説明

台所部材及び台所部材の製造方法

【課題】樹脂組成物で一体成形され、安価に大量生産可能であり且つ多種多様に製造可能である台所部材、及び前記台所部材の製造方法を提供することである。
【解決手段】水槽状部領域30とカウンター部領域20とコンロ設置領域10の内の少なくとも2つの領域が一体化された台所部材1の各領域の裏面側又は内面側を構成する補強部材を製造する補強部材製造工程と、補強部材を成形型に設置する補強部材設置工程と、成形型に樹脂を充填する樹脂充填工程とを有し、成形型は、補強部材を取付け可能であって、取り付けられた補強部材の表面側と成形型の内面との間に樹脂充填空間を形成するものであり、樹脂充填工程で充填される樹脂によって複数の補強部材の表面側が一体的に覆われて補強部材同士が接合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所部材及び台所部材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
台所は、吸水設備及び排水設備を備えた流し台と、包丁やまな板等で作業を行うための作業台と、コンロ等が配置されている加熱調理台等から構成され、最近では、流し台と、作業台と、加熱調理台とが一枚板の天板で一体化されたものがあり、このような台所が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−81823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された台所は、台所の天板が樹脂組成物で一体成形されたものであり、樹脂組成部で一体成形するためには金型が必要となる。市場のユーザーからは多種多様な大きさの台所の要求があり、それらの要求を満たすためには多くの種類の金型を用意する必要がある。ところが、コストが掛かること等の問題から、全てのユーザーの要求を満たすことは困難である。
【0005】
そこで、本発明は、樹脂組成物で一体成形され、安価に大量生産可能であり且つ多種多様に製造可能である台所部材、及び前記台所部材の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、水槽状部領域とカウンター部領域とコンロ設置領域の内の少なくとも2つの領域が一体化された台所部材の製造方法において、各領域の裏面側又は内面側を構成する領域補強部材を製造する補強部材製造工程と、当該領域補強部材を成形型に設置する補強部材設置工程と、成形型に樹脂を充填する樹脂充填工程とを有し、前記成形型は、領域補強部材を取付け可能であって、取り付けられた領域補強部材の表面側と成形型の内面との間に樹脂充填空間を形成するものであり、樹脂充填工程で充填される樹脂によって複数の領域補強部材の表面側が一体的に覆われて領域補強部材同士が接合されることを特徴とする台所部材の製造方法である。
【0007】
本発明の台所部材の製造方法は、樹脂組成物で一体成形され、安価に大量生産可能であり且つ多種多様に製造できるものである。
【0008】
「水槽状部領域」とは流し台の水槽状部分を指し、「カウンター部領域」とは作業台を指し、「コンロ設置領域」とは加熱調理台を指している。
【0009】
「領域補強部材」とは、一体成形される台所部材の土台となる骨組みを指し、前記骨組みをFRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化プラスチック)等の安価な材料で製造することが可能である。
【0010】
「樹脂充填工程で充填される樹脂によって複数の領域補強部材の表面側が一体的に覆われて領域補強部材同士が接合される」とは、前記安価な材料で製造した骨組み(領域補強部材)の表面側を、例えば高級感のある人造大理石樹脂で覆い一体成形することにより、外見上は、人造大理石シンク(水槽状部)を有した一枚板状の高級感のある天板(台所部材)となる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記領域補強部材は裏面側にリブを有し、成形型は前記リブを保持する溝部が設けられ、成形型の溝部に領域補強部材のリブを係合して領域補強部材を成形型に設置可能であることを特徴とする請求項1に記載の台所部材の製造方法である。
【0012】
本発明の台所部材の製造方法は、組立時間を短縮し、且つ高精度な台所部材を製造可能である。
【0013】
「成形型の溝部に領域補強部材のリブを係合して領域補強部材を成形型に設置可能」とは、領域補強部材のリブを成形型の溝部に係合することにより、各領域補強部材の位置合わせを容易にし、且つ高精度な台所部材を製造可能である。
【0014】
また、「領域補強部材は裏面側にリブを有し」とは、前記安価な材料で製造した骨組み(領域補強部材)にリブを有することにより、台所部材に厚みを持たせることができ、且つ軽量に仕上げることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記領域補強部材は裏面側にリブを有し、成形型内で隣接する領域補強部材は、リブの一部が突き合わされ、樹脂がリブ同士の突き合わされ部に回り込んで隣接する領域補強部材のリブ同士を接合することを特徴とする請求項1又は2に記載の台所部材の製造方法である。
【0016】
本発明の台所部材の製造方法は、各領域補強部材同士の一体化を強くすることができるものである。
【0017】
「樹脂がリブ同士の突き合わされ部に回り込んで隣接する領域補強部材のリブ同士を接合する」ことにより、領域補強部材のリブ同士が一体化され、領域補強部材同士が一体化される。
【0018】
請求項4に記載の発明は、成形型は少なくとも二つの型片によって構成され、当該型片で囲まれた領域に領域補強部材を設置するものであり、前記型片の少なくとも一方に一又は2以上の溝が設けられ、成形型全体としては前記溝が複数存在し、当該溝に対して選択的にシール部材を装着可能であり、シール部材の装着位置を変更することによって樹脂充填空間を変更可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の台所部材の製造方法である。
【0019】
本発明の台所部材の製造方法は、任意な形状の台所部材を製造することができるものである。
【0020】
「成形型の型片で囲まれた領域に領域補強部材を設置」することにより、各領域補強部材を自在に組み合わせて成形型に設置することができる。例えば、所定の長さに作られた「カウンター部領域」用の領域補強部材を複数並べることが可能であり、他の領域補強部材と組み合わせることにより、1つの成形型で、台所用部材を多種多様に製造することが可能である。つまり、台所部材の長さを各領域補強部材の組み合わせ数で変更できる。なお、成形型は、U字型やL字型等の基本となる形状のものを用意するだけで、長さや組合せの異なる台所部材を自在に製造できる。よって、大量生産に好適である。
【0021】
請求項5に記載の発明は、前記領域補強部材は平板状部位と、当該平板状部位の背面に設けられ補強部を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の台所部材の製造方法である。
【0022】
本発明の台所部材の製造方法は、台所部材に強度を持たせることができるものである。
【0023】
請求項6に記載の発明は、平板状部位の端面は凹凸形状であり、成形型内に隣接して設置される領域補強部材は、前記凹凸形状同士が合致することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の台所部材の製造方法である。
【0024】
本発明の台所部材の製造方法は、各領域補強部材同士の一体化を強くすることができるものである。
【0025】
「平板状部位の端面は凹凸形状」とすることにより、樹脂が平板状部位と接触する面積を大きくすることができ、各領域補強部材同士の接着強度を高くすることができる。
【0026】
請求項7に記載の発明は、台所部材は、1又は2以上の水槽状部領域と、1又は2以上のカウンター部領域と1又は2以上のコンロ設置領域を有するものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の台所部材の製造方法である。
【0027】
本発明の台所部材の製造方法は、市場のユーザーからの多種多様な要求に応じた台所部材を製造することができるものである。
【0028】
例えば、成形型を、コンロ設置領域と、カウンター部領域と、水槽状部領域とで各々分離し独立した形状のものとし、それぞれの成形型を複数組み合わせることで、多種多様な台所部材を製造しても構わない。すなわち、コンロ設置領域と、水槽状部領域の数を各々1又は2以上というように自由に組み合わせることができる。また、分離し独立した形状の成形型を複数組み合わせて、U字型やL字型等の台所部材を製造することも可能である。
【0029】
請求項8に記載の発明は、1又は2以上の水槽状部領域と、1又は2以上のカウンター部領域と1又は2以上のコンロ設置領域を有する台所部材において、各領域の裏面側又は内面側には、それぞれ別途成形された領域補強部材が内蔵され、当該領域補強部材は、平板状部位と平板状部位の背面側に設けられたリブを有し、前記平板状部位の端面は凹凸形状であり、隣接して設置される領域補強部材は、前記凹凸形状同士が合致し、全ての領域補強部材の表面側が一体的に覆われて領域補強部材同士が接合され、さらに樹脂の一部が平板状部位の端面の前記凹凸形状に回り込んでいて領域補強部材の平板状部位の端面同士を接合していることを特徴とする台所部材である。
【0030】
本発明の台所部材は、請求項1〜7に記載の台所部材の製造方法を用いて製造された台所部材であり、請求項1〜7に記載の発明と同様の効果を有するものである。
【発明の効果】
【0031】
本発明を実施すると、樹脂組成物で一体成形され、安価に大量生産可能であり且つ多種多様に製造可能である台所部材、及び前記台所部材の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る台所部材が実装された台所の斜視図である。
【図2】図1の台所部材の側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る台所部材の製造方法の第1工程(補強部材製造工程)で製造された各領域補強部材の斜視図である。
【図4】(a)は図3の各領域補強部材の内、カウンター部領域補強部材の裏面側の斜視図であり、(b)は(a)の平面図である。
【図5】上金型及び下金型の斜視図である。
【図6】図5の下金型の部分断面図であり、下金型の溝部にガスケットを装着した状態を示す。
【図7】本発明の実施形態に係る台所部材の製造方法の第2工程(補強部材設置工程)であって、下金型の溝に各領域補強部材を取付けた後、上金型を嵌め合わせた状態を示した断面模式図である。
【図8】本発明の実施形態に係る台所部材の製造方法の第3工程(樹脂充填工程)であって、図7の上金型と下金型に間の隙間に樹脂を流し込んだ状態を示す。
【図9】本発明の実施形態に係る台所部材の斜視図である。
【図10】図9の台所部材の裏面側から見た斜視図であり、カウンター部領域補強部材同士の結合箇所を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、本発明の実施形態に係る台所部材の製造方法、及び台所部材の構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明は、実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって、本願発明が制限して理解されるべきではない。
【0034】
本発明の実施形態に係る台所部材1の概略について説明する。台所部材1は、図1に示すように台所80に実装されるものである。台所部材1は、加熱調理台82(コンロ設置領域10)と、作業台83(カウンター部領域20)と、流し台84(水槽状部領域30)が一体成形され、一体成形天板2を構成している。台所部材1(一体成形天板2)は、図2に示すように表面層4と補強部材5の2層で構成されている。なお、加熱調理台82(コンロ設置領域10)にはコンロ85が実装されている。
【0035】
つぎに本発明の実施形態に係る台所部材1の製造方法について説明する。第1工程である補強部材製造工程では、図3に示すように台所部材1の補強部材5を製造する。補強部材5は、一体成形される台所部材1の土台となる骨組みを指し、FRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化プラスチック)等の安価な材料で製造することや、ポリウレタン等の安価な材料を用いてRIM成形法(Reaction Injection Molding;反応射出成形)で製造することが望ましい。
【0036】
補強部材5は、コンロ設置領域補強部材11と、カウンター部領域補強部材21と、水槽状部領域補強部材31から構成される。コンロ設置領域補強部材11は、加熱調理台82(コンロ設置領域10)の土台となる部材であり、コンロ設置用開口部12を有し、背面側に平板状部位14とリブ15を有している。水槽状部領域補強部材31は、流し台84(水槽状部領域30)の土台となる部材であり、水槽状部32を有し、背面側に平板状部位34とリブ35を有している。なお、水槽状部32は、排水口33を備えている。カウンター部領域補強部材21は、作業台83(カウンター部領域20)の土台となる部材であり、背面側に平板状部位24とリブ25を有している。
【0037】
ここで、平板状部位24とリブ25について詳述すると、図4(a)、図4(b)に示すように、平板状部位24の端面99は「凹凸形状」であるため、後述する樹脂70が平板状部位24と接触する面積を大きくすることができ、各領域補強部材同士の接着強度を高くすることができる。
【0038】
リブ25は格子状の形状を成し、カウンター部領域補強部材21の補強部としての役割を果たすとともに、台所部材1に厚みを持たせることができ、且つ軽量に仕上げることができる。また、リブ25の端面は突き合わされ部95として、隣接する領域補強部材のリブ同士を接合する際に機能を果たす。なお、平板状部位14とリブ15、平板状部位34とリブ35についても、平板状部位24とリブ25と同様の構造であるため、説明と図示を省略する。
【0039】
つぎに図5に示すように、第2工程及び第3工程で使用する成形型7について説明する。成形型7は、補強部材5の表面に樹脂成形を行うためのものであり、工具鋼等の硬さと耐摩耗性に優れた材質で作られ、上金型40(型片)と下金型50(型片)から構成される。上金型40は水槽状部用凸部41と樹脂注入用孔42を備え、下金型50は水槽状部用凹部51とリブ固定用溝52を縦横方向に複数個備えている。
【0040】
リブ固定用溝52は、補強部材5の各リブ15、25、35を係合可能であり、コンロ設置領域補強部材11と、カウンター部領域補強部材21と、水槽状部領域補強部材31の位置合わせが容易にでき、且つ高精度な台所部材1を製造可能である。
【0041】
また、図6に示すように、リブ固定用溝52に対して選択的にガスケット60(シール部材)を装着可能であり、ガスケット60の装着位置を変更することによって後述する樹脂充填空間55を変更可能である。
【0042】
つぎに第2工程である補強部材設置工程では、図7に示すように、例えば下金型50にコンロ設置領域補強部材11を1つ、カウンター部領域補強部材21を2つ、水槽状部領域補強部材31を1つ配置した後、上金型40を組み合わせると、上金型40の裏面側と補強部材5の表面側との間には、均一な厚みを有した樹脂充填空間55が形成される。なお、水槽状部用凹部51には、水槽状部領域補強部材31の水槽状部32が係合し、水槽状部用凸部41と水槽状部32との間にも、樹脂充填空間55が形成される。この時、補強部材5の各リブ15、25、35は、リブ固定用溝52に嵌められており、1つのコンロ設置領域補強部材11(コンロ設置領域10)と、2つのカウンター部領域補強部材21(カウンター部領域20)と、1つの水槽状部領域補強部材31(水槽状部領域30)とは、各々隙間Sが空いた状態で配置されている。
【0043】
つづいて、第3工程である樹脂充填工程では、図8に示すように、樹脂注入用孔42から溶融した樹脂70を圧入すると、樹脂充填空間55内に樹脂70が充填される。このことにより、1つのコンロ設置領域補強部材11と、2つのカウンター部領域補強部材21と、1つの水槽状部領域補強部材31の表面は樹脂70でくまなく覆われ、前記隙間Sにも樹脂70が入り込む。そして、樹脂70が冷却されると、図9に示すように、コンロ設置領域10と、カウンター部領域20と、水槽状部領域30が一体成形された台所部材1(一体成形天板2)が完成する。
【0044】
また、台所部材1の裏面側は、図10に示すように、隣接するカウンター部領域補強部材21同士は、各々リブ25の突き合わされ部95同士が突き合わされ、樹脂70が突き合わされ部95同士の間に回り込んで隣接するカウンター部領域補強部材21同士を接合している。なお、隣接するコンロ設置領域補強部材11とカウンター部領域補強部材21、隣接するカウンター部領域補強部材21と水槽状部領域補強部材31も前記と同様であるので、説明は省略する。
【0045】
本実施形態では、1つのコンロ設置領域補強部材11と、2つのカウンター部領域補強部材21と、1つの水槽状部領域補強部材31を接続した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カウンター部領域補強部材21を10以上接続しても構わない。つまり、1つの成形型7で、長さの異なる台所部材1や、カウンター部領域補強部材21と水槽状部領域補強部材31を接続しただけの台所部材1など、多種多様に製造することができる。
【0046】
本実施形態では、台所部材1(一体成形天板2)の形状を直線状とする例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、U字型やL字型等の台所部材1の基本形状となる成形型7を用意するだけで、長さや組合せの異なる台所部材1を自在に製造できる。よって、大量生産に好適である。
【0047】
あるいは、成形型7を、コンロ設置領域10と、カウンター部領域20と、水槽状部領域30とで各々分離し独立した形状のものとし、それぞれの成形型7を複数組み合わせることで、多種多様な台所部材1を製造しても構わない。例えば、コンロ設置領域補強部材11と、水槽状部領域補強部材31の数を各々1又は2以上というように自由に組み合わせることも可能である。さらに、分離し独立した形状の成形型7を複数組み合わせて、U字型やL字型等の台所部材1を製造することも可能である。
【0048】
樹脂70については、例えば高級感のある人造大理石樹脂を用いることが好適である。このことにより、台所部材1(一体成形天板2)は外見上、人造大理石シンク(水槽状部)を有した一枚板状の高級感のある天板となる。
【0049】
ちなみに、人造大理石樹脂には、アクリル樹脂に無機物等を混入させたアクリル系人造大理石樹脂や、ポリエステル樹脂に無機物等を混入させたポリエステル系人造大理石樹脂等があるが、耐衝撃性と耐熱性に優れたアクリル系人造大理石樹脂を用いることが望ましい。
【符号の説明】
【0050】
1 台所部材
5 補強部材(領域補強部材)
7 成形型
10 コンロ設置領域
11 コンロ設置領域補強部材
14 平板状部位
15 リブ
20 カウンター部領域
21 カウンター部領域補強部材
24 平板状部位
25 リブ
30 水槽状部領域
31 水槽状部領域補強部材
34 平板状部位
35 リブ
40 上金型
50 下金型
52 リブ固定用溝
55 樹脂充填空間
60 ガスケット(シール部材)
70 樹脂
95 突き合わされ部
99 端面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽状部領域とカウンター部領域とコンロ設置領域の内の少なくとも2つの領域が一体化された台所部材の製造方法において、各領域の裏面側又は内面側を構成する領域補強部材を製造する補強部材製造工程と、当該領域補強部材を成形型に設置する補強部材設置工程と、成形型に樹脂を充填する樹脂充填工程とを有し、前記成形型は、領域補強部材を取付け可能であって、取り付けられた領域補強部材の表面側と成形型の内面との間に樹脂充填空間を形成するものであり、樹脂充填工程で充填される樹脂によって複数の領域補強部材の表面側が一体的に覆われて領域補強部材同士が接合されることを特徴とする台所部材の製造方法。
【請求項2】
前記領域補強部材は裏面側にリブを有し、成形型は前記リブを保持する溝部が設けられ、成形型の溝部に領域補強部材のリブを係合して領域補強部材を成形型に設置可能であることを特徴とする請求項1に記載の台所部材の製造方法。
【請求項3】
前記領域補強部材は裏面側にリブを有し、成形型内で隣接する領域補強部材は、リブの一部が突き合わされ、樹脂がリブ同士の突き合わされ部に回り込んで隣接する領域補強部材のリブ同士を接合することを特徴とする請求項1又は2に記載の台所部材の製造方法。
【請求項4】
成形型は少なくとも二つの型片によって構成され、当該型片で囲まれた領域に領域補強部材を設置するものであり、前記型片の少なくとも一方に一又は2以上の溝が設けられ、成形型全体としては前記溝が複数存在し、当該溝に対して選択的にシール部材を装着可能であり、シール部材の装着位置を変更することによって樹脂充填空間を変更可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の台所部材の製造方法。
【請求項5】
前記領域補強部材は平板状部位と、当該平板状部位の背面に設けられ補強部を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の台所部材の製造方法。
【請求項6】
平板状部位の端面は凹凸形状であり、成形型内に隣接して設置される領域補強部材は、前記凹凸形状同士が合致することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の台所部材の製造方法。
【請求項7】
台所部材は、1又は2以上の水槽状部領域と、1又は2以上のカウンター部領域と1又は2以上のコンロ設置領域を有するものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の台所部材の製造方法。
【請求項8】
1又は2以上の水槽状部領域と、1又は2以上のカウンター部領域と1又は2以上のコンロ設置領域を有する台所部材において、各領域の裏面側又は内面側には、それぞれ別途成形された領域補強部材が内蔵され、当該領域補強部材は、平板状部位と平板状部位の背面側に設けられたリブを有し、前記平板状部位の端面は凹凸形状であり、隣接して設置される領域補強部材は、前記凹凸形状同士が合致し、全ての領域補強部材の表面側が一体的に覆われて領域補強部材同士が接合され、さらに樹脂の一部が平板状部位の端面の前記凹凸形状に回り込んでいて領域補強部材の平板状部位の端面同士を接合していることを特徴とする台所部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−24785(P2011−24785A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173851(P2009−173851)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】