説明

可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉

【課題】本発明は多相多重交流プラズマ放電による発生熱エネルギーを効率よく利用し、有害廃棄物の発生場所での無害化処理を可能にする。
【解決手段】溶融対象物たる廃棄物を炉の底部に設置した溶融池で溶融するため、二つのプラズマ放電塊を、一つは多相プラズマジェット流にし、他方は従来の平面プラズマ流域にし、双方のプラズマを合流させるような組み合わせで、集中的に溶融池を加熱する連続運転を可能にしたプラズマ炉で、炉と共に付帯設備も搬送車両に搭載し有害廃棄物の発生場所にてプラズマ熱の高温にて無害化処理を可能にした、変形12相交流プラズマ放電装置及び炉を移動媒体に積載可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉に関する。さらに
詳述すると本発明は多相プラズマ発生熱を効率よく集中させ、アスベスト、アスベスト含有物、医療廃棄物、低レベル放射能廃棄物等の有害な難処理人工物を溶融ガラス固化無害化、溶融減容が可能な可搬式廃棄物処理装置および炉に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ放電で生ずる熱を利用するプラズマ炉は電源に直流を使用するのが一般的で交流を整流し、電極に黒鉛電極を採用している。近年交流プラズマ炉の開発が進み難処理人工物の処理が試みられている。(例えば、特許文献1参照)有害廃棄物処理のための交流多相
多重プラズマ炉は、低廉な設備で超高温を発生させることができその熱は難処理人工物の溶融や分解による無害化に利用される。しかしプラズマ放電で発生する熱の大部分はふく射、伝熱で炉の全体に放散され、難処理物が微粒子であったり、霧状のときは炉の上部より下部に落下する通過時間内に溶融温度、分解温度に達し溶融、分解が可能となる。しかし実用的にはこのような微粒子にすることは困難で、大きい粒子は完全な溶融ができない。
また連続運転については未知である。
【0003】
【特許文献1】特許第3094217号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、放電プラズマから発生する超高温を効率よく利用するため、上部からの多相垂直プラズマジェット流と下部の多相平面プラズマ塊を直交させ、底部に設置した被溶融物の入った溶融池を集中的に加熱し、被溶融物は溶融され堰をこえて炉外部に排出され、連続運転を可能にする可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するため、請求項1に記載の発明は12相の電極を6相の2ブロックに分け、上段の6相電極を逆截頭正六角錐型に炉の上部に設置し、下段の6相電極は水平、もしく逆傾斜に正六角形の頂点から正六角形の中心方向に向けた形態に配置し、上段の電極から下方に向かって6相プラズマジェット流を発生させ、下段の電極で発生した多相平面プラズマ塊と合体し、請求項3に記載の発明の溶融池でプラズマ熱が集中し、被溶融物は溶融し堰をこえて炉外部に排出されることを特徴とする。
【0006】
請求項3に記載の発明の溶融池には、温度センサーが設置され温度制御が可能であり、被溶融物の融点以上、かつ溶融池材質の軟化点以下の温度になるように冷却機構が具備されている。
【0007】
下段の正六角形の頂点から中心方向に向いた電極は水平に配置すると、その放電アークの中心付近はとくに高温のために気体密度が低くなり上方に上向く。この状態を防ぎ効率よく熱を溶融池に集中させるため請求項4に記載の発明のように、水平から中心下方に傾斜するように電極を配置する。
【0008】
請求項2に記載の発明のように上部に配置する電極は、高融点金属又は黒鉛電極等を用い、逆截頭正六角錐型で錐体の頂角は5〜40度が好ましく鋭角に設置され電極近傍の外周から冷却を目的としたガスが噴射されるように噴射口を円環状に穿設し、請求項5に記載の発明のようにさらに噴射口は噴射したガスが渦状になるようにねじれ角度をつける。これにより螺旋を描きプラズマ塊を包囲しながらガスは噴射する。冷却ガスはヘリウム、アルゴン等の不活性ガスに水素、窒素などを混合すると熱ピンチ効果があがる。炉内は、冷却ガス以外は密封を保持し空気中の酸素による酸化を防ぎ、熱効率を高める為に余分なガスの流入を防ぐ。
【0009】
請求項6に記載の発明のように上部の逆截頭正六角錐型に配置された電極群は一極集中し高温に達する為、電極固定装置は冷却機構が具備されている。
【0010】
上部の逆截頭正六角錐型配置の電極から下方に噴出される多相プラズマジェットは冷却ガスにより外部が冷却され熱ピンチ効果により多相プラズマジェットは収縮し中央部はさらに高温になる。この多相プラズマジェットと下段の放電で生ずる多相平面プラズマ塊が合体し、底部に設置した溶融池を集中的に加熱し効率よく被溶融物を溶融する。溶融したスラグは溶融池の堰をこえて炉外部に排出される。
【0011】
上部の6相電極の交換方法として、請求項7に記載の発明のように各電極をコレット交換方式、その外郭は耐電、耐熱性にすぐれた耐火物焼結体とし、多相電極を固着する。
【0012】
このプラズマ放電装置及び炉は、装置及び炉が車両等の移動媒体に積載可能な可搬式のため、請求項8に記載の発明のように有害廃棄物の発生場所に移動し、無害化処理を可能にする。
【0013】
請求項9に記載の発明のように、このプラズマ放電装置及び炉は装置全体をHEPAフィルター装備で密閉しその中は負圧に設定され、装置外に有害物を排出しない構造を有する。
【発明の効果】
【0014】
以上の説明より明らかなように、請求項1記載の可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉は上段6相、下段6相の2ブロックからなり、上段の6相は逆截頭正六角錐型に配置し下方に多相プラズマジェット流を発生させ、下段の放電で生ずる多相平面プラズマ塊が合体し、請求項3記載の炉の底部に設置した溶融池の被溶融物を効率よく溶融し溶融物は炉外部に排出することが可能になる。
【0015】
また、請求項4記載の可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉によると、下段の電極は中心に傾斜配置となっているため、上部からの多相プラズマジェットと合体し、熱エネルギーはさらに大きくなり溶融池の被溶融物に集中する。
【0016】
また、請求項5記載の可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉によると、上部電極近傍から噴射する冷却ガスにより、多相プラズマジェットは下方に向かって集中する。
【0017】
また、請求項6記載の可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉によると上部電極群は高温になるため、冷却機構が電極固着装置に具備されている。
【0018】
また、請求項7記載の可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉によると上部各電極はコレット交換方式とし、交換が安易でその外郭は耐火物焼結体で固着されている。
【0019】
また、請求項9記載の可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉によると、この装置,炉は有害廃棄物(アスベスト、アスベスト含有物等)の発生場所に移動し、廃棄物処理が可能になっている。
【0020】
また、請求項10記載の可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉によると、この処理装置は密封され中は負圧になり、HEPAフィルターで装備されているため処理後、有害物は排出されることはない。
【0021】
また、請求項11記載の可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉によると、有機物、低沸点物質等は分解、気化、ガス化し水スクラバーで洗浄され、無害化され大気中に排出し、洗浄水は保存され、終末処理場で処理するため有害物が排出されることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0023】
本発明は多相多重プラズマ発生装置の高熱を利用して有害廃棄物(アスベスト等)をスラグ化、無害化する課題に鋭意検討の結果、多相多重プラズマ放電の高熱で限られた領域での溶融を可能にするため、多相垂直プラズマジェットと多相平面プラズマ領域を直交させ、生ずる高熱を目的の被溶融物に直射することに成功し、熱効率を高めることが可能になった。
【0024】
図1〜図5に本発明の一実施形態を示す。本実施形態の廃棄物処理用変形多相多重プラズマ放電装置において図1の多相多重プラズマ発生装置から発生されるプラズマ塊は図1―1のような電極配置では図1−2のようになると説明されているが、実際のアーク発生では高温のために気圧が下がりアークの中央部が上部に浮上する。その様な状況で多相多重と配置してあるために更にその傾向は大きく上部へ浮上している。実際の測定では上部と下部の熱エネルギーの比率は5:1程度で伝播されている。又、石綿の飛翔物の溶融に対してはこの多相多重プラズマ塊領域でも可能と考えられるが、現実の廃棄物の容姿は90%以上がセメントで増量され抄造されたもので固形物が多く、それらを溶融するためには、ある程度の加熱時間が必要とすることが判明した。
【0025】
そこで図3−1に述べるような溶融池を設ける事が考案された。しかし、前記のようにプラズマ熱は電極よりも上部へ浮上し電極より下部に設置された溶融池には数パーセントの熱エネルギーしか伝わらない。更に、プラズマ熱は4、500kと高温でふく射されるために炉の側壁にも多くふく射される事が判明した。これらを解決する為に冷却ガスの熱ピンチ効果を利用する多相プラズマジェットを考案し、そのジェット流と下部の多相平面プラズマ塊を合体させ、下部に設置した溶融池へ直射することを考えた。又、熱ピンチ効果では多相プラズマの外周から冷却ガスが渦巻状に噴出され、縦方向にプラズマが流下しプラズマの外焔は冷却されるためプラズマ熱は中心部へ圧縮され、炉の内壁へのふく射の量が激減する。この事によって熱エネルギーが下部の溶融池に集中し熱効率が向上する。
【0026】
図2は多相プラズマジェット機構の概略図で逆截頭正六角錐に配置された電極55(高融点金属または黒鉛、炭素電極)の先端近傍外周に不活性ガスや水素ガスなどが噴出する噴出孔96を複数設け螺旋状に噴出するようにし、電極は電極の外径とは大きめの内径のセラミック管56で固持、その隙間99からは不活性ガス(窒素、アルゴン等)を噴出させ電極の酸化を防ぐようにする。電極を逆截頭正六角錐に固持する為と先端部を冷却する目的で電極固定具61をステンレスで設けその内部には電極先端近傍に円環状に冷却水導通管98を穿設、冷却水を通水する。これらの一連の部品と電極交換時の形状保持の為と
高電流の絶縁の為に耐火物焼結材で固着されている。図2仕様の6相プラズマジェットノズルを炉の上部に設置し、その下方に多相平面プラズマ電極72を配置する。炉の外壁は耐火煉瓦83、75等で断熱する。上部の多相プラズマジェットノズルの電極に印加するときはその1相に高周波電流を印加し6相にプラズマを発生させる。
【0027】
下段には多相平面プラズマ電極72が配置されていて、1極の高周波電源と共に印加される事によって平面プラズマが発生する。発生した平面プラズマは、上部からの多相プラズマジェット流によって通常は高熱によって上部へ浮上するプラズマ塊は合体し下方に流下する。合体した上下のプラズマエネルギーは平面プラズマ電極72より下部に配置された溶融池85に直射するようになる。この溶誘池85はスラグ排出用にスラグ流動路孔86が設けられていて、その近傍に溶融池温度測定素子84を埋め込み常時温度コントロールが可能になるよう設計し、スラグの流出の温度にコントロールする。温度が高くなれば被溶融物投入量を増し、低くなれば被溶融物の投入量を減らす。又電極に印加する電流を変化させることも可能とし、常時一定の溶融物(スラグ)が得られる。
【0028】
さらに廃棄物の中にはミクロン単位の飛翔物があり、上部より投入された被溶融物と混入して炉内に投入されるがプラズマ熱は下部溶融池85と中央部に集中するようにされているが、多相プラズマジェット用に流入された不活性ガス(窒素、アルゴン等)と水素ガス等は熱により膨張する。膨張したガスはスラグ流道路孔86に集中しその近傍は高熱ガスの流道路ともなる。そのために流出するガスの中に流入した飛翔物も完全に溶融する。投入された被溶融物の比較的大きい溶融物はプラズマ領域落下中も加熱されるが、その多くは未溶融の状態で溶融池85の湯溜りの中に埋没し被溶融物の溶融点以上にコントロールされた溶融池の熱により未溶融の固形物は加熱され溶融効率が高まる。溶融した溶融物は溶融池の堰を越えて、炉外に流出する。
【0029】
他のプラズマ炉などは流道路を特別に加熱したり、直流を電源とするプラズマ溶融炉は電極の陽極として溶融池底部に金属電極を配置したり、プラズマ発生時に黒鉛等を炉底に蒔くなどの処置をしなければプラズマの点弧は難しく、又被溶融物投入の際、プラズマの消弧時は多大な労力を要する。本発明の多相電極に高周波点弧で発生したプラズマは消弧する事も無く連続して発生し、上部からの多相プラズマジェットと下部の平面多相プラズマ塊の直交によってプラズマ熱は最下部の溶融池85にエネルギーが集中する事になる。
【0030】
この多相プラズマジェットと多相平面プラズマ塊を直交させるような機構をもつ小型溶解炉を、図5の様に移動媒体の一例のトラックに積載設置する。荷台には電源用に発電機4を常設し有害廃棄物の発生場所に移動し、有害廃棄物の無害化処理を行い、2次公害の発生を防ぐ事を目的として、トラックの外壁20には、気密、更に内部は負圧とし、被溶融物が大きい場合は図−4の様な破砕機29積載のトラックも前記同様、気密負圧仕様とし溶融炉積載トラックの設備操作室9の連結部には伸縮自在の通路28を設けその中はセキュリティゾーンとして利用し、外部へは有害廃棄物を排出しない仕様にする。又図4の破砕機29積載のトラック後部には蛇腹通路27を設置し、廃棄物排出現場と接続し共に密封負圧となるよう設備する。
【0031】
破砕機29の最後部の蓋31は被破砕物の投入時に開き、それに連動してバンパー33が上部に開きガイドシュートホッパー32に入れられる。被破砕物の投入によりダンパー33が閉じ、ホッパー32は破砕機上部に回道し、破砕機最上部に到達しホッパー32の底板34が開扉し破砕機内部に被破砕物が落下する。被破砕物はカッターローター36、カッター固定刃37によって破砕されメッシュ38によって分級され、分級された被破砕物は下部のスクリューコンベアー39でジョイント40に移動し、更に移送パイプ41で図−5の溶融炉積載トラックの被溶融物ホッパー24に移送される。ホッパー24に仮置きされた被溶融物は被溶融物投入装置2(スクリューコンベアー)18によって炉に直結した被溶融物投入装置1(スクリューコンベアー)17に移送され計量されて炉内に投入される。破砕機29投入から溶融炉投入まで完全密封とし、更にそれらの設備が設置されたトラックの折りたたみ外壁20で完全に密封し2次災害を防ぐようにする。各々のトラックには負圧除塵装置13,47が設けてありその通路にはHEPAフィルターを各々二重にセットしフィルター交換時にも外部への排出を防ぐようにする。
【0032】
溶融炉1内では様々なガスの発生が予想されるが前記の処理室廃棄ブロアー13、負圧除塵装置13と負圧除塵装置47から排出されたガスはブース44によって水洗され大気中に排出される。ここで使用される水は処理水タンク(給水)52から給水され、使用した排水は処理水タンク52(排水)に貯蔵され終末処理場で処理を行う。
これらの一連の処理は完全密封負圧装置内で行われる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、有害廃棄物の無害化処理で特に高温処理を必要とするものに利用され、アスベスト、アスベスト含有スレート、焼却炉灰、医療廃棄物等のガラス固化無害化に用いられ、
低エネルギーで環境汚染のない処理方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】特許第3094217号の仕様、多相2重でプラズマを発生させた場合の高温プラズマ領域の2重電極位置と領域内の温度分布の相違についての説明。
【図2】本発明の三相交流多相プラズマジェット機構を示す図である。
【図3】平面多相プラズマと垂直多相プラズマジェットの組み合わせ放電機構を示す全体図、正面図、側面図、形態図を示す図である。
【図4】可搬式廃棄物処理用トラックー2(前処理用)の概略図を示す。
【図5】可搬式廃棄物処理用トラックー1(溶融処理用)の概略図を示す。
【符号の説明】
【0035】
1 溶融炉本体
2 電極送り装置
3 多相6相プラズマジェット本体
4 発電機
5 制御盤
6 変圧器
7 窒素ガスボンベ
8 水素ガスボンベ
23 被溶融物投入口
29 破砕機
52 処理水タンク



























【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ溶融炉において、三相交流電源又は簡易発電機の三相交流電源を利用し、12相になる様に変圧器を組み合わせ、それを2ブロックに分け、上段には先ず1ブロックの6相電極を逆截頭正六角錐型に炉の上部に配置し、残りの1ブロックの6相電極を下段に水平、若しくは逆傾斜に正六角形の頂点から正六角形の中心方向に向けた形態に配置し、上段の逆截頭正六角錐型の電極からは下方に向かって6相プラズマジェットを発生させ、一方下段の正六角形の頂点から中心方向に向けた電極では正六角形の中心に向け多相平面プラズマを発生させる事によって2つのプラズマ塊がぶつかり合い、二つのプラズマ塊は合成して下段の電極位置よりも低い所にプラズマアーク熱が集中する事になる事を特徴とする可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉。
【請求項2】
プラズマ溶融炉において炉の上部の電極形態は、逆截頭正六角錐型電極先端近傍の外周から噴出される冷却ガス(不活性ガス、水素ガス等の単体又は混合ガス)の噴出以外は密封を保持し、被溶融物の投入口からは被溶融物の混入のガス以外はガスの出入りが無い様にした事を特徴とする可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉。
【請求項3】
プラズマ溶融炉において下段の正六角形の頂点から中心方向に向けた電極下方近傍に溶融池を設け、其の溶融池は温度センサー、冷却機構を具備し温度制御が可能でプラズマ放電の放射熱と6相プラズマジェットの対流熱によってふく射・加熱され、溶融した被溶融物の加熱及び保温をし、上部より投入落下した未溶融物を完全に溶解・スラグ化し、炉外に通じる流道路孔より炉外へ排出させる事が可能な事を特徴とする可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉。
【請求項4】
下段の正六角形の頂点から中心方向に向けた電極群は水平に配置されているが、その放電アークは正六角形の中心付近は特に高温の為に上方に上向く様になる。そのため電極の軸をあらかじめ正六角形の中心下方に傾斜する様に六極を配置する事を特徴とする可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉。
【請求項5】
1ブロックの6相電極を逆截頭正六角錐型に配置した電極は高融点金属又は黒鉛電極等を使用し、正六角形の頂点から突出しその近傍外周には冷却ガス(不活性ガス、水素ガス等の単体又は混合ガス)噴出孔を円環状に穿設させ、更に噴出孔の形態は直孔でもよいが、噴出したガスが渦状になる様ねじれ角度を付け、噴出したガスは螺旋を描きながらプラズマを包囲し噴出する。又この噴出孔は多相プラズマ点弧回転方向と同一になるような方向にねじれ角度を付け円環状に穿設された導通環に穿通させたプラズマトーチ状の可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置炉。
【請求項6】
1ブロックの6相電極を逆截頭正六角錐型に配置した電極群は一極集中している為に高熱を蓄積する事になり、冷却を目的とした穴を電極固定具に円環状に導通孔をあけ、冷却水を通水し冷却する事を特徴とする可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉。
【請求項7】
1ブロックの6相電極を逆截頭正六角錐型に配置した電極群は一極集中していて6相の電極に高電流が通ずる。この電極の交換の安易な方法として各電極をコレット交換方式とし、その外郭は耐火物の焼成・焼結体とし、耐電・耐熱に寄与するような多相電極の固定方法を採用したプラズマトーチ状の可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉。
【請求項8】
プラズマ溶融炉は有害廃棄物(アスベスト及びアスベスト含有物等)の発生場所に移動し、無害化処理を可能とする可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉。
【請求項9】
有害廃棄物のプラズマ溶融炉及び処理装置は密閉され、その中は負圧に設定され、負圧にする為の装置にはHigh Efficiency Particulate Air Filter(通称 HEPAフィルター)を装備した負圧装置を内蔵し、車外には有害物を排出しない事を特徴とする可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉。
【請求項10】
移動媒体は大きさに限りが有り、複数の可搬機構成になる。その複数の移動媒体は伸縮自在(例えば蛇腹、アコーデオン等)の移動通路で連結し、その空間をセキュリティーゾーンに使用する事を特徴とする可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉。
【請求項11】
有害廃棄物の処理で発生した有害ガスは水スクラバーで洗浄され、無害化されたガスは大気中に排出され、洗浄水は処理タンクに保存され、終末処理場で処理されることを特徴とした可搬式廃棄物処理用変形12相交流プラズマ放電装置及び炉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−298306(P2008−298306A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141549(P2007−141549)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(390023412)花山工業株式会社 (2)
【出願人】(307016700)福井環境事業株式会社 (1)
【出願人】(592029256)福井県 (122)
【Fターム(参考)】