説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】パッシベーション膜にクラックを生じさせるか否かを容易に判定できる構造を有する半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置1は、下部電極23の上面に達する接続孔30hを持つパッシベーション膜30を備える。パッシベーション膜30は、接続孔30hを除いて下部電極23の周縁部を含む領域を被覆する。下部バリアメタル膜31は、下部電極23とパッシベーション膜30の凸状部分30bとを被覆するように形成されている。バンプ電極35から離れた領域でパッシベーション膜30に形成されている段差部分を被覆するように金属膜パターン31Tが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンプ電極を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップを回路基板に実装する技術としては、フリップチップ実装やTAB(Tape Automated Bonding)実装などが知られている。これら実装技術では、たとえば、個片化された半導体チップ(ダイ)に予め形成されているバンプ電極を回路基板のリード電極と接合して半導体チップと回路基板とを電気的に接続し、半導体チップと回路基板とをエポキシ樹脂や銀ペーストなどの接着材料を用いて互いに固定するというダイボンディングが行われる。ダイボンディングに関する先行技術文献としては、たとえば、特開平6−45336号公報(特許文献1)や特開平10−92830号公報(特許文献2)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−45336号公報
【特許文献2】特開平10−92830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体チップは、半導体集積回路を被覆し保護するためのパッシベーション膜を有しており、バンプ電極は、このパッシベーション膜の開口部における電極パッド上にバリアメタル膜を介して形成される。ダイボンディング工程では、バンプ電極を回路基板と電気的に接続するために、回路基板のリード電極がバンプ電極に圧接される。この際、バンプ電極に印加された応力が分散されず、バンプ電極直下のパッシベーション膜の一部に集中してパッシベーション膜にクラックを生じさせることがある。
【0005】
上記に鑑みて本発明の目的は、パッシベーション膜にクラックを生じさせる可能性の有無を容易に判定することができる構造を有する半導体装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による半導体装置は、半導体集積回路が形成された主面を有する基板と、前記基板の主面上に形成された下部電極と、前記下部電極の上面に達する接続孔を有し、前記接続孔を除いて前記下部電極の周縁部を含む領域を被覆するパッシベーション膜と、前記接続孔における前記下部電極の上面を被覆し、且つ、前記周縁部上に位置する前記パッシベーション膜の凸状部分を被覆するように形成されたバリアメタル膜と、前記下部電極と前記凸状部分との直上に前記バリアメタル膜を介して形成されたバンプ電極と、前記バンプ電極から離れた領域で前記パッシベーション膜に形成されている段差部分を被覆する検査用金属膜パターンと、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明による半導体装置の製造方法は、下部電極の上面に達する接続孔を有し、前記接続孔を除いて前記下部電極の周縁部を含む領域を被覆するパッシベーション膜を有する半導体基板を用意する工程と、前記半導体基板上に金属膜を形成する工程と、前記下部電極の当該周縁部上に位置する前記パッシベーション膜の凸状部分と前記下部電極との直上に前記金属膜を介してバンプ電極を形成する工程と、前記バンプ電極から離れた領域で前記パッシベーション膜に形成されている段差部分の直上の前記金属膜上にレジストパターンを形成する工程と、前記バンプ電極及び前記レジストパターンをマスクとして前記金属膜をエッチングすることにより、前記接続孔における前記下部電極の上面と前記凸状部分とを被覆するバリアメタル膜を形成するとともに、前記段差部分を被覆する検査用金属膜パターンを形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検査用金属膜パターンのサイドエッチング量に基づいて、ダイボンディング時にパッシベーション膜にクラックが発生する可能性があるか否かを容易に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る実施の形態1の半導体装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】図1の半導体装置1の上面のうち被検査領域の上面を概略的に示す図である。
【図3】実施の形態1の半導体装置の第1の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図4】実施の形態1の半導体装置の第2の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図5】実施の形態1の半導体装置の第3の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図6】実施の形態1の半導体装置の第4の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図7】実施の形態1の半導体装置の第5の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図8】実施の形態1の半導体装置の第6の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図9】図8の被検査領域40の上面視図である。
【図10】実施の形態1の半導体装置の第7の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図11】ILB(Inner Lead Bonding)工程を概略的に示す図である。
【図12】樹脂で封止された半導体チップの断面を概略的に示す図である。
【図13】下部バリアメタル膜のサイドエッチング部を概略的に示す図である。
【図14】半導体装置の被検査領域の斜め方向からのSEM(走査型電子顕微鏡)像を示す図である。
【図15】図14のSEM像のうち被検査領域の一部を拡大した図である。
【図16】半導体装置の被検査領域の上面の金属顕微鏡像を示す図である。
【図17】本発明に係る実施の形態2の半導体装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図18】図17の半導体装置の上面のうち被検査領域の上面を概略的に示す図である。
【図19】実施の形態2の半導体装置の第1の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図20】実施の形態2の半導体装置の第2の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図21】実施の形態2の半導体装置の第3の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図22】実施の形態2の半導体装置の第4の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図23】実施の形態2の半導体装置の第5の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図24】実施の形態2の半導体装置の第6の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図25】本発明に係る実施の形態3の透光性レジスト膜を示す上面視図である。
【図26】本発明に係る実施の形態4の透光性レジスト膜を示す上面視図である。
【図27】本発明に係る実施の形態5の透光性レジスト膜を示す上面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る種々の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明に係る実施の形態1の半導体装置1の構成を概略的に示す断面図であり、図2は、図1の半導体装置1の上面のうち被検査領域40の上面を概略的に示す図である。ここで、図1の被検査領域40における断面は、図2のI−I線に沿った断面を示すものである。この半導体装置1は、ウエハプロセスが施された半導体基板(半導体ウエハ)10の主面上にバンプ電極(上部電極)35及び金属膜パターン31Tが形成された構造を有する。
【0012】
半導体基板10としては、たとえば、シリコンなどの単結晶半導体、多結晶半導体あるいは化合物半導体からなる構造を含むバルク基板やSOI(Silicon−On−Insulator)基板が挙げられる。図1に示されるように、半導体基板10の主面上に層間絶縁層20が形成されており、この層間絶縁層20内には下部配線21及び導電ビア(層間配線)22が埋め込み形成されている。この層間絶縁層20上にアルミニウム(Al)などの下部電極23が形成されている。下部電極23は、下部配線21及び導電ビア22を介して、半導体基板10の主面に形成されている半導体集積回路(電界効果トランジスタや容量素子など)と電気的に接続される。下部電極23は、たとえば、一辺が数μm〜数十μm程度の矩形状の上面を有するようにパターン形成されている。
【0013】
また、下部電極23の上面に達する接続孔30hを有するパッシベーション膜30が形成されている。パッシベーション膜30は、下層の半導体集積回路や下部配線21を被覆して外気や不純物から保護する保護膜であり、たとえば、酸化膜(SiO)や窒化膜(SiNx)などの絶縁膜で構成されている。パッシベーション膜30は、下部電極23の周縁部を被覆しているので、この周縁部上にパッシベーション膜30の凸状部分30bが形成されている。
【0014】
接続孔30hにおいては、下部電極23上に、下部バリアメタル膜31及び上部バリアメタル膜33を介して金(Au)や銅(Cu)などのバンプ電極(柱状電極)35が形成されている。バンプ電極35は、数μm〜数十μm程度の高さを有する。バンプ電極35の構成材料としては、回路基板のリード電極との圧接性や溶接性を考慮して、たとえば、金(Au)、銀(Ag)あるいは銅(Cu)などの金属やそれらの合金を使用することができる。バンプ電極35の形成方法としては、たとえば、電解めっき法、無電解めっき法あるいは物理的蒸着法が挙げられる。
【0015】
下部バリアメタル膜31は、バンプ電極35の構成材料と下部電極23の構成材料との固相拡散反応による金属間化合物の形成を防止し、下部電極23とバンプ電極35との間の密着性向上を図るために形成されるものである。下部バリアメタル膜31は、たとえば、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)などの高融点金属材料、あるいは、これら高融点金属材料の2種以上からなる合金を含む単層膜または積層膜とすることができる。
【0016】
一方、バンプ電極35から離れた被検査領域40では、図2に示されるように、パッシベーション膜30の直下にAl配線などの凸状配線24,24,24が形成されている。これら凸状配線24,24,24は、スパッタリング法により層間絶縁層20上にAl膜を形成し、このAl膜をフォトリソグラフィとエッチングとを用いてパターニングすることで形成することができる。これら凸状配線24,24,24は、半導体基板10の主面に沿ったY軸方向へ互いに並行に延びている。これら凸状配線24,24,24の上にパッシベーション膜30が形成されているので、図1に示されるように、パッシベーション膜30はY軸方向に延びる複数の突起部30p,30p,30pを有し、これら突起部30p,30p,30pの各々の側面がパッシベーション膜30に段差部分を形成している。
【0017】
金属膜パターン31Tは、パッシベーション膜30の突起部30p,30p,30pとX軸方向に交差し、これら突起部30p,30p,30pを跨ぐようにして被覆している。このため、金属膜パターン31Tにも、凸状配線24,24,24上に段差部分が形成される。金属膜パターン31Tの段差部分には、図2に示されるように、ウエットエッチングに起因するサイドエッチング部31ea,31ebが形成されている。後述するように、これらサイドエッチング部31ea,31ebのエッチング量Δa,Δbの測定結果に基づいて、バンプ電極35の直下にある下部バリアメタル膜31のサイドエッチング量の良否を判定することができる。
【0018】
上記構成を有する半導体装置1の製造方法を図3〜図10を参照しつつ以下に説明する。図3〜図8及び図10は、半導体装置1の好適な製造工程を概略的に示す断面図であり、図9は、図8の被検査領域40の上面視図である。
【0019】
まず、図3に示されるようなウエハプロセスが施された半導体基板(半導体ウエハ)10を用意する。半導体基板10の主面には、電界効果トランジスタや容量素子などの半導体素子を含む半導体集積回路(図示せず)が形成されている。下部電極23は、下部配線21及び導電ビア22を介して半導体集積回路と電気的に接続されている。パッシベーション膜30は、下部電極23の上面をその周縁部を除いて露出させる開口部(接続孔)30hを有している。また、パッシベーション膜30は、下部電極23の周縁部を被覆(オーバハング)しているので、この周縁部上において、パッシベーション膜30は、平坦面を持つ凸状部分30bを有する。
【0020】
次に、たとえばスパッタリング法により、パッシベーション膜30上と下部電極23の露出面上とにTiW(チタン・タングステン合金)膜などの金属膜31Cを成膜し、次いで、この金属膜31C上にAu膜などの下地金属膜33Cを成膜する(図4)。
【0021】
次に、図4の構造上に感光性樹脂膜を塗布し、当該感光性樹脂膜をフォトリソグラフィによりパターニングして図5に示すレジスト膜34を形成する。図5に示されるように、レジスト膜34は、接続孔30h及び凸状部分30bの上に開口部34hを有している。その後、たとえばシアン化金カリウムや亜硫酸金ナトリウムといっためっき溶液に半導体基板10を浸し、電解めっき法により下地金属膜33Cを析出核として開口部34hの中にバンプ電極35を形成する(図6)。
【0022】
その後、灰化処理によりレジスト膜34を除去し、さらにバンプ電極35をエッチングマスクとし、ヨウ素−ヨウ化カリウム水溶液などのエッチング溶液を用いたウエットエッチングにより下地金属膜33Cを選択的に除去する。この結果、図7に示されるように、金属膜31Cとバンプ電極35との間に上部バリアメタル膜33が形成される。
【0023】
次に、図7の構造上に感光性樹脂膜を塗布し、この感光性樹脂膜をフォトリソグラフィによりパターニングして、図8に示すレジストパターン36を形成する。図8に示されるように、レジストパターン36は、凸状配線24,24,24上のパッシベーション膜30の突起部全体を被覆するように形成される。また、図9に示されるように、レジストパターン36は矩形状の上面を有している。そして、レジストパターン36及びバンプ電極35をエッチングマスクとし、過酸化水素水などのエッチング溶液を用いたウエットエッチングにより金属膜31Cを選択的に除去する。この結果、図10に示されるように、被検査領域40に金属膜パターン31Tが形成される。また、パッシベーション膜30の凸状部分30bと上部バリアメタル膜33との間、及び、下部電極23と上部バリアメタル膜33との間に下部バリアメタル膜31が形成される。その後、レジストパターン36を灰化処理により除去することで図1に示した半導体装置1が完成する。
【0024】
その後、ウエハ状態の半導体基板10上に形成されている半導体装置1をダイシングにより個片化する。そして、個片化された半導体装置(半導体チップ)1を回路基板のリード電極と接合して半導体チップ1と回路基板とを電気的に接続し、半導体チップ1と回路基板とを接着材料を用いて互いに固定するというダイボンディング工程が行われる。ダイボンディング工程では、回路基板のリード電極がバンプ電極35に圧接される。この際、バンプ電極35に印加された応力が分散されず、バンプ電極35の直下にあるパッシベーション膜30の凸状部分30bに応力が集中して当該凸状部分30bにクラックを生じさせるという問題がある。この問題をTCP(テープ・キャリア・パッケージ)方式を例に挙げて以下に説明する。
【0025】
図11は、TCP(テープ・キャリア・パッケージ)方式により半導体チップ1をテープ基材100に実装するILB(Inner Lead Bonding)工程を概略的に示す図である。図11に示されるように、デバイスホール100hを有するポリイミドなどのテープ基材100上に回路基板(図示せず)のインナーリード(リード電極)103,103が形成され、これらインナーリード103,103上にソルダレジスト104が形成されている。テープ基材100は、ホルダ101A,101B,102A,102Bによって支持されている。また、半導体チップ1は、ステージ105A上に配置されている。ILB工程では、まず、ステージ105Aを駆動して半導体チップ1とインナーリード103,103との間の位置合わせが実行される。その後、ボンディングツール105Bを鉛直方向に移動させてステージ105A上のインナーリード103,103をデバイスホール100hを介してバンプ電極35,35に圧着し加熱することで、インナーリード103,103をそれぞれ対応するバンプ電極35,35に接合することができる。インナーリード103,103とバンプ電極35,35とが互いに接合された後は、図12に示されるように、封止樹脂107を用いて半導体チップ1とテープ基材100とが互いに固定される。
【0026】
このようにILB工程では、インナーリード103,103を介してボンディングツール105Bの先端部からバンプ電極35,35に加重が印加される。このとき、バンプ電極35,35は、自ら潰れて衝撃を逃がすことにより半導体チップ1の本体部(ウエハプロセスにより形成された構造)を保護する機能を有している。しかしながら、パッシベーション膜30のうちILB工程時に荷重が伝達する凸状部分30bでは、この凸状部分30bにかかる応力が十分に分散されずに凸状部分30bにクラックを生じさせることがある。その原因の一つは、下部バリアメタル膜31bのサイドエッチングによるものと考えられる。
【0027】
図13(A),(B)は、下部バリアメタル膜31のサイドエッチング部SEtを概略的に示す図である。図13(B)は、図13(A)の一部を拡大した図である。図13(B)に示されるように、図9のバンプ電極35をマスクとしたウエットエッチングにより金属膜31Cをエッチングする際、バンプ電極35の直下の下部バリアメタル膜31が凸状部分30b上で横方向にエッチング(サイドエッチング)される。そのサイドエッチング量が大きいと、図13(B)に示されるように凸状部分30bの平坦面と上部バリアメタル膜33との間に大きな空隙が生じる。この場合にバンプ電極35に荷重が印加されると、凸状部分30bに伝達した応力が十分に分散されずに凸状部分30bの平坦面の一部に集中するので、凸状部分30bに印加される単位面積当たりの応力が大きくなり、凸状部分30bにクラックを生じさせることとなる。
【0028】
下部バリアメタル膜31のサイドエッチング部SEtはバンプ電極35の陰に隠れているため、サイドエッチング部SEtを光学顕微鏡像で観察することはむずかしい。また、下部バリアメタル膜31のサイドエッチング部SEtは、パッシベーション膜30のクラックという形で検出される。クラックが生じた半導体チップ1を回路基板にダイボンディングすると、この回路基板を破棄せざるを得なくなる。このことは、歩留まりの低下、ひいては製造コストの上昇を招くという問題がある。
【0029】
本実施の形態の金属膜パターン31Tを使用すれば、下部バリアメタル膜31のサイドエッチング部SEtのエッチング量の良否(許容量を超えているか否か)を光学顕微鏡を用いて簡易に判定することができる。下部バリアメタル膜31(金属膜31C)のグレインは、当該下部バリアメタル膜31が形成される面に対して垂直方向に成長するので、パッシベーション膜30の突起部30pの下方基端部ではグレインが十分に成長しないと考えられる。それ故、突起部30pの下方基端部では、下部バリアメタル膜31は、エッチング溶液に対する横方向のエッチングレートが高くなる傾向がある。この傾向は、図14及び図15のSEM(走査型電子顕微鏡)像から確認することができる。図14は、実際に作製された半導体装置1の被検査領域(点線で囲まれた領域)の斜め方向からのSEM像であり、図15は、図14の被検査領域の一部を拡大した図である。また、図16は、被検査領域の上面の金属顕微鏡像を示す図である。図16に示されるように、凸状配線24上にある金属膜パターン31Tにサイドエッチングが生じていることが分かる。
【0030】
図2に示されるように、パッシベーション膜30のうちの平坦面上に形成される部分と比べて、パッシベーション膜30の突起部30p,30p,30pの基端部では、サイドエッチング部31ea,31ebが顕著に現れる。よって、パッシベーション膜30の突起部30p,30p,30pの基端部上に現れるサイドエッチング部31ea,31ebのエッチング量Δa,Δbを光学顕微鏡を用いて測定することで、下部バリアメタル膜31のサイドエッチング量の良否を簡易に判定することができる。
【0031】
以上に説明したように、被検査領域40の光学顕微鏡を観察することで、下部バリアメタル膜31のサイドエッチング量が許容量を超えたことを高い感度で検出することができる。したがって、半導体チップ1をダイボンディングする前に、ダイボンディング時にクラックが発生する可能性の高い半導体装置(または半導体チップ)1を事前に選別することができる。
【0032】
実施の形態2.
次に、本発明に係る実施の形態2について説明する。図17は、実施の形態2の半導体装置2の構成を概略的に示す断面図である。図17において、図1に示した構成要素の符号と同一符号を付された構成要素10,20,21,22,23,24,30は、図1の構成要素10,20,21,22,23,24,30と同一の機能及び構成を有しているので、これらの詳細な説明を省略する。
【0033】
図18は、図17の半導体装置2の上面のうち被検査領域80の上面を概略的に示す図である。ここで、図17の被検査領域80における断面は、図18のXVII−XVII線に沿った断面を示すものである。
【0034】
実施の形態2の半導体装置2は、ウエハプロセスが施された半導体基板(半導体ウエハ)10の主面上にバンプ電極(上部電極)75、金属膜パターン71T及び透光性レジスト膜77が形成された構造を有する。
【0035】
パッシベーション膜30の接続孔30hにおいては、下部電極23上に、下部バリアメタル膜71及び上部バリアメタル膜73を介して金(Au)や銅(Cu)などのバンプ電極(柱状電極)75が形成されている。バンプ電極75は、数μm〜数十μm程度の高さを有する。バンプ電極75の構成材料としては、回路基板のリード電極との圧接性や溶接性を考慮して、たとえば、金(Au)、銀(Ag)あるいは銅(Cu)などの金属やそれらの合金を使用することができる。バンプ電極75の形成方法としては、たとえば、電解めっき法、無電解めっき法あるいは物理的蒸着法が挙げられる。
【0036】
下部バリアメタル膜71は、バンプ電極75の構成材料と下部電極23の構成材料との固相拡散反応による金属間化合物の形成を防止し、下部電極23とバンプ電極75との間の密着性向上を図るために形成されるものである。下部バリアメタル膜71は、たとえば、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)などの高融点金属材料、あるいは、これら高融点金属材料の2種以上からなる合金を含む単層膜または積層膜とすることができる。
【0037】
一方、バンプ電極75から離れた被検査領域80では、図17に示されるように、凸状配線24,24,24の上にパッシベーション膜30が形成されている。パッシベーション膜30はY軸方向に延びる複数の突起部30p,30p,30pを有し、これら突起部30p,30p,30pの各々の側面がパッシベーション膜30に段差部分を形成している。
【0038】
金属膜パターン71Tは、透光性レジスト膜77をエッチングマスクとして形成されたものである。この金属膜パターン71Tは、パッシベーション膜30の突起部30p,30p,30pとX軸方向に交差し、これら突起部30p,30p,30pを跨ぐようにして被覆している。このため、金属膜パターン71Tにも、凸状配線24,24,24上に段差部分が形成される。金属膜パターン71Tの段差部分には、図18に示されるように、ウエットエッチングに起因するサイドエッチング部71ec,71edが形成されている。
【0039】
図18に示されるように、透光性レジスト膜77は、基準パターン78を有する。この基準パターン78は、凸状配線24,24,24上のパッシベーション膜30の突起部30p,30p,30pとX軸方向に隣接する領域に形成されている。基準パターン78のY軸方向両側の外縁部は、図18に示されるように、±Y軸方向内側にへこむ凹部78c,78dを有している。本実施の形態では、凹部78cのY軸方向における幅ΔBcと、凹部78dのY軸方向における幅ΔBdとが同じであり、凹部78c,78dは同じ上面視形状を有する。
【0040】
後述するように、凹部78c,78dの幅ΔBc,ΔBdを基準幅として、サイドエッチング部71ec,71edのエッチング量Δc,Δdを測定することができる。この測定結果に基づいて、バンプ電極75の直下にある下部バリアメタル膜71のサイドエッチング量の良否を正確に判定することができる。
【0041】
上記構成を有する半導体装置2の製造方法を図19〜図24を参照しつつ以下に説明する。図19〜図24は、半導体装置2の好適な製造工程を概略的に示す断面図である。
【0042】
まず、図19に示されるようなウエハプロセスが施された半導体基板(半導体ウエハ)10を用意する。次に、たとえばスパッタリング法により、パッシベーション膜30上と下部電極23の露出面上とにTiW(チタン・タングステン合金)膜などの金属膜71Cを成膜し、次いで、この金属膜71C上にAu膜などの下地金属膜73Cを成膜する(図20)。
【0043】
次に、図20の構造上に感光性樹脂膜を塗布し、当該感光性樹脂膜をフォトリソグラフィによりパターニングして図21に示すレジスト膜74を形成する。図21に示されるように、レジスト膜74は、接続孔30h及び凸状部分30bの上に開口部74hを有している。その後、たとえばシアン化金カリウムや亜硫酸金ナトリウムといっためっき溶液に半導体基板10を浸し、電解めっき法により下地金属膜73Cを析出核として開口部74hの中にバンプ電極75を形成する(図22)。
【0044】
その後、灰化処理によりレジスト膜74を除去する。さらに、バンプ電極75をエッチングマスクとし、ヨウ素−ヨウ化カリウム水溶液などのエッチング溶液を用いたウエットエッチングにより下地金属膜73Cを選択的に除去する。この結果、図23に示されるように、金属膜31Cとバンプ電極75との間に上部バリアメタル膜73が形成される。
【0045】
次に、スピンコート法や印刷法により図23の構造上にポリイミド系材料やPBO(ポリベンゾオキサゾール)系材料の前駆体からなる感光性樹脂材料を塗布し、その塗布膜をフォトリソグラフィによりパターニングして、図24に示すように透光性レジスト膜77を形成する。透光性レジスト膜77は上面視で矩形状を有している。
【0046】
そして、透光性レジスト膜77及びバンプ電極75をエッチングマスクとし、過酸化水素水などのエッチング溶液を用いたウエットエッチングにより金属膜71Cを選択的に除去する。この結果、図17に示した半導体装置2が完成する。半導体装置2では、図17に示されるように、被検査領域80には金属膜パターン71Tが形成されている。また、パッシベーション膜30の凸状部分30bと上部バリアメタル膜73との間、及び、下部電極23と上部バリアメタル膜73との間に下部バリアメタル膜71が形成されている。
【0047】
上記実施の形態1の場合と同様に、本実施の形態でも、パッシベーション膜30のうちの平坦面上に形成された部分と比べて、パッシベーション膜30の突起部30p,30p,30pの下方基端部上にサイドエッチング部71ec,71edが顕著に現れる。よって、パッシベーション膜30の突起部30pの下方基端部上に現れるサイドエッチング部71ec,71edのエッチング量Δc,Δdを光学顕微鏡を用いて測定することで、下部バリアメタル膜71のサイドエッチング量の良否を容易に判定することができる。
【0048】
また、本実施の形態では、サイドエッチング部71ec,71edの隣の領域にある凹部78c,78dを基準パターン78として使用することができる。このため、一方のサイドエッチング部71ecのエッチング量Δcを凹部78cの基準幅ΔBcと比較することで、サイドエッチング部71ecのエッチング量Δcを正確且つ容易に把握することができる。また、他方のサイドエッチング部71edのエッチング量Δdを凹部78dの基準幅ΔBdと比較することで、サイドエッチング部71ecのエッチング量Δdを正確且つ容易に把握することもできる。
【0049】
たとえば、予め、ダイボンディング工程でパッシベーション膜30の凸状部分30bにクラックを生じさせるエッチング量Δc,Δdを測定しておき、凹部78c,78dの基準幅ΔBc,ΔBdをその測定値と一致させると、下部バリアメタル膜71のサイドエッチング量がパッシベーション膜30にクラックを生じさせ得るものか否かを容易に判定することができる。
【0050】
なお、上記実施の形態1のレジストパターン36(図8)が、金属膜31Cのエッチングに使用されるエッチング溶液に可溶な材料(たとえば、カーボン系材料)からなる場合、金属膜パターン31Tの寸法制御がむずかしくなる。これに対し、本実施の形態の透光性レジスト膜77は、金属膜71Cのエッチングに使用されるエッチング溶液に不溶な感光性樹脂材料で構成することができるものなので、金属膜パターン71Tの所望の寸法を得ることができるという利点がある。
【0051】
さらに、透光性レジスト膜77は透明であるので、透光性レジスト膜77と金属膜パターン71Tとの寸法差を光学顕微鏡像から容易に把握することができる。よって、その結果だけで、下部バリアメタル膜71のサイドエッチング量の良否を判定することができる。
【0052】
以上に説明したように、被検査領域80の光学顕微鏡像に現れる透光性レジスト膜77と金属膜パターン71Tとを同時に観察することで、実施の形態1の場合よりも、下部バリアメタル膜71のサイドエッチング量の良否(許容量を超えているか否か)を高い感度で且つ容易に判定することができる。したがって、半導体チップ1をダイボンディングする前に、ダイボンディング時にクラックが発生する可能性の高い半導体装置(または半導体チップ)1を容易に選別することができる。
【0053】
実施の形態3.
次に、本発明に係る実施の形態3について説明する。図25(A),(B)は、実施の形態3の透光性レジスト膜77Aを示す上面視図である。この透光性レジスト膜77Aは、基準パターン78A及び金属膜パターン71TAの寸法を除いて、上記実施の形態2の透光性レジスト膜77及び金属膜パターン71Tと同じ工程で形成される。
【0054】
図25(A)に示されるように、透光性レジスト膜77Aの直下に金属膜パターン71TAが形成されている。この金属膜パターン71TAは、透光性レジスト膜77Aをエッチングマスクとして形成されたものである。
【0055】
透光性レジスト膜77Aの基準パターン78Aは、凸状配線24,24,24上のパッシベーション膜30の突起部30p,30p,30pとX軸方向に隣接する領域に形成されている。基準パターン78AのY軸方向両側の外縁部は、図25(A)に示されるように、±Y軸方向内側にへこむ凹部78e,78fを有している。本実施の形態では、凹部78eのY軸方向における幅ΔBeと、凹部78fのY軸方向における幅ΔBfとが異なり、凹部78e,78fは互いに異なる上面視形状を有する。
【0056】
実施の形態3によれば、光学顕微鏡像に現れる透光性レジスト膜77Aと金属膜パターン71TAとを同時に比較観察することで、実施の形態2の場合よりも、下部バリアメタル膜71のサイドエッチング量の良否(許容量を超えているか否か)を容易に判定することができる。また、本実施の形態の透光性レジスト膜77Aの基準パターン78Aは、異なる2つの基準幅ΔBe,ΔBfを有するので、これら基準幅ΔBe,ΔBfを用いて、サイドエッチング部71ec,71edのエッチング量Δc,Δdをより正確且つ容易に把握することができる。
【0057】
たとえば、図25(A)に示されるように、サイドエッチング部71ec,71edのエッチング量Δc,Δdが小さい場合は、一方のサイドエッチング部71ecのエッチング量Δcを基準幅ΔBeと比較することで、下部バリアメタル膜71のサイドエッチング量が許容範囲内にあると容易に判定することができる。一方、図25(B)に示されるように、サイドエッチング部71ec,71edのエッチング量Δc,Δdが大きい場合は、サイドエッチング部71edのエッチング量Δdを基準幅ΔBfと比較することで、下部バリアメタル膜71のサイドエッチング量が許容範囲外にあり、凸状部分30bにクラックが生じた可能性が高いと判定することができる。
【0058】
実施の形態4.
次に、本発明に係る実施の形態4について説明する。図26は、実施の形態4の透光性レジスト膜77Bを示す上面視図である。この透光性レジスト膜77Bは、基準パターン79及び金属膜パターン71TBの形状を除いて、上記実施の形態2の透光性レジスト膜77及び金属膜パターン71Tと同じ工程で形成される。
【0059】
図26に示されるように、透光性レジスト膜77Bの直下に金属膜パターン71TBが形成されている。この金属膜パターン71TBは、透光性レジスト膜77Bをエッチングマスクとして形成されたものである。
【0060】
透光性レジスト膜77Bの基準パターン79は、凸状配線24,24,24上のパッシベーション膜30の突起部30p,30p,30pとX軸方向に隣接する領域に形成されている。基準パターン79は、開口部77hを有している。この開口部77hの−Y軸方向一端と基準パターン79の外縁部との間に帯状領域79eが形成され、開口部77hの+Y軸方向他端と基準パターン79の外縁部との間に帯状領域79fが形成されている。一方の帯状領域79eのY軸方向における幅ΔBeと、他方の帯状領域79fのY軸方向における幅ΔBfとは同一である。
【0061】
上記実施の形態1の場合と同様に、本実施の形態でも、パッシベーション膜30のうちの平坦面上に形成された部分と比べて、パッシベーション膜30の突起部30p,30p,30pの下方基端部上にサイドエッチング部71ec,71edが顕著に現れる。よって、パッシベーション膜30の突起部30pの下方基端部上に現れるサイドエッチング部71ec,71edのエッチング量Δc,Δdを光学顕微鏡を用いて測定することで、下部バリアメタル膜71のサイドエッチング量の良否を容易に判定することができる。
【0062】
また、本実施の形態では、サイドエッチング部71ec,71edの隣の領域にある帯状領域79e,79fを基準パターン79として使用することができる。このため、一方のサイドエッチング部71ecのエッチング量Δcを帯状領域79eの基準幅ΔBeと比較することで、エッチング量Δcを正確且つ容易に把握することができる。また、他方のサイドエッチング部71edのエッチング量Δdを帯状領域79fの基準幅ΔBfと比較することで、エッチング量Δdを正確且つ容易に把握することもできる。
【0063】
たとえば、予め、ダイボンディング工程でパッシベーション膜30の凸状部分30bにクラックを生じさせるエッチング量Δc,Δdを測定しておき、帯状領域79e,79fの基準幅ΔBe,ΔBfをその測定値と一致させると、下部バリアメタル膜71のサイドエッチング量がパッシベーション膜30にクラックを生じさせ得るものか否かを容易に判定することができる。
【0064】
また、帯状領域79e,79fの幅ΔBe,ΔBfを判断基準として使用するので、図18の凹部78c,78dの幅ΔBc,ΔBdを使用する場合と比べると、サイドエッチング部71ec,71edのエッチング量Δc,Δdを把握しやすいという利点がある。
【0065】
さらに、透光性レジスト膜77Bは透明であるので、透光性レジスト膜77と金属膜パターン71Tとの寸法差を光学顕微鏡像から容易に把握することができる。よって、その結果だけで、下部バリアメタル膜71のサイドエッチング量の良否を判定することができる。
【0066】
以上に説明したように、光学顕微鏡像に現れる透光性レジスト膜77Bと金属膜パターン71TBとを同時に観察することで、下部バリアメタル膜71のサイドエッチング量の良否(許容量を超えているか否か)を高い感度で且つ容易に判定することができる。したがって、半導体チップ1をダイボンディングする前に、ダイボンディング時にクラックが発生する可能性の高い半導体装置(または半導体チップ)1を容易に選別することができる。
【0067】
実施の形態5.
次に、本発明に係る実施の形態5について説明する。図27(A),(B)は、実施の形態5の透光性レジスト膜77Cを示す上面視図である。この透光性レジスト膜77Cは、基準パターン79C及び金属膜パターン71TCの寸法を除いて、上記実施の形態4の透光性レジスト膜77B及び金属膜パターン71TBと同じ工程で形成される。
【0068】
図27(A)に示されるように、透光性レジスト膜77Cの直下に金属膜パターン71TCが形成されている。この金属膜パターン71TCは、透光性レジスト膜77Cをエッチングマスクとして形成されたものである。
【0069】
透光性レジスト膜77Cの基準パターン79Cは、凸状配線24,24,24上のパッシベーション膜30の突起部30p,30p,30pとX軸方向に隣接する領域に形成されている。基準パターン79Cは、開口部77hcを有している。この開口部77hcの−Y軸方向一端と基準パターン79Cの外縁部との間に帯状領域79gが形成され、開口部77hcの+Y軸方向他端と基準パターン79Cの外縁部との間に帯状領域79hが形成されている。一方の帯状領域79gのY軸方向における幅ΔBgと、他方の帯状領域79hのY軸方向における幅ΔBhとは互いに異なり、帯状領域79g,79hは互いに異なる上面視形状を有する。
【0070】
上記のとおり、実施の形態5によれば、光学顕微鏡像に現れる透光性レジスト膜77Cと金属膜パターン71TCとを同時に比較観察することで、下部バリアメタル膜71のサイドエッチング量の良否(許容量を超えているか否か)を容易に判定することができる。また、本実施の形態の透光性レジスト膜77Cの基準パターン79Cは、異なる2つの基準幅ΔBg,ΔBhを有するので、これら基準幅ΔBg,ΔBhを用いて、サイドエッチング部71ec,71edのエッチング量Δc,Δdをより正確且つ容易に把握することができる。
【0071】
たとえば、図27(A)に示されるように、サイドエッチング部71ec,71edのエッチング量Δc,Δdが小さい場合は、一方のサイドエッチング部71ecのエッチング量Δcを基準幅ΔBgと比較することで、下部バリアメタル膜71のサイドエッチング量が許容範囲内にあると容易に判定することができる。一方、図27(B)に示されるように、サイドエッチング部71ec,71edのエッチング量Δc,Δdが大きい場合は、サイドエッチング部71edのエッチング量Δdを基準幅ΔBhと比較することで、下部バリアメタル膜71のサイドエッチング量が許容範囲外にあり、凸状部分30bにクラックが生じた可能性が高いと判定することができる。
【0072】
実施の形態1〜5の変形例.
以上、図面を参照して本発明に係る種々の実施の形態について述べた。上記実施の形態1〜5の半導体装置は、たとえば、液晶パネルを駆動するドライバICとして適用できる。
【0073】
上記実施の形態1〜5は、本発明の例示であり、上記以外の様々な形態を採用することもできる。たとえば、上記実施の形態5の透光性レジスト膜77C(図27(A),(B))は、1つの開口部77hcを有するものであるが、これに限定されるものではなく、2つ以上の開口部を有する透光性レジスト膜を採用してもよい。
【0074】
また、上記実施の形態3の透光性レジスト膜77A(図25(A),(B))は、2つの凹部78e,78fを有するが、これに限定されるものではなく、3つ以上の凹部を有する透光性レジスト膜を採用してもよい。
【符号の説明】
【0075】
1,2 半導体装置、 10 半導体基板、 20 層間絶縁層、 21 下部配線、 22 導電ビア(層間配線)、 23 下部電極、 24 凸状配線、 30 パッシベーション膜、 30b 凸状部分、 30p 突起部、 31 下部バリアメタル膜、 31C 金属膜、 31T 検査用金属膜パターン、 33 上部バリアメタル膜、 33C 下地金属膜、 34 レジスト膜、 35 バンプ電極、 36 レジストパターン、 40 被検査領域、 71 下部バリアメタル膜、 71C 金属膜、 71T,71TA,71TB 検査用金属膜パターン、 73 上部バリアメタル膜、 73C 金属膜、 74 レジスト膜、 75 バンプ電極、 76 レジストパターン、 77,77A〜77C,77M,77L 透光性レジスト膜、 78c〜78f 凹部、 77h,77hc 開口部、 80 被検査領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体集積回路が形成された主面を有する基板と、
前記基板の主面上に形成された下部電極と、
前記下部電極の上面に達する接続孔を有し、前記接続孔を除いて前記下部電極の周縁部を含む領域を被覆するパッシベーション膜と、
前記接続孔における前記下部電極の上面を被覆し、且つ、前記周縁部上に位置する前記パッシベーション膜の凸状部分を被覆するように形成されたバリアメタル膜と、
前記下部電極と前記凸状部分との直上に前記バリアメタル膜を介して形成されたバンプ電極と、
前記バンプ電極から離れた領域で前記パッシベーション膜に形成されている段差部分を被覆する検査用金属膜パターンと、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記パッシベーション膜は、前記半導体基板の当該主面に沿う所定方向に延びる突起部を有し、
前記段差部分は、前記突起部の側面を構成している
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置であって、複数の前記突起部が互いに平行に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の半導体装置であって、前記突起部の直下に形成された凸状配線を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項2から4のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、前記検査用金属膜パターン上にパターン形成された透光性レジスト膜をさらに備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体装置であって、
前記透光性レジスト膜は、基準パターンを含み、
前記基準パターンは、前記突起部と隣接する領域に形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体装置であって、前記基準パターンの外縁部は、前記突起部の延伸方向内側にへこむ凹部を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体装置であって、
前記凹部は、
前記基準パターンの前記延伸方向一端部に形成された第1の凹部と、
前記基準パターンの前記延伸方向他端部に形成された第2の凹部と、
を含み、
前記第1の凹部と前記第2の凹部とは互いに異なる上面視形状を有する、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体装置であって、前記第1の凹部の前記延伸方向おける幅と、前記第2の凹部の前記延伸方向における幅とが互いに異なることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項6に記載の半導体装置であって、前記基準パターンは、開口部を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項10に記載の半導体装置であって、
前記基準パターンは、
前記開口部の前記延伸方向一端と該基準パターンの外縁部との間に形成された第1の帯状領域と、
前記開口部の前記延伸方向他端と該基準パターンの外縁部との間に形成された第2の帯状領域と
を有し、
前記第1の帯状領域の前記延伸方向の幅と、前記第2の帯状領域の前記延伸方向の幅とが互いに異なることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項1から11のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、前記金属膜パターンは、前記バリアメタル膜と同じ材料からなることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項1から12のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、前記半導体基板は、ウエハプロセスが施された半導体ウエハであることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
下部電極の上面に達する接続孔を有し、前記接続孔を除いて前記下部電極の周縁部を含む領域を被覆するパッシベーション膜を有する半導体基板を用意する工程と、
前記半導体基板上に金属膜を形成する工程と、
前記下部電極の当該周縁部上に位置する前記パッシベーション膜の凸状部分と前記下部電極との直上に前記金属膜を介してバンプ電極を形成する工程と、
前記バンプ電極から離れた領域で前記パッシベーション膜に形成されている段差部分の直上の前記金属膜上にレジストパターンを形成する工程と、
前記バンプ電極及び前記レジストパターンをマスクとして前記金属膜をエッチングすることにより、前記接続孔における前記下部電極の上面と前記凸状部分とを被覆するバリアメタル膜を形成するとともに、前記段差部分を被覆する検査用金属膜パターンを形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記パッシベーション膜は、前記半導体基板の当該主面に沿う所定方向に延びる突起部を有し、
前記段差部分は、前記突起部の側面を構成している
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項15に記載の半導体装置の製造方法であって、複数の前記突起部が互いに平行に形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項14から16のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、前記金属膜がエッチングされた後に前記レジストパターンを除去する工程をさらに備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項15または16に記載の半導体装置の製造方法であって、前記レジストパターンは、透光性レジスト膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項18に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記透光性レジスト膜は、基準パターンを含み、
前記基準パターンは、前記突起部と隣接する領域に形成されている
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項19に記載の半導体装置の製造方法であって、前記基準パターンの外縁部は、前記突起部の延伸方向内側にへこむ凹部を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項21】
請求項19に記載の半導体装置の製造方法であって、前記基準パターンは、開口部を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項22】
請求項14から21のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記バンプ電極が形成される前に、前記金属膜上に下地金属膜をパターン形成する工程をさらに備え、
前記バンプ電極は、前記下地金属膜を析出核として形成されるメッキ膜である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項23】
請求項14から22のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、前記半導体基板は、ウエハプロセスが施された半導体ウエハであることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−23181(P2012−23181A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159521(P2010−159521)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(308033711)ラピスセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】