法を示す図である。図22(a) は、平面図であり、図22(b) は、図22(a) に示すXXIIb-XXIIb線における断面図である。
【図23】図23(a) 及び(b) は、第1の従来の半導体装置の製造方法を示す図である。図23(a) は、平面図であり、図23(b) は、図23(a) に示すXXIIIb-XXIIIb線における断面図である。
【図24】図24(a) 及び(b) は、第2の従来の半導体装置の製造方法を示す図である。図24(a) は、平面図であり、図24(b) は、図24(a) に示すXXIVb-XXIVb線における断面図である。
【図25】図25(a) 及び(b) は、第2の従来の半導体装置の製造方法を示す図である。図25(a) は、平面図であり、図25(b) は、図25(a) に示すXXVb-XXVb線における断面図である。
【図26】図26(a) 及び(b) は、第2の従来の半導体装置の製造方法を示す図である。図26(a) は、平面図であり、図26(b) は、図26(a) に示すXXVIb-XXVIb線における断面図である。
【図27】図27(a) 及び(b) は、第2の従来の半導体装置の製造方法を示す図である。図27(a) は、平面図であり、図27(b) は、図27(a) に示すXXVIIb-XXVIIb線における断面図である。
【図28】図28(a) 及び(b) は、第2の従来の半導体装置の製造方法を示す図である。図28(a) は、平面図であり、図28(b) は、図28(a) に示すXXVIIIb-XXVIIIb線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置について、図1(a) 及び(b) を参照しながら説明する。図1(a) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成について示す平面図である。図1(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成について示すゲート幅方向の断面図である。図1(b) において、左側に、第1のトランジスタ領域Tr1を示し、右側に、第2のトランジスタ領域Tr2を示す。「第1のトランジスタ領域」とは、第1のトランジスタが形成される領域をいう。「第2のトランジスタ領域」とは、第2のトランジスタが形成される領域をいう。第1,第2のトランジスタは、例えばSRAM回路に用いられるトランジスタである。
【0060】
図1(a) 及び(b) に示すように、半導体基板10の上部には、素子分離領域11が形成されている。半導体基板10には、素子分離領域11により区画された活性領域10a〜10dが形成されている。
【0061】
活性領域10a〜10dの上には、ゲート絶縁膜12a〜12d、及び導電膜(後述の図8(a) 及び(b):15a〜15d参照)を有するゲート電極15A〜15Dが順次形成されている。活性領域(図示省略)の上には、ゲート絶縁膜12e〜12f、及び導電膜を有するゲート電極15E〜15Fが順次形成されている。
【0062】
素子分離領域11の上には、導電膜に含まれる元素を含む絶縁膜24x〜24zが形成されている。元素は、例えばシリコンである。
【0063】
絶縁膜24x〜24zは、導電膜にイオンを注入した後、熱処理により、イオンと導電膜に含まれる元素とを反応させた絶縁膜である。イオンは、例えば酸素イオン及び窒素イオンのうちの少なくとも1つである。
【0064】
絶縁膜24xは、ゲート電極15Eのゲート幅方向の側面と、ゲート電極15Aのゲート幅方向の側面との間に形成されている。絶縁膜24yは、ゲート電極15Bのゲート幅方向の側面と、ゲート電極15Cのゲート幅方向の側面との間に形成されている。絶縁膜24zは、ゲート電極15Dのゲート幅方向の側面と、ゲート電極15Fのゲート幅方向の側面との間に形成されている。
【0065】
絶縁膜24xにより、ゲート電極15Eとゲート電極15Aとの間が、電気的に分離されている。絶縁膜24yにより、ゲート電極15Bとゲート電極15Cとの間が、電気的に分離されている。絶縁膜24zにより、ゲート電極15Dとゲート電極15Fとの間が、電気的に分離されている。
【0066】
ゲート絶縁膜12eと、ゲート絶縁膜12aと、ゲート絶縁膜12bと、ゲート絶縁膜12cと、ゲート絶縁膜12dと、ゲート絶縁膜12fとは、一体に形成されている。一体に形成されたゲート絶縁膜12a〜12fの平面形状は、図1(a) に示すように、例えばライン形状であり、ゲート幅方向に沿って伸びている。
【0067】
ゲート電極15Aとゲート電極15Bとは、一体に形成されている。ゲート電極15Cとゲート電極15Dとは、一体に形成されている。
【0068】
絶縁膜24xは、ゲート電極15E及びゲート電極15Aと一体に形成されている。絶縁膜24yは、ゲート電極15B及びゲート電極15Cと一体に形成されている。絶縁膜24zは、ゲート電極15D及びゲート電極15Fと一体に形成されている。
【0069】
よって、ゲート電極15Eと、絶縁膜24xと、ゲート電極15Aと、ゲート電極15Bと、絶縁膜24yと、ゲート電極15Cと、ゲート電極15Dと、絶縁膜24zと、ゲート電極15Fとは、一体に形成されている。一体に形成されたゲート電極15A〜15F及び絶縁膜24x〜24zの平面形状は、図1(a) に示すように、例えばライン形状であり、ゲート幅方向に沿って伸びている。
【0070】
なお、本実施形態では、ゲート電極15A、及びゲート電極15Aと一体に形成されたゲート電極15Bを有するデュアルゲート型のトランジスタを用いた場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0071】
例えば、1コのゲート電極のみを有するシングルゲート型のトランジスタを用いてもよい。この場合、絶縁膜は、ゲート電極のゲート幅方向の側面のうち、両方の側面の上に形成されている。これに対し、本実施形態の場合、絶縁膜24xは、ゲート電極15Aのゲート幅方向の側面のうち、一方の側面の上に形成されており、他方の側面は、ゲート電極15Bのゲート幅方向の側面と接している。同様に、絶縁膜24yは、ゲート電極15Bのゲート幅方向の側面のうち、一方の側面の上に形成されており、他方の側面は、ゲート電極15Aのゲート幅方向の側面と接している。
【0072】
同様に、本実施形態では、ゲート電極15C、及びゲート電極15Cと一体に形成されたゲート電極15Dを有するデュアルゲート型のトランジスタを用いた場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、1コのゲート電極のみを有するシングルゲート型のトランジスタを用いてもよい。
【0073】
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図2(a) 及び(b) 〜図8(a) 及び(b) を参照しながら説明する。図2(a) 〜図8(a) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す平面図である。図2(b) 〜図8(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート幅方向の断面図である。
【0074】
まず、図2(a) 及び(b) に示すように、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により、例えばシリコン(Si)からなる半導体基板10の上部に、例えば酸化シリコン(SiO2)からなる素子分離領域11を形成する。これにより、半導体基板10に、素子分離領域11により区画された活性領域10a〜10dを形成する。
【0075】
次に、図2(a) 及び(b) に示すように、例えばPVD(Physical Vapor Deposition)法又はALD(Atomic Layer Deposition)法により、半導体基板10の上に、例えば膜厚が2nmのハフニウム(Hf)を含む酸化物からなるゲート絶縁膜用膜12を形成する。
【0076】
次に、図2(a) 及び(b) に示すように、例えばLP−CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により、ゲート絶縁膜用膜12の上に、例えば膜厚が120nmのポリシリコンからなる導電膜15を形成する。
【0077】
次に、図2(a) 及び(b) に示すように、例えばCVD法により、導電膜15の上に、例えば膜厚が500nmの酸化シリコンからなるマスク用膜16を形成する。
【0078】
次に、図3(a) 及び(b) に示すように、例えば塗布法により、マスク用膜16の上に、例えば膜厚が250nmの第1のレジスト17aを形成する。その後、例えば塗布法により、第1のレジスト17aの上に、例えば膜厚が100nmのシリコンを含む第2のレジスト17bを形成する。その後、例えばフォトリソグラフィ法により、第2のレジスト17bの上に、第3のレジストパターン17cを形成する。第3のレジストパターン17cの第3の開口部の開口幅W17cは、例えば60nmである。
【0079】
次に、図4(a) 及び(b) に示すように、第3のレジストパターン17cをマスクとして、例えばCF4とCH22との混合ガスを用いたドライエッチングにより、第2のレジスト17bに、開口幅が例えば50nmの第2の開口部を形成する。これにより、第2のレジストパターンを形成する。その後、第2のレジストパターンをマスクとして、例えばO2とSO2との混合ガス又はO2とCO2との混合ガスを用いたドライエッチングにより、第1のレジスト17aに、開口幅が例えば35nmの第1の開口部を形成する。これにより、第1のレジストパターンを形成する。
【0080】
次に、図4(a) 及び(b) に示すように、第1のレジストパターンをマスクとして、例えばCF4とC46とO2とArとの混合ガスを用いたドライエッチングにより、マスク用膜16に、開口幅W16Mが例えば20nmの開口部を形成する。これにより、開口部を有するマスク16Mを形成する。マスク16Mの開口部から、導電膜15における素子分離領域11の上に形成された部分を露出させる。
【0081】
その後、例えばO2を用いたアッシング及び硫酸と過酸化水素水とを用いた薬液洗浄により、第1のレジストパターン、第2のレジストパターン及び第3のレジストパターン17cを除去する。
【0082】
このように、第2の開口部の開口幅(例えば50nm)を、第3の開口部の開口幅(例えば60nm)よりも10nmだけ縮小した後、第1の開口部の開口幅(例えば35nm)を、第2の開口部の開口幅(例えば50nm)よりも15nmだけ縮小する。即ち、開口幅を段階的に縮小する。これにより、シュリンク量(縮小量)を精度良く制御することができる。このため、開口幅が精度良く制御された第1のレジストパターンをマスクとして、マスク用膜16に開口部を形成することができるため、マスク16Mの開口部の開口幅を精度良く制御することができる。
【0083】
次に、図5(a) 及び(b) に示すように、例えばイオン注入法により、マスク16Mを用いて、導電膜15にイオンを注入する。これにより、導電膜15におけるマスク16Mの開口部から露出する部分に、イオンを含むミキシング膜20X〜20Zを形成する。イオンは、例えば酸素イオン及び窒素イオンのうちの少なくとも1つである。ミキシング膜20X〜20Zは、導電膜15に由来するシリコンを含む。
【0084】
ミキシング膜20X〜20Zは、導電膜15にイオンが注入された膜であるため、図5(b) に示すように、ミキシング膜20X〜20Zの上面は、導電膜15の上面と面一である。
【0085】
次に、図6(a) 及び(b) に示すように、例えばフッ酸を用いたウェットエッチングにより、マスク16Mを除去する。
【0086】
その後、例えばフォトリソグラフィ法により、導電膜15及びミキシング膜20X〜20Zの上に、レジストパターン21を形成する。レジストパターン21は、図6(a) に示すように、平面形状がライン形状であり、ゲート幅方向に沿って伸びている。
【0087】
本実施形態では、図6(b) に示すように、上面が互いに面一の導電膜15及びミキシング膜20X〜20Zの上に、レジストパターン21を形成する。このため、導電膜15の上面及びミキシング膜20X〜20Zの上面からなる平坦面(段差部を有さない面)の上に、レジストパターン21を形成することができる。このため、レジストパターン21の形状を精度良く形成することができる。さらに、本実施形態では、図6(a) に示すように、レジストパターン21の平面形状は、ライン形状であり、レジストパターン21と間隔とを、ゲート長方向に沿って、同一のピッチで交互に繰り返して配列させることができる。このため、第2の従来の半導体装置の製造方法のように、複雑な形状のレジストパターン(図25(a):304参照)ではなく、単純な形状のレジストパターン21を形成することができる。このため、レジストパターン21の形状を精度良く形成することができる。
【0088】
延いては、後述の通り、形状が精度良く形成されたレジストパターン21をマスクとして、導電膜(図7(a) 及び(b):15a〜15d参照)を有するゲート電極を形成することができるため、ゲート電極の形状を精度良く形成することができる。
【0089】
次に、図7(a) 及び(b) に示すように、レジストパターン21をマスクとして、導電膜15及びミキシング膜20X〜20Z並びにゲート絶縁膜用膜12に対して、例えばCF4、SF6、HBr、Cl2及びO2を含む混合ガスを用いたドライエッチングを段階的に行う。これにより、活性領域10a〜10dの上に、ゲート絶縁膜12a〜12d、及び導電膜15a〜15dを有するゲート電極を順次形成する。それと共に、素子分離領域11の上に、ミキシング膜20x〜20zを残存させる。
【0090】
その後、例えばアッシング及び洗浄により、レジストパターン21を除去する。
【0091】
本実施形態では、ミキシング膜20X〜20Zは、導電膜15にイオンが注入された膜であるため、ミキシング膜20X〜20Zのエッチング特性を、導電膜15のエッチング特性と実質的に同じにすることができる。このため、同一のエッチング条件で、導電膜15及びミキシング膜20X〜20Zを精度良くエッチングすることができる。
【0092】
本実施形態では、仮に、ミキシング膜20x〜20zの形成領域以外の領域(図28(a):Rl参照)に、ミキシング膜20X〜20Zの残渣が発生することがあっても、その後に行う熱処理により、絶縁膜となるため、ゲート電極と、該ゲート電極とゲート長方向に沿って隣り合う他のゲート電極とが、ショートすることを防止することができる。
【0093】
本実施形態では、前述の通り、形状が精度良く形成されたレジストパターン21をマスクとして、導電膜15a〜15dを有するゲート電極を形成することができるため、ゲート電極の形状を精度良く形成することができる。
【0094】
次に、図8(a) 及び(b) に示すように、熱処理を行う。これにより、ミキシング膜20x〜20zに含まれるイオンと、シリコン(シリコンは、導電膜15に由来する元素である)とを反応させて、例えばシリコンを含む絶縁膜24x〜24zを形成する。第1に例えば、ミキシング膜20x〜20zに含まれるイオンが、酸素イオンの場合、絶縁膜24x〜24zは、酸化シリコンからなる。第2に例えば、ミキシング膜20x〜20zに含まれるイオンが、窒素イオンの場合、絶縁膜24x〜24zは、窒化シリコンからなる。第3に例えば、ミキシング膜20x〜20zに含まれるイオンが、酸素イオン及び窒素イオンの場合、絶縁膜24x〜24zは、酸窒化シリコンからなる。
【0095】
以上のようにして、本実施形態に係る半導体装置を製造することができる。
【0096】
以下に、導電膜15にイオンを注入するイオン注入条件について、図9及び図10を参照しながら説明する。図9は、加速電圧と注入深さとの関係を示す図である。図10は、注入ドーズ量と膜厚との関係を示す図である。
【0097】
図9の測定条件は、次の通りである。一定の注入ドーズ量及びある加速電圧のイオン注入条件で、例えばポリシリコン膜からなる導電膜に、酸素イオン又は窒素イオンを注入する。これにより、ある注入深さを有するミキシング膜を形成する。このときの加速電圧と注入深さとの関係を、図9に示す。
【0098】
図10の測定条件は、次の通りである。一定の加速電圧及びある注入ドーズ量のイオン注入条件で、例えばポリシリコン膜からなる導電膜に、酸素イオン又は窒素イオンを注入する。その後、例えば1100℃で10秒の熱処理及び例えば700℃で3時間の熱処理を行う。これにより、ある膜厚を有する酸化シリコン又は窒化シリコンからなる絶縁膜を形成する。このときの注入ドーズ量と膜厚との関係を、図10に示す。
【0099】
図9及び図10に示す太線は、導電膜に注入されるイオンとして、酸素イオンを用いた場合について示す。図9及び図10に示す細線は、導電膜に注入されるイオンとして、窒素イオンを用いた場合について示す。
【0100】
図9及び図10から判るように、図5(a) 及び(b) に示す工程において、導電膜15に注入するイオンとして、酸素イオンを用いた場合、最適なイオン注入条件は、例えば、次の通りである。まず、加速電圧5keV及び注入ドーズ量2.5×1017(=2.5E+17)ions/cm2のイオン注入条件で、導電膜15に酸素イオンを注入する。続いて、加速電圧20keV及び注入ドーズ量2.5×1017ions/cm2のイオン注入条件で、導電膜15に酸素イオンを注入する。続いて、加速電圧35keV及び注入ドーズ量2.5×1017ions/cm2のイオン注入条件で、導電膜15に酸素イオンを注入する。これにより、酸素イオンを含むミキシング膜20X〜20Zを形成する。
【0101】
その後、図6(a) 及び(b) に示す工程及び図7(a) 及び(b) に示す工程を順次行い、図8(a) 及び(b) に示す工程において、例えば1100℃で10秒の熱処理及び例えば700℃で3時間の熱処理を行う。これにより、膜厚が例えば30nmの酸化シリコンからなる絶縁膜24x〜24zを形成する。即ち、ゲート電極15Eとゲート電極15Aとの間、ゲート電極15Bとゲート電極15Cとの間及びゲート電極15Dとゲート電極15Fとの間が、それぞれ順に、30nm幅の酸化シリコンからなる絶縁膜24x,24y,24zにより分離されることとなる。
【0102】
一方、図9及び図10から判るように、図5(a) 及び(b) に示す工程において、導電膜15に注入するイオンとして、窒素イオンを用いた場合、最適なイオン注入条件は、例えば、次の通りである。まず、加速電圧5keV及び注入ドーズ量3.5×1017ions/cm2のイオン注入条件で、導電膜15に窒素イオンを注入する。続いて、加速電圧15keV及び注入ドーズ量3.5×1017ions/cm2のイオン注入条件で、導電膜15に窒素イオンを注入する。続いて、加速電圧35keV及び注入ドーズ量7.0×1017ions/cm2のイオン注入条件で、導電膜15に窒素イオンを注入する。これにより、窒素イオンを含むミキシング膜20X〜20Zを形成する。
【0103】
その後、図6(a) 及び(b) に示す工程及び図7(a) 及び(b) に示す工程を順次行い、図8(a) 及び(b) に示す工程において、例えば1100℃で10秒の熱処理及び例えば700℃で3時間の熱処理を行う。これにより、膜厚が例えば30nmの窒化シリコンからなる絶縁膜24x〜24zを形成する。即ち、ゲート電極15Eとゲート電極15Aとの間、ゲート電極15Bとゲート電極15Cとの間及びゲート電極15Dとゲート電極15Fとの間が、それぞれ順に、30nm幅の窒化シリコンからなる絶縁膜24x,24y,24zにより分離されることとなる。
【0104】
本実施形態によると、イオンが注入されたミキシング膜20x〜20zを形成した後、熱処理により、ミキシング膜20x〜20zに含まれるイオンとシリコンとを反応させて、ゲート幅方向に沿って隣り合うゲート電極同士の間を電気的に分離する絶縁膜24x〜24zを設ける。このため、1回のパターニングにより、ゲート電極を形成することができる。
【0105】
これに対し、第1,第2の従来の半導体装置の製造方法では、ゲート幅方向に沿って隣り合うゲート電極同士の間を電気的に分離する為に、ゲート幅方向に沿って隣り合うゲート電極同士の間に、間隙(図18(b):Gy参照)を設ける。このため、ゲート電極を形成する為に、2回のパターニングが必要とされる。
【0106】
本実施形態によると、図6(b) に示すように、導電膜15及びミキシング膜20X〜20Zの上に、レジストパターン21を形成し、平坦面(段差部を有さない面)の上に、レジストパターン21を形成することができる。このため、レジストパターン21の形状を精度良く形成することができる。さらに、図6(a) に示すように、レジストパターン21の平面形状は、ライン形状であり、レジストパターン21と間隔とを、ゲート長方向に沿って、交互に繰り返して配列させることができる。このため、レジストパターン21の形状を精度良く形成することができる。従って、図7(a) 及び(b) に示すように、形状が精度良く形成されたレジストパターン21をマスクとして、導電膜15a〜15dを有するゲート電極を形成することができるため、ゲート電極の形状を精度良く形成することができる。
【0107】
さらに、本実施形態によると、熱処理の前に、図7(a) 及び(b) に示すように、導電膜15及びミキシング膜20X〜20Zに対して、エッチングを行う。このため、互いにエッチング特性が実質的に同じ導電膜15及びミキシング膜20X〜20Zに対して、エッチングを行うことができる。このため、同一のエッチング条件で、導電膜15及びミキシング膜20X〜20Zを精度良くエッチングすることができる。
【0108】
これに対し、仮に、熱処理により、ミキシング膜に含まれるイオンと、シリコンとを反応させて、絶縁膜を形成した後、導電膜及び絶縁膜に対して、エッチングを行った場合、次に示す不具合が生じる。導電膜と絶縁膜とは、エッチング特性が異なる。このため、同一のエッチング条件で、導電膜及び絶縁膜を精度良くエッチングすることが困難である。
【0109】
さらに、本実施形態によると、仮に、ミキシング膜20x〜20zの形成領域以外の領域(図28(a):Rl参照)に、ミキシング膜20X〜20Zの残渣が発生することがあっても、その後に行う熱処理により、絶縁膜となるため、ゲート電極と、該ゲート電極とゲート長方向に沿って隣り合う他のゲート電極とが、ショートすることを防止することができる。
【0110】
さらに、本実施形態によると、ゲート電極と、該ゲート電極とゲート幅方向に沿って隣り合う他のゲート電極との間隔、言い換えれば、絶縁膜24x〜24zのゲート幅方向の間隔を狭くすることができるため、SRAM回路に含まれるトランジスタを高密度化することができる。
【0111】
以上のように、本実施形態によると、ゲート電極の形状を精度良く形成すると共に、隣り合うゲート電極同士がショートすることを防止することができる(即ち、本発明の目的を達成することができる)。さらに、SRAM回路に含まれるトランジスタを高密度化することができる。
【0112】
なお、本実施形態では、SRAM回路に含まれるトランジスタを備えた半導体装置を製造する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本実施形態と同様の製造方法により、ロジック回路に含まれるトランジスタを備えた半導体装置を製造することができる。
【0113】
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図11(a) 及び(b) 〜図17(a) 及び(b) を参照しながら説明する。図11(a) 〜図17(a) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す平面図である。図11(b) 〜図17(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート幅方向の断面図である。本実施形態では、第1の実施形態と同様の構成要素には、第1の実施形態と同一の符号を付す。従って、本実施形態では、第1の実施形態と同様の説明を適宜省略する。
【0114】
まず、図11(a) 及び(b) に示すように、半導体基板10の上部に、素子分離領域11を形成する。これにより、半導体基板10に、素子分離領域11により区画された活性領域10a〜10dを形成する。
【0115】
次に、図11(a) 及び(b) に示すように、例えばPVD法又はALD法により、半導体基板10の上に、ゲート絶縁膜用膜12を形成する。
【0116】
次に、図11(a) 及び(b) に示すように、例えばPVD法又はALD法により、ゲート絶縁膜用膜12の上に、例えば膜厚が20nmの高融点金属(例えばチタン(Ti))を含む第1の導電膜33を形成する。第1の導電膜33は、例えば窒化チタン(TiN)からなる。その後、例えばLP−CVD法により、第1の導電膜33の上に、例えば膜厚が100nmのシリコンを含む第2の導電膜34を形成する。第2の導電膜34は、例えばポリシリコンからなる。このようにして、第1の導電膜33及び第2の導電膜34を有する導電膜35を形成する。
【0117】
第1の導電膜33に含まれる高融点金属は、Tiの他に、例えば、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)及びバナジウム(V)のうちの少なくとも1つである。第1の導電膜33に含まれる高融点金属は、熱処理により、酸素イオン又は窒素イオンと反応して、高融点金属酸化物又は高融点金属窒化物となることが可能であり、該高融点金属酸化物又は高融点金属窒化物は、絶縁性であればよい。
【0118】
次に、図11(a) 及び(b) に示すように、例えばCVD法により、導電膜35の上に、マスク用膜16を形成する。
【0119】
次に、図12(a) 及び(b) に示すように、第1の実施形態における図3(a) 及び(b) に示す工程と同様の工程を行う。
【0120】
次に、図13(a) 及び(b) に示すように、第1の実施形態における図4(a) 及び(b) に示す工程と同様の工程を行う。
【0121】
次に、図14(a) 及び(b) に示すように、例えばイオン注入法により、マスク16Mを用いて、導電膜35にイオンを注入する。具体的には例えば、最適なイオン注入条件は、次の通りである。まず、加速電圧が5keV及び注入ドーズ量が2.5×1017ions/cm2のイオン注入条件で、導電膜35に酸素イオンを注入する。続いて、加速電圧が20keV及び注入ドーズ量が2.5×1017ions/cm2のイオン注入条件で、導電膜35に酸素イオンを注入する。続いて、加速電圧が35keV及び注入ドーズ量が2.5×1017ions/cm2のイオン注入条件で、導電膜35に酸素イオンを注入する。続いて、加速電圧が45keV及び注入ドーズ量が2.5×1017ions/cm2のイオン注入条件で、導電膜35に酸素イオンを注入する。
【0122】
これにより、第1の導電膜33に酸素イオンを注入して、酸素イオンを含む第1のミキシング膜38X〜38Zを形成する。第1のミキシング膜38X〜38Zは、第1の導電膜33に由来する高融点金属を含む。
【0123】
それと共に、第2の導電膜34に酸素イオンを注入して、酸素イオンを含む第2のミキシング膜39X〜39Zを形成する。第2のミキシング膜39X〜39Zは、第2の導電膜34に由来するシリコンを含む。
【0124】
このようにして、第1のミキシング膜38X〜38Z及び第2のミキシング膜39X〜39Zを有するミキシング膜40X〜40Zを形成する。
【0125】
第1のミキシング膜38X〜38Zは、第1の導電膜33に酸素イオンが注入された膜であるため、図14(b) に示すように、第1のミキシング膜38X〜38Zの上面は、第1の導電膜33の上面と面一である。同様に、第2のミキシング膜39X〜39Zは、第2の導電膜34に酸素イオンが注入された膜であるため、図14(b) に示すように、第2のミキシング膜39X〜39Zの上面は、第2の導電膜34の上面と面一である。よって、ミキシング膜40X〜40Zの上面は、導電膜35の上面と面一である。
【0126】
次に、図15(a) 及び(b) に示すように、例えばウェットエッチングにより、マスク16Mを除去する。
【0127】
その後、例えばフォトリソグラフィ法により、導電膜35及びミキシング膜40X〜40Zの上に、レジストパターン21を形成する。
【0128】
本実施形態では、図15(b) に示すように、上面が互いに面一の導電膜35及びミキシング膜40X〜40Zの上に、レジストパターン21を形成する。このため、導電膜35の上面及びミキシング膜40X〜40Zの上面からなる平坦面(段差部を有さない面)の上に、レジストパターン21を形成することができる。このため、レジストパターン21の形状を精度良く形成することができる。さらに、本実施形態では、図15(a) に示すように、レジストパターン21の平面形状は、ライン形状であり、レジストパターン21と間隔とを、ゲート長方向に沿って、同一のピッチで交互に繰り返して配列させることができる。このため、レジストパターン21の形状を精度良く形成することができる。
【0129】
延いては、後述の通り、形状が精度良く形成されたレジストパターン21をマスクとして、導電膜(図16(a) 及び(b):35a〜35d参照)を有するゲート電極を形成することができるため、ゲート電極の形状を精度良く形成することができる。
【0130】
次に、図16(a) 及び(b) に示すように、レジストパターン21をマスクとして、導電膜35及びミキシング膜40X〜40Z並びにゲート絶縁膜用膜12に対して、例えばドライエッチングを行う。これにより、活性領域10a〜10dの上に、ゲート絶縁膜12a〜12d、及び導電膜35a〜35dを有するゲート電極を順次形成する。それと共に、素子分離領域11の上に、ミキシング膜40x〜40zを残存させる。導電膜35a〜35dは、第1の導電膜33a〜33dと第2の導電膜34a〜34dとを有する。ミキシング膜40x〜40zは、第1のミキシング膜38x〜38zと第2のミキシング膜39x〜39zとを有する。
【0131】
その後、例えばアッシング及び洗浄により、レジストパターン21を除去する。
【0132】
本実施形態では、第1のミキシング膜38X〜38Zは、第1の導電膜33に酸素イオンが注入された膜であるため、第1のミキシング膜38X〜38Zのエッチング特性を、第1の導電膜33のエッチング特性と実質的に同じにすることができる。同様に、第2のミキシング膜39X〜39Zは、第2の導電膜34に酸素イオンが注入された膜であるため、第2のミキシング膜39X〜39Zのエッチング特性を、第2の導電膜34のエッチング特性と実質的に同じにすることができる。このため、同一のエッチング条件で、導電膜35及びミキシング膜40X〜40Zを精度良くエッチングすることができる。
【0133】
本実施形態では、仮に、ミキシング膜40x〜40zの形成領域以外の領域に、ミキシング膜40X〜40Zの残渣が発生することがあっても、その後に行う熱処理により、絶縁膜となるため、ゲート電極と、該ゲート電極とゲート長方向に沿って隣り合う他のゲート電極とがショートすることを防止することができる。
【0134】
本実施形態では、前述の通り、形状が精度良く形成されたレジストパターン21をマスクとして、導電膜35a〜35dを有するゲート電極を形成することができるため、ゲート電極の形状を精度良く形成することができる。
【0135】
次に、図17(a) 及び(b) に示すように、例えば1100℃で10秒の熱処理及び例えば700℃で3時間の熱処理を行う。
【0136】
これにより、第1のミキシング膜38x〜38zに含まれる酸素イオンと、高融点金属(高融点金属は、第1の導電膜33に由来する元素である)とを反応させて、膜厚が例えば30nmの酸化チタンからなる第1の絶縁膜42x〜42zを形成する。
【0137】
それと共に、第2のミキシング膜39x〜39zに含まれる酸素イオンと、シリコン(シリコンは、第2の導電膜34に由来する元素である)とを反応させて、膜厚が例えば30nmの酸化シリコンからなる第2の絶縁膜43x〜43zを形成する。
【0138】
このようにして、第1の絶縁膜42x〜42z及び第2の絶縁膜43x〜43zを有する絶縁膜44x〜44zを形成する。即ち、導電膜35bを有するゲート電極と導電膜35cを有するゲート電極との間が、30nm幅の酸化チタンと酸化シリコンとの積層膜からなる絶縁膜44yにより分離されることとなる。
【0139】
以上のようにして、本実施形態に係る半導体装置を製造することができる。
【0140】
本実施形態によると、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0141】
なお、本実施形態では、導電膜35に注入するイオンとして、酸素イオンを用いた場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、酸素イオンの代わりに、窒素イオン、又は酸素イオン及び窒素イオンを用いてもよい。
【0142】
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構成について、図17(a) 及び(b) を参照しながら説明する。
【0143】
活性領域10a〜10dの上には、ゲート絶縁膜12a〜12d、及び導電膜35a〜35dを有するゲート電極が順次形成されている。導電膜35a〜35dは、第1の導電膜33a〜33d及び第2の導電膜34a〜34dを有している。第1の導電膜33a〜33dは、高融点金属を含む膜であり、第2の導電膜34a〜34dは、シリコンを含む膜である。
【0144】
素子分離領域11の上には、絶縁膜44x〜44zが形成されている。絶縁膜44x〜44zは、第1の絶縁膜42x〜42z及び第2の絶縁膜43x〜43zを有している。第1の絶縁膜42x〜42zは、高融点金属を含む膜であり、第2の絶縁膜43x〜43zは、シリコンを含む膜である。
【0145】
第1の絶縁膜42xは、第1の導電膜33aのゲート幅方向の側面の上に形成されている。第1の絶縁膜42yは、第1の導電膜33bのゲート幅方向の側面と、第1の導電膜33cのゲート幅方向の側面との間に形成されている。第1の絶縁膜42zは、第1の導電膜33dのゲート幅方向の側面の上に形成されている。
【0146】
第2の絶縁膜43xは、第2の導電膜34aのゲート幅方向の側面の上に形成されている。第2の絶縁膜43yは、第2の導電膜34bのゲート幅方向の側面と、第2の導電膜34cのゲート幅方向の側面との間に形成されている。第2の絶縁膜43zは、第2の導電膜34dのゲート幅方向の側面の上に形成されている。
【0147】
第1の絶縁膜42xは、第1の導電膜33aと一体に形成されている。第1の絶縁膜42yは、第1の導電膜33b及び第1の導電膜33cと一体に形成されている。第1の絶縁膜42zは、第1の導電膜33dと一体に形成されている。
【0148】
第2の絶縁膜43xは、第2の導電膜34aと一体に形成されている。第2の絶縁膜43yは、第2の導電膜34b及び第2の導電膜34cと一体に形成されている。第2の絶縁膜43zは、第2の導電膜34dと一体に形成されている。
【産業上の利用可能性】
【0149】
以上説明したように、本発明は、ゲート電極の形状を精度良く形成すると共に、隣り合うゲート電極同士がショートすることを防止することができ、SRAM回路に含まれるトランジスタを備えた半導体装置及びその製造方法に有用である。
【符号の説明】
【0150】
10 半導体基板
10a〜10d 活性領域
11 素子分離領域
12 ゲート絶縁膜用膜
12a〜12f ゲート絶縁膜
33,33a〜33d 第1の導電膜
34,34a〜34d 第2の導電膜
15,15a〜15d,35,35a〜35d 導電膜
15A〜15F ゲート電極
16 マスク用膜
16M マスク
17a 第1のレジスト
17b 第2のレジスト
17c 第3のレジストパターン
38X〜38Z,38x〜38z 第1のミキシング膜
39X〜39Z,39x〜39z 第2のミキシング膜
20X〜20Z,20x〜20z,40X〜40Z,40x〜40z ミキシング膜
21 レジストパターン
42x〜42z 第1の絶縁膜
43x〜43z 第2の絶縁膜
24x〜24z,44x〜44z 絶縁膜
W17c 第1の開口幅
W16M 開口幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の上に、導電膜を形成する工程(a)と、
前記導電膜の上に、開口部を有するマスクを形成する工程(b)と、
前記マスクを用いて、前記導電膜にイオンを注入し、前記導電膜における前記マスクの前記開口部から露出する部分に、前記イオンを含むミキシング膜を形成する工程(c)と、
前記マスクを除去した後、前記導電膜及び前記ミキシング膜の上に、平面形状がライン形状のレジストパターンを形成する工程(d)と、
前記レジストパターンをマスクとして、前記導電膜及び前記ミキシング膜をエッチングし、前記導電膜を有するゲート電極を形成すると共に、前記ゲート電極のゲート幅方向の側面の上に、前記ミキシング膜を残存させる工程(e)と、
前記工程(e)の後に、熱処理により、前記ミキシング膜に含まれる前記イオンと、前記導電膜に含まれる元素とを反応させて、絶縁膜を形成する工程(f)とを備え、
前記絶縁膜は、前記ゲート電極と一体に形成され、
前記絶縁膜により、前記ゲート電極と、該ゲート電極とゲート幅方向に沿って隣り合う他のゲート電極との間が電気的に分離されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記絶縁膜は、前記ゲート電極とゲート幅方向に沿って隣り合う他のゲート電極と一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記工程(a)の前に、前記半導体基板に、素子分離領域を形成する工程(g)をさらに備え、
前記工程(a)は、前記半導体基板における前記素子分離領域により区画された活性領域、及び前記素子分離領域の上に、前記導電膜を形成する工程を含み、
前記工程(b)において、前記マスクの前記開口部から、前記導電膜における前記素子分離領域の上に形成された部分を露出し、
前記工程(e)は、前記活性領域の上に、前記ゲート電極を形成すると共に、前記素子分離領域の上に、前記ミキシング膜を残存させる工程を含み、
前記工程(f)において、前記絶縁膜は、前記素子分離領域の上に形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記工程(a)は、前記半導体基板の上に、高融点金属を含む第1の導電膜を形成する工程(a1)と、前記第1の導電膜の上に、シリコンを含む第2の導電膜を形成して、
前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜を有する前記導電膜を形成する工程(a2)とを含み、
前記工程(c)は、前記第1の導電膜に前記イオンを注入し、前記イオンを含む第1のミキシング膜を形成すると共に、前記第2の導電膜に前記イオンを注入し、前記イオンを含む第2のミキシング膜を形成して、前記第1のミキシング膜及び前記第2のミキシング膜を有する前記ミキシング膜を形成する工程を含み、
前記工程(f)は、前記第1のミキシング膜に含まれる前記イオンと、前記高融点金属とを反応させて、第1の絶縁膜を形成すると共に、前記第2のミキシング膜に含まれる前記イオンと、前記シリコンとを反応させて、第2の絶縁膜を形成して、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜を有する前記絶縁膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記高融点金属は、Al、Fe、Cu、Ni、Co、Ti、Ta、Nb、W、Mo及びVのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記イオンは、酸素イオン及び窒素イオンのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
半導体基板の上に形成された導電膜を有するゲート電極と、
前記ゲート電極のゲート幅方向の側面の上に形成され、前記導電膜に含まれる元素を含む絶縁膜とを備え、
前記絶縁膜は、前記ゲート電極と一体に形成され、
前記絶縁膜により、前記ゲート電極と、該ゲート電極とゲート幅方向に沿って隣り合う他のゲート電極との間が電気的に分離されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
前記絶縁膜は、前記ゲート電極とゲート幅方向に沿って隣り合う他のゲート電極と一体に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記絶縁膜は、前記導電膜にイオンを注入した後、熱処理により、前記イオンと前記導電膜に含まれる元素とを反応させた絶縁膜であることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記イオンは、酸素イオン及び窒素イオンのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記半導体基板における素子分離領域により区画された活性領域をさらに備え、
前記ゲート電極は、前記活性領域の上に形成され、
前記絶縁膜は、前記素子分離領域の上に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記導電膜は、高融点金属を含む第1の導電膜及び前記第1の導電膜の上に形成されたシリコンを含む第2の導電膜を有し、
前記絶縁膜は、前記高融点金属を含む第1の絶縁膜及び前記第1の絶縁膜の上に形成された前記シリコンを含む第2の絶縁膜を有していることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1の絶縁膜は、前記第1の導電膜のゲート幅方向の側面の上に形成され、
前記第2の絶縁膜は、前記第2の導電膜のゲート幅方向の側面の上に形成され、
前記第1の絶縁膜は、前記第1の導電膜と一体に形成され、
前記第2の絶縁膜は、前記第2の導電膜と一体に形成されていることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記高融点金属は、Al、Fe、Cu、Ni、Co、Ti、Ta、Nb、W、Mo及びVのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−124270(P2012−124270A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272734(P2010−272734)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】