説明

半導体装置及びその試験方法

【課題】同時に試験する半導体チップ数を増加して効率のよい半導体装置の試験を実現し、また、信頼性の高い半導体装置の試験を実現しうる半導体装置及びその試験方法を提供する。
【解決手段】半導体ウェーハ10に形成され、半導体集積回路を含む半導体チップ領域12と、半導体チップ領域12に隣接して設けられたスクライブライン14と、スクライブライン14に半導体チップ領域12の半導体集積回路と電気的に分離して形成され、半導体集積回路を試験する際に入力するテスタ信号を制御する試験用素子18とを有し、半導体チップ領域12の半導体集積回路と、試験用素子18とは、プローブカード16に設けられた配線を38、38を介して互いに電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハに形成された半導体チップがウェーハ状態で試験される半導体装置及びその試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程においては、テスタとプローブカードとを有するウェーハプローバを用いた試験が行われている(例えば特許文献1〜3を参照)。ウェーハプローバを用いた試験では、ウェーハ状態の半導体チップに対してプローブカードを介してテスタ信号を入力し、半導体チップからの出力信号に基づき、半導体チップの良否の判定が行われている。
【0003】
近年、例えば半導体メモリの容量が増大する等、半導体装置の集積度の上昇に伴い、半導体装置の試験に要する時間が増加の一途を辿っており、その時間の短縮が要請されている。
【0004】
半導体装置の試験に要する時間を短縮する手段としては、以下に述べるように、同時に試験する半導体チップ数を増加することが行われている。
【0005】
まず、プローブカード上でテスタ信号を分離して複数の半導体チップに入力することが行われている。図5はプローブカード上でテスタ信号の分離が行われる半導体装置の試験方法を示す概略図である。
【0006】
図示するように、プローブカード100上には、テスタからテスタ信号が入力される1本の配線102当たり複数のプローブ針104a、104bが設けられている。図5では、1本の配線102当たり2本のプローブ針104a、104bが設けられている場合を示している。
【0007】
試験時には、半導体ウェーハ106に形成された別個の半導体チップ108のパッド110に、複数のプローブ針104a、104bがそれぞれ接触する。テスタから配線102に入力されたテスタ信号は、配線102で分離されて複数のプローブ針104a、104bからそれぞれ別個の半導体チップ106に入力される。
【0008】
こうして、プローブカード上でテスタ信号を分離することにより、同時に試験する半導体チップ数を増加することが行われている。
【0009】
さらに、プローブカードに設けられた試験用素子を用いてテスタ信号の分離を制御することも行われている。図6はテスタ信号の分離を制御する試験用素子が設けられたプローブカードを用いた半導体装置の試験方法を示す概略図である。
【0010】
図6(a)に示すように、プローブカードには、分離されたテスタ信号が出力されるプローブ針104a、104bの間に、テスタ信号の分離を制御する試験用素子112が設けられている。
【0011】
試験時には、図5に示す場合と同様に、半導体ウェーハ106に形成された別個の半導体チップ108のパッド110に、複数のプローブ針104a、104bがそれぞれ接触する。そして、試験用素子112により、図6(b)に示すように、テスタ信号を分離して複数の半導体チップ108にそれぞれ入力する場合と、図6(c)及び図6(d)に示すように、テスタ信号を分離せずにそのまま複数の半導体チップ108のいずれかに入力する場合とが切り替えられる。
【0012】
また、半導体チップ自体に、テスタ信号を分離、圧縮するための試験用素子を作り込んでおくことも行われている。図7はテスタ信号を分離、圧縮する試験用素子が作り込まれた半導体チップを示す概略図である。
【0013】
図示するように、半導体チップ114の入力側には、プローブカードのプローブ針116からテスタ信号が入力されるパッド118が形成されている。パッド118には、パッド118に入力されたテスタ信号を分離する試験用素子120が接続されている。試験用素子120は、半導体チップ114に作り込まれている。図7中、半導体チップ114の入力側における点線の円で囲まれた部分では、テスタ信号を矢印で示し、試験用素子120によるテスタ信号の分離を示している。
【0014】
半導体チップ114の出力側には、半導体チップ114の出力信号が出力されるパッド122が形成されている。パッド122には、半導体チップ114の出力信号を圧縮する試験用素子124が接続されている。試験用素子124は、半導体チップ114に作り込まれている。図7中、半導体チップ114の出力側における点線の円で囲まれた部分では、出力信号を矢印で示し、試験用素子124による出力信号の圧縮を示している。パッド122にはプローブカードのプローブ針126が試験時に接触し、出力信号はプローブカードを介してテスタに入力される。テスタでは、入力された半導体チップ114の出力信号に基づき、半導体チップ114の良否の判定が行われる。
【特許文献1】特開2000−124278号公報
【特許文献1】特開平4−320044号公報
【特許文献1】特開2002−176140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記従来の半導体装置の試験方法には、以下に述べるような難点が存在していた。
【0016】
プローブカード上でテスタ信号を分離して複数の半導体チップを同時に試験する場合、同時に試験される半導体チップが互いに電気的に接続されていることとなる。このため、同時に試験される半導体チップのうち、一の半導体チップが不良品であると、他の半導体チップまでもが、実際には良品であっても不良品であると誤って判定され、歩留まりが低下してしまう場合があった。
【0017】
図8は、上記プローブカード上でテスタ信号の分離が行われる半導体装置の試験方法における半導体チップの良否の誤判定を説明する図である。図8は、半導体ウェーハに形成された半導体チップ108の配列を示している。各半導体チップ108に付された番号は、同時に試験される組を示しており、同一の番号が付された互いに隣接する半導体チップ108は同時に試験される。
【0018】
図8中、点線の楕円で囲まれた番号1、5、8、9の組では、一方の半導体チップ108が不良品の半導体チップ108NGとなっている。これらの組では、実際に試験を行うと、不良品の半導体チップ108NGと同時に試験される他方の半導体チップ108までもが、実際には良品であるにもかかわらず、不良品であると誤って判定される場合があった。
【0019】
また、プローブカードに試験用素子を設けて試験を行う場合には、試験用素子の設置面積、試験用素子の動作が保証される温度範囲等の関係から、プローブカードに試験用素子を設けること自体が困難となることがあった。
【0020】
また、テスタ信号の分離、圧縮を行う試験用素子を半導体チップに作り込む場合には、半導体チップを形成する領域に、半導体チップ本来の回路を形成する領域とは別個に試験用素子を形成する領域を確保する必要がある。この結果、半導体チップの面積が増大してしまっていた。
【0021】
本発明の目的は、同時に試験する半導体チップ数を増加して効率のよい半導体装置の試験を実現し、また、信頼性の高い半導体装置の試験を実現しうる半導体装置及びその試験方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の一観点によれば、半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む半導体チップ領域と、前記半導体チップ領域に隣接して設けられたスクライブ領域と、前記スクライブ領域に前記半導体集積回路と電気的に分離して形成され、前記半導体集積回路を試験する際に入力する試験用信号を制御する試験用素子とを有する半導体装置が提供される。
【0023】
本発明の他の観点によれば、半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む第1の半導体チップ領域と、前記半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む第2の半導体チップ領域と、前記第1の半導体チップ領域と前記第2の半導体チップ領域との間に設けられたスクライブ領域と、前記スクライブ領域に、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路と電気的に分離して形成され、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路を試験する際に入力する試験用信号を制御する試験用素子とを有する半導体装置が提供される。
【0024】
本発明の更に他の観点によれば、半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む半導体チップ領域と、前記半導体チップ領域に隣接して設けられたスクライブ領域と、前記スクライブ領域に前記半導体集積回路と電気的に分離して形成され、前記半導体集積回路を試験する際に入力する試験用信号を制御する試験用素子とを有する半導体装置を試験する半導体装置の試験方法であって、前記半導体集積回路と前記試験用素子とを外部配線を介して電気的に接続し、前記外部配線を介して前記試験用素子から前記半導体集積回路に入力される前記試験用信号を用いて、前記半導体集積回路の試験を行う半導体装置の試験方法が提供される。
【0025】
また、本発明の更に他の観点によれば、半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む第1の半導体チップ領域と、前記半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む第2の半導体チップ領域と、前記第1の半導体チップ領域と前記第2の半導体チップ領域との間に設けられたスクライブ領域と、前記スクライブ領域に、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路と電気的に分離して形成され、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路を試験する際に入力する試験用信号を制御する試験用素子とを有する半導体装置を試験する半導体装置の試験方法であって、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路と前記試験用素子とを電気的に接続し、前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路と前記試験用素子とを電気的に接続し、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路に前記試験用素子から入力される前記試験用信号を用いて、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路を試験する半導体装置の試験方法が提供される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、半導体チップ領域が形成された半導体ウェーハのスクライブ領域に、試験用信号を制御する試験用素子が形成されているので、半導体チップ領域の面積を低減することができる。したがって、半導体ウェーハに形成しうる半導体チップ領域の数を増加することができる。
【0027】
また、本発明によれば、試験用素子により試験用信号を分離して、スクライブ領域の両側に配置された半導体チップ領域の両方に試験用信号を入力することができるので、ウェーハプローバのテスタの性能を上げることなく既存のテスタを用いて、同時に試験しうる半導体チップ領域の数を増加することができる。これにより、複数の半導体チップ領域の試験に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0028】
また、本発明によれば、スクライブ領域の両側に配置された半導体チップ領域のうちのいずれか一方にのみ試験用信号を入力することができるので、半導体チップ領域を互いに独立して試験を行うこともできる。したがって、試験時に半導体チップ領域が互いに電気的な影響を及ぼすことはなく、半導体チップ領域の良否を高い精度で判定することができる。
【0029】
また、本発明によれば、スクライブ領域に形成された試験用素子と半導体チップ領域とが、半導体ウェーハ上に形成された配線によっては電気的に接続されておらず、プローブカードを介して電気的に接続されるので、半導体チップ領域への影響を考慮することなく、試験用素子の構成、配置等を適宜変更することができる。また、ダイシングによりスクライブ領域を切断して半導体チップ領域を半導体チップに個片化した際に、半導体チップ領域の切断面に配線が露出するということはないので、個片化された半導体チップが、耐湿性が低下する等の影響を受けることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による半導体装置及びその試験方法について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態による半導体装置の試験方法における半導体装置及びプローブカードを示す概略図、図2は図1のスクライブライン及びスクライブラインに隣接する半導体チップ領域を示す拡大概略図である。
【0031】
本実施形態による半導体装置の試験方法は、テスタとプローブカードとを有するウェーハプローバを用い、半導体チップに個片化される前のウェーハ上の半導体チップ領域に対してプローブカードを介してテスタ信号を入力し、半導体チップ領域からの出力信号に基づき、半導体チップ領域の良否の判定を行うものである。
【0032】
まず、ウェーハプローバによりウェーハ状態で試験が行われる本実施形態による半導体装置について図1及び図2を用いて説明する。
【0033】
図1に示すように、半導体ウェーハ10に、複数の半導体チップ領域12が形成されている。半導体チップ領域12には、所定の半導体集積回路が形成されている。隣接する半導体チップ領域12間には、各半導体チップ領域12を半導体チップに個片化するための切断領域であるスクライブライン14が設けられている。スクライブライン14には、半導体チップ12を試験する際にプローブカード16から入力されるテスタ信号を制御する試験用素子18が形成されている。なお、図1では、簡単のため、スクライブライン14を介して隣接する2つの半導体チップ領域12を示している。
【0034】
半導体集積回路を含む半導体チップ領域12と試験用素子12とは、半導体ウェーハ10上では物理的、電気的に分離されているが、後述するように、両者は、プローブカード16を介して互いに電気的に接続可能に構成されている。
【0035】
半導体ウェーハ10に形成された半導体チップ領域12には、テスタ信号が入力されるパッド20が設けられている。
【0036】
スクライブライン14には、プローブカード16から入力されるテスタ信号の分離等を行う試験用素子18が、半導体チップ領域12のパッド20に対応して複数設けられている。
【0037】
試験用素子18は、半導体ウェーハ10上に形成された半導体集積回路により構成されており、図1及び図2に示すように、テスタ信号が入力されるパッド22と、パッド22の両側に接続され、半導体チップ領域12へのテスタ信号の入力及び遮断を切り替える1組のスイッチング素子24、24と、スイッチング素子24、24の出力端に接続され、テスタ信号が出力されるパッド26、26とを有している。スイッチング素子24、24は、例えばMISトランジスタにより構成されている。
【0038】
試験用素子18のスイッチング素子24、24には、スクライブライン14に形成され、スイッチング素子24、24のオン/オフの切替を行うための信号線28、28がそれぞれ接続されている。信号線28、28には、スクライブライン14に形成され、スイッチング素子24、24のオン/オフの切替を行うための切替信号がプローブカード16から入力されるパッド30、30がそれぞれ接続されている。
【0039】
こうして、本実施形態による半導体装置が構成されている。
【0040】
次に、本実施形態による半導体装置の試験方法において用いられるウェーハプローバのプローブカード16について図1及び図2を用いて説明する。なお、以下においては、必要に応じて、図1及び図2中スクライブライン14の左側、右側に位置する半導体チップ領域12を区別する際には、左側に位置する半導体チップ領域12を「半導体チップ領域12」、右側に位置する半導体チップ領域12を「半導体チップ領域12」のように記載する。
【0041】
プローブカード16には、試験用素子18のパッド22に試験時に接触し、テスタ信号を入力するためのプローブ針32が設けられている。
【0042】
また、プローブカード16には、試験用素子18のパッド26に試験時に接触するプローブ針34と、半導体チップ領域12のパッド20に試験時に接触するプローブ針36とが設けられている。プローブ針34とプローブ針36とは、プローブカード16に設けられた配線38により電気的に接続されている。試験時には、半導体集積回路を含む半導体チップ領域12と試験用素子18とは、プローブカード16を介して、すなわち、プローブ針34、36及びこれらを電気的に接続する配線38により、互いに電気的に接続されることとなる。これにより、半導体チップ領域12の半導体集積回路に試験用素子18からテスタ信号を入力することが可能となる。
【0043】
また、プローブカード16には、試験用素子18のパッド26に試験時に接触するプローブ針34と、半導体チップ領域12のパッド20に試験時に接触するプローブ針36とが設けられている。プローブ針34とプローブ針36とは、プローブカード16に設けられた配線38により電気的に接続されている。試験時には、半導体集積回路を含む半導体チップ領域12と試験用素子18とは、プローブカード16を介して、すなわち、プローブ針34、36及びこれらを電気的に接続する配線38により、互いに電気的に接続されることとなる。これにより、半導体チップ領域12の半導体集積回路に試験用素子18からテスタ信号を入力することが可能となる。
【0044】
さらに、プローブカード16には、信号線28、28に接続されたパッド30、30に試験時に接触し、スイッチング素子24、24のオン/オフを切り替える切替信号を入力するためのプローブ針40、40が設けられている。
【0045】
試験時には、信号線28、28からスイッチング素子24、24に入力される切替信号に基づき、スイッチング素子24、24のオン/オフが切り替えられる。これにより、試験用素子18に入力されたテスタ信号を分離して、スクライブライン14の両側に配置された半導体チップ領域12、12の両方にテスタ信号を入力し、又は、試験用素子18に入力されたテスタ信号を、スクライブライン14の両側に配置された半導体チップ領域12、12のうちのいずれか一方に入力することが可能となっている。
【0046】
具体的には、スイッチング素子24、24の両方をオンとすることにより、試験用素子18に入力されたテスタ信号を分離して、半導体チップ領域12、12の両方にテスタ信号を入力することができる。
【0047】
また、スイッチング素子24をオンとし、スイッチング素子24をオフとすることにより、半導体チップ領域12、12のうち、半導体チップ領域12にはテスタ信号を入力せずに、半導体チップ領域12のみにテスタ信号を入力することができる。
【0048】
また、スイッチング素子12をオンとし、スイッチング素子12をオフとすることにより、半導体チップ領域12、12のうち、半導体チップ領域12にはテスタ信号を入力せずに、半導体チップ領域12のみにテスタ信号を入力することができる。
【0049】
上述のように、ウェーハプローバによる試験が行われる本実施形態による半導体装置は、半導体チップ領域12が形成された半導体ウェーハ10のスクライブライン14に、半導体チップ領域12の半導体集積回路を試験する際に入力するテスタ信号を制御する試験用素子18が形成されていることに特徴がある。
【0050】
半導体チップ領域12にではなくスクライブライン14に試験用素子18が形成されているため、半導体チップ領域12の面積を低減することができる。したがって、半導体ウェーハ10に形成しうる半導体チップ領域12の数を増加することができる。
【0051】
また、本実施形態による半導体装置は、スイッチング素子24、24のオン/オフの切替により、試験用素子18に入力されたテスタ信号を分離して、スクライブライン14の両側に配置された半導体チップ領域12、12の両方にテスタ信号を入力し、又は、試験用素子18に入力されたテスタ信号を、スクライブライン14の両側に配置された半導体チップ領域12、12のいずれか一方に入力することができるようになっていることにも特徴がある。
【0052】
試験用素子18によりテスタ信号を分離して、スクライブライン14の両側に配置された半導体チップ領域12、12の両方にテスタ信号を入力することができるので、ウェーハプローバのテスタの性能を上げることなく既存のテスタを用いて、同時に試験する半導体チップ領域12の数を増加することができる。これにより、複数の半導体チップ領域12の試験に要する時間を大幅に短縮し、効率のよい半導体装置の試験を実現することができる。
【0053】
また、スクライブライン14の両側に配置された半導体チップ領域12、12のうちのいずれか一方にのみテスタ信号を入力することができるので、半導体チップ領域12、12を互いに独立して試験を行うこともできる。したがって、試験時に半導体チップ領域12、12が互いに電気的な影響を及ぼすことはなく、半導体チップ領域12の良否を高い精度で判定することができる。
【0054】
さらに、本実施形態による半導体装置は、スクライブライン14に形成された試験用素子18と半導体チップ領域12とが、半導体ウェーハ10上に形成された配線によっては電気的に接続されておらず、プローブカード16を介して電気的に接続されることにも特徴がある。
【0055】
このように、半導体集積回路を含む半導体チップ領域12と試験用素子18とは、半導体ウェーハ10上では互いに物理的、電気的に分離されているので、半導体チップ領域12への影響を考慮することなく、試験用素子18の構成、配置等を適宜変更することができる。
【0056】
また、試験用素子18と半導体チップ領域12とを互いに電気的に接続する配線が半導体ウェーハ10上には存在していないため、ダイシングによりスクライブライン14を切断して半導体チップ領域12を半導体チップに個片化した際に、半導体チップ領域12の切断面に配線が露出するということはない。したがって、スクライブライン14に試験用素子18が形成されていることにより、個片化された半導体チップが、耐湿性が低下する等の影響を受けることもない。
【0057】
次に、本実施形態による半導体装置の試験方法について図1及び図2を用いて説明する。
【0058】
まず、スクライブライン14に試験用素子18が形成されている半導体ウェーハ10と、プローブカード16との位置合わせを行い、図1及び図2に示すように、半導体ウェーハ10上の所定のパッドに、プローブカード16の所定のプローブ針を接触させる。すなわち、試験用素子18のパッド22に、プローブ針32を接触させる。また、試験用素子18のパッド26にプローブ針26を接触させ、半導体チップ領域12のパッド20にプローブ針36を接触させることにより、試験用素子18のパッド26と半導体チップ領域12のパッド20とを互いに電気的に接続する。また、試験用素子18のパッド26にプローブ針26を接触させ、半導体チップ領域12のパッド20にプローブ針36を接触させることにより、試験用素子18のパッド26と半導体チップ領域12のパッド20とを互いに電気的に接続する。また、パッド40にプローブ針30を接触させ、パッド40にプローブ針30を接触させる。
【0059】
次いで、ウェーハプローバのテスタにより生成されたテスタ信号を、プローブカード16のプローブ針32から試験用素子18のパッド22に入力する。
【0060】
試験用素子18のパッド22に入力されたテスタ信号は、スクライブライン14の両側に位置する半導体チップ領域12、12を同時に試験する場合、或いは半導体チップ領域12、12のいずれか一方を試験する場合に応じて、以下のように試験用素子18を介して半導体チップ領域12に入力される。
【0061】
スクライブライン14の両側に位置する半導体チップ領域12、12を同時に試験する場合、信号線28に接続されたパッド30に、テスタにより生成されたスイッチング素子24をオンとする切替信号がプローブ針40から入力される。この切替信号が信号線28からスイッチング素子24に入力され、スイッチング素子24はオンとなる。同時に、信号線28に接続されたパッド30に、テスタにより生成されたスイッチング素子24をオンとする切替信号がプローブ針40から入力される。この切替信号が信号線28からスイッチング素子24に入力され、スイッチング素子24もまたオンとなる。
【0062】
こうして、スイッチング素子24、24がともにオンとなることにより、試験用素子18のパッド22に入力されたテスタ信号は、スイッチング素子24、24の出力端に接続されたパッド26、26のそれぞれから出力される。
【0063】
パッド26から出力されたテスタ信号は、プローブ針34、配線38、及びプローブ針36を介して、半導体チップ領域12の半導体集積回路に入力される。同様に、パッド26から出力されたテスタ信号は、プローブ針34、配線38、及びプローブ針36を介して、半導体チップ領域12の半導体集積回路に入力される。
【0064】
こうして、スクライブライン14の両側に位置する半導体チップ領域12、12のそれぞれにテスタ信号が同時に入力される。
【0065】
以後、テスタ信号が入力された半導体チップ領域12、12の半導体集積回路から出力される出力信号に基づき、半導体チップ領域12、12の半導体集積回路の良否の判定を行う。
【0066】
スクライブライン14の両側に位置する半導体チップ領域12、12のうち、半導体チップ領域12のみを試験する場合、信号線28に接続されたパッド30に、テスタにより生成されたスイッチング素子24をオンとする切替信号がプローブ針40から入力される。この切替信号が信号線28からスイッチング素子24に入力され、スイッチング素子24はオンとなる。一方、信号線28に接続されたパッド30には、テスタにより生成されたスイッチング素子24をオフとする切替信号がプローブ針40から入力される。この切替信号が信号線28からスイッチング素子24に入力され、スイッチング素子24はオフとなる。
【0067】
こうして、スイッチング素子24がオンとなることにより、試験用素子18のパッド22に入力されたテスタ信号は、スイッチング素子24の出力端に接続されたパッド26から出力される。一方、スイッチング素子24がオフとなることにより、パッド26からのテスタ信号の出力は遮断される。
【0068】
パッド26から出力されたテスタ信号は、プローブ針34、配線38、及びプローブ針36を介して、半導体チップ領域12の半導体集積回路に入力される。一方、パッド26からのテスタ信号の出力は遮断されているため、テスタ信号は半導体チップ領域12の半導体集積回路には入力されない。
【0069】
こうして、スクライブライン14の両側に位置する半導体チップ領域12、12のうち、半導体チップ領域12にのみテスタ信号が入力される。
【0070】
以後、テスタ信号が入力された半導体チップ領域12の半導体集積回路から出力される出力信号に基づき、半導体チップ領域12の半導体集積回路の良否の判定を行う。
【0071】
スクライブライン14の両側に位置する半導体チップ領域12、12のうち、半導体チップ領域12のみを試験する場合は、スイッチング素子24、24のオン/オフを上記の場合と逆にすればよい。
【0072】
上述のように、必要に応じて、スクライブライン14の両側に位置する半導体チップ領域12、12を同時に試験し、又は、半導体チップ領域12、12のうちのいずれか一方のみを他方とは独立して試験することができる。
【0073】
このように、本実施形態によれば、半導体チップ領域12が形成された半導体ウェーハ10のスクライブライン14に、テスタ信号を制御する試験用素子18が形成されているので、半導体チップ領域12の面積を低減することができる。したがって、半導体ウェーハ10に形成しうる半導体チップ領域12の数を増加することができる。
【0074】
また、本実施形態によれば、試験用素子18によりテスタ信号を分離して、スクライブライン14の両側に配置された半導体チップ領域12、12の両方にテスタ信号を入力することができるので、ウェーハプローバのテスタの性能を上げることなく既存のテスタを用いて、同時に試験しうる半導体チップ領域12の数を増加することができる。これにより、複数の半導体チップ領域12の試験に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、スクライブライン14の両側に配置された半導体チップ領域12、12のうちのいずれか一方にのみテスタ信号を入力することができるので、半導体チップ領域12、12を互いに独立して試験を行うこともできる。したがって、試験時に半導体チップ領域12、12が互いに電気的な影響を及ぼすことはなく、半導体チップ領域12の良否を高い精度で判定することができる。
【0076】
さらに、本実施形態によれば、スクライブライン14に形成された試験用素子18と半導体チップ領域12とが、半導体ウェーハ10上に形成された配線によっては電気的に接続されておらず、プローブカード16を介して電気的に接続されるので、半導体チップ領域12への影響を考慮することなく、試験用素子18の構成、配置等を適宜変更することができる。また、ダイシングによりスクライブライン14を切断して半導体チップ領域12を半導体チップに個片化した際に、半導体チップ領域12の切断面に配線が露出するということはないので、個片化された半導体チップが、耐湿性が低下する等の影響を受けることもない。
【0077】
(変形例)
本実施形態の変形例による半導体装置及びその試験方法について図3を用いて説明する。図3は本変形例による半導体装置における試験用素子を示す概略図である。
【0078】
上記では、試験用素子18に関して、2つのスイッチング素子24、24を有し、パッド22に入力されるテスタ信号を2つに分岐することが可能な構成について説明した。試験用素子18を構成するスイッチング素子の数を更に増やすことにより、テスタ信号の分岐数を更に増やすことが可能である。本変形例では、パッド22に入力されるテスタ信号を4つに分岐することが可能な試験用素子18の構成について説明する。
【0079】
テスタ信号が入力されるパッド22の両側には、半導体チップ領域12へのテスタ信号の入力及び遮断を切り替える2組のスイッチング素子24L1、24R1、及びスイッチング素子24L2、24R2が接続されている。
【0080】
スイッチング素子24L1、24R1、24L2、24R2の出力端には、テスタ信号が出力されるパッド26L1、26R1、26L2、26R2がそれぞれ接続されている。
【0081】
スイッチング素子24L1、24R1、24L2、24R2には、スクライブライン14に形成され、スイッチング素子24L1、24R1、24L2、24R2のオン/オフの切替を行うための信号線28L1、28R1、28L2、28R2がそれぞれ接続されている。信号線28L1、28R1、28L2、28R2には、スクライブライン14に形成され、スイッチング素子24L1、24R1、24L2、24R2のオン/オフの切替を行うための切替信号がプローブカード16から入力されるパッド30L1、30R1、30L2、30R2がそれぞれ接続されている。
【0082】
試験時には、パッド22、26L1、26L2、26R1、26R2、30L1、30R1、30L2、30R2に、プローブカード16に設けられたプローブ針が以下のように接触する。
【0083】
パッド22には、テスタ信号を入力するためのプローブ針32が接触する。
【0084】
また、パッド26L1、26L2には、プローブ針34がそれぞれ接触する。パッド26L1、26L2は、プローブカード16を介して、すなわち、プローブ針34、半導体チップ領域12のパッド20に接触するプローブ針36、及びプローブ針34、36を互いに電気的に接続する配線38により、半導体チップ領域12のパッド20に電気的に接続される。
【0085】
また、パッド26R1、26R2には、プローブ針34がそれぞれ接触する。パッド26R1、26R2は、プローブカード16を介して、すなわち、プローブ針34、半導体チップ領域12のパッド20に接触するプローブ針36、及びプローブ針34、36を互いに電気的に接続する配線38により、半導体チップ領域12のパッド20に電気的に接続される。
【0086】
また、パッド30L1、30R1、30L2、30R2には、スイッチング素子24L1、24R1、24L2、24R2のオン/オフを切り替える切替信号を入力するためのプローブ針40L1、40R1、40L2、40R2がそれぞれ接触する。
【0087】
このように、試験用素子18を構成するスイッチング素子の数を増やすことにより、テスタ信号の分岐数を増やしてもよい。なお、本変形例では、試験用素子18を構成するスイッチング素子の数を4つとすることにより、テスタ信号を4つに分岐する場合について説明したが、スイッチング素子の数を更に増やすことにより、テスタ信号の分岐数を更に増やすこともできる。
【0088】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による半導体装置及びその試験方法について図4を用いて説明する。図4は本実施形態による半導体装置を示す概略図である。なお、第1実施形態による半導体装置及びその試験方法と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し或いは簡略にする。
【0089】
本実施形態による半導体装置は、スクライブライン14に形成された試験用素子として、テスタ信号の分離を行う試験用素子42と、半導体チップ領域12から出力される出力信号の圧縮を行う試験用素子44とを有するものである。以下、本実施形態による半導体装置について図4を用いて説明する。図4は半導体ウェーハ10に形成された半導体チップ領域12及びこれに隣接するスクライブライン14を示している。
【0090】
半導体チップ領域12間のスクライブライン14には、テスタ信号を分離する試験用素子42と、テスタ信号が入力された半導体チップ領域12から出力される出力信号を圧縮する試験用素子44とが形成されている。試験用素子42、44は、半導体ウェーハ10上に形成された半導体集積回路により構成されている。
【0091】
試験用素子42は、テスタ信号が入力されるパッド46と、パッド46に入力されたテスタ信号を2つに分離する分離回路48と、分離されたテスタ信号がそれぞれ出力される2つのパッド50a、50bとを有している。
【0092】
試験用素子44は、テスタ信号が入力された半導体チップ領域12から出力される出力信号がそれぞれ入力される2つのパッド52a、52bと、パッド52a、52bに入力された出力信号を圧縮する圧縮回路54と、圧縮された出力信号が出力されるパッド56とを有している。
【0093】
試験時には、パッド46、50a、50b、52a、52b、56に、プローブカード16に設けられたプローブ針が以下のように接触する。
【0094】
パッド46には、テスタ信号を入力するためのプローブ針32が接触する。
【0095】
また、パッド50a、50bには、プローブ針34がそれぞれ接触する。パッド50a、50bは、プローブカード16を介して、すなわち、プローブ針34、半導体チップ領域12のパッド20に接触するプローブ針36、及びプローブ針34、36を互いに電気的に接続する配線38により、半導体チップ領域12のパッド20に電気的に接続される。
【0096】
また、パッド52a、52bには、プローブ針34がそれぞれ接触する。パッド52a、52bは、プローブカード16を介して、すなわち、プローブ針34、半導体チップ領域12のパッド20に接触するプローブ針36、及びプローブ針34、36を互いに電気的に接続する配線38により、半導体チップ領域12のパッド20に電気的に接続される。
【0097】
本実施形態による半導体装置は、スクライブライン14に、テスタ信号の分離を行う試験用素子42、及び半導体チップ領域12からの出力信号を圧縮する試験用素子44が形成されていることに特徴がある。
【0098】
テスタ信号を分離しないでそのまま半導体チップ領域12に入力する場合と比較して、試験用素子42によりテスタ信号を分離して半導体チップ領域12に入力することにより、テスタの性能を上げることなく既存のテスタを用いて、より多くの半導体チップ領域12を同時に試験することができる。これにより、効率のよい半導体装置の試験を実現することができる。
【0099】
また、半導体チップ領域12にではなくスクライブライン14に試験用素子42、44が形成されているため、半導体チップ領域12の面積を低減することができる。したがって、半導体ウェーハ10に形成しうる半導体チップ領域12の数を増加することができる。
【0100】
さらに、本実施形態による半導体装置は、スクライブライン14に形成された試験用素子42、44と半導体チップ領域12とが、半導体ウェーハ10上に形成された配線によっては電気的に接続されておらず、プローブカード16を介して電気的に接続されることにも特徴がある。
【0101】
このように、試験用素子42、44と半導体チップ領域12とは、半導体ウェーハ10上では互いに物理的、電気的に分離されているので、半導体チップ領域12への影響を考慮することなく、試験用素子42、44の構成、配置等を適宜変更することができる。
【0102】
また、試験用素子42、44と半導体チップ領域12とを互いに電気的に接続する配線が半導体ウェーハ10上には存在していないため、ダイシングによりスクライブライン14を切断して半導体チップ領域12を個片化した際に、半導体チップ領域12の切断面に配線が露出するということはない。したがって、スクライブライン14に試験用素子42、44が形成されていることにより、個片化された半導体チップが、耐湿性が低下する等の影響を受けることもない。
【0103】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0104】
例えば、上記第1実施形態では、スイッチング素子をMISトランジスタにより構成する場合について説明したが、スイッチング素子は、MISトランジスタのほか、あらゆる半導体素子により構成することができる。
【0105】
また、上記第1実施形態では、試験用素子18がスイッチング素子24、24を有する場合について説明したが、半導体チップ領域12、12を同時に試験するのみの場合は、スイッチング素子24、24を省略してもよい。
【0106】
また、上記実施形態では、試験用素子18、42、44と半導体チップ領域12とが、半導体ウェーハ10上では物理的、電気的に分離されており、試験時はプローブカード16に設けられた配線38、38を介して両者を電気的に接続する場合について説明したが、試験用素子18、42、44と半導体チップ領域12との電気的な接続は、プローブカード16に設けられた配線38、38を介して行う場合に限定されるものではない。試験用素子18、42、44と半導体チップ領域12との電気的な接続は、半導体ウェーハ10外に設けられた種々の外部配線を介して行うことができる。
【0107】
以上詳述したように、本発明の特徴をまとめると以下のようになる。
【0108】
(付記1)
半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む半導体チップ領域と、
前記半導体チップ領域に隣接して設けられたスクライブ領域と、
前記スクライブ領域に前記半導体集積回路と電気的に分離して形成され、前記半導体集積回路を試験する際に入力する試験用信号を制御する試験用素子と
を有することを特徴とする半導体装置。
【0109】
(付記2)
半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む第1の半導体チップ領域と、
前記半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む第2の半導体チップ領域と、
前記第1の半導体チップ領域と前記第2の半導体チップ領域との間に設けられたスクライブ領域と、
前記スクライブ領域に、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路と電気的に分離して形成され、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路を試験する際に入力する試験用信号を制御する試験用素子と
を有することを特徴とする半導体装置。
【0110】
(付記3)
付記2記載の半導体装置において、
前記試験用素子は、前記試験用信号が入力される第1のパッドと、前記試験用信号が出力される第2のパッドと、前記試験用信号が出力される第3のパッドとを有し、
前記第1の半導体チップ領域は、前記試験用信号が入力される第4のパッドを有し、
前記第2の半導体チップ領域は、前記試験用信号が入力される第5のパッドを有し、
前記半導体集積回路を試験する際に用いるプローブカードに設けられた第1の配線を介して前記第2のパッドと前記第4のパッドとが電気的に接続され、前記プローブカードに設けられた第2の配線を介して前記第3のパッドと前記第5のパッドとが電気的に接続される
ことを特徴とする半導体装置。
【0111】
(付記4)
付記2又は3記載の半導体装置において、
前記試験用素子は、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路への前記試験用信号の入力及び遮断を切り替える第1のスイッチング素子と、前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路への前記試験用信号の入力及び遮断を切り替える第2のスイッチング素子とを有する
ことを特徴とする半導体装置。
【0112】
(付記5)
付記4記載の半導体装置において、
前記スクライブ領域に形成され、前記第1のスイッチング素子に電気的に接続され、前記第1のスイッチング素子の切替動作を制御する第1の信号が入力される第1の信号線と、
前記スクライブ領域に形成され、前記第2のスイッチング素子に電気的に接続され、前記第2のスイッチング素子の切替動作を制御する第2の信号が入力される第2の信号線とを更に有する
ことを特徴とする半導体装置。
【0113】
(付記6)
半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む半導体チップ領域と、
前記半導体チップ領域に隣接して設けられたスクライブ領域と、
前記スクライブ領域に前記半導体集積回路と電気的に分離して形成され、前記半導体集積回路を試験する際に入力する試験用信号を分離する信号分離用の試験用素子と、
前記スクライブ領域に前記半導体集積回路と電気的に分離して形成され、前記試験用信号が入力された前記半導体集積回路から出力される出力信号を圧縮する信号圧縮用の試験用素子と
を有することを特徴とする半導体装置。
【0114】
(付記7)
付記1乃至6のいずれかに記載の半導体装置において、
前記試験用素子は、前記半導体ウェーハ上に形成された半導体集積回路からなる
ことを特徴とする半導体装置。
【0115】
(付記8)
半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む半導体チップ領域と、前記半導体チップ領域に隣接して設けられたスクライブ領域と、前記スクライブ領域に前記半導体集積回路と電気的に分離して形成され、前記半導体集積回路を試験する際に入力する試験用信号を制御する試験用素子とを有する半導体装置を試験する半導体装置の試験方法であって、
前記半導体集積回路と前記試験用素子とを外部配線を介して電気的に接続し、
前記外部配線を介して前記試験用素子から前記半導体集積回路に入力される前記試験用信号を用いて、前記半導体集積回路の試験を行う
ことを特徴とする半導体装置の試験方法。
【0116】
(付記9)
半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む第1の半導体チップ領域と、前記半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む第2の半導体チップ領域と、前記第1の半導体チップ領域と前記第2の半導体チップ領域との間に設けられたスクライブ領域と、前記スクライブ領域に、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路と電気的に分離して形成され、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路を試験する際に入力する試験用信号を制御する試験用素子とを有する半導体装置を試験する半導体装置の試験方法であって、
前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路と前記試験用素子とを電気的に接続し、前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路と前記試験用素子とを電気的に接続し、
前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路に前記試験用素子から入力される前記試験用信号を用いて、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路を試験する
ことを特徴とする半導体装置の試験方法。
【0117】
(付記10)
付記9記載の半導体装置の試験方法において、
前記試験用素子は、前記試験用信号が入力される第1のパッドと、前記試験用信号が出力される第2のパッドと、前記試験用信号が出力される第3のパッドとを有し、
前記第1の半導体チップ領域は、前記試験用信号が入力される第4のパッドを有し、
前記第2の半導体チップ領域は、前記試験用信号が入力される第5のパッドを有し、
前記半導体集積回路を試験する際に用いるプローブカードに設けられた第1の配線を介して前記第2のパッドと前記第4のパッドとを電気的に接続し、前記プローブカードに設けられた第2の配線を介して前記第3のパッドと前記第5のパッドとを電気的に接続し、
前記試験用素子の前記第1のパッドに、前記プローブカードを介して前記試験用信号を入力し、
前記第2のパッドから出力される前記試験用信号を、前記第1の配線を介して前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路に入力し、
前記第3のパッドから出力される前記試験用信号を、前記第2の配線を介して前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路に入力する
ことを特徴とする半導体装置の試験方法。
【0118】
(付記11)
付記9又は10記載の半導体装置の試験方法において、
前記試験用素子は、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路への試験用信号の入力及び遮断を切り替える第1のスイッチング素子と、前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路への試験用信号の入力及び遮断を切り替える第2のスイッチング素子とを有し、
前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子の切替動作を制御することにより、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路に前記試験用信号を同時に入力する
ことを特徴とする半導体装置の試験方法。
【0119】
(付記12)
付記9又は10記載の半導体装置の試験方法において、
前記試験用素子は、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路への試験用信号の入力及び遮断を切り替える第1のスイッチング素子と、前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路への試験用信号の入力及び遮断を切り替える第2のスイッチング素子とを有し、
前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子の切替動作を制御することにより、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路のいずれかに前記試験用信号を入力する
ことを特徴とする半導体装置の試験方法。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の第1実施形態による半導体装置の試験方法における半導体ウェーハ及びプローブカードを示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態による半導体装置の試験方法における半導体チップ領域及びスクライブラインを示す拡大概略図である。
【図3】本発明の第1実施形態の変形例による半導体装置における試験用素子を示す概略図である。
【図4】本発明の第2実施形態による半導体装置を示す概略図である。
【図5】プローブカード上でテスタ信号の分離が行われる半導体装置の試験方法を示す概略図である。
【図6】テスタ信号の分離を制御する試験用素子が設けられたプローブカードを用いた半導体装置の試験方法を示す概略図である。
【図7】テスタ信号を分離、圧縮する試験用素子が作り込まれた半導体チップを示す概略図である。
【図8】プローブカード上でテスタ信号の分離が行われる半導体装置の試験方法における半導体チップの良否の誤判定を説明する図である。
【符号の説明】
【0121】
10…半導体ウェーハ
12…半導体チップ領域
14…スクライブライン
16…プローブカード
18…試験用素子
20…試験用パッド
22…パッド
24、24…スイッチング素子
24L1、24R1、24L2、24R2…スイッチング素子
26、26…パッド
26L1、26R1、26L2、26R2…パッド
28、28…信号線
28L1、28R1、28L2、28R2…信号線
30、30…パッド
30L1、30R1、30L2、30R2…パッド
32…プローブ針
34、34…プローブ針
36、36…プローブ針
38、38…配線
40、40…プローブ針
40L1、40R1、40L2、40R2…プローブ針
42、44…試験用素子
46…パッド
48…分離回路
50a、50b…パッド
52a、52b…パッド
54…圧縮回路
56…パッド
100…プローブカード
102…配線
104a、104b…プローブ針
106…半導体ウェーハ
108…半導体チップ
108NG…不良品の半導体チップ領域
110…パッド
112…試験用素子
114…半導体チップ
116…プローブ針
118…パッド
120…試験用素子
122…パッド
124…試験用素子
126…プローブ針

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む半導体チップ領域と、
前記半導体チップ領域に隣接して設けられたスクライブ領域と、
前記スクライブ領域に前記半導体集積回路と電気的に分離して形成され、前記半導体集積回路を試験する際に入力する試験用信号を制御する試験用素子と
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む第1の半導体チップ領域と、
前記半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む第2の半導体チップ領域と、
前記第1の半導体チップ領域と前記第2の半導体チップ領域との間に設けられたスクライブ領域と、
前記スクライブ領域に、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路と電気的に分離して形成され、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路を試験する際に入力する試験用信号を制御する試験用素子と
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置において、
前記試験用素子は、前記試験用信号が入力される第1のパッドと、前記試験用信号が出力される第2のパッドと、前記試験用信号が出力される第3のパッドとを有し、
前記第1の半導体チップ領域は、前記試験用信号が入力される第4のパッドを有し、
前記第2の半導体チップ領域は、前記試験用信号が入力される第5のパッドを有し、
前記半導体集積回路を試験する際に用いるプローブカードに設けられた第1の配線を介して前記第2のパッドと前記第4のパッドとが電気的に接続され、前記プローブカードに設けられた第2の配線を介して前記第3のパッドと前記第5のパッドとが電気的に接続される
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む半導体チップ領域と、前記半導体チップ領域に隣接して設けられたスクライブ領域と、前記スクライブ領域に前記半導体集積回路と電気的に分離して形成され、前記半導体集積回路を試験する際に入力する試験用信号を制御する試験用素子とを有する半導体装置を試験する半導体装置の試験方法であって、
前記半導体集積回路と前記試験用素子とを外部配線を介して電気的に接続し、
前記外部配線を介して前記試験用素子から前記半導体集積回路に入力される前記試験用信号を用いて、前記半導体集積回路の試験を行う
ことを特徴とする半導体装置の試験方法。
【請求項5】
半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む第1の半導体チップ領域と、前記半導体ウェーハに形成され、半導体集積回路を含む第2の半導体チップ領域と、前記第1の半導体チップ領域と前記第2の半導体チップ領域との間に設けられたスクライブ領域と、前記スクライブ領域に、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路と電気的に分離して形成され、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路を試験する際に入力する試験用信号を制御する試験用素子とを有する半導体装置を試験する半導体装置の試験方法であって、
前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路と前記試験用素子とを電気的に接続し、前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路と前記試験用素子とを電気的に接続し、
前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路に前記試験用素子から入力される前記試験用信号を用いて、前記第1の半導体チップ領域の前記半導体集積回路及び前記第2の半導体チップ領域の前記半導体集積回路を試験する
ことを特徴とする半導体装置の試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−261504(P2006−261504A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78973(P2005−78973)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】