説明

原子層堆積に溶液系前駆体を用いる方法及び装置

【課題】溶媒中に溶解している低揮発性固体ALD前躯体の使用を可能にする溶液安定化技術及びデリバリ技術と特定のALD操作モードとの新規な組み合わせを提供する。
【解決手段】THFなどの溶媒中に溶解している広範囲の低揮発性固体ALD前駆体を用いる。不安定な溶質は溶液中で安定化されてもよく、溶液の全量が室温でデリバリされてもよい。溶液が気化された後、気相前駆体溶液及び反応溶液は交互に堆積室内にパルス状に供給し、所定厚のALD膜を成長をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規で有用な原子層堆積用の広範な前駆体のデリバリ方法及び装置に関する。本発明は、また、前駆体をデリバリする新規な方法を利用する原子層堆積方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
原子層堆積(ALD)は、シリコンウェハプロセスにおける次世代導体バリア層、高−kゲート誘電層、高−k静電容量層、キャッピング層及び金属ゲート電極のための実現技術である。ALDはまた、フラットパネルディスプレイ、化合物半導体、磁気及び光学記録、太陽電池、ナノテクノロジー及びナノ材料などの他のエレクトロニクス産業にも応用されている。ALDは、周期的堆積プロセスにおいて同時に金属、酸化物、窒化物その他の1の単層の超薄高等角層(ultra thin and highly conformal layer)を形成するために用いられている。アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム及びタンタルなどの主族金属元素及び遷移金属元素の多くの酸化物及び窒化物は、酸化反応又は窒化物形成反応を用いるALDプロセスにより製造されている。Ru、Cu、Taその他の純金属層もまた、還元反応又は燃焼反応を通してALDプロセスを用いて堆積され得る。
【0003】
典型的なALDプロセスは、1の膜層(film one layer)を同時に堆積させるために逐次前駆体ガスパルスを用いる。特に、第1の前駆体ガスが処理室に導入され、処理室内における基板表面での反応により単層を生成する。次いで、第2の前駆体が導入され、第1の前駆体と反応して、第1の前駆体及び第2の前駆体の両方の成分から作られる膜の単層を基板上に形成する。各パルス対(1周期)は、膜の1の単層を正確に生成して、行われる堆積サイクルの数に基づいて最終膜厚を非常に正確に制御することができる。
【0004】
半導体デバイスはより密集され続けているので、チャネル長もまたますます小型化されなければならない。将来のエレクトロニックデバイス技術にとって、SiO及びSiONゲート誘電体を1.5nm未満の効果的な酸化物厚(EOT)を有する超薄高−k酸化物で置換することが必要になるであろう。好ましくは、高−k材料は、高バンドギャップ及びバンドオフセット、高k値、シリコン上での良好な安定性、最小SiO 界面層及び基板上の高品質界面を有するべきである。アモルファス又は高結晶温度膜もまた望ましい。いくつかの許容可能な高−k誘電性材料をTable 1に示す。これらの中で、HfO、Al、ZrO及び関連する三元の高−k材料は、ゲート誘電体として使用するために最も注目を集めている。HfO及びZrOはより高いk値を有するが、より低い破壊電界(break down fields)及び結晶温度もまた有する。Hf及びZrのアルミン酸塩は、より高いk値及びより高い破壊電界(break down fields)の組み合わせによる利点を有する。Yは、希土類物質(例えばEu+3)の高溶解性を有し、光エレクトロニクス用途において有用である。
【0005】
【表1】

【0006】
遷移金属及び金属窒化物は、ICデバイスにおける金属及びシリコンの相互拡散を防止する拡散バリアとして使用することができる。これらのバリア層はわずかに数nm厚であり、トレンチ及びバイアスにおいて等角(conformal)である。Table 2は、ALD成長バリアのいくつかの特性を示す。望ましい特性としては、低成長温度(< 400℃)及び低膜抵抗を挙げることができる。例えばTa/TaN及びW/WxNは、銅拡散バリアシステムとして好ましい。Ru、Cu、Pt及びTaなどのALD金属薄層もまた、バリア及びシード(seed)層用途として使用するために堆積されている。
【0007】
【表2】

【0008】
ALDは、高−k誘電性材料及びそのライナーの高等角及び高アスペクト比堆積が必要である場合に高密度記憶デバイス用の高度堆積方法である。Table 1に提示するAlなどの高−k酸化物並びにBST、PZT及びSBT層などの強誘電体材料は、記憶デバイスにおけるキャパシタ誘電体として用いられている。
【0009】
ハライド類、アルコキシド類、β−ジケトナート類及び新規アルキルアミド類及びシクロペンタジエニル類物質を含む伝統的な蒸着前駆体のいくつかのタイプは、ALDプロセスにおいて試験されている。ハライド類は、良好な自己制御式成長挙動でALDプロセスにおいて良好に作用するが、殆どは高ソース温度を必要とする高融点固体である。固体前駆体を用いる他の欠点は、基板に対する粒子汚染のリスクである。さらに、固体前駆体に関連するフラックス(flux)又は線量(dosage)における不安定性の問題がある。アルコキシド類は、ALDプロセスにおいて低堆積温度を示すが、蒸気相において分解してしまうことがあり、ALDではなく連続成長プロセスを導く。β−ジケトナート類は、MOCVDプロセスで用いられ、一般に加水分解に対してアルコキシド類よりも安定である。しかし、これらはあまり揮発性ではなく、高いソース温度及び基板温度を必要とする。β−ジケトナート類及びアルコキシド類による混合配位子アプローチは、アルコキシドMOCVD前駆体の安定性を改良すると示唆されている。例としては、Zr(acac)(hfip)、Zr(O−t−Pr)(thd)を挙げることができる。さらに、金属硝酸塩前駆体、M(NO、アルキルアミド類及びアミジナート類は、非常に低い炭素又はハライド汚染を伴う自己制御式成長挙動を示す。しかし、硝酸塩類及びアミド類の安定性は、製造における問題であり、多くのシクロペンタジエニル類は固体形態である。
【0010】
一般に、ALD前駆体は、良好な揮発性を有するべきであり、化学吸着及び表面反応によって基板表面を迅速に飽和することができる。ALD半反応サイクルは、5秒以内、好ましくは1秒以内に完了すべきである。照射線量は、10 Laugmuir (1 Torr*sec = 10Laugmuir)以下であるべきである。前駆体は、堆積温度窓内で安定であるべきである。なぜなら、前駆体が気相中で分解すると、制御不能なCVD反応が生じるからである。前駆体自身もまた、表面反応が速く完全であるように高度に反応性であるべきである。さらに、完全な反応は、良好な純度の膜を得る。ALD前駆体の好ましい特性をTable 3に示す。
【0011】
【表3】

【0012】
Table 3に示されているように、ALD前駆体に対する厳しい要求ゆえに、ALD前駆体の新規タイプは、より安定で、より高い揮発性を示し、ALDにより良好に適していることが必要である。しかし、新規前駆体の開発費用は、大きな障壁となる。この点では、化学蒸着(CVD)プロセスに関連する従来技術は、いくつかの有用な背景情報を与える。
【0013】
多くの蒸着プロセスで、直接液体注入方法が用いられている。例えば、米国特許5,376,409号明細書には、化学蒸着(CVD)技術に用いるための適切な溶媒中に溶解している固体前駆体のデリバリ方法が記載されている。米国特許5,451,260号明細書には、CVD技術用の超音波ノズルを用いて液体前駆体溶液を直接注入する方法が記載されている。Beachらは、 “MOCVD of very thin films of lead lanthanum titanate”, MRS symposium proceedings, 415, 225−30 (1996)において、単種溶液中に溶解している多種前駆体を用いるCVD方法を記載する。Choi, et al., “Structure stability of metallorganic chemical vapor deposited (Ba, Sr)RuO electrodes for integration of high dielectric constant thin films”, Journal of the Electrochemical Society, 149(4), G232−5 (2002)には、多成分溶液の液体注入を用いるCVD方法が記載されている。Zhao, et al., “Metallorganic CVD of high−quality PZT thin films at low temperature with new Zr and Ti precursors having mmp ligands”, Journal of the Electrochemical Society, 151(5), C283−91 (2004)には、多種前駆体溶液液体デリバリシステムを用いる別のCVD方法が記載されている。注記したように、これらの参考文献の各々はCVD技術を議論し、適切な溶媒中に溶解している固体前駆体を含む種々の前駆体物質の議論にとってのみ興味あるものである。
【0014】
ALDプロセスに関連するいくつかの先行技術文献がある。Cho, et al., “Atomic layer deposition (ALD) of Bismuth Titanium oxide thin films using direct liquid injection (DLI) method”, Integrated Ferroelectrics, 59, 1483−9, (2003)は、溶媒中に溶解している固体前駆体の使用を報告する。しかし、デリバリ方法及び堆積方法を考慮する情報は得られない。
【0015】
米国特許出願公開2003/0056728号公報は、液体形態又は溶解形態での前駆体を用いる原子蒸着(AVD)プロセスにおけるパルス化液体注入方法を開示する。1回分の液体量は、理想的なALD操作にとって多すぎる。Min, et al., “Atomic layer deposition of Althin films from a 1−methoxy−2−methyl−2−propoxide complex of aluminum and water”, Chemistry Materials (2005年中に公開されるはず)には、溶液前駆体に対する液体パルス方法が記載されているが、ここでも1回分の液体量は理想的なALD操作にとって多すぎる。事実、単層被覆を達成するために液体パルスを用いることは非常に困難である。なぜなら、ALD操作において気相反応物質のパルス幅は1秒以下であるからである。一つの問題は、気化した液体パルスの形状が時空間において破壊され、シャープな液体パルスの前縁(leading edge)及び尾縁(tailing edge)が気化後に失われてしまうことである。したがって、2種の良好に分離している反応物質を同期させて、自己制限式及び逐次ALD成長を行うことは困難である。上記2種の文献に記載されている液体パルス方法は、真のALDプロセスを示すものではなく、むしろCVDプロセスの変形である。
【0016】
米国特許公開2004/0079286号公報には、液体注入後、気化器内に気相及び液相のいずれも共存するALD用の2相デリバリシステムが記載されている。このプロセスは、物質分離が生じる溶液系前駆体又は多成分混合物にとっては作用しないであろう。
【0017】
ALD前駆体に対する改良及びそのような前駆体をALDプロセスにおいて用いる方法に対する改良の必要性が残っている。
【発明の概要】
【0018】
本発明は、溶液安定化技術及びデリバリ技術と特定のALD操作モードとの新規な組み合わせを提供する。特に、本発明は、溶媒中に溶解している低揮発性固体ALD前駆体の使用を可能とする。低揮発性固体前駆体は、あまり高価でないことが多く、非常に高い沸点を示すことが多い。さらに、不安定な溶質は、溶液中で安定化することができ、非常に高い沸点を依然として保持する。これは有利である。なぜなら、溶液は室温でデリバリされ得るからである。溶液が気化した後、前駆体及び溶媒の気相混合物は堆積室内にパルス化され、真のALDプロセスを保証する。本発明はさらに、上記結果を達成するデリバリ装置を含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の一実施形態による前駆体をデリバリするために用いられるALD装置の概略図である。
【図2】図2は、本発明にしたがうサイクル及び時間範囲内でAlのALD成長をプロットしたグラフである。
【図3】図3は、本発明による3種の異なる前駆体線量でのサイクル及び時間範囲内でHfOのALD成長をプロットしたグラフである。
【図4】図4は、本発明によるALD成長HfOサンプルの表面及び薄膜組成のXPSスペクトルである。
【図5】図5は、本発明にしたがう異なる温度及びパルス長でHfOのALD成長をプロットしたグラフである。
【図6】図6は、本発明によるHfOのALD成長をプロットしたグラフである。
【図7】図7は、本発明によるALD成長HfOサンプルの薄膜組成のXPSスペクトルである。
【図8】図8は、本発明によるサイクル及び時間範囲でBSTのALD成長をプロットしたグラフである。
【図9】図9は、本発明によるALD成長Ruサンプルの薄膜組成のXPSスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[発明の詳細な説明]
安定なALD前駆体溶液を適切な溶媒中で調製する。前駆体溶質は、特定の用途に応じて、広範囲の低蒸気圧溶質又は固体から選択することができる。前駆体濃度は、液体流量及び気化条件、すなわち、圧力及び温度に応じて0.01M〜1Mに一般に維持される。前駆体溶質は、単分子又は多種であってもよく、多種混合物は多−三元薄膜を作る際に用いられる。溶液の主要成分は、通常のALDプロセスを邪魔しない溶媒である。溶媒の沸点がデリバリ中に溶媒損失を生じさせない程充分に高いが、気化器内で全体の気化を生じさせる程充分に低いように、溶媒は選択される。溶媒中前駆体溶質の混合物は、溶媒単独の場合よりも高い沸点を有することが多いが、溶媒は、デリバリ中又は気化器の入口にて溶質及び溶媒の時期尚早の分離を防止するために高い沸点を有する。気化器内でのALD前駆体の時期尚早の分解を防止する助けとして、0.0001M〜1Mの濃度を有する安定化添加剤を溶媒に添加してもよい。さらに、安定化添加剤は、前駆体の配位子部分と同じような特性を提供し、溶液の貯蔵寿命を長期化することができる。溶液は、室温でポンプにより予め選択された流量でデリバリされる。溶液が気化器に入った後、溶媒及び溶質のいずれも気化されて熱い蒸気流(hot vapor stream)を形成する。次いで、熱い蒸気は、室温で運転する迅速作動圧力スィング機構によりオン(on)とオフ(off)に切り換えられる。これは、粒子汚染、熱分解又は溶媒干渉に煩わされずに、通常のALD成長を実現させる。
【0021】
本発明によれば、所与温度及び前駆体濃度で、最大液体流量又は最大気化器圧力を計算することができる。特に、単一の気相溶液前駆体を製造するために、全ての分子が蒸気相内にあるときの前駆体分圧は、所与の条件での物質の蒸気圧を越えるべきではない。選択された気化器温度は、前駆体の熱分解温度以下とすべきであり、気化器の容積は堆積室又は用いられる基板の大きさに基づいて選択される。
【0022】
金属又は非金属前駆体は、文献公知のものから選択され、殆どの場合には合理的な費用で商業的に容易に入手可能である。これらの前駆体の殆どは固体形態であり、したがって、低蒸気圧及び高沸点ゆえに直接使用することは困難である。特に、ソース温度が充分な蒸気圧を発生させるために高く設定されている場合、前駆体は熱分解するかもしれない。さらに、固体前駆体を直接使用することは、粒子汚染又は不安定な線量のリスクを生じさせる。本発明による前駆体としては、ハライド類、アルコキシド類、β−ジケトナート類、硝酸塩、アルキルアミド類、アミジナート類、シクロペンタジエニル類及び他の形態の化合物(有機又は無機)(金属又は非金属)を挙げることができる。溶液中の前駆体の典型的な濃度は、液体流量及び気化条件、すなわち、圧力及び温度にもよるが、0.01M〜1Mである。溶質の例はTable 4に示すが、本発明はこれらに限定されず、適宜の溶質を用いることができる。
【0023】
【表4】

【0024】
前駆体溶質の他の例としては、タンタル膜前駆体として用いることができるTa(NMe及びTa(NMe(NC11)を挙げることができる。
溶媒の選択は、本発明によるALD前駆体溶液にとって重要である。特に、溶媒は室温でALD前駆体の合理的な溶解性を有しているべきであり、前駆体と化学的に親和性であるべきである。溶媒の沸点は前駆体溶質の沸点よりも低くても高くてもよいが、溶媒の沸点は、デリバリ中の溶媒損失を生じさせないように充分に高く、気化器内で全気化を生じさせるに充分低くあるべきである。溶媒分子は、基板表面上の反応サイトに対して前駆体分子と競合すべきではない。たとえば、溶媒は、表面水酸基との反応によって表面上に化学的に吸着されてはならない。溶媒分子又はそれらのフラグメントは、ALD固体膜組成物の部分であるべきではない。本発明に有用な溶媒の例はTable 5に示すが、これらに限定されず、上述の基準に合致する適宜の溶媒を用いることができる。
【0025】
【表5】

【0026】
本発明に有用な溶媒の他の例は、2,5−ジメチルオキシテトラヒドロフランである。
気化器内でのALD前駆体の時期尚早の分解を防止してALD前駆体溶液の貯蔵寿命を長期化させるための安定化剤を添加してもよい。しかし、溶液中の前駆体は、安定化添加剤の使用の有無にかかわらず室温で通常安定である。一度、固体前駆体が溶媒中に溶解してしまうと、液体溶液は、液体計量ポンプ、マスフローコントローラ、シリンジポンプ、毛細管、ステップポンプ、マイクロステップポンプその他適宜の設備を用いて室温でデリバリされ得る。流量は、堆積システムの寸法に応じて、10nL/min〜10mL/minに制御される。すなわち、流量は、より大きな堆積システムにとって必要であるようにスケールアップされ得る。
【0027】
本発明による1方法を説明する。正確に制御された液体溶液は、内部又は外部加熱源もしくは両者を有していてもよい気化器に注入される。場合によっては、溶液は、ネブライザー、例えば空気噴射又は不活性ガス同軸流もしくは超音波源などの外部エネルギー源を用いて噴霧化され得る。気化器温度は、PIDループにより制御され、気化器は、所与圧力範囲内で溶媒及び溶質の両者を蒸発させるように運転される。一般に、温度は100℃〜350℃の間に設定され、圧力は−14psig〜+10psigの間に設定される。気化器温度は、特定の溶質濃度及びデリバリ速度に最適化される。好ましくは、蒸発温度は150℃〜250℃であり、流量は0.1μL/min〜100μL/minの間である。温度が低すぎる場合には低い飽和分圧ゆえに前駆体分子は凝縮され、温度が高すぎる場合には前駆体分子は気化器室内部で分解するかもしれない。ALDの前に粒子を含まない蒸気相形成を確実にするために、熱い前駆体及び溶媒蒸気を気化器温度と同じか又は高温で運転される粒子フィルターに通過させてもよい。
【0028】
本発明はまた、気化された溶液前駆体のデリバリにも関する。本発明による気化された溶液前駆体をデリバリする好ましい2種の方法がある。第1の好ましい方法は、真空チャンバから気化器の出口まで一定揚水速度で運転することを含む。この方法において、前駆体溶液の全体の気化を達成するために、液体流量は、確立された上限よりも低く維持されなければならない。例えば、アルミニウムイソ−プロポキシドの前駆体溶液は140.5℃で約8Torrの蒸気圧を有する。気化器がこの温度で運転される場合、0.1M濃度のアルミニウムイソ−プロポキシド溶液に対する最大液体流量は、0.01L/min、0.05L/min及び0.15L/minの揚水速度に対してそれぞれ48μL/min、242μL/min及び725μL/minである。所与前駆体溶液のより高い液体流量をデリバリするために、気化器温度を前駆体溶質の熱分解温度まで上昇させてもよい。
【0029】
本発明による第2の好ましい方法は、一定の気化器圧力で運転することを含む。気化器の出口における揚水速度及び気化器の入口における液体流量によって、気化器内での一定の総圧力は制御され得る。この方法において、前駆体溶液の全体の気化を達成するために、気化器の総圧力は、確立された上限よりも低く維持されなければならない。例えば、アルミニウムイソ−プロポキシドの前駆体溶液は、140.5℃で約8Torrの蒸気圧を有する。気化器がこの温度で運転されるならば、n−オクタンが溶媒である場合、0.1M濃度でのアルミニウムイソ−プロポキシド溶液に対する気化器内の最大総圧力は約500Torrである。所与の前駆体溶液に対するより高い気化器総圧力で運転するために、気化器温度を前駆体溶質の熱分解温度まで上昇させてもよい。
【0030】
ALD層を堆積するために、熱い前駆体及び溶媒は、迅速スイッチバルブ及び不活性ガス源からなる迅速作動圧力スィングデバイスによってオン(on)とオフ(off)の間で切り換えられる。バルブは室温で運転され、反応性の熱い蒸気に曝されない。バルブがオフ(off)に切り換えられると、不活性ガスは、熱い蒸気が堆積室に入ることを防止するための拡散バリアを形成する。不活性ガスもまた堆積室に送られて、前段サイクルからの過剰の前駆体及び溶媒をパージし、次いで排気システムに運ばれてもよい。バルブがオン(on)の場合には、熱い蒸気及び不活性ガスは堆積室に入り、基板表面に回分堆積する。堆積室に入る不活性ガスと排気システムに進む不活性ガスの比率は、計量バルブ又はマスフローコントローラによって調節される。典型的には、前駆体Aは0.1〜10秒間オン(on)であり、続いて1〜10秒間パージされる。前駆体Bは、0.1〜10秒間オン(on)であり、続いて1〜10秒間パージされる。このような運転において、前駆体Aは溶液気化器からの金属前駆体であってもよく、前駆体Bは水、酸素、オゾン、水素、アンモニア、シラン、ジシラン、ジボラン、硫化水素、有機アミン類及びヒドラジン類などの気相反応物質又は他の気体状分子又はプラズマ源若しくはラジカル源であってもよい。別の実施形態において、連続流方法に代えて、ストップ−アンド−ゴー(stop−and−go)デリバリ方法を用いてもよい。さらに、気化した前駆体は、適切なバルブを含む制御システムを用いて、堆積室へのデリバリの前に容器内に貯蔵されてもよい。
【0031】
本発明において用いることができるALD堆積システムを図1に示す。特に、本システムは、溶解した前駆体溶液(前駆体A)を保持するための溶液容器10と、前駆体Aを気化器30に揚水するための液体ポンプ20と、水などの前駆体Bを保持するための容器40と、モニタリングデバイス60を有する堆積室50と、排気システム70とを含む。標準的な接続及びバルブは、上述したように本方法を制御するため当該分野で公知であるように含まれていてもよい。図1に示したシステムを用いることによって、気化器30及び容器40からの蒸気相前駆体のパルスは、それらが堆積室50に入る際に同時に良好に分離される。さらに、不活性ガス源などのいくつかの要素は図示されていないが、産業界において標準的なものである。
【0032】
本発明によるALDシステムは、薄膜を成長させて、自己制御式ALDプロセスとして運転するために用いられてもよい。運転時に、シリコンウェハ基板が堆積室内に準備される。好ましいモニタリングデバイスは、リアルタイムで薄膜の成長を監視する水晶振動子マイクロバランス(QCM)などのその場(in−situ)デバイスである。例えば、管状反応器に組み込まれた6MHzの初期周波数を有するQCMを用いてもよい。成長表面は、初期ALD成長中、より良好な核形成工程のために酸化物、又はシリコンその他の金属で修飾されていてもよいブランケット電極、典型的には金である。堆積室の温度は、100℃〜400℃に設定され、好ましくはPIDループを用いて±0.1℃以内の変動内に制御される。堆積室圧力は、0.1〜10Torrに設定される。より連続的な製造のために、ALD堆積室をソース及びデリバリシステムに結合させてもよい。堆積室は適宜のタイプでよく、限定されないが、貫流反応器、シャワーヘッド反応器及びスプレイ/注入ヘッド反応器を挙げることができる。
【0033】
前駆体A及びBは、望ましくない反応を防止するために排気システム内で注意深く分離される。異なる温度で運転し得るフォアライントラップ(foreline trap)内に、各前駆体をトラップしてもよい。例えば、ステンレススチールフィルターを有する室温トラップを用いてもよい。廃棄又はリサイクルのために、分離された前駆体をさらに分離してもよい。
【0034】
溶媒中に溶解し、本発明によるALDプロセスにおいて用いられる固体前駆体の使用のいくつかの例を以下に説明する。
【実施例1】
【0035】
Al薄膜
固体アルミニウムi−プロポキシドをエチルシクロヘキサン又はTable 5に示す他の溶媒中に溶解させる。THF、1,4−ジオキサン及びDMFなどの酸素含有有機化合物などの安定化剤を添加してもよい。アルミニウム前駆体の濃度は、0.1M〜0.2Mの間である。液体流量は10nL/min〜10μL/minに制御する。水を気相反応物質として用いる。気化器及び堆積室の温度はそれぞれ、150℃〜300℃及び250℃〜400℃に設定する。Al−溶液、パージ、水及びパージ工程に対する典型的なパルス時間は、それぞれ0.1〜10秒、1〜10秒、0.1〜10秒及び1〜10秒である。図2の上部は、サイクル数の関数としてのALD Alの線形成長を示す。ここで、Y軸は膜厚(Å)である。図2の下部は、時間領域で拡大した3種の成長サイクルを示す。ここで、デジタル化されたAl溶液パルス(A)及び水蒸気パルス(B)を膜厚t(Å)と一緒にプロットする。
【実施例2】
【0036】
HfO薄膜
固体[(t−Bu)Cp]HfMeをエチルシクロヘキサン又はTable 5に示した他の溶媒中に溶解させる。THF、1,4−ジオキサン、DMF、Cp等の酸素含有有機化合物などの安定化剤を添加してもよい。Hf前駆体濃度は0.1M〜0.2Mに設定する。液体流量は10nL/min〜10μL/minに制御する。水を気相反応物質として用いる。気化器及び堆積室の温度をそれぞれ200℃〜300℃及び200℃〜400℃に設定する。Hf−溶液、パージ、水及びパージ工程に対する典型的なパルス時間は、それぞれ、0.1〜10秒、1〜10秒、0.1〜10秒及び1〜10秒である。図3の上部は、サイクル数の関数としてALD HfOの線形成長を示す。ここでY軸は膜厚(Å単位)を示す。3種の一部拡大グラフは、それぞれ、1秒及び10秒に固定した水蒸気パルス及びN パージ時間での0.5秒、1秒及び10秒の異なるHf溶液パルス時間を示す。図4は、XPS分析を用いたHfO膜組成を示す。ここで、上部は環境中炭素汚染を伴う表面XPSであり、下部は1分のスパッタリング後のALD膜組成である。結果は、本発明を用いると不純物の組み込みがないことを示す。
【実施例3】
【0037】
自己制御式HfO薄膜
自己制御式ALD成長は、3種の異なる温度設定の各々に対して図5に示されている。ここで、堆積表面を過飽和するために金属前駆体パルス長を0秒から1秒に増加させる。X軸は、Hf前駆体パルス長(秒)であり、Y軸は膜QCM成長速度(Å/サイクル)である。図示するように、成長速度は飽和後、前駆体線量とは独立であり、真のALD堆積であることが確認される。水蒸気パルス長は、試験中、1秒に固定した。この実施例において、0.2M[(t−Bu)Cp]HfMeをオクタン中に溶解させる。XPSデータは、O/Hf比率が2であり、炭素不純物が0.1%の検出限界未満であることを示す。
【0038】
実施例3:HfO 薄膜
固体テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシド)ハフニウム(IV)、Hf(mmp)をエチルシクロヘキサン又はTable 5に示す他の溶媒中に溶解させる。THF、1,4−ジオキサン、DMF、Cp等の酸素含有有機化合物などの安定化剤を添加してもよい。Hf前駆体濃度は0.1M〜0.2Mに設定する。液体流量は10nL/min〜10μL/minに制御する。水を気相反応物質として用いる。気化器及び堆積室の温度は、それぞれ150℃〜300℃及び200℃〜350℃に設定する。Hf−溶液、パージ、水及びパージ工程に対する典型的なパルス時間は、それぞれ0.1〜10秒、1〜10秒、0.1〜10秒及び1〜10秒である。図6は、サイクル数の関数としてALD HfOの線形成長を示す。ここで、Y軸は膜厚(Å)である。図7は、表面汚染を取り除くために2分間スパッタリングした後にXPS分析を用いる、本実施例で形成されたHfO 膜組成を示す。結果は、本発明を用いると不純物の組み込みがないことを示す。XPSデータは、O/Hf比率が2.3であり、炭素不純物が0.1%の検出限界未満であることを示す。
【実施例4】
【0039】
BST薄膜
Ba(O−iPr)、Sr(O−iPr)及びTi(O−iPr)の固体を異なる混合比率でエチルシクロヘキサン又はTable 5に示した他の溶媒中に溶解させる。THF、1,4−ジオキサン及びDMFなどの酸素含有有機化合物などの安定化剤を添加してもよい。BST前駆体濃度は各成分に対して0.1M〜0.2Mに設定する。液体流量は10nL/min〜10μL/minに設定する。水を気相反応物質として用いる。気化器及び堆積室の温度は、それぞれ、200℃〜350℃及び300℃〜400℃に設定する。混合溶液、パージ、水及びパージ工程に対する典型的なパルス時間は、それぞれ、0.1〜10秒、1〜10秒、0.1〜10秒及び1〜10秒である。図8の上部は、サイクル数の関数としてALD BSTの 線形成長を示す。ここでY軸は、膜厚(Å)である。図8の下部は、デジタル化されたBST溶液パルス及び水蒸気パルスを膜厚t(Å)と一緒にプロットした時間領域で拡大した4.5回の成長サイクルを示す。
【実施例5】
【0040】
Ru 薄膜
固体RuCpをジオキサン、ジオキサン/オクタン又は2,5−ジメチルオキシテトラヒドロフラン/オクタン中に溶解させる。Ru前駆体濃度は0.05M〜0.2Mに設定する。Cpなどの安定化剤を添加してもよい。液体流量は10nL/min〜10μL/minに制御する。 酸素ガスを燃焼剤として用いる。気化器及び堆積室の温度をそれぞれ140℃〜300℃及び300℃〜400℃に設定する。Ru溶液、パージ、酸素及びパージ工程に対する典型的なパルス時間は、それぞれ0.1〜10秒、1〜10秒、0.1〜10秒及び1〜10秒である。図9は、表面汚染を取り除くために1.5分スパッタリングした後にXPS分析を用いるRu 膜組成を示す。結果は、本発明を用いると不純物の組み込みがないことを示す。膜抵抗は4点プローブ計測により約12μOhm*cmである。
【0041】
上述の記載に照らして、本発明の他の実施形態及び変形例が当業者に容易に明らかとなることは理解されるべきである。このような実施形態及び変形例も同様に本発明の範囲に含まれることも理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気化された前駆体溶液及び気化された反応溶液を堆積室に交互にデリバリする工程;
堆積室内で前駆体溶液及び反応溶液の成分の単層を基板表面に形成する工程;及び
所定厚の薄膜が形成されるまで繰り返す工程を含み;
気化された前駆体溶液は溶媒中に溶解している低揮発性前駆体を1種以上含み、
前駆体溶液は室温で気化器にデリバリされ、分解又は凝縮なく気化されることを特徴とする原子層堆積方法。
【請求項2】
前記前駆体は固体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記前駆体は、ハライド類、アルコキシド類、β−ジケトナート類、硝酸塩類、アルキルアミド類、アミジナート類、シクロペンタジエニル類及び有機若しくは無機の金属又は非金属の化合物の他の形態からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記前駆体は、Hf[N(EtMe)]、Hf(NO、HfCl、HfI、[(t−Bu)Cp]HfMe、Hf(O11、CpHfCl、Hf(OC、Hf(OC、Al(OC、Pb(OC(CH、Zr(OC(CH、Ti(OCH(CH、Ba(OC、Sr(OC、Ba(CMe、Sr(Ci−Pr、Ti(CMe)(Me)、Ba(thd)トリグリム、Sr(thd)トリグリム、Ti(thd)、RuCp、Ta(NMe及びTa(NMe(NC11)からなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前駆体溶液中の前記前駆体濃度は0.01M〜1Mである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記前駆体溶液は、THF、1,4−ジオキサン及びDMFなどの酸素含有有機化合物からなる群より選択される0.0001M〜1Mの濃度を有する安定化添加剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記溶媒は、気化中に溶媒損失がないことを保証するように選択される沸点を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記溶媒は、ジオキサン、トルエン、n−ブチルアセテート、オクタン、エチルシクロヘキサン、2−メトキシエチルアセテート、シクロヘキサノン、プロピルシクロヘキサン、2−メトキシエチルエーテル(ジグリム)、ブチルシクロヘキサン及び2,5−ジメチルオキシテトラヒドロフランからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記反応溶液は、水、酸素、オゾン、水素、アンモニア、シラン、ジシラン、ジボラン、硫化水素、有機アミン類及びヒドラジン類又は他の気体状分子又はプラズマ若しくはラジカル源からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
気化された前駆体溶液のデリバリは、10nL/min〜10ml/minの流量でのデリバリを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前駆体溶液は、100℃〜350℃の温度及び−14psig〜+10psigの圧力で気化される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
気化された前駆体溶液及び気化された反応溶液の各交互デリバリの間に、堆積室をパージする工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
気化された前駆体溶液は、0.1秒〜10秒間でデリバリされ、第1のパージは1秒〜10秒間行われ、気化された反応溶液は0.1秒〜10秒間でデリバリされ、第2のパージは1秒〜10秒間行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前駆体、溶媒及び薄膜の組み合わせは、前駆体アルミニウムi−プロポキシド、溶媒エチルシクロヘキサン又はオクタン、薄膜Al;前駆体[(t−Bu)Cp]HfMe、溶媒エチルシクロヘキサン又はオクタン、薄膜HfO;前駆体テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシド)ハフニウム(IV)、溶媒エチルシクロヘキサン又はオクタン、薄膜HfO;前駆体ハフニウムtert−ブトキシド又はハフニウムエトキシド、溶媒エチルシクロヘキサン又はオクタン、薄膜HfO;前駆体Ba(O−iPr)、Sr(O−iPr)及びTi(O−iPr)の混合物、溶媒エチルシクロヘキサン又はオクタン、薄膜BST;及び前駆体RuCp、溶媒ジオキサン、ジオキサン/オクタン又は2,5−ジメチルオキシテトラヒドロフラン/オクタン、薄膜Ruからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
一定の揚水速度で、真空チャンバから原子層堆積室に関連する気化器の出口まで運転することを含む、気化された溶液前駆体を原子層堆積室にデリバリする方法。
【請求項16】
原子層堆積室に関連する気化器を一定圧力で運転することを含む、気化された溶液前駆体を原子層堆積室までデリバリする方法。
【請求項17】
気化器内の一定圧力は、気化器の出口での揚水速度を制御し、気化器への入口での液体流量を制御することにより維持される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
溶媒中に溶解している低揮発性前駆体を1種以上含む前駆体溶液源;
反応溶液源;
前駆体溶液源及び反応溶液源のそれぞれと接続している気化器;
気化器に接続している原子層堆積室を具備し、
前駆体溶液源は室温に維持されることを特徴とする原子層堆積装置。
【請求項19】
前記低揮発性前駆体は固体である、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記低揮発性前駆体は、ハライド類、アルコキシド類、β−ジケトナート類、硝酸塩類、アルキルアミド類、アミジナート類、シクロペンタジエニル類及び有機もしくは無機の金属又は非金属の化合物の他の形態からなる群より選択される、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記低揮発性前駆体は、Hf[N(EtMe)]、Hf(NO、HfCl、HfI、[(t−Bu)Cp]HfMe、Hf(O11、CpHfCl、Hf(OC、Hf(OC、Al(OC、Pb(OC(CH、Zr(OC(CH、Ti(OCH(CH、Ba(OC、Sr(OC、Ba(CMe、Sr(Ci−Pr、Ti(CMe)(Me)、Ba(thd)トリグリム、Sr(thd)トリグリム、Ti(thd)、RuCp、Ta(NMe及びTa(NMe(NC11)からなる群より選択される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前駆体溶液中の前記低揮発性前駆体濃度は0.01M〜1Mである、請求項18に記載の装置。
【請求項23】
前記前駆体溶液は、0.0001M〜1Mの濃度を有するTHF、1,4−ジオキサン及びDMFなどの酸素含有有機化合物からなる群より選択される安定化添加剤をさらに含む、請求項18に記載の装置。
【請求項24】
前記溶媒は、気化中に溶媒損失がないことを保証するように選択される沸点を有する、請求項18に記載の装置。
【請求項25】
前記溶媒は、ジオキサン、トルエン、n−ブチルアセテート、オクタン、エチルシクロヘキサン、2−メトキシエチルアセテート、シクロヘキサノン、プロピルシクロヘキサン、2−メトキシエチルエーテル(ジグリウム)、ブチルシクロヘキサン及び2,5−ジメチルオキシテトラヒドロフランからなる群より選択される、請求項18に記載の装置。
【請求項26】
前記反応溶液は、水、酸素、オゾン、水素、アンモニア、シラン、ジシラン、ジボラン、硫化水素、有機アミン類及びヒドラジン類又は他の気体状分子又はプラズマもしくはラジカル源からなる群より選択される、請求項18に記載の装置。
【請求項27】
原子層堆積室と接続しているパージガス源をさらに具備する、請求項18に記載の装置。
【請求項28】
請求項1に記載の方法により形成される薄膜。
【請求項29】
前記薄膜は不純物汚染がない、請求項28に記載の薄膜。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−214909(P2012−214909A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−168428(P2012−168428)
【出願日】平成24年7月30日(2012.7.30)
【分割の表示】特願2006−127186(P2006−127186)の分割
【原出願日】平成18年5月1日(2006.5.1)
【出願人】(591051184)ザ・ビーオーシー・グループ・インコーポレーテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】THE BOC GROUP INCORPORATED
【Fターム(参考)】