説明

半導体装置

【課題】半導体装置の特性を向上させる。
【解決手段】本発明の半導体装置は、半導体基板の上方に形成された半導体素子と、半導体素子の上方に形成された第1絶縁膜と、第1絶縁膜上に形成されたアルミニウム(Al)を含有する第1導電性膜よりなるヒューズ素子Fと、を有する。さらに、第1絶縁膜上に形成され、第1導電性膜よりなる第1配線と、第1配線上に形成された第2絶縁膜と、を有し、ヒューズ素子Fのプログラム領域は、第2絶縁膜に設けられた開口部OA1から露出している。また、ヒューズ素子Fのプログラム期間およびヒューズ素子にプログラムされたデータの読み出し期間以外の期間において、ヒューズ素子Fの両端を接地電位に維持する。例えば、ヒューズ素子Fの一端は、接地電位に接続され、他端は、スイッチング素子を介して接地電位に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、ヒューズが設けられた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置においては、トリミング技術が用いられる。このトリミングとは、ヒューズ(パターンの一部)を切断し、装置の特性の向上を図ることである。例えば、冗長回路を設け、冗長回路との接続が必要な場合には、ヒューズを切断し、不良箇所と置き換えを行なうためのプログラミングを行なう。また、ヒューズの切断の有無によるプログラミングにより、各種回路の接続関係を変更し、使用する周波数や対応電圧の変更などを行なうことができる。
【0003】
例えば、下記特許文献1(特開2007−317882号公報)には、ヒューズプログラム回路において、スキャンフリップフロップを用いてプログラム情報およびヒューズ選択情報を順次転送して、選択的に一本ずつヒューズを電気的に切断する技術が開示されている。これにより、低消費電力かつ低占有面積で、パッケージ実装後においてもプログラムを行うことができるヒューズ素子を有するヒューズプログラム回路を実現している。
【0004】
また、下記特許文献2(特開2000−57933号公報)には、銅からなるヒューズの両端間にかかる電圧差を0(ゼロ)とすることにより、ヒューズが溶断した後に、銅が再成長することを防止する技術が開示されている。
【0005】
また、下記特許文献3(特開2005−11935号公報)には、AlCu合金膜の側面表面をAl被膜で覆うことによりAlの腐食を防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−317882号公報
【特許文献2】特開2000−57933号公報
【特許文献3】特開2005−11935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようなヒューズを有する半導体装置においては、ヒューズのブロー性(切断容易性)を向上させるため、ヒューズ上の絶縁膜を薄膜化することが好ましい。一方、ヒューズの信頼性を向上させるためには、ヒューズ上を絶縁膜で覆うことが好ましい。
【0008】
しかしながら、ヒューズ上の絶縁膜の膜厚が厚すぎると、ヒューズの溶断に高エネルギーが必要となり、他の素子への影響が懸念される。また、ヒューズ上の絶縁膜を薄膜化するには、高度なエッチング制御が必要となる。特に、後述するように、パッド領域とヒューズ上の開口部を同時に形成する場合には、エッチング制御がさらに複雑化する。
【0009】
また、次世代の製品においては、微細化に対応するため、配線層(ヒューズ)自身の薄膜化やその上の絶縁膜の薄膜化の要請も大きい。即ち、配線幅や配線ピッチの縮小化に伴い、配線層(ヒューズ)自身を薄膜化せざるを得ない。また、配線幅や配線ピッチの縮小化に伴い、コンタクト孔径も縮小化する。この場合、配線層(ヒューズ)上の絶縁膜の膜厚が大きいとコンタクト孔のアスペクト比が大きくなり、開孔不良が生じ得る。微細なコンタクト孔の加工精度を向上させるためには、配線層(ヒューズ)上の絶縁膜の薄膜化が必要となる。このように、配線層(ヒューズ)上の絶縁膜自身が薄膜化した場合には、ヒューズ上の絶縁膜を所定の膜厚の範囲内となるようエッチングにおいて調整することが益々困難となる。
【0010】
そこで、本発明者は、ヒューズ自身を露出可能な半導体装置の構成について検討したところ、追って詳細に説明するように、特に、電源電位(VDD)側で、配線(Al、Ti、TiN)の変質が確認され、かかる変質による特性劣化を低減する技術について種々の検討を行った。
【0011】
本発明の目的は、半導体装置の特性を向上させることができる半導体装置の構成を提供することにある。
【0012】
本発明の上記目的およびその他の目的と新規な特徴は、本願明細書の記載および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0014】
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態に示される半導体装置は、半導体基板の上方に形成された半導体素子と、前記半導体素子の上方に形成された第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に形成されたアルミニウム(Al)を含有する第1導電性膜よりなるヒューズ素子と、を有する。さらに、前記第1絶縁膜上に形成され、前記第1導電性膜よりなる第1配線と、前記第1配線上に形成された第2絶縁膜と、を有し、前記ヒューズ素子のプログラム領域は、前記第2絶縁膜に設けられた第1開口部から露出している。
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態に示される半導体装置は、アルミニウムを含有する導電性膜よりなるヒューズ素子を有する半導体装置において、前記ヒューズ素子のプログラム期間および前記ヒューズ素子にプログラムされたデータの読み出し期間以外の期間において、前記ヒューズ素子の両端を接地電位に維持する。例えば、前記ヒューズ素子の一端は、接地電位に接続され、他端は、スイッチング素子を介して前記接地電位に接続されている。
【発明の効果】
【0016】
本願において開示される発明のうち、以下に示す代表的な実施の形態に示される半導体装置によれば、半導体装置の特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態1の半導体装置の構成を示す要部断面図である。
【図2】実施の形態1の半導体装置のヒューズ素子の構成を示す平面図である。
【図3】実施の形態1の半導体装置のヒューズ素子の構成を示す断面図である。
【図4】実施の形態1の半導体装置のヒューズ素子の構成を示す断面図である。
【図5】実施の形態1の半導体装置のヒューズ素子が接続される回路を示す回路図である。
【図6】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【図7】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図6に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図8】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図7に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図9】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図8に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図10】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図9に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図11】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図10に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図12】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図11に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図13】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図12に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図14】ダイシング後の半導体チップの一例を示す平面図である。
【図15】図14のトリミング領域の構成を示す平面図である。
【図16】実施の形態1の半導体装置の製造工程(実装工程)を示す断面図である。
【図17】初期設定期間と通常動作期間との関係を示す図である。
【図18】判定回路の第1例を示す回路図である。
【図19】判定回路の第2例を示す回路図である。
【図20】図18に示す判定回路のRIN信号の生成回路の一例を示す回路図である。
【図21】図18に示す判定回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図22】実施の形態2の半導体装置の構成を示す断面図である。
【図23】実施の形態2の半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【図24】実施の形態2の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図23に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図25】実施の形態2の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図24に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図26】実施の形態2の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図25に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図27】実施の形態2の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図26に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図28】実施の形態3の半導体装置のヒューズ素子が接続される回路を示す回路図である。
【図29】本発明者が検討した比較例のヒューズ素子の写真である。
【図30】図29の写真の一部を模写した図である。
【図31】比較例の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、応用例、詳細説明、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0019】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数等(個数、数値、量、範囲等を含む)についても同様である。
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一または関連する符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0021】
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
【0022】
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら本実施の形態の半導体装置の構成および製造方法について詳細に説明する。図1は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す要部断面図である。図2〜図4は、本実施の形態の半導体装置のヒューズ素子の構成を示す平面図又は断面図である。図3は、例えば、図2のB−B断面に、図4は、例えば、図2のC−C断面に対応する。図5は、本実施の形態の半導体装置のヒューズ素子が接続される回路を示す回路図である。
【0023】
[構造説明]
まず、図1〜図5を参照しながら、本実施の形態の半導体装置の特徴的な構成について説明する。
【0024】
図1に示すように、本実施の形態の半導体装置は、半導体基板(基板)1上に形成された半導体素子として、例えばpチャネル型MISFETQpおよびnチャネル型MISFETQnを有する。かかるMISFETの他、他の素子、例えば、抵抗素子やメモリセルなど、種々の素子を有していてもよい。
【0025】
これらMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor、電界効果トランジスタ)上には、層間絶縁膜TH1が形成されている。また、上記MISFETのソース、ドレイン領域(3n、3p)上には、プラグP1を介して第1層配線M1が形成されている。さらに、第1層配線M1上には、複数の配線層(第2層配線M2〜第5層配線M5)が形成されている。各配線層間は、プラグP2〜プラグP5により電気的に接続され、それ以外の領域は層間絶縁膜TH2〜TH5により電気的に絶縁されている。また、第5層配線M5と同層には、ヒューズ素子(フューズ素子)Fが形成されている。最上層配線である第6層配線M6と第5層配線M5との間は、プラグP6により電気的に接続され、それ以外の領域は層間絶縁膜TH6により電気的に絶縁されている。
【0026】
第1層配線M1〜第6層配線M6は、Al配線(アルミニウムを含有する導電性膜を有する配線)である。なお、アルミニウム(Al)膜の上層および下層にバリア膜を設け、Al膜および上下のバリア膜を含めてAl配線としてもよい。
【0027】
なお、第1層配線M1〜第4層配線M4を他の導電性膜(例えば、銅(Cu)など)を用いて構成してもよい。
【0028】
この第6層配線M6上には第1保護膜(12、13)および第2保護膜(感光性ポリイミド膜16)が形成され、これらの膜(12、13、16)の開口部OA2から第6層配線(Al膜)M6が露出している。また、第1保護膜(12、13)、第2保護膜(感光性ポリイミド膜16)および層間絶縁膜TH6の開口部OA1からヒューズ素子F(Fp)が露出している。このように、本実施の形態においては、ヒューズ素子Fを剥き出し構造としている。但し、ヒューズ素子F上は、後述する封止工程において封止樹脂で覆われることとなる。上記第6層配線M6の露出部がパッド領域Pdとなる。このパッド領域Pd上のワイヤ(導電性部材)Wを介して半導体装置(半導体チップ)と外部端子との電気的接続を図ることができる。また、後述するように、ヒューズ素子Fの露出部の一部が、プログラム領域(切断可能領域)Fpとなる。
【0029】
次いで、ヒューズ素子Fの構成について詳細に説明する。図2に示すように、一のヒューズ素子Fは、ライン状に形成された導電性膜(配線)の一部である。複数のヒューズ素子F(ライン状の導電性膜)が、一定の間隔を置いて複数配置されている。
【0030】
前述したように、ヒューズ素子Fは、配線(本実施の形態においては、第5層配線M5)の一部であり、プログラム領域(溶断可能領域)Fpを含む一定の領域(長さ)を指すものとする。言い換えれば、上記領域以外の部分は、配線(ここでは、第5層配線M5である)。このプログラム領域(溶断可能領域)Fpは、後述する溶断回路(93)により過電流を流すなどして切断される領域をいう(図5参照)。
【0031】
図2に示す5つのヒューズ素子Fのプログラム領域(Fp)において、未切断状態であるものをFaと、切断状態であるものをFbと示す。図3は、切断状態であるヒューズ素子Fの断面図であり、プログラム領域(Fp)において、導電性膜が断線している。図4は、未切断状態であるヒューズ素子Fの断面図であり、プログラム領域(Fp)において、導電性膜が繋がったままの状態である。
【0032】
ヒューズ素子Fに接続された溶断回路(93)によりプログラム領域(溶断可能領域)Fpを切断するか否かによって、ヒューズ素子Fに、異なる情報(データ)を記憶(プログラム)することができる(図5参照)。
【0033】
また、ヒューズ素子Fに接続された判定回路(95)によって、ヒューズ素子Fに記憶(プログラム)されたデータを読み出すことができる(図5参照)。例えば、“切断状態”を“1”データ、“未切断状態”を“0”データとする。図3に示すように、図中左から並ぶヒューズ素子Fが、Fb(切断)、Fa(未切断)、Fa(未切断)、Fb(切断)、Fa(未切断)である場合には、判定回路によって、“0”、“1”、“1”、“0”、“1”のデータが出力されることとなる。
【0034】
次いで、図5を参照しながら、ヒューズ素子Fおよびその周辺の回路(溶断回路93、判定回路95など)の構成について説明する。
【0035】
図5に示すように、ヒューズ素子Fの一端(ノードn1)は、接地電位(GND、接地電位配線、接地電位端子)に接続され、ヒューズ素子Fの他端(ノードn2)は、トランジスタ91を介して電源電位(VDD、電源電位配線)に接続されている。また、ヒューズ素子の他端(ノードn2)には、判定回路(読み出し回路、テスト回路)95が接続されている。また、上記トランジスタ91のゲート電極は、溶断回路93に接続されている。
【0036】
ここで、本実施の形態のヒューズ素子Fの他端(ノードn2)は、トランジスタ(スイッチング素子)Tsを介して(GND、接地電位配線、接地電位端子)に接続されている。
【0037】
溶断回路93により、所定のヒューズ素子Fの切断(溶断)を行う。かかる工程をプラグラム工程という。このプログラム工程においては、上記トランジスタ(スイッチング素子)Tsをオフ(OFF)状態とし、トランジスタ(MISFET)91をオン(ON)状態とし、過電流をヒューズ素子Fに流すなどして、ヒューズ素子Fの電気溶断を行う。
【0038】
また、判定回路95により、ヒューズ素子Fに記憶されたデータを読み出す。かかる工程を読み出し工程という。この読み出し工程においては、上記トランジスタ(スイッチング素子)Tsをオフ(OFF)状態とする。
【0039】
そして、例えば、当該ヒューズ素子Fが切断されている場合(Fb)には、ヒューズ素子Fの他端(ノードn2)がHレベル(高電位レベル)となり、これに対応した信号を判定回路95から出力し、切断を判定する。即ち、“切断状態”を“0”データとした場合、“0”データを認識する。一方、当該ヒューズ素子Fが未切断の場合(Fa)には、ヒューズ素子Fの他端(ノードn2)がLレベル(低電位レベル)となり、これに対応した信号を判定回路95から出力し、未切断を判定する。即ち、“未切断状態”を“1”データとした場合、“1”データを認識する。
【0040】
ここで、本実施の形態においては、上記プログラム工程(期間)および読み出し工程(期間)以外の工程(期間)においては、トランジスタ(スイッチング素子)Tsをオン(ON)状態とし、ヒューズ素子Fの両端(ノードn1、ノードn2)を接地電位(GND、接地電位配線、接地電位端子)に接続する。このように、ヒューズ素子Fの両端(ノードn1、ノードn2)を接地電位(GND、接地電位配線、接地電位端子)に接続することで、ヒューズ素子Fを保護膜(12、13、16)および層間絶縁膜TH6から露出させていても、ヒューズ素子Fの変質を低減することができる。
【0041】
よって、半導体装置の特性を向上させることができる。当該特性の向上に関する、具体的な内容は、追って詳細に説明する(後述の<1>〜<3>参照)。
【0042】
[製造方法説明]
次いで、図1〜図13を参照しながら、本実施の形態の半導体装置の製造工程を説明するとともに、当該半導体装置の構成をより明確にする。図6〜図13は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【0043】
まず、図1に示すような半導体素子(nチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQp)を形成し、その上方に複数の配線(M1〜M4)を形成する。
【0044】
半導体素子(nチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQp)および複数の配線(M1〜M4)の形成方法に制限はないが、例えば、以下に示す工程により、これらを形成することができる。
【0045】
[Qn、Qp形成工程]
例えばp型の単結晶シリコンからなる半導体基板1をエッチングすることにより溝を形成し、溝の内部に絶縁膜として例えば酸化シリコン膜を埋め込むことにより素子分離領域2を形成する。この素子分離領域2により、nチャネル型MISFETQnが形成される活性領域およびpチャネル型MISFETQpが形成される活性領域が区画される。
【0046】
次いで、半導体基板1のnチャネル型MISFETQnが形成される活性領域にp型不純物をイオン打ち込みした後、熱処理により不純物を拡散させることにより、p型ウエルを形成する。また、半導体基板1のpチャネル型MISFETQpが形成される活性領域にn型不純物をイオン打ち込みした後、熱処理により不純物を拡散させることにより、n型ウエルを形成する。次いで、例えば、半導体基板1(p型ウエルおよびn型ウエル)の表面を熱酸化することにより、ゲート絶縁膜を形成する。
【0047】
次いで、ゲート絶縁膜上に、例えば導電性膜として、不純物をドープした多結晶シリコン膜を堆積し、この多結晶シリコン膜をエッチングすることにより、ゲート電極Gを形成する。
【0048】
次いで、ゲート電極Gの両側のp型ウエルにn型不純物をイオン打ち込みすることによってn型半導体領域を形成し、ゲート電極Gの両側のn型ウエルにp型不純物をイオン打ち込みすることによってp型半導体領域を形成する。
【0049】
次いで、半導体基板1の全面上に絶縁膜として例えば窒化シリコン膜を堆積した後、異方的にエッチングすることによって、ゲート電極Gの側壁にサイドウォールスペーサを形成する。
【0050】
次いで、ゲート電極Gおよびサイドウォールスペーサをマスクにp型ウエルにn型不純物をイオン打ち込みすることによってn型半導体領域よりも不純物濃度の高いn型半導体領域を形成し、ゲート電極Gおよびサイドウォールスペーサをマスクにn型ウエルにp型不純物をイオン打ち込みすることによってp型半導体領域よりも不純物濃度の高いp型半導体領域を形成する。
【0051】
以上の工程により、n型半導体領域およびn型半導体領域よりなるLDD(lightly Doped Drain)構造のソース、ドレイン領域3nを備えたnチャネル型MISFETQn、およびp型半導体領域およびp型半導体領域よりなるLDD構造のソース、ドレイン領域3pを備えたpチャネル型MISFETQpが形成される。
【0052】
次いで、半導体基板1の表面の清浄化を行った後、必要に応じて、ゲート電極Gおよびソース、ドレイン領域3n、3pに、サリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)技術により、金属シリサイド層(例えば、コバルトシリサイド層、図示せず)を形成する。
【0053】
[M1〜M4形成工程]
次いで、nチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQpの上方に多層配線を形成する。以下、この多層配線のうち、第1層配線M1〜第4層配線M4の形成工程について説明する。
【0054】
まず、前述の図1に示すようにnチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQp上に、絶縁膜として例えば酸化シリコン膜をCVD(Chemical Vapor deposition)法で堆積する。その後、必要に応じて、酸化シリコン膜の表面を化学的機械研磨(CMP;Chemical Mechanical Polishing)法で研磨してその表面を平坦化することによって層間絶縁膜TH1を形成する。
【0055】
次いで、層間絶縁膜TH1をエッチングすることにより、ソース、ドレイン領域3n、3p上に、それぞれコンタクトホール(接続孔)を形成する。次いで、コンタクトホール内を含む層間絶縁膜TH1上に、導電性膜として例えば、タングステン(W)膜をCVD法で堆積し、このW膜を層間絶縁膜TH1が露出するまでCMP法により研磨することによって、コンタクトホール内に導電性膜を埋め込む。この工程により、プラグ(コンタクトプラグ)P1が形成される。なお、W膜の下層に、例えば窒化チタン(TiN)膜、チタン(Ti)膜等の単層膜又はこれらの積層膜からなるバリア膜を設けてもよい。
【0056】
次いで、層間絶縁膜TH1およびプラグP1上に、バリア膜(図示せず)として、例えば、チタン(Ti)膜および窒化チタン(TiN)膜の積層膜(以下、「TiN/Ti膜」と示す場合がある。)を形成する。まず、層間絶縁膜TH1およびプラグP1上に、Ti膜をスパッタリング法などで成膜し、その上部にTiN膜をスパッタリング法などで成膜する。
【0057】
次いで、バリア膜上に、アルミニウム(Al)膜をスパッタリング法により形成する。次いで、Al膜上に、バリア膜として例えば、TiN/Ti膜をスパッタリング法などにより形成する。
【0058】
次いで、バリア膜上に、反射防止膜として、酸窒化シリコン膜(SiON膜、図1においては図示せず)をCVD法などにより成膜する。
【0059】
上記工程により、TiN/Ti/Al/TiN/Tiが下側から順に積層された積層導電性膜およびその上部の反射防止膜が形成される。
【0060】
なお、バリア膜を、Ti膜またはTiN膜の単層膜としてもよい。また、TiN膜を反射防止膜として使用し、SiON膜を省略してもよい。また、ここで言うAl膜は、主成分としてAlを50重量%以上含有していればよく、他の金属を含有していてもよい。例えば、Cu(銅)を数%程度含有する合金であってもよい。
【0061】
次いで、上記積層導電性膜および反射防止膜の上部に図示しないフォトレジスト膜を塗布し、露光・現像(フォトリソグラフィ)することにより第1層配線M1の形成領域にフォトレジスト膜を残存させる。このように、反射防止膜を用いることにより、パターン精度の向上を図ることができる。即ち、フォトレジスト膜内において、露光時に照射光がAl膜から反射し、照射光と反射光とが干渉することによる解像不良を防止することができる。
【0062】
次いで、このフォトレジスト膜をマスクに上記積層膜および反射防止膜をエッチング(パターニング)することにより、第1層配線(Al配線)M1を形成する。
【0063】
次いで、第1層配線M1上に、絶縁膜として例えば酸化シリコン膜をCVD法で堆積する。その後、必要に応じて、酸化シリコン膜の表面をCMP法で研磨してその表面を平坦化することによって層間絶縁膜TH2を形成する。
【0064】
次いで、層間絶縁膜TH2をエッチングすることにより、第1層配線M1上に、コンタクトホール(接続孔)を形成する。次いで、コンタクトホール内を含む層間絶縁膜TH2上に、バリア膜(図示せず)として、例えば、TiN/Ti膜をスパッタリング法などを用いて形成した後、W膜をCVD法で堆積する。次いで、W膜等を層間絶縁膜TH2が露出するまでCMP法により研磨することによって、コンタクトホール内に導電性膜を埋め込みプラグP2を形成する。
【0065】
なお、コンタクトホール内を含む層間絶縁膜TH2上に、TiN/Ti/Al/TiN/Tiが下側から順に積層された積層導電性膜および反射防止膜を形成した後、上記フォトレジスト膜をマスクに上記積層導電性膜および反射防止膜をエッチング(パターニング)することにより、プラグP2および第2層配線(Al配線)M2を同時に形成してもよい。
【0066】
次いで、第2層配線M2上に、層間絶縁膜TH3を層間絶縁膜TH2と同様に形成し、この層間絶縁膜TH3中にプラグP3をプラグP2と同様に形成する。さらに、層間絶縁膜TH3およびプラグP3上に、第3層配線(Al配線)M3を第2層配線(Al配線)M2と同様に形成する。
【0067】
次いで、第3層配線M3上に、層間絶縁膜TH4を層間絶縁膜TH2と同様に形成し、この層間絶縁膜TH4中にプラグP4をプラグP2と同様に形成する。さらに、層間絶縁膜TH4およびプラグP4上に、第4層配線(Al配線)M4を第2層配線(Al配線)M2と同様に形成する。
【0068】
なお、プラグP2および第2層配線(Al配線)M2と同様に、プラグP3および第3層配線(Al配線)M3を同時に形成してもよいし、プラグP4および第4層配線(Al配線)M4を同時に形成してもよい。
【0069】
[M5、F、M6、Pd形成工程]
次いで、第5層配線M5およびヒューズ素子Fを形成した後、層間絶縁膜TH6を介して最上層配線となる第6層配線(Al配線)M6を形成し、その上部を保護膜(12、13、16)で覆った後、その一部を露出させ、パッド領域(Alパッド、パッド、ボンディングパッド、開口部)Pdを形成する。その工程を図6〜図11を参照しながら詳細に説明する。なお、図6〜図11は、図1のヒューズ素子およびパッド領域近傍の部分拡大部に対応する。
【0070】
まず、図1および図6に示すように、第4層配線M4上に、層間絶縁膜TH5を層間絶縁膜TH2と同様に形成し、この層間絶縁膜TH5中にプラグP5をプラグP2と同様に形成する。さらに、層間絶縁膜TH5およびプラグP5上に、第5層配線(Al配線)M5を第2層配線(Al配線)M2と同様に形成するのであるが、この際、ヒューズ素子Fも同時に形成する。
【0071】
即ち、層間絶縁膜TH5およびプラグP5上に、バリア膜5aとして、例えば、TiN/Ti膜をスパッタリング法などで成膜する。次いで、バリア膜5a上に、Al膜5bをスパッタリング法により成膜し、その上部に、バリア膜5cとして例えば、TiN/Ti膜をスパッタリング法などにより形成する。次いで、バリア膜5c上に、反射防止膜ARとして、酸窒化シリコン膜(SiON膜)をCVD法などにより成膜する。上記工程により、TiN/Ti/Al/TiN/Tiが下側から順に積層された積層導電性膜(5a、5b、5c)およびその上部の反射防止膜ARが形成される。
【0072】
次いで、上記積層導電性膜(5a、5b、5c)および反射防止膜ARの上部に図示しないフォトレジスト膜を塗布し、露光・現像(フォトリソグラフィ)することにより第5層配線M5の形成領域およびヒューズ素子Fの形成領域にフォトレジスト膜を残存させる。次いで、このフォトレジスト膜をマスクに上記積層導電性膜(5a、5b、5c)および反射防止膜ARをエッチング(パターニング)することにより、第5層配線(Al配線)M5およびヒューズ素子Fを形成する。
【0073】
このヒューズ素子Fは、前述したようにライン状に形成され(図2参照)、その両端は種々の端子や回路と接続されている(図5参照)。この端子は、配線(M1〜M6)または配線の一部であり、また、回路は、配線および複数の素子(例えば、Qn、Qpなど)により構成される。
【0074】
前述したとおり、ヒューズ素子Fは、配線(第5層配線M5)の一部である。即ち、図2に示す、複数のヒューズ素子Fの上部および下部(上記一定の領域以外の部分)は、第5層配線M5である。なお、第5層配線M5については、上記ヒューズ素子Fと接続されるものの他、他の配線、素子や、パッド領域(Pd)に接続されるものがあることは言うまでもない(図1参照)。
【0075】
次いで、第5層配線M5およびヒューズ素子F上に、絶縁膜として例えば酸化シリコン膜をCVD法で堆積する。その後、必要に応じて、酸化シリコン膜の表面をCMP法で研磨してその表面を平坦化することによって層間絶縁膜TH6を形成する。
【0076】
次いで、層間絶縁膜TH6をエッチングすることにより、第5層配線M5上に、コンタクトホール(接続孔)を形成する。次いで、コンタクトホール内を含む層間絶縁膜TH6上に、バリア膜(図示せず)として、例えば、TiN/Ti膜をスパッタリング法などを用いて形成した後、W膜をCVD法で堆積する。次いで、W膜等を層間絶縁膜TH6が露出するまでCMP法により研磨することによって、コンタクトホール内に導電性膜を埋め込むことにより、プラグP6を形成する。
【0077】
次いで、図7に示すように、層間絶縁膜TH6およびプラグP6上に、バリア膜6aとして、例えば、TiN/Ti膜をスパッタリング法などで形成する。
【0078】
次いで、バリア膜6a上に、Al膜6bをスパッタリング法により形成する。次いで、Al膜6b上に、バリア膜6cとして例えば、TiN膜(単層膜)をスパッタリング法などにより形成する。
【0079】
次いで、バリア膜6c上に、反射防止膜ARとして、酸窒化シリコン膜(SiON膜)をCVD法などにより成膜する。
【0080】
上記工程により、TiN/Ti/Al/TiNが下側から順に積層された積層導電性膜およびその上部の反射防止膜ARが形成される。
【0081】
次いで、上記積層導電性膜(6a、6b、6c)および反射防止膜ARの上部に図示しないフォトレジスト膜を塗布し、露光・現像(フォトリソグラフィ)することにより第6層配線M6の形成領域にフォトレジスト膜を残存させる。次いで、このフォトレジスト膜をマスクに上記積層導電性膜(6a、6b、6c)および反射防止膜ARをエッチング(パターニング)することにより、第6層配線(Al配線)M6を形成する。
【0082】
この第6層配線(Al配線)M6は、最上層配線であり、その膜厚(TiN/Ti/Al/TiNよりなる積層導電性膜のトータル膜厚)は、それより下層の配線(M1〜M5のTiN/Ti/Al/TiN/Tiよりなる積層導電性膜のトータル膜厚)より大きい。特に、第6層配線(Al配線)M6を構成するAl膜6bの膜厚は、それより下層の配線を構成するAlの膜厚より大きい。また、第6層配線(Al配線)M6の配線幅は、それより下層の配線(M1〜M5)の配線幅より大きい。
【0083】
次いで、図8に示すように、第6層配線M6上に第1保護膜(第1絶縁膜)として、例えば、酸化シリコン膜12および窒化シリコン膜13の積層膜を形成する。これらの膜は、それぞれプラズマCVD法により形成することができる。
【0084】
次いで、図9に示すように、窒化シリコン膜13上にフォトレジスト膜Rを塗布する。次いで、図6に示すように、フォトレジスト膜Rを、露光・現像することにより開口部OA1およびOA2のフォトレジスト膜Rを除去する。この開口部OA1は、例えば、上記プログラム領域(切断可能領域)Fpを含む一定の領域である。また、開口部OA2は、後述のパッド領域Pdと対応する。
【0085】
次いで、図10に示すように、フォトレジスト膜Rをマスクに第1保護膜(12、13)のうち、窒化シリコン膜13をエッチングする。次いで、その下層の酸化シリコン膜12をエッチングする。次いで、図11に示すように、第6層配線M6上の反射防止膜ARをエッチングし、第6層配線M6の表面、即ち、バリア膜(TiN膜)6cの表面を露出させる。この際、ヒューズ素子Fの上方の酸化シリコン膜12および層間絶縁膜(酸化シリコン膜)TH6がエッチングされ、さらに、ヒューズ素子F上の反射防止膜ARもエッチングされる。よって、ヒューズ素子Fの表面、即ち、バリア膜(TiN膜)5cの表面が露出する。
【0086】
次いで、図12に示すように、第6層配線(Al配線)M6中のバリア膜6cをエッチングすることによりAl膜6bを露出させる。このAl膜6bの露出領域がパッド領域Pdとなる。この際、開口部OA1部においては、ヒューズ素子F中のバリア膜5cがエッチングされ、Al膜5bが露出する。なお、バリア膜5cの一部(例えば、下層のTi膜)が、ヒューズ素子Fの最上層に残存してもよい。
【0087】
ここで、図12等においては、1つのパッド領域Pdしか示していないが、半導体装置(半導体チップ)の内部には、複数のパッド領域Pdが形成される(図14参照)。よって、パッド領域Pdの非開口を防止するため、オーバーエッチングを行ってもよい。即ち、バリア膜6cがエッチングされ、Al膜6bの表面が露出した後も、エッチングを続け、パッド領域PdのAl膜6bの表面を後退させてもよい。次いで、フォトレジスト膜Rをアッシング処理などにより除去する。なお、窒化シリコン膜13のエッチングの後、フォトレジスト膜Rを除去し、窒化シリコン膜13をマスクとして下層の層をエッチングしてもよい。
【0088】
次いで、図13に示すように、パッド領域Pdを含む第1保護膜上(窒化シリコン膜13上)に、第2保護膜として、例えば、感光性ポリイミド膜(PIQ膜:Polyimide- isoindoloquinazolinedion膜)16を塗布する。次いで、感光性ポリイミド膜16を、露光・現像することにより開口部OA1およびOA2の感光性ポリイミド膜16を除去する。この工程により、開口部OA2からAl膜6b(パッド領域Pd)およびヒューズ素子Fの表面が再び露出する。
【0089】
なお、図13においては、第1保護膜(酸化シリコン膜12、窒化シリコン膜13)の開口部OA2と第2保護膜(感光性ポリイミド膜16)の開口部OA2とを同じ大きさとしたが、第2保護膜の開口部を第1保護膜の開口部OA1より大きくしてもよい。同様に、第1保護膜(12、膜13)および層間絶縁膜の開口部OA1と第2保護膜(感光性ポリイミド膜16)の開口部OA1とを同じ大きさとしたが、第2保護膜の開口部を第1保護膜の開口部OA1より大きくしてもよい。次いで、熱処理(キュア処理)を施すことにより、感光性ポリイミド膜(第2保護膜)16を硬化させる。
【0090】
上記工程により、半導体素子(Qn、Qp)、その上部の多層配線(M1〜M6)およびヒューズ素子Fが略完成する。
【0091】
次いで、パッド領域Pdを利用して、半導体装置の動作テストを行う。このように、半導体装置の製造工程の前工程(ダイシング前、ウエハ状態)において、半導体装置(集積回路)などの良否を判定することを「ウエハテスト」と言う。
【0092】
このウエハテストとして、例えば、プローブ針を介してパッド領域Pdに電気的信号を印加し、また、パッド領域Pdから得られる信号を検知することにより、半導体装置の電気的特性をテストすることができる(プローブテスト)。このテスト結果により、半導体装置(集積回路)の良否を判断することができる。
【0093】
テスト内容に制限はないが、例えば、メモリセルに対するデータ書込みの可否やデータ保持時間の確認などを行うことができる。これにより、メモリセルに不良が確認された場合は、いわゆる冗長救済を行う。
【0094】
例えば、あらかじめ冗長回路を形成しておき、冗長回路との接続が必要な場合には、ヒューズを切断し、不良箇所と置き換えを行なうためのプログラミングを行なう。このプログラミングを、ヒューズの切断の有無により行う。即ち、ヒューズ素子(ヒューズROM;Read Only Memory)Fの切断の有無によりデータを記憶しておき、半導体素子の駆動の際、ヒューズ素子Fの導通/非導通を判定する。これにより、ヒューズ素子Fに記録された情報(トリミング情報)を読み出し、この読み出しデータに基き半導体装置(例えば、メモリ)を駆動することにより、正常な冗長回路を動作させることができる。
【0095】
なお、ここでは、上記冗長救済を例にヒューズ素子Fに対するプログラミングを説明したが、この他、上記トリミング情報に基づき、使用する周波数や対応電圧の変更を行うなど、上記トリミング情報は、冗長救済以外にも用いることができる。
【0096】
[プログラミング工程]
次いで、ヒューズ素子Fにプログラミングを行う。即ち、例えば、プローブテストの結果や、半導体装置の仕様(周波数や対応電圧)に対応して、どのヒューズ素子Fを切断するかを決定し、該当のヒューズ素子Fを切断する。どのヒューズ素子Fを切断するかの情報を、テスト情報という。このテスト情報に基づき、前述の溶断回路(93、図5)から切断すべきヒューズに過電流を流し、ヒューズ素子Fのプログラム領域(切断可能領域)Fpを切断(非導通状態)とする。前述したように、このプログラム工程においては、上記トランジスタ(スイッチング素子)Tsをオフ(OFF)状態とする。
【0097】
[実装工程]
上記プローブテスト工程後においては、半導体基板(ウエハ)1を切断(ダイシング)して複数の半導体チップCHPに分離(個片化)する。なお、ダイシングの前に、半導体基板(ウエハ)1の裏面研削を行い、半導体基板1を薄膜化してもよい。図14に、ダイシング後の半導体チップの一例を示す。図示するように、略矩形の形状に切断された半導体チップCHPは、例えば、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)領域50、メモリ領域60、アナログ回路領域70やトリミング領域80などを有する。図15は、図14のトリミング領域の構成を示す平面図である。図15に示すように、トリミング領域80は、テスト情報回路TCや複数のヒューズ素子(ヒューズ回路)Fを有する。
【0098】
図16は、本実施の形態の半導体装置の実装工程を示す断面図である。次いで、図16に示すように、配線基板WB上に半導体チップCHPを搭載(接着)する(ダイボンディング)。この配線基板WBのチップ搭載面側には端子(外部端子)TEが形成されている。次いで、半導体チップCHPに形成されているパッド領域Pdと、配線基板WBに形成されている端子TEとを、金線などからなるワイヤ(導電性部材)Wで接続する(ワイヤボンディング)。
【0099】
その後、半導体チップCHPおよびワイヤWを覆うように封止樹脂(モールド樹脂)MRで封止する。この封止樹脂MRは、外部からの衝撃や不純物の浸入から半導体チップCHPを保護するために設けられるものである。続いて、配線基板WBの裏面(チップ搭載面とは反対側の面)に外部接続端子となる半田ボールSBを形成する。
【0100】
[半導体装置の回路動作説明]
次いで、上記半導体装置の回路動作について説明する。上記半導体装置は、例えば、PC(Personal computer)や携帯電話などの各種電子機器に組み込まれる。
【0101】
例えば、これらの電子機器に電源が投入された際、初期設定期間に、トリミング情報(各種設定情報)を読み出し、当該情報を、半導体装置内部の所定の領域(例えば、図14に示す、メモリ領域やアナログ回路領域など)に書き込む(格納する)。その後、所望の動作(通常動作、典型的には画像処理、半導体装置が組み込まれた各種電子機器の制御処理、アナログデジタル変換処理やセンサー出力処理、等)を行う。
【0102】
即ち、初期設定期間に、前述の判定回路95により、ヒューズ素子Fに記憶されたデータを読み出す(図5参照)。以下、読み出し工程における半導体装置の回路動作について図17〜図21を参照しながら説明する。前述したとおり、この読み出し工程においては、上記トランジスタ(スイッチング素子)Tsをオフ(OFF)状態である。
【0103】
図17は、初期設定期間と通常動作期間との関係を示す図である。図18は、判定回路の第1例を示す回路図である。図19は、判定回路の第2例を示す回路図である。図20は、図19に示す判定回路のRIN信号の生成回路の一例を示す回路図である。図21は、図19に示す判定回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0104】
図17に示すように、半導体装置の動作においては、初期設定期間T1と、その後の通常動作期間T2とを有する。この初期設定期間T1に、上記読み出し動作が行われる。即ち、読み出し期間Trは、初期設定期間T1に含まれる。
【0105】
<第1例>
図18に示す判定回路において、ヒューズ素子Fの一端(ノードn1)は、接地電位(GND)に接続される。また、ヒューズ素子Fの他端(ノードn2)は、抵抗素子Reおよびnチャネル型MISFETTnを介して電源電位(VDD)に接続される。ヒューズ素子Fと抵抗素子Reとの接続ノードが出力部OUTとなる。
【0106】
例えば、上記図18に示す判定回路において、nチャネル型MISFETTnのゲート電極に印加される信号Sが立ち上がる、即ち、LレベルからHレベルに変化することにより、読み出し期間が開始する。
【0107】
この信号Sの立ち上がりにより、nチャネル型MISFETTnがオン(ON)状態となる。この際、ヒューズ素子Fが、切断状態である場合には、出力部OUTからはHレベルの信号が出力される。また、ヒューズ素子Fが未切断状態である場合には、出力部OUTからはLレベルの信号が出力される。この読み出しデータを、所定の領域(例えば、図14に示す、メモリ領域やアナログ回路領域など)に書き込んだ(格納した)後、信号Sを立ち下げ(Hレベル→Lレベル)、読み出し期間Trを終了する。このヒューズ素子Fに記録されたデータの読み出しのような初期設定が終了した後、上記通常動作を行う。
【0108】
上記読み出し期間(信号Sの立ち上がりから立つ下がりの間;Tr)において、nチャネル型MISFET(スイッチング素子)Tsをオフ(OFF)状態とし、読み出し期間終了後においては、nチャネル型MISFET(スイッチング素子)Tsをオン(ON)状態とする。
【0109】
<第2例>
図19に示す判定回路において、ヒューズ素子Fの一端(ノードn1)は、接地電位(GND)に接続される。また、ヒューズ素子Fの他端(ノードn2)は、pチャネル型MISFETTp1、Tp2およびnチャネル型MISFETTn3、Tn4を介して電源電位(VDD)と接続される。pチャネル型MISFETTp2とnチャネル型MISFETTn3の接続ノードを出力ノードNoutとする。
【0110】
ヒューズ素子Fの他端(ノードn2)は、nチャネル型MISFETTsを介して接地電位(GND)に接続されている。
【0111】
TSFIN部には、TSFIN信号が入力される。このTSFIN部は、バッファ(バッファ回路)BU1、インバータ(インバータ回路)INV1およびインバータINV2を介してpチャネル型MISFETTp2のゲート電極と接続されている。また、インバータINV1の出力部は、nチャネル型MISFETTn3のゲート電極に接続されている。
【0112】
RIN部には、RIN信号が入力される。このRIN部は、バッファBU2およびインバータINV3を介してnチャネル型MISFETTn4のゲート電極と接続されている。また、インバータINV3の入力部は、nチャネル型MISFETTsのゲート電極に接続され、インバータINV3の出力部は、pチャネル型MISFETTp1のゲート電極に接続されている。
【0113】
出力ノード(第1出力ノード)Noutと当該判定回路の出力部(第2出力ノード)であるFOUT部との間には、ラッチ回路が接続されている。
【0114】
即ち、出力ノード(第1出力ノード)Noutと当該判定回路の出力部(第2出力ノード)であるFOUT部とは、インバータINV4およびINV5を介して接続されている。また、ノードn3(出力ノードNout)と電源電位VDDとの間には、pチャネル型MISFETTp5およびTp6が接続されている。ノードn3(出力ノードNout)と接地電位GNDとの間には、nチャネル型MISFETTn7、Tn8およびTn9が接続されている。
【0115】
pチャネル型MISFETTp5、Tp6、nチャネル型MISFETTn7およびTn8のゲート電極は、インバータINV4の出力部に接続されている。また、nチャネル型MISFETTn9のゲート電極は、インバータINV2の出力部に接続されている。
【0116】
上記RIN信号およびTSFIN信号は、図20に示す回路により生成される。図20に示すように、SFC信号が入力されるSFC部には、バッファBU3が接続され、このバッファBU3の出力部は、NAND回路の第2入力端子に接続される。このNAND回路の出力部がRIN部に接続される。一方、SFC部とNAND回路の第1入力端子との間には、第1遅延回路D1、第2遅延回路D2およびインバータINV6が接続される。第1遅延回路D1と第2遅延回路D2との接続ノードがバッファBU4を介してTSFIN部に接続される。なお、第1遅延回路D1により規定される遅延時間が後述のt1に対応し、第2遅延回路D2により規定される遅延時間が後述のt2に対応する。
【0117】
図21に示すように、読み出し期間前の読み出しスタンバイ状態においては、SFC信号がLレベルであり、このSFC信号がLレベルからHレベルとなる(時刻t0、(a))。このSFC信号がHレベルとなってからt1期間後に、TSFIN信号がHレベルとなる(b)。このSFC信号の立ち上がりの後、t2期間後にRIN信号がHレベルとなる(c)。即ち、t1+t2期間(読み出し期間Tr)の間RIN信号がLレベルとなる(c)。
【0118】
RIN信号の立ち下がり(Hレベル→Lレベル)に伴って、nチャネル型MISFET(スイッチング素子)Tsが、オフ(OFF)状態となる。また、RIN信号の立ち下がり(Hレベル→Lレベル)に伴って、ヒューズ素子Fが、切断状態の場合には、ノードn2の電位はHレベルとなり、出力ノードNoutの電位はHレベルとなる。この際、出力部FOUTからHレベルの信号が出力される(e)。一方、ヒューズ素子Fが、未切断状態の場合には、ノードn2の電位はLレベルとなり、出力ノードNoutの電位はLレベルとなる。この際、出力部FOUTからLレベルの信号が出力される(e)。
【0119】
なお、時刻t1において、TSFIN信号が立ち上がる(Lレベル→Hレベル)。これに応答して、Tp2およびTn3がオフ(OFF)状態となるが、出力ノードNoutの電位は、その後段のラッチ回路により保存されているため変化しない。また、出力部(FOUT)の電位も変化しない。
【0120】
この後(時刻t1+t2後)、RIN信号が立ち上がる(Lレベル→Hレベル)。これにより、ノードn2は、ヒューズ素子の状態(切断状態が未切断状態か)に関わらず接地電位に接続されるため、その電位がLレベルとなる(d)。但し、前述したとおり、出力ノードNoutおよび出力部(FOUT)の電位は、前述のラッチ回路により維持されている。
【0121】
上記動作においては、第1読み出し期間(t1)の間にヒューズ素子Fのデータがラッチされ、その後の読み出しマージン期間(t2)を置いて、ノードn2が、ヒューズ素子の状態(切断状態が未切断状態か)に関わらず接地電位に固定される。ここでは、第1読み出し期間(t1)と読み出しマージン期間(t2)との和(t1+t2=Tr)を読み出し期間とする。t1+t2後にはラッチされたデータが出力されている。なお、第1例及び第2例で説明した読み出し期間とは、ヒューズ情報を判定してからラッチ等にデータを格納する期間(判定格納時間)である。
【0122】
このように、この第2例においても、読み出し期間において、nチャネル型MISFET(スイッチング素子)Tsをオフ(OFF)状態とし、読み出し期間終了後においては、nチャネル型MISFET(スイッチング素子)Tsをオン(ON)状態とする。
【0123】
以上詳細に説明した本実施の形態における効果を以下の<1>〜<3>に示す。
【0124】
<1>図29は、本発明者が検討した比較例のヒューズ素子の写真である。図30は、図29の写真の一部を模写した図である。図31は、比較例の回路図である。
【0125】
本実施の形態のようにヒューズ素子Fの他端(ノードn2)と接地電位(GND、接地電位配線)との間にトランジスタ(スイッチング素子)Tsを設けていない比較例(図31参照)について、本発明者が検討した。この場合、図29および図30に示すように、ヒューズ素子Fの端部において、導電性膜の変質が確認された。図30において、変質領域をzで示す。この変質領域zは、図29および図30に示すように、電源電位(VDD、Vcc)が印加されている側で確認された。
【0126】
上記変質は、具体的には、残存するバリア膜と半導体装置中の水分との反応による酸化が原因である。Ti膜やTiN膜中のTiの酸化反応により、TiOxが生じ、体積膨張が起こる。このため、Ti膜やTiN膜自体や周辺の膜に対する応力が生じ、クラックが生じる。このクラックにより、膜の剥離が生じる。さらに、クラックが生じると、クラックを介して水分や不純物質が供給され、更なる、変質が生じ、半導体装置(半導体チップ)に欠陥が生じ得ると考えられる。前述したように、この変質は、特に、電源電位(VDD)側で生じている。これは、図31に示すように、比較例の回路では、ヒューズ素子Fの両端(ノードn1とノードn2との間)に電位差(バイアス)が生じ、高電位側(VDD側)において、電荷が継続して供給されるので、上記酸化反応が行なわれると考察される。なお、比較例においては、ヒューズ素子F上に絶縁膜やバリア膜を残存させているため、上記のようにバリア膜の変質にとどまるが、Al膜が露出している場合には、Alの酸化などの変質も生じ得る。
【0127】
さらに、ヒューズ素子Fの形成(Al膜のエッチング)の際には、塩素(Cl)系のエッチヤント(エッチングガスまたはエッチング液)が用いられることが多い。このため、ヒューズ素子Fの周囲には、種々の洗浄工程を経てもClが残存し得る。また、塩素(Cl)系物質は種々の工程で使用されることもあり、Al膜のエッチングに上記Cl系のエッチャントを使用しない場合においても、ヒューズ素子Fの周囲には、Clが存在し得る。
【0128】
この場合、Al膜に電位差が生じていると、陽極側では、Al膜近傍の水分(水酸化物)がClレベル-イオンと反応して、可溶性の塩を生成してしまう。このときの反応は、Al(OH)3+Cl-→Al(OH)2Cl+OH-となる。さらに、Al膜はCl-イオンと反応して、Al+4Cl-→AlCl4-+3e-となる。このAlCl4-は、さらなる水分と反応により、AlCl4-+3H2O→Al(OH)3+3H++4Cl-となる。このAl(OH)3の生成によりAl膜の体積が膨張し、クッラク等の要因となる。また、再び生じたCl-イオンが再度反応を繰り返すので少量のCl-イオンでも大量の変質が発生し得る。
【0129】
これに対し、本実施の形態においては、上記プログラム工程および読み出し工程以外の工程においては、トランジスタ(スイッチング素子)Tsをオン(ON)状態とし、ヒューズ素子Fの両端(ノードn1、ノードn2)を接地電位(GND)に接続する。このように、ヒューズ素子Fの両端(ノードn1、ノードn2)を接地電位(GND)に接続することで、ヒューズ素子Fを保護膜(12、13、16)から露出させていても、ヒューズ素子Fを構成する各種膜(Al、Ti、TiN)の変質を低減することができる。よって、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0130】
<2>また、ヒューズ素子F上の絶縁膜のエッチング制御が容易となる。上記比較例においては、ヒューズ素子Fの変質をできるだけ少なくし、品質を向上させるため、ヒューズ素子F上の絶縁膜を残存させることが多い。しかしながら、この絶縁膜の残存量が多いと、ヒューズ素子Fの溶断に要するエネルギーが大きくなるため、この絶縁膜の残存量が所定の膜厚(例えば、膜厚100〜400μm程度の膜厚)となるよう調整することが望まれる。
【0131】
一方、上記工程でも説明したように、ヒューズ素子F上の絶縁膜のエッチングは、パッド領域Pdの開口と同時に行われる。前述したとおり、パッド領域Pdにおいては、完全な開口が必要であるのに対し、上記ヒューズ素子F上の絶縁膜は、所定の膜厚を残存させなければならない。よって、エッチング制御性が困難となる。即ち、エッチングばらつきの少ないエッチャントの選択や、エッチング速度を低下させ、その制御性を良くするなどの工夫が必要である。
【0132】
これに対し、本実施の形態によれば、ヒューズ素子Fを剥き出し構造としたので、ヒューズ素子F上の絶縁膜の残膜調整が不要となり、エッチングの制御性が向上する。よって、簡易な製造工程で半導体装置を形成することができる。また、半導体装置の製造において、スループットを向上させることができる。また、ヒューズ素子F上の絶縁膜の薄膜化にも対応することができる。
【0133】
また、上記比較例において、ヒューズ素子Fの変質は、実装工程の後にも生じ得る。よって、製品出荷時においては、良品であっても、その後の使用中に、上記ヒューズ素子Fの変質による品質劣化が生じ得る。これに対し、本実施の形態においては、製品動作時(使用時)においても、上記プログラム工程以外の工程においては、トランジスタ(スイッチング素子)Tsをオン(ON)状態とし、ヒューズ素子Fの両端(ノードn1、ノードn2)を接地電位(GND)に接続したので、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0134】
<3>また、本実施の形態においては、ヒューズ素子Fの少なくともプログラム領域(切断可能領域)Fpを剥き出し構造としたので、溶断に要するエネルギーを小さくすることができる。また、溶断に要するエネルギーの制御性が向上する。即ち、前述した比較例のように、ヒューズ素子F上に絶縁膜が残存している場合には、溶断に要するエネルギーが大きくなる。また、ヒューズ素子F上の絶縁膜の膜厚にはばらつきが生じやすく、残存膜厚の許容範囲を大きくすると、必然的に溶断の際のエネルギーを大きくせざるを得ない。この場合、絶縁膜のばらつきにより、その膜厚が小さい部位においては、余分なエネルギーが加わることとなり、隣り合うヒューズ素子Fや下層の配線や素子などにダメージが生じやすく、欠陥の原因となる。また、ヒューズ素子Fの上層部の導電性膜の残渣などが残存しやすく、いわゆる、切れ残りが生じやすくなる。
【0135】
これに対し、本実施の形態によれば、ヒューズ素子Fを剥き出し構造としたので、溶断に要するエネルギーを小さくすることができ、また、溶断に要するエネルギーを最適化することができる。よって、必要部位を的確に切断することができる。また、過剰なエネルギーの印加による欠陥を低減することができる。このように、半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、半導体装置の特性を向上させることができる。
【0136】
上記<1>〜<3>に示すように、本実施の形態によれば、半導体装置の特性を向上させることができる。
【0137】
なお、本実施の形態においては、半導体装置の製造工程の前工程(ダイシング前、ウエハ状態)において、ヒューズ素子Fのプログラミングを行ったが(上記[プログラミング工程]の欄参照)、ヒューズ素子Fへのプログラミングを行う工程は、かかる段階に限定されず、例えば、実装工程後に行ってもよい。特に、前述のように、電気溶断でヒューズ素子Fの切断を行う場合には、製品ユーザーにおいても、ヒューズ素子Fのプログラミングを行うことができる。
【0138】
また、本実施の形態においては、ワイヤボンディングを例に説明したが、フェイスダウンボンディングを行っても良い。
【0139】
例えば、上記プローブテストを行った後、パッド領域Pd上にバンプ電極を形成し、配線基板上に、バンプ電極形成側(フェース側)を下にして搭載し、樹脂封止してもよい。
【0140】
また、本実施の形態においては、第1〜第6層配線(M1〜M6)を形成したが、配線総数に限定はない。また、本実施の形態においては、第5層配線M5と同層にヒューズ素子Fを形成したが、これに限られるものではなく、例えば、第6層配線(最上層配線)M6と同層でヒューズ素子Fを形成してもよい。但し、前述したように最上層配線は、幅が大きく、厚い配線が用いられることが多く、当該配線と同様にヒューズ素子Fを形成した場合、溶断に要するエネルギーが大きくなる。よって、最上層配線より薄く(例えば、250nm以下)、また、幅狭に形成される、第1〜第5層配線(M1〜M5)と同層でヒューズ素子を形成することが好ましい。また、第1〜4層配線(M1〜M4)と同層でヒューズ素子Fを形成してもよい。但し、下層の配線と同層でヒューズ素子Fを形成する場合、ヒューズ素子Fを剥き出しにする際のエッチング量が多くなる。よって、最上層配線より下層であって、できるだけ上層部に位置する配線(ここでは、第5層配線M5)とヒューズ素子Fを同層に形成することが好ましい。なお、再配置配線を有する半導体装置の場合、この再配置配線は最上層配線としない。
【0141】
また、上記工程においては、半導体素子としてMISFETの形成工程を例示したが、これに限られるものではなく、他の素子、例えば、抵抗素子やメモリなど、種々の素子を形成することができる。
【0142】
(実施の形態2)
上記実施の形態1においては、ヒューズ素子Fの上部の絶縁膜を全て除去し、ヒューズ素子Fを露出させたが、ヒューズ素子F上に絶縁膜を残存させてもよい。
【0143】
以下、図面を参照しながら本実施の形態の半導体装置の構成および製造方法について詳細に説明する。図22は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す断面図である。
【0144】
[構造説明]
まず、図22に示す本実施の形態においては、ヒューズ素子(TiN/Ti/Al/TiN/Tiが下側から順に積層された積層導電性膜)F上に層間絶縁膜TH6が膜厚Y分だけ残存している。言い換えれば、ヒューズ素子F上の層間絶縁膜TH5の膜厚は、第5層配線M5上の層間絶縁膜TH5の膜厚より小さい。係る構成以外の構成は、実施の形態1と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0145】
[製造方法説明]
次いで、図22〜図27を参照しながら、本実施の形態の半導体装置の製造工程を説明するとともに、当該半導体装置の構成をより明確にする。図23〜図27は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【0146】
図22に示す半導体素子(nチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQp)およびその上方に複数の配線(M1〜M4)の形成工程については実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する(実施の形態1の[Qn、Qp形成工程]および[M1〜M4形成工程]の欄参照)。
【0147】
[M5、F、M6、Pd形成工程]
図22に示す複数の配線(M1〜M4)のうち第4層配線M4を形成した後の工程について以下に説明する。第4層配線M4形成後、第5層配線M5、ヒューズ素子Fおよび第6層配線(Al配線)M6を形成し、その上部を保護膜(12、13、16)で覆った後、その一部を露出させ、パッド領域(Alパッド、パッド、ボンディングパッド、開口部)Pdを形成する。その工程を図23〜図27を参照しながら詳細に説明する。なお、図23〜図27は、図22のヒューズ素子およびパッド領域近傍の部分拡大部に対応する。
【0148】
まず、図23に示すように、第4層配線M4上に、層間絶縁膜TH5を形成し、この層間絶縁膜TH5中にプラグP5を形成する。層間絶縁膜TH5を実施の形態1の層間絶縁膜TH2と同様に形成する。また、プラグP5は、実施の形態1のプラグP2と同様に形成する。さらに、層間絶縁膜TH5およびプラグP5上に、第5層配線(Al配線)M5を実施の形態1の第2層配線(Al配線)M2と同様に形成するのであるが、この際、ヒューズ素子Fも同時に形成する。
【0149】
即ち、層間絶縁膜TH5およびプラグP5上に、バリア膜5aとして、例えば、TiN/Ti膜をスパッタリング法などで成膜する。次いで、バリア膜5a上に、Al膜5bをスパッタリング法により成膜し、その上部に、バリア膜5cとして例えば、TiN/Ti膜をスパッタリング法などにより形成する。次いで、バリア膜5c上に、反射防止膜ARとして、酸窒化シリコン膜(SiON膜)をCVD法などにより成膜する。上記工程により、TiN/Ti/Al/TiN/Tiが下側から順に積層された積層導電性膜(5a、5b、5c)およびその上部の反射防止膜ARが形成される。
【0150】
次いで、上記積層導電性膜(5a、5b、5c)および反射防止膜ARの上部に図示しないフォトレジスト膜を塗布し、露光・現像(フォトリソグラフィ)することにより第5層配線M5の形成領域およびヒューズ素子Fの形成領域にフォトレジスト膜を残存させる。次いで、このフォトレジスト膜をマスクに上記積層導電性膜(5a、5b、5c)および反射防止膜ARをエッチング(パターニング)することにより、第5層配線(Al配線)M5およびヒューズ素子Fを形成する。
【0151】
このヒューズ素子Fは、実施の形態1と同様にライン状に形成され(図2参照)、その両端は種々の端子や回路と接続されている(図5参照)。この端子は、配線(M1〜M6)または配線の一部であり、また、回路は、配線および複数の素子(例えば、Qn、Qpなど)により構成される。
【0152】
次いで、第5層配線M5およびヒューズ素子F上に、絶縁膜として例えば酸化シリコン膜をCVD法で堆積する。その後、必要に応じて、酸化シリコン膜の表面をCMP法で研磨してその表面を平坦化することによって層間絶縁膜TH6を形成する。
【0153】
次いで、層間絶縁膜TH6をエッチングすることにより、第5層配線M5上に、コンタクトホール(接続孔)を形成する。次いで、コンタクトホール内を含む層間絶縁膜TH6上に、バリア膜(図示せず)として、例えば、TiN/Ti膜をスパッタリング法などを用いて形成した後、W膜をCVD法で堆積する。次いで、W膜等を層間絶縁膜TH6が露出するまでCMP法により研磨することによって、コンタクトホール内に導電性膜を埋め込むことにより、プラグP6を形成する。
【0154】
次いで、層間絶縁膜TH6およびプラグP6上に、バリア膜6aとして、例えば、TiN/Ti膜をスパッタリング法などで形成する。
【0155】
次いで、バリア膜6a上に、Al膜6bをスパッタリング法により形成する。次いで、Al膜6b上に、バリア膜6cとして例えば、TiN膜(単層膜)をスパッタリング法などにより形成する。
【0156】
次いで、バリア膜6c上に、反射防止膜ARとして、酸窒化シリコン膜(SiON膜)をCVD法などにより成膜する。
【0157】
上記工程により、TiN/Ti/Al/TiNが下側から順に積層された積層導電性膜およびその上部の反射防止膜ARが形成される。
【0158】
次いで、上記積層導電性膜(6a、6b、6c)および反射防止膜ARの上部に図示しないフォトレジスト膜を塗布し、露光・現像(フォトリソグラフィ)することにより第6層配線M6の形成領域にフォトレジスト膜を残存させる。次いで、このフォトレジスト膜をマスクに上記積層導電性膜(6a、6b、6c)および反射防止膜ARをエッチング(パターニング)することにより、第6層配線(Al配線)M6を形成する。この第6層配線(Al配線)M6は、最上層配線であり、その膜厚(TiN/Ti/Al/TiNよりなる積層導電性膜のトータル膜厚)は、それより下層の配線(M1〜M5のTiN/Ti/Al/TiN/Tiよりなる積層導電性膜のトータル膜厚)より大きい。特に、第6層配線(Al配線)M6を構成するAl膜6bの膜厚は、それより下層の配線を構成するAlの膜厚より大きい。また、第6層配線(Al配線)M6の配線幅は、それより下層の配線(M1〜M5)の配線幅より大きい。
【0159】
次いで、第6層配線M6上に第1保護膜(第1絶縁膜)として、例えば、酸化シリコン膜12および窒化シリコン膜13の積層膜を形成する。これらの膜は、それぞれプラズマCVD法により形成することができる。
【0160】
次いで、窒化シリコン膜13上にフォトレジスト膜Rを塗布する。次いで、フォトレジスト膜Rを、露光・現像することにより開口部OA1およびOA2のフォトレジスト膜Rを除去する。この開口部OA1は、例えば、上記プログラム領域(切断可能領域)Fpを含む一定の領域である。また、開口部OA2は、後述のパッド領域Pdと対応する。
【0161】
次いで、図24に示すように、フォトレジスト膜Rをマスクに第1保護膜(12、13)のうち、窒化シリコン膜13をエッチングする。次いで、その下層の酸化シリコン膜12をエッチングする。この際、ヒューズ素子Fの上方の酸化シリコン膜12がエッチングされる。なお、図24に示すように、層間絶縁膜(酸化シリコン膜)TH6がエッチングされることもある。ヒューズ素子Fの上方に残存する絶縁膜(酸化シリコン膜12および層間絶縁膜TH6)の膜厚をY1とする。
【0162】
次いで、図25および図26に示すように、第6層配線M6上の反射防止膜ARおよび第6層配線(Al配線)M6中のバリア膜6cを同時にエッチングする。図25は、第6層配線M6の表面、即ち、バリア膜(TiN膜)6cの表面が露出した時点における断面図である。ここまでのエッチングで、ヒューズ素子Fの上方に残存する絶縁膜(酸化シリコン膜12および層間絶縁膜TH6)がさらにエッチングされる。ヒューズ素子Fの上方に残存する絶縁膜(層間絶縁膜TH6)の膜厚はY2<Y1となる。この後、図26に示すように、連続して第6層配線(Al配線)M6中のバリア膜6cをエッチングし、Al膜6bを露出させる。このAl膜6bの露出領域がパッド領域Pdとなる。ここまでのエッチングで、開口部OA1部においても、ヒューズ素子Fの上方に残存する絶縁膜(層間絶縁膜TH6)が、さらにエッチングされ得る。このエッチング工程後のヒューズ素子Fの上方に残存する絶縁膜(層間絶縁膜TH6)の膜厚をYとする(Y<Y2<Y1)。なお、実施の形態1でも説明したように、パッド領域Pdにおいて、オーバーエッチングを行った場合には、ヒューズ素子Fの上方に残存する絶縁膜の膜厚がさらに減少する。
【0163】
次いで、図27に示すように、パッド領域Pdを含む第1保護膜上(窒化シリコン膜13上)に、第2保護膜として、例えば、感光性ポリイミド膜(PIQ膜:Polyimide- isoindoloquinazolinedion膜)16を塗布する。次いで、感光性ポリイミド膜16を、露光・現像することにより開口部OA1およびOA2の感光性ポリイミド膜16を除去する。この工程により、開口部OA2からAl膜6b(パッド領域Pd)が再び露出する。
【0164】
なお、図27においては、第1保護膜(酸化シリコン膜12、窒化シリコン膜13)の開口部OA2と第2保護膜(感光性ポリイミド膜16)の開口部OA2とを同じ大きさとしたが、第2保護膜の開口部を第1保護膜の開口部OA2より大きくしてもよい。同様に、第1保護膜(酸化シリコン膜12、窒化シリコン膜13)および層間絶縁膜TH6の開口部OA1と第2保護膜(感光性ポリイミド膜16)の開口部OA1とを同じ大きさとしたが、第2保護膜の開口部を第1保護膜の開口部OA1より大きくしてもよい。次いで、熱処理(キュア処理)を施すことにより、感光性ポリイミド膜(第2保護膜)16を硬化させる。
【0165】
上記工程により、半導体素子(Qn、Qp)、その上部の多層配線(M1〜M6)およびヒューズ素子Fが略完成する。
【0166】
以降の工程は、実施の形態1と同様であるためその詳細な説明を省略する。即ち、実施の形態1と同様に、パッド領域Pdを利用して、半導体装置の動作テストを行い、ヒューズ素子Fにプログラミングを行う。例えば、プローブテストの結果や、半導体装置の仕様(周波数や対応電圧)に対応して、どのヒューズ素子Fを切断するかを決定し、該当のヒューズ素子Fを切断する。どのヒューズ素子Fを切断するかの情報を、テスト情報という。このテスト情報に基づき、前述の溶断回路(93、図5)から切断すべきヒューズに過電流を流し、ヒューズ素子Fのプログラム領域(切断可能領域)Fpを切断(非導通状態)とする。
【0167】
この後、実施の形態1と同様の実装工程を経て、半導体装置が略完成する(実施の形態1の[半導体装置の回路動作説明]の欄参照)。また、この半導体装置の回路動作についても、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する(実施の形態1の[半導体装置の回路動作説明]の欄参照)。
【0168】
以上詳細に説明した本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を奏する(実施の形態1の<1>〜<3>の欄参照)。
【0169】
即ち、<1>上記プログラム工程および読み出し工程以外の工程においては、トランジスタ(スイッチング素子)Tsをオン(ON)状態とし、ヒューズ素子Fの両端(ノードn1、ノードn2)を接地電位(GND)に接続する。このように、ヒューズ素子Fの両端(ノードn1、ノードn2)を接地電位(GND)に接続することで、ヒューズ素子Fを構成する各種膜(Al、Ti、TiN)の変質を低減することができる。よって、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0170】
<2>また、ヒューズ素子F上の絶縁膜のエッチング制御が容易となる。実施の形態1で詳細に説明した比較例においては、ヒューズ素子Fの変質をできるだけ少なくし、品質を向上させるため、ヒューズ素子F上の絶縁膜を残存させることが多い。しかしながら、<1>で説明したように、プログラム工程および読み出し工程以外の工程においては、ヒューズ素子Fの両端(ノードn1、ノードn2)を接地電位(GND)に接続することで、ヒューズ素子Fを構成する各種膜(Al、Ti、TiN)の変質を低減することができる。よって、ヒューズ素子F上の残膜にばらつきが生じ、一部のヒューズ素子Fが剥き出し構造となっても、ヒューズ素子Fを構成する各種膜(Al、Ti、TiN)の変質を低減することができる。このように、ヒューズ素子F上の絶縁膜の残膜調整をシビアに行う必要がなくなり、エッチングの制御性が向上する。よって、簡易な製造工程で半導体装置を形成することができる。また、半導体装置の製造において、スループットを向上させることができる。また、ヒューズ素子F上の絶縁膜の薄膜化にも対応することができる。
【0171】
また、上記比較例において、ヒューズ素子Fの変質は、実装工程の後にも生じ得る。よって、製品出荷時においては、良品であっても、その後の使用中に、上記ヒューズ素子Fの変質による品質劣化が生じ得る。これに対し、本実施の形態においては、製品動作時(使用時)においても、上記プログラム工程以外の工程においては、トランジスタ(スイッチング素子)Tsをオン(ON)状態とし、ヒューズ素子Fの両端(ノードn1、ノードn2)を接地電位(GND)に接続したので、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0172】
<3>また、本実施の形態においては、<2>で説明したように、ヒューズ素子F上の残膜にばらつきが生じ、一部のヒューズ素子Fが剥き出し構造となっても、ヒューズ素子Fの品質を維持できるため、ヒューズ素子Fの上部に残存する絶縁膜を薄く設定でき、溶断に要するエネルギーを小さくすることができる。また、溶断に要するエネルギーの制御性が向上する。よって、必要部位を的確に切断することができる。また、過剰なエネルギーの印加による欠陥を低減することができる。このように、半導体装置の信頼性を向上させることができる。半導体装置の特性を向上させることができる。
【0173】
上記<1>〜<3>に示すように、本実施の形態によれば、半導体装置の特性を向上させることができる。
【0174】
なお、本実施の形態においては、半導体装置の製造工程の前工程(ダイシング前、ウエハ状態)において、ヒューズ素子Fのプログラミングを行ったが(上記[プログラミング工程]の欄参照)、ヒューズ素子Fへのプログラミングを行う工程は、かかる段階に限定されず、例えば、実装工程後に行ってもよい。特に、前述のように、電気溶断でヒューズ素子Fの切断を行う場合には、製品ユーザーにおいても、ヒューズ素子Fのプログラミングを行うことができる。
【0175】
また、本実施の形態においても、フェイスダウンボンディングを行っても良い。
【0176】
また、本実施の形態においては、第1〜第6層配線(M1〜M6)を形成したが、配線総数に限定はない。また、本実施の形態においては、第5層配線M5と同層にヒューズ素子Fを形成したが、これに限られるものではなく、例えば、第6層配線(最上層配線)M6と同層でヒューズ素子Fを形成してもよい。但し、前述したように最上層配線は、幅が大きく、厚い配線が用いられることが多く、当該配線と同様にヒューズ素子Fを形成した場合、溶断に要するエネルギーが大きくなる。よって、最上層配線より薄く(例えば、250nm以下)、また、幅狭に形成される、第1〜第5層配線(M1〜M5)と同層でヒューズ素子を形成することが好ましい。また、第1〜4層配線(M1〜M4)と同層でヒューズ素子Fを形成してもよい。但し、下層の配線と同層でヒューズ素子Fを形成する場合、ヒューズ素子Fを剥き出しにする際のエッチング量が多くなる。よって、最上層配線より下層であって、できるだけ上層部に位置する配線(ここでは、第5層配線M5)とヒューズ素子Fを同層に形成することが好ましい。なお、再配置配線を有する半導体装置の場合、この再配置配線は最上層配線としない。
【0177】
また、上記工程においては、半導体素子としてMISFETの形成工程を例示したが、これに限られるものではなく、他の素子、例えば、抵抗素子やメモリなど、種々の素子を形成することができる。
【0178】
(実施の形態3)
上記実施の形態1および2においては、ヒューズ素子Fの切断を溶断回路93を用いて行ったが、レーザー照射によりヒューズ素子Fの切断を行ってもよい。
【0179】
なお、ヒューズ素子Fの切断工程(プログラミング工程)以外の工程については、実施の形態1、2と同様であるため、上記[プログラミング工程]以外の製造工程の説明および半導体装置の構造説明は省略する。
【0180】
[プログラミング工程]
実施の形態1および2で説明した、ウエハテスト工程の後、ヒューズ素子Fにプログラミングを行う。即ち、例えば、プローブテストの結果や、半導体装置の仕様(周波数や対応電圧)に対応して、どのヒューズ素子Fを切断するかを決定し、該当のヒューズ素子Fを切断する。どのヒューズ素子Fを切断するかの情報を、テスト情報という。このテスト情報に基づき、切断すべきヒューズにレーザーを照射し、ヒューズ素子Fのプログラム領域(切断可能領域)Fpを切断(非導通状態)とする。なお、本実施の形態においては、テスト情報を、実施の形態1、2のように半導体チップCHP内に保持しておく必要はない(図14参照)。
【0181】
この場合、ヒューズ素子Fおよびその周辺の回路は、例えば、図28に示す構成となる。図28は、本実施の形態の半導体装置のヒューズ素子が接続される回路を示す回路図である。
【0182】
図28に示すように、ヒューズ素子Fの一端(ノードn1)は、接地電位(GND、接地電位配線、接地電位端子)に接続され、ヒューズ素子Fの他端(ノードn2)は、判定回路95に接続されている。また、ヒューズ素子の他端(ノードn2)には、判定回路95が接続されている。
【0183】
ここで、本実施の形態のヒューズ素子Fの他端(ノードn2)は、トランジスタ(スイッチング素子)Tsを介して(GND、接地電位配線、接地電位端子)に接続されている。
【0184】
本実施の形態においては、レーザー照射により所定のヒューズ素子Fの切断(溶断)を行う。かかる工程をプラグラム工程という。レーザー溶断を行う場合においては、上記トランジスタ(スイッチング素子)Tsをオフ(OFF)状態とする必要はない。例えば、図2に示す状態のヒューズ素子Fのプログラム領域Fpにレーザーを照射し、ヒューズ素子Fを切断する(図3参照)。レーザー溶断は、半導体装置の製造工程の前工程(ダイシング前、ウエハ状態)において行われる。
【0185】
[半導体装置の回路動作説明]
次いで、上記半導体装置の回路動作について説明する。上記半導体装置は、例えば、PC(Personal computer)や携帯電話などの各種電子機器に組み込まれる。
【0186】
例えば、これらの電子機器に電源が投入された際、初期設定期間に、トリミング情報(各種設定情報)を読み出し、当該情報を、半導体装置内部の所定の領域(例えば、図14に示す、メモリ領域やアナログ回路領域など)に書き込む(格納する)。その後、所望の動作(通常動作、典型的には画像処理、半導体装置が組み込まれた各種電子機器の制御処理、アナログデジタル変換処理やセンサー出力処理、等)を行う。
【0187】
即ち、初期設定期間に、前述の判定回路95により、ヒューズ素子Fに記憶されたデータを読み出す(図5参照)。以下、読み出し工程における半導体装置の回路動作について図17〜図21を参照しながら説明する。前述したとおり、この読み出し工程においては、上記トランジスタ(スイッチング素子)Tsをオフ(OFF)状態である。
【0188】
図17は、初期設定期間と通常動作期間との関係を示す図である。図18は、判定回路の第1例を示す回路図である。図19は、判定回路の第2例を示す回路図である。図20は、図19に示す判定回路のRIN信号の生成回路の一例を示す回路図である。図21は、図19に示す判定回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0189】
図17に示すように、半導体装置の動作においては、初期設定期間T1と、その後の通常動作期間T2とを有する。この初期設定期間T1に、上記読み出し動作が行われる。即ち、読み出し期間Trは、初期設定期間T1に含まれる。
【0190】
<第1例>
図18に示す判定回路において、ヒューズ素子Fの一端(ノードn1)は、接地電位(GND)に接続される。また、ヒューズ素子Fの他端(ノードn2)は、抵抗素子Reおよびnチャネル型MISFETTnを介して電源電位(VDD)に接続される。ヒューズ素子Fと抵抗素子Reとの接続ノードが出力部OUTとなる。
【0191】
例えば、上記図18に示す判定回路において、nチャネル型MISFETTnのゲート電極に印加される信号Sが立ち上がる、即ち、LレベルからHレベルに変化することにより、読み出し期間が開始する。
【0192】
この信号Sの立ち上がりにより、nチャネル型MISFETTnがオン(ON)状態となる。この際、ヒューズ素子Fが、切断状態である場合には、出力部OUTからはHレベルの信号が出力される。また、ヒューズ素子Fが未切断状態である場合には、出力部OUTからはLレベルの信号が出力される。この読み出しデータを、所定の領域(例えば、図14に示す、メモリ領域やアナログ回路領域など)に書き込んだ(格納した)後、信号Sを立ち下げ(Hレベル→Lレベル)、読み出し期間Trを終了する。このヒューズ素子Fに記録されたデータの読み出しのような初期設定が終了した後、上記通常動作を行う。
【0193】
上記読み出し期間(信号Sの立ち上がりから立つ下がりの間;Tr)において、nチャネル型MISFET(スイッチング素子)Tsをオフ(OFF)状態とし、読み出し期間終了後においては、nチャネル型MISFET(スイッチング素子)Tsをオン(ON)状態とする。
【0194】
上記半導体装置の回路動作においては、その読み出し工程(期間)において、信号SFにより、トランジスタ(スイッチング素子)Tsをオン(ON)状態とし、例えば、当該ヒューズ素子Fが切断されている場合(Fb)には、ヒューズ素子Fの他端(ノードn2)がHレベル(高電位レベル)となり、これに対応した信号を判定回路95から出力し、切断を判定する。即ち、“切断状態”を“0”データとした場合、“0”データを認識する。一方、当該ヒューズ素子Fが未切断の場合(Fa)には、ヒューズ素子Fの他端(ノードn2)がLレベル(低電位レベル)となり、これに対応した信号を判定回路95から出力し、未切断を判定する。即ち、“未切断状態”を“1”データとした場合、“1”データを認識する。
【0195】
ここで、本実施の形態においては、上記半導体装置の回路動作において読み出し工程以外の工程においては、トランジスタ(スイッチング素子)Tsをオン(ON)状態とし、ヒューズ素子Fの両端(ノードn1、ノードn2)を接地電位(GND、接地電位配線、接地電位端子)に接続する。このように、ヒューズ素子Fの切断方法にかかわらず、その読み出し工程において、その両端(ノードn1、ノードn2)を接地電位(GND、接地電位配線、接地電位端子)に接続することで、ヒューズ素子Fを保護膜(12、13、16)から露出させていても、また、保護膜が残存していてもヒューズ素子Fの変質を低減することができる。
【0196】
よって、実施の形態1および2の<1>〜<3>で説明したように、半導体装置の特性を向上させることができる。
【0197】
特に、レーザー溶断を用いた場合には、ビックホール(Big Hole)現象が生じやすい。
【0198】
これは、ヒューズ素子Fの上部と下部のレーザー吸収の強度比の差に起因する。例えば、ヒューズ素子(配線)Fの薄膜化により、上部に対し、下部のエネルギー吸収が大きくなり、上部に対し下部の方が大きくえぐられたような形状となる。さらに、ヒューズ素子F上の絶縁膜が厚い場合には、レーザーによるエネルギーがこもりやすく、絶縁膜にクラックが生じたり、隣接するヒューズ素子Fへのダメージを与えたりする。このような付不具合を、ビックホールという。
【0199】
しかしながら、本実施の形態によれば、その読み出し工程において、その両端(ノードn1、ノードn2)を接地電位(GND、接地電位配線、接地電位端子)に接続することで、ヒューズ素子Fの変質を低減することができる。よって、ヒューズ素子Fをむき出し構造(実施の形態1)とする、または、ヒューズ素子F上の絶縁膜を薄膜化することができるため、レーザーの照射エネルギーを最適化でき、上記ビックホールの発生を低減することができる。
【0200】
なお、上記ビックホールに類する不具合は、電気溶断でも生じ得るため、実施の形態1および2の電気溶断においても、上記ビックホールの発生を低減することができる。
【0201】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態1〜3に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態1〜3に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0202】
本発明は、半導体装置、特に、ヒューズを有する半導体装置の構成に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0203】
1 半導体基板
2 素子分離領域
3n ソース、ドレイン領域
3p ソース、ドレイン領域
5a バリア膜
5b Al膜
5c バリア膜
6a バリア膜
6b Al膜
6c バリア膜
12 酸化シリコン膜
13 窒化シリコン膜
16 感光性ポリイミド膜
50 CPU領域
60 メモリ領域
70 アナログ回路領域
80 トリミング領域
91 トランジスタ
93 溶断回路
95 判定回路
97 抵抗素子
AR 反射防止膜
BU1 バッファ
BU2 バッファ
BU3 バッファ
BU4 バッファ
CHP 半導体チップ
D1 第1遅延回路
D2 第2遅延回路
F ヒューズ素子
FOUT 出力部
Fp プログラム領域
G ゲート電極
GND 接地電位
INV1〜INV6 インバータ
M1 第1層配線
M2 第2層配線
M3 第3層配線
M4 第4層配線
M5 第5層配線
M6 第6層配線
MR 封止樹脂
Nout 出力ノード
OA1 開口部
OA2 開口部
OUT 出力部
P1〜P6 プラグ
Pd パッド領域
Qn nチャネル型MISFET
Qp pチャネル型MISFET
R フォトレジスト膜
Re 抵抗素子
S 信号
SB 半田ボール
SF 信号
T1 初期設定期間
T2 通常動作期間
TC テスト情報回路
TE 端子
TH1〜TH6 層間絶縁膜
Tn nチャネル型MISFET
Tn3 nチャネル型MISFET
Tn4 nチャネル型MISFET
Tn7 nチャネル型MISFET
Tn8 nチャネル型MISFET
Tn9 nチャネル型MISFET
Tp1 pチャネル型MISFET
Tp2 pチャネル型MISFET
Tp5 pチャネル型MISFET
Tp6 pチャネル型MISFET
Tr 読み出し期間
Ts nチャネル型MISFET
VDD 電源電位
W ワイヤ
WB 配線基板
Y 膜厚
n1〜n3 ノード
z 変質領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の上方に形成された半導体素子と、
前記半導体素子の上方に形成された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に形成されたアルミニウム(Al)を含有する第1導電性膜よりなるヒューズ素子と、
前記第1絶縁膜上に形成され、前記第1導電性膜よりなる第1配線と、
前記第1配線上に形成された第2絶縁膜と、を有し、
前記ヒューズ素子のプログラム領域は、前記第2絶縁膜に設けられた第1開口部で露出していることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記プログラム領域は、切断状態であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記プログラム領域は、未切断状態であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2絶縁膜の上方に形成された第2導電性膜よりなる第2配線と、
前記第2配線上に形成された第3絶縁膜と、を有し、
前記第1開口部は、前記第2絶縁膜および前記第3絶縁膜の積層膜にも設けられ、
前記ヒューズ素子のプログラム領域は、前記積層膜に設けられた前記第1開口部から露出していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第3絶縁膜は、前記第2配線のパッド領域を露出する第2開口部を有し、
前記パッド領域には、導電性部材が接続されることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1開口部と前記第2開口部とは同時に形成されたものであることを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第3絶縁膜および前記導電性部材の上部は、封止樹脂で覆われていることを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
【請求項8】
前記ヒューズ素子は、前記プログラム領域の一端である第1端と、前記プログラム領域の他端である第2端とを有し、
前記第1端は、接地電位と接続され、
前記第2端は、前記接地電位とスイッチング素子を介して接続されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項9】
前記ヒューズ素子は、前記スイッチング素子がオフ状態で、切断されることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項10】
前記ヒューズ素子の前記プログラム領域が、切断および未切断状態のいずれかであるかの読み出しは、前記スイッチング素子がオフ状態で行われることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第2端は、前記読み出しの期間に、電源電位に接続されることを特徴とする請求項10記載の半導体装置。
【請求項12】
前記半導体装置は、
前記ヒューズ素子の前記プログラム領域を切断するプログラム期間と、
前記ヒューズ素子の前記プログラム領域が、切断状態および未切断状態のいずれかであるかを判定する読み出し期間と、を有し、
前記プログラム期間および前記読み出し期間以外の期間に、前記スイッチング素子がオン状態の期間を有することを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項13】
前記半導体装置は、その動作において、
初期設定期間と、前記初期設定期間後の動作期間とを有し、
前記読み出し期間は、前記初期設定期間に含まれることを特徴とする請求項12記載の半導体装置。
【請求項14】
前記ヒューズ素子であって、
前記切断可能領域が未切断状態の第1のヒューズ素子と、
前記切断可能領域が切断状態の第2のヒューズ素子と、を有し、
前記第1のヒューズ素子の前記切断可能領域の一端は、接地電位に接続され、
前記第1のヒューズ素子の前記切断可能領域の他端は、前記接地電位と第1スイッチング素子を介して接続され、
前記第2のヒューズ素子の前記切断可能領域の一端は、接地電位に接続され、
前記第2のヒューズ素子の前記切断可能領域の他端は、前記接地電位と第2スイッチング素子を介して接続され、
前記半導体装置の前記第1のヒューズ素子および前記第2のヒューズ素子のプログラム情報の読み出し期間において、
前記第1スイッチング素子および第2スイッチング素子はオフ状態であることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項15】
前記ヒューズ素子は、電気溶断により切断されることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項16】
前記ヒューズ素子は、レーザー照射により切断されることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項17】
前記スイッチング素子は、MISFETにより構成されることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項18】
アルミニウムを含有する導電性膜よりなるヒューズ素子を有する半導体装置において、
前記半導体装置は、その動作において、
初期設定期間と、前記初期設定期間後の動作期間とを有し、
前記初期設定期間に前記ヒューズ素子にプログラムされたデータの読み出し期間が存在し、
前記動作期間において、前記ヒューズ素子の両端を接地電位に維持することを特徴とする半導体装置。
【請求項19】
前記ヒューズ素子の一端は、接地電位に接続され、他端は、スイッチング素子を介して前記接地電位に接続されていることを特徴とする請求項18記載の半導体装置。
【請求項20】
前記ヒューズ素子の他端には、溶断回路が接続されていることを特徴とする請求項19記載の半導体装置。
【請求項21】
前記ヒューズ素子のプログラム期間において、
前記スイッチング素子をオフ状態とし、
前記溶断回路から前記ヒューズ素子に過電流を流して、前記ヒューズ素子の所定の部分を切断することを特徴とすることを特徴とする請求項20記載の半導体装置。
【請求項22】
前記ヒューズ素子のプログラム期間において、
前記ヒューズ素子にレーザーを照射して、前記ヒューズ素子の所定の部分を切断することを特徴とする請求項19記載の半導体装置。
【請求項23】
前記ヒューズ素子の他端には、読み出し回路が接続されていることを特徴とする請求項19記載の半導体装置。
【請求項24】
前記読み出し期間において、
前記スイッチング素子をオフ状態とし、
前記読み出し回路は、
前記ヒューズ素子が、切断状態である場合には、前記ヒューズ素子の一端の電位を電源電位とし、
前記ヒューズ素子が、未切断状態である場合には、前記ヒューズ素子の一端の電位を接地電位とし、
前記ヒューズ素子の一端の電位に対応した電位を出力電位として出力することを特徴とする請求項23記載の半導体装置。
【請求項25】
前記半導体装置は、その動作において、
初期設定期間と、前記初期設定期間後の動作期間と、を有し、
前記読み出し期間は、前記初期設定期間に含まれることを特徴とする請求項18記載の半導体装置。
【請求項26】
前記スイッチング素子は、MISFETにより構成されることを特徴とする請求項19記載の半導体装置。
【請求項27】
前記ヒューズ素子は、第1絶縁膜上に形成され、
前記第1絶縁膜上には、第1配線が形成され、
前記第1配線上には、第2絶縁膜が形成され、
前記ヒューズ素子のプログラム領域は、前記絶縁膜に設けられた開口部から露出していることを特徴とする請求項18記載の半導体装置。
【請求項28】
前記ヒューズ素子は、第1絶縁膜上に形成され、
前記第1絶縁膜上には、第1配線が形成され、
前記第1配線および前記ヒューズ素子上には、第2絶縁膜が形成され、
前記ヒューズ素子のプログラム領域上の前記第2絶縁膜の膜厚は、前記第1配線上の前記第2絶縁膜の膜厚より小さいことを特徴とする請求項18記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図30】
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【図31】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−138443(P2012−138443A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289223(P2010−289223)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】