説明

半導体製造装置および半導体装置の製造方法

【課題】半導体ウェハのオリフラ近傍の成膜の膜厚が、他の領域と比較して低減することを抑制する。
【解決手段】半導体製造装置100は、第1のオリフラ204が設けられた第1のウェハ202および第2のオリフラ214が設けられた第2のウェハ212を搬送する搬送部102と、搬送部102に設けられており、第1のウェハ202の上面および第2のウェハ212の上面(疑似ウェハ200の上面)に原料ガスを供給する第1の供給部と、搬送部102に設けられており、第1のウェハ202の下面および第2のウェハ212の下面(疑似ウェハ200の下面)に、原料ガスのウェハの下面への回り込みを防止するガスを供給する第2の供給部と、第1のウェハ202および第2のウェハ212の搬送部102上の配置位置を制御する制御部と、を備え、制御部は、上面視において、第1のオリフラ204を形成するために第1のウェハ202が切り欠かれた切欠領域の内側に、第2のウェハ212を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の常圧CVD装置としては、特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載された常圧CVD装置を図5に示す。この常圧CVD装置においては、半導体ウェハ3を搬送する搬送ベルト4と、成膜を行う反応ガスインジェクタ2とを備える。搬送ベルト4上においては、2枚1組の半導体ウェハ3は左右に配置されており(半導体ウェハ3A、3B)、それぞれのオリエンテーションフラット(以下、オリフラと称する)が搬送方向に向けられている。このような配置で、反応ガスインジェクタ2に搬送された2枚1組の半導体ウェハ3上においては、同時に成膜が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−124478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者が検討した結果、原料ガスがウェハの裏面に回り込むことを防止する目的で、ウェハの下方から回り込み防止ガスを供給すると、オリフラにおいては、ウェハの切欠領域の面積分だけ、他のウェハの領域と比較して、回り込み防止ガスの供給量が増加する。その場合、オリフラ近傍の原料ガスの供給量が減少することにより、オリフラの成膜の膜厚が薄くなることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、
第1のオリフラが設けられた第1のウェハおよび第2のオリフラが設けられた第2のウェハを用意する工程と、
前記第1のウェハの上面および前記第2のウェハの上面に原料ガスを供給しつつ、前記第1のウェハの下面および前記第2のウェハの下面に、前記原料ガスの前記下面への回り込みを防止するガスを供給する、成膜工程と、を含み、
前記成膜工程は、上面視において、前記第1のオリフラを形成するために前記第1のウェハが切り欠かれた切欠領域の内側に、前記第2のウェハを配置した状態で行う、半導体装置の製造方法が提供される。
【0006】
本発明によれば、
第1のオリフラが設けられた第1のウェハおよび第2のオリフラが設けられた第2のウェハを搬送する搬送部と、
前記搬送部に設けられており、前記第1のウェハの上面および前記第2のウェハの上面に原料ガスを供給する第1の供給部と、
前記搬送部に設けられており、前記第1のウェハの下面および前記第2のウェハの下面に、前記原料ガスの前記下面への回り込みを防止するガスを供給する第2の供給部と、
前記第1のウェハおよび前記第2のウェハの前記搬送部上の配置位置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、上面視において、前記第1のオリフラを形成するために前記第1のウェハが切り欠かれた切欠領域の内側に、前記第2のウェハを配置する、半導体製造装置が提供される。
【0007】
本発明によれば、成膜処理中においては、上面視において、第1のウェハの切欠領域の内側に、第2のウェハを配置している。このため、切欠領域が、第2のウェハで覆われることになる。これにより、従来の切欠領域の空隙面積が最大であった場合と比較して、切欠領域の空隙面積を小さくすることができる。したがって、オリフラにおける、回り込み防止ガスの供給量を低減させ、オリフラへの原料ガスの供給量の減少を、従来と比較して抑制することができる。このようにして、本発明によれば、半導体ウェハのオリフラ近傍の成膜の膜厚が、半導体ウェハの他の領域と比較して低減することを抑制できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、半導体ウェハのオリフラ近傍の成膜の膜厚が、他の領域と比較して低減することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本形態における半導体製造装置を模式的に示す断面図である。
【図2】図1の半導体製造装置のA−A’断面を示す図である。
【図3】本実施の形態および特許文献1における半導体ウェハの搬送ベルト上の配置位置を示す図である。
【図4】本実施の形態における半導体ウェハの搬送ベルト上の配置位置の変形例を示す図である。
【図5】特許文献1に記載の常圧CVD装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0011】
図1は、本実施の形態の半導体製造装置100を模式的に示す断面図である。図2は、図1の半導体製造装置のA−A'断面を示す図である。
本実施の形態の半導体製造装置100は、第1のオリフラ204が設けられた第1のウェハ202および第2のオリフラ214が設けられた第2のウェハ212を搬送する搬送部102と、搬送部102に設けられており、第1のウェハ202の上面および第2のウェハ212の上面(疑似ウェハ200の上面)に原料ガスを供給する第1の供給部(原料ガス供給部138)と、搬送部102に設けられており、第1のウェハ202の下面および第2のウェハ212の下面(疑似ウェハ200の下面)に、原料ガスのウェハの下面への回り込みを防止するガスを供給する第2の供給部(フロアガス供給部130)とを有する成膜部104と、第1のウェハ202および第2のウェハ212の搬送部102上の配置位置を制御する制御部(図示せず)と、を備え、制御部は、上面視において、第1のオリフラ204を形成するために前記第1のウェハ202が切り欠かれた切欠領域の内側に、第2のウェハ212を配置する。
【0012】
本実施の形態においては、半導体製造装置100は、常圧CVD装置である。常圧CVD装置は、半導体ウェハの表面に酸化膜等の薄膜を成膜する。
【0013】
本実施の形態の半導体製造装置100(常圧CVD装置)における動作の概要を説明する。
本実施の形態の半導体製造装置100は、図1に示すように、LD部114(ローダ部)、搬送部102、成膜部104、ULD部122(アンローダ部)および不図示の制御部を備える。
まず、LD部114は、2枚1組の半導体ウェハのオリフラを対向させて構成される疑似ウェハ200を、搬送部102に搬送する。続いて、搬送部102は、疑似ウェハ200を成膜部104に搬送する。続いて、成膜部104は、疑似ウェハ200の上面に成膜を行う。続いて、搬送部102は、成膜された疑似ウェハ200をULD部122に搬送する。この後、ULD部122は、成膜された疑似ウェハ200を構成する半導体ウェハを回収する。
【0014】
次に、本実施の形態の半導体製造装置100の各構成について説明しつつ、半導体製造装置100を用いた半導体装置の製造方法について説明する。
【0015】
本実施の形態の半導体装置の製造方法は、第1のオリフラ204が設けられた第1のウェハ202および第2のオリフラ214が設けられた第2のウェハ212を用意する工程と、第1のウェハ202の上面および第1のオリフラ204の上面に原料ガス134を供給しつつ、第1のウェハ202の下面および第2のウェハ212の下面に、原料ガス134の各ウェハの下面への回り込みを防止するガス(フロアガス132)を供給する、成膜工程と、を含み、成膜工程は、上面視において、第1のオリフラ204を形成するために第1のウェハ202が切り欠かれた第1の切欠領域206の内側に、第2のウェハ212を配置した状態で行う。
【0016】
半導体製造装置100におけるLD部114は、2組の半導体ウェハで構成される疑似ウェハ200を搬送部102に搬送する。このLD部114は、キャリア108、オリフラ合わせ部106、マニュピレータ110、シャトル112を備える。
【0017】
キャリア108は、半導体ウェハをマニュピレータ110(搬送ブレード部)に搬入する。オリフラ合わせ部106(オリフラ合わせ機)は、キャリア108から搬入された半導体ウェハ(第1のウェハ202や第2のウェハ212)のオリフラの向きを調整する。マニュピレータ110は、オリフラの向きが調整された半導体ウェハをシャトル112(スライド式搬送部)に搬送する。シャトル112は、マニュピレータ110から搬送された半導体ウェハを搬送部102に搬送する。
【0018】
本実施の形態に係る制御部は、オリフラ合わせ部106によりオリフラの方向を制御し、マニュピレータ110およびシャトル112の搬送タイミングを制御する。これにより、制御部は、第1のウェハ202の第1のオリフラ204と第2のウェハ212の第2のオリフラ214との向き、およびそれぞれのウェハの配置距離を制御することができる。本実施の形態においては、制御部は、例えば、第1のウェハ202の第1のオリフラ204と第2のウェハ212の第2のオリフラ214とが、離間部を介して向かい合った疑似ウェハ200を構成することができる。以上のように、制御部は、第1のウェハ202および第2のウェハ212の搬送部102上における配置位置を制御できる。
【0019】
本実施の形態の成膜部104は、搬送部102で搬送された疑似ウェハ200に対して成膜処理を行う。成膜部104は、原料ガス供給部138およびフロアガス供給部130で構成されている。原料ガス供給部138とフロアガス供給部130とは、搬送部102(搬送ベルト)を介して、対向する位置に設けられている。
【0020】
原料ガス供給部138は、疑似ウェハ200(第1のウェハ202の上面上および第2のウェハ212の上面上)の上面上に、原料ガス134(反応ガス)を供給する。原料ガス134のガス種としては、特に限定されないが、成膜の膜種に応じて適宜選択できる。
【0021】
フロアガス供給部130は、疑似ウェハ200の上面から下面へ原料ガス134が回り込むことを抑制するために、疑似ウェハ200の下面に向かってフロアガス132を供給している。
【0022】
このフロアガス供給部130は、マッフルに設けられている。このマッフルに無数の吹き出し穴が設けられている。マッフルの吹き出し穴から、フロアガス132が噴出している。この吹き出し穴は、マッフルの上面に均一の間隔で設けられていてもよい。これにより、フロアガス132の供給量は、成膜部104中において均一とすることができる。フロアガス132のガス種としては、不活性ガスであれば特に限定されず、例えば希ガスやNガスなどを用いることができる。
【0023】
このように成膜部104においては、半導体ウェハの上部からは原料ガス供給部138からの原料ガス134が供給され、一方、半導体ウェハの下部からは搬送ベルトを介して、フロアガス132が供給されている。この搬送部102には、穴部が設けられている。この穴部を通って、搬送部102の下方から疑似ウェハ200の下面にフロアガス132が供給されている。例えば、原料ガス134とフロアガス132とは、それぞれ対向する噴出口から噴出されている。
【0024】
また、マッフルは、さらにヒータ等の加熱手段を有する。ヒータは、搬送部102の下方から疑似ウェハ200を加熱する。
【0025】
ここで、本実施の形態の半導体製造装置100における成膜について、従来技術と比較しつつ、説明する。図3は、本実施の形態(図3(a)、(b))および特許文献1(図3(c)、(d))における2枚1組の半導体ウェハの搬送ベルト上の配置位置を示す図である。
【0026】
図3(c)に示すように、特許文献1に記載の半導体ウェハの配置位置は、第1のウェハ202の第1のオリフラ204および第2のウェハ212の第2のオリフラ214が、それぞれ搬送方向に向かうように、かつ同一直線上に構成されている。したがって、図3(d)に示すように、第1のウェハ202の第1の切欠領域206および第1のウェハ202の第2の切欠領域216のそれぞれにおいては、空隙面積が最大となっている。
【0027】
このため、前述の通り、原料ガスがウェハの裏面に回り込むことを防止する目的で、ウェハの下方から回り込み防止ガスを供給すると、半導体ウェハの他の領域に比べて、第1のウェハ202の切欠領域の空隙面積分だけ、回り込み防止ガスの供給量が増加する。すなわち、フロアガス供給部130の直上の半導体ウェハにおいては、オリフラで覆われない吹き出し穴の開放数が、他の半導体ウェハの領域と比較して増加するので、フロアガス132の噴出し量も増加する。その結果、オリフラへの原料ガスの供給量が減少することになる。したがって、第1のオリフラ204近傍および第2のオリフラ214近傍の成膜の膜厚が薄くなることがあった。
【0028】
これに対して、図3(a)に示すように、本実施の形態における半導体ウェハの配置位置においては、それぞれのオリフラを対向させている。すなわち、図3(b)に示すように、上面視において、第1のウェハ202の第1の切欠領域206の内側に、第2のウェハ212の第2のオリフラ214が配置されている。
【0029】
これにより、第1の切欠領域206の空隙部の一部が、他の第2のウェハ212の第2のオリフラ214で覆われる。このため、第1の切欠領域206における空隙面積が小さくなる(第1のオリフラ204で覆われない吹き出し穴の開放数が、従来と比較して少なくなる)。したがって、第1のウェハ202の第1の切欠領域206における、フロアガス132(回り込み防止ガス)の供給量を低減させることができる。結果として、オリフラへの原料ガス134の供給量の減少を抑制することができる。よって、第1のオリフラ204近傍における第1のウェハ202の膜厚の減少を抑制することができる。
【0030】
以上のように、成膜部104で成膜された疑似ウェハ200は、引き続きULD部122に搬送される。
【0031】
ULD部122は、成膜された疑似ウェハ200を回収する。ULD部122は、シャトル116(スライド式搬送部)、キャリア118、マニュピレータ120で構成される。シャトル116は、成膜された疑似ウェハ200をマニュピレータ120に搬送する。マニュピレータ120は、疑似ウェハ200を構成する半導体ウェハを、個別にキャリア118に搬送する。キャリア118は、各半導体ウェハを回収する。回収された半導体ウェハは、次の製造工程に使用される。この後、回収された半導体ウェハに対して、通常の半導体装置の製造プロセスを行い、半導体装置を得ることができる。
【0032】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
【0033】
本実施の形態においては、成膜工程(成膜部104)において、2枚1組の半導体ウェハのそれぞれのオリフラが対向するという、擬似的にオリフラがないような状態で、第1のウェハ202および第2のウェハ212に対して成膜が行われる。
すなわち、第1のウェハ202においては、第1の切欠領域206の空隙部の一部が、他の第2のウェハ212の第2のオリフラ214で覆われる。このため、第1の切欠領域206における空隙面積が、従来と比較して小さくなる(第1のオリフラ204で覆われない吹き出し穴の開放数が、従来と比較して少なくなる)。したがって、第1のウェハ202の第1の切欠領域206における、フロアガス132(回り込み防止ガス)の供給量を低減させることができる。結果として、オリフラへの原料ガス134の供給量の減少を抑制することができる。よって、第1のオリフラ204近傍における第1のウェハ202の膜厚の減少を抑制することができる。
【0034】
さらに、第1のオリフラ204に対して、第2のオリフラ214が平行に配置されている。このため、第1の切欠領域206における第1のオリフラ204と第2のオリフラ214との距離Lが均一になる。これにより、第1のオリフラ204および第2のオリフラ214におけるフロアガス132の気流の影響をより小さくすることができる。したがって、第1のオリフラ204近傍における第1のウェハ202の膜厚の減少を均一に抑制することができる。
【0035】
第1のオリフラ204に対して、第2のオリフラ214が平行かつ、オリフラ端が一致するように配置される。このため、第1のオリフラ204の中心から外側に向かってのフロアガス132の供給量のバラツキを低減できる。したがって、第1のオリフラ204近傍における第1のウェハ202の膜厚の減少を均一に抑制することができる。
【0036】
また、第2のオリフラ214は、第1のオリフラ204と対向しているので、第1のオリフラ204と同様に、第2のオリフラ214近傍における第2のウェハ212の膜厚の減少を抑制することができる。
【0037】
また、図3(a)に示すように、成膜工程(成膜部104)において、第1のオリフラ204と第2のオリフラ214との距離Lは、5mm以下が好ましく、より好ましくは3以下mmである。距離Lを上記範囲とすることにより、第1のオリフラ204および第2のオリフラ214におけるフロアガス132の気流の影響をより小さくすることができる。したがって、より効率的にオリフラ近傍における半導体ウェハの膜厚の減少を抑制することができる。
【0038】
このように、本実施の形態においては、2枚1組の半導体ウェハのそれぞれのオリフラが対向するという、擬似的にオリフラがないような疑似ウェハ200を構成することができる。疑似ウェハ200においては、前述のように、オリフラにおけるフロアガス132の影響が、従来と比較して低減される構造を有する。このため、疑似ウェハ200においては、オリフラ近傍と他の領域との膜厚のバラツキが抑制される。
【0039】
以上のように、実施の形態においては、オリフラの影響による膜厚均一性悪化を改善できる。したがって、歩留まりに優れた半導体装置の構造を実現することができる。
【0040】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0041】
本実施の形態に係る成膜工程(成膜部104)においては、上面視において、第1のオリフラ204と第2のオリフラ214とが対向した配置に限定されず、第1のウェハ202の第1の切欠領域206の内側に、第2のウェハ212が配置されていれば、とくに第1のウェハ202および第2のウェハ212の搬送ベルト上の配置位置は限定されない。
第1のウェハ202の第1の切欠領域206の内側に、第2のオリフラ214以外の領域の第2のウェハ212が配置されると、一方の切欠領域が、他の半導体ウェハで覆われることになる。このため、従来の2つの切欠領域の空隙面積が最大であった場合と比較して、いずれか一方の切欠領域の空隙面積を小さくすることができる。したがって、オリフラにおける、回り込み防止ガスの供給量を低減させ、オリフラへの原料ガスの供給量の減少を、従来と比較して抑制することができる。
【0042】
本実施の形態においては、半導体ウェハの外周端から切欠領域を除去することにより、オリフラを形成している。このため、切欠領域とは、オリフラを形成するために半導体ウェハが切り欠かれた領域を意味する。例えば、半導体ウェハの形状が正円形状の場合には、切欠領域は半円形状となる。言い換えると、切欠領域は、半導体ウェハの外周円の周縁部とオリフラの周縁部とに囲まれた領域となる。
【0043】
図4は、本実施の形態における半導体ウェハの搬送ベルト上の配置位置の変形例を示す。
図4(a)は、オリフラが搬送方向に対して直角方向である疑似ウェハ200の配置位置を示す。これに対して、図4(b)は、オリフラが搬送方向に対して向かっている疑似ウェハ200の配置位置を示す。図4(b)に示すように、搬送部102の右側レーンおよび左側レーンに対して、それぞれ疑似ウェハ200を配置してもよい。また、図4(c)は、4枚1組の疑似ウェハ230の配置位置を示す。疑似ウェハ230においては、各オリエントが隣接する半導体ウェハに向かうように配置されている。
【0044】
本実施の形態の常圧CVD装置においては、2枚の半導体ウェハは、それぞれのオリフラが対向した状態で搬送、成膜される。また、本実施の形態の常圧CVD装置においては、キャリアから払い出される半導体ウェハをオリフラが交互に180°異なる方向に合わせるオリフラ合わせ機を有する。また、本実施の形態の成膜方法においては、半導体ウェハを2枚ずつ搬送、成膜する常圧CVD装置を用い、2枚のウェハのオリフラが対向した状態で、半導体ウェハに成膜を行う。
【0045】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【符号の説明】
【0046】
2 反応ガスインジェクタ
3、3A、3B 半導体ウェハ
4 搬送ベルト
100 半導体製造装置
102 搬送部
104 成膜部
106 オリフラ合わせ部
108 キャリア
110 マニュピレータ
112 シャトル
114 LD部
116 シャトル
118 キャリア
120 マニュピレータ
122 ULD部
130 フロアガス供給部
132 フロアガス
134 原料ガス
138 原料ガス供給部
200 疑似ウェハ
202 第1のウェハ
204 第1のオリフラ
206 第1の切欠領域
212 第2のウェハ
214 第2のオリフラ
216 第2の切欠領域
230 疑似ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のオリフラが設けられた第1のウェハおよび第2のオリフラが設けられた第2のウェハを用意する工程と、
前記第1のウェハの上面および前記第2のウェハの上面に原料ガスを供給しつつ、前記第1のウェハの下面および前記第2のウェハの下面に、前記原料ガスの前記下面への回り込みを防止するガスを供給する、成膜工程と、を含み、
前記成膜工程は、上面視において、前記第1のオリフラを形成するために前記第1のウェハが切り欠かれた切欠領域の内側に、前記第2のウェハを配置した状態で行う、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記成膜工程は、前記第1のオリフラと前記第2のオリフラとを向かい合わせた状態で行う、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記成膜工程は、前記第1のオリフラと前記第2のオリフラとの距離が5mm以下となるように、向かい合わせた状態で行う、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
第1のオリフラが設けられた第1のウェハおよび第2のオリフラが設けられた第2のウェハを搬送する搬送部と、
前記搬送部に設けられており、前記第1のウェハの上面および前記第2のウェハの上面に原料ガスを供給する第1の供給部と、
前記搬送部に設けられており、前記第1のウェハの下面および前記第2のウェハの下面に、前記原料ガスの前記下面への回り込みを防止するガスを供給する第2の供給部と、
前記第1のウェハおよび前記第2のウェハの前記搬送部上の配置位置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、上面視において、前記第1のオリフラを形成するために前記第1のウェハが切り欠かれた切欠領域の内側に、前記第2のウェハを配置する、半導体製造装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1のオリフラと前記第2のオリフラとを向かい合わせに配置する、請求項4に記載の半導体製造装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1のオリフラと前記第2のオリフラとの距離が5mm以下となるように、向かい合わせて配置する、請求項4または5に記載の半導体製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−33824(P2012−33824A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173853(P2010−173853)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】